JPH10127286A - Hgf産生を抑制するオリゴヌクレオチド - Google Patents

Hgf産生を抑制するオリゴヌクレオチド

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JPH10127286A
JPH10127286A JP29149996A JP29149996A JPH10127286A JP H10127286 A JPH10127286 A JP H10127286A JP 29149996 A JP29149996 A JP 29149996A JP 29149996 A JP29149996 A JP 29149996A JP H10127286 A JPH10127286 A JP H10127286A
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hgf
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met
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Tetsuya Ishikawa
哲也 石川
Takashi Shigematsu
貴 重松
Akihiro Yamamoto
章博 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】HGFの発現、産生、受容またはc−Metの
発現を抑制し、腫瘍細胞増殖抑制、分散抑制または血管
新生抑制をもたらす、抗腫瘍もしくは抗転移剤を提供す
ること。 【解決手段】GTTGGGGTTGGTGTTTTGG
Gであらわされる塩基配列を有するオリゴヌクレオチド
からなるHGFの発現、産生を変調させるオリゴヌクレ
オチドまたはオリゴヌクレオチド同族体

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腫瘍細胞増殖抑制また
は血管新生抑制により、抗腫瘍または抗転移の効果をも
たらす薬剤に関するものである。詳しく述べると本発明
は、HGF(Hepatocyte Growth Factor)の発現、産
生、受容またはc−Metの発現を抑制するオリゴヌク
レオチドおよびオリゴヌクレオチド同族体の設計、合成
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、腫瘍細胞のもつそれぞれの機能に
関与する因子の研究が活発になるに連れて、これらの機
能は、ほとんどすべて、腫瘍細胞自身が産生している何
らかの細胞増殖因子やサイトカイン(オートクリン因
子)と、転移組織の産生する細胞増殖因子やサイトカイ
ン(パラクライン因子)によって調節されていることが
指摘されるようになった。つまり、ガン転移の成立には
これらの因子が必要であることが示唆されている。細胞
のガン化に関与しているオートクリン因子は、EGF、
FGF、NGF、PDGFなどで、または主として造血
系細胞由来の腫瘍では、IL−1、IL−6、GM−C
SF、M−CSF、IL−3などである。このように、
多くの増殖因子が正常細胞の腫瘍化において、自己細胞
の刺激因子として関与していることが示されているが、
これらの増殖因子は産生腫瘍細胞の生体内における種々
の特性にも関与しているものと考えられる。特に、腫瘍
細胞の侵襲性や転移性に密接に関与していることが示唆
されている。たとえば、種々のヒトのメラノーマ細胞を
ヌードマウスに接種して、その増殖能と転移能を観察す
ると、in vivo での自律増殖能が高く細胞自身オートク
リン因子を分泌している細胞株は、そのほかの細胞株に
比して、はるかにヌードマウスでの増殖能も転移能も高
いことが示されている。ロデック、ハーリン、メンセン
(Rodeck,U.,Herlyn,M. and Mennssen, H.D.)Internatio
nal Journal Cancer ,40,687(1987)。また、PerosioやB
rooks らは、軟部組織由来の良性と悪性の腫瘍と正常組
織についてNGF、PDGF、FGFやNGFレセプタ
ーやEGFレセプターなどの発現を免疫組織学的手法に
よって調べたが、これらの増殖因子とそのレセプターの
同時発現は、正常組織では非常に希にしか認められない
のに、腫瘍、特に悪性化の激しい腫瘍では高頻度に認め
られることを報告している。ペロシオ、ブロークス(Per
osio,P.M. and Brooks,J.J.),Lablortory Investigatio
n,60,245,(1989)。
【0003】一方、HGFは、初代培養肝細胞に対する
最も強力な増殖因子として単離されたが、その後、腎尿
細管上皮細胞、皮膚ケラチノサイト、肺胞II型上皮細
胞、胃粘膜上皮細胞、甲状腺上皮細胞など、数多くの上
皮細胞の増殖を強く促進することが明らかになってき
た。マツモト、ナカムラ(Matumoto,K. and Nakamura,
T.)Crit.Rev.Oncogenesis 3,27-54(1992):ジョンソ
ン、コーコーリス、マツモト(Johanson,M.,Koukoulis,
G.,Matumoto,K.et al., Hepatology 17,1052-1061(199
3)。さらに、HGFは増殖促進因子(mitogen) としてで
はなく、上皮細胞の細胞運動を促進する運動促進因子(m
otogen) として作用することが明らかになった。これは
上皮細胞のmotogenとして注目されていたScatter facto
r (SF)のアミノ酸配列が決定されると、それがHGFの
アミノ酸配列と一致したことにより明らかになった。ゲ
ラーディ、ストーカー(Gherardi,E. and Stoker,M.)Nat
ure、346,228-231 (1990)。また、1991年には腎尿細管や
胆管、乳腺などの管腔形成を誘導する形態形成因子(mor
phogen) としての作用も有することが明らかにされた。
モンテサノ、シェイラー、オーサイ(Montesano,R.,Scha
ller,G. and Orci,L.),Cell66,697-711(1991): Montes
ano,R.,Matsumoto,K.,Nakamura,T.and Orci,L.:Cell67,
901-908(1991)。このように、HGFは上皮細胞のmitog
en、motogen、morphogenなど、多彩な生物活性を有する
多面的機能因子(pleiotropic factor)であることが明ら
かになってきた。さらに、肝細胞をはじめ様々なHGF
の標的細胞には高親和性レセプターが細胞あたり200
〜1500個存在しており、この高親和性レセプターが
HGFの細胞内シグナルの発信に必要なレセプターと考
えられていた。ヒグチ、ナカムラ(Higuchi,O. and Naka
mura,T.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,176,599-607(19
91)。タジマ、マツモト、ナカムラ(Tajima,H.,Matsumot
o,K. and Nakamura,T.,Exp.Cell Res. 202,423-431(119
2)。1991年に、長らくそのリガンドが不明であっ
た。レセプター型チロシンキナーゼをコードするc−m
etプロトオンコジン産物がc−Met/HGFレセプ
ターであることが明らかになり、HGFによるシグナル
伝達のメカニズム解明への糸口が開かれた。ボタロ、ル
ビン、チャン、フェレト、クミーキック、ファンデヴォ
ウテ、アーロンソン(Bottaro,D.P.,Rubin,J.S.Feletto,
D.L.,Chan,A.M.-L.,Kmiecik,T.E.,VandeWoude,G.F. and
Aaronson,S.A.,Science 251,802-804(1191)。
【0004】また、癌撲滅の最大の関門となっている癌
転移は、腫瘍細胞が最初に発生した部位(原発巣)を離
れて他の臓器へ移行し、そこに、癌が生じることであ
る。転移のメカニズムは、腫瘍細胞を原発巣より遊離さ
せ(プロテアーゼ、接着因子等が関与)、血流中に入り
ほとんどの腫瘍細胞は死滅するが、一部の腫瘍細胞が血
管内皮細胞に接着することにより標的臓器に到達する
(各種接着因子が関与)。接着した腫瘍細胞は血管内皮
細胞を押し退けて、その下にある基底膜に到達し、タン
パク分解酵素で分解して、組織に侵入する。転移の最終
段階として、腫瘍細胞が産生する血管新生因子によって
血管が新生されて転移巣に栄養や酸素を供給し、腫瘍組
織が対数増殖すると考えられている。血管の新生には、
腫瘍細胞は液性因子である血管新生因子を放出する。腫
瘍血管は腫瘍サイズの増加と関連するだけでなく、基底
膜が不十分で透過性が高い血管新生が増加することは、
腫瘍細胞の血管内移行が増加し、転移の促進につながる
と考えられる。すなわち、腫瘍では内皮細胞は活発に分
裂増殖し、血管の新生が起こり、その結果、腫瘍増殖を
促進する。一方、健常な成人では、一部組織を除いて血
管の新生は認められず、血管内皮細胞のturn overも月
あるいは年単位と極めて遅い。それ故に、血管新生を阻
害する事により腫瘍増殖を抑制できると予想される。基
底膜が未完成で内皮細胞間のギャップの接合が不完全な
新生血管では、腫瘍細胞の血管内皮移行が容易であり、
質的および量的な血管の変化を通じて血管新生は血行性
転移を助長すると考えられる。
【0005】血管新生因子としては、bFGF(basic F
ibroblast GrowthFactor)、シング(Y.Shing,et al.,),
J.Cellular,Biol.,29,275(1985):エシュ(F.Esh,et a
l),Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,6507(1985):ロブ、ア
ルダーマン(R.R.Lobb,E.M.,Alderman,J.W.Fott,ibid,2
4,4969(1985)、VEGF(Vascular Endotherial Cell G
rowth Factor)、コナリー(Conally,.D.T., et al.),J.C
lin.Invest.,84,1470-1478,(1989)、EGF(Epidermal
Growth Factor)、コーエン(Cohen,S.), Biosci.Rep.,6,
1017-1028(1986)、およびTGF(Transforming Growth
Factor)α、シュライバー、ウインクラー、デリンク(Sc
hreiber,A.B.,Winkler,M.E.,Derynck,R.),Science,232,
1250-1253(1986)等が報告され、これらの因子の基礎研
究、疾患における役割の解析が進んでいる。
【0006】ところで、もし、腫瘍血管新生が起こらな
ければ、腫瘍は2mm以上の大きさになることはできな
い。これは、腫瘍血管新生の阻害が癌の増殖抑制につな
がることを示唆する事実である。フォルクマン(Folkma
n,J.).Advanced. Cancer Reserch. 43,175-203,(198
5)。オイカワらはこのことを支持する知見を、ヒト乳ガ
ンなどの治療薬として用いられているMPA(medroxypr
ogesteron acetate)の作用機序をひと乳ガンの治療実験
モデルとして有用な7,12-dimethylbanz[a]anthracene
(DMBA)で誘発した自家性ラット乳ガンを用いて研
究でつかんだ。すなわち、MPAには、この乳ガンが誘
導する血管新生を阻害することにより、制癌作用を発揮
することを示唆する結果を見いだした。さらに、MPA
とウサギVX−2腫瘍を用いた実験系で、腫瘍血管新生
の阻害が腫瘍の増殖抑制を引き起すということを示す直
接的な証拠をウサギ角膜法を用いてつかんだ。オイカワ
( Oikawa,T.et al).Cancer Letter 43,85-92,(1988)。
最近、MPAはヒト子宮内膜ガンが誘導する血管新生も
抑制するという興味ある結果が示された。ジキハラら
(Jikihara,H.et al).American Journal Obstet.Gyneco
l.167,207-211,(992).MPAがこのガンに対して治療効
果を示すことは知られている。これらの知見は腫瘍血管
新生がガン薬物療法の重要な標的になる可能性を示すも
のであるといえよう。
【0007】腫瘍血管新生の制御に基づく新しい癌治療
法を確立するうえで血管新生阻害物質は不可欠である。
この観点から、いろいろなグループがその探索研究に精
力的に取り組んでいるが、in vitro法で、たとえば血管
内皮細胞に対する増殖抑制活性を指標にして血管新生阻
害物質を探索する方法を採用するか、in vivo 検定法の
ひとつである鶏胚しょう尿膜法、すなわちしょう尿膜で
起こる血管新生を抑制する活性を指標にして血管新生阻
害作用を調べる方法であり、ある物質を血管新生因子と
して特定し、その発現を抑制したり、または活性を阻害
する血管新生阻害物質を同定しているのではない。さら
に、一般的にはどのような方法で血管新生阻害物質をみ
つけだすかという問題に関しても、微生物が抗生物質な
ど有用な物質を産生していることに着目して微生物代謝
産物を血管新生物質のソースに選び、herbimycin Aや15
-deoxyspergualinなどが血管新生を阻害することを明ら
かにされている。他の血管新生阻害物質を探索するため
ののソースとしては細胞分化調節物質が選ばれている。
血管内皮細胞は血管新生においてその分化状態を分化型
と未分化型の間で変換してそれぞれの機能を発揮し、最
終的に新生血管を形成する。よって、細胞分化調節物質
は血管新生作用を示す可能性があり、細胞分化調節作用
を有する天然合成レチノイドが血管新生阻害作用を示
す。オイカワ(Oikawa,T. et al)Drug NewsPerspect.6,1
57-162,(1993)。オイカワ(Oikawa,T. et al)Europian J
ournalPharmacology. 249,113-116,(1993)。しかしなが
ら、レチノイドが示す血管新生阻害強度の序列は、その
細胞分化調節活性、たとえばヒト白血病細胞HL60を
分化誘導する活性の強度と相関しており、血管内皮細
胞、血管新生に対して特異的なものではない。レチノイ
ドの他に細胞分化調節作用を示す物質としてビタミンD
3誘導体やepoxide基をもつradicicolなどが検討されて
いる。
【0008】以上、記述したように最近は、抗腫瘍薬と
して腫瘍細胞自体に対する抑制効果に加えて、癌撲滅の
最大の関門である癌転移をも考えた血管新生に着目した
阻害剤の開発が盛んである。現在使用されている抗腫瘍
剤、抗転移剤は副作用を伴うもののそれぞれある程度は
腫瘍増殖、転移を抑制するが、腫瘍増殖因子、腫瘍血管
新生因子を特定し、それらの遺伝子発現の抑制や活性の
阻害を特異的に示す化合物は得られていないのが現状で
ある。従って、効果的に特異的に悪性腫瘍および腫瘍血
管新生を抑制する化合物を設計することが人類の長年の
要望であり、現在もそうである。この長年の要望は従来
の抗腫瘍剤、血管新生阻害剤の研究によって満たされな
かった。また、療法上重要であるターゲット因子および
その抑制物質を同定することが出来なかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように従来から各
種の抗腫瘍剤、血管新生阻害剤の検討がなされてきたに
も関わらず安全性が高くしかも治療効果の高い薬剤は報
告されていない。従って本発明は、新規な抗腫瘍剤、血
管新生阻害剤を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、HGFま
たはc−Met(HGFのレセプタ−)のDNA(エキ
ソン、イントロン、非転写領域、隣接領域を含む)また
はRNAの少なくとも1部分と結合し、HGF遺伝子の
発現、産生、受容またはc−Metの発現を変調させ
る、次のヌクレオチド配列(左端が5’末端、右端が
3’末端を示す。本願において特に断りのない限り、他
の配列も同様である)のいずれかの全長あるいはその一
部に相当する少なくとも6の連続サブユニットを含むオ
リゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド同族体によ
って解決される。ACATGGTGCTGCTGGAC
G(配列番号1)、GTTGGGGTTGGTGTTT
TGGG(配列番号4)、GTGGTGGGTTGGT
T(配列番号5)、AGCACAGCGGGGGCCT
TC(配列番号7)。なお、上記ヌクレオチド配列(配
列番号1、4、5、7)中、少なくとも約10の連続サ
ブユニットを含むオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌク
レオチド同族体であることが好ましく、より好ましくは
少なくとも約14の連続サブユニットを含むものであ
る。また上記諸目的は、薬剤学的に受容しうるキャリア
ー中に担持された、前記オリゴヌクレオチドまたはオリ
ゴヌクレオチド同族体によっても解決される。
【0011】また上記諸目的は、塩基配列CGUCCA
GCAGCACCAUGU(配列番号18)であらわさ
れるHGF遺伝子の転写開始部位(+1)から下流の開始コ
ドンを含むポジション+62〜+79のHGF mRNAに相
補的なHGFの発現、産生を変調させるオリゴヌクレオ
チド、好ましくは該オリゴヌクレオチドの配列がACA
TGGTGCTGCTGGACG(配列番号1)または
その欠失、置換もしくは付加体であるオリゴヌクレオチ
ドによっても解決される。
【0012】また上記諸目的は、塩基配列CTTCCC
CTTCCTCTTTTCCC(配列番号19)であら
わされるHGF遺伝子の転写開始部位(+1)から上流のポ
ジション-447〜-428のオリゴピリミジン−オリゴプリン
配列二重鎖DNAに対してHoogsteen型または逆方向Hoo
gsteen型の水素結合を形成しHGFの発現、産生を変調
させる三重鎖形成オリゴヌクレオチド、好ましくは該オ
リゴヌクレオチドの配列が、GTTGGGGTTGGT
GTTTTGGG(配列番号4)、GAAGGGGAA
GGAGTTTTGGG(配列番号12)、GAAGG
GGAAGGAGAAAAGGG(配列番号13)、G
TAGGGGAAGGAGTTTTGGG(配列番号1
4)、およびCCCTTTTCTCCTTCCCCTT
C(配列番号15)のいずれか、またはその欠失、置換
もしくは付加体であるオリゴヌクレオチドによっても解
決される。
【0013】また上記諸目的は、塩基配列CTCCTC
CCTTCCTT(配列番号20)であらわされるHG
F遺伝子の転写開始部位(+1)から上流のポジション-335
〜-322のオリゴピリミジン−オリゴプリン配列二重鎖D
NAに対してHoogsteen 型または逆方向Hoogsteen 型の
水素結合を形成しHGFの発現、産生を変調させる三重
鎖形成オリゴヌクレオチド、好ましくは該オリゴヌクレ
オチドの配列が、GTGGTGGGTTGGTT(配列
番号5)、GAGGAGGGAAGGAA(配列番号1
6)、TTCCTTCCCTCCTC(配列番号17)
またはそれらの欠失、置換もしくは付加体であるオリゴ
ヌクレオチドによっても解決される。
【0014】また上記諸目的は、塩基配列GAAGGC
CCCCGCUGUGCU(配列番号21)であらわさ
れるc−Met遺伝子の転写開始部位(+1)から下流の開
始コドン(+195〜+197)に隣接するポジション+197〜+2
14のc−Met mRNAに相補的なc−Metの発現
を変調させるオリゴヌクレオチド、好ましくは該オリゴ
ヌクレオチドの配列が、AGCACAGCGGGGGC
CTTCまたはその欠失、置換もしくは付加体であるオ
リゴヌクレオチドによっても解決される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明者らは、HGFまたはc−
Metの、DNAまたはRNAの構造を混乱させる分
子、特にオリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオチド同
族体を提供することにより、腫瘍細胞増殖抑制、分散抑
制または血管新生抑制をもたらす抗腫瘍もしくは抗転移
剤を開発したものである。本発明は、疾病の療法処置を
達成し、病因となるタンパクの合成を遺伝子のレベルで
制御するという従来の医薬品とは全く異なる技術概念に
基いており、いわゆるオリゴヌクレオチド療法である。
オリゴヌクレオチド療法にはアンチセンス法、リボザイ
ム法、トライプレクス法、デコイ法の四つがある。
【0016】アンチセンス法は、一本鎖のDNAやmR
NAに対して相補的な配列を有するオリゴヌクレオチド
を用い、標的とするDNAやRNAとWatson-Crick型の
塩基対(一本鎖DNAもしくはRNAのA、G、C、T
に対してTもしくはU、C、G、Aが対になる)を形成
する。現在考えられているアンチセンス効果のメカニズ
ムとしては、複製、転写、RNAプロセシング、核膜の
通過、翻訳のいづれかの段階における遺伝情報の阻止で
ある。Gene Regulation:Biology of AntisenseRNA and
DNA(ed.Robert P.Erickson,Jonathan G.Izant)RAVEN PR
ESS, New York(1992)。Prospects for antisense nucle
ic acids therapy of cancer and viral infection(ed.
Wickstrom,E.)John Wiley & Sons,New York(1991)。AN
TISENSERNA AND DNA(ed.James A.H.Murray)John Wiley
& Sons,New York(1992)。ANTISENSE STRATEGIES(ed.Re
nato Baserga David T.Denhardt)The New York Academy
of Science,New York(1992)。リボザイム法は、RNA
を切断するRNA(リボ=RNA、ザイム=酵素、の
意)を用いる方法で、リボザイムは標的と塩基対を形成
するアンチセンス配列と酵素的触媒活性を示すドメイン
から構成されている。細胞内でリボザイムによりRNA
が切断されると、ヌクレアーゼ等によりRNAは急速に
分解されるので、ウイルスRNAや有害なタンパクのm
RNAに対する不活性化として有用と考えられている。
【0017】トライプレックス法は、オリゴマーが二重
鎖DNAと結合し、部分的に三重鎖(トライプレック
ス)を形成し、転写のための調節因子や酵素の阻害をす
ると考えられている。この方法は、Watson-Crick型の塩
基対とは異なり、二重鎖DNAとHoogsteen型もしくは
逆方向Hoogsteen型のの水素結合を形成することから、
アンチセンス技術とは別にアンチジーン技術とも呼ばれ
る。遺伝情報の一番上流を阻害することから、その遮断
効果は確実性が高く、効率が高いと考えられる。しか
し、現在のところ、ホモプリン(GもしくはA)−ホモ
ピリミジン(CもしくはT)塩基対の豊富なDNAに対
しての結合しか報告されていない(ジョン、スクーグ、
ジェームズ、マー(John U.Skoog and L.James Maher,II
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3)。Joseph G. Hacia,Barbara J.Wold,andPeter B.Derv
an Biochemistry 33,5367-5369(1994)。ポステル、フリ
ント、ケスラーホーガン(E.H.Postel,S.J.Flint,D.J.Ke
ssler,and M.E.Hogan), Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88, 8
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ドナルドケスラー(Nancy H.lng,Johanna M.Beekman,Don
ald J.Kessler,et.al), Nucleic Acids Research 21(1
2), 2789-2796(1993)。ミカエル、クーニ、グランツニ
ア、シザーヌスゼヴィクズ、エデイス、ポステル,ジェー
ン フリント、ミカエルホーガン(Michael Cooney,Graz
nya Czernuszewicz,Edith H.Postel,S.Jane Flint,Mich
aele E. Hogan) SCIENCE 241,456-459(1988)。カリン、
ジオヴァナンゲリ,ミカエル ロウギー、ゼアレセ ガ
レスチラー、ギューエン スオンガンドクロウデ ヘェ
レン(Carine Giovannangeli, Michel Rougee,Therese G
arestiler,Nguyen T.Thuongand Claude Helene)Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA 89,8631-8635(1992)。ミカエル ミク
シャン、ローガーロッセン、エアーライン ラウター、
ジョウアン トライアル(W.Michael McShan,Roger D.Ros
sen,Arline H. Laughter,Joann Trial,et.al), The Jou
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ハンス ウリッヒ ステイルス、ピター ダーバン(Hans
Ulrich Stils and Peter B.Dervan), Biochemistry 3
2, 2177-2185 (1993))。そのような結合様式は、Hoogs
teen 型では標的の二重鎖DNAのプリン鎖に対して平
行(順方向)にオリゴヌクレオチドが第三の鎖としてT
・ATとC+・GC の三塩基組を形成する。また、逆方
向Hoogsteen 型では二重鎖DNAのプリン鎖に対して逆
平行(逆方向)にオリゴヌクレオチドが第三の鎖として
A・AT(もしくはT・AT)とG・GCの三塩基組を
形成する。デコイ法は、複製、転写のための酵素や調節
因子が結合するDNA配列と同じ配列を持つオリゴヌク
レオチド(デコイ)を用いる方法である。酵素や転写の
ための調節因子が本来結合すべきDNAに結合しない
で、デコイに結合し、DNAの複製、転写を抑制する方
法である。
【0018】以上述べた4種類の方法は、基本的な遺伝
子制御の理論としては認識されつつあるが、実際にその
目的を達成するには、そのメカニズムは依然として不明
な部分が多く、合成されたオリゴヌクレオチドおよびオ
リゴヌクレオチド同族体に効果的な遺伝子発現抑制活性
があることは少ない。しかし本発明の場合、特定の部位
をターゲットとすることによって、効果的な遺伝子発現
抑制活性が得られた。すなわち、本発明によって重要な
生物学的機能を持つ次にその塩基配列を示すターゲット
DNAまたはRNA(A)〜(D)が見い出された。
(A)HGFmRNAの+62〜+79であるCGTC
CAGCAGCACCATGT、(B)HGF DNA
の−447〜−428であるCTTCCCCTTCCT
CTTTTCCC、(C)HGF DNAの−335〜
−322であるCTCCTCCCTTCCTT、(D)
c−MetmRNAの+197〜+214であるGAA
GGCCCCCGCTGTGCT。
【0019】これらのDNAまたはRNA領域をターゲ
ットとすることがオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌク
レオチド同族体を用いるオリゴヌクレオチド療法の鍵で
あると判定された。本発明により、ヒトのHGFまたは
c−MetのDNAまたはRNAに特異的に結合し、そ
の発現に干渉する配合物が腫瘍の増殖、転移に対する療
法薬として活性を持つことが見いだされた。異なる動物
種に関しても、本発明の精神および範囲に含まれるもの
とする。異なる動物種では、異なるHGFまたはc−M
etのDNAまたはRNA配列をもつと推測されるが、
本発明は、オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチ
ド同族体の配列を本発明方法に従って異なる動物種の構
造に特異的に結合するように変化させることにより、異
なる動物種にも実施することができる。本発明によれ
ば、遺伝子の発現を変調させる方法が提供される。ター
ゲットとされるDNAまたはRNA、さらにそれを含む
細胞をそのDNAまたはRNAの少なくとも1部分と結
合しうるオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド
同族体と接触させる。その遺伝子は一般的には生物にお
いて、その発現過剰または発現細胞、組織、器官におい
て疾病状態を引き起こすものと考えられるものであり、
異常な発現を起こしている動物にオリゴヌクレオチドま
たはオリゴヌクレオチド同族体を投与することにより、
疾病状態を処置する療法をうることができる。本発明に
よって明らかにされた、HGFまたはc−MetのDN
AまたはRNAに結合し、その発現を抑制するオリゴヌ
クレオチドまたはオリゴヌクレオチド同族体は配列番号
1、4、5、7に示されたヌクレオチド配列に相当する
ことが認められた。配列番号1であらわされるオリゴヌ
クレオチドはHGFのmRNAを標的としている。同様
に配列番号4および5はHGFのDNAを、配列番号7
はc−MetのmRNAを標的としている。
【0020】これらのオリゴヌクレオチドおよび同族体
は、これらの配列の少なくとも約6の連続サブユニット
を含むことが好ましく、約10が好ましく、約14がい
っそう好ましい。ある形態についてはオリゴヌクレオチ
ドまたはオリゴヌクレオチド同族体が実質的に上記配列
に相当することが好ましい。これはオリゴヌクレオチド
または同族体が上記配列のサブユニットまたは有効な置
換体をすべて含むことを意味する。たとえば天然型オリ
ゴヌクレオチドにおいてTの代わりにUに置換されても
よい。さらに、本発明の精神から逸脱する事なくオリゴ
ヌクレオチド同族体を形成する他の化学的修飾をなしう
る。上記の配列部分は効果をもつと思われる特定の配列
内のいずれかの位置にあってもよい。オリゴヌクレオチ
ドおよび同族体、たとえば好ましいホスホロチオエート
同族体を薬剤学的に受容しうるキャリアー中において提
供してもよい。本発明のオリゴヌクレオチドまたはオリ
ゴヌクレオチド同族体をin vitroの実験において、培養
腫瘍細胞に処置することにより腫瘍細胞増殖抑制効果を
示し、HGFとそのレセプターであるc−Metによる
オートクリンループ機構形成による細胞の腫瘍化を抑制
することが明らかになった。
【0021】本発明が明らかにしたメカニズムを裏付け
る実験が米国NCIの Vande Woudeグループと癌研の北
川グループでなされている。NCIのグループは、HG
F産生能を有するがHGFに応答しない非標的細胞であ
るNIH3T3細胞へc−met遺伝子を連結した発現
プラスミドを導入した。そして人工的にc−Metを発
現させると、NIH3T3細胞は自律的に増殖をはじ
め、軟寒天中でコロニーを形成する様になり腫瘍化する
ことを明らかにした。ロング、ボンデスコット、ブレイ
ア、ダン、ナカムラ、ミズノ、パーク、チャン、アーロ
ンソン、ヴァンデ(Rong S.,Bondescot M.,Blair D.,Dun
n J.,Nakamura T.,Mizuno K.,Park M.,Chan A.,Aaronso
n S.and Vande G.F.), Mol.Cell.Biol.12,5152-5185(19
92)。一方、北川グループの神田らは、逆にHGFレセ
プターを発現しているC3Hマウス肝由来の不死化肝細
胞由来株にラットHGFcDNAを連結した発現プラス
ミドを導入することによりHGFを強制的に発現させる
と、同様にオートクリンループを形成し、自律的増殖
能、軟寒天でのコロニー形成能、そしてヌードマウスで
の腫瘍形成能を獲得し癌化することを証明した。カン
ダ、タジマ、リー、ノムラ、オオタケ、マツモト、ナカ
ムラ、キタガワ(Kanda H.,Tajima H.,Lee G.-H.,Nomura
K.,Ohtake K.,Matumoto K.,NakamuraT and Kitagawa
T.),Oncogene 8(11),3047-3053 (1993)。しかしながら
c−Metを強く発現しているのは上皮系の細胞株に多
く、一方でHGFの産生が確認されたのは非上皮系の細
胞株に多いので、HGF、c−Met間の協調による発
ガン、腫瘍増殖、転移はin vivo においてはオートクリ
ンよりパラクリン、エンドクリンの機序も多いことが考
えられる。
【0022】また、HGFが、イヌの正常腎尿細管上皮
細胞であるMDCK細胞に対して分散活性をもつことは
よく知られているが、癌細胞にも見られる。タハラら
は、胃の未分化腺癌由来の細胞株であるTMK−1が、
HGFの添加により増殖は僅かしか促進されないが分散
活性は劇的であることを報告している。タハラ エイイ
チ(田原栄一)日病会誌、81(2),21-49,(1992)。この分
散活性は、胃ガンのいくつかの細胞のほか、膀胱癌由来
であるT24でも報告されている。これらの細胞はすべ
てc−met遺伝子を発現している。ヨシナガ、フジ
タ、ゴトー、ナカムラ、キクチ,ヒロハシ(Yoshinaga,
Y.,Fujita,S.,Gotoh,M.,Nakamura,T.,Kikuchi,M., and
Hirohasi,S.),Jpn.J.Cancer Res.,83,1257-1261,(199
2)。これらの腫瘍細胞は、HGFにより、転移能が獲得
されることが推測される。このように人工的なHGF、
c−Met間の協調で、オートクリン、パラクリン、エ
ンドクリンループ形成により、細胞が自律的な増殖また
は分散活性を示すことで、HGF、c−Met間の協調
が腫瘍化、転移に関与すると推測されていた。本発明で
は、HGFとそのレセプターであるc−Metを含めて
オリゴヌクレオチド療法の標的とし、これを阻害するこ
とにより、逆説的に実証した。
【0023】さらに、本発明では、血管新生阻害剤に対
し腫瘍増殖および転移抑制剤としての可能性を期待し、
血管新生因子の発現を遺伝子レベルで抑制するオリゴヌ
クレオチド療法薬を提供することも目的としている。強
い内皮細胞増殖活性と血管新生活性を持つことから、主
な腫瘍血管新生因子の一つとしてHGFを想定し、オリ
ゴヌクレオチド療法の標的とすることにより、in vivo
の実験において腫瘍抑制効果を示し、HGFの腫瘍血管
新生活性についても明らかにした。よって、本発明のオ
リゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド同族体を用
いてHGFの発現、産生、受容またはc−Metの発現
を抑制する方法が見いだされたことにより、この抑制は
療法、診断または研究のために利用することができる。
すなわち、HGFまたはC−Metの発現を特色とする
疾病、たとえば、悪性腫瘍の疑いのある動物の処置法に
おいて、それらの動物、器官、組織、細胞を本発明によ
るオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド同族体
と接触させることによりなる方法が見い出された。おも
に、本発明で同定されたHGFまたはc−Metの遺伝
子発現を抑制するオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌク
レオチド同族体は、腫瘍細胞に対するHGFとc−Me
t間のオートクリン、パラクリン、エンドクリンループ
機構の阻害に基づく抗癌剤、抗転移剤または(および)
HGFの内皮増殖に対するパラクリン、エンドクリン機
構阻害という血管新生抑制に基づく抗癌剤、抗転移剤と
して期待される。
【0024】本発明のオリゴヌクレオチドまたはオリゴ
ヌクレオチド同族体が少なくとも約6サブユニットのD
NAまたはRNA部分と結合しうることが好ましい。8
−50ユニットに結合しうることがより好ましく約10
−約30サブユニットがよりいっそう好ましい。好まし
い形態によれば、オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌク
レオチド同族体は2重らせんDNAと3重らせん構造を
形成するか、またはRNAと2重らせん構造を形成しう
る。相互作用の機構は明確には解っていないが、それは
多数のメカニズムで遺伝子発現の変調を生じうることが
考えられる。好ましい形態によれば、干渉されるDNA
またはRNAはHGFまたはc−MetのDNAまたは
RNAの1部分またはその隣接するイントロン、非転写
領域を意味する。本発明によるオリゴヌクレオチドおよ
びオリゴヌクレオチド同族体はそれ自体新規であると考
えられる。たとえばHGF、c−Metの転写領域およ
び非転写領域DNAまたはHGF、c−MetのmRN
Aの部分と相互作用しうるオリゴヌクレオチドが包含さ
れる。たとえば悪性腫瘍の発生、転移、再発の疑いのあ
る動物を、HGF、c−Metの転写領域および非転写
領域DNAまたはHGF、c−MetのmRNAの部分
と結合しうるオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオ
チド同族体と接触させる。特に本発明は、哺乳動物、主
にヒトの腫瘍の処置に有効であると考えられる。
【0025】
【実施例】
実施例1 オリゴヌクレオチドによるHGF産生抑制お
よび細胞増殖抑制 HUOCA−III(卵巣腫瘍細胞)を24ウェルプレー
トへ3×104cells/0.5ml/wellで播種し、一夜、15%FCS
HamF12で培養後、48時間FCS(-)HamF12 で培養した。
次に、終濃度5mg/ml lactalumin hydrolysate含15%FCS
HamF12に培地を交換し、以下のような組成で培養した。
すなわち、対照4を除く表1中のホスホロチオエート骨
格をもつ終濃度10μMオリゴヌクレオチド同族体で細胞
を処理した(500μM オリゴヌクレオチド溶液10μl、培
地490μl)。但し、オリゴヌクレオチド同族体溶液のコ
ントロールはPBS(−)とした。83時間培養後、培
養上清のHGF濃度をELISAで定量した。さらに、
HUOCA-III培養24ウェルプレートにAlamar Blue
原液を50μl添加し(終濃度10%)、3時間培養後、OD
570-600の吸光度差より、細胞数の変化を調べた。細胞
数のコントロールとして、1×、1/2×、1/4×、1/8×、1/16
×(3×104cells)/0.5ml/wellのOD570-600の吸光度差
を測定した。
【0026】
【表1】
【0027】図1に示したように、細胞培養上清中のH
UOCA−III (卵巣腫瘍細胞)由来のHGF濃度の有
意な減少が、それぞれ配列番号1、4、5、および7で
あらわされるオリゴヌクレオチドを有する配合物60
1、604、605および607のホスホロチオエート
オリゴヌクレオチド同族体により示された。またそれぞ
れ配列番号2、3および6を有する602、603、6
06(HGFまたはc−Met mRNA に対して相補
的に設計されたが)およびそれぞれ配列番号8、9、1
0および11を有する対照1〜4(HGF またはc−
Met mRNAに対して相補的に設計されなかった)
はこのアッセイにおいて有意の活性を示さなかった。対
照1〜4および配合物602、603、606に関する
細胞培養上清中HGF濃度の増加は、オリゴヌクレオチ
ドの培地中への添加により、HGFの細胞外への産生が
非特異的に促進されたものと考えられる。この様な現象
はラクトアルブミン水解物、MgCl2 の添加によって
も観察された。活性オリゴヌクレオチドを用いる実験に
おいてはこの効果は存在するであろうが、これらの配合
物の特異的抑制活性により遮蔽された。また、図2に示
すように活性が最大であった配合物604では、HG
F、c−Met間のオートクリンループ機構の阻害に基
づくと考えられるHUOCA−IIIの増殖抑制がみられ
た。
【0028】実施例2 オリゴヌクレオチドによる腫瘍
増殖抑制 次に、in vivo において、上記配合物によるHGFとC
−Met間のオートクリン、パラクリン、もしくはエン
ドクリンループ機構阻害に基づくHUOCA−III の抗
腫瘍、抗転移効果または(および)HGFの内皮増殖に
対するパラクリン機構阻害という血管新生抑制に基づく
抗腫瘍、抗転移効果を検討するため、培養細胞の実験で
最も活性の強かった表1中の配合物604を代表とし、
また、比較対照として表1中の対照4を用い、ヌードマ
ウスへHUOCA−III を移植して検討した。ヌードマ
ウスに接種するHUOCA−III の培養とオリゴヌクレ
オチドの導入を以下の手順で行った。HUOCA−III
を10本の75cm2フラスコに各々107cells/30ml/flas
k播種し、10%FCS HamF12(GIBCOBRL)25mlにdispase
in PBS(-) 液を添加した培地(400U/ml)で、37℃、
CO2 5%で12.5時間培養後、細胞を3本の225c
m2フラスコに3.7×107 cells/90ml/flaskで、FCS(-) Ha
mF12 72mlにdispase in PBS(-)液を添加した培地(400U
/ml)で12時間培養した。次に、終濃度10μMオリゴヌ
クレオチド(500μM オリゴヌクレオチドin PBS(-)溶液
1.8ml、コントロールはPBS(-) 1.8ml)を添加した。1
2時間培養後、FCSを10ml添加した。14時間培養後、d
ispase in PBS(-)を添加して細胞を回収した。
【0029】回収した各々の細胞(配合物604、対照
4、PBS(-)添加の細胞)は、まず1000r.p.m.で5分遠心
し、上清を除いた。続いて30mlの1mM(0.02%)MgCl2・6H2O
含 PBS(-) (以下単にPBS(-)とする)に懸濁し、1000r.
p.m.で5分遠心して上清を捨て、5mlのPBS(-)に懸濁
し、各々3.7×107CELLS/5mlの細胞懸濁液とし、これを
ヌードマウス接種用とした。ヌードマウスは日本チャー
ルズリバー(株)から購入した15匹の7週齢、体重1
6〜18g、雌のBALB/cAnNCrj-nu/nuを用いた。腫瘍細
胞の接種は上記の様に配合物604、対照4、PBS(-)で
処理した3群のHUOCA−IIIを用い、1箇所あたり3
×106CELLS/0.4mlの細胞懸濁液をヌードマウスに2箇所
/匹(左右背部皮下)、5匹/群、すなわち10箇所/
群で行った。なお、接種時には腹腔へネンブタールを投
与して麻酔をかけて行った。3日後、各々配合物60
4、対照4、PBS(-)で処理したHUOCA−III 接種ヌ
ードマウス3群に対し、HUOCA−III を接種した近
傍の皮下に、それぞれ、細胞培養時に添加した同じ薬
剤、すなわち245μg/140μl(250μMで140μl)の配合物
604、対照4および140μlの1mM MgCl2添加PBS(-)を
投与した。同様に5、7、10、12、14、17、1
9、21、24、26、28日後、245μg/140μlの配
合物604、対照4および140μlのPBS(-) を3群で2
箇所/匹、5匹/群に投与した。ヌードマウスに接種し
たHUOCA−III は、定規を用いて長径、短径、高さ
を計測した。腫瘍サイズは、腫瘍体積(mm3)=長径×
(高さ)2×0.5の計算式より算出した。なお、高さが測
定できない場合は一律高さ=0.5mm とした。腫瘍サイズ
は、接種後、5、7、10、12、14、17、19、
21、24、26、28、31日後に計測した。
【0030】解剖検査の結果、毒性等の著しい変化は見
られなかったが、配合物604で処理した群では、対照
4、PBS(-)処理群に比べて顕著な腫瘍増殖抑制効果がみ
られた。図3〜図5に各処理群における腫瘍体積の経日
変化を示した。また、図6〜図8には各処理群における
細胞接種31日後、ヌードマウスから外科的に切除され
た腫瘍の重量を示した。9Lは腹腔から発見された腫瘍
である。15Lも腹腔に細胞を接種されたが腫瘍は形成
されなかった。なお、PBS(-)は1〜5、対照4は6〜1
0、配合物604は11〜15のマウスに投与し、Rは
右側、Lは左側投与を意味する。腫瘍の出現(率)はPB
S(-)処理群が7/10(70%)、対照4処理群が6/10(6
0%)、配合物604処理群が1/10(10%)であっ
た。なお、10mgより重い腫瘍を陽性として計算し
た。すなわち、表1中、604および対象4のホスホロ
チオエート骨格をもつオリゴヌクレオチド同族体で細胞
を処理した結果、図3〜図8に示すように配合物60
4、対照4、PBS(-) で処理したHUOCA−III接種ヌ
ードマウス3群で、対照4とPBS(-)投与群では腫瘍増殖
に差はみられなかったが、配合物604投与群では明か
な腫瘍増殖抑制が見られた。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によればHG
Fの発現、産生、受容またはc−Metの発現を抑制
し、腫瘍細胞増殖抑制、分散抑制または血管新生抑制を
もたらす抗腫瘍もしくは抗転移剤を提供することができ
る。
【0032】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 ACATGGTGCTGCTGGACG
【0033】配列番号:2 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CTGTTCGGAGTCAGTGCC
【0034】配列番号:3 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CAGGAGTTTGGTCACCCA
【0035】配列番号:4 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GTTGGGGTTGGTGTTTTGGG
【0036】配列番号:5 配列の長さ:14 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GTGGTGGGTTGGTT
【0037】配列番号:6 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CATTATGAGAGGTTTATCTT
【0038】配列番号:7 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 AGCACAGCGGGGGCCTTC
【0039】配列番号:8 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CGTCCAGCAGCACCATGT
【0040】配列番号:9 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TGCATGACGGGAGCTTGC
【0041】配列番号:10 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 AAGATAAACCTCTCATAATG
【0042】配列番号:11 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GTGGGTGTGTTGTTGGGTGT
【0043】配列番号:12 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GAAGGGGAAGGAGTTTTGGG
【0044】配列番号:13 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GAAGGGGAAGGAGAAAAGGG
【0045】配列番号:14 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GTAGGGGAAGGAGTTTTGGG
【0046】配列番号:15 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CCCTTTTCTCCTTCCCCTTC
【0047】配列番号:16 配列の長さ:14 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GAGGAGGGAAGGAA
【0048】配列番号:17 配列の長さ:14 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TTCCTTCCCTCCTC
【0049】配列番号:18 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:mRNA 配列 CGUCCAGCAGCACCAUGU
【0050】配列番号:19 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 CTTCCCCTTCCTCTTTTCCC
【0051】配列番号:20 配列の長さ:14 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 CTCCTCCCTTCCTT
【0052】配列番号:21 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:mRNA 配列 GAAGGCCCCCGCUGUGCU
【図面の簡単な説明】
【図1】HGF産生に関する細胞培養アッセイにおける
本発明による一連のオリゴヌクレオチドおよび対照のオ
リゴヌクレオチドの活性を示す図である。
【図2】腫瘍細胞の増殖に関する細胞培養アッセイにお
ける本発明による一連のオリゴヌクレオチドおよび対照
のオリゴヌクレオチドの活性を示す図である。
【図3】腫瘍細胞の体積に関するヌードマウスにおける
PBS(−)の活性を示す図である。
【図4】腫瘍細胞の体積に関するヌードマウスにおける
対照4の活性を示す図である。
【図5】腫瘍細胞の体積に関するヌードマウスにおける
本発明のオリゴヌクレオチドである配合物604の活性
を示す図である。
【図6】腫瘍細胞の重量に関するヌードマウスにおける
PBS(−)の活性を示す図である。
【図7】腫瘍細胞の重量に関するヌードマウスにおける
対照4の活性を示す図である。
【図8】腫瘍細胞の重量に関するヌードマウスにおける
本発明のオリゴヌクレオチドである配合物604の活性
を示す図である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記ヌクレオチド配列(1)〜(4)のい
    ずれかの全長あるいはその一部に相当する、少なくとも
    6の連続サブユニットを含み、HGF(Hepatocyte Gro
    wth Factor、以下同様)の発現、産生または受容、また
    はc−Metの発現を変調させるオリゴヌクレオチドま
    たはそれらの欠失、置換、もしくは付加体であって、H
    GFの発現、産生または受容、またはc−Metの発現
    を変調させるオリゴヌクレオチド同族体: ACATGGTGCTGCTGGACG ・・・(1) GTTGGGGTTGGTGTTTTGGG ・・・(2) GTGGTGGGTTGGTT ・・・(3) AGCACAGCGGGGGCCTTC ・・・(4)
  2. 【請求項2】少なくとも約10の連続サブユニットを含
    む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチドまたはオリゴ
    ヌクレオチド同族体。
  3. 【請求項3】少なくとも約14の連続サブユニットを含
    む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチドまたはオリゴ
    ヌクレオチド同族体。
  4. 【請求項4】薬剤学的に受容しうるキャリアー中におけ
    る、請求項1に記載のオリゴヌクレオチドまたはオリゴ
    ヌクレオチド同族体。
  5. 【請求項5】塩基配列CGUCCAGCAGCACCA
    UGUであらわされるHGF遺伝子の転写開始部位(+1)
    から下流の開始コドンを含むポジション+62〜+79のHG
    F mRNAに相補的なHGFの発現、産生を変調させ
    るオリゴヌクレオチド。
  6. 【請求項6】該オリゴヌクレオチドの配列が、ACAT
    GGTGCTGCTGGACGまたはその欠失、置換も
    しくは付加体である請求項5に記載のオリゴヌクレオチ
    ド。
  7. 【請求項7】塩基配列CTTCCCCTTCCTCTT
    TTCCCであらわされるHGF遺伝子の転写開始部位
    (+1)から上流のポジション-447〜-428のオリゴピリミジ
    ン−オリゴプリン配列二重鎖DNAに対してHoogsteen
    型または逆方向Hoogsteen型の水素結合を形成しHGF
    の発現、産生を変調させる三重鎖形成オリゴヌクレオチ
    ド。
  8. 【請求項8】該オリゴヌクレオチドの配列が、GTTG
    GGGTTGGTGTTTTGGG、GAAGGGGA
    AGGAGTTTTAAA、GAAGGGGAAGGA
    GAAAAGGGおよびCCCTTTTCTCCTTC
    CCCTTCのいずれか、またはその欠失、置換もしく
    は付加体である請求項7に記載のオリゴヌクレオチド。
  9. 【請求項9】塩基配列CTCCTCCCTTCCTTで
    あらわされるHGF遺伝子の転写開始部位(+1)から上流
    のポジション-335〜-322のオリゴピリミジン−オリゴプ
    リン配列二重鎖DNAに対してHoogsteen型または逆方
    向Hoogsteen型の水素結合を形成しHGFの発現、産生
    を変調させる三重鎖形成オリゴヌクレオチド。
  10. 【請求項10】該オリゴヌクレオチドの配列が、GTG
    GTGGGTTGGTT、GAGGAGGGAAGGA
    A、TTCCTTCCCTCCTCまたはそれらの欠
    失、置換もしくは付加体である請求項9に記載のオリゴ
    ヌクレオチド。
  11. 【請求項11】塩基配列GAAGGCCCCCGCUG
    UGCUであらわされるc−Met遺伝子の転写開始部
    位(+1)から下流の開始コドン(+195〜+197)に隣接する
    ポジション+197〜+214のc−Met mRNAに相補的
    なc−Metの発現を変調させるオリゴヌクレオチド。
  12. 【請求項12】該オリゴヌクレオチドの配列が、AGC
    ACAGCGGGGGCCTTCまたはその欠失、置換
    もしくは付加体である請求項11に記載のオリゴヌクレ
    オチド。
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JP29149996A Pending JPH10127286A (ja) 1996-11-01 1996-11-01 Hgf産生を抑制するオリゴヌクレオチド

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JP (1) JPH10127286A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8940708B2 (en) * 2009-12-23 2015-01-27 Curna, Inc. Treatment of hepatocyte growth factor (HGF) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to HGF

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8940708B2 (en) * 2009-12-23 2015-01-27 Curna, Inc. Treatment of hepatocyte growth factor (HGF) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to HGF

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