JPH10129464A - 空気浮上車両 - Google Patents

空気浮上車両

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JPH10129464A
JPH10129464A JP29290896A JP29290896A JPH10129464A JP H10129464 A JPH10129464 A JP H10129464A JP 29290896 A JP29290896 A JP 29290896A JP 29290896 A JP29290896 A JP 29290896A JP H10129464 A JPH10129464 A JP H10129464A
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JP
Japan
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air
vehicle
pair
injection device
propellers
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Application number
JP29290896A
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English (en)
Inventor
Atsushi Nishimura
敦 西村
Toshifumi Ichihashi
敏史 市橋
Kazunori Kobayashi
一範 小林
Kenichi Suzuki
賢一 鈴木
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 全体の重量が重くても小さな動力で車両の一
部を浮上させ、走行可能にする。 【解決手段】 空気浮上車両10は、直線状部位24a
と筒状部位24bとからなるフレーム24に対して、バ
ランスウエイト12、車輪14、補助輪36、一対のプ
ロペラ30,32(空気噴射装置)、ルーバー34(偏
向装置)等が設けられている。一対のプロペラ30,3
2から噴射される空気に基づいて生ずる浮力によって、
車両10の一部が車輪14を支点として浮上する。ここ
で、バランスウエイト12によって浮上のために必要な
動力が軽減され、ルーバー34の作動によって噴射する
空気の向きが変えられる。そのため、車両10の車両重
量が重くても小さな動力でその車両10の一部を浮上さ
せることができる。また、車両10の一部が浮上するこ
とにより推力が発生するので、車両10を走行させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気浮上車両に関
し、小さな動力で車両の一部を浮上させて走行可能にす
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】空気浮上車両に関する技術の一例が特開
平7−33223号公報に開示されている。当該技術で
は、資材を積載する積載部に、空気を噴射する空気噴射
装置が備えられている。その空気噴射装置から噴射され
た空気の圧力によって、積載部の全体が浮上する。こう
して、空気噴射装置によって資材と積載部とを浮上さ
せ、所望の位置まで移動させることが可能になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、資材と積載部
とを空気によって浮上させるには、それら全体の重量に
対応するだけの空気を噴射しなければならない。そのた
め、全体の重量が重くなるにつれて空気の噴射量も多く
なり、大きな動力が必要であった。本発明はこのような
点に鑑みてなされたものであり、全体の重量が重くても
小さな動力で車両の一部を浮上させ、走行可能にした空
気浮上車両を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための第1の手段】請求項1に記載の
発明は、空気を噴射する空気噴射装置と車輪とを備えて
おり、その空気噴射装置から噴射された空気の圧力によ
って浮上する空気浮上車両において、車輪に関して空気
噴射装置とは反対側に設けられ、車体重量よりも軽量の
バランスウエイトを有することを特徴とする。請求項1
に記載の発明によれば、空気噴射装置から噴射される空
気に基づいて生ずる浮力によって、車両の一部(すなわ
ち空気噴射装置が設けられた側)が車輪を支点として浮
上する。この浮上の際、車輪に関して空気噴射装置とは
反対側に設けられたバランスウエイトによって、浮上の
ために必要な動力が軽減される。そのため、車両全体の
重量が重くても小さな動力でその車両の一部を浮上させ
ることができる。また、車両の一部が浮上することによ
り推力が発生するので、車両を走行させることが可能に
なる。
【0005】
【課題を解決するための第2の手段】請求項2に記載の
発明は、請求項1に記載の空気浮上車両において、その
空気噴射装置は、同一方向に空気を噴射する一対のプロ
ペラを同軸上に備えており、その一対のプロペラは、互
いに反対方向に回転することによって空気を噴射するこ
とを特徴とする。請求項2に記載の発明によれば、同軸
上に設けられた一対のプロペラは互いに反対方向に回転
するので、各プロペラの回転によって生ずる回転モーメ
ント(回転反力)が互いに打ち消される。すなわち、一
のプロペラを回転させると、そのプロペラの回転とは反
対方向に回転モーメントが生ずる。そこで、二枚のプロ
ペラを互いに反対方向に回転させることにより、それぞ
れのプロペラの回転で生ずる回転モーメントを打ち消す
ことができる。そのため、車両を振らせることなく安定
して走行させることができる。
【0006】
【課題を解決するための第3の手段】請求項3に記載の
発明は、請求項1または請求項2に記載の空気浮上車両
において、その空気噴射装置の噴射口には、空気流の上
流側に偏向装置が設けられ、その偏向装置を作動させる
ことによって、噴射する空気の向きを変えることを特徴
とする。請求項3に記載の発明によれば、空気流の上流
側に設けられた偏向装置を作動させることによって、噴
射する空気の向きが変えられる。そのため、車両本体を
旋回させたり、カーブを走行することが可能になる。
【0007】
【課題を解決するための第4の手段】請求項4に記載の
発明は、請求項1〜3に記載の空気浮上車両において、
その車輪の位置よりも空気噴射装置の噴射口側であっ
て、車輪の中心と噴射口の中心とを結ぶ直線の両側とな
る位置に一対の補助輪が設けられ、その一対の補助輪
は、前記空気噴射装置から空気が噴射されていないとき
に前記車輪とともに車両を支持することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、一対の補助輪が車輪と
ともに車両を支持する。そのため、空気噴射装置から空
気が噴射されていないときには、車両本体を安定して静
止させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。ここで、図1には、本発明の空気
浮上車両の一例を示す。図2には、偏向装置による空気
の偏向方法を示す。図3および図4には、空気浮上車両
の使用状態を示す。なお、本実施の形態において、各請
求項に記載された用語との関係では、空気噴射装置は一
対のプロペラ30,32に相当し、偏向装置はルーバー
34に相当し、車両本体はフレーム24に相当する。
【0009】空気浮上車両10は、直線状部位24aと
筒状部位24bとからなるフレーム24に対して、バラ
ンスウエイト12、車輪14、補助輪36、一対のプロ
ペラ30,32、ルーバー34等が設けられている。バ
ランスウエイト12は車輪14に関して一対のプロペラ
30,32とは反対側(以下「前方側」と呼ぶ。)に設
けられており、その車輪14を支点として一対のプロペ
ラ30,32側(以下「後方側」と呼ぶ。)の重量より
も軽い。車輪14には径の大きなものが用いられてお
り、空気浮上車両10が浮上した状態ではその重心位置
が車輪14の中心軸(ホイールセンタ)よりも低くなっ
ている。この車輪14はステアリング18によって操縦
可能になっており、ブレーキレバー16によってブレー
キ44が作動可能になっている。
【0010】動力源としてのエンジン22は、フレーム
24の直線状部位24aに設けられている。具体的に
は、エンジン22として排気量250ccのガソリンエン
ジンを用いて動力を発生させている。そのエンジン22
によって発生した動力(すなわち回転力)は動力伝達機
構を介して伝達され、一対のプロペラ30,32を回転
駆動させる。動力伝達機構は動力伝達用のベルト28,
42と、同軸反転用のデフ26とによって構成されてい
る。すなわち、エンジン22とデフ26との間はベルト
42によって接続されており、デフ26と一対のプロペ
ラ30,32との間はベルト28によって接続されてい
る。デフ26は、プロペラ30とプロペラ32とを互い
に反対方向に回転させるように、エンジン22で発生し
た回転力を分岐する。
【0011】一対のプロペラ30,32はフレーム24
の筒状部位24bに設けられており、図示しない一本の
シャフトによって同軸上に支持されている。このプロペ
ラ30とプロペラ32とには同一形状の羽根が用いられ
る。また、一対のプロペラ30,32の回転速度は、ス
ロットル20によって調整することができる。したがっ
て、スロットル20を開ければ一対のプロペラ30,3
2の回転速度が高くなって空気の噴射量も多くなり、浮
力も大きくなる。このとき、プロペラ30は例えば上か
ら見て時計回り(矢印D2方向)に回転し、プロペラ3
2は同じく反時計回り(矢印D4方向)に回転するよう
に、互いに反対方向に回転する。なお、プロペラ30を
回転させると、プロペラ30の回転方向とは逆方向に回
転モーメントが生ずるが、この回転モーメントはプロペ
ラ30とは逆方向にプロペラ32を回転させていること
で打ち消される。
【0012】ルーバー34はプロペラ32よりも筒状部
位24bの噴射口側(図面下側、すなわち空気流の上流
側)に設けられており、ステアリング18に連動して作
動するようになっている。したがって、ステアリング1
8を操縦すると、一対のプロペラ30,32から噴射さ
れる空気の噴射方向を変えることができる。このルーバ
ー34の構造について、さらに図2を参照しながら説明
する。図2(A)において、ルーバー34には複数枚の
偏向板34aが支持されており、それぞれの偏向板34
aが回動可能(矢印D6方向)になっている。また、図
2(B)において、ルーバー34自体も筒状部位24b
の内壁面に沿って、水平方向(矢印D8方向)に回動可
能に設けられている。そして、偏向板34aの傾斜角お
よび/またはルーバー34自体の回転角は、ステアリン
グ18によって調整することができる。そのため、推力
の方向や強さ、すなわち空気浮上車両10の進行方向
(直進,カーブ走行,左折,右折,旋回等)や走行速度
を変えることができる。なお、図1や図2において複数
枚の偏向板34aを支持するルーバー34の外枠形状は
四角形であるが、筒状部位24bに内壁面に沿う円形で
あってもよく、他の任意形状であってもよい。
【0013】図1に戻り、フレーム24において直線状
部位24aの左右両側には、補助輪36がそれぞれ設け
られている(図1では一方側のみを図示している)。こ
の補助輪36は、その回転中心をアーム40の一端によ
って支持されており、アーム40の他端は直線状部位2
4aに対して揺動自在に支持されている。さらに、アー
ム40はダンパ38によっても直線状部位24aに支持
されている。ダンパ38には、例えばワンボックス車の
バックドアに設けられているものと同様の部材が用いら
れる。この構成によって、空気浮上車両10の車両重量
が補助輪36にかからない状態では、補助輪36が直線
状部位24aから徐々に離れる方向にアーム40が揺動
する。一方、空気浮上車両10の車両重量が補助輪36
にかかっている状態では、補助輪36が直線状部位24
aに対して徐々に近づける方向にアーム40が揺動す
る。こうして、車輪14に関して空気浮上車両10の後
方側が浮上している時には補助輪36が最後に地面から
静かに離れ、その後方側が降下する時には補助輪36か
ら静かに着地する。そのため、浮上や着地の際に発生す
るショックを小さく抑えることができる。
【0014】以上のように構成された空気浮上車両10
の使用方法について、図3,図4を参照しながら説明す
る。図3に示す空気浮上車両10はボディ52によって
ほぼ全体が覆われており、シート50およびスポイラー
54が設けられている。まず、図3(A)において、空
気浮上車両10が静止している状態では、車輪14と補
助輪36とによってその車体重量を支持している。そし
て、乗員60が空気浮上車両10のシート50に搭乗
し、ブレーキ44をかけた状態でエンジン22のスロッ
トル20を開けると、図3(B)に示すように車輪14
に関して空気浮上車両10の後方側が矢印D10方向に
浮上する。そして、ブレーキ44を緩めると、浮上によ
る推力が発生しているため、空気浮上車両10は図3
(C)に示すように矢印D12方向に前進する。なお、
スポイラー54は走行中の過剰な浮上を抑える役割を果
たす。また、ステアリング18を操作することによっ
て、直進のみならず、バック,カーブ走行,左折,右折
等をすることもできる。さらに、ブレーキ44をかけた
状態でステアリング18を操作することによって空気の
噴射方向を変えて、空気浮上車両10を図4に示す車輪
14を支点として矢印D14方向に旋回させることもで
きる。
【0015】このように、本発明の空気浮上車両10に
よれば、一対のプロペラ30,32(空気噴射装置)か
ら噴射される空気に基づいて生ずる浮力によって、その
空気浮上車両10の一部が車輪14を支点として浮上す
る。この浮上の際、車輪14に関して前方側に設けられ
たバランスウエイト12によって、浮上のために必要な
動力が軽減される。そのため、空気浮上車両10の車両
重量が重くても小さな動力でその空気浮上車両10の一
部を浮上させることができる。また、空気浮上車両10
の一部が浮上することにより推力が発生するので、空気
浮上車両10を走行させることができる。さらに、バラ
ンスウエイト12の重量を車輪14に関して後方側の重
量よりもやや軽い程度の重量とすれば、エンジン22や
一対のプロペラ30,32をさらに小さなものを用いる
ことができる。なお、バランスウエイト12によって浮
上に必要な浮力も小さくなるので、プロペラ30,32
の大きさも小さくしたり、あるいは回転数を低く抑える
ことができる。したがって、コンパクトな空気浮上車両
10を提供することができる。また、小さなエンジン2
2を用いたり、プロペラ30,32の大きさを小さくあ
るいは回転数を低くすると、発生する騒音を低くするこ
とができる。さらに、空気浮上車両10は前後のバラン
スを取りながら走行することになるが、大きな径の車輪
14によって重心位置が低いためにコントロールが容易
に行える。
【0016】また、同軸上に設けられた一対のプロペラ
30,32は互いに反対方向に回転するので、各プロペ
ラの回転によって生ずる回転モーメントが互いに打ち消
される。すなわち、一のプロペラを回転させると、その
プロペラの回転とは反対方向に回転モーメントが生ず
る。そこで、一対のプロペラ30,32を互いに反対方
向に回転させることにより、それぞれのプロペラの回転
で生ずる回転モーメントを打ち消すことができる。その
ため、空気浮上車両10を振らせることなく安定して走
行させることができる。さらに、空気流の上流側に設け
られたルーバー34(偏向装置)を作動させることによ
って、噴射する空気の向きが変えられる。そのため、推
力の方向や強さ、すなわち空気浮上車両10の進行方向
(直進,カーブ走行,左折,右折,旋回等)や走行速度
を変えることができる。そして、一対の補助輪36が車
輪14とともに空気浮上車両10を支持する。そのた
め、一対のプロペラ30,32から空気が噴射されてい
ないときには、空気浮上車両10を安定して静止させる
ことができる。
【0017】〔他の実施の形態〕上述した空気浮上車両
10におけるその他の部分の構造,形状,大きさ,材
質,個数,配置および動作条件等については、上記実施
の形態に限定されるものでない。例えば、上記実施の形
態を応用した次の各形態を実施することもできる。 (1)筒状部位24bの内壁面に沿ってルーバー34自
体を水平方向に回動可能に設ける構成に代えて、ルーバ
ー34を筒状部位24bに固定するとともに、ルーバー
34の偏向板34aと交差(望ましくはその向きが互い
に直交)する偏向板を有するルーバー46をさらに固定
する態様としてもよい。これらのルーバー34,46
は、いずれもステアリング18によってそれぞれの偏向
板の角度調整が可能になっている。こうすれば、一方の
ルーバーにおける偏向板を角度調整すると前進またはバ
ックに進行方向を変えることができ、他方のルーバーに
おける偏向板を角度調整するとカーブ走行,左折,右
折,旋回等することができる。 (2)車輪14に代えて雪上用のソリ14aを設けれ
ば、空気浮上車両10aは図6(A)に示すように雪上
を走行することができる。同様に水上用のソリ14bを
設ければ、空気浮上車両10bは図6(B)に示すよう
に水上を走行することができる。
【0018】(3)エンジン22は一対のプロペラ3
0,32のみを回転駆動させる構成に代えて、車輪14
をも選択的に回転駆動させる構成としてもよい。具体的
には、デフ26から車輪14に動力を伝達するための伝
達系(ドライブシャフト等)を設ける。こうすれば、エ
ンジン22からベルト42を介して動力がデフ26に伝
達され、そのデフ26から上記伝達系を通じて車輪14
が駆動される。したがって、一対のプロペラ30,32
を作動させなくても、補助輪36が接地した状態で空気
浮上車両10を移動させることができる。特に、一対の
プロペラ30,32の使用が制限される場所や、駐車の
ための移動等に有利である。 (4)空気浮上車両10は一の車輪14を有する二輪的
態様で実現したが、一対の補助輪36と同様に一対の車
輪をフレーム24の左右両側にそれぞれ有する四輪的態
様としてもよい。さらに必要ならばフレーム24の左右
両側に多数の車輪を配置してもよい。こうすれば、空気
浮上車両10の走行状態を安定させ、転倒を防止するこ
とができる。なお、カーブ走行,左折,右折,旋回等を
容易にするため、各車輪を独立して駆動するデフを設け
るのが望ましい。 (5)車輪14に関して前方側に設けたバランスウエイ
ト12に代えて、エンジン22やデフ26あるいはバッ
テリー等の重量物を任意に選択して設けてもよく、バラ
ンスウエイト12およびエンジン22等を組み合わせて
設けてもよい。こうすれば、車輪14に関して後方側の
重量がより軽くなるので、その後方側を浮上させるのに
必要な動力も小さくすることができる。したがって、空
気浮上車両10全体の重量を軽量化することができ、小
さなエンジン22やプロペラ30,32等を用いて走行
させることができる。
【0019】(6)空気噴射装置は一対のプロペラ3
0,32によって実現したが、フレーム24の直線状部
位24aにコンプレッサを設け、そのコンプレッサから
圧縮した空気を噴射する形態としてもよい。なお、コン
プレッサは1機のみならず、複数機を設ける態様として
もよく、この場合にはフレーム24の直線状部位24a
に対して左右対称に設けるのが望ましい。こうすれば、
一対のプロペラ30,32と同様に空気浮上車両10の
車両重量が重くても、小さな動力で空気浮上車両10の
一部を浮上させ、走行させることができる。また、複数
のコンプレッサから噴射される空気は、対称的に設けら
れたコンプレッサの配置によって、フレーム24の直線
状部位24aに対しても対称となる。そのため、空気浮
上車両10を振らせることなく安定して走行させること
ができる。さらに、空気の噴射量を調整する手段を一部
または全部のコンプレッサに対応して設ければ、空気浮
上車両10の進行方向(前進,バック,カーブ走行,左
折,右折,旋回等)を的確にコントロールすることがで
きる。その他、プロペラやコンプレッサのみならず、ジ
ェット噴射装置等のように空気噴射装置以外の噴射装置
であって、車両重量に応じて空気浮上車両10の一部を
浮上させる噴射装置を用いてもよい。
【0020】(7)プロペラ30とプロペラ32とは同
一形状の羽根を用いたが、異なる形状の場合にはデフ2
6内のギア比を適切に設定しておく(あるいは変える)
ことによって同じ回転力を発生するように動力伝達する
ことができる。こうすれば、異なる形状のプロペラや、
一方のプロペラが一部破損等して形状が異なった場合で
も、空気浮上車両10を振らせることなく走行させるこ
とができる。また、プロペラの枚数やプロペラ自体の形
状は、空気浮上車両10の車体重量や種類等に応じて適
当に変えてもよい。さらに、同じプロペラで浮力を増減
する方法として、羽根形状が適時に変形可能なプロペラ
を用いてもよい。 (8)フレーム24の筒状部位24bは直線状部位24
aに対して垂直方向に回動可能に設け(傾斜角)、その
筒状部位24bを水平方向に回動可能に設けてもよい
(回転角)。さらに、筒状部位24bを仰角,水平角を
ステアリング18で調整できるようにする。こうすれ
ば、一対のプロペラ30,32の中心軸の傾斜角,回転
角が調整され、空気浮上車両10の進行方向(前進,バ
ック,カーブ走行,左折,右折,旋回等)を的確にコン
トロールすることができる。 (9)エンジン22には排気量250ccのガソリンエン
ジンを用いて動力を発生させたが、バッテリー(蓄電池
の他、太陽電池を含む)を電源とするモータを用いて動
力を発生させてもよく、これらを組み合わせて動力を発
生させてもよい。こうすれば、低公害の空気浮上車両1
0を提供することができる。
【0021】
【他の発明の態様】以上、本発明の実施の形態について
説明したが、この実施の形態には特許請求の範囲に記載
した発明の態様以外の発明の態様を有するものである。
この発明の態様を以下に列挙するとともに、必要に応じ
て関連説明を行う。
【0022】〔態様1〕 請求項1に記載の空気浮上車
両において、その空気噴射装置の動力源は、前記車輪を
駆動することを特徴とする空気浮上車両。 〔態様1の関連説明〕 本態様によれば、空気噴射装置
を作動させなくても、補助輪が接地した状態で空気浮上
車両を移動させることができる。
【0023】〔態様2〕 請求項1に記載の空気浮上車
両において、その空気噴射装置は、圧縮された空気を噴
射する複数のコンプレッサを車両本体に対して対称的に
有することを特徴とする空気浮上車両。 〔態様2の関連説明〕 本態様によれば、複数のコンプ
レッサから噴射される空気は、対称的に設けられたコン
プレッサの配置によって、車両本体(すなわち空気浮上
車両)に対しても対称となる。そのため、車両を振らせ
ることなく安定して走行させることができる。
【0024】〔態様3〕 請求項3に記載の空気浮上車
両において、その偏向装置の偏向板を傾斜させ、および
/または、その偏向装置自身を水平回転させる回転手段
を有することを特徴とする空気浮上車両。 〔態様3の関連説明〕 本態様によれば、偏向装置の向
きが自在に変えられるので、空気浮上車両の進行方向を
的確に変えることができる。
【0025】〔態様4〕 請求項4に記載の空気浮上車
両において、その一対の補助輪は、車両本体に軸支され
たアームに設けられており、そのアームが車両本体に対
して揺動するように、アームと車両本体との間に弾性体
を介在させていることを特徴とする空気浮上車両。 〔態様4の関連説明〕 本態様によれば、空気浮上車両
の一部が浮上している時には補助輪が最後に地面から静
かに離れ、その車両の一部が降下する時には補助輪から
静かに着地する。そのため、浮上や着地の際に発生する
ショックを小さく抑えることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、車両全体の重量が重く
ても小さな動力で車両の一部を浮上させ、走行させるこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気浮上車両の一例を示す全体図である。
【図2】偏向方法を示す図である。
【図3】使用状態(走行)を示す図である。
【図4】使用状態(旋回)を示す図である。
【図5】他の偏向方法を示す図である。
【図6】本発明を応用した他の空気浮上車両を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 空気浮上車両 12 バランスウエイト 14 車輪 16 ブレーキレバー 18 ステアリング 20 スロットル 22 エンジン 24 フレーム 26 デフ 28 ベルト 30,32 プロペラ(空気噴射装置) 34 ルーバー(偏向装置) 34a 偏向板(偏向装置) 36 補助輪 38 ダンパ(弾性体) 40 アーム 42 ベルト 44 ブレーキ 50 シート 52 ボディ 54 スポイラー 60 乗員
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 賢一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気を噴射する空気噴射装置と車輪とを
    備えており、その空気噴射装置から噴射された空気の圧
    力によって浮上する空気浮上車両において、 車輪に関して空気噴射装置とは反対側に設けられ、車体
    重量よりも軽量のバランスウエイトを有することを特徴
    とする空気浮上車両。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の空気浮上車両におい
    て、 その空気噴射装置は、同一方向に空気を噴射する一対の
    プロペラを同軸上に備えており、 その一対のプロペラは、互いに反対方向に回転すること
    によって空気を噴射することを特徴とする空気浮上車
    両。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の空気浮
    上車両において、 その空気噴射装置の噴射口には、空気流の上流側に偏向
    装置が設けられ、 その偏向装置を作動させることによって、噴射する空気
    の向きを変えることを特徴とする空気浮上車両。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の空気浮上車両にお
    いて、 その車輪の位置よりも空気噴射装置の噴射口側であっ
    て、車輪の中心と噴射口の中心とを結ぶ直線の両側とな
    る位置に一対の補助輪が設けられ、 その一対の補助輪は、前記空気噴射装置から空気が噴射
    されていないときに前記車輪とともに車両を支持するこ
    とを特徴とする空気浮上車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011004914A1 (ja) * 2009-08-24 2011-01-13 株式会社セガトイズ プロペラ玩具

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WO2011004914A1 (ja) * 2009-08-24 2011-01-13 株式会社セガトイズ プロペラ玩具
JP2011041747A (ja) * 2009-08-24 2011-03-03 Sega Toys:Kk プロペラ玩具

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