JPH0978204A - 金属材料 - Google Patents

金属材料

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JPH0978204A
JPH0978204A JP26197895A JP26197895A JPH0978204A JP H0978204 A JPH0978204 A JP H0978204A JP 26197895 A JP26197895 A JP 26197895A JP 26197895 A JP26197895 A JP 26197895A JP H0978204 A JPH0978204 A JP H0978204A
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inconel
based alloy
metal material
gas
mol
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JP26197895A
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English (en)
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Katsuro Takemura
勝朗 竹村
Toshikazu Shibazaki
敏和 柴崎
Hideo Hashimoto
英夫 橋本
Mayumi Ushiku
真弓 牛久
Hidehiko Kudo
英彦 工藤
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CO、CO2、H2ガスおよび水蒸気を含むガ
ス雰囲気によって操業される各種のプラントにおいて、
特に従来よりも比較的低温の所定温度範囲の上記ガス雰
囲気下に晒される容器等の構成部材として用いて好適
な、耐メタルダスティング性に優れる金属材料を得る。 【解決手段】 主たるガス組成として、COを5〜30
mol%、CO2を0〜15mol%、H2を20〜80
mol%およびH2Oを5〜40mol%、それぞれ含
み、かつ温度が300〜700゜Cの範囲であるガス雰
囲気下で用いられる金属材料であって、合金組成におい
てCrを11〜60wt%含むフェライト、マルテンサイ
ト鋼またはNi基合金であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CO、CO2、H2
ガスおよび水蒸気を含むガス雰囲気下に晒される容器等
の構成部材に用いて好適な金属材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、アンモニア製造装置、水素製造装
置、熱交換型アンモニア製造装置あるいは還元製鉄用還
元ガス装置のように、内部がCO、CO2、H2ガスおよ
び水蒸気(H2O)を含む高温のガス雰囲気下に晒され
る各種のプラントにおいては、例えばエネルギーの効率
を高めるために、当該高温ガスの熱の一部を排ガスボイ
ラやスチームスーパーヒータ等の熱源として有効利用す
る型式のものが多用されつつある。ここで、上記プラン
トにおいては、一般にガス雰囲気中に主たる組成とし
て、COを5〜30mol%、CO2を0〜15mol
%、H2を20〜80mol%およびH2Oを5〜40m
ol%、それぞれ含み、さらに通常CH4(メタン)を
2〜15%含んでおり、またプロセスによってはN
2(〜10数%)やH2S(〜数10PPM)を含んでい
る。そして、いずれのプラントにおいても、上述した熱
利用が図られていないものの場合には、概ね1000゜
C前後の温度範囲において操業されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記各種プ
ラントにおいて、上述したような高温ガスの熱利用を図
ろうとすると、上記ガス雰囲気の温度が例えば400〜
500°C程度とより低温になり、この結果炭素活量が
高くなって、装置を構成する金属材料の表面に炭素が析
出して当該金属中に侵入する浸炭が生じ、これがさらに
進行すると上記金属材料の一部が粉化して脱落する、い
わゆるメタルダスティング現象が発生することが知られ
ている。加えて、近年上記各種プラントにおける操業経
費低減化のために、ガス雰囲気中における水蒸気(H2
O)量を減少させようとする要請もあるが、当該水蒸気
量を減少させるとガス雰囲気中の酸素分圧が低下し、よ
って浸炭およびメタルダスティングを阻止する酸化被膜
の形成が抑制されるとともに、相対的に炭素活量が増大
して、同様に浸炭およびメタルダスティング現象が発生
し易くなってしまう。このようにして、メタルダスティ
ング現象が発生すると、経時的に装置を構成する金属材
料の肉厚が減少し、この結果装置の寿命がより短くなっ
て、逆に経済的に不利になるという問題点がある。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
ので、上述したような主たる成分としてCO、CO2
2ガスおよび水蒸気(H2O)を含むガス雰囲気下で操
業される各種のプラントにおいて、特に従来よりも比較
的低温の所定温度範囲の上記ガス雰囲気下に晒される容
器等の構成部材として用いて好適な、耐メタルダスティ
ング性に優れる金属材料を提供することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な主たる成分としてCO、CO2、H2ガスおよび水蒸気
(H2O)を含むガス雰囲気下に晒される各種のプラン
トにおいて、所定の温度範囲においてメタルダスティン
グ現象の発生を防止し得る金属材料、すなわち耐メタル
ダスティング性に優れる金属材料を見出すべく、以下に
詳述する各種の実験を行なった。まず、耐メタルダステ
ィング性の評価を行なうために、図1に示すように、炭
素鋼および低合金鋼、フェライトおよびマルテンサイト
鋼、オーステナイト鋼、Fe基合金、Ni基合金、耐熱
鋳鋼の6分類37種の金属材料の試験片を準備した。各
金属材料の化学組成は、図1に示す通りである。
【0006】次いで、図2に概略を示すような試験装置
を用意した。この試験装置は、電気炉1内に試験片を挿
入する石英管2を配置し、この石英管2に、配管4を通
じて定量ポンプ3によって移送される水蒸気H2Oに、
流量制御弁5およびフローメータ6を介して所定量のC
O、CO2およびH2ガス等を混合した雰囲気ガスを供給
するようにしたもので、図中符号7は水溜め、8は逆流
防止トラップ、9は電気炉制御用熱電対、10は側温用
熱電対をそれぞれ示すものである。
【0007】次に、上記各種材料の耐メタルダスティン
グ性を評価するための標準ガスとして、常圧でスチーム
/カーボン=2、COとCO2の分圧比=0.4(H2
66vol%、CO:16.5vol%、CO2:1vol%、H
2O:16.5vol%)のガスを選択した。なお、上記試
験装置においては、石英管2の耐圧性等の実験装置上の
制約から、高圧の試験ガスを供給することができないた
めに、常圧の試験ガス下において上記耐メタルダスティ
ング性の評価をせざるを得ない。他方、上述した各種の
プラントのうちには、加圧状態のガス雰囲気下で操業さ
れているものが多い。このため、仮に常圧の上記標準ガ
スの組成と、実プラントの加圧状態にある雰囲気ガスの
組成とが同一であったとしても、加圧状態においては、
浸炭からメタルダスティングの発生において主要因とな
る炭素活量および酸素分圧が異なったものになる。そこ
で、上記標準ガスの組成を決定するに際しては、常圧に
おける実験ガスと、各温度および圧力における雰囲気ガ
スとの炭素活量および酸素分圧を計算し、上記各種プラ
ントにおける中間値である、H2:40〜60vol%、C
O:10〜15vol%、CO2:5〜12vol%、H2O:
15〜35vol%で、圧力が25〜30kg/cm2の範
囲の雰囲気ガスと、常圧において炭素活量および酸素分
圧がほぼ等価になる数種類の組成の実験ガスを選択し、
これらの実験ガスによって予備実験を行なうことによ
り、そのうちの100時間程度の短時間でメタルダステ
ィング現象を再現できるガス組成を見出し、当該組成を
上述した標準ガスの組成として選択した。
【0008】次いで、実験においてメタルダスティング
再現試験を実施したところ、走査電子顕微鏡による試験
片断面のミクロ組織写真観察により、先ず試験片の金属
表面中に金属が侵入する浸炭が発生し、これによりカー
ボンが生成するとともに、これらがさらに進行すると、
金属の一部が粉化して脱落するメタルダスティング現象
が発生することが認められた。したがって、試験前の試
験片重量と、試験後における試験片の表面生成物を除い
た重量を比較すれば、その減少量によって上記メタルダ
スティングの発生程度を観察することができることにな
る。他方、上記メタルダスティング再現試験により、図
3に示すように、上記メタルダスティングによる試験片
の重量減と、上記カーボン生成、浸炭等による試験片の
重量増は正の相関関係を有していることが判明した。加
えて、特にメタルダスティング現象が進行する過程にお
いては、浸炭層が深く進展することが観察されており、
図4に示すように、上記試験片の重量増は、当該浸炭層
の深さとも正の相関関係を有していることが見出され
た。
【0009】したがって、測定が比較的困難なメタルダ
スティングによる試験片の重量減を直接求めなくても、
各試験片における重量の増加量を測定すれば、これによ
り浸炭の深さ程度、延いてはメタルダスティング現象の
発生の程度が観察されることになる。そこで、本実験に
おいては、上記試験片の重量増を測定することにより、
メタルダスティング現象の発生の有無を判断することと
した。さらに、試験片の表面を電解研磨すると、浸炭、
メタルダスティング現象発生までの潜伏期間を短縮し得
ることが判明したため、電解研磨を行なったものにっつ
いては試験時間として、約160時間(約1週間)を採
用した。また、一部表面処理材については、電解研磨が
行なえないため、約500(約3週間)の試験時間を採
用した。
【0010】以上の実験条件の下に、図1に示した各試
験片について、図2に示す試験装置を用いて耐メタルダ
スティング性の評価試験を行なった。ちなみに、図5
は、代表的な材料7種についての各温度における重量変
化速度および浸炭速度をまとめたものであり、図6は、
各金属材料の各温度における耐メタルダスティング性の
評価結果を示すものである。図5および図6に示すよう
に、温度が400〜700゜Cの範囲においては、合金
組成においてCrを11〜60wt%含むフェライト、マ
ルテンサイト鋼、Crを24wt%、Niを35wt%以上
含むFe基合金およびNi基合金においてメタルダステ
ィング現象が発生していないこと、換言すれば、これら
金属材料は、上記温度範囲において優れた耐メタルダス
ティングを有することが判明した。また、上記温度が5
50〜1150゜Cの範囲においては、Crを11〜6
0wt%含むフェライト、マルテンサイト鋼、Crを24
wt%以上、かつNiを35wt%以上含むFe基合金およ
びNi基合金においてメタルダスティング現象を発生し
ていないことが判明した。
【0011】そこで、上記550〜1150゜Cの温度
範囲における合金組成と、浸炭深さとの関係を詳細に検
討したところ、図7および図8に示す温度700゜Cに
おける試験結果にみられるように、CrおよびNiの含
有量と上記浸炭深さとの間に一定の関係が有ることを見
出した。そこで、上記Ni基合金におけるCrおよびN
iの含有量を用いて、(Cr×3・Ni)の合金組成パ
ラメータについて各試験片の重量増との関係を調べたと
ころ、図9に示すように、上記(Cr×3・Ni)の値
が120以上であるFe基合金、耐熱鋳鋼あるいはNi
基合金において重量増がほとんど認められず、よって耐
メタルダスティング性に極めて優れていることが判明し
た。
【0012】さらに、耐メタルダスティング性における
上記耐熱鋳鋼以外の金属材料の結晶粒度の影響を調べ
た。図10は、上記標準ガスを用いた結晶粒度がAST
M粒度番号4〜5と、熱処理により粗大化させて同粒度
番号1にしたSUS304材の各実験温度における重量
変化の結果を示すものである。また、図11は、上記標
準ガスを用いた結晶粒度がASTM粒度番号3〜4と、
熱処理により粗大化させて同粒度番号1にしたAllo
y 800H材の各実験温度における重量変化の結果を
示すものである。これらの図から、結晶粒度を粗大化さ
せた試料においては、重量変化および浸炭深さともに増
加しており、耐メタルダスティング性が低下しているこ
とが認められた。
【0013】次いで、上記各試験片における実験結果か
ら、同程度のFe、Ni、Crを含有するものについて
も、Nbを含有するか否かによって、例えばSUS30
4と347、Inconel617と625、HK40
とIN519、Alloy800Hと20/32Nb等
を比較することにより、Nbが添加されている金属材料
の方が耐メタルダスティング性が高い傾向が認められ
た。
【0014】本発明は、上述した耐メタルダスティング
性に関する評価実験の結果得られた知見に基づいてなさ
れたもので、請求項1に記載の発明は、主たるガス組成
として、COを5〜30mol%、CO2を0〜15m
ol%、H2を20〜80mol%およびH2Oを5〜4
0mol%、それぞれ含み、かつ温度が400〜700
゜Cの範囲であるガス雰囲気下で用いられる金属材料
が、合金組成においてCrを11〜60wt%含むフェラ
イト、マルテンサイト鋼またはFe基もしくはNi基合
金であることを特徴とするものである。ここで、上記フ
ェライト、マルテンサイト鋼のCrの含有量を11〜6
0wt%としたのは、Crが11wt%未満であると、充分
な耐メタルダスティング性を示さずに不適当であり、他
方60wt%を超えると、加工性が劣化し過ぎて脆くな
り、この種の金属材料として不適当だからである。
【0015】上記温度範囲において好適な金属材料とし
ては、より具体的には請求項2に記載の発明のように、
上記フェライト、マルテンサイト鋼はCrを13wt%以
上含み、上記Fe基合金はCrを24wt%以上含み、上
記Ni基合金はCrを20wt%以上含むものである。ち
なみに、具体的な金属材料を挙げると、請求項3に記載
の発明のように、フェライト、マルテンサイト鋼として
は、SUS405、SUS430、SUS403、SU
S410およびSUS447のいずれかであり、また上
記Fe基合金としては、HK4MS、HPMのいずれか
であり、さらに上記Ni基合金としては、インコネル6
00、インコネル601、インコネル625、インコネ
ル690、インコネル617、ハステロイ617、ハス
テロイG、ハステロイXのいずれかである。
【0016】次いで、請求項4に記載の発明は、主たる
ガス組成として、COを5〜30mol%、CO2を0
〜15mol%、H2を20〜80mol%およびH2
を5〜40mol%、それぞれ含み、かつ温度が550
〜1150゜Cの範囲であるガス雰囲気下で用いられる
金属材料が、合金組成において必須成分としてCrとN
iとを含み、かつ上記Crの含有量が20wt%以上であ
るとともに、当該Crの含有量とNiの含有量の3倍と
の和が120〜300wt%の範囲である耐熱鋳鋼または
Fe基もしくはNi基合金であることを特徴とするもの
である。本請求項に係る発明において、上記実験結果に
おいてメタルダスティング現象の認められなかったフェ
ライト、マルテンサイト鋼を除いた理由は、これらの金
属材料は、そもそも1000゜C以上の温度範囲では、
充分な機械強度が得られず、よって上記各種プラントに
おける構造部材として用いることが不適当だからであ
り、かつ上記温度範囲を1150゜Cとした理由も、同
様のNi基合金においてさえも充分な機械的強度が得ら
れないからである。
【0017】また、(Cr×3・Ni)の合金組成パラ
メータについて、120wt%以上で300wt%以下とし
たのは、当該合金組成パラメータが120wt%に満たな
いと、上述した図9から明らかなように、充分な耐メタ
ルダスティング性が得られずに不適当だからであり、他
方上記合金パラメータが300wt%を超えると、Ni量
が多くなり過ぎて、表面および粒界におけるNiの触媒
性による炭素析出により金属結晶粒の脱落が顕著にな
り、この結果減肉が発生してこの種のプラントにおける
構成部材として不適当になってしまうからである。
【0018】上記温度範囲において好適な金属材料とし
ては、より具体的には請求項5に記載の発明のように、
Crを24wt%以上、かつNiを35wt%以上含むFe
基合金、またはCrを20wt%以上、かつNiを60wt
%以上含むNi基合金である。さらに、具体的に上記耐
熱鋳鋼またはFe基もしくはNi基合金を挙げると、請
求項6に記載の発明のように、それぞれHP−Nb、H
K4MS、HPM、インコネル600、インコネル60
1、インコネル625、インコネル690、インコネル
617、ハステロイ617、ハステロイG、ハステロイ
Xのいずれかである。
【0019】さらに、請求項7に記載の発明は、上記請
求項1ないし6のいずれかに記載の金属材料が、その成
分組成としてNbが添加されていることを特徴とするも
のである。本請求項に記載の発明のように、成分組成に
Nbが添加されていることにより、上述したように、同
程度のFe、Ni、Crを含有するものに対して、より
優れた耐メタルダスティング性を得ることができる。
【0020】また、請求項8に記載の発明は、上記請求
項1ないし5のいずれかに記載の耐熱鋳鋼を除く金属材
料の結晶粒度が、ASTM粒度番号が3以上の細粒であ
ることを特徴とするものである。上記結晶粒度がこのよ
うな細粒であることにより、図10および図11に示し
た実験結果のように、より高い耐メタルダスティング性
を得ることができる。
【0021】なお、上記請求項1ないし8のいずれかに
記載の発明は、主たる成分のみを規定しているが、 上
記各種プラントにおける雰囲気ガスは、主たる成分であ
るCO、CO2、H2ガスおよびH2Oの他に、通常CH4
を含み、またプロセスによってはN2およびH2Sを含
む。よって、請求項9に記載の実施態様のように、請求
項1ないし8のいずれかに記載の発明は、主たる成分で
あるCO、CO2、H2ガスおよびH2Oの他に、少なく
ともCH4、N2およびH2Sの一種または複数種のガス
を含む場合を包含するものである。
【0022】
【発明の実施の形態1】本発明に係る第1の実施形態
は、アンモニア製造装置、水素製造装置、熱交換型アン
モニア製造装置あるいは還元製鉄用還元ガス装置等の各
種プラントにおいて、主たるガス組成として、COを5
〜30mol%、CO2を0〜15mol%、H2を20
〜80mol%およびH2Oを5〜40mol%、それ
ぞれ含み、かつ温度が400〜700゜Cの範囲である
ガス雰囲気下で用いられる構造部材として、合金組成に
おいてCrを11〜60wt%含むフェライト、マルテン
サイト鋼またはFe基もしくはNi基合金からなる金属
材料を用いたものである。ここで、具体的な上記金属材
料としては、フェライト、マルテンサイト系合金ではS
US405、SUS430、SUS403、SUS41
0およびSUS447のいずれか、Fe基合金ではHK
4MSもしくはHPM、Ni基合金ではインコネル60
0、インコネル601、インコネル625、インコネル
690、インコネル617、ハステロイ617、ハステ
ロイG、ハステロイXのいずれかであって、かつ結晶粒
度がASTM粒度番号が3以上であるものが挙げられ
る。
【0023】この際に、上記金属材料のうち、その成分
組成にNbが添加されているものを用いれば、さらに好
適である。また、上記構造部材としては、上記雰囲気ガ
スが流通する容器本体、加熱炉熱交換器のチューブ材、
配管さらには内部において上記ガス雰囲気中に晒される
各種のインターナル部品およびボルトおよびナットの類
である。これらの構造部材として、上記金属材料を用い
ることにより、従来よりも低温である400〜700゜
Cの温度範囲にある上記ガス雰囲気下においても、長期
間にわたってメタルダスティング現象を生じること無
く、安定的な操業を確保することができる。
【0024】
【発明の実施の形態2】次いで、本発明に係る第2の実
施形態は、アンモニア製造装置、水素製造装置、熱交換
型アンモニア製造装置あるいは還元製鉄用還元ガス装置
等の各種プラントにおいて、主たるガス組成として、C
Oを5〜30mol%、CO2を0〜15mol%、H2
を20〜80mol%およびH2Oを5〜40mol%
を含み、さらにはCH4やH2Sをそれぞれ含み、かつ温
度が550〜1150゜Cの範囲であるガス雰囲気下で
用いられる構造部材として、合金組成において必須成分
としてCrとNiとを含み、かつ上記Crの含有量が2
0wt%以上であって当該Crの含有量とNiの含有量の
3倍との和が120〜300wt%の範囲であるFe基合
金、耐熱鋳鋼またはNi基合金を用いたものである。
【0025】ここで、具体的な上記Fe基合金として
は、HK4MSあるいはHPMであり、耐熱鋳鋼として
は、HP−Nbであり、Ni基合金としては、インコネ
ル600、インコネル601、インコネル625、イン
コネル690、インコネル617、ハステロイ617、
ハステロイG、ハステロイXのいずれかであって、かつ
上記耐熱鋳鋼以外の金属材料においてはその結晶粒度が
ASTM粒度番号が3以上であるものが挙げられる。ま
た、上記Ni合金のうち、第1実施形態と同様に、その
成分組成にNbが添加されているものを用いれば、さら
に好適である。
【0026】さらに、上記構造部材としては、第1実施
形態に挙げたものと同様に、上記雰囲気ガスが流通する
容器本体、加熱炉熱交換器のチューブ材、配管さらには
内部において上記ガス雰囲気中に晒される各種のインタ
ーナル部品、ボルトおよびナットの類である。これらの
構造部材として、上記金属材料を用いることにより、従
来よりもやや低温である550〜1150゜Cの温度範
囲にある上記ガス雰囲気下においても、長期間にわたっ
てメタルダスティング現象を生じること無く、安定的な
操業を確保することができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし6
のいずれかに記載の発明によれば、これらの金属材料
を、それぞれの温度範囲において、主たるガス組成とし
て、CO:5〜30mol%、CO2:0〜15mol
%、H2:20〜80mol%およびH2O:5〜40m
ol%をそれぞれ含み、さらに請求項9に記載の発明の
ようにCH4(メタン)やプロセスによってはN2あるい
はH2Sを含むガス雰囲気下に晒されるアンモニア製造
装置、水素製造装置、熱交換型アンモニア製造装置ある
いは還元製鉄用還元ガス装置等の各種プラントにおける
構造部材として用いることにより、長期間にわたってメ
タルダスティング現象を生じること無く、安定的な操業
を確保することができる。この際に、請求項7または請
求項8に記載の発明によれば、より高い耐メタルダステ
ィング性を得ることができて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に至る耐メタルダスティング性の評価実
験に用いた金属材料の合金組成を示す表である。
【図2】上記評価実験に用いた実験装置を示す概略構成
図である。
【図3】メタルダスティングによる重量減と浸炭等によ
る重量増との相関関係を示すグラフである。
【図4】浸炭層の深さと重量増加量との相関関係を示す
グラフである。
【図5】代表的な金属材料における重量変化速度と浸炭
速度との実験結果を示す表である。
【図6】図1に示した各金属材料におけるメタルダステ
ィング発生の有無の結果を示す表である。
【図7】Cr含有量と浸炭深さとの関係を示すグラフで
ある。
【図8】Ni含有量と浸炭深さとの関係を示すグラフで
ある。
【図9】CrとNiとによる組成パラメータと重量増と
の関係を示すグラフである。
【図10】結晶粒度を代えた2種類のSUS304材の
各実験温度における重量変化の結果を示すグラフであ
る。
【図11】結晶粒度を代えた2種類のAlloy 80
0H材の各実験温度における重量変化の結果を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 英夫 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 牛久 真弓 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 工藤 英彦 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たるガス組成として、COを5〜30
    mol%、CO2を0〜15mol%、H2を20〜80
    mol%およびH2Oを5〜40mol%、それぞれ含
    み、かつ温度が400〜700゜Cの範囲であるガス雰
    囲気下で用いられる金属材料であって、合金組成におい
    てCrを11〜60wt%含むフェライト、マルテンサイ
    ト鋼またはFe基もしくはNi基合金であることを特徴
    とする金属材料。
  2. 【請求項2】 上記フェライト、マルテンサイト鋼はC
    rを13wt%以上含み、上記Fe基合金はCrを24wt
    %以上含み、上記Ni基合金はCrを20wt%以上含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属材料。
  3. 【請求項3】 上記フェライト、マルテンサイト鋼は、
    SUS405、SUS430、SUS403、SUS4
    10およびSUS447のいずれかであり、上記Fe基
    合金は、HK4MS、HPMのいずれかであり、上記N
    i基合金は、インコネル600、インコネル601、イ
    ンコネル625、インコネル690、インコネル61
    7、ハステロイ617、ハステロイG、ハステロイXの
    いずれかであることを特徴とする請求項1または2に記
    載の金属材料。
  4. 【請求項4】 主たるガス組成として、COを5〜30
    mol%、CO2を0〜15mol%、H2を20〜80
    mol%およびH2Oを5〜40mol%、それぞれ含
    み、かつ温度が550〜1150゜Cの範囲であるガス
    雰囲気下で用いられる金属材料であって、合金組成にお
    いて必須成分としてCrとNiとを含み、かつ上記Cr
    の含有量が20wt%以上であるとともに、当該Crの含
    有量とNiの含有量の3倍との和が120〜300wt%
    の範囲である耐熱鋳鋼またはFe基もしくはNi基合金
    であることを特徴とする金属材料。
  5. 【請求項5】 上記Fe基合金はCrを24wt%以上、
    かつNiを35wt%以上含み、上記Ni基合金はCrを
    20wt%以上、かつNiを60wt%以上含む合金である
    ことを特徴とする請求項4に記載の金属材料。
  6. 【請求項6】 上記Fe基合金は、HK4MS、HP
    M、HP−Nbのいずれかであり、上記Ni基合金は、
    インコネル600、インコネル601、インコネル62
    5、インコネル690、インコネル617、ハステロイ
    617、ハステロイG、ハステロイXのいずれかである
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の金属材料。
  7. 【請求項7】 上記金属材料は、その成分組成にNbが
    添加されていることを特徴とする請求項1ないし6のい
    ずれかに記載の金属材料。
  8. 【請求項8】 上記金属材料のうち耐熱鋳鋼を除く金属
    材料の結晶粒度は、ASTM粒度番号が3以上であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の金
    属材料。
  9. 【請求項9】 上記雰囲気ガスは、主たる成分であるC
    O、CO2、H2ガスおよびH2Oの他に、少なくともC
    4、N2およびH2Sの一種または複数種のガスを含む
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の
    金属材料。
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