JPH10108686A - 呈味性ペプチドのクローニング、発現、および製造 - Google Patents

呈味性ペプチドのクローニング、発現、および製造

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JPH10108686A
JPH10108686A JP9242596A JP24259697A JPH10108686A JP H10108686 A JPH10108686 A JP H10108686A JP 9242596 A JP9242596 A JP 9242596A JP 24259697 A JP24259697 A JP 24259697A JP H10108686 A JPH10108686 A JP H10108686A
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peptide
taste
peptides
expression
organism
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JP9242596A
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Konrad Lerch
ラーチ コンラッド
Andreas Muheim
ムハイム アンドレアス
Natasha Silke
シルケ ナターシャ
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Givaudan SA
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Givaudan Roure International SA
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンパク質を消化して様々な呈味性ペプチド
の混合物を製造する代わりに、特定の呈味性ペプチドを
コードするDNA配列を生物内にトランスファーして、
特定の呈味性ペプチドを発現することにより、特定の呈
味性ペプチドを得る。 【解決手段】 2〜50アミノ酸までの長さを有する呈
味性ペプチドまたはその部分もしくはその抽出物、均一
な型の呈味性ペプチド、これらのペプチドをコードする
DNA配列およびこれらのDNA配列を含有するベクタ
ーを含む生物を作製し、この生物を培養して呈味性ペプ
チドを単離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、呈味性ペプチドま
たはその部分もしくはその抽出物を含んでなる生物、均
一な型の呈味性ペプチド、組換えDNA技術を用いるそ
の製造、並びに味の印象を修飾、増強または遮蔽するた
めのその使用に関する。
【0002】
【従来の技術】味の多くは、揮発性および非揮発性部分
からなる。味の実質である非揮発性部分は口で知覚さ
れ、揮発性部分の臭気物質は蒸発して鼻腔に入りそこで
嗅覚上皮で認識される。基本的に4つの味(塩辛い、甘
い、すっぱい、苦い)があるが、うま味を加える人もい
る(日本語であり、これはおいしいを意味する、例えば
グルタミン酸)。
【0003】非揮発性部分の分子は、かなり高い蒸気圧
を有し通常の大気圧下では蒸発しない。これらには、
塩、砂糖および他の甘味剤、脂肪(例えば、舌ざわりを
与えるバター)、タンパク質、ペプチドおよびアミノ酸
がある。アミノ酸の味は、主に苦いまたは甘いとして広
範に研究されている[ニシムラとカトウ(Nishim
ura and Kato)、Food Review
s International 4、175−194
(1988)]。グルタミン酸一ナトリウム(MSG)
は、味を増強するという特殊な役割があるとされてい
る。いくつかの小さなジ−、またはトリ−ペプチドが合
成されており、その味について評価されている[ニシム
ラとカトウ(Nishimura and Kat
o)、前述]。このような研究において、ペプチドは味
の増強物質、修飾物質、強化物質、および遮蔽物質とし
て作用することが知られている。種々の魚、チーズ、お
よび肉製品をいくつかの非揮発性画分に分離することに
より、重要な呈味性ペプチドを性状解析することが可能
になった。これらのペプチドは天然には、ミルク中のカ
ゼインのようなタンパク質をプロテアーゼ(食物物質中
に存在する)が消化することにより生成される。特に、
牛肉中でオクタペプチドが見いだされている。その肉の
ような味と肉の味を増強する能力により、ビーフィーミ
ーティーペプチド(BMP)と呼ばれ、またSTET
(おいしい味の増強ペプチド)とも呼ばれる。
【0004】呈味性ペプチドは、カゼインやラクトアル
ブミン(ミルク)、筋肉タンパク質(牛肉)、ニワトリ
またはグルテン(大豆または小麦)として食物タンパク
質から調製される。プロテアーゼ消化により、タンパク
質はより小さいペプチドやアミノ酸に分解される。プロ
テアーゼの特異性に依存して、異なる呈味性ペプチドが
生成される。その長さとアミノ酸配列は可変である。ペ
プチドの長さは2〜50アミノ酸であってよい[ラール
とブラウン(Lahl and Braun)、Foo
d Technology 10、68−71(199
4)]。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】食物タンパク質のプロ
テアーゼ消化により、呈味性ペプチドの複雑な混合物が
得られ、その各呈味性ペプチドの解析はかなり困難であ
る。これらのペプチドは組合わさって相乗的に作用する
ことがあり、各ペプチドの味への寄与を一層複雑にして
いる。
【0006】下記のようにいくつかの呈味性ペプチドが
精製され、その配列が決定されている:
【表1】 呈味性ペプチド 供給源 文献 ─────────────────────────────────── KGDEESLA (BMP) 牛肉 Yamasaki and Maekawa Agric. Biol. Chem. 42, 1761-1765(1978) Nakata et al., Biosci. Biotech. Biochem. 59, 689-693 (1965) Leu-Pro,Val-Pro,Phe-Pro,..... チーズ Mojarro-Guera et al.,Journal of Food Science 56, 943-947(1991) Ala-Pro-Phe-Pro-Glu-, ... チーズ Kaiser et al.,Z.Lebensm. Unters. Forsch. 195, 8-14 (1992) Ala-Vla-Pro-Tyr-Pro-Gln-Arg,... チーズ Bumberger and Belitz,Z.Lebensm. Unters. Forsch. 197, 14-19(1993) Ala-Glu,Asp-Ala,Asp-Gly, 魚 Noguchi et al.,J.Agr.Food Chem. 23, 49-53 (1975) Asp-Glu-Ser, Glu-Asp-Glu, 〃 Asp-Glu-Gly-Asp, 〃 Asp-Glu-Gly-Ser-Asp,... 〃
【0007】本発明者らは、タンパク質を消化して様々
な呈味性ペプチドの混合物を製造する代わりに、特定の
呈味性ペプチドをコードするDNA配列を生物内にトラ
ンスファーして、次に特定の呈味性ペプチドを発現する
ことにより、特定の呈味性ペプチドが得られることを見
出した。呈味性ペプチドは、産生する生物と一緒に使用
されるか、または味の印象を修飾、増強および遮蔽する
ために均一に精製した後使用される。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の第1の
面において、呈味性ペプチドまたはその部分もしくはそ
の抽出物を含んでなる生物が提供される。これらの生物
には、微生物、カビ、植物または動物が含まれる。呈味
性ペプチドを含んでなる特定の生物には、例えばラクト
コッカス・ラクティス(Lactococcus la
ctis)、ラクトバシラス・アシドフィルス(Lac
tobacillus acidophilus)、ス
タフィロコッカス・カルノサス(Staphyloco
ccuscarnosus)、酵母、フサリウム(fu
sarium)および糸状菌(例えば、アスペルギルス
またはペニシリウム)などの食品グレードの生物があ
る。
【0009】呈味性ペプチドを含んでなる生物の部分ま
たは抽出物には、動物のミルク、またはプロテアーゼで
処理したその調製物がある。
【0010】本発明の第2の面において、均一な型の呈
味性ペプチドが提供される。
【0011】
【発明の実施の態様】本明細書において「呈味性ペプチ
ド」という用語は、揮発性化合物と一緒に味の全体的印
象に寄与するペプチドを意味する。一般的に呈味性ペプ
チドは味活性があり、様々な味の印象を与え、修飾し、
増強しおよび/または遮蔽することができる。呈味性ペ
プチドは、その作用を単独でまたは他の呈味性ペプチド
との混合物として共同して発揮する。「呈味性ペプチ
ド」という用語は、ミルク、チーズ、肉、家禽、魚、大
豆および穀物食物からの呈味性ペプチドを含む。ペプチ
ドの長さは2〜50アミノ酸まででもよい。このような
ペプチドの例は、例えばBiosci.Biotec
h.Biochem.59、689−693(199
5)、Journal of Food Scienc
e 56,943−947(1991)、Z.Lebe
nsm.Unters.Forschung 195、
8−14(1992)、Z.Lebensm.Unte
rs.Forschung 197、14−19(19
93)およびJ.Agr.Food Chem.23、
49−53(1975)に記載されている。特に呈味性
ペプチドは、以下のアミノ酸残基を含むと定義される。 Lys-Gly-Asp-Glu-Glu-Ser-Leu-Ala (配列番号1) Asp-Lys-Ile-His-Pro-Phe (配列番号2)、または Arg-Gly-Pro-Phe-Ile-Ile-Val (配列番号3)。
【0012】「均一な」という用語は、特定の呈味性ペ
プチドが、他の呈味性ペプチドからは実質的に遊離して
得られることを意味する。本発明のために、95%を超
える同じ種類のものから構成される呈味性ペプチドは、
他の呈味性ペプチドからは実質的に遊離していると考え
られる。
【0013】本明細書において「呈味性ペプチド」とい
う用語は、例えば特定の親和性配列および/またはシグ
ナル配列の添加により意図的に修飾されるタンパク質を
含む。
【0014】好ましくは親和性担体物質に結合する特定
の親和性配列は、例えば少なくとも2つの隣接ヒスチジ
ン残基を含有する配列である(この意味で、ヨーロッパ
特許第282042号を参照)。このような配列は、ニ
トリロ三酢酸ニッケルキレート樹脂(ホチュリとドベリ
(Hochuli and Doebeli)、Bio
l.Chem.Hoope−Seyler 368、7
48(1987);ヨーロッパ特許第253303号)
に選択的に結合する。従ってこのような特異的配列を含
有する呈味性ペプチドは、残りのペプチドおよびタンパ
ク質から選択的に分離される。この特異的配列は、特定
の呈味性ペプチドのC−末端またはN−末端に連結する
ことができる。
【0015】シグナル配列は、細胞の表面で発現される
タンパク質のコード配列の最初に含まれる配列を意味す
る。この配列は、成熟ペプチドのN−末端であるシグナ
ルペプチドをコードし、ポリペプチドが転位するように
宿主細胞に指令を与える。本明細書において「転位シグ
ナル配列」という用語はまた、この種のシグナル配列を
意味する。転位シグナル配列は、真核生物および原核生
物に固有の種々のタンパク質に会合していることが見い
だされており、しばしば両方の生物で機能する。従って
このようなシグナル配列を含有する呈味性ペプチドは、
細胞を含まない培地中に効率的に分泌されることができ
る。
【0016】親和性および/またはシグナル配列は、直
接または間接に特定の呈味性ペプチドに結合することが
できる。間接結合の場合は、親和性および/またはシグ
ナル配列は、それを介して特定の呈味性ペプチドに結合
している適当な選択的切断部位を含有する。好適な選択
的切断部位はアミノ酸配列 Glu−Alaを含有し、
これはSTE13ジアミノペプチドにより特異的に認識
される。このような親和性および/またはシグナル配列
は、次に当業者に公知の方法を用いて酵素により切断す
ることができる。
【0017】「呈味性ペプチド」という用語は、さらに
特定の呈味性ペプチドを繰り返し含む反復性人工的タン
パク質(repetitive artificial
proteins)を包含する。特定の呈味性ペプチ
ドのモノマー型を得るために、反復性人工的タンパク質
を酵素的に切断する。切断のためのプロテアーゼの例と
しては、リジルアミノペプチダーゼ(E.C.3.4.
11.15)またはアラニンカルボキシペプチダーゼ
(E.C.3.4.17.6)がある。プロテアーゼは
反復性人工的タンパク質の単離後添加されるか、または
特定の生物中で同時発現されて反復性人工的タンパク質
の発現と処理を同時に行う。「反復性人工的タンパク
質」という用語は、前述の特異的親和性および/または
シグナル配列の添加により修飾されるタンパク質を包含
する。
【0018】また、本発明の呈味性ペプチドをコードす
る単離されたDNA配列、本発明の呈味性ペプチドをコ
ードするDNA配列を含有するベクターおよび発現ベク
ター、呈味性ペプチドの産生のためにそのようなベクタ
ーを含有する生物、並びにそのようなDNA配列、組換
えベクターおよび生物の製造方法も提供される。
【0019】本発明の呈味性ペプチドの発現と精製法も
提供される。
【0020】呈味性ペプチドをコードするDNA配列
は、当業者に公知の従来法で製造される。本出願に記載
の方法を用いて、オリゴヌクレオチドが合成され、これ
は正しく集合された時本発明の呈味性ペプチドをコード
する合成DNA配列を生成する。この合成DNA配列
は、適当な制限酵素部位が提供される。これらはDNA
化学で公知の方法に従って得られる。
【0021】本発明の呈味性ペプチドをコードするDN
A配列は、それ自身公知の便利な方法で導入される。
【0022】宿主生物中で呈味性ペプチドを発現するに
は、原則として、選択される生物中で呈味性ペプチドを
コードするDNA配列を複製し発現するベクターならい
ずれも適している。原核細胞での使用に適した発現ベク
ターは、例えばマニアティス(Maniatis)らの
教科書「モレキュラークローニング、実験室マニュアル
(Molecular Cloning−A Labo
ratory Manual)、コールドスプリングハ
ーバーラボラトリー(Cold SpringHarb
or Laboratory)(1982)に記載され
ている。他のベクターの例は、pDSファミリーのプラ
スミドである[ブジャード(Bujard)ら、Met
hods in Enzymology、ウーとグロス
マン(Wu and Grossmann)編、アカデ
ミックプレス社(Academic Press,In
c.)、第155巻、416−433(1987)]。
【0023】発現制御配列に機能的に結合した呈味性ペ
プチドをコードするDNA配列を含有するそのような原
核生物発現ベクターは、従来法を用いて任意の適当な原
核細胞中に導入することができる。適当な原核細胞の選
択は、当業者に公知の異なる因子により決定される。す
なわち例えば、選択されるベクターとの適合性、発現産
物の毒性、発現特性、必要な生物学的安全上の注意点お
よびコストが重要であり、これらの因子のすべての間の
妥協点を見いだす必要がある。
【0024】適当な原核生物には、グラム陰性細菌およ
びグラム陽性細菌、例えば大腸菌(E. coli)お
よび枯草菌(Bacillus subtilis)の
株がある。原核生物の例は、大腸菌M15株(ビラレヨ
(Villarejo)ら、J.Bacteriol.
120,466−471[1974]によりOZ291
株として記載され、大腸菌W3110[ATCC 27
325])である。しかし前記大腸菌株以外に、他の一
般的に使用される大腸菌株、例えば大腸菌294(AT
CC 31446)および大腸菌RR1(ATCC 3
1343)も使用できる。本発明の特に好適な大腸菌細
胞は、大腸菌DH5α(ギブコビーアールエル(Gib
co BRL))である。
【0025】大腸菌での呈味性ペプチドの発現と細胞を
含まない培地への呈味性ペプチドの分泌のために、プロ
モーターと、大腸菌の特異的親和性および/またはシグ
ナル配列を含有する呈味性ペプチドをコードするDNA
配列を含む発現ベクターが使用できる。
【0026】好ましくは大腸菌発現ベクターは、以下を
含んでなる。 (a)プロモーター配列、および(b)特異的親和性お
よびシグナル配列として大腸菌のマルトース結合タンパ
ク質を含有する呈味性ペプチドをコードするDNA配
列。
【0027】ラクトコッカス・ラクティス(Lacto
coccus lactis)ベクター系もまた、本発
明の呈味性ペプチドの産生のために使用することができ
る(総説については、プラットネーウ(Plattne
euw)ら、Appl.Environm.Micro
biol.62、1008−1013[1996]を参
照)。特異的シグナル配列を用いて、目的の呈味性ペプ
チドを細胞内で分泌または産生することができる。ペプ
チドは均一な型で産生されるか、または宿主生物ととも
に産生される。
【0028】ラクトバシラス・アシドフィルス(Lac
tobacillus acidophilus)ベク
ター系もまた、本発明の呈味性ペプチドの産生に使用す
ることができる(総説については、リン(Lin)ら、
Appl.Microbiol.Biotechn.4
5、484−489[1996]を参照)。特異的シグ
ナル配列を用いて、目的の呈味性ペプチドを細胞内で分
泌または産生することができる。ペプチドは均一な型で
産生されるか、または宿主生物とともに産生される。
【0029】スタフィロコッカス・カルノサス(Sta
phylococcus carnosus)ベクター
系もまた、本発明の呈味性ペプチドの産生に使用するこ
とができる(総説については、ブルックナーとゲッツ
(Bruckner andGoetz)、Syste
m.Appl.Microbiol.18、510−5
16[1995]を参照)。特異的シグナル配列を用い
て、目的の呈味性ペプチドを細胞内で分泌または産生す
ることができる。ペプチドは均一な型で産生されるか、
または宿主生物とともに産生される。
【0030】本発明の好適な実施態様において、酵母が
生物として使用される。酵母細胞中での使用に適した発
現ベクターは、「酵母の遺伝学と分子生物学へのガイド
(Guide to yeast genetics
and melecularbiology)」、ガス
リーとフィンク(Guthrie and Fink)
編、Methods in Enzymology、ア
カデミックプレス社(Academic Press,
Inc.)、第194巻(1991)、および「遺伝子
発現技術(Gene expression tech
nology)」、ゲデル(Goeddel)編、Me
thods in Enzymology、アカデミッ
クプレス社(Academic Press,In
c.)、第185巻(1991)。本発明の好適な酵母
ベクターは、pNSファミリーのベクター(例えば、p
NS2およびpNS3)である。適当な酵母細胞の例
は、サッカロミセス・セレビッシェ(Saccharo
myces cerevisiae)、ピキア・パスト
リス(Picha pastoris)、ハンゼヌラ・
ポリモルファ(Hansenula polymorp
ha)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizos
accharomyces pombe)細胞である。
種々の酵母発現系は、ロマノス(Romanos)ら、
Yeast、第8巻、423−488(1992)によ
り与えられる。本発明の特に好適な酵母細胞は、サッカ
ロミセス・セレビッシェ(S.cerevisiae)
DBY746[ATCC 44773]である。
【0031】酵母発現ベクターによる形質転換は、クレ
ベ(Klebe)ら、Gene、第25巻、333−3
41(1983)に記載のように行われる。
【0032】酵母での呈味性ペプチドの発現と細胞を含
まない培地への呈味性ペプチドの分泌のために、プロモ
ーター、呈味性ペプチドをコードするDNA配列、およ
び呈味性ペプチドをコードするDNA配列の上流にシグ
ナル配列をコードするDNA配列を含む発現ベクターが
使用できる。
【0033】好ましくは酵母発現ベクターは、以下を含
んでなる。 (a)プロモーター配列、(b)呈味性ペプチドをコー
ドする配列、および(c)呈味性ペプチドをコードする
配列の上流にα−因子シグナルタンパク質をコードする
配列。
【0034】酵母中で発現される呈味性ペプチドは、均
一な型で産生されるか、または宿主生物とともに産生さ
れる。呈味性ペプチドの発現が行われる方法は、選択さ
れる発現ベクター宿主細胞系に依存する。
【0035】普通、目的の発現ベクターを含有する原核
宿主細胞は、その原核宿主細胞の増殖に最適な条件下で
増殖される。指数増殖の最後(この時、単位時間当たり
の細胞数の増加は低下する)に、目的の呈味性ペプチド
の発現が誘導される、すなわち目的の呈味性ペプチドを
コードするDNAが転写され、転写されたmRNAが翻
訳される。誘導は、増殖培地に誘導物質または抑制解除
物質(derepressor)を加えるか、または物
理的パラメータを変える(例えば、温度の変化)ことに
より行うことができる。例えば、発現はlacリプレッ
サーにより制御することができる。
【0036】イソプロピル−β−D−チオガラクトピラ
ノシド(IPTG)を加えて、発現制御配列の抑制を解
除し、こうして目的の呈味性ペプチドの合成が誘導され
る。
【0037】目的の発現ベクターを含有する酵母宿主細
胞は、その酵母宿主細胞の増殖に最適な条件下で増殖さ
れる。目的の呈味性ペプチドの発現は、例えばリン酸塩
を欠失させることで誘導される。
【0038】フサリウム(Fusarium)ベクター
系もまた、本発明の呈味性ペプチドの産生に使用するこ
とができる(総説については、ロイヤー(Royer)
ら、Bio/Technology 13、1479−
1483[1995]を参照)。特異的シグナル配列を
用いて、目的の呈味性ペプチドを細胞内に分泌または産
生することができる。ペプチドは均一な型で産生される
か、または宿主生物とともに産生される。
【0039】糸状菌(例えばアスペルギルスまたはペニ
シリウム)ベクター系もまた、本発明の呈味性ペプチド
の産生に使用することができる(総説については、ベル
カとバーネット(Berka and Bernet
t)ら、Biotech.Adv.7.127−154
[1989];デブチャントとグイネ(Devchan
d and Gwynne)、J.Biotechno
l.17、3−9[1991]を参照)。特異的シグナ
ル配列を用いて、目的の呈味性ペプチドを細胞内に分泌
または産生することができる。ペプチドは均一な型で産
生されるか、または宿主生物とともに産生される。
【0040】バキュロウイルス−昆虫細胞ベクター系も
また、本発明の呈味性ペプチドの産生に使用することが
できる(総説については、ルクロウとサマーズ(Luc
low and Summers)、Bio Tech
nology 6、47−55[1988]を参照)。
組換えバキュロウイルスに感染した昆虫細胞で産生され
る呈味性ペプチドは、N−グリコシル化(スミス(Sm
ith)ら、Proc.Nat.Scad.Sci.U
SA 82、8404−8408[1985]を参照)
およびO−グリコシル化(トムセン(Thomsen)
ら、12.International Herpes
virus Workshop、フィラデルフィア大
学、ペンシルバニア州)を含む翻訳後プロセシングを受
けることができる。
【0041】植物も本発明の呈味性ペプチドの産生のた
めの宿主として使用することができる。呈味性ペプチド
をコードするDNA配列の移動は、種々の方法により行
われ(総説については、ポトリクスとスパンゲンベルグ
(Potrykus andSpangenberg)
編、「植物への遺伝子移動、実験室マニュアル(Gen
e transfer to plants.A la
boratorymanual)」、スプリンガー・フ
ェアラーク(Springer Verlag)、ハイ
デルベルグ、ドイツ(1995)を参照)、呈味性ペプ
チドのDNA配列は宿主細胞植物の染色体内に組み込ま
れる。例えば呈味性ペプチドをコードするDNA配列で
植物宿主を形質転換することにより、呈味性ペプチドを
過剰に産生してもよい。呈味性ペプチドの産生のための
植物宿主の例には、トウモロコシ(ジーメイズ(Zea
mays)、イシダ(Ishida)ら、Natur
e Biotechnology 14、745−75
0(1996))、亜麻(リヌムウシタチシムム(Li
num usitatissimum)、ドングとムチ
ュゲン(Dong and Mchughen)、Pl
ant Sci.88(1),61−71(199
3))および大豆(グリシンマックス(Glycine
max)、クリストウ(Christou)ら、Ti
btech8、145−151(1990))がある
が、これらに限定されない。
【0042】トランスジェニック動物ベクター系もま
た、本発明の呈味性ペプチドの産生に使用することがで
きる(総説については、ピンカート(Pinker
t)、「トランスジェニック動物技術:実験室ハンドブ
ック(Transgenic animal tech
nology:a laboratory handb
ook)、アカデミックプレス(Academic P
ress)、サンジエゴ[1993]を参照)。特異的
シグナル配列を用いて目的の呈味性ペプチドはまた、動
物のミルク中に分泌されることができ(例えば、ドロハ
ン(Drohan)ら、J.Cell.Biochem
istry 17a、38−38[1993];リー
(Lee)ら、Appl.Biochem.Biote
chnol.56、211−222[1996]を参
照)、こうしてミルクやそのプロテアーゼ処理調製物
を、呈味性ペプチドを含有する食物や味成分として使用
することが可能になる。
【0043】前述のように生物中で発現される呈味性ペ
プチドは、標準的な精製法を用いて宿主細胞培地から単
離することができる。分析目的には、呈味性ペプチドは
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分離す
ることができる。分取用分離は、サイズ排除クロマトグ
ラフィーを用いて行うのが最も良い。原則としてタンパ
ク質分離に使用されるすべての他のクロマトグラフィー
系もペプチド分離に応用することができる。これらに
は、例えば疎水性相互作用クロマトグラフィー(HI
C)、親和性クロマトグラフィー、イオン交換クロマト
グラフィーおよび正相および逆相HPLCがある。
【0044】あるいは前述のように、呈味性ペプチドを
宿主生物またはその部分もしくはその抽出物とともに使
用することができる。
【0045】本発明の呈味性ペプチドまたはその部分も
しくはその抽出物を含んでなる生物および本発明の呈味
性ペプチドは、異なる味の印象を修飾、増強または遮蔽
するのに使用することができる。これらは、タンパク質
のプロテアーゼ消化により現在産生されているものと同
じ方法で使用することができる。これらは、それ自身公
知の方法で食物に加工される。
【0046】
【実施例】本発明を一般的に説明したが、以下の具体例
により本発明をさらに詳細に説明する。以下の例は例示
のためであって、特に明記する場合を除いて決して本発
明を限定するものではない。
【0047】図1A−Eは、プラスミドpNS2の完全
なヌクレオチド配列を示す。図2は、プラスミドpNS
2の略図である。図3は、プラスミドpNS3の略図で
ある。図4は、BMPの電子スプレー質量スペクトルで
ある。プロトン化した分子イオン(m/z 848.
3)は、倍の電荷のイオン(m/z 424.9)より
少ない。
【0048】例1 大腸菌中でのビーフィーミーティー
ペプチド(BMP)の発現 A.発現ベクターの作製と形質転換 BMP配列は、発現ベクターpMal−C2(ニューイ
ングランドバイオラボズ社(New England
Biolabs,NEB)、ビバリー、マサチューセッ
ツ州、米国)内にクローン化される。オリゴヌクレオチ
ド配列A1とA2は、市販業者(ミクロシンス社(Mi
crosynth AG)、バルガッハ(Balgac
h)、CH)から注文し、各0.6ngを2μlのH2
O中で混合し、80℃に加熱し、ゆっくり室温まで冷却
してアニーリングをさせた。
【0049】 A1:5' AAGGGTGACGAAGAATCTTTGGCTTAGA-3' A2:3'-TTCCCACTGCTTCTTAGAAACCGAATCTTCGA-5'
【0050】アニーリングしたオリゴヌクレオチドを次
に、製造業者の説明書(NEB)に従ってリガーゼ(ギ
ブコ(Gibco)、0.4U/μl)を用いてXmn
IとHindIII で処理したpMal−C2ベクターと
連結した。マルトース結合タンパク質に対する融合蛋白
としてBMPをコードする配列を含有するプラスミドを
大腸菌DH5α(ギブコビーアールエル(Gibco
BRL))に形質転換した。
【0051】B.BMPの精製、切断および検出 形質転換した大腸菌をLB培地でOD600 が0.5にな
るまで増殖させた後、1mMのIPTGを加えて融合蛋
白の産生を誘導した。超音波処理した細胞上清から出発
してマルトース−アガロース(ニューイングランドバイ
オラボズ(New England Biolab
s))を用いて融合蛋白を親和性精製した。融合蛋白を
カラムから抽出し、精製した融合蛋白を製造業者のプロ
トコールに概説されているように第Xa因子で処理し、
BMPを切断した。BMPをHPLCクロマトグラフィ
ー(酵母の欄で後述されている)を用いて検出した。
【0052】例2 酵母中でのビーフィーミーティーペプチド(BMP)の
発現 A.BMPをコードするオリゴヌクレオチドの調製 以下のオリゴヌクレオチドをミクロシンス社(Micr
osynth AG)(バルガッハ(Balgac
h)、スイス)から得た:
【0053】 B1:5'-TCGAGAAGAGAGAAGCTGAAGCTAAGGGT-3' B2:5'-CGTCACCCTTAGCTTCAGCTTCTCTCTTC-3' B3:5'-GACGAAGAATCTTTGGCTTGAG-3' B4:5'-GATCCTCAAGCCAAAGATTCTT-3'
【0054】オリゴヌクレオチドを200ピコモルの濃
度に希釈した。24.8μlのオリゴヌクレオチド溶液
を、3μlの10×PNK緩衝液(ファルマシア(Ph
armacia)のプロトコールを参照)、1.2μl
の10mM ATP、および1μlのポリヌクレオチド
キナーゼ(ファルマシア(Pharmacia)、5.
3U/μl)と混合した。混合物を37℃で45分間イ
ンキュベートした後、キナーゼを65℃で10分間不活
性化した。
【0055】2つの対合しているオリゴヌクレオチド
(B1とB2,およびB3とB4)の各6μlを、1
1.2μlの25mM MGCl2 、1.6μlの0.
5mMトリス−塩酸(pH7.6)、および15.2μ
lのH2 Oと60℃で5分間インキュベートした。20
分間かけて40℃までゆっくり冷却してアニーリング
し、次に氷で冷却した。
【0056】BMPをコードするオリゴヌクレオチドの
作製のために、対のオリゴヌクレオチドを混合し連結さ
せた。反応混合物は、20μlの各アニーリングしたオ
リゴヌクレオチド、0.5μlの1M DTT、12.
5μlの10mM ATP、3μlのリガーゼ(ギブコ
(Gibco))と最終容量を100μlにするための
水から構成されていた。次に混合物を室温で4時間イン
キュベートした。
【0057】B.発現ベクターの調製 製造業者の説明書(NEB)に従って、発現ベクターp
NS2(図1および図2)を、制限酵素XhoIとBa
mHIで切断した。約100ngのゲル濾過し線状化し
たベクターを、製造業者の説明書に従ってリガーゼ(ギ
ブコ(Gibco)0.4U/μl)の存在下でBMP
をコードする1μlのオリゴヌクレオチドでインキュベ
ートした。連結したプラスミドを次に、大腸菌DH5α
(ギブコビーアールエル(Gibco BRL))に形
質転換し、そこからキアゲンプラスミドミディキット
(Qiagen Plasmid Midi Kit)
(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)を用いて単離し
た。オリゴヌクレオチド配列を商業的配列決定センター
(ミクロシンス社(Microsynth AG)、バ
ルガッハ(Balgach))で測定した。BMPをコ
ードするオリゴヌクレオチドを有するプラスミドを単離
し、酵母株の形質転換に使用した。これらのプラスミド
をpNS3と名付けた(図3)。
【0058】C.サッカロミセス・セレビッシェ(S.
cerevisiae)の形質転換 クレベ(Klebe)ら(前述)が記載したように、5
μgのベクターpNS3をサッカロミセス・セレビッシ
ェ(S.cerevisiae)DBY746(ATC
C 44773)に形質転換した。形質転換した酵母細
胞を、適当な選択培地(アミノ酸ヒスチジンとロイシン
を補足したSD培地、培地の説明についてはシャーマン
(Sherman)「酵母の遺伝学と分子生物学へのガ
イド(Guide to yeast genetic
s and melecularbiology)」、
ガスリーとフィンク(Guthrie and Fin
k)編、Methods in Enzymolog
y、アカデミックプレス社(Academic Pre
ss,Inc.)、第194巻、3−21(1991)
を参照)に蒔き、30℃で4日間増殖させた。
【0059】D.BMPペプチドの発現 選択的寒天培地で増殖させたコロニーを、前記アミノ酸
を補足した液体SD培地中で増殖させた。培養物の密度
が600nmで2.0に達した時、細胞を洗浄し、D3最
少培地に再懸濁することにより、誘導を行った。代替法
では、細胞が増殖してリン酸塩が欠乏し、誘導が起きる
ように、培地に規定量のリン酸塩を加えた。ペプチドは
細胞内で、α−因子シグナルタンパク質に対する融合蛋
白として生成された。分泌されると、ペプチドはシグナ
ルプロテアーゼにより切断され、目的のペプチドが培地
中に放出された。
【0060】E.HPLCによるペプチドの検出 発酵からの上清を、4.6×250mm C8 カラム
(ブラウンリー(Brownlee)カラム、アプライ
ドバイオシステムズ(Applied Biosyst
ems))を用いて流速1ml/分で、0.1%TFA
を補足した水を緩衝液Aとして、0.1%TFAを補足
した80%アセトニトリルを緩衝液Bとして用いて、1
5分間ので0〜100%の線形勾配で逆相HPLCによ
り分離した。吸光度をそれぞれ202nm、214また
は222nmで読んだ。産生したペプチドの保持時間
を、純粋な化学的に合成したBMPからのものと比較し
た。
【0061】F.LC−MSによる検出 BMP分子を確実に同定するために、MS装置をHPL
C装置につないだ。BMP試料をまず、フィニガン(F
innigan)MAT SSQ質量スペクトル計の質
量スペクトル計と組合せた液体クロマトグラフィー(前
述)で、電子スプレーイオン化(ESI)を用いて解析
した。1:5の比を作成するためにポスト−カラムフロ
ースプリットを設定した。すなわち、イオン源に200
μl/分の流れを導入した。電子スプレーニードルに4
500Vのスプレー電圧を加えた。加熱キャピラリーの
温度を210℃に維持し、質量範囲200〜1200を
1.5秒間スキャンした。
【0062】微生物で産生したBMPから得られたm/
zスペクトル(図4)は、合成物質から得られたものと
同等であった。
【0063】例3 酵母中のタンデムリピート配列としてのBMPの発現 BMPの産生レベルを増強するために、BMPのいくつ
かのタンデムリピート配列(tandem repea
t)をコードするオリゴヌクレオチド配列を作成した。
各リピート配列の前には、短いスペーサーペプチド(Ly
s-Arg-Glu-Ala-Glu-Ala )があり、これは分泌中に切断
除去された。クローニングは例2と同様に行った。6μ
lの対合しているオリゴヌクレオチド(B1とB2;例
2)を、6〜60μlの対合しているオリゴヌクレオチ
ド(B5とB6)と混合した。オリゴヌクレオチドをア
ニーリングし、例2のように連結させた。オリゴヌクレ
オチドB5とB6の濃度を変えることにより、リピート
配列の平均数が制御できた。
【0064】B5:5'-GACGAAGAATCTTTGGCTAAGAGAGAAGC
TGAAGCTAAGGGT-3' B6:3'-CGTCACCCTTAGCTTCAGCTTCTCTCTTAGCCAAAGATTCT
T-5'
【0065】この連結混合物に、対合しているオリゴヌ
クレオチドB3とB4(例2)を加えた。得られた連結
した断片を、例2に記載したように大腸菌DH5αに形
質転換した。タンデムリピート配列の数は、プライマー
B1と下記のPCR−プライマーを用いてPCR断片の
サイズを推定して決定した。各リピート配列によりサイ
ズは余分に42塩基対増えた。
【0066】 PCR−プライマー:5'-TAGACTGGCGTTGTAATG-3'
【0067】2〜5のタンデムリピート配列を有するプ
ラスミドをサッカロミセス・セレビッシェ(S.cer
evisiae)DBY746に形質転換した。BMP
タンデムリピート配列の発現は、例2に記載したように
行った。分泌時に縦に並んだペプチドは切断され、BM
Pが培地中に放出された。1つのBMP単位の生成は、
例2で行ったようにHPLCとLC−MSにより確認さ
れた。
【0068】例4 BMPを繰り返して含有する反復性人工的タンパク質の
発現 BMPをコードするDNAは数回繰り返されて連結単位
(concatemeric units)を生成す
る。以下の2つのオリゴヌクレオチドを前記したように
アニーリングした:
【0069】 C3:5'-GACGAAGAATCTTTGGCTAAGGGT-3' C4:3'-TTCTTAGAAACCGATTCCCACTGC-5'
【0070】連結物質(concatemers)は、
リガーゼ(ギブコ(Gibco))を加えると互いに連
結される。長い連結形(>600塩基対)の選択は、ポ
リアクリルアミドゲルで分離することにより行われる
(サムブルーク(Sambrook)ら、前述)。ゲル
から溶出した断片は、次に下記の2つの断片(これらは
各オリゴヌクレオチドのアニーリングにより得られる)
と連結される。
【0071】 C1:5'-TCGAGAAGAGAGAAGCTGAAGCTAAGGGT-3' C2:3'-CTTCTCTCTTCGACTTCGATTCCCACTGC-5'
【0072】 C5:5'-GACGAAGAATCTTTGGCTTGAG-3' C6:3'-TTCTTAGAAACCGAACTCCTAG-3'
【0073】連結産物は次に、制限酵素XhoIとBa
mHIII であらかじめ切断した酵母発現ベクターpNS
2中に挿入される。連結混合物は大腸菌中に形質転換さ
れる。プラスミドは単離され、前述のようにサッカロミ
セス・セレビッシェ(S.cerevisiae)中に
形質転換される。
【0074】酵母の培養と誘導は前述のように行った。
タンパク質は培地中に分泌される。モノマー型のBMP
を得るために、反復性人工的タンパク質をAla−Ly
sアミノ酸結合を切断するプロテアーゼで処理する。可
能なプロテアーゼはリジルアミノペプチダーゼ(E.
C.3.4.11.15)またはアラニンカルボキシペ
プチダーゼ(E.C.3.4.17.6)である。プロ
テアーゼは発酵後に加えられるか、または酵母株と同時
発現され、反復性人工的タンパク質の産生とプロセシン
グを同時に行う。
【0075】例5 チーズ呈味性ペプチドの発現 チーズペプチドDKIHPF(配列番号2)を、BMP
で記載した方法と同じ方法で行った。以下のオリゴヌク
レオチドをアニーリングし、発現ベクターpNS2にア
ニーリングさせた。
【0076】 5'-TCGAGAAGAGAGAAGCTGAAGCTGACAAGATTCACCCATTCTGAG 3'-CTTCTCTCTTCGACTTCGACTGTTCTAAGTGGGTAAGACTCCTAG-
5'
【0077】オリゴヌクレオチド断片を、XhoIとB
amHIで切断したベクターpNS2に挿入した。ペプ
チドの形質転換、誘導および産生は、例2に記載したよ
うに行った。ペプチドはBMPの場合と同様に、HPL
CまたはLC−MSを用いて検出した。産生収率を上げ
るために、このペプチドは縦の繰り返し配列から得るか
または例4に記載の反復性人工的タンパク質として産生
した。
【0078】例6 苦味を有するペプチドの発現 苦味ペプチドRGPFPIIV(配列番号3)を、BM
Pについて記載した方法と同じ方法で発現させた。下記
のオリゴヌクレオチドをアニーリングし、発現ベクター
pNS2中に連結した。
【0079】5'-TCGAGAAGAGAGAAGCTGAAGCTAGAGGTCCATTC
CCAATTATTGTTTGAG-3' 3'-CTTCTCTCTTCGACTTCGATCTCCAGGTAAGGGTTAATAACAAACTC
CTAG-5' オリゴヌクレオチド断片を、XhoIとBamHIで切
断したベクターpNS2に挿入した。ペプチドの形質転
換、誘導および産生は、例2に記載したように行った。
ペプチドはBMPの場合と同様に、HPLCまたはLC
−MSを用いて検出した。製造収率を上げるために、こ
のペプチドは縦の繰り返し配列から得るかまたは例4に
記載の反復性人工的タンパク質として製造した。
【0080】
【配列表】
(1)配列番号:1の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:8アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (C)鎖の数: (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:ペプチド (xi)配列:配列番号:1: Lys Gly Asp Glu Glu Ser Leu Ala 1 5
【0081】(2)配列番号:2の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:6アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (C)鎖の数: (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:ペプチド (xi)配列:配列番号:2 Asp Lys Ile His Pro Phe 1 5
【0082】(3)配列番号:3の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:7アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (C)鎖の数: (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:ペプチド (xi)配列:配列番号:3 Arg Gly Pro Phe Ile Ile Val 1 5
【図面の簡単な説明】
【図1A】図1Aは、プラスミドpNS2の完全なヌク
レオチド配列のうちのヌクレオチド番号1〜1550を
示す。
【図1B】図1Bは、プラスミドpNS2の完全なヌク
レオチド配列のうちのヌクレオチド番号1551〜32
00を示す。
【図1C】図1Cは、プラスミドpNS2の完全なヌク
レオチド配列のうちのヌクレオチド番号3201〜48
50を示す。
【図1D】図1Dは、プラスミドpNS2の完全なヌク
レオチド配列のうちのヌクレオチド番号4851〜65
00を示す。
【図1E】図1Eは、プラスミドpNS2の完全なヌク
レオチド配列のうちのヌクレオチド番号6501〜81
40を示す。
【図2】図2は、プラスミドpNS2の略図である。
【図3】図3は、プラスミドpNS3の略図である。
【図4】図4は、BMPの電子スプレー質量スペクトル
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 C12P 21/02 C // C12Q 1/68 C12Q 1/68 A (C12N 1/19 C12R 1:865) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:865) (72)発明者 ナターシャ シルケ オーストラリア国ビクトリア,カールト ン,オーウェン ストリート 1/7

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 均一な型の呈味性ペプチド。
  2. 【請求項2】 2〜50アミノ酸までの長さを有する請
    求項1に記載の呈味性ペプチド。
  3. 【請求項3】 配列番号1、配列番号2、または配列番
    号3のアミノ酸残基からなる請求項1または2に記載の
    呈味性ペプチド。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の呈味性ペプチドを
    コードする単離されたDNA配列。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のDNA配列を含んでな
    るベクター。
  6. 【請求項6】 昆虫、微生物、カビ、植物、または動物
    中での発現を指令することができる請求項5に記載のベ
    クター。
  7. 【請求項7】 請求項5および6に記載のベクターで形
    質転換した生物。
  8. 【請求項8】 酵母である請求項7に記載の生物
  9. 【請求項9】 呈味性ペプチドまたはその部分もしくは
    その抽出物を含んでなる生物。
  10. 【請求項10】 請求項7および8に記載の生物を適当
    な培地中で培養し、呈味性ペプチドを任意に単離するこ
    とからなる、請求項1〜3に記載の呈味性ペプチドの製
    造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の方法により調製さ
    れる呈味性ペプチド。
  12. 【請求項12】 様々な味の印象を修飾、増強または遮
    蔽するための、請求項1〜3に記載の呈味性ペプチドの
    使用。
  13. 【請求項13】 様々な味の印象を修飾、増強または遮
    蔽するための、請求項7および8に記載の生物の使用。
  14. 【請求項14】 請求項10に記載の方法により調製さ
    れる呈味性ペプチドを含む食物。
JP9242596A 1996-09-23 1997-09-08 呈味性ペプチドのクローニング、発現、および製造 Pending JPH10108686A (ja)

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