JPH0995202A - エアバッグ用ガス発生器 - Google Patents

エアバッグ用ガス発生器

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JPH0995202A
JPH0995202A JP7276677A JP27667795A JPH0995202A JP H0995202 A JPH0995202 A JP H0995202A JP 7276677 A JP7276677 A JP 7276677A JP 27667795 A JP27667795 A JP 27667795A JP H0995202 A JPH0995202 A JP H0995202A
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JP
Japan
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gas
combustion
chamber
filter
combustion chamber
Prior art date
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JP7276677A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Yokote
横手信昭
Yuji Ito
裕二 伊藤
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Sensor Technology Co Ltd Japan
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Sensor Technology Co Ltd Japan
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス発生剤の燃焼圧力を調整して燃焼速度を
適切に保つことにより、ガス発生剤の燃焼を過不足なく
安定して行える経済的なガス発生器を提供する。 【解決手段】 点火室P及び燃焼室Gを第1ガス孔
(6)で連通すると共に、燃焼室G及びフィルタ室F
を、中間ガス孔(13a,13b)で連通し、さらにガ
スの流れる方向に沿って順に破裂部材(24)と該破裂
部材(24)が接するガス孔部(22)を有するフィル
タ室Fとして、そのガス孔部(22)を、周方向にわた
り等ピッチで穿設された複数の貫通孔を有する円環状の
平板部材(23)をフィルタ室F内のクーラント・フィ
ルタ部材(20)の底面側に取付けて構成する一方、破
裂部材(24)は、円環状シートを前記ガス孔部(2
2)の全てを覆うように取付けて構成した。これによ
り、安価なシート製の破裂部材を厚くして支障なく使用
できるようにし、その分ガス孔部の直径を発生ガスの燃
焼圧力に応じて自由に設定できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のエアバッグ
用ガス発生器、特にガス発生剤の燃焼圧力を調整して燃
焼速度を適切に保つことにより、ガス発生剤の燃焼を過
不足なく安定して行える経済的なガス発生器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のガス発生器の燃焼圧力調
整技術の基本構成を図4(ガス発生器の概要を示す模式
図)に基づき簡単に説明すると、まずガス発生器は、軸
中心側から径方向外側にかけて順に点火室P,燃焼室
G,フィルタ室Fが形成された容器1を骨格として構成
される。点火室Pにはスクイブ4と着火剤5が収納さ
れ、燃焼室Gにはガス発生剤8が収納され、フィルタ室
Fには使用するガス発生剤8に適したクーラント・フィ
ルタ部材19,20がリテーナ31を介して上下に収納
されている。なお、14は予備フィルタ室であり、燃焼
室Gの下側に配置されている。15はクーラント・フィ
ルタ部材である。燃焼室G及びフィルタ室F(予備フィ
ルタ室14を含む)は、点火室Pの外周に環状に形成さ
れた空間を仕切壁13により画成されたものである。ま
た、点火室P,仕切壁13,フィルタ室Fはガス発生器
の作動時に第1ガス孔6,中間ガス孔13a・13b,
放出用ガス孔21で連通するよう構成されている。さら
に、放出用ガス孔21の径方向内側には円筒状の破裂部
材30が取付けられている。この破裂部材30は、燃焼
室G内が所定の内圧に達したときに破れるようにして、
ガス発生剤8の燃焼初期における内圧を確保する一方、
燃焼ピーク時における内圧を低減させて適切な燃焼速度
を保てるようコントロールする役割を担うものである。
【0003】このようなガス発生器の作動時には、点火
室Pからの熱風(矢印)が第1ガス孔6を通ってガス
発生剤8に達し、これを燃焼させ、この燃焼により発生
したガスは、第2ガス孔13aから予備フィルタ室14
を経てフィルタ室Fに流出し、クーラント・フィルタ部
材15,19,20で順次冷却・浄化された後、放出用
ガス孔21から図示されないエアバッグ内に放出される
(矢印)。そして、燃焼過程においては、破裂部材3
0が所定の圧力を受けたときに破れるようにしているの
で、これにより燃焼圧力の調整が行なわれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、破裂部材30
を放出用ガス孔21の内側に円筒状に取付けるに際して
は、以下の問題がある。まず、破裂部材30として、組
立時の作業性を考慮して予め特殊なカップ状に成形され
たアルミ等の金属箔からなる容器で代用することも考え
られるが、コストが高すぎて採用し難い。一方、そのよ
うなカップ状容器に比べコスト面で有利なシート類(金
属製,黒鉛製等)では、円筒面への接着作業が困難であ
り、またシール性が低下しやすいため、燃焼圧力の調整
を的確に行なうことは難しく、結局、過不足のない安定
した燃焼状態を得ることは容易ではない。また、シート
類に関しては、出願人も先に材料費の面で有利な黒鉛シ
ートの提案をしたが(未公開)、十分ではない。即ち、
黒鉛シートは引張強度が低いため厚いものが使用でき、
その分シートの成形が容易であるが、厚みが増せば増す
ほど、例えば1mm程度を超えると可撓性がなくなり、
非常に折れやすくなるという点で十分ではない。このた
め、燃焼圧力調整の制御用破裂部材として円筒面に沿っ
て接着できる黒鉛シートは自ずと限られてしまうため、
広範な圧力調整用の破裂部材として円筒状のものは、材
料費が安くてもその積極的採用は困難である。
【0005】また、見方を変えれば、厚みに限界がある
ため、黒鉛シートが接する放出用ガス孔21の直径を比
較的小さなものとせざるを得ないが、それでは燃焼圧力
の調整がしにくく、またそのような比較的小さなガス孔
21に貼付けた黒鉛シートには破裂部材として機能しな
い無駄な部分が結果的に多くなり、コストの上昇につな
がる。もちろん、このコスト上昇を避けるには、ガス孔
21の直径を大きくして孔数を少なくすれば、その分黒
鉛シートの厚みを増して接着面積を減少できるので、可
能のように思えるが、上述の如く、厚みが増せば折れや
すくなって円筒面に接着できなくなるため、ガス孔21
の直径を大きくすることは難しい。加えて、金属シート
にはない黒鉛シート特有の問題もある。それは、黒鉛シ
ートを破裂部材として使用する場合は、黒鉛シートが通
気性を有することから、何らかの防湿策を施して、ガス
発生剤の変質を防ぐ必要があるという点である。
【0006】一方、ガス発生剤として、無機アジ化物を
除く含窒素化合物と酸化剤を組み合わせる非アジ化系ガ
ス発生剤(以下「新ガス発生剤」という)を使用する場
合は、火薬の燃焼速度の周囲温度によって受ける影響が
アジ化系のものに比べてはるかに大きいという特性に起
因する問題がある。即ち、ガス発生器の作動環境温度に
よっては燃焼状態が著しく過不足となり易く、特に燃焼
速度が速すぎてガス圧が高くなるとガス発生器が破壊す
る危険性もあることから、新ガス発生剤を使用するガス
発生器の設計に際しては、安全率を多くみてガス発生器
の容器の構造を圧力増大に耐え得る非常に堅固なものに
しなければならず、勢いガス発生器が重くなると共に大
型化する傾向にあるという問題である。
【0007】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点を解消すべく鋭意検討の結果完成したものであ
り、本発明のうち請求項1記載の発明は、コストの安い
シート類を使用しても過不足のない燃焼状態を得るため
の圧力調整が行い易くなるようなガス発生器を提供する
ことを目的とする。また、請求項2記載の発明は、新ガ
ス発生剤を使用する場合にも請求項1記載の発明の効果
が得られるようなガス発生器を提供することを目的とす
る。また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明
の効果をさらに確実なものとすることができるガス発生
器を提供することを目的とする。また、請求項4記載の
発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、より安定
した燃焼状態が得られるように圧力調整の制御が可能な
ガス発生器を提供することを目的とする。また、請求項
5記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、
良好な燃焼特性曲線(圧力−時間曲線)を得て燃焼終了
段階まで過不足のない燃焼を確保できるガス発生器を提
供することを目的とする。また、請求項6記載の発明
は、請求項1乃至請求項5記載の発明の効果に加えて、
クーラント・フィルタ効果を高め小型化,軽量化に寄与
することができるガス発生器を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、本発明のうちで請求項1記載の発明は、ガス発生剤
(8)が収納される燃焼室Gと、この燃焼室Gの中央に
配置され前記ガス発生剤(8)を燃焼するための、スク
イブ(4)及び着火剤(5)からなる点火室Pと、前記
燃焼室Gを半径方向外側から囲んで環状に配置され、燃
焼室Gを通過したガスの冷却・スラグ捕集を行うフィル
タ室Fとを備えると共に、点火室P及び燃焼室G並びに
燃焼室G及びフィルタ室Fは、それぞれ第1ガス孔
(6)及び中間ガス孔(13a,13b)で連通し、さ
らにフィルタ室Fには、ガスの流れる方向に沿って順に
破裂部材(24)と該破裂部材(24)が接するガス孔
部(22)を有してなるガス発生器であって、前記ガス
孔部(22)は、周方向にわたり等ピッチで穿設された
複数の貫通孔を有する円環状の平板部材(23)をフィ
ルタ室F内のフィルタ部材(20)の底面側に取付けて
構成する一方、前記破裂部材(24)は、円環状シート
を前記ガス孔部(22)の全てを覆うように取付けて構
成したことを特徴とする。破裂部材を従来のように円筒
状とせずに円環状シートとしたことにより、厚めのもの
にしても折れにくくなり、その分ガス孔部の直径を大き
くすることができるので、燃焼圧力の調整がし易くな
る。しかも、コストの安いシートを破裂部材として全面
的に採用できるので、非常に経済的である。
【0009】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成に加え、ガス発生剤(8)として無機ア
ジ化物を除く含窒素化合物を含む燃料と酸化剤の組み合
わせからなるもの(以下「新ガス発生剤」という)を収
納した燃焼室Gの中間ガス孔(13a)に、燃焼室G側
から1次破裂部材(32)を取付けたことを特徴とす
る。燃焼圧力調整を2段階で行なえるようにすること
で、燃焼速度にバラツキが生じやすい新ガス発生剤を使
用した場合でも、燃焼圧力調整の制御を良好に実施する
ことができる。なお、新ガス発生剤の例しては、無機ア
ジ化物を除く含窒素化合物を含む燃料と酸化剤の組み合
わせものがある。この無機アジ化物を除く含窒素化合物
は、テトラゾール誘導体,グアニジン誘導体,アゾジカ
ルボンアミド誘導体,ヒドラジン誘導体,トリアゾール
誘導体からなる群から選ばれる1種又は2種以上である
か、あるいは、−NH2 基又は−NH−基を有する化合
物と−CHO基を有する有機化合物又は−CHO基を生
じ得る有機化合物とを反応させて得られた反応生成物で
ある。
【0010】特に、−NH2 基又は−NH−基を有する
化合物と−CHO基を有する有機化合物とを反応させた
ガス発生剤は、取扱の安全性の見地から特に好ましいガ
ス発生剤である。この−NH2 基又は−NH−基を有す
る化合物の具体例は、アゾジカルボンアミド,グアニジ
ン,トリアミノグアニジンナイトレート,硝酸グアニジ
ン,炭酸グアニジン,テトラゾール,5−アミノテトラ
ゾール,5、5′−ビーIH−テトラゾール,5−オキ
ソ1、2、4−トリアゾール,ヘキサメチレンテトラミ
ン,ジシアンジアミド,ビウレット,ヒドラジン,カル
ボヒドラジド,蓚酸ジヒドラジド,ヒドラジン塩酸塩,
尿素,メラミン等が挙げられ、これらは一種又は二種以
上が混合して使用される。また、前記−CHO基を有す
る有機化合物の具体例は、ホルムアルデヒド(メタナー
ル、以下括弧内は正式名),アセトアルデヒド(エタナ
ール)、プロピオンアルデヒド(プロパナール),n−
ブチルアルデヒド(ブタナール),n−ヴァレルアルデ
ヒド(ペンタナール),n−カプロンアルデヒド(ヘキ
ザナール),アクロレイン(プロペナール),クロトン
アルデヒド(2−ブテン−1−オール),グリオキザー
ル等が挙げられ、これらは一種又は二種以上が混合して
使用される。また、前記−CHO基を生じ得る有機化合
物の具体例は、パラホルムアルデヒドHO(CH2 O)
nH,トリオキサン(CH2 O)3 ,ヘキサメチレンテ
トラミン(CH2 6 4 等が挙げられ、これらは一種
又は二種以上が混合して使用される。
【0011】このような無機アジ化物を除く含窒素化合
物を含む燃料に組み合わされる酸化物の例としては、硝
酸塩,オキソハロゲン酸塩,金属酸化物等が挙げられ
る。そのうち硝酸塩の具体例は、硝酸ナトリウム,硝酸
カリウム,硝酸バリウム,硝酸アンモニウム,硝酸スト
ロンチウム等が挙げられる。前記オキソハロゲン酸塩の
具体例は、塩素酸塩,過塩素酸塩,臭素酸塩,過臭素酸
塩,ヨウ素酸塩,過ヨウ素酸塩等が挙げられる。さらに
金属酸化物の具体例としては、二酸化マンガン,酸化第
二鉄,二酸化亜鉛,過酸化カリウム,過マンガン酸カリ
ウム,過酸化バリウム等が挙げられ、これらは1種又は
2種以上が混合して用いられる。
【0012】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の発明の構成に加え、前記1次破裂部材(32)及び
前記破裂部材(24)がいずれも次の条件式((1)
式)を充足するように各破裂部材の厚みtとガス孔部の
相当径Dを設定したものであることを特徴とする。破裂
部材の引張強さをA(kgf/cm2 )、破裂部材の厚
みをt(cm)、破裂部材が接するガス孔部の相当径を
D(cm)としたとき、 t=B×D/A 但し、B=4〜50 ・・・(1) この(1)式において、Bの値が4未満の場合は燃焼速
度が十分でないか未燃物が残ることになり、Bの値が5
0を超える場合は燃焼速度が速すぎてガス発生器の容器
が破壊するおそれがある。このように破裂部材の破裂圧
力(引張強さ)を厳密に設定することにより、新ガス発
生剤を使用した場合でも、燃焼圧力をさらに確実に調整
することができる。
【0013】また、請求項4記載の発明は、請求項2又
は3記載の発明の構成に加え、前記1次破裂部材(3
2)について設定された前記B値(B1 )が、前記破裂
部材(24)について設定された前記(B2 )以下であ
ることを特徴とする。燃焼室G側にある1次破裂部材が
フィルタ室F側にある破裂部材より先に破れるようにす
ることで、より安定した燃焼状態が得られるように圧力
調整が可能となる。
【0014】また、請求項5記載の発明は、請求項2、
3、又は4記載の発明の構成に加え、破裂部材(24)
の材質として黒鉛シートを採用したものである。このよ
うにフィルタ室F側の破裂部材には黒鉛シートを使用
し、燃焼室G側の1次破裂部材にはそれ以外の例えば金
属シートを使用することで、良好な燃焼特性曲線(圧力
−時間曲線)が得られ、燃焼の初期段階から終了段階に
至まで過不足のない燃焼を確保できる。
【0015】また、請求項6記載の発明は、請求項1乃
至請求項4記載の発明の構成に加え、ガス孔部(22)
を有する平板部材(23)及び前記破裂部材(24)
が、クーラント・フィルタ部材(20)の底面のみを覆
うように取付けられたものであることを特徴とする。燃
焼室G側から出たガスの全量をクーラント・フィルタ部
材(20)のほぼ全体にわたって通過させることによ
り、クーラント・フィルタ効率を高めることができ、そ
の分ガス発生器の小型化・軽量化を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は、実施形態に係るガス発
生器の構成を示す断面図である。従来例(図4)と同一
構成箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0017】図1において、フィルタ室Fには、ガスの
流れる方向に沿って順に破裂部材24と該破裂部材24
が接するガス孔部22が形成されている。そのガス孔部
22は、周方向にわたり等ピッチで穿設された複数の貫
通孔を有する円環状の平板部材23をフィルタ室F内の
クーラント・フィルタ部材20の底面側に取付けて構成
されている。ここで、「底面側に取付けて」とは、平板
部材23をクーラント・フィルタ部材20の底面に密着
させる場合のみならず、いくらかの間隔をおいて配置す
る場合も含む意味である。また、平板部材23の大き
さ,厚みをはじめ貫通孔の数,大きさ等は、ガス発生剤
の燃焼特性に応じてフィルタ室Fとの関係で適宜設計変
更可能である。一方、破裂板24は、円環状シートを前
記ガス孔部22の全てを覆うように取付けて構成されて
いる。
【0018】このように構成されたガス発生器の作動時
において、燃焼室Gで発生した大量のガスは、中間ガス
孔13a,13bを通過した後、矢印で示すように、
破裂部材24に達する。そして、燃焼室G内が所定の圧
力に達した時点で破裂部材24が破れるので、ガスはガ
ス孔部22を通過しクーラント・フィルタ部材20を通
過する間にさらに適温に冷却され、かつ残留スラグを除
去して清浄にされた後、放出用ガス孔21から図示され
ないエアバッグ内に放出される。このように、本実施形
態では破裂部材を円環状シートとしたことにより、厚め
のものにしても折れにくくなり、その分ガス孔部の直径
を大きくすることができるので、燃焼圧力の調整がし易
くなる。
【0019】尚、燃焼圧力の調整をさらに行い易くする
ためには、図2に示すように燃焼室Gの中間ガス孔13
a又は13bにも、ガス流の上流側からいわば1次破裂
部材32を取付ければよい。このように燃焼圧力調整を
燃焼の進行に合わせて2段階で行なえるようにすること
で、特に燃焼速度にバラツキが生じやすい新ガス発生剤
を使用した場合でも、燃焼圧力の調整がし易くなる利点
がある。この場合、予めガス発生剤8が例えば金属箔か
らなる密封容器に封入された状態で収納される構造のガ
ス発生器では、その密封容器の底面を1次破裂部材32
として代用することも可能である。
【0020】また、新ガス発生剤を使用した場合に燃焼
圧力調整をより的確に行うためには、1次破裂部材32
及び破裂部材24の破裂圧力(引張強さ)をそれぞれ厳
密に設定したり、また両者が一定の関係を有するように
設定すればよい。即ち、前者の具体的手段としては、1
次破裂部材32及び破裂部材24がいずれも次の条件式
((1)式)を充足するように各破裂部材の厚みtとガ
ス孔部の相当径Dを設定すればよい。破裂部材の引張強
さをA(kgf/cm2 )、破裂部材の厚みをt(c
m)、破裂部材が接するガス孔部の相当径をD(cm)
としたとき、 t=B×D/A 但し、B=4〜50 ・・・(1) このように破裂部材の破裂圧力(引張強さ)を厳密に設
定することにより、新ガス発生剤を使用した場合でも、
燃焼圧力をさらに確実に調整することができる。
【0021】また、後者の具体的手段としては、1次破
裂部材(32)について設定された前記B値(B1
が、破裂部材(24)について設定された前記B値(B
2 )以下となるように設定すればよい。燃焼室G側にあ
る1次破裂部材がフィルタ室F側にある破裂部材より先
に破れるようにすることで、より安定した燃焼状態が得
られるように圧力調整が可能となる。
【0022】また、破裂部材24として黒鉛シートを使
用し、1次破裂部材32としてそれ以外の金属シート等
を使用することにより、良好な燃焼特性曲線(圧力−時
間曲線)が得られ、燃焼の初期段階から終了段階に至ま
で過不足のない燃焼を確保することができる。なお、金
属シート等の材質としては、ステンレス,アルミ,マグ
ネシウム,チタン,銅,ニッケル,亜鉛等がある。
【0023】また、ガス孔部22を有する平板部材23
及び破裂部材24を、クーラント・フィルタ部材20の
底面のみを覆うように取付ければ、燃焼室Gから出たガ
スをフィルタ部材20のほぼ全体を通過させることによ
り、クーラント・フィルタ効率を高めることができるの
で、その分フィルタ室Fの容積を減少させてガス発生器
の小型化・軽量化をさらに進めることができ、好ましい
構成例といえる。
【0024】なお、ガス発生剤の種類や燃焼特性等によ
っては、予備フィルタ室14,クーラント・フィルタ部
材15の構成を省略することも可能である。その場合
は、燃焼室Gを広くすることができ、広くする必要がな
いときは、より一層の小型化を図ることができる利益が
生じる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比しつつ
説明する。
【0026】〔実施例1〕図1に示すガス発生器におい
て、中間ガス孔13aをφ10mm径×8個とし、1次
破裂部材32として厚さ0.1mmのアルミシート(A
=900kgf/cm2 )を使用する一方、ガス孔部2
2をφ4mm×40個とし、破裂部材24として厚さ1
mmの黒鉛シート(A=55kgf/cm2 )を使用し
た。次に上記のガス発生器にZr/KClO4 ウクイブ
伝火薬としてボロン/KNO3 1.0g、ガス発生剤と
して5−アミノテトラゾール/KNO3 (重量比1/
1.67)打錠ペレット直径7mm、高さ4mm、27
0mg/粒、27gを収納し60リットルタンクに供し
た。そして、図3の如き特性曲線を得て、着火に至るま
での時間t1 と、タンク内最大圧力Pmaxと、このP
maxに至るまでの時間t−Pmaxを測定した。
【0027】具体的数値は、t1 =5.1ms,t−P
max=63ms,Pmax=135kpaであり、満
足できる性能が得られた。このときの(1)式の関係は
次の通りであり、B1 及びB2 は、いずれも4以上50
以下の中間付近であると共に、B1 はB2 以下であると
の条件を充足するものであった。 B1 =t×A/D= 0.01×900/1.0=9.0 B2 =t×A/D=0.1×55/0.4=13.75
【0028】〔実施例2〕ガス発生器における1次破裂
部材として厚さ0.2mmのアルミシート(A=900
kg/cm2 )を使用し、それ以外は実施例と同一の条
件でテストした。t1 =6.7ms,t−Pmax=3
3ms,Pmax=60kpaであり、ガス発生器とし
ては燃焼速度がやや速すぎ、かつガス発生器内のガス圧
も上昇せず、燃焼圧力を適切に調整できなかった。な
お、ガス発生器を分解したところ、燃焼室内にはガス発
生剤の未燃焼物が残っていた。このときの(1)式の関
係は次の通りであり、B1 >B2 であった。即ち、B1
<B2 の条件を維持しなかったために適切な燃焼圧力調
整ができなかったことを確認した。 B1 =t×A/D=0.02×900/1.0=18.0 B2 =t×A/D=0.1×55/0.4=13.75 〔実施例3〕ガス発生器における破裂部材として厚さ
0.1mmのアルミシート(A=900kgf/c
2 )を使用し、それ以外は実施例と同一の条件でテス
トした。t1 =5.3ms,t−Pmax=43ms,
Pmax=49kpaであり、t−Pmaxはほぼ適当
であったが、Pmaxは低すぎ、この場合も燃焼圧力を
適切に調整できなかった。なお、ガス発生器を分解した
ところ、燃焼室内にはガス発生剤の未燃焼物が残ってい
た。このときの(1)式の関係は次の通りであり、B2
>B1 を充足したが、破裂部材として黒鉛シートを使用
しなかったために適切な燃焼圧力調整ができなかったこ
とを確認した。 B1 =t×A/D=0.01×900/1.0=9.0 B2 =t×A/D=0.1×900/0.4=22.5
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうちで請
求項1記載の発明は、要するにガスの流れる方向に沿っ
て順に破裂部材とこれに接するガス孔部が配置されたフ
ィルタ室として、まずガス孔部を、周方向にわたり等ピ
ッチで穿設された複数の貫通孔を有する円環状の平板部
材をクーラント・フィルタ部材の底面側に取付けて構成
する一方、破裂部材を、円環状シートをガス孔部の全て
を覆うように取付けて構成したものである。従って、破
裂部材を厚めのものにしても折れにくくなり、その分ガ
ス孔部の直径を大きくすることができるので、燃焼圧力
の調整がし易くなった。また、請求項2記載の発明は、
請求項1記載の発明の効果に加え、燃焼圧力調整を燃焼
の進行に合わせて2段階で行なえるようにしたので、特
に燃焼速度にバラツキが生じやすい新ガス発生剤を使用
した場合でも、燃焼圧力の調整がし易くなった。また、
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加
え、破裂部材の破裂圧力(引張強さ)を所定の条件式を
充足するよう厳密に設定することにより、新ガス発生剤
を使用した場合でも、燃焼圧力の調整をさらに確実に調
整できるようになった。また、請求項4記載の発明は、
請求項2又は3記載の発明の効果に加え、燃焼室側の1
次破裂部材がフィルタ室側の破裂部材より先に破れるよ
うにしたので、より安定した燃焼状態が得られるように
圧力調整することが可能となった。また、請求項5記載
の発明は、請求項2、3又は4記載の発明の効果に加
え、良好な燃焼特性曲線(圧力−時間曲線)を得て、燃
焼の初期段階から終了段階に至るまで過不足のない燃焼
を確保できる。また、請求項6記載の発明は、請求項
1、2、3、4又は5記載の発明の効果に加え、燃焼室
から出たガスの全量がフィルタ部材の底面側から入りフ
ィルタ部材内全体を通過させるようにしたので、クーラ
ント・フィルタ効率が高めることができ、その分小型化
・軽量化に寄与できるガス発生器を提供することが可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグ用ガス発生器の一実施形態
を示す断面図である。
【図2】他の実施形態を示す断面図である。
【図3】60リットルタンクテストで得られる燃焼特性
曲線を示す図である。
【図4】従来のエアバッグ用ガス発生器を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
8 ガス発生剤 6 第1ガス孔 13a,13b 中間ガス孔 20 クーラント・フィルタ部材 22 ガス孔部 23 円環状の平板部材 24 破裂部材 32 1次破裂部材 F フィルタ室 G 燃焼室 P 点火室

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス発生剤(8)が収納される燃焼室
    (G)と、この燃焼室(G)の中央に配置され前記ガス
    発生剤(8)を燃焼するための、スクイブ(4)及び着
    火剤(5)を収納した点火室(P)と、前記燃焼室
    (G)を半径方向外側から囲んで環状に配置され、燃焼
    室(G)を通過したガスの冷却・スラグ捕集を行うフィ
    ルタ室(F)とを備えると共に、点火室(P)と燃焼室
    (G)及び燃焼室(G)とフィルタ室(F)は、それぞ
    れ第1ガス孔(6)及び中間ガス孔(13a,13b)
    で連通し、さらにフィルタ室Fには、ガスの流れる方向
    に沿って順に破裂部材(24)と該破裂部材(24)が
    接するガス孔部(22)を有してなるガス発生器であっ
    て、前記ガス孔部(22)は、周方向にわたり等ピッチ
    で穿設された複数の貫通孔を有する円環状の平板部材
    (23)をフィルタ室(F)内のクーラント・フィルタ
    部材(20)の底面側に取付けて構成する一方、前記破
    裂部材(24)は、円環状シートを前記開口部(22)
    の全てを覆うように取付けて構成したことを特徴とする
    エアバッグ用ガス発生器。
  2. 【請求項2】 ガス発生剤(8)として無機アジ化物を
    除く含窒素化合物を含む燃料と酸化剤の組み合わせから
    なるものを収納した燃焼室(G)の中間ガス孔(13
    a)には、燃焼室(G)側から1次破裂部材(32)が
    取付けられている請求項1記載のエアバッグ用ガス発生
    器。
  3. 【請求項3】 前記1次破裂部材(32)及び前記破裂
    部材(24)がいずれも次の条件式((1)式)を充足
    するように各破裂部材の厚みtと中間ガス孔(13a)
    及びガス孔部(22)の各相当径Dを設定したものであ
    る請求項2記載のエアバッグ用ガス発生器。破裂部材の
    引張強さをA(kgf/cm2 )、破裂部材の厚みをt
    (cm)、破裂部材が接するガス孔部の相当径をD(c
    m)としたとき、 t=B×D/A 但し、B=4〜50 ・・・(1)
  4. 【請求項4】 前記1次破裂部材(32)について設定
    された前記B値(B 1 )が、前記破裂部材(24)につ
    いて設定された前記B値(B2 )以下である請求項2又
    は3記載のエアバッグ用ガス発生器。
  5. 【請求項5】 前記破裂部材(24)の材質が黒鉛シー
    トである請求項2、3又は4記載のエアバッグ用ガス発
    生器。
  6. 【請求項6】 前記ガス孔部(22)を有する平板部材
    (23)及び前記破裂部材(24)が、フィルタ部材
    (20)の底面のみを覆うように取付けられたものであ
    る請求項1、2、3、4又は5記載のエアバッグ用ガス
    発生器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000018619A1 (fr) * 1998-09-30 2000-04-06 Daicel Chemical Industries, Ltd. Corps moule forme d'une composition d'agent generateur de gaz, pour airbags
WO2002083464A1 (fr) * 2001-04-10 2002-10-24 Nippon Kayaku Kabushiki-Kaisha Generateur de gaz
WO2004052695A1 (ja) * 2002-12-09 2004-06-24 Daicel Chemical Industries, Ltd. エアバッグ用ガス発生器
US7052040B2 (en) 2002-12-09 2006-05-30 Daicel Chemical Industries, Ltd Gas generator for air bag

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