JPH10104239A - 血液凝固時間に影響を与える物質の定量方法 - Google Patents

血液凝固時間に影響を与える物質の定量方法

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JPH10104239A
JPH10104239A JP25510696A JP25510696A JPH10104239A JP H10104239 A JPH10104239 A JP H10104239A JP 25510696 A JP25510696 A JP 25510696A JP 25510696 A JP25510696 A JP 25510696A JP H10104239 A JPH10104239 A JP H10104239A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血液凝固時間に影響を与える物質の精度の高
い定量方法を提供する。 【解決手段】 既知濃度の前記物質を含む標準検体及び
前記物質の濃度が未知の測定すべき検体における凝固時
間並びに前記物質を含まない対照標準検体における凝固
時間を測定し、前記標準検体における前記血液凝固時間
に影響を与える物質の濃度の対数値と下記式で表され
る相対凝固時間(Tr)の下記式で表されるロジット(L
ogit)値とを変数として検量線を算出し、得られた検量
線に基づいて、測定すべき検体中の前記物質の濃度を算
出する。 Tr=(T0/T)×K Logit(Tr)=Ln(Tr/|1-Tr|) (式中、Trは相対凝固時間、T0は前記対照標準検体にお
ける凝固時間、Tは前記標準検体における凝固時間、Kは
0.8≦K≦1.2を満たす任意の定数、Lnは自然対数であ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部分トロンボプラ
スチン時間(PTT)、活性化部分トロンボプラスチン時間
(APTT)、プロトロンビン時間(PT)、トロンビン時間(TT)
のような血液凝固時間に影響を与える薬物などの物質の
濃度を短時間に、正確に、簡便に、また安価に測定する
方法に関する。また同じ原理を用いて、各種検体中の当
該物質を定量する装置、及びこの定量方法に使用する試
薬キットに関する。
【0002】
【従来の技術】ヘパリンやデルマタン硫酸等のグリコサ
ミノグリカン(以下GAGとも記述する)やアルガトロバ
ンのように血液凝固系に影響を与える物質を測定する方
法には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のように一
般の測定機器を用いて該測定対象物質を直接測定する
か、そうでなければヘパリン測定の際に行われるように
該測定対象物質に特異的な生化学的活性を測定して間接
的に測定することがなされている(血液凝固検査ハンド
ブック 宇宙堂八木書店発行 藤巻道男、福武勝幸編集
1992)。しかし、前者の方法では特定の測定機器が必
要であり、さらにその測定装置によって測定可能な状態
にするために長時間かかる簡便ではない前処理が必要と
され、検出感度が低い等の欠点が存在する。また、後者
の方法においては目的とする物質に特異的活性が存在す
ることが必須であり、その特異的活性を検出するために
は多くの場合、入手困難で高価な試薬が必要とされ、ま
た、活性を測定するため敏速な処理が必要とされ一度に
多数の検体の測定を行うことが困難であり、さらに試料
の長期間の保存は活性の低下を招き正確な測定を妨げ
る、測定可能な範囲は狭い等の問題点が存在する。特異
的な抗体を用いた免疫化学的測定方法等も考え得るが、
該測定対象物質が免疫原性がないあるいは低い場合には
検出が不可能であるという問題点があり、汎用されるに
は至っていない。部分トロンボプラスチン時間(PTT)、
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、プロトロン
ビン時間(PT)、トロンビン時間(TT)のような血液凝固時
間を測定することにより、該測定対象物質濃度を測定す
る試みもあるが(In Heparin, pp.393-415, Lane, D.A.
and Lindahl, U. eds, Edward Arnold, 1989)、従来
行われている方法では該測定対象物質濃度と凝固時間の
間に数学的相関関係がなく、凝固時間の測定値から濃度
の直接の数値化が困難であること、作成される検量線か
ら数値化が可能な濃度範囲が狭いこと、さらに検体中に
含まれる多くの凝固因子を利用して凝固させるため、該
測定対象物質濃度に関わらず検体差が大きいこと、など
が問題点となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】血液凝固時間に影響を
与える物質の簡便でかつ精度の高い定量方法、数値化が
容易な定量方法が求められている。特に、前記の従来の
定量法に比べ、広い測定域で精度よく、また数値化が可
能な定量法、及び検体中の測定対象物質以外の血液凝固
因子等の物質の影響を受けずに該測定対象物質を特異的
に高い精度で定量する方法が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、既知濃度の測定対象物質濃度と、凝固時間とか
ら特定の様式で検量線を求めることにより、広い測定範
囲で精度よく定量することができること、測定値から測
定対象物質濃度を数値化できること、また、測定対象物
質を含む検体を特定の条件で前処理することにより、検
体中の測定対象物質以外の物質の影響を受けずに高い精
度で測定対象物質を特異的に定量することができること
を見いだし本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明の第1の要旨は、血液凝
固時間に影響を与える物質の定量方法であって、既知濃
度の前記物質を含む標準検体及び前記物質の濃度が未知
の測定すべき検体における凝固時間並びに前記物質を含
まない対照標準検体における凝固時間を測定し、前記標
準検体における前記血液凝固時間に影響を与える物質の
濃度の対数値と下記式で表される相対凝固時間(Tr)
の下記式で表されるロジット(Logit)値とを変数とし
て検量線を作成し、得られた検量線に基づいて、測定す
べき検体中の前記物質の濃度を求めることを特徴とする
定量方法に存する(以下本発明方法1とも表現する)。
【0006】Tr=(T0/T)×K Logit(Tr)=Ln(Tr/|1-Tr|) (式中、Trは相対凝固時間、T0は前記対照標準検体にお
ける凝固時間、Tは前記標準検体における凝固時間、Kは
0.8≦K≦1.2を満たす任意の定数(好ましくは1.0)、Ln
は自然対数である。) 好ましくは、検量線を作成する方法は多項式回帰法であ
る。
【0007】また、本発明の第2の要旨は、血液凝固時
間に影響を与える物質の定量方法であって、前記物質の
濃度が未知の測定すべき検体に内在する血液凝固因子
を、前記物質を破壊しない条件下で不活化し、次いで、
前記検体及び標準検体を一定量の血液凝固因子と混和
し、得られた混和物の凝固時間を測定することを特徴と
する定量方法に存する(以下本発明方法2とも表現す
る、なお本発明方法1及び2をあわせて単に本発明方法
と表現することもある)。
【0008】好ましくは、不活化は、加熱処理によるも
のであり、その好ましい条件は50〜70℃である。本発明
方法1に本発明方法2を組み合わせることもできる。
【0009】本発明方法の測定対象物質として好ましい
血液凝固時間に影響を与える物質は、糖質又は複合糖質
であり、さらに好ましいものは、グリコサミノグリカン
又は糖脂質である。
【0010】さらに、また、本発明は、本発明方法を行
うための装置(以下本発明装置とも表現する)及び本発
明方法を行うためのキット(以下本発明キットとも表現
する)を提供する。
【0011】すなわち、血液凝固時間に影響を与える物
質の定量装置であって、既知濃度の前記物質を含む標準
検体及び未知濃度の前記物質の濃度が未知の測定すべき
検体並びに前記物質を含まない対照標準検体の凝固時間
を測定する手段、前記既知濃度の対数値と下記式で表
される相対凝固時間(Tr)の下記式で表されるロジッ
ト(Logit)値とを変数として多項式回帰法により検量線
を算出する手段、及び、前記検量線に基づいて、前記測
定すべき検体の凝固時間から前記物質の濃度を算出する
手段を有することを特徴とする前記定量装置が提供され
る。
【0012】Tr=(T0/T)×K Logit(Tr)=Ln(Tr/|1-Tr|) (式中、Trは相対凝固時間、T0は前記対照標準検体にお
ける凝固時間、Tは前記標準検体における凝固時間、Kは
0.8≦K≦1.2を満たす定数(好ましくは1.0)、Lnは自然
対数である。) また、本発明キットは血液凝固時間に影響を与える物質
の定量方法を行うためのキットであって、既知濃度の前
記物質を含む標準検体、前記物質を含まない対照標準検
体、血液凝固因子及び活性化因子を含むことを特徴とす
るキットである。好ましくは、前記既知濃度の対数値と
下記式で表される相対凝固時間(Tr)の下記式で表
されるロジット(Logit)値とを変数として多項式回帰法
により検量線を算出する手順、及び、前記検量線に基づ
いて、前記測定すべき検体の凝固時間から前記物質の濃
度を算出する手順をコンピュータに実行させるためのプ
ログラムを記録した媒体を更に包含するキットである。
【0013】Tr=(T0/T)×K Logit(Tr)=Ln(Tr/|1-Tr|) (式中、Trは相対凝固時間、T0は前記対照標準検体にお
ける凝固時間、Tは前記標準検体における凝固時間、Kは
0.8≦K≦1.2を満たす定数(好ましくは1.0)、Lnは自然
対数である。)
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て説明する。1.本発明方法1血液凝固時間に影響を与え
る測定対象物質の濃度が未知の測定すべき検体すなわち
該測定対象物質の濃度を測定すべき検体(測定検体)
と、当該測定対象物質を含まない対照標準検体、さらに
既知濃度の測定対象物質を含む標準検体について、血液
凝固時間に関する測定系によって、それぞれ凝固時間を
測定する。この際、測定検体、対照標準検体、標準検体
のいずれかが血液凝固因子を全く含まないか、その一部
を欠くものであり、活性化因子を添加しても単独では凝
固が起こらない場合は、これら全ての検体の血液凝固因
子が同濃度となるように上記血液凝固因子を混和する。
標準検体に含まれる当該測定対象物質濃度の対数値を取
り(対数変換)、標準検体と当該測定対象物質を含まない
対照標準検体の凝固時間から下記式で表される相対凝
固時間を算出し、さらに該相対凝固時間を下記式で表
されるロジット(Logit)変換を行いロジット(Logit)値を
算出し、当該対数値と当該Logit値を用いて検量線を作
成する。通常のLogit変換は本発明方法1で使用する下
記式で示すLogit変換のように絶対値は使用しない
が、本明細書中では下記式による変換をロジット(Log
it)変換と称し、該変換法による変換値をロジット(Logi
t)値とする。当該測定対象物質濃度を対数値に変換し、
凝固時間を相対凝固時間に変換した後にLogit変換を行
うことを今後Logit-log変換とも記述する。Logit変換の
応用として下記式'に示す式をLogit変換の代替として
用いることも可能である。また、必要に応じ上記対数値
とLogit値を回帰式に回帰して検量線を算出する。当該
検量線を使用して検体の凝固時間から算出したLogit値
を用いて検体中の当該測定対象物質濃度を求め、血液凝
固時間に影響を与える物質の定量を行う。 Tr=(T0/T)×K Logit(Tr)=Ln(Tr/|1-Tr|) 'Logit(Tr)=Ln(Tr/|1-Tr|)m+Ln(n) (式中、Trは相対凝固時間、T0は前記対照標準検体にお
ける凝固時間、Tは前記標準検体における凝固時間、Kは
0.8≦K≦1.2の定数、Lnは自然対数、m、nは自然数であ
り、特にnはn>0を満たす。Kは既知の標準検体中の当該
測定対象物質濃度を検量線上で求め、誤差が生じた場合
に必要に応じて検体中の当該測定対象物質濃度を算出す
る前に補正定数として変化させる。通常はK=1.0で十分
に対応することが可能である。また、'の応用変換は
検量線の傾き、切片を変化させる手段であり、当該応用
変換を用いることによって数値の算出方法が単純になる
場合は適宜利用することも可能であるが、通常は式で
表現される単なるLogit変換で十分に対応することが可
能である。当該応用変換も本発明の技術範囲に包含され
る。)
【0015】以下に本発明方法1の各工程における技術
について詳細に説明する。 (1)血液凝固時間に影響を与える測定対象物質の濃度を
測定すべき検体(測定検体) 血液凝固時間に影響を与える測定対象物質は、正常な血
液凝固系においてその存在によって血液凝固時間の延長
または短縮を起こす物質であれば特に限定されないが、
糖鎖構造を有することが好ましい。当該糖鎖構造を有す
る物質としては例えば糖質、複合糖質等があげられる
が、糖質としては例えばデルマタン硫酸(DS)、コンドロ
イチン硫酸E(CSE)、ヘパリン(Hep)、低分子ヘパリン(LM
WHep)等のグリコサミノグリカン等があげられ、また複
合糖質としては、例えばスルファチド等の糖脂質等があ
げられる。例えばデルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸
E、ヘパリンあるいは低分子ヘパリンは血液凝固時間の
延長を起こす物質であり、例えばスルファチドは濃度条
件により血液凝固時間を延長又は短縮する物質である。
検体については、上記血液凝固時間に影響を与える物質
を含み得る溶液であれば本発明において検体として用い
ることが可能であり、特に限定はされないが、例えば臨
床検査用検体、前記物質を含む医薬品のモニタリングの
ための体液、前記物質を製造するための工程から得られ
る溶液等である。具体的には例えば体液として血液、血
漿、血清、リンパ液、組織液、関節液、脳脊髄液、汗、
涙液、尿等があげられ、組織抽出液等や、生理食塩水、
各種緩衝液、水等の水溶性溶液等も体液と同様に検体と
して利用することが可能である。
【0016】(2)対照標準検体及び標準検体 対照標準検体は、上記血液凝固時間に影響を与える物質
を含まない水性の液体であれば特に限定はされないが、
例えば血液、血漿、血清、リンパ液、組織液、関節液、
脳脊髄液、汗、涙液、尿等の体液、組織抽出液、生理食
塩水、各種緩衝液、水等である。さらに、標準検体と
は、当該測定対象物質を既知濃度で含む上記液体であ
る。検体と標準検体、対照標準検体の溶媒となる液体は
必ずしも同一である必要はないが、同一であることが好
ましい。
【0017】(3)測定対象物質の濃度 本明細書中の測定対象物質の濃度は例えば(重量/容量
(mg/ml、μg/ml等)で示される濃度、(活性/容量(U/ml
等))等として記述される濃度である。
【0018】(4)血液凝固時間に関する測定系 血液凝固時間に関する測定系は、検体の凝固を利用する
方法であれば特に限定はされないが、例えば部分トロン
ボプラスチン時間(PTT)、活性化部分トロンボプラスチ
ン時間(APTT)、プロトロンビン時間(PT)、トロンビン時
間(TT)(いずれも 臨床検査マニュアル 文光堂発行
北村元仕ら編 1988)等の測定系である。
【0019】(5)活性化因子 本発明における活性化因子とは利用する上記測定系によ
って検体の凝固を開始させるための活性化因子、例えば
APTT測定におけるAPTT測定試薬、あるいはPT測定におけ
るPT測定試薬等である。例えば、APTT測定試薬として
は、市販のトロンボチェックAPTT((株)ミドリ十字;
商品名)等に含まれる「APTT試薬」と塩化カルシウム溶
液との組み合わせが好ましいが、「APTT試薬」の代替と
して同様の構成を有する試薬、すなわち珪藻土(例えば
セライト(商品名))、カオリン鉱物等の鉱物、エラグ
酸等のタンニン又は無水ケイ酸等の接触因子及び粗製の
セファリン等を含有する試薬をAPTT測定用キットの説明
書の記載と同様に用いて本発明方法におけるAPTT測定に
適用してもよい。また、例えば、PT測定試薬とは市販の
トロンボチェックPT((株)ミドリ十字;商品名)等に
含まれる「PT試薬」と塩化カルシウム溶液が好ましい
が、「PT試薬」と同様の構成を有する試薬、すなわちト
ロンボプラスチンを「PT試薬」の代替として、PT測定用
キットの説明書の記載と同様に用いて本発明方法におけ
るPT測定に適用してもよい。また、同様にPTT測定やTT
測定も0.02M塩化カルシウム溶液とPTTやTT測定用の市販
のキットと同様の試薬、すなわち例えばPTT測定ではPTT
試薬の代替としての粗製のセファリン、TT測定ではTT試
薬の代替としてのトロンビンを用いて測定を行うことに
より測定が可能である。
【0020】(6)凝固時間 本発明における凝固時間とは、例えば吸光光度計による
吸光度の測定値、濁度計や比濁計による濁度の測定値、
あるいは粘度計による粘度の測定値などの測定値が、凝
固の開始から凝固を示す一定の値に達するまでの時間を
示す。
【0021】(7)血液凝固因子 血液凝固因子とは血液凝固系に関して健常な血漿に含ま
れる全ての血液凝固因子であり、その添加方法は当該血
液凝固因子が活性化因子により正常な凝固を誘導するの
であれば測定反応系への混和方法、試薬の形態は限定は
されない。混和の際は溶液の状態が好ましいが、正確に
添加することが可能な方法であればこれに限定はされ
ず、例えば凍結乾燥品を反応液に容易に溶解するように
混和することも可能である。当該血液凝固因子を検体に
混和する際には好ましくは最終濃度が健常人の血漿にお
けるこれら因子の濃度の5〜200%となることが望まし
い。また、本発明における血液凝固因子としてはコアグ
トロール1((株)ミドリ十字;商品名)等の必要な血
液凝固因子を含む市販の標準血漿を用いることが好まし
いが、血液凝固因子としては、例えば血液にクエン酸ナ
トリウム等の血液凝固阻害剤を添加し、遠心分離を低回
転数(例えば、150×g程度)で行って得られる血小板を
多く含んだ多血小板血漿(PRP)、又は高回転数(例え
ば、1,000×g程度)で行って得られる貧血小板血漿(PP
P)のいずれであっても用いることが可能である。さら
に、正常血漿に含まれる血液凝固因子を全て含有する液
体であり、上記血液凝固因子の活性化によって凝固を起
こす能力が失われていなければ、例えば、未処理のまま
の血漿を凍結乾燥して得られた凍結乾燥品を蒸留水に再
溶解した溶液等でも可能である。
【0022】(8)対数変換 本発明における測定対象物質濃度の対数変換とは特に限
定はされず、例えば常用対数値、自然対数値等を取るこ
とであるが、数値の算出時の簡便さを考慮すると、常用
対数値を用いることが好ましい。
【0023】(9)回帰法 本発明における回帰法としては対数値とLogit値の関係
を数式で表現するための回帰法であれば特に限定はされ
ない。しかし、算出される数値と理論値の誤差が小さく
正確性が高いことから多項式回帰法を用いて回帰式に回
帰することが好ましく、実用性を考慮すると二次式又は
三次式に回帰することがより好ましい。
【0024】また、本発明は血液凝固時間に影響を与え
る物質の測定方法として以下の本発明方法2も提供す
る。以下に本発明方法2の実施の形態について説明す
る。
【0025】2.本発明方法2 血液凝固時間に関する測定系において凝固時間を測定す
る際に、血液凝固時間に影響を与える物質の濃度を測定
すべき検体(測定検体)が血液凝固因子をすでに含む生
体由来検体である場合、当該測定対象物質を破壊しない
条件下で測定検体中に内在する血液凝固因子を不活化
し、次いで前記検体及び標準検体を一定量の血液凝固因
子と混和してから、得られた混和物について凝固時間を
測定する。測定された凝固時間から濃度をそのまま、あ
るいは対数による変換値と凝固時間をそのまま用いて検
量線を作成する従来の方法によって測定対象物質の濃度
を算出することができる。
【0026】以下に本発明方法2の各工程における技術
について詳細に説明する。なお、測定検体、対照標準検
体及び標準検体、血液凝固時間に関する測定系、測定対
象物質の濃度、凝固時間、血液凝固因子等については本
発明方法1について記載したものと同様である。
【0027】(1)測定対象物質を破壊しない条件下で血
液凝固因子を不活化する処理 本発明における測定対象物質を破壊せずに検体内在性の
血液凝固因子を不活化するための処理とは、例えば酵素
処理、加熱処理、酸処理、アルカリ処理、有機溶媒によ
る変性処理、凍結融解の繰り返し処理等であり、その中
でも加熱処理が簡便なため好ましい。加熱処理における
温度は、通常には30〜100℃、好ましくは40〜80℃、さ
らに好ましくは50〜70℃、最も好ましくは56〜65℃であ
る。加熱処理における時間は加熱によって測定対象物質
を破壊しないならば限定はされないが、通常には数分〜
数十分、好ましくは15〜25分、特に好ましくは20分程度
である。酸処理、アルカリ処理による場合は、その処理
の後に例えば緩衝液等によって水素イオン濃度(pH)を適
宜調整する必要がある。また、有機溶媒による変性処理
の場合には、当該変性処理の後に有機溶媒を除去する処
理が必要である。さらに、例えばタンパク質分解酵素等
を用いた酵素処理による場合には、該処理の後に当該酵
素を例えば加熱処理等によって失活させる必要がある。
また、酵素処理法としては、固定化酵素と接触させる方
法を採用することも可能であり、この場合は必ずしも失
活させる必要はない。該不活化処理においては、上記処
理の単独の使用、複数の処理の組み合わせた使用は特に
制限されない。
【0028】(2) 一定量の血液凝固因子との混和 本発明における一定量の血液凝固因子との混和とは、上
記不活化処理で不活化された内在性の血液凝固因子の代
わりに別途血液凝固因子を添加することを指す。添加量
は当該血液凝固因子が活性化因子により正常な凝固を誘
導する量であり、測定系により適宜決定される。
【0029】以上本発明方法1と本発明方法2をそれぞ
れ独立で実施した場合にも従来法と比較して広い濃度範
囲で正確な測定値を得ることが可能であるが、本発明方
法1と本発明方法2に記載された方法を組み合わせて検
体内在性の血液凝固因子の不活化処理と測定値の数値変
換を用いた場合はより広い濃度範囲で正確な測定値を得
ることが可能である。
【0030】すなわち、当該本発明方法1について記載
した測定対象物質を含む該本発明方法1と同様な測定検
体及び標準検体または測定検体のみに当該測定対象物質
を破壊しない処理を施し内在性の血液凝固因子を不活化
し、その後、測定検体、対照標準検体、標準検体それぞ
れに該本発明方法1についての記載と同様に血液凝固因
子を全て同濃度となるように添加して該本発明方法1に
ついて記載した活性化因子を添加して本発明方法1と同
様に凝固時間を測定し、対照標準検体、標準検体におけ
る当該測定対象物質濃度あるいは活性単位と凝固時間の
測定値を利用して検量線を作成し、当該検量線と測定検
体における凝固時間から該検体中の当該測定対象物質濃
度を求めることができる。
【0031】また、本発明方法1、2及びこれらを組み
合わせた定量方法は、血液凝固時間に影響を与える物質
が測定すべき検体中に複数含まれる場合にも測定対象物
質のみを定量する事が可能である。この場合には、本発
明方法1、2あるいはこれらを組み合わせた方法におい
て、検体の凝固を開始する前に、対象とする物質以外の
上記物質を血液凝固系に影響を与えない状態にする作業
を行う必要がある。当該作業は、例えば酵素処理法等で
ある。例えば、測定対象物質とヘパリンが共存する場合
には、検体の凝固を開始する作業の前にヘパリナーゼ等
のヘパリン分解酵素によって処理してヘパリンを分解し
た後に、凝固を開始させて凝固時間の測定を行う。
【0032】本発明は本発明方法を利用した測定機器
(本発明装置)とキット(本発明キット)も提供する。
以下に本発明装置と本発明キットの実施の形態について
説明する。
【0033】3.本発明装置 本発明方法1に記載された方法で血液凝固時間に影響を
与える物質濃度を測定するための装置であり、その一例
を図1のブロック図を参照して説明する。この本発明装
置は、測定検体、対照標準検体及び標準検体の凝固時間
を測定する手段として、反応実施部1と検体測定部2とを
装備し、検量線を算出する手段及び前記物質の濃度を算
出する手段として、入力部3、中央処理部4、データ記憶
部5、プログラム記憶部6及び出力部7を装備している。
【0034】以下、各構成部分毎に詳細に説明する。 (1)反応実施部 反応実施部1は、測定検体、対照標準検体及び標準検体
の凝固が起こる反応器を備える。加熱による内在性の血
液凝固因子の不活化処理を行うために加熱が可能なヒー
ターが装備されていることが好ましく、このヒーターを
利用することにより本発明方法2の説明の後に記載した
本発明方法1と本発明方法2を組み合わせた測定を行う
ことも可能である。
【0035】(2)検体測定部 検体測定部2は、測定検体、対照標準検体、標準検体の
変化を測定することにより凝固時間を測定する。装置の
単純化を考慮すると上記反応実施部1と隣接して設置す
ることが好ましい。
【0036】検体測定部2が装備する凝固時間の測定手
段は、上記本発明方法1の測定工程を実施することが可
能であれば特に限定はされない。例えば、分光光度計を
利用した吸光度の測定装置、濁度計や比濁計を用いた濁
度の測定装置、粘度計を利用した粘度検出装置等である
が、装置の構造や簡便さなどから吸光度を利用する方法
が好ましい。凝固の開始から測定値が凝固を示す一定の
値に達するまでの時間が凝固時間として測定される。
【0037】(3)入力部 入力部3により、標準検体中の測定対象物質濃度と当該
濃度での凝固時間の測定値、必要に応じて標準検体中の
該測定対象物質の活性単位(U/mg)、検体の凝固時間の測
定値及び数値変換の係数(K)を入力するとともに検量線
を算出するための回帰法を選択する。必要であれば反応
実施部1のヒーターの加熱温度及び加熱時間の入力も当
該入力部3で行う。入力部3は、例えばキーボード、テン
キー、タッチパネル等で構成されるが、必ずしもこれに
限定されるものではない。
【0038】(4)中央処理部 以下の処理を行う。 ・上記入力部3から入力された標準検体中の測定対象物
質濃度あるいは活性単位及び回帰式情報(回帰式の選択
情報及び係数(K))等をデータ記憶部5に格納し、また上
記検体測定部で測定された検体、対照標準検体及び標準
検体の凝固時間を上記検体測定部から取得してデータ記
憶部5に格納する。 ・プログラム記憶部6から検量線算出手順を実行するプ
ログラムを読み出し、該プログラムを実行して検量線を
算出し、必要に応じてデータ記憶部5に格納する。 ・上記入力部3において入力された情報に応じてプログ
ラム記憶部6から未知濃度算出手順を実行するプログラ
ムを読み出し、該プログラムを実行して、検体中の物質
濃度あるいは活性単位を算出し、必要に応じてデータ記
憶部5に格納する。 ・算出された検量線及び検体中の測定対象物質濃度、な
らびに、データ記憶部5に格納されたデータを出力部7に
出力する。 ・必要であれば、データ記憶部5に格納されたヒーター
の加熱温度及び加熱時間を読み出し、反応実施部1のヒ
ーターを制御する。
【0039】中央処理部4は、例えば、マイクロプロセ
ッサで構成される。
【0040】(5)データ記憶部 標準検体中の測定対象物質濃度及び回帰式情報(回帰式
の選択情報及び係数(K))、並びに、測定された測定検
体、対照標準検体及び標準検体の凝固時間とを記憶す
る。例えば、ランダムアクセスメモリ、ハードディスク
等の記憶装置で構成される。
【0041】(6)プログラム記憶部 検量線算出手順、未知濃度算出手順及び濃度記述の相互
換算手順を中央処理部に実行させるプログラムを格納す
る。例えば、読み出し専用メモリで構成される。あるい
は、ランダムアクセスメモリに記憶媒体からプログラム
を転送して構成される。
【0042】検量線算出手順は、データ記憶部5から、
標準検体中の測定対象物質濃度あるいは活性単位、回帰
式の選択情報、並びに、測定検体、対照標準検体および
標準検体の凝固時間のデータを読み出し、標準検体中の
濃度の対数値と下記式で表される相対凝固時間(Tr)
の下記式で表されるロジット(Logit)値とを変数とし
て回帰式情報に基づいて多項式回帰法により検量線を算
出する手順である。
【0043】Tr=(T0/T)×K Logit(Tr)=Ln(Tr/|1-Tr|) (式中、Trは相対凝固時間、T0は前記対照標準検体にお
ける凝固時間、Tは前記標準検体における凝固時間、Kは
0.8≦K≦1.2を満たす定数(好ましくはK=1.0)、Lnは自
然対数である。) 未知濃度算出手順は、算出された検量線としての回帰式
に基づいて、データ記憶部5から読み出した測定検体の
凝固時間から濃度を算出する手順である。
【0044】濃度記述の相互換算手順は、(重量/容
量)で示される濃度と(活性/容量)で示される濃度の
相互換算手順、すなわち、入力された活性単位(1mgあ
たりのユニット数)および上記未知濃度算出手順によっ
て得られた数値を用いて(重量/容量)で示される濃度
を(活性/容量)で示される濃度に、あるいはその逆の
換算を行う手順である。
【0045】(7)出力部 算出された物質濃度、回帰式等を出力する。例えば、液
晶表示パネル等の画面表示手段、プリンタ等の印刷手段
によって構成される。
【0046】本発明装置が装備する上記各手段を行うそ
れぞれの装置は、必ずしも同一の筐体に包含される必要
はなく、情報が適切に処理されるのであればその構成は
特に限定されない。
【0047】4.本発明キット 本発明キットは上記本発明方法1、上記本発明方法2を
単独に又は複合的に行うためのキットであり、本発明方
法1について記載された標準検体、血液凝固因子及び活
性化因子、さらに好ましくは測定によって得られた凝固
時間の測定値を数学的に処理するためのプログラムが記
録された媒体及び/又は対照標準検体を内包するキット
である。
【0048】以下に本発明キットにおける技術について
詳細に説明する。 (1)対照標準検体、標準検体、血液凝固因子及び活性化
因子 対照標準検体、標準検体、血液凝固因子は本発明方法1
について記載した通りである。本発明キットとしては例
えばヘパリン測定用キット、デルマタン硫酸測定用キッ
ト等があげられるが、例えばヘパリン測定用キットの場
合は標準検体として一定量のヘパリンを一定濃度で含有
する標準ヘパリン検体を包含することが好ましい。
【0049】本発明キットにおける活性化因子とは、当
該活性化因子を混和することにより血液凝固因子の活性
化が誘導される物質であり、本発明方法1について記載
したものが例示されるが、凝固を起こす因子であれば特
に限定はされない。当該活性化因子は凝固時間の測定に
利用する血液凝固系(APTT、PT、PTT、TT等により)で
決定され、例えば本発明方法1の活性化因子の項に記載
したAPTT試薬やPT試薬等とカルシウムイオンを含有する
溶液の組み合わせである。
【0050】対照標準検体、標準検体、血液凝固因子及
び活性化因子は、保存又は使用に適した形態に調製され
てキットに含まれることが望ましい。
【0051】(2)数学的な処理を行うプログラムが記録
された媒体 本発明キットにおける数学的な処理を行うプログラムが
記載された媒体とは凝固時間の測定値を規定された方法
で入力することにより、上記本発明方法1に記載された
各種数値の変換処理を行い、また該変換値を利用して上
記本発明方法1に記載された検量線の作成すなわち数値
の回帰処理、検体中の測定対象物質濃度の算出、必要に
応じて濃度記述の相互変換を行うプログラムが記録され
た記憶媒体であり、その種類は限定されず、また当該プ
ログラムが動作する環境も特に限定はされない。
【0052】プログラムの一例の手順を図2のフローチ
ャートを参照して説明する。S1では、標準検体中に含
まれる血液凝固時間に影響を与える物質の濃度及び標準
検体の凝固時間並びに対照標準検体における凝固時間を
入力する。また、必要に応じて係数(K)を入力する。
【0053】S2では、検量線を算出するために使用さ
れる回帰式を選択する。例えば、1次式、2次式及び3
次式の中から選択する。S3では、S1で入力された情
報とS2で選択された情報に基づいて、前記標準検体に
おける前記血液凝固時間に影響を与える物質の濃度の対
数値と下記式で表される相対凝固時間(Tr)の下記式
で表されるロジット(Logit)値とを変数として検量線
を算出する。
【0054】Tr=(T0/T)×K Logit(Tr)=Ln(Tr/|1-Tr|) (式中、Trは相対凝固時間、T0は前記対照標準検体にお
ける凝固時間、Tは前記標準検体における凝固時間、Kは
0.8≦K≦1.2を満たす任意の定数、Lnは自然対数であ
る。)
【0055】S4では、測定すべき検体の凝固時間を入
力する。S5では、測定すべき検体中における測定対象
物質の濃度(未知濃度)を前記検量線に基づいて算出す
る。また、必要に応じて濃度記述の相互変換を行う。
【0056】S6では、S5で算出された濃度とS3で
算出された検量線としての回帰式を表示する。これらは
別個に表示するようにしてもよいし、また、グラフ表示
にしてもよい。
【0057】上記の手順の内、S1、S2及びS4の順
序は任意でよい。S4をS3の前にしてもよいが、この
場合S1及びS2はS3よりも前に行われなければなら
ない。
【0058】S1〜S3が検量線を算出する手順に、S
4〜S5が未知濃度を算出する手段にそれぞれ相当す
る。
【0059】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
【0060】
【実施例1】 (本発明方法1による各種グリコサミノグリカンの定
量)ラット血漿中の血液凝固時間を延長する種々の物質
がAPTTに与える影響、およびAPTTの数値変換値と測定対
象物質である当該物質の濃度値との相関を検討した。当
該測定対象物質として、グリコサミノグリカン(以下GA
G)であるヘパリン(以下Hep)、低分子ヘパリン(以下
LMWHep)及びデルマタン硫酸(以下DS)を用い、採取し
て未処理の血漿のAPTTの変化を調べた。即ち、3.8wt%ク
エン酸ナトリウム水溶液を含む注射筒を用意し、該注射
筒を用いて該クエン酸ナトリウム水溶液の約9倍量の血
液を採血する。該混合物を4℃、1000×Gの条件で15分間
遠心処理してその上清を血漿として分離した。該血漿10
0μlに各濃度で生理食塩水に溶解した上記の種々の測定
対象物質を100μl添加して37℃に1分間放置し、その
後、37℃に保温したAPTT試薬(トロンボチェックAPTT:
ミドリ十字)を100μl添加して37℃に2分間放置した
後、37℃に保温した0.02M塩化カルシウム溶液を100μl
添加して凝固を開始させ、凝固時間をバクスター社製の
血液凝固自動測定装置(AMELUNG KC10A)で測定した(表
1、図3)。
【0061】ヘパリンでは、0.12μg/mlから、APTTは延
長し、12μg/ml以上では凝固が起こらず、低分子ヘパリ
ンでは、1.2μg/mlから、APTTは延長し、40μg/ml以上
で凝固が起こらなくなった。デルマタン硫酸では、1μg
/mlから、APTTは延長し、3000μg/mlでは、65.7secまで
延長した。従来知られている方法(In Heparin,pp.393-4
15, Lane, D.A. and Lindahl, U. eds, Edward Arnold,
1989)で、測定された凝固時間と濃度をそれぞれ対数変
換しプロット後、検量線を作成した(後述)。しかし、
当該検量線は精度が低く、実用的に測定可能な濃度域は
きわめて狭かった(比較例;図4〜6)。
【0062】
【表1】 種々の物質がAPTT値(秒)に与える影響 ──────────────────────────────────── GAG濃度(μg/ml) 0 0.04 0.12 0.4 1.2 4 12 40 120 400 Hep 13.9* 14.0 14.5 14.7 17.7 45.4 n.c. n.c. n.c. n.c. LMWHep 13.9* --- --- 14.3 15.7 20.5 41.4 n.c. n.c. --- ────────────────────────────── GAG濃度(μg/ml) 0 0.5 1 3 5 10 15 30 DS 16.8* 17.1 17.4 18.1 18.3 18.8 18.1 20.2 ────────────────────────────── GAG濃度(μg/ml) 50 100 150 300 500 1000 1500 3000 DS 21.6 25.2 26.8 31.8 35.9 43.1 51.5 65.7 デュプリケート測定平均値 n.c.: 6min.以上 ---:測定せず *いずれも血液凝固時間に影響を与える物質を含んでい
ない血漿におけるAPTT値であるが、ヘパリン、低分子ヘ
パリンの実験を行った日とデルマタン硫酸の実験を行っ
た日が異なるため、これらの値に違いがある。従って、
血液凝固時間には、使用する検体(血漿等)による相違
が生じる。本発明は、また、このような検体による誤差
をなくす定量方法も提供する(実施例2)。
【0063】上記物質を用いて得たAPTT値を用いて数値
の変換を行い、数値の多項式回帰法による回帰により検
量線の作成を行った。即ち、下記手順に従い数値の変換
(Logit-log変換)、回帰を行った。 1)被験測定対象物質濃度(x)を常用対数値に変換する。
(X=Logx) 2)各被験測定対象物質濃度(x)におけるAPTT値(T)に対す
る、被験当該物質の未添加時(0濃度)のAPTT値(T0)の比
率(Tr)を計算する(Tr=(T0/T)×K;K=1.0)。 3)Trの値をロジット(Logit)変換する。本実施例は凝固
時間を延長するケースであるので1>Trとなり、Y= Ln(Tr
/(1-Tr))となる。従って、本実施例の場合は、Ln(T0/T)
/(1-T0/T) = Ln(T0/T-T0) = Ln((T-T0)/T0)-1 = - Ln
(ΔAPTT/T0)と変換される。ただしΔAPTT= T-T0。 4)それぞれのX値と、それに対応するY値のデータを多項
式回帰し、多項方程式で回帰曲線(一次式の場合は、直
線)を算出する。Y=ΣCkXk、ただしK≧0、Ckは実数。
【0064】理論値は実際の検体中の測定対象物質濃
度、計算値は回帰計算によって求めた検量線の式により
該検体のAPTTの測定値から測定対象物質濃度を逆算した
数値である。
【0065】測定によって得たAPTT値、算出された回帰
曲線を示す多項式(一次、二次、三次、ただし、ヘパリ
ンは一次、二次のみ)から得られた計算値、並びに理論
値と計算値から得た真度(真度=(計算値−理論値)/理論
値×100%)の一覧を表2〜5(本発明方法)に示す。ま
た上記の従来法で得た理論値を参考の為併記した。ま
た、算出された回帰曲線を図7〜9(本発明方法)に示
す。本実施例では、回帰式は三次式までを例示したが、
四次以上の多項式での回帰曲線も用いることが可能であ
る。
【0066】上記回帰曲線(検量線)を用いてAPTT値か
ら未知当該物質濃度を求める場合は、未知濃度の当該測
定対象物質を含む検体のAPTT値を測定しYを算出し、こ
れを得られた多項式に代入しXを得、10Xを計算し、最終
的に未知濃度xを得る。表2〜5の結果から明らかなよ
うに、本発明によれば、広い濃度範囲でよい真度が得ら
れる。
【0067】
【表2】 ヘパリン(Hep)の例 ─────────────────────────────────── 一次式 二次式 従来法 理論値 APTT(T) 計算値 真度 計算値 真度 計算値 真度 (μg/ml) (秒) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) 0.4 14.7 0.426 +6.5 0.420 +5.0 0.515 +28.1 1.2 17.7 1.104 -7.9 1.199 -0.8 0.746 -37.8 4.0 45.4 4.019 +0.5 3.805 -4.9 5.00 +25.6 T0=13.9秒 回帰式: 本発明方法: 一次式:Y=-3.679X+1.459(図7) 二次式:Y=-0.781X2-3.679X+1.580 従来法:Y=0.495X+1.311(但し、この場合のY=log(検体のAPTT値)、X=log(検 体中のヘパリン濃度)(図4)
【0068】
【表3】 低分子ヘパリン(LMWHep)の例 ─────────────────────────── 一次式 二次式 理論値 APTT(T) 計算値 真度 計算値 真度 (μg/ml) (秒) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) 0.4 14.3 0.384 -4.1 0.390 -2.4 1.2 15.7 1.309 +9.1 1.288 +7.3 4 20.5 3.778 -5.5 3.717 -7.1 12.0 41.4 12.11 +0.9 12.32 +2.7 ─────────────────── 三次式 従来法 計算値 真度 計算値 真度 (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) 0.400 -0.0 0.626 +56.5 1.199 -0.1 0.852 -29.0 3.999 -0.0 2.05 -48.6 11.99 -0.0 20.9 +74.2 T0=13.9sec. 回帰式: 本発明方法: 一次式:Y=-2.822X+2.375(図8) 二次式:Y=0.0807X2-2.779X+0.657 三次式:Y=-0.797X3-0.545X2-2.551X+0.745 従来法:Y=0.303X+1.217 (但し、この場合のY=log(検体のAPTT値)、X=log( 検体中の低分子ヘパリン濃度)(図5)
【0069】
【表4】 デルマタン硫酸(DS)の例 ────────────────────────── 一次式 二次式 理論値 APTT(T) 計算値 真度 計算値 真度 (μg/ml) (秒) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) 30 20.2 24.8 -17.3 28.9 -3.6 50 21.6 45.6 - 8.9 47.9 -4.1 100 25.2 122.2 +22.2 114.2 +14.2 150 26.8 166.2 +10.2 151.8 + 1.2 300 31.8 339.7 +13.2 303.3 + 1.1 500 35.9 520.2 + 4.0 469.0 - 6.2 1000 43.1 914.3 - 8.6 862.2 -13.8 1500 51.5 1490.5 - 0.6 1512.8 + 0.9 3000 65.7 2728.9 - 9.0 3207.2 + 6.9 ──────────────────────────
【表5】 T0=16.6sec. 回帰式: 本発明方法: 一次式:Y=-1.306X+3.419(図9) 二次式:Y=0.147X2-2.034X+4.256 三次式:Y=-0.156X3+1.302X2-4.776X+6.329 従来法:Y=0.253X+0.898 (但し、この場合のY=log(検
体のAPTT値)、X=log(検体中のデルマタン硫酸濃度)
(図6)
【0070】
【実施例2】 (本発明方法によるデルマタン硫酸の定量)血漿の加熱
処理がAPTTにおよぼす影響と、ラット血漿あるいは標準
血漿(コアグトロール1)を血液凝固因子供給源として
使用した影響を調べた。測定対象物質としてはデルマタ
ン硫酸を用いた。
【0071】血漿中の血液凝固因子量の検体差がAPTTの
測定値に影響し、さらに定量値に影響することが、実施
例1の表1において使用した血漿が異なる検体であった
ためにグリコサミノグリカンの濃度が0のときの凝固時
間が相違していることからも明らかであるため(表1参
照)、デルマタン硫酸を含有する検体中の血液凝固因子
を失活させ、APTT測定に使用する血液凝固因子は別に添
加した。血液凝固因子の失活の手法として、サンプルの
加熱処理を試みた。加熱処理のAPTTに対する影響を、デ
ルマタン硫酸濃度0及び250μg/mlにおいて検討した。そ
の後、血液凝固因子の供給源として、コアグトロール1
及びラット血漿を使用した。
【0072】加熱処理による影響は、ラットから実施例
1の方法と同様に採取した血漿に、生理食塩水に溶解し
たデルマタン硫酸を最終容量の1/10添加し、この状態で
の最終濃度を0及び250μg/mlとし、これを検体とした。
加熱処理検体は、65℃で20分間加熱し、実施例1と同様
のAPTT試薬とカルシウム溶液を100μlずつ添加してそれ
ぞれのAPTT値を実施例1と同様に血液凝固自動測定装置
で測定した。非加熱処理検体のデルマタン硫酸濃度0、2
50μl/mlの検体において、それぞれのAPTT値は14.2秒及
び38.1秒であったが、加熱処理を行った検体は、いずれ
のデルマタン硫酸濃度において少なくとも120秒の間で
凝固は認められなかった(表6)。
【0073】一方、加熱処理の後に血液凝固因子を別途
添加した場合のAPTT値の変化は、上記加熱検体20μlに
説明書に従って調製したコアグトロール1を80μl添加
し、上記方法と同様にAPTT試薬とカルシウム溶液を添加
し、APTT値を実施例1と同様に血液凝固自動測定装置で
測定した。その結果、加熱処理を行った場合には凝固が
起こらなかった検体で、コアグトロール1の添加によっ
て凝固活性が復活し、さらにデルマタン硫酸によるAPTT
値の延長作用が観察された(表6)。
【0074】また、データは示さないが、実施例1と同
様の方法で用意されたラット血漿を上記コアグトロール
1の代替として使用した場合にも上記結果と同様に凝固
活性の復活とデルマタン硫酸によるAPTTの延長作用が起
こることを確認している。
【0075】
【表6】 ラット血漿のAPTT値(秒)の加熱処理による影響 デルマタン硫酸濃度(μg/ml) 加熱処理操作 0 250 なし 14.2(秒) 38.1(秒) あり --- --- 被検サンフ゜ルの5倍希釈 (0μg/ml) (50μg/ml) コアグトロール1 33.4(秒) 56.8(秒) --- : 少なくとも120秒まで凝固しない。
【0076】
【実施例3】(本発明方法1と本発明方法2の組み合わ
せによるデルマタン硫酸の定量)APTT法を用い、ラット
の尿及び肝臓組織ホモジネイトを検体とした血液凝固時
間を延長する物質の定量の検討を行った。測定対象物質
としてデルマタン硫酸を用いた。
【0077】肝臓は、その一部(2.550g)に4倍量のリン
酸緩衝液を添加し、氷冷下ポリトロン型ホモジナイザー
(約15,000rpm)でホモジナイズし、その後、3,000rpm, 4
℃の条件下において15分間遠心分離した上清を肝臓ホモ
ジナイズサンプルとした。尿の場合は氷冷下で、ラット
が一晩に排泄した尿を回収し、3,000rpm, 4℃の条件下
において遠心分離した上清を尿サンプルとした。それぞ
れのサンプルは、-30℃で凍結保存した。
【0078】本発明方法2に従い不活化処理として融解
後に56℃で20分間加熱処理した。生理食塩水に溶解した
デルマタン硫酸をサンプルの全体量に影響を与えない少
量添加し十分に攪拌して検体(肝臓ホモジネイト検体、
尿検体)とした。各検体を20μl取り、コアグトロール
1を80μl添加し、APTT測定に供試した。また、参考値
として肝臓ホモジネイトサンプルや尿サンプルの代替と
して生理食塩水(生食)にデルマタン硫酸を各濃度で溶
解した(対照生理食塩水検体)場合についてもAPTT測定
を行い、本発明方法1に従って数値変換を行った(表7
〜10及び図10〜18)。
【0079】
【表7】 種々の検体におけるデルマタン硫酸のAPTT値(秒)に対する影響 ────────────────────────────── デルマタン硫酸 濃度(μg/ml) 0 50 100 300 1000 3000 生食 33.5 33.9 35.9 46.8 63.3 102.5 肝臓 36.5 36.4 39.2 45.0 59.8 85.9 尿 39.8 42.4 46.6 56.7 79.8 132.3 ──────────────────────────────
【0080】
【表8】 a. 対照生理食塩水 ──────────────────────────────────── 一次式 二次式 三次式 理論値* APTT(T) 計算値 真度 計算値 真度 計算値 真度 (μg/ml) (秒) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) 50 33.9 28.8 -42.4 46.9 -6.2 50.5 +1.0 100 35.9 128.7 +28.7 110.4 +10.4 99.7 -0.3 300 46.8 539.1 +7.8 328.1 +9.4 323.0 +7.7 1000 63.5 1064.4 +6.4 697.0 -30.3 1040.1 +4.0 3000 102.5 2136.3 -28.8 n.c. n.c. 3173.9 +5.8 T0=33.5秒 n.c.:解なし *対照生理食塩水20μl中のデルマタン硫酸の濃度を表す。 回帰式: 一次式:Y=-2.753X+8.444(図10) 二次式:Y=1.416X2-10.075X+17.309(図11) 三次式:Y=-1.25X3+11.14X2-34.44X+36.95(図12)
【0081】
【表9】 b. 肝臓ホモジネイト ──────────────────────────────────── 一次式 二次式 三次式 理論値* APTT(T) 計算値 真度 計算値 真度 計算値 真度 (μg/ml) (秒) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) 100 39.2 88.8 -11.2 100.2 -0.2 99.7 +0.3 300 45.0 341.0 +13.7 305.2 +1.7 298.0 -0.7 1000 59.8 1112.8 +11.3 1000.2 +0.0 987.0 -1.3 3000 85.9 2687.0 -10.4 3078.1 +2.6 2928.1 -2.3 T0=36.5秒 *肝臓ホモジネイト検体20μl中のデルマタン硫酸の濃度を表す。 回帰式: 一次式:Y=-1.963X+6.429(図13) 二次式:Y=0.415X2-4.234X+9.410(図14) 三次式:Y=-0.085X3+1.110X2-6.097X+11.035(図15)
【0082】
【表10】 c. 尿 ──────────────────────────────────── 一次式 二次式 三次式 理論値* APTT(T) 計算値 真度 計算値 真度 計算値 真度 (μg/ml) (秒) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) 50 42.4 38.6 -22.7 46.4 -7.1 49.6 -0.8 100 46.6 121.1 +21.1 114.2 +14.2 103.5 +3.5 300 56.7 357.2 +19.1 300.7 +0.2 286.7 -4.4 1000 79.8 994.1 -0.6 882.2 -11.8 1045.8 +4.6 3000 132.3 2691.5 -10.3 3292.0 +9.7 3021.3 +0.7 T0=39.8秒 *尿検体20μl中のデルマタン硫酸の濃度を表す。 回帰式: 一次式:Y=-1.938X+5.804(図16) 二次式:Y=0.363X2-3.812X+8.074(図17) 三次式:Y=-0.548X3+4.628X2-14.508X+16.693(図18)
【0083】
【実施例4】(本発明方法1及び本発明方法2の組み合
わせによる各種GAGの定量)実施例2及び3は測定検体
の血液凝固因子を不活化し、デルマタン硫酸の量を測定
したが、デルマタン硫酸以外の血液凝固時間を延長する
物質が知られているので、実施例2と同様の熱処理(65
℃、20分)では破壊されないと考えられるGAGであるヘ
パリン、低分子ヘパリン、コンドロイチン硫酸Eについ
ても調べた。測定法は以下に記す方法で行った。
【0084】即ち、実施例1と同様にラット血漿を採取
し、ラット血漿の全体量に影響を与えないごく少量の生
理食塩水に溶解した各種GAGを各々加えた後、十分混和
して検体とし、この検体を65℃で20分間加熱処理した
(加熱処理検体)。加熱処理検体の20μlを80μlのコア
グトロール1と混和後、実施例1と同様の方法によって
それぞれのAPTT値をデュプリケートで測定し、その平均
を測定値とし、本発明方法1に従って数値変換した(表
11〜14及び図19〜26)。
【0085】
【表11】 種々の物質のAPTT値(秒)に及ぼす影響 ────────────────────────────────── 濃度(μg/ml) 0 0.01 0.03 0.1 0.3 1 3 10 30 GAG Hep 35.1 35.0 35.8 34.7 35.5 35.1 36.6 53.1 197.6 LMWHep 35.2 35.6 34.7 34.8 35.7 35.0 35.5 40.7 59.6 CSE 35.0 34.2 34.9 34.7 35.5 36.0 35.8 38.1 42.2 ────────────────────────────────── ────────────────── 濃度(μg/ml) 100 300 1000 GAG Hep n.c. --- --- LMWHep 182.9 --- --- CSE 59.4 140.9 n.c. ────────────────── n.c.: 6min.以上 ---:測定せず
【0086】
【表12】 ヘパリンの例 ────────────────────────────── 一次式 二次式 理論値* APTT(T) 計算値 真度 計算値 真度 (μg/ml) (秒) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) 3 36.6 2.88 -4.0 2.9 -3.3 10 53.1 10.1 +0.7 10.0 +0.0 30 197.6 29.8 -0.8 29.9 -0.3 T0=35.2秒 *加熱処理検体20μl中のヘパリンの濃度を表す。 回帰式: 一次式:Y=-4.686X+5.377(図19) 二次式:Y=0.139X2-4.957X+5.486(図20)
【0087】
【表13】 低分子ヘパリンの例 ──────────────────────────────────── 一次式 二次式 三次式 理論値* APTT(T) 計算値 真度 計算値 真度 計算値 真度 (μg/ml) (秒) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) 3 35.5 2.46 -18.0 2.92 -2.7 3.00 -0.0 10 40.7 13.2 +32.0 11.1 +11.0 10.0 -0.0 30 59.6 31.2 +4.0 26.2 -12.7 29.9 -0.3 100 182.9 88.3 -11.7 106.5 +6.5 100.0 +0.2 T0=35.2秒 *加熱処理検体20μl中の低分子ヘパリンの濃度を表す。 回帰式: 一次式:Y=-3.987X+6.324(図21) 二次式:Y=1.066X2-6.627X+7.620(図22) 三次式:Y=-1.786X3+7.701X2-13.89X+9.833(図23)
【0088】
【表14】 コンドロイチン硫酸Eの例 ──────────────────────────────────── 一次式 二次式 三次式 理論値* APTT(T) 計算値 真度 計算値 真度 計算値 真度 (μg/ml) (秒) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) 3 35.8 3.05 +1.6 2.72 -9.2 2.98 -0.6 10 38.1 11.4 +13.9 12.1 +21.4 10.4 +4.0 30 42.2 25.9 -13.8 28.4 -5.4 28.2 -5.9 100 59.4 84.8 -15.1 89.1 -10.9 103.1 +3.1 300 140.9 354.1 +18.0 317.2 +5.7 298.4 -0.5 T0=35.0秒 *加熱処理検体20μl中のコンドロイチン硫酸Eの濃度を表す。 回帰式: 一次式:Y=-2.366X+4.924(図24) 二次式:Y=-0.196X2-1.789X+4.594(図25) 三次式:Y=-0.519X3+2.096X2-4.719X+5.601(図26)
【0089】ヘパリンは活性単位で示されることが多い
ため、当該実施例中のヘパリンの例(表12)につい
て、標準検体のU/mlとして示される濃度の理論値と凝固
時間の関係で示し、当該実施例中のヘパリンの例と同様
に検量線の作成と曲線回帰を試みた(表15および図2
7、28)。ただし、ヘパリンは、和光純薬工業(株)
(Cat No.085-00134;182.5U/mg)を使用した。
【0090】
【表15】 ヘパリンの例(活性単位) ────────────────────────────── 一次式 二次式 理論値* APTT(T) 計算値 真度 計算値 真度 (U/ml) (秒) (U/ml) (%) (U/ml) (%) 0.548 36.6 0.526 -4.0 0.530 -3.3 1.825 53.1 1.839 +0.7 1.816 -0.5 5.475 197.6 5.428 -0.9 5.461 -0.3 T0=35.2秒 *加熱処理検体20μl中のヘパリンの濃度を表す。 回帰式: 一次式:Y=-4.691X+1.917(図27) 二次式:Y=0.149X2-4.761X+1.900(図28)
【0091】
【実施例5】 (本発明方法1によるスルファチドの定量)血液凝固時
間(APTT)を短縮させ得る物質について検討した。硫酸
化糖脂質であるスルファチドをリン酸緩衝溶液に溶解
し、該物質の濃度測定を本発明方法1で試みた。
【0092】スルファチドをリン酸緩衝溶液に種々の濃
度で溶解し検体とし、この溶液20μlと標準血漿コアト
ロール1を80μlを混和し、実施例1と同様にAPTTをデュ
プリケートで測定し、平均値を測定値とし、本発明方法
1に従って数値変換した(表16〜18及び図29〜3
5)。
【0093】
【表16】 ──────────────────────────────────── スルファチド濃度(6mg/ml×2-X) ──────────────────────────────────── X 標準検体 0 1 2 3 4 5 6 7 8 APTT(秒) 32.3 n.c. n.c. 209.8 112.7 74.5 54.1 42.0 37.8 33.5 ──────────────────────────────────── ──────────────────────────────────── X 9 10 11 12 13 14 15 16 17 APTT(秒) 30.5 29.2 28.9 29.1 30.4 31.4 32.0 32.3 32.3 ──────────────────────────────────── n.c:4分以内に凝固しない。
【0094】スルファチドが0μg/mlの場合のAPTT平均
値は32.3秒であった。図29に示したように23.4μg/ml
以上(区間A)では容量依存的にAPTTは延長した。一方1
1.7μg/ml以下、0.18μg/ml以上ではAPTTは短縮し、こ
のうち、1.5μg/ml以下、 0.18μg/ml以上(区間B)で
はこの短縮は容量逆相関性であった。そこで区間A、区
間B各々についてLogit-log変換を行い、各々検量線を作
成した。図30〜35に示した如く、延長区間のみなら
ず、短縮区間でもこれらのデータは各々区間独立した多
項式で表すことが可能である。
【0095】尚、本実施例ではスルファチドをリン酸緩
衝溶液に溶かしたものそのままを用いているが、この物
質は65℃、20分の処理や凍結融解の処理に安定である。
従って、生体由来検体中のスルファチドを測定する場
合、本発明方法2に従って不活化処理を行うことができ
る。
【0096】
【表17】 スルファチド(区間A) ──────────────────────────────────── 一次式 二次式 三次式 理論値* APTT(T) 計算値 真度 計算値 真度 計算値 真度 (μg/ml) (秒) (μg Eq./ml) (%) (μg Eq./ml) (%) (μg Eq./ml) (%) 23.4 33.5 16.2 -30.7 20.5 -12.5 22.8 -2.6 46.9 37.8 62.7 +33.8 59.7 +27.4 53.1 +13.2 93.8 42.0 103.9 +10.8 92.8 -1.1 82.0 -12.5 187.5 54.1 213.4 +13.8 183.3 -2.2 182.3 -2.8 375.0 74.5 384.0 +2.4 338.8 -9.7 391.7 +4.5 750.0 112.7 681.1 -9.2 662.2 -11.7 770.9 +2.8 1500.0 209.8 1377.1 -8.2 1745.5 +16.4 1469.1 -2.1 T0=32.3秒 *コアグトロール1、80μl中に加えられたリン酸緩衝溶液20μl中のスルファチ ドの濃度を表す。 回帰式: 一次式:Y=-2.590X+6.426(図30) 二次式:Y=0.468X2-4.719X+8.676(図31) 三次式:Y=-0.861X3+6.338X2-17.514X+17.543(図32)
【0097】
【表18】 スルファチド(区間B) ──────────────────────────────────── 一次式 二次式 三次式 理論値* APTT(T) 計算値 真度 計算値 真度 計算値 真度 (μg/ml) (秒) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) 0.183 32.0 0.161 -12.1 0.182 -0.5 0.183 -0.1 0.366 31.4 0.423 +15.6 0.371 +1.4 0.366 -0.1 0.732 30.4 0.817 +11.6 0.717 -2.0 0.733 +0.1 1.460 29.1 1.292 -11.5 1.479 +1.3 1.460 -0.0 T0=32.3秒 *コアグトロール1、80μl中に加えられたリン酸緩衝溶液20μl中のスルファチ ドの濃度を表す。 回帰式: 一次式:Y=-2.616X+2.603(図33) 二次式:Y=1.586X2-1.699X+2.555(図34) 三次式:Y=-0.817X3+0.883X2-1.749X+2.579 (図35)
【0098】
【実施例6】 (本発明方法1及び本発明方法2の組み合わせによるデ
ルマタン硫酸の測定)病態血漿中の血液凝固時間を延長
する物質の濃度測定を病態血漿を用いて行った。病態モ
デルとして、ラット汎発性血管内凝固症候群(Dissemin
ated Intravascular Coagulation, DIC)モデルを、測
定対象物質としては、デルマタン硫酸を選び、下記の添
加回収実験を行った。
【0099】ラットDICモデルの3匹の血漿は PCT国際
公開 WO95/09188号公報の実施例4に従って調製した。
すなわち、50mg リポポリサッカライド(LPS)/kg/4時
間点滴静注後の病的血漿である。これらの検体及び正常
ラットの血漿を実施例1と同様に採取して-20℃で保存
し、融解後に実施例3と同様に少量の生食に溶解した種
々の濃度のデルマタン硫酸を各々加えて測定検体とし、
実施例2と同様に65℃で20分間加熱処理した(加熱処理
検体)。これら加熱処理検体の各々20μlに80μlのコア
グトロール1を添加し、APTT法を用いた定量を実施例3
と同様に行った(表19)。
【0100】
【表19】 DICモデル血漿及び正常血漿におけるデルマタン硫酸のAPTT値(秒)に対する影 響 ──────────────────────────────────── 血漿 デルマタン硫酸濃度(μg/ml) 0 50 100 300 1000 3000 DICモデル血漿 33.3 34.7 37.0 45.7 63.0 99.2 正常血漿 33.8 35.7 38.1 47.9 66.9 106.7 ────────────────────────────────────
【0101】上記の如く、本法で測定された値は、DIC
モデル血漿及び正常血漿とも、きわめて近いことが示さ
れた。正常ラットで得られた標準検体のAPTT値を基に得
られた三つの検量線の回帰式の各々に上記のDICモデル
血漿(測定検体)のAPTT値をそれぞれ代入して計算値及
び真度を算出した(表20)。
【0102】
【表20】 デルマタン硫酸の例 ──────────────────────────────────── 一次式 二次式 三次式 理論値 APTT(T) 計算値 真度 計算値 真度 計算値 真度 (μg/ml) (秒) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) 50 34.7 17.6 -64.8 27.7 -44.6 30.7 -38.7 100 37.0 74.0 -26.0 76.8 -23.2 75.3 -24.7 300 45.7 327.7 +9.2 267.8 -10.7 261.6 -12.8 1000 63.0 905.9 -9.4 765.5 -23.5 809.2 -19.1 3000 99.2 2257.8 -24.7 2594.7 -13.5 2612.8 -12.9 回帰式: 一次式:Y=-2.033X+6.158 二次式:Y=0.453X2-4.374X+8.993 三次式:Y=-0.216X3+2.135X2-8.593X+12.392
【0103】上記に示したとおり、50〜100μg/mlの間
では、測定値の信頼性がやや劣る傾向にあるが、それ以
降では、実用的範囲で測定対象物質濃度が測定されてい
ることが判明した。
【0104】
【実施例7】 (本発明方法1及び本発明方法2の組み合わせによる複
数のGAGを含む検体の定量)血液凝固時間に影響を与え
る物質が複数入った検体における定量を行った。測定対
象物質の例としてデルマタン硫酸を、上記測定対象物質
以外の血液凝固時間に影響を与える物質としてヘパリン
を例にとり、測定対象物質の入る溶媒としては、実施例
1と同様に採取したラット血漿を選び以下の実験を行っ
た。デルマタン硫酸を0〜90mg/ml、ヘパリンを900μg/m
lとなるように各々生理食塩水に溶解した。血漿2.7mlに
生理食塩水0.15mlを加えたものに、0.15mlの種々の濃度
のデルマタン硫酸を溶解した生理食塩水を添加したも
の、及び血漿2.7mlにヘパリン、900μg/mlを含む生理食
塩水0.15mlを加えたものに、0.15mlの種々の濃度のデル
マタン硫酸を溶解した生理食塩水を加えたものをそれぞ
れ用意した(測定検体)。これらを65℃で20分間加熱処
理した後、ヘパリンを加えた群には凍結乾燥された酵素
(ヘパリナーゼ、0.1U 生化学工業(株)製)を加え、
ヘパリンを分解した(酵素処理検体)。その後、これら
の酵素処理検体を20μlとり、80μlのコアグトロール1
に加え、実施例1と同様にAPTT値をデュプリケートで測
定し、平均値を測定値とした(表21)。
【0105】
【表21】
【0106】測定対象物質(デルマタン硫酸)のみを含有
する検体,及び,測定対象物質及び測定対象物質以外で凝
固時間に影響を与える物質(ヘパリン)双方を含有しない
溶媒である生理食塩水のAPTT値でLogit-log変換を行い
回帰直線あるいは回帰曲線を作成した(表22)。
【0107】
【表22】 デルマタン硫酸の検量線 一次式 二次式 三次式 理論値* APTT(T) 計算値 真度 計算値 真度 計算値 真度 (μg/ml) (秒) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) 150 42.0 144.0 -4.0 148.7 -0.9 150.1 +0.1 450 52.1 477.6 +6.1 461.2 +2.5 450.7 +0.2 1500 76.8 1509.8 +4.3 1457.5 -2.8 1505.2 +0.3 4500 132.3 4404.2 -11.7 4541.3 +0.9 4525.7 +0.6 T0=35.7秒 *検体20μl中の濃度である。 回帰式: 一次式:Y=-1.838X+5.702 二次式:Y=0.108X2-2.468X+6.586 三次式:Y=-0.191X3+1.779X2-7.244X+11.043
【0108】次に、測定対象物質(デルマタン硫酸)を
含有し、更に血液凝固時間に影響を与える物質(ヘパリ
ン)も含有する検体を酵素処理した後得たAPTT値を上記
数式に各々代入して得た計算値と理論値を比較した(表
23)。
【0109】
【表23】 酵素処理後のサンプルのデルマタン硫酸定量化 ──────────────────────────────────── 一次式 二次式 三次式 理論値* APTT(T) 計算値 真度 計算値 真度 計算値 真度 (μg/ml) (秒) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) 150 45.9 263.4 +75.6 260.9 +73.9 254.5 +69.6 450 57.1 666.6 +48.1 639.2 +42.1 633.1 +40.7 1500 83.2 1809.9 +20.7 1758.3 +17.2 1825.2 +21.7 4500 134.9 4553.2 -1.2 4710.1 +4.7 4673.9 +3.9 *酵素処理検体20μl中の濃度である。
【0110】上記の表に示したごとく、 酵素処理後の
サンプルの濃度は、1500μg/ml以上の範囲で、理論値と
誤差21.7%以下の精度で測定できる事が判明した。
【0111】
【実施例8】 (本発明方法1及び本発明方法2の組み合わせによるヘ
パリンの定量)APTTと同様にPTを応用した。測定対象物
質の例としては、ヘパリンを用いた。ヘパリンを生理食
塩水に種々の濃度で溶解後、ラット血漿に加えた(検
体)。この時、加えた容量が、全体の血漿容量に影響し
ないよう配慮した。検体を65℃で20分間加熱処理した
(加熱処理検体)。20μlの加熱処理検体を80μlのコア
グトロール1と混和後、説明書通りに調整したPT試薬
(トロンボチェックPT:ミドリ十字)を用いてPTを測定
し、APTTの時と同様に測定値でLogit-log変換を行い回
帰直線あるいは回帰曲線を作成した(表24)。
【0112】
【表24】 ヘパリンの検量線 ──────────────────────────────────── 一次式 二次式 三次式 理論値* PT(T) 計算値 真度 計算値 真度 計算値 真度 (μg/ml) (秒) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) (μg/ml) (%) 50 14.5 49.5 -1.1 47.4 -5.2 49.9 -0.3 75 17.3 72.1 -3.9 79.9 +6.6 76.3 +1.7 100 20.9 92.0 -8.0 100.0 +0.0 99.4 -0.6 125 27.9 120.1 -3.9 122.7 -1.8 125.1 +0.1 150 37.5 148.8 -0.8 141.7 -5.5 145.1 -3.3 175 78.1 182.9 +4.5 183.1 +4.6 200 106.3 199.3 -0.4 196.7 -1.6 T0=12.4秒 *加熱処理検体20μl中のヘパリンの濃度を表す。 回帰式: 一次式:Y=-5.188X+10.566(ただし、50〜150μg/mlの範囲で作成) 二次式:Y=-5.951X2+17.564X-10.946 三次式:Y=-12.307X3+67.948X2-129.438X+85.903
【0113】
【実施例9】(本発明キットの構成及び使用法) 本実施例のヘパリン測定キットは次の1〜7の要素から
なる。 1.標準ヘパリン生理食塩水(ヘパリン60μg/ml(10.95
U/ml)、1ml)1バイアル。 2.生理食塩水(ヘパリン希釈用、1ml)1バイアル。 3.標準血漿(抗体検査の結果HIV, HCV, HBV等の病原
微生物に感染が認められない健常人10人からクエン酸ナ
トリウムを抗凝固剤として採血して得た新鮮血漿を等量
ずつ混和しプールしたもの、0.5ml相当の凍結乾燥品、
通常は2〜8℃保存)1バイアル。 4.蒸留水(標準血漿溶解用、0.5ml)1バイアル。 5.APTT試薬(ウサギ由来セファリン0.2mg/ml、エラグ
酸0.03mg/ml含有、3ml、通常は冷蔵保存)1バイアル。 6.塩化カルシウム溶液(0.02M、4ml)1バイアル。 7.測定用ソフトウェア記憶媒体
【0114】使用に際しては標準血漿を室温に戻した
後、蒸留水1バイアルを全量泡立てないように穏やかに
加え、穏やかに均一となるように攪拌し、20〜30分間程
度放置する。この溶解した標準血漿80μlに標準ヘパリ
ン生理食塩水を生理食塩水で3〜60μg/mlの範囲で段階
希釈した溶液あるいは生理食塩水を20μlずつ気泡を作
らぬよう注意して均一に添加する。当該溶液を3分間、3
7℃に保温後、あらかじめ37℃に加熱しておいたAPTT試
薬を100μlずつ添加し、更に37℃に3分間保温する。当
該溶液に塩化カルシウム溶液を100μlずつ添加して凝固
を開始させ、凝固が完了するまでの時間を測定する。ヘ
パリン濃度の理論値とそれぞれの凝固時間を測定後、当
該理論値と測定値、さらに標準ヘパリン生理食塩水に含
まれるヘパリンの活性単位(U/mg)と、回帰方法とを測定
用ソフトウェアに入力して検量線の作成を行う。検体は
56℃で20分間の加熱処理後室温に戻し、その20μlを上
記手順により蒸留水に溶解した標準血漿80μlに気泡を
作らぬよう均一に添加する。当該溶液を37℃で3分間保
温後、あらかじめ37℃に加熱しておいたAPTT試薬を100
μlずつ添加し、該溶液を37℃で3分間保温後、塩化カル
シウム溶液を100μl添加して凝固を開始させる。凝固が
完了するまでの時間を測定し、測定用ソフトウェアで作
成した上記検量線をメモリから呼び出し、検体の凝固時
間を入力し、当該測定値から検体中の測定対象物質濃度
を算出する。
【0115】
【発明の効果】本発明によれば、血液凝固時間に影響を
与える物質の精度が高く、操作が簡便であり多数の検体
を処理することが可能である定量方法が提供される。
【0116】すなわち、本発明の定量方法の一態様によ
れば、既知濃度の測定対象物質溶液(標準検体)の濃度
の対数値と、対照凝固時間に対する相対凝固時間の比
((T-T0)/T0)のロジット(Logit)値とを変数として検量
線を求めているので、広い測定濃度範囲で精度の高い定
量を行うことが可能である。
【0117】また、本発明の定量方法の別の態様によれ
ば、測定対象物質を含む検体に内在する血液凝固因子を
前記測定対象物質を破壊しない条件下で不活化している
ので、検体中の測定対象物質以外の物質の影響を受けず
に精度の高い定量を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定量装置の構成の一例を示すブロック
図である。
【図2】本発明のキットに含まれる媒体に記録されたプ
ログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【図3】ヘパリン、低分子ヘパリンおよびデルマタン硫
酸の濃度(μg/ml)の対数値とAPTTの関係を示す。
【図4】ヘパリンの濃度(μg/ml)の対数値とAPTTの対数
値の関係を示す。
【図5】低分子ヘパリン(LMWHep)の濃度(μg/ml)の対数
値とAPTTの対数値の関係を示す。
【図6】デルマタン硫酸(DS)の濃度(μg/ml)の対数値と
APTTの対数値の関係を示す。
【図7】ヘパリンの濃度(μg/ml)の対数値とAPTTのロジ
ット値の関係を示す。
【図8】低分子ヘパリン(LMWHep)の濃度(μg/ml)の対数
値とAPTTのロジット値の関係を示す。
【図9】デルマタン硫酸(DS)の濃度(μg/ml)の対数値と
APTTのロジット値の関係を示す。
【図10】生理食塩水中のデルマタン硫酸(DS)濃度(μg
/ml)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の回帰
式(一次式)を示す。
【図11】生理食塩水中のデルマタン硫酸(DS)濃度(μg
/ml)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の回帰
式(二次式)を示す。
【図12】生理食塩水中のデルマタン硫酸(DS)濃度(μg
/ml)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の回帰
式(三次式)を示す。
【図13】肝臓ホモジネイト中のデルマタン硫酸(DS)濃
度(μg/ml)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線
の回帰式(一次式)を示す。
【図14】肝臓ホモジネイト中のデルマタン硫酸(DS)濃
度(μg/ml)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線
の回帰式(二次式)を示す。
【図15】肝臓ホモジネイト中のデルマタン硫酸(DS)濃
度(μg/ml)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線
の回帰式(三次式)を示す。
【図16】尿中のデルマタン硫酸(DS)濃度(μg/ml)の対
数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の回帰式(一次
式)を示す。
【図17】尿中のデルマタン硫酸(DS)濃度(μg/ml)の対
数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の回帰式(二次
式)を示す。
【図18】尿中のデルマタン硫酸(DS)濃度(μg/ml)の対
数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の回帰式(三次
式)を示す。
【図19】血漿中のヘパリン濃度(μg/ml)の対数値とAP
TTのロジット値の関係と検量線の回帰式(一次式)を示
す。
【図20】血漿中のヘパリン濃度(μg/ml)の対数値とAP
TTのロジット値の関係と検量線の回帰式(二次式)を示
す。
【図21】血漿中の低分子ヘパリン(LMWHep)濃度(μg/m
l)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の回帰式
(一次式)を示す。
【図22】血漿中の低分子ヘパリン(LMWHep)濃度(μg/m
l)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の回帰式
(二次式)を示す。
【図23】血漿中の低分子ヘパリン(LMWHep)濃度(μg/m
l)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の回帰式
(三次式)を示す。
【図24】血漿中のコンドロイチン硫酸E(CSE)濃度(μg
/ml)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の回帰
式(一次式)を示す。
【図25】血漿中のコンドロイチン硫酸E(CSE)濃度(μg
/ml)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の回帰
式(二次式)を示す。
【図26】血漿中のコンドロイチン硫酸E(CSE)濃度(μg
/ml)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の回帰
式(三次式)を示す。
【図27】血漿中のヘパリン濃度(U/ml)の対数値とAPTT
のロジット値の関係と検量線の回帰式(一次式)を示
す。
【図28】血漿中のヘパリン濃度(U/ml)の対数値とAPTT
のロジット値の関係と検量線の回帰式(二次式)を示
す。
【図29】スルファチド濃度(μg/ml)がAPTTにおよぼす
影響を示す。区間Aおよび区間Bは、それぞれ、検量線
の作成を行ったAPTTが延長する区間および短縮する区間
である。
【図30】APTT延長区間の血漿中のスルファチド濃度
(μg/ml)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の
回帰式(一次式)を示す。
【図31】APTT延長区間の血漿中のスルファチド濃度
(μg/ml)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の
回帰式(二次式)を示す。
【図32】APTT延長区間の血漿中のスルファチド濃度
(μg/ml)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の
回帰式(三次式)を示す。
【図33】APTT短縮区間の血漿中のスルファチド濃度
(μg/ml)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の
回帰式(一次式)を示す。
【図34】APTT短縮区間の血漿中のスルファチド濃度
(μg/ml)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の
回帰式(二次式)を示す。
【図35】APTT短縮区間の血漿中のスルファチド濃度
(μg/ml)の対数値とAPTTのロジット値の関係と検量線の
回帰式(三次式)を示す。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液凝固時間に影響を与える物質の定量
    方法であって、既知濃度の前記物質を含む標準検体およ
    び前記物質の濃度が未知の測定すべき検体における凝固
    時間並びに前記物質を含まない対照標準検体における凝
    固時間を測定し、前記標準検体における前記血液凝固時
    間に影響を与える物質の濃度の対数値と下記式で表さ
    れる相対凝固時間(Tr)の下記式で表されるロジット
    (Logit)値とを変数として検量線を作成し、得られた検
    量線に基づいて、測定すべき検体中の前記物質の濃度を
    求めることを特徴とする定量方法。 Tr=(T0/T)×K Logit(Tr)=Ln(Tr/|1-Tr|) (式中、Trは相対凝固時間、T0は前記対照標準検体にお
    ける凝固時間、Tは前記標準検体における凝固時間、Kは
    0.8≦K≦1.2を満たす任意の定数、Lnは自然対数であ
    る。)
  2. 【請求項2】 前記定数Kが1.0である請求項1に記載の
    定量方法。
  3. 【請求項3】 前記検量線を作成する方法が多項式回帰
    法である請求項1又は2に記載の定量方法。
  4. 【請求項4】 前記凝固時間の測定が、前記物質を破壊
    しない条件下で前記の測定すべき検体及び標準検体ある
    いは前記の測定すべき検体のみを処理することによって
    内在する血液凝固因子を不活化し、次いで、該不活化後
    の両検体を一定量の血液凝固因子と混和し、得られた混
    和物の凝固時間を測定することによって行われる請求項
    1〜3のいずれか一項に記載の定量方法。
  5. 【請求項5】 血液凝固時間に影響を与える物質の定量
    方法であって、前記物質の濃度が未知の測定すべき検体
    に内在する血液凝固因子を、前記物質を破壊しない条件
    下で不活化し、次いで、前記検体および既知濃度の前記
    物質を含む標準検体を一定量の血液凝固因子と混和し、
    得られた混和物の凝固時間を測定することを特徴とする
    定量方法。
  6. 【請求項6】 前記不活化が、加熱処理によるものであ
    る請求項4又は5に記載の定量方法。
  7. 【請求項7】 前記加熱処理の条件が50〜70℃である請
    求項6に記載の定量方法。
  8. 【請求項8】 前記血液凝固時間に影響を与える物質が
    糖質又は複合糖質である請求項1〜7のいずれか一項に
    記載の定量方法。
  9. 【請求項9】 前記血液凝固時間に影響を与える物質が
    グリコサミノグリカンまたは糖脂質である請求項5〜7
    に記載の定量方法。
  10. 【請求項10】 血液凝固時間に影響を与える物質の定
    量装置であって、既知濃度の前記物質を含む標準検体お
    よび前記物質の濃度が未知の測定すべき検体並びに前記
    物質を含まない対照標準検体の凝固時間を測定する手
    段、前記既知濃度の対数値と下記式で表される相対凝
    固時間(Tr)の下記式で表されるロジット(Logit)値
    とを変数として多項式回帰法により検量線を算出する手
    段、及び前記検量線に基づいて、前記測定すべき検体の
    凝固時間から前記物質の濃度を算出する手段を有するこ
    とを特徴とする前記定量装置。 Tr=(T0/T)×K Logit(Tr)=Ln(Tr/|1-Tr|) (式中、Trは相対凝固時間、T0は前記対照標準検体にお
    ける凝固時間、Tは前記標準検体における凝固時間、Kは
    0.8≦K≦1.2を満たす定数、Lnは自然対数である。)
  11. 【請求項11】 前記定数Kが1.0である請求項10に記
    載の定量装置。
  12. 【請求項12】 前記血液凝固時間に影響を与える物質
    が糖質又は複合糖質である請求項10又は11に記載の
    定量装置。
  13. 【請求項13】 前記血液凝固時間に影響を与える物質
    がグリコサミノグリカン又は糖脂質である請求項10又
    は11に記載の定量装置。
  14. 【請求項14】 血液凝固時間に影響を与える物質の定
    量方法を行うためのキットであって、既知濃度の前記物
    質を含む標準検体、血液凝固因子及び活性化因子を含む
    ことを特徴とするキット。
  15. 【請求項15】 既知濃度の前記物質を含む標準検体及
    び前記物質を含まない対照標準検体における凝固時間を
    入力することによって、前記標準検体における前記血液
    凝固時間に影響を与える物質の濃度の対数値と下記式
    で表される相対凝固時間(Tr)の下記式で表されるロ
    ジット(Logit)値とを変数として検量線を算出する手
    順、及び前記物質の濃度が未知の測定すべき検体の凝固
    時間を入力することによって、測定すべき検体中の前記
    物質の濃度を前記検量線に基づいて算出する手順をコン
    ピュータに実行させるためのプログラムを記録した媒体
    をさらに含む請求項14に記載のキット。 Tr=(T0/T)×K Logit(Tr)=Ln(Tr/|1-Tr|) (式中、Trは相対凝固時間、T0は前記対照標準検体にお
    ける凝固時間、Tは前記標準検体における凝固時間、Kは
    0.8≦K≦1.2を満たす任意の定数、Lnは自然対数であ
    る。)
  16. 【請求項16】 前記血液凝固時間に影響を与える物質
    が糖質又は複合糖質である請求項14又は15に記載の
    キット。
  17. 【請求項17】 前記血液凝固時間に影響を与える物質
    がグリコサミノグリカン又は糖脂質である請求項14又
    は15に記載のキット。
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