JPH10114658A - ビタミンd配合抗アレルギー剤 - Google Patents

ビタミンd配合抗アレルギー剤

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JPH10114658A
JPH10114658A JP30075996A JP30075996A JPH10114658A JP H10114658 A JPH10114658 A JP H10114658A JP 30075996 A JP30075996 A JP 30075996A JP 30075996 A JP30075996 A JP 30075996A JP H10114658 A JPH10114658 A JP H10114658A
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Kiyoshi Kita
喜代司 喜多
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 アレルギー性疾患患者への副作用の少な
い抗アレルギー製剤を提供すること。その抗アレルギー
製剤が局所投与であること。 【手段】 ビタミンD、エルゴカルシフェロール或いは
コレカルシフェロール、やその誘導体或いは類似体の活
性型ビタミンDを有効成分とする、アレルギー疾患患者
の局所に直接投与し、特に花粉症、アレルギー性結膜炎
そして春季カタルを予防或いは治療するための抗アレル
ギー製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明はビタミンD或いは
活性型ビタミンDを有効成分とする眼局所投与抗アレル
ギー剤に関する。
【0002】
【従来の技術】 生理活性の高いビタミンD及びその後
研究された活性型ビタミンDは多くのクル病、骨軟化
症、骨粗鬆症、線維性骨炎、骨硬化症等の骨疾患、乳癌
や大腸癌等の悪性腫瘍、乾癬の皮膚病の患者の治療に現
在使われている。一般には単にビタミンDと言う時、抗
クル病活性の高いビタミンD2(エルゴカルシフェロー
ル)とビタミンD3(コレカルシフェロール)を指すの
で、本発明の説明においてもこれに準じた。
【0003】 治療用活性型ビタミンDは経口或いは注
射による投与であり、皮膚病では皮膚への軟膏による投
与がある。ビタミンDは、肝臓、腎臓でその分子構造に
変化を受け、生理活性の高い活性型ビタミンDと成るこ
とが分かっている。活性型ビタミンD3としてコレカル
シフェロールの誘導体であるカルシトリオール(1α,
25−ジヒドロキシコレカルシフェロール)が発見され
た後、ビタミンDが単にカルシウム調節作用だけでな
く、他の生理活性があることが分かってきた。活性型ビ
タミンDとしては、ステロール環A環C1位と側鎖C2
5位の内の少なくとも一つが水酸化された活性型ビタミ
ンDで、カルシトリオール(1α,25−ジヒドロキシ
ビタミンD)、1α,24−ジヒドロキシビタミンD、
アルファカルシドール(1α−ヒドロキシビタミン
D)、カルシフェドール(25−ヒドロキシビタミン
D)、1α,24,25−トリヒドロキシビタミンD、
1β,25−ジヒドロキシビタミンD、22−オキサカ
ルシトリオール、カルシポトリオール、KH1060等
がある。類似体としては他にジヒドロタチステロールを
含め現在約820種類が考えられている。細胞内におい
て活性型ビタミンDレセプターがある事が分かり、活性
型ビタミンDが種々のサイトカイン産生を調節すること
から細胞活性の調節の研究も進められている。
【0004】 眼科でビタミン欠乏による症状として、
ビタミンA欠乏による夜盲、球結膜のBitot斑、結
膜・角膜乾燥症等があり、ビタミンB1欠乏では脚気弱
視があり、ビタミンB2欠乏ではびまん性表層角膜炎が
あり、球後視神経炎や視神経萎縮が現れることがあり、
ビタミンC欠乏では壊血病に於いて眼瞼、結膜、網膜に
出血を見ることがある、等が知られている。大阪大学の
大橋らは日眼会誌、94号、臨増250頁、1990
年、に於いて、角膜移植時の拒絶反応を抑制する為に活
性型ビタミンD3のクラスII抗原発現に対する抑制効
果を実験し、活性型ビタミンD3が角膜移植拒絶反応の
抑制に働く可能性を示唆している。公開特許公報、平3
−24016号公報には、活性型ビタミンD3のヒト網
膜グリア細胞に対する増殖抑制作用により、増殖性網膜
疾患の治療に応用可能であると記載されている。公開特
許公報、63−145233号公報は、活性型ビタミン
D3を有効成分とする白内障治療剤を開示している。米
国特許第5,254,538号や、公表特許公報、平5
−503922号及び平5−508655号には、ビタ
ミンD化合物が、切傷、剌傷、及び角膜裂創等の外的上
皮に対する創傷や、潰瘍性角膜炎の様な潰瘍の処置に有
効であることが記載されている。本発明者は特許出願、
平7−351708号、において、ビタミンD化合物に
よる角結膜乾燥症等の予防や治療剤を記載している。従
来あまり問題にならなかったアレルギー性結膜炎が近年
増加している。その原因として、花粉症等のアレルゲン
が増えている事や体質の変化等が言われているが、更
に、誘因として角結膜乾燥症(ドライアイ)の関与が考
えられている。ドライアイになると、涙液の分泌が少な
くなり、花粉等の異物を洗い流す事が出来ず、アレルギ
ー性反応が起こりやすくなる事が知られている。花粉症
ばかりでなく、コンタクトレンズ、光化学スモッグや
煙、除草・殺虫剤の散布による影響等、様々な現象から
の影響が考えられている。花粉症、アレルギー性結膜
炎、及び春季カタル等の眼科でのアレルギー性疾患は眼
局所でのアレルギーをすぐに治癒させる事は困難で、対
処療法としては副腎皮質ステロイド点眼剤を投与してい
るのが現状である。ステロイド点眼剤は強力な消炎作
用、抗アレルギー作用を有しているが、緑内障、角膜ヘ
ルペスの再発、真菌感染等重篤な副作用がある事が知ら
れている。非ステロイド剤ではクロモグリク酸ナトリウ
ム、トラニラストやケトティフェン等が使用されてお
り、又、内服では抗ヒスタミン剤が投与されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、花
粉症、アレルギー性結膜炎、及び春季カタル等のアレル
ギー性疾患を予防或いは治療するための抗アレルギー剤
を提供することである。そして、現状で対処療法として
投与されているステロイド剤には副作用の問題があるの
で、副作用のより少ない局所投与抗アレルギー剤を提供
することである。例えばスギ花粉症では、通常、スギ花
粉は目に侵入し、涙と接触すると容易に吸水膨化し、外
皮が壊れ、花粉成分が溶出する。溶出した花粉成分は最
終的に結膜上皮下に達する。結膜上皮下にはスギ花粉特
異的免疫グロブリンE(IgE)抗体が反応(抗原抗体
反応)した結果、肥満細胞中にあるヒスタミン、ロイコ
トリエンと言う化学伝達物質が遊離・放出され、結膜の
血管や神経終末に作用して、目のかゆみ、充血、流涙、
眼脂等の症状が発現する。
【0006】
【課題を解決する為の手段】 そこで、本発明はビタミ
ンD化合物に結膜細胞活性調節や結膜細胞を正常化する
抗アレルギー効果がある事を発見し、ビタミンD化合物
の眼局所投与を課題を解決する為の手段とした。本発明
者はビタミンD化合物の新たな薬理作用を見つけるべく
種々の検討を行ったところ、エルゴカルシフェロール、
コレカルシフェロール、ステロール環A環C1位と側鎖
C25位の内の少なくとも一つが水酸化された活性型ビ
タミンD、ビタミンD2類似体、ビタミンD3類似体、
活性型ビタミンD2類似体、及び活性型ビタミンD3類
似体からなる群から選ばれたビタミンDを有効成分とす
る本発明の局所投与抗アレルギー剤が抗アレルギー作用
を有していることを見出だした。ビタミンD、エルゴカ
ルシフェロールやコレカルシフェロール、或いはそれら
の活性型や類似体のいづれかによる眼科用抗アレルギー
製剤とする。通常、経口より摂取されたビタミンDは体
内では肝や腎により活性型ビタミンDとなる。
【0007】 眼局所に投与されたビタミンD、エルゴ
カルシフェロール或いはコレカルシフェロール、のステ
ロール環A環C1位、或いは側鎖C25位、又はその両
方が、結膜や角膜細胞内のミトコンドリア或いはミクロ
ソームの酵素により水酸化されて活性型ビタミンDとな
る可能性がある。最も生理活性の高いステロール環A環
C1位も水酸化された1α,25−ジヒドロキシビタミ
ンDよりもステロール環A環C1位又は側鎖C25位が
水酸化された活性型ビタミンDは細胞のサイトカイン産
生調節や細胞分化誘導等の活性が劣るが、依然としてあ
る程度の生理活性は認められると考えた。活性型ビタミ
ンDの眼局所への投与は直接に結膜細胞のデオキシリボ
核酸(DNA)に影響を与え分化誘導の調節、或いはリ
ボ核酸(RNA)の蛋白合成等の調節を行う抗アレルギ
ー効果がある。本発明の抗アレルギー剤は結膜内の肥満
(マスト)細胞や幹細胞に働いて、ヒスタミンやロイコ
トリエン等の蛋白合成の調節に関与し、これらヒスタミ
ンやロイコトリエン等の遊離・放出を防ぐ。ビタミンD
としての、エルゴカルシフェロールやコレカルシフェロ
ール、及び、活性型ビタミンDとしてステロール環A環
C1位と側鎖C25位の内の少なくとも一つが水酸化さ
れた誘導体或いは類似体の活性型ビタミンDが有効であ
る。活性型ビタミンD類似体であるジヒドロタチステロ
ールも、本発明の抗アレルギー剤として有効である。
【0008】
【発明の実施の形態】 本発明は脂溶性であるビタミン
Dや活性型ビタミンDを、眼科用点眼剤や軟膏剤中に配
合し、人眼への局所投与として患者の眼瞼結膜や眼球結
膜の抗アレルギー剤とする事を特徴とした。又、ビタミ
ンDや活性型ビタミンDをエタノールや界面活性剤を溶
解剤として眼科点眼用水溶液で希釈し、眼科用抗アレル
ギー剤としても良い。ビタミンD類が脂溶性である事よ
り、植物油、例えばゴマ油、にビタミンDや活性型ビタ
ミンDを溶解して眼科用抗アレルギー剤としても良い。
【0009】 本発明の眼科用組成物としてはビタミン
Dの濃度として局所投与でもあり、50μg/ml以内
程度で良く、少なくとも、0.025μg/ml程度が
良い。活性型ビタミンDの濃度としては、1μg/ml
以内程度が良く、少なくとも、1ng/ml程度が良
い。点眼時の1滴の量は通常、約20−50μlであ
る。
【0010】 本発明の有用性を示すために、眼局所で
の抗アレルギー作用を調べる時に一般に用いられている
方法であるモルモット・アレルギー性結膜炎モデルで実
験を行った。本実験は日本大学の庄司らが第100回日
本眼科学会で発表した抗原抗体反応惹起方法を応用し
た。本試験の結果としては、無投薬の対照群と比較して
ビタミンD化合物を含有した本発明の抗アレルギー製剤
を点眼投与したものでは炎症性細胞や肥満細胞等の浸潤
や増殖程度が低く、アレルギー反応の強さが低い事を示
唆していた。この結果から、ビタミンD化合物を眼局所
に直接投与することにより、眼局所のアレルギーを抑制
出来ることが確認された。本発明の抗アレルギー剤は長
期点眼投与しても副作用の発現が極めて少ないと考えら
れる。ビタミンDや活性型ビタミンD製剤には異常な高
濃度の投与でない限り、細胞毒性が見られない事より、
正常細胞には殆ど影響が無いと考えられる。
【0011】 ビタミンD、エルゴカルシフェロールや
コレカルシフェロール等、においても、アレルギーにな
りかけたか或いはすでにアレルギー反応状態になった結
膜細胞、例えば杯細胞、肥満細胞、結膜上皮細胞及び結
膜上皮の幹細胞等、の水酸化酵素により活性型ビタミン
Dとなり、その活性型ビタミンDが自己の、或いは、近
接するアレルギー反応状態にある結膜杯細胞、肥満細
胞、結膜上皮細胞或いは結膜幹細胞等のビタミンDレセ
プターと結合し、核内に取り込まれ、その細胞のDNA
に影響を与え分化誘導を調節するか、ビタミンDレセプ
ターと結合せず、細胞質でRNAに影響を及ぼし、種々
のサイトカインや蛋白質等の滲出物を調節する。つま
り、結膜内の細胞は活性型ビタミンDの標的細胞である
のみで無く、活性型ビタミンDの産生細胞である可能性
があると考え、発明に至った。
【0012】 本発明は水性点眼剤とするのが最も好ま
しい。又、眼科用軟膏でも良く、眼科用薬物送達システ
ムであるリポソーム、マイクロスフェア、ゲル状蛋白
質、コラーゲン、治療用ソフトコンタクトレンズのいづ
れかにビタミンD或いは活性型ビタミンDを包埋或いは
接着した眼科用組成物としても良い。本発明はビタミン
Dや活性型ビタミンDを粘性基剤としてポリビニルアル
コール、メチルセルロース、ヒアルロン酸、コンドロイ
チン硫酸、コラーゲンの内の少なくとも一つに混合し、
粘性眼科用溶液として使える。従来より抗アレルギー剤
としてステロイド製剤が主に使われているが、副作用と
してステロイド緑内障、ステロイド白内障、及び真菌感
染の惹起が予想され、ステロイド剤の使用を回避或いは
軽減する傾向にある。
【0013】 従来のビタミンDや活性型ビタミンD製
剤を大量に経口投与した時にはビタミンD過剰症が見ら
れ、血中カルシウムとリン酸が増加し、腎臓、動脈、平
滑筋、肺などの軟部組織に石灰化が起きる。本発明の点
眼となるビタミンDは従来よりより少量のビタミンDや
活性型ビタミンDの局所投与で薬効があり、結膜や角膜
等を通過して血中にビタミンDや活性型ビタミンDがあ
る程度入っても従来のような副作用の発現が考えられな
い。
【0014】 以下製剤例及び試験例により本発明を更
に詳細に説明する。
【製剤例1】ビタミンD(コレカルシフェロール、分子
量384.6ダルトン)1mgをエタノール(純度9
9.9%)10mlにて希釈し、この希釈液0.1ml
を更にボリソルベート80点眼液(0.5%−Twee
n80眼科用点眼水溶液)を溶剤として更に100倍に
希釈し、ビタミンD濃度が1μg/mlの眼科用抗アレ
ルギー剤を製造した。用いた眼科用点眼水溶液は蒸留水
100ml中に、塩化ナトリウム780mg、塩化カリ
ウム153mg、pH調整には水酸化ナトリウムをpH
7.4になる様に添加した。浸透圧は280mOsmと
した。
【製剤例2】活性型ビタミンD(1α,25−ジヒドロ
キシコレカルシフェロール:カルシトリオール)0.1
mgをエタノール(純度99.9%)10mlにて希釈
し、この希釈液0.1mlを更にエタノール1mlにて
希釈し、又、更に、この希釈液0.1mlをポリソルベ
ート80点眼液(0.5%−Tween80眼科用点眼
水溶液)で100倍に希釈し、活性型ビタミンD濃度が
10ng/mlの眼科用組成物を製造した。用いた眼科
用点眼水溶液は蒸留水100ml中に、塩化ナトリウム
780mg、塩化カリウム153mg、pH調整には水
酸化ナトリウムをpH7.4になる様に添加した。浸透
圧は280mOsmとした。
【0015】
【試験例】 ハートレイ系モルモット3匹を使用した。
1匹(個体A)には抗原抗体反応試験の抗原点眼1週間
前より製剤例1の眼科用抗アレルギー剤を、1匹(個体
B)にも抗原点眼1週間前より製剤例2の眼科用抗アレ
ルギー剤を、それぞれ両眼に1日3回、10μlづつピ
ペットにて全量点眼した。残りの1匹(個体C)は無投
薬とした。抗原点眼当日、3匹(個体A、B及びC)に
抗原を全眼の前眼部結膜嚢内に0.1mlづつ溢れるよ
うに緩徐に点眼した。抗原抗体反応試験には卵白アルブ
ミン(オバルブミン:OA)5mg/mlとフロイント
完全アジュバントとの等量混合液を抗原として用いた。
個体A及びBには抗原点眼後もそれぞれ製剤例1及び製
剤例2の眼科用抗アレルギー剤の点眼を続けた。個体C
には抗原点眼以外、投薬は行わなかった。抗原点眼後4
8時間後に3匹の個体の角膜・結膜をローズベンガル染
色し、全身麻酔下で細隙灯顕微鏡にて染色程度を観察し
た。観察後、屠殺し、実体顕微鏡下で上眼瞼12時の部
位に9−0絹糸を縫着し部位の目印として結膜組織を眼
球ごと摘出して、組織学的に検討した。
【0016】 細隙灯顕微鏡検査では結膜充血程度は個
体Cは中等度、個体Aは軽度、個体Bはやや軽度の順に
軽く、個体Cには明らかな結膜肥厚が見られた。ローズ
ベンガル染色での結膜染色度合いは全眼に染色は見られ
たものの、個体Cは中等度で個体Bは一番弱い軽度の染
色であった。細隙灯顕微鏡検査後に摘出したそれぞれの
眼球は瞼結膜と前眼部強膜・角膜の球結膜部を分離さ
れ、カルノア固定液に4時間浸漬固定後、無水エタノー
ルにて脱水、キシロールで置換後、パラフィン包埋し、
4μmの切片を作成、ヘマトキシリン・エオジン染色、
ギムザ(Giemsa)染色、免疫組織化学的染色、P
AS染色が行われ、それぞれの切片を光学顕微鏡にて観
察した。個体Cは個体Bより細胞密度が高かった。しか
しながら、観察部位によるばらつきも大きく、比較は1
眼5か所の定まった観察予定の結膜部位のおおよその細
胞数や形状、(結膜上皮細胞、杯細胞、肥満細胞、B細
胞やT細胞、そしてランゲルハンス細胞等)の平均によ
り行った。個体Cは個体Bよりおよそ1.4倍細胞密度
が高かった。しかしながら、個体Aは個体Bのおおよそ
1.3倍のリンパ球細胞数が見られ、個体Aは個体B程
の炎症性細胞浸潤の抑制は見られなかった。これらの事
は、明らかに個体Cは個体Aや個体Bよりも抗原点眼に
より結膜により強いアレルギー反応が起こり、結膜内の
細胞が増殖したと考えられた。個体Bの肥満細胞数は個
体Cに比べて僅かで、約0.66倍であった。本試験例
により、本発明者はビタミンD化合物が眼局所の抗アレ
ルギー剤となり、アレルギー性眼疾患の予防や治療に有
効であると判断した。
【0017】 試験例に於いてビタミンDや活性型ビタ
ミンDによると思われる結膜や角膜へのカルシウム吸着
による角膜混濁、結膜の充血、眼内炎等の副作用は見ら
れなかった。上記試験結果は、本発明の眼科用眼局所投
与抗アレルギー剤が人においても有効であり且つ安全で
ある事を示している。
【0018】
【発明の効果】 本発明のビタミンD化合物の眼局所へ
の点眼は、試験例により眼局所で生じたアレルギー性の
眼疾患の治療に効果がある事が確認された。従来よりス
テロイド点眼投与で問題となっている副作用が回避出来
る。ビタミンD摂取不足状態の花粉症、アレルギー性結
膜炎そして春季カタルの眼科患者においても本発明のビ
タミンD化合物の眼局所投与はそれらアレルギー性疾患
の予防と治療に効果が高い。アレルギー性眼疾患の治療
に効果が高いステロイド剤の減量効果を期待して、本発
明の抗アレルギー剤を併用或いは補助手段として治療が
行える。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エルゴカルシフェロール、コレカルシフ
    ェロール、ステロール環A環C1位と側鎖C25位の内
    の少なくとも一つが水酸化された活性型ビタミンD、ビ
    タミンD2類似体、ビタミンD3類似体、活性型ビタミ
    ンD2類似体、及び活性型ビタミンD3類似体からなる
    群から選ばれたビタミンDを有効成分とする局所投与抗
    アレルギー剤。
  2. 【請求項2】 エルゴカルシフェロール、コレカルシフ
    ェロール、ステロール環A環C1位と側鎖C25位の内
    の少なくとも一つが水酸化された活性型ビタミンD、ビ
    タミンD2類似体、ビタミンD3類似体、活性型ビタミ
    ンD2類似体、及び活性型ビタミンD3類似体からなる
    群から選ばれたビタミンDを有効成分とし、剤型が点眼
    剤である局所投与抗アレルギー剤。
  3. 【請求項3】 ステロール環A環C1位と側鎖C25位
    の内の少なくとも一つが水酸化された活性型ビタミンD
    が、カルシトリオール(1α,25−ジヒドロキシビタ
    ミンD)、1α,24−ジヒドロキシビタミンD、アル
    フアカルシドール(1α−ヒドロキシビタミンD)、カ
    ルシフェドール(25−ヒドロキシビタミンD)、1
    α,24,25−トリヒドロキシビタミンD、1β,2
    5−ジヒドロキシビタミンD、22−オキサカルシトリ
    オール、カルシポトリオール、KH1060からなる群
    から選ばれたものである請求項1及び請求項2に記載の
    局所投与抗アレルギー剤。
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