JPH10133695A - 音響信号符号化方法および音響信号復号化方法 - Google Patents

音響信号符号化方法および音響信号復号化方法

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JPH10133695A
JPH10133695A JP8285031A JP28503196A JPH10133695A JP H10133695 A JPH10133695 A JP H10133695A JP 8285031 A JP8285031 A JP 8285031A JP 28503196 A JP28503196 A JP 28503196A JP H10133695 A JPH10133695 A JP H10133695A
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明夫 神
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直樹 岩上
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和永 池田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレーム間の連続性を維持し、かつ時間領域
の予測やフィルタ処理を可能とする。 【解決手段】 入力サンプルを1フレーム(N点)重複
させたら2N点づつ取出し(11)、2N点の窓関数を
掛け(12)、その結果、2N点のx(n)に対し、初
めのN/2長のx(i),(i=0,…,N/2−1)
を時間的に反転して次のN/2のx(i),(i=N/
2,…,N−1)から引き、終りのN/2長のx
(i),(i=N+N/2,…,2N−1)を時間的に
反転してその直前のN/2のx(i),(i=N,…,
N+N/2−1)に加えて、前処理41を行い、この結
果y(n)に対して逆フィルタ処理42を施して残差信
号z(n)を得、これをDCTして周波数領域係数v
(k)とし(33)、v(k)を重みつき量子化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は音声や音楽などの
音響信号を、周波数領域に変換して能率よく量子化する
符号化方法及びその復号化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】音声や音楽などの音響信号を少ないビッ
ト数で符号化する際に周波数領域で量子化する手法がよ
く知られている。変換にはDFT(離散フーリエ変
換)、DCT(離散コサイン変換)MDCT(変形離散
コサイン変換)などが使われる。量子化の前に周波数領
域の係数を平坦化する目的で線形予測分析が有効である
ことも知られている。これらの技術を組み合わせて音響
信号の広い範囲の信号に対して品質の高い符号化を実現
する方法の例として音響信号変換符号化方法および復号
化方法(特願平7−52389)がある。この処理を図
1に示す。
【0003】デジタル信号とされた音響信号は、フレー
ム分割処理11でそのN入力サンプル(1フレーム)ご
とにN個づつ重複させて過去2×Nサンプルの入力系列
が抽出され、その2×N個のサンプルの系列に対し時間
窓掛処理12で2Nの窓関数(時間窓)が掛けられる。
窓関数W(n)としては、例えばハニング窓が用いられ
る。
【0004】この窓関数が掛けられた信号x(n)は例
えばN次のMDCT(Modified Discre
te Cosine Transform:変形離散コ
サイン変換)処理13で変形離散コサイン変換されて周
波数領域係数(周波数軸上のそれぞれの点におけるサン
プル値)y(k)に変換される。また窓掛処理12で得
られた信号x(n)は線形予測分析過程14で線形予測
分析され、P次の予測係数α0 ,…,αp が求められ
る。この予測係数α0 ,…,αp は量子化処理15で例
えばLSPパラメータに変換されてから量子化され、ス
ペクトラム概形を示すインデックスIp が得られる。こ
の例では量子化処理15で量子化されたLSPパラメー
タからスペクトラム概形計算処理16で線形予測係数α
0 ,…,α p のパワースペクトル包絡(電力伝達関数)
の平方根を計算し、MDCT係数の振幅包絡の近似とす
る。この計算されたスペクトル包絡によりMDCT係数
が平坦化処理17で割算される。またスペクトラム概形
計算処理16で計算されたスペクトラム包絡については
重み計算処理18で聴覚特性に応じた重みつき係数を計
算し、この重みつき係数を用いて、平坦化処理17で平
坦化されたMDCT係数v(k)が、重みつき量子化処
理19で聴覚重みつき量子化がなされ、その量子化イン
デックスIM が出力される。
【0005】復号化方法はインデックスIP ,IN が逆
量子化処理21でそれぞれ逆量子化され、LSPパラメ
ータと、平坦化係数v^(k)が得られ、そのLSPパ
ラメータはスペクトラム概形計算処理22でスペクトル
包絡特性の平方根が計算され、その計算結果で平坦化係
数v^(k)が逆平坦化処理23により割算され、その
割算結果x^(n)が逆MDCT処理24で逆変形離散
コサイン変換されて時間領域信号x^(n)とされ、そ
の時間領域信号x^(n)は1フレーム(Nサンプル)
ごとにN個づつ重複して取出された2N個のサンプルに
対し、窓掛処理25で窓関数が掛けられる。その窓関数
が掛けられた2×N個のサンプルは重ね合わせ処理26
で現フレームの前半Nサンプルと、前フレームの後半N
サンプルとが互いに加算されて、そのNサンプルを現フ
レームの再生音響信号とする。
【0006】MDCTはフレーム境界雑音が出ないとい
う利点があるが、変換と逆変換の操作で、時間領域の信
号が折り返されて、もとの時間領域の波形が再生されな
い。このため線形予測フィルタや合成フィルタと組合わ
せることができない。またMDCT係数を線形予測のス
ペクトル包絡で平坦化するためにはスペクトル包絡特性
の逆数を求める必要があった。符号化処理では変換係数
のサンプル毎にスペクトル包絡特性の平方根の逆数をか
け、復号化処理では変換係数のサンプルをスペクトル包
絡特性の平方根の逆数で割り算を行なう必要があった。
特に復号化処理ではこの割り算などの演算量が問題とな
っていた。
【0007】DCT(離散コサイン変換)であれば、M
DCTのように等価的に時間領域の信号を折り返すこと
がないので、時間領域の通常の逆フィルタの操作が合成
フィルタの操作で可逆操作になる。この処理は図4に示
される。この場合はフレーム分割処理31で入力デジタ
ル音響信号はNサンプルごとに分割され、これは逆フィ
ルタ処理32で逆フィルタを通されて線形予測残差波形
が得られ、この残差波形に対し、DCT処理でDCTが
行われて周波数領域係数とされ、この周波数領域係数は
重みつき量子化処理34で聴覚重みつき量子化がなさ
れ、符号化コードが出力される。復号化処理は、入力さ
れた符号化コードが逆量子化処理35により逆量子化さ
れて周波数領域係数が再生され、これが逆DCT処理3
6で逆離散コサイン変換されて時間領域の残差波形とさ
れ、その残差波形は合成フィルタ処理37で線形予測合
成フィルタへ通されて、音響信号が再生される。
【0008】以上のようにDCTを用いることにより線
形予測分析の逆フィルタを通した信号を周波数領域に変
換することで平坦化された係数を求めることができる
し、またその逆変換された信号を合成フィルタを通すこ
とでもとのスペクトル包絡特性を再生できる。ただし、
DCTではフレーム境界の不連続雑音が問題となる場合
があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、フ
レーム境界の雑音を抑えつつ処理量の削減や予測効率を
改善する音響信号符号化方法及び音響信号復号化方法を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明符号化方法によ
れば、前のフレームと重複させて、フレームの更新の長
さNの2倍の窓関数をかけることでサンプルx(i),
(i=0,…,2N−1)を作成し、x(i)中のN/
2の長さのサンプルx(i),(i=0,…,N/2−
1)を時間的に反転した上でx(i)中のN/2の長さ
のサンプルx(i),(i=N/2,…,N−1)から
それぞれ引き、x(i)中のN/2の長さのサンプルx
(i),(i=N+N/2,…,2N−1)を時間的に
反転した上でx(i)中のN/2の長さのx(i),
(i=N,…,N+N/2−1)にそれぞれ加えること
でN点のy(i)を作成し、y(i)に対して近接予測
(例えば部分自己相関予測)と長期予測(例えばピッチ
予測)のどちらかまたは両方の線形予測分析を行ない、
その予測係数を係数とする逆フィルタにy(i)を通し
て予測残差信号z(i),(i=0,…,N−1)を作
成し、そのz(i)をコサイン変換で周波数領域係数v
(i),(i=0,…,N−1)を作成し、そのv
(i)を量子化して符号化出力を得る。
【0011】この場合、入力信号がピッチの周期性をも
つ音声か、一般の音楽かを判別し、その判別が音声の可
能性の強い時は窓関数のフレームにまたがる重複を少な
くし(重なりゼロを含む)、音楽の可能性が強い時は窓
関数のフレームにまたがる重複を大きくすることができ
る。この発明の復号化方法によれば、逆量子化により作
成した周波数領域の係数v^(i),(i=0,…,N
−1)を逆コサイン変換して再生残差信号z^(i),
(i=0,…,N−1)を作成し、近接予測と長期予測
のどちらかまたは両方の線形予測分析(後方予測)を行
なうか、入力された符号を復号することで、予測係数を
作成し(前方予測)、その係数を使用した線形予測合成
フィルタにz^(i)を通して信号y^(i),(i=
0,…,N−1)を作成し、y^(i)中の前半のN/
2の長さのサンプルy^(i),(i=0,…,N/2
−1)に−1をかけて、時間的に反転してy^(i)の
フレームの前に拡張し、y^(i)中の後半のN/2の
長さのy^(i),(i=N/2,…,N−1)を時間
的に反転したy^(i)のフレームのあとに拡張してサ
ンプルx^(i),(i=0,…,N−1)を得、この
x(i)に対しフレーム長さNの2倍の窓関数をかけ
て、前後のフレームの後半と前半との波形を重ね合わせ
て再生音響信号を得る。
【0012】以上のように、従来の線形予測分析を併用
する変換符号化ではMDCTと時間領域のフィルタ操作
を共存させることができなかったが、この発明において
は、MDCTを前処理ステップとDCTステップとに、
またMDCTを逆DCTステップと後処理ステップとに
それぞれ分割して、これの途中段階の信号に対しそれぞ
れ逆フィルタ処理、また合成フィルタ処理を適応したも
のであり、フレーム境界の雑音を抑えたまま、演算量の
削減や時間領域の予測による歪削減が実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1Aにこの発明による符号化方
法の実施例を示す。Nづつの重なりをもった2N点の入
力波形からN点の周波数領域の係数を求め量子化する点
では従来のMDCTにもとづく符号化方法と同じであ
る。つまり、入力信号をフレーム分割処理11でN点づ
つ重複した2N点の波形に分割し、この各2N点の波形
に対して、窓掛処理12で2N点長の窓関数win(n)
をかけて2N点サンプルx(i),(i=0,…,2N
−1)を得る。
【0014】この発明では前処理41でサンプルのなら
べかえを行う。これを分かりやすくするために、通常の
MDCTの場合を考える。窓関数がかけられた系列をx
(n)とすると、このx(n)は下記に定義されるMD
CTを適用するとN点の係数Y(k)が得られる。 Y(k) =Σi=0 2N-1 x(i)cos{π(2i+1+N)(2k+1) /(4N) }…(1) このMDCTの変換関数、つまり cos{π(2i+1+
N)(2k+1)/(4N)}は例えばN=32とする
と、k=0、k=1、k=2、k=31のそれぞれにつ
いて、図5A,B,C,Dに示すようになる。これらの
曲線の前半(0〜N,i/N=0〜1)ではN/2(i
/N=0.5)を中心とする奇対称関数であり、後半
(N〜2N,i/N=1〜2)では3N/2(i/N=
1.5)を中心に偶対称関数である。この発明ではこの
性質を使って、MDCTを直接行うのではなく前処理と
コサイン変換に分割して処理する。MDCTによる時間
領域でのサンプルは、i/N=0〜0.5、i/N=
1.5〜2とそれぞれ乗算されるものである。そしてM
DCTは(1)式で示したようにx(i)との図5の関
数との積和演算であるから、前処理41では各フレーム
の先頭からN/2(i/N=0〜0.5)の長さのサン
プルx(i),(i=0,…,N/2−1)を時間的に
反転した上で次のN/2の長さのサンプルx(i),
(i=N+N/2,…,2N−1:i/N=0.5〜
1)から引き、またフレームの最後のN/nの長さのサ
ンプルx(i),(i=N+N/2,…,2N−1:i
/N=1.5〜2)を時間的に反転した上でその直前の
N/2の長さのサンプルx(i),(i=N,…,N+
N/2−1:i/N=1,…,1.5)に加えることに
より、前処理41の処理を行う。
【0015】つまり前処理41の折り返し処理は次式で
表わせる。 y(i) =x(N/2+i)−x(N/2−1−i),(i=0,…,N/2 −1) y(i) =x(N/2+i)+x(5N/2 −1−i),(i=N/2 ,…,N−1) …(2) この折り返し処理結果y(i)に対して、下記のN点の
DCT(離散コサイン変換)を行うと、通常のMDCT
係数v(k)と同一のものとなる。
【0016】 v(k) =Σi=0 N-1 y(i)cos{π(2i+1+2N) (2k+1) /(4N) } …(3) この発明ではy(i)に対して、逆フィルタ処理42で
αj ,(j=1,…,p)をp次の予測係数とする線形
予測逆フィルタを通して、つまり次式の演算を行って予
測残差信号z(i)を求める。
【0017】 z(i) =y(i) +Σj=1 p αj y(i−j),(i=0,…,N−1) …(4) なお予測係数αj はy(i)を線形予測分析して求め
る。またフレームの先頭、つまりi<pでは現在のフレ
ームy^(i)のかわりに前のフレームのy^(i)の
最後の(p−i)点を使えばよい。
【0018】次にz(i)に対して式(3)と同じコサ
イン変換をDCT処理33で行ない、周波数領域係数v
(i)を求め、このv(i)を重みつき量子化処理19
で聴覚重みつき量子化する。つまりMDCTを前処理4
1とDCT処理33との複数の処理で行い、その途中で
逆フィルタ処理42を行う。予測残差信号はスペクトル
包絡がほぼ平坦になっており、z(i)に対してコサイ
ン変換(DCT)を適用すると全帯域でほぼ平坦な係数
v(i)が得られる。このため量子化するにあたっても
通常のMDCT係数の平坦化処理17(図3A)は不要
となる。逆フィルタ処理42は上記の例では線形予測係
数αi を用いた近接予測であるが、ピッチ予測のような
長期予測またはその両方であってもよい。予測係数αi
は別に量子化して送出してもよいし(前方予測)、過去
の合成波形から推定してもよい(後方予測)。DCT係
数の量子化にはスペクトル包絡の重みがついた距離尺度
での量子化またはスペクトル包絡に応じた適応ビット割
り当て量子化が好ましい。
【0019】この発明の復号化方法の実施例を図1Bに
参照して説明する。復号化においてN点の係数から逆変
換により2N点の波形を作り、前後のフレームとN点づ
つ重ね合わせて合成するのでは、従来のMDCTにもと
づく復号化方法と同一である。逆量子化処理21で入力
された符号から平坦化されたDCT係数v^(k)を再
生する。この発明ではこの係数v^(k)に対し、逆D
CT処理36で式(5)の演算により逆DCTを行な
い、残差信号z^(i)を再生する。
【0020】 z^(i) =Σv^(k)cos(π(2i+1+2N)(2k+1)/(4N)) …(5) Σはk=0からN−1まで次にこの再生残差信号z^
(i)に対し、合成フィルタ処理44で式(6)の演算
により線形予測合成フィルタ処理を行う。
【0021】 y^(i) =z^(i) −Σj=1 p αj y^(i−j),(i=0,…,N−1) …(6) なおフレームの先頭、つまりi<pでは現在のフレーム
y^(i)のかわりに前のフレームのy^(i) の最後の
(p−i)点を使えばよい。このy^(i) から後処理4
5で2N点の信号x(i)を再生する。
【0022】この後処理45では各フレームの前半のN
/2の長さのサンプルy^(i),(i=0,…,N/
2−1)に−1をかけ、かつ、時間的に順序を反転し
て、y^(i)のフレームの前に拡張し、各フレームの
後半のN/2の長さのサンプルy^(i),(i=N/
2,…,N−1)を時間的に順序を反転して、y^
(i)のフレームのあとに拡張してx^(i)を作る。
すなわち、x^(i)は次のようになる。
【0023】 i=0,…,N/2でx^(i) =−y^(N/2−1−i) i=N/2,…,3N/2−1でx^(i) =y^(i−N/2) i=3N/2,…,2N−1でx^(i) =y^(5N/2−1−i) …(7) 次に窓掛処理25で窓関数wout (i)をx^(i)に
かけ、その後、重ね合わせ処理26で現フレームの前半
のx^(i)を前フレームの後半のx^(i)と重ね合
わせて、出力波形、つまり再生音響信号を得る。なお入
力の窓関数win(i)と出力の窓関数wout (i)の間
には次の関係があればよい。
【0024】 wout (i) win(i) +wout (2N−1−i)win(2N−1−i)=1, (i=1,…,2N−1) …(8) この発明の符号化方法の他の実施例は、上記窓関数を入
力信号によって切り換えるものである。 win(i) =sin (iπ/(2N)),i=0,…,2N−1 …(9) で定義される窓であれば50%の重なりをもつので、定
常的な音楽でもフレーム境界雑音はほとんど発生しな
い。ところが変化が比較的早い場合、またはピッチ周期
が明確な場合は重複を少なくする方が時間領域の線形予
測やピッチ予測の効果が大きくなり、歪が小さくなる。
重なり部分の長さをMとすると、次のような窓となる。
【0025】 win(i) =0 0<iN/2−M/2 win(i) =sin ((i−N/2+M/2)π/(2M)) N/2−M/2<N/2+M/2 win(i) =1 N/2+M/23N/2−M/2 win(i) =sin ((i−3N/2+3M/2)π/(2M)) 3N/2−M/2<i3N/2+M/2 win(i) =0 3N/2−M/2<i2N …(10) 式(9)の窓の場合M=Nでの重なりは図2Aに示すよ
うになり、M=N/2での重なりは図2Bに示すように
なり、M=0で図2Cに示すように重なりはゼロにな
る。Mが小さいとピッチ予測ができて音声の歪は小さく
できるが、定常音ではフレーム境界雑音が出る場合があ
る。そこで入力にあわせて例えば音声入力の場合はM=
0とし、音楽入力の場合はM=Nと適応的に重なりMを
調整し、最も好ましい重なりを選択することで、いろい
ろな入力に対応できる。その際に重なりを指定する符号
を補助情報として送出すれば、復号器で再生できる。つ
まり復号化方法において入力符号中の重なりを指定する
符号に応じて窓関数のフレームにまたがる重複を変更す
る。
【0026】窓をかけたあとの逆フィルタや量子化処理
は入力に関係なく共通に効率よくできるので符号化シス
テム、復号化システムを複数持って切り換えるよりコン
パクトに構成できる。
【0027】
【発明の効果】この発明によれば、時間領域での重ね合
わせによるフレーム境界での連続性を維持するというM
DCTの特徴を生かしながら、時間領域の予測やフィル
タ処理が可能になり、量子化歪を小さくすることができ
る。また復号器でのスペクトル包絡やMDCT係数毎の
割り算を合成フィルタの演算に置き換えることが可能
で、演算量も削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aはこの発明の符号化の処理過程を示す図、B
はこの発明の復号化の処理過程を示す図である。
【図2】この発明の第3の実施例を説明するための窓関
数の重複状態の各種例を示す図。
【図3】AはMDCTに基づく従来の符号化方法の処理
過程を示す図、Bはその復号化方法の処理過程を示す図
である。
【図4】AはDCTと合成フィルタに基づく従来の符号
化の処理過程を示す図、Bはその復号化処理過程を示す
図である。
【図5】MDCTの変換係数の例を示す図。
フロントページの続き (72)発明者 池田 和永 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 三樹 聡 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数サンプルからなるフレーム単位の入
    力信号を周波数領域に変換して量子化する符号化方法に
    おいて、 前のフレームと重複させて、フレームの更新の長さNの
    2倍の窓関数をかけることでサンプルx(i),(i=
    0,…,2N−1)を作成する処理と、 上記サンプルx(i)中のN/2の長さのサンプルx
    (i),(i=0,…,N/2−1)を時間的に反転し
    た上で上記サンプルx(i)中の長さN/2のx
    (i),(i=N/2,…,N−1)からそれぞれ引
    き、x(i)中のN/2の長さのサンプルx(i),
    (i=N+N/2,…,2N−1)を時間的に反転した
    上でx(i)中のN/2の長さのx(i),(i=N,
    …,N+N/2−1)にそれぞれ加えることでN点のy
    (i),(i=0,…,N−1) すなわち、 i=0,…,N/2−1で、y(i) =x(N/2+i)
    −x(N/2−1−i) i=N/2,…,N−1で、y(i) =x(N/2+i)
    +x(5N/2−1−i) を求める処理と、 y(i)に対して近接予測と長期予測のどちらかまたは
    両方の線形予測分析を行ない、その予測係数を係数とす
    る逆フィルタにy(i)を通すことで予測残差信号z
    (i),(i=0,…,N−1)を作成する処理と、 上記予測残差信号z(i)をコサイン変換で周波数領域
    の係数v(i),(i=0,…,N−1)を作成する処
    理と、 上記周波数領域の係数v(i)を量子化して、符号化出
    力を得る処理とからなることを特徴とする音響信号符号
    化方法。
  2. 【請求項2】 上記入力信号がピッチの周期性をもつ音
    声か、一般の音楽かを判別する処理を備え、上記判別が
    音声の可能性の強い時には、上記窓関数のフレームにま
    たがる重複を少なくし、音楽の可能性が強い時には窓関
    数のフレームにまたがる重複を大きくすることを特徴と
    する請求項1記載の音響信号符号化方法。
  3. 【請求項3】 周波数領域に変換して量子化した符号か
    ら音声音響信号をフレーム単位で再生する方法であっ
    て、 逆量子化により作成した周波数領域の係数v^(i),
    (i=0,…,N−1)を逆コサイン変換で再生残差信
    号z^(i),(i=0,…,N−1)を作成する処理
    と、 近接予測と長期予測のどちらかまたは両方の線形予測分
    析(後方予測)を行なうか、入力された符号を復号する
    ことで、予測係数を作成し(前方予測)、その係数を使
    った線形予測合成フィルタに上記再生残差信号z^
    (i)を通すことでサンプルy^(i),(i=0,
    …,N−1)を作成する処理と、 上記サンプルy^(i)中の前半のN/2の長さのサン
    プルy^(i),(i=0,…,N/2−1)に−1を
    かけて、時間的に反転して、上記サンプルy^(i)の
    フレームの前に拡張し、サンプルy^(i)中の後半の
    N/2の長さのサンプルy^(i),(i=N/2,
    …,N−1)を時間的に反転したy^(i)のフレーム
    のあとに拡張してx^(i)、すなわち、 i=0,…,N/2でx^(i) =−y^(N/2−1−
    i) i=N/2,…,3N/2−1でx^(i) =y^(i−
    N/2) i=3N/2,…,2N−1でx^(i) =y^(5N/
    2−1−i) を求める処理と、 x^(i)に対してフレームの長さNの2倍の窓関数を
    かけ、前後のフレームの波形と重ね合わせる処理とから
    なることを特徴とする音響信号復号化方法。
  4. 【請求項4】 入力信号中の重なりを指定する情報に応
    じて上記窓関数のフレームにまたがる重複を変更するこ
    とを特徴とする請求項3記載の音響信号復号化方法。
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