JPH0981747A - 画像処理方法及び位置ずれ検出方法 - Google Patents

画像処理方法及び位置ずれ検出方法

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JPH0981747A
JPH0981747A JP7258208A JP25820895A JPH0981747A JP H0981747 A JPH0981747 A JP H0981747A JP 7258208 A JP7258208 A JP 7258208A JP 25820895 A JP25820895 A JP 25820895A JP H0981747 A JPH0981747 A JP H0981747A
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JP7258208A
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Atsushi Murakami
敦 村上
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パターンの誤認識のおそれが殆どないと共
に、参照画像データを予め作成する必要のないパターン
マッチング方法を提供する。 【解決手段】 試料の所定領域を撮像手段により撮像
し、得られた画像の中から特定図形の輪郭線を用いた参
照画像情報を作成し、その参照画像情報をメモリに記憶
する(工程B)。その後、試料の別の領域を撮像手段に
より撮像し、メモリ内の参照画像情報を用いて入力画像
の中から参照画像と最も類似度の高い図形を検出する
(工程D)。工程Bで参照画像情報が作成されるので、
参照画像情報を予め作成する必要がない。また、作成さ
れる参照画像情報は特定図形の輪郭線を用いた情報なの
で、いわゆるパターンマッチングを行なう際に、濃淡と
しての情報が少ない場合等にもパターンの誤認識を生ず
るおそれが殆どない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理方法及び
位置ずれ検出方法に係り、さらに詳しくは参照画像の作
成方法に特徴を有するパターン・マッチングによる画像
処理方法及びこの画像処理方法を用いた試料の位置ずれ
検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、登録された参照画像をその中
に含む入力画像を対象に、この参照画像と入力画像との
パターン・マッチングを行なってこれら参照画像と入力
画像との相対的な位置関係(ずれ)を求める技術は周知
である。このようなパターン・マッチングの手法とし
て、参照画像及び入力画像を2値化することなく濃淡画
像のままで互いの相互相関値を求め、この相互相関値の
最大値から参照画像の入力画像との相対的な位置関係
(ずれ)を求める手法がある。この際、画像の明るさや
コントラストによる影響を除去するため、相互相関値を
画像の平均値と分散値で正規化することが行なわれてい
る。すなわち、上記相互相関値として、参照画像と入力
画像との分散値で、参照画像と入力画像との共分散をし
た相互係数を算出していた。
【0003】具体的には、相互相関の演算は、入力画像
Sと参照画像Tについて分散Dsを下記の式(1)によ
り求め、参照画像Tの分散値Dtを下記の式(2)によ
り求め、及び画像S,Tの共分散Dstを下記の式(3)
により求め、これら求めた分散Ds、Dt及び共分散D
stから相関係数Cstを下記の式(4)により算出するこ
とにより行われていた。
【0004】
【数1】
【0005】ここで、Mは相互相関演算を行うべき領域
の画素のX方向の個数、NはY方向の個数であり、入力
画像Sと参照画像Tとの大きさは等しいものとしてい
る。
【0006】また、相関係数Cstは、−1≦Cst≦1の
範囲の値をとり、入力画像Sと参照画像Tが一致した場
合にはCst=1、全く相関のない場合にはCst=0の値
をとる。
【0007】一般に、入力画像Sは、参照画像Tより大
きく、従って、相互相関をとるべき入力画像Cの領域を
参照画像Tと等しい大きさに区切り、この区切りを順次
走査して、相関係数 Cst が最大値をとる領域を入力画
像Sと参照画像Tとが一致する箇所としてパターン・マ
ッチングが行なわれる。
【0008】相互相関演算によるパターン・マッチング
では、パターン全体の濃淡分布の情報をそのまま用い、
これを各画像の特徴としてマッチングが行なわれるの
で、入力画像Sと参照画像Tとの間に明るさやコントラ
ストの変化があっても比較的確実に認識が行なえるとと
もに、パターンに多少の欠陥があっても認識できる。
【0009】ところで、レーザ加工装置、露光装置等で
ウエハ等の試料のアライメント(位置合わせ)を行なう
場合、2箇所の画像入力データ中の、予め登録された参
照画像データの位置を求め、2ヵ所でのその位置の差を
求めることにより、アライメントを行なうための回転方
向の位置ずれ(ローテーション誤差)を求める事は広く
行なわれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の相互相関演算による画像処理方法では、上記式
(1)〜(4)までの演算処理が複雑であり、しかも式
(1)から順に、式(2)、式(3)の順で計算し、最
後の式(4)まで計算をしないと相関値が求められない
ため、演算処理時間の短縮化が困難であるという問題点
に加え、パターン全体の濃淡分布の一致を見てパターン
認識を行うものであるため、濃淡としての情報が少ない
場合や、パターンの濃度分布自体が部分的に変化する場
合には、正確な認識が困難になるという不都合があっ
た。
【0011】また、従来の相互相関演算によるパターン
・マッチングをウエハ等の試料のアライメントに採用す
る場合、予め参照画像データ(テンプレート)を作成
し、装置内に格納し、そのデータを用いて画像処理を行
なうことから、参照画像データをアライメントを行なう
試料毎に予め作成しなければならず、大変に面倒で手間
がかかるという不都合があった。
【0012】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、パターンの誤認識のおそれが殆
どないと共に、参照画像データを予め作成する必要のな
い画像処理方法を提供することにある。
【0013】また、本発明の第2の目的は、試料毎に参
照画像データを予め作成することなく、画像処理により
試料の位置ずれを正確に検出することができる位置ずれ
検出方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る画像処理方法は、試料の所定領域を撮像手段により
撮像する第1工程と;前記第1工程で得られた画像の中
から特定図形の輪郭線を用いた参照画像情報を作成し、
その参照画像情報をメモリに記憶する第2工程と;前記
試料の別の領域を撮像手段により撮像する第3工程と;
前記参照画像情報を用いて前記第3工程で得られた入力
画像の中から前記参照画像と最も類似度の高い図形を検
出する第4工程とを含む。
【0015】これによれば、第1、第2工程の処理によ
り、参照画像情報が作成されるので、参照画像情報を予
め作成する必要がない。また、作成される参照画像情報
は特定図形の輪郭線を用いた情報なので、第4工程の処
理によりこの作成された参照画像情報と最も類似度の高
い図形を第3工程で得られた入力画像の中から検出する
(すなわち、いわゆるパターンマッチングを行なう)際
に、濃淡としての情報が少ない場合や、パターンの濃度
分布自体が部分的に変化する場合であってもこれに影響
されてパターンの誤認識を生ずるおそれが殆どない。
【0016】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の画像処理方法において、前記第2工程で作成され、メ
モリに記憶される前記参照画像情報は、前記特定図形の
輪郭を構成する画素数と、前記輪郭を構成する複数の画
素のうちの一つを起点とした各画素に含まれる輪郭線の
方向の情報であり、前記第4工程において、前記入力画
像中の各画素を起点とし、当該起点画素から順番に前記
第2工程でメモリに記憶した方向に隣接する画素中にそ
の方向の輪郭線が存在するか否かを判定すると共に、そ
の方向に輪郭線が存在すると判定された画素数をカウン
トし、カウントされた画素数が最大となる点を起点とす
る画像を最も類似度の高い図形として検出することを特
徴とする。
【0017】これによれば、パターンの誤認識のおそれ
が殆どなく、参照画像データを予め作成する必要がない
ことに加え、参照画像中の特定図形の輪郭線の方向の情
報に従って隣接する画素中にその方向の輪郭線が存在す
るか(隣接する画素がパターンエッジを構成するか)否
かの簡単な判定を行ない、その方向に輪郭線が存在する
と判定された画素数をカウントし、このような判定、カ
ウントを各画素を起点として行なうだけで、確実に参照
画像である特定の図形に対応する図形を入力画像中から
検出することができる。従って、従来のような相互相関
演算処理が不要である。
【0018】請求項3に記載の発明に係る位置ずれ検出
方法は、試料が載置されたステージを予め定められた第
1位置まで移動し、この第1位置で所定位置に配置され
た撮像手段により前記試料の所定範囲の領域を撮像する
第1工程と;前記第1工程で得られた画像の中から特定
図形の輪郭線を用いた参照画像情報を作成し、その参照
画像情報をメモリに記憶する第2工程と;前記ステージ
を予め定められた第2位置まで移動し、この第2位置で
前記撮像手段により前記試料の別の領域を撮像する第3
工程と;前記参照画像情報を用いて前記第3工程で得ら
れた入力画像の中から前記参照画像と最も類似度の高い
図形を検出すると共に撮像画面内での前記両画像の位置
関係を検出し、この位置関係から試料の位置ずれを検出
する第4工程とを含む。
【0019】これによれば、第1、第2工程の処理によ
り、参照画像情報が作成されるので、参照画像情報を予
め作成する必要がない。また、作成される参照画像情報
は特定図形の輪郭線を用いた情報なので、第4工程の処
理によりこの作成された参照画像情報と最も類似度の高
い図形を第3工程で得られた入力画像の中から検出する
(すなわち、いわゆるパターンマッチングを行なう)際
に、濃淡としての情報が少ない場合や、パターンの濃度
分布自体が部分的に変化する場合であってもこれに影響
されてパターンの誤認識を生ずるおそれが殆どない。こ
のため、第4工程においていわゆるパターンマッチング
による画像処理により検出された試料上の離れた位置に
ある同一パターン(あるいは同一形状のアライメントマ
ーク)の撮像画面内での位置関係から試料の位置ずれを
確実に検出することができる。
【0020】請求項4に記載の発明に係る位置ずれ検出
方法は、試料が載置されたステージを予め定められた第
1位置まで移動し、この第1位置で所定位置に配置され
た撮像手段により前記試料の所定範囲の領域を撮像する
第1工程と;前記第1工程で得られた画像の中から特定
図形の輪郭線を用いた参照画像情報を作成し、その参照
画像情報と前記特定の図形の特定の点の撮像画面内での
位置座標をメモリに記憶する第2工程と;前記ステージ
を予め定められた第2位置まで移動し、この第2位置で
前記撮像手段により前記試料の別の領域を撮像する第3
工程と;前記参照画像情報を用いて前記第3工程で得ら
れた入力画像の中から前記参照画像と最も類似度の高い
図形を検出すると共にこの検出した図形の前記特定の点
に対応する点の撮像画面内での位置座標をメモリに記憶
する第4工程と;前記第1位置と前記第2位置の座標
と、前記第2工程でメモリに記憶された前記特定の点の
撮像画面内での位置座標と、前記第4工程でメモリに記
憶された前記特定の点に対応する点の撮像画面内での位
置座標とに基づいて前記試料の回転方向の位置ずれを検
出する第5工程とを含む。
【0021】これによれば、予め参照画像情報を試料毎
に作成することなく、画像処理(パターンマッチング)
により、試料の回転方向の位置ずれ(ローテーション誤
差)を正確に検出することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図14
に基づいて説明する。
【0023】図1には、本発明の画像処理方法及び位置
ずれ方法を実施するための位置ずれ検出装置10の構成
が概略的に示されている。
【0024】この位置ずれ検出装置10は、レーザ加工
装置の一部を構成するものである。この位置ずれ検出装
置10は、対物レンズ12、試料としてのウエハWが載
置されたステージ14、制御回路16、ハロゲンランプ
等の照明用光源18、照明光用光学系20、ミラー2
2、ハーフミラー24、ミラー26、反射光用光学系2
8、図示しないCPU(central processing unit :中
央演算処理装置)を内蔵する画像処理装置ブロック60
を備えている。
【0025】ここで、この位置ずれ検出装置10の構成
各部についてその作用とともに説明すると、ステージ1
4は図1における紙面に直交する水平面内を直交2軸方
向(X、Y方向)に移動可能で、X、Y方向に直交する
Z軸回りの回転が可能に構成されている。このステージ
14は、画像処理装置ブロック60内のCPUを介し
て、制御回路16及び不図示の干渉計またはエンコーダ
等により位置制御が行われている。照明用光源18より
出たハロゲンランプ等の光束は、照明光用光学系20を
通過し、ミラー22、ハーフミラー24及びミラー26
を介して対物レンズ12に入射し、ウエハW上で対物レ
ンズ12の光軸上の点を中心とする一定半径の円内を照
明するように構成されている。
【0026】前記の如く、ステージ14は制御回路16
及び不図示の干渉計またはエンコーダ等により位置制御
が行われており、ステージ14を移動することによりウ
エハW上の照明光の照射位置も移動する。ウエハWから
の照明光の反射光即ちウエハ上の回路パターン、あるい
はアライメントマーク等の像の光束は対物レンズ12を
通過し、ミラー26で反射された後、ハーフミラー24
を透過して照明光反射光用光学系28で拡大されウエハ
W表面と共役な結像面Aに結像する。この結像面Aには
画像処理装置ブロック60が置かれており、前記結像面
Aにその受光面が配置された撮像手段としての撮像素子
50(図2参照)を介して画像処理装置ブロック60を
構成する画像処理装置30(図2参照)内に結像画像の
データが取り込まれ、ウエハWのアライメントの際等に
後述するような画像処理が行なわれる。
【0027】図2には、画像処理装置ブロック60の具
体的な構成が示されている。この画像処理装置ブロック
60は、画像処理装置30を中心に構成され、この画像
処理装置30は、中央制御部32、画像メモリ部34及
び画像演算処理部36を有する。そして、中央制御部3
2、画像メモリ部34、画像演算処理部36は、それぞ
れシステムバス38及びデータバス40を介して相互に
接続されている。中央制御部は32は、図示しないがC
PUを中心にROM及びRAM等から構成され、画像の
入出力操作、演算処理操作、及び前述した制御回路16
のコントロール等を行なう。画像処理装置30のデータ
バス40には、オペレータが画像の入出力操作をすると
ともに、処理結果を表示するためのアプリケーション部
42が、インターフェース部44を介して接続されてい
る。また、ITVモニタ等の表示装置46がD/Aコン
バータ48を介して画像処理装置30のデータバス40
に接続されている。更に、TVカメラ等の前述した撮像
素子50が、A/Dコンバータ52を介して画像処理装
置30のデータバス40に接続されている。
【0028】次に、図3の流れ図に沿って本発明に係る
位置ずれ検出方法を説明する。本発明に係る位置ずれ検
出方法は、図3に示されるように、工程A〜工程Eを含
む。以下、各工程について説明する。
【0029】《工程A》この工程は、予め入力されてい
る座標P1(X1,Y1)にステージ14を移動する工
程である。これは、図示しないレーザ干渉計等のステー
ジ位置計測手段の出力をモニタしつつ、制御回路16に
より図示しない駆動系が制御されることにより行なわれ
る。この工程Aの終了後、図3に示されるように、次の
工程Bに進む。
【0030】《工程B》この工程Bは、簡単に言うと、
ステージ14が座標P1位置に移動された状態の入力画
像、例えば図4に例示される入力画像中の特定パターン
Tの輪郭線(以下、適宜「エッジ」あるいは「パターン
エッジ」と呼ぶ)を構成する複数画素のうちの1つを起
点画素T(0)とし、前記複数画素それぞれが位置する
エッジの方向を、前記起点画素T(0)より順番に登録
する工程である。そして、エッジの方向を示すデータ
は、参照画像情報としての参照画像データ(テンプレー
ト)として、中央制御部32の内部メモリ内に格納され
る。
【0031】この工程Bで撮像される画像データはX及
びY方向の画素がm×n画素(例えば、n=640、m
=480)である。演算処理時間の短縮化のために、p
×q画素で構成される領域に分割される。そして、p×
q画素で構成される領域の平均値で代表する等の演算処
理により、画像データの圧縮平均化が行なわれる。圧縮
前の1画素当たりのウエハW上での距離Drは予め分っ
ており、中央制御部32内のRAMまたはROMに格納
されている。よって、p×q画素に圧縮後の1画素当た
りのウエハW上での長さDx、Dyは、
【0032】
【数2】Dx=(m/p)Dr Dy=(n/q)Dr
【0033】となる。圧縮された画像より求められた参
照画素の起点T(0)の圧縮後の画像上での座標を(X
t,Yt)とする。なお、画像上の座標は左上を(1,
1)とし、X座標は右側が+方向、Y座標は下側が+方
向である。
【0034】次に、上記工程Bの詳細を、CPUの制御
アルゴリズムを示す図5、図6のフローチャートに沿っ
て具体的に説明する。
【0035】この制御アルゴリズムがスタートするの
は、次の事前準備が完了したときである。
【0036】前述した座標P1の位置にステージ14が
移動した状態で、撮像素子50により、参照画像(テン
プレート)とするパターンTを含むウエハW上の領域を
撮像素子50で撮像する。撮像して得られた画像データ
は、演算処理時間の短縮化の為に、図4に示されるよう
に、p×q画素で構成される領域に分割される。そし
て、p×q画素で構成される領域のデータの平均値で代
表する等の演算処理により、画像データの圧縮平均化が
行なわれる。これにより、事前準備が完了する。
【0037】まず、最初にステップ100で初期設定を
行なう。具体的には、起点画素T(0)の指定及びパラ
メータN=1、C=1、V=1、Next=1の初期設
定が行なわれる。
【0038】ここで、パラメータNは、起点画素T
(0)を見つけるのが何回目かを示すパラメータであ
り、Nextは、後述する指定画素(又は起点画素)が
不適のとき起点画素を次に1個進めるべき方向を指し示
すパラメータであり、C、VはこのNextを定めるた
めのパラメータである。なお、C、VとNextの関係
については、後に詳述する。
【0039】このステップ100の初期設定は、次のよ
うにして行なわれる。すなわち、オペレータによる画素
の指定、パラメータの入力を待ち、オペレータがディス
プレイ上の任意の平均化画素を、アプリケーション部4
2の例えばマウス等を用いて指定し、パラメータの設定
値(N=C=V=Next=1)をキーボードから入力
すると、起点画素T(0)の座標(X0,Y0)、パラ
メータN、C、V、Nextの初期設定値「1」を中央
制御部32のRAM内に記憶する。
【0040】ここでは、後述するC、VとNextとの
関係から起点画素T(0)の座標として(X0,Y0)
=([p/2],[q/2])が指定されるものとす
る。この座標は、p×q画素で構成される画像データの
全領域の中心もしくは中心から1画素離れた画素であ
る。ここで、[ ]は演算結果を越えない最大の整数を
表す記号(ガウス記号)である。従って、RAM内に
は、起点画素T(0)の座標(X0,Y0)=([p/
2],[q/2])が記憶される。
【0041】次のステップ101では、パラメータN=
1か否かが判断され、この判断が肯定された場合は、ス
テップ103に進むが、否定された場合には、ステップ
102に進む。最初は、N=1であるからステップ10
3に進み、起点画素T(0)が適切か否かの判断を行な
う。この判断は、「2≦X0≦p−1、2≦Y0≦q−
1」が共に成立するか否かにより行なわれる。
【0042】上記条件が満たされた場合、すなわち起点
画素T(0)が全体の画像の端にない場合には、起点画
素T(0)が適切と判断してステップ106に移行する
が、この判断が否定された場合には、ステップ104に
進み、参照画像データ作成不能であるか否かを判断す
る。このステップ104における判断は、次の条件a.
及びb.の少なくともいずれか一方を満足するか否かに
より行なわれる。
【0043】a.p≧qかつ2≦X0≦p−1 b.p<qかつ2≦Y0≦q−1 そして、上記条件a.及びb.の少なくともいずれか一
方を満足する場合には、参照画像データ作成不能と判断
して処理を終了する。一方、上記条件a.及びb.のい
ずれをも満足しない場合は、起点画素T(0)が不適切
と判断し、ステップ138にジャンプする。
【0044】この一方、ステップ101における判断が
否定された場合には、ステップ102に進み、起点画素
T(0)が中央制御部32のメモリ内に、予め設けてあ
る配列S(p×q、2)内に既に記録されているか否か
を判断する。すなわち、配列S内のN=1〜Nの範囲に
S(N,1)=X0かつS(N,2)=Y0となる箇所
があるか否かを判断する。これは、T(0)が全体の画
像の端にない場合であっても、それまでに配列S内に記
録されている画素をT(0)とすると、途中で必ず後述
するステップ118で指定画素T(L)が不適切となる
ため、このような起点画素を排除することとしたのであ
る。
【0045】従って、このステップ102における判断
が肯定された場合は、起点画素T(0)が不適切と判断
してステップ138にジャンプするが、この判断が否定
された場合は、前述したステップ103に進む。
【0046】ステップ106では中央制御部32のメモ
リ内に予め設けてある配列S(p×q、2)内の、S
(N,1)=X0、S(N,2)=Y0とした後、ステ
ップ108に進む。
【0047】ステップ108では指定された起点画素T
(0)を中心とした図8に示されるような3×3の計9
個の平均化画素A〜Iの各階調値G(A)〜G(I)の
平均値Gh(0)を算出する。具体的に図8の中心に位
置する平均化画素E(起点画素T(0))がp×q画素
で構成される領域内の座標(X0,Y0)に位置するの
で、その他の平均化画素A、B、C、D、F、G、H、
Iはそれぞれ(X0−1,Y0−1)、(X0,Y0−
1)、(X0+1,Y0−1)、(X0−1,Y0)、
(X0+1,Y0)、(X0−1,Y0+1)、(X
0,Y0+1)、(X0+1,Y0+1)の座標で示す
ことが出来る。
【0048】ここで、階調値G(A)は、図8の平均化
画素Aの階調値を示している。同様に、階調値G(B)
は、平均化画素B、階調値G(C)は、平均化画素C、
階調値G(D)は、平均化画素D、階調値G(E)は、
平均化画素E、階調値G(F)は、平均化画素F、階調
値G(G)は、平均化画素G、階調値G(H)は、平均
化画素H、階調値G(I)は、平均化画素Iの各階調値
をそれぞれ示す。
【0049】ステップ108の終了後、ステップ110
及びステップ112に進み、起点画素T(0)における
方向D(0)が判定される。方向D(0)は、起点画素
T(0)における次に進むべき方向を示している。具体
的には、図7に示されるように、各方向「1」〜「4」
の番号を付して、当該番号に特定される。
【0050】これを更に詳述すると、ステップ110で
は、方向D(0)が「1」であるか否かが判定される。
本実施例における方向D(0)の判断は、平均値Gh
(0)は、輪郭線(エッジ)を構成する画素の階調値に
比べれば必ず大きいか、必ず小さいはずであるから、各
平均化画素の階調値と平均値Gh(0)との大小を判別
することにより、輪郭線の延びる方向を判別するもので
ある。
【0051】すなわち、階調値G(A)〜G(I)が、
以下の条件のいずれかを満足する場合には、方向D
(0)が「1」と判定される。
【0052】(1) G(D)>Gh(0)、G(E)>
Gh(0)、G(F)>Gh(0)の全ての条件を満足
する場合。
【0053】(2) G(D)<Gh(0)、G(E)<
Gh(0)、G(F)<Gh(0)の全ての条件を満足
する場合。
【0054】ここで、上記条件(1) 又は(2) の何れかを
満足する場合には、当該起点画素T(0)の方向D
(0)が「1」の方向か「3」の方向か区別できない。
そこで、本実施例では、「1」の方向を優先させてい
る。なお、「1」の方向でなく、逆に「3」の方向を優
先させてもよい。
【0055】上記条件(1) 、(2) のいずれをも満足しな
い場合には、ステップ112に進む。
【0056】ステップ112では、方向D(0)が
「4」であるか否かが判定される。すなわち、階調値G
(A)〜G(I)が、以下の条件を満足する場合には、
方向D(0)が「4」と判定される。
【0057】(3) G(B)>Gh(0)、G(E)>
Gh(0)、G(H)>Gh(0)の全ての条件を満足
する場合。
【0058】(4) G(B)<Gh(0)、G(E)<
Gh(0)、G(H)<Gh(0)の全ての条件を満足
する場合。
【0059】ここで、上記条件(3) 又は(4) の何れかの
条件を満足する場合には、当該起点画素T(0)の方向
D(0)が「2」の方向か「4」の方向か区別できな
い。そこで、本実施例では、「4」の方向を優先させて
いる。なお、「4」の方向でなく、逆に「2」の方向を
優先させてもよい。
【0060】上記条件(3) 、(4) のいずれの条件をも満
足しない場合には、方向D(0)が「1」、「2」、
「3」、「4」のいずれでもなく、輪郭線を構成しない
ことになるので、起点画素T(0)が不適切と判断し、
ステップ138にジャンプする。上記の条件(1) 〜(4)
のいずれかを満足する場合には、ステップ114に進
む。
【0061】ステップ114では、画像データ中の特定
パターンTの参照画像データ数Lを「0」とすると共
に、特定パターンTのエッジの方向D(L)(L>0)
を「0」とする。
【0062】ここで、上記参照画像データ数Lは、処理
をする指定画素T(L)が、起点T(0)となる画素、
即ち起点画素T(0)から数えて何番目の画素にあたる
かを示している。当然のことながら、指定画素T(0)
は起点画素T(0)と同一である。
【0063】また、前記方向D(L)は、参照画像デー
タ数L番目の指定画素T(L)における次に進むべき方
向を示している。具体的には、方向D(L)は、図7に
示されるように、各方向に「1」〜「4」の番号を付し
て、当該番号により特定される。
【0064】上記ステップ114の処理の終了後、次の
ステップ116に進む。
【0065】ステップ116では、前記ステップ108
で平均階調値Gh(0)を求めたと同様にして、参照画
像データ数L番目の指定画素T(L)を中心とした図8
に示されるような3×3の計9個の平均化画素A〜Iの
各階調値G(A)〜G(I)の平均値Gh(L)を算出
する。また、指定画素T(L)の座標を(XL,YL)
とする。
【0066】次のステップ118では、指定画素T
(L)が不適切か否かの判断を行なう。これは、結果的
に起点画素T(0)が不適切か否かの判断を行なうこと
である。このステップ118における判断は、以下の2
条件に基づいて行なわれる。
【0067】(1) 2≦XL≦p−1、2≦YL≦q−
1の条件を満足しないか。
【0068】(2) 配列S内のN=1〜Nの範囲内に、
S(N,1)=XLかつS(N,2)=YLとなる箇所
があるか。
【0069】そして、上記条件(1) を満足しない場合
は、画像の端に指定画素があることになる為、指定画素
T(L)が不適切、すなわち起点画素T(0)が不適切
と判断し、ステップ138にジャンプする。また、上記
条件(2) に該当する箇所があれば、指定画素T(L)が
既に配列S内に記録されているので、前述したステップ
102と同様にこれを排除すべく、指定画素T(L)が
不適切、すなわち起点画素T(0)が不適切と判断し、
ステップ138にジャンプする。
【0070】一方、上記条件(1) 、(2) のいずれをも満
足しない場合には、指定画素T(L)が不適切でないの
でステップ120に進んで中央制御部32のメモリ内の
パラメータNに1を加算(N←N+1)すると共に、S
(N,1)=XL、S(N,2)=YLのデータを格納
した後、ステップ122〜128に進み、当該ステップ
122〜128において指定画素T(L)における方向
D(L)を判定する。この方向D(L)の判定も、方向
D(0)の判定と同様に、各平均化画素の階調値と平均
値Gh(L)との大小に基づいて輪郭線の延びる方向を
判別することにより行なわれる。
【0071】まず、ステップ122では、方向D(L)
が「1」であるか否かを判断する。すなわち、各階調値
G(A)〜G(I)が、以下の条件a〜cの計3つの条
件の何れか1つの条件を満足する場合には、方向D
(L)は「1」であると判断する。
【0072】条件a (i) G(D)>Gh(L)、G(E)>Gh(L)、G
(F)>Gh(L)の全ての条件を満足し、かつ1つ前
の指定画素T(L−1)の方向D(L−1)が「1」の
場合。
【0073】(ii) G(D)<Gh(L)、G(E)<
Gh(L)、G(F)<Gh(L)の全ての条件を満足
し、かつ1つ前の指定画素T(L−1)の方向D(L−
1)が「1」の場合。
【0074】すなわち、上記条件aの(i) または(ii)の
いずれかの条件を満足する場合には、1つ前の指定画素
T(L−1)の方向D(L−1)が「1」で、かつ当該
指定画素T(L)の方向D(L)が「1」であり、方向
D(L)が直線的に「1」の方向に延びていることがわ
かる。
【0075】条件b (i) G(E)>Gh(L)、G(F)>Gh(L)、G
(H)>Gh(L)の全ての条件を満足し、かつ1つ前
の指定画素T(L−1)の方向D(L−1)が「4」の
場合。
【0076】(ii) G(E)<Gh(L)、G(F)<
Gh(L)、G(H)<Gh(L)の全ての条件を満足
し、かつ1つ前の指定画素T(L−1)の方向D(L−
1)が「4」の場合。
【0077】すなわち、上記条件bの(i) または(ii)の
いずれかの条件を満足する場合には、1つ前の指定画素
T(L−1)の方向D(L−1)が「4」で、かつ当該
指定画素T(L)の方向D(L)が「1」であり、
「4」から「1」に向かってL字形に屈曲して、「1」
の方向に延びていることがわかる。
【0078】条件c (i) G(B)>Gh(L)、G(E)>Gh(L)、G
(F)>Gh(L)の全ての条件を満足し、かつ1つ前
の指定画素T(L−1)の方向D(L−1)が「2」の
場合。
【0079】(ii) G(B)<Gh(L)、G(E)<
Gh(L)、G(F)<Gh(L)の全ての条件を満足
し、かつ1つ前の指定画素T(L−1)の方向D(L−
1)が「2」の場合。
【0080】すなわち、上記条件cの(i) または(ii)の
いずれかの条件を満足する場合には、1つ前の指定画素
T(L−1)の方向D(L−1)が「2」で、かつ当該
指定画素T(L)の方向D(L)が「1」であり、
「2」から「1」に向かってL字形に屈曲して、「1」
の方向に延びていることがわかる。
【0081】なお、1つ前の指定画素T(L−1)の方
向D(L−1)が「3」の場合について除いたのは、方
向「3」は、方向「1」と逆向きになるので、指定画素
T(L)が逆進することがないためである。条件a〜c
の計3つの条件の何れをも満足しない場合には、ステッ
プ124に進む。
【0082】ステップ124では、方向D(L)が
「2」であるか否かを判断する。すなわち、各階調値G
(A)〜G(I)が、以下の条件d〜fの計3つの条件
の何れか1つの条件を満足する場合には、方向D(L)
が「2」であると判断する。
【0083】条件d (i) G(B)>Gh(L)、G(E)>Gh(L)、G
(H)>Gh(L)の全ての条件を満足し、かつ1つ前
の指定画素T(L−1)の方向D(L−1)が「2」の
場合。
【0084】(ii) G(B)<Gh(L)、G(E)<
Gh(L)、G(H)<Gh(L)の全ての条件を満足
し、かつ1つ前の指定画素T(L−1)の方向D(L−
1)が「2」の場合。
【0085】すなわち、上記条件dの(i) または(ii)の
いずれかの条件を満足する場合には、1つ前の指定画素
T(L−1)の方向D(L−1)が「2」で、かつ当該
指定画素T(L)の方向D(L)が「2」であり、方向
D(L)が直線的に「2」の方向に延びていることがわ
かる。
【0086】条件e (i) G(D)>Gh(L)、G(E)>Gh(L)、G
(H)>Gh(L)の全ての条件を満足し、かつ1つ前
の指定画素T(L−1)の方向D(L−1)が「1」の
場合。
【0087】(ii) G(D)<Gh(L)、G(E)<
Gh(L)、G(H)<Gh(L)の全ての条件を満足
し、かつ1つ前の指定画素T(L−1)の方向D(L−
1)が「1」の場合。
【0088】すなわち、上記条件eの(i) または(ii)の
いずれかの条件を満足する場合には、1つ前の指定画素
T(L−1)の方向D(L−1)が「1」で、かつ当該
指定画素T(L)の方向D(L)が「2」であり、
「1」から「2」に向かってL字形に屈曲して、「2」
の方向に伸びていることがわかる。
【0089】条件f (i) G(E)>Gh(L)、G(F)>Gh(L)、G
(H)>Gh(L)の全ての条件を満足し、かつ1つ前
の指定画素T(L−1)の方向D(L−1)が「3」の
場合。
【0090】(ii) G(E)<Gh(L)、G(F)<
Gh(L)、G(H)<Gh(L)の全ての条件を満足
し、かつ1つ前の指定画素T(L−1)の方向D(L−
1)が「3」の場合。
【0091】すなわち、上記条件fの(i) または(ii)の
いずれかの条件を満足する場合には、1つ前の指定画素
T(L−1)の方向D(L−1)が「3」で、かつ当該
指定画素T(L)の方向D(L)が「2」であり、
「3」から「2」に向かってL字形に屈曲して、「2」
の方向に伸びていることがわかる。
【0092】なお、1つ前の指定画素T(L−1)の方
向D(L−1)が「4」の場合について除いたのは、方
向「4」は、方向「2」と逆向きになるので、指定画素
T(L)が逆進することがないためである。条件d〜f
の計3つの条件の何れをも満足しない場合には、ステッ
プ126に進む。
【0093】ステップ126では、方向D(L)が
「3」であるか否かを判断する。すなわち、各階調値G
(A)〜G(I)が、以下の条件g〜iの計3つの条件
の何れか1つの条件を満足する場合には、方向D(L)
が「3」であると判断する。
【0094】条件g (i) G(D)>Gh(L)、G(E)>Gh(L)、G
(F)>Gh(L)の全ての条件を満足し、かつ1つ前
の指定画素T(L−1)の方向D(L−1)が「3」の
場合。
【0095】(ii) G(D)<Gh(L)、G(E)<
Gh(L)、G(F)<Gh(L)の全ての条件を満足
し、かつ1つ前の指定画素T(L−1)の方向D(L−
1)が「3」の場合。
【0096】すなわち、上記条件gの(i) または(ii)の
いずれかの条件を満足する場合には、1つ前の指定画素
T(L−1)の方向D(L−1)が「3」で、かつ当該
指定画素T(L)の方向D(L)が「3」であり、方向
D(L)が直線的に「3」の方向に延びていることがわ
かる。
【0097】条件h (i) G(B)>Gh(L)、G(D)>Gh(L)、G
(E)>Gh(L)の全ての条件を満足し、かつ1つ前
の指定画素T(L−1)の方向D(L−1)が「2」の
場合。
【0098】(ii) G(B)<Gh(L)、G(D)<
Gh(L)、G(E)<Gh(L)の全ての条件を満足
し、かつ1つ前の指定画素T(L−1)の方向D(L−
1)が「2」の場合。
【0099】すなわち、上記条件hの(i) または(ii)の
いずれかの条件を満足する場合には、1つ前の指定画素
T(L−1)の方向D(L−1)が「2」で、かつ当該
指定画素T(L)の方向D(L)が「3」であり、
「2」から「3」に向かってL字形に屈曲して、「3」
の方向に延びていることがわかる。
【0100】条件i (i) G(D)>Gh(L)、G(E)>Gh(L)、G
(H)>Gh(L)の全ての条件を満足し、かつ1つ前
の指定画素T(L−1)の方向D(L−1)が「4」の
場合。
【0101】(ii) G(D)<Gh(L)、G(E)<
Gh(L)、G(H)<Gh(L)の全ての条件を満足
し、かつ1つ前の指定画素T(L−1)の方向D(L−
1)が「4」の場合。
【0102】すなわち、上記条件iの(i) または(ii)の
いずれかの条件を満足する場合には、1つ前の指定画素
T(L−1)の方向D(L−1)が「4」で、かつ当該
指定画素T(L)の方向D(L)が「3」であり、
「4」から「3」に向かってL字形に屈曲して、「3」
の方向に延びていることがわかる。
【0103】なお、1つ前の指定画素T(L−1)の方
向D(L−1)が「1」の場合について除いたのは、方
向「1」は、方向「3」と逆向きになるので、指定画素
T(L)が逆進することがないためである。条件g〜i
の計3つの条件の何れをも満足しない場合には、ステッ
プ128に進む。
【0104】ステップ128では、方向D(L)が
「4」であるか否かを判断する。すなわち、各階調値G
(A)〜G(I)が、以下の条件j〜lの計3つの条件
の何れか1つの条件を満足する場合には、方向D(L)
が「4」であると判断する。
【0105】条件j (i) G(B)>Gh(L)、G(E)>Gh(L)、G
(H)>Gh(L)の全ての条件を満足し、かつ1つ前
の指定画素T(L−1)の方向D(L−1)が「4」の
場合。
【0106】(ii) G(B)<Gh(L)、G(E)<
Gh(L)、G(H)<Gh(L)の全ての条件を満足
し、かつ1つ前の指定画素T(L−1)の方向D(L−
1)が「4」の場合。
【0107】すなわち、上記条件jの(i) または(ii)の
いずれかの条件を満足する場合には、1つ前の指定画素
T(L−1)の方向D(L−1)が「4」で、かつ当該
指定画素T(L)の方向D(L)が4であり、方向D
(L)が直線的に「4」の方向に延びていることがわか
る。
【0108】条件k (i) G(B)>Gh(L)、G(D)>Gh(L)、G
(E)>Gh(L)の全ての条件を満足し、かつ1つ前
の指定画素T(L−1)の方向D(L−1)が「1」の
場合。
【0109】(ii) G(B)<Gh(L)、G(D)<
Gh(L)、G(E)<Gh(L)の全ての条件を満足
し、かつ1つ前の指定画素T(L−1)の方向D(L−
1)が「1」の場合。
【0110】すなわち、上記条件kの(i) または(ii)の
いずれかの条件を満足する場合には、1つ前の指定画素
T(L−1)の方向D(L−1)が「1」で、かつ当該
指定画素T(L)の方向D(L)が「4」であり、
「1」から「4」に向かってL字形に屈曲して、「4」
の方向に延びていることがわかる。
【0111】条件l (i) G(B)>Gh(L)、G(E)>Gh(L)、G
(F)>Gh(L)の全ての条件を満足し、かつ1つ前
の指定画素T(L−1)の方向D(L−1)が「3」の
場合。
【0112】(ii) G(B)<Gh(L)、G(E)<
Gh(L)、G(F)<Gh(L)の全ての条件を満足
し、かつ1つ前の指定画素T(L−1)の方向D(L−
1)が「3」の場合。
【0113】すなわち、上記条件lの(i) または(ii)の
いずれかの条件を満足する場合には、1つ前の指定画素
T(L−1)の方向D(L−1)が「3」で、かつ当該
指定画素T(L)の方向D(L)が「4」であり、
「3」から「4」に向かってL字形に屈曲して、「4」
の方向に延びていることがわかる。
【0114】なお、1つ前の指定画素T(L−1)の方
向D(L−1)が「2」の場合について除いたのは、方
向「2」は、方向「4」と逆向きになるので、指定画素
T(L)が逆進することがないためである。条件j〜l
の計3つの条件の何れをも満足しない場合には、当該指
定画素T(L)の方向D(L)が「1」、「2」、
「3」、「4」のいずれでもない、すなわち輪郭線がい
ずれの方向にも延びていないことになるので、起点画素
T(0)が不適切と判断し、ステップ138に移行す
る。
【0115】前記ステップ122〜128において、各
条件a〜lのいずれかを満足する場合には、ステップ1
30に進む。
【0116】ステップ130では指定画素T(L)を方
向D(L)に従って平均化画素の1個分、移動する。
【0117】次のステップ132では参照画像データ数
Lの値に「1」を加算(L←L+1)することで、指定
画素T(L)が平均化画素の1個分移動したことを明示
する。
【0118】次のステップ134では、指定画素T
(L)が起点画素T(0)の位置まで戻り、特定パター
ンTのパターンエッジに沿って一巡したか否かを判定す
る。そして、指定画素T(L)が一巡していないため、
このステップ134における判断が否定された場合に
は、ステップ116に戻り、上記処理・判断を繰り返
す。一方、指定画像T(L)が一巡し、このステップ1
34における判断が肯定された場合には、ステップ13
6に進む。
【0119】ステップ136では、参照画像データ数L
と、起点画素T(0)の方向D(0)から順番に、指定
画素T(1)の方向D(1)、指定画素T(2)の方向
D(2)、……起点画素T(0)の手前に位置する指定
画素T(L−1)の方向D(L−1)を記憶する。すな
わち、参照画像データ数Lと、方向D(0)、……D
(L−1)を参照画像データ(参照画像情報)として、
中央制御部32のメモリ内に格納する。
【0120】例えば、図4に示される特定パターンTを
例に挙げると、そのエッジを構成する参照画像データ数
Lは、「20」となる。また、参照画像データの方向
は、「4、1、1、1、2、2、2、1、1、2、2、
3、3、3、4、4、3、3、4、4」となる。このス
テップ136の処理の後、本ルーチンの一連の処理を終
了する。
【0121】上記ステップ102、104、112、1
18、128の結果、起点画素T(0)又は指定画素T
(L)が不適切である場合は、ステップ138に進む
が、このステップ138では、起点画素T(0)をパラ
メータNextに示された方向に従って平均化画素の1
個分、移動した後、ステップ140に進む。
【0122】このステップ140では、以下の1.〜
4.の演算を行なってパラメータC、V、Nextを設
定する。すなわち、 1.Next=1の場合 V=1の場合:Next=2とする V=Cとする V≠1の場合:Next=1とする V=V−1とする 2.Next=2の場合 V=1の場合:Next=3とする C=C+1とする V=Cとする V≠1の場合:Next=2とする V=V−1とする 3.Next=3の場合 V=1の場合:Next=4とする V=Cとする V≠1の場合:Next=3とする V=V−1とする 4.Next=4の場合 V=1の場合:Next=1とする C=C+1とする V=Cとする V≠1の場合:Next=2とする V=V−1とする
【0123】このステップ140におけるC,V,Ne
xtの設定が、繰り返し行なわれると、起点画素T
(O)は、図9に示されるように、点([p/2],
[q/2])を始点として渦巻きの方向に移動するよう
になる。即ち、Nextは、(「1」、「2」、
「3」、「3」、「4」、「4」、「1」、「1」、
「1」、「2」、「2」、「2」、………)の順に設定
される。このような順序でNextの方向を設定するた
めにパラメータC,Vが用いられている。すなわち、こ
れらのパラメータC,Vは、簡単に言うと、何画素分同
一方向に起点画素T(O)を進めるかを規定するパラメ
ータである。
【0124】このようにして、パラメータC、V、Ne
xtを設定後、ステップ101に戻り、以後上記処理・
判断を繰り返す。
【0125】以上のように、本ルーチンでは、ステップ
101〜140の処理・判断が繰り返し行なわれること
により、ステップ104において、参照画像データ作成
不能とならない限りは、最終的に参照画像データ(テン
プレート)が作成され、作成された参照画像データがス
テップ136で中央制御部32のメモリ内に格納された
後、本ルーチンの一連の処理が終了する。なお、データ
作成不能となった場合は、強制終了される。
【0126】上記工程Bの終了後、図3に示されるよう
に、次の工程Cに進む。
【0127】《工程C》この工程Cは、予め入力されて
いる座標P2(X2,Y2)にステージ14を移動する
工程である。これは、図示しないレーザ干渉計等のステ
ージ位置計測手段の出力をモニタしつつ、制御回路16
によって図示しない駆動系が制御されることにより行な
われる。ここで、工程Aと工程Bのステージの移動位置
P1とP2の関係について、簡単に説明すれば、アライ
メント終了時はP1位置とP2位置で得られる画像は同
一画像となるはずの点の座標が、座標P1、P2として
予め入力されている。ウエハWでは、例えば、P1とP
2はウエハW内に形成されたチップの長さの整数倍離れ
た位置関係にある。
【0128】上記工程Cの終了後、図3に示されるよう
に、次の工程Dに進む。
【0129】《工程D》この工程Dは、前記工程Bで参
照画像データが作成された参照画像が座標位置P2にス
テージ14が移動したときに撮像された入力画像中のど
こにあるかを判定する工程である。
【0130】すなわち、この工程Dは、図11に例示さ
れる入力画像中の各画素を始点とし、該始点となる画素
から順番に前記工程Bで登録した方向に隣接する画素が
パターンエッジを構成するか否かを判定すると共に、パ
ターンエッジを構成すると判定された画素の個数をカウ
ントした後、カウントされた画素の個数が最大となる始
点の位置に基づいて、前記入力画素に含まれる複数のパ
ターンの中から、前記特定パターンTを検出する工程で
ある。この工程Dにおいては、最終的に参照画像の起点
画素T(0)に相当する入力画像中の特定の画素(始点
画素)の座標(Xs,Ys)が求められる。
【0131】ここで、この工程Dについて、CPUの制
御アルゴリズムを示す図10のフローチャートに沿って
説明する。この制御アルゴリズムがスタートするのは、
次の事前準備が完了したときである。
【0132】すなわち、図11に例示される入力画像が
撮像素子50で撮像され、その入力画像データがA/D
コンバータ52を介して画像処理装置30に送出され、
その画像メモリ部34内に格納される。そして、この格
納された入力画像データが、画像処理装置30内部の画
像演算処理部36で、参照画像データと同様に、圧縮平
均化される。ここでも、先に参照画像データの箇所で説
明したのと同様に、図11に示されるように、入力画像
データがp×q画素で構成される領域に分割され、該p
×q画素で構成される領域のデータの平均値で代表する
等の演算処理により、入力画像データの圧縮平均化が行
われる。これにより、事前準備が完了する。
【0133】まず、ステップ200で入力画像データ中
の1つの平均化画素を始点(Xi,Yj)として特定す
る。
【0134】ここで、始点(Xi,Yj)とは、一度も
始点とされていない、平均化画素のメモリ上での座標を
示す。なお、始点(Xi,Yj)の特定は、入力画像デ
ータ中の平均化画素の全てについて行われる。但し、処
理範囲が入力画像データの範囲を越えてしまう場合に
は、始点(Xi,Yj)の特定対象から除かれる。例え
ば、図11に例示される入力画像でいえば、p×q画素
で構成される領域中の(p=1,q=1)の座標で表せ
る平均化画素を起点とした場合には、参照画像データの
方向、例えば「4」の方向に移動した際に、入力画像デ
ータの範囲を越えてしまうことが明らかであるので、こ
のような平均化画素は予め始点の特定対象から除かれて
いる。
【0135】次のステップ202では初期化が行われ
る。具体的には、参照画像データの番地nを「1」とす
るとともに、相関値S(i,j)を「0」とする。
【0136】ここで、参照画像データの番地nには、方
向が記憶されている。すなわち、図4に示される特定パ
ターンTを例に挙げると、その参照画像データの番地n
の1番目には、方向「4」が記憶されている。また、相
関値S(i,j)とは、後述する明暗判定により明暗有
りと判定された画素数の累積値である。
【0137】上記ステップ202の初期化の終了後、ス
テップ204に進む。
【0138】ステップ204では、始点(Xi,Yj)
とした入力画像データの平均化画素についての明暗の有
無を判定する。
【0139】ここで、この始点画素の明暗判定について
説明する。
【0140】まず、図12に示されるように、中心とな
る平均化画素からそれぞれ前後n個離れた位置の、中心
となる平均化画素を除いた計2n個の平均化画素の階調
をそれぞれ求める。ここで、中心となる平均化画素の前
後とは、参照画像のエッジの方向に基づいて決定され、
該方向に直交する方向を指している。具体的には、図1
4に示されるように、中心となる平均化画素に対応する
参照画像のエッジの方向が縦方向、すなわち上下方向に
延びている場合には、その横方向、すなわち左右方向に
位置する。これに対し、中心となる平均化画素に対応す
る参照画像のエッジの方向が横方向、すなわち左右方向
に延びている場合には、その縦方向、すなわち上下方向
に位置する。
【0141】前記n個とは、図12の例では、n=4に
設定されている。このため、中心となる平均化画素から
前後4個分、離れた計8個の平均化画素の階調がそれぞ
れ求められる。ここでは、階調は、8ビットデータで表
され、計256階調となる。
【0142】次に、求めた計2n個の平均化画素の階調
データのうちから、最大値と最小値とを抽出し、抽出し
た最大値と最小値との差R0 、すなわち階調差を求め
る。
【0143】そして、求めた差R0 が基準値Thの最低
値Thmin 以上であるか否かを判断することにより、始
点画素の明暗の有無を判断するのである。最低値Th m
inは、例えば本実施例の8ビットの256階調では、そ
の1割程度の20程度に設定されている。
【0144】そして、始点(Xi,Yj)における差R
0 が、基準値Thの最低値Thmin以上のときは、明暗
有りと判断してステップ206に進み、現在の相関値S
(i,j)に「1」を加算(S(i,j)←S(i,
j)+1)した後、ステップ208に進む。一方、差R
0 が基準値Thの最低値Thmin 未満の場合には、当該
始点(Xi,Yj)に基づく以後の明暗の有無の判定処
理を断念し、ステップ222に移行する。すなわち、差
R0 が基準値Thの最低値Thmin 未満の場合には、当
該始点(Xi,Yj)の位置の平均化画素には、参照画
像データの特定パターンTの起点画素T(0)と比較す
べき、パターンエッジが存在しないことが明らかなた
め、当該始点(Xi,Yj)に基づく以後の明暗の有無
の判定処理を断念することとしたものである。
【0145】ステップ208では基準値Thを決定す
る。ここでは、始点(Xi,Yj)における差R0 と最
低値Thmin との大きい方を基準値Thと決定する。す
なわち、基準値Thは、次の関係式で表される。
【0146】
【数3】Th=max(R0,Thmin)
【0147】なお、始点(Xi,Yj)における差R0
は、先のステップ204の判断により最低値Thmin 以
上であることが明らかなので、始点(Xi,Yj)にお
ける差R0 の値をそのまま基準値Thと考えても差し支
えない。
【0148】上記ステップ208の基準値Thの決定の
後、ステップ210に進み、明暗の判定の中心となる平
均化画素を、参照画像データのn番地に記憶された方向
に従って、平均化画素1個分だけ移動する。例えば、図
4に示される特定パターンTを例に挙げると、その参照
画像データの1番目には、方向「4」が記憶されてい
る。このため、始点(Xi,Yj)に位置する平均化画
素を、図11において上方に1個分だけ移動する。
【0149】次のステップ212では参照画像データの
現在の番地nに「1」を加算(n←n+1)した後、ス
テップ214に進んで参照画像データの現在の番地nが
参照画像データ数の総数Lに一致したか否かを判断す
る。すなわち、一周分の明暗の有無の判定処理が終了し
たか否かを判断するのである。
【0150】そして、参照画像データの番地nが参照画
像データ数の総数Lを越えた場合、すなわち当該始点
(Xi,Yj)に基づく一周分の明暗の有無の判定処理
が終了した場合には、ステップ222に移行する。一
方、参照画像データの番地nが参照画像データ数の総数
Lを越えていない場合には、一周分の明暗の有無の判定
処理が終了していないので、次のステップ216に進
む。
【0151】ステップ216では、先のステップ210
で移動した平均化画素の明暗の有無を判断する。このス
テップ216における平均化画素の明暗の有無の判断
は、前述した始点画素の明暗判断のときと同様に、当該
平均化画素を中心とする計2n個の平均化画素の階調デ
ータのうちの最大値と最小値を抽出し、この最大値と最
小値との差Rを求め、この差(階調差)Rと上記ステッ
プ208で特定された基準値Thとを比較して、明暗の
有無を判断する。
【0152】そして、明暗有りの場合には、次のステッ
プ218に進み、現在の相関値S(i,j)に「1」を
加算(S(i,j)←S(i,j)+1)した後、ステ
ップ220に進むが、明暗無しの場合には、ステップ2
18をスキップしてステップ220に移行する。
【0153】ステップ220では、現在の相関値S
(i,j )と予め設定された最低値Smin との比較に
基づいて明暗の有無の判定処理を継続するか否かを判断
する。
【0154】ここで、Smin は、参照画像の特定パータ
ンの大きさに関係なく、入力画像のパターンマッチング
度が判定できるように、明暗有りと判定される平均化画
素の割合で設定され、例えば0.7〜0.8以上の値が
設定されている。
【0155】そして、このステップ220における現在
の相関値S(i,j )と予め設定された最低値Smin
との比較は、次式に基づいてなされる。
【0156】
【数4】n−S(i,j)<L(1−Smin)
【0157】上式の左辺により、現在の明暗無しと判定
された平均化画素数が求められる。例えばN=2で、現
在の相関値S(i,j)が「1」であれば、左辺の値
は、「1」となり、現在の明暗無しと判定された平均化
画素数は、1個となる。したがって、左辺の値は、平均
化画素が移動する度に変化する可能性がある。
【0158】また、上式の右辺により、最低値Smin に
基づいた最終的に明暗無しと判定される平均化画素数が
求められる。例えば、Smin =0.8と設定し、図4に
例示する参照画像データの特定パターンTを例に挙げる
と、L=20であるので、右辺の値は、「4」となり、
明暗無しと判定される平均化画素数が4個となる。
【0159】そして、上式を満足しない場合には、相関
が低いと判断し、当該始点(Xi,Yj)に基づく以後
の明暗の有無の判定処理を中止してステップ222に移
行する。一方、上式を満足する場合には、相関が低くな
いと判断し、ステップ210に戻り、上記処理・判断を
繰り返すことにより、当該始点(Xi,Yj)に基づく
以後の明暗の有無の判定処理を継続する。
【0160】前述した如く、ステップ204で始点(X
i,Yj)における明暗が無い場合、ステップ214で
一周分の明暗の有無の判定処理が終了している場合、ス
テップ220で相関が低いと判断された場合には、各々
ステ ップ222に進むが、このステップ222では、
現在の始点数Mから「1 」を減算(M←M−1)す
る。
【0161】ここで、始点数Mは、入力画像データ中の
始点(Xi,Yj)として特定できる平均化画素の総数
であり、予め設定されている。すなわち、始点(Xi,
Yj)の特定は先に説明したように、入力画像データ中
の平均化画素の全てについて行われる。このため、図1
1に例示される入力画像で言えば、p×q画素で構成さ
れているため、始点数Mは、p×q個になる。しかし、
処理範囲が入力画像データの範囲を越える場合には、予
め始点(Xi,Yj)から除かれるため、これらの除か
れた始点数を引いた数が、始点数Mとなる。
【0162】上記ステップ222の処理の後、ステップ
224に進んで現在の始点数M=0であるか否かを判断
することにより、入力画像データ中の始点(Xi,Y
j)とすべき全ての平均化画素について明暗の判定処理
が終了した否かを判断する。
【0163】そして、現在の始点数Mが「0」になった
場合には、入力画像データ中の始点(Xi,Yj)とす
べき全ての平均化画素について明暗の判定処理が終了し
たものと判断し、ステップ228に進む。一方、現在の
始点数Mが「0」になっていない場合には、ステップ2
26に進んで一度も始点(Xi,Yj)とされていな
い、残る平均化画素に始点を移動し、その後、ステップ
200に戻り、当該新たな始点(Xi,Yj)について
上記手順に従って明暗の有無の判定処理を行う。
【0164】上記ステップ200〜ステップ226の処
理・判断の繰り返しにより、入力画像データ中の始点
(Xi,Yj)とすべき全ての平均化画素について明暗
の判定処理が終了すると、ステップ224の判断が肯定
されてステップ228に進むが、この段階では、各始点
(Xi,Yj)毎の相関値S(i,j)がメモリに記憶
されている。そこで、このステップ228では、メモリ
に記憶された各始点(Xi,Yj)毎の相関値S(i,
j)同士を比較し、その最大値を求める。その結果、最
大値を得た当該始点(Xs,Ys)を、参照画像データ
の特定パターンTの起点画像T(0)に一 致したもの
と判断する。その後、本ルーチンの一連の処理を終了す
る。
【0165】なお、上記ステップ204、216におけ
る始点として特定された平均化画素、移動後の平均化画
素の明暗の有無判断は、次のようにして行なっても良
い。
【0166】すなわち、まず、先に説明したと同様の手
順で、図13に示されるように、計2n個の平均化画素
の階調データa〜jをそれぞれ求め、求めた階調データ
a〜jを、下記の式に従って平滑化微分を行なう。
【0167】
【数5】 A=|(c−e)+2(b−f)+3(a−g)| B=|(d−f)+2(c−g)+3(b−h)| C=|(e−g)+2(d−h)+3(c−i)| D=|(f−h)+2(e−i)+3(d−j)|
【0168】次に、求めた平滑化微分データA〜Dのう
ちから、最大値と最小値とを抽出し、抽出した最大値と
最小値との差Rを求める。
【0169】そして、求めた差Rと予め設定された基準
値Thとを比較して、先に説明した方法と同様に、明暗
有り・無しを決定する。この場合は、上記ステップ20
8において、始点(Xi,Yj)を中心として求められ
た平滑化微分データの最大値と最小値との差R0 とTh
min との大きい方が上記基準値Thとして特定されるこ
とになる。
【0170】上述したような工程Dの終了後、次の工程
Eに進む。
【0171】《工程E》この工程Eは、ウエハWのアラ
イメントを行なう際にステージ14のθ方向(回転方
向)の位置ずれ(ローテションの誤差)を求める工程で
ある。回転角度θは、既知のデータDx、Dy、X1、
Y1、X2、Y2、Xt、Yt、Xs、Ysより容易に
求めることが出来る。
【0172】すなわち、θ1をアライメント終了時のP
1とP2のX座標(Y=0の直線)に対する角度、θ2
をアライメント前のP1とP2のX座標に対する角度と
すると、次式が成立する。
【0173】
【数6】
【0174】従って、上式によりθ1、θ2を求め、両
者の差により、ウエハW(試料)の回転方向の位置ずれ
を求めることができ、これに基づいて当該位置ずれ量が
零となるようにステージ14が制御回路16により図示
しない駆動系を介して駆動されることにより、いわゆる
ローテーションが補正され、アライメント処理は全て終
了する。なお、ローテーションの補正量は、ステージ1
4の回転軸の位置により異なる。
【0175】以上詳細に説明したように、本実施例によ
ると、撮像された画像の中から特定図形の輪郭線を用い
た参照画像データ(テンプレート)を自動作成してお
り、予め参照画像データの作成を行ない、装置内に記憶
させておく必要がない。また、輪郭線を用いてパターン
・マッチングを行なっており、濃淡情報は用いていない
ことから、線画による輪郭のみからなる画像等の濃淡と
しての情報が少ない場合や、パターンの濃度分布自体が
部分的に変化する場合であっても、従来の正規化相互相
関演算によるパターンマッチングの手法にように誤認識
する恐れが少なく、しかも参照画像が示す輪郭線(エッ
ジ)の方向に沿って入力画像の輪郭線の有無を判定する
ことから、従来の正規化相互相関演算のような複雑な演
算が不要となり、演算処理を簡素化でき、迅速なパター
ン認識を行うことができ、これにより高速で確実なアラ
イメントを行なうことが出来る。
【0176】また、上記実施例によると、演算処理の途
中で相関が低いと判断された場合は、演算処理を中止
し、別の平均化画素を起点とする演算処理に移ることに
より、無駄な演算処理時間を省くことができる。これに
加え、隣接する複数の画素のそれぞれ求めた複数の階調
値の最大値と最小値に基づいて、パターンエッジの判定
を行っているので、入力画像の明るさやコントラストに
よる影響をも除去することができる。
【0177】さらに、平均化画素の濃淡の有無の判別に
際し、前述した如く、隣接する複数の画素のそれぞれ求
めた各階調値に基づいて平滑化微分をそれぞれ行う場合
には、入力画像の明るさやコントラストによる影響を確
実に除去することができるばかりでなく、エッジがぼや
けている場合にも、当該エッジの有無を確実に判定する
ことができる。
【0178】なお、上記実施例中の説明では、ウエハW
(試料)の回転方向の位置ずれを検出する場合について
説明したが、Dx、Dy、Xt、Yt、Xs、Ysによ
り、XY2次元方向の位置ずれを検出することができる
ことはいうまでもない。
【0179】また、上記実施例では、参照画像データ、
入力画像データともに圧縮平均化する場合を例示した
が、これは演算時間の短縮化等のためにこのようにして
ものであって、本発明方法の本質的な要件ではない。
【0180】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、参照画像情報を予め作成する必要がない
と共に、濃淡としての情報が少ない場合や、パターンの
濃度分布自体が部分的に変化する場合であってもこれに
影響されてパターンの誤認識を生ずるおそれが殆どない
という従来にない優れた効果がある。
【0181】特に、請求項2に記載の発明によれば、上
記効果に加え、従来のような複雑な相互相関演算処理が
不要となり、演算処理を簡素化でき、これにより迅速な
パターン認識が可能となる。
【0182】また、請求項3に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明の効果に加え、試料毎に予め参照画
像情報を作成することなく、画像処理(パターンマッチ
ング)により試料の位置ずれを正確に検出することがで
きるという効果がある。
【0183】更に、請求項4に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明の効果に加え、参照画像情報を試料
毎に予め作成することなく、画像処理(パターンマッチ
ング)により、試料の回転方向の位置ずれ(ローテーシ
ョン誤差)を正確に検出することができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像処理方法及び位置ずれ検出
方法を実施するための位置ずれ検出装置の概略構成を示
す図である。
【図2】 図1の画像処理装置ブロックの具体的構成を
示すブロック図である。
【図3】 本発明に係る位置ずれ検出方法の処理の流れ
を示す図である。
【図4】参照画像の一例を示す説明図である。
【図5】 図3の工程Bの具体的内容を説明するための
図であって、CPUの制御アルゴリズムを示すフローチ
ャートの一部を示す図である。
【図6】図5のフローチャートの残りの一部を示す図で
ある。
【図7】図4の参照画像の輪郭線(エッジ)の方向を示
す説明図である。
【図8】参照画像のエッジの方向の判別方法を説明する
ための図であって、3×3の合計9個の平均化画素を拡
大して示す図である。
【図9】図6のステップ140で設定されるパラメータ
C、Vと、パラメータNextとの関係を説明するため
の図であって、パラメータNextの設定に応じて起点
画素T(0)が移動する軌跡を示す図である。
【図10】図3の工程Dの具体的内容を説明するための
図であって、CPUの制御アルゴリズムを示すフローチ
ャートである。
【図11】入力画像の一例を示す説明図である。
【図12】入力画像を構成する平均化画素の明暗の有無
を判定する方法を説明するための図である。
【図13】入力画像を構成する平均化画素の明暗の有無
を判定するその他の方法を説明するための図である。
【図14】上記の入力画像を構成する平均化画素の明暗
判定における平均化画素の前後の意義を説明するための
図である。
【符号の説明】
14 ステージ 30 画像処理装置 32 中央制御部 34 画像メモリ部 36 画像演算処理部 50 撮像素子(撮像手段) W ウエハ(試料)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料の所定領域を撮像手段により撮像す
    る第1工程と;前記第1工程で得られた画像の中から特
    定図形の輪郭線を用いた参照画像情報を作成し、その参
    照画像情報をメモリに記憶する第2工程と;前記試料の
    別の領域を撮像手段により撮像する第3工程と;前記参
    照画像情報を用いて前記第3工程で得られた入力画像の
    中から前記参照画像と最も類似度の高い図形を検出する
    第4工程とを含む画像処理方法。
  2. 【請求項2】 前記第2工程で作成され、メモリに記憶
    される前記参照画像情報は、前記特定図形の輪郭を構成
    する画素数と、前記輪郭を構成する複数の画素のうちの
    一つを起点とした各画素に含まれる輪郭線の方向の情報
    であり、 前記第4工程において、前記入力画像中の各画素を起点
    とし、当該起点画素から順番に前記第2工程でメモリに
    記憶した方向に隣接する画素中にその方向の輪郭線が存
    在するか否かを判定すると共に、その方向に輪郭線が存
    在すると判定された画素数をカウントし、カウントされ
    た画素数が最大となる点を起点とする画像を最も類似度
    の高い図形として検出することを特徴とする請求項1に
    記載の画像処理方法。
  3. 【請求項3】 試料が載置されたステージを予め定めら
    れた第1位置まで移動し、この第1位置で所定位置に配
    置された撮像手段により前記試料の所定範囲の領域を撮
    像する第1工程と;前記第1工程で得られた画像の中か
    ら特定図形の輪郭線を用いた参照画像情報を作成し、そ
    の参照画像情報をメモリに記憶する第2工程と;前記ス
    テージを予め定められた第2位置まで移動し、この第2
    位置で前記撮像手段により前記試料の別の領域を撮像す
    る第3工程と;前記参照画像情報を用いて前記第3工程
    で得られた入力画像の中から前記参照画像と最も類似度
    の高い図形を検出すると共に撮像画面内での前記両画像
    の位置関係を検出し、この位置関係から試料の位置ずれ
    を検出する第4工程を含む位置ずれ検出方法。
  4. 【請求項4】 試料が載置されたステージを予め定めら
    れた第1位置まで移動し、この第1位置で所定位置に配
    置された撮像手段により前記試料の所定範囲の領域を撮
    像する第1工程と;前記第1工程で得られた画像の中か
    ら特定図形の輪郭線を用いた参照画像情報を作成し、そ
    の参照画像情報と前記特定の図形の特定の点の撮像画面
    内での位置座標をメモリに記憶する第2工程と;前記ス
    テージを予め定められた第2位置まで移動し、この第2
    位置で前記撮像手段により前記試料の別の領域を撮像す
    る第3工程と;前記参照画像情報を用いて前記第3工程
    で得られた入力画像の中から前記参照画像と最も類似度
    の高い図形を検出すると共にこの検出した図形の前記特
    定の点に対応する点の撮像画面内での位置座標をメモリ
    に記憶する第4工程と;前記第1位置と前記第2位置の
    座標と、前記第2工程でメモリに記憶された前記特定の
    点の撮像画面内での位置座標と、前記第4工程でメモリ
    に記憶された前記特定の点に対応する点の撮像画面内で
    の位置座標とに基づいて前記試料の回転方向の位置ずれ
    を検出する第5工程とを含む位置ずれ検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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