JPH10128721A - 無機質体の製造方法 - Google Patents

無機質体の製造方法

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JPH10128721A
JPH10128721A JP28571096A JP28571096A JPH10128721A JP H10128721 A JPH10128721 A JP H10128721A JP 28571096 A JP28571096 A JP 28571096A JP 28571096 A JP28571096 A JP 28571096A JP H10128721 A JPH10128721 A JP H10128721A
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JP
Japan
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slurry
water
reinforcing fibers
inorganic
mold
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JP28571096A
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Masaaki Kubo
雅昭 久保
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 補強繊維とセメントマトリックスとの密着性
を高めて無機質体の強度を高くする。 【解決手段】 セメントと補強繊維とを水に分散させて
スラリー1を調製する。このスラリーを模様付き型2の
上に注いだ後プレスして脱水することにより無機質体を
製造する。界面活性剤で処理した補強繊維を用いてスラ
リー1を調製する。補強繊維と水との馴染み性を高める
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として外壁材、
瓦材、外構材等の建築材料に利用される無機質体の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりセメントとパルプ等の補強繊維
とを水に分散させてスラリーを調製し、このスラリーを
抄造法や押出法等で成形して賦形体を形成し、この賦形
体を養生硬化させることによって板状の無機質体(無機
質板)を製造することがおこなわれている。また表面に
凹凸模様を有する無機質体は、上記賦形体に凹凸模様を
有する模様付き型を押しつけてプレス成形することによ
って形成している。
【0003】そして最近では特に外壁材に用いる無機質
板において、10mm前後の厚みのものよりも20mm
前後に厚みを増加させた無機質体が要求される傾向にあ
り、また意匠性を高めるために複雑で深い凹凸模様を有
する無機質体が要求される傾向にあるが、上記の方法で
は表面にクラックが生じるなど無機質体の強度が低くな
るという問題があった。
【0004】そこで最近では湿式注型成形法で無機質体
を製造することがおこなわれている。この方法は凹凸模
様を有する模様付き型の上にスラリーを注いだ後、この
スラリーを透水性のあるプレス板でプレスして脱水する
と共にプレス板を透してこの上側に排出されるスラリー
からの水を吸引除去して凹凸模様を有する賦形体を形成
し、この賦形体を養生硬化させるようにするものであ
る。このように形成される無機質体は模様付けと同時に
成形もおこなえるので、表面にクラックが生じにくなっ
て強度を高めることができるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記湿式注型成
形法は抄造法に比べて高濃度のスラリーを用いるため
に、スラリー中に空気を含み易く且つこの空気を脱泡し
にくいものであり、図4に示すようにスラリー1中の補
強繊維13の表面に微細な気泡14が付着し、この気泡
14が補強繊維13とセメントマトリックスとの密着性
を阻害することによって無機質体の強度を高くすること
ができないことがあった。またスラリー中でセメントと
補強繊維が比重差によって分離して無機質体の強度を高
くすることができないことがあった。さらにスラリーか
らの脱水に時間がかかって成形時間が長くなり、生産性
が低いという問題があった。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、無機質体の強度を高くすることが無機質体の製造
方法を提供することを目的とするものである。また生産
性を高くすることができる無機質体の製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の無機質体の製造方法は、セメントと補強繊維とを水に
分散させてスラリー1を調製し、このスラリー1を模様
付き型2の上に注いだ後プレスして脱水することにより
無機質体を製造するにあたって、界面活性剤で処理した
補強繊維を用いてスラリー1を調製することを特徴とす
るものである。
【0008】また本発明の請求項2に記載の無機質体の
製造方法は、セメントと補強繊維とを水に分散させてス
ラリー1を調製し、このスラリー1を模様付き型2の上
に注いだ後プレスして脱水することにより無機質体を製
造するにあたって、消泡剤で処理した補強繊維を用いて
スラリー1を調製することを特徴とするものである。ま
た本発明の請求項3に記載の無機質体の製造方法は、セ
メントと補強繊維とを水に分散させてスラリー1を調製
し、このスラリー1を模様付き型2の上に注いだ後プレ
スして脱水することにより無機質体を製造するにあたっ
て、スラリー1に分離防止剤を含有させることを特徴と
するものである。
【0009】また本発明の請求項4に記載の発明は、セ
メントと補強繊維とを水に分散させてスラリー1を調製
し、このスラリー1を模様付き型2の上に注いだ後プレ
スして脱水することにより無機質体を製造するにあたっ
て、スラリー1に凝集剤を含有させることを特徴とする
ものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明の一実施の形態は、界面活性剤で処理した
パルプなどの補強繊維を用いてスラリー1を調製するも
のである(請求項1)。界面活性剤としては繊維湿潤剤
を用いることができ、具体的にはジオクチルスルホサク
シネート、高級アルキルポリグリコール誘導体、高級ア
ルコールサルフェートなどを使用することができるが、
これらに限定されるものではない。処理の仕方は例えば
補強繊維としてパルプを用いた場合は、水にパルプと界
面活性剤を投入し、パルプを解繊しながら界面活性剤と
混合するようにしておこなうものである。
【0011】界面活性剤の使用量は補強繊維に対して1
00〜500ppmに設定する。界面活性剤の使用量が
100ppm未満であれば、補強繊維の表面の気泡を除
去することができず、水への補強繊維の馴染み性を向上
させることができなくなる恐れがあり、また界面活性剤
の使用量が500ppmを超えてもあまり効果の向上が
見られず、経済的に不利となる恐れがある。そして界面
活性剤で処理した補強繊維と、ポルトランドセメントな
どのセメントと、その他骨材などを水に分散させること
によってスラリー1を調製することができる。
【0012】上記スラリー1は図1に示すようなプレス
成形機によって成形される。2は上面に凹凸模様を有す
る模様付き型であって、繊維強化プラスチック(FR
P)等で形成されている。3は枠体であって、上記模様
付き型2に隙間なく嵌め込むことができるものである。
4はプレス板であって、パンチングメタルや金網等の透
水性のある材料で形成されている。5はプレス板4を上
下動させるための可動部である。6はサクションボック
スであって、プレス板4の上側に設置されており、この
サクションボックス6の排水口7は真空ポンプなどの吸
引装置に接続されている。
【0013】このプレス成形機を用いてスラリー1を成
形するにあたっては、まず基台8の上に模様付き型2を
載置すると共に枠体3を模様付き型2の上側から嵌め込
んで模様付き型2を枠体3の下部に嵌合する。次に枠体
3内の模様付き型2の上にスラリー1を注入すると共に
スラリー1の上にナイロン製でアヤ織りのクロス9やメ
ッシュ(金網)10を設置する。次に可動部5でプレス
板4を下動させてスラリー1をプレス(加圧圧縮)する
ことによって、図1に矢印で示すようにスラリー1中の
水をクロス9とメッシュ10とプレス板4を透してプレ
ス板4の上側のサクションボックス6内に脱水し、サク
ションボックス6内の水を排水口7から吸引して除去す
る。このようにスラリー1を脱水することによって模様
付き型2の上には模様を有する賦形体が形成されること
になり、これを養生硬化させることによって板状の無機
質体を形成することができる。
【0014】そしてこの実施の形態では界面活性剤で処
理した補強繊維を用いるので、補強繊維の表面に付着し
ている気泡を除去して水との馴染み性を高くして補強繊
維の分散を高くすることができ、また補強繊維とセメン
トマトリックスの密着性(アフィニティー)を高くする
ことができる。従って比重が大きく強度の高い無機質体
を得ることができる。
【0015】次に本発明の他の実施の形態を説明する。
この実施の形態では消泡剤で処理したパルプなどの補強
繊維を用いてスラリー1を調製するものである(請求項
2)。消泡剤としては例えばシリコン系、アルコール
系、油脂塩系、高分子系エマルジョン系のもの、脂肪酸
塩をベースにしたものなどを使用することができるが、
これらに限定されるものではない。処理の仕方は例えば
補強繊維としてパルプを用いた場合は、水にパルプと消
泡剤を投入し、パルプを解繊しながら消泡剤と混合する
ようにしておこなうものである。
【0016】消泡剤の使用量は補強繊維に対して100
〜700ppm、好ましくは100〜500ppmに設
定する。消泡剤の使用量が100ppm未満であれば、
補強繊維の表面の気泡を除去することができなくなる恐
れがあり、また消泡剤の使用量が700ppmを超えて
もあまり効果の向上が見られず、経済的に不利となる恐
れがある。そして消泡剤で処理した補強繊維と、ポルト
ランドセメントなどのセメントと、その他骨材などを水
に分散させることによってスラリー1を調製することが
できる。
【0017】このスラリー1は図1のプレス成形機を用
いて上記と同様にしておこなうことができる。そしてこ
の実施の形態では消泡剤で処理した補強繊維を用いるの
で、補強繊維の表面に付着している気泡を除去して補強
繊維とセメントマトリックスの密着性を高くすることが
できる。また消泡剤がスラリー1に添加されることにな
って、スラリー1の脱水速度を高めることができ、成形
時間が短くなって生産性を向上させることができるもの
である。
【0018】次に本発明のさらに他の実施の形態を説明
する。この実施の形態ではセメントと補強繊維と分離防
止剤を用いてスラリー1を調製するものである(請求項
3)。分離防止剤としては例えば水溶性セルロースやセ
ルロースエーテル系の樹脂を使用することができるが、
これらに限定されるものではない。分離防止剤の使用量
はスラリー1中の固形分に対して0.01〜0.2重量
%に設定する。分離防止剤の使用量が0.01重量%未
満ではスラリー1中でのマトリックスと補強繊維の分離
を防止することができなくなる恐れがあり、また分離防
止剤の使用量が0.2重量%を超えると、脱水時間が長
くなって生産性が低下する恐れがある。そしてポルトラ
ンドセメントなどのセメントと、補強繊維と、分離防止
剤と、その他骨材などを水に分散させることによってス
ラリー1を調製することができる。
【0019】このスラリー1は図1のプレス成形機を用
いて上記と同様にしておこなうことができる。そしてこ
の実施の形態ではスラリー1の分離防止剤を含有させる
ので、スラリー1中での補強繊維とマトリックの分離を
防止して補強繊維の分散性を高くすることができ、よっ
て均質な無機質体を形成することができる。次に本発明
のさらに他の実施の形態を説明する。この実施の形態で
はセメントと補強繊維と凝集剤を用いてスラリー1を調
製するものである(請求項4)。この凝集剤は上記界面
活性剤や消泡剤あるいは分離防止剤と併用することがで
きる。凝集剤としては高分子凝集剤、好ましくはポリア
クリルアミド系アニオン凝集剤を用いることができる
が、これらに限定されるものではない。
【0020】凝集剤の使用量はスラリー1中の固形分に
対して20〜70ppmに設定する。凝集剤の使用量が
20ppm未満ではスラリー1の脱水速度を向上させる
ことができず、脱水時間が長くなって生産性が低下する
恐れがある。また凝集剤の使用量が70ppmを超えて
も脱水速度の向上の効果を得ることができず、経済的に
不利となるばかりでなく、凝集が過剰になって逆に脱水
速度の低下を招く恐れがある。
【0021】このスラリー1は図1のプレス成形機を用
いて上記と同様にしておこなうことができる。そしてこ
の実施の形態ではスラリー1の凝集剤を含有させるの
で、スラリー1の脱水速度を高めることができ、成形時
間(成形サイクル)が短くなって生産性が向上するもの
である。また上記プレス成形において、スラリー1に振
動を加えながら成形することができる。スラリー1に振
動を加える方法としては、図2に示すように基台8に内
蔵させたバイブレーター11を模様付き型2の下面に接
触させて模様付き型2を振動させる方法を採用すること
ができる。この場合スラリー1の状態を見ながらスラリ
ー1が均一に振動するようにバイブレーター11の振動
の強さなどを調整するのが好ましい。また図3に示すよ
うに枠体3の外面に超音波振動子12を設けて超音波で
スラリー1を振動させることもできる。この場合スラリ
ー1中の補強繊維が振動する状態に超音波振動子12か
ら発生する超音波の強さなどを調整するのが好ましい。
【0022】そしてこのようにスラリー1に振動を与え
ながら成形することによって、スラリー1中の気泡を除
去(脱泡)することができて補強繊維とマトリックスの
密着性を向上させることができると共にスラリー1中で
の補強繊維の分散を向上させることができ、無機質体の
強度を向上させることができるものである。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。 (実施例1)パルプ(NUKP)をパルパーを用いて水
中で解繊(離解)して2重量%濃度のパルプスラリーを
調製した。この解繊時には水に繊維湿潤剤(界面活性
剤)として東邦化学社製のエアロールCT−1をパルプ
に対して100ppm配合しておいた。このパルプスラ
リーに各種材料と水を配合して、ポルトランドセメント
を30重量%、珪石粉を40重量%、パーライトを10
重量%、上記配合物の硬化体粉砕品(150メッシュの
ふるいにかけて下に落ちたもの)を10重量%、パルプ
を10重量%含有する20重量%濃度のスラリー1を調
製した。
【0024】次にこのスラリー1を図1に示すプレス成
形機を用いて55MPaのプレス加圧で成形して厚さ2
0mmで含水率32重量%の賦形体を形成した。この賦
形体を70℃、12時間養生硬化させ、次にオートクレ
ーブ中で175℃、10時間養生して無機質体を得た。 (実施例2)繊維湿潤剤の配合量を300ppmする以
外は上記実施例1と同様にして無機質体を得た。
【0025】(実施例3)繊維湿潤剤の配合量を500
ppmする以外は上記実施例1と同様にして無機質体を
得た。 (実施例4)繊維湿潤剤の代わりに消泡剤として近代化
学社製のプロナール753をパルプに対して100pp
m配合する以外は上記実施例1と同様にして無機質体を
得た。
【0026】(実施例5)消泡剤の配合量を500pp
mにする以外は上記実施例4と同様にして無機質体を得
た。 (実施例6)消泡剤の配合量を700ppmにする以外
は上記実施例4と同様にして無機質体を得た。
【0027】(比較例1)繊維湿潤剤を用いないように
する以外は上記実施例1と同様にして無機質体を得た。
上記実施例1乃至6と比較例1で得られた無機質体を6
0℃の乾燥機中で6時間乾燥した後、曲げ強度測定と耐
凍結融解性能試験をおこなった。曲げ強度ではJIS4
号片を用い、荷重速度1mm/minでおこなった。ま
た耐凍結融解性能試験はASTM−B法によりおこな
い、200サイクル後の状態を観察した。結果を表1に
示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1から判るように、実施例1乃至6では
曲げ強度が高く、凍結融解性能試験でもほとんど異常は
見られなかったが、比較例1では曲げ強度が低く、凍結
融解性能試験で表面剥離が発生した。 (実施例7乃至12及び比較例2乃至4)ポルトランド
セメントを30重量%と、珪石粉を40重量%と、パー
ライトを10重量%と、パルプを10重量%と、上記オ
ートクレーブ養生硬化体粉砕品(150メッシュのふる
いにかけて下に落ちたもの)を10重量%とを水に分散
させて15重量%濃度のスラリー1を調製した。このス
ラリー1に表2に示す配合量(固形分に対する量)でア
ニオン性高分子凝集剤(共立有機社製ハイモロックAP
−105)と分離防止剤(徳山曹達社製マリンキュー
ブ)をそれぞれ表2で示す量で配合した。
【0030】次にこのスラリー1を図1に示すプレス成
形機を用いて55MPaのプレス加圧で成形して厚さ2
0mmで含水率32重量%の賦形体を形成した。この賦
形体を70℃、12時間養生硬化させた後脱型し、次に
オートクレーブ中で175℃、10時間養生して無機質
体を得た。上記実施例7乃至12と比較例2乃至4にお
いて、プレス成形時の脱水時間を測定した。また上記実
施例7乃至12と比較例2乃至4で得られた無機質体を
60℃の乾燥機中で6時間乾燥した後、上記と同様に曲
げ強度測定と耐凍結融解性能試験をおこなった。結果を
表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2から判るように、凝集剤と分離防止剤
を含有する実施例7乃至12では脱水時間が短く、また
曲げ強度が高く、さらに凍結融解性能試験でも異常は見
られなかったが、どちらも含まないあるいはどちらか一
方しか含まない比較例2乃至4では脱水時間が長くなっ
たり、曲げ強度が低くなったり、凍結融解性能試験で表
層部の剥がれなどの異常が見られた。
【0033】(実施例13乃至21及び比較例5乃至
7)ポルトランドセメントを30重量%と、珪石粉を4
0重量%と、パーライトを10重量%と、パルプを10
重量%と、上記オートクレーブ養生硬化体粉砕品(15
0メッシュのふるいにかけて下に落ちたもの)を10重
量%とを水に分散させて25重量%濃度のスラリー1を
調製した。このスラリー1に表3に示す配合量(固形分
に対する量)でアニオン性高分子凝集剤(共立有機社製
ハイモロックAP−105)と消泡剤(近代化学社製E
M300)をそれぞれ配合した。尚、上記材料の配合は
オートクレーブ配合とした。
【0034】次にこのスラリー1を図1に示すプレス成
形機を用いて55MPaのプレス加圧で成形して厚さ1
8mmで含水率33重量%の賦形体を形成した。この賦
形体を70℃、12時間養生硬化させた後脱型し、次に
オートクレーブ中で175℃、10時間養生して無機質
体を得た。上記実施例13乃至21と比較例5乃至7に
おいて、プレス成形に要する時間を測定した。結果を表
3に示す。尚、上記実施例13乃至21と比較例5乃至
7で得られた無機質体を60℃の乾燥機中で6時間乾燥
した後、上記と同様に曲げ強度測定と耐凍結融解性能試
験をおこったが差は見られなかった。
【0035】
【表3】
【0036】表3から判るように、凝集剤を20ppm
以上含む実施例13乃至15や、消泡剤を100ppm
以上含む実施例16乃至18では比較例5乃至7よりも
脱水速度が大きく、成形時間が短くなった。特に凝集剤
と消泡剤の両方を含む実施例19乃至21の成形時間が
非常に短くなった。
【0037】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
発明は、セメントと補強繊維とを水に分散させてスラリ
ーを調製し、このスラリーを模様付き型の上に注いだ後
プレスして脱水することにより無機質体を製造するにあ
たって、界面活性剤で処理した補強繊維を用いてスラリ
ーを調製するので、補強繊維と水との馴染み性を高める
ことができ、無機質体の強度を高くすることができるも
のである。
【0038】また本発明の請求項2に記載の発明は、セ
メントと補強繊維とを水に分散させてスラリーを調製
し、このスラリーを模様付き型の上に注いだ後プレスし
て脱水することにより無機質体を製造するにあたって、
消泡剤で処理した補強繊維を用いてスラリーを調製する
ので、消泡剤で補強繊維の表面に付着した気泡を除去す
ることができ、補強繊維とセメントマトリックスとの密
着性を高めて無機質体の強度を高くすることができるも
のである。
【0039】また本発明の請求項3に記載の発明は、セ
メントと補強繊維とを水に分散させてスラリーを調製
し、このスラリーを模様付き型の上に注いだ後プレスし
て脱水することにより無機質体を製造するにあたって、
スラリーに分離防止剤を含有させるので、スラリー中で
の補強繊維とマトリックスとの分離を防止することがで
き、無機質体の強度を高くすることができるものであ
る。
【0040】また本発明の請求項4に記載の発明は、セ
メントと補強繊維とを水に分散させてスラリーを調製
し、このスラリーを模様付き型の上に注いだ後プレスし
て脱水することにより無機質体を製造するにあたって、
スラリーに凝集剤を含有させるので、スラリーの脱水速
度を向上させることができ、成形時間が短くなって生産
性が向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプレス成形機の一例を示す断面図であ
る。
【図2】同上の他のプレス成形機を示す断面図である。
【図3】同上のさらに他のプレス成形機を示す断面図で
ある。
【図4】スラリー中の補強繊維を示す概略図である。
【符号の説明】
1 スラリー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメントと補強繊維とを水に分散させて
    スラリーを調製し、このスラリーを模様付き型の上に注
    いだ後プレスして脱水することにより無機質体を製造す
    るにあたって、界面活性剤で処理した補強繊維を用いて
    スラリーを調製することを特徴とする無機質体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 セメントと補強繊維とを水に分散させて
    スラリーを調製し、このスラリーを模様付き型の上に注
    いだ後プレスして脱水することにより無機質体を製造す
    るにあたって、消泡剤で処理した補強繊維を用いてスラ
    リーを調製することを特徴とする無機質体の製造方法。
  3. 【請求項3】 セメントと補強繊維とを水に分散させて
    スラリーを調製し、このスラリーを模様付き型の上に注
    いだ後プレスして脱水することにより無機質体を製造す
    るにあたって、スラリーに分離防止剤を含有させること
    を特徴とする無機質体の製造方法。
  4. 【請求項4】 セメントと補強繊維とを水に分散させて
    スラリーを調製し、このスラリーを模様付き型の上に注
    いだ後プレスして脱水することにより無機質体を製造す
    るにあたって、スラリーに凝集剤を含有させることを特
    徴とする無機質体の製造方法。
JP28571096A 1996-10-28 1996-10-28 無機質体の製造方法 Pending JPH10128721A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6361725B1 (en) * 1999-05-25 2002-03-26 Edward Susany Method of molding artificial ceramic fiber construction panels
CN115122462A (zh) * 2022-06-23 2022-09-30 重庆臻宝实业有限公司 一种陶瓷振动注浆成型装置及方法

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