JPH0999357A - 中空鋳物 - Google Patents
中空鋳物Info
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- JPH0999357A JPH0999357A JP25964095A JP25964095A JPH0999357A JP H0999357 A JPH0999357 A JP H0999357A JP 25964095 A JP25964095 A JP 25964095A JP 25964095 A JP25964095 A JP 25964095A JP H0999357 A JPH0999357 A JP H0999357A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 中子を使用しないで、専用中子取、造型用鋳
型、造型設備や造型工程、鋳造後の中子砂の除去工程な
どを不要とし、また、中空部からの砂出しの工程を不要
として、生産性良く、更に偏析やガス欠陥など鋳造欠陥
の問題が少なく、高品質に製造できる中空鋳物を得る。 【解決手段】 本発明の中空鋳物は、減圧吸引鋳造法を
適用して得られ、溶融金属が鋳型内で凝固する際に、減
圧装置の減圧を解除して中空部で凝固途中の溶融金属を
鋳型外に流出させて製造される。
型、造型設備や造型工程、鋳造後の中子砂の除去工程な
どを不要とし、また、中空部からの砂出しの工程を不要
として、生産性良く、更に偏析やガス欠陥など鋳造欠陥
の問題が少なく、高品質に製造できる中空鋳物を得る。 【解決手段】 本発明の中空鋳物は、減圧吸引鋳造法を
適用して得られ、溶融金属が鋳型内で凝固する際に、減
圧装置の減圧を解除して中空部で凝固途中の溶融金属を
鋳型外に流出させて製造される。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空鋳物に関し、
特に、中空部を有する自動車エンジン用カムシャフト
（以下、「中空カムシャフト」という）等で、中子を使
用せずに中空部を形成して軽量化する中空鋳物に関す
る。
特に、中空部を有する自動車エンジン用カムシャフト
（以下、「中空カムシャフト」という）等で、中子を使
用せずに中空部を形成して軽量化する中空鋳物に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】中空部を有する鋳物は、一般に主型と別
に１つ以上の鋳型をつくり、これを主型の中空部に嵌め
込んだ、いわゆる中子を用いて鋳造される。この中子を
製造するには、フェノール樹脂など加熱で硬化する樹脂
を鋳物砂の粘結剤として用いて造型するシェルモールド
法や、あらかじめ鋳型内に添加した粘結剤に硬化反応を
与えて硬化させるガス硬化法がある。ガス硬化法は、水
ガラス系を粘結剤とした鋳型ではＣＯ2 ガス、コールド
ボックス鋳型（イソキュア）ではアミンガスで反応硬化
させるものである。
に１つ以上の鋳型をつくり、これを主型の中空部に嵌め
込んだ、いわゆる中子を用いて鋳造される。この中子を
製造するには、フェノール樹脂など加熱で硬化する樹脂
を鋳物砂の粘結剤として用いて造型するシェルモールド
法や、あらかじめ鋳型内に添加した粘結剤に硬化反応を
与えて硬化させるガス硬化法がある。ガス硬化法は、水
ガラス系を粘結剤とした鋳型ではＣＯ2 ガス、コールド
ボックス鋳型（イソキュア）ではアミンガスで反応硬化
させるものである。
【０００３】例えば、特公昭６３−４５８９８号公報に
は、中空カム軸用鋳物の鋳造方法として、カム軸鋳造用
の中子の主体を中空円筒状のシェル型とすることによ
り、特にカム軸の一端部の軸径が他端部より小さい中空
鋳物を、ガス欠陥の発生を防止し中子除去を容易にする
開示がある。しかし、特公昭６３−４５８９８号公報な
どでの中子の造型には、鋳物砂や粘結剤などの資材、１
種類の中空鋳物を製造するのに数多くの専用中子取、造
型用鋳型、造型設備や造型工程などが必要である。更
に、鋳造後に中空部から中子を除去するため、鋳物に振
動を加える等して崩壊させる工程が発生する。以上のよ
うに、中子を用いて中空鋳物を製造するには多大の費
用、工程が必要である。
は、中空カム軸用鋳物の鋳造方法として、カム軸鋳造用
の中子の主体を中空円筒状のシェル型とすることによ
り、特にカム軸の一端部の軸径が他端部より小さい中空
鋳物を、ガス欠陥の発生を防止し中子除去を容易にする
開示がある。しかし、特公昭６３−４５８９８号公報な
どでの中子の造型には、鋳物砂や粘結剤などの資材、１
種類の中空鋳物を製造するのに数多くの専用中子取、造
型用鋳型、造型設備や造型工程などが必要である。更
に、鋳造後に中空部から中子を除去するため、鋳物に振
動を加える等して崩壊させる工程が発生する。以上のよ
うに、中子を用いて中空鋳物を製造するには多大の費
用、工程が必要である。
【０００４】一方、中子を使用せずに中空鋳物を製造す
る方法として、鋳型を高速で回転させながら溶融金属を
注湯し遠心力を利用する遠心鋳造法や、ポリエチレンビ
ーズにより成形された模型を乾燥砂中に埋没し、直接溶
湯を注湯し、ポリエチレンビーズを燃焼消失して溶湯と
入れ替える消失模型鋳造法がある。例えば、特開平０４
−８９１５４号公報には、中空カム軸用消失模型の成型
方法として、金属管の両端部を模型用金型内に支持さ
せ、模型用金型内に消失用発泡材を入れて消失模型を成
形することにより、中空カム軸の製造コストを低減する
開示がある。
る方法として、鋳型を高速で回転させながら溶融金属を
注湯し遠心力を利用する遠心鋳造法や、ポリエチレンビ
ーズにより成形された模型を乾燥砂中に埋没し、直接溶
湯を注湯し、ポリエチレンビーズを燃焼消失して溶湯と
入れ替える消失模型鋳造法がある。例えば、特開平０４
−８９１５４号公報には、中空カム軸用消失模型の成型
方法として、金属管の両端部を模型用金型内に支持さ
せ、模型用金型内に消失用発泡材を入れて消失模型を成
形することにより、中空カム軸の製造コストを低減する
開示がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、遠心鋳
造法は鋳型を高速で回転することから、溶湯が凝固する
際、注入された溶湯に比重差がある場合、遠心力で晶出
される初晶と液体金属とに偏析を生じる。また、特開平
０４−８９１５４号公報などの消失模型鋳造法ではポリ
スチレンビーズが燃焼することによるガス欠陥が問題と
なりやすい。上述のように、従来の中子を用いて中空鋳
物を製造する場合には、多大の費用や工程が必要であ
り、中子を用いないで中空鋳物を製造する場合でも、偏
析等の材質欠陥やガス欠陥など鋳造欠陥の問題がある。
造法は鋳型を高速で回転することから、溶湯が凝固する
際、注入された溶湯に比重差がある場合、遠心力で晶出
される初晶と液体金属とに偏析を生じる。また、特開平
０４−８９１５４号公報などの消失模型鋳造法ではポリ
スチレンビーズが燃焼することによるガス欠陥が問題と
なりやすい。上述のように、従来の中子を用いて中空鋳
物を製造する場合には、多大の費用や工程が必要であ
り、中子を用いないで中空鋳物を製造する場合でも、偏
析等の材質欠陥やガス欠陥など鋳造欠陥の問題がある。
【０００６】本発明は上記課題を解決し、中子を使用せ
ず、かつ遠心鋳造法や焼失模型鋳造法などを用いずに、
鋳物に中空部を形成して、生産性良く、高品質に、中空
部を有するカムシャフトなどの中空鋳物を得ることを目
的とする。
ず、かつ遠心鋳造法や焼失模型鋳造法などを用いずに、
鋳物に中空部を形成して、生産性良く、高品質に、中空
部を有するカムシャフトなどの中空鋳物を得ることを目
的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の中空鋳物
は、砂鋳型を用いて鋳造される中空鋳物であって、前記
中空鋳物の中空部鋳肌面に砂付着が実質的にないことを
特徴とする。
は、砂鋳型を用いて鋳造される中空鋳物であって、前記
中空鋳物の中空部鋳肌面に砂付着が実質的にないことを
特徴とする。
【０００８】また、前記中空鋳物が中空部を有するカム
シャフトである。
シャフトである。
【０００９】 更に、前記中空鋳物は、溶融金属を減圧吸
引により鋳型に注湯する減圧吸引鋳造方法であって、
（ａ）底部に少なくとも１つ以上の開口部を有する減圧
容器内に、湯道と、前記湯道に連通するキャビティとを
有する鋳型を、前記湯道が前記減圧容器の開口部内に開
口するように配置し、（ｂ）前記湯道を溶融金属に浸漬
した後、前記減圧容器に取り付けた減圧装置により鋳型
内を減圧して、前記キャビティ内に前記溶融金属を注湯
し、（ｃ）前記溶融金属が前記鋳型内で凝固する際に、
前記減圧装置の減圧を解除して前記中空部で凝固途中の
溶融金属をキャビティ外に流出させる減圧吸引鋳造方法
により製造されることを特徴とする。
引により鋳型に注湯する減圧吸引鋳造方法であって、
（ａ）底部に少なくとも１つ以上の開口部を有する減圧
容器内に、湯道と、前記湯道に連通するキャビティとを
有する鋳型を、前記湯道が前記減圧容器の開口部内に開
口するように配置し、（ｂ）前記湯道を溶融金属に浸漬
した後、前記減圧容器に取り付けた減圧装置により鋳型
内を減圧して、前記キャビティ内に前記溶融金属を注湯
し、（ｃ）前記溶融金属が前記鋳型内で凝固する際に、
前記減圧装置の減圧を解除して前記中空部で凝固途中の
溶融金属をキャビティ外に流出させる減圧吸引鋳造方法
により製造されることを特徴とする。
【００１０】更に、前記減圧吸引鋳造方法による中空鋳
物は、前記減圧装置の減圧を段階的に解除することによ
り製造される。
物は、前記減圧装置の減圧を段階的に解除することによ
り製造される。
【００１１】更に、前記減圧吸引鋳造方法による中空鋳
物は、前記溶融金属を前記鋳型内に導入してから、時間
制御により前記中空部の肉厚を制御し、溶融金属をキャ
ビティ外に流出させることにより製造される。
物は、前記溶融金属を前記鋳型内に導入してから、時間
制御により前記中空部の肉厚を制御し、溶融金属をキャ
ビティ外に流出させることにより製造される。
【００１２】更に、前記減圧吸引鋳造方法による中空鋳
物は、前記鋳型内を空気または不活性ガスで加圧して、
前記中空部で凝固途中の溶融金属を強制的にキャビティ
外に流出させることにより製造される。更に、前記減圧
吸引鋳造方法による中空鋳物は、前記溶融金属を前記鋳
型内に導入してから、時間制御により前記中空部の肉厚
を制御し、前記鋳型内を空気または不活性ガスで加圧し
て、前記中空部で凝固途中の溶融金属を強制的にキャビ
ティ外に流出させることにより肉厚を異ならせて製造す
る。
物は、前記鋳型内を空気または不活性ガスで加圧して、
前記中空部で凝固途中の溶融金属を強制的にキャビティ
外に流出させることにより製造される。更に、前記減圧
吸引鋳造方法による中空鋳物は、前記溶融金属を前記鋳
型内に導入してから、時間制御により前記中空部の肉厚
を制御し、前記鋳型内を空気または不活性ガスで加圧し
て、前記中空部で凝固途中の溶融金属を強制的にキャビ
ティ外に流出させることにより肉厚を異ならせて製造す
る。
【００１３】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき、図面を用い
て説明する。 図１は本発明の中空鋳物の製造に適用した
減圧吸引鋳造装置を示す概略断面図である。この減圧吸
引鋳造装置は、底部に開口部を有する減圧容器１内に、
キャビティ６と湯道７などを有する鋳型４を配設し、前
記減圧容器１に上方から白矢印で示す方向の減圧吸引力
を作用させて、鋳型４下端の湯道７の溶湯導入口５から
溶湯を吸引して注湯を行う方式のものである。具体的に
は、減圧吸引鋳造装置は、減圧容器（例えば、内径６０
０ｍｍ、高さ８００ｍｍを有する鉄製の減圧容器）１を
有し、減圧容器１の底部には、開口部が設けられてい
る。また、溶湯導入口５とキャビティ６とは湯道７およ
び堰８で接続されている。また、減圧容器１の上部には
蓋部材１ａがパッキンにより密封状態で係合しており、
蓋部材１ａの上短部にはフレキシブル管３が取り付けら
れている。また、溶湯導入口５は減圧容器１の開口部よ
り突出しており、溶湯導入口５の側面は鋳型４下面を覆
う耐熱性（例えば、鉄製からなる板材に耐火材を被覆し
たもの）の導入口保護枠１３が設けられている。また、
鋳型４の上部には吸引通路９を設けていると共に、仕切
板１０の開口部分は吸引通路９に係合している。鋳型４
は縦見切りでカムシャフト形状のキャビティ６を形成
し、造型性および通気性の点から珪砂などを用いた砂鋳
型が好適である。
て説明する。 図１は本発明の中空鋳物の製造に適用した
減圧吸引鋳造装置を示す概略断面図である。この減圧吸
引鋳造装置は、底部に開口部を有する減圧容器１内に、
キャビティ６と湯道７などを有する鋳型４を配設し、前
記減圧容器１に上方から白矢印で示す方向の減圧吸引力
を作用させて、鋳型４下端の湯道７の溶湯導入口５から
溶湯を吸引して注湯を行う方式のものである。具体的に
は、減圧吸引鋳造装置は、減圧容器（例えば、内径６０
０ｍｍ、高さ８００ｍｍを有する鉄製の減圧容器）１を
有し、減圧容器１の底部には、開口部が設けられてい
る。また、溶湯導入口５とキャビティ６とは湯道７およ
び堰８で接続されている。また、減圧容器１の上部には
蓋部材１ａがパッキンにより密封状態で係合しており、
蓋部材１ａの上短部にはフレキシブル管３が取り付けら
れている。また、溶湯導入口５は減圧容器１の開口部よ
り突出しており、溶湯導入口５の側面は鋳型４下面を覆
う耐熱性（例えば、鉄製からなる板材に耐火材を被覆し
たもの）の導入口保護枠１３が設けられている。また、
鋳型４の上部には吸引通路９を設けていると共に、仕切
板１０の開口部分は吸引通路９に係合している。鋳型４
は縦見切りでカムシャフト形状のキャビティ６を形成
し、造型性および通気性の点から珪砂などを用いた砂鋳
型が好適である。
【００１４】図１の減圧吸引鋳造により鋳造を行う場
合、減圧容器２を下降させて溶湯保持炉１１内の溶湯１
２へ溶湯導入口５および導入口保護枠１３を浸漬してか
ら減圧を開始する。減圧度は、減圧吸引制御手段１４に
より減圧装置２の真空度を制御して行う。
合、減圧容器２を下降させて溶湯保持炉１１内の溶湯１
２へ溶湯導入口５および導入口保護枠１３を浸漬してか
ら減圧を開始する。減圧度は、減圧吸引制御手段１４に
より減圧装置２の真空度を制御して行う。
【００１５】図２は、中空カムシャフトを鋳造する際の
減圧条件を示す図である。図２において、減圧を開始す
ると、溶湯導入口５より吸引された溶融金属は湯道７を
通り、堰８を経由して反重力的にキャビティ６内に導入
される。導入された直後の溶融金属は吸引力によりキャ
ビテ６ィ内に停留している。そして、時間の経過ととも
にキャビティ６内の溶融金属は鋳型に接する面から順次
凝固が進行していく。凝固の進行に伴い、ある一定の凝
固率（すなわち固相率）に達した部分は、吸引力を解除
しても流動しないため、重力によりキャビティ６外に流
出しない。図２においては、減圧開始（０秒）から２０
秒経過したところで減圧度を大気圧に戻し吸引力を解除
している。これにより、凝固途中の流動し得るキャビテ
ィ６内で中空にすべき部位の溶融金属は、重力の作用に
よって排出され、中空のカムシャフトが製造される。
減圧条件を示す図である。図２において、減圧を開始す
ると、溶湯導入口５より吸引された溶融金属は湯道７を
通り、堰８を経由して反重力的にキャビティ６内に導入
される。導入された直後の溶融金属は吸引力によりキャ
ビテ６ィ内に停留している。そして、時間の経過ととも
にキャビティ６内の溶融金属は鋳型に接する面から順次
凝固が進行していく。凝固の進行に伴い、ある一定の凝
固率（すなわち固相率）に達した部分は、吸引力を解除
しても流動しないため、重力によりキャビティ６外に流
出しない。図２においては、減圧開始（０秒）から２０
秒経過したところで減圧度を大気圧に戻し吸引力を解除
している。これにより、凝固途中の流動し得るキャビテ
ィ６内で中空にすべき部位の溶融金属は、重力の作用に
よって排出され、中空のカムシャフトが製造される。
【００１６】図５は、上記実施例により得られた中空カ
ムシャフトを示す図である。図５の中空カムシャフト５
１は、中空部５２、カム部５３、軸部５４が形成され、
中空部の鋳肌面は、中子を使用していないため砂付着が
実質的になく、従って、中空部からの砂出しの工程の必
要もない。中空カムシャフトでは、内燃機関の仕様によ
り肉厚を変えたい場合が多いが、凝固時間という製造条
件を制御するだけで異なった肉厚の製品を製造できる。
このため、複数の中子取などを製作する必要がなく、著
しくコスト低減が図れる。
ムシャフトを示す図である。図５の中空カムシャフト５
１は、中空部５２、カム部５３、軸部５４が形成され、
中空部の鋳肌面は、中子を使用していないため砂付着が
実質的になく、従って、中空部からの砂出しの工程の必
要もない。中空カムシャフトでは、内燃機関の仕様によ
り肉厚を変えたい場合が多いが、凝固時間という製造条
件を制御するだけで異なった肉厚の製品を製造できる。
このため、複数の中子取などを製作する必要がなく、著
しくコスト低減が図れる。
【００１７】ところで、吸引力を瞬間的に解除した場
合、溶融金属が最初に充填された部位と、最後に充填さ
れた部位とでは、凝固の進行に差異が生じ、均等肉厚の
製品が得られないことがある。特に、固液共存域の狭い
合金ほどその傾向は大きい。そこで、吸引力を段階的に
解除し、キャビティ６内に停留している溶融金属を段階
的に流出させることにより、キャビティ６の各部位にお
ける溶融金属の停留時間を同一とすれば、均一な肉厚の
中空鋳物が製造できる。
合、溶融金属が最初に充填された部位と、最後に充填さ
れた部位とでは、凝固の進行に差異が生じ、均等肉厚の
製品が得られないことがある。特に、固液共存域の狭い
合金ほどその傾向は大きい。そこで、吸引力を段階的に
解除し、キャビティ６内に停留している溶融金属を段階
的に流出させることにより、キャビティ６の各部位にお
ける溶融金属の停留時間を同一とすれば、均一な肉厚の
中空鋳物が製造できる。
【００１８】図３は、別の減圧条件を示す図である。図
３に示すように減圧度を大気圧に傾斜的または段階的に
戻しても良い。
３に示すように減圧度を大気圧に傾斜的または段階的に
戻しても良い。
【００１９】 図４は、図１の減圧吸引鋳造装置の変更例
を示す概略断面図であり、基本的な構成は図１の減圧吸
引鋳造装置と同じである。従って、図１と同じ部材には
同じ符号を付してある。
を示す概略断面図であり、基本的な構成は図１の減圧吸
引鋳造装置と同じである。従って、図１と同じ部材には
同じ符号を付してある。
【００２０】本実施形態では、減圧容器１に不活性ガス
ガスボンベ１５、不活性ガスガス供給配管１６、および
不活性ガス供給バルブ１７が接続されている。不活性ガ
ス供給バルブ１７を開き、不活性ガスガスボンベ１５内
の不活性ガスを減圧容器１内に圧入し、減圧容器１内の
空気をパージして不活性ガスにより置換する。不活性ガ
スとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどが好ましい。
その後、鋳型４を収納した減圧容器１を下降させて、溶
湯導入口５を溶湯保持炉１１内の溶湯１２に浸漬し、減
圧して溶湯の吸引を行う。
ガスボンベ１５、不活性ガスガス供給配管１６、および
不活性ガス供給バルブ１７が接続されている。不活性ガ
ス供給バルブ１７を開き、不活性ガスガスボンベ１５内
の不活性ガスを減圧容器１内に圧入し、減圧容器１内の
空気をパージして不活性ガスにより置換する。不活性ガ
スとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどが好ましい。
その後、鋳型４を収納した減圧容器１を下降させて、溶
湯導入口５を溶湯保持炉１１内の溶湯１２に浸漬し、減
圧して溶湯の吸引を行う。
【００２１】そして、減圧開始から２０秒経過した後、
また、不活性ガス供給バルブ１７を開き、減圧容器１内
に不活性ガスを注入する加圧力により、凝固途中の流動
し得るキャビティ６内で中空にすべき部位の溶融金属
は、強制的に鋳型４から排出され、中空のカムシャフト
が製造される。
また、不活性ガス供給バルブ１７を開き、減圧容器１内
に不活性ガスを注入する加圧力により、凝固途中の流動
し得るキャビティ６内で中空にすべき部位の溶融金属
は、強制的に鋳型４から排出され、中空のカムシャフト
が製造される。
【００２２】
【発明の効果】 以上説明の通り、減圧吸引鋳造法を適用
した本発明の中空鋳物は、中空部鋳肌面に砂付着が実質
的にない。中子を使用しないで製造するので、専用中子
取、造型用鋳型、造型設備や造型工程などが不要であ
り、また、鋳造後の中子砂の除去工程も不要であり、ま
た、中空部の鋳肌面に砂付着が実質的にないので中空部
からの砂出しの工程の必要もなく生産性良く製造でき
る。更に、偏析やガス欠陥など鋳造欠陥の問題が少なく
高品質である。このような特性を有する本発明の中空鋳
物は、例えば、中空カムシャフトに適用して有用であ
る。
した本発明の中空鋳物は、中空部鋳肌面に砂付着が実質
的にない。中子を使用しないで製造するので、専用中子
取、造型用鋳型、造型設備や造型工程などが不要であ
り、また、鋳造後の中子砂の除去工程も不要であり、ま
た、中空部の鋳肌面に砂付着が実質的にないので中空部
からの砂出しの工程の必要もなく生産性良く製造でき
る。更に、偏析やガス欠陥など鋳造欠陥の問題が少なく
高品質である。このような特性を有する本発明の中空鋳
物は、例えば、中空カムシャフトに適用して有用であ
る。
【図１】本発明の中空鋳物の製造に適用した減圧吸引鋳
造装置を示す概略断面図である。
造装置を示す概略断面図である。
【図２】中空カムシャフトを鋳造する際の減圧条件の実
施例を示す図である。
施例を示す図である。
【図３】図３は、別の減圧条件の実施例を示す図であ
る。
る。
【図４】図１の減圧吸引鋳造装置の変更例を示す概略断
面図である。
面図である。
【図５】実施例により得られた中空カムシャフトを示す
図である。
図である。
【符号の説明】 １：減圧容器、 ２：減圧装置、
３：フレキシブル管、４：鋳型、 ５：
溶湯導入口、 ６：キャビティ、７：湯道、
８：堰、 ９：吸引通路、１
０：仕切板、 １１：溶湯保持炉、 １
２：溶湯、１３：導入口保護枠、 １４：減圧制御
手段、 １５：不活性ガスボンベ、１６：不活性ガス供
給配管、１７：不活性ガス供給バルブ、５１：中空カム
シャフト、 ５２：中空部、 ５３：カム部、５
４：軸部。
３：フレキシブル管、４：鋳型、 ５：
溶湯導入口、 ６：キャビティ、７：湯道、
８：堰、 ９：吸引通路、１
０：仕切板、 １１：溶湯保持炉、 １
２：溶湯、１３：導入口保護枠、 １４：減圧制御
手段、 １５：不活性ガスボンベ、１６：不活性ガス供
給配管、１７：不活性ガス供給バルブ、５１：中空カム
シャフト、 ５２：中空部、 ５３：カム部、５
４：軸部。
Claims (7)
- 【請求項１】 砂鋳型を用いて鋳造される中空鋳物であ
って、前記中空鋳物の中空部鋳肌面に砂付着が実質的に
ないことを特徴とする中空鋳物。 - 【請求項２】 前記中空鋳物が自動車エンジン用カムシ
ャフトである請求項１記載の中空鋳物。 - 【請求項３】 溶融金属を減圧吸引により鋳型に注湯す
る減圧吸引鋳造方法であって、（ａ）底部に少なくとも
１つ以上の開口部を有する減圧容器内に、湯道と、前記
湯道に連通するキャビティとを有する鋳型を、前記湯道
が前記減圧容器の開口部内に開口するように配置し、
（ｂ）前記湯道を溶融金属に浸漬した後、前記減圧容器
に取り付けた減圧装置により鋳型内を減圧して、前記キ
ャビティ内に前記溶融金属を注湯し、（ｃ）前記溶融金
属が前記鋳型内で凝固する際に、前記減圧装置の減圧を
解除して凝固途中の前記中空部の溶融金属をキャビティ
外に流出させる減圧吸引鋳造方法により製造される請求
項１または請求項２記載の中空鋳物。 - 【請求項４】 前記減圧装置による減圧度を傾斜的およ
び／または段階的に解除することにより製造される請求
項３記載の中空鋳物。 - 【請求項５】 前記溶融金属を前記鋳型内に導入してか
ら、時間制御により前記中空部の肉厚を制御し溶融金属
をキャビティ外に流出させることにより製造される請求
項３または請求項４記載の中空鋳物。 - 【請求項６】 前記鋳型内を空気または不活性ガスで加
圧して、前記中空部で凝固途中の溶融金属を強制的にキ
ャビティ外に流出させることにより製造される請求項３
乃至請求項５いずれかに記載の中空鋳物。 - 【請求項７】 前記溶融金属を前記鋳型内に導入してか
ら、時間制御により前記中空部の肉厚を制御した後、前
記鋳型内を空気または不活性ガスで加圧して、前記中空
部で凝固途中の溶融金属を強制的にキャビティ外に流出
させて中空鋳物を製造する請求項３乃至請求項６いずれ
かに記載の中空鋳物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25964095A JPH0999357A (ja) | 1995-10-06 | 1995-10-06 | 中空鋳物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25964095A JPH0999357A (ja) | 1995-10-06 | 1995-10-06 | 中空鋳物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0999357A true JPH0999357A (ja) | 1997-04-15 |
Family
ID=17336874
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25964095A Pending JPH0999357A (ja) | 1995-10-06 | 1995-10-06 | 中空鋳物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0999357A (ja) |
-
1995
- 1995-10-06 JP JP25964095A patent/JPH0999357A/ja active Pending
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