JPH0989750A - 導電性多孔質体の気孔率評価方法及びその装置 - Google Patents

導電性多孔質体の気孔率評価方法及びその装置

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JPH0989750A
JPH0989750A JP24020095A JP24020095A JPH0989750A JP H0989750 A JPH0989750 A JP H0989750A JP 24020095 A JP24020095 A JP 24020095A JP 24020095 A JP24020095 A JP 24020095A JP H0989750 A JPH0989750 A JP H0989750A
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porous body
conductive porous
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eddy current
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JP24020095A
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English (en)
Inventor
Chie Ogawa
川 智 恵 小
Ichiro Furumura
村 一 朗 古
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性多孔質体の気孔率および気孔分布評価
を非破壊的かつ非接触的に容易に評価可能であり、製造
時のインライン検査システムまたは小型化による携帯装
置を構成可能な導電性多孔質体の気孔率評価方法および
その装置を提供する。 【解決手段】 気孔率の変化により電磁気的性質が変化
する導電性多孔質体に対し、非破壊的手法によって多孔
質体の電磁気的性質を計測し、気孔率が既知の材料を用
いて予め求めた気孔率と電磁気的性質の関係を用いて、
多孔質体の気孔率を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気孔率の相違によ
る電磁気的性質の変化により、導電性多孔質体の気孔率
を検出する導電性多孔質体の気孔率評価方法、およびそ
の評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の多孔質体の気孔率評価は、主に密
度と体積の関係から求める方法や、水銀圧入法などの破
壊評価法により行われていた。これらの破壊評価法で
は、すべての多孔質体について気孔率を評価することが
できないので、導電性多孔質体の製造管理は、同一条件
下で製造されたものに対して抜き取り検査を行ってい
た。
【0003】これに対して超音波法による非破壊的気孔
率評価法があったが、この方法では音波を伝播するため
の媒体を多孔質体中に浸透させなければならないので、
媒体を多孔質体に浸食させる前処理、および検査終了時
に多孔質体から媒体を抜き出す後処理が必要であった。
【0004】この他、多孔質体が導電材料であれば、非
破壊的に電気伝導率を計測する四端子法を用い、気孔率
推定が可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】水銀圧入法など破壊試
験では実際に構造物に搭載された多孔質体の検査をする
ことは不可能であった。また、破壊試験による品質管理
は、サンプリングによる方法に頼らざるを得ないため、
すべての製品を出荷前にチェックすることができないと
いう問題があった。
【0006】一方、非破壊的評価手法である超音波探傷
法は音波を伝播する為の媒体を必要とするため、試験の
前処理および後処理が必要で作業が煩雑であるという問
題点があった。また、媒体を注入等するため、気孔率評
価装置を携帯化することが困難であった。
【0007】また、他の非破壊評価手法である四端子法
は、非接触での計測が不可能であり、かつ、多孔質体全
域の気孔率分布を評価することは困難であった。
【0008】本発明が解決しようとする課題は、導電性
多孔質体の気孔率および気孔分布評価を非破壊的かつ非
接触的に容易に評価可能であり、製造時のインライン検
査システムまたは小型化による携帯装置を構成可能な導
電性多孔質体の気孔率評価方法およびその装置を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る導電性多孔質体の気孔率評価方法
は、気孔率の変化により電磁気的性質が変化する導電性
多孔質体に対し、非破壊的手法によって前記多孔質体の
電磁気的性質を計測し、気孔率が既知の材料を用いて予
め求めた気孔率と電磁気的性質の関係を用いて、前記多
孔質体の気孔率を推定することを特徴とするものであ
る。
【0010】請求項2に係る導電性多孔質体の気孔率評
価方法は、気孔率の変化により電磁気的性質が変化する
導電性多孔質体に対し、前記多孔質体の電磁気的性質を
渦電流法によって非破壊的に計測し、渦電流計測シミュ
レーションによって予め求めた気孔率と電磁気的性質の
関係を用いて、前記多孔質体の気孔率を推定することを
特徴とするものである。
【0011】請求項3に係る導電性多孔質体の気孔率評
価方法は、前記請求項1または2の評価方法において、
渦電流法を用いて任意の周波数で導電性多孔質体の電磁
気的性質を計測し、前記多孔質体の板厚を仮定した上
で、電磁気的性質と気孔率の関係を用いて気孔率を推定
し、次に、周波数を変えて前記多孔質体の渦電流を再度
計測し、変更後の周波数と前記推定した気孔率における
電磁気的性質と板厚の関係を用いて板厚を推定し、次
に、周波数変更前の板厚と周波数変更後の板厚とを比較
し、差異が所定値より大きい場合は、周波数変更後の板
厚を前記周波数変更前の板厚とし、前記気孔率の推定
と、周波数を変更して行う板厚の推定と、周波数変更前
後の板厚の比較の各処理を、周波数変更前後の板厚がほ
ぼ一致するまで繰り返し、多孔質体の気孔率の板厚によ
る誤差を自動補正することを特徴とするものである。
【0012】請求項4に係る導電性多孔質体の気孔率評
価方法は、前記請求項1または2の評価方法において、
渦電流法を用いて任意の周波数で導電性多孔質体の電磁
気的性質を計測し、前記多孔質体と渦電流計測プローブ
コイル間のキャップを仮定した上で、電磁気的性質と気
孔率の関係を用いて気孔率を推定し、次に、周波数を変
えて前記多孔質体の渦電流を再度計測し、変更後の周波
数と前記推定した気孔率における電磁気的性質とキャッ
プの関係を用いてギャップを推定し、次に、周波数変更
前のギャップと周波数変更後のギャップとを比較し、差
異が所定値より大きい場合は、周波数変更後のギャップ
を前記周波数変更前のギャップとし、前記気孔率の推定
と、周波数を変更して行うギャップの推定と、周波数変
更前後のギャップの比較の各処理を、周波数変更前後の
ギャップがほぼ一致するまで繰り返し、多孔質体の気孔
率のギャップによる誤差を自動補正することを特徴とす
るものである。
【0013】請求項5に係る導電性多孔質体の気孔率評
価装置は、渦電流計測プローブコイルと、周波数可変の
インピーダンス計測装置と、伝導性多孔質体の気孔率と
電磁気的性質の関係を記憶する記憶手段と、前記伝導性
多孔質体の気孔率と電磁気的性質の関係から気孔率を自
動演算する演算装置と、を備えたことを特徴とするもの
である。
【0014】請求項6に係る導電性多孔質体の気孔率評
価装置は、前記請求項5の気孔率評価装置において、前
記インピーダンス計測装置は、ブリッジ回路を内蔵した
渦流探傷器からなることを特徴とするものである。
【0015】請求項7に係る導電性多孔質体の気孔率評
価装置は、前記請求項5または6の評価装置において、
導電性多孔質体の板厚と、多孔質体と渦電流計測プロー
ブコイル間のギャップを計測し、計測結果を前記演算装
置に送る影響因子評価手段を備えたことを特徴とするも
のである。
【0016】請求項8に係る導電性多孔質体の気孔率評
価装置は、前記請求項7の評価装置において、前記影響
因子評価手段は、前記演算装置の収束判断に基づいて次
サイクルの処理のための板厚あるいはギャップを前記演
算装置に返すことにより、請求項3に記載した導電性多
孔質体の板厚による誤差の補正処理、または請求項4に
記載した多孔質体と渦電流計測プローブコイル間のギャ
ップによる誤差の補正処理を行うことを特徴とするもの
である。
【0017】請求項9に係る導電性多孔質体の気孔率評
価装置は、前記請求項5ないし8のいずれかの評価装置
において、導電性多孔質体の表面に沿って渦電流計測プ
ローブコイルを2次元的に走査する機構を備え、前記導
電性多孔質体の気孔の分布を評価および記憶する手段を
備えたことを特徴とするものである。
【0018】請求項10に係る導電性多孔質体の気孔率
評価装置は、気孔分布がほぼ均一な導電性多孔質体に対
し、計測条件を固定した渦電流計測プローブコイルおよ
びインピーダンス計測装置と、限定された気孔率と電磁
気的性質の関係を記憶する記憶手段と、限定された条件
の下で前記気孔率と電磁気的性質の関係から気孔率を自
動演算する演算装置と、を備えたことを特徴とするもの
である。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
以下に説明する。本願請求項1に係る導電性多孔質体の
気孔率評価方法は、気孔率の変化によって電磁気的性質
が変化する導電性多孔質体の性質を利用し、評価対象の
多孔質体の電磁気的性質を非破壊的手法を用いて計測
し、気孔率が既知の材料を用いて予め求めた気孔率と電
磁気的性質の関係を用いて、評価対象の多孔質体の気孔
率を推定するものである。
【0020】ここで、上記「気孔率が既知の材料を用い
て予め求めた気孔率と電磁気的性質の関係」の一例を図
1に示す。図1の例では、多孔質体の気孔率を横軸に、
渦電流法による計測値(Ω)を縦軸にし、気孔率の変化
による多孔質体の渦電流法による抵抗値の変化をグラフ
化している。このような図1の曲線を、一般に多孔質体
気孔率の評価線図という。図1から明らかなように、多
孔質体の気孔率が増加すると、渦電流法による電力損失
(Ω)は減少する。したがって、渦電流法による電力損
失を計測することにより、その多孔質体の気孔率を推定
することができる。
【0021】請求項1の導電性多孔質体の気孔率評価法
は、広く気孔率と電磁気的性質の関係を利用したもので
ある。これは、多孔質体の内部の気孔は絶縁体であるの
で、気孔が増加するほど多孔質体全体としての電気伝導
性が低下するためである。また同様に、導電性多孔質体
が強磁性材料であれば、気孔は非磁性体であるので、気
孔が増加するほど多孔質体全体としての磁性が低下する
ためである。
【0022】このように、導電性多孔質体は気孔率が変
化することにより、その電磁気的性質、すなわち電気伝
導率及び透磁率またはそのいずれか一方が変化する。本
気孔率評価法は、対象となる導電性多孔質体の電磁気的
性質を計測することにより、その気孔率を推定するもの
である。また、本気孔率評価法は、上記渦電流法を含む
公知の非破壊的手法を用いて導電性多孔質体の電磁気的
性質を計測するものである。
【0023】この気孔率評価法によれば、導電性多孔質
体を破壊したり、あるいは超音波探傷用媒体を多孔質体
内部に浸食させたり、抜き出したりする必要がなく、簡
便かつ正確に導電性多孔質体の気孔率を評価することが
できる。
【0024】なお、本気孔率評価方法は、好ましくはコ
ンピュータによって処理するようにする。この場合、予
め用意した数種類の気孔率既知のニッケル焼結体をサン
プルに用い、気孔率に対する電気伝導率、透磁率などの
電磁気的性質を、たとえば渦電流法等の非破壊評価の手
法により計測し、それらの気孔率評価線図をデータベー
ス化しておく。また、計測手段の出力が直接演算装置の
入力となるように装置を構成しておく。
【0025】導電性多孔質体の気孔率を評価するとき
は、電磁気的性質を非破壊的手法によって計測し、その
計測値を演算装置に入力し、該演算装置によりデータベ
ースを参照してその多孔質体の気孔率を評価するように
する。
【0026】次に請求項2に係る導電性多孔質体の気孔
率評価方法について以下に説明する。上記請求項1の気
孔率評価方法は気孔率既知の標準サンプルを用いて気孔
率の評価曲線を用意しておくものであったのに対し、本
気孔率評価方法は物理等価回路を用いて渦電流の計測値
をシミュレーションして評価曲線を求めておくものであ
る。
【0027】渦電流法による計測値は、導電性多孔質体
の気孔率変化に伴う電磁気的性質の変化以外に、多孔質
体の板厚及びプローブコイルと多孔質体のギャップ等の
影響を受けるため、これらの影響が渦電流法による気孔
率評価の誤差要因となる。請求項1の方法のように、標
準サンプルを用いて予め実験により求める多孔質体の気
孔率評価曲線(渦電流法の計測結果と気孔率の関係)
は、標準サンプルの板厚及び表面粗さを厳密に管理する
ことが困難であるため、板厚及び表面粗さ(多孔質体と
プローブコイルのギャップ)の影響を誤差バンドとして
有している。
【0028】これに対して本気孔率評価方法は、電磁解
析を用い多孔質体の渦電流計測値をシミュレーションす
ることにより、標準サンプルの形状、板厚及び表面粗
さ、曲率などによる気孔率評価の誤差を排除した気孔率
評価曲線を作成することができる。
【0029】多孔質体の電磁気的性質の物理等価回路を
図2に示す。この物理等価回路を用い、下記(式1)に
より多孔質体の任意の気孔率に対する電気伝導率及び透
磁率を推定することができる。
【0030】
【数1】 ここで、P :気孔率 μ :多孔質体の比透磁率 μBase:基材の比透磁率 σ :多孔質体の電気伝導率 σBase:基材の電気伝導率 k1 ,k2 :定数 図3は、ニッケル焼結体の気孔率と電磁気的性質の関係
を上記(式1)によって推定した例である。ただし、グ
ラフは実際に破壊試験により求めた気孔率と電気伝導率
及び透磁率をプロット点で、物理等価回路により算術的
に求めた結果を実線で示している。
【0031】図4は、本実施形態によるシミュレーショ
ンにより求めた多孔質体気孔率の評価曲線を示してい
る。図4の気孔率評価曲線は、(式1)により推定した
ニッケル焼結体の気孔率と電磁気的性質の関係(図3)
を用い、任意の気孔率に対し渦電流計測シミュレーショ
ンを行ったものである。これらの多孔質体気孔率の評価
曲線も好ましくはデータベース化しておく。
【0032】上述した請求項2に係る導電性多孔質体の
気孔率評価方法によれば、気孔率の評価曲線から、標準
サンプルの形状、板厚及び表面粗さ、曲率などによる誤
差を排除でき、したがってより正確な気孔率評価を行う
ことができる。
【0033】次に請求項3に係る導電性多孔質体の気孔
率評価方法について以下に説明する。本気孔率評価方法
は、評価対象の導電性多孔質体の板厚による誤差を排除
するものである。
【0034】一般に渦電流法による計測値は、導電性多
孔質体の気孔率変化に伴う電磁気的性質の変化とは別
に、多孔質体の板厚や、渦電流計測用のプローブコイル
と多孔質体の間のギャップによっても影響を受ける。こ
のことを図5を用いて説明する。
【0035】図5は、多孔質体の板厚とギャップを変化
させた気孔率評価曲線を同一インピーダンス平面上に描
いたものである。図5において、曲線L1 は板厚t=t
0 ,ギャップd=d0 の気孔率評価曲線を示しており、
この気孔率評価曲線L1 に対してL2 は板厚をt=t1
にした場合の気孔率評価曲線であり、また気孔率評価曲
線L1 に対してL3 はギャップをd=d1 にした場合の
気孔率評価曲線である。
【0036】この3つの気孔率評価曲線上にそれぞれ同
一の気孔率、たとえば気孔率ρ=50%の点をとると、
ベクトルV1 ,V2 ,V3 は、それぞれ気孔率変化によ
るプローブコイル計測値の変化、板厚変化によるプロー
ブコイル計測値の変化、ギャップ変化によるプローブコ
イル計測値の変化を示している。すなわち、同一の気孔
率を有する導電性多孔質体であっても、その多孔質体の
板厚、あるいは多孔質体と渦電流計測用プローブコイル
間のギャップによってプローブコイルの抵抗値が変化す
ることがわかる。
【0037】これに対して、本導電性多孔質体の気孔率
評価方法は渦電流法による計測結果から気孔率の影響及
び板厚の影響を分離抽出し、板厚の影響を排除するもの
である。この気孔率評価方法の処理の流れを図6に示
す。
【0038】この気孔率評価方法では、図6に示すよう
に、最初に任意の計測条件(周波数f=f0 、ギャップ
d=d0 )により、未知の気孔率と板厚を持つ多孔質体
を渦電流法により計測する(ステップS601)。次
に、計測した結果から、多孔質体の板厚を任意の板厚t
=t0 と仮定し、同一計測条件(周波数f=f0 、ギャ
ップd=d0 、板厚t=t0 )における気孔率評価曲線
により気孔率ρを推定する(ステップS602)。
【0039】次に、周波数を変化させて(f=f1 )、
同一多孔質体に対して再度渦電流計測を行い、この計測
された渦電流値と、条件(f=f1 ,d=d0 ,ρ)に
おける渦電流計測値と板厚の関係を示す板厚評価曲線と
により、周波数変更後の多孔質体の板厚t1 を推定する
(ステップS603)。
【0040】上記ステップS603で推定した板厚t1
と、上記ステップS602で仮定した板厚t0 とを比較
する(ステップS604)。このときステップS60
2,S603双方の板厚に矛盾が生じた場合は、ステッ
プS603で推定した板厚t1を板厚t0 として再度ス
テップS602からS604の処理を繰り返す(ステッ
プS605)。
【0041】上記ステップS605の繰り返し処理によ
り、周波数変更後の板厚と、周波数変更前の板厚は一致
する方向に収束することができる。これらの板厚の値が
ほぼ一致したときは、周波数変化による板厚の矛盾が解
消されているので、そのときの気孔率ρ及び板厚tを求
める多孔質体の気孔率ρ、板厚tとして評価する(ステ
ップS606)。
【0042】この多孔質体の気孔率評価方法によれば、
板厚による気孔率評価の誤差を排除し、多孔質体の気孔
率と板厚とを同時に特定でき、高精度な気孔率評価を行
うことができる。
【0043】次に、請求項4に係る導電性多孔質体の気
孔率評価方法について以下に説明する。本気孔率評価方
法は、渦電流計測用のプローブコイルと導電性多孔質体
の間のギャップによる気孔率評価の誤差を排除するもの
である。渦電流計測用のプローブコイルと導電性多孔質
体の間のギャップが気孔率の評価に影響を与えることは
図5ですでに説明した通りである。図7にこの気孔率評
価方法の処理の流れを示す。
【0044】この気孔率評価方法による処理の流れを図
7に沿って以下に説明する。最初に、任意の計測条件
(周波数f=f0 、板厚t=t0 )により、未知の気孔
率とギャップを有する多孔質体を渦電流法により計測す
る(ステップS701)。次に、計測した結果から、多
孔質体と渦電流計測用プローブコイル間のギャップを任
意のギャップd=d0 と仮定し、同一計測条件(周波数
f=f0 、ギャップd=d0 、板厚t=t0 )における
気孔率評価曲線により気孔率ρを推定する(ステップS
702)。
【0045】次に、周波数を変化させて(f=f1 )、
同一多孔質体に対して再度渦電流計測を行い、この計測
された渦電流値と、条件(f=f1 ,t=t0 ,ρ)に
おける渦電流計測値とギャップの関係を示すギャップ評
価曲線とにより、周波数変更後のギャップd1 を推定す
る(ステップS703)。
【0046】上記ステップS703で推定したギャップ
d1 と、上記ステップS702で仮定したギャップd0
とを比較する(ステップS704)。このときステップ
S702,S703双方のギャップに矛盾が生じた場合
は、ステップS703で推定したギャップd1 をd0 と
して再度ステップS702からS704の処理を繰り返
す(ステップS705)。
【0047】上記ステップS705の繰り返し処理によ
り、周波数変更後のギャップと、周波数変更前のギャッ
プは一致する方向に収束することができる。これらのギ
ャップの値がほぼ一致したときは、周波数変化によるギ
ャップの矛盾が解消されているので、そのときの気孔率
ρ及びギャップdを求める多孔質体の気孔率ρ、および
多孔質体と渦電流計測用プローブコイル間のギャップd
として評価する(ステップS706)。
【0048】この多孔質体の気孔率評価方法によれば、
多孔質体と渦電流計測用プローブコイル間のギャップに
よる気孔率評価の誤差を排除し、多孔質体の気孔率とギ
ャップとを同時に特定でき、高精度な気孔率評価を行う
ことができる。
【0049】次に請求項5に係る導電性多孔質体の気孔
率評価装置の一実施形態について以下に説明する。
【0050】本実施形態による気孔率評価装置は、例え
ばニッケル焼結体の気孔率評価装置である。図8は、本
実施形態によるニッケル焼結体の気孔率評価装置の構成
を示すものである。
【0051】図8において、気孔率評価装置1は、気孔
率が未知のニッケル焼結体2を渦電流法により計測する
ための渦電流計測用プローブコイル3と、プローブコイ
ルインピーダンスを計測するための周波数可変のインピ
ーダンス計測装置4と、気孔率評価曲線を記憶する記憶
手段5と、計測結果と気孔率評価曲線の関係からニッケ
ル焼結体2の気孔率を推定するための演算を行う演算装
置6を備えている。
【0052】記憶手段5は、ニッケル焼結体の気孔率と
電磁気的性質の変化を、図2で既に説明した物理等価回
路と(式1)とにより推定した電気伝導率σ及び比透磁
率μを用い、各気孔率に対する渦電流法の計測値をシミ
ュレーションにより求めたニッケル焼結体の気孔率評価
曲線を記憶している。
【0053】図9は、上記記憶手段5によって記憶され
ている気孔率評価曲線を示している。この実施形態で
は、プローブ外径8mm(内径6mm)、コイル高さ5
mm、計測周波数10kHzとして、各気孔率における
渦電流計測をシミュレーションした気孔率評価曲線を記
憶手段5に格納している。上記気孔率評価曲線は、好ま
しくは図9に示すように、渦電流法による気孔率評価の
誤差要因となるニッケル焼結体2の板厚と、ニッケル焼
結体2とプローブコイル3間のギャップとを変化させな
がらシミュレーションした気孔率評価曲線を含んでい
る。
【0054】この実施形態の気孔率評価装置1の評価精
度を、従来の破壊的な方法による実測値と比較して図1
0に示す。図10から明らかなように、本実施形態の気
孔率評価装置1は、気孔率40〜80%の範囲でニッケ
ル焼結体の気孔率を±5%以内で評価できた。
【0055】このように気孔率評価装置1によれば、非
破壊で且つ高精度にニッケル焼結体2の気孔率を評価す
ることができる。また、超音波による非破壊試験のよう
に超音波を通す媒体を浸食および抜出す処理を要しない
ので、ニッケル焼結体等の導電性多孔質体の製造時のラ
イン検査に適用することができる。
【0056】次に請求項6に係る導電性多孔質体の気孔
率評価装置の一実施形態について以下に説明する。
【0057】この実施形態による気孔率評価装置は、図
8に示した気孔率評価装置1と同一の構成を有してい
る。ただし、インピーダンス計測装置4は、渦流探傷器
からなる。
【0058】上記渦流探傷器は、プローブコイルのイン
ピーダンスを計測する装置であるが、装置内にブリッジ
回路を有し、このブリッジ回路により自由に計測値のオ
フセットおよびインピーダンスの位相変換をすることが
できる。このブリッジ回路の位相変換等の機能により、
本実施形態による気孔率評価装置は、渦流探傷器の計測
値から導電性多孔質体の気孔率を高速に求めることがで
きる。
【0059】図9の気孔率評価曲線をインピーダンス平
面上で表現すると図11のような気孔率評価曲線を表現
できる。この図11を参照しながら図12の処理フロー
に沿って本気孔率評価装置による気孔率評価について説
明する。
【0060】図12に示すように、最初に渦電流計測プ
ローブ周波数と、ギャップや板厚などの計測条件と、気
孔率評価範囲(本実施形態は50〜100%の気孔率を
評価対象とする)とを限定し、その計測条件に対してた
とえば図11に示す気孔率評価曲線を選択する(ステッ
プS1201)。次に、気孔率の変化に対するコイルイ
ンピーダンスの変化ベクトルが渦流探傷器CRTのX軸
またはY軸と一致するようにインピーダンスの位相
(θ)を渦流探傷器内のブリッジ回路により回転させる
(ステップS1202)。次に、渦流探傷器CRTのX
軸またはY軸目盛りを気孔率目盛りに変換する(ステッ
プS1203)。以上により渦流探傷器は気孔率直読の
評価装置として構成される。
【0061】この実施形態の気孔率評価装置によれば、
渦流探傷器を用いてハード的な信号変換を施すことがで
きる。この結果、渦電流計測値に対してデータ処理を施
すことなく、気孔率を直読する事ができる。このため、
高速な気孔率を評価することが可能になる。さらに、デ
ータ変換を伴う計算手段が不要であるため、装置の小型
化を図ることができ、現場適用性が高い気孔率評価装置
を得ることができる。
【0062】次に請求項7に係る気孔率評価装置の一実
施形態について以下に説明する。本実施形態による気孔
率評価装置は、導電性多孔質体、例えばニッケル焼結体
に対する気孔率評価装置である。
【0063】図13は本実施形態による気孔率評価装置
の構成を示している。なお、図8と同一の部分について
は、理解容易のために同一の符号を付す。
【0064】図13において、気孔率評価装置7は、気
孔率が未知のニッケル焼結体2を渦電流法により計測す
るための渦電流計測用プローブコイル3と、プローブコ
イルインピーダンスを計測するための周波数可変のイン
ピーダンス計測装置4と、気孔率評価曲線を記憶する記
憶手段5と、計測結果と気孔率評価曲線の関係からニッ
ケル焼結体の気孔率を推定する演算装置6と、渦電流法
による計測の影響因子である多孔質体の板厚及び多孔質
体と渦電流計測用プローブコイルのギャップを計測する
影響因子評価手段8とを備えている。
【0065】この影響因子評価手段8は、多孔質体の板
厚や多孔質体とプローブコイル間のギャップを光学的あ
るいは電磁気的に計測可能な任意の装置とすることがで
きる。この影響因子評価手段8によって計測された多孔
質体の板厚及びギャップは、演算装置6に入力される。
演算装置6は、これら板厚及びギャップを考慮し、該当
する板厚あるいはギャップの気孔率評価曲線を用いてニ
ッケル焼結体2の気孔率を評価する。
【0066】この気孔率評価装置7によれば、気孔率の
評価に影響を与えるニッケル焼結体2の板厚やプローブ
コイル3とのギャップを影響因子評価手段8によって計
測し、これらの計測結果を考慮した上で気孔率を評価す
ることができるので、高精度な気孔率評価が可能にな
る。
【0067】次に請求項8に係る伝導性多孔質体の気孔
率評価装置の一実施形態について以下に説明する。
【0068】本実施形態の気孔率評価装置は、図13に
示した気孔率評価装置7と同一の構成を有している。た
だし、この気孔率評価装置は、影響因子評価手段が公知
の方法によって別個にニッケル焼結体の板厚やプローブ
コイルとのギャップを計測するのではなく、演算装置と
のデータのやり取りによって請求項3あるいは請求項4
の方法によって板厚やギャップを推定するものである。
【0069】本実施形態の気孔率評価装置では、演算装
置が請求項3や4の各回の処理後、板厚やギャップが収
束しない場合は、未収束の信号を影響因子評価手段に送
る。影響因子評価手段は、この信号に対して次サイクル
の処理のための板厚あるいはギャップを演算装置に返
し、演算装置は渦電流計測用プローブコイルによって多
重周波数による計測を行い、板厚やギャップの推定を行
う。
【0070】上記処理を繰り返すことにより、本気孔率
評価装置は、気孔率の板厚やギャップによる誤差を補正
し、高精度の気孔率評価を行うことができる。
【0071】次に請求項9に係る気孔率評価装置につい
て以下に説明する。
【0072】本気孔率評価装置は、図8または図13の
構成のほか、導電性多孔質体の表面に沿って渦電流計測
プローブコイルを2次元的に走査する機構を備えてい
る。また、記憶手段は、走査による渦電流計測用プロー
ブコイルの位置とその時の気孔率の評価値とを対応して
記憶するように構成されている。
【0073】この気孔率評価装置によれば、上記走査機
構により、渦電流計測用プローブコイルが多孔質体の表
面に沿って移動し、適当なインターバルで気孔率の評価
を行う。記憶手段は、気孔率評価を行った位置とそのと
きの気孔率の評価値とを対応させて記憶する。導電性多
孔質体全体の気孔率評価を終了したときに、記憶手段に
記憶された該多孔質体の各点における気孔率を出力する
ことにより、二次元的な多孔質体の気孔分布マップを出
力することができる。
【0074】次に請求項10に係る気孔率評価装置につ
いて以下に説明する。
【0075】本実施形態の気孔率評価装置は、予め均一
性が評価された導電性多孔質体の気孔率を評価するもの
であって、ギャップ距離、計測周波数など計測条件を固
定することで、内蔵する気孔率評価曲線及び演算機能を
限定している。この限定により、気孔率評価装置を小型
化している。
【0076】また、導電性多孔質体の気孔分布が均一で
あることは予め評価してあるため、代表的な数点を渦電
流法によりポイント計測し、ニッケル焼結体全体の気孔
率として評価することで、データ点数を最小化すること
ができる。
【0077】この時プローブ形状は、広範囲の気孔率を
均一に評価可能で、多孔質体の板厚及び多孔質体とプロ
ーブコイルのギャップの影響を受けにくいものが望まし
く、ニッケル焼結体をφ50mm範囲を評価するプロー
ブコイルは、外径25mm、周波数15〜20kHzを
用い、ニッケル焼結体に直接接触させて計測する。
【0078】上述した気孔率評価装置によれば、気孔分
布の均一性を評価した導電性多孔質体について、数点計
測により全域の気孔率評価を行うことが可能であり、気
孔率評価装置の小型化および携帯化が可能である。
【0079】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
による気孔率評価方法および評価装置によれば、導電性
多孔質体の気孔率とその電磁気的性質の関係を利用し
て、導電性多孔質体の気孔率を評価するので、気孔率の
評価を非破壊的に行うことができる。また、超音波探傷
法のような非破壊的な気孔率評価の方法と比較しても、
超音波を通す媒体の注入・抽出等の複雑な処理を要する
ことなく、簡便に気孔率の評価を行うことができる。
【0080】特に渦電流法によれば、非接触による多孔
質体の電磁気的性質を計測することが可能であり、製造
時の品質管理システムとして本発明による気孔率評価装
置を組み込むことも容易である。さらに気孔率評価装置
の小型化も容易であるため、携帯用システムとして狭い
場所でも計測可能な導電性多孔質体の気泡率評価装置を
提供することができる。
【0081】次に、各請求項に記載した導電性多孔質体
の評価方法および装置の固有の効果について以下に説明
する。
【0082】請求項1の導電性多孔質体の気孔率評価方
法については上記説明したとおりであるので、ここでの
重複説明を省略する。
【0083】請求項2の導電性多孔質体の気孔率評価方
法によれば、導電性多孔質体の物理等価回路によってそ
の気孔率と電磁気的性質の関係をシミュレーションする
ので、標準サンプルの実測によって気孔率と電磁気的性
質の関係を求める場合に比べて、標準サンプルの板厚や
プローブコイルとのギャップ等の物理的な不確定要因を
排除することができる。これにより、この気孔率評価方
法によれば、導電性多孔質体の高精度な気孔率評価を行
うことができる。
【0084】請求項3の導電性多孔質体の気孔率評価方
法によれば、導電性多孔質体の気孔率と板厚と電磁気的
性質の相関関係を利用し、周波数を変えて導電性多孔質
体の電磁気的性質を繰り返し計測することにより、多孔
質体の板厚と気孔率を正確に推定することができる。こ
れにより、特に多孔質体の板厚を計測する手段を設ける
ことなく、推論によって板厚を推定でき、簡便かつ高精
度な導電性多孔質体の気孔率評価方法を得ることができ
る。
【0085】請求項4の導電性多孔質体の気孔率評価方
法によれば、導電性多孔質体の気孔率とプローブコイル
とのギャップと電磁気的性質の相関関係を利用し、周波
数を変えて導電性多孔質体の電磁気的性質を繰り返し計
測することにより、多孔質体の気孔率とプローブコイル
とのギャップを正確に推定することができる。これによ
り、特に多孔質体とプローブコイル間のギャップを計測
あるいは管理する手段を設けることなく、推論によって
ギャップを推定でき、簡便かつ高精度な導電性多孔質体
の気孔率評価方法を得ることができる。
【0086】請求項5の導電性多孔質体の気孔率評価装
置によれば、渦電流法によって多孔質体の電磁気的性質
を計測するので、非接触によって、導電性多孔質体の気
孔率を評価することができる。また、演算装置と記憶手
段によって、電磁気的性質から気孔率を特定するので、
迅速かつ容易に気孔率を評価することができる。
【0087】請求項6の導電性多孔質体の気孔率評価装
置によれば、渦流探傷器により計測値のオフセットおよ
びインピーダンスの位相変換を行うことができるので、
渦流探傷器の表示画面の一軸を気孔率用の目盛り軸に変
換することができる。これにより、渦電流の計測値を気
孔率に読み変えるディジタル信号処理を施さずに簡便か
つ高速に導電性多孔質体の気孔率を評価することができ
る。
【0088】請求項7の導電性多孔質体の気孔率評価装
置によれば、導電性多孔質体の板厚やプローブコイルと
のギャップを影響因子評価手段によって別個に計測し、
その板厚やギャップを考慮して導電性多孔質体の気孔率
を評価するので、高精度な気孔率を評価を行うことがで
きる。
【0089】請求項8の導電性多孔質体の気孔率評価装
置によれば、影響因子評価手段が演算装置の収束判定信
号に対して、次サイクルの板厚あるいはギャップ推定処
理に使用する板厚あるいはギャップの推定値を返す。こ
の板厚あるいはギャップの推定値により、多重周波数の
計測を行い、周波数と気孔率と板厚/ギャップの相関関
係により、板厚/ギャップと誤差補正した気孔率を推定
することができる。
【0090】すなわち、本気孔率評価装置によれば、板
厚/ギャップを計測する手段を設けることなく、かつ、
非接触的な渦電流の計測によって、板厚/ギャップを推
定でき、その板厚/ギャップによる誤差を補正した高精
度な気孔率評価を行うことができる。
【0091】請求項9の導電性多孔質体の気孔率評価装
置によれば、走査機構により、渦電流計測用プローブコ
イルを導電性多孔質体の表面に沿って走査させ、所定の
間隔でその位置での気孔率を評価する。一方、記憶手段
は、気孔率評価を行った位置とその気孔率評価値とを関
連させて記憶する。これにより、この気孔率評価の結果
を出力することにより、導電性多孔質体の気孔分布マッ
プを得ることができる。
【0092】すなわち、本導電性多孔質体の気孔率評価
装置によれば、点における気孔率の評価値や、平均した
気孔率の評価値に比して、より正確な気孔の分布を把握
することができ、また、多孔質体の均一性の評価を容易
に行うことができる。
【0093】請求項10の導電性多孔質体の気孔率評価
装置によれば、気孔分布の均一性を評価した導電性多孔
質体に対して、数点のみの計測によって全域の気孔率評
価を行う。このため、ギャップ距離、計測周波数など計
測条件を固定し、また、内蔵する気孔率評価曲線及び演
算機能を限定している。これにより、小型軽量な導電性
多孔質体の気孔率評価装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】導電性多孔質体の気孔率評価曲線を示したグラ
フ。
【図2】導電性多孔質体の電磁気的な物理等価回路を示
した概念図。
【図3】ニッケル焼結体の電磁気的性質と気孔率の関係
を示したグラフ。
【図4】電磁気的性質と気孔率の関係を渦電流計測用プ
ローブコイルと気孔率に関係に置き換えた気孔率評価曲
線を示したグラフ。
【図5】板厚と、プローブコイルとのギャップによる影
響を併記したインピーダンス平面上の導電性多孔質体の
気孔率評価曲線を示したグラフ。
【図6】多重周波数の計測により板厚を推定し、その板
厚による誤差を補正した気孔率評価を行う気孔率評価方
法の流れを示したフローチャート。
【図7】多重周波数の計測によりプローブコイルとのギ
ャップを推定し、そのギャップによる誤差を補正した気
孔率評価を行う気孔率評価方法の流れを示したフローチ
ャート。
【図8】ニッケル焼結体の気孔率評価装置の構成を示し
た構成図。
【図9】ニッケル焼結体の気孔率と電磁気的性質の関係
を示したグラフ。
【図10】請求項5による気孔率評価装置の気孔率評価
精度を破壊試験による実測値と比較して示したグラフ。
【図11】インピーダンス平面上に表現したニッケル焼
結体の気孔率評価曲線を示したグラフ。
【図12】渦流探傷器による気孔率評価装置による処理
の流れを示したフローチャート。
【図13】板厚及びギャップを計測する影響因子評価手
段を有し、気孔率評価に対する誤差を補正する機能を有
する伝導性多孔質体の気孔率評価装置の構成を示した構
成図。
【符号の説明】
1 気孔率評価装置 2 ニッケル焼結体 3 渦電流計測用プローブコイル 4 インピーダンス計測装置 5 記憶手段 6 演算装置 7 気孔率評価装置 8 影響因子評価手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気孔率の変化により電磁気的性質が変化す
    る導電性多孔質体に対し、非破壊的手法によって前記多
    孔質体の電磁気的性質を計測し、気孔率が既知の材料を
    用いて予め求めた気孔率と電磁気的性質の関係を用い
    て、前記多孔質体の気孔率を推定することを特徴とする
    導電性多孔質体の気孔率評価方法。
  2. 【請求項2】気孔率の変化により電磁気的性質が変化す
    る導電性多孔質体に対し、前記多孔質体の電磁気的性質
    を渦電流法によって非破壊的に計測し、渦電流計測シミ
    ュレーションによって予め求めた気孔率と電磁気的性質
    の関係を用いて、前記多孔質体の気孔率を推定すること
    を特徴とする導電性多孔質体の気孔率評価方法。
  3. 【請求項3】渦電流法を用いて任意の周波数で導電性多
    孔質体の電磁気的性質を計測し、前記多孔質体の板厚を
    仮定した上で、電磁気的性質と気孔率の関係を用いて気
    孔率を推定し、 次に、周波数を変えて前記多孔質体の渦電流を再度計測
    し、変更後の周波数と前記推定した気孔率における電磁
    気的性質と板厚の関係を用いて板厚を推定し、 次に、周波数変更前の板厚と周波数変更後の板厚とを比
    較し、差異が所定値より大きい場合は、周波数変更後の
    板厚を前記周波数変更前の板厚とし、前記気孔率の推定
    と、周波数を変更して行う板厚の推定と、周波数変更前
    後の板厚の比較の各処理を、周波数変更前後の板厚がほ
    ぼ一致するまで繰り返し、多孔質体の気孔率の板厚によ
    る誤差を自動補正することを特徴とする請求項1または
    2に記載の導電性多孔質体の気孔率評価方法。
  4. 【請求項4】渦電流法を用いて任意の周波数で導電性多
    孔質体の電磁気的性質を計測し、前記多孔質体と渦電流
    計測プローブコイル間のキャップを仮定した上で、電磁
    気的性質と気孔率の関係を用いて気孔率を推定し、 次に、周波数を変えて前記多孔質体の渦電流を再度計測
    し、変更後の周波数と前記推定した気孔率における電磁
    気的性質とキャップの関係を用いてギャップを推定し、 次に、周波数変更前のギャップと周波数変更後のギャッ
    プとを比較し、差異が所定値より大きい場合は、周波数
    変更後のギャップを前記周波数変更前のギャップとし、
    前記気孔率の推定と、周波数を変更して行うギャップの
    推定と、周波数変更前後のギャップの比較の各処理を、
    周波数変更前後のギャップがほぼ一致するまで繰り返
    し、多孔質体の気孔率のギャップによる誤差を自動補正
    することを特徴とする請求項1または2に記載の導電性
    多孔質体の気孔率評価方法。
  5. 【請求項5】渦電流計測プローブコイルと、周波数可変
    のインピーダンス計測装置と、伝導性多孔質体の気孔率
    と電磁気的性質の関係を記憶する記憶手段と、前記伝導
    性多孔質体の気孔率と電磁気的性質の関係から気孔率を
    自動演算する演算装置と、を備えたことを特徴とする導
    電性多孔質体の気孔率評価装置。
  6. 【請求項6】前記インピーダンス計測装置は、ブリッジ
    回路を内蔵した渦流探傷器からなることを特徴とする請
    求項5に記載の導電性多孔質体の気孔率評価装置。
  7. 【請求項7】導電性多孔質体の板厚と、多孔質体と渦電
    流計測プローブコイル間のギャップを計測し、計測結果
    を前記演算装置に送る影響因子評価手段を備えたことを
    特徴とする請求項5または6に記載の導電性多孔質体の
    気孔率評価装置。
  8. 【請求項8】前記影響因子評価手段は、前記演算装置の
    収束判断に基づいて次サイクルの処理のための板厚ある
    いはギャップを前記演算装置に返すことにより、請求項
    3に記載した導電性多孔質体の板厚による誤差の補正処
    理、または請求項4に記載した多孔質体と渦電流計測プ
    ローブコイル間のギャップによる誤差の補正処理を行う
    ことを特徴とする請求項7に記載の導電性多孔質体の気
    孔率評価装置。
  9. 【請求項9】導電性多孔質体の表面に沿って渦電流計測
    プローブコイルを2次元的に走査する機構を備え、前記
    導電性多孔質体の気孔の分布を評価および記憶する手段
    を備えたことを特徴とする請求項5ないし8のいずれか
    に記載の導電性多孔質体の気孔率評価装置。
  10. 【請求項10】気孔分布がほぼ均一な導電性多孔質体に
    対し、計測条件を固定した渦電流計測プローブコイルお
    よびインピーダンス計測装置と、限定された気孔率と電
    磁気的性質の関係を記憶する記憶手段と、限定された条
    件の下で前記気孔率と電磁気的性質の関係から気孔率を
    自動演算する演算装置と、を備えたことを特徴とする導
    電性多孔質体の気孔率評価装置。
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