JPH10129181A - 筆類の洗浄用具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】使用済みの筆類を洗う際に、付近に飛び散った
り汚したりすることなく、容器中で撹拌するのみで筆毛
を揃えつつきれいに洗うことのできるような、簡便な洗
浄用具を提供する。 【構成】放射状に形成された突条群が洗浄用容器の内底
面となっており、或いは洗浄用容器内底面への取り付け
部品として構成し、望ましくは該突条の位置が中心部で
山状に隆起し、その周辺で下方に湾曲しており、更に望
ましくは突条を中心部から周辺にかけて渦巻状に捻じっ
て形成するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は書道用の毛筆や刷毛等
のような筆類の洗浄用具として利用される。

【０００２】

【従来の技術】一般に筆類を洗浄するための簡便用具と
して効果的なものは未だ見当たらず、通常は単なる容器
に水などの洗浄液を入れて撹拌したり、或いは墨汁の付
いた毛筆などは、これを収容水や流水で洗った後に捻じ
るようにして水を絞り取るなどの方法がとられているの
が現状である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながらデリケー
トな筆毛の隅々に付着した墨汁等をきれいに洗い落とす
ことは必ずしも容易なことではなく、ただやみくもに洗
っても汚水が飛び散ったり、或いは洗浄後に筆毛が平行
に揃わず交差して絡んだり逆付き（収斂せずに反り広が
る）になるなどの憂いがあった。本発明はかかる問題点
を解決することを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】図１のように放射状に形
成された突条群（１）が図２のように筆類の洗浄用容器
（２）の内底面となっており、或いは図３のように洗浄
用容器（２）の内底部に設置できる取り付け部品となっ
ていて、該容器に設置して使用するようにするものであ
る。

【０００５】取り付け部品として該容器（２）に設置す
る場合は、突条群（１）にはこれをまとまった形状に保
ち補強するための底板（３）や、出し入れおよび掃除時
に持つための撮み（４）などが付随していてもよいこと
は勿論であり、また設置する位置も、必ずしも該容器
（２）の底面に接するほどでなく、若干浮いていてもよ
い。

【０００６】なお突条群（１）における突条の位置は、
図２及び図３に示したように中心部で山状に隆起し、そ
の外側である周辺で下方に湾曲していることが望まし
い。従って該容器（２）の底部や該取り付け部品の底板
（４）において、通常そのように形成する。

【０００７】更に該突条が図１のように中心部から周辺
にかけて渦巻状に捻じれて形成されていることが一層望
ましい。また突条群（１）の突条の数も円周を８等分す
る程度とし、各突条の断面形状も三角山形状にすること
が望ましい。

【０００８】本発明の洗浄用具を構成する該容器（２）
や突条群（１）などの材質は特に問わず、陶器でもプラ
スチックでもよい。プラスチックの場合はプロー成形法
や射出成形法などが適用できる。また該容器（２）には
嘴状の注口部（２Ａ）、把手（２Ｂ）、複数を重ね運搬
するための支えリプ（２Ｃ）等を形成することが望まし
い。

【０００９】

【作用】本発明の用具を用いて使用済みの筆を洗う場
合、当該容器に水を入れて、筆先を底部の突条群（１）
に当てるようにし中心から周辺に向けて移動するように
して回す。すると、筆毛中に残留する墨等は突条に当た
る度に水中に排出されると同時に、毛先は常に一定方向
に揃えられ、かつそれが同一方向に捻じられるように絞
った形となる。

【００１０】特に該突条の中心部が山状に隆起している
と、その斜面に筆毛全体がよく当たり、周辺部にかけて
下方に湾曲していると毛先を揃えやすく、更に渦巻状に
突条が捻じれていることによって、筆毛を交差させずに
略平行に揃えたまま絞るような形にするのに甚だ好適と
なる。

【００１１】従って筆をただ回すようにして洗うのみで
筆毛を傷めず、毛の方向を平行に揃えつつ先端を収斂さ
せるような理想的な形に絞ることができるわけであり、
これを行った後に該容器内の洗浄水を嘴状の注口部（２
Ａ）より排出して、再び新しい水を入れ同様の操作を繰
り返すことにより、甚だ容易に、また付近を汚す憂いも
なく、筆毛を望ましい形で洗浄処理することができる。

【００１２】

【実施例１】プラスチック製マグカップ状容器の外形寸
法を直径８５ｍｍ、高さ９５ｍｍとし、図面のような嘴
状注口部（２Ａ）と把手（２Ｂ）とリブ（２Ｃ）を一体
成形する。底部内上面に一体形成する突条群（１）は、
図１のような渦巻放射状に中心より伸びる８本の突条よ
り成り、その断面形状は略二等辺三角形で高さと幅は最
大部でそれぞれ約３ｍｍ及び８ｍｍ程度とする。但しそ
の中心部において該容器（２）の底面は山状におよそ１
０ｍｍ隆起させ、その周囲を下方湾曲状に下げると共
に、外周立ち上がり部において半径約１５ｍｍのアール
を設けて若干上方に上がるようにする。

【００１３】

【実施例２】同様の寸法のマグカップ状容器を陶器で製
作する。但しその底面に突条群（１）を一体成形すると
同時に中心部に同様の山状隆起を形成し、全面的に釉薬
仕上げとする。或いは全体をガラス製としてもよい。

【００１４】

【実施例３】上例の容器の底部のみを切り離したような
独立した部品をプラスチック射出成形法で製作する。但
しその中心部には図３のような高さ２ｃｍ程度の撮み
（４）を突出形成する。このようなものを直径を変えて
何種か揃えておき、容器の寸法に合ったものを選択しそ
の底部に載置ないし設置して使用する。なお同目的のた
めに、予め設置しやすいような支壁（２Ｄ）などを容器
の内側に設けて、容器とのセット商品としてもよい。

【００１５】

【発明の効果】このように本発明によれば、使用済みの
筆を洗う際に汚水が飛び散ったり周囲を汚すおそれがな
く、きわめて容易・簡単に手を濡らすことなく洗うこと
ができると同時に、筆毛が交差したり絡まったり、或い
は逆毛になることなく、きれいに揃えて絞り乾燥させる
ことができるから、筆を傷めることなく常に最良の状態
で保管することができるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一例を示す平面図

【図２】本発明一例の側断面図

【図３】本発明を独立部品として容器に収めた例を示す
側断面図

【符号の説明】

１……洗浄用容器 ２……突条群 ２Ａ…
…注口部 ２Ｂ……把手 ２Ｃ……リブ ２Ｄ……支
壁 ３……撮み ４ ……底板

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】放射状に形成された突条群が洗浄用容器の
   内底面となっており、或いは洗浄用容器内底部への取り
   付け部品となっていることを特徴とする筆類の洗浄用
   具。
2. 【請求項２】突条の位置が中心部で山状に隆起し、その
   周辺で下方に湾曲している請求項１に記載の筆類の洗浄
   用具。
3. 【請求項３】突条の位置が中心部で山状に隆起し、その
   周辺で下方に湾曲していると共に、突条が中心部から周
   辺にかけて渦巻状に捻じれて形成されている請求項１に
   記載の筆類の洗浄用具。