JPH0994478A - 荷電式エアーフィルター装置 - Google Patents

荷電式エアーフィルター装置

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JPH0994478A
JPH0994478A JP27635595A JP27635595A JPH0994478A JP H0994478 A JPH0994478 A JP H0994478A JP 27635595 A JP27635595 A JP 27635595A JP 27635595 A JP27635595 A JP 27635595A JP H0994478 A JPH0994478 A JP H0994478A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気清浄時に連続的な通電が必要ないエアー
フィルター装置を提供する。 【解決手段】 濾材11を荷電する際に、対向配置した
第1の正極性及び/又は負極性イオン発生手段21と第
2の正極性及び/又は負極性イオン発生手段22との中
間に濾材11を非接触に配置し、濾材11に関して第1
のイオン発生手段21と反対側の第1のイオン吸引性電
極52により、第1のイオン発生手段21によって発生
した正極性又は負極性イオンのいずれかを、濾材11に
移動させ、濾材11に関して第2のイオン発生手段22
と反対側の第2のイオン吸引性電極51により、第2の
イオン発生手段22によって発生したイオンの内、第1
のイオン発生手段21から濾材11に移動させたイオン
とは反対極性のイオンを、濾材11に移動させ、濾材1
1に移動したイオンにより濾材11が荷電される、荷電
式エアーフィルター装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電式エアーフィ
ルター装置に関する。本発明のエアーフィルター装置に
よれば、静電引力を利用して、被処理気体(特に、空
気)中の塵埃(ダスト)を捕集して被処理気体を浄化す
ることができ、空気清浄機又は集塵機などに用いること
ができる。
【0002】
【従来の技術】従来、静電引力を利用して空気中の塵埃
(ダスト)を捕集して空気を浄化する空気清浄機又は集
塵機、あるいはそれらに用いるエアーフィルター装置と
しては、(1)コロナ放電によりダストを荷電する予備
荷電部と、平行平板状電極等の集塵電極部とを含む電気
集塵機、(2)繊維状等の誘電体に電界を与え、繊維表
面に誘起される静電気力を利用してダストを捕集する誘
電フィルター、及び(3)予めコロナ放電等で帯電させ
たろ材を用いるエレクトレットフィルター等が一般的に
知られていた。前記の電気集塵機(1)は、例えば、図
1に示すように、針状電極などの放電極2とアースされ
た平板電極などの対電極1とを含む予備荷電部3を、矢
印Aで示す方向から流入する被処理空気の流入口側に設
け、その下流側に、被処理空気の流れに実質的に平行に
配置した平行平板状電極4を設けてなる。放電極2と対
電極1との間に直流高電圧を印加すると、直流コロナ放
電が発生し、予備荷電部3を通過する空気中に含まれる
ダストが単極性に荷電される。荷電されたダストは、そ
の下流に配置された平行平板状電極4に捕集される。し
かし、こうした電気集塵機(1)においては、集塵処理
中に連続的にダストを荷電する必要があるので、予備荷
電部3を連続的に常に放電させておく必要があり、電力
の消費量が大きく、しかも連続的にオゾンが発生する欠
点があった。また、コロナ放電により荷電されたダスト
が予備荷電部3にも付着することがあるので、放電性能
が低下し、集塵効率が低下する欠点もあった。更に、予
備荷電部3において高電圧(高電界強度)を印加する必
要があるため、火花放電により発火の危険性があった。
【0003】前記の誘電フィルター(2)によれば、例
えば、平板状などに成形した誘電性の繊維体の表面に、
金属などからなるメッシュ状電極を形成し、その電極に
直流電圧を印加すると、誘電性の繊維体が誘電分極す
る。こうして発生した静電引力によって、繊維体の中を
通過する被処理空気中のダストを捕集することができ
る。こうした誘電フィルター(2)においては、火花放
電による発火の危険性は小さいが、誘電体の誘電分極作
用による静電引力によってダストを捕集するので、集塵
効率が低い欠点があった。更に、前記のエレクトレット
フィルター(3)においては、一般的なエレクトレット
化製品と同様に、時間経過に伴ってエレクトレットの効
果が劣化してくるため、初期の集塵効率が高くても、経
時劣化が大きい欠点があり、フィルターを短期間で交換
する必要があった。また、初期集塵効率を向上させるた
めには帯電量の多い素材を被エレクトレット化材として
用いることが好ましいが、この場合には帯電寿命が短く
なり、一方、交換間隔を長くする必要性から、帯電量よ
りも帯電寿命を重視して素材を選択すると、初期集塵効
率が必ずしも満足することのできるものではないという
欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、静電引力を利用するエアーフィルター装置であっ
て、小さな電界強度によって濾材を効果的に荷電させる
ことができ、集塵効率が高く、しかもエアーフィルター
装置の使用中には連続的な通電が必要ではなく、併せて
エレクトレットフィルターに比べてフィルターの交換間
隔が非常に長いエアーフィルター装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、本発明に
よる、荷電可能な材料からなる濾材と、一対の正極性イ
オン及び/又は負極性イオン発生手段と、前記のイオン
発生手段のいずれか一方によって発生した正極性イオン
又は負極性イオンのいずれか1種を選択的に吸引するこ
とができ、前記の一対のイオン発生手段のそれぞれに対
応して設けられる一対のイオン吸引性電極とを含む、荷
電式エアーフィルタ装置であって、少なくとも、前記濾
材を荷電する際には、対向して配置した第1のイオン発
生手段及び第2のイオン発生手段の中間に、それらの一
対のイオン発生手段とそれぞれ非接触状態で前記濾材を
配置することができ、第1のイオン吸引性電極を、前記
の濾材に関して前記の第1のイオン発生手段と反対側に
配置し、前記の第1のイオン発生手段によって発生した
正極性イオン又は負極性イオンのいずれか1種のみを、
前記の第1のイオン発生手段から濾材に移動させること
ができ、第2のイオン吸引性電極を、前記の濾材に関し
て前記の第2のイオン発生手段と反対側に配置し、前記
の第2のイオン発生手段によって発生したイオンの内、
前記の第1のイオン発生手段から濾材に移動させたイオ
ンとは反対の極性のイオンのみを、前記の第2のイオン
発生手段から濾材に移動させることができ、そして、前
記の第1のイオン発生手段から濾材に移動されたイオン
及び前記の第2のイオン発生手段から濾材に移動された
イオンによって、濾材における被処理気体の流入面及び
流出面がそれぞれ荷電されることを特徴とする、荷電式
エアーフィルター装置によって達成することができる。
【0006】本明細書において、正極性イオン及び/又
は負極性イオン発生手段とは、被荷電処理材料とは別個
に独立して、それ自体の内部で放電を起こし、それ自体
が単独で正極性イオン及び/又は負極性イオンを発生す
ることのできる手段を意味する。従って、例えば、従来
の直流コロナ放電によるエレクトレット化のように、被
荷電処理材料をはさんで放電極と対電極とを設置し、こ
の電極間に放電を起こし、その放電によって直接被荷電
処理材料を荷電化するものは含まない。このような正極
性イオン及び/又は負極性イオン発生手段は、特に制限
されず、例えば、交流沿面放電素子、イオナイザー、直
流コロナ型イオン発生素子、又は交流コロナ型イオン発
生素子、好ましくは交流沿面放電素子を用いることがで
きる。
【0007】本発明装置は、任意の気体(例えば、空
気)を処理して、その被処理気体中に含まれる塵埃(ダ
スト)を除去し、浄化するのに使用することができる。
本発明装置では、前記の気体の浄化に、荷電濾材を利用
することができるが、本発明装置を、(1)濾材を荷電
する荷電モード(以下、単に「荷電モード」と称するこ
とがある)と(2)荷電濾材を用いて気体を処理する通
気モード(以下、単に「通気モード」と称することがあ
る)とに分けて用いてもよい。ここで、前記の荷電モー
ドとは、濾材の荷電処理のみを実施し、その荷電処理中
には、気体処理を実施しない運転操作をいう。一方、通
気モードとは、前記の荷電モード中に荷電した濾材を利
用して気体の処理のみを実施し、濾材の荷電処理は行わ
ない運転操作をいう。また、本発明装置では、濾材を荷
電しながら、それと同時に気体を浄化処理する運転操作
も可能であり、その運転操作を、前記の各モードと区別
して、「荷電通気モード」と称するものとする。従っ
て、本発明装置では、気体の浄化処理を連続的に実施し
ながら、間欠的に濾材の荷電を行なう運転操作、すなわ
ち、荷電通気モードと通気モードとのサイクルによって
運転することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明装置の荷電モードに
関して最初に説明する。濾材の荷電処理に必要な一対の
イオン発生手段として、それぞれ交流沿面放電素子を用
いる本発明のエアーフィルター装置の代表的な一態様を
図2に示す。この態様においては、少なくとも荷電モー
ドでは、2つの交流沿面放電素子21,22を、所定の
空間をあけて対向するように配置し、それらの素子の中
間に、それらの素子とそれぞれ非接触状態で濾材として
のフィルター11を配置する。図2に示すようなプリー
ツフィルター11の場合は、プリーツフィルター11の
被処理気体流入面側の上流に、前記流入面側に対向して
交流沿面放電素子22を配置する。一方、フィルター1
1の被処理気体流出面側の下流に、前記流出面側に対向
して交流沿面放電素子21を配置する。各交流沿面放電
素子としては、例えば、図3に示すように、ガラス又は
セラミックなどからなる円筒状の誘電体31の中心軸に
誘起電極51を挿入し、その誘電体31の側面上にコイ
ル状の放電極41を巻きつけて担持した交流沿面放電素
子21を用いることができる。あるいは、棒状などの誘
起電極の側面上にシート状の誘電体を巻回担持して覆
い、その誘電体の最外層上にコイル状の放電極を巻き付
けて担持した交流沿面放電素子などを用いることができ
る。
【0009】各交流沿面放電素子21,22における放
電極41,42と誘起電極51,52とを、図2に示す
ように、それぞれ交流電源61,62に接続する。一般
に交流沿面放電素子を用いて沿面放電を発生させる場合
には、放電極をアースするのに対し、本発明において
は、放電極41,42を、それぞれ直流電源71,72
に接続する。一般に交流電源61,62は交流発生部と
トランスとからなり、直流電源71,72には、トラン
スの2次側アース端子から接続させることができる。
【0010】交流電源61,62から交流高電圧を印加
すると、放電極41,42から誘電体表面の放電極担持
表面に沿って電離が生じ、正極性イオンと負極性イオン
の両イオンが生成されて沿面放電が発生する。この際に
同時に、直流電源71及び72からそれぞれ放電極41
及び42に、異なる電位の直流電圧V1及びV2を印加
すると、交流沿面放電素子21,22の間に直流電界
(以下、荷電電界と称することがある)が形成される。
例えば、交流沿面放電素子21の放電極41には正電圧
V1を印加し、交流沿面放電素子22の放電極42には
負電圧V2を印加した場合に発生する各交流沿面放電素
子21,22における交流波形を図4に示す。すなわ
ち、交流沿面放電素子21にはアース電位(0V:図4
のx)に対して直流正電位V1(図4のa)が印加され
ているので、誘起電極51の交流波(図4のb)は直流
成分V1だけ昇圧し、放電極41の電位もV1となる。
一方、交流沿面放電素子22にはアース電位(0V:図
4のx)に対して直流負電位V2(図4のc)が印加さ
れているので、誘起電極52の交流波(図4のd)は直
流成分V2だけ降圧し、放電極42の電位もV2とな
る。
【0011】こうして、交流沿面放電素子21,22の
間に荷電電界が形成されると、放電極41,42は、そ
れぞれ対向する交流沿面放電素子22,21に対してイ
オン吸引性電極として作用する。すなわち、交流沿面放
電素子21の誘電体表面に生じた正極性イオン及び負極
性イオンの内、正極性イオンのみが、交流沿面放電素子
22の負電位に設定された放電極42に選択的に吸引さ
れて、交流沿面放電素子22の方向に移動し、その途中
に配置されているフィルター11の気体流入面上に付着
し、フィルター11の気体流入面を荷電する。一方、交
流沿面放電素子22の誘電体表面に生じた正極性イオン
及び負極性イオンの内、負極性イオンのみが、交流沿面
放電素子21の正電位に設定された放電極41に選択的
に吸引されて、交流沿面放電素子21の方向に移動し、
その途中に配置されているフィルター11の気体流出面
上に付着し、フィルター11の気体流出面を荷電する。
こうしてフィルター11は、一方から正極性イオンによ
り、他方から負極性イオンにより同時に処理され、フィ
ルター11の両面は高度にヘテロに荷電(すなわち、正
極性及び負極性の両イオンによって荷電)される。
【0012】直流電圧V1及びV2は、両者が異なって
いればよく、一方がアースで他方が正電位又は負電位で
あってもよい。この場合、放電極41,42は、それぞ
れ対向する交流沿面放電素子22,21に対してイオン
吸引性電極として作用するので、交流沿面放電素子2
1,22の各誘電体表面に生じた正極性イオン及び負極
性イオンの内、正極性イオン又は負極性イオンのいずれ
か一方のみが、交流沿面放電素子22,21の放電極4
2,41に選択的に吸引されて、交流沿面放電素子2
2,21の方向に移動し、その途中に配置されているフ
ィルター11に付着し、フィルター11を荷電する。な
お、例えば、直流電源装置71,72の機構内にコンデ
ンサーやチョークを設けて、交流波が直流電源に直接入
るのを防止し、直流電源を保護することができる。
【0013】交流電源により沿面放電を発生させるため
に印加する高周波の交流電圧は特に限定されるものでは
ないが、好ましくは0.2KVp−p以上、より好まし
くは1KVp−p以上であり(KVp−pは、交流電圧
の最大値ピークから最小値ピークまでの電圧差を示
す)、周波数も特に限定されるものではないが好ましく
は0.1〜100KHz、より好ましくは1〜50KH
zである。電圧が0.2KVp−p未満になると実質的
に放電が起こらなくなり、周波数が0.1KHz未満に
なると放電には極めて大きな電圧が必要となり、100
KHzを越えると誘電加熱により誘電体が過熱状態にな
って破壊するおそれが生じるなどの問題がある。
【0014】放電極41,42に印加する直流電位差も
特に限定されるものではないが、放電極41と42との
間に形成される荷電電界の電界強度が、好ましくは10
0V/cm以上、より好ましくは500〜5000V/
cmになるように印加する。電界強度が100V/cm
未満になると、帯電に使われる有効なイオン量が極端に
少なくなり、帯電時間を極めて長くしても実質的な帯電
量が小さくなるため十分なエレクトレット効果が得られ
なくなる。本発明のエアーフィルター装置においては、
荷電電界を形成するために印加する電圧と、イオンを発
生させるために印加する電圧とが実質的に独立している
ため、最終的な帯電量はイオン吸引性電極間の電界強度
に依存せず、その間の電位差のみに依存する。そのた
め、荷電電界の電界強度を小さくすることができ(非常
に高い荷電電圧をかけた場合は電極間を広くするとよ
い)、火花放電の危険性もない。
【0015】前記の荷電モードにより、フィルター11
が充分に帯電されたところで、交流電源61,62によ
る交流高電圧と直流電源71,72による直流電圧の印
加を停止し、フィルターのエレクトレット化処理、すな
わち、荷電モードを終了する。続いて、通気モードに変
換し、エレクトレット化されたフィルター11にダスト
を含む被処理気体を通過させると、静電引力によって、
被処理気体中に含まれるダストがフィルター11に捕集
され、被処理気体を浄化することができる。被処理気体
の浄化処理中は、交流電源61,62による交流高電圧
と直流電源71,72による直流電圧を印加する必要が
なく、エレクトレット化処理も短時間で終了することが
できるので、フィルター荷電に必要な電力消費量を抑え
ることができ、しかもオゾン発生量を低下させることが
できる。また、このように荷電と通気とを別々に行え
ば、同時に行う場合に比べて、被処理気体中に含まれる
ダストの放電極への付着を少なくすることができる。エ
レクトレット化されたフィルター11は、長期に渡って
使用しているとエレクトレットの効果が劣化するので、
エレクトレット処理直後の充分な集塵効率に比べて経時
的に集塵効率が低下する。この場合には、通気モードを
中断し、再び荷電モードに代えて前記のフィルターのエ
レクトレット化処理を再度繰り返すことによって、充分
な集塵効率を回復することができる。本発明装置では、
これまで説明したように、荷電モードと通気モードとを
切換えながら運転することができる。また、短時間でエ
レクトレット化処理を終了することができるので、気体
の浄化処理を中止することなく、荷電通気モードと通気
モードとを切換えながら運転することもできる。
【0016】本発明装置では、交流沿面放電素子とし
て、公知の素子を用いることができる。図2には、複数
個の円柱状交流沿面放電素子を用いる態様を示したが、
交流沿面放電素子は種々の形状であることができる。例
えば、図5に示すような平板状の交流沿面放電素子を用
いることもできる。図5に示す交流沿面放電素子21
は、誘電体31の一方の表面上に放電極41を担持し、
他方の表面上に誘起電極51を担持した構造からなり、
交流高電圧を印加すると、放電極41から誘電体31表
面の放電極担持面側に沿って電離が生じ、正極性イオン
と負極性イオンの両イオンが生成されて沿面放電が発生
する。誘電体31が放電極41の下から表面に露出する
ように、放電極41は開孔を有する構造となっているこ
とが望ましい。
【0017】本発明で用いることのできる交流沿面放電
素子21の誘電体31には、例えば、板状又はシート状
のガラス、セラミック又はプラスチックなどを用いるこ
とができる。誘電体の厚みは特に限定されないが、あま
り厚いと放電させるのに非常に高い電圧が必要となり、
あまり薄いと機械的強度が低下し、絶縁破壊が生じやす
くなるので0.1〜5mm程度のものが好適である。交
流沿面放電素子21の放電極41としては、プラスチッ
クフィルムなどの表面に導電性塗料を塗布したり金属層
や導電性樹脂層によって格子状電極やメッシュ状電極な
どを形成したもの、又はアルミニウムや銅などの導電性
金属などから形成されるコイル状電極、格子状電極、若
しくはメッシュ状電極などが適している。
【0018】誘起電極51も特に限定されるものではな
いが、プラスチックフィルムなどの表面に導電性塗料を
塗布したり金属層や導電性樹脂層によって平板電極やあ
み状電極を形成したもの、又はアルミニウムや銅などの
導電性金属などから形成される線状電極、平板電極、若
しくはあみ状電極などが適している。交流沿面放電素子
においては、交流沿面放電素子の端部で放電極と誘起電
極の間で直接放電が生じないように誘電体の長さは放電
極及び誘起電極の長さよりも長いことが望ましい。誘電
体の長さを十分長くできない場合には、誘起電極の端面
又は誘起電極の全体を、セラミック膜や高分子膜などの
誘電体で絶縁被覆するとよい。また、放電極の上にセラ
ミック膜や高分子膜などの誘電体膜を被覆すると、沿面
放電による放電極の消耗を防止することができるので好
ましい。
【0019】本発明装置において、一対のイオン発生手
段と、それら一対のイオン発生手段のそれぞれに対応し
て設けられる一対のイオン吸引性電極と、濾材との配置
は、それらが、少なくとも荷電モードにおいて、一対の
イオン発生手段及び一対のイオン吸引性電極によって、
濾材の被処理気体流入面及び流出面のそれぞれ少なくと
も一部(好ましくは、流入面及び流出面のそれぞれ全表
面)を荷電することができる配置にあればよい。従っ
て、通気モードにおいては、濾材、イオン発生手段及び
/又はイオン吸引性電極は、荷電モードでの位置と同じ
でもよく、あるいは荷電モードでの位置から移動しても
よい。特に、通気モードにおいて、イオン発生手段及び
/又はイオン吸引性電極を被処理気体の流路から移動し
ておくとダストなどが放電極に付着するのを低減するこ
とができる。なお、本発明装置によれば、濾材の主に表
面が荷電されるが、その際に、表面の荷電の程度よりは
弱いが、濾材の表面に近い内部も同時に荷電される。本
発明では、こうした荷電も表面荷電に含めて説明する。
【0020】図2及び図3に示すような、円柱状素子2
1,22を、被処理気体の流入面及び流出面側に、それ
ぞれ複数個配置すると、被処理気体の流路内に配置して
も、通気性を著しく低下させることがないので、荷電モ
ードの終了後に、前記の交流沿面放電素子21,22
を、濾材11の前後から移動させずに、そのまま通気モ
ードに移行してもよい。勿論、前記の円柱状交流沿面放
電素子21,22を、濾材11の前後から移動させてか
ら、通気モードに移行してもよい。なお、気体の処理を
連続して行う場合には、通気処理を中断せずに、濾材の
荷電処理を実施してもよい。この場合には、一対のイオ
ン発生手段及び一対のイオン吸引性電極を用いて濾材を
荷電処理しながら、同時に通気処理を行い、荷電処理後
に、必要により、一対のイオン発生手段及び一対のイオ
ン吸引性電極を濾材の前後から移動させる。また、本発
明のエアーフィルター装置においては、通気モード又は
荷電通気モードの際に被処理気体を荷電することのでき
る予備荷電部を濾材の上流側に設けてもよい。このよう
な予備荷電部としては、例えば、図1に示すような、針
状電極などの放電極2とアースされた平板電極などの対
電極1とを含む予備荷電部3を挙げることができる。通
気モード又は荷電通気モードの際に放電極2と対電極1
との間に直流高電圧を印加すると、直流コロナ放電が発
生し、予備荷電部3を通過する被処理気体中に含まれる
ダストが単極性に荷電されるので、効率よく濾材に捕集
される。
【0021】更に、本発明のエアーフィルター装置にお
いて、濾材の被処理気体流入面及び流出面のそれぞれ少
なくとも一部を荷電することができる配置としては、図
2に示す配置の他にも、各種の態様がある。例えば、図
6に示すように、濾材の被処理気体流入面及び流出面に
対して、イオン発生手段とそれに対応するイオン吸引電
極との各対向面を偏向させ、イオン発生手段及びイオン
吸引電極を、被処理気体の流路から(少なくとも流路の
中心から)移動させる配置も可能である。こうした配置
には、図5に示すような平板状の交流沿面放電素子を有
利に用いることができる。
【0022】具体的には、図5に示すような2つの平板
状交流沿面放電素子21,22を、図6に示すように、
所定の空間をあけて対向するように配置し、それらの素
子の中間に、それらの素子とそれぞれ非接触状態でフィ
ルター11を配置する。フィルター11は、その被処理
気体流入面が、被処理気体の流れ(矢印Aで示す方向)
に対して直交するように配置する。一方、フィルター1
1の流入面近傍の上部空間の上流側に交流沿面放電素子
22を配置し、更に、フィルター11の流出面近傍の下
部空間の下流側に交流沿面放電素子21を配置する。そ
の際、各平板状交流沿面放電素子21,22の放電極担
持面が、それぞれ相互に平行に配置するのが好ましい。
図6の配置とは逆に、フィルター11の流入面近傍の下
部空間の上流側に交流沿面放電素子22を配置し、更
に、フィルター11の流出面近傍の上部空間の下流側に
交流沿面放電素子21を配置することもできる。更に、
フィルター11の流入面近傍の左側(又は右側)空間の
上流側に交流沿面放電素子22を配置し、更に、フィル
ター11の流出面近傍の右側(又は左側)空間の下流側
に交流沿面放電素子21を配置してもよい。
【0023】被処理気体の主流路内にイオン発生手段及
びイオン吸引電極が配置されていない前記の配置によれ
ば、通気性を低下させることがないか又は少ないので、
荷電モードにおける放電素子と濾材との配置を変えるこ
となく、単に荷電モードと通気モードとを切換ながら本
発明装置を運転することができる。更に、荷電通気モー
ドによって本発明装置を運転しても、被処理気体の流路
内にイオン発生手段及びイオン吸引電極が配置される場
合に比べて、ダストの放電極への付着が減少するので好
ましい。なお、図5に示すような2つの平板状交流沿面
放電素子21,22を、図2に示すように、濾材の被処
理気体流入面及び流出面の正面に配置して荷電モードを
実施し、続いて、被処理気体の流路から(少なくとも流
路の中心から)放電素子を移動させてから通気モードを
実施してもよい。
【0024】更に、図7に示すように、円筒状の一対の
交流沿面放電素子21,22を用いて、円筒状のフィル
ター11を荷電することもできる。具体的には、直径が
大きな円筒状交流沿面放電素子21と、直径が小さな円
筒状交流沿面放電素子22とを、所定の空間をあけて同
心円状に配置する。各交流沿面放電素子21,22は、
それぞれ誘電体31,32の一方の表面上に放電極4
1,42を担持し、他方の表面上に誘起電極51,52
を担持した構造からなり、放電極41,42を担持した
表面が相互に向かい合うように2つの交流沿面放電素子
21,22を配置する。放電極41,42と誘起電極5
1,52とは、図2に示した態様と同様に、各々交流電
源(図示せず)に接続され、更に各放電極41,42
を、それぞれ直流電源(図示せず)に接続する。交流沿
面放電素子21,22の中間に、それらの素子とそれぞ
れ非接触状態でフィルター11を配置する。図7に示す
本発明のエアーフィルター装置では、交流沿面放電素子
22とフィルター11とに挟まれて形成される吸気間隙
12に流入した被処理気体は、フィルター11の内側か
ら外側に通過し、交流沿面放電素子21とフィルター1
1とに挟まれて形成される排気間隙13に流出する。従
って、配置されるフィルター11は、その被処理気体流
入面が、被処理気体の流れに対して直交する。
【0025】図7の態様とは逆に、交流沿面放電素子2
1とフィルター11とに挟まれて形成される吸気間隙に
流入した被処理気体を、フィルター11の外側から内側
に通過させ、交流沿面放電素子22とフィルター11と
に挟まれて形成される排気間隙に流出させることもでき
る。被処理気体の主流路(すなわち、吸気間隙及び排気
間隙)とフィルターとの間にイオン発生手段及びイオン
吸引電極が配置されていない前記の配置によれば、通気
性を低下させることがないか又は少ないので、荷電モー
ドにおける放電素子と濾材との配置を変えることなく、
単に荷電モードと通気モードとを切換ながら本発明装置
を運転することができる。なお、荷電通気モードによっ
て本発明装置を運転してもよい。
【0026】本発明のエアーフィルター装置では、一対
のイオン発生手段、並びにそれぞれに対応する一対のイ
オン吸引性電極の大きさは、使用条件、例えば、本発明
のエアーフィルター装置を組み込むことのできる被処理
気体清浄機若しくは集塵機の大きさ、又はフィルターの
大きさ等に応じて適宜選択することができ、特に制限さ
れないが、直流電圧の印加により各イオン発生手段と各
イオン吸引性電極との間に形成されるそれぞれの荷電電
界中に濾材の気体流入面及び流出面の大部分が含まれる
ような大きさであることが好ましい。
【0027】本発明は、イオン発生手段としてイオナイ
ザー素子を用いて実施することもでき、各イオン発生手
段としてそれぞれイオナイザー素子を用いる代表的な一
態様を図8に示す。この態様においては、2つのイオナ
イザー素子24,25を、相互に所定の空間をあけて配
置する。各イオナイザー素子24,25は、それぞれワ
イヤー電極、針状電極などからなる直流コロナ放電極8
4a,85a、アース極84b,85b、及び発生した
イオンを荷電空間に送り込むためのガイド板84c,8
5cからなり、放電極84a,85aはそれぞれ直流高
圧電源74a,75a(ただし、74aと75aは逆極
性)と連絡し、アース極84b,85bはそれぞれアー
スと連絡している。2つのイオナイザー素子24,25
は、それぞれ直流高電圧を印加することによって正極性
イオン及び負極性イオンを生成し、矢印Bで示される方
向から供給される反応ガス(例えば、空気)により、ガ
イド板84c,85cから、矢印Cで示される方向へ放
出される。
【0028】一方、イオン吸引電極44,45はそれぞ
れ直流電源74a,75aと連絡して各々84a,85
aと電位極性が同じであるので、イオン吸引電極44は
ガイド板85cから放出されたイオンに対して吸引作用
を発揮し、イオン吸引電極45はガイド板84cから放
出されたイオンに対して吸引作用を発揮する。例えば、
図8に示すように、イオナイザー素子24から放出され
た正極性イオンはイオン吸引電極45に吸引されて、イ
オン吸引電極45の方向に移動し、その途中に配置され
ているフィルター11の気体流入面に付着し、フィルタ
ーの気体流入面を荷電する。一方、イオナイザー素子2
5から放出された負極性イオンはイオン吸引電極44に
吸引されて、イオン吸引電極44の方向に移動し、その
途中に配置されているフィルター11の気体流出面に付
着し、フィルターの気体流出面を荷電する。こうしてフ
ィルター11は、一方から正極性イオンにより、他方か
ら負極性イオンにより同時に処理され、ヘテロ荷電され
る。
【0029】前記の荷電モードにより、フィルター11
が充分に帯電されたところで、放電を停止し、フィルタ
ーのエレクトレット化処理、すなわち、荷電モードを終
了する。続いて、場合によりイオン吸引電極44,4
5、及び更に場合により、イオナイザー素子24,25
を被処理気体の流路から離れるように移動させ、通気モ
ードに変換し、エレクトレット化されたフィルター11
にダストを含む被処理気体を通過させると、静電引力に
よって、被処理気体中に含まれるダストがフィルター1
1に捕集され、被処理気体を浄化することができる。被
処理気体の浄化処理中は、電圧を印加する必要がなく、
エレクトレット化処理も短時間で終了することができる
ので、フィルター荷電に必要な電力消費量を抑えること
ができ、しかもオゾン発生量を低下させることができ
る。エレクトレット化されたフィルター11は、長期に
渡って使用しているとエレクトレットの効果が劣化する
ので、エレクトレット処理直後の充分な集塵効率に比べ
て経時的に集塵効率が低下する。この場合には、通気モ
ードを中断し、再び荷電モードに代えて前記のフィルタ
ーのエレクトレット化処理を再度繰り返すことによっ
て、充分な集塵効率を回復することができる。本発明装
置では、荷電モードと通気モードとを切換えながら運転
することができる。また、短時間でエレクトレット化処
理を終了することができるので、気体の浄化処理を中止
することなく、荷電通気モードと通気モードとを切換え
ながら運転することもできる。
【0030】本発明では、イオン発生手段として直流コ
ロナ型イオン発生素子を用いることもでき、各イオン発
生手段としてそれぞれ直流コロナ型イオン発生素子を用
いる代表的な一態様を図9に示す。この態様において
は、2つの直流コロナ型イオン発生素子26,27を、
所定の空間をあけて対向するように配置する。各直流コ
ロナ型イオン発生素子26,27はそれぞれ対電極86
a,87a、及び放電極86b,87bからなり、対電
極86a,87aはそれぞれ直流電源76a,77a
(ただし、直流電源76aと77aは相互に逆極性)と
連絡し、放電極86b,87bはそれぞれ直流電源76
b,77b(ただし、放電極76bと77bは相互に逆
極性)と連絡している。図9に示す直流コロナ型イオン
発生素子26,27では、それぞれ5個の対電極86
a,87a、及び4個の放電極86b,87bを有する
が、使用する環境又は目的に応じて電極の数を変更する
ことができる。なお、放電極86b,87bは、コロナ
放電を起こすことができる形状であれば、特に限定され
ず、例えば、線状電極、又は針状電極等を用いることが
できる。
【0031】直流コロナ型イオン発生素子26におい
て、直流電源76a及び76bからそれぞれ対電極86
a及び放電極86bに、同極性であって、しかも異なる
電位の直流電圧V11及びV12を印加する。電圧V1
1とV12との電位差がコロナ放電が起こる電界強度よ
りも大きく、電圧V12の絶対値が電圧V11の絶対値
よりも大きい場合には、直流電源76a及び76bによ
り印加された電圧極性と同極性のイオンが、対電極86
aと放電極86bとの間に生成する。この際に同時に、
直流コロナ型イオン発生素子27においても、直流電源
77a及び77bからそれぞれ対電極87a及び放電極
87bに、直流電源76a及び76bにより印加された
電圧極性と反対極性であって、しかも異なる電位の直流
電圧V13及びV14を印加し、電圧V13とV14と
の電位差がコロナ放電が起こる電界強度よりも大きく、
電圧V14の絶対値が電圧V13の絶対値よりも大きい
場合には、直流コロナ型イオン発生素子26の対電極8
6aと放電極86bとの間に生成するイオンと反対極性
のイオンが、対電極87aと放電極87bとの間に生成
する。
【0032】例えば、対電極86aと連絡している直流
電源76aに負電圧V11を印加し、放電極86bと連
絡している直流電源76bに負電圧V12を印加し、負
電圧V12の絶対値を負電圧V11の絶対値よりも大き
くし、しかも電圧V11と電圧V12との電位差をコロ
ナ放電が起こる電界強度よりも大きくなるように設定す
る。一方、同時に、対電極87aと連絡している直流電
源77aに正電圧V13を印加し、放電極87bと連絡
している直流電源77bに正電圧V14を印加し、正電
圧V14を正電圧V13よりも大きくし、しかも電圧V
13と電圧V14との電位差をコロナ放電が起こる電界
強度よりも大きくなるように設定する。こうすると、直
流コロナ型イオン発生素子26の対電極86aと放電極
86bとの間に負極性イオンが発生し、直流コロナ型イ
オン発生素子27の対電極87aと放電極87bとの間
に正極性イオンが発生する。
【0033】この際に同時に、直流コロナ型イオン発生
素子26と直流コロナ型イオン発生素子27との間に直
流電界(荷電電界)が形成されるので、対電極87a及
び放電極87bは、対向する直流コロナ型イオン発生素
子26に対してイオン吸引性電極として作用し、対電極
86a及び放電極86bは、対向する直流コロナ型イオ
ン発生素子27に対してイオン吸引性電極として作用す
る。例えば、先に例示した電圧V11〜V14を印加す
る場合、直流コロナ型イオン発生素子26に生じた負極
性イオンが、直流コロナ型イオン発生素子27の正電位
に設定された対電極87a及び放電極87bに吸引され
て、直流コロナ型イオン発生素子27の方向に移動し、
その途中に配置されているフィルター11の気体流入面
に付着し、フィルターの気体流入面を荷電する。一方、
直流コロナ型イオン発生素子27に生じた正極性イオン
が、直流コロナ型イオン発生素子26の負電位に設定さ
れた対電極86a及び放電極86bに吸引されて、直流
コロナ型イオン発生素子26の方向に移動し、その途中
に配置されているフィルター11の気体流出面に付着
し、フィルターの気体流出面を荷電する。こうしてフィ
ルター11は、一方から負極性イオンにより、他方から
正極性イオンにより同時に処理される。
【0034】直流コロナ放電を起こすことのできる対電
極と放電極との距離は、約1mm〜20mmが好まし
く、その間の電位差は、電極形状又は距離に依存する
が、約0.1KV〜20KVが好ましい。また、直流コ
ロナ型イオン発生素子26と直流コロナ型イオン発生素
子27との電位差は、特に限定されるものではないが、
電界強度に換算して好ましくは100V/cm以上であ
る。この電界強度が100V/cm未満になると、実質
的な帯電量が小さくなるため十分なエレクトレット効果
が得られなくなる。また、対電極及び放電極の両方でコ
ロナ放電が起こる(両極性コロナ)直流コロナ型イオン
発生素子を用いることもできるが、先に説明した単一極
性イオンを生成することができる直流コロナ型イオン発
生素子の方が、帯電効率が高い。
【0035】前記の荷電モードにより、フィルター11
が充分に帯電されたところで、放電を停止し、フィルタ
ーのエレクトレット化処理、すなわち、荷電モードを終
了する。続いて、場合により直流コロナ型イオン発生素
子26,27を被処理気体の流路から離れるように移動
させ、通気モードに変換し、エレクトレット化されたフ
ィルター11にダストを含む被処理気体を通過させる
と、静電引力によって、被処理気体中に含まれるダスト
がフィルター11に捕集され、被処理気体を浄化するこ
とができる。被処理気体の浄化処理中は、電圧を印加す
る必要がなく、エレクトレット化処理も短時間で終了す
ることができるので、フィルター荷電に必要な電力消費
量を抑えることができ、しかもオゾン発生量を低下させ
ることができる。エレクトレット化されたフィルター1
1は、長期に渡って使用しているとエレクトレットの効
果が劣化するので、エレクトレット処理直後の充分な集
塵効率に比べて経時的に集塵効率が低下する。この場合
には、通気モードを中断し、再び荷電モードに代えて前
記のフィルターのエレクトレット化処理を再度繰り返す
ことによって、充分な集塵効率を回復することができ
る。本発明装置では、荷電モードと通気モードとを切換
えながら運転することができる。また、短時間でエレク
トレット化処理を終了することができるので、気体の浄
化処理を中止することなく、荷電通気モードと通気モー
ドとを切換えながら運転することもできる。
【0036】本発明では、更に、イオン発生手段として
交流コロナ型イオン発生素子を用いることもでき、一対
のイオン発生手段としてそれぞれ交流コロナ型イオン発
生素子を用いる場合の代表的な一態様を図10に示す。
この態様においては、2つの交流コロナ型イオン発生素
子28,29を、所定の空間をあけて対向するように配
置する。各交流コロナ型イオン発生素子28,29はそ
れぞれ誘起電極88a,89a、及び放電極88b,8
9bからなり、誘起電極88a,89aと放電極88
b,89bとはそれぞれ交流電源68,69と連絡して
いる。本態様においては、各誘起電極88a,89a
を、それぞれ直流電源78,79に接続する。一般に交
流電源68,69は交流発生部とトランスとからなり、
直流電源78,79には、トランスの2次側アース端子
から接続させることができる。図10に示す交流コロナ
型イオン発生素子28,29はそれぞれ5個の誘起電極
88a,89a、及び4個の放電極88b,89bを有
するが、使用する環境又は目的に応じて電極の数を変更
することができる。なお、誘起電極88a,89aは、
図10に示すように、例えば、ガラス、セラミック、又
はプラスチック等の誘電体38,39で被覆することが
好ましい。火花放電を防止し、安定なコロナ放電を行う
ことできるからである。
【0037】2つの交流コロナ型イオン発生素子28,
29の間に、それらの素子と非接触状態で、フィルター
11を配置し、交流電源68,69から交流高電圧を印
加すると、放電極88b,89bと誘起電極88a,8
9aとの間に正極性イオンと負極性イオンの両イオンが
生成する。この際に同時に、直流電源78、79から異
なる電位の直流電圧V21、V22を印加すると、先に
説明した交流沿面放電素子の場合と同様に、交流コロナ
型イオン発生素子28,29の間に直流電界が形成され
る。交流コロナ型イオン発生素子28,29の間に荷電
電界が形成されると、誘起電極88a,89a及び放電
電極88b,89bは、それぞれ対向する交流コロナ型
イオン発生素子29,28に対してイオン吸引性電極と
して作用する。
【0038】例えば、直流電源79に正電圧V22を印
加すると、交流コロナ型イオン発生素子28に生じた正
極性イオン及び負極性イオンの内、負極性イオンのみ
が、交流コロナ型イオン発生素子29の正電位に設定さ
れた誘起電極89a及び放電極89bに選択的に吸引さ
れて、交流コロナ型イオン発生素子29の方向に移動
し、その途中に配置されているフィルター11の気体流
入面に付着し、フィルターの気体流入面を荷電する。一
方、交流コロナ型イオン発生素子29に生じた正極性イ
オン及び負極性イオンの内、正極性イオンのみが、交流
コロナ型イオン発生素子28の負電位に設定された誘起
電極88a及び放電電極88bに選択的に吸引されて、
交流コロナ型イオン発生素子28の方向に移動し、その
途中に配置されているフィルター11の気体流出面に付
着し、フィルターの気体流出面を荷電する。こうしてフ
ィルター11は、一方から正極性イオンにより、他方か
ら負極性イオンにより同時に処理される。
【0039】交流電源により交流コロナ放電を発生させ
るために印加する高周波の交流電圧は特に限定されるも
のではないが、好ましくは約0.1KVp−p〜50K
Vp−pであり(KVp−pは、交流電圧の最大値ピー
クから最小値ピークまでの電圧差を示す)、周波数も特
に限定されるものではないが好ましくは0.1〜100
KHzである。電圧が0.1KVp−p未満になると実
質的に放電が起こらなくなり周波数が0.1KHz未満
になると放電には極めて大きな電圧が必要となり、10
0KHzを越えると誘電加熱により誘電体が過熱状態に
なって破壊するおそれが生じるなどの問題がある。交流
コロナ放電を起こすことのできる誘起電極と放電極との
距離は、約0.1mm〜10mmが好ましい。誘起電極
88a,89aに印加する電界強度も特に限定されるも
のではないが、好ましくは100V/cm以上、より好
ましくは500V/cm以上である。電界強度が100
V/cm未満になると、実質的な帯電量が小さくなるた
め十分なエレクトレット効果が得られなくなる。
【0040】前記の荷電モードにより、フィルター11
が充分に帯電されたところで、放電を停止し、フィルタ
ーのエレクトレット化処理、すなわち、荷電モードを終
了する。続いて、場合により交流コロナ型イオン発生素
子28,29を被処理気体の流路から離れるように移動
させ、通気モードに変換し、エレクトレット化されたフ
ィルター11にダストを含む被処理気体を通過させる
と、静電引力によって、被処理気体中に含まれるダスト
がフィルター11に捕集され、被処理気体を浄化するこ
とができる。被処理気体の浄化処理中は、電圧を印加す
る必要がなく、エレクトレット化処理も短時間で終了す
ることができるので、フィルター荷電に必要な電力消費
量を抑えることができ、しかもオゾン発生量を低下させ
ることができる。エレクトレット化されたフィルター1
1は、長期に渡って使用しているとエレクトレットの効
果が劣化するので、エレクトレット処理直後の充分な集
塵効率に比べて経時的に集塵効率が低下する。この場合
には、通気モードを中断し、再び荷電モードに代えて前
記のフィルターのエレクトレット化処理を再度繰り返す
ことによって、充分な集塵効率を回復することができ
る。本発明装置では、荷電モードと通気モードとを切換
えながら運転することができる。また、短時間でエレク
トレット化処理を終了することができるので、気体の浄
化処理を中止することなく、荷電通気モードと通気モー
ドとを切換えながら運転することもできる。
【0041】なお、本発明は、図2、図6、図7、図
8、図9及び図10に示した前記の組合せの他にも、交
流沿面放電素子とイオナイザー素子との組合せ、交流沿
面放電素子と直流コロナ型イオン発生素子との組合せ、
交流沿面放電素子と交流コロナ型イオン発生素子との組
合せ、イオナイザー素子と直流コロナ型イオン発生素子
との組合せ、イオナイザー素子と交流コロナ型イオン発
生素子との組合せ、又は直流コロナ型イオン発生素子と
交流コロナ型イオン発生素子との組合せによっても実施
することができる。本発明のエアーフィルター装置は、
例えば、空気清浄機又は集塵機等に使用することができ
るが、濾材、一対のイオン発生手段、及び一対のイオン
吸引性電極をまとめて配置又は取り外すことができるよ
うに一体化して設ける態様に制限されるものではなく、
それぞれ別々に配置又は取り外すことができるように設
けることもできる。一対のイオン発生装置及び一対のイ
オン吸引性電極を空気清浄機又は集塵機等に配設し、濾
材のみを交換自在に空気清浄機又は集塵機等に設けるこ
とが好ましい。本発明においては、濾材をイオン発生手
段やイオン吸引性電極と接触させる必要がないので、実
質的に任意の形状の濾材、例えば、平板状フィルター、
プリーツ形状に加工されたフィルターなどを使用するこ
とができる。また、濾材とイオン発生手段やイオン吸引
性電極との距離を広く取ることができるので、濾材の交
換等も容易に行うことができる。
【0042】本発明のエアーフィルター装置に用いるこ
とができる濾材は、荷電可能な材料からなる限り特に制
限されるものではなく、従来公知の任意の濾材用材料か
らなる成形体、例えば、繊維材料からなる任意の成形体
であることができる。例えば、繊維体としては、乾式不
織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、水流
絡合不織布、湿式不織布などの不織布や、織物、編み物
などの布帛、紙、繊維状ポーラスフィルム、又はこれら
の複合体などの繊維シートを挙げることができる。特
に、繊維油剤や接着剤の付着がないメルトブロー不織布
や水流絡合不織布などの繊維シートはエレクトレット化
しやすいので好ましい。また、繊維体としては、上記の
繊維シートを波板状やジグザグ状に加工したもののよう
に、立体形状のものなども好適に使用することができ
る。
【0043】また、これらの繊維体を構成する繊維とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリ塩
化ビニル系などの誘電性の繊維を挙げることができる。
これらの繊維の比抵抗は、好ましくは1012Ωcm以
上、より好ましくは1014Ωcm以上である。1012Ω
cm未満では、電荷の漏洩が早すぎるので、電荷寿命が
著しく短く、集塵効率の経時劣化が大きいからである。
従来のエレクトレットフィルターでは、帯電量が多い素
材であっても電荷寿命の短い素材は使用することが困難
であったのに対して、本発明のエアーフィルター装置に
用いることができる繊維体としては、電荷寿命が多少短
くても帯電量の多い素材を使用することができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1 フィルターとして目付45g/m2 、及び厚み0.7m
mのポリプロピレン製メルトブロー不織布を用いた。図
11に示す配置で荷電モードを実施するエアーフィルタ
ー装置を用いて、フィルター11の荷電を実施した。図
11に示す本発明のエアーフィルター装置においては、
図5に示す交流沿面放電素子2個を、対向する沿面放電
素子の放電極間の距離が40mmになるように間隔を隔
てて配置し、各交流沿面放電素子21,22における放
電極41,42と誘起電極51,52とは、それぞれ交
流電源61,62に接続され、放電極41,42を、そ
れぞれ直流電源71,72に接続した。上記フィルター
11を沿面放電素子21と沿面電素子22との中間に通
し、電圧6KVp−p、周波数23KHzの交流を印加
することにより各沿面放電素子に沿面放電を発生させる
と共に、放電電極間の電位差を10KVにして、フィル
ター11を1分間帯電させた。荷電モードを実施した
後、得られたエレクトレット化されたメルトブロー不織
布に、大気塵を面風速5cm/秒の条件で通過させて、
初期圧力損失と0.3〜0.5μmの大気塵の捕集効率
とを求めた。計測は5回行ない、5回の計測値の最小値
と最大値を示すことにより、それぞれの結果を示す。な
お、捕集効率はメルトブロー不織布の通過前後での0.
3〜0.5μmの粒子の数をパーティクルカウンターで
計測して求めた。初期圧力損失は1.1〜1.5mma
qで、捕集効率は90〜95%であった。
【0045】実施例2 対向する沿面放電素子の放電極間の距離を120mmと
したこと以外は実施例1の操作を繰り返してエレクトレ
ット化メルトブロー不織布を得た。得られたエレクトレ
ット化されたメルトブロー不織布を用いて、実施例1の
通気操作を繰り返して初期圧力損失と0.3〜0.5μ
mの大気塵の捕集効率とを求めた。計測は5回行ない、
5回の計測値の最小値と最大値を示すことにより、それ
ぞれの結果を示す。得られたエレクトレット化メルトブ
ロー不織布の初期圧力損失は1.1〜1.5mmaq
で、捕集効率は90〜95%であった。電極間の距離を
広げても実施例1と同様にエレクトレット化できること
がわかった。
【0046】実施例3 フィルターとして、ポリプロピレン繊維80重量%とレ
ーヨン繊維20重量%とからなる目付240g/m2
及び厚み1.5mmのニードルパンチ不織布を用いた。
図11に示す配置で荷電モードを実施するエアーフィル
ター装置を用いて、フィルター11の荷電を実施した。
対向する沿面放電素子21,22の放電極間の距離を1
20mmとした。上記フィルター11を沿面放電素子2
1と沿面放電素子22との中間に通し、電圧6KVp−
p、周波数23KHzの交流を印加することにより各沿
面放電素子に沿面放電を発生させると共に、放電極間の
電位差を15KVにして、フィルター11を1分間帯電
させた。荷電モードの終了後、得られたエレクトレット
化されたニードルパンチ不織布に、大気塵を面風速5c
m/秒の条件で通過させて、初期圧力損失と0.3〜
0.5μmの大気塵の捕集効率とを求めた。計測は5回
行ない、5回の計測値の最小値と最大値を示すことによ
り、それぞれの結果を示す。なお、捕集効率はニードル
パンチ不織布の通過前後での0.3〜0.5μmの粒子
の数をパーティクルカウンターで計測して求めた。初期
圧力損失は1.0〜1.3mmaqで、捕集効率は90
〜96%であった。
【0047】実施例4 目付45g/m2 のポリプロピレン製メルトブロー不織
布と、アクリル−塩化ビニル系共重合体を主成分とする
バインダーでポリエステル系繊維ウエブを接着して調製
した目付50g/m2 のバインダー接着不織布とを貼り
合わせたものを、深さ20mm、及びピッチ10mmの
条件でプリーツ加工してプリーツフィルターを得た。こ
のプリーツフィルター11を一対の平板状交流沿面放電
素子21,22と共に、図6に示すように配置してエア
ーフィルター装置を得た。交流沿面放電素子21,22
の最短距離を28cmに設定した。フィルターにエアー
(大気)を通気しながら、荷電通気モードで30秒間帯
電した。なお、荷電は、電圧6KVp−p、及び周波数
20KHzの交流を印加することにより各沿面放電素子
に沿面放電を発生させると共に、放電電極間の電位差を
20KVにして行った。また、エアーの流量はフィルタ
ーにおける濾過速度が5cm/秒になるように設定し
た。フィルターの通過前後でのエアー中に含まれる0.
3〜0.5μmの大気塵の数をパーティクルカウンター
で計測して捕集効率を求めたところ、荷電前は30〜3
5%であったのに対して、30秒間の荷電通気モード終
了直後では96〜98%と非常に優れた捕集能力を示し
た。8時間通気後、12時間休止し、改めて通気した時
の捕集効率は90〜93%とやや低下していたが、再
度、同じ条件で荷電したところ、30秒間の荷電通気モ
ード終了直後では96〜98%と捕集能力が回復した。
【0048】実施例5 実施例4で用いたプリーツフィルターを、図3に示すよ
うな棒状の交流沿面放電素子21,22と共に、図2に
示すように配置してエアーフィルター装置を得た。ただ
し、各交流沿面放電素子21,22の数はフィルター1
1の前後で各々5本とし、向かい合う交流沿面放電素子
21,22間の最短距離が15cmとなるように設定し
た。また、各交流沿面放電素子の直径は10mmのもの
を用いた。フィルターにエアー(大気)を通気しなが
ら、荷電通気モードで30秒間帯電した。なお、荷電
は、電圧6KVp−p、及び周波数20KHzの交流を
印加することにより各沿面放電素子に沿面放電を発生さ
せると共に、放電電極間の電位差を11KVにして行っ
た。また、エアーの流量はフィルターにおける通過速度
が5cm/秒になるように設定した。フィルターの通過
前後でのエアー中に含まれる0.3〜0.5μmの大気
塵の数をパーティクルカウンターで計測して捕集効率を
求めたところ、荷電前は30〜35%であったのに対し
て、30秒間の荷電通気モード終了直後では96〜98
%と非常に優れた捕集能力を示した。8時間通気後、1
2時間休止し、改めて通気した時の捕集効率は90〜9
3%とやや低下していたが、再度、同じ条件で荷電した
ところ、30秒間の荷電通気モード終了直後では96〜
98%と捕集能力が回復した。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、必要に応じて(好まし
くは、定期的に)短時間の帯電処理を行うだけで濾材の
荷電状態を維持することができるので、従来の電気集塵
機と比較して、荷電処理における消費電力を抑えること
ができ、しかもオゾン発生量も低下させることができ
る。また、従来の誘電フィルターと比べて、集塵効率が
高くなる。更に、従来のエレクトレットフィルターでは
集塵効率が低下する毎にフィルターの交換を実施する必
要があったが、本発明のエアーフィルター装置ではその
必要がなく、しかも集塵効率が高い。また、本発明によ
れば、フィルターの帯電量はイオン吸引性電極間の電界
強度によらず、イオン吸引性電極間の電位差のみに依存
するので、フィルターの帯電量を上げるために、イオン
吸引性電極間に高い荷電電圧を印加した場合であって
も、イオン吸引性電極間の火花放電の危険性がない。し
かも、イオン吸引性電極間を充分広くすることができる
ので、濾材の形状が制限されず、例えば、非平板状やプ
リーツ形状のフィルターを使用することができ、濾材の
交換等も容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のエアーフィルター装置を模式的に示す断
面図である。
【図2】一対の円柱状交流沿面放電素子を用いる本発明
装置の一態様を模式的に示す斜視図である。
【図3】図2に示す装置で用いる円柱状交流沿面放電素
子の斜視図である。
【図4】図2に示す装置を用いて交流及び直流電圧を印
加した場合に得られる交流波形を示すグラフである。
【図5】本発明装置で用いることのできる平板状交流沿
面放電素子の斜視図である。
【図6】一対の図5に示す平板状交流沿面放電素子を用
いる本発明装置の別の態様を模式的に示す斜視図であ
る。
【図7】一対の円筒状交流沿面放電素子を用いる本発明
装置の一態様を模式的に示す断面図である。
【図8】一対のイオナイザーを用いる本発明装置の一態
様を模式的に示す断面図である。
【図9】一対の直流コロナ型イオン発生素子を用いる本
発明装置の一態様を模式的に示す断面図である。
【図10】一対の交流コロナ型イオン発生素子を用いる
本発明装置の一態様を模式的に示す断面図である。
【図11】一対の図5に示す平板状交流沿面放電素子を
用いる本発明装置の別の態様を模式的に示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・対電極;2・・放電極;3・・予備荷電部;4・
・平行平板状電極;5・・繊維体;6・・電極;11・
・被処理体;12・・吸気間隙;13・・排気間隙;2
1,22・・交流沿面放電素子;24,25・・イオナ
イザー;26,27・・直流コロナ型イオン発生素子;
28,29・・交流コロナ型イオン発生素子;31,3
2,38,39・・誘電体;41,42,86b,87
b,88b,89b・・放電極;44,45・・イオン
吸引電極;51,52,88a,89a・・誘起電極;
61,62,68,69・・交流電源;71,72,7
4a,75a,76a,76b,77a,77b,7
8,79・・直流電源 84a,85a・・コロナ放電極;84b,85b・・
アース極;84c,85c・・ガイド板;86a,87
a・・対電極。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電可能な材料からなる濾材と、一対の
    正極性イオン及び/又は負極性イオン発生手段と、前記
    のイオン発生手段のいずれか一方によって発生した正極
    性イオン又は負極性イオンのいずれか1種を選択的に吸
    引することができ、前記の一対のイオン発生手段のそれ
    ぞれに対応して設けられる一対のイオン吸引性電極とを
    含む、荷電式エアーフィルタ装置であって、少なくと
    も、前記濾材を荷電する際には、対向して配置した第1
    のイオン発生手段及び第2のイオン発生手段の中間に、
    それらの一対のイオン発生手段とそれぞれ非接触状態で
    前記濾材を配置することができ、第1のイオン吸引性電
    極を、前記の濾材に関して前記の第1のイオン発生手段
    と反対側に配置し、前記の第1のイオン発生手段によっ
    て発生した正極性イオン又は負極性イオンのいずれか1
    種のみを、前記の第1のイオン発生手段から濾材に移動
    させることができ、第2のイオン吸引性電極を、前記の
    濾材に関して前記の第2のイオン発生手段と反対側に配
    置し、前記の第2のイオン発生手段によって発生したイ
    オンの内、前記の第1のイオン発生手段から濾材に移動
    させたイオンとは反対の極性のイオンのみを、前記の第
    2のイオン発生手段から濾材に移動させることができ、
    そして、前記の第1のイオン発生手段から濾材に移動さ
    れたイオン及び前記の第2のイオン発生手段から濾材に
    移動されたイオンによって、濾材における被処理気体の
    流入面及び流出面がそれぞれ荷電されることを特徴とす
    る、荷電式エアーフィルター装置。
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