JPH0978326A - かつら - Google Patents

かつら

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JPH0978326A
JPH0978326A JP23410195A JP23410195A JPH0978326A JP H0978326 A JPH0978326 A JP H0978326A JP 23410195 A JP23410195 A JP 23410195A JP 23410195 A JP23410195 A JP 23410195A JP H0978326 A JPH0978326 A JP H0978326A
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Yoshihiko Isobedate
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耳上部のくり部を深く抉って形成することが
でき、装着時にこのくり部が伸びることがなく、且つ、
装着者の耳に当たることがないようにした快適な装着感
を有するかつらを提供する。 【解決手段】 装着時に耳上部に嵌め込まれるように湾
曲形成したくり部11を有するかつらベース10に、多
数の毛髪を植設して構成する。かつらベース10は、頭
部の前額髪際中央部と盆の窪を通るように被着される。
少なくとも耳上部におけるくり部11のエッジラインに
対応する領域L3 に、前額髪際中央部及び盆の窪間の仮
想延長線L1 に沿って又はこれに平行に直線状の非伸縮
性伸止め片14を付設する。仮想延長線L1 とくり部1
1のエッジラインとが、耳上部にて接するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレディメイド或いは
オーダーメイドのかつらに係り、特にこの種のかつらに
用いるかつらベースの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のかつらにおいては、着用時のフ
ィット感が得られるように、着用者の頭部の大きさに合
った周縁を有する帽状のかつらベースを用いており、さ
らに着用者の頭部に一層精度良く整合させるため、場合
によりかつら内面にアジャスターを取り付け、このアジ
ャスターによりサイズを微調節できるようにしている。
このように、かつらを着用した際、着用者の正常で自然
な頭髪の生え際、即ちヘアラインに沿ってかつらベース
の周縁(エッジライン)を整合させることは、フィット
感を良くするうえで極めて重要なことである。
【0003】ここで、図5は従来のかつらベースの構成
例を示している。このかつらベース1は一般的な頭形状
に合うように全体が帽状に膨出しており、主として合成
繊維製のネット部材を用いて、着用者の正常な自然なヘ
アラインにほぼ沿ったエッジラインを呈するよう形成さ
れる。すなわち、かつらベース1のエッジラインは、図
5を参照すると、着用者の前額部からサイドのこめかみ
を経てもみあげまで下降し、もみあげから直線状に上が
って耳上部・耳後部を通り、うなじにかけて再びほぼ直
角に下降し、首後ろの盆の窪の下方を経るように形成さ
れている。
【0004】このような従来型のかつらベース1にあっ
ては、サイドプロテクタ1aにおけるこめかみ部近傍か
ら、エッジラインに沿って、後頭部の所謂、盆の窪の下
側のえり首付近に位置するネープ部1bにかけて、伸縮
性を有するテープ2がそれぞれ左右両側に配置されてい
る。この伸縮性のテープ2は、サイドプロテクタ1a側
の端部2aとネープ部1b側の端部2bにてそれぞれか
つらベース1の周縁に固定される。また、サイドプロテ
クタ1aには、型保持部材として金属線材などの耳芯3
が介挿され、サイドプロテクタ1aの浮き上がりが生じ
ないようにしている。
【0005】このようにしてサイドプロテクタ1aから
ネープ部1bにかけてのかつらベース1のエッジライン
に沿って、伸縮性テープ2による弾力性を付与し、着用
者の頭部の大きさの大小に対応し得るようにしている。
かつらを装着する場合、着用者の前額部の生え際に添わ
せて帽状部分を被り、後頭部のネープ部1bまで引っ張
って装着する。このとき、かつらはそのエッジラインに
沿って、伸縮性テープ2により伸張状態で頭部を若干締
め付けながら前額部と後頭部の特に盆の窪とで引っ掛け
るようにして装着されることになる。なお、実公平5−
32491号公報に開示されているように、伸縮性テー
プ2に代えて、又は伸縮性テープ2に加えて、うなじ付
近に多段階にサイズ調節可能なフック手段を用いた締付
調整機構を用いることもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示したかつらベース1において、特にサイドプロテクタ
1aと伸縮性テープ2との連接部分(端部2a)は角張
っており(図示例ではほぼ直角)、かつらを着用した
際、端部2a付近が耳上部の付け根や耳後部に当たった
り耳に覆いかぶさったりすることがある。このように角
張った部分が当たったり被さったりすると、耳上部,耳
後部まわりを圧迫したり、或いはかつらの浮きが生じた
りして良好なフィット感を得ることができない。
【0007】一方、耳のかたちに整合するように、耳上
部乃至耳後部に対応する部分を湾曲(R)状に切除して
所謂「くり部」を設け、端部2a付近が耳に接触したり
被さったりしないように工夫されたものも知られてい
る。このようなくり部を設けることにより、かつらのサ
イドからネープ部にかけてのエッジラインを自然な毛髪
生え際形状に沿った形状にすることができる。
【0008】ところが、このような従来のくり部を有す
るかつらベースにおいて、柔らかい合成繊維等の素材に
より形成したネット状のかつらベースにあっては、かつ
らを装着すると、例えば前述のテープ2もしくはこれと
同等な部材の弾力により主として頭部の前後方向に引っ
張られるため、くり部の湾曲形状も一緒に伸びてしまっ
て、そのままではくり部の湾曲状態を所定の形状のまま
に保持することが困難であった。その結果、このタイプ
のものでも、図5のかつらと同様に、延びて直線状にな
ったくり部が耳上部の付け根や耳後部に当たったり、サ
イドプロテクタ1aの浮き上がりが生じたりするのを防
止することができなかった。
【0009】そこで、着用時に頭髪の生え際に沿ってく
り部の形状を保持すると共に、頭皮からの浮き上がりが
ない密着感を得るために、くり部の湾曲形状に沿って厚
肉の金属線やプラスチック材等の剛性部材又は弾性部材
を挿入添設したり、或いはくり部を樹脂材で硬化するこ
とにより、くり部の伸びや変形を抑えるようにしてい
る。しかし、このように剛性部材等によってくり部を補
強すると、くり部が強張って嵩高になってしまい、柔ら
かな感触が得難く、フィット感を損なう等の問題があ
る。また、その部材の種類によっては、装着時にやは
り、くり部の伸びや変形が生じて、その結果、金属線な
どの耳芯3を介挿してもサイドプロテクタ1aが浮き上
がったり、逆に耳上部に圧接したりする場合もある。
【0010】本発明は上記の点に鑑み、適正且つ的確に
装着し得ると共に、快適な装着感を与えるかつらベース
により形成したかつらを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のかつら
は、着用者の耳上部に嵌め込まれるようにほぼ自然な毛
髪生え際形状に沿って湾曲形成されたくり部をサイド部
に有するかつらベースに、多数の毛髪を植設して成り、
前記かつらベースの少なくとも耳上部における前記くり
部のエッジラインに対応する領域に、着用者頭部の前額
髪際中央部及び盆の窪間の仮想延長線にほぼ沿うような
ラインにて又はこれとほぼ平行したラインにて非伸縮性
伸止め片を付設したものである。
【0012】請求項2に記載のかつらは、前記伸止め片
を布テープで直線状に形成し、これをかつらベースに縫
着したものである。請求項3に記載のかつらは、前記布
テープをかつらベースの表裏両面から添設して該かつら
ベースに縫着している。
【0013】請求項4に記載のかつらは、前記前額髪際
中央部及び盆の窪間の仮想延長線と前記くり部のエッジ
ラインとが、耳上部にて接するようにしたものである。
また、請求項5に記載のかつらは、前記くり部の前側に
連設されたサイドプロテクタの所定部位に耳芯を設ける
と共に、前記伸止め片の一端を前記耳芯と交差するよう
に設定するものである。
【0014】請求項6に記載のかつらは、前記くり部の
後端からネープ部にかけての領域のエッジライン適所
に、前記前額髪際中央部及び盆の窪間の仮想延長線とほ
ぼ平行して弾性部材を設けたものである。また、請求項
7に記載のかつらは、前記かつらベースが、合成繊維製
の柔軟なネットを主体として構成されるものである。
【0015】本発明のかつらにおいて、かつらベースに
耳上部の毛髪生え際に対応するくり部を形成することに
より、着用時にかつらの周縁が耳にあたらないようにす
る。この場合、かつらを装着するとくり部は弾性部材に
よって引っ張られることになるが、伸止め片はくり部自
体が伸びるのを抑制し、これによりくり部の所定の湾曲
形状を保持することができる。その結果、かつらベース
全体として頭部にぴったりと装着しえ、しかもくり部が
耳の付け根に当接して擦ったり、或いはクリブやサイド
プロテクタなどの浮き上がりも生じるようなことがな
く、頭皮に密着した状態で生え際に沿ってかつらのエッ
ジラインを維持することができ、良好なフィット感が得
られる。また、本発明によれば、くり部自体を厚くした
り、樹脂で硬化するなどで補強する必要もないので、違
和感のない装着感が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図4に基づき、本
発明によるかつらの好適な実施形態を説明する。かつら
ベース10はこの例では基本的に、頭髪の一般的な自然
なヘアライン、即ち前額部から左右両サイドのこめかみ
を経てもみあげまで下降し、もみあげから耳後部を通っ
て、うなじにかけて再び下降し、首後ろの盆の窪の下方
を経る毛髪の生え際状態にほぼ一致するような形状に形
成されている。このように人の頭髪全体を覆うように形
成されたほぼ帽状(キャップ)のかつらを所謂、全かつ
らと称している。勿論、例えば前額部のエッジラインを
後退させた形状としたり、或いはネープ部やサイドプロ
テクタを省略或いは変形した形状としたりすることは着
用者の希望或いはヘアデザインにより任意であり、全か
つらとはこのような変形タイプのものも含まれる。さら
に、部分かつらであっても、サイド部に少なくともくり
部を有するタイプのかつらであれば、本発明の適用範囲
内である。なお、本発明はオーダーメイド或いはレディ
メイド何れのタイプにも適用可能である。
【0017】かつらベース10は好適には、合成樹脂製
の単繊維素材により形成された柔軟なネットベースを主
体として或いは部分的に軟質合成樹脂製の人工皮膚を配
設して構成され、図示を省略するが、人工及び/又は天
然毛髪が植毛されるようになっている。
【0018】かつらベース10のエッジラインは、上述
したように典型的には毛髪の生え際とほぼ整合するよう
に形成され、図1に示すように、かつらを着用した際、
前額部からもみあげ部(サイドプロテクタ10a)を経
て耳上部に至り、更に耳後部からネープ部10bに至る
周縁を有するように形成される。
【0019】ここで、かつらを頭部にどのように装着し
たら好適なフィットを得られるかについて、本発明者は
種々に検討を行った。その結果、かつらを頭部に装着し
たとき、着用者の前額髪際中央部P1 及び盆の窪P2
を結ぶ仮想線(これを仮想延長線L1 と称する。)にほ
ぼ沿ったかつらの前後方向に最も大きな張力が生じるこ
とが計測され、この仮想延長線L1 に沿った頭部の前後
方向の張力によってかつらベース10は頭部の所定部位
に安定して被着・保持されることを見出した。なお、こ
の張力は、かつらベース10自体の弾力性により、或い
は後述する弾性部材の弾力により発生させることができ
る。
【0020】そこで、後頭部の盆の窪P2 が後頭部の膨
出した凸部分の下端と首部の境界の中央部に位置してい
ることから、かつらのフロント部を前額髪際部に沿って
位置決めした後、かつらのリア部をかつらベース10の
ネープ部10bの連接線10b1 にて上記盆の窪P2
引っ掛けるようにすれば、前額部との間で張力が安定し
て生じることに着目して、本実施例では、かつらベース
10のフロント側のエッジライン10cを前額髪際中央
部P1 に合わせ、リア側をネープ部10bの上記連接線
10b1 で引っ掛けるようにして、リア側のエッジライ
ン10dをネープ部10bを設けて襟足のヘアラインに
合わせるようにして形成している。
【0021】しかし、ネープ部10bを設けない場合、
かつらベース10のリア側のエッジライン10dは前述
のように、盆の窪P2 の位置になるように形成すればよ
い。ただし、かつらのサイズをそれ以下に形成し得るこ
とも勿論可能であり、その場合も本発明の範囲内であ
る。かつらのリア側エッジライン10dを後頭部の中間
付近になるように小さなサイズに形成した場合は、かつ
らを頭部に固着するために例えば別途、頭髪を挟着する
止着部材等を用いればよい。
【0022】本発明によれば、かつらを着用した際、着
用者の耳にあたらないように、かつらのサイド部の耳上
部乃至耳後部に対応するくり部11を有している。この
くり部11は特に耳上部乃至耳後部にかけてのヘアライ
ンに合わせて湾曲(R)している。そして、くり部11
の前側には、サイドプロテクタ10aが垂下するように
連設されている。また、かつらベース10はサイドプロ
テクタ10aの所定部位に設けた耳芯12と、くり部1
1の後端からネープ部10bにかけてのエッジラインに
沿って設けた弾性部材13と、を有している。
【0023】耳芯12は、この実施形態のようにかつら
ベース10が柔軟なネット素材で構成されており従って
サイドプロテクタ10a部分も柔軟である場合に、その
浮き上がりを防止するための補強として有効に用いられ
る。なお、特にサイドプロテクタ10aの周縁に沿って
補強材を設ける場合など、サイドプロテクタ10a自体
において一定の剛性を有しているものにあっては、必ず
しも耳芯12を設ける必要はない。
【0024】耳芯12の配設位置としては、多少の個人
差はあるが好適には、頭部の所謂ゴールデンポイントP
3 と称されるつむじ部付近及び顎部P4 間の仮想延長線
2とほぼ一致するように設定するのが効果的である。
耳芯12は、例えば変形可能な金属片或いはプラスチッ
ク片をサイドプロテクタ10aの表面或いは内面から付
設することにより構成することができる。
【0025】また、弾性部材13は、例えばゴムバンド
或いはゴム紐をかつらベース10に伸縮自在に取り付け
ることにより構成される。そして、かつら着用時に弾性
部材13による弾力性を付与し得るようになっている。
なお、かつらベース10のほぼ全周縁部を伸縮性を有す
るような繊維にて編織することもでき、十分な弾力性を
有している場合には、弾性部材13を省略することもで
きる。
【0026】図2は本発明の要部構成を示している。前
額髪際中央部P1 及び盆の窪P2 付近の間の仮想延長線
1 に沿って又は仮想延長線L1 とほぼ平行して、少な
くとも耳上部におけるくり部11のエッジラインに対応
する領域L3 に、直線状の非伸縮性伸止め片14が付設
される。この伸止め片14は、図示例のように耳上部に
てくり部11の湾曲Rと接するように配置されている
が、両者の接点P5 を起点として少なくとも領域L3
カバーする長さを有している。
【0027】この例では、伸止め片14の一端14aが
耳芯12との交点P6 付近に設定される長さを持たせる
と共に、他端14bを弾性部材13の端部13aに対応
する部位に設定する(つまり、この例では伸止め片14
は、図2の斜線で示される領域に設定されている)。耳
芯12を設けている場合には、前記したように伸止め片
14の一端14aが耳芯12と交差する交点P6 付近に
設けることが好ましいが、耳芯12を設けないときは、
伸止め片14の一端14aは、少なくともくり部11が
湾曲しはじめる位置の仮想延長線L4 と仮想延長線L1
との交点(上記交点P6 にほぼ一致する。)付近に位置
させることが好ましい。
【0028】このように、伸止め片14を仮想延長線L
1 に沿って又は仮想延長線L1 とほぼ平行して配設する
のは、前記したようにかつらを頭部に装着したとき、最
も大きな張力がかかるのが仮想延長線L1 にほぼ沿った
かつらの前後方向であることから、かつらを装着したと
き、特にくり部の湾曲形状が張力に従って前後方向に伸
びることになり、この伸びを抑えるのに最も好適な部位
であるためである。
【0029】伸止め片14は好適には、布又は樹脂材料
或いは金属等により形成した薄手の非伸縮性テープ状片
をかつらベース10のネット素材の表裏両側、或いは表
裏いずれかに固着することにより構成することができ
る。或いは、仮想延長線L1 に沿って又はこれとほぼ平
行に、少なくとも領域L3 を含む長さの細紐又は縫糸等
をかつらベース10のネットベースに縫い込むことによ
り、構成してもよい。
【0030】上記構成で成る本発明のかつらにおいて、
図2に示すように、耳の付け根20(図2、一点鎖線参
照)の至近位置、すなわち、耳上部のヘアラインに沿っ
てかつらベース10のくり部11の湾曲Rが設定され
る。このように耳の形状に合わせて、その付け根20か
ら余裕を持たせてくり部11を設けていることにより、
くり部11を深く抉ることができるので、着用時に耳に
あたらないようにし、かつらベース10全体として頭部
にぴったりと装着することができる。
【0031】ところで、かつらを装着すると、くり部1
1まわりは、かつらのフロント部とリア部の、前額髪際
中央部P1 から盆の窪P2 へかけての大きな張力により
弾性部材13の弾力によって引っ張られ、図2に示され
るように仮想延長線L1 に沿って矢印F方向の張力が生
じる。伸止め片14はそれ自体非伸縮性であるため、か
かる張力Fによってくり部11が前後方向に伸びるのを
抑制し、これにより該くり部11の所定の形状を有効に
維持している。従って、かつら着用時にくり部11の湾
曲形状を適正に維持して、常に違和感のない良好なフィ
ット感を得ることができる。また、この例のようにサイ
ドプロテクタ10aにおいて耳芯12を設けている場
合、矢印F方向の張力は、耳芯12を側頭部にぴったり
と押し付けるように作用し、サイドプロテクタ10aが
側頭部に安定して被着するので、サイドプロテクタ10
aの浮き上がりも生じることがない。
【0032】また、上記のようにサイドプロテクタ10
aを安定して被着することができるため、サイドプロテ
クタ10aの先端からくり部11のエッジラインまでの
奥行L5 (ほぼ、耳芯12の長さが対応している)を大
きく確保することができる。これにより、くり部11の
湾曲Rを大きく抉り込むことができ、くり部11が耳に
あたるのを確実に防ぐことができる。これに対して従来
のくり部を有するかつらベースにあっては、耳芯を長く
するとサイドプロテクタが側頭部から浮き易くなってし
まう。そのため、くり部を十分大きく形成することがで
きず、しかもくり部が前後方向に伸びてしまうことによ
りサイドプロテクタが耳にあたらざるを得なかった。こ
れに加えて、着用時に生じる張力のためにくり部自体が
変形してしまい、そのくり部の奥行を十分に確保するの
が困難であった。
【0033】本発明によれば、奥行L5 を十分に大きく
確保し、且つ伸止め片14によってくり部11の湾曲R
を適正に保持することができる。更に、このようにくり
部11における所定の湾曲形状を保つことにより、図3
(A)のように眼鏡の使用時においても、くり部11ま
わりに違和感が生じたりサイド部が浮き上がったりする
ことはなく、良好な装着感を得ることができる。従来の
ものでは、図3(B)のようにくり部の奥行が少ないこ
とから、眼鏡の柄枠にあたってしまい、サイド部の浮き
上がりやズレなど違和感をもたらすことがあった。
【0034】
【実施例】ここで、図4は本発明のかつらベース10の
具体的な実施例を示している。かつらベース10全体は
基本的に、所謂モノフィラメント(単繊維素材)により
形成された柔軟なネットベースを主体として構成されて
いる。また、各部の好適な寸法例が図中、両矢印を付し
た数値(cm)で示される。例えば、前述したくり部1
1の奥行L5 は5cm程度に設定されるが、この奥行L
5 が浅くなるにしたがって耳にあたってしまう場合があ
る。本発明では、かつらベース10を柔らかい材料によ
り形成し、且つ耳にあたらないように寸法設定すること
ができ、優れたフィット感を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、装
着時に耳上部に嵌め込まれるように湾曲形成されたくり
部を有するこの種のかつらにおいて、柔らかい素材を用
いて着用時に耳にあたらないような好適な形状に形成す
ることができると共に、伸止め片によってそのくり部の
所定の湾曲形状が伸びることなく適正に保持することが
できる。従ってかつらベース全体として頭部にぴったり
と装着することができ、特にくり部まわりにおいて違和
感のない良好なフィット感を得ることができる。また、
くり部の湾曲形状を深く抉り込むことができるので、か
つらの周縁が着用者の耳の付け根に当たったり擦ったり
することなく、違和感なく安定して装着することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるかつらの実施形態における着用時
の状態を示す側面図である。
【図2】本発明に係るかつらベースの要部構成例を示す
側面図である。
【図3】本発明のかつらの実施形態における使用例を従
来例との関係で示す側面図である。
【図4】本発明のかつらの実施例を示す図である。
【図5】従来のかつらの形態例を示す側面図である。
【符号の説明】
10 かつらベース 10a サイドプロテクタ 10b ネープ部 10b1 ネープ部10bの連接線 11 くり部 12 耳芯 13 弾性部材 14 伸止め片 L1 前額髪際中央部P1 及び盆の窪P2 間の仮想
延長線 L2 ゴールデンポイントP3 及び顎部P4 間の仮
想延長線 L3 伸止め片を付設する領域

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着用者頭部の耳上部に嵌め込まれるよう
    にほぼ自然な毛髪生え際形状に沿って湾曲形成されたく
    り部をサイド部に有するかつらベースに、多数の毛髪を
    植設して成るかつらであって、 前記かつらベースの少なくとも耳上部における前記くり
    部のエッジラインに対応する領域に、着用者頭部の前額
    髪際中央部及び盆の窪間のほぼ仮想延長線に沿って又は
    これとほぼ平行して非伸縮性の伸止め片を付設したこと
    を特徴とするかつら。
  2. 【請求項2】 前記伸止め片が直線状の非伸縮性テープ
    で成り、該非伸縮性テープをかつらベースに縫着したこ
    とを特徴とする請求項1に記載のかつら。
  3. 【請求項3】 前記非伸縮性テープを前記かつらベース
    の表裏両面から添設して該かつらベースに縫着したこと
    を特徴とする請求項1に記載のかつら。
  4. 【請求項4】 前記前額髪際中央部及び盆の窪間の仮想
    延長線と前記くり部のエッジラインとが、耳上部にて接
    するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のかつ
    ら。
  5. 【請求項5】 前記くり部の前側に連設されたサイドプ
    ロテクタの所定部位に耳芯を設けると共に、前記伸止め
    片の一端を前記耳芯と交差するように設定することを特
    徴とする請求項1に記載のかつら。
  6. 【請求項6】 前記くり部の後端からネープ部にかけて
    の領域のエッジライン適所に、前記前額髪際中央部及び
    盆の窪間の仮想延長線とほぼ平行して弾性部材を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載のかつら。
  7. 【請求項7】 前記かつらベースが、合成樹脂製の柔軟
    なネットを主体として構成されることを特徴とする請求
    項1に記載のかつら。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007239153A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Svenson:Kk かつら
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