JPH10110233A - 高靱性硬質合金とその製造方法 - Google Patents

高靱性硬質合金とその製造方法

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JPH10110233A
JPH10110233A JP28307396A JP28307396A JPH10110233A JP H10110233 A JPH10110233 A JP H10110233A JP 28307396 A JP28307396 A JP 28307396A JP 28307396 A JP28307396 A JP 28307396A JP H10110233 A JPH10110233 A JP H10110233A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 WC基超硬合金やサーメットなどの硬質合金
において、高靱性で硬度にも優れた硬質合金を得る。 【解決手段】 WC,TiCおよびTiNから選択され
た少なくとも1種を主体とする硬質相と、鉄族金属を主
体とする結合相とを具え、アスペクト比が5〜20となる
形状の結合相組織を含む断面を有する。この結合相組織
は扁平なため、亀裂進展の際に亀裂がこの結合相を必ず
横切ることになり、その際の結合相の塑性変形に亀裂進
展エネルギーが消費されることにより、高い靱性が実現
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高靱性の硬質合金
とその製造方法に関するものである。
【従来の技術】
【0002】一般的に硬質相をWCを主体とし結合相を
Co、Niなどの鉄族金属とする硬質合金はWC基超硬
合金と呼ばれ、硬質相をTiC(N)を主体とし結合相
を鉄族金属とする硬質合金はTiC(N)基サーメット
と呼ばれる。
【0003】これらの硬質合金は一般的に1350℃以上16
00℃以下の温度で1時間ほど真空中で無加圧で保持され
て焼結が行われる。場合によってはその後、焼結温度よ
りも低い温度でHIP(熱間静水圧プレス処理)がなさ
れることもある。そして、このような焼結条件下では液
相が生成し、WC粒は溶解再析出現象により焼結中に粒
成長を起こしやすいことが知られている。
【0004】これらの方法によって作製された硬質合金
の断面組織写真を図4に示す。図における白い斑点部分
が結合相だが、どの切断面でも硬質相の粒界や粒同士の
間隙に存在するだけである。その形状も結合相粒と呼べ
るような明確なものは少なく、存在してもアスペクト比
が3より小さい形状のものである。このような組織とな
る理由は、焼結中に結合相が溶解して液相が発生する
と、WC基超硬合金やTiC(N)基サーメットでは硬
質相と結合相間の濡れ性が高いことにより、液相が硬質
相粒界や間隙に流動するためである。
【0005】一方、WC基超硬合金やサーメットは高い
硬度を有する材料を作製するため、微粒原料を使用し、
粒成長抑制のためVC、Cr32 、NbC、TaC、
TiCなどの化合物を添加し、緻密化できる限界の低温
で焼結することで超微粒の硬質合金を作製する努力がな
されてきた。特にWC基超硬合金ではVCやCr32
の添加により、平均粒径が約 0.5μmのWC組織を有す
る硬質合金を作製(特開平1-215947号公報、同4-289146
号公報、同5-98385 号公報参照)している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の組織を
有する硬質合金は靱性が十分とはいえない。また、平均
粒径が約 0.5μm以下の細かい粒径を有するWC基超硬
合金を工業的に製造することはできていない。そのた
め、硬質合金を利用できる分野にも制限があった。従っ
て、本発明の主目的は、より高靱性で硬度や強度にも優
れる硬質合金とその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、WC,TiC,TiNおよびTiCNから
選択された少なくとも1種を主体とする硬質相と、鉄族
金属を主体とする結合相とを具え、アスペクト比が5〜
20となる形状の結合相組織を含む断面を有することを特
徴とする。特に、アスペクト比が5〜20となる形状の結
合相組織は、その最大長さが硬質相の平均結晶粒径の3
倍以上であることが好ましい。
【0008】ここで、アスペクト比とは結合相組織の最
大長さと平均厚みの比をいう。後述するように、本発明
の硬質合金は通電加圧焼結により得られ、その際の加圧
により結合相組織が押し潰される。その結果、上記アス
ペクト比の組織が形成されるのである。このような結合
相組織は焼結時の加圧により形成されるため、配列に方
向性を有し、扁平な形状となる。また、本発明の硬質合
金は、通電加圧焼結の他に熱間押し出し法や射出成形プ
ロセスで結合相を細長く伸ばした後、低温,短時間焼結
することによって得ることもできる。なお、言うまでも
ないが、本発明合金中には不可避的不純物を含んでいて
もよい。不可避的不純物には、例えばAl,Ba,C
a,Cu,Fe,Mg,Mn,Ni,Si,Sr,S,
O,N,Mo,Sn,Cr等が挙げられる。
【0009】従来、このような不均一な結合相組織を有
する硬質合金は、液相焼結材料としては好ましくないと
考えられた。しかし、後に実施例で示すように、本発明
硬質合金の破壊靱性は従来の合金のそれよりも高い値を
示す。これは、亀裂進展の際に亀裂がこの扁平な結合相
を必ず横切ることになるため、この際の結合相の塑性変
形に亀裂進展エネルギーが費やされるからと考えられ
る。
【0010】このような硬質合金は、さらに次の各要件
を単独で、または複合して具えることが好適である。 (1) 硬質相の平均粒径が0.01〜1μmである。WC基超
硬合金やTiC(N)基サーメットはその硬質相粒子を
微粒とすることで焼結体の硬度を向上できる。しかし、
硬質相粒度を小さくすると硬度が高くなる反面、靱性が
低下し、非常に脆くなる。特に硬質相粒径が1μmより
も小さくなるとその傾向は顕著になる。
【0011】後述する本発明製造方法によれば、上記限
定範囲の硬質相を有する硬質合金を得ることができる。
しかもこの方法によれば、結合金属の形状を扁平な形状
とすることができるため靱性を向上でき、従来、相反す
る関係にあった硬度と靱性を両立させることができる。
特に硬質相の粒径が0.01〜1μmのときにその効果が大
きい。0.01μmよりも小さい原料を使用することは工業
的に高コストであり、1μmより大きい粒度を有する合
金では靱性の向上効果が小さい。特に好ましい粒径は
0.1〜1μmである。
【0012】ここで得られる合金の硬質相粒径は使用す
る原料の硬質相粒径に主に依存する。現状技術では直接
炭化法で作製したWC粉末や粉砕工程で微細化したWC
粉末を用いればよい。今後さらに微粒のWC粉末が開発
された際にも本発明を適用することで一層微粒のWCを
有する超硬合金を作製できる。
【0013】(2) Cr、V、Crの炭化物、Vの炭化物
から選択された少なくとも1種を含有し、その合計含有
量が結合相量に対して1wt%以下である。このような粒
成長抑制材の添加量を限定することにより、得られる合
金の硬質相粒径を微細にでき、かつ抗折力も向上でき
る。通電加圧焼結法により急速昇温し、低温で短時間の
焼結を行えば、硬質相の粒成長を抑制でき、その微粒化
が実現できる。しかし、粒成長抑制材(VCやCrの炭
化物)を添加した焼結では、抗折力が従来技術で作製し
た合金よりも低強度のものしか得られない。そして、こ
の原因はVCやCrの炭化物の凝集体が要因と思われる
異常な組織にあることが判明した。
【0014】そのため、粒成長抑制材の添加量を結合相
量に対して1wt%以下とすることで硬質相が微粒の合金
を作製でき、しかも抗折力が従来よりも高い合金を作製
できる。なお、Cr、V、Crの炭化物、Vの炭化物の
添加量は無添加が望ましいが、原料粉末中に不可避不純
物の形でCrやVが混入することが考えられる。そのた
め、これら粒成長抑制材の合計含有量を結合相量に対し
て 0.3wt%以下とすることがより好ましい。
【0015】(3) −アスペクト比が5〜20となる形状
の結合相組織を含む断面を硬質合金の一面側に有し、他
面側には有さないように厚さ方向に組織が変化してい
る。 (3) −硬質合金の一面側における硬質相の平均粒径が
0.01〜1μmの範囲にあり、他面側におけるそれが同範
囲にないように厚さ方向に硬質相の粒径が変化してい
る。 (3) −硬質合金の一面側から他面側に向かって結合相
量が変化している。
【0016】一面側と他面側とで硬度や靱性の異なる硬
質合金は従来より提案されているが、従来の焼結法では
硬質相の粒成長および焼結中の液相の移動が激しく、狙
いとする合金を作製することが難しかった。後述する本
発明方法では、焼結中の硬質相の粒成長、液相の移動が
少ないため、厚さ方向に硬質相粒径や結合層組織、結合
相量の異なる硬質合金を作製することができる。なお、
これらの組成の変化の仕方には、段階的なものと実質上
連続的なものとの双方を含む。
【0017】(4) 金属材料の基体上に接合されている。
従来、焼結体と金属基体とのろう付けによる接合では接
合強度が不十分だったが、焼結接合することにより、高
い接合強度が得られると共に、ろう付け工程を省略する
ことができる。
【0018】上記硬質合金の製造方法は、WC,Ti
C,TiNおよびTiCNから選択された少なくとも1
種を主体とする硬質相粉末と、硬質相粉末の3倍以上の
粒径を有する鉄族金属を主体とする結合相粉末とを混合
する工程と、この混合粉末から構成される原料部材を通
電加熱装置に配置する工程と、この原料部材を1100℃〜
1350℃、5〜200MPaで通電加圧焼結する工程とを具える
ことを特徴とする。結合相粉末の粒径は好ましくは5倍
以上である。
【0019】ここで、原料部材には、各原料の粉末自体
や、予めプレスした圧粉体、中間焼結体、これらの積層
体などが含まれる。また、必要に応じて原料粉末を混合
する際に高融点化合物などの粒成長抑制材を加えればよ
い。高融点化合物としては、IVa,Va,VIa属元素の炭化
物,窒化物,炭窒化物を挙げることができる。粒成長抑
制材は無添加が最も好ましい。添加する場合には極力少
なくする。特に、Cr、V、Crの炭化物、Vの炭化物
の合計含有量は結合相量に対して1wt%以下とする。よ
り好ましい含有量は0.3wt %以下である。
【0020】この方法により急速昇温して低温で短時間
の焼結を行えば、結合相が移動する時間が十分でないた
め、結合相粒子が加圧軸の方向に押しつぶされた扁平な
形状に形成される。
【0021】焼結は液相の存在下で行うことが望まし
い。焼結は固相焼結で行うと、扁平な結合相組織が生成
しやすいが、液相を出現させて焼結を行うことで緻密化
が促進される。これにより、焼結体の強度は向上する。
従って、扁平な結合相組織が消失しない程度の温度で液
相を生成させて、短時間で焼結することにより、緻密で
強度、靱性、硬度に優れた合金を作製することができ
る。
【0022】上記各焼結条件の限定理由は次の通りであ
る。焼結温度は、1100℃未満では緻密化が進行しにく
く、1350℃を越えると液相のシミ出しが生じやすくなる
ためである。なお、ここでいう焼結温度は焼結炉を制御
するときの黒鉛型表面の温度のことを指す。実際の試料
温度はこの温度よりも150℃〜300 ℃程度高い温度にな
っているものと思われる。
【0023】また、加圧力は、5MPa 以下では加圧焼結
の効果が見られず、200MPaより加圧力を大きくすること
は設備的に難しく、コストアップの要因となるためであ
る。特に好ましい圧力は10〜50MPa である。その理由は
安価な黒鉛型が利用できるためである。
【0024】さらに、焼結時間は10分以内であることが
好ましい。焼結時間を短くすることで硬質相の粒成長お
よび焼結中の液相の移動を抑制し、厚さ方向にWCの粒
径や結合層量の異なる硬質合金を作製することができ
る。より好ましくは5分以内である。なお、焼結雰囲気
は 0.1torr以下の真空が好ましい。
【0025】硬質相粒径や組織が厚さ方向に変化する硬
質合金を製造するには、原料粉末の配合を変えることで
硬質相(結合相)粒径や結合相量の異なる複数種の混合
粉末を準備しておけばよい。結合相粒径の異なる複数種
の混合粉末を準備する場合、これらの混合粉末のいずれ
かに硬質相粉末の3倍以上の粒径の結合相を含むように
する。そして、原料部材を通電加熱装置に配置する工程
において、これら複数種の混合粉末を硬質相(結合相)
粒子の粒径順または結合相量順に積層して配置する。準
備された混合粉末の種類が少なければ、厚さ方向に段階
的に硬質相(結合相)粒径や結合相量の異なる硬質合金
を得ることができ、この種類を多くして積層される各層
の厚みを薄くすれば実質上連続的に硬質相(結合相)粒
径や結合相量の変化する硬質合金を得ることができる。
本発明の方法では、焼結中の硬質相の粒成長、液相の移
動が少ないため、このような構成の焼結体を安定して製
造することができる。
【0026】また、このような傾斜構造の硬質合金を基
体上に接合するには、基体と共に原料部材を通電加圧装
置に配置すればよい。その際、接合面側の硬質相(結合
相)の粒径を大きく、その反対面側の粒径を小さくする
ことが望ましい。
【0027】以下、発明の実施の形態について説明す
る。 (実施例1)平均粒径1μmのWC粉末、平均粒径1μm
のCo粉末、平均粉径 1.5μmのTiCN粉末、平均粒
径2μmのTiC粉末、平均粒径1μmのNi粉末を準備
し、表1に記載した組成に配合し、ボールミルで20時間
混合粉砕して原料粉末(No.1-1〜1-7)を作製した。ま
た、Co粉末とNi粉末をそれぞれ平均粒径3μmと5
μmの粗い原料に変えた原料粉末No.2-2〜2-7も同様にし
て作製した。
【0028】
【表1】
【0029】次に、これらの粉末を黒鉛型に装入し、通
電加熱焼結装置を用いて、50MPa の圧力を上下方向から
負荷しながら昇温スピード 190℃/min となるように黒
鉛型に電流を通じ、1130℃に達した時点で5分間キープ
し、約 100℃/min の速度で冷却を行うことによって25
×8×5mmの形状の焼結体(試料No. 1〜14)を得た。
【0030】これらの焼結体を加圧軸に平行な面で切断
して断面を平面研削し、鏡面研磨後、光学顕微鏡により
任意の3視野の組織写真撮影を1500倍にて行い、この写
真を用いて、結合相金属のアスペクト比を算出した。こ
こで、アスペクト比は結合相粒の最大長さを平均厚みで
割ることにより算出した。また、ダイヤモンド製ヴィッ
カース圧子を用いて、50kgの荷重でインデンテーション
法により、硬度と破壊靱性を測定した。さらに3点曲げ
試験により、曲げ強度も測定した。これらの測定結果を
表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2より、主体となる硬質相粒径に対して
3倍以上大きな結合相金属粉末を用いた原料No.2-1〜2-
7の焼結体の結合相のアスペクト比は硬質相と結合相の
粒子径の差がない原料No.1-1〜1-7を焼結した合金のそ
れよりも大きく、約5〜15の値となっている。また、こ
れら試料No.2,4,6,8,10,12,14 の破壊靱性は試料No.1,
3,5,7,9,11,13の破壊靱性よりも大幅に優れることが確
認できた。
【0033】焼結体を加圧軸に平行な面で切断し、平面
研削・鏡面研磨した断面の光学顕微鏡写真を図1に示
す。同写真の白い部分が結合相である。この写真から明
らかなように、一部の結合相は加圧軸に対して垂直な方
向に長く伸びた形状、すなわちアスペクト比で5〜20の
形状となっている。また、この組織写真中に確認できた
結合相金属は、焼結装置の加圧軸に垂直な方向に伸びる
ように配列しており、方向性を有していることがわか
る。
【0034】次に、焼結体を加圧軸に垂直な面で切断
し、平面研削・鏡面研磨した断面の光学顕微鏡写真を図
2に示す。ここでも白い部分が結合相を表している。写
真中央部に示される結合相粒は円形であり、この結合相
金属は扁平な形状であることがわかる。
【0035】さらに、原料粉末No.1-1,2-1,1-5,2-5,1-
6,2-6を用いて作製した試料No.1,2,9,10,11,12 の曲げ
強度を比較した。VC、Cr32 の添加量が結合相量
に対して5wt%であるNo.9,10 の試料の曲げ強度はNo.
1,2と比較して低強度となっていた。しかし、1wt%以
下である試料No.11,12の曲げ強度はVC、Cr32
添加のNo.1,2と同程度であった。中でも結合相金属のア
スペクト比が5〜20の範囲にある試料12の破壊靱性はア
スペクト比が3の試料No.11 の合金よりも高く、曲げ強
度、破壊靱性、硬度が高レベルとなっていることがわか
る。
【0036】(実施例2)実施例1で作製した原料粉末
No.1-1と同一の組成で、WC粉末を平均粒径0.25μmの
ものに変更した原料粉末No.3-1を作製した。また、実施
例1で作製した原料粉末No.1-2と同一の組成で、TiC
N粉末を平均粒径 0.5μm、Ni粉末を平均粒径1.5μm
のものに変更した原料粉末No.3-2を作製した。
【0037】これらの粉末を実施例1と同様にして、通
電加熱焼結装置で最高キープ温度での保持時間を表3に
記載したように変化させて焼結し、試料No. 15〜No. 22
を得た。これらの試料の鏡面研磨した断面組織をFE−
SEMで写真撮影後、写真を用いて主体となる硬質相の
平均粒子径をフルマンの式から算出した。また、これら
の試料の結合相金属のアスペクト比、Hv硬度および破
壊靱性を実施例1と同様にして測定し、その結果を表3
中に記載した。
【0038】
【表3】
【0039】表3の結果より、通電加圧焼結法により平
均粒子径が1μm以下のWC基超硬合金、TiC(N)
基サーメットが作製できたことがわかる。このため、こ
れらの合金は高い硬度を示した。また、これらの合金は
アスペクト比5〜20の結合相金属粒を有していることか
ら、破壊靱性値も非常に大きく、硬度と靱性が高レベル
で両立していることが判明した。
【0040】なお、本実施例で行った通電加圧焼結法で
の実際の試料温度はPR熱電対による測定の結果、約13
80℃であることが判明した。この温度はWC基超硬合金
の共晶組成の融点1320℃を上回っており、少なくとも部
分的には液相が出現していたものと考えられた。
【0041】(実施例3)平均粒径0.25μmのWC粉
末、平均粒径1.3μm のCo粉末、平均粒径1μmのVC
粉末、平均粒径 1.5μmのCr32 粉末を準備し、表
4に記載した組成に配合し、アトライターで10時間混合
粉砕して原料粉末(原料粉末No.3-3〜3-11)を作製し
た。
【0042】
【表4】
【0043】これらの原料粉末を1 ton/cm2 の圧力で
金型プレスし、プレス体を焼結炉にセットして、0.01To
rr以下の真空中で昇温速度10℃/min 、最高キープ温度
1350℃、キープ時間1時間、冷却速度5℃/min の条件
(従来の液相焼結法条件)で焼結した。さらにその後、
1320度、キープ時間1時間、アルゴン中で100MPaの条件
でHIP処理を行い、25×8×5mmの形状の焼結体(試
料No.23 〜31:表5参照)を得た。
【0044】これらの焼結体は平面研削、鏡面研磨後、
FE−SEMにより組織写真撮影を行い、撮影した写真
を用いてフルマンの式により、WCの平均粒子径を算出
した。また、20mmスパンの3点曲げ試験で曲げ強度も測
定した。これらの測定結果を表5に示す。
【0045】
【表5】
【0046】次に、原料No.3-3〜3-11 を用いて、通電
加熱焼結装置を用いて、50MPa の圧力を上下方向から負
荷しながら昇温スピード 190℃/min となるように黒鉛
型に電流を通じ、1130℃に達した時点で5分間キープ
し、約 100℃/min の速度で冷却を行うことによって硬
質合金(試料No.32 〜40)を作製した。これらの試料N
o.32〜40も同様にして、WCの平均粒度、曲げ強度と結
合相のアスペクト比を測定した。その結果も表5に記載
した。
【0047】その結果、従来焼結法で得られた最小のW
C平均粒度はVCを添加した場合の0.5μmであるのに対
して、通電加圧焼結法では原料組成に関わらず、平均粒
度0.3μmの微粒WC合金が作製でき、しかも優れた破壊
靱性を有することが確認できた。ところが、VCやCr
32 を結合相量に対して1wt%を越える量添加した合
金については、WC粒度が微細にも関わらず曲げ強度が
著しく低下していることが判明した。ただ、VCやCr
32 を結合相量に対して1wt%以下の含有量とした試
料No.34,35,38,39,40 の合金は非常に優れた曲げ強度を
実現し、従来焼結法以上の曲げ強度を実現できることが
判明した。
【0048】なお、本実施例で行った通電加圧焼結法で
の実際の試料温度はPR熱電対による測定の結果、約13
80℃であることが判明した。この温度はWC基超硬合金
の共晶組成の融点1320℃を上回っており、少なくとも部
分的には液相が出現していたものと考えられた。
【0049】(実施例4)硬質相としてWC、結合相と
して平均粒径 3.0μmのCoを10wt%、Niを2wt%配
合し、10時間の混合、粉砕をアトライターで行った粉末
をWC粒径の大きさに分けて2種類用意した。そして、
黒鉛型中にWC粒径の大きい粉末(平均粒径 2.5μm)
が下部層、WC粒径の小さい粉末(平均粒径0.25μm)
が上部層となるように層状にプレスして充填し、41MPa
の圧力を上下方向から負荷しながら昇温スピード 300℃
/分となるように黒鉛型に電流を通じ、1200℃に達した
時点で3分間キープし、 100℃/分の条件で冷却を行う
ことによって硬質合金を作製した。
【0050】得られた直径30mm、厚み8mmの円板状焼結
体の加圧軸に平行な断面を#250 の砥石で平面研削後、
鏡面研磨して光学顕微鏡により観察したところ、上部層
にはアスペクト比が約8の扁平な形状をしたCoが部分
的に見られた。また、ダイヤモンド製ヴィッカース圧子
を用いた硬度、破壊靱性測定でも高硬度、高靱性を示し
た。これは、この層が約 0.3μmの微粒WCを主体とす
ることで高硬度となり、扁平なCoが存在するため亀裂
進展エネルギーを吸収し、微粒WCによる靱性の低下を
抑制できたためと思われる。
【0051】また、EPMAにて組成分析を行ったが、
各層間でのCo、Ni元素の移動は比較的少なく、従来
の製造法による焼結体で問題があった層間の成分の拡散
が抑制され、各層間には亀裂の発生もなくしっかりと接
合されていた。
【0052】WC基超硬合金はWC粒径が小さいほど硬
度が高く、WC粒径が大きいほど靱性が高くなることか
ら、本構造の焼結体は上部側で比較的高靱性で耐摩耗性
に優れ、下部側では上部層よりもさらに靱性に優れるた
め、通常相反する両特性を両立することのできる材料と
なっている。
【0053】(実施例5)硬質相として平均粒径0.25μ
mのWC、結合相として平均粒径 0.5μmのCoを12wt%
配合し、10時間の混合粉砕を行った粉末Aと、硬質相と
して平均粒径0.25μmのWC、結合相として平均粒径 3.
0μmのCoを12wt%配合し、10時間の混合粉砕を行った
粉末Bを用意した。そして、粉末Aが上部層となるよう
にそれらを層状にプレスして、黒鉛型に充填し、30MPa
の圧力を上下方向から負荷しながら昇温スピード 190℃
/分となるように黒鉛型に電流を通じ、1250℃に達した
時点で2分間キープし、 200℃/分の速度で冷却を行う
ことによって硬質合金を作製した。
【0054】得られた直径30mm、厚み8mmの円板状焼結
体の加圧軸に平行な断面を#250 の砥石で平面研削後、
鏡面研磨して光学顕微鏡により観察したところ、上部層
にはアスペクト比が約2のCo相、下部層にはアスペク
ト比が約8のCo相が部分的に見られた。さらに、ダイ
ヤモンド製ヴィッカース圧子を用いた破壊靱性測定でも
下部層ほど高靱性を示した。これは扁平なCoが亀裂進
展エネルギーを吸収することによって高い靱性を示した
と思われる。
【0055】また、EPMAにて組成分析を行ったが、
各層間でのCo元素の移動は比較的少なく、従来の製造
法による焼結体で問題があった層間の成分の拡散が抑制
され、各層間には亀裂の発生もなくしっかりと接合され
ていた。
【0056】結合相金属のアスペクト比が大きな硬質合
金ではアスペクト比が小さな合金よりも靱性が高くな
る。しかし、結合相金属のアスペクト比が大きな硬質合
金ではミクロ的にはCoの分散が不均一であり、微視的
な耐摩耗性が要求される用途ではアスペクト比の小さな
合金の方が耐摩耗性に優れるケースもある。そのような
ケースでは、本構造の焼結体は上部側で耐摩耗性に優
れ、下部側で靱性に優れるため、通常相反する両特性を
両立することのできる材料となっている。なお、下部層
の結合相量を上部層よりも多くすることでさらに靱性に
優れた合金とすることもできる。
【0057】(実施例6)平均粒径0.25μmのWC粉末
と平均粒径3μmのCo粉末を20wt%配合し、10時間混
合粉砕した粉末を黒鉛型中で鋼の基体上に配置した。そ
して、60MPa の圧力を上下方向から負荷しながら昇温ス
ピードを 190℃/分となるように黒鉛型に電流を通じ、
1300℃に達した時点で1分間キープし、 100℃/分の速
度で冷却を行うことによって硬質合金を鋼上に接合し
た。
【0058】得られた直径50mm、厚み20mmの円板状焼結
体の加圧軸に平行な断面を#250 の砥石で平面研削後、
鏡面研磨して光学顕微鏡により観察したところ、上部層
(焼結体表面側)にはアスペクト比が約8のCoが部分
的に見られた。さらに、ダイヤモンド製ヴィッカース圧
子を用いた硬度、破壊靱性測定でも高硬度、高靱性を示
した。これは通電加圧焼結により、WC粒径が約 0.3μ
mの微粒組織とできたことで高硬度を実現し、扁平なC
oが亀裂進展エネルギーを吸収することで微粒WCによ
る靱性の低下を抑制できたためと思われる。
【0059】また、EPMAにて組成分析を行ったが、
各層間でのCo元素の移動は比較的少なく、従来の製造
法による焼結体で問題があった層間の成分の拡散が抑制
され、各層間には亀裂の発生もなくしっかりと接合され
ていた。
【0060】本構造の焼結体は上部層は粒径の細かいW
Cからなっているため高耐摩耗性、下部層は鋼としたこ
とによる高強度、高靱性を得ることができ、通常相反す
る両特性を両立することのできる材料となっている。
【0061】(実施例7)平均粒径 0.5μmのTiCN
と平均粒径 3.0μmのNi粉末を12wt%配合し、10時間
ボールミルで混合粉砕した粉末Aと、平均粒径2μmの
TiCN粉末と平均粒径2μmのNi粉末を12wt%配合
し、ボールミルで10時間混合粉砕した粉末Bを用意し、
この二つの粉末を表6に示す割合に配合して5種類の原
料粉末No.4-1〜4-5を作製した。
【0062】
【表6】
【0063】図3に示すように、これらの原料粉末1を
No.4-1が上部側、No.4-5が下部側(基体表面側)となる
ように順に黒鉛型2内で鋼の基体3上に配置した。そし
て、上下部加圧ラム4,5により50MPa の圧力を上下方
向から負荷しながら昇温スピードを 150℃/分となるよ
うに黒鉛型に電流を通じ、1150℃に達した時点で3分間
キープし、約 200℃/min の速度で冷却を行うことによ
って硬質合金を鋼上に接合した。この図では原料粉末1
の断面構造を省略化しているが、実際には積層構造とな
っている。なお、上下部加圧ラム4,5に接続されてい
るのは電源6、黒鉛型2に設置されているのは熱電対7
である。
【0064】得られた直径30mm、厚み10mmの円板状焼結
体の加圧軸に平行な断面を#250 の砥石で平面研削後、
鏡面研磨して光学顕微鏡により観察したところ、上部層
にはアスペクト比が約10のNi相が部分的に見られ、下
部の組織になるほどアスペクト比は減少し、下部層には
アスペクト比が約3のNi相が部分的に見られた。ダイ
ヤモンド製ヴィッカース圧子を用いた硬度、破壊靱性測
定では、上部層は高硬度、高靱性を示し、下部層では上
部層よりもさらに高靱性を示した。これは上部層ではT
iCN粒径が約 0.6μmの微粒組織とできたことで高硬
度を実現し、扁平なCoが亀裂進展エネルギーを吸収す
ることで微粒WCによる靱性の低下を抑制でたものと思
われる。さらに下部層では結合相のアスペクト比は小さ
いもののTiCN粒径が大きくなっているため、上部層
よりも高靱性を示したものと思われる。
【0065】また、EPMAにて組成分析を行ったが、
各層間でのNi元素の移動は比較的少なく、従来の製造
法による焼結体で問題があった層間の成分の拡散が抑制
され、各層間には亀裂の発生もなくしっかりと接合され
ていた。
【0066】TiCN−NiのサーメットはTiCN粒
径が小さいほど硬度が高くなることから、本構造の焼結
体は上部側で耐摩耗性に優れ下部側で靱性に優れるた
め、通常相反する両特性を両立することのできる材料と
なっている。
【0067】(実施例8)平均粒径 0.5μmのTiCN
粉末に平均粒径 3.0μmのNi粉末を20wt%添加した
後、アトライターで30時間混合粉砕後した粉末Aと、平
均粒径 0.5μmのTiCN粉末に平均粒径 3.0μmのNi
粉末を20wt%添加した後、3時間混合粉砕した粉末Bを
用意した。そして、実施例7で行ったのと同様にして、
これらの混合割合の異なる5種類の粉末の積層を黒鉛型
内で鋼の基体上に行い、40MPa の圧力を上下方向から負
荷しながら昇温スピード 200℃/分となるように黒鉛型
に電流を通じ、1120℃に達した時点で5分間キープし、
100℃/分の速度で冷却を行うことによって硬質合金を
鋼上に接合した。
【0068】得られた直径50mm、厚み30mmの円板状焼結
体の加圧軸に平行な断面を#250 の砥石で平面研削後、
鏡面研磨して光学顕微鏡により観察したところ、上部層
にはアスペクト比が約6のNi相が見られ、下部層(接
合面側)にはアスペクト比が約12のNi相が部分的に見
られた。さらに、ダイヤモンド製ヴィッカース圧子を用
いた破壊靱性測定でも下部層の方が高靱性を示してい
た。これは粉末Aに比べて、粉末Bでは混合粉砕時間が
短いことによって原料時点でのNiの粒径が大きく、分
散が不均一であることから、その後の通電加圧焼結によ
って、アスペクト比の大きい扁平な形状をしたNi相が
下部層で多く存在し、これらが亀裂進展エネルギーを吸
収したため、下部層の破壊靱性は大きくなったものと思
われる。
【0069】また、EPMAにて組成分析を行ったが、
各層間でのNi元素の移動は比較的少なく、従来の製造
法による焼結体で問題があった層間の成分の拡散が抑制
され、各層間には亀裂の発生もなくしっかりと接合され
ていた。
【0070】本構造の焼結体は上部層はNiの分散を均
一にすることによって高耐摩耗性、下部層はNiの分散
が不均一で高靱性、そして高強度、高靱性の鋼層となっ
ていることによって、通常相反する両特性を両立するこ
とのできる材料となっている。
【0071】なお、本実施例の中で、粉末Bの硬質相と
して平均粒径5μmのWC、結合相金属として平均粒径
3μmのCo粉末を用いれば、扁平な結合相組織の効果
のみでなく、WC粒がTiCN粒子に比べて高靱性であ
ること、硬質相粒子が粗大化した効果などにより、さら
に優れた靱性を下部層に保持させることができる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明硬質合金は
アスペクト比が5〜20となる形状の結合相組織を含む断
面を有し、高い靱性を具えている。また、硬質相粒子が
微粒のものは同時に高い硬度も具える。そのため、高靱
性が要求される切削工具や耐摩耗部材、耐衝撃用工具な
どに利用することができる。特に、厚さ方向に組成の異
なる合金とすることで、合金の一面側と他面側とで相反
する特性を有する合金とできる。
【0073】また、本発明製造方法は、本発明硬質合金
を製造するのに最適な方法で、短時間による焼結が可能
なため、コストダウンに寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明硬質合金を加圧軸と平行な面で切断した
断面の組織を示す顕微鏡写真である。
【図2】本発明硬質合金を加圧軸と垂直な面で切断した
断面の組織を示す顕微鏡写真である。
【図3】本発明硬質合金を製造する装置の概略図であ
る。
【図4】従来の硬質合金の断面組織を示す顕微鏡写真で
ある。
【符号の説明】
1 原料粉末 2 黒鉛型 3 基体 4 上部加圧ラ
ム 5 下部加圧ラム 6 電源 7 熱電対

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 WC,TiC,TiNおよびTiCNか
    ら選択された少なくとも1種を主体とする硬質相と、 鉄族金属を主体とする結合相とを具え、 アスペクト比が5〜20となる形状の結合相組織を含む断
    面を有することを特徴とする高靱性硬質合金。
  2. 【請求項2】 アスペクト比が5〜20の形状の結合相組
    織の配列が方向性を有していることを特徴とする請求項
    1記載の高靱性硬質合金。
  3. 【請求項3】 アスペクト比が5〜20の形状の結合相組
    織が扁平な形状を有することを特徴とする請求項1記載
    の高靱性硬質合金。
  4. 【請求項4】 硬質相の平均粒径が0.01〜1μmである
    ことを特徴とする請求項1記載の高靱性硬質合金。
  5. 【請求項5】 さらに、Cr、V、Crの炭化物、Vの
    炭化物から選択された少なくとも1種を含有し、 その合計含有量が結合相量に対して1wt%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の高靱性硬質合金。
  6. 【請求項6】 硬質相がWCで、結合相がCoであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の高靱性硬質合金。
  7. 【請求項7】 アスペクト比が5〜20となる形状の結合
    相組織を含む断面を硬質合金の一面側に有し、他面側に
    は有さないように厚さ方向に組織が変化されてなること
    を特徴とする請求項1記載の高靱性硬質合金。
  8. 【請求項8】 硬質合金の一面側における硬質相の平均
    粒径が0.01〜1μmの範囲にあり、他面側におけるそれ
    が同範囲にないように厚さ方向に硬質相の粒径が変化さ
    れてなることを特徴とする請求項1記載の高靱性硬質合
    金。
  9. 【請求項9】 硬質合金の一面側から他面側に向かって
    結合相量が変化していることを特徴とする請求項1記載
    の高硬度硬質合金。
  10. 【請求項10】 金属材料からなる基体上に接合されて
    なることを特徴とする請求項1記載の硬質合金。
  11. 【請求項11】 WC,TiC,TiNおよびTiCN
    から選択された少なくとも1種を主体とする硬質相粉末
    と、硬質相粉末の3倍以上の粒径を有する鉄族金属を主
    体とする結合相粉末とを含む原料粉末を混合する工程
    と、 この混合粉末から構成される原料部材を通電加熱装置に
    配置する工程と、 この原料部材を1100℃〜1350℃、5〜200MPaで通電加圧
    焼結する工程とを具えることを特徴とする高靱性硬質合
    金の製造方法。
  12. 【請求項12】 さらに、Cr、V、Crの炭化物、V
    の炭化物から選択された少なくとも1種の粒成長抑制材
    粉末を硬質相粉末および結合相粉末と共に混合し、 粒成長抑制材の合計含有量が結合相量に対して1wt%以
    下であることを特徴とする請求項11記載の高靱性硬質
    合金の製造方法。
  13. 【請求項13】 焼結時間が10分以内であることを特
    徴とする請求項11記載の高靱性硬質合金の製造方法。
  14. 【請求項14】 液相の存在下で焼結することを特徴と
    する請求項11記載の高靱性硬質合金の製造方法。
  15. 【請求項15】 硬質相粒径の異なる複数種の混合粉末
    を準備し、 これら複数種の混合粉末を積層して硬質相粒径が厚さ方
    向に変化された原料部材を通電加圧焼結することを特徴
    とする請求項11記載の高靱性硬質合金の製造方法。
  16. 【請求項16】 結合相粒径の異なる複数種の混合粉末
    を準備し、 これらの混合粉末のいずれかは硬質相粉末の3倍以上の
    粒径を有する結合相粉末を含み、 これら複数種の混合粉末を積層して結合相粒径が厚さ方
    向に変化された原料部材を通電加圧焼結することを特徴
    とする請求項11記載の高靱性硬質合金の製造方法。
  17. 【請求項17】 結合相の含有量が異なる複数種の混合
    粉末を準備し、 これらの混合粉末のいずれかは硬質相粉末の3倍以上の
    粒径を有する結合相粉末を含み、 これら複数種の混合粉末を積層して結合相量が厚さ方向
    に変化された原料部材を通電加圧焼結することを特徴と
    する請求項11記載の高靱性硬質合金の製造方法。
  18. 【請求項18】 硬質相と結合相の各粉末を混合した
    後、この混合粉末からなる原料部材を金属材料の基体上
    に配置する工程を具え、 通電加圧装置には原料部材と基体との複合体を配置し、 この複合体を通電加圧焼結して、基体に原料部材の焼結
    体を焼結接合することを特徴とする請求項11記載の高
    靱性硬質合金の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011132057A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Kyocera Corp 焼結体
CN105177390A (zh) * 2015-08-28 2015-12-23 北京科技大学 一种金属陶瓷及其制备方法
JP2020110858A (ja) * 2019-01-09 2020-07-27 三菱マテリアル株式会社 耐塑性変形性、耐チッピング性にすぐれたwc基超硬合金製切削工具および表面被覆wc基超硬合金製切削工具
JP2020132935A (ja) * 2019-02-18 2020-08-31 三菱マテリアル株式会社 耐欠損性にすぐれたwc基超硬合金製切削工具および表面被覆wc基超硬合金製切削工具
CN115961199A (zh) * 2022-10-26 2023-04-14 四川轻化工大学 一种高强韧高耐磨钛基高锰钢钢结陶瓷合金及其制备方法

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