JPH10107854A - 多数のユーザーおよび多数のネットワークのための通信システム - Google Patents

多数のユーザーおよび多数のネットワークのための通信システム

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JPH10107854A
JPH10107854A JP9279295A JP27929597A JPH10107854A JP H10107854 A JPH10107854 A JP H10107854A JP 9279295 A JP9279295 A JP 9279295A JP 27929597 A JP27929597 A JP 27929597A JP H10107854 A JPH10107854 A JP H10107854A
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line
mdsl
data
channel
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Walter Y Chen
ワイ チェン ウォルター
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    • H04L12/28Data switching networks characterised by path configuration, e.g. LAN [Local Area Networks] or WAN [Wide Area Networks]
    • H04L12/2801Broadband local area networks
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
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    • H04L5/14Two-way operation using the same type of signal, i.e. duplex
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    • H04L5/1453Negotiation of transmission parameters prior to communication of modulation type
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】通常の撚り対回線を利用しながら高速データ送
信を可能にすること。 【解決手段】多数のユーザーおよび多数のネットワーク
のための通信システムは、各々がルーターの出力端に結
合された入力端を有する複数のネットワークと、出力端
が前記ルーターの入力端に結合された複数のユーザーと
を備え、前記ネットワークの出力端は前記ユーザーの入
力端に結合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマルチモードデジタ
ルモデムに関し、より詳細にはマルチモードデジタルモ
デムのための方法およびハードウェアを使用するシステ
ムに関する。
【0002】
【従来技術】従来の音声バンドのモデムは公衆交換電話
ネットワーク(PSTN)を通してコンピュータユーザ
ーのエンド間を接続できるようになっている。しかしな
がら音声バンドのモデムの伝送スループットはバンドパ
スフィルタおよびPSTNインターフェースポイントに
おけるコードにより決められた3.5KHzのバンド幅
により約40Kbpsより低い値に制限されている。他
方、コンピュータユーザーの撚り対線の電話加入者ルー
プの有効バンド幅はより広くなっている。損失が50d
Bとなるバンド幅は加入者ループの長さに応じて1MH
zも広くすることができる。ローカル加入者ループに基
づく伝送システムは一般にデジタル加入者回線(DS
L)と称されている。
【0003】デジタルフォームでの娯楽(例えばビデオ
オンデマンドでの)娯楽および情報(インターネット)
へのインタラクティブな電子アクセスへの消費者の要求
が高まるにつれ、この需要は従来の音声バンドのモデム
の能力をはるかに越えてしまっている。この要求を満た
すため、これまでに各家庭へ光りファイバーリンクを敷
設したり、衛星から直接送信することや、広バンドの同
軸ケーブルを使用するなどの種々の送信方法が提案され
ている。しかしながらこのような提案例は高くつき、よ
り安価な別の方法が提案されている。例えば、現在の同
軸ケーブルを使って家庭に接続するケーブルモデムおよ
び現在の撚り対銅線を使って家庭を電話会社の中央局
(CO)に接続する種々の高ビットレートのデジタル加
入者回線(DSL)モデム等が提案されている。
【0004】既に異なるアプリケーションのために数種
のデジタル加入者回線(DSL)技術が開発されてい
る。オリジナルの2B1Qデジタル加入者回線技術はI
SDN用基本レートアクセスチャンネルUインターフェ
ースとして使用されており、高ビットレートのデジタル
加入者回線(HDSL)技術は既に無中継用T1サービ
スとして使用されている。
【0005】DSL技術の従来の使用例としては、電話
ループのための非対称デジタル加入者回線(ADSL)
信号技術がある。この技術は居住地からCO(上り方
向)へ低レートのデータストリームを送り、COから居
住地(下り方向)へ高レートのデータストリームを送る
通信システム仕様として規格団体によって定められてい
る。このADSL上り方向のチャンネルは簡単な制御機
能または低レートのデータ転送しか行わず、高レートの
下り方向のチャンネルのスループットは上り方向より大
きくなっている。
【0006】ADSLモデムは一般に対に設置される。
すなわちモデムの一方を家庭に設置し、他方をその家庭
にサービスしている電話会社の中央局に設置するように
なっている。これらADSLモデムの対は同じ撚り対線
の両端に接続され、各モデムは撚り対線の他端にあるモ
デムとしか通信できず、中央局はそのADSLモデムか
ら提供されるサービス(例えば映画、インターネット
等)に直接接続するようになっている。図6は、中央局
に設置されたADSLモデム(図6はこのモデムのため
にADSLではなくDSLを使用している)、消費者の
家庭、パソコンまたはテレビの上部のボックスに設置さ
れた一方のモデムを俯瞰図として示している。ADSL
モデムは音声バンドの周波数よりも高い周波数で作動す
るので、ADSLモデムは音声バンドモデムまたは電話
の会話と同時に作動できる。
【0007】代表的なADSLに基づくシステムは映画
またはその他のデータが集中する内容を提供できる、C
Oに設置されたサーバーと、データを受信し再アセンブ
ルするだけでなく制御情報をCOへ送り戻すことができ
る、住宅に設置されたセットトップボックスとを含む。
下り方向の内容を意味を示すようディスプレイまたは使
用するには、モデムを通る持続されたデータレートが一
般に必要である。このような持続されたデータレートの
条件により、ADSLシステムは主に所定の作動条件お
よび所定のレートに限り機能するようになっている。加
入者回線が質的な条件を満たせば、ADSLモデムは機
能できるが、質的が条件を満たさない場合、新しい回線
機器を設置するか、または回線の品質を改善しなければ
ならい。
【0008】特にANSI規格であるADSLは、現在
の撚り対線を通し家庭へ(下り方向)毎秒600万ビッ
ト(6Mbps)まで送信できることを要求し、更に家
庭から(上り方向)毎秒64万ビット(640Kbp
s)まで受信できることを要求している。
【0009】ADSLモデムは電話システムを通したデ
ジタル通信に現在使用される音声バンドのモデムとはい
くつかの点で異なっている。まず、家庭用の音声バンド
モデムは本質的にはデジタルビットを音声バンド(30
Hz〜3.3KHz)内の変調トーンに変換するもので
あるので、信号は電話機で発生された通常の音声信号の
ように送信できる。次に受信側の家庭内の音声バンドモ
デムは受信された信号からデジタルビットを回復する。
現在のITU Vシリーズの音声バンドモデム規格(例
えばV.32およびV.34)は33.6Kbpsまで
のビットレートでの伝送を要求しているが、これらレー
トでもリアルタイムのビデオには低速すぎ、インターネ
ットのグラフィックに対しても低すぎる値となってい
る。これと対照的にADSLモデムは音声バンドよりも
高い周波数レンジで作動するので、これにより、より高
いデータレートが可能となっている。しかしながら撚り
対線の加入者回線にはひずみと損失があり、これらは周
波数および回線長さとともに増加するので、ADSL規
格のデータレートは加入者回線の長さ、例えば26ゲー
ジ回線では約2.75km(9kft)または24ゲー
ジ回線では約3.66km(12kft)での達成可能
な最大レートによって決められている。
【0010】音声バンドのモデムのデータ速度は少なく
とも次の要因により制限される。1)中央局内の回線カ
ードのサンプリングレートがわずか8KHzであるこ
と、2)回線カードで使用されているA/DおよびD/
Aコンバータの低ビット分解能がダイナミックレンジを
低下させていること、および3)加入者回線(撚り対
線)の長さおよび関連する電気的な欠点があること。A
DSLモデムは最初の2つの要因は回避できるが、加入
者回線の長さの制限および電気的な欠点の影響がある。
図28は2つの現在のワイヤサイズで回線長さが増すに
つれ加入者回線の容量がどのように低下するかを示して
いる。同じような回線長さによる容量の低下はどのタイ
プの撚り対線の加入者回線用モデムについても当てはま
る。
【0011】図26は簡単なADSLモデムをブロック
図として示している。このモデムの送信用ハードウェア
30はビットエンコーダ36と、逆高速フーリエ変換器
38、P/S40、デジタル/アナログコンバータ4
2、送信用フィルタおよび回線ドライバ44およびトラ
ンス46を含む。受信部分32はトランス兼フィルタ4
8、アナログ/デジタルコンバータ50、回線ひずみ補
償用等化器52、S/P54、高速フーリエ変換器56
およびビットデコーダ58を含む。信号リークを抑制す
るために送信部分から受信部分へのエコーキャンセル回
路が含まれてもよい。ADSL規格は256個の4KH
z搬送波バンドに分割されたBMTスペクトルと共に離
散的マルチトーン(DMT)を使用しており、他の搬送
波バンドと無関係に各搬送波バンドに可変数のビットを
ロードするのに星形の直交振幅変調(QAM)が使用さ
れる。
【0012】搬送波ごとのビット数は加入者回線を通し
て受信側モデムにテスト信号を送るトレーニング期間中
に決定される。受信側モデムは受信された信号の測定さ
れた信号対ノイズ比に基づき、よりロバストな搬送波バ
ンドには多数のビットを使用する最適なビット割り当て
を決定し、その情報を送信側モデムに戻す。
【0013】512ポイントの逆高速フーリエ変換を使
用することにより、周波数領域のコード化されたビット
を時間領域の信号に変換することにより、コード化され
たビットの変調が極めて効率的に実行され、変換された
時間領域の信号は2.048MHz(4×512)のサ
ンプルレートを使用するD/Aコンバータにより撚り対
線に入力される。受信側ADSLモデムはこの信号をサ
ンプリングし、コード化されたビットを高速フーリエ変
換により回復する。
【0014】ADSL規格のための回線コードとして離
散的マルチトーン(DMT)が既に選択されている。代
表的なDMTシステムは送信機側の逆FFTおよび受信
機側の順方向FFTを使用するものである。理想的には
受信機側のFFTの後の周波数領域の等化器によりチャ
ンネル周波数のひずみは補正できる。しかしながら、受
信機側のFFTブロックの最初の部分でのチャンネルの
遅れの広がりは、先のブロックからのシンボル間干渉を
含む。この干渉はデータの現在ブロックとは無関係であ
るので、周波数領域の等化器ではキャンセルできない。
代表的な解決案は、FFTデータのブロックがT/Aに
送られる前に送信機側のFFTデータブロックの前にプ
リフィックスデータのブロックを追加することである。
このプリフィックスデータはFFTデータブロックの最
終部分の繰り返しコピーとなっている。
【0015】受信機側では周期的プリフィックスデータ
を除くのに、受信された信号をウィンドー化する。チャ
ンネルインパルス応答の長さがプリフィックス長さより
も短ければ、先のFFTデータブロックからのシンボル
間干渉は完全に除去される。次に、DMTのサブチャン
ネル間のシンボル内干渉を除くのに周波数領域の等化器
技術が使用される。しかしながらチャンネルインパルス
応答はケースごとに異なるので、インパルス応答の長さ
がプリフィックス長さよりも短いという保証はない。チ
ャンネル応答の長さをプリフィックス長さ内に短縮する
のには一般に適応型時間領域等化器が必要である。
【0016】これまでに時間領域の等化器トレーニング
手順がJ.S.チョウ、J.M.チオッフィおよびJ.
A.C.ビンガム氏の共著論文「マルチ搬送波変調シス
テムのための等化器トレーニングアルゴリズム」、19
93年、通信に関する国際会議、761〜765ペー
ジ、ジュネーブ(1993年5月)でこれまで研究され
ており、対応するトレーニングシーケンスは既にADS
L規格およびJ.S.チョウ、J.Mチオッフィおよび
J.A.C.ビンガム氏の共著論文「DMTによる時間
領域等化器(TQE)のための推奨トレーニングシーケ
ンス」、ANSIT1E1.4、委員会投稿番号93−
086に特定されている。
【0017】下記の特許はDMTモデムに関連する特許
である。すなわち米国特許第5,400,322号はマ
ルチ搬送波チャンネルにおけるビット割り当てに関する
ものであり、米国特許第5,479,447号はバンド
幅の最適化に関するものであり、米国特許第5,31
7,596号はエコーキャンセルに関するものであり、
米国特許第5,285,474号は等化器に関するもの
である。
【0018】DSL以外の回線コード、例えばQAM、
PAMおよび無搬送波AM/PM(CAP)を使用する
別のDSLモデムの提案例もある。ISDNはデータチ
ャンネルを多くするために160KHz以上の搬送波の
2ビット−1クォータナリー(2B1Q)の4レベルシ
ンボルの振幅変調を使用している。
【0019】CAP回線コードは一般に合相および直交
マルチレベル信号を一般に使用し、これら信号は直交パ
スバンドフィルタによってフィルタリングされ、送信の
ためにアナログ信号に変換される。図27は、CAP回
線コードを使用し、等化器750とエコーキャンセラー
727の双方を含むDSLモデムの送信機321および
受信機325のためのブロック図を示す。次の特許はC
APモデムに関するものである。米国特許第4,94
4,492号は多次元パスバンド送信に関するものであ
り、米国特許4,682,358号はエコーキャンセル
に関するものであり、米国特許第5,052,000号
は等化器に関するものである。
【0020】CAPまたはDMTまたは他の回線コード
を使用するモデムは基本的には次の3つのハードウェア
部分を有する。すなわち(i)加入者回線上のアナログ
信号をデジタル信号に変換し、加入者回線上の送信用デ
ジタル信号をアナログ信号に変換するためのアナログフ
ロントエンドと、(ii)デジタル信号を情報ビットス
トリームに変換し、オプションとしてエラー訂正、エコ
ーキャンセルおよび回線等化を行うためのデジタル信号
処理回路と、(iii)情報ビットストリームとそのソ
ース/宛て先との間のホストインターフェースとを有す
る。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらD
SLモデムは次の問題を有する。すなわち1)ビデオ用
の高ビットレートではモデムが複雑となり、高価となる
こと、2)これらビットレートは固定された距離では最
適にされるので、これらレートは短い加入者ループでは
非効率的となり、長い加入者ループに対しては利用でき
なくなること、3)DMTまたはCAPのいずれかが、
DSLモデムが接続される特定の加入者ループに存在し
たり存在しなかったりする所定の異なる条件(例えばノ
イズ等)に対して良好に作動すること。
【0022】インタラクティブな通信能力を提供するた
めに高速データ伝送を行う双方向のデジタル通信システ
ムが開発中である。テスト中の主なアーキテクチャとし
ては、有線のパースペクティブファイバー−同軸ハイブ
リッドシステム(HFC)がある。これらシステムは効
率的なスペクトル通信を行うために、直交振幅変調(Q
AM)、残留側波帯(VSB)変調および直交位相シフ
トキーイング(QPSK)変調を含む種々のデジタル変
調方式を使用できる。現在までのシステムの試みは、こ
れらシステムを設置するのに多大な時間と資金が必要と
なることを示している。従って、開発中の双方向システ
ムでは、更にインフラストラクチャを構築し、更に顧客
の住宅(すなわち建物)の機器を増設することが必要で
ある。またシステムは戻りパスの一部として上り方向で
のノイズの回り込みの問題を処理しなければならない。
ノイズの回り込みにより顧客の建物に特別なフィルタを
増設しなければならなり。これらシステムの設置により
顧客の建物へのアクセスと共に居住地および営業地のコ
ミュニティで混乱が生じる。このようなシステムインフ
ラストラクチャはこの新しいインフラストラクチャを利
用する新しい高データレートの一方向または双方向のサ
ービスを提供する前に、顧客の建物の外で、およびこれ
をバイパスするように設置する必要がある。
【0023】デジタル双方向データを伝送するのに銅線
のインフラストラクチャと高速のモデムを使用する別の
有線システムも提案されている。このシステムは無搬送
波振幅/位相(CAP)、離散的マルチトーン(DM
T)、DWMTおよび加入者ループ搬送波(SLC)を
含むいくつかの変調方式で作動できる。現在開発中の非
対称デジタル加入者ループ(ADSL)、極高データレ
ートデジタル加入者回線(VDSL)および高データレ
ートデジタル加入者回線(HDSL)モデムは、顧客の
建物との間で通信信号を搬送するのに異なるデータレー
トを提供する。銅線に基づくシステムの限られたバンド
幅ではワイヤゲージおよび伝送距離のすべてから生じる
信号減衰量は、かかる可能なシステムのデータレートを
低下させる。撚り対銅線ネットワークへの組み込みはア
クティブまたはパッシブなものにすることができる。こ
のデータレートを維持するには、これらシステムの増幅
器の能力が信号強度および通信ポイント間の条件を維持
することが求められる。
【0024】データ無線通信システム、例えば2150
〜2162MHzおよび2500〜2686MHzで作
動するマルチチャンネルのマイクロウェーブ分配サービ
ス(MMDS)、3700〜4200MHzで作動する
Cバンドの衛星、12200〜12700MHzで作動
するKuバンドの直接放送衛星(DBS)、11700
〜12200MHで作動する極小開口ターミナル(VS
AT)および27500〜29500MHzバンドで作
動するローカルマルチポイント分配サービス(LMD
S)が配備されているか、または開発中である。無線放
送システムはポイントから多数のポイントへ信号を分散
させるシステムである。現在、これらの無線システムは
最終通信リンクを確立するのに顧客の建物に設置された
アンテナを使用している。アンテナがより小型になれ
ば、これらシステムは顧客にとってより受け入れやすい
ものとなる。しかしながら、このような分配方法ではい
くつかの問題が生じる。顧客の建物へのアクセス、設置
コストおよび建物に設置されるアンテナはいずれも顧客
の観点からはすべて望ましくない要素である。システム
を概観すると、アンテナ、ダウンコンバータ、チューナ
ーおよびデコーダを繰り返し使用することはシステムの
設置コストを増し、これは顧客に転嫁される。居住者が
近所に多数住む場所におけるこれらシステムの設置を制
限する別の要素として視軸が限られることが挙げられ
る。しかしながら従来技術のこれらおよびそれ以外の欠
点は本発明によって克服される。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は約6.4km
(21000フィート)までの長さの標準的な電話用撚
り対回線で使用するための新規な高速モデムを提供する
ものである。この新規なモデムはMDSLすなわち中間
バンドデジタル加入者回線用モデムと称される。本発明
のMDSLモデムは下り方向の送信信号と上り方向の送
信信号とを分離するのに周波数分割多重化(FDM)技
術を利用している。MDSLのための変調技術は任意で
あるが、使用できる特定の変調方式としてはQAM/C
APと離散的マルチトーン(DMT)とがある。中央局
(CO)における本発明のMDSLモデムと遠隔地のユ
ーザー(RU)側のMDSLモデムとの間の同期を達成
するための起動方法が本発明の一部として提供される。
【0026】MDSLを実現するために選択される特定
の変調方式の1つとして無搬送波AM/PM(CAP)
がある。このCAPは同期化のために別個のトーンを利
用せず、同期化は送信データ信号を直接使用して達成さ
れる。起動時に真のデータを送信する前にCAP受信機
における等化器をトレーニングするのに特別なデータシ
ーケンスが使用される。
【0027】本発明は所定の共通回路を使用して音声バ
ンドの機能および音声バンドを越える周波数(DSL)
機能の双方をサポートするモデムを提供する。好ましい
実施例は別個の、または組み合わされたアナログフロン
トエンドおよび共通ホストインターフェース(シリアル
またはパラレル)のいずれかと組み合わせられた音声バ
ンドのモデム用ソフトウェアまたは音声バンドより高い
バンドのモデム用ソフトウェアのいずれかを作動させる
のにDSPを使用する。音声バンドのモデムまたは音声
バンドを越えるバンドのモデムのいずれかに内部の同一
部品を使用でき、このモデムは電話機で使用するための
音声バンドを分離するのに一体的なスプリッタを使用で
きる。
【0028】本発明は音声バンドモデムと同じハードウ
ェアプラットフォームで現在の異なるADSL回線コー
ド、離散的マルチトーン(DMT)および無搬送波AM
/PM(CAP)を実現できるプログラマブルデジタル
信号プロセッサ(DSP)実施方法を提供するものであ
る。このDSPの実現例を用いることにより回線状態お
よびサービス−コスト要件に合わせるようリアルタイム
で所望する伝送レートを交渉することもできる。
【0029】双方の側にあるモデム間でトーンを交換す
ることにより、各通信セッションの開始時にこの回線コ
ードとレートの交渉プロセスを実施できる。回線コード
およびレートをコンパーチブルにするために4工程の中
間バンドデジタル加入者回線(MDSL)モデム初期化
方法が使用される。
【0030】電話会社の中央局(CO)を居住地の加入
者に接続する現在の撚り対銅線の電話回線を通してデジ
タルデータを送るのに、デジタル加入者回線(DSL)
信号化技術が使用されるが、従来のDSLデータモデム
は上記データレートである比率の居住地の顧客にサービ
スをするようになっている。本発明の新レート交渉方法
は可変レートのDSL(VRDSL)システムをイネー
ブル状態にする。このレート交渉方法を使用することに
より可変レートシステムは回線状態、計算能力、ネット
ワークアクセス性およびアプリケーションの条件に基づ
き、そのスループットに適合する。このサービスは従来
の通常の電話サービス(POTS)を混乱させることな
く電話の加入者ループに加えることができる。従って、
DSL接続と無関係に音声バンドのモデム接続を使用す
ることも可能である。
【0031】このレート交渉方法は多数のレートをサポ
ートするDSLシステムをシステマティックに制御す
る。データレートはモデムのコスト、回線状態またはア
プリケーションの条件に応じて変えることができる。モ
デムはVOD、ビデオフォン、多数のISDNリンクお
よび新しいネットワークアクセスアプリケーションを含
む多数の異なるアプリケーションをサポートできる可変
レートデータリンクとして機能する。特定のDSL接続
の能力、使用できる計算パワーおよび特別なアプリケー
ションプログラム条件を考慮することにより、交渉方法
によりデータレートを適当なレベルに合わせることがで
きる。この方式は、対称的データリンクまたは非対称的
データリンクを行い、対称的リンクと非対称的リンクを
任意にミックスすることを必要とする同時アプリケーシ
ョンをサポートする。DSL伝送スループットの対称的
部分の一部は、電話の通話またはテレビ電話通話に使用
でき、DSL伝送スループットの非対称的部分の一部は
インターネットへのアクセスまたはVODサービスに使
用できる。レート交渉方法はDSLを使用する多数の異
なるネットワークアプリケーションをサポートする。
【0032】これまでのDSLモデムの代表的な実現例
は、加入者とネットワークとの間の無接続サービスしか
サポートしていなかったが、DSLはローカル中央局で
ターミネートされるので、電話とネットワークのフレン
ドリーなDSLインターフェースが望ましい。多数の仮
想的サービス接続を容易にするため、サービスと制御メ
ッセージを交換するのにISDN Dチャンネルに類似
した運用/信号チャンネルが好ましい。CO側の制御チ
ャンネルサーバーへ信号およびデータパケットを送る前
に運用上のメッセージを集めるのに、CO側のDSLモ
デム内のプリプロセッサも必要である。
【0033】本発明のDSLモデムは無接続のみならず
接続オリエントな(交換)サービスもサポートする。こ
のレート交渉方法はレートを可変できるDSLシステム
と共に使用することが好ましい。一例として、可変レー
トDSL(VRDSL)システムがあり、このシステム
は400Kbpsまでの可変上り方向伝送スループット
と400Kbpsから2.048Mbpsまでの下り方
向の伝送スループットを提供できる。(しかしながら本
発明は例として述べたシステムに示されたレート内での
可変に限定されるものではない。)これより低いスルー
プットでは回線状態の悪い運用がサポートされる。より
低いデータレートではより要求の低いアプリケーション
用の低コストのモデムの設計が可能となる。このことは
音声バンドモデムと同じハードウェアプラットフォーム
を使用して、対称的な400Kbpsのリンクを行うこ
とができる、本発明の中間バンドDSL(MDSL)設
計の思想と一致するものである。高い下り方向のスルー
プットではVRDSLはADSLとコンパーチブルにで
きる。基本的にはVRDSLレートの交渉方法はある範
囲の価格/性能のDSLモデムをサービスできる能力を
提供し、このモデムは個々の回線状態および処理パワー
に基づきスループットを最大にできる。VRDSL信号
化技術では同じ電話加入者ループを使用してPOTSも
利用できる。
【0034】中間バンドデジタル加入者回線(MDS
L)ソフトウェアシステムのためのホストインターフェ
ース条件も本発明の一部である。MDSLネットワーク
インターフェースを制御するためにホストPCプラット
フォームで作動するソフトウェアは、NDIS3.0W
ANミニポートドライバとして構成されており、このソ
フトウェアは現在のネットワークドライバおよびアプリ
ケーションと主にウィンドウズNT/ウィンドウズ95
で作動する。
【0035】この中間バンドデジタル加入者回線(MD
SL)用の回線接続管理プロセスは、MDSL−C(中
央局側のMDSL)とMDSL−R(居住者側のMDS
L)との間の回線接続を管理するための簡単で効率的、
かつフレキシブルなインターフェースを提供する。MD
SLは4つの異なる回線モードを使用する。すなわち単
ーリンクによる専用回線(LLSL)、マルチリンクに
よる専用回線(LLML)、ソフトダイヤルによる交換
回線(SLSD)およびハードダイヤルによる交換回線
(SLHD)を使用している。LLSLモードのための
ホストインターフェースは3つの異なる回線ステート、
回線ドロップステート、回線切断ステートおよび回線接
続ステートを有する。MDSLモデムの内部ステートマ
シンは回線ステータスを記録し、モニタでき、ステート
変化を他のMDSLモデムのみならずホストプロセッサ
にも通知できる。本発明の回線接続管理メッセージを交
換するのに使用されるプロトコルは、簡略化されたポイ
ント間のリンク制御プロトコルである。
【0036】MDSLホストインターフェースは次の基
本的機能、すなわちホストとMDSLとの間のコマンド
/制御通信、回線接続管理および送信/受信データパケ
ットを含む。MDSLホストインターフェースはホスト
コントローラに対する簡単でユーザーフレンドリーで効
率的な低コストのインターフェースを提供する。
【0037】現在のところ好ましい実施例では、MDS
Lのためのホストドライバソフトウェアはウィンドウズ
95/NT環境下で作動するNDIS WANミニポー
トドライバとして構成されている。このソフトウェアは
MDSLネットワークシステムのメディアアクセス制御
(MAC)サブレイヤーを制御し、管理し、NDISラ
ッパーおよび上部レイヤープロトコルドライバスタック
と作動すると、どのインターネットアクセスアプリケー
ションもトランスペアレントに作動できる。
【0038】本発明はMDSLモデムの時間領域等化器
をトレーニングするための簡単なアルゴリズムも提供す
るものである。同じ方法により、FFTフレームの境界
も確実に検出される。
【0039】本発明は通信サービスのポイント対マルチ
ポイントの送出も提供するものであり、特にモデムを介
して有線および無線システムを無線有線ハイブリッド回
線ネットワーク(HWWN)と称される効率的なデジタ
ル信号分配ネットワークに統合する信号分配方法を提供
するものである。このシステムのアーキテクチャに含ま
れるキー要素とは、データレートおよびチャンネル伝送
状態へのユーザーの要求に基づき、利用できるスペクト
ルを効率的に使用できるように考慮されたバンド幅管理
の特徴にある。
【0040】本発明は、対称的分散送信チャンネルのた
めの送信機内の適応型フィルタをダイレクト等化器シス
テムに提供するものである。このダイレクト等化方法は
高価な高分解能の高サンプリングレートのA/Dコンバ
ータおよび高精密な適応型フィルタを受信機で使用しな
いようにしたものである。送信データパスでは適応型フ
ィルタはシンボルビットの分解能に等しい精度しか必要
としない。フィルタ係数は、符号LMSアルゴリズム
(シフトおよび加算演算しか行わない)を使用する受信
パスで識別される。従って、本発明のダイレクト等化シ
ステムは対称的な分散チャンネルによる高データレート
の送信システムを実現するための安価な方法となってい
る。
【0041】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のマルチモードモ
デム100の第1の好ましい実施例の機能的ブロック図
を示す。この図1ではモデム100は単一加入者回線
(撚り対線)140への音声バンドパスおよびDSLバ
ンドデータパスの双方を含み、加入者回線140は電話
会社の中央局に接続している。音声バンドのアナログフ
ロントエンド(VB AFE)110は音声バンド(3
00Hz〜3.3KHz)における周波数で送受信する
が、デジタル加入者回線のアナログフロントエンド(D
SL AFE)120は音声バンドを越える周波数(4
KHz以上)での周波数で送受信する。加入者回線14
0にはスプリッタ130が接続しており、このスプリッ
タは入進信号を音声バンドの成分と音声バンドを越える
周波数の成分に分離する。音声バンドではPOTS(通
常の従来の電話サービス)が行われ、加入者回線には直
接またはスプリッタ130を介して電話を接続できる。
【0042】モデム100はDSLバンドのデータパス
として、および音声バンドのデータパスの一部として1
つのプログラマブルデジタル信号プロセッサ(DSP)
150を使用しており、一般に2つの別個のデータ入力
ポートを使用する。DSLバンドは一般に音声バンドの
データパスよりも高いビットレートを有するので、バッ
ファ化されたマルチプレクサを備えた単一ポートを使用
することよりも別個のDSPポートを使用するほうがよ
り便利であるが、かかるマルチプレクサを使用すること
は明らかに本発明の範囲内での別の方法である。例え
ば、DSLバンドで作動するモデム100は200KH
zよりも若干狭い総バンド幅を有する、100KHzを
中心とする上り方向(居住地から中央局へ)の周波数バ
ンドおよび200KHzよりも若干狭い総バンド幅を有
する、300KHzを中心とする下り方向(中央局から
居住地へ)の周波数バンドを使用できる。このような周
波数割り当てによってモデム100のフルデュプレック
ス(全二重)の運用が可能となっている。実行される機
能を高めるか、または性能を高めるのに、一般に単一の
DSPを使用する代わりに多数のDSPを使用できる。
このDSP150はホストインターフェース回路160
に接続されている。
【0043】モデム100は多数の回線コードから回線
コードを選択でき、更にモデム100はDSP150に
よって実行されるプログラムを切り換えることにより、
音声バンドを越える周波数の高ビットレートのDSLモ
デムまたは音声バンドのモデム(例えばV.34)のい
ずれかとして同時または逐次作動できる。DSPのオン
ボードメモリまたは図1には示されていない補助メモリ
に種々の回線コードプログラムを記憶できる。更にDS
P150によって実行されるプログラムに応じてDSL
モデム動作のための別の回線コード(例えばCAPまた
はDMT回線コード)を使用できる。
【0044】図2および3はモデム100のDSLデー
タパス部分を示す。このモデム100はアナログ−デジ
タルコンバータ172と、デジタル−アナログコンバー
タ170と、フィルタ174、176と、送信ドライバ
178と、受信機増幅器180とを含む。図2は更にモ
デムの内部クロックをホスト(または中央局)からのク
ロック信号に同期させる位相ロックループ182のクロ
ック発生器を明瞭に示している。図3は、バンドパスフ
ィルタを省略しており、その代わりに回線コードプログ
ラムをホールドできる種々のタイプのオプションのメモ
リ、例えばSRAM184と不揮発性のEEPROM1
86を示している。モデム100が音声バンドモデムと
して作動する時は、スプリッタ130は音声バンドアナ
ログフロントエンド120に音声バンドの周波数を送
る。
【0045】図4は、DSLモードのモデム100のた
めのDSPソフトウェアを示しており、(i)DSP用
のオプションのカーネル(オペレーティングシステム)
190と、(ii)ホストインターフェース192と、
(iii)オプションの管理メンテナンス制御装置19
4と、(iv)フレーミング196と、(v)埋め込ま
れたオプション制御装置198と、(vi)データスト
リームにより埋め込まれたオペレーション制御信号を多
重化するためのチャンネルマルチプレクサ199と、
(vii)ビットストリームスクランブルのためのスク
ランブラーロジック191と、(viii)ビット−シ
ンボル変換、等化、エコーキャンセルを含むCAPまた
はDMTロジックのようなトランシーバロジック193
と、(ix)変調器/復調器ロジック195およびオプ
ションの順方向エラー訂正回路(FEC)とを含む。
【0046】図5はホストとインターフェースされたモ
デム100上で作動するアプリケーション用のソフトウ
ェアプロトコルのヒエラルヒーを示す。物理的レイヤー
185(レイヤー1)は変調、ビットストリームスクラ
ンブルおよびデータストリームによる制御信号の多重化
のためのDSPソフトウェアを含む。DSP内のデータ
リンクレイヤー186(レイヤー2)は埋め込まれたオ
ペレーション制御およびフレーミングを含む。ホスト内
のネットワークレイヤー189(レイヤー3)はモデム
ドライバー(例えばウィンドウズ95/NT用のNDI
Sタイプ)とトランスポートプロトコル、例えばPTP
(ポイント対ポイントプロトコル)を含む。インターネ
ットブラウザのようなアプリケーションはトランスポー
トプロトコルと相互作用する。
【0047】ボイスバンドの作動モードではモデム10
0は標準的な音声バンドのモデム(例えばV.34等)
に類似するソフトウェアを使用できる。本発明は約6.
4km(21000フィート)までの長さの標準的電話
撚り対回線で使用するための新規な高速モデム100を
提供する。この新規なモデム100をMDS(中間バン
ドデジタル加入者回線)モデムと称す。このMDSLモ
デム100は下り方向の送信信号と上り方向の送信信号
とを分離するため周波数分割多重化(FDM)を利用し
ている。MDSLのための変調方式は任意のものとする
ことができるが、使用できる2つの特定の変調方式とし
てはQAM/CAPおよび離散的マルチトーン(DM
T)方式がある。本発明の一部として中央局(CO)に
おけるモデムとリモートユーザー(RU)側のモデムと
の間の同期を達成するための起動方法が提供されてい
る。
【0048】MDSLモデムの一実施例のために選択さ
れる変調方式の1つとして無搬送波AM/PM(CA
P)方式がある。このCAPは従来の直交振幅変調(Q
AM)の特殊なケースを見なすことができる。主な差異
は、CAPがパスバンド内でほとんどの処理を実行する
のに対し、QAMはベースバンドでほとんどの処理を実
行することである。
【0049】CAPは同期化のために別個のトーンを使
用せず、送信されたデータ信号を直接使用することによ
り同期化を行っている。起動時にリアルデータを送信す
る前にCAP受信機内の等化器をトレーニングするのに
特別なデータシーケンスが使用される。
【0050】16Kbps〜384Kbpsの上り方向
の速度(MDSL−RからMDSL−C)および384
Kbps〜2.048Mbpsの下り方向の速度(MD
SL−CからMDSL−Rまで)を達成するのに、同じ
DSPプラットフォームで無搬送波AM/PM(CA
P)変調および離散的マルチトーン変調を使用する実施
例もある。MDSL−Cはローカルエリアネットワーク
(ALN)へのMDSL−Rアクセスが可能となるよう
にゲートウェイまたはルーターとして設置することもで
きる。MDSLの応用例については後に説明する。
【0051】パソコンまたは他のプラットフォームに直
接プラグインできるISAカードにプロトタイプのMD
SLハードウェアが設置されている。このプロトコルは
次の成分を含む。すなわち変調/復調を実行するための
PMS320C541 DSPと、HOST、16ビッ
ト幅のEEPROMおよびRAMとのフレーミングおよ
びインターフェースをするネットワークの物理的レイヤ
ーと、MDSLを実行するために必要なサンプリングレ
ート、分解能およびその他の特性をサポートできる組み
合わされたD/AおよびA/Dコンバータと、POTS
インターフェースに接続するのに必要とされるアナログ
フロントエンド回路と、ISAバスインターフェース回
路とを含む。
【0052】図6は中央局220内の他のモデム100
と通信する家庭210内のモデム100を示す。この中
央局220のモデム100は種々の能力および負荷を有
することができ、加入者ループ140は特定の状態とな
ることができるので、モデムは回線コード(CAP、D
MTまたはその他のコード)と、ビットレートを選択
し、等化器をトレーニングするための初期化方法を実行
する。次にモデムはデータ通信を開始する。
【0053】図7および8はDSLモデムによる加入者
回線への中央局の別の接続を示す。各加入者回線はDS
L AFE(アナログフロントエンド)を有し、アナロ
グスイッチがAFE出力をDSLプロセッサ(居住地側
のモデム内のDSPに類似したDSPまたは多数のAF
E用の単一DSP)に接続している。中央局はAFE出
力をモニタしており、デジタルスイッチが対応する居住
地側のDSLモデムとの通信をするのに利用できるDS
Pを割り当てる。中央局は居住地内のアクティブなモデ
ムを探すのにAFEをポーリングする。図7および8に
示すように中央局側のDSLモデムはパケット状にされ
た情報(例えばインターネット)を有するローカルエリ
アネットワークまたは公衆交換電話ネットワーク基幹回
線を通して直接送られる低ビットレートデータを有する
ワイドエリアネットワーク上のリモードアクセスサーバ
ーに接続している。居住地側のモデムによって行われる
情報はフックオフ信号ではなくてバンド外信号化方法
(例えばISDN Q.931信号化)と音声バンドで
アナログ交換および回線カードへ送られる電話番号によ
り識別されるか、または信号として送られる。図8はA
FE240、DSP260、通信コントローラ280お
よびARMまたはRISCプロセッサ290としての中
央局側のDSLモデム(DSLバンドは既に音声バンド
から分離されている)の主な機能的ブロックを示す。こ
のモデムは時間分割多重化(TDM)バスへ送られる低
ビットレートの送信信号(音声、テレビ会議等)と制御
バス(次に基幹回線)へ送られるパケット化されたデー
タ(インターネット、イントラネット、プライベートネ
ットワーク等)の双方に接続できる。図10は、ADS
Lまたは他の任意のDSLモデムとすることができる用
語「xDSL」を示す。これら種々の機能はすべて単一
のDSP260で実行できる。
【0054】次に図9を参照すると、ここにはハイブリ
ッド無線−有線ネットワーク(HWWN)2000のた
めの本発明のアーキテクチャの簡略化された機能ブロッ
ク図が示されている。図9には特に統合化された伝送ネ
ットワークを介して電話、テレビおよびデータ信号を分
配するアーキテクチャおよび方法が示されている。通信
信号の分配はヘッドエンド2002または中央局200
4で始まる。信号はデジタル化され、光ファイバーフィ
ーダーリンク2006を介して無線分配ノード2008
へ送ることができる。隣接エリアへの送信のため変換さ
れていないRF搬送波を変調するのに種々の技術を使用
できる。隣接エリアには無線ネットワークユニット(W
NU)2010と称されるリモートターミナルを設置で
き、これらリモートターミナルは無線周波数(RF)信
号を受信するのにアンテナを使用し、これら信号を中間
周波数(IF)に変換し、次に低い搬送波周波数信号に
変換し、この信号をデジタル加入者回線(DSL)へ送
り、撚り対線2012上の極高データレートデジタル加
入者回線(VDSL)またはMDSLを介して居住地2
014へ送られる。双方向システムではこれらアンテナ
は顧客の建物2014からノード2008へ情報を送り
戻すためのリターン接続プラットフォームの一部とな
る。高速モデムを介する撚り対銅線回線または同軸ケー
ブルはデジタル信号を送受信し、顧客の住宅にある伝送
ネットワークを初期化すなわち完成する。適当な制御チ
ャンネルを通してネットワーク制御およびルーティング
機能が行われる。本発明は統合化された伝送ネットワー
クにおける高速モデムおよび確立された有線および無線
分配技術の能力をユニークに利用している。更にバンド
幅をダイナミックに制御し、伝送ネットワークを最適化
するのに周波数を再利用している。システム管理はユー
ザーの要求および検出された干渉に基づきネットワーク
性能を最適にするようデータレートを調節する。このよ
うなシステム管理はオペレーションサポートシステム
(OSS)を通して情報を送ることにより達成される。
【0055】好ましい実施例のハイブリッドの無線−有
線回線ネットワーク(HWWN)によれば、高バンド通
信分配方法はデジタル信号を無線ネットワークユニット
(WNU)2010における現行の銅線または同軸ケー
ブルネットワークに組み戻しながら無線分配の利点を組
み合わせている。顧客の住宅への最終伝送リンクはVD
SL(またはMDSL)受信機に対するVDSL(また
はMDSL)回線ドライバを使用して行われる。顧客の
データレートの条件に基づき、バンド幅をダイナミック
に調節するのにシステム管理が行われる。制御チャンネ
ルおよびオペレーションサポートシステム(OSS)に
より情報の選択およびチャンネルの質がモニタされ制御
される。種々のアーキテクチャは7つのオープンシステ
ムインターコネクト機能レイヤーを通してネットワーク
データ通信システムを共にリンクする。
【0056】分配のHWWN方法はコストおよび性能上
の利点を生かすことができ、上記他のシステムの欠点の
多くを除いている。特にモデムと組み合わされた無線の
ポイント対マルチポイントシステムを使用することによ
ってビットエラーレート(BER)を低下したまま、よ
り長い距離にわたってより高いデータレートを得ること
ができる。更に無線の特徴により、必要に応じて追加さ
れた高い容量で高速に設置することが可能となってい
る。モデムは無線ネットワークユニットから多数の顧客
へのアクセスを行う。このような統合化されたアーキテ
クチャは顧客の住宅に直接分配するシステムを通した顧
客のアクセスを増す。このようなアーキテクチャを使用
することにより単一の無線ネットワークユニットでも数
百戸の顧客の住宅に接続するインターフェースとなり得
る。本発明のネットワークアーキテクチャは、高速のワ
ールドワイドウェブアクセス、テレビ会議のような特徴
を可能とし、効果的なコストで顧客の建物に対する10
ベースTイーサネット、100ベースTイーサネットお
よび非同期転送モード(ATM)接続をサポートする。
【0057】種々の変調技術を使って種々のアーキテク
チャ実施例を設置できる。説明上、利用できるスペクト
ルを有効活用するためにより高いレベルの変調方式、例
えば64QAMを使用する。無線システムではマルチパ
スのような現象から生じる信号対ノイズの劣化および隣
接するチャンネル搬送波により信号の解消が生じ得る。
適応型等化方法はこれら問題の一部を訂正できる。周波
数のアンテナの偏波を交互に変える送信ノードにおける
セクタ状アンテナは信号の干渉を低減しながらチャンネ
ル密度を高めることができる。リターンパスによって生
じた干渉を低減するには直交位相シフトキーイング(Q
PSK)変調と適応型チャンネルバンド制御および空間
ダイバーシティを組み合わせ、システムの干渉を低減す
ることができる。
【0058】種々の分配システムからハイブリッド統合
ネットワークHWWNの実施例を構成できるので、この
結果、MMDS、Cバンドの衛星、KuバンドのDBS
およびVSAT並びにLMDSシステムを含む(これら
システムのみに限定されず)種々の衛星および地上波シ
ステムとのコンパティビリティが得られる。
【0059】図8は、従来の銅線の電話システムに結合
された無線のポイント対マルチポイントシステムを含
む、現在のところ好ましいネットワークの実施例のブロ
ック図である。別のネットワークの実施例では同軸シス
テムに設置するための、またはノードとしての衛星フィ
ーダーを有するバスアーキテクチャを使用できる。この
無線システムは図8におけるノード2008のような多
数のノードから構成される。所望するサービスエリアを
カバーするのに十分な無線ネットワークユニット201
0が設置されている。地上波ネットワークの設置および
統合は中央局、ヘッドエンドの位置、およびノードサイ
ト、建物またはタワーへのアクセスに応じて決まる。し
かしながら実際のコンフィギュレーションは顧客の数お
よび必要なデータレートに応じて決まる。中央局側では
モデムはコンセントレータおよびパケッタイザを適当な
データストリーム内に送り込む。中央局側で多重化され
た多数のモデムが光ファィバーターミナル(FOT)に
より光リンクを通してリモードノードサイトへデータス
トリームを送り、リモートノードサイトは無線ノードア
ンテナを通して送信をするようになっている。同様に、
ビデオヘッドエンドはFOTにビデオストリームを組み
込み、FOTは無線ノードアンテナを通した送信のため
のノードにリンクする。WNU機器は送信信号を受信
し、エンド側の顧客に分配するために信号を変換する。
【0060】例えば、限定されるわけではないが、64
QAM変調方式のようなより高いレベルの変調を使った
有効な通信を確立するために、いくつかの技術を使用し
て干渉の効果を低減できる。図10を参照すると、セク
タパターン内で完全に360度のセルをカバーするのに
ノード2008のアンテナを設置できる。図10は4つ
のノード2008a〜2008dを示し、各円の中心に
送信タワーが設けられている。各ノードタワーすなわち
プラットフォーム内ではアンテナがセクタ状に配置され
ている。説明上、セクタは60度のセクタに示されてい
る。このようなセクタ状パターンをノードのまわりおよ
び隣接するセル内に繰り返す。これらセクタは垂直偏波
と水平偏波が交互となるように設置してもよく、通信エ
リアによって干渉がかなり少なくなったカバー範囲を提
供できる。更に干渉を低減するには、セクタごとに送信
周波数を変えることも可能である。この方法の欠点は顧
客へ情報を送信するために利用できるチャンネル数が少
なくなることである。60度のセクタはコードの周波数
の再利用を考慮し、チャンネル容量を増すことによって
このような作用を阻止している。
【0061】
【表1】
【0062】表1はチャンネル容量と変調のタイプおよ
びセクタ化の効果の関係を示す。説明上、3Mbpsの
送信チャンネルを選択した。表から判るように、順方向
エラー訂正コーディング、バーストエラー保護のための
リード−ソロモン外側コードおよびシンボルレベルでの
トレリス内側コードを有する64QAMのようなより高
いレベルの変調により、バンド幅の効率がより高くなっ
ている。この表は780MHzの総バンド幅の場合、各
変調技術がサポートできる3Mbpsのチャンネル数を
示している。干渉を低減し、64QAM変調に必要なシ
ステムのより高い信号対ノイズ比を満たすために、チャ
ンネル周波数は恐らくチャンネルごとに変えなければな
らない。このようなケースはQPSKシステムには当て
はまらない。その理由は信号対ノイズの条件がより低く
なっているからである。より高い効率の変調方式で周波
数を交互に変えるプランを検討すると、表1は、得られ
ることのできる実際のチャンネル数を示しており、ノー
ド当たり6つのセクタを設置できるチャンネル容量に対
する効果が結論される。線形性、信号対ノイズ比、有効
電離放射パワー(EIRP)、受信機のノイズ指数と組
み合わされた位相の安定性、安定なサイズ、適当なパス
リンクのマージを有するシステム利得を含む他の種々の
システム要素によって、最もコスト上効果的なシステム
を提供するのはどの技術であるかが決定される。
【0063】図11は、WNU2010およびエンド側
顧客のモデム装置のブロック図を示す。アンテナで多重
化された副搬送波信号を載せた下り方向のRFチャンネ
ルが選択され、受信され、IFに変換され、復調され、
多重化分離される。VDSL(またはMDSL)回線ド
ライバを使用することにより、音声信号とDSL信号と
を分離するためのスプリッタを通してデータが結合され
る。このデータは低搬送波周波数の直交振幅変調された
(QAM)信号として撚り対回線を通して送られる。下
り方向パスを完成するため、VDSLモデムはデジタル
信号を受信し、この信号を情報に戻すように変換する。
【0064】図11は顧客の建物2014からWNU2
010までの上り方向のリターンパスも示す。VDSL
送信機を通って撚り対銅線へデジタル信号が送られ、こ
の信号はWLUに設置されたVDSL受信機によって受
信される。上り方向のデジタルチャンネルはノード受信
機へ送信できるよう多重化され、コード化され、RF周
波数に変換される。
【0065】図12は、WNU2010の機能的ブロッ
クの詳細を示す。現行の銅線回線上に結合されたデータ
は顧客の建物との間でベースバンドにて極高データレー
トデジタル加入者回線(VDSL)を通して送信され
る。制御チャンネルは主要な3つの機能、すなわち1)
チャンネル選択情報のパスと、2)バンド幅の割り当て
と、3)ビットエラーレートを生じさせるチャンネル干
渉の解析を有する。第1機能の一部として適当なチャン
ネルに同調するためのチューナーがWNU内に設けられ
ている。放送情報は多数のVDSLによって共用でき
る。このような仮想チューナーとしての作動により機器
のコストが低減される。第2のチャンネル制御機能、す
なわちバンド幅の割り当てをするために制御信号として
顧客の住宅のモデムからWNUへデータレートリクエス
ト信号が送られる。WNUはこれらリクエスト信号をノ
ードへ送り、ここでは容量の割り当てが仲裁され、指定
される。不十分なシステムリソースしか利用できない場
合、システムは新しくリクエストされたリンクを完成す
る試みにおいて他のユーザーレートの交渉を行う。ネッ
トワーク管理レイヤーではこの情報が管理され、実際に
使用されたデータレートに基づき顧客に課金するのに使
用できる。ノードで発信された通信信号は顧客の選択し
たデータレートを決定するのに管理レイヤーを使用し、
通信セグメント条件に基づきノードはそのデータレート
に必要とされるチャンネルで送信するだけである。ダイ
ナミックな送受信周波数の割り当てを可能にするよう、
WNUおよび送信ノードで周波数ダイバーシティを使用
し、WNUで空間ダイバーシティを使用して完全に満杯
となったノード(すべての搬送波周波数)を実現でき
る。このようなダイナミックなバンド幅の割り当ては可
変またはスイッチング式バンド幅フィルタを使用するこ
とによって達成できるので、ガードバンドを設ける必要
が少なくなるか、ガードバンドを解消できる。最後に、
第3機能は所定の時間におけるチャンネル干渉を解析
し、バンド幅を狭くすることによりキャリア対干渉波
(C/I)特性を改善するものである。これら最後の2
つの技術の効果はシステムに可変データレート能力を与
え、その結果、より効率的にスペクトルを利用できるよ
うにすることにある。
【0066】ノード受信機は信号をダウンコンバート
し、復調し、多重分離し、分配のため交換電話ネットワ
ークへ戻すようにインターフェースする。情報のタイプ
に基づき通信リンクのパスを設定し、優先順序を決定
し、データレートを仲裁し、送受信周波数の分離を管理
し、無線システムをOSSに統合化するのに制御チャン
ネル情報が使用される。
【0067】これまで述べたように、今日設置されてい
る多数のネットワークはこのようなHWWNアーキテク
チャからの利益を享受できる。システムアーキテクチャ
は変わる(例えば1方向対双方向の通信、QPSK対Q
AM、対称データ対非対称データ)ので、これら異なる
アーキテクチャと組み合わせてHWWNを実現する影響
による異なった利点が得られる。例えばQPSK変調を
利用する1方向送信の衛星システムは視軸が広がり、即
座に設置でき、顧客の機器のコストが低下し、設置が簡
単になり、電話ネットワークへ戻る双方向パスが得られ
るという利点が得られる。米国におけるDBSディッシ
ュアンテナに対する現在の取得予想率は67%である。
このことは約33%が信号を受信するのに放送用衛星に
対する直接の視軸を有していないことを意味している。
本発明の設置方法は銅線回線が利用でき、デジタル信号
を処理できることを条件に取得率を90%よりも多い値
に改善できる。
【0068】MMDSは1方向の地上波ビデオシステム
である。HWWNは衛星の場合と同じように取得率を改
善できる。この実施例の双方向の高速データノードと第
2の電話回線を加えることができる。電話のような対称
的なペイロードの送信を行うには、送信モードと受信モ
ードでチャンネル容量が等しくなっていることが必要で
ある。ダイナミックEBRモニタと仲裁データレート能
力およびデジタル圧縮技術を使用することにより容量の
増加量を2倍以上にすることができるHWWNシステム
を設置できる。一部のチャンネル容量を使用して高速イ
ンターネット接続のような新しいアプリケーションをサ
ポートできる。更にデジタルビデオMMDSシステムに
検討されているQAM変調技術は干渉を低減するのにセ
クタ化されたノードを利用し、チャンネル割り当てを管
理できる。
【0069】HWWNデジタル送信アーキテクチャを備
えた最終実施例として変化するデータ容量の要求、情報
のタイプ(データレート)および生じる干渉に基づき、
システムのバンド幅を制御し、割り当てるシステムを開
発することが可能である。図13はかかるシステムの能
力を要約したものである。850MHzの周波数スペク
トル割り当てを仮定すると、集中化をしないQPSK変
調方式は40MHzのRFチャンネル当たり576のD
SOを提供できる。40MHzチャンネル当たりのデー
タレートはオーバーヘッドおよびパイロットトーンを考
慮し、37.056Mbpsとなっている。より高速の
デジタルモデムまたはセクタ化を使用すれば、これらチ
ャンネルレートを高くできる。ダイナミックに制御され
るHWWNシステムは別のRFチャンネル容量を設ける
ことによりこれらレートを高くしている。ガードバンド
用に一般に割り当てられる現在のスペクトルの利用に基
づきダイナミックチャンネル割り当ては更に3つのRF
チャンネルを提供できる。QAM変調および干渉測定並
びに制御能力を利用するHWWNデジタル送信の実施例
は、容量を高めるか、データレートをより高くするのに
いくつかのより多いRFチャンネルを潜在的に提供でき
る。
【0070】要約すれば、本発明のHWWNは低コスト
での多数のアプリケーションを提供し、1)スペクトル
効率を高め、かつ2)干渉を低減するという技術的利点
を提供できる。別の代替方法として、音声バンドより高
い周波数でDSLモデムを使用することにより、中央局
が各加入者回線をモニタする方法が挙げられる。回線が
アクティブになるアナログスイッチが加入者回線を中央
局内のDSLモデムに接続するようになっている。この
ことはAFEモニタリングおよびデジタルスイッチがそ
れぞれより簡単なモニタリングおよびアナログスイッチ
に置換されていることを除けば、図7に類似している。
居住地のDSLモデムから中央局側の(リモートペデス
タル内に物理的に設置されている)AFEまでの加入者
の回線距離を短縮するために、ローカルペデスタルと組
み合わせて同じ方法を使用することも可能である。
【0071】AFE240は中央局220から分離し、
光ファイバーまたは同軸ケーブルを介して中央局に接続
されたペデスタル内に設置でき、各ペデスタルは短距
離、例えば5キロフィート以内に居住地がある状態で加
入者回線の束からタップオフされる。このように長距離
の加入者回線での高い周波数における信号の減衰を防止
できる。
【0072】図14は、DSLモデムのための更に別の
好ましい実施例の居住地と中央局との接続を示す。特に
サービスエリア全体に分散された多数のリモート光ネッ
トワークユニット(ONU)内に中央局のDSLモデム
を設置することにより、撚り対線の回線長さを短くでき
るが、ONU内に多数のDSLモデムを設置するには各
モデムを形状要素およびパワー放出の点で厳密に制限し
なければならない。中央局では居住地の顧客に向けられ
たデジタルデータは他のデジタルデータと共に多重化さ
れ、光ファイバーを通してONUへ送られ、次にONU
は復調分離し、変調し、次にこの変調されたデータを撚
り対線を通して居住地内のDSLモデムを通して顧客へ
送る。
【0073】この好ましい実施例はONU DSLモデ
ムの機能をアナログフロントエンド(AFE)部品とデ
ジタル信号処理部品とに分離し、ONUにAFE部品だ
けを設けることにより、これら形状要素およびパワー放
出の制限を低減している。デジタル信号処理部品は中央
局に残ったままであり、図14に示されるように(多重
化された)光ファイバーによってAFEに接続する。こ
れによりデジタル信号処理部品に対するサイズおよびパ
ワーの制限が解消する。
【0074】中央局ではネットワークインターフェース
がバックボーンデータネットワークを多数のデジタル信
号処理ユニットに接続していることを示す。デジタル処
理ユニットは中央局のDSLモデムが必要とするデジタ
ル処理機能を実行する。デジタル処理にはフレーミン
グ、エラー訂正コーディング、デジタルフィルタリング
等が含まれる。デジタル処理はデジタル値を発生し、こ
のデジタル値は光ファイバーを通してONU内のAFE
内のデジタル−アナログコンバータへ送られる。AFE
はリモートONU内に設置されているので変調および送
信時に使用すべき値のデジタル表示はデジタルフォーム
でAFEに送らなければならない。多数のデジタル処理
ユニットからデータを送るのに高スループット光リンク
が使用され、多重化動作により高速リンクを効率的に活
用している。異なるデジタル処理ユニットからのデジタ
ルデータストリームにはONUへの異なる仮想的データ
パスを割り当てできる。すべての仮想的パスは光ファイ
バー(光リンク)によって物理的レイヤーで送られる少
数のリアルデータパスに多重化できる。ONUでは異な
るリアルパス内のデータは適当な仮想的パス内に多重分
離され、正しいAFEに向けられ、更に撚り対線を通し
て居住地のDSLモデムへ送られる。
【0075】光リンクの相対的容量、DSLリンクの容
量、AFEへ送られるアナログ値のデジタルビット精度
および変調方法は、光リンクに多重化できるDSLリン
クの数を決定する。例えば10ビットを送り、ONU内
のAFEに毎秒総計100メガサンプルを送るのに、毎
秒1ギガビットの光リンクを使用できる。これらは10
個の5MHzDSLチャンネルへの入力を発生できる。
各5MHzのチャンネルが5ビット/Hzのレートデー
タを送る場合、この結果、25Mビット/チャンネルと
なる。すべてのチャンネルに対する総DSL送信レート
は250Mビット/秒であり、総デジタルファイバー伝
送レートのわずか25%しか使用されない。すなわち光
ファイバーは効率的には使用されない。しかしながらこ
の方法は、ONU内に設置された10個の高価なDSL
モデムに対し、安価な1本のファイバーを利用できる。
【0076】図15に示されるように、デジタル信号プ
ロセッサ(DSP)の単一バンク内で中央局のコード化
/デコード化動作を行うことができる。必要に応じ、仮
想通信リンク間でDSPのバンクの総処理パワーを割り
当てできる。異なる仮想リンクに対し同様な動作をグル
ープ分けすることにより、DSPバンク内の効率を高め
ることができる。これにより多くの理由からよりコスト
的に高価的な解決案が得られる。すなわち(1)同期化
が簡略にされ、すべての動作を同じ位置で実行でき、こ
れにより同期化されたDMT回線コードが有利となる。
(2)多数のDSL接続間でデジタルリソースを統計学
的に有利に多重化で切る。(3)干渉除去特性を改善す
るよう、多回線のクロストークキャンセルを実行でき
る。
【0077】デジタル送信システムにおけるスペクトル
整形をデジタル処理とアナログ処理に分散できる。複雑
さが低いアナログフロントエンド(AFE)が望ましい
場合、高性能のレベルを達成するのにより高価なデジタ
ルフィルタリングを使用できる。更にデジタル信号処理
がオーバーサンプリング技術を活用する場合、アナログ
フロントエンドを更に簡略化できる。例えばDSPによ
り4倍のオーバーサンプリングされた信号を発生し、A
FEが高速デジタル−アナログコンバータを使用する場
合、AFEにおけるアナログフィルタリング条件を緩和
できる。ONUでの複雑さを増すことなく、中央局内の
DSPバンク内で更にデジタルスペクトル整形を行うこ
とができる。実際にこれによりONU内のアナログ部品
の複雑さを低減できる。しかしながらオーバーサンプリ
ング技術を使用する場合、AFE内でより高速のデジタ
ル−アナログコンバータおよびアナログ−デジタルコン
バータを使用しなければならず、光リンクよりも高速の
データレートが得られる。最低の全体のコストとの妥協
は部品のコストによって決まる。
【0078】ONU内に設置すべきAFEは種々の方法
で設計できる。AFEのうちで最もパワーを消費する要
素は回線ドライバである。回線ごとのアナログ−デジタ
ルコンバータおよびデジタル−アナログコンバータは最
もコストのかかる部品となる。図16は回路の構造を示
す。
【0079】光リンクをDSLリンクにインターフェー
スするための最もストレートフォワードな方法は、多数
の別個のAFEに対するONUへの入力/これからの出
力信号を多重分離/多重化することである。各DSL回
線は図16に示された部品、すなわちアナログ−デジタ
ルコンバータ、デジタル−アナログコンバータ、アナロ
グフィルタ、回線ドライバおよび自動利得訂正(AG
C)が可能な受信増幅器を備えた専用のAFEを有す
る。光リンク上で同時に維持できる数よりも多い数のD
SL接続をサービスすることにより、光リンクの統計学
的多重化を達成できる。しかしながら多重化/多重分離
はデジタル入力端上で実行されるので、各DSLは1つ
の専用AFEを有していなければならない。
【0080】ONUにおけるアナログ処理リソースを共
用することにより多数のDSL回線に対する全体の効率
を高めることができる。AFEは1つの光学的入力端と
多数のDSL出力端を備えたAFEバンクにグループ分
けできる。多数のDSL間で限られた数のAFEを切り
換えることにより、ONUでアナログリソースの統計学
的な多重化を行うことができる。当然ながら、このこと
により潜在的な通話ブロックの複雑さが増し、DSL接
続を確立したいという要求を信号化する必要が生じる。
しかしながら音声バンドよりも上での狭帯域の制御チャ
ンネルを管理および制御機能のために確定できる。
【0081】ONUでのアナログリソースを共用するこ
とから別の利点が得られる。少数の高性能のAFEをA
FEバンク内の標準的なAFEと組み合わせできる。高
性能のAFEは高精度のアナログ−デジタルコンバータ
とデジタル−アナログコンバータと、より高いサンプリ
ングレートおよびより良好なアナログフィルタとを提供
できる。必要に応じ、AFEバンクによってサービスさ
れる種々のDSL間で高性能のAFEを切り換えること
ができる。このタイプのAFEバンクの複雑な特徴は、
AFE出力信号をDSLに接続するアナログクロスバー
スイッチにある。
【0082】中央局とONUの間でDSLモデムのアナ
ログおよびデジタル処理部品を分離することは、すべて
の回線コードについても当てはまり、このような分離に
より離散的マルチトーン(DMT)変調により無搬送波
振幅(CAP)変調およびその他のデジタル変調方法が
実施できる。
【0083】デジタル処理を多数のモデムから中央位置
での1つのデジタル処理ユニットにグループ分けし、次
にデジタルデータをリモートAFEに分散させる原理
は、図17に示されるような他のリソースアクセス方法
にも適用できる。例えば電話会社の中央局以外の場所に
ネットワークインターフェースが存在する場合にこのア
イデアを適用できる。デジタルモデムの処理はサービス
プロバイダの建物で実行でき、その結果得られるデジタ
ルデータは別の高速デジタル技術、例えばダイレクトマ
イクロウェーブリンク(MMDS)または高性能のケー
ブル接続によりリモート位置へ送信される。この場合に
基本となるアイデアは、デジタル処理をDSLにリンク
された分配ポイントではなくネトワークエンドにおける
MMDSベースステーションへ挿入することにある。
【0084】アナログ処理とデジタル処理とを分離する
別の潜在的な利点は、DSPバンク内のみならず居住地
においてもデジタル処理にエラー訂正技術を適用すると
いうことから生じたものである。このことはDSPバン
クとONUとの間の中間リンクからエラー訂正コーディ
ングを除去できることを意味している。中間リンクを通
した送信中に生じるほとんどのエラーはDSLトランシ
ーバ内で使用される強力なエラー訂正コードによって容
易に訂正できる。このことは低コストの光伝送システム
内で生じる光学的なショット状のノイズを緩和できる。
アナログ伝送媒体の変化する特性に対してAFEを調節
するためのフィードバック情報を送るのに、デジタル処
理ユニットとAFEの間で制御チャンネルを設定しなけ
ればならない。
【0085】中央局を居住地に接続するための上記方法
はADSLおよびその他の非対称的システムに対して更
に改善できる。特にADSLシステムは電話加入者ルー
プとループの各端部に設けられた一対のトランシーバと
から成る。加入者側のADSLトランシーバをATU−
Rと称し、中央局側のADSLトランシーバをATU−
Cと称す。所定の限界よりも長い中央局からの距離にサ
ービスをするには図9に示されるようなリモートターミ
ナルにもATU−Cを設置してもよい。このリモートタ
ーミナルのトラフィックは光ファイバーリンクを通して
中央局にリンクされる。ADSLシステムは多数のチャ
ンネルを提供し、加入者の用途に応じてADSLチャン
ネルの数および対応するバンド幅をダイナミックにアレ
ンジできる。ADSLシステムは576kbpsの総組
み合わせレートを有するデュプレックスのスループット
チャンネルと6.132Mbpsの組み合わせスループ
ットを有するシンプレックスチャンネルを提供できる。
すべてのADSLチャンネルはアクティブになった時に
情報交換のためにバックボーンまたはローカルデジタル
ネットワークのいずれかに接続する必要がある。
【0086】しかしながらADSLシステムの多くの用
途ではトラフィックはバースト状となっている。例えば
代表的なインターネットのアクセスは突発的な上り方向
のリクエストと間欠的な多量の下り方向の転送信号を有
する。換言すれば、ほとんどの時間で専用スイッチおよ
びバックボーンネットワークのバンド幅はアイドル状態
となり得る。バースト状のトラフィックに対しスループ
ットバンド幅の効率を高めるにはすべてのADSL回線
からのトラフィックをともにマージするために中央局で
LANを使用してもよい。同じLANに接続されたルー
ターを使用して希望する宛て先との間でパケットを転送
することも可能である。異なるコンピュータネットワー
クにルーター接続するのにデジタル交換機チが必要であ
る。このような構造では、ADSL回線ごとおよびコン
ピュータネットワークごとに1つのルーターが必要とな
る。図18および類似の図7を参照されたい。しかしな
がら中央局のLANはトラフィックの輻湊と遅延を受け
ることがある。従って、図19および20に示された非
対称の好ましい実施例は、ADSLの上り方向(居住地
から中央局)のレートと下り方向(中央局から居住地)
のレートが異なっていることを活用できる。上り方向で
は図18に示されるようにバンド幅および装置の効率を
高めるのに多重化およびキュー方法を使用する。特に約
500Kbpsのスループットを有する多数のADSL
からのトラフィックを組み合わせるのにマルチプレクサ
をまず使用し、10Mbps以上を処理できる利用可能
なルーターの能力を活用する。コンピュータネットワー
クに直接ルーティングする代わりに異なる性質のトラフ
ィックをバッファ化するのに異なるサイズのキューを使
用する。低レイテンシーのアプリケーション、例えばビ
デオオンデマンドの制御信号に対しては小スループット
および低遅延キューを多数利用できるようになっていな
ければならない。遅延にトレラントなアプリケーショ
ン、例えばインターネットアクセスには大きなバッファ
サイズの高スループットの少数のキューしか必要でな
い。キューの数およびバッファサイズはADSLの数お
よびアプリケーションのニーズに適用できる。例えば1
0本のADSL回線がビデオオンデマンドにアクセスし
ており、10本のADSL回線がインターネットにアク
セスしている場合、上り方向のトラフィックは一般にバ
ースト状であり、インターネットアクセス用に10Mb
psの2つのルータープラス1つのキューが必要とな
り、妥当な大きさのバッファを有するビデオオンデマン
ド制御信号には5つのキューが必要となる。
【0087】コンピュータネットワークからのスループ
ットよりもADSLの下り方向のスループットのほうが
多いと仮定するので、下り方向では各コンピュータネッ
トワークに対してはデマルチプレクサを使用し、各AD
SL回線に対してはマルチプレクサを使用する。図20
を参照されたい。デマルチプレクサは異なるコンピュー
タネットワークからのトラフィックをどのADSL回線
にも利用できるようにするのに使用され、マルチプレク
サは各ADSL回線に対して所望するトラフィックを選
択し、トラフィックを正しいADSLチャンネルに挿入
するのに使用される。デマルチプレクサをマルチプレク
サに接続するには高速バスが必要である。バスのトラフ
ィック負荷に起因し、遅延条件がより敏感となっている
場合には多数のバスも必要となり得る。異なるトラフィ
ックに対し異なるバスを専用とすることも可能である。
再び例として、10本のADSL回線がビデオオンデマ
ンドにアクセスし、10本のADSL回線がインターネ
ットにアクセスしている状態では、下り方向のトラフィ
ックは一般に50Mbpsよりも小さく、高速バスで十
分である。
【0088】図21は、標準的なプロトコルスタッフが
加入者回線140を介して中央局220内の対応するモ
デム100と通信しているウィンドウズ95(またはウ
ィンドウズNT)で作動するパソコン310内のモデム
100を備えたシステムを示し、中央局220はイーサ
ネット(10/100ベースT)インターフェースを介
してインターネットのアクセスサーバーに接続できるよ
うになっている。モデム100はこのモデムのDSL部
分を通してインターネットに接続するのと同時に、PO
TSすなわち音声バンドモデムが他の音声バンドのモデ
ムと通信するのを可能にしている。
【0089】同様に図22は、ローカルエリアネットワ
ーク(LAN)320用のルーター330として作動
し、対応するDSLモデムによりデバイス340、34
2、344と結合するDSLモデムを示す。図23はP
C350内のモデム100に基づくテレビ会議システム
の半分を示す。各テレビ会議の端部は中央局220内の
モデムと384+16Kbpsと通信するモデム100
を有する。中央局のモデムは集信機とパケッタイザ36
0との間でデータを送信し、パケッタイザは16Kbp
sの信号チャンネルをISDNに類似した信号メッセー
ジに変換し、公衆交換電話ネットワークを通してT1/
T3サービスに384Kbpsストリームを加える。受
信側のための中央局220はこれらの動作を逆にし、受
信側モデム100に信号を送る。同様に、逆方向のトラ
フィックが進行する。ここで、テレビ会議における音声
のためにモデム100と共にPOTSを同時に使用でき
ることに留意されたい。ビデオ信号と同期化するために
POTS出力にアナログの遅延回路を挿入できる。
【0090】図24および25はISDNタイプの信号
プロトコルおよびメッセージを示す。モデム100は公
衆交換電話ネットワークを通して音声またはデータを送
る。SS7ネットワークはこのネットワークによる呼設
定および切断のためのISDNユーザー部分の(ISU
P)メッセージを搬送するためのバックボーンとなる。
図29aはマルチモードのモデム500を示す。このモ
ードはDSL AFE110とVB AFE120の双
方のモデム100の特徴を含み、加入者回線140に接
続するためのスプリッタ130と、ISDN線152に
接続するためのISDNフロントエンド540と、ハン
ズフリーのスピーカーフォンをサポートするように使用
できるスピーカー146を駆動し、マイク144の出力
を受信するためのオーディオフロントエンド520とを
含む。外部RAM530は不揮発性(EEPROMまた
はフラッシュEPROM)および/または揮発性(SR
AMまたはDRAM)とすることができる。この外部R
AM530はDSP150で使用できる異なる回線コー
ドに対し種々のプログラムを含むことができる。かかる
回線コードとしてはDMT,QAM、CAP、RSK、
FM、AM、PAM、DWMT等がある。
【0091】モデム100の送信部分はQAMトランシ
ーバロジックの一部として構成された合相および直交パ
スバンドデジタル整形フィルタから成り、受信部分は断
片的に離間した複雑な判断フィードバック等化器(DF
E)と、QAMトランシーバロジックの一部として構成
された合相および直行フィードフォワードフィルタ並び
にクロス結合されたフィードバックフィルタから成る。
オプションとしてQAMトランシーバロジックはビタル
ビ型デコーダを含むことができる。
【0092】モデム500がアクティブであるとモデム
500は音声バンドのモデム機能、DSLバンドのモデ
ム機能、ISDN機能、オーディオ機能、その他回線コ
ード機能または上記機能の任意の組み合わせを提供でき
る。
【0093】本発明は単一のDSPハードウェアデバイ
スで同時に多数の同様なモデムおよび異なるモデムを構
成するシステムも含む。例えば、同じDSPデバイスに
より音声バンド(すなわちV.34)、DSL、ケーブ
ル、地上波および他の無線、および/または衛星モデム
が構成される。このことは、DSPデバイスの処理能力
が増したことにより次第に可能となりつつある。このよ
うな方法の利点としては、システムが多数のモデム(例
えばリモートアクセスシステム(RAS))を必要とす
るような場合にシステム全体のコストを低減できること
にある。処理オーバーヘッドの低減により処理条件を下
げることができ、プログラムおよびデータメモリバッフ
ァを共用することによりプログラムおよびデータメモリ
を低減できる。例えば単一DSPデバイスにより多数の
同様なメモリを構成するとプログラムメモリを低減でき
る。多数のモデム間の同じロジックを共用するだけでな
く、統計学的な多重化およびレート制御を容易にするこ
とにより、インターフェースおよびその他の諸々のグル
ーロジックが低減される。
【0094】近い将来、次のような状況となるが、これ
らの組み合わせは半導体業界の自然の成長と共にDSP
MIPS能力として拡大する。すなわち同一DSPに
おける多数の音声バンドモデム、同一DSPにおける音
声バンドモデムとDSLモデム、同一DSPにおける音
声バンドモデムとケーブルモデム、同一DSPにおける
多数のDSLモデム、同一DSPにおける多数のケーブ
ルモデムおよび/または上記の任意の組み合わせに発展
する。
【0095】図29bは音声バンドおよびそれより高い
周波数のDSLバンドを分離するためのパッシブスプリ
ッタを示す。このスプリッタはインピーダンスマッチン
グを実行し、POTSに対しては許容可能な復帰損失値
を保証する。
【0096】次に図30を参照する。ここには加入者回
線140を介した中央局220への電話機210とモデ
ム500の相互接続の略図が示されている。
【0097】DSL技術に基づき、今日利用できるシス
テムとしては、ISDNの基本レートアクセスチャンネ
ルおよび無中継機T1がある。開発中のDSLシステム
としては、非対称デジタル加入者回線(ADSL)、対
照的デジタル加入者回線(SDSL)、および極高ビッ
トレートデジタル加入者回線(VDSL)がある。DS
Lシステムの伝送スループットはループの損失、ノイズ
環境およびトランシーバ技術に応じて決まる。
【0098】ノイズ環境には自己または外部の近接端ク
ロストーク(NEXT)、遠方端クロストーク(FEX
T)およびバックグラウンド白色ノイズの組み合わせが
あり得る。
【0099】図31は多数の加入者ループ140を示
し、どのようにNEXTとFEXTとが発生するかを略
図で示している。ISDN基本レートアクセスチャンネ
ルのためのDSL(7)伝送スループットは160Kb
psであり、無中継機T1のためのHDSLの伝送スル
ープットは800Kbpsであり、ADSLの伝送スル
ープットは(加入者から電話会社の中央局までの)上り
方向では16Kbps〜640Kbpsであり、下り方
向では1.544Mbps〜6.7Mbpsの間であ
る。MDSLの伝送スループットは現在のところ上り方
向では384Kbpsとなり、下り方向では384Kb
ps〜2.048Mbpsとなると信じられている。
【0100】パスバンドDSLシステムは直交振幅変調
(QAM)または無搬送波AM/PM(CAP)回線コ
ードを使用する単一搬送波システムで構成できる。単一
搬送波システムはチャンネルひずみを補償するために適
応型チャンネル等化器に依拠する。このチャンネル等化
器は通常、信号ボーレートの台数で作動する。図32は
CAPトランシーバのブロック図を示す。
【0101】より詳細に説明すれば、送信フィルタ61
0、612およびフィルタ616にD/A614が接続
され、チャンネル620にフィルタ616が接続され、
フィルタ630にチャンネル620が接続され、A/D
632にフィルタ630が接続され、等化器634、6
36にA/D632が接続されている。回路638の一
部は時間を回復する。
【0102】離散的マルチトーン(DMT)回線コード
を使用する多数の搬送波によりDSLシステムを構成す
ることもできる。DMTシステムはチャンネルを多数の
サブチャンネル搬送波に分割し、チャンネル容量を良好
に活用し、チャンネルひずみを低減し、更にチャンネル
インパルス応答の時間分散を訂正するのではなく、その
時間分散を圧縮するだけの比較的簡単な適応型チャンネ
ル等化器を可能にするものである。簡単な周波数領域等
化器はチャンネル等化を完了する。DMTサブチャンネ
ルの信号ボーレートは単一搬送波システムのボーレート
よりも更に低くなっている。
【0103】図33は、DMTトランシーバのブロック
図を示す。より詳細にはD/A644にはIFFTブロ
ック640が接続され、チャンネル650に接続された
送信フィルタ646にD/A644が接続されている。
チャンネル650はフィルタ660に接続され、このフ
ィルタ660はA/D632に接続され、A/D632
は等化器664に接続され、等化器664はFFTブロ
ック666に接続されている。起動回路642および時
間回復回路668も含まれている。
【0104】ハードウェアのコストを低くし、クロスト
ークノイズレベルを低くするために、MDSLモデムの
実施例は周波数分割全二重方式を使用している。かかる
MDSLモデムは約6.4km(21000フィート)
までのループ長さに対し中央局と加入者との間で最小3
84Kbpsの全二重送信リンクを行う。好ましい加入
者ループ状態では、このMDSLモデムはチャンネル容
量または加入者側のモデムのハードウェア能力によって
制限される、より高い伝送スループットを提供できる。
フル機能バージョンの加入者側MDSLモデムが中央局
側のADSLモデムと通信する。MDSLモデムの送信
機部分と受信機部分とはCAPまたはDMT回線コード
を構成できる。
【0105】図34は、MDSLモデム600のブロッ
ク図を示す。このモデム600は送信機676を有し、
この送信機はD/A674に接続され、D/A674は
フィルタ672に接続され、フィルタ672はスプリッ
タ132に接続されたハイブリッド回路670に接続さ
れている。ハイブリッド回路はフィルタ678にも接続
され、このフィルタはA/D680に接続され、A/D
680は受信信号を出力する受信機682に接続されて
いる。中央局のクロックタイミングを回復するのにタイ
ミング回復ブロック684が使用されている。
【0106】初期化方法の目的は中央局220および加
入者側210の双方において電話加入者ループ140
(DMDSL能力を確認することである。この初期化方
法はチャンネル620を探査し、送信機のトレーニング
に有効な情報を発生する。このプロセスは次に多数の選
択案が利用可能であることを仮定して回線コードを選択
し、チャンネル限度、トラフィック状態または使用料金
に基づき伝送スループットを交渉する。
【0107】後述する初期化方法とはチャンネル探査、
回線コードの選択、レート交渉およびトランシーバトレ
ーニングから成る。加入者側のMDSLモデムは所定の
タイムシーケンスに従い、これら探査トーンのうちの一
部の間で位相を変えながら、または変えることなく、所
定の時間の間、上り方向バンドでプローブトーンを送
る。第1時間の後に中央局側のMDSLモデムはプロー
ブトーンの一部で位相を変えながら、または変えること
なく下り方向バンドでチャンネルプローブトーンに応答
する。
【0108】最初のチャンネルプローブ期間の後に加入
者側のMDSLモデムは中央局側のモデムの回線コード
能力を既に判断しており、下り方向バンドに対するチャ
ンネルモデルを有する。同様に、中央局側のMDSLモ
デムは加入者側モデムの回線コード能力を判断してお
り、上り方向バンドのためのチャンネルモデルを有す
る。
【0109】チャンネルプローブ期間後、加入者側のM
DSLモデムは所定の期間の間、シグネチャートーンを
送ることによりその回線コード能力/優先度を表示/確
認しなければならない。同様に中央局側のMDSLモデ
ムも所定の期間の間、シグネチャートーンを送ることに
より回線コード選択に応答/確認しなければならない。
このシグネチャートーン交換プロセスは特定の回線コー
ド選択を決定するのに限られた回数、繰り返すことが好
ましい。
【0110】次に、伝送レート交渉のために双方の側の
MDSLモデムの間で別の組みのシグネチャートーンを
交換する。加入者側のMDSLモデムはそのレート能力
および優先度を送信する。中央局側のMDSLモデムは
その能力およびそのレート選択に応答する。双方のMD
SLモデムは後述する所定のレート交換方法によりレー
ト選択案を決定する。加入者側側での送信レート優先度
は回線の状態、ハードウェアの能力およびユーザーの選
択またはアプリケーションの条件に応じて決まる。中央
局側の伝送レート優先度は回線状態およびトラフィック
負荷に応じて決まる。回線状態の変化またはユーザーの
選択により通信中にレート変更が認められることが好ま
しい。
【0111】レート交渉後、双方の側のMDSLモデム
は従来の方法に従ってトランシーバのトレーニングを開
始する。異なる回線コードに対しては異なる時間領域の
トレーニングシーケンスを使用できる。オプションとし
て、トランシーバトレーニングプロセスをスピードアッ
プするために、チャンネルプローブ工程中に得られるチ
ャンネルモデルを使用できる。
【0112】図35に、上り方向および下り方向のプロ
ーブトーンのスペクトルが示されている。左側には上り
方向のCAPトーン690と、下り方向のCAPトーン
692が示されており、右側には上り方向のDMT69
4と、下り方向のDMT696が示されている。DMT
スペクトル中の破線は位相のずれを示す。
【0113】簡潔にするため、すべての周波数トーンは
周波数iΔf、振幅aおよび位相Φ(通常、0また
はπである)にて等しく離間しているものと見なす。受
信機では受信されたトーンの振幅および位相を検出でき
る。i番目の周波数トーンの検出された振幅および位相
をそれぞれbおよびψiとする。N個のプローブトー
ンがあると仮定すると、周波数iΔfでのフィルタを含
む等価的チャンネルの周波数応答は次のとおりとなる。
【0114】
【数1】
【0115】等価的チャンネルのインパルス応答は次の
ような高速フーリエ変換によって計算できる。
【0116】
【数2】
【0117】ここで、Tはサンプリング時間であり、周
波数の間隔Δfはチャンネルインパルス応答の広がりに
応じて決まり、n個のサンプリング時間のチャンネルイ
ンパルス応答の広がりに対し、次の式が成立する。
【0118】
【数3】
【0119】ここで、Bは当該総バンド幅である。2つ
の異なる回線コードを区別するため、隣接するトーンの
位相を他方の回線コードから180度反転できる。この
回線コードはDMTとすることができる。チャンネルひ
ずみ後の異なる回線コードを識別するために、次を選択
する。
【0120】
【数4】
【0121】30個のサンプルのチャンネル拡散および
100KHzのバンド幅ではΔf≒1.7KHzを選択
し、Nを64に選択する。
【0122】チャンネルプローブトーンは最終時にチャ
ンネルの広がりの数倍よりも大きくしなければならな
い。可能な位相の変更をさせることによりチャンネルプ
ローブトーンの長さをチャンネルモデルの回復に必要な
長さの4〜10倍にすべきである。
【0123】N個のトーンを使用すると、一定トーンで
単位時間中にM=2個の異なるメッセージを表示でき
る。利用できるボキャブラリは使用されるトーンの数と
共に指数関数的に増加するので、少数の組のトーン、例
えばわずか2つ、3つまたは4つの異なる周波数により
有効なメッセージを送ることができる。
【0124】次はメッセージ例のリストである。 384Kbps/CAP 768Kbps/CAP 1.544Mbps/CAP 2.048Mbps/CAP 384Kbps/DMT 768Kbps/DMT 1.544Mbps/DMT 2.048Mbps/DMT 好ましい最高レート 好ましい最善価格 パケットの多重化は認められる 低レートのみ利用可能
【0125】トーンはDMT回線コードに使用されるよ
うなIFFT演算によって発生できる。チャンネルプロ
ーブ用のIFFT演算に単位振幅のゼロ/180度の位
相ベクトル信号が送られる。シグネチャートーンを発生
するために選択されたゼロ位相ベクトルが使用される。
【0126】これらトーンはDMT回線コードに使用さ
れるようなFFT演算によって回復できる。各トーンの
振幅および位相情報は、複素ベクトルとして回復され
る。ランダムサンプリング位相に起因する共通位相差が
計算される。補償により複素ベクトルが発生され、この
複素ベクトルはトランシーバトレーニングに使用できる
チャンネル伝送スループットおよびチャンネルインパル
ス応答を計算するのに使用される。
【0127】電話ループを通してMDSLサービスが使
用できる場合、中央局側のMDSLモデムをオンにし、
プローブトーン用の上り方向周波数バンドをモニタしな
ければならない。
【0128】一旦電源がオンにされるか、ユーザーサー
ビスリクエストがなされると、加入者側のMDSLモデ
ムは所定時間の間、上り方向のプローブトーンを送り、
次に下り方向のプローブトーンをモニタする。中央局側
のMDSLモデムはプローブトーンを検出し、ランダム
位相を補償し、これらトーンを記憶し、上り方向のチャ
ンネル伝送スループットを計算する。その間に、中央局
側のMDSLモデムは下り方向周波数バンドでプローブ
トーンを送る。
【0129】加入者側のMDSLモデムはプローブトー
ンを検出し、ランダム位相を補償し、プローブトーンを
記憶し、下り方向のチャンネル伝送スループットを計算
する。次に加入者側のMDSLモデムは上り方向バンド
でシグネチャートーンを送り、ラインコードおよび伝送
レート優先度を表示する。
【0130】中央局側のMDSLモデムはシグネチャー
トーンを検出し、好ましいオファーに対応する信号トー
ンに応答する。次に加入者側のMDSLモデムはシグネ
チャートーンを送り、オファーを確認するか、またはオ
ファーの変更をリクエストする。モデムのオファーの確
認後、双方のMDSLモデムはトランシーバトレーニン
グ時間に入る。
【0131】DSL通信チャンネルのスループット容量
は回線状態および/またはネットワークのアクセス性と
共に変化する。回線状態はCOと居住地との間の物理的
接続の達成可能なスループットを決定する。ネットワー
クのアクセス性はDSLチャンネルをバックボーンネッ
トワークにリンクするサービスプロバイダの接続能力を
示している。本発明のレート交渉方法は、DSLシステ
ムの容量制限要因を詳細に理解することを含む。
【0132】DSLシステムはこれまではサービスを提
供すべき最悪のケースの回線状態に対して設計されてい
る。このような方法は電話会社の一般的な設置手順を簡
略化するものである。しかしながら、DSLの伝送スル
ープットを最悪ケースの回線状態で達成されるスループ
ットに制限することにより、ほとんどのDSLシステム
はその潜在力を下回って作動する状態にとどまってい
る。本発明の方法は、各ローカルループの物理的伝送ス
ループットを最大にし、ほとんどのDSLモデムがこれ
まで設計されていたレートよりもはるかに高いレートで
作動できるようにするシステマティックな方法を提供す
るものである。実際に本方法によれば、大多数のDSL
モデムはモデムのハードウェアの能力によってしか制限
されていない伝送スループットに達することができる。
レート交渉方法も回線状態またはネットワークのアクセ
ス性が変化する際に、最高の可能なスループットを維持
するための時間可変適用か方法も提供するものである。
【0133】撚り対線のDSLチャンネルの物理的スル
ープットはノイズおよび干渉が存在する場合に送信信号
を確実に区別でき受信機の能力によって制限される。最
大可能なスループットは図28に示されるような物理的
リンクの理論的チャンネル容量によって上限が定められ
る。このリンクのチャンネル容量は使用されるバンド
幅、受信される信号の特性およびノイズ並びに干渉によ
って決定される。レート交渉方法は、より短いループで
作動するDSLがより高いスループットを達成できるよ
うにする高レートのオプションを提供しながら、極端に
長い電話加入者ループによってサポートできる低レート
のオプションを提供することによりDSLのリーチ範囲
を長くする。
【0134】レート交渉方法はDSL伝送媒体のダイナ
ミック特性を検討する。DSLとはチャンネル状態の改
善/劣化に起因して容量が変化できる時間可変チャンネ
ルである。チャンネル状態が変化するにつれ、理論的最
大スループットも変化する。チャンネル特性の時間可変
の性質は時間にわたりチャンネルの最も効率的な使用を
達成するレート交渉技術が必要なことを決定する。これ
によりスループットを低下することにより異なるチャン
ネル特性の期間中にDSL接続を維持するための能力が
与えられる。このことは、モデムがスループットを高
め、好ましいチャンネル特性の期間中にその接続を最大
に活用できるようにもする。各側のトランシーバがチャ
ンネルをモニタし、状態が変化する際にスループットを
最大にすることが理想的である。利用可能な容量、利用
可能な信号処理リソースおよび特定アプリケーションの
条件に基づき、物理的チャンネルのスループットを増減
する実際の送信機/受信機を設計できる。いくつかのレ
ート適応化方法(例えば標準CCITT V.34の音
声バンドモデム規格)が存在しているが、2つの全く異
なる変調方法のための、特に便利な2つの技術について
後述する。しかしながらレート適応化の技術は他の変調
およびコード化方式に容易に拡張でき、かかる拡張も本
発明の一部であると見なされる。
【0135】これに関連するネットワークのアクセス性
はローカルループからバックボーンネットワークへのデ
ータの転送に関連するレートおよび/または遅延を表し
ている。このような対策は使用される特定のバックボー
ンネットワーク(インターネット、ATM等)、サービ
スプロバイダによって提供されるバンド幅およびネット
ワークのトラフィック量によって影響される。本発明に
より定義される技術は特定バックボーンネットワークで
の使用に限定されるものではない。
【0136】VRDSL接続は所定の伝送スループット
が可能であるが、時々対応するCOのバックボーンネッ
トワークに全体のスループットを接続できないことがあ
る。PSTN(公衆交換電話ネットワーク)を通して送
られるVRDSLにより提供されるサービスでは、サー
ビスが開始された時に限り接続がなされる。ローカルの
COで終了するVRDSLにより提供されるサービス、
例えばインターネットアクセスでは、好ましいコスト構
造に応じて所定のスループットを有する専用回線または
ダイヤルアップ回線の接続を行うことができる。各VR
DSLモデムに対する利用可能なCOバックボーンスル
ープットを異なる時間に異なるようにすることができ
る。異なるアプリケーションに対して加入者が望むスル
ープットも変わり得る。
【0137】VRDSLの物理的送信リンクにより提供
されるスループットより低い実際のスループットによ
り、COバックボーンネットワークでトラフィックの集
中化を実現できる。各CO VRDSLモデムに対し別
個のアナログフロントエンドを使用することにより統計
学的な多重化も実現できる。対応するデジタル部分の必
要な数は、トラフィックのふるまいに応じアナログフロ
ントエンドの数よりも少なくすることが可能である。極
端な場合には音声バンドをトラフィック表示チャンネル
として使用し、RAM内にモデムのデジタルステート部
分のコピーを維持することにより、アクティブなVRD
SLリンク間でCO VRDSLモデムのデジタル部分
を多重化できる。
【0138】図36にはVRDSL通信モデルが示され
ている。このモデルの1つの目的はここに開示したレー
ト交渉技術の理解を助けることにある。このモデルは機
能分離の別個の居住地7210と中央局7220のレイ
ヤー状の表示から成る。図の左側には居住地ターミナル
7210の機能が示されており、最も下のレイヤー73
30は通信ハードウェアレイヤーであり、このレイヤー
は変調器/復調器、信号条件化、タイミング、同期化お
よびエラー訂正コーディングを含む。このレイヤーはデ
ータポンプレイヤーと称することもできる。第2レイヤ
ー7320はハードウェア制御レイヤーであり、このレ
イヤーは下方のレイヤーによって受信されたデータを良
好に組織化するフレーミング制御およびその他のデータ
パッケージング機能を奏す。第3レイヤー7310はハ
ードウェアレベルと居住地で作動するアプリケーション
プログラムとの間のインターフェースとなっている。第
4(頂部)レイヤー7310はアプリケーションソフト
ウェアレイヤーであり、このレイヤーは居住地で作動す
るアプリケーションプログラムによって提供される全て
の機能を含む。このレイヤーは異なる同時アプリケーシ
ョンに割り当てられたスループットを管理するソフトウ
ェアのみならず、アプリケーションプログラム自体の双
方を含む。従来のソフトウェアアプリケーションプログ
ラムはチャンネルをリクエストし、下方のレイヤー(交
渉なし)によって提供される利用可能なスループットを
受け入れる。将来の世代のソフトウェアアプリケーショ
ンプログラムはレート交渉のための条件および能力を有
することができる。
【0139】モデルのCO7220部分も4つのレイヤ
ーを含む。底部の3つのレイヤー7430、7420、
7410は居住地側のモデルに極めて類似している。
(しかしながら実際の構成を根本的に変えることができ
る。)CO内の第4(頂部)レイヤー7400はネット
ワークアクセスソフトウェアレイヤーと称される。この
レイヤーはDSL接続をバックボーンネットワークにイ
ンターフェースするのに必要な機能を奏す。
【0140】レート交渉方法ではモデルの各レイヤーは
下方および情報のレイヤーと通信し、相互作用する。レ
イヤー間の通信のための標準的プロトコルが定義され
る。図36に示されるように、レート交渉を開始するの
に下方レイヤーにR(レートリクエスト)を1つのレイ
ヤーが表示できる。図36には対応する下向きの矢印と
共にRが示されている。下方のレイヤーは情報のレイヤ
ーに達成可能なレートを通知するため、情報のレイヤー
にA(利用可能なレートの通知)を表示できる。図36
には対応する上向きの矢印と共に“A”が示されてい
る。このRとAの情報の意味は異なるレイヤーインター
フェースで異なるが、交渉方法は同じである。
【0141】レイヤー間で符号の信号を送るRおよびA
に対する共通シンタックスとしてレートテーブルが定義
される。このレートテーブルは特定レイヤーが達成を試
みることのできるレートを定義するものである。(一般
にこのレートテーブルはモデムのハードウェアの制限に
より定義される。)レートリクエスト(R)中、上方レ
イヤーは下方レイヤーにレート構造を変えたい要求の信
号を送る。下方レイヤー自体が新しい組の作動パラメー
タに自身を再構成でき、リクエストされたレートを達成
できる場合、上方レイヤーに対してこれが行われ、この
ことが表示される。下方レイヤーがリクエストされたレ
ートを受け入れできないと判断した場合、上方レイヤー
には現在の作動状態(A)で利用できるレートに関する
情報が伝えられる。
【0142】達成できるスループットが小さいかまたは
大きいことにより、作動状態が変化する場合、下方レイ
ヤーがレート交渉を開始することも可能である。上方レ
イヤーには新しい組の達成可能なレート(A)が通知さ
れる。上方レイヤーは新しい状態(R)に基づくレート
リクエストに応答する。この共通レイヤーのインターフ
ェースはレート交渉方法を簡略化する。レイヤーインタ
ーフェースごとにレートテーブルのパラメータは異なる
が、相互対話の方法は類似している。
【0143】各レイヤーはこのレイヤーとDSL接続の
他端にある対応するレイヤーとの間にあるものとして通
信リンクを概念的に検討できる。居住地および中央局内
の対応するレイヤーを接続する回線によって示されるよ
うに、 1.居住地およびCO内の通信ハードウェアレイヤー7
330、7430は非仮想的未処理接続によって接続さ
れる。この接続は実際の変調が行われる物理的接続であ
る。 2.ハードウェア制御レイヤー7320、7420は通
信リンクを仮想的な訂正されたデータストリームと見る
ことができる。これは物理的タイミング、同期化、制御
およびエラー訂正コーディング冗長シンボルが除かれた
後のチャンネルの実際のスループットとなっている。 3.ソフトウェアドライバレイヤー7310、7410
はデータリンクチャンネル(DLC)と称される仮想的
チャンネルとして接続を検討する。便宜上、DLCを多
数のNキロビット/秒のチャンネル(N=16または6
4)を表示するフレームストラクチャとすることができ
る。更に制御チャンネルを特定できる。この制御チャン
ネルは下方のレイヤーチャンネルに埋め込んでもよい
し、DSL接続から完全に分離することも可能である。
例えばV.34モデム接続を介し音声バンド内で制御信
号を構成してもよい。 4.アプリケーションソフトウェアレイヤー7300は
COまたはバックボーンネットワーク内に当該ロケーシ
ョンを提供する、あるデータに対する仮想的アブリケー
ションリンク7500を検討する。
【0144】レート適応化のための基本条件はレートテ
ーブル、すなわちDSL通信モデルの情報レイヤーと通
信できる、良好に定義された組の達成可能なレートであ
る。このレートテーブルは接続の両方の側のハードウェ
アの能力によって決定される。起動またはリセット中、
一対のモデムは双方がサポートできるレートテーブル入
力に一致しなければならない。次にテーブル内のリーガ
ルステートとして所定のチャンネル条件化で認められる
レートが示される。異なるレベルのモデルが他のレイヤ
ー内の細部に関心を払うことなく、このレートテーブル
シンタックスを介して通信できる。このレートテーブル
はある変調方式および/またはコーディング方式から次
の変調方式へと大きく変わり得るが、チャンネル状態に
応じて認められるレートおよび認められないレートの概
念は変化しない。
【0145】次に、本発明の要旨に従い、ハードウェア
制御レイヤー7320、7420と通信ハードウェアレ
イヤー7330、7430との間のレート交渉がどのよ
うに行われるかについて説明する。種々のレートに適応
するように変調パラメータの変更が認められ、レイヤー
はレートを使って相互作用する。次はDSL通信モデル
内の底部の2つのレイヤーで共用できる2つの可能な変
調方式に基づくレート適応化技術およびレートテーブル
の例について説明する。
【0146】デジタル信号を高レートでシリアル送信す
る場合、所定の数のビット、例えばN個のビットを表示
するのにデジタルシンボルが選択される。N個のビット
のグループはチャンネルを通して送信されるシンボルに
マッピングされる。デコーダでは送信されるシンボルを
決定する判断がなされる。正しい判断がなされれば、送
信されたビットは正しくデコードされる。
【0147】スループットを変える方法はシンボルレー
トを一定に維持しながら、各シンボルによって表示され
るビット数を変える。各シンボル内に表示されるビット
数を大きくすると、送信されるビット数が増えるが、ノ
イズに対する抵抗力が低くなる。シンボル当たりのビッ
ト数を低下するとノイズに対する抵抗力が増すが、送信
のロバストネスが改善され、スループットが小さくなる
という犠牲がある。いずれの場合でもバンド幅は同じま
まである。
【0148】スループットを変える他のストレートフォ
ワードな方法は、送信チャンネルで使用されるバンド幅
を変えることである。バンド幅を広げることにより所定
のインターバル内でチャンネルを通してより多数のシン
ボルを送信できる。シンボルレートはほぼバンド幅に比
例しているが、DSLモデムの処理条件はバンド幅と共
に増加し、バンド幅が広くなれば変調/復調のための計
算も増える。利用可能な最大のバンド幅はチャンネル状
態またはモデムのハードウェアの処理能力の制限によっ
て限定され得る。
【0149】まず通信リンクを記述する1組のパラメー
タおよびパラメータが取り得る値の組について定義す
る。公称シリアル伝送レートをRとし、DSLモデムが
変更する最小レートのステッブをdRと定義する。最小
レートがR−2*dRであり、最大レートがR+2*d
Rである場合、達成可能なレートの組は{R−2*d
R、R−dR、R、R+dR、R+2*dR}で示され
る。例えばR=300キロシンボル/秒とし、dR=1
00キロシンボル/秒とすると、達成可能なレートの組
は{100、200、300、400、500}キロシ
ンボル/秒となる。
【0150】Nが送信される各デジタル信号によって送
られるビット数を示すものとすると、例えばVRDSL
モデムは組{2、3、4、5}内のNでの運用をサポー
トできる。Nの値が大きくなれば所定の時間内により多
くのビットを送ることができるが、ノイズに対する許容
値も低くなる。
【0151】RおよびNレートのパラメータを使用し、
上記値を独立して取り得ることが認められると仮定する
と、レートテーブルは次のように定義できる。
【0152】
【表2】 表2.シリアル伝送(例えばCAP)レートテーブルの
【0153】表2におけるレートRはシンボル数/秒を
単位に示されており、簡潔にするため表では科学的表記
法で示されている。この表の項目は各シンボルによって
表示される所定のレートRおよびNビットにおける達成
可能な伝送スループット(キロビット/秒)を示してい
る。
【0154】離散的マルチトーン(DMT)変調はパラ
レルサブチャンネルを通して低レートのデータシンボル
を送信する方式である。高レートのシリアルデータスト
リームを別個のサブチャンネルで送信される多数の低レ
ートのデータストリームに分割することにより、周波数
選択チャンネルに良好に一致するようにシステムを合わ
せることができる。より多数のビット/シンボルを送信
するのにバンド幅全体の良好な部分(信号対ノイズ比
(SNR)を有するサブバンド)を使用できる。基本的
にはバンド幅全体を極めて効率的に使用できるようにサ
ブチャンネルの間にデータを配分できる。
【0155】高レートのシリアルデータストリームと共
に全般的な希望するスループット、チャンネル状態およ
びモデムのハードウェア能力に従ってDMTシステムの
バンド幅全体を増減できる。更にDMT変調は一度に1
つのサブバンド当たりのバンド幅を増減できる能力を提
供する。多数のサブバンドを備えたDMTシステムで
は、この能力により可能なバンド幅を極めて多数選択で
きる。所望すればバンド幅全体を固定しながらサブチャ
ンネルの数を変えることができる。
【0156】説明を簡単にするため、サブチャンネルの
バンド幅が一定であるが、使用されるチャンネルのバン
ド幅全体は使用されるサブチャンネルの数によって制御
されるようなDMTシステムについて検討する。Tは送
信時に使用されるサブチャンネルまたはトーンの数を示
すものとし、Nはサブチャンネルを横断するビット/シ
ンボルの平均数を示すものとする。Nは高レートシリア
ル伝送システムと同じように整数に制限されていない。
しかしながら本例ではNはほぼ整数値であると見なす。
次の表はDMTの場合のレートテーブルの一例である。
【0157】
【表3】 表3. DMT伝送レートテーブルの例
【0158】パラメータTはサブチャンネルの数を示
し、ここで各サブチャンネルは約3.4KHzのバンド
幅を有する。Nはすべてのサブチャンネル内で表示され
るビット/シンボルの平均数を示す。表の項目の単位は
キロビット/秒で示されている。
【0159】実際のDMTレートテーブルは増分として
1だけサブチャンネルを増減できる。更に各サブチャン
ネルに割り当てられたビット数が別々に制御できる。従
って、このDMTレートテーブルは極めて小さいレート
のインクリメント調節に対しても潜在力がある。
【0160】ソフトウェアドライバレイヤー7310、
7410は先に説明したテーブルに極めて類似したレー
トテーブルによりハードウェア制御レイヤー7320、
7420と通信する。しかしながらテーブルのパラメー
タおよびテーブルの項目は異なる。同期化、復調、エラ
ー訂正デコーディングおよびハードウェア制御ビットの
除去後、これまで検討した基本となる変調方式のいずれ
かのためのレートテーブルは次のようになる。
【0161】
【表4】 表4.ソフトウェアドライバレイヤーとハードウェア制
御レイヤーとの間の相互作用に使用されるレートテーブ
【0162】列パラメータは異なるチャンネルリソース
モード(cr1、cr2....cr5)と表示されて
おり、一方、行パラメータは各シンボルによって表示さ
れるビットの平均数に対応する。これら項目はVRDS
Lモデル内の訂正されたデータストリームに対する達成
可能なレートを示す。
【0163】アプリケーションソフトウェアレイヤー7
300、7400とソフトウェアドライバ7310、7
410との間のレート調節情報はレートテーブルまたは
利用可能な総スループットで特定できる。簡潔にするた
め、ソフトウェアドライバレイヤーはアプリケーション
ソフトウェアレイヤーに対する利用可能な総レートを表
示でき、アプリケーションソフトウェアレイヤー内の管
理機能は種々のソフトウェアアプリケーションプログラ
ムに総スループットの一部を割り当てる。次に、総デー
タスループットのパーティションおよび管理の概略を説
明する
【0164】VRDSL内の次の事象により、データリ
ンクレイヤー内のレート交渉が開始される。 −VRDSL内のデータ接続またはチャンネルの現在の
割り当てを変更するリクエスト、例えば新しいチャンネ
ルの要求または現在のチャンネルレートの変更のリクエ
ストが出される。 −VRDSLの物理的レイヤーが総チャンネル容量の変
更を検出すると、総チャンネル容量が増減する。
【0165】VRDSLの初期化後、制御チャンネル
(例えば16Kbpsのチャンネル)が初期チャンネル
接続として割り当てられる。この制御チャンネルは全物
理的回線接続時間中に保留される。また、レート交渉情
報を含むすべての制御情報を送受信するのに使用され
る。
【0166】データリンクレイヤー内のレート交渉は多
数の信号データフォーマットおよび有限ステートのオー
トマトンとして記述できる。
【0167】レート交渉信号データはPPPデータリン
クレイヤーフレーム構造の情報フィールドのようなデー
タリンク制御プロトコル内に封入されている。プロトコ
ルフィールドはVRDSLレート交渉プロトコルのため
のタイプ0xc024を表示する。図37にはパケット
フォーマットが示されている。 コード:このコードフィールドは1オクテットであり、
レート交渉パケットの種類を識別する。コード1〜11
はPPP LCPに対して保留されている。コードはV
RDSLに対し次のような特別な定義を有する。
【0168】 13 チャンネルマップ変更Request 14 チャンネルマップ変更Nak 15 チャンネルマップ変更Reject 16 チャンネルマップ変更Ack ID: このIDフィールドは1オクテットであり、リ
クエストおよび回答のマッチングを助ける。 長さ:この長さフィールドは2オクテットであり、レー
ト交渉信号データパケット全体の長さを示す。 チャンネルマップデータ:このチャンネルマップデータ
フィールドは2以上のオクテットであり、VRDSL回
線内の現在のチャンネル割り当ておよびチャンネル変更
のためのリクエストを示す。このフィールドは自己のヘ
ッダーおよびチャンネルエントリーフィールドによって
表示される情報の2つの部分を含む。 −現在のチャンネルマップ −チャンネルマップ変更リクエスト
【0169】情報のこれら2つの部分はすべて2オクテ
ットのチャンネル入力フィールドによって記述される。
これらを区別する方法は、チャンネルマップ変更リクエ
ストに対しチャンネル入力の最大位ビットをハイにセッ
トすることである。図38にはチャンネルマップデータ
フィールドが示されている。
【0170】コードが14(チャンネルマップ変更Na
k)であると、チャンネルマップデータフィールドは総
容量、利用可能な容量、現在のチャンネルマップおよび
Nakされた1つ以上のチャンネル入力を含む。これら
Nakされたチャンネル入力にはその最大位ビット(m
sb)によってフラグが付けられる。コードが15また
は16の場合、チャンネルマップデータフィールドは総
容量、利用可能な容量および現在のチャンネルマップデ
ータを含む。
【0171】チェックサム:チェックサムフィールドは
標準的なTCP/IPアルゴリズムすなわち(チェック
サムフィールドを除く)フィールド内の16ビットの整
数の全ての合計の1の補数を使って計算される。リンク
レイヤーレート交渉はVRDSLにおけるチャンネルマ
ップ変更(CMC)とも称される。このCMC手順は特
定の事象およびアクションによってトリガーされるステ
ート変化によって記述される。図39および40は、そ
れぞれアクティブおよびパッシブなCMCプロセス中の
リンクレイヤーレート交渉のためのステート図を示す。
【0172】VRDSL通信モデル、送信レートを変え
ることができるモデムのハードウェアおよび可変レート
管理ソフトウェアに基づき、図41に示されるレート交
渉方法を使用できる。図41はレート交渉方法全体の簡
略化された機能図を示す。
【0173】現在のQAMに基づく音声バンドのモデム
は通信を初期化するため呼び出し側モデムと応答側モデ
ムとの間のハンドシェイクシーケンスを利用している。
同期化をするために応答側モデムは対応する星形ポイン
トの交互に変化するシンボルを送信する。V.32モデ
ムは同期化プロセスにおいて図42a内の星形ポイント
A,B、CおよびDを使用する。応答側モデムは256
のシンボルの期間中、交互に変化するシンボルABAB
ABAB....を送信する。256個のシンボルの後
に16シンボルの間で交互に変化するシンボルCDCD
CD....が送信される。2つのシンボルシーケンス
間の移行期は呼び出し側モデムの受信機内の時間基準を
発生するのに使用できる良好に定義された事象を提供す
るものである。第2シンボルシーケンス後、応答側モデ
ムは双方のモデムが知っているシンボルシーケンスの送
信を開始する。このシーケンスは呼び出し側モデムの受
信機における等化器をトレーニングするのに使用され
る。図42aはV.32のトレーニングの星形グラフを
示す。
【0174】音声バンドチャンネル(30Hz〜3.3
KHz)の周波数応答は公称フラットである。チャンネ
ルを等化する前に交互に変化するシンボルABABAB
AB....およびCDCDCD....を確実に検出
できる。しかしながらこれはMDSLモデムのケースで
はない。1/4 T1の間、モデムは電話回線の500
KHzまでのスペクトルを使用する。図42bは電話の
CSAループ6の周波数応答を示す。タイミングの同期
化を試みる前には回線の部分的等化を可能にする起動方
法が必要である。
【0175】好ましい実施例はMDSLモデムに対する
起動ハンドシェイク方法を使用し、更に受信機部分を構
成するのにアルゴリズムを使用する。図42cはCAP
回線コードを使用するCOおよびRU MDSLモデム
に対する提案された起動方法のための時間軸を示す。下
記の表は図42cの種々のセグメントを識別するもので
ある。
【0176】
【表5】
【0177】起動方法は次のとおりである。 COモデム 1.COモデムは常時オンであり、アイドルステートと
なっているものとする。このモデムはセグメントAを連
続して送信し、セグメントBを受信する。 RUモデム 1.RUモデムはオンライン状態となり、COモデムか
らのセグメントへの受信を開始する。 2.セグメントAを一旦検出すると、このモデムはセグ
メントDの送信を開始する。 COモデム 2.COモデムがRUモデムからのセグメントDを検出
すると、RUモデムから更にハンドシェイクすることな
くセグメントB、Cおよび有効データを送信する。 RUモデム 3.RUモデムはセグメントBを受信し、一旦検出する
とCOモデムからのハンドシェイクを行うことなくセグ
メントE、Fおよび有効データを送信する。 4.セグメントBの検出は同期化方法における重要なタ
イミングの時間である。このセグメントが検出された後
にRUモデムはセグメントCからのデータを使用して等
化器のトレーニングを開始する。 COモデム 3.COモデムはRUモデムからのセグメントEを受信
する。セグメントEの検出は同期化方法における重要な
タイミングの時間である。このセグメントが検出された
後にCOモデムはセグメントFからのデータを使用して
等化器のトレーニングを開始する。
【0178】受信機は初期のタイミングの同期化をする
のに周期的内等化技術を活用する。RUモデムは起動時
に時間がKシンボル時間(例えばKは15でよい)に等
しい部分的に離間した適応型等化器を設定する。この等
化器を同期等化器と称す。同期等化器がシンボル時間の
2倍で作動する場合、必要なタップ数は2xKとなる。
シンボル期間当たり4サンプルの場合、必要なタップ数
は4xK等となる。
【0179】受信機は同期等化器のトレーニングデータ
のための送信機と同じKシンボルシーケンスを使用す
る。等化器の長さはシンボルシーケンス長さの倍数であ
るので、送信されるシーケンスと受信機の基準シーケン
スとの間の相対的位相は問題とならない。
【0180】同期等化器の2乗平均エラーがスレッショ
ルド値よりも低下すると、セグメントAが検出される。
受信機は適応化プロセスを停止し、係数を解析する。次
に同期等化器のフィルタの前で最大エネルギーを有する
N個の連続する係数をグループ分けするように、受信機
は係数を円形に回転する。NはCAP復調で使用される
直交適応型フィルタの長さである(次の章を参照された
い)。これにより受信機のシンボル時間と送信機のシン
ボル時間とが一致する。
【0181】回転後、受信機は信号のフィルタリングを
続けるが、同期等化器の係数は更新しない。次に長さK
のマッチングされたフィルタへ同期等化器の出力が送ら
れる。このマッチングされたフィルタはセグメントBの
検出に使用される。このフィルタの係数は送信されるチ
ャンネルのシーケンスBである。このシーケンスは2つ
の値しか有していないので、2進相関器を使用すること
も可能である。
【0182】マッチングされたフィルタ(相関器)の出
力がスレッショルド値よりも大きくなると、受信機は次
のシンボルがトレーニングデータの開始であることを知
る。この時、受信機はCAP復調で使用される直交適応
型フィルタを構成する。これらフィルタは部分的に離間
した適応型等化器であり、この等化器の長さは実際の物
理的チャンネルのインパルス応答に応じて決まる。これ
ら復調等化器はセグメントCの既知のトレーニングデー
タを使用してトレーニングされる。トレーニングが完了
した後、復調等化器は判断指向モードに入り、ここでC
APスライサから基準データが得られる。
【0183】次に図43aを参照する。ここにはDMT
回線コードと共に使用するための時間領域等化器トレー
ニングシーケンスが示されている。DMT用の本発明の
部分は通常の周波数領域のトレーニングシーケンスを使
用する代わりに図43aに示された時間領域のトレーニ
ングシーケンスを使用する。トレーニングシーケンスの
基本単位はランダムデータブロック{x}、0≦n<
Nである。図43aに示されるように、データブロック
の符号が2つのブロックごとに交互に変化しながらラン
ダムデータブロック{x}が時間内で繰り返されるよ
うな全シーケンスとなっている。
【0184】説明を簡単にするため、次のような表記を
用いる。時間領域の等化器のタップをwとし、(時間
領域の等化器を含む)チャンネルインパルス応答をh
とし、等化器の前の受信機データをy[n]とし、等
化器の後の受信機のデータをz[n]とする。ここで
mはデータブロック上のラベルを示す。図43aにおけ
る送信された信号に対応する受信された信号は次のよう
になっている。
【0185】
【数5】
【0186】ここでpはトレーニングシーケンスに重
ねられるパイロットトーンである。これら式の右辺の第
2項は先のフレームからのシンボル間干渉に対する属性
であり、この第2項は次の演算フレーム4−フレーム1
を実行することにより第1項から分離できる。
【0187】
【数6】
【0188】プリフィックス長さをLとすると、理想的
チャンネルインパルス応答は次のとおりとなる。
【0189】
【数7】
【0190】条件(2)は次のように時間領域等化器機
が選択される場合に満たすことができる。
【0191】
【数8】
【0192】式3は次の線形式の集合になることを証明
することは容易である。
【0193】
【数9】
【0194】
【数10】 となるようにトレーニングシーケンスを選択した場合、
式(4)の一義的な解はh=0(ここでk≧L)であ
る。これは(2)と同じである。
【0195】
【数11】 であるので、式(1)は次のように表すことができる。
【0196】
【数12】
【0197】式(3)と(5)とを組み合わせ、LMS
アルゴリズムを使用すると次のように繰り返すことによ
りwを見つけることができる。
【0198】
【数13】
【0199】フレーム境界情報は上記トレーニングシー
ケンスからも得られる。式(1)から分かるようにトレ
ーニングシーケンスのブロックがチャンネルインパルス
応答よりもかなり長い場合、Nがフレーム4の端部まで
増加する際、hN=k→0となるにつれてerr[n]
は0に近づく。しかしながらフレーム5でデータがスタ
ートすると次のようになる。
【0200】
【数13】
【0201】ADSLアプリケーションでは高周波では
銅線内での減衰は大きいので、チャンネルインパルス応
答hは符号を極めて頻繁に切り替えることは予想され
ない。トレーニングブロック{x]の開始点でのx
の値が同じ符号であれば、式7における合計値は建設的
となる。従って、フレーム境界n=0でerr[n]の
大きさが増加し始める。図43bはerr[n]の時間
シーケンスを示す。図43bに示されるように、発生す
るシーケンスerr[n]の立ち上がりエッジをフレー
ム同期化に使用でき、err[n]の後方エッジを時間
領域の等化器トレーニングに使用できる。err[n]
の立ち上がりエッジにおける理由と同じ理由から、式
(1)の合計値を構成的にするためには、ブロックx
N−kの端部におけるトレーニングシーケンスの要素も
同じ符号となっていなければならない。上記シーケンス
は次の演算を実行することによっても容易に検出でき
る。
【0202】
【数14】
【0203】フレームのパワーdet[n]pwr
etとフレームのパワーz[n]pwrとを比較する
と、pwr det<<pwrであればトレーニングシ
ーケンスが既に検出されたことを示す。トレーニングシ
ーケンスの終わりに図43cに示されるようなデータブ
ロックパターンを送ることができる。次に、対応する受
信信号は次のようになる。
【0204】
【数15】
【0205】この場合、検出信号は次のとおりとなる。
【数16】
【0206】この検出フレームのパワーはデータフレー
ムのパワーよりも大きい。すなわちpwr det>p
wrとなる。一旦受信されたデータストリーム内でpw
det>pwrが検出されるとDMT受信機はトレー
ニングシーケンスの終了部であると判断する。フレーム
5にはトレーニングシーケンスを終了するためのデータ
パターンが挿入されており、このデータパターンは時間
領域等化器のトレーニングではなく、境界の検出に使用
されるので、時間領域の等化器の更新には影響しない。
【0207】時間領域の等化器のトレーニングの後に、
送信機は周波数領域の等化器をトレーニングするのに別
のシーケンス{y}を送らなければならない。周波数
領域の等化器のトレーニングシーケンスは正確に繰り返
し可能なブロック{y}]から構成できる。図43d
はトレーニングシーケンスの全体を示す。トレーニング
シーケンス{y}の開始時にはpwr detは高い
ままである。
【0208】MDSLの回線管理部分は単一リンクモー
ドの専用回線下で作動するようにホストソフトウェアが
予めMDSLを再構成できるようにする。現在のところ
MDSLは次のモードを使用する。 ・単一リンクを備えた専用回線(LLSL) ・マルチリンクを備えた専用回線(LLML) ・ソフトダイヤルを備えた交換回線(SLSD) ・ハードダイヤルを備えた交換回線(SLHD)
【0209】LLSLモードでは遠隔通信回線はリモー
トMDSLシステムによりMDSL通信にしか関与しな
い。この回線接続モードでは1つのデータリンクしか認
められない。従って、リンク管理は回線管理と同じであ
る。
【0210】LLMLモードはLLSLと同じように作
動するが、同じ専用回線内で異なるスピードでのマルチ
リンク接続を可能にする点が異なっている。回線速度の
容量に対してリンク数およびリンク速度をダイナミック
に構成できる。このモードでは各リンクは独立した専用
回線のように作動し、同じ回線管理方式に従うが、リン
ク向きである点が異なっている。
【0211】SLSDモードは交換MDSL回線で作動
し、このMDSL回線ではリモートサーパーによって制
御されるMDSL−CによってMDSL−Rモデムが自
動ダイヤルされる。このモードでは回線管理は通常の従
来の電話サービス(POTS)回線と独立した特別なM
DSLダイヤルアップ手順に従う。MDSLモデムダイ
ヤルアップ手順はMDSLモデムの内部初期化プロセス
によって決められている。この手順は2つのダイヤルア
ップIDを有する。1つはMDSL−Cポートに関連す
るものであり、他方はMDSL−Rモデムに関連するも
のである。MDSL−CポートのためのIDはちょうど
加入者の電話番号に1けたを加えた番号とすることがで
きる。追加する桁を0とすることによりMDSL−Rモ
デムのIDを加入者の電話番号+1に選択した1桁とす
ることができる。その他、2〜9までの8つの値を保留
する。
【0212】SLHDモードは音声バンドモデムのモー
ドと同じように作動するが、MDSLダイヤルアップ手
順を伴っている。MDSLモデムは電話番号を記憶する
か、またはアプリケーションによりマニュアルでダイヤ
ルされる。
【0213】次の章ではモード動作の一例として単一リ
ンクモードを有する専用回線下のMDSL回線接続管理
について説明する。
【0214】MDSL回線管理ホストインターフェース
はホストソフトウェアによりデータパケットを送受信す
る準備状態となるように回線を構成するようにできる。
ホストソフトウェアはデータフローを停止させるために
マニュアルで回線接続を停止することも可能である。
【0215】MDSL回線管理ホストインターフェース
内の回線構成コマンドはホストソフトウェアが回線をM
DSLサポートされた回線モードのうちの1つに構成す
るのに使用される。LLSLモードではこのコマンドは
送受信データレート、最大フレームサイズおよびデータ
リンクプロトコルも設定する。このコマンドは通常MD
SLの初期化またはエラー回復プロセス中にコールされ
る。このコマンドを成功裏に実行した後、コンフィギュ
レーション下のMDSLは回線を通してデータパケット
を送受信する準備状態となる。LLMLではデータリン
クはデータフローを可能にするようにオープンまたはク
リエイトされなければならない。MDSLの回線コンフ
ィギュレーションは非同期手順となっている。MDSL
によって発生された「回線接続」インターラプトにより
回線が成功裏に構成されたことが、HOSTに通知され
る。図44にはMDSLにおける回線コンフィギュレー
ションプロセスが示されている。ホストインターフェー
ス:
【0216】
【0217】LineMode入力パラメータはどの回
線モードに対してMDSLを構成すべきかを特定する。
このパラメータは次の定義を有する。 0−単一リンクを備えた専用回線 1−マルチリンクを備えた専用回線 2−ソフトダイヤルを備えた交換回線 3−ハードダイヤルを備えた交換回線
【0218】TxSpeedおよびRxSpeedは上
り方向および下り方向の回線速度を示す。MaxTxF
rameSizeおよびMaxRxFrameSize
パラメータはデータを送受信するための最大フレームを
特定する。TxProtocolおよびRxProto
colはデータを送信するために使用される物理的レイ
ヤーのフレーミングプロトコルを定める。現在、このプ
ロトコルは次の定義を有する。
【0219】ビット0−ビット1はフレーミングプロト
コルの名称を定義する。 00− 生のMDSL(データのパケット化は行わな
い) 01− MDSL固有のパケット化 10− HDLC(高レベルのデータリンク制御) ビット2はパケットヘッダーの圧縮があるかどうかを示
す。ビット3はパケットデータの圧縮があるかどうかを
示す。ビット4はデータを暗号化するかどうかを示す。
【0220】MDSL回線管理ホストインターフェース
ではHalt LineコマンドがMDSLにデータフ
ロー制御に対するデータの送受信を停止させるよう命令
する。このコマンドは内部データ送信バッファおよびス
テータスフラグのすべてをクラッシュし、リモートMD
SLへメッセージを送り、リクエストを通知してマニュ
アルで回線を「回線切断」ステートにする。このコマン
ドは回線が「回線接続」ステートになっているときに効
果がある。そうでない場合はエラーをリターンする。H
alt Lineとは非同期プロセスであり、図45に
示されているように、回線が「回線切断」ステートにな
っていることがHOSTに通知される。
【0221】ホストインターフェース: MdslHaltLine() MDSLの内部では回路のハンギングまたは予想されな
い事をレポートするよう回線ステータスをモニタするの
に使用される回線ステートエンジンがある。MDSL専
用回線モードでは次のような回線ステートが定義され
る。 ・回線ドロップ −回線が抜かれているか、破壊されて
いるか、全く物理的な信号が受信されないステート ・回線切断 −回線が物理的に接続されているが、デー
タを送信するレディ状態となっていないステート ・回線接続 −回線がデータパケットを送受信できるレ
ディ状態となっているステート
【0222】MDSL回線マネジメントホストインター
フェースは回線ステータス情報を得るのに2つの方法を
提供している。1つの方法はGet Line Sta
tusコマンド、すなわちMdslGetLineSt
atus(OUT LineStatus、OUT L
ineConfigure)をコールすることである。
【0223】LineStatusパラメータは上記M
DSL回線ステータス情報をリターンする。LineC
onfigureはMdslLineConfigur
e()コマンドによって設定される回線コンフィギュレ
ーション情報を記憶するのに使用されるストラクチャで
ある。
【0224】ホストソフトウェアに回線ステータスの変
化を通知する他の方法は、回線管理事象を登録する方法
である。MDSLは所定の事象が生じたとき、ホストソ
フトウェアをインターラプトできる。回線管理に関連し
た事象は次のとおりである。 ・回線接続:既に回線接続は設定済みである。 ・回線切断:先に接続された回線はMdslHaltL
ine()のコールまたは所定の予想されない事のいず
れかにより切断されている。 ・回線ドロップ:回線は物理的に切断されており、回線
では全く信号が受信できない。
【0225】図46に示されるように回線ステータスを
ホストソフトウェアが周期的に検査できるようにMDS
Lによって発生されるタイマーインターラプトも設けら
れている。互いに接続された2つのMDSL間で回線接
続メッセージを交換する必要がある。これらメッセージ
はMDSL内の特別な回線管理パケットとして定義され
ている。
【0226】MDSL−CとMDSL−Rとの間で回線
接続管理情報を交換するために次の種類の回線制御メッ
セージパケットが定義される。 ・回線コンフィギュレーションコマンドパケット ・回線停止コマンドパケット ・アクノーレッジメントパケット
【0227】次に図47を参照すると、ここには回線コ
ンフィギュレーションコマンドパケットのためのフォー
マットが示されている。IDは1オクテットであり、コ
マンドおよび応答のマッチングを助ける。長さはオクテ
ット単位のパケット長さである。
【0228】コンフィギュレーションデータは次の情報
を含む。 ・先に定義された回線モード ・データ送り伝送速度 ・データ受信速度 ・最大伝送フレームサイズ ・最大受信フレームサイズ ・先に定義されたデータ伝送プロトコル ・先に定義されたデータ受信プロトコル
【0229】標準的TCP/IPアルゴリズム((チェ
ックサムフィールドを除く)メッセージ内の16ビット
のすべての整数の合計の1の補数)を使ってチェックサ
ムが計算される。
【0230】次に図48を参照すると、ここには回線停
止コマンドパケットのためのフォーマットが示されてい
る。IDは1オクテットであり、コマンドおよび応答の
マッチングを助ける。長さはオクテット単位のパケット
長さである。
【0231】標準的TCP/IPアルゴリズム((チェ
ックサムフィールドを除く)メッセージ内の16ビット
のすべての整数の合計の1の補数)を使ってチェックサ
ムが計算される。
【0232】次に図49を参照する。ここにはアクノー
レッジメントパケットのためのフォーマットが示されて
いる。
【0233】コードはどの種類のアクノーレッジメント
パケットであるかを定義する。次のような定義がある。 2−回線コンフィギュレーションアクノーレッジメント 4−回線コンフィギュレーションリジェクト 6−回線停止アクノーレッジメント IDは1オクテットであり、コマンドおよび応答のマッ
チングを助ける。長さはオクテット単位のパケット長さ
である。
【0234】ステータスコードは次の定義を有する。 ・SUCCESS ・認識されないパケットID ・コンフィギュレーションデータの一部を受け入れでき
ない ・コンフィギュレーションを完全にリジェクト ・チェックサムエラー
【0235】データはリモート側でコンフィギュレーシ
ョンデータのどの部分を受け入れできないかを特定す
る、0または偶数のオクテットを含む。
【0236】標準的TCP/IPアルゴリズム((チェ
ックサムフィールドを除く)メッセージ内の16ビット
のすべての整数の合計の1の補数)を使ってチェックサ
ムが計算される。
【0237】電源がオンにされた後、MDSL−Rはそ
の内部初期化プロセスを自動的に進める。このプロセス
には4つの工程、チャンネルプローブ、回線コード選
択、レート交渉およびトランシーバトレーニングが含ま
れる。初期化方法後、MDSL−Rはスタンバイモード
に移行する。この時の回線ステートは先に定義した回線
切断ステートとなっている。回線が物理的に接続された
ことが検出されるとHOSTソフトウェアは回線コンフ
ィギュレーションのためにMDSL−RへMdslLi
neConfigure()コマンドを送る。MDSL
−Rは次にコンフィギュレーションデータと共に回線コ
ンフィギュレーションコマンドパケットをMDSL−C
へ送る。MDSL−Cは回線コンフィギュレーションコ
マンドを受信し、コンフィギュレーションデータをチェ
ックした後、アクノーレッジメントパケットを送り、回
線コンフィギュレーションを確認する。MDSL−Cが
コンフィギュレーションデータを受け入れできない場
合、このMDSL−Cはコンフィギュレーションリジェ
クトパケットを送る。更に、どの種類のエラーであるか
を特定するステータスメッセージも送る。コンフィギュ
レーションデータの一部しか受け入れできない場合、デ
ータフィールドには図50に示されるように、受け入れ
できないコンフィギュレーションデータが含まれる。
【0238】接続が確立された後、次の事象が生じるま
で回線は接続されたままである。 ・回線は挿入されていないか、破壊されている事象。 ・MDSL−Rの電源が低下している事象。 ・MDSL−Cがサービス状態でない事象。
【0239】MDSL−Cが停止しようとしているか、
またはMDSL−Rがパワーダウンされるときは、回線
停止コマンドパケットが送られる。このコマンドの送り
手はアクノーレッジメントパケットが受信されるか、ま
たは回線停止コマンドがタイムアウトするまで回線停止
コマンドパケットの送信を続ける。受信機側ではメッセ
ージの送り手にアクノーレッジメントパケットを送り戻
し、回線が切られていることを確認した後に、すべての
内部データバッファおよびステータスフラグをクリアす
る。次に回線ステートは「回線切断」ステートに変化す
る。図51は、サービス停止前の回線停止コマンドを送
るMDSL−Cの一例を示す。
【0240】MDSLホストインターフェースは16ビ
ットのホストコントローラに対し簡単で、ユーザーフレ
ンドリーで、効率的で、低コストのインターフェースを
提供するようになっている。このホストインターフェー
スは次の機能を提供する。 ・ホストとMDSLネットワークインターフェースカー
ド(NIC)との間のコマンド/制御通信 ・回線接続管理 ・送受信データパケット
【0241】ホストコマンド/制御通信機能にはデバイ
スの初期化、EEPROM内に含まれない場合のローカ
ルRAMへのDSPコードのダウンロード、MDSLへ
のコマンドの送信、ステータスの変化のモニタおよびレ
ポートが含まれる。
【0242】異なる回線モード、例えばダイヤルアップ
回線モードおよび専用回線モードに従い、2つのMDS
L−CとMDSL−Rとの間の回線接続信号を変えるこ
とができる。ダイヤルアップ回線モードは基本的な電話
機能、すなわちPOTSに対応する保証された組の機能
を提供する。このモードでは接続を確立するために、シ
ステムソフトウェアおよびハードウェアはMDSL−R
側では電話アプリケーションプログラミングインターフ
ェース(TAPI)により作動し、MDSL−C側では
電話サービスプロバイダインターフェース(TSPI)
に従って作動しなければならない。専用回線モードでは
MDSLを初期化した直後に接続が確立する。しかしな
がらこれによっては標準POTSサービスは提供されな
い。
【0243】MDSL(例えばHDLC)には物理的レ
イヤーのパケット化を使用することが好ましい。PPP
に対する最大パケットサイズは1500バイトである
が、このサイズはフレームに対し32バイトのオーバー
ヘッドを可能にすべきである。MDSLはパケットバッ
ファから回線へデータを送り、パケットが既に送られた
ことをホストに通知する。更に受信バッファに新しいパ
ケットが入れられたことをホストにも通知する。MDS
Lでは送受信バッファを共用メモリとすることができ
る。
【0244】次のコマンドおよび制御信号を使用するこ
とができる。 1.リセット シンタックス:Reset() 説明:システム内のコマンドに実行のすべてを停止し、
送受信バッファをフラッシュし、内部リセットを実行す
る。 パラメータ:なし リターン:なし
【0245】 2.DSPモジュールのロード シンタックス:LoadDspModule(ModuleAddr,Mod uleSize) 説明:DSPをMDSLへロードする。 パラメータ:ModuleAddr−DSPモジュールのスタートアドレス ModuleSize−DSPモジュールサイズ リターン:なし
【0246】3.インターラプトマスクのセット シンタックス:SetInterruptMask(E
ventMask) 説明:所定の事象の発生に基づきホストプロセッサのイ
ンターラプトをイネーブルにする。 パラメータ:EventMaskはインターラプトマス
クに対する16ビットの整数値である。テーブル5はマ
スク内のビットを識別する。1つのビットに対する1の
値はそのビットに対応するインターラプトをイネーブル
する。テーブル内に定義されたすべてのビットは将来使
用するために保留されており、0にセットすべきであ
る。
【0247】
【表6】
【0248】4.インターラプトステータスの取り込み シンタックス:GetInterruptStatus
() 説明:所定の事象の発生に基づきインターラプトステー
タスを取り込む。 パラメータ:なし リターン:EvenStatus。MDSLは表5内の
EventMaskパラメータの定義に対応する16ビ
ットのステータス番号をリターンする。この機能をコー
ルすると、ちょうどファイアーされたインターラプトが
クリアされる。
【0249】次の回線接続管理コマンドが利用可能であ
る。 1.回線コンフィギュレーション シンタックス:LineConfigure(Line
Mode) 説明:データパケットを送受信するよう回線をレディ状
態に構成する。 パラメータ:LineModeはMDSLが構成される
凹線モードの種類を示す。このパラメータは次のビット
定義を有する。定義されていないすべてのビットは将来
使用するために保留されている。
【0250】
【表7】
【0251】2.回線ステータスの取り込み シンタックス:GetLineStatus() 説明:このコマンドは16ビットの数字をリターンし、
現在の回線ステータスを表示する。 パラメータ:なし リターン:LineStatus。このリターンされる
番号の定義は表7に示されている。
【0252】
【表8】
【0253】3.接続された回線を停止 シンタックス:HaltLine() 説明:MDSLにデータフロー制御のためにデータの送
受信を停止することを命令する。これはすべての内部バ
ッファをフラッシュし、マニュアルで回線を切断ステー
トにする。 パラメータ:なし リターン:なし
【0254】次のデータ送受信パケットコマンドを利用
できる。 1.パケットを送る。 シンタックス:SendPacket(DataPt
r, Size) 説明:このコマンドはMDSLの送信バッファに1つの
データパケットをコピーしたことをMDSLに伝える。
バッファからパケットが除かれた後にインターラプトが
発生される。 パラメータ:DataPtrはデータパケットが記憶さ
れる送信バッファのメモリアドレスをポイントする。こ
のパケットの長さは最大の認められたパケットサイズ以
下とすべきである。 リターン:なし
【0255】2.受信情報をチェック シンタックス:CheckReceiveInfo(D
ataPtr,Size,ErrorFlag) 説明:このコマンドは受信バッファ内にパケットがある
かどうかに応じてTRUE(1)またはFALSE
(0)をリターンする。 パラメータ:パケットを記憶するメモリアドレスをリタ
ーンするのにDataPtrが使用される。受信パケッ
トのサイズを利用できるするのにSizeが使用され
る。送信中に生じたエラーがある場合、エラーフラグは
非ゼロにセットされる。
【0256】3.送信情報をチェック。 シンタックス:CheckSendInfo() 説明:このコマンドはMDSLの送信バッファが空であ
れば0をリターンする。そうでない場合、バッファ内に
残されていたバイト数をリターンする。 パラメータ:なし リターン:バッファデータサイズを送る。送信バッファ
が空の場合、0となる。そうでない場合、送信バッファ
内に残されていたバイト数となる。
【0257】図52、53は居住地におけるパソコンに
おいて共通な状況であるウィンドウズ95またはウィン
ドウズNT環境を有するホストと共に使用されるモデム
100用ドライバのソフトウェア構造を示す。図54
は、より一般的なソフトウェアドライバの構造を示す。
【0258】MDSL NICのシステムソフトウェア
はウィンドウズNT3.5およびウィンドウズ95オペ
レーティングシステム用のNDIS3.0WANミニポ
ートドライバとして構成されている。次の3つのパース
ペクティブに分解される。 1.ウィンドウズNT3.51およびウィンドウズ95
によりミニポートデバイスドラィバとして構成されたシ
ステムソフトウェアによるシステムの機能 2.システムが実行する入出力データ処理 3.システムソフトウェアとNDISライブラリとの相
互作用
【0259】MDSLドライバはネットワークシステム
のメディアアクセスコントロール(MAC)サブレイヤ
ーを制御し、管理するために、NDISミニポートドラ
イバとして構成される。この構造は図53に示されてい
る。この構造はウィンドウズNTまたはウィンドウズ9
5のインターネットシステムソフトウェア内の1コンポ
ーネントとなる。MDSLドライバはNDIS3.0で
特定されるインターフェースおよびデータ構造の定義に
従う。このドライバはシステムを機能させるためにシス
テム内に設置または統合する必要がある。
【0260】MDSLドライバはWANネットワークイ
ンターフェースカードドライバとして機能する。このド
ライバは上部エッジ上のプロトコルドライバと相互作用
し、下部エッジ上のMDSL NICを制御する。これ
らの相互作用および制御信号のすべてはウィンドウズN
T/ウィンドウズ95内のNDISライブラリまたはN
DISラッパーを通って進む。
【0261】図55は、システムソフトウェア内のデー
タフローパスを示す。この図55は、入進データがどの
ようにNICカードによって受信され、ドライバへ送ら
れ、このドライバにて種々の機能を通してトランスポー
トインターフェースへ送られ、ドライバへ戻されるかを
示している。
【0262】MDSLドライバはMDSLネットワーク
アダプタと共に作動する。このドライバは家庭のパソコ
ン内にMDSL−Rと共にインストールされ、同じドラ
イバを作動させるMDSL−Cと接続されるが、MDS
L−C変調アルゴリズムは異なっている。MDSL−C
サイト上のインターネットルーターを用いると、MDS
L−RはMDSL NICを通して多数のインターネッ
トアプリケーション、例えばTELNET、FTPおよ
びNetScapeを作動できる。データ通信および音
声通信も同時に行うことができる。
【0263】次のエントリーポイントまたは機能はND
IS3.0仕様を完全に満たす。ドライバエントリーポ
イント(ドライバエントリー)はドライバがメモリにロ
ードされる際にオペレーティングシステムによってコー
ルされる主なエントリーポイントである。入力 DriverObject:オペレーティングシステム
によって作られるドライバオブジェクトに対するポイン
タである。 RegistryPath:登録パラメータを読み出す
のに使用される登録パス名へのポインタである。
【0264】出力 リターン値:STATUS SUCCESSまたはST
ATUS UNSUCCESSFUL DriverEntryは次のことを行う。 1.NDIS WANラッパーを初期化するためにNd
isMInitializeWrapperラッパーを
コールすること。 2.特性テーブルを初期化し、MDSLドライバのエン
トリーポイントをNDIS WANラッパーへ出力する
こと。 3.NdisMRegisterMiniportをコ
ールし、MDSLドライバをNDIS WANラッパー
に登録すること。 図56はOSと、NDISライブラリとドライバエント
リー用MDSLドライバとの間の相互作用を示す。
【0265】MDSLモデムを初期化するためにNDI
Sライブラリによって初期化エントリーポイント(Md
slInitialize)がコールされる。入力 MediumArray:NDISライブラリがサポー
トするすべてのネットワークメディア MediumArraySize:メディアムアレイ内
の要素の数 MdslAdapterHandle:NDISライブ
ラリによって割り当てられたMDSLドライバを識別す
るハンドル NdisConfigContext:NDISコンフ
ィギュレーション用ハンドル
【0266】出力 OpenErrorStatus:MDSLドライバは
リターン値がNDIS STATUS OPEN ERR
ORである場合、エラーに関する情報を特定するステー
タス値となるようにこのパラメータをセットする。 SelectedMediumIndex:MDSLド
ライバはMDSLドライバのメディアムのタイプを特定
するMediumArrayとなるようにこのインデッ
クスをセットする。
【0267】リターン値:MdslInitializ
eはNDIS STATUS SUCCESSをリター
ンするか、または次のステータス値をリターンできる。 NDIS STATUS ADAPTER NOT FOUND NDIS STATUS FAILURE NDIS STATUS NOT ACCEPTED NDIS STATUS OPEN ERROR NDIS STATUS RESOURCES NDIS STATUS UNSUPPORTED MEDIA
【0268】処理 MdslInitializeは次のことを行う。 1.メディアの一致を探すよう、MediumArra
yをサーチする。一致が見いだされない場合、NDIS
STATUS UNSUPPORTED MEDIA
をリターンする。 2.MDSL NICのコンフィギュレーション情報
(インターラプト番号、ボードネーム、チャンネルアド
レスまたは回線アドレス、交換機のタイプ等)を得る。 3.MDSLドライバデータ構造に対しメモリを割り当
て、初期化する。 4.MdslAdapterHandleをMDSL
NICに関連付けることを含む、MDSL NICの物
理的属性をNDISラッパーに知らせる。 5.MDSL NICの物理的位置をシステムアドレス
空間にマッピングすること。 6.MDSL NICのリセットまたは初期化するこ
と。 7.送信キューの設定および初期化。 8.インターラプトの初期化。 9.回線の初期化。 図57はMdslInitializeのためのNDI
Sライブラリとドライバとの間の相互作用を示す。
【0269】エントリーポイント(MdslRese
t)はハードウェアリセットをMDSL NICへ発生
し、そのソフトウェアステートをリセットする。入力 MdslAdapterContext:Minipo
rtInitializeによって初期化されるハンド
ル。出力 AddressingReset:アドレス指定情報を
現在値にレストアするためにNDISライブラリがMd
slSetInformationをコールしなければ
ならない場合TRUEにセットする。 リターン値:なし
【0270】処理 MdslResetはMDSL NICにソフトウェア
リセットを発生する。このコマンドはMDSL NIC
のパラメータもリセットできる。MDSL NICのハ
ードウェアリセットが現在のステーションアドレスをリ
セットする場合、MDSLドライバはリセットの前の現
在のステーションアドレスを自動的にレストアする。図
58はNDISライブラリとMdslResetのため
のドライバとの間の相互作用を示す。
【0271】NDISライブラリ機能で利用できる新パ
ラメータとなるようにMDSL NICを再構成するた
め、NDISライブラリによりエントリーポイント(M
dslReconfigure)がコールされる。この
エントリーポイントは実行時間中に変更されるパラメー
タを有することができる、プラグアンドプレイアダプタ
およびソフトウェアで構成できるアダプタをサポートす
るのに使用される。入力 MdslAdapterContext: Minp
ortInitializeによって初期化されるハン
ドル。 WrapperConfigurationConte
xt:NDISコンフイギュレイションハンドル。出力 OpenErrorStatus:リターン値がNDI
STATUS−OPEN ERRORである場合、
エラーに関する情報を特定するためにこのパラメータは
MDSLドライバによってセットされる。
【0272】リターン値: NDIS STATUS SUCCESS NDIS STATUS NOT ACCEPTED NDIS STATUS OPEN ERROR処理 NDIS STATUS NOT ACCEPTEDを
リターンする
【0273】MDSL NICを停止するため、NDI
Sライブラリによりエントリーポイント(MdsHal
t)がコールされる。入力 MdslAdapterContext:MdslIn
itializeによって初期化されるハンドルであ
る。出力 なし処理 MdslHaltは次のことを行う。 1.インターラプトハンドリングの登録解除すること 2.MDSLメモリをシステムからアンマッピングする
こと 3.システムのメモリをフリーにすること 図59はNDISライブラリとMdslHaltのため
のドライバとの間の相互作用を示す。
【0274】MDSL NICのステートをチェックす
るため、NDISライブラリによってエントリーポイン
ト(MdslCheckForHang)が周期的にコ
ールされる。入力 MdslAdapterContext:MdslIn
itializeによって初期化されるハンドルであ
る。出力 リターン値:MDSL NICが作動していない場合、
TRUEとなる。処理 MDSL NICのステータスをチェック
【0275】MDSL NICがインターラプトを発生
できるよう、NDISライブラリによってエントリーポ
イント(MdslEnableInterrupt)が
コールされる。入力 MdslAdapterContext:MdslIn
itializeによって初期化されるハンドルであ
る。出力 リターン値:なし処理 MDSL NICハードウェアがインターラプトを発生
できるようにすること。
【0276】MDSL NICがインターラプトを発生
できないようにするため、NDISライブラリによって
エントリーポイント(MdslDisableInte
rrupt)がコールされる。入力 MdslAdapterContext:MdslIn
itializeによって初期化されるハンドル。出力 リターン値:なし処理 MDSL NICハードウェアがインターラプトを発生
できないようにする。
【0277】MdslISRはMDSLドライバインタ
ーラプトサービスルーチンのエントリーポイントであ
る。入力 MdslAdapterContext:MdslIn
itializeによって初期化されるハンドル。出力 InterruptRecognized:MDSL
NICがインターラプト回線を共用し、そのNICから
インターラプトが来たことを検出すると、MDSLドラ
イバはこのパラメータをTRUEにセットする。 QueueMdslHandleInterrupt:
MDSL NICがインターラプト回線を共用し、イン
ターラプトの処理を終了するためにMdslHandl
eInterruptをコールしなければならない場
合、このパラメータはTRUEにセットされる。 リターン値:なし
【0278】処理 この機能はインターラプトに応答し、高い優先度で働
く。この機能はMdslHandleInterrup
tに、より低い優先度の作業を残し、次のことを行う。 1.インターラプトの理由を知ること。 2.ハードウェア内でインターラプトをクリアするこ
と。 3.よってInterruptRecognizedお
よびQueueMdslHandleInterrup
tをセットすること
【0279】インターラプトを処理するため、NDIS
ライブラリ内の延期された処理ルーチンによってエント
リーポイント(MdslHandleInterrup
t)がコールされる。入力 MdslAdapterContext:MdslIn
itializeによって初期化されるハンドルであ
る。出力 リターン値:なし処理 MdslHandleInterruptは次のことを
行う。 1.インターラプトの理由を知るためにMDSL NI
Cをチェックすること。 2.次の可能なインターラプトを1つずつ処理するこ
と。 ・受信バッファ内にパケットが既に入力されている場合 ・既にパケットが送信されている場合 ・回線が既に接続されている場合 ・回線が切断されている状態となっている場合 ・回線がダウンしている状態となっている場合 ・受信バッファがオーバーラン状態となっている場合
【0280】MDSLドライバの能力およびステータス
を問い合わせるためにNDISライブラリによりエント
リーポイント(MdslQueryInformati
on)がコールされる。入力 MdslAdapterContext:MdslIn
itializeによって初期化されるハンドルであ
る。 OID:ドライバがダイナミックコンフィギュレーショ
ン情報および統計学的情報を記憶する管理情報プロック
内の被管理オブジェクト(または情報要素)のオプジェ
クトIDである。このフォーマットおよび定義について
はNDIS3.0仕様を参照されたい。 InformationBuffer:情報を受信する
バッファである。 InformationBufferLength:I
nformationBufferのバイトの長さであ
る。
【0281】出力 BytesWritten:InformationB
ufferに実際に書き込まれるバイトの数。 BytesNeeded:特定のオブジェクトに対する
完全な情報を得るのに更に必要な追加バイトの数。
【0282】リターン値:MdslQueryInfo
rmationはNDIS STATUS SUCCE
SSまたは次のステータス値をリターンする。 NDIS STATUS INVALID DATA NDIS STATUS INVALID LENGTH NDIS STATUS INVALID OID NDIS STATUS NOT ACCEPTED NDIS STATUS NOT SUPPORTED NDIS STATUS PENDING NDIS STATUS RESOURCES
【0283】処理 MDSLドライバは次のOIDを同期的にアクノーレッ
ジするだけである。 OID GEN HARDWARE STATUS:M
DSL NICのハードウェアステータスをチェック OID GEN MEDIA SUPPORTED:N
disMediumWanをリターン OID GEN MEDIA INUSE:NdisM
ediumWanをリターン OID GEN MAXIMUM LOOKAHEA
D:最大パケットサイズ(1532バイト)をリターン OID GEN MAXIMUM FRAME SIZ
E:MDSLのための最大フレームサイズ(1500バ
イト)をリターン OID GEN LINK SPEED:MDSLのリ
ンクスピード(384000bps)をリターン OID GEN TRANSMIT BUFFER
PACE:(送信バッファ内には1つのパケットしか認
められないと仮定した場合の)最大パケットサイズをリ
ターン OID GEN RECEIVE BUFFER SP
ACE:(1つのパケットしか認められないと仮定した
場合の)受信バッファ内の最大パケットサイズをリター
ン OID GEN TRANSMIT BLOCK SI
ZE:最大パケットサイズをリターン OID GEN RECEIVE BLOCK SIZ
E:最大パケットサイズをリターン OID GEN VENDOR ID:ベンダーIDを
リターン OID GEN VENDOR DESCRIPTIO
N:ベンダー記述ストリングをリターン OID GEN CURRENT LOOKAHEA
D:最大パケットサイズをリターン OID GEN MAC OPTIONS:次のビット
をセットする NDIS MAC OPTION RECEIVE
ERIALIZED、NDIS MAC OPTION
NO LOOPBACKおよびNDIS MAC OP
TION TRANSFERS NOT PEND OID GEN DRIVER VERSION:MD
SLドライバのメジャーおよびマイナーなバージョン番
号をリターン OID GEN MAXIMUM TOTAL SIZ
E:最大パケットサイズをリターン OID WAN MEDEIUM SUBTYPE:M
DSLはマイクロソフト社によってまだ定義されていな
いので、NdisWanIsdnをリターンする OID WAN GET INFO:NDIS WAN
情報構造をリターン OID WAN PERMANENT ADDRES
S:WANアドレスをリターン OID WAN CURRENT ADDRESS:W
ANアドレスをリターン OID WAN GET LINK INFO:Mds
lLinkContextをリターン 他のすべてのOIDに対してはNDIS STATUS
INVALID OIDをリターン
【0284】図60は、NIDSライブラリとMdsl
QueryInformationのためのドライバと
の間の相互作用を示す。MDSLドライバによって維持
された情報を変えるのにNDISライブラリによりエン
トリーポイント(MdslSetInformatio
n)がコールされる。入力 MdslAdapterContext:MdslIn
itializeによって初期化されるハンドル
【0285】OID:ドライバがダイナミックコンフィ
ギュレーション情報および統計学的情報を記憶する管理
情報ブロック内の被管理オブジェクト(または情報要
素)のオブジェクトIDである。このフォオーマットお
よび定義についてはNDIS3.0仕様を参照された
い。 InformationBuffer:情報を受信する
バッファである。 InformationBufferLength:I
nformationBufferのバイトの長さであ
る。
【0286】出力 BytesRead:InformationBuff
erから読み出されるバイトの数。 BytesNeeded:OIDを満たすのに必要な追
加バイトの数。
【0287】リターン値:MdslQueryInfo
rmationはNDIS STATUS SUCCE
SSまたは次のステータス値をリターンする。 NDIS STATUS INVALID DATA NDIS STATUS INVALID LENGTH NDIS STATUS INVALID OID NDIS STATUS NOT ACCEPTED NDIS STATUS NOT SUPPORTED NDIS STATUS PENDING NDIS STATUS RESOURCES
【0288】処理 MDSLドライバは次のOIDを同期的にアクノーレッ
ジするだけである。 OID GEN CURRENT LOOKAHEA
D:WANドライバはルックアヘッドサイズにかかわら
ず全パケットを表示するので、何もする事なく直接ND
IS STATUS SUCCESSをリターン OID GEN WAN SET LINK:Info
rmationBufferに記憶されているMdsl
LinkContextをMDSLWanLinkIn
fo構造にコピーする 他のすべてのOIDに対してはNDIS STATUS
INVALID OIDをリターンする。
【0289】図61はNDISライブラリとMdslS
etInformationのためのドライバとの間の
相互作用を示す。パケット受信インターラプトを取り扱
うためにMdslHandleInterruptによ
って機能(MdslReceivePacket)がコ
ールされる。MDSLドライバは受信バッファからプロ
トコルスタックへデータを転送するのにNdisTra
nsferDataをコールしないので、NDISのM
dslTransferDataエントリーポイントを
置換するのにこの機能が使用される。入力 MdslAdapterContext:MdslIn
itializeによって初期化されるMDSLアダプ
タハンドルである。出力 なし リターン値:なし
【0290】処理 MdslReceivePacketは次のことを行
う。 1.データ送信中にエラーがあるかどうかを見るために
受信ステータスをチェックする。不良パケットを捨て、
NDISラッパーにエラーを示す。 2.NdisMWanIndicateReceive
をコールし、パケットが到着し、検査のために全パケッ
トを利用できることを示す。 3.上記コールがNDIS STATUS SUCCE
SSをリターンした場合、NdisWanIndica
teReceveCompleteをコールし、受信事
象の終了を表示する。
【0291】図62はNDISライブラリとMdslR
eceivePacketのためのドライバとの間の相
互作用を示す。アダプタを通してメディアにパケットを
送信するようMDSL NICドライバに命令するた
め、NDISライブラリによってエントリーポイント
(MdslWanSend)がコールされる。このコー
ルが行われる時にメディアが使用中であれば、MDSL
ドライバはその後の時間に送信コマンドを待つか、また
は最大送信値を低下させる。入力 MdslBindingHandle:MdslIni
tializeからリターンされるハンドルである。 MdslLinkHnadle:回線が接続されたとき
にNDIS_MACLINK UP表示からリターンさ
れるハンドルである。 WanPacket:隣接するバッファへのポインタを
含むNDIS WAN PACKETに対するポインタで
ある。出力 ステータス:隣接する値がNDIS_STATUS_S
UCCESSまたはNDIS STATUS PEND
INGでない場合のエラーに関する情報を特定するステ
ータス値 リターン値:MdslWanSendはNDIS ST
ATUS SUCCESSまたは次のステータス値をリ
ターンする。 NDIS STATUS PENDING NDIS STATUS FAILURE
【0292】処理 MdslWanSendは次のことを行う: 1.パケットサイズが有効であるかを確認するため、パ
ケットサイズをチェックする。 2.回線が現在接続されているかをチェック。 3.メディアが現在のところ使用されていなければ、す
ぐにパケットを送り、NDIS STATUS SUC
CESSをリターンする。話中であればパケットを送信
リストに入れ、NDIS STATUS PENDIN
Gをリターンする。このパケットを送った後、MDSL
ドライバはNdisWanSendCompleteを
コールし、送信が終了したことを表示する。
【0293】図63は、NDISライブラリとMdsl
WanSendに対するドライバとの間の相互作用を示
す。システム統合 ウィンドウズNTまたはウィンドウズ95のもとでは、
種々のネットワークソフトウェアコンポーネントは共に
リンクされるか、または図64に示されるように論理的
階層となるように結合される。ネットワークコンポーネ
ントがインストールされる際、ネットワークコンポーネ
ントをロードすべき順序およびネットワークコンポーネ
ントをどのように結合するかを記述する情報がウィンド
ウズNTのレジスタに書き込まれる。ウィンドウズNT
の制御パネルネットワークアプレット(NCPA)はネ
ットワークコンポーネントのインストールおよび結合を
管理する。このドライバの結合は図65に示されるよう
に作動する。
【0294】このシステムの外部インターフェースは次
のとおりである。ユーザーインターフェース MDSLドライバはエンドユーザーが直接見ることはで
きない。このドライバはNDISラッパーを通してシス
テム内のプロトコルスタックと結合される。アプリケー
ションは異なる標準プロトコルAPI、例えばウィンド
ウソケット、NetBIOS、RPC等を通してこのド
ライバを使用する。ハードウェアインターフェース MDSLドライバのハードウェアインターフェースはM
DSLホストインターフェース条件の仕様書に記載され
ている。ソフトウェアインターフェース MDSLドライバはオペレーティングシステムに対し1
3の上部エッジ機能と1つのドライバメインエントリー
ポイントを提供する。このドライバは特別なネットワー
クインターフェースカード(NIC)から独立した多数
のタスクを実行するためにndis.libおよびnd
iswan.libに定義された機能をコールする。
【0295】通信インターフェース 送受信されるパケットはNDIS WANライブラリに
よって提供されるフォーマットとなっている。これらパ
ケットはヘッダーの圧縮、マイクロソフト社のポイント
間圧縮および暗号化を行うか、または行わないIPデー
タグラムまたは他のフレームとすることができる。更に
パケットは、NDIS WANライブラリにてシンプル
HDLCフレーミングスイッチがターンオンされている
場合、簡単なHDLCフレームとすることができる。こ
れら高度のレイヤーのフレーミングのすべては、MDS
Lドライバにトランスペアレントとなっている。
【0296】設計の制限 設計はNDIS3.0WANドライバの仕様を満たして
いなければならない。属性 利用可能性/回復 エントリーポイントの処理中のエラーはドライバの破局
的な故障を生じさせるものではない。このエラーは発呼
側へ送られ、NDISは適当な処理を実行する。MDS
L NICを初期化中、または回線接続を確立中の故障
の結果、エラーは発呼側へリターンされる。パケットの
送受信中のエラーはログに記載される。
【0297】ソフトウェアの取得 DSLバンドでの運用に関するマルチモードのモデムを
構成するためのソフトウェアは、フラッシュEPROM
(フラッシュEPROMを含むよう改造されたDSLモ
デムのポードバージョンの図29aを参照)にダウンロ
ードすることによって取得できる。このダウンロードは
既にマルチモードモデムにある音声バンドのコンフィギ
ュレーション(V.34)を使用することによって実行
できる。特にホストはソースの電話番号をコールするの
に音声バンドモデムの動作を使用でき、これにより音声
バンドを通してDSLバンド動作のためのソフトウェア
をフラッシュEPROMにダウンロードできる。同様
に、音声バンドまたはDSLバンドのいずれかを通して
DSLバンドのソフトウェアの更新をダウンロードでき
る。図66はかかるダウンロードのプロセスを示す。
【0298】次に図67を参照する。ここには上り方向
および下り方向のMDSL周波数分割が示されている。
音声バンドモデムでは当該最高周波数はわずか3.3K
Hzである。MDSLでは当該最高周波数を数百KHz
とすることができる。例えば1/4T1レートでは上り
方向のチャンネルの中心周波数Fc1は100KHzで
あるが、下り方向の中心周波数Fc2は300KHzで
ある。各チャンネルのバンド幅は200KHzであり、
当該最高周波数はF2+=400KHzである。目標は
低コストのプログラマブルデジタル信号プロセッサ(D
SP)でデータを処理できるようにすることである。本
発明は図67に示されたパスバンド信号がDSPに同じ
ように見えるようにすることにより、処理条件をどのよ
うに低減するかの問題を解決している。
【0299】MDSLモデムは2つのモード、すなわち
中央局(CO)モードとリモートユーザー(RU)モー
ドを有する。COモードではモデムは上部の周波数バン
ドで送信し、下部の周波数バンドで受信する。RUモー
ドではこの逆となる。すなわちモデムは下部周波数バン
ドで送信し、上部周波数バンドで受信をする。ナイキス
トサンプリング理論の通常の解釈を利用すると、データ
を処理するには当該最高周波数の最小2倍のサンプリン
グレートが必要である。COモデムではアナログーデジ
タルコンバータ(ADC)は受信された信号をF1+
2倍でサンプリングできる。しかしながら、コンバータ
はデジタルーアナログコンバータ(DAC)に対しF
2+の2倍のサンプルを発生しなければならない。RU
モデムではDACはF1+の2倍で作動できるが、AD
CはF2+の2倍で作動しなければならない。
【0300】本発明はサンプリングレートすなわちMD
SLモデムを構成するための処理条件を低減するのにデ
ジタルサンプリングレート変換を利用している。RUモ
デムではアナログーデジタル変換プロセスに高サンプリ
ングレートが関連している。RUモデムにおける図68
には1/4T1の場合のモデムの受信機フロントエンド
が示されている。300KHzを中心とする入来アナロ
グ信号は当該バンド幅を分離することにより信号対ノイ
ズ比を最大にするよう、まずバンドパスによりフィルタ
リングされる。次にこの信号は、F2+の2倍、すなわ
ち800KHzの通常のナイキストレートでADCによ
りサンプリングされる。
【0301】図69にはデジタル領域におけるサンプリ
ングされたスペクトルが示されている。F
sampling/4=200KHzより下には信号が
ないので、サンプルを2分の1に間引くことによりサン
プリングレートを400KHzまで安全に低減できる。
2分の1に間引くことにより図70に示されるような1
00KHzを中心とする反転イメージが発生する。元の
イメージは間引かれたデータストリームの他のサンプル
ごとに(−1)を乗算することによって得られる。AD
Cからの他の各出力は廃棄されるので、これらを発生す
る必要はない。すなわちADCは800KHzでなく4
00KHzで作動する。
【0302】COモデムに対しては、デジタル−アナロ
グプロセスで高出力サンプリングレートが必要である。
上部パスバンド信号に対応する出力サンプルを直接発生
するには最小800KHzのサンプリングレートが必要
となる。COモデムがより低い周波数バンドで出力サン
プルを発生できる場合には、より良好となり、多少自動
的にスペクトルを上部バンドに変換できる。図71は、
デジタル領域における低バンド信号のスペクトルを示
す。
【0303】より高いレートにデジタル式にアップサン
プリングすることにより生じた、エリアスの発生したイ
メージを活用することにより変換を行うことができる。
800KHzに2倍アップサンプリングすることは、計
算された出力サンプルの間に0の値のサンプルを挿入す
ることによって行われる。これにより元の400KHz
のサンプリング周波数の高調波のイメージが発生する。
DACへ新しい変更された出力データストリームが送ら
れると、図72に示されるアナログ出力スペクトルが発
生される。(図には変換方法によって生じたsincロ
ールオフ特性が残されている。)適当なアナログバンド
パスフィルタを使用することにより300KHzを中心
とする反転イメージを選択できる。挿入された値は0で
あるので、DSPで計算する必要はない。反転は奇数サ
ンプルを(−1)で乗算することにより訂正するか、ま
たは完全に廃棄する。この理由は、RUモデムでは間引
きにより再びスペクトルが反転されるからである。図7
3に示されるように、DSP以外の簡単な外部ロジック
によって0サンプルをインターリープする方法も実施で
きる。
【0304】結論としてサンプリングレート変換を実施
することにより、MDSLモデムが常により低い周波数
バンドでのみ送受信するように、MDSLモデムのDS
Pを作動できる。従って、このような計算は通常実際の
アナログ信号周波数成分によって決まるレートよりもか
なり低いサンプリングレートに基づくものである。
【0305】ANSI規格委員会T1E1.4により、
非対称デジタル加入者ループ(ADSL)のための規格
として離散的マルチトーン(DMT)方式が採用されて
いる。T1E1規格活動に対するこれまでの投稿論文
は、ADSLの2ビットレート(6〜7Mbps)のた
めの適当なダイナミックレンジを達成するには、高速フ
ーリエ変換FFTにおける19ビットの精度を必要とす
ることを求めた。この問題は、固定した点の16ビット
プロセッサにおいてどのようにFFTを行い、ADSL
−2ビットレートのための適当なダイナミックレンジを
提供するかということである。
【0306】通常、固定ポイントのFFTを実施する
際、乗算および加算演算中に固定ポイントの値がオーバ
ーフローしないよう、各ステージでデータはブラインド
状態でスケールダウンされる。データ値のレンジがステ
ージ中にオーバーフローの生じないような値となってい
る場合、ダウンスケールの結果、精度の不必要な低下が
生じる。
【0307】本発明の要旨によりこの問題を解決する方
法は、各FFTステージの前にデータを検査し、ステー
ジ中にオーバーフローの可能性がある場合に限りデータ
をスケールダウンする、可変スケーリング方式を使用す
る16ビットの固定ポイントにおいて、順方向および逆
FFTを実行することである。これによりオーバーフロ
ーが生じない時のブラインド状態のダウンスケールによ
って生じ得る不必要な精度の低下が解消される。スケー
リングが必要かどうかは各ステージ前のFFTデータ内
の符号ビットの数を見ることによって決定される。デー
タは右側にシフトすることによってスケーリングされ
る。一度に1ビットまたは2ビットシフトすることによ
りテストを行った。データ値が最大値であり、特定のサ
イン/コサイン値を有するような所定の場合に双方のシ
フト量が働くが、1回シフトされた値でもオーバーフロ
ーが生じ得る。
【0308】TFT中のスケーリングの総量はFFTの
終了時にFFTの出力データを正規化(再スケール化)
できるように維持される。分解能をテストするのに使用
されるCコードのテストバージョンが付録として添付さ
れている。FFTの各ステージ前にすべてのデータを検
査しなければならないので、可変スケーリング方法はブ
ラインド状スケーリングよりも多い処理パワーを必要と
する。予想される信号対ノイズ作動レンジでは16ビッ
トの可変スケーリング固定ポイントFFTよりも19ビ
ットの固定ポイント固定スケーリングFFTのほうがマ
ージン的に良好であることがシミュレーションの結果判
っている。
【0309】固定ポイントFFTの可変スケーリングは
どのステージでもオーバーフローが発生しないようなデ
ータレンジとなっており、改善された精度に対して付加
的な処理能力を利用できるアプリケーションで利点を与
える。
【0310】中央局側では多数のMDSLを処理するの
にモデムプールを使用できる。各MDSL回線には専用
回線のカップリングおよびフロントエンド回路が必要で
あるが、多数のMDSL回線間で高性能のDSPチップ
の信号処理パワーを共用できる。単一のモデムプールユ
ニット内に多数のDSPチップを組み込むことにより、
MDSLモデムのプールの多数回線の能力を更に高める
ことができる。
【0311】図74は、MDSLモデムのプールがN個
の論理的MDSLモデムを有することができることを示
しており、各モデムは送信機部分と受信機部分から成
る。送信機はモデムプールの位置により同じ中央局のク
ロックに同期化できる。送信信号のデータシンボルおよ
び受信された信号のサンプルはMDSL回線の集中化お
よび共用されるモデムプールアーキテクチャによりすべ
ての論理的モデム間で容易にアクセス可能である。送信
信号の同期化および送受信信号のアクセス性によりNE
XTキャンセル技術を適応させることが可能となってい
る。MDSLモデムプールと組み合わせて多入力−多出
力端のNEXTキャンセラーを構成できる。
【0312】NEXTおよびエコーキャンセル用ハード
ウェアのコストを回避するためには、好ましいMDSL
モデムは下り方向の中央局から加入者へ、更に上り方向
の加入者から中央局への送信をするのに、周波数分割多
重化を使用する。下り方向の送信は通常、MDSLスペ
クトルのうちの高いほうの周波数部分を占有する。下り
方向と上り方向との周波数分離は高次のバンドパスフィ
ルタを使用することに基づく。図75は上り方向の周波
数バンドスペクトルと下り方向の周波数バンドスペクト
ルとの間でガードバンドを使用することを示す。更に、
各下り方向のスペクトルのバンド幅を他の異なるモデム
と代えることも可能である。個々の回線状態および下り
方向と上り方向のスループットの比に従ってスペクトル
割り当てを最適化できるので、このようなことが必要で
ある。
【0313】バンドパスフィルタの停止バンドの一定の
減衰量および下り方向のスペクトルと上り方向のスペク
トルとの間の接近度により、逆チャンネルからのある程
度の残留ノイズが常に存在することになる。加入者回線
の減衰はかなりの大きさであるので、残留ノイズの相対
的強度は受信される信号と比較して無視することはでき
ない。異なるMDSL回線間では上り方向のスペクトル
と下り方向のスペクトルとが重なる可能性があるので、
ガードバンドの領域内ではNEXTノイズが生じ得る。
従って、同一MDSL回線の逆チャンネル残留ノイズの
干渉および隣接するMDSL回線からの逆チャンネルN
EXTノイズの干渉を最小にするのに、NEXTキャン
セル技術を使用できる。
【0314】図76は、付加的なDSPチップと共に、
またはこれを使用することなく、同一MDSLモデムプ
ール内に逆方向のチャンネルNEXTキャンセラーバン
クを構成できることを示している。このNEXTキャン
セラーバンクはすべてのモデムの送信信号およびデジタ
ル化された受信信号へのアクセスを必要とする。このN
EXTキャンセラーバンクはN個のMDSLモデムに対
応する、図77に示されているようなN個のNEXTキ
ャンセラーを有する。各キャンセラーはサイズMのN個
の適応型フィルタを有する。N個の適応型フィルタのす
べての出力は対応するモデムに対するNEXTキャンセ
ル信号を形成するように適当に組み合わされている。図
78に示されるような相関ベクトルとしての、受信され
た信号とNEXTキャンセル信号との間のエラー信号お
よび対応する送信信号に従って、各適応型フィルタが適
応化される。
【0315】高データレートデジタル転送のために無シ
ールドの撚り対線を使用することができる。デジタル加
入者回線(DSL)の場合では広範なデジタル信号処
理、例えば送信信号成形および受信信号の等化処理を行
って、撚り対伝送媒体のフル容量を利用できる。従っ
て、撚り対線の両端でのモデムのコストが伝送システム
の総コストの重要な部分を占める。伝送距離が比較的短
い場合、送信機に対して簡単なアナログ回線ドライバを
使用し、受信機に対して簡単なスレッショルドデバイス
を使用する。広範なデジタル信号処理を使用することを
避けることにより、トランシーバのコストを最小レベル
に維持できる。
【0316】高レート高精度のA/Dおよびその後の高
精度のデジタル信号処理は、高価なチャンネルひずみ補
償方法であるという見解によれば、本発明の好ましい実
施例のダイレクト等化方法はコストを最小に維持しなが
ら、伝送距離を延ばす対称的な撚り対伝送チャンネルを
使用している。このような直接的な等化方法は対称撚り
対線でない伝送チャンネルにも適用できる。
【0317】多くの短距離の撚り対線に基づく伝送シス
テム、例えば10ベースTおよび100ベースTイーサ
ネット、ATM55Mbps物理的レイヤー、IEEE
1394、IEEE1355等は、対称的なチャンネル
応答を有する。ブリッジ状のタップはないので逆方向の
チャンネル伝達関数は時間分割デュプレクスシステムに
対して同一となる。これらケースではチャンネル応答は
受信された信号を検査することによって識別できる。特
にデータ伝送時間の間のアイドル時間中にトレーニング
シーケンスを伝送することによってチャンネル応答を識
別できる。ひずみの厳しいチャンネルに対しては容易に
区別できる2進トレーニングシーケンスが好ましい。
【0318】図79は、50メートルの24ゲージの撚
り対線のチャンネル伝達関数を示す。異なる周波数にお
ける減衰度および位相遅延の差によってチャンネルひず
みが生じる。このチャンネルひずみはシンボル間干渉を
生じさせ、生じたシンボル間干渉はアイパターンを閉じ
る。図80は、50メートル24ゲージの撚り対線の端
部における受信された信号のアイパターンを示す。アイ
パターンが閉じる度合いは最大アイ開口ポイントにおい
て広がる相対的信号レベルによって判断できる。送信さ
れた信号レベルを信頼性高く判断できる時間インターバ
ルも極めて重要である。実際のシステムでは送信機と受
信機の間にタイミングジッターが存在する。より広い判
断ウィンドウを利用できればジッターの条件が低減す
る。
【0319】チャンネルひずみによって生じるアイパタ
ーンの閉鎖はチャンネル等化器を使用することによって
補償できる。特にポーレートにおけるひずみ補償は最適
判断ポイントにおける信号レベルの広がりを低減する。
更に、ポーレートよりも高いひずみは利用できる判断ウ
ィンドウを広げることができる。換言すれば、ポーレー
ト等化器は特定判断ポイントにおけるアイの開口を最大
にすることしかできないが、部分的に離間した等化器は
2つ以上の点でアイ開口部を最大にできるので、最適判
断ウィンドウを広げることができる。
【0320】図81にはトランシーバの受信パス内に構
成された伝統的なチャンネル等化器が示されている。受
信された信号は増幅1510され、デジタルフォーマッ
トに変換される1512。チャンネルひずみを補償する
のに、係数1516の調節自在なプログラマブルフィル
タ1514が使用される。フィルタ出力の信号レベルと
所望する信号レベルとの間の2乗平均されたエラーを最
小とするのに、これらフィルタ係数1516が使用され
る。この計算は最小2乗平均(LMS)アルゴリズムに
基づいて実行できる。スライサ1524は信号をデコー
ディングするための信号レベルに量子化する。出力デー
タはアナログに変換1536され、回線ドライバ153
8は分離を行う交換機1520によりこれらアナログ信
号を送信する。
【0321】従来の等化器を設けるには、通常フル精度
のプログラマプルフィルタが必要であった。チャンネル
ひずみおよび信号レベルの数に応じ、6〜10ビットの
分解能を有するA/Dコンバータ1512が必要であ
る。このA/Dコンバータはシンボルレート以上で作動
しなければならない。10MHz〜30MHzの範囲の
ボーレートに基づくチャンネル等化器は、極めて正確な
タイミング回復回路も必要とする。等化プロセスを効果
的とするには、A/Dコンバータより後のプログラマブ
ルフィルタ1514はデータパス内で同一またはそれ以
上のビット分解能を有していなければならない。高分解
能および高作動レートのA/Dコンバータおよび同じ分
解能および同じ作動レートのその後のプログラマブルフ
ィルタは、トランシーバのコストを高いものにする。
【0322】無ノイズ環境内では送信機内のプログラマ
ブルフィルタを使ってチャンネルの周波数ひずみを補償
する等化機能を実行することもできる。これら送信機の
フィルタ係数はトレーニングシーケンスを使用すること
によりリアルタイムで適応化される。データアイドル時
間中、フィルタ係数の適応化のために2レベルのトレー
ニングシーケンスが伝送される。受信機は受信されたト
レーニングシーケンスと既知のトレーニングシーケンス
とを相関化し、適応化アルゴリズム、例えば最小2乗平
均(LMS)アルゴリズムを使って等化器のフィルタ係
数を更新する。チャンネルは対称的であるので、プログ
ラマブル送信機フィルタに対し識別された等化器の係数
を使用する。
【0323】本発明の好ましい実施例のダイレクト等化
システムは、図82に示されるような送信パスと受信パ
スとを含む。送信パス内には交換機1534が設けら
れ、この交換機はトレーニングシーケンス1540およ
びシーケンスを多重化するようデータバッファのステー
タスによって制御される。データバッファがアイドル状
態の時にD/A変換デバイス1536にトレーニングシ
ーケンスがリンクされる。送信信号の衝突を防止するた
めに両端でトレーニングシーケンスの送信を制御するた
めの、より高いレイヤーのプロトコルアルゴリズムも必
要である。受信パス内では送信機のフィルタ係数の適応
化を制御するのに、受信されたデータの検出機能が必要
である。送信フィルタ1532と、その適応化メカニズ
ムとの組み合わせにより、直接チャンネル等化器が構成
される。数ボーの期間でデジタル信号プロセッサ(DS
P)を使用することにより、フィルタ係数を周期的に更
新できる。
【0324】図82のダイレクト等化器は分離用交換機
1520、増幅器1522、スライサ1524、入来デ
ータ検出器1526、フィルタ係数計算機1528、タ
イミングシーケンス1530、出力データ検出器154
2、デジタルーアナログコンバータ1536および回線
ドライバ1538も含む。高コストの高速デジタルプロ
グラマプルフィルタの代わりに、図83に示されるよう
なデータバッファ1533も使用できる。このデータバ
ッファ1533にはDSPでフィルタリングされたデー
タで周期的に満たすことができる。このようなバッファ
化された方法によりDSPの処理速度に依存した伝送遅
延を挿入できる。しかしながら撚り対線での高伝送レー
トも維持できる。
【0325】受信機または送信機側のボーレート等化器
は正確なサンプリングポイントでのチャンネルひずみし
か補償できない。従って、受信機はこれら最適なサンプ
リングポイント(図84)のトラックを維持するのに、
正確なタイミング回復回路を必要とする。部分的に離間
した直接チャンネル等化器を使用して最適サンプリング
ウィンドーサイズを拡張できる。図84および85はボ
ーレートの2倍および3倍のレートで作動する等化器に
対する部分的に離間したダイレクト等化器の作用を示
す。それ以上のボーレートの直接チャンネル等化器は5
0%、66.6%またはそれ以上の最適なサンプリング
ウィンドウサイズを発生できる。ボーレート等化器のた
めのフィルタ係数は次のように計算できる。
【0326】
【数17】
【0327】ここで、Hはボーレートのインターバル
だけ離間した等化器の係数ベクトルであり、Xボーレ
ートのインターバルだけ離間した受信信号のベクトルで
あり、dはトレーニングシーケンスから利用できる所
望する信号レベルであり、μは適応化ステップサイズで
ある。スライサーからの量子化されたデータと共にLM
Sアルゴリズムを使用することにより、ダイレクト等化
器システムのためのフィルタ係数ベクトルを計算する。
量子化されたデータを使用することにより、高精度のA
/Dコンバータが不要になる。フィルタ係数の適応化は
符号LMSアルゴリズムに類似する。その1つは次のよ
うに示される。
【0328】
【数18】
【0329】ここで、Q(.)は量子化演算を示し、d
は2進トレーニングシーケンスの使用による+1また
は−1のいずれかである。ダブルボーレートのダイレク
ト等化器のためのフィルタ係数は次のように計算され
る。
【0330】
【数19】
【0331】換言すれば、ダブルボーレートの等化器は
異なるサンプリング位相で作動する2つのボーレート等
化器の組み合わせである。トリプルボーレート等化器の
ためのフィルタ係数も同様に得られる。ダイレクト等化
方法は送信パワースペクトルの高周波部分におけるスペ
クトル密度を高めるが、チャンネル特性によってはこの
スペクトル密度の増加はわずか数dBの範囲となり得
る。マルチレベルのパルス振幅変調(PAM)信号のパ
ワースペクトルは次のように表される。
【0332】
【数20】
【0333】ここでAは信号振幅に関連した値であり、
はボーレートである。等化器の周波数応答は次のと
おりである。
【0334】
【数21】
【0335】ここで、H(f)はチャンネル伝達関数で
あり、Tは等化器の作動するサンプルインターバルで
あり、次の値を有する。
【0336】
【数22】
【0337】代表的な撚り対線チャンネルに対してチャ
ンネル伝達関数は次のようになる。
【0338】
【数23】
【0339】ここで、カテゴリー5UTPに対しα=
1.2924×10−10であり、l=150であり、
我々の関心のある周波数領域では次のように表される。
【0340】
【数24】
【0341】量子化された信号のパワースペクトルはP
AMパワースペクトルと等化器の2乗された伝達関数と
の積である。図87は異なる作動レートのダイレクト等
化器によるパワースペクトルを示す。50メートルのC
AT5UTPケーブルではパワー密度の差は2dBの範
囲内である。
【0342】図88は、PAM信号を使用したダイレク
ト等化器のためのシミュレーションシステムを示す。特
に、送信PAM信号1は(z−k)だけ遅延され、チャ
ンネル通過受信信号と共に受信機1へ送られる。これら
受信機1の信号はダイレクト等化のためのPAM信号2
のための送信機の制御に使用され、受信機2のチャンネ
ルを通るこの補償信号はPAM信号2と比較される。図
89は図88の受信機1の内部を示し、図90は図88
の送信機の内部を示す。
【0343】本明細書では次のような用語/定義を使用
した。 MDSL −中間バンドデジタル加入者回線 MDSL−C −中央局側で作動するMDSL MDSL−R −居住者側で作動するMDSL POTS −従来の通常の電話サービス。電話の通話を
するだけである。 NDIS −ネットワークデバイスインターフェース仕
様。相互に、かつオペレーティングシステムと相互作用
するためのネットワークドライバ用の標準インターフェ
ースとなるようにマイクロソフト社によって定義された
仕様である。 NIC −ネットワークインターフェースカード WAN −ワイドエリアネットワーキング ミニポートNICドライバ −NDIS3.0仕様への
拡張として開発されたネットワークインターフェースカ
ードドライバであり、開発者はハードウェア固有のコー
ドのみを書くだけでよく、共通の問題をNDISライブ
ラリまたはラッパーにマージできる。
【0344】以上の説明に関して更に以下の項を開示す
る。 (1) (a)各々がルーターの出力端に結合された入力端を有
する複数のネットワークと、(b)出力端が前記ルータ
ーの入力端に結合された複数のユーザーとを備え、
(c)前記ネットワークの出力端が前記ユーザーの入力
端に結合された、多数のユーザーおよび多数のネットワ
ークのための通信システム。 (2)前記複数のネットワークが公衆交換デジタルネッ
トワークを含む、前項1記載のシステム。 (3)前記ルーターと前記ネットワークのうちの1つと
の間にキューを更に含む、前項1記載のシステム。 (4)前記ユーザーを前記ルーターに結合するマルチプ
レクサを更に含む、前項3記載のシステム。 (5) (a)デマルチプレクサにより少なくとも1つのバスに
前記ネットワークの出力端が結合され、(b)マルチプ
レクサにより前記少なくとも1つのバスに前記ユーザー
の入力端が結合された、前項1記載のシステム。 (6) (a)中央局における複数のキューと、(b)前記キュ
ーの入力端に接続したローカルエリアネットワークと、
(c)出力端が前記ローカルエリアネットワークに接続
した少なくとも1つのルーターと、(d)複数の加入者
ループを前記ルーターの入力端に結合するマルチプレク
サとを備えた、加入者ループを含むモデム通信システ
ム。 (7) (a)各々が前記キューの1つに対応する複数のデマル
チプレクサと、(b)前記マルチプレクサの出力端に接
続したバスと、(c)各々が前記加入者ループのうちの
1つを前記バスに接続させる複数のマルチプレクサとを
更に含む、前項6記載のシステム。
【0345】(8)音声周波数バンドと、これよりも高
い周波数バンドで選択的に作動するモデムが提供され
る。このモデムは多数の回線コード、例えばDMTおよ
びCAPをサポートする。モデムは同じハードウェアプ
ラットフォーム上で現在の異なるADSL回線コード、
例えば離散的マルチトーン(DMT)および無搬送波A
M/PM(CAP)を実行できるように、デジタル信号
プロセッサ(DSP)を使用する。モデム間でトーンを
交換することにより、各通信の開始時に回線コードおよ
びレート交渉方法を実行できる。回線コードおよびレー
トをコンパーティブルにするために4ステップのMDS
Lモデム初期化プロセスが提供される。CAPに基づく
MDSLモデムのための新しい同期化起動方法が提供さ
れている。ハンドシェイクプロトコルおよび受信機アル
ゴリズムにより、標準的な電話撚り対線のような振幅ひ
ずみのひどいチャンネルで確実にモデムを同期させるこ
とができる。アルゴリズムは受信機側の同期化等化器を
トレーニングするのに短いシーケンスを使用する。この
シーケンスのトレーニングの後にマッチングしたフィル
タすなわち相関器を使用して、反転された同期シーケン
スを検出する。反転されたシーケンスの検出はCAP復
調等化器の通常の基準のトレーニングの開始を通知す
る。MDSL回線接続管理方法は遠距離通信ワイドエリ
アネットワーク環境におけるMDSL−C(中央局側の
MDSL)とMDSL−R(居住者側のMDSL)との
間の回線接続を管理するための、簡単で、効率的で、フ
レキシブルなインターフェースを提供する。MDSLモ
デム内の内部ステートマシンは回線ステータスを記録
し、モニタし、ステートの変化を他のMDSLおよびホ
ストプロセッサにもステートの変化をを通知する。回線
接続管理メッセージの交換に使用されるプロトコルは、
MDSL用の簡略化されたリンク制御プロトコル(LC
P)である。
【0346】関連出願 本願は1996年5月9日に出願された現在係属中の米
国特許出願第08/645,020号(TI−2296
3)の一部継続出願である、1996年6月20日出願
された現在係属中の米国特許出願第08/667,26
7号(TI−22963AA)の一部継続出願に基づく
出願である。同時に出願する特許出願第号は関連する要
旨を開示するものであり、上記出願はいずれも同じ譲受
人となっている。
【0347】
【表9】
【0348】
【表10】
【0349】
【表11】
【0350】
【表12】
【0351】
【表13】
【0352】
【表14】
【0353】
【表15】
【0354】
【表16】
【0355】
【表17】
【0356】
【表18】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の好ましい実施例のマルチモードモデムの
機能的ブロック図を示す。
【図2】好ましい実施例のマルチモードモデムのDSL
データパス部分を示す。
【図3】好ましい実施例のマルチモードモデムのDSL
データパス部分を示す。
【図4】DSLモードのモデムのためのDSPソフトウ
ェアを示す。
【図5】モデムで作動するアプリケーションのためのソ
フトウェアのプロトコルの階層を示す。
【図6】家庭に設置されたモデムを示す。
【図7】DSLモデムによる加入者回線への中央局の接
続を示す。
【図8】DSLモデムによる加入者回線への別の中央局
の接続を示す。
【図9】本発明のアーキテクチャの簡略化された機能ブ
ロック図を示す。
【図10】xDSLなる用語を示す図である。
【図11】WNUとエンドユーザーのモデムの装置のブ
ロック図である。
【図12】WNUの機能ブロック図である。
【図13】システムの能力を示す図である。
【図14】DSLモデムのための居住地と中央局の接続
を示すブロック図である。
【図15】中央局とリモートONUとの接続を示すブロ
ック図である。
【図16】AFEを示すブロック図である。
【図17】サーバープロバイダとリモートONUとの接
続を示すブロック図である。
【図18】各ADSL回線と各コンピュータネットワー
クに必要なルーターを示すブロック図である。
【図19】非対称の好ましい実施例を示すブロック図で
ある。
【図20】非対称の好ましい実施例を示すブロック図で
ある。
【図21】パソコン内に設けられたモデムを備えたシス
テムを示すブロック図である。
【図22】LANに対するルーターとして作動するDS
Lモデムを示す図である。
【図23】テレビ会議システムの半分を示す図である。
【図24】ISDNタイプの信号プロトコルおよびメッ
セージを示す図である。
【図25】ISDNタイプの信号プロトコルおよびメッ
セージを示す図である。
【図26】従来のモデムと加入者回線の容量を示す図で
ある。
【図27】従来のモデムを示すブロック図である。
【図28】ローカルループデータの伝送容量と距離との
関係を示すグラフである。
【図29】aは、マルチモードモデムを示すブロック図
である。bは、音声バンドと、これより高い周波数のD
SLバンドとを分離するためのパッシブなスプリッタ回
路を示す回路図である。
【図30】加入者ループを介した中央局に対する電話2
12とモデム500の接続を示す略図である。
【図31】多数の加入者ループを示す図である。
【図32】CAPトランシーバのブロック図である。
【図33】DMTトランシーバのブロック図である。
【図34】MDSLモデムのブロック図である。
【図35】上り方向および下り方向のプロービングトー
ンのスペクトルを示す図である。
【図36】VRDSL通信モデルを示す略図である。
【図37】パケットフォーマットを示す図である。
【図38】チャンネルマップデータフィールドを示す図
である。
【図39】アクティブなCMCプロセス中のリンクレー
ト交渉のためのステート図である。
【図40】バッシブなCMCプロセス中のリンクレート
交渉のためのステート図である。
【図41】レート交渉方法全体の簡略された機能図を示
す。
【図42】aはV.32トレーニング星形グラフを示
す。bは電話CSAループの周波数応答を示す。cは提
案された起動方法のための時間軸を示す。
【図43】aは時間領域の等化器トレーニングシーケン
スを示す。bはフレーム同期化のためのシーケンスの立
ち上がりエッジを示す。cはデータブロックパターンを
示す。dはトレーニングシーケンス全体を示す。
【図44】MDSLにおける回線コンフィギュレーショ
ン方法を示す。
【図45】回線が切断された時のステートを示す。
【図46】ホストソフトウェアが回線ステータスを周期
的にボークするときの状態を示す。
【図47】回線コンフィギュレーションコマンドパケッ
トのためのフォーマットを示す。
【図48】回線停止コマンドパケットのためのフォーマ
ットを示す。
【図49】アクノーレッジメントパケットのためのフォ
ーマットを示す図である。
【図50】コンフィギュレーションデータを含むデータ
フィールドを示す図である。
【図51】回線停止コマンドを送るMDSL−Cを示す
図である。
【図52】モデム用ドライバのソフトウェア構造を示す
図である。
【図53】モデム用ドライバのソフトウェア構造を示す
図である。
【図54】ソフトウェアドライバの構造を示す図であ
る。
【図55】システムソフトウェアにおけるデータフロー
パスを示す図である。
【図56】OSと、NDISライブラリと、ドライバエ
ントリー用のMDSLドライバとの間の相互作用を示す
図である。
【図57】NDISライブラリとドライバとの間の相互
作用を示す図である。
【図58】NDISライブラリとドライバとの間の相互
作用を示す図である。
【図59】NDISライブラリとドライバとの間の相互
作用を示す図である。
【図60】NDISライブラリとドライバとの間の相互
作用を示す図である。
【図61】NDISライブラリとドライバとの間の相互
作用を示す図である。
【図62】NDISライブラリとドライバとの間の相互
作用を示す図である。
【図63】NDISライブラリとドライバとの間の相互
作用を示す図である。
【図64】論理的階層を示す図である。
【図65】ドライバの結合作用を示す図である。
【図66】ダウンロードのプロセスを示す図である。
【図67】上り方向と下り方向のチャンネルのスペクト
ル図である。
【図68】モデムの受信機フロントエンドを示す図であ
る。
【図69】デジタル領域におけるサンプリングされたス
ペクトル図である。
【図70】反転イメージを示す図である。
【図71】デジタル領域における低バンド信号のスペク
トル図である。
【図72】アナログ出力スペクトル図である。
【図73】ゼロサンプルインターリーブプロセスを示す
図である。
【図74】MDSLモデムのプールを示す図である。
【図75】上り方向の周波数バンドと下り方向の周波数
バンドスペクトルの間で使用されるガードバンドを示す
図である。
【図76】反転チャンネルNEXTキャンセラーバンク
を示す図である。
【図77】N個のNEXTキャンセラーを有するNEX
Tキャンセラーバンクを示す図である。
【図78】NEXTキャンセルにおける各適応型フィル
タの適応化を示す図である。
【図79】撚り対線のチャンネル伝達関数を示すグラフ
である。
【図80】受信信号のアイパターンを示すグラフであ
る。
【図81】伝統的なチャンネル等化器を示すブロック図
である。
【図82】本発明の好ましい実施例のダイレクト等化シ
ステムを示すブロック図である。
【図83】データバッファを使用したダイレクト等化器
を示すブロック図である。
【図84】最適サンプリングポイントを示すグラフであ
る。
【図85】図85は、ボーレートの2倍のレートで作動
する等化器のための、部分的に離間したダイレクト等化
器の作用を示すグラフである。
【図86】図85は、ボーレートの3倍のレートで作動
する等化器のための、部分的に離間したダイレクト等化
器の作用を示すグラフである。
【図87】ダイレクト等化器を使用した場合のパワース
ペクトルを示すグラフである。
【図88】ダイレクト等化器用のシミュレーションシス
テムを示す。
【図89】図88の受信機1の内部を示すブロック図で
ある。
【図90】図88の送信機の内部を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
100 モデム 110 音声バンドアナログフロントエンド 120 DSLアナログフロントエンド 130 スプリッタ 140 加入者回線 150 デジタル信号プロセッサ 160 ホストインターフェース

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)各々がルーターの出力端に結合され
    た入力端を有する複数のネットワークと、 (b)出力端が前記ルーターの入力端に結合された複数
    のユーザーとを備え、 (c)前記ネットワークの出力端が前記ユーザーの入力
    端に結合された、多数のユーザーおよび多数のネットワ
    ークのための通信システム。
JP9279295A 1996-09-04 1997-09-04 多数のユーザーおよび多数のネットワークのための通信システム Pending JPH10107854A (ja)

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