JPH10116589A - 照明光源 - Google Patents

照明光源

Info

Publication number
JPH10116589A
JPH10116589A JP26957496A JP26957496A JPH10116589A JP H10116589 A JPH10116589 A JP H10116589A JP 26957496 A JP26957496 A JP 26957496A JP 26957496 A JP26957496 A JP 26957496A JP H10116589 A JPH10116589 A JP H10116589A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
light source
channel
response system
color response
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26957496A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Shimizu
正則 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP26957496A priority Critical patent/JPH10116589A/ja
Publication of JPH10116589A publication Critical patent/JPH10116589A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)
  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色覚の反対色応答系のr−gチャンネルを主
に刺激することを特徴とし、少なくとも、被照明物の表
面色の赤,緑,青,黄,白の色彩のカテゴリカルな識別が可
能であることを特徴とするカテゴリカル色知覚用光源。 【解決手段】 色覚の反対色応答系のr−gチャンネル
を主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応答系の
r−gチャンネルに対する光源の分光放射量tと、色覚
の反対色応答系のy−bに対する光源の分光放射量dと
の比、t/dが相関色温度2500〜5500[K]にお
いて、相関色温度をTcとした場合、3.3×10-7×
Tc2−4.8×10-3×Tc+27.3以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも最低限
度の色再現を確保しつつ、高効率な照明光源に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、最も高効率な光源は低圧ナトリウ
ムランプであった。しかし、このランプは一波長帯域に
発光スペクトルが集中しているため色彩の判別がつかな
いと言う問題があった。この様な点を改善し、最小限の
色再現と高効率を実現する光源に関しては実用化がなさ
れていないと言う状況であった。
【0003】これは現在、光源の色の見えの評価が演色
性評価指数Raで表わされるような、基準光源に対する
忠実演色の度合で評価されている為であり、現実の照明
の場において、特に屋外照明などの分野では多少色再現
の忠実性が失われても、安全色彩など、色彩のコーディ
ングに使用されるような基本色彩が同じ色名で知覚でき
るカテゴリーに入っていればさほどの不便を感じない場
合も多い。この様な色の見えの新しい概念をカテゴリカ
ル色知覚という。
【0004】例えば、「ライチング リサーチ アンド
テクノロジ 第27巻 第1号」(Boice,P.R.,Gutko
wski,J.M.:The if,why and What of street lighting a
ndstreet crime:A review, Lighting Reseach and Tech
nology,Vol.27,No.1,pp103-108(1995))では、屋外の街
路照明に色の見えが悪くとも、最小限の色の判断が出
来、効率のよい光源が有効であることが示されている。
【0005】この様な光源の可能性の事例としては、単
輝線のナローな(狭帯域)発光の低圧ナトリウムランプ
に、ブロードな(広帯域)発光の白熱電球を20%程度混
光照明したものの可能性を示している(僅かの白熱電球
が混光された低圧ナトリウムランプでのカテゴリカル色
知覚については、「ライチング リサーチ アンド テ
クノロジ 第27巻 第1号」(Boynton,R.M.,Purl,K.
F.:Categorical colourperception under low-pressure
sodium lighting with small amounts of added incan
descent illumination, Lighting Reseach and Technol
ogy,Vol.21,No.1,pp23-27(1989))がある。)。
【0006】しかしこれは低圧ナトリウムランプに何か
の発光を混光照明するものであり、一つの光源ではなか
った。また、カテゴリカル色知覚を効率よく実現しよう
とすれば分光特性がどの様であれば良いのかがという点
は不明であった。
【0007】さらに、人間の色知覚機構からみて、どの
様な分光スペックにすれば最低限のカテゴリカルな色識
別が可能でかつ高効率な光源であるかを評価する指標自
身が存在していなかった為でもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述のごとく現実の照
明の場において、特に屋外照明(例えば街路照明)など
の分野では多少色再現の忠実性が失われても、安全色彩
などの色が同じ色名で知覚できるカテゴリーに入ってい
ればさほどの不便を感じない場合も多い。また、世界的
な省エネルギーの観点からみて、色再現の忠実性とのト
レードオフと言う形で、高効率な照明光源を実現すると
いうニーズもある。
【0009】このようなカテゴリカルな色の見えを考え
る場合、その光源の評価指標は存在しておらず、またど
の様な光源が効率的にカテゴリカルな色知覚をもたらす
かは知られていなかった。
【0010】本発明はこの様な光源の有り様を人間の色
覚機構の観点から示すもので、色覚の反対色応答特性か
ら評価指標を構成し、視覚の反対色応答系のr−gチャ
ンネルのRとG、および、視覚の反対色応答系のy−b
チャンネルのYとBの刺激の比率を最適化することで、
色彩のカテゴリカルな認識を確保しながら高効率な照明
光源を実現するための照明光源を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の照明光源は以下の課題を解決する手段を有す
る。
【0012】請求項1においては、色覚の反対色応答系
のr−gチャンネルを主に刺激することを特徴とし、少
なくとも、被照明物の表面色の赤,緑,青,黄,白の色彩の
カテゴリカルな識別が可能であるカテゴリカル色知覚用
光源とする。
【0013】請求項2においては、色覚の反対色応答系
のr−gチャンネルを主に刺激することを特徴とし、色
覚の反対色応答系のr−gチャンネルに対する光源の分
光放射量tと、色覚の反対色応答系のy−bに対する光
源の分光放射量dとの比、t/dが相関色温度2500
〜5500[K]において、相関色温度をTcとした場
合、
【0014】
【数1】
【0015】以上であるカテゴリカル色知覚用光源とす
る。請求項3においては、色覚の反対色応答系のr−g
チャンネルを主に刺激することを特徴とし、色覚の反対
色応答系のr−gチャンネルに対する光源の分光放射量
tと、色覚の反対色応答系のy−bに対する光源の分光
放射量dとの比、t/dが、相関色温度をTcとした場
合、
【0016】
【数2】
【0017】かつ、
【0018】
【数3】
【0019】であるカテゴリカル色知覚用光源とする。
請求項4においては、色覚の反対色応答系のr−gチャ
ンネルを主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応
答系のr−gチャンネルに対する光源の分光放射量t
と、色覚の反対色応答系のy−bに対する光源の分光放
射量dとの比、t/dが、相関色温度をTcとした場
合、(数2)、かつ、
【0020】
【数4】
【0021】であるカテゴリカル色知覚用HID光源と
する。請求項5においては、色覚の反対色応答系のr−
gチャンネルを主に刺激することを特徴とし、色覚の反
対色応答系のr−gチャンネルに対する光源の分光放射
量tと、色覚の反対色応答系のy−bに対する光源の分
光放射量dとの比、t/dが、相関色温度をTcとした
場合、
【0022】
【数5】
【0023】かつ、
【0024】
【数6】
【0025】であるカテゴリカル色知覚用光源とする。
請求項6においては、色覚の反対色応答系のr−gチャ
ンネルを主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応
答系のy−bチャンネルの反応量dの割合が相関色温度
2500〜5500[K]において、相関色温度をTcと
した場合、
【0026】
【数7】
【0027】以下であるカテゴリカル色知覚用光源とす
る。請求項7においては、色覚の反対色応答系のr−g
チャンネルを主に刺激することを特徴とし、色覚の反対
色応答系のy−bチャンネルの反応量dの割合が相関色
温度をTcとした場合、
【0028】
【数8】
【0029】かつ、
【0030】
【数9】
【0031】であるカテゴリカル色知覚用光源とする。
請求項8においては、色覚の反対色応答系のr−gチャ
ンネルを主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応
答系のy−bチャンネルの反応量dの割合が相関色温度
をTcとした場合、(数8)、かつ、
【0032】
【数10】
【0033】であるカテゴリカル色知覚用HID光源と
する。請求項9においては、色覚の反対色応答系のr−
gチャンネルを主に刺激することを特徴とし、色覚の反
対色応答系のy−bチャンネルの反応量dの割合が相関
色温度をTcとした場合、
【0034】
【数11】
【0035】かつ、
【0036】
【数12】
【0037】であるカテゴリカル色知覚用光源とする。
請求項10においては、請求項1〜9の手段に加え、主
たる発光帯域を500[nm]〜575[nm]とすることで色
覚の反対色応答系のr−gチャンネル及び視覚のアクロ
マチックチャンネルを主に刺激するカテゴリカル色知覚
用光源とする。
【0038】請求項11においては、請求項2〜9の手
段に加え、色覚の反対色応答系のr−gチャンネルの反
応量tと、色覚の反対色応答系のy−bチャンネルの反
応量dにおいて、tに含まれるRの反応量R/(R+
G)とd含まれるBの反応量B/(B+Y)が相関色温
度をTcとした場合、
【0039】
【数13】
【0040】かつ、
【0041】
【数14】
【0042】であるカテゴリカル色知覚用光源とする。
請求項12においては、請求項1〜11の手段に加え、
色覚の反対色応答系のr−gチャンネルの反応量tと、
色覚の反対色応答系のy−bチャンネルの反応量dにお
いて、tに含まれるRの反応量R/(R+G)とtに含
まれるGの反応量G/(R+G)とのバランス:(t,ba
lance)=(R/(R+G)とG/(R+G)との大きい
もの分のR/(R+G)とG/(R+G)との小さいも
の)と、dに含まれるYの反応量Y/(Y+B)とdに
含まれるBの反応量B/(Y+B)とのバランス:(d,
balance)=(Y/(Y+B)とB/(Y+B)との大き
いもの分のY/(Y+B)とB/(Y+B)との小さい
もの)との和であるt,balance+d,balanceが7以下で
あるカテゴリカル色知覚用光源とする。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明において、可視波長帯域の
光を、色覚の反対色応答系のy−bチャンネルに対し
て、色覚の反対色応答系のr−gチャンネル、さらには
その中でも緑を主に刺激することごとく設定する事で、
少なくとも、高効率かつ被照明物の表面色の赤,緑,
青,黄,白の色彩のカテゴリカルな識別が可能であるカ
テゴリカル色知覚用光源を実現可能なことを見いだし
た。
【0044】特に、色覚の反対色応答系のr−gチャン
ネル、さらにはその中でも緑の反応を、従来の光源にな
いバランスで刺激する発光スペクトルとすることで、従
来の光源よりも発光効率を高めながら、必要最低限度の
色彩の識別が可能となる。
【0045】これにより色彩カテゴリーのカテゴリーの
フォーカル色(その色彩カテゴリーを代表する典型的な
色)の認識、つまり、最小限度のカテゴリカル色知覚が
得られる。つまり、実環境で言えば交通標識や安全色彩
など標識のコーディングに使用される様な典型的な色彩
を識別可能な光源を提供することができる。
【0046】さてここで、色覚の反対色応答系のr−g
チャンネルに対する光源の分光放射量tと、色覚の反対
色応答系のy−bに対する光源の分光放射量dとの関係
について述べる。
【0047】色覚の反対色応答系のr−gチャンネルに
対する光源の分光放射量tと、色覚の反対色応答系のy
−bに対する光源の分光放射量d比率t/dと従来の各
種光源の関係を図1に示す。
【0048】図中の横軸はランプの相関色温度であり縦
軸はt,dの刺激の強さである。プロット点、YOXはE
u付活蛍光体を使用した赤色蛍光ランプ,NXは低圧ナト
リウムランプ,NH-1は高圧ナトリウムランプ,NH-2は演色
改善形高圧ナトリウムランプ,2B(55:45)はLAP:YOXの光
束比を55:45としたDUV=0の赤と緑に主たる発光帯域を
持つ蛍光ランプ,L-EDLは電球色高演色蛍光ランプ,Nd-IL
はネオジウム電球,ILは白熱電球,3B-Lは電球色3波長域
発光形蛍光ランプ,P3000は3000[K]の黒体放射,FL-WWは
温白色蛍光ランプ,HFは蛍光水銀ランプ,2B(80:20)はLA
P:YOXの光束比を80:20とした赤と緑に主たる発光帯域を
持つ本発明の色覚の反対色応答系のr−gチャンネルを
主に刺激する光源の一実施例である蛍光ランプ,P4000は
4000[K]の黒体放射,FL-Wは白色蛍光ランプ,MHLはメタル
ハライドランプ,3B-Nは昼白色3波長域発光形蛍光ラン
プ,MHL-Fは蛍光形メタルハライドランプ,P5000は5000
[K]の黒体放射,D50は5000[K]のCIE合成昼光,LAPはT
b付活蛍光体を使用した緑色蛍光ランプ,Hは透明水銀
灯,P6000は6000[K]の黒体放射,FL-Dは昼光色蛍光ラン
プ,D65は6500[K]のCIE合成昼光,3B-Dは昼光色3波長
域発光形蛍光ランプ,HID-GはTa封入緑色HIDランプ
である。以降の図中の光源の種類を表わす記号は断わり
がない限り本表記に準ずる。
【0049】ここで、NXは黄、YOXは赤、LAPや
HID−Gは緑の色光であり、通常は相関色温度で表現
しないが、ここでは光色の表記を単次元化する指標の意
味合においてTcという表現手段であえて表記した。
【0050】図1の中の1の破線は既存の光源のtとd
の割合を示したもので、従来の照明光源ではt/dは前
記1以下の値になる。ところが本発明の光源は従来以上
に視覚の反対色応答系のr−gチャンネルを主に刺激す
ることでtを増加させ従来にない照明光源を実現しよう
とするものである。
【0051】前記僅かの白熱電球が混光された低圧ナト
リウムランプは混光照明であり一つの光源でないが、あ
えて比較するとこの混光ではおよそ、図1のNXとIL
の間でILに近い値をとる。つまり本発明が規定しよう
としている範囲は従来に内範囲のものである。
【0052】視覚の反対色応答系のtを刺激する割合を
増加させようとすると、視覚の反対色応答系のr−gチ
ャンネルを刺激するRもしくはGの分光放射を増加せね
ばならない。また、視覚の明るさのチャンネルであるア
クロマチックチャンネルを刺激する割合が大きいほど従
来光源になく効率よくカテゴリカルな色の見えを確保す
る光源となる。
【0053】また、これに視覚の反対色応答系のy−b
チャンネルを刺激するYもしくはBの分光放射を増加さ
せて各々の刺激の比をバランスさせていくとゆくと従来
光源に近い忠実な演色性が得られる光源に近づく。
【0054】図中の1を境に従来の光源は左下に位置
し、本発明の光源は右上に位置する。但し、あまりにも
右上に位置するとGの刺激が強すぎ緑の色光となりカテ
ゴリカルな色の知覚が不可能となるため、1の破線を平
行移動させた範囲が、t:d、R:G、Y:Bの刺激の
バランスを保ちながら高効率にカテゴリカルな色の見え
を実現する範囲となる。
【0055】以上のことから、本発明では視覚の反対色
応答系のr−gチャンネル、及び、y−bチャンネルの
特性から、光源のR:G:Y:Bの分光放射を規定し、
視覚の反対色応答系のr−gチャンネル、また、その中
のGの刺激を強調することで高効率でカテゴリカルな色
の見えが確保できる光源を実現するものである。
【0056】以下に、この背景となる概念を説明する。
図2は簡単な色覚のモデルを示す。人間は網膜にS,
M,Lの3種の錐体細胞を持つが、これはそれぞれ、可
視波長帯域の短波長、中波長、長波長に最大感度を持っ
ている。これら3つの視細胞の出力が組み合わされ、"
黄と青:y−b""赤と緑:r−g"の反対色応答として
反対色応答の分光感度特性に沿って中間処理され、最終
的には大脳高次中枢でカテゴリカルな色彩の認識に至る
のである。
【0057】ここで、反対色の2刺激の組合せで近白色
光源を作るには、黄と青を主たる発光帯域とする光源を
実現するの考えの他に、赤と緑を主を主たる発光帯域と
する光源を実現する考えも有り得る。しかし、実用上の
観点からは、黄と青を主たる発光帯域とする光源の場合
のように赤色の発光が少ないものよりは、赤と緑を主を
主たる発光帯域とする光源の場合の方が、一般に危険を
表示する色彩である赤色を確実に知覚させるため実際の
照明応用には有利である。
【0058】本発明においては、旧来の色彩の演色忠実
さで評価を行なう演色評価数:Raによる照明光源評価
ではなく、必要最低限度のカテゴリカル色知覚を得ると
いう見地から、視覚技術的に視覚のr−gチャンネルを
照明光としてどの様に最適に刺激するかを評価手法ごと
示し、最低限度の色識別が可能な高効率光源を実現する
手段を示す。
【0059】次に本発明においての具体的な数値導出法
について述べる。視覚の諸現象を反対色応答に基づいた
モデルを構築して説明しようという試みは、数多くなさ
れており現在も多くの研究が続いている。
【0060】現在の色覚モデルのほとんどは、第一段階
として錐体細胞での3色応答、第二段階として視神経層
での反対色応答への色信号の変換に基づく段階説(Stag
e theory)によっている。これにより、本発明の特徴で
ある反対色応答系のr−gチャンネル(赤−緑)、y−
bチャンネル(黄−青)の反応の特性を記述する。
【0061】本発明においては、国際的に標準化された
測光量との相互関係を明確にし、かつ、簡易に工業的な
再現性を得ることを目的に、主にS.L.Guthらの
(1980)のモデル(「ジャーナル オブ ザ オプ
チカル ササイアチ オブアメリカ 第70巻 第2
号」(S.L.Guth,R.W.Massof,T.Benzschawel:Vector mod
el for normal and dichromatic color vision,Journal
of the Optical Society of America,Vol.70,No.2,(19
80))、および「ジャーナル オブ ザ オプチカル
ササイアチ オブ アメリカ 第72巻 第1号」(J.
A.Worthey:Opponent-colors approach to color render
ing,Journal of the Optical Society of America,Vol.
72,No.1,(1982)))を利用し、これを本発明の反対色応
答の色覚モデルとする。
【0062】また、国際的に標準化された測光量との相
互関係を明確にするために、基礎となる等色関数をCI
Eの等色関数x(λ),y(λ),z(λ)とする。これらを
利用して三つの錐体細胞のレスポンスr(λ),g(λ),
b(λ)を、
【0063】
【数15】
【0064】と設定する。前記錐体細胞の基本分光感度
r(λ),g(λ),b(λ)は視神経層で明るさ応答成分a
(Achromatic)と反対色応答成分t(Tritanopic),d(Deu
teranopic)に変換される。tは色覚の反対色応答系のr
−gチャンネル(赤−緑)、dは色覚の反対色応答系の
y−bチャンネル(黄−青)である。これを、
【0065】
【数16】
【0066】と設定する。この計算自身は幾つもの視覚
現象を良く説明できるモデルとして知られている。
【0067】(数16)のma,mt,mdは観測条件
に依存する係数であるが、ここでは簡便化のためと、光
源の分光特性を色覚モデル自身の特性と独立に規定する
ために1としユニットマトリクス(単位行列)とする。
これにより本色覚モデルではモデルの基底常態(Dark-ad
apted state)での比較を行なっていることと等価にな
る。尚、本文中ではaを1として正規化しているので、
ma,mt,mdが変化しても結果としてtとdの単純
で線形な比率の差として結果に現われるだけである。
【0068】こうして構成された、a,t,dの分光感
度特性を図3に示す。図中の2はB:青の反応に関わる
部分であり、3はY:黄の反応に関わる部分であり、4
はG:緑の反応に関わる部分であり、5はR:赤の反応
に関わる部分である。
【0069】(数15)(数16)の数値は良く知られ
ているもので本発明ではこの値に設定しているが、研究
によっては異なった数値をとるものもある。その場合は
新たな数値で計算し本発明の範囲と比較検証すれば良
い。本発明の権利の数値限定は光源の分光分布という固
有の事象を人間の視覚の機構の特性を心理物理量で規定
するに当り、工業的見地から計算手法を前記手法に設定
したが、計算手法を変化させた場合においても、光源の
分光分布特性を前記計算手法で計算し限定範囲におさま
ればそれは本発明の権利の範囲である。
【0070】また、本発明ではt,dの内部で完結する
数値、もしくは、BとYの比、RとGの比、tとdの比
を規定の材料にすることで色覚モデル自身の特性と独立
性が高く汎用性の高い指標の構成としている。
【0071】図4にこれらの計算プロセス内で、赤と緑
に主たる発光帯域を持ち色覚の反対色応答系のr−gチ
ャンネルを主に刺激する本発明の蛍光ランプでの代表的
な実施例(図中に2Bと記載)と、基準光源であるCI
E合成昼光D65(図中にD65と記載)とが視覚の
a、t、d応答に及ぼす関係を示す。
【0072】図4.aは各々の光源の分光分布であり、
図4.bは各々の光源のアクロマチック成分(視覚の明
るさの感度特性を掛け合わせたもの)、図4.cは各々
の光源の色覚の反対色応答系のr−gチャンネル成分
(色覚の赤と緑の反対色応答の感度特性を掛け合わせた
もの)、図4.dは各々の光源の色覚の反対色応答系の
y−bチャンネル成分(色覚の黄と青の反対色応答の感
度特性を掛け合わせたもの)である。本発明の光源は、
黄−青の分光パワーに比して、赤−緑の分光パワーを多
く持つことで、色覚の反対色応答系のr−gチャンネル
成分を主に刺激しようとするものである。
【0073】この例であれば、aの刺激の積分値を1と
して明るさを正規化した場合、Rの刺激の積分値は(図
中の6:2B=0.2037,図中の7:D65=0.
1989)、Gの刺激の積分値は(図中の8:2B=
0.3056,図中の9:D65=0.3565)、Y
の刺激の積分値は(図中の10:2B=0.0265
6,図中の10:D65=0.02438)、Bの刺激
の積分値は(図中の11:2B=0.007172,図
中の12:D65=0.03231)である。
【0074】RとGの反対色刺激の和であるtは(2B
=0.5093,D65=0.5554)、YとBの反
対色刺激の和であるdは(2B=0.03374,D6
5=0.05669)である。
【0075】つぎに各種の光源でこれらの計算を行な
う。tの刺激中のRとGの割合を図5に、dの刺激中の
YとBの割合を図6に示す。これらt:d、R:G、
Y:Bの刺激のバランスを整えることで、色覚の反対色
応答系のr−gチャンネルを主に刺激することを特徴と
し、少なくとも、被照明物の表面色の赤,緑,青,黄,白の
色彩のカテゴリカルな識別が可能であることなカテゴリ
カル色知覚用光源を実現できる。
【0076】本発明ではこれらの関係を利用しながら、
色覚の反対色応答系のr−gチャンネルを刺激する光源
の分光放射量tと、色覚の反対色応答系のy−bを刺激
する光源の分光放射量dとの比、t/dが従来の照明光
源に比して大きいものを色光以外について論じる。
【0077】前記計算により得られたtと各種光源の関
係を図7に、dと各種光源の関係を図8に示す。
【0078】色光をのぞけばtは類似の相関色温度であ
ればその値の大きい方が色識別性の良いランプである傾
向にある。例えば、3波長域発光形蛍光ランプやは一般
の蛍光ランプより大きい値を示している。また蛍光水銀
ランプやナトリウムランプはその値が小さい。
【0079】これらの関係の中で本発明の色覚の反対色
応答系のr−gチャンネルを主に刺激する蛍光ランプの
tの値は比較的中庸で、中程度の演色性で高効率な光源
として一般的な高圧ナトリウムランプなどよりも高い値
を示している。
【0080】dは相関色温度と相関が高く、相関色温度
が高くなり光源の青みが強くなるほど高い値を示してい
る。色覚の反対色応答系のr−gチャンネルを主に刺激
する本発明の蛍光ランプはBの刺激が小さいため他の光
源とは異なりdの刺激量は少ない。
【0081】つまり、色覚の反対色応答系のr−gチャ
ンネルを主に刺激する本発明の蛍光ランプはdの刺激が
小さく、tの刺激は高圧ナトリウムランプ等よりも高
い、ほどほどの色識別性を示すランプであるといえる。
この色識別性があるゆえに色再現の忠実性が低くともカ
テゴリカルな色識別が可能なランプたり得ていると考え
られる。
【0082】以下の実施例としては、蛍光放電ランプ一
般においては、放電による発光部分ではなく、蛍光発光
の主波長をコントロールし、放電ランプの場合、放電に
よる発光を封入物を選定する。
【0083】図3から、色覚の反対色応答系のr−gチ
ャンネルのGを主に刺激しようとすると575[nm]以
下、色覚の反対色応答系のr−gチャンネルのRを主に
刺激しようとすると575[nm]以上の分光放射を増加さ
せねばならないことが判る。
【0084】しかし、ここで明るさのチャンネルである
視覚のアクロマチックチャンネルをも同時に効率よく刺
激することで照明光源の効率を高めようとすると、双方
の感度が高い範囲からGは500〜575[nm]、Rは5
75〜630[nm]の範囲に分光放射を多くもたせれば良
い。さらにRよりもGの方が色覚の反対色応答系のr−
gチャンネルと視覚のアクロマチックチャンネルを同時
に刺激する効率が高いため、Gの範囲に光源の分光放射
を多くもたせれば、照明光源の効率はさらに高まる。ま
た色覚の反対色応答系のy−bチャンネルの刺激を減じ
ることでt/dの割合を効率良く増加させるためには、
Bの範囲の分光放射を減じれば良い。
【0085】しかし、余りにもこれらがいきすぎて緑の
単色光に近づくと、t:d、R:G、Y:Bの刺激のバ
ランスが崩れカテゴリカルな色の見えが確保できなくな
る。
【0086】次に本発明の第1の実施例を示す。これは
図9のごとき分光分布を持つ蛍光ランプである。これは
主に蛍光体として、
【0087】
【化1】
【0088】で示される一般的な緑の実用蛍光体(LA
P)と、
【0089】
【化2】
【0090】で示される一般的な赤の実用蛍光体(YO
X)を使用し、色覚の反対色応答系のr−gチャンネル
を主に刺激する本発明の蛍光ランプを構成したものであ
る。
【0091】また、光色の相関色温度の調整のため、
【0092】
【化3】
【0093】の主に発光ピーク波長が435〜495[n
m]に存在する青色発光希土類蛍光体を構成要素に加えた
ものである。この範囲は色覚の反対色応答系のy−bチ
ャンネルのBを効率よく与える分光放射の範囲である。
【0094】この他緑の蛍光体として、
【0095】
【化4】
【0096】赤の蛍光体として、
【0097】
【化5】
【0098】青の蛍光体として、
【0099】
【化6】
【0100】
【化7】
【0101】など蛍光体の組合せは多種存在する。な
お、可視波長域に広い発光帯域を有する蛍光体として安
価で一般的な、
【0102】
【化8】
【0103】のハロリン酸カルシウム蛍光体を混合する
ことで、高価な希土類蛍光体の混合比を少なく、本発明
の蛍光ランプを実現することも可能である。
【0104】これらの場合、希土類蛍光体の対する(化
1)の割合、一般化して言うなら、主たる発光波長の範
囲、500〜575[nm]以外の発光波長の割合が増加す
るにしたがいランプの発光効率は低下する。また、希土
類蛍光体の対する(化2)の割合、一般化して言うな
ら、主たる発光波長の範囲、575〜635[nm]の発光
波長の割合の低下が極端な場合にさらにtの刺激の量が
減り、カテゴリカルな色の見えは低下する。
【0105】尚、蛍光水銀ランプや、無電極蛍光放電ラ
ンプなどの蛍光放電ランプの場合も放電ガスの輝線を除
いた蛍光体の構成要件は同様に、効率を確保する上で主
たる発光波長の範囲は500〜575[nm]、tの刺激を
より得ようとするとまたカテゴリカルな色の見えをより
確保する上では575〜630[nm]の帯域の発光が必要
となる。しかし、この範囲に既に強い放電輝線が存在し
ている場合は、それを活用し、本発明の範囲になるよう
に蛍光体の添加を調整することも可能である。
【0106】また、HIDランプの実施例として、メタ
ルハライドランプの場合、主たる発光波長の範囲を50
0〜575[nm]、および、575〜630[nm]にもつハ
ロゲン化金属(メタルハライド)の組合せで本発明が実
施可能である。これは無電極放電ランプの場合も同様で
ある。
【0107】ここで、一般に白色光源として使用されて
いるメタルハライドランプにタリウム系のハロゲン化金
属(メタルハライド)封入物の添加量を増加させること
で本発明が実現できる。
【0108】一般的にメタルハライドランプにはIn
(青発光)−Tl(緑発光)−Na(黄・赤発光)系の
ランプが多く用いられているが、これらのInの封入量
を減じ青発光を成分を減少させた、タリウムとナトリウ
ムのハロゲン化金属(一例としてタリウムとナトリウム
の沃化金属)の封入物の組合せで本発明を実現すること
が可能である。このようにTlの封入量を増加させIn
の量を減少させて本発明を実現するこの他の実施例には
InI−TlI−LiIの組合せがある。
【0109】また、複合化合物として、
【0110】
【化9】
【0111】
【化10】
【0112】とタリウムのハロゲン化金属(一例として
タリウムの沃化金属)の封入物の組合せで本発明を実現
することも可能である。
【0113】また他の一般的なメタルハライドランプに
はSc−Na−(Th)系が存在するが、これにタリウ
ムのハロゲン化金属(一例としてタリウムの沃化金属)
の封入物の組合せで本発明を実現することも可能であ
る。
【0114】その他Ce−Na−Cs−(Sm)系(一
例としてこれらの沃化物)のSmの封入量を減じ青発光
成分を減少させたものもしくはなくしたもの、これにタ
リウムのハロゲン化金属(一例としてタリウムの沃化金
属)の封入物の組合せたもので本発明を実現すること、
DyI3−TlIのTlIを増加させることで本発明を
実現することも可能である。一般的には色覚の反対色応
答系のr−gチャンネルのGを主に刺激しようとすると
Tl、色覚の反対色応答系のr−gチャンネルのRを主
に刺激しようとするとNa,Liを通常よりも多く封入
することで本発明が実施可能である。
【0115】色覚の反対色応答系のr−gチャンネルを
主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応答系のr
−gチャンネルに対する光源の分光放射量tと、色覚の
反対色応答系のy−bに対する光源の分光放射量dとの
比、t/dが相関色温度2500〜5500[K]におい
て、相関色温度をTcとした場合、既存の光源に無い範
囲である(数1)以上であるカテゴリカル色知覚用光源
を実施する場合、その数式のt/dとの関係は図10に
示すようなものである。
【0116】実施例1の蛍光ランプでLAPとYOXの
混合比を変化させtとdの比率変化させ、色覚の反対色
応答のr−gチャンネルを主に刺激する蛍光ランプを構
成したときにカテゴリカルな色の見えは特に2B(80:20)
のポイント、つまりLAP:YOXの光束比を80:20とした場合
が最適な点であった。
【0117】また、色覚の反対色応答系のr−gチャン
ネルを主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応答
系のr−gチャンネルに対する光源の分光放射量tと、
色覚の反対色応答系のy−bに対する光源の分光放射量
dとの比、t/dが、相関色温度をTcとした場合、
(数2)、かつ、(数3)であるカテゴリカル色知覚用
光源を実施する場合、その数式とt/dとの関係は図1
1に示すようなものである。
【0118】この範囲は、既存の緑色蛍光ランプである
LAPの位置に(数1)の関係を平行移動させたもので
ある。
【0119】また、色覚の反対色応答系のr−gチャン
ネルを主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応答
系のr−gチャンネルに対する光源の分光放射量tと、
色覚の反対色応答系のy−bに対する光源の分光放射量
dとの比、t/dが、相関色温度をTcとした場合、
(数2)、かつ、(数4)であるカテゴリカル色知覚用
HID光源を実施する場合、その関係は図12に示すよ
うなものである。
【0120】この範囲は、既存の緑色HIDランプであ
るHID−Gの位置に(数1)の関係を平行移動させた
ものである。
【0121】また、色覚の反対色応答系のr−gチャン
ネルを主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応答
系のr−gチャンネルに対する光源の分光放射量tと、
色覚の反対色応答系のy−bに対する光源の分光放射量
dとの比、t/dが、相関色温度をTcとした場合、
(数5)、かつ、(数6)であるカテゴリカル色知覚用
光源を実施する場合、その関係は図13に示すようなも
のである。
【0122】この範囲は、実施例1の蛍光ランプでLA
PとYOXの混合比を変化させtとdの比率変化させた
ときにカテゴリカルな色の見えが好適であった範囲であ
り、LAP:YOXの光束比を85:15〜65:35とした場合の位置
に(数1)を平行移動させたものである。
【0123】また、色覚の反対色応答系のr−gチャン
ネルを主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応答
系のy−bチャンネルの反応量dの割合が相関色温度2
500〜5500[K]において、相関色温度をTcとし
た場合、(数7)以下であるカテゴリカル色知覚用光源
を実施する場合、その関係は図14に示すようなもので
ある。この範囲は既存の光源には無い範囲である。
【0124】また、色覚の反対色応答系のr−gチャン
ネルを主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応答
系のy−bチャンネルの反応量dの割合が相関色温度を
Tcとした場合、(数8)、かつ、(数9)以下である
カテゴリカル色知覚用光源を実施する場合、その関係は
図15に示すようなものである。
【0125】この範囲は、既存の緑色蛍光ランプである
LAPの位置に(数7)の関係を平行移動させたもので
ある。
【0126】また、色覚の反対色応答系のr−gチャン
ネルを主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応答
系のy−bチャンネルの反応量dの割合が相関色温度を
Tcとした場合、(数8)、かつ、(数10)であるカ
テゴリカル色知覚用HID光源を実施する場合、その関
係は図16に示すようなものである。
【0127】この範囲は、既存の緑色HIDランプであ
るHID−Gの位置に(数7)の関係を平行移動させた
ものである。
【0128】また、色覚の反対色応答系のr−gチャン
ネルを主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応答
系のy−bチャンネルの反応量dの割合が相関色温度を
Tcとした場合、(数11)、かつ、(数12)である
カテゴリカル色知覚用光源を実施する場合、その関係は
図17に示すようなものである。
【0129】この範囲は、実施例1の蛍光ランプでLA
PとYOXの混合比を変化させtとdの比率変化させた
ときにカテゴリカルな色の見えが好適であった範囲であ
り、LAP:YOXの光束比を85:15〜65:35とした場合の位置
に(数7)を平行移動させたものである。
【0130】また、主たる発光帯域を500[nm]〜57
5[nm]とすることで色覚の反対色応答系のr−gチャン
ネルを主に刺激するカテゴリカル色知覚用光源を実施す
る場合、図3に示す色覚の反対色応答系のr−gチャン
ネルの分光感度が高い範囲が主に刺激され、アクロマチ
ック成分の反応も同時に高くなり照明光源の効率が向上
する。ここで、575[nm]〜635[nm]の帯域の分光放
射も同時に与えることでtの反応がさらに増し、色覚の
反対色応答系のr−gチャンネルの中でRとGのバラン
スが崩れなくなり、かつ、色覚の反対色応答系のy−b
チャンネルの反応量dとの比が大きくなる。
【0131】また、色覚の反対色応答系のr−gチャン
ネルの反応量tと、色覚の反対色応答系のy−bチャン
ネルの反応量dにおいて、tに含まれるRの反応量R/
(R+G)とd含まれるBの反応量B/(B+Y)が相
関色温度をTcとした場合、(数13)、かつ、(数1
4)であることを特徴とするカテゴリカル色知覚用光源
を実施する場合、その関係は図18、図19に示すよう
なものである。
【0132】また、色覚の反対色応答系のr−gチャン
ネルの反応量tと、色覚の反対色応答系のy−bチャン
ネルの反応量dにおいて、tに含まれるRの反応量R/
(R+G)とtに含まれるGの反応量G/(R+G)と
のバランス:(t,balance)=(R/(R+G)とG/
(R+G)との大きいもの分のR/(R+G)とG/
(R+G)との小さいもの)と、dに含まれるYの反応
量Y/(Y+B)とdに含まれるBの反応量B/(Y+
B)とのバランス:(d,balance)=(Y/(Y+B)と
B/(Y+B)との大きいもの/Y/(Y+B)とB/
(Y+B)との小さいもの)との和であるt,balance+
d,balanceを視覚のt:d,R:G,Y:Bの刺激のバ
ランスとした場合、その値が7以下であるカテゴリカル
色知覚用光源を実施する場合、各種光源の視覚のt:
d,R:G,Y:Bの刺激のバランスとの関係は図20
に示すようなものである。
【0133】これは、その値が大きいほど視覚のt:
d,R:G,Y:Bの刺激のバランスが崩れ、カテゴリ
カルな色の知覚が悪くなっていることを示す。
【0134】最も単輝線に近い低圧ナトリウムランプで
は橙色の単輝線のためtの中でのRとGのバランスが悪
く、dの中でもYとBのバランスが悪く視覚のt:d,
R:G,Y:Bの刺激のバランスが全体的に崩れており
カテゴリカルに色の分離が出来ない。
【0135】この様にtの中でのRとGのバランスの崩
れと、dの中でもYとBのバランスの崩れを得点化し並
べると、低圧ナトリウムランプについで狭帯域な発光で
わずかにその他の副発光を有する緑のHIDランプ,狭
帯域な赤と水銀輝線の発光を持つYOXの赤の希土類蛍光
体の蛍光ランプ、青に発光の非常に少ない高圧ナトリウ
ムランプ、狭帯域な緑とその他の複数の副発光体域、及
び水銀輝線の発光を持つLAPの緑の緑の希土類蛍光体の
蛍光ランプ、赤に発光の非常に少ない透明水銀ランプ、
色覚の反対色応答系のr−gチャンネルを主に刺激する
本発明の蛍光ランプや一般のその他の光源がという順列
が成り立つ。また、一般光源でも青の見えが比較的悪い
様な低色温度の光源はこの崩れが大きいことが判る。
【0136】また参考までに、前記僅かの白熱電球が混
光された低圧ナトリウムランプでの数値を計算すると1
8.7であり、視覚のt:d,R:G,Y:Bの刺激のバ
ランスとの関係からカテゴリカルな色の見えを類推する
とYOXより良いものと想定できる。
【0137】また、本発明の範囲は7以下としたことで
緑の蛍光ランプで一般的なLAPよりもカテゴリカルな
色の見えのよい従来にない光源とすることができる。
【0138】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、色覚の反
対色応答系のr−gチャンネルを主に刺激し、色覚の反
対色応答系のr−gチャンネルに対する光源の分光放射
量tとその中でのRとG、および、色覚の反対色応答系
のy−bに対する光源の分光放射量dとその中でのYと
Bの比、を調整する事で、少なくとも赤,緑,青,黄,白の
複数の基本色のカテゴリカルな識別を最低限度に確保し
ながら、高効率な照明光源を実現することができるとい
う効果を有する。
【0139】これは、さほど厳密な色の見えは必要とさ
れないが、省エネや経済効率が優先される屋外照明、交
通照明、街路照明、保安灯、自動化工場の工場照明など
の分野に適用範囲が広い。また、世界的な省エネルギー
の観点からみても、この様な光源の実現は重要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】色覚の反対色応答系のr−gチャンネルの刺激
tとy−bチャンネルの刺激dの比、t/dと各種光源
との関係を示す図
【図2】簡単な色覚のモデルを示す図
【図3】a,t,dの分光感度特性図
【図4】(a)〜(d)本発明の色覚の反対色応答系の
r−gチャンネルを主に刺激する蛍光ランプでの代表的
な実施例と、CIE合成昼光D65とが視覚のa、t、
d応答に及ぼす関係を示す図
【図5】tの刺激中のRとGの割合を示す図
【図6】dの刺激中のYとBの割合を示す図
【図7】tと各種光源の関係を示す図
【図8】dと各種光源の関係を示す図
【図9】第1の実施例の蛍光ランプの分光分布を示す図
【図10】(数1)とt/dとの関係を示す図
【図11】(数2)(数3)とt/dとの関係を示す図
【図12】(数2)(数4)とt/dとの関係を示す図
【図13】(数5)(数6)とt/dとの関係を示す図
【図14】(数7)とdとの関係を示す図
【図15】(数8)(数9)とdとの関係を示す図
【図16】(数8)(数10)とdとの関係を示す図
【図17】(数11)(数12)とdの関係を示す図
【図18】(数13)とR/(R+G)の関係を示す図
【図19】(数14)とB/(B+Y)の関係を示す図
【図20】各種光源と視覚のt:d,R:G,Y:Bの
刺激のバランスとの関係を示す図
【符号の説明】
1 従来の光源のtとdの割合 2 B:青の反応に関わる部分 3 Y:黄の反応に関わる部分 4 G:緑の反応に関わる部分 5 R:赤の反応に関わる部分

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】色覚の反対色応答系のr−gチャンネルを
    主に刺激することを特徴とし、少なくとも、被照明物の
    表面色の赤,緑,青,黄,白の色彩のカテゴリカルな識別が
    可能であることを特徴とする照明光源。
  2. 【請求項2】色覚の反対色応答系のr−gチャンネルを
    主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応答系のr
    −gチャンネルに対する光源の分光放射量tと、色覚の
    反対色応答系のy−bに対する光源の分光放射量dとの
    比、t/dが相関色温度2500〜5500[K]におい
    て、相関色温度をTcとした場合、t/d=3.3×1
    -7×Tc2−4.8×10-3×Tc+27.3以上で
    あることを特徴とする照明光源。
  3. 【請求項3】色覚の反対色応答系のr−gチャンネルを
    主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応答系のr
    −gチャンネルに対する光源の分光放射量tと、色覚の
    反対色応答系のy−bに対する光源の分光放射量dとの
    比、t/dが、相関色温度をTcとした場合、t/d≧
    3.3×10-7×Tc2−4.8×10- 3×Tc+2
    7.3、かつ、t/d<3.3×10-7×Tc2−4.
    8×10-3×Tc+30.9であることを特徴とする照
    明光源。
  4. 【請求項4】色覚の反対色応答系のr−gチャンネルを
    主に刺激することを特徴とするHID光源であって、色
    覚の反対色応答系のr−gチャンネルに対する光源の分
    光放射量tと、色覚の反対色応答系のy−bに対する光
    源の分光放射量dとの比、t/dが、相関色温度をTc
    とした場合、t/d≧3.3×10-7×Tc2−4.8
    ×10-3×Tc+27.3、かつ、t/d<3.3×1
    -7×Tc2−4.8×10-3×Tc+33.5である
    ことを特徴とする照明光源。
  5. 【請求項5】色覚の反対色応答系のr−gチャンネルを
    主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応答系のr
    −gチャンネルに対する光源の分光放射量tと、色覚の
    反対色応答系のy−bに対する光源の分光放射量dとの
    比、t/dが、相関色温度をTcとした場合、t/d≧
    3.3×10-7×Tc2−4.8×10- 3×Tc+2
    7.5、かつ、t/d≦3.3×10-7×Tc2−4.
    8×10-3×Tc+30.0であることを特徴とする照
    明光源。
  6. 【請求項6】色覚の反対色応答系のr−gチャンネルを
    主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応答系のy
    −bチャンネルの反応量dの割合が相関色温度2500
    〜5500[K]において、相関色温度をTcとした場
    合、d=−4.7×10-10×Tc2+8.4×10-6×
    Tc+1.65×10-2以下であることを特徴とする照
    明光源。
  7. 【請求項7】色覚の反対色応答系のr−gチャンネルを
    主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応答系のy
    −bチャンネルの反応量dの割合が相関色温度をTcと
    した場合、d≦−4.7×10-10×Tc2+8.4×1
    -6×Tc+1.65×10-2、かつ、d>−4.7×
    10-10×Tc2+8.4×10-6×Tc−1.00×1
    -3であることを特徴とする照明光源。
  8. 【請求項8】色覚の反対色応答系のr−gチャンネルを
    主に刺激することを特徴とするHID光源であって、色
    覚の反対色応答系のy−bチャンネルの反応量dの割合
    が相関色温度をTcとした場合、d≦−4.7×10
    -10×Tc2+8.4×10-6×Tc+1.65×1
    -2、かつ、d>−4.7×10-10×Tc2+8.4×
    10-6×Tc−5.00×10-3であることを特徴とす
    る照明光源。
  9. 【請求項9】色覚の反対色応答系のr−gチャンネルを
    主に刺激することを特徴とし、色覚の反対色応答系のy
    −bチャンネルの反応量dの割合が相関色温度をTcと
    した場合、d≦−4.7×10-10×Tc2+8.4×1
    -6×Tc+1.36×10-2、かつ、d≧−4.7×
    10-10×Tc2+8.4×10-6×Tc+0.47×1
    -3であることを特徴とする照明光源。
  10. 【請求項10】請求項1〜9において、主たる発光帯域
    を500[nm]〜575[nm]とすることで色覚の反対色応
    答系のr−gチャンネルおよび視覚のアクロマチックチ
    ャンネルを主に刺激することを特徴とする照明光源。
  11. 【請求項11】請求項2〜9において、色覚の反対色応
    答系のr−gチャンネルの反応量tと、色覚の反対色応
    答系のy−bチャンネルの反応量dにおいて、tに含ま
    れるRの反応量R/(R+G)とd含まれるBの反応量
    B/(B+Y)が相関色温度をTcとした場合、R/
    (R+G)<−1.62×10-11×Tc3+2.31×
    10-7×Tc2−1.11×10-3×Tc+2.20、
    かつ、B/(B+Y)<1.16×10-11×Tc3
    1.72×10-7×Tc2+8.84×10-4×Tc−
    1.16であることを特徴とする照明光源。
  12. 【請求項12】請求項1〜11において、色覚の反対色
    応答系のr−gチャンネルの反応量tと、色覚の反対色
    応答系のy−bチャンネルの反応量dにおいて、tに含
    まれるRの反応量R/(R+G)とtに含まれるGの反
    応量G/(R+G)とのバランス:(t,balance)=(R
    /(R+G)とG/(R+G)との大きいもの分のR/
    (R+G)とG/(R+G)との小さいもの)と、dに
    含まれるYの反応量Y/(Y+B)とdに含まれるBの
    反応量B/(Y+B)とのバランス:(d,balance)=
    (Y/(Y+B)とB/(Y+B)との大きいもの分の
    Y/(Y+B)とB/(Y+B)との小さいもの)との
    和であるt,balance+d,balanceが7以下であることを
    特徴とする照明光源。
JP26957496A 1996-10-11 1996-10-11 照明光源 Pending JPH10116589A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26957496A JPH10116589A (ja) 1996-10-11 1996-10-11 照明光源

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26957496A JPH10116589A (ja) 1996-10-11 1996-10-11 照明光源

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10116589A true JPH10116589A (ja) 1998-05-06

Family

ID=17474265

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26957496A Pending JPH10116589A (ja) 1996-10-11 1996-10-11 照明光源

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10116589A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998036441A1 (fr) * 1997-02-13 1998-08-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Lampe fluorescente et lampe aux halogenures
WO1998040908A1 (fr) * 1997-03-10 1998-09-17 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Lampe fluorescente
US6414426B1 (en) 1997-02-13 2002-07-02 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. High-efficiency light source

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998036441A1 (fr) * 1997-02-13 1998-08-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Lampe fluorescente et lampe aux halogenures
US6414426B1 (en) 1997-02-13 2002-07-02 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. High-efficiency light source
WO1998040908A1 (fr) * 1997-03-10 1998-09-17 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Lampe fluorescente
US6242857B1 (en) 1997-03-10 2001-06-05 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. High efficiency fluorescent lamp with low color rendering property

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2567402B1 (en) Light source
US6153971A (en) Light source with only two major light emitting bands
JP6380826B2 (ja) 光源装置
EP2281606A1 (en) Fluorescent lamp
JP3143127B2 (ja) 蛍光ランプ
US6414426B1 (en) High-efficiency light source
US6224240B1 (en) Light source
EP0917182B1 (en) Fluorescent lamp
US4431942A (en) Color-corrected hid mercury-vapor lamp having good color rendering and a desirable emission color
JP6233668B2 (ja) 光源装置
US20020053868A1 (en) Fluorescent lamp
JP2018041969A (ja) 光源装置
JPH10116589A (ja) 照明光源
JP3076375B2 (ja) 蛍光ランプ
JP2000231905A (ja) 蛍光ランプ
US7432658B2 (en) Metal halide discharge lamp
EP0010991A2 (en) Light source for illuminating objects with enhanced perceived coloration
JPH1021883A (ja) 一般照明用ランプ
JPS58225552A (ja) けい光ランプ
JP2004327329A (ja) 蛍光ランプ及びそれを用いた照明器具
EP1494263A2 (en) Light sources for improving visual perceptions under mesopic lighting conditions
JP2001338613A (ja) 蛍光ランプ
CN116379387A (zh) 一种户外照明光源及照明装置
JP2003297291A (ja) 蛍光ランプ
CN117387026A (zh) 光源、光源模组及照明装置