JPH0987202A - 血液凝固異常治療剤 - Google Patents
血液凝固異常治療剤Info
- Publication number
- JPH0987202A JPH0987202A JP26782595A JP26782595A JPH0987202A JP H0987202 A JPH0987202 A JP H0987202A JP 26782595 A JP26782595 A JP 26782595A JP 26782595 A JP26782595 A JP 26782595A JP H0987202 A JPH0987202 A JP H0987202A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- selectin
- therapeutic agent
- binding
- antibody
- blood coagulation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】血液凝固異常治療剤および白血球増加剤の提
供。 【解決手段】P−セレクチンの結合阻害剤を含有する血
液凝固異常治療剤および白血球増加剤。例えば、P−セ
レクチンの結合阻害剤として抗P−セレクチン抗体を含
有する該治療剤。
供。 【解決手段】P−セレクチンの結合阻害剤を含有する血
液凝固異常治療剤および白血球増加剤。例えば、P−セ
レクチンの結合阻害剤として抗P−セレクチン抗体を含
有する該治療剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は血液凝固異常治療剤
および白血球増加剤に関する。詳しくは、P−セレクチ
ンの結合阻害剤を有効成分とする血液凝固異常治療剤お
よび白血球増加剤に関する。
および白血球増加剤に関する。詳しくは、P−セレクチ
ンの結合阻害剤を有効成分とする血液凝固異常治療剤お
よび白血球増加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】P−セレクチンは、セレクチン・ファミ
リーに属する細胞接着分子の1つであり、刺激に伴って
血管内皮細胞および血小板の表面に誘導される。P−セ
レクチンのリガンドは白血球、単球等にあることから、
P−セレクチンは、活性化血小板と白血球等、血管内皮
細胞と白血球等の接着に働いていると考えられている
(「日経バイオ最新用語辞典」第4版 日経バイオテク
編 日経BP社刊 1995年 381頁)。白血球
は、骨髄で増殖したのち末梢血に移動する。末梢血中の
白血球は、血中を循環している循環プールと、血管壁に
粘着するか血管壁に沿ってゆっくり移動する辺縁プール
にほぼ等しく分かれ、たえず交流している。また、血小
板は、骨髄で増殖したのち末梢血に移動する。末梢血中
の血小板は、血中を循環している循環プールに約2/3
が、脾内プールに約1/3が存在し、たえず交流してい
る(「血液学」小川哲平等著 内外医学社刊 1991
年 28−30)。止血機能は、血管壁、血小板、血漿
成分の血液凝固系、線溶系等が協力して行われる。最初
の反応は血管壁と血小板の相互作用による血小板血栓の
形成であり、続いて凝固系の活性化によって形成された
フィブリン網にフィブリン安定化因子が作用して強固な
止血栓を形成して完了する(「血液学」小川哲平等著
内外医学社刊 1991年 41頁)。従って、血小板
が減少した場合は、血液凝固能が低下する。また、白血
球からは血液凝固系に関連するメディエーターとして、
顆粒球エラスターゼ等が放出される。この顆粒球エラス
ターゼは、アンチトロンビンIII 等を不活化するため、
白血球の増加は生体の凝固能を増加させると考えられて
いる(代謝,29,51−60(1992))。
リーに属する細胞接着分子の1つであり、刺激に伴って
血管内皮細胞および血小板の表面に誘導される。P−セ
レクチンのリガンドは白血球、単球等にあることから、
P−セレクチンは、活性化血小板と白血球等、血管内皮
細胞と白血球等の接着に働いていると考えられている
(「日経バイオ最新用語辞典」第4版 日経バイオテク
編 日経BP社刊 1995年 381頁)。白血球
は、骨髄で増殖したのち末梢血に移動する。末梢血中の
白血球は、血中を循環している循環プールと、血管壁に
粘着するか血管壁に沿ってゆっくり移動する辺縁プール
にほぼ等しく分かれ、たえず交流している。また、血小
板は、骨髄で増殖したのち末梢血に移動する。末梢血中
の血小板は、血中を循環している循環プールに約2/3
が、脾内プールに約1/3が存在し、たえず交流してい
る(「血液学」小川哲平等著 内外医学社刊 1991
年 28−30)。止血機能は、血管壁、血小板、血漿
成分の血液凝固系、線溶系等が協力して行われる。最初
の反応は血管壁と血小板の相互作用による血小板血栓の
形成であり、続いて凝固系の活性化によって形成された
フィブリン網にフィブリン安定化因子が作用して強固な
止血栓を形成して完了する(「血液学」小川哲平等著
内外医学社刊 1991年 41頁)。従って、血小板
が減少した場合は、血液凝固能が低下する。また、白血
球からは血液凝固系に関連するメディエーターとして、
顆粒球エラスターゼ等が放出される。この顆粒球エラス
ターゼは、アンチトロンビンIII 等を不活化するため、
白血球の増加は生体の凝固能を増加させると考えられて
いる(代謝,29,51−60(1992))。
【0003】家兎にエンドトキシンをある時間をおいて
反復投与すると、腎の糸球体にフィブリンの沈着が認め
られ、この現象には血小板および白血球が重要な役割を
果していることが知られている(代謝,29,51−6
0(1992))。抗P−セレクチン抗体は、白血球の
集積を抑制し、血栓におけるフィブリンの沈着を阻害す
る(Nature,359,848−851(199
2))。血漿P−セレクチンは、播種性血管内凝固症侯
群、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群等
の集積性血栓症の患者において有意に高値である(Bl
ood,83,1535−1541(1994))。し
かし、抗P−セレクチン抗体等のP−セレクチンの結合
阻害剤が、末梢血の血小板および白血球を増加させるか
は知られていなかった。
反復投与すると、腎の糸球体にフィブリンの沈着が認め
られ、この現象には血小板および白血球が重要な役割を
果していることが知られている(代謝,29,51−6
0(1992))。抗P−セレクチン抗体は、白血球の
集積を抑制し、血栓におけるフィブリンの沈着を阻害す
る(Nature,359,848−851(199
2))。血漿P−セレクチンは、播種性血管内凝固症侯
群、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群等
の集積性血栓症の患者において有意に高値である(Bl
ood,83,1535−1541(1994))。し
かし、抗P−セレクチン抗体等のP−セレクチンの結合
阻害剤が、末梢血の血小板および白血球を増加させるか
は知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、血液
凝固異常治療剤および白血球増加剤を見出すことにあ
る。
凝固異常治療剤および白血球増加剤を見出すことにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、血液凝固
異常治療剤および白血球増加剤を見出すべく検討したと
ころ、P−セレクチンの結合阻害剤が血液凝固異常を治
療し、また白血球を増加させることを見出し、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、 P−セレクチンの結合阻害剤を有効成分とする血液
凝固異常治療剤、 血液凝固異常が血小板減少症である記載の治療
剤、 P−セレクチンの結合阻害剤を有効成分とする白血
球増加剤、および P−セレクチンの結合阻害剤が、P−セレクチンに
結合することで白血球上のリガンドとの結合を阻害する
阻害剤であるないし記載の治療剤に関する。
異常治療剤および白血球増加剤を見出すべく検討したと
ころ、P−セレクチンの結合阻害剤が血液凝固異常を治
療し、また白血球を増加させることを見出し、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、 P−セレクチンの結合阻害剤を有効成分とする血液
凝固異常治療剤、 血液凝固異常が血小板減少症である記載の治療
剤、 P−セレクチンの結合阻害剤を有効成分とする白血
球増加剤、および P−セレクチンの結合阻害剤が、P−セレクチンに
結合することで白血球上のリガンドとの結合を阻害する
阻害剤であるないし記載の治療剤に関する。
【0006】「血液凝固異常治療剤」とは、血液凝固異
常の治療剤をいう。ここで、血液凝固異常としては、例
えば血小板の数的異常によるもの、血小板の機能異常に
よるもの、血液凝固因子の異常によるもの、および線溶
亢進によるもの等が挙げられる。血小板の数的異常に
は、血小板数の減少によるもの(血小板減少症)と血小
板数の増加によるものが挙げられる。本発明の血液凝固
異常治療剤において特に有効な疾患は血小板減少症が挙
げられる。
常の治療剤をいう。ここで、血液凝固異常としては、例
えば血小板の数的異常によるもの、血小板の機能異常に
よるもの、血液凝固因子の異常によるもの、および線溶
亢進によるもの等が挙げられる。血小板の数的異常に
は、血小板数の減少によるもの(血小板減少症)と血小
板数の増加によるものが挙げられる。本発明の血液凝固
異常治療剤において特に有効な疾患は血小板減少症が挙
げられる。
【0007】「血小板減少症」とは、原因のいかんを問
わず末梢血中の血小板数が10万/μl以下に減少した
状態であり、以下の4種に分類される(「血液学」小川
哲平等著 内外医学社刊 1991年、275−28
2)。本発明の血小板減少症の治療剤において好適な疾
患は、血小板崩壊の亢進による血小板減少症が挙げら
れ、特に好適な疾患は、血小板崩壊の亢進による非免疫
性の血小板減少症が挙げられ、最も好適な疾患は、播種
性血管内凝固症侯群が挙げられる。 (1)血小板産生の低下 A.骨髄巨核球低形成 トロンボポイエチン欠乏症、再生不良性貧血、骨髄への
浸潤(癌、白血病等)、放射線・骨髄抑制薬物等 B.無効造血(骨髄巨核球数正常) 巨核赤芽球性貧血等 (2)血小板崩壊の亢進 A.免疫性 突発性血小板減少性紫斑病、全身性エリテマトーデス、
薬物アレルギー、大量輸血等 B.非免疫性 血管内凝固症候群、播種性血管内凝固症侯群(細菌感
染、敗血症、癌、急性白血病、肝臓疾患、産科合併症等
によるもの)、血栓性血小板減少性紫斑病等 (3)血小板分布の異常によるもの 脾臓能亢進症等 (4)体外への喪失 大量出血、体外循環等
わず末梢血中の血小板数が10万/μl以下に減少した
状態であり、以下の4種に分類される(「血液学」小川
哲平等著 内外医学社刊 1991年、275−28
2)。本発明の血小板減少症の治療剤において好適な疾
患は、血小板崩壊の亢進による血小板減少症が挙げら
れ、特に好適な疾患は、血小板崩壊の亢進による非免疫
性の血小板減少症が挙げられ、最も好適な疾患は、播種
性血管内凝固症侯群が挙げられる。 (1)血小板産生の低下 A.骨髄巨核球低形成 トロンボポイエチン欠乏症、再生不良性貧血、骨髄への
浸潤(癌、白血病等)、放射線・骨髄抑制薬物等 B.無効造血(骨髄巨核球数正常) 巨核赤芽球性貧血等 (2)血小板崩壊の亢進 A.免疫性 突発性血小板減少性紫斑病、全身性エリテマトーデス、
薬物アレルギー、大量輸血等 B.非免疫性 血管内凝固症候群、播種性血管内凝固症侯群(細菌感
染、敗血症、癌、急性白血病、肝臓疾患、産科合併症等
によるもの)、血栓性血小板減少性紫斑病等 (3)血小板分布の異常によるもの 脾臓能亢進症等 (4)体外への喪失 大量出血、体外循環等
【0008】「白血球増加剤」とは、末梢血中の白血球
数を増加させる治療剤をいう。
数を増加させる治療剤をいう。
【0009】「P−セレクチンの結合阻害剤」とは、血
管内皮細胞または血小板上のP−セレクチンと白血球上
のリガンドの結合を阻害するものをいう。本発明におけ
るP−セレクチンの結合阻害剤としては、阻害様式によ
って、例えば以下の3種類のものが挙げられる。 P−セレクチンに結合することで白血球上のリガン
ドとの結合を阻害するもの この種類の阻害剤としては、例えば抗P−セレクチン抗
体、P−セレクチンのリガンドおよびその誘導体が挙げ
られる。 白血球上のリガンドに結合することでP−セレクチ
ンの結合を阻害するものこの種類の阻害剤としては、例
えばP−セレクチンのリガンドに特異的な抗体、P−セ
レクチンおよびその断片が挙げられる。 P−セレクチンのリガンドの生合成阻害剤 この中で特に好ましいものとしては、P−セレクチンに
結合することで白血球上のリガンドとの結合を阻害する
ものが挙げられる。
管内皮細胞または血小板上のP−セレクチンと白血球上
のリガンドの結合を阻害するものをいう。本発明におけ
るP−セレクチンの結合阻害剤としては、阻害様式によ
って、例えば以下の3種類のものが挙げられる。 P−セレクチンに結合することで白血球上のリガン
ドとの結合を阻害するもの この種類の阻害剤としては、例えば抗P−セレクチン抗
体、P−セレクチンのリガンドおよびその誘導体が挙げ
られる。 白血球上のリガンドに結合することでP−セレクチ
ンの結合を阻害するものこの種類の阻害剤としては、例
えばP−セレクチンのリガンドに特異的な抗体、P−セ
レクチンおよびその断片が挙げられる。 P−セレクチンのリガンドの生合成阻害剤 この中で特に好ましいものとしては、P−セレクチンに
結合することで白血球上のリガンドとの結合を阻害する
ものが挙げられる。
【0010】抗P−セレクチン抗体とは、P−セレクチ
ンを認識し、P−セレクチンに選択的に結合し、これに
より細胞間の接着を抑制する免疫グロブリンを意味す
る。本抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル
抗体でもよい。本抗体の起源は制限されないが、マウス
またはヒト起源の抗体、ヒトおよびマウス抗体の両者の
一部分を結合したキメラ抗体、あるいは擬人化抗体等が
例として挙げられる。具体的には、WO93/2195
6号公報に記載のPB1.3が挙げられる。
ンを認識し、P−セレクチンに選択的に結合し、これに
より細胞間の接着を抑制する免疫グロブリンを意味す
る。本抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル
抗体でもよい。本抗体の起源は制限されないが、マウス
またはヒト起源の抗体、ヒトおよびマウス抗体の両者の
一部分を結合したキメラ抗体、あるいは擬人化抗体等が
例として挙げられる。具体的には、WO93/2195
6号公報に記載のPB1.3が挙げられる。
【0011】P−セレクチンのリガンドおよびその誘導
体には、白血球等の表面の糖蛋白、糖脂質ならびにそれ
らの末端構造であるオリゴサッカライド、さらにはそれ
らの誘導体が含まれる。例えば、オリゴサッカライドお
よびその誘導体として、シアリルルイスx及びシアリル
ルイスx誘導体、ルイスx及びルイスx誘導体、硫酸化
糖、リン酸化糖、スルファタイドなどが挙げられる(例
えば、VarkiらProc.Natl.Acad.S
ci.USA 91,7390(1994)、WO94
/26760)。糖蛋白質の例として、PSGL−1
(例えば、Sakoら Cell 75,1179(1
993))等が挙げられる。
体には、白血球等の表面の糖蛋白、糖脂質ならびにそれ
らの末端構造であるオリゴサッカライド、さらにはそれ
らの誘導体が含まれる。例えば、オリゴサッカライドお
よびその誘導体として、シアリルルイスx及びシアリル
ルイスx誘導体、ルイスx及びルイスx誘導体、硫酸化
糖、リン酸化糖、スルファタイドなどが挙げられる(例
えば、VarkiらProc.Natl.Acad.S
ci.USA 91,7390(1994)、WO94
/26760)。糖蛋白質の例として、PSGL−1
(例えば、Sakoら Cell 75,1179(1
993))等が挙げられる。
【0012】P−セレクチンのリガンドに特異的な抗体
とは、前述したリガンドに特異的な抗体を意味する。本
抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体で
もよい。本抗体の起源は制限されないが、マウスまたは
ヒト起源の抗体、ヒトおよびマウス抗体の両者の一部分
を結合したキメラ抗体、あるいは擬人化抗体等が例とし
て挙げられる。具体的には、抗シアリルルイスx抗体、
抗シアリルルイスa抗体、抗ルイスx抗体、抗ルイスa
抗体などである(例えば、Fukushimaら Ca
ncer Res.44,5279(1984)、Sh
itaraらCancer Res.47,1267
(1987)、Takadaら Biochem.Bi
ophys.Res.Commun.179,713
(1991))。
とは、前述したリガンドに特異的な抗体を意味する。本
抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体で
もよい。本抗体の起源は制限されないが、マウスまたは
ヒト起源の抗体、ヒトおよびマウス抗体の両者の一部分
を結合したキメラ抗体、あるいは擬人化抗体等が例とし
て挙げられる。具体的には、抗シアリルルイスx抗体、
抗シアリルルイスa抗体、抗ルイスx抗体、抗ルイスa
抗体などである(例えば、Fukushimaら Ca
ncer Res.44,5279(1984)、Sh
itaraらCancer Res.47,1267
(1987)、Takadaら Biochem.Bi
ophys.Res.Commun.179,713
(1991))。
【0013】P−セレクチンおよびその断片とは、膜結
合P−セレクチン、可溶性P−セレクチン、P−セレク
チン部分ペプチド等を意味する。P−セレクチンおよび
その断片は、細胞に対する接着、例えばプラスチック製
ウェルに固定させた前述のリガンドまたはその誘導体に
P−セレクチンが接着する(もしくは、P−セレクチン
を固定させたプラスチック製ウェルに前述のリガンドま
たはその誘導体が接着する)のを阻害する能力を有す
る。P−セレクチンの部分ペプチドとしては,例えば特
表平7─501828号公報に記載のペプチドが挙げら
れる。
合P−セレクチン、可溶性P−セレクチン、P−セレク
チン部分ペプチド等を意味する。P−セレクチンおよび
その断片は、細胞に対する接着、例えばプラスチック製
ウェルに固定させた前述のリガンドまたはその誘導体に
P−セレクチンが接着する(もしくは、P−セレクチン
を固定させたプラスチック製ウェルに前述のリガンドま
たはその誘導体が接着する)のを阻害する能力を有す
る。P−セレクチンの部分ペプチドとしては,例えば特
表平7─501828号公報に記載のペプチドが挙げら
れる。
【0014】P−セレクチンのリガンドの生合成阻害剤
とは、前述したP−セレクチンのリガンドの生合成に用
いられる糖転移酵素等の阻害剤を意味する。具体的に
は、オリゴサッカライド受容体にシアル酸を転移させる
ためのシアリルトランスフェラーゼに対する阻害剤や、
フコースを転移させるためのフコシルトランスフェラー
ゼに対する阻害剤等が挙げられる。例えば、特開平5−
247078号公報に記載のシアリルトランスフェラー
ゼ阻害剤や、Chi−Huey Wongら J.A
m.Chem.Soc.114,7321(1992)
記載のフコシルトランスフェラーゼ阻害剤等が挙げられ
る。
とは、前述したP−セレクチンのリガンドの生合成に用
いられる糖転移酵素等の阻害剤を意味する。具体的に
は、オリゴサッカライド受容体にシアル酸を転移させる
ためのシアリルトランスフェラーゼに対する阻害剤や、
フコースを転移させるためのフコシルトランスフェラー
ゼに対する阻害剤等が挙げられる。例えば、特開平5−
247078号公報に記載のシアリルトランスフェラー
ゼ阻害剤や、Chi−Huey Wongら J.A
m.Chem.Soc.114,7321(1992)
記載のフコシルトランスフェラーゼ阻害剤等が挙げられ
る。
【0015】本発明の治療剤は、非経口的、局所的、経
口的、または経皮的に投与され、投与方法に依存して、
種々の単位投与形態で投与することができる。例えば、
経口的投与に適当な単位投与形態は、粉末、錠剤、ピ
ル、カプセル剤および糖剤を包含する。好ましくは、本
発明の治療剤は静脈内に投与する。静脈内投与に際して
は、医薬として許容されうる担体、好ましくは水性担体
の中に溶解または懸濁して用いる。水性担体としては、
例えば、水、緩衝化水、生理食塩水などを使用すること
ができる。生ずる水溶液はそのまま包装するか、あるい
は凍結乾燥することができ、凍結乾燥した調製物は投与
の前に無菌の水溶液と組み合わせる。本発明の治療剤
は、近似の生理学的状態に要求されるように、医薬とし
て許容される補助剤、例えば、pH調節剤および緩衝剤、
張度調節剤、浸潤剤など、例えば、酢酸ナトリウム、乳
酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カ
ルシウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノール
アミンオレエートなどを含有することができる。
口的、または経皮的に投与され、投与方法に依存して、
種々の単位投与形態で投与することができる。例えば、
経口的投与に適当な単位投与形態は、粉末、錠剤、ピ
ル、カプセル剤および糖剤を包含する。好ましくは、本
発明の治療剤は静脈内に投与する。静脈内投与に際して
は、医薬として許容されうる担体、好ましくは水性担体
の中に溶解または懸濁して用いる。水性担体としては、
例えば、水、緩衝化水、生理食塩水などを使用すること
ができる。生ずる水溶液はそのまま包装するか、あるい
は凍結乾燥することができ、凍結乾燥した調製物は投与
の前に無菌の水溶液と組み合わせる。本発明の治療剤
は、近似の生理学的状態に要求されるように、医薬とし
て許容される補助剤、例えば、pH調節剤および緩衝剤、
張度調節剤、浸潤剤など、例えば、酢酸ナトリウム、乳
酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カ
ルシウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノール
アミンオレエートなどを含有することができる。
【0016】本発明の治療剤は、病気に既に悩まされる
患者に、病気およびその合併症の症状を治癒するか、あ
るいは少なくとも部分的に阻止するために十分な量で投
与される。本発明の治療剤の投与量は、例えば、特定の
有効成分、投与方法、処置する疾患の程度、患者の健康
状態、および処方する医師に従い変化するが、一般に、
体重 70 kgの患者について、1日当たり、本発明の治療
剤を約 0.5 mg 〜約 1gの範囲であり、好ましくは、体
重 70 kgの患者について、1日当たり、本発明の有効成
分を約 5 mg 〜約500 mgの範囲の投与量を使用する。ま
た、本発明の治療剤は、予防剤としても使用できる。予
防的応用において、本発明の治療剤は、特定の病気に感
受性であるか、あるいはそうでなければその病気の危険
がある患者に投与される。
患者に、病気およびその合併症の症状を治癒するか、あ
るいは少なくとも部分的に阻止するために十分な量で投
与される。本発明の治療剤の投与量は、例えば、特定の
有効成分、投与方法、処置する疾患の程度、患者の健康
状態、および処方する医師に従い変化するが、一般に、
体重 70 kgの患者について、1日当たり、本発明の治療
剤を約 0.5 mg 〜約 1gの範囲であり、好ましくは、体
重 70 kgの患者について、1日当たり、本発明の有効成
分を約 5 mg 〜約500 mgの範囲の投与量を使用する。ま
た、本発明の治療剤は、予防剤としても使用できる。予
防的応用において、本発明の治療剤は、特定の病気に感
受性であるか、あるいはそうでなければその病気の危険
がある患者に投与される。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。以下の実施例では、P−セレクチ
ンの結合阻害剤として、抗P−セレクチン抗体PB1.
3(WO93/21956号公報記載の抗体)を用い、
P−セレクチンの結合阻害剤が、血小板および白血球を
増加させ、有効な血液凝固異常治療剤および白血球増加
剤であることを具体的に説明する。
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。以下の実施例では、P−セレクチ
ンの結合阻害剤として、抗P−セレクチン抗体PB1.
3(WO93/21956号公報記載の抗体)を用い、
P−セレクチンの結合阻害剤が、血小板および白血球を
増加させ、有効な血液凝固異常治療剤および白血球増加
剤であることを具体的に説明する。
【0018】実施例1 エンドトキシン投与によるラットの血小板減少および白
血球減少に対する作用 (実験方法)体重約300gのドンリュウ系雄性ラット
にペントバルビタールナトリウム(ネンブタール:大日
本製薬)0.5mg/kgを静脈内投与して麻酔した。
前値測定のための採血を行った後、抗P−セレクチン抗
体PB1.3を2mg/kg(n=6)または4mg/
kg(n=4)静脈内投与した。5分後、エンドトキシ
ン(E.coli 0111:B4)8mg/kgを静
脈内投与し、その15、30、60、120分後に、ジ
エチルエーテル吸入麻酔下にて経時的に採血を実施し
た。採血は、2.5ml注射器を用いて頸動脈穿刺にて
行い、直ちに抗凝固剤入りの試験管に血液を移した後、
その白血球数および血小板数を、自動血球計数装置(S
ysmex F800)を用いて測定した。なお、対照
としてエンドトキシンのみを投与した群(n=4)を設
けた。なお、統計学的有意性の検定は、ダンネットの検
定により行った。結果を図1および図2に示した。
血球減少に対する作用 (実験方法)体重約300gのドンリュウ系雄性ラット
にペントバルビタールナトリウム(ネンブタール:大日
本製薬)0.5mg/kgを静脈内投与して麻酔した。
前値測定のための採血を行った後、抗P−セレクチン抗
体PB1.3を2mg/kg(n=6)または4mg/
kg(n=4)静脈内投与した。5分後、エンドトキシ
ン(E.coli 0111:B4)8mg/kgを静
脈内投与し、その15、30、60、120分後に、ジ
エチルエーテル吸入麻酔下にて経時的に採血を実施し
た。採血は、2.5ml注射器を用いて頸動脈穿刺にて
行い、直ちに抗凝固剤入りの試験管に血液を移した後、
その白血球数および血小板数を、自動血球計数装置(S
ysmex F800)を用いて測定した。なお、対照
としてエンドトキシンのみを投与した群(n=4)を設
けた。なお、統計学的有意性の検定は、ダンネットの検
定により行った。結果を図1および図2に示した。
【0019】(実験結果)ラットへのエンドトキシン投
与により急激な血小板減少が生じ、その後徐々に回復し
た。また、白血球は徐々に減少した。抗P−セレクチン
抗体投与群では、急激な血小板減少および白血球の減少
が有意に抑制された。
与により急激な血小板減少が生じ、その後徐々に回復し
た。また、白血球は徐々に減少した。抗P−セレクチン
抗体投与群では、急激な血小板減少および白血球の減少
が有意に抑制された。
【0020】
【発明の効果】本発明により、血液凝固異常治療剤およ
び白血球増加剤を提供することができる。
び白血球増加剤を提供することができる。
【図1】エンドトキシン投与後の血小板減少に対する抗
P−セレクチン抗体PB1.3の効果 図中の*は、エンドトキシン群に対して危険率5%未満
で統計学的に有意であることを示す。
P−セレクチン抗体PB1.3の効果 図中の*は、エンドトキシン群に対して危険率5%未満
で統計学的に有意であることを示す。
【図2】エンドトキシン投与後の白血球減少に対する抗
P−セレクチン抗体PB1.3の効果 図中の*は、エンドトキシン群に対して危険率5%未満
で統計学的に有意であることを示す。
P−セレクチン抗体PB1.3の効果 図中の*は、エンドトキシン群に対して危険率5%未満
で統計学的に有意であることを示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 P−セレクチンの結合阻害剤を有効成分
とする血液凝固異常治療剤。 - 【請求項2】 血液凝固異常が血小板減少症である請求
項1記載の治療剤。 - 【請求項3】 P−セレクチンの結合阻害剤を有効成分
とする白血球増加剤。 - 【請求項4】 P−セレクチンの結合阻害剤が、P−セ
レクチンに結合することで白血球上のリガンドとの結合
を阻害する阻害剤である請求項1ないし3記載の治療
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26782595A JPH0987202A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 血液凝固異常治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26782595A JPH0987202A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 血液凝固異常治療剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0987202A true JPH0987202A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17450141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26782595A Pending JPH0987202A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 血液凝固異常治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0987202A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2283861A3 (en) * | 2000-11-20 | 2013-05-29 | Canadian Blood Services | Method for Treating Thrombocytopenia with Monoclonal IVIG |
-
1995
- 1995-09-20 JP JP26782595A patent/JPH0987202A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2283861A3 (en) * | 2000-11-20 | 2013-05-29 | Canadian Blood Services | Method for Treating Thrombocytopenia with Monoclonal IVIG |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KLEIN et al. | Disseminated intravascular coagulation during heparin therapy | |
Brieger et al. | Heparin-induced thrombocytopenia | |
Henson | Release of vasoactive amines from rabbit platelets induced by sensitized mononuclear leukocytes and antigen | |
EP0751787B1 (en) | Method for reducing immune and hemostatic dysfunctions during extracorporeal circulation | |
Macias et al. | Vancomycin pharmacokinetics in acute renal failure: preservation of nonrenal clearance | |
DE69133120T2 (de) | GMP-140 Ligand | |
Bossavy et al. | A double-blind randomized comparison of combined aspirin and ticlopidine therapy versus aspirin or ticlopidine alone on experimental arterial thrombogenesis in humans | |
JPH02104534A (ja) | 敗血症またはその他の外傷時における臓器中への白血球流入を阻害する方法 | |
Hong et al. | Contact between a polymer and whole blood: sequence of events leading to thrombin generation | |
Gurewich et al. | The effect of the fibrinogen concentration and the leukocyte count on intravascular fibrin deposition from soluble fibrin monomer complexes | |
Cadroy et al. | Antithrombotic effects of synthetic pentasaccharide with high affinity for plasma antithrombin III in non-human primates | |
Lange III et al. | Activation of Hageman factor in the nephrotic syndrome | |
Trezzini et al. | Evidence that exposure to fibrinogen or to antibodies directed against Mac‐1 (CD11b/CD18; CR3) modulates human monocyte effector functions | |
Wilhelm et al. | Monocyte tissue factor expression and ongoing complement generation in ventricular assist device patients | |
US5567443A (en) | Method of treating inflammatory diseases | |
Gorlin | Therapeutic plasma exchange and cytapheresis in pediatric patients | |
JPH0987202A (ja) | 血液凝固異常治療剤 | |
Anastase‐Ravion et al. | Heparin inhibits lipopolysaccharide (LPS) binding to leukocytes and LPS‐induced cytokine production | |
Sung et al. | Mouse peritoneal macrophages plated on mannan-and horseradish peroxidase-coated substrates lose the ability to phagocytose by their Fc receptors. | |
Hasselbacher et al. | In vitro effects of radiographic contrast media on the complement system | |
Skubitz et al. | Monoclonal antibody AHN-1 inhibits phagocytosis by human neutrophils | |
Gockerman et al. | Isoantibody specificity in post-transfusion purpura | |
Burgstaler et al. | Treatment of chronic dilated cardiomyopathy with immunoadsorption using the Staphylococcal A‐agarose column: a comparison of immunoglobulin reduction using two different techniques | |
Seidman et al. | Immune‐mediated thrombocytopenia secondary to suramin | |
Kotze et al. | Prolonged inhibition of acute arterial thrombosis by high dosing of a monoclonal anti-platelet glycoprotein IIb/IIIa antibody in a baboon model |