JPH10128102A - 混合ガス供給システム - Google Patents

混合ガス供給システム

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JPH10128102A
JPH10128102A JP8294078A JP29407896A JPH10128102A JP H10128102 A JPH10128102 A JP H10128102A JP 8294078 A JP8294078 A JP 8294078A JP 29407896 A JP29407896 A JP 29407896A JP H10128102 A JPH10128102 A JP H10128102A
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JP
Japan
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pressure
gas
flow
mixed gas
raw material
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JP8294078A
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English (en)
Inventor
Shigeru Mori
茂 森
Mitsushi Kubo
充司 久保
Norio Yamazaki
紀男 山崎
Kimiatsu Mimuro
公厚 三室
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GAS MITSUKUSU KOGYO KK
Taiyo Toyo Sanso Co Ltd
Original Assignee
GAS MITSUKUSU KOGYO KK
Taiyo Toyo Sanso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力変動に拘わらず、所望の混合精度を確保
しつつ、安定した混合比率の混合ガスを得ることができ
る混合ガス供給システムを提供する。 【解決手段】 原料ガス1a,1bを混合器2に導入さ
せるガス導入路3,4と、各原料ガス1a,1bの混合
器2への導入量を一定に調整する流量調整器51,52
と、流量調整器51 ,52 の入口側圧力を同一圧に制
御,保持するための均圧弁14と、混合器2で得られた
混合ガス1を混合ガス使用部8に供給させるガス供給路
9とを具備するシステムを、流量調整器51 ,52 の入
口側圧力に対する出口側圧力の圧力比が臨界圧力比以下
である条件であって流量調整器内におけるガス流速が音
速となる条件、上記圧力比が所定の圧力比以下である条
件であって流量調整器内におけるガス流速が音速又は亜
音速となる条件、又は上記圧力比が所定の圧力比以下で
ある条件であって流量調整器内におけるガス流速が音速
に達しない条件、の何れかの条件で運転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体,溶接,原
子力,医療関連分野等で使用される各種工業用雰囲気ガ
ス、ガス器具の安全確認のために使用されるテストガス
や医療用合成空気等の多成分ガスを製造,供給するため
の混合ガス供給システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の混合ガス供給システムと
しては、例えば、図8に示す如く構成された工業用雰囲
気ガスの供給システム(以下「第1従来システム」とい
う)や図9に示す如く構成された医療用合成空気の供給
システム(以下「第2従来システム」という)が知られ
ている。
【0003】すなわち、第1従来システムは、図8に示
す如く、主原料ガス(窒素又はアルゴン)101aと一
種の副原料ガス(酸素、水素又は炭酸ガス)101bと
を混合させて工業用雰囲気ガスたる混合ガス101を得
るための混合器102と、これらの原料ガス101a,
101bを、各々、原料ガス供給源111,112から
減圧弁113,114、流量調整用ニードル弁117,
118及びフロート式流量計119,120を経て混合
器102に導入させる第1及び第2原料ガス導入路10
3,104と、混合ガス101を混合器102から所定
の混合ガス使用部108に供給させる混合ガス供給路1
09と、を具備してなる。
【0004】また、第2従来システムは、図9に示す如
く、主原料ガス(窒素)201aと一種の副原料ガス
(酸素)201bとを混合させて合成空気たる混合ガス
201を得るための混合器202と、これらの原料ガス
201a,201bを、各々、原料ガス供給源211,
212から減圧弁213,214、遮断弁215,21
6、流量調整用オリフィス217,218及びフロート
式流量計219,220を経て混合器102に導入させ
る第1及び第2原料ガス導入路203,204と、混合
ガス201を混合器202から所定の混合ガス使用部2
08に供給させる混合ガス供給路209と、混合ガス供
給路209に配設したバッファタンク221及びその下
流側の減圧弁222とを具備してなる。なお、遮断弁2
15,216は、バッファタンク221内の圧力に応じ
て作動する圧力スイッチ223により電気的に開閉制御
されるものである。
【0005】而して、第1又は第2従来システムにあっ
ては、原料ガス101a,101b又は201a,20
1bが、その圧力を減圧弁113,114又は213,
214により一定の同一圧に調整された上、その流量を
各々ニードル弁117,118又はオリフィス217,
218により調整されて、混合器102に導入されるよ
うになっており、混合器102においてニードル弁11
7,118又はオリフィス217,218で設定された
混合比率の混合ガス101又は201が得られるように
なっている。すなわち、ニードル弁117,118又は
オリフィス217,218の入口側圧力が減圧弁11
3,114又は213,214により同一圧に保持され
ていることから、混合器102又は202においては、
原料ガス101a,101b又は201a,201bの
混合が安定して行なわれることになり、ニードル弁11
7,118又はオリフィス217,218で設定した流
量比率に相当する混合比率の混合ガス101又は201
を得ることができるのである。なお、第2従来システム
にあっては、混合ガス201が医療用として使用される
合成空気であることから、混合ガス201を、その濃度
変化を少なくするために、バッファタンク221内で均
一化した上で混合ガス使用部208に供給させるように
してある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、第1従来シス
テムにあっては、混合ガス使用部108側に圧力変動が
あると、その影響によりニードル弁117,118の出
口側圧力が変動するが、このように出口側圧力が変動す
ると、その圧力変動がニードル弁117,118の入口
側に伝播されて、ニードル弁117,118からの原料
ガス流出量が変化し、所定の混合比率が確保できない虞
れが生じる。かかる虞れは、出口側圧力の圧力変動幅が
大きくなるに従って顕著となる。一般に、第1従来シス
テムでは、混合ガス使用部108側の圧力変動により、
混合比率(混合ガスにおける副原料ガス濃度(vol
%))が±3〜5vol %の範囲で変化する。
【0007】一方、第2従来システムにあっては、混合
ガス使用部208側の流量,圧力変動がバッファタンク
221により緩和されることから、圧力スイッチ223
の作動幅を適当な範囲に設定しておくことにより、第1
従来システムに比して、混合比率(混合ガスにおける副
原料ガス濃度(酸素濃度))の変動幅をより低く抑えて
おくことができるものの、さほど高い混合精度を得るこ
とができる訳ではなく、医療用合成空気のような高い混
合精度が要求される場合には対応し切れない。例えば、
圧力スイッチ223の作動幅を0.5〜1.0kg/c
2 Gに設定しておくと、混合比率(酸素濃度(vol
%))の変動幅を±1.0〜1.5vol %とすることが
できるが、医療用合成空気に要求される混合精度は±
0.5vol %以下であるため、医療用合成空気の供給シ
ステムとしては甚だ不充分である。
【0008】したがって、第1及び第2従来システム
は、混合ガス使用部108,208側に圧力変動が生じ
るような条件下では、一定精度以上の混合ガス101,
201を供給させることができず、使用条件が大幅に制
限されているのが実情である。
【0009】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、混合ガス使用部側の圧力変動に拘わらず、混合
ガスの使用目的等に応じて要求される所望の混合精度を
確保しつつ、安定した混合比率の混合ガスを得ることが
できる混合ガス供給システムを提供することを目的とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の混合ガス供給シ
ステムは、主原料ガスと一種又は複数種の副原料ガスと
を混合させる混合器と、これらの原料ガスを混合器に導
入させる複数の原料ガス導入路と、各原料ガス導入路に
配設されており、主原料ガスの混合器への導入量を一定
に調整する第1流量調整器及び副原料ガスの混合器への
導入量を主原料ガス導入量に応じた所定量に調整する一
又は複数の第2流量調整器と、これらの流量調整器の入
口側圧力を所定の同一圧に制御,保持する圧力制御機構
と、混合器で得られた混合ガスを所定の混合ガス使用部
に供給させる混合ガス供給路と、を具備するものであっ
て、以下の(A)(B)(C)の何れかの条件で運転さ
せるようにしたものである。 (A) 上記流量調整器の入口側圧力に対する出口側圧
力の圧力比が臨界圧力比以下である条件であって流量調
整器内におけるガス流速が音速となる条件。 (B) 上記圧力比が所定の圧力比以下である条件であ
って流量調整器内におけるガス流速が音速又は亜音速と
なる条件。 (C) 上記圧力比が所定の圧力比以下である条件であ
って流量調整器内におけるガス流速が音速に達しない条
件。
【0011】かかる混合ガス供給システムにあっては、
少なくとも一の第2流量調整器を、副原料ガスの混合器
への導入量を変更調整しうる流量調整機構を有するもの
としておくことが好ましい。このようにすれば、混合ガ
スの混合比率を任意に変更することができる他、混合比
率を変更させる必要のない場合(例えば、主原料ガスで
ある窒素と副原料ガスである酸素とを混合させて、酸素
濃度を21vol %に固定した医療用合成空気を得る場
合)においても、混合比率を固定させるために必要なシ
ステム全体の微調整を好適に行なうことができる。
【0012】また、圧力制御機構が作動ガスにより作動
される均圧弁を具備するものであり、その作動ガスとし
て原料ガスの一部を使用するように構成しておくことが
好ましく、かかる場合、均圧弁作動後の作動ガスを外部
に放出しない構成としておくことが好ましい。例えば、
均圧弁作動後の作動ガスを、原料ガス導入路に配設され
た流量調整器と同一機能の第3流量調整器を介して原料
ガスと共に混合器に導入させるように構成しておくか、
或いは、第1又は第2流量調整器の上流側における原料
ガス導入路部分に返戻させて、原料ガスと共に当該第1
又は第2流量調整器を経て混合器に導入させるように構
成しておく。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の混合ガス供給シス
テムの構成を図1〜図7に示す第1〜第5の各実施の形
態に基づいて具体的に説明する。各実施の形態は、主原
料ガスである窒素と一種の副原料ガスである酸素との混
合ガスである医療用合成空気(人工空気)を所定の混合
ガス使用部に供給させる場合に使用する混合ガス供給シ
ステムに本発明を適用した例に係る。なお、以下の説明
において、混合ガス(合成空気)の混合比率とは、混合
ガスにおける副原料ガスの含有比率つまり酸素濃度(vo
l %)を意味するものとする。
【0014】図1は第1の実施の形態における混合ガス
供給システム(以下「第1システム」という)及び第2
の実施の形態における混合ガス供給システム(以下「第
2システム」という)を示したもので、第1システム又
は第2システムは、図1に示す如く、主原料ガス(窒
素)1aと副原料ガス(酸素)1bとを混合させる混合
器2と、各原料ガス1a,1bを混合器2に導入させる
第1及び第2原料ガス導入路3,4と、各原料ガス導入
路3,4に配設された第1及び第2流量調整器5 1 ,5
2 と、これらの流量調整器51 ,52 の入口側圧力を所
定の同一圧に制御,保持する圧力制御機構7と、混合器
2で得られた混合ガス(合成空気)1を所定の混合ガス
使用部8に供給させる混合ガス供給路9と、システム起
動・停止機構10とを具備する。
【0015】第1及び第2原料ガス導入路3,4は、図
1に示す如く、ガスタンク等の適宜の原料ガス供給源1
1,12から流量調整器51 ,52 の下流側において合
流された上で混合器2に導かれており、流量調整器
1 ,52 により所定流量に調整された原料ガス1a,
1bを混合器2に導入する。なお、各原料ガス供給源1
1,12には入口弁11a,12aが設けられている。
【0016】圧力制御機構7は、図1に示す如く、第1
流量調整器51 の上流側において第1原料ガス導入路3
に配設した減圧弁13と、第2流量調整器52 の上流側
において第2原料ガス導入路4に配設した均圧弁14
と、減圧弁13と第1流量調整器51 との間において第
1原料ガス導入路3から分岐して均圧弁14の作動部に
導いた作動ガス導入路15とを具備してなる。
【0017】減圧弁13は、第1流量調整器51 に流入
する第1原料ガス1aの圧力を減圧調整して、第1流量
調整器51 の入口側圧力を予め設定された一定圧に保持
するものである。減圧弁13による調整圧つまり第1流
量調整器51 の入口側圧力は、混合ガス1の混合ガス使
用部8への供給圧力等に応じて適宜に設定される。均圧
弁14は、その作動部に所定圧の作動ガス1cを導入さ
せることにより作動されるガス作動弁であり、第2流量
調整器52 に流入する第2原料ガス1bの圧力を作動ガ
ス1cと同圧に制御,保持するように構成されている。
作動ガス導入路15は、減圧弁13により所定圧P1
調整されて第1流量調整器51 に向かう第1原料ガス1
aの一部を作動ガス1cとして均圧弁14の作動部に導
入させる。したがって、圧力制御機構7によれば、第1
流量調整器51 の入口側圧力を減圧弁13により一定圧
に調整,保持すると共に、第2流量調整器52 の入口側
圧力を均圧弁14により作動ガス1cの圧力つまり第1
流量調整器51 の入口側圧力と同一圧に制御,保持する
ことができる。すなわち、両流量調整器51 ,52の入
口側圧力を同一の一定圧P1 に保持しうるようになって
いる。
【0018】混合ガス供給路9は、図1に示す如く、混
合器2から減圧弁17及び出口弁18を経て混合ガス使
用部8に導かれていて、第1及び第2原料ガス1a,1
bからなる混合ガス1を混合器2から混合ガス使用部8
に供給しうるようになっている。なお、当該システムに
あっては、複数の混合ガス使用部8…に各別に混合ガス
1を供給させる場合があるが、かかる場合には、必要に
応じて、図1に鎖線図示する如く、混合ガス供給路9の
末端部分を分岐させて各混合ガス使用部8に導くように
する。
【0019】システム起動・停止機構10は、図1に示
す如く、混合器2の下流側に配設したサージタンク19
と、第1流量調整器51 の上流側に配設したガス作動型
の第1遮断弁20と、均圧弁14の上流側に配設したガ
ス作動型の第2遮断弁21と、第1遮断弁20の上流側
から両遮断弁20,21の作動部へと導かれた制御ガス
回路22と、サージタンク19内の圧力によりオン・オ
フ作動されて、制御ガス回路22を開閉制御する圧力ス
イッチ23とを具備して、混合ガス使用部8側の流量,
圧力変化に応じて当該混合ガス供給システムを自動的に
起動・停止させるように構成されている。すなわち、混
合ガス使用部8側の流量,圧力変化により混合ガス供給
路9の圧力つまりサージタンク19内の圧力が所定圧
(設定上限圧)以上となると、圧力スイッチ23により
制御ガス回路22が開放される。そして、制御ガス回路
22が開放されると、第1原料ガス1aの一部が制御ガ
ス1dとして制御ガス回路22から遮断弁20,21に
導入されて、遮断弁20,21を閉制御し、原料ガス1
a,1bの導入を停止する。つまり、当該混合ガス供給
システムが停止される。一方、サージタンク19内の圧
力が所定圧(設定下限圧)以下となると、圧力スイッチ
23により制御ガス回路22が閉鎖されて、遮断弁2
0,21が開動作し、原料ガス1a,1bの導入を開始
する。つまり、当該混合ガス供給システムが起動され
る。なお、遮断弁20,21を、上記した場合と逆作動
して開閉されるものとしておいてもよい。
【0020】而して、第1システムでは、第1及び第2
流量調整器51 ,52 として、図2に示す如く、流れ方
向に断面積を漸次小さくした截頭円錐状の入口部51と
断面一様の円筒状をなして入口部51から流れ方向に延
びる出口部(スロート部)52とからなる平行型の先細
ノズル50aを使用している。各流量調整器51 ,5 2
における入口部51の長さL1 ,開き角θ1 及び出口部
52の径D1 ,長さL 2 等の各部寸法は、(a) 流量
調整器51 ,52 における出口側圧力P2 の入口側圧力
1 に対する圧力比P2 /P1 が臨界圧力比以下である
とき(以下、このような圧力条件を満足する出口側圧力
2 の範囲を「音速域」といい、音速域から外れる出口
側圧力P2 の範囲を「亜音速域」という)において、当
該流量調整器51 ,52 内におけるガス流速がその状態
における音速に相当する速度(以下、単に「音速」とい
う)となり、音速域では出口側圧力P2 が変動してもガ
ス流速は音速に維持されること、(b) 設計上、音速
域において、混合ガス使用部8の使用条件に応じて決定
される混合ガス1の混合比率(以下「基準混合比率」と
いう)が得られること(基準混合比率は、主として、両
流量調整器51 ,52 の流量調整部の口径比によって決
定される)、の両条件を共に満足するように設定されて
いる。
【0021】一方、第2システムでは、第1及び第2流
量調整器51 ,52 として、図3に示す如く、入口部5
3と出口部54との間に断面積一定の円筒状の喉部55
を設けると共に、出口部54を喉部55から漸次拡がる
截頭円錐状の拡大管部に構成した末広ノズル構造の中細
ノズル50bが使用されている。各流量調整器51 ,5
2 における入口部53の開き角θ2 、喉部55の径
2 ,長さL3 及び出口部54の長さL4 ,開き角θ3
等の各部寸法は、上記(a)(b)の条件を満足するよ
うに設定されている。特に、音速域を効果的に拡大させ
るためには、出口部54の開き角θ3 を可及的に小さく
し且つその長さL4 を大きくするようにしておくことが
好ましい。
【0022】なお、一の混合ガス供給システムにおける
流量調整器51 ,52 をすべてノズル構造のものとする
場合、上記した如く、それらのノズル形式は同一として
おくことが好ましい。また、かかる場合において、各ノ
ズルを他のノズルと相似形状をなす(対応する各部分の
径,長さの寸法が一定の比例関係にある)ものとしてお
くことが好ましい。
【0023】ところで、臨界圧力比とは、一般に、流量
調整器内を流れるガスの最大流速が音速に達したときの
出入口側圧力(以下、このときの出口側圧力P2 を当該
流量調整器の「臨界圧力PC 」という)の比PC /P1
をいい、理論的にはPC /P 1 =(2/(K+1))
K/(K-1) (Kは当該ガスの比熱比)で与えられるもので
ある。
【0024】以上のように構成された第1システム又は
第2システムにあっては、各原料ガス1a,1bが流量
調整器51 ,52 から混合器2に導入されて混合される
が、両原料ガス1a,1bは圧力制御機構7により同一
圧P1 に保持されているから、混合器2において安定し
た状態で混合されることになる。
【0025】そして、流量調整器51 ,52 の出口側圧
力P2 が臨界圧力PC 以下となる音速条件で、つまり入
口側圧力P1 に対する圧力比P2 /P1 が臨界圧力比P
C /P1 以下となる音速域においてシステムが運転され
るときは、原料ガス1a,1bが流量調整器51 ,52
内を音速で流れることから、出口側圧力P2 が混合ガス
使用部8側の圧力変化による影響を受けたとしても、つ
まり出口側圧力P2 が音速域で如何に変化したとして
も、各流量調整器51 ,52 の流速は変化しない。すな
わち、流量調整器51 ,52 内を音速で流れる原料ガス
1a,1bの流れは、流量調整器出口側の圧力変動を流
量調整器入口側に伝播させないから、流量調整器入口側
の圧力状態に相応した安定した質量流量が得られる。
【0026】したがって、システムが音速域(P2 ≦P
C )で運転され且つ同一圧力に維持される限り、混合器
2において得られる混合ガス1における原料ガス1a,
1bの混合比率は、混合ガス使用部8側の圧力変動に拘
わらず、常に、一定に維持される。すなわち、音速域で
は、出口側圧力P2 が如何に変動しても、混合ガス1の
混合比率が変化せず、常に、一定の混合比率の混合ガス
1を混合ガス使用部8へと供給させることができる。
【0027】なお、原料ガス1a,1bの音速流れは、
先細ノズル50aでは出口部52において生じることに
なり、中細ノズル50bでは喉部55において生じ、喉
部55から漸次拡大する出口部54において音速以上と
なる。先細ノズル50aでは、臨界圧力PC ないし臨界
圧力比 PC /P1 は理論値に略一致することになる。
一方、中細ノズル50bを使用した場合、出口部54が
末広ノズルにおける拡大管部と同様に機能することか
ら、喉部55で発生した音速は、当該ノズル50bの出
口側圧力P2 が同一条件における先細ノズル50aの臨
界圧力以上に上昇した場合にも保持されることになる。
すなわち、同一条件下では、中細ノズル50bの臨界圧
力PC は先細ノズル50aの臨界圧力PC より高くな
り、音速域は、中細ノズル50bを使用することによっ
て、先細ノズル50aを使用した場合に比して拡大され
ることになる。
【0028】一方、出口側圧力P2 が音速域から外れた
亜音速域(P2 >PC )となる条件下でシステムが運転
される場合、出口側圧力P2 の影響を受けて流量調整器
1,52 からの原料ガス流出量は変化する。しかし、
亜音速域においても、出口側圧力P2 が或る一定の圧力
(以下「許容限界圧力PL 」という)以下であるときに
は、第1流量調整器51 からの第1原料ガス流出量の変
化率と第2流量調整器51 からの第2原料ガス流出量の
変化率とが大きく異ならないため、混合ガス1の混合比
率自体はさほど大きく変化しない。すなわち、亜音速域
でも、混合ガス1の混合比率を所望する許容範囲に維持
させておくこと、つまり一定以上の混合精度を確保する
ことが可能となる。なお、許容限界圧力PL は、要求さ
れる混合精度つまり基準混合比率の許容範囲に応じて決
定されるもので、同一システムにおいても許容範囲によ
っては許容限界圧力PL が異なる場合がある。
【0029】したがって、第1システム又は第2システ
ムによれば、音速域(P2 ≦PC )から亜音速域(PC
<P2 ≦PL )に亘る極めて広範な圧力条件下で、一定
以上の混合精度を確保しつつ、安定した混合ガス供給を
行なうことができ、且つ必要とされる混合精度や混合ガ
ス使用部8側の圧力変動に応じた多様なシステム運転が
可能となる。例えば、混合ガス使用部8側の圧力変動が
音速域の範囲内であり且つ極めて高い混合精度が要求さ
れる場合には、システムを音速域でのみ運転(以下「音
速域運転」という)させるようにする。また、さほど高
い混合精度が要求されない場合、混合ガス使用部8側の
圧力変動が亜音速域の範囲内である場合やシステム全体
の圧力差を小さくしたい場合には、システムを亜音速域
でのみ運転(「亜音速域運転」という)させるようにす
る。さらに、条件によっては、音速領域及び亜音速領域
の両領域に亘って運転(以下「両音速域運転」という)
させることも可能である。
【0030】また、第1システム又は第2システムにあ
っては、高い混合精度が要求されており且つ混合ガス使
用部8側の使用圧力が低い場合、サージタンク19の設
定圧力幅(設定上限圧と設定下限圧との圧力範囲)を大
幅に拡大することができることから、サージタンク19
の容量を1/2程度に減少させることができる。また、
圧力スイッチ23や遮断弁20,21の作動回数(通
常、年間で10万回程度)が1/2程度となり、設備の
スペースや機器類の信頼性の向上において非常に大きな
効果がある。
【0031】特に、各流量調整器51 ,52 として末広
ノズル構造の中細ノズル50bを使用する第2システム
では、音速条件が大幅に改善される(例えば、音速域の
圧力条件であるP2 /P1 値は0.82である)ことか
ら、原料供給圧力と混合ガス供給圧力との圧力差を可及
的に小さくしつつ高精度の混合ガスを供給させることが
可能となり、実用上極めて有効である。
【0032】また、図4は第3の実施の形態における混
合ガス供給システム(以下「第3システム」という)及
び第4の実施の形態における混合ガス供給システム(以
下「第4システム」という)を、また図7は第5の実施
の形態における混合ガス供給システム(以下「第5シス
テム」という)を、夫々示したものである。
【0033】ところで、混合ガス使用部8における混合
ガス使用条件は区々であり、混合比率を変更する必要が
生じる場合もある。一方、第1及び第2システムにあっ
ては、混合ガス1の混合比率が各流量調整器51 ,52
のノズル形状によって決定され、固定されるため、少な
くとも一方の流量調整器を異なった形状のもの(流出ガ
ス量が異なるノズル形状のもの)に取り替えない限り、
混合比率を変更することはできない。
【0034】第3〜第5システムは、このように混合比
率を変更する必要のある場合にも容易に対応することが
できるように工夫されたもので、第1又は第2システム
において少なくとも一方の流量調整器(例えば第2流量
調整器52 )を、流量調整機構を有する流量可変なもの
に構成しておくことで、混合比率(基準混合比率)を任
意に変更することができるようになっている。
【0035】すなわち、第3システムは、図4及び図5
に示す如く、第2流量調整器52 として先細ノズル構造
の流量可変ノズル50cを使用したもので、この点を除
いて第1システムと同一構成をなすものである。また、
第4システムは、図4及び図6に示す如く、第2流量調
整器52 として中細ノズル構造の流量可変ノズル50d
を使用したもので、この点を除いて第2システムと同一
構成をなすものである。なお、第3又は第4システム
は、第2流量調整器52 の構成を除いて第1又は第2シ
ステムと同一構成をなすものであるから、第2流量調整
器52 以外の各構成部分については、図4において図1
におけると同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0036】第3システムにあっては、第1流量調整器
1 として第1システムにおけると同一の平行型の先細
ノズル50a(図2参照)が使用されているが、第2流
量調整器52 としては、図5に示す如く、上記第1流量
調整器51 と同一形式のノズル(平行型の先細ノズル)
であって、流量調整機構たるニードル体56の進退によ
り流量を可変ならしめうるように構成された流量可変ノ
ズル50cが使用されている。すなわち、この流量可変
ノズル50cは、図5に示す如く、流れ方向に断面積を
漸次小さくした截頭円錐状の入口部51´(長さL
´1 ,開き角θ´1)と断面一様の円筒状をなして入口
部51´から流れ方向に延びるスロート部たる出口部5
2´(径D´1 ,長さL´2 )とからなる先細ノズル構
造をなし、入口部51´にノズル軸線(出口部52´の
中心を通過する軸線)上を進退自在なニードル体56を
設けて、このニードル体56を進退させることによりガ
ス流路断面積を変更調整(流量調整部の開度を変更調
整)しうるように構成されたものである。
【0037】また、第4システムにあっては、第1流量
調整器51 として第2システムにおけると同一の末広ノ
ズル構造の中細ノズル50b(図3参照)が使用されて
いるが、第2流量調整器52 としては、図6に示す如
く、上記第1流量調整器51 と同一形式のノズル(末広
ノズル構造の中細ノズル)であって、流量調整機構たる
ニードル体57の進退により流量を可変ならしめうるよ
うに構成された流量可変ノズル50dが使用されてい
る。すなわち、この流量可変ノズル50dは、図6に示
す如く、截頭円錐状の入口部53´(開き角θ´2 )と
截頭円錐状の出口部54´(長さL´4 ,開き角θ
´3 )との間に断面積一定の円筒状の喉部55´(径D
´2 ,長さL´3 )を設けた末広ノズル構造をなし、入
口部53´にノズル軸線(喉部55´の中心を通過する
軸線)上を進退自在なニードル体57を設けて、このニ
ードル体57を進退させることによりガス流路断面積を
変更調整(流量調整部の開度を変更調整)しうるように
構成されたものである。
【0038】各ニードル体56,57は、基端方向に漸
次拡径する円錐状部分56a,57aを有するものであ
って、この円錐状部分56a,57aを出口部52´又
は喉部55´に向かって前進させるに従って、ガス流路
断積を漸次小さく(流量調整部の開度を漸次小さく)し
得て、第2流量調整器52 からの第2原料ガス1bの流
出量を減少させるべく、機能するものである。このニー
ドル体56,57の形状、特に円錐状部分56a,57
aの拡径率(拡がり角)θ4 ,θ5 及び基端径(最大
径)D4 ,D5 は、当該第2流量調整器52 のノズル形
状等に応じて適宜に設定される。一般に、基端径D4
5 は、所望する混合ガスの混合比率(基準混合比率)
が小さいときはスロート部径D´1 ,喉部径D´2 より
小さくし、逆に混合比率が大きいときはスロート部径D
´1 ,喉部径D´2 と略同一に設定しておくことが好ま
しい。また、拡径率θ4 ,θ5 は、可及的に小さく設定
しておくことが好ましい。勿論、ニードル体56,57
を含めて第2流量調整器52たる流量可変ノズル50
c,50dの各部は、前記(a)の条件を満足すると共
に第1流量調整器51 との関係において前記(b)の条
件を満足するように設計される。
【0039】なお、ニードル体56,57の進退操作機
構については、慣用技術であり格別のものではないの
で、省略するが、ニードル体56,57の進退を手動的
に行なうものであると否とに拘わらず、ニードル体5
6,57の進退量ないし進退位置と第2流量調整器52
からの副原料ガス流出量ないし混合比率(基準混合比
率)との関係を検知,把握できるように構成しておくこ
とが好ましい。
【0040】而して、第3又は第4システムにあって
は、第2流量調整器52 における流路調整部の開度(ニ
ードル体56,57が流路調整部に全く影響しない場合
の開度を100%とし、ニードル体56,57が流路調
整部を完全に閉塞する場合の開度を0%とする)をニー
ドル体56,57の進退により変化させることにより、
第2流量調整器52 から混合器2への第2原料ガス1b
の導入量を任意に変更させることができる。したがっ
て、流量調整器51 ,52 を交換することなく、混合比
率を混合ガス使用部8側の要求に応じて任意に変更する
ことが可能となり、混合比率の異なる混合ガスを使用す
る必要がある場合においても、これに十分対処すること
ができる。
【0041】そして、ニードル体56,57の進退によ
り混合比率を変更させた場合、変更後のニードル位置に
拘わらず、第3システムにおいては第1システムと、第
4システムにおいては第2システムと、夫々、同様の安
定且つ良好な混合ガス供給機能が発揮される。
【0042】すなわち、流量調整器51 ,52 の出口側
圧力P2 が臨界圧力PC 以下となる条件で、つまり入口
側圧力P1 に対する圧力比P2 /P1 が臨界圧力比PC
/P 1 以下となる音速域において第3システム又は第4
システムが運転(音速域運転)されるときは、原料ガス
1a,1bが流量調整器51 ,52 の出口部52,52
´又は喉部55,55´を音速で流れることから、出口
側圧力P2 が混合ガス使用部8側の圧力変動による影響
を受けたとしても、つまり出口側圧力P2 が音速域で如
何に変動したとしても、各流量調整器51 ,52 から混
合器2への原料ガス導入量は変化しない。すなわち、流
量調整器51 ,52 内を音速で流れる原料ガス1a,1
bの流れは、流量調整器出口側の圧力変動を流量調整器
入口側に伝播させないから、流量調整器入口側の状態に
相応した安定した質量流量が得られる。したがって、第
3システム又は第4システムが音速域(P2 ≦PC )で
運転される場合、混合ガス使用部8側の圧力変化に拘わ
らず、所望する高精度の混合ガスを得ることができる。
【0043】また、出口側圧力P2 が音速域から外れた
亜音速域(P2 >PC )となる条件下で或いは音速域と
亜音速域とに亘る条件下でシステムが運転(亜音速域運
転或いは両音速域運転)される場合にも、出口側圧力P
2 が許容限界圧力PL 以下であるときには、各流量調整
器51 ,52 から混合器2への原料ガス導入量は変化す
るものの、混合ガス1における原料ガス1a,1bの混
合比率を所定の許容範囲に維持させておくことができ
る。
【0044】したがって、第3又は第4システムによれ
ば、第1又は第2システムと同様に、音速域(P2 ≦P
C )から亜音速域(PC <P2 ≦PL )に亘る極めて広
範な圧力条件下で、一定以上の混合精度を確保しつつ、
適正な混合ガス供給を行なうことができ、且つ必要とさ
れる混合精度や混合ガス使用部8側の圧力変動に応じた
多様なシステム運転(音速域運転,両音速域運転,亜音
速域運転)が可能となることは勿論、第1又は第2シス
テムと異なって、混合ガス使用部8側の要求に応じて必
要とされる混合比率に簡便に変更,調整することができ
る。
【0045】また、第5システムは、図7に示す如く、
圧力制御機構7を除いて、第3又は第4システムと同一
構成をなすものである。
【0046】すなわち、第5システムにあっては、圧力
制御機構7が、図7に示す如く、第1原料ガス導入路3
に設けられたガス作動型の第1均圧弁31及び第1減圧
弁32と、第2原料ガス導入路4に設けられた第2均圧
弁33と、第1原料ガス導入路3から分岐して混合器2
に導かれた第3原料ガス導入路34と、第3原料ガス導
入路34に設けられた第3流量調整器53 及び第2減圧
弁36と、第3原料ガス導入路34から分岐されて各均
圧弁31,33の作動部に導かれた第1及び第2作動ガ
ス導入路37,38とを具備してなる。第1均圧弁31
は、第1流量調整器51 と第1遮断弁20との間に配置
されている。第1減圧弁32は、入口弁11aと第1遮
断弁20との間に配置されていて、第1均圧弁31の両
側における圧力差を可及的に小さくすべく、第1均圧弁
31に向かう第1原料ガス1aの圧力を減圧調整する。
第2均圧弁33は、第2流量調整器52 と第2遮断弁2
1との間に配置されている。第3原料ガス導入路34
は、第1減圧弁32の上流側において第1原料ガス導入
路3に分岐接続されている。第3流量調整器53 は、第
1流量調整器51 と同一機能のもの(図2に示す先細ノ
ズル50a又は図3に示す中細ノズル50b)であり、
前記(a)の条件を満足すると共に第1及び第2流量調
整器51 ,52 との関係において前記(b)の条件を満
足するものである。第2減圧弁36は、第3流量調整器
3 の上流側に配置されている。各作動ガス導入路3
7,38は、第3流量調整器53 と第2減圧弁36との
中間個所において第3原料ガス導入路34に分岐接続さ
れている。而して、第5システムの圧力制御機構7にあ
っては、均圧弁31,33の作動ガス1cとして第1原
料ガス1aの一部を使用すると共に、均圧弁31,33
を作動後の作動ガス1cを、第1及び第2流量調整器5
1 ,52 から流出する原料ガス1a,1bと共に、第3
流量調整器53 から混合器2に導入させるように構成さ
れている。また、制御ガス回路22が、第1減圧弁32
の上流側個所において第1原料ガス導入路3に分岐接続
されていて、第1減圧弁32で圧力調整されない第1原
料ガス1aの一部を、遮断弁20,21用の制御ガス1
dとして使用するようになっている。
【0047】かかる構成の圧力制御機構7を具備する第
5システムにあっては、第1減圧弁32に向かう第1原
料ガス1aの一部は、作動ガス1cとして、第1原料ガ
ス導入路3から第3原料ガス導入路34へと導入され、
第2減圧弁36により一定圧P1 に調整された上で第1
及び第2作動ガス導入路37,38から第1及び第2均
圧弁31,33の作動部に導入されて、各均圧弁31,
33を作動させる。そして、これら均圧弁31,33の
作動により、第1及び第2流量調整器51 ,5 2 の入口
側圧力が作動ガス1cと同圧P1 に調整,制御される。
一方、作動ガス1cは、均圧弁31,33を作動させた
後、第3原料ガス導入路34から第3流量調整器53
経て混合器2に導入される。
【0048】このように、流量調整器51 ,52 ,5c
の入口側圧力が同一圧P1 に保持された状態で、第1流
量調整器51 から流出する第1原料ガス1aと第2流量
調整器52 から流出する第2原料ガス1bと第3流量調
整器53 から流出する第1原料ガスである作動ガス1c
とが混合器2に導入されることから、第3又は第4シス
テムにおけると同様に、安定且つ良好な混合ガス供給機
能が発揮される。すなわち、流量調整器51 ,52 ,5
cの出口側圧力P2 が臨界圧力PC 以下となる音速域
で、第5システムが運転されるときは、原料ガス1a,
1b,1cが流量調整器51 ,52 ,5c内を音速で流
れることから、出口側圧力P2 が混合ガス使用部8側の
圧力変動による影響を受けたとしても、流量調整器
1 ,52 ,5c内を音速で流れる原料ガス1a,1
b,1cの流れは、流量調整器出口側の圧力変動を流量
調整器入口側に伝播させず、流量調整器入口側の状態に
相応した安定した質量流量が得られる。したがって、第
5システムが音速域運転される場合、混合器2において
得られる混合ガス1の混合比率は、混合ガス使用部8側
の圧力変動に拘わらず、一定に維持される。すなわち、
第2流量調整器52 におけるニードル体56,57の進
退位置によって決定される混合比率に維持される。ま
た、第5システムが両音速域運転又は亜音速域運転され
る場合にも、出口側圧力P2 が許容限界圧力PL 以下で
あるときには、各流量調整器51 ,52 ,5cから混合
器2への原料ガス導入量は変化することがあるものの、
混合ガス1の混合比率を所望する許容範囲に維持させて
おくことができる。
【0049】したがって、第5システムによれば、第3
又は第4システムと同様に、音速域(P2 ≦PC )から
亜音速域(PC <P2 ≦PL )に亘る極めて広範な圧力
条件下で、一定以上の混合精度を確保しつつ、適正な混
合ガス供給を行なうことができ、且つ必要とされる混合
精度や混合ガス使用部8側の圧力変動に応じた多様なシ
ステム運転(音速域運転,両音速域運転,亜音速域運
転)が可能となり、第2流量調整器52 における入口部
51´,53´の断面積をニードル体56,57の進退
により変更することにより、混合ガス使用部8側の要求
に応じて混合比率を簡便に変更,調整することができ
る。
【0050】さらに、第5システムにあっては、均圧弁
31,33を作動させる作動ガス1cとして第1原料ガ
ス1aの一部を使用すると共に、均圧弁31,33を作
動させた作動ガス1cを大気中に放出させることなく、
混合ガス1の原料として使用するから、作動ガス1cが
無駄に消費されず、経済的に有利である。しかも、圧力
制御機構7を電気的手段により作動させるようにした場
合と異なって、原料ガスとして引火性,爆発性のものを
使用するときにも、格別の防爆対策を施しておく必要が
なく、システムの簡素化を図ることができる。
【0051】ところで、本発明の混合ガス供給システム
は、上記した各実施の形態に限定されるものではなく、
本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に改
良,変更することができる。例えば、上記した各システ
ムにあっては、2種の原料ガス1a,1bを混合させる
ようにしたが、3種以上の原料ガスを混合させるように
することもできる。また、第3〜第5システムにあって
は、複数の流量調整器のうち一の流量調整器(第2流量
調整器52 )を流量調整機構(ニードル体)56,57
を備えた流量可変型の流量調整器(流量可変ノズル)5
0c,50dに構成したが、かかる流量可変型のものに
構成する流量調整器の数は任意である。
【0052】
【実施例1】実施例1として、第1システムを、 (1) 主原料ガス1aとして窒素を使用し、副原料ガ
ス1bとして酸素を使用する。 (2) 基準混合比率(酸素濃度)が21vol %となる
ように設計された流量調整器51 ,52 を使用する。す
なわち、第1流量調整器51 として、D1 =2.0m
m,L1 =20.0mm,L2 =6.0mm,θ1 =8
°の先細ノズル50a(図2参照)を使用し、第2流量
調整器52 として、D1 =1.2mm,L1 =12.0
mm,L2 =3.6mm,θ1=8°の先細ノズル50
a(図2参照)を使用する。 (3) 流量調整器51 ,52 の入口側圧力P1 を、圧
力制御機構7により7.5kg/cm2 に保持する。 の条件で音速域運転、両音速域運転及び亜音速域運転を
行なった。
【0053】まず、システム運転に先立って、第2流量
調整器52 のみを使用して、出口側圧力P2 を変化させ
つつ、流量調整器52 を通過する酸素の流量比Kを測定
して、先細ノズル50aにおける流量特性を確認した。
その結果は、表1に示す通りである。なお、各実施例に
おいて、流量比Kは、当該流量調整器52 における流入
酸素量V1 に対する流出酸素量V2 の割合(%)であり
(K=(V2 /V1 )×100)、また圧力P1 ,P2
はすべてゲージ圧力であるが、圧力比(P2 /P1 )に
ついては、特に、圧力P1 ,P2 を絶対圧力として計算
されている。
【0054】表1から理解されるように、出口側圧力P
2 が3.5kg/cm2 以下であるときはK=100%
であり、流量調整器52 内で音速流れが生じている。す
なわち、P2 ≦3.5kg/cm2 が音速域であり、臨
界圧力比0.53は理論値に近似している。
【0055】そして、当該システムを出口側圧力(サー
ジタンク19の運転圧力)P2 を2.0〜3.5kg/
cm2 とする圧力条件下で音速域運転を行い、混合ガス
1の混合比率つまり酸素濃度(vol %)を測定した。そ
の結果は、表2に示す通りであった。なお、酸素濃度の
測定器としては、東レエンジニアリング(株)製のジル
コニア式酸素濃度計(LC−750H(D))であっ
て、0〜25vol %(測定レンジ)の酸素濃度を3桁
(小数点以下1桁)でデジタル表示するものを使用し
た。
【0056】また、当該システムを出口側圧力(サージ
タンク19の運転圧力)P2 を3.0〜4.5kg/c
2 とする圧力条件下で両音速域運転を行い、混合ガス
1の混合比率(vol %)を上記ジルコニア式酸素濃度計
で測定した。その結果は、表3に示す通りであった。
【0057】さらに、当該システムを出口側圧力(サー
ジタンク19の運転圧力)P2 を4.0〜5.5kg/
cm2 とする圧力条件下で亜音速域運転を行い、混合ガ
ス1の混合比率(vol %)を上記ジルコニア式酸素濃度
計で測定した。その結果は、表4に示す通りであった。
【0058】表2及び表3から明らかなように、音速域
運転及び両音速域運転では、背圧P 2 の変化に拘わら
ず、混合比率が上記ジルコニア式酸素濃度計の表示範囲
(少数点以下1桁)において同一となった。すなわち、
混合比率がすべて21.0vol%(基準混合比率(21v
ol %)±0.1vol %)となり、極めて高い混合精度
(±0.1vol %以内)が得られることが確認された。
また、表4から明らかなように、亜音速域運転でも、混
合比率が21.1〜21.2vol %(21vol %±0.
2vol %)となり、高い混合精度(±0.2vol %以
内)が得られることが確認された。したがって、第1シ
ステムによれば、その運転条件に拘わらず、医療用合成
空気を対象とする第2従来システム(混合精度は±1.
0〜1.5vol %)に比して、極めて高精度の混合ガス
1を供給させることができる。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【実施例2】実施例2として、第2システムを、 (1) 主原料ガス1aとして窒素を使用し、副原料ガ
ス1bとして酸素を使用する。 (2) 基準混合比率(酸素濃度)が21vol %となる
ように設計された流量調整器51 ,52 を使用する。す
なわち、第1流量調整器51 として、D2 =2.0m
m,L3 =4.0mm,L4 =33.3mm,θ2 =8
°,θ3 =6°の中細ノズル50b(図3参照)を使用
し、第2流量調整器52 として、D2 =1.2mm,L
3 =2.4mm,L4 =20.0mm,θ2 =8°,θ
3 =6°の中細ノズル50b(図3参照)を使用する。 (3) 流量調整器51 ,52 の入口側圧力P1 を、圧
力制御機構7により7.5kg/cm2 に保持する。 の条件で音速域運転、両音速域運転及び亜音速域運転を
行なった。なお、酸素濃度の測定器としては、第1実施
例において使用したと同一のジルコニア式酸素濃度計
(LC−750H(D))を使用した。
【0064】まず、システム運転に先立って、実施例1
におけると同様に、第2流量調整器52 のみを使用し
て、出口側圧力P2 を変化させつつ、流量調整器52
通過する酸素の流量比Kを求めた。その結果は、表5に
示す通りであった。表5から理解されるように、P2
6.0kg/cm2 が音速域であり、背圧たる出口側圧
力P2 による影響を受けない音速域が先細ノズル50a
を使用した実施例1に比して拡大されている。
【0065】そして、当該システムを出口側圧力(サー
ジタンク19の運転圧力)P2 を2.0〜6.0kg/
cm2 とする圧力条件下で音速域運転を行い、混合ガス
1の混合比率(vol %)を測定した。その結果は、表6
に示す通りであった。
【0066】また、当該システムを出口側圧力(サージ
タンク19の運転圧力)を5.0〜6.5kg/cm2
とする圧力条件下で両音速域運転を行い、混合ガス1の
混合比率(vol %)を測定した。その結果は、表7に示
す通りであった。
【0067】さらに、当該システムを出口側圧力(サー
ジタンク19の運転圧力)P2 を6.5〜7.0kg/
cm2 とする圧力条件下で亜音速域運転を行い、混合ガ
ス1の混合比率(vol %)を測定した。その結果は、表
8に示す通りであった。
【0068】表6及び表7から明らかなように、音速域
運転及び両音速域運転では、背圧P 2 の変化に拘わら
ず、混合比率が変化なく一定(21.0vol %)であ
り、実施例1による以上に高い混合精度が得られること
が確認された。また、表8から明らかなように、亜音速
域運転でも、混合比率が21.0〜21.1vol %(2
1vol %±0.10vol %)となり、実施例1に比して
より高い混合精度(±0.10vol %以内)が得られる
ことが確認された。
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】
【表8】
【0073】
【実施例3】実施例3として、第4システムを、 (1) 主原料ガス1aとして窒素を使用し、副原料ガ
ス1bとして酸素を使用する。 (2) 基準混合比率(酸素濃度)が6.7vol %(ニ
ードル体57による開度が100%のとき)となるよう
に設計された流量調整器51 ,52 を使用する。すなわ
ち、第1流量調整器51 として、D2 =2.0mm,L
3 =4.0mm,L4 =33.3mm,θ2 =8°,θ
3 =6°の中細ノズル50b(図3参照)を使用し、第
2流量調整器52 として、D´2 =0.3mm,L´3
=0.6mm,L´4 =15.0mm,θ´2 =8°,
θ´3 =6°,D5 =0.96mm,θ5 =5°の流量
可変ノズル50d(図6参照)を使用する。 (3) 流量調整器51 ,52 の入口側圧力P1 を、圧
力制御機構7により7.5kg/cm2 に保持する。 (4) 流量調整器51 ,52 の出口側圧力(サージタ
ンク19の運転圧力)P2 を5.0〜6.0kg/cm
2 とする。 の条件で、 ニードル体57を開度100%となる位置に位置さ
せる。 ニードル体57を開度80%となる位置に位置させ
る。 ニードル体57を開度56%となる位置に位置させ
る。 の各場合においてシステム運転を行なった。なお、酸素
濃度の測定器としては、第1実施例において使用したと
同一のジルコニア式酸素濃度計(LC−750H
(D))を使用した。
【0074】まず、システム運転に先立って、第2流量
調整器52 のみを使用して、上記したの各場合に
おいて、出口側圧力P2 を変化させつつ、流量調整器5
2 を通過する酸素の流量比Kを求めた。その結果は、表
9に示す通りであった。
【0075】表9から、開度100%では、P2 ≦6.
0kg/cm2 がK=100%となる音速域であり、開
度が低くなるに従い、音速域が狭くなることが理解され
る。なお、音速域における第2流量調整器52 からの酸
素流出量は、の場合において0.52Nm3 /hであ
り、の場合において0.416Nm3 /hであり、
の場合において0.293Nm3 /hである。
【0076】そして、の各場合において、当該シ
ステムを出口側圧力P2 が5.0〜6.0kg/cm2
となる条件下で運転し、混合比率を測定した。その結果
は、表10に示す通りであった。なお、基準混合比率
は、の場合には上記した如く6.7vol %であるが、
の場合には5.4vol %となり、の場合は3.7%
となる。
【0077】表10から明らかなように、混合比率は、
の場合には基準混合比率(6.7vol %)と同一で変
化がなく、の場合には基準混合比率(5.4vol %)
の±0.10vol %以内であり、の場合には基準混合
比率(3.7vol %)の±0.2vol %以内であり、何
れの場合にも、第1従来システムに比して極めて高い混
合精度が確保されることが理解される。なお、表9から
も理解されるように、出口側圧力P2 を5.0〜6.0
kg/cm2 としたシステム運転は、の場合には音速
域運転となり、の場合には両音速域運転となり、の
場合には亜音速運転となる。
【0078】
【表9】
【0079】
【表10】
【0080】
【発明の効果】以上の説明から容易に理解されるよう
に、請求項1の発明によれば、混合ガス使用部側の圧力
が変化する条件下においても、所望する高精度の混合ガ
スを得ることができ、安定した混合ガス供給を行なうこ
とができる。しかも、必要とされる混合ガス精度や混合
ガス使用部側の圧力変化等に応じた多様なシステム運転
を行なうことができる。すなわち、システム運転を、必
要に応じて、音速域又は亜音速域の何れかで、或いは音
速域及び亜音速域の両域で選択的に行なうことができ、
その実用性は極めて高い。また、亜音速域でシステム運
転を行なうことにより、システム全体の圧力差を小さく
することも可能となる。
【0081】さらに、請求項2の発明によれば、混合ガ
ス使用部における混合ガス使用条件に応じて、混合ガス
の成分を容易に変更することができ、混合ガスを必要と
する各種工程の精度を大幅に向上させることができる。
【0082】また、請求項3の発明によれば、作動ガス
の大気放出による経済上や環境衛生上の問題を解決する
ことができ、使用する原料ガスの性状が制限されること
もない。しかも、原料ガスとして引火性,爆発性のもの
を使用するときにも、格別の防爆対策を施しておく必要
がなく、システムの簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1システム及び第2システムを示す系統図で
ある。
【図2】第1システムにおいて使用される流量調整器
(先細ノズル)を示す断面図である。
【図3】第2システムにおいて使用される流量調整器
(中細ノズル)を示す断面図である。
【図4】第3システム及び第4システムを示す系統図で
ある。
【図5】第3システムにおいて使用される第2流量調整
器(先細ノズル構造の流量可変ノズル)を示す断面図で
ある。
【図6】第4システムにおいて使用される第2流量調整
器(中細ノズル構造の流量可変ノズル)を示す断面図で
ある。
【図7】第5システムを示す系統図である。
【図8】第1従来システムを示す系統図である。
【図9】第2従来システムを示す系統図である。
【符号の説明】
1…混合ガス、1a…主原料ガス、1b…副原料ガス、
1c…作動ガス(主原料ガス)、2…混合器、3…第1
原料ガス導入路、4…第2原料ガス導入路、5 1 …第1
流量調整器、52 …第2流量調整器、53 …第3流量調
整器、7…圧力制御機構、8…混合ガス使用部、9…混
合ガス供給路、10…システム起動・停止機構、11,
12…原料ガス供給源、14,31,33…均圧弁、3
4…第3原料ガス導入路、50a…先細ノズル(流量調
整器)、50b…中細ノズル(流量調整器)、50c,
50d…流量可変ノズル(第2流量調整器)、56,5
7…ニードル体(流量調整機構)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 紀男 大阪府大阪市西区靱本町2丁目4番11号 大陽東洋酸素株式会社内 (72)発明者 三室 公厚 東京都台東区東上野2丁目19番3号 ガス ミックス工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主原料ガスと一種又は複数種の副原料ガ
    スとを混合させる混合器と、これらの原料ガスを混合器
    に導入させる複数の原料ガス導入路と、各原料ガス導入
    路に配設されており、主原料ガスの混合器への導入量を
    一定に調整する第1流量調整器及び副原料ガスの混合器
    への導入量を主原料ガス導入量に応じた所定量に調整す
    る一又は複数の第2流量調整器と、これらの流量調整器
    の入口側圧力を所定の同一圧に制御,保持する圧力制御
    機構と、混合器で得られた混合ガスを所定の混合ガス使
    用部に供給させる混合ガス供給路と、を具備して、 上記流量調整器の入口側圧力に対する出口側圧力の圧力
    比が臨界圧力比以下である条件であって流量調整器内に
    おけるガス流速が音速となる条件、 上記圧力比が所定の圧力比以下である条件であって流量
    調整器内におけるガス流速が音速又は亜音速となる条
    件、又は上記圧力比が所定の圧力比以下である条件であ
    って流量調整器内におけるガス流速が音速に達しない条
    件、の何れかの条件で運転させるようにしたことを特徴
    とする混合ガス供給システム。
  2. 【請求項2】 少なくとも一の第2流量調整器が、副原
    料ガスの混合器への導入量を変更調整しうる流量調整機
    構を有するものであることを特徴とする、請求項1に記
    載の混合ガス供給システム。
  3. 【請求項3】 圧力制御機構が作動ガスにより作動され
    る均圧弁を具備するものであり、その作動ガスとして原
    料ガスの一部を使用すると共に、均圧弁を作動後の作動
    ガスを、原料ガス導入路に配設された流量調整器と同一
    機能の第3流量調整器を介して、原料ガスと共に混合器
    に導入させるように構成したことを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の混合ガス供給システム。
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