JPH097501A - 表面伝導型電子放出素子の製造方法および画像形成装置の製造方法 - Google Patents
表面伝導型電子放出素子の製造方法および画像形成装置の製造方法Info
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- JPH097501A JPH097501A JP15492695A JP15492695A JPH097501A JP H097501 A JPH097501 A JP H097501A JP 15492695 A JP15492695 A JP 15492695A JP 15492695 A JP15492695 A JP 15492695A JP H097501 A JPH097501 A JP H097501A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 素子電極のパターニング工程の大幅な簡略化
を図る。 【構成】 基板101の表面に導体膜を形成しておき、
この導体膜にレーザビームを照射して不要な部分を除去
し、素子電極長さW、素子電極間隔Lで規定される1対
の素子電極102、103を形成する。その後、素子電
極102、103をつないで導電性薄膜104を形成
し、素子電極102、103を通じて導電性薄膜104
に通電することで、導電性薄膜104に、局所的に電気
的に高抵抗な状態となった電子放出部105を形成す
る。
を図る。 【構成】 基板101の表面に導体膜を形成しておき、
この導体膜にレーザビームを照射して不要な部分を除去
し、素子電極長さW、素子電極間隔Lで規定される1対
の素子電極102、103を形成する。その後、素子電
極102、103をつないで導電性薄膜104を形成
し、素子電極102、103を通じて導電性薄膜104
に通電することで、導電性薄膜104に、局所的に電気
的に高抵抗な状態となった電子放出部105を形成す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1対の素子電極と、こ
の素子電極間をつなぐ微粒子膜とで構成される表面伝導
型電子放出素子の製造方法、該表面伝導型電子放出素子
を備えた画像形成装置の製造方法に関する。
の素子電極間をつなぐ微粒子膜とで構成される表面伝導
型電子放出素子の製造方法、該表面伝導型電子放出素子
を備えた画像形成装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として熱陰極型と冷
陰極型の2種類が知られている。冷陰極型には、電界放
出型(以下、「FE型」と略す)、金属/絶縁層/金属
型(以下、「MIM型」と略す)や表面伝導型電子放出
素子等がある。
陰極型の2種類が知られている。冷陰極型には、電界放
出型(以下、「FE型」と略す)、金属/絶縁層/金属
型(以下、「MIM型」と略す)や表面伝導型電子放出
素子等がある。
【0003】FE型の例としては、W.P.Dyke & W.W.Dol
an, "Field emission", Advance inElectron Physics,
8, 89(1956)あるいはC.A.Spindt, "PHYSICAL Propertie
s of thin-film field emission cathodes with molbde
ninmcones", J.Appl.phys.,47, 52488(1976) 等が知ら
れている。MIM型の例としては、C.A.Mead, "Thetunn
el-emission amplifire, J.Appl.Phys., 32, 646(1961)
等が知られている。表面伝導型電子放出素子の例として
は、M.I.Elinson, Radio Eng. Electron Pys., 10, (19
65) 等がある。
an, "Field emission", Advance inElectron Physics,
8, 89(1956)あるいはC.A.Spindt, "PHYSICAL Propertie
s of thin-film field emission cathodes with molbde
ninmcones", J.Appl.phys.,47, 52488(1976) 等が知ら
れている。MIM型の例としては、C.A.Mead, "Thetunn
el-emission amplifire, J.Appl.Phys., 32, 646(1961)
等が知られている。表面伝導型電子放出素子の例として
は、M.I.Elinson, Radio Eng. Electron Pys., 10, (19
65) 等がある。
【0004】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等
によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer: "Thin Solid Films", 9, 317(1972) ]、
In2 O3 /SnO2 薄膜によるもの[M.Hartwell and
C.G.Fonstad: "IEEETrans. ED Conf.", 519(1975)
]、カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第2
6巻、第1号、22頁(1983)]等が報告されている。
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等
によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer: "Thin Solid Films", 9, 317(1972) ]、
In2 O3 /SnO2 薄膜によるもの[M.Hartwell and
C.G.Fonstad: "IEEETrans. ED Conf.", 519(1975)
]、カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第2
6巻、第1号、22頁(1983)]等が報告されている。
【0005】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成として、前述のM.ハートウェルの素子構成
を図20に示す。同図において1001は基板である。
1004は、金属酸化物薄膜等からなる導電性薄膜で、
一般的な半導体製造技術によりH型状にパターニングし
て形成され、両端部が素子電極1002、1003とな
る。その後、後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処
理により、導電性薄膜1004に電子放出部1005が
形成される。なお、図中の素子電極1002、1003
の間隔L1は0.5〜1mm、幅Wは0.1mmで設定
されている。
な素子構成として、前述のM.ハートウェルの素子構成
を図20に示す。同図において1001は基板である。
1004は、金属酸化物薄膜等からなる導電性薄膜で、
一般的な半導体製造技術によりH型状にパターニングし
て形成され、両端部が素子電極1002、1003とな
る。その後、後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処
理により、導電性薄膜1004に電子放出部1005が
形成される。なお、図中の素子電極1002、1003
の間隔L1は0.5〜1mm、幅Wは0.1mmで設定
されている。
【0006】また、特開平2−56822号公報には、
所定の間隔をおいて1対の素子電極を対向配置し、この
素子電極間を、微粒子で構成された導電性薄膜でつない
だ表面伝導型電子放出素子が開示されている。この場合
にも、素子電極および導電性薄膜のパターニングには、
フォトリソグラフィー技術やエッチング技術といった一
般的な半導体製造技術が用いられている。
所定の間隔をおいて1対の素子電極を対向配置し、この
素子電極間を、微粒子で構成された導電性薄膜でつない
だ表面伝導型電子放出素子が開示されている。この場合
にも、素子電極および導電性薄膜のパターニングには、
フォトリソグラフィー技術やエッチング技術といった一
般的な半導体製造技術が用いられている。
【0007】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜に予め通電フ
ォーミングと呼ばれる通電処理を行うことによって導電
性薄膜に電子放出部を形成するのが一般的であった。す
なわち、通電フォーミングとは前記導電性薄膜の両端に
直流電圧あるいは非常にゆっくりとした昇電圧、例えば
1V/分程度を印加通電し、導電性薄膜を局所的に破
壊、変形もしくは変質させ、電気的に高抵抗な状態にし
た電子放出部を形成することである。なお、電子放出部
は導電性薄膜の一部に亀裂が発生しその亀裂付近から電
子放出が行われる。前記通電フォーミング処理をした表
面伝導型電子放出素子は、上述した導電性薄膜に電圧を
印加し、素子に電流を流すことにより、電子放出部より
電子を放出させるものである。
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜に予め通電フ
ォーミングと呼ばれる通電処理を行うことによって導電
性薄膜に電子放出部を形成するのが一般的であった。す
なわち、通電フォーミングとは前記導電性薄膜の両端に
直流電圧あるいは非常にゆっくりとした昇電圧、例えば
1V/分程度を印加通電し、導電性薄膜を局所的に破
壊、変形もしくは変質させ、電気的に高抵抗な状態にし
た電子放出部を形成することである。なお、電子放出部
は導電性薄膜の一部に亀裂が発生しその亀裂付近から電
子放出が行われる。前記通電フォーミング処理をした表
面伝導型電子放出素子は、上述した導電性薄膜に電圧を
印加し、素子に電流を流すことにより、電子放出部より
電子を放出させるものである。
【0008】上述の表面伝導型電子放出素子は、構造が
単純で、しかも一般的な半導体製造技術により容易に製
造できることから、大面積にわたって多数の素子を配列
形成できる利点がある。そこで、この特徴を生かせるよ
ういろいろな応用が研究されている。例えば、電荷ビー
ム源や表示装置等が挙げられる。多数の表面伝導型電子
放出素子を配列形成した例としては、はしご型配置と呼
ぶ、並列に表面伝導型電子放出素子を配列し、個々の素
子の両端を配線(共通配線とも呼ぶ)で、それぞれ結線
した行を多数行配列した電子源が挙げられる(例えば、
特開昭64−31332号公報、特開平1−28374
9号公報、特開平1−257552号公報等)。
単純で、しかも一般的な半導体製造技術により容易に製
造できることから、大面積にわたって多数の素子を配列
形成できる利点がある。そこで、この特徴を生かせるよ
ういろいろな応用が研究されている。例えば、電荷ビー
ム源や表示装置等が挙げられる。多数の表面伝導型電子
放出素子を配列形成した例としては、はしご型配置と呼
ぶ、並列に表面伝導型電子放出素子を配列し、個々の素
子の両端を配線(共通配線とも呼ぶ)で、それぞれ結線
した行を多数行配列した電子源が挙げられる(例えば、
特開昭64−31332号公報、特開平1−28374
9号公報、特開平1−257552号公報等)。
【0009】また、特に表示装置等の画像形成装置にお
いては、近年、液晶を用いた平板型表示装置が、CRT
に替わって普及してきたが、自発光型でないためバック
ライトを持たなければならない等の問題点があり、自発
光型の表示装置の開発が望まれてきた。自発光型表示装
置としては、表面伝導型電子放出素子を多数配置した電
子源と電子源より放出された電子によって、可視光を発
光させる蛍光体とを組み合せた表示装置である画像形成
装置が挙げられる(例えば、米国特許第5066883
号明細書)。
いては、近年、液晶を用いた平板型表示装置が、CRT
に替わって普及してきたが、自発光型でないためバック
ライトを持たなければならない等の問題点があり、自発
光型の表示装置の開発が望まれてきた。自発光型表示装
置としては、表面伝導型電子放出素子を多数配置した電
子源と電子源より放出された電子によって、可視光を発
光させる蛍光体とを組み合せた表示装置である画像形成
装置が挙げられる(例えば、米国特許第5066883
号明細書)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の表面伝導型電子放出素子における素子電極の形
成には一般的な半導体製造技術が用いられているので、
素子電極となる導体膜の形成後の、所定の形状へのパタ
ーニングのためには、レジスト塗布→レジスト固化
→パターン露光→ドライエッチ→レジスト剥離→
洗浄・乾燥、といった多段階の工程を必要とする。そ
のため、素子電極のパターニングのための処理時間が長
くなり、ひいては製造コストが高くなってしまうという
問題点があった。
た従来の表面伝導型電子放出素子における素子電極の形
成には一般的な半導体製造技術が用いられているので、
素子電極となる導体膜の形成後の、所定の形状へのパタ
ーニングのためには、レジスト塗布→レジスト固化
→パターン露光→ドライエッチ→レジスト剥離→
洗浄・乾燥、といった多段階の工程を必要とする。そ
のため、素子電極のパターニングのための処理時間が長
くなり、ひいては製造コストが高くなってしまうという
問題点があった。
【0011】そこで本発明は、素子電極のパターニング
工程の大幅な簡略化を図ることで表面伝導型電子放出素
子の製造工程を簡略化する、表面伝導型電子放出素子の
製造方法、電子源の製造方法および画像形成装置の製造
方法を提供することを目的とする。
工程の大幅な簡略化を図ることで表面伝導型電子放出素
子の製造工程を簡略化する、表面伝導型電子放出素子の
製造方法、電子源の製造方法および画像形成装置の製造
方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の表面伝導型電子放出素子の製造方法は、基板上
に1対の素子電極を形成した後、前記1対の素子電極を
つなぐ導電性の電子放出用膜を形成し、前記1対の素子
電極を通じ前記電子放出用膜に電圧を印加して、前記電
子放出用膜に局所的に電気的に高抵抗な状態となった電
子放出部を形成する表面伝導型電子放出素子の製造方法
において、前記基板上に導体膜を形成しておき、前記導
体膜にレーザビームを照射して前記導体膜の一部を除去
することで前記1対の素子電極を形成することを特徴と
する。
本発明の表面伝導型電子放出素子の製造方法は、基板上
に1対の素子電極を形成した後、前記1対の素子電極を
つなぐ導電性の電子放出用膜を形成し、前記1対の素子
電極を通じ前記電子放出用膜に電圧を印加して、前記電
子放出用膜に局所的に電気的に高抵抗な状態となった電
子放出部を形成する表面伝導型電子放出素子の製造方法
において、前記基板上に導体膜を形成しておき、前記導
体膜にレーザビームを照射して前記導体膜の一部を除去
することで前記1対の素子電極を形成することを特徴と
する。
【0013】また、前記レーザビームは、波長領域が
0.2μm〜12μmで、かつ、前記導体膜表面でのパ
ワー密度が1×106 W/cm2 以上のものを用いるも
のであってもよいし、前記導体膜を印刷法により形成し
てもよい。この場合、前記印刷法により導体膜を形成
し、前記導体膜の中央部に前記レーザビームを照射して
所定の幅で除去することで、前記1対の素子電極を形成
してもよい。
0.2μm〜12μmで、かつ、前記導体膜表面でのパ
ワー密度が1×106 W/cm2 以上のものを用いるも
のであってもよいし、前記導体膜を印刷法により形成し
てもよい。この場合、前記印刷法により導体膜を形成
し、前記導体膜の中央部に前記レーザビームを照射して
所定の幅で除去することで、前記1対の素子電極を形成
してもよい。
【0014】また、基板上に行列状に配置された複数対
の素子電極を形成した後、それぞれ前記対の素子電極を
つなぐ複数の導電性の電子放出用膜を形成し、前記対の
素子電極を通じて前記各電子放出用膜に電圧を印加し
て、前記各電子放出用膜にそれぞれ局所的に電気的に高
抵抗な状態となった電子放出部を形成する表面伝導型電
子放出素子の製造方法において、前記基板上に導体膜を
形成しておき、前記導体膜にレーザビームを照射して前
記導体膜の一部を除去することで前記複数対の素子電極
を形成することを特徴とするものであってもよい。
の素子電極を形成した後、それぞれ前記対の素子電極を
つなぐ複数の導電性の電子放出用膜を形成し、前記対の
素子電極を通じて前記各電子放出用膜に電圧を印加し
て、前記各電子放出用膜にそれぞれ局所的に電気的に高
抵抗な状態となった電子放出部を形成する表面伝導型電
子放出素子の製造方法において、前記基板上に導体膜を
形成しておき、前記導体膜にレーザビームを照射して前
記導体膜の一部を除去することで前記複数対の素子電極
を形成することを特徴とするものであってもよい。
【0015】この場合も、前記レーザビームは、波長領
域が0.2μm〜12μmで、かつ、前記導体膜表面で
のパワー密度が1×106 W/cm2 以上のものを用い
るものであってもよいし、前記導体膜を印刷法により形
成してもよい。さらに、前記印刷法により、行列状に配
置された複数の導体膜を形成し、前記各導体膜の中央部
にそれぞれ前記レーザビームを照射して所定の幅で除去
することで、前記複数対の素子電極を形成してもよい。
域が0.2μm〜12μmで、かつ、前記導体膜表面で
のパワー密度が1×106 W/cm2 以上のものを用い
るものであってもよいし、前記導体膜を印刷法により形
成してもよい。さらに、前記印刷法により、行列状に配
置された複数の導体膜を形成し、前記各導体膜の中央部
にそれぞれ前記レーザビームを照射して所定の幅で除去
することで、前記複数対の素子電極を形成してもよい。
【0016】本発明の画像形成装置の製造方法は、上記
本発明の表面伝導型電子放出素子の製造方法により表面
伝導型電子放出素子を製造し、前記表面伝導型電子放出
素子に支持枠を介して、前記電子放出素子から放出され
た電子が衝突することにより画像が形成される画像形成
部材を対向配置して外囲器を構成した後、前記外囲器の
内部を排気することを特徴とする。
本発明の表面伝導型電子放出素子の製造方法により表面
伝導型電子放出素子を製造し、前記表面伝導型電子放出
素子に支持枠を介して、前記電子放出素子から放出され
た電子が衝突することにより画像が形成される画像形成
部材を対向配置して外囲器を構成した後、前記外囲器の
内部を排気することを特徴とする。
【0017】また、前記画像形成部材を、前記電子放出
素子から放出された電子が衝突することにより発光する
蛍光体を含む蛍光膜で構成してもよい。
素子から放出された電子が衝突することにより発光する
蛍光体を含む蛍光膜で構成してもよい。
【0018】
【作用】上記のとおり構成された本発明の表面伝導型電
子放出素子の製造方法では、まず、基板上に導体膜を形
成しておき、この導体膜にレーザビームを照射して導体
膜の一部を除去することで1対の素子電極を形成する。
そして、1対の素子電極をつなぐ電子放出用膜を形成
し、通電等により電子放出用膜を局所的に電気的に高抵
抗な状態とし、電子放出用膜に電子放出部を形成するこ
とで、表面伝導型電子放出素子が得られる。このよう
に、素子電極のパターニングをレーザ加工により行うこ
とで、従来のように工程数の多いフォトリソグラフィ技
術やエッチング技術によらずに素子電極を形成すること
ができ、工程が大幅に簡略化される。表面伝導型電子放
出素子の製造工程が簡略化されることにより、結果的
に、表面伝導型電子放出素子を備えた電子源や、この電
子源を備えた画像形成装置の製造工程も簡略化されるこ
とになる。
子放出素子の製造方法では、まず、基板上に導体膜を形
成しておき、この導体膜にレーザビームを照射して導体
膜の一部を除去することで1対の素子電極を形成する。
そして、1対の素子電極をつなぐ電子放出用膜を形成
し、通電等により電子放出用膜を局所的に電気的に高抵
抗な状態とし、電子放出用膜に電子放出部を形成するこ
とで、表面伝導型電子放出素子が得られる。このよう
に、素子電極のパターニングをレーザ加工により行うこ
とで、従来のように工程数の多いフォトリソグラフィ技
術やエッチング技術によらずに素子電極を形成すること
ができ、工程が大幅に簡略化される。表面伝導型電子放
出素子の製造工程が簡略化されることにより、結果的
に、表面伝導型電子放出素子を備えた電子源や、この電
子源を備えた画像形成装置の製造工程も簡略化されるこ
とになる。
【0019】また、レーザビームとして、波長領域が
0.2μm〜12μmで、かつ、前記導体膜表面でのパ
ワー密度が1×106 W/cm2 以上のものを用いるこ
とで、金属をはじめとする導電体からなる導体膜を精度
よく加工することができ、微細なパターニングが可能と
なる。
0.2μm〜12μmで、かつ、前記導体膜表面でのパ
ワー密度が1×106 W/cm2 以上のものを用いるこ
とで、金属をはじめとする導電体からなる導体膜を精度
よく加工することができ、微細なパターニングが可能と
なる。
【0020】さらに、導体膜を印刷法により形成すれ
ば、導体膜をある程度パターニングして形成することが
できる。その結果、素子電極の外形のパターニングを必
要とせず、導体膜の中央部へのレーザビームの照射のみ
で1対の素子電極が得られるので、素子電極の形成工程
がより簡略化される。
ば、導体膜をある程度パターニングして形成することが
できる。その結果、素子電極の外形のパターニングを必
要とせず、導体膜の中央部へのレーザビームの照射のみ
で1対の素子電極が得られるので、素子電極の形成工程
がより簡略化される。
【0021】
【実施例】本発明は、表面伝導型電子放出素子の新規な
製造方法、およびそれを用いた電子源や画像形成装置の
製造方法に係わり、これらについての好ましい実施態様
について以下に説明する。
製造方法、およびそれを用いた電子源や画像形成装置の
製造方法に係わり、これらについての好ましい実施態様
について以下に説明する。
【0022】図1は、本発明に好適な基本的な表面伝導
型電子放出素子の構成を示す図で、同図(a)はその平
面図、同図(b)はその断面図である。以下、図1を用
いて、本発明の実施に好適な表面伝導型電子放出素子の
基本的な構成を説明する。
型電子放出素子の構成を示す図で、同図(a)はその平
面図、同図(b)はその断面図である。以下、図1を用
いて、本発明の実施に好適な表面伝導型電子放出素子の
基本的な構成を説明する。
【0023】図1において、基板101上には互いに間
隔をおいて2つの素子電極102、103が配置され、
各素子電極102、103をつないで、電子放出部10
5が形成された電子放出用薄膜104が設けられてい
る。
隔をおいて2つの素子電極102、103が配置され、
各素子電極102、103をつないで、電子放出部10
5が形成された電子放出用薄膜104が設けられてい
る。
【0024】基板101としては、石英ガラス、Na等
の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガ
ラスにスパッタ法等により形成したSiO2 を積層した
ガラス基板等およびアルミナ等のセラミックス等が用い
られる。
の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガ
ラスにスパッタ法等により形成したSiO2 を積層した
ガラス基板等およびアルミナ等のセラミックス等が用い
られる。
【0025】対向する素子電極102、103の材料と
しては、一般的な導体材料が用いられ、例えば、Ni、
Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd
等の金属あるいは合金、およびPd、Ag、Au、Ru
O2 、Pd−Ag等の金属あるいは金属酸化物とガラス
等から構成される印刷導体、In2 O3 /SnO2 等の
透明導体、およびポリシリコン等の半導体導体材料等か
ら適宜選択される。
しては、一般的な導体材料が用いられ、例えば、Ni、
Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd
等の金属あるいは合金、およびPd、Ag、Au、Ru
O2 、Pd−Ag等の金属あるいは金属酸化物とガラス
等から構成される印刷導体、In2 O3 /SnO2 等の
透明導体、およびポリシリコン等の半導体導体材料等か
ら適宜選択される。
【0026】素子電極間隔L、素子電極幅W、電子放出
用薄膜104の形状等は、応用される形態等によって設
計される。素子電極間隔Lは、好ましくは数百オングス
トロームより数百μmである。また、素子電極102、
103間に印加する電圧は低い方が望ましく、さらに、
再現性よく作製することが要求されるため、より好まし
くは数μmより数十μmである。素子電極幅Wは、好ま
しくは、電極の抵抗値、電子放出特性により、数μmよ
り数百μmである。素子電極102、103の膜厚d
は、数百オングストロームより数μmである。
用薄膜104の形状等は、応用される形態等によって設
計される。素子電極間隔Lは、好ましくは数百オングス
トロームより数百μmである。また、素子電極102、
103間に印加する電圧は低い方が望ましく、さらに、
再現性よく作製することが要求されるため、より好まし
くは数μmより数十μmである。素子電極幅Wは、好ま
しくは、電極の抵抗値、電子放出特性により、数μmよ
り数百μmである。素子電極102、103の膜厚d
は、数百オングストロームより数μmである。
【0027】電子放出用薄膜104は、良好な電子放出
特性を得るためには、微粒子で構成された微粒子膜が特
に好ましく、その膜厚は、素子電極102、103への
ステップカバレージ、素子電極102、103間の抵抗
値および後述する通電フォーミング条件等によって適宜
設定され、好ましくは、数オングストロームより数千オ
ングストロームで、特に好ましくは、10オングストロ
ームより500オングストロームであり、その抵抗値
は、103 より107 Ω/□のシート抵抗値である。
特性を得るためには、微粒子で構成された微粒子膜が特
に好ましく、その膜厚は、素子電極102、103への
ステップカバレージ、素子電極102、103間の抵抗
値および後述する通電フォーミング条件等によって適宜
設定され、好ましくは、数オングストロームより数千オ
ングストロームで、特に好ましくは、10オングストロ
ームより500オングストロームであり、その抵抗値
は、103 より107 Ω/□のシート抵抗値である。
【0028】また、電子放出用薄膜104を構成する材
料は、Pd、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、C
u、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金
属、PdO、SnO2 、In2 O3 、PbO、Sb2 O
3 、等の酸化物、HfB2 、ZrB2 、LaB6 、Ce
B6 、YB4 、GdB4 等の硼化物、TiC、ZrC、
HfC、TaC、SiC、WC等の炭化物、TiN、Z
rN、HfN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カー
ボン、さらにはAgMg、NiCu、PbSn等が挙げ
られる。
料は、Pd、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、C
u、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金
属、PdO、SnO2 、In2 O3 、PbO、Sb2 O
3 、等の酸化物、HfB2 、ZrB2 、LaB6 、Ce
B6 、YB4 、GdB4 等の硼化物、TiC、ZrC、
HfC、TaC、SiC、WC等の炭化物、TiN、Z
rN、HfN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カー
ボン、さらにはAgMg、NiCu、PbSn等が挙げ
られる。
【0029】なお、ここで述べる微粒子膜とは、複数の
微粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒
子が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互い
に隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜
をさしており、微粒子の粒径は、数オングストロームよ
り数千オングストローム、好ましくは10オングストロ
ームより200オングストロームである。
微粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒
子が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互い
に隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜
をさしており、微粒子の粒径は、数オングストロームよ
り数千オングストローム、好ましくは10オングストロ
ームより200オングストロームである。
【0030】電子放出部105は、電子放出用薄膜10
4の一部に形成され、電気的に高抵抗な状態となった亀
裂であり、電子放出用薄膜104の膜厚、膜質、材料お
よび後述する通電フォーミング等の製法に依存して形成
される。また、数オングストロームより数百オングスト
ロームの粒径の導電性微粒子を有することもある。この
導電性微粒子は、電子放出用薄膜104を構成する材料
の元素の一部、あるいは全てと同様のものである。ま
た、電子放出部105およびその近傍の電子放出用薄膜
104には、炭素あるいは炭素化合物を有することもあ
る。
4の一部に形成され、電気的に高抵抗な状態となった亀
裂であり、電子放出用薄膜104の膜厚、膜質、材料お
よび後述する通電フォーミング等の製法に依存して形成
される。また、数オングストロームより数百オングスト
ロームの粒径の導電性微粒子を有することもある。この
導電性微粒子は、電子放出用薄膜104を構成する材料
の元素の一部、あるいは全てと同様のものである。ま
た、電子放出部105およびその近傍の電子放出用薄膜
104には、炭素あるいは炭素化合物を有することもあ
る。
【0031】上述の表面伝導型電子放出素子の製造方法
としては様々な方法が考えられるが、その一例を図2に
示す。
としては様々な方法が考えられるが、その一例を図2に
示す。
【0032】(1) 基板101を洗剤、純水および有
機溶剤により十分に洗浄後、基板101上に、素子電極
102、103を構成する材料からなる導体膜を数百オ
ングストロームより数μmの膜厚で形成し、その導体膜
を所定の形状にパターニングすることで、基板101上
に素子電極102、103を形成する(図2(a))。
機溶剤により十分に洗浄後、基板101上に、素子電極
102、103を構成する材料からなる導体膜を数百オ
ングストロームより数μmの膜厚で形成し、その導体膜
を所定の形状にパターニングすることで、基板101上
に素子電極102、103を形成する(図2(a))。
【0033】導体膜の形成方法としては、従来と同様の
真空蒸着法やスパッタ法等の真空成膜法はもちろん、真
空を用いない手法、例えば、有機金属ペーストを塗布後
焼成する方法や、溶液中の金属イオンを基板101に析
出させる無電解メッキ手法等も用いることができ、基板
101の大きさ等の諸条件に応じて適宜選択すればよ
い。る。有機金属ペーストを塗布する方法による場合、
その塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、
ディッピング法、ディスペンサー法、あるいはスクリー
ン印刷法、オフセット印刷法をはじめとするあらゆる塗
布方法が可能である。また、無電解メッキ法による場合
にも、そのメッキ方法に何ら制限はない。
真空蒸着法やスパッタ法等の真空成膜法はもちろん、真
空を用いない手法、例えば、有機金属ペーストを塗布後
焼成する方法や、溶液中の金属イオンを基板101に析
出させる無電解メッキ手法等も用いることができ、基板
101の大きさ等の諸条件に応じて適宜選択すればよ
い。る。有機金属ペーストを塗布する方法による場合、
その塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、
ディッピング法、ディスペンサー法、あるいはスクリー
ン印刷法、オフセット印刷法をはじめとするあらゆる塗
布方法が可能である。また、無電解メッキ法による場合
にも、そのメッキ方法に何ら制限はない。
【0034】導体膜のパターニングは本発明の特徴とな
る工程であり、パターニングする手段としては、レーザ
加工が用いられる。これは、導体膜に直接レーザビーム
を照射することで、主に熱による溶融蒸発を生じさせ、
不要な部分を除去加工するものである。加工に用いるレ
ーザは、種類は特に限定されないが、被加工物が金属を
はじめとする導電体であり、このような材料を溶融蒸発
させることを考慮すると、照射面でのパワー密度が少な
くとも1×106 W/cm2 以上で、かつ、被加工物の波
長に対する吸収係数との兼ね合いや、加工精度との兼ね
合い等により、波長領域が0.2〜12μmの範囲にあ
るレーザから、適宜その加工に適したレーザを選択する
のが好ましい。これにより導体膜を高精度にパターニン
グでき、微細な素子電極102、103を容易に形成す
ることができる。特に、複数の電子放出素子を配置した
電子源を製造する場合には、素子電極102、103の
高密度配置が可能となり、この電子源を画像形成装置に
適用すると、高解像度の画像形成装置を得ることができ
る。レーザの照射方法は、集束したビームと被加工物と
を相対的に走査させる方法でも、加工したい形状のマス
クパターンを縮小投影する方法でもよい。
る工程であり、パターニングする手段としては、レーザ
加工が用いられる。これは、導体膜に直接レーザビーム
を照射することで、主に熱による溶融蒸発を生じさせ、
不要な部分を除去加工するものである。加工に用いるレ
ーザは、種類は特に限定されないが、被加工物が金属を
はじめとする導電体であり、このような材料を溶融蒸発
させることを考慮すると、照射面でのパワー密度が少な
くとも1×106 W/cm2 以上で、かつ、被加工物の波
長に対する吸収係数との兼ね合いや、加工精度との兼ね
合い等により、波長領域が0.2〜12μmの範囲にあ
るレーザから、適宜その加工に適したレーザを選択する
のが好ましい。これにより導体膜を高精度にパターニン
グでき、微細な素子電極102、103を容易に形成す
ることができる。特に、複数の電子放出素子を配置した
電子源を製造する場合には、素子電極102、103の
高密度配置が可能となり、この電子源を画像形成装置に
適用すると、高解像度の画像形成装置を得ることができ
る。レーザの照射方法は、集束したビームと被加工物と
を相対的に走査させる方法でも、加工したい形状のマス
クパターンを縮小投影する方法でもよい。
【0035】また、導体膜のパターニング工程は、先に
述べた素子電極幅Wで規定される矩形状に形成する(以
下、矩形状に形成された導電膜を、便宜的に「電極パッ
ド」と称する)工程と、電極パッドの中央部を素子電極
間隔Lの幅で除去する工程とに大別される。
述べた素子電極幅Wで規定される矩形状に形成する(以
下、矩形状に形成された導電膜を、便宜的に「電極パッ
ド」と称する)工程と、電極パッドの中央部を素子電極
間隔Lの幅で除去する工程とに大別される。
【0036】電極パッドを形成する工程は、導体膜の形
成方法によって異なる。先に述べた導体膜の形成方法の
うち、真空成膜法や印刷法以外の塗布法、あるいは無電
解メッキ法により導体膜を形成した場合には、図3
(a)に示すように、基板101の全面あるいは、ほぼ
全面に導体膜107が形成される。こうして得られた導
体膜107に、図3(b)に示すように、直接レーザビ
ーム108を照射すれば、不要部分を除去してパターニ
ングを行うことができる。一般的にレーザの加工精度
は、用いるレーザとその光学系にもよるが、数μmから
数mmであり、加工に必要な精度を適宜選択すれば、図
3(c)に示すように所望の形状の電極パッド107’
が得られる。
成方法によって異なる。先に述べた導体膜の形成方法の
うち、真空成膜法や印刷法以外の塗布法、あるいは無電
解メッキ法により導体膜を形成した場合には、図3
(a)に示すように、基板101の全面あるいは、ほぼ
全面に導体膜107が形成される。こうして得られた導
体膜107に、図3(b)に示すように、直接レーザビ
ーム108を照射すれば、不要部分を除去してパターニ
ングを行うことができる。一般的にレーザの加工精度
は、用いるレーザとその光学系にもよるが、数μmから
数mmであり、加工に必要な精度を適宜選択すれば、図
3(c)に示すように所望の形状の電極パッド107’
が得られる。
【0037】また、導体膜を、有機金属ペーストである
印刷用のMODペーストを用いたスクリーン印刷法等の
印刷法により形成した場合には、導電膜の形成と同時に
百μm四方程度の大きさでのパターニングができ、その
まま電極パッド107’を得ることが可能である。さら
に細かい精度、例えば数μm程度の位置精度や加工精度
が必要な場合には、印刷法のみで電極パッド107’を
得ることは困難なので、予め、印刷法により電極パッド
の大まかな形状をパターニングしておき、その後、微細
加工に適したレーザと光学系による高精度除去加工を行
い、所望の形状を得ることができる。
印刷用のMODペーストを用いたスクリーン印刷法等の
印刷法により形成した場合には、導電膜の形成と同時に
百μm四方程度の大きさでのパターニングができ、その
まま電極パッド107’を得ることが可能である。さら
に細かい精度、例えば数μm程度の位置精度や加工精度
が必要な場合には、印刷法のみで電極パッド107’を
得ることは困難なので、予め、印刷法により電極パッド
の大まかな形状をパターニングしておき、その後、微細
加工に適したレーザと光学系による高精度除去加工を行
い、所望の形状を得ることができる。
【0038】一方、電極パッド107’の中央部を除去
する工程は、図4(a)に示すように上記のいずれかの
方法で得られた電極パッド107’の中央部にレーザビ
ーム108を直接照射し、数μmから数十μmの幅で除
去することにより行う。これにより、図4(b)に示す
ように、素子電極幅W、素子電極間隔Lで規定される1
対の素子電極102、103が得られる。
する工程は、図4(a)に示すように上記のいずれかの
方法で得られた電極パッド107’の中央部にレーザビ
ーム108を直接照射し、数μmから数十μmの幅で除
去することにより行う。これにより、図4(b)に示す
ように、素子電極幅W、素子電極間隔Lで規定される1
対の素子電極102、103が得られる。
【0039】なお、基板101には、素子電極102、
103に電圧を印加するための配線(不図示)が形成さ
れるが、電極パッド107’の中央部を除去する工程
は、この配線を形成する前に行ってもよいし、配線を形
成した後に行ってもよい。
103に電圧を印加するための配線(不図示)が形成さ
れるが、電極パッド107’の中央部を除去する工程
は、この配線を形成する前に行ってもよいし、配線を形
成した後に行ってもよい。
【0040】このように、導体膜にレーザビーム108
を照射して素子電極102、103を形成することで、
フォトリソグラフィ技術やエッチング技術を用いずに素
子電極102、103を形成することができ、素子電極
102、103の形成工程を大幅に削減することができ
る。
を照射して素子電極102、103を形成することで、
フォトリソグラフィ技術やエッチング技術を用いずに素
子電極102、103を形成することができ、素子電極
102、103の形成工程を大幅に削減することができ
る。
【0041】(2) 素子電極102、103を形成し
たら、その基板101の表面に、有機金属溶液を塗布し
て放置することにより、有機金属薄膜を形成する。有機
金属溶液とは、前述の電子放出用薄膜104の材料の金
属を主元素とする有機金属化合物の溶液である。この
後、有機金属薄膜を加熱焼成処理、およびパターニング
し、電子放出用薄膜104を形成する(図2(b))。
ここでは、有機金属溶液の塗布法により説明したが、こ
れに限るものでなく、真空蒸着法、スパッタ法、化学的
気相堆積法、分散塗布法、ディッピング法、スピンナー
法等によって形成される場合もある。
たら、その基板101の表面に、有機金属溶液を塗布し
て放置することにより、有機金属薄膜を形成する。有機
金属溶液とは、前述の電子放出用薄膜104の材料の金
属を主元素とする有機金属化合物の溶液である。この
後、有機金属薄膜を加熱焼成処理、およびパターニング
し、電子放出用薄膜104を形成する(図2(b))。
ここでは、有機金属溶液の塗布法により説明したが、こ
れに限るものでなく、真空蒸着法、スパッタ法、化学的
気相堆積法、分散塗布法、ディッピング法、スピンナー
法等によって形成される場合もある。
【0042】(3) 続いて、素子電極102、103
間に、不図示の電源により通電すると、電子放出用薄膜
104の部位に、構造の変化した電子放出部105が形
成される(図2(c))。この通電処理は通電フォーミ
ングと呼ばれ、通電フォーミングにより電子放出用薄膜
104を局所的に破壊、変形もしくは変質させ、構造の
変化した部位を電子放出部105と呼ぶ。通電フォーミ
ングの電圧波形の例を図5に示す。
間に、不図示の電源により通電すると、電子放出用薄膜
104の部位に、構造の変化した電子放出部105が形
成される(図2(c))。この通電処理は通電フォーミ
ングと呼ばれ、通電フォーミングにより電子放出用薄膜
104を局所的に破壊、変形もしくは変質させ、構造の
変化した部位を電子放出部105と呼ぶ。通電フォーミ
ングの電圧波形の例を図5に示す。
【0043】電圧波形は、特に、パルス波形が好まし
く、パルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印加
する場合(図5(a))と、パルス波高値を増加させな
がら電圧パルスを印加する場合(図5(b))とがあ
る。まず、パルス波高値を定電圧とした場合について説
明する。
く、パルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印加
する場合(図5(a))と、パルス波高値を増加させな
がら電圧パルスを印加する場合(図5(b))とがあ
る。まず、パルス波高値を定電圧とした場合について説
明する。
【0044】図5(a)におけるT1およびT2は、そ
れぞれ電圧波形のパルス幅およびパルス間隔であり、T
1を1マイクロ秒〜10ミリ秒、T2を10マイクロ秒
〜100ミリ秒とし、三角波の波高値(通電フォーミン
グ時のピーク電圧)は、表面伝導型電子放出素子の前述
した形態に応じて適宜選択し、適当な真空度、例えば1
0-5Torr程度の真空雰囲気下で、数秒から数十分印
加する。なお、素子電極102、103間に印加する波
形は三角波に限定することはなく、矩形波など所望の波
形を用いてもよい。
れぞれ電圧波形のパルス幅およびパルス間隔であり、T
1を1マイクロ秒〜10ミリ秒、T2を10マイクロ秒
〜100ミリ秒とし、三角波の波高値(通電フォーミン
グ時のピーク電圧)は、表面伝導型電子放出素子の前述
した形態に応じて適宜選択し、適当な真空度、例えば1
0-5Torr程度の真空雰囲気下で、数秒から数十分印
加する。なお、素子電極102、103間に印加する波
形は三角波に限定することはなく、矩形波など所望の波
形を用いてもよい。
【0045】図5(b)におけるT1およびT2は、そ
れぞれ図5(a)と同様であり、三角波の波高値(通電
フォーミング時のピーク電圧)は、例えば0.1Vステ
ップ程度ずつ増加させ、適当な真空雰囲気下で印加す
る。なお、この場合の通電フォーミング処理の終了は、
パルス間隔T2中に、電子放出用薄膜104を局所的に
破壊、変形させない程度の電圧、例えば1Mオーム以上
の抵抗を示したとき、通電フォーミングを終了とする。
れぞれ図5(a)と同様であり、三角波の波高値(通電
フォーミング時のピーク電圧)は、例えば0.1Vステ
ップ程度ずつ増加させ、適当な真空雰囲気下で印加す
る。なお、この場合の通電フォーミング処理の終了は、
パルス間隔T2中に、電子放出用薄膜104を局所的に
破壊、変形させない程度の電圧、例えば1Mオーム以上
の抵抗を示したとき、通電フォーミングを終了とする。
【0046】(4) 次に、通電フォーミングが終了し
た素子に活性化工程と呼ぶ処理を好ましくは施す。活性
化工程とは、例えば、10-4〜10-5Torr程度の真
空度で、通電フォーミング同様、パルス波高値を定電圧
としたパルスの印加を繰り返す処理のことをいい、真空
中に存在する有機物質から、炭素あるいは炭素化合物を
堆積することで、電子放出用薄膜104を流れる素子電
流If、電子放出部105より放出される放出電流Ie
が著しく変化する処理である。素子電流Ifと放出電流
Ieを測定しながら、例えば、放出電流Ieが飽和した
時点で、活性化工程を終了する。また、パルス波高値
は、好ましくは動作駆動電圧である。
た素子に活性化工程と呼ぶ処理を好ましくは施す。活性
化工程とは、例えば、10-4〜10-5Torr程度の真
空度で、通電フォーミング同様、パルス波高値を定電圧
としたパルスの印加を繰り返す処理のことをいい、真空
中に存在する有機物質から、炭素あるいは炭素化合物を
堆積することで、電子放出用薄膜104を流れる素子電
流If、電子放出部105より放出される放出電流Ie
が著しく変化する処理である。素子電流Ifと放出電流
Ieを測定しながら、例えば、放出電流Ieが飽和した
時点で、活性化工程を終了する。また、パルス波高値
は、好ましくは動作駆動電圧である。
【0047】なお、ここでいう炭素あるいは炭素化合物
とは、グラファイト(単、多結晶双方を指す)非晶質カ
ーボン(非晶質カーボンおよび多結晶グラファイトとの
混合物を指す)であり、その膜厚は、好ましくは500
オングストローム以下、より好ましくは300オングス
トローム以下である。
とは、グラファイト(単、多結晶双方を指す)非晶質カ
ーボン(非晶質カーボンおよび多結晶グラファイトとの
混合物を指す)であり、その膜厚は、好ましくは500
オングストローム以下、より好ましくは300オングス
トローム以下である。
【0048】(5) こうして作製した表面伝導型電子
放出素子を、通電フォーミング工程、活性化工程での真
空度より高い真空度の真空雰囲気にし、好ましく動作駆
動する。また、より好ましくは、これより高い真空度の
真空雰囲気下で、80℃〜150℃に加熱後、動作駆動
する。
放出素子を、通電フォーミング工程、活性化工程での真
空度より高い真空度の真空雰囲気にし、好ましく動作駆
動する。また、より好ましくは、これより高い真空度の
真空雰囲気下で、80℃〜150℃に加熱後、動作駆動
する。
【0049】通電フォーミング工程、活性化処理した真
空度より高い真空度の真空雰囲気とは、例えば、約10
-6Torr以上の真空度を有する真空度であり、より好
ましくは、超高真空系であり、炭素あるいは炭素化合物
が新たに、ほぼ堆積しない真空度である。従って、これ
によって、これ以上の炭素あるいは炭素化合物の堆積を
抑制することが可能となり、素子電流If、放出電流I
eが安定する。
空度より高い真空度の真空雰囲気とは、例えば、約10
-6Torr以上の真空度を有する真空度であり、より好
ましくは、超高真空系であり、炭素あるいは炭素化合物
が新たに、ほぼ堆積しない真空度である。従って、これ
によって、これ以上の炭素あるいは炭素化合物の堆積を
抑制することが可能となり、素子電流If、放出電流I
eが安定する。
【0050】上述のような構成と製造方法によって作製
された表面伝導型電子放出素子の特性評価について、図
6および図7を用いて説明する。
された表面伝導型電子放出素子の特性評価について、図
6および図7を用いて説明する。
【0051】図6は、図1に示した構成を有する素子の
電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略構成
図である。図6において、図1と同一ものについては、
同一の符号で示した。また、151は、表面伝導型電子
放出素子に素子電圧Vfを印加するための電源、150
は素子電極102、103間の電子放出用薄膜104を
流れる素子電流Ifを測定するための電流計、154
は、素子の電子放出部105より放出される放出電流I
eを捕捉するためのアノード電極、153はアノード電
極154に電圧を印加するための高圧電源、152は素
子の電子放出部105より放出される放出電流Ieを測
定するための電流計である。
電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略構成
図である。図6において、図1と同一ものについては、
同一の符号で示した。また、151は、表面伝導型電子
放出素子に素子電圧Vfを印加するための電源、150
は素子電極102、103間の電子放出用薄膜104を
流れる素子電流Ifを測定するための電流計、154
は、素子の電子放出部105より放出される放出電流I
eを捕捉するためのアノード電極、153はアノード電
極154に電圧を印加するための高圧電源、152は素
子の電子放出部105より放出される放出電流Ieを測
定するための電流計である。
【0052】また、表面伝導型電子放出素子およびアノ
ード電極154は真空装置内に設置され、その真空装置
には排気ポンプ156および真空計等の真空装置に必要
な機器が具備されており、所望の真空下で本素子の測定
評価を行えるようになっている。なお、排気ポンプ15
6は、ターボポンプ、ロータリーポンプからなる通常の
高真空装置系と、更に、イオンポンプからなる超高真空
装置系とからなる。また、真空装置155全体および基
板は、不図示のヒータにより200℃まで加熱できる。
従って、本測定装置では、前述の通電フォーミング以降
の工程も行うことができる。アノード電極154の電圧
は、1kV〜10kV、アノード電極154と表面伝導
型電子放出素子との距離Hは2mm〜8mmの範囲で測
定した。
ード電極154は真空装置内に設置され、その真空装置
には排気ポンプ156および真空計等の真空装置に必要
な機器が具備されており、所望の真空下で本素子の測定
評価を行えるようになっている。なお、排気ポンプ15
6は、ターボポンプ、ロータリーポンプからなる通常の
高真空装置系と、更に、イオンポンプからなる超高真空
装置系とからなる。また、真空装置155全体および基
板は、不図示のヒータにより200℃まで加熱できる。
従って、本測定装置では、前述の通電フォーミング以降
の工程も行うことができる。アノード電極154の電圧
は、1kV〜10kV、アノード電極154と表面伝導
型電子放出素子との距離Hは2mm〜8mmの範囲で測
定した。
【0053】図6に示した測定評価装置により測定され
た放出電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfの関
係の典型的な例を図7に示す。なお、放出電流Ieは素
子電流Ifに比べて著しく小さいので、図7では任意単
位で示されており、素子電流Ifのおよそ1000分の
1程度である。
た放出電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfの関
係の典型的な例を図7に示す。なお、放出電流Ieは素
子電流Ifに比べて著しく小さいので、図7では任意単
位で示されており、素子電流Ifのおよそ1000分の
1程度である。
【0054】図7からも明らかなように、本発明に好適
な表面伝導型電子放出素子は、放出電流Ieに対する三
つの特徴的特性を有する。
な表面伝導型電子放出素子は、放出電流Ieに対する三
つの特徴的特性を有する。
【0055】まず第一に、本素子は、ある電圧(しきい
値電圧と呼ぶ、図10中のVth)以上の素子電圧Vf
を印加すると急激に放出電流Ieが増加し、一方、しき
い値電圧Vth以下では放出電流Ieがほとんど検出さ
れない。すなわち、放出電流Ieに対する明確なしきい
値電圧Vthを持った非線形素子である。
値電圧と呼ぶ、図10中のVth)以上の素子電圧Vf
を印加すると急激に放出電流Ieが増加し、一方、しき
い値電圧Vth以下では放出電流Ieがほとんど検出さ
れない。すなわち、放出電流Ieに対する明確なしきい
値電圧Vthを持った非線形素子である。
【0056】第二に、放出電流Ieが素子電圧Vfに依
存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御でき
る。
存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御でき
る。
【0057】第三に、アノード電極154に捕捉される
放出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。
すなわち、アノード電極154に捕捉される電荷量は、
素子電圧Vfを印加する時間により制御できる。
放出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。
すなわち、アノード電極154に捕捉される電荷量は、
素子電圧Vfを印加する時間により制御できる。
【0058】以上のような、本発明に好適な表面伝導型
電子放出素子の特徴的特性のため、入力信号に応じて、
電子放出特性が、複数の表面伝導型電子放出素子を配置
した電子源、画像形成装置等でも容易に制御できること
となり、多方面への応用ができる。
電子放出素子の特徴的特性のため、入力信号に応じて、
電子放出特性が、複数の表面伝導型電子放出素子を配置
した電子源、画像形成装置等でも容易に制御できること
となり、多方面への応用ができる。
【0059】また、素子電流Ifは素子電圧Vfに対し
て単調増加する(MI特性と呼ぶ)、より好ましい特性
の例を図7に実線で示したが、この他にも、素子電流I
fが素子電圧Vfに対して電圧制御型負性抵抗(VCN
R特性と呼ぶ)特性を示す場合もある(図7中、破線で
示す)。また、これら素子電流Ifの特性は、その製法
および測定時の測定条件等に依存する。なお、この場合
も、本表面伝導型電子放出素子は上述した三つの特性上
の特徴を有する。
て単調増加する(MI特性と呼ぶ)、より好ましい特性
の例を図7に実線で示したが、この他にも、素子電流I
fが素子電圧Vfに対して電圧制御型負性抵抗(VCN
R特性と呼ぶ)特性を示す場合もある(図7中、破線で
示す)。また、これら素子電流Ifの特性は、その製法
および測定時の測定条件等に依存する。なお、この場合
も、本表面伝導型電子放出素子は上述した三つの特性上
の特徴を有する。
【0060】次に、本発明に好適な電子源および画像形
成装置について述べる。本発明に好適な電子源は、複数
個の表面伝導型電子放出素子を、上述した製造方法によ
り同一の基板上に配列したもので、さらに、この電子源
を用いて画像形成装置が構成できる。
成装置について述べる。本発明に好適な電子源は、複数
個の表面伝導型電子放出素子を、上述した製造方法によ
り同一の基板上に配列したもので、さらに、この電子源
を用いて画像形成装置が構成できる。
【0061】表面伝導型電子放出素子の配列の方式に
は、表面伝導型電子放出素子を並列に配置し、個々の素
子の両端を配線で接続したはしご型配置や、表面伝導型
電子放出素子の1対の素子電極にそれぞれX方向配線、
Y方向配線を接続した単純マトリックス配置が挙げられ
る。なお、はしご型配置の電子源を有する画像形成装置
には、表面伝導型電子放出素子からの電子の飛翔を制御
する電極である制御電極(グリッド電極)を必要とす
る。
は、表面伝導型電子放出素子を並列に配置し、個々の素
子の両端を配線で接続したはしご型配置や、表面伝導型
電子放出素子の1対の素子電極にそれぞれX方向配線、
Y方向配線を接続した単純マトリックス配置が挙げられ
る。なお、はしご型配置の電子源を有する画像形成装置
には、表面伝導型電子放出素子からの電子の飛翔を制御
する電極である制御電極(グリッド電極)を必要とす
る。
【0062】まず、単純マトリックス配置の電子源につ
いて説明する。
いて説明する。
【0063】前述した表面伝導型電子放出素子の3つの
基本的特性の特徴によれば、単純マトリックス配置され
た表面伝導型電子放出素子においても、表面伝導型電子
放出素子からの放出電子は、しきい値電圧以上では、対
向する素子電極間に印加するパルス状電圧の波高値と幅
で制御される。一方、しきい値電圧以下では、殆ど放出
されない。この特性によれば、多数の表面伝導型電子放
出素子を配置した場合においても、個々の素子に上記パ
ルス状電圧を適宜印加すれば、入力信号に応じて、表面
伝導型電子放出素子を選択し、その電子放出量が制御で
きることとなる。
基本的特性の特徴によれば、単純マトリックス配置され
た表面伝導型電子放出素子においても、表面伝導型電子
放出素子からの放出電子は、しきい値電圧以上では、対
向する素子電極間に印加するパルス状電圧の波高値と幅
で制御される。一方、しきい値電圧以下では、殆ど放出
されない。この特性によれば、多数の表面伝導型電子放
出素子を配置した場合においても、個々の素子に上記パ
ルス状電圧を適宜印加すれば、入力信号に応じて、表面
伝導型電子放出素子を選択し、その電子放出量が制御で
きることとなる。
【0064】以下、この原理に基づき構成した電子源に
ついて、図8を用いて説明する。図8は、単純マトリッ
クス配置の電子源の一例の構成図である。図8に示すよ
うに、電子源基板171には、m本のX方向配線172
とn本のY方向配線173とがマトリクス状に配線され
ている。各X方向配線172と各Y方向配線173との
間には、それぞれ表面伝導型電子放出素子174が、結
線175により電気的に接続されている。
ついて、図8を用いて説明する。図8は、単純マトリッ
クス配置の電子源の一例の構成図である。図8に示すよ
うに、電子源基板171には、m本のX方向配線172
とn本のY方向配線173とがマトリクス状に配線され
ている。各X方向配線172と各Y方向配線173との
間には、それぞれ表面伝導型電子放出素子174が、結
線175により電気的に接続されている。
【0065】同図において、電子源基板171は、前述
したガラス基板等であり、用途に応じて、設置される表
面伝導型電子放出素子174の個数および個々の素子の
設計上の形状が適宜設定される。
したガラス基板等であり、用途に応じて、設置される表
面伝導型電子放出素子174の個数および個々の素子の
設計上の形状が適宜設定される。
【0066】各X方向配線172は、Dx1、Dx2、
・・・、Dxmのm本の配線からなり、真空蒸着法、印
刷法、スパッタ法等で形成した導電性金属等である。ま
た、多数の表面伝導型電子放出素子174にほぼ均等な
電圧が供給されるように、材料、膜厚、配線幅が適宜設
定される。各Y方向配線173は、Dy1、Dy2、・
・・、Dynのn本の配線からなり、X方向配線172
と同様に作製される。これらm本のX方向配線172と
n本のY方向配線173との間には、不図示の層間絶縁
層が設けられ、X方向配線172とY方向配線173と
は、互いに電気的に分離されて、マトリックス配線を構
成する(このm、nは、ともに正の整数である)。
・・・、Dxmのm本の配線からなり、真空蒸着法、印
刷法、スパッタ法等で形成した導電性金属等である。ま
た、多数の表面伝導型電子放出素子174にほぼ均等な
電圧が供給されるように、材料、膜厚、配線幅が適宜設
定される。各Y方向配線173は、Dy1、Dy2、・
・・、Dynのn本の配線からなり、X方向配線172
と同様に作製される。これらm本のX方向配線172と
n本のY方向配線173との間には、不図示の層間絶縁
層が設けられ、X方向配線172とY方向配線173と
は、互いに電気的に分離されて、マトリックス配線を構
成する(このm、nは、ともに正の整数である)。
【0067】不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等であり、X方
向配線172を形成した電子源基板171の全面あるい
は一部に所望の形状で形成され、特に、X方向配線17
2とY方向配線173との交差部の電位差に耐え得るよ
うに、膜厚、材料、製法が適宜設定される。X方向配線
172とY方向配線173は、それぞれ外部端子として
引き出されている。
法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等であり、X方
向配線172を形成した電子源基板171の全面あるい
は一部に所望の形状で形成され、特に、X方向配線17
2とY方向配線173との交差部の電位差に耐え得るよ
うに、膜厚、材料、製法が適宜設定される。X方向配線
172とY方向配線173は、それぞれ外部端子として
引き出されている。
【0068】更に、表面伝導型電子放出素子174の対
向する電極(不図示)が、m本のX方向配線172とn
本のY方向配線173と、真空蒸着法、印刷法、スパッ
タ法等で形成された導電性金属等からなる結線175に
よって電気的に接続されている。
向する電極(不図示)が、m本のX方向配線172とn
本のY方向配線173と、真空蒸着法、印刷法、スパッ
タ法等で形成された導電性金属等からなる結線175に
よって電気的に接続されている。
【0069】ここで、m本のX方向配線172とn本の
Y方向配線173と結線175と対向する素子電極の導
電性金属は、その構成元素の一部あるいは全部が同一で
あっても、またそれぞれ異なってもよく、前述の素子電
極の材料等により適宜選択される。なお、これら素子電
極への配線は、素子電極と配線材料が同一である場合
は、素子電極と総称する場合もある。また、表面伝導型
電子放出素子174は、電子源基板171あるいは不図
示の層間絶縁層上のどちらに形成してもよい。
Y方向配線173と結線175と対向する素子電極の導
電性金属は、その構成元素の一部あるいは全部が同一で
あっても、またそれぞれ異なってもよく、前述の素子電
極の材料等により適宜選択される。なお、これら素子電
極への配線は、素子電極と配線材料が同一である場合
は、素子電極と総称する場合もある。また、表面伝導型
電子放出素子174は、電子源基板171あるいは不図
示の層間絶縁層上のどちらに形成してもよい。
【0070】また、詳しくは後述するが、前記X方向配
線172には、X方向に配列される表面伝導型電子放出
素子174の行を、入力信号に応じて走査するための走
査信号を印加する不図示の走査信号発生手段と電気的に
接続されている。一方、Y方向配線173には、Y方向
に配列される表面伝導型電子放出素子174の列の各列
を入力信号に応じて変調するための変調を信号を印加す
る不図示の変調信号発生手段を電気的に接続されてい
る。さらに、表面伝導型電子放出素子174の各素子に
印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号
と変調信号との差電圧として供給されるものである。
線172には、X方向に配列される表面伝導型電子放出
素子174の行を、入力信号に応じて走査するための走
査信号を印加する不図示の走査信号発生手段と電気的に
接続されている。一方、Y方向配線173には、Y方向
に配列される表面伝導型電子放出素子174の列の各列
を入力信号に応じて変調するための変調を信号を印加す
る不図示の変調信号発生手段を電気的に接続されてい
る。さらに、表面伝導型電子放出素子174の各素子に
印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号
と変調信号との差電圧として供給されるものである。
【0071】上記構成において、単純なマトリックス配
線だけで個別の素子を選択して独立に駆動可能になる。
線だけで個別の素子を選択して独立に駆動可能になる。
【0072】次に、以上のようにして作製した単純マト
リクス配置の電子源を用いた画像形成装置について説明
する。図9は、図8に示した電子源を用いた画像形成装
置の基本構成図である。
リクス配置の電子源を用いた画像形成装置について説明
する。図9は、図8に示した電子源を用いた画像形成装
置の基本構成図である。
【0073】図9に示すように、上述のようにして表面
伝導型電子放出素子174、X方向配線172およびY
方向配線173を作製した電子源基板171が、リアプ
レート181に固定されている。リアプレート181に
は、支持枠182を介してフェースプレート186が対
向配置されている。フェースプレート186は、ガラス
基板183の内面に、蛍光膜184およびメタルバック
185等が形成されたものである。リアプレート18
1、支持枠182およびフェースプレート186は互い
に気密固着(封着)され、リアプレート181と支持枠
182とフェースプレート186とで外囲器188を構
成する。リアプレート181、支持枠182およびフェ
ースプレート186の封着は、互いの固着面にフリット
ガラス等を塗布し、大気中あるいは窒素中で、400℃
〜500℃で10分以上焼成することで行われる。
伝導型電子放出素子174、X方向配線172およびY
方向配線173を作製した電子源基板171が、リアプ
レート181に固定されている。リアプレート181に
は、支持枠182を介してフェースプレート186が対
向配置されている。フェースプレート186は、ガラス
基板183の内面に、蛍光膜184およびメタルバック
185等が形成されたものである。リアプレート18
1、支持枠182およびフェースプレート186は互い
に気密固着(封着)され、リアプレート181と支持枠
182とフェースプレート186とで外囲器188を構
成する。リアプレート181、支持枠182およびフェ
ースプレート186の封着は、互いの固着面にフリット
ガラス等を塗布し、大気中あるいは窒素中で、400℃
〜500℃で10分以上焼成することで行われる。
【0074】外囲器188は上述のごとく、フェースプ
レート186、支持枠182およびリアプレート181
で構成されているが、リアプレート181は主に電子源
基板171の強度を補強する目的で設けられるため、電
子源基板171自体で十分な強度を持つ場合は別体のリ
アプレート181は必ずしも必要でなく、電子源基板1
71に直接、支持枠182を封着し、フェースプレート
186、支持枠182および電子源基板171にて外囲
器188を構成してもよい。また、さらには、フェース
プレート186、リアプレート181間に、スペーサと
呼ばれる不図示の支持体を設置することで、大気圧に対
して十分な強度をもつ外囲器188の構成にすることも
できる。
レート186、支持枠182およびリアプレート181
で構成されているが、リアプレート181は主に電子源
基板171の強度を補強する目的で設けられるため、電
子源基板171自体で十分な強度を持つ場合は別体のリ
アプレート181は必ずしも必要でなく、電子源基板1
71に直接、支持枠182を封着し、フェースプレート
186、支持枠182および電子源基板171にて外囲
器188を構成してもよい。また、さらには、フェース
プレート186、リアプレート181間に、スペーサと
呼ばれる不図示の支持体を設置することで、大気圧に対
して十分な強度をもつ外囲器188の構成にすることも
できる。
【0075】蛍光膜184は、モノクロームの場合は画
像形成部材である蛍光体のみからなるが、カラーの場合
は、図10に示すように、蛍光体の配列によりブラック
ストライプあるいはブラックマトリクスなどと呼ばれる
黒色導電材184bと蛍光体184aとで構成される。
ブラックストライプ、ブラックマトリクスが設けられる
目的は、カラー表示の場合必要となる三原色蛍光体の、
各蛍光体184a間の塗り分け部を黒くすることで混色
等を目立たなくすることと、蛍光膜184における外光
反射によるコントラストの低下を抑制することである。
ブラックストライプの材料としては、通常よく用いられ
ている黒鉛を主成分とする材料だけでなく、導電性があ
り、光の透過および反射が少ない材料であればこれに限
るものではない。ガラス基板183に蛍光体を塗布する
方法は、モノクローム、カラーによらず、沈殿法や印刷
法が用いられる。さらに、カラーの場合には、スラリー
法を用いることも可能である。
像形成部材である蛍光体のみからなるが、カラーの場合
は、図10に示すように、蛍光体の配列によりブラック
ストライプあるいはブラックマトリクスなどと呼ばれる
黒色導電材184bと蛍光体184aとで構成される。
ブラックストライプ、ブラックマトリクスが設けられる
目的は、カラー表示の場合必要となる三原色蛍光体の、
各蛍光体184a間の塗り分け部を黒くすることで混色
等を目立たなくすることと、蛍光膜184における外光
反射によるコントラストの低下を抑制することである。
ブラックストライプの材料としては、通常よく用いられ
ている黒鉛を主成分とする材料だけでなく、導電性があ
り、光の透過および反射が少ない材料であればこれに限
るものではない。ガラス基板183に蛍光体を塗布する
方法は、モノクローム、カラーによらず、沈殿法や印刷
法が用いられる。さらに、カラーの場合には、スラリー
法を用いることも可能である。
【0076】また、蛍光膜184の内面側には通常メタ
ルバック185が設けられる。メタルバック185の目
的は、蛍光体184aに照射された電子が帯電するのを
防止すること、蛍光体184aの発光のうち内面側への
光をフェースプレート186側へ鏡面反射することによ
り輝度を向上すること、電子ビーム加速電圧を印加する
ための電極として作用すること、外囲器188内で発生
した負イオンの衝突によるダメージからの蛍光体184
aの保護等である。メタルバック185は、蛍光膜18
4を作製後、蛍光膜184の内面側表面の平滑化処理
(通常フィルミングと呼ばれる)を行い、その後Alを
真空蒸着等で堆積することで作製できる。
ルバック185が設けられる。メタルバック185の目
的は、蛍光体184aに照射された電子が帯電するのを
防止すること、蛍光体184aの発光のうち内面側への
光をフェースプレート186側へ鏡面反射することによ
り輝度を向上すること、電子ビーム加速電圧を印加する
ための電極として作用すること、外囲器188内で発生
した負イオンの衝突によるダメージからの蛍光体184
aの保護等である。メタルバック185は、蛍光膜18
4を作製後、蛍光膜184の内面側表面の平滑化処理
(通常フィルミングと呼ばれる)を行い、その後Alを
真空蒸着等で堆積することで作製できる。
【0077】フェースプレート186には、さらに蛍光
膜184の導電性を高めるため、蛍光膜184の外側面
に透明電極(不図示)を設けてもよい。
膜184の導電性を高めるため、蛍光膜184の外側面
に透明電極(不図示)を設けてもよい。
【0078】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体184bと表面伝導型電子放出素子174とを対
応させなくてはならないため、十分な位置合わせを行う
必要がある。
蛍光体184bと表面伝導型電子放出素子174とを対
応させなくてはならないため、十分な位置合わせを行う
必要がある。
【0079】リアプレート181と支持枠182とフェ
ースプレート186とを互いに封着し、外囲器188が
構成されたら、不図示の排気管を通じて排気系により外
囲器188内を10-7Torr程度の真空度まで排気
し、外囲器188を封止する。また、外囲器188の封
止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を行う場
合もある。これは、外囲器188の封止を行う直前ある
いは封止後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等の加熱法
により、外囲器188内の所定の位置に配置されたゲッ
ター(不図示)を加熱し、蒸着膜を形成する工程であ
る。ゲッターは、通常、Ba等が主成分であり、該蒸着
膜の吸着作用により、例えば10-5〜10-7Torrの
真空度を維持するものである。なお、表面伝導型電子放
出素子174の通電フォーミング処理以降の工程は、適
宜設定される。
ースプレート186とを互いに封着し、外囲器188が
構成されたら、不図示の排気管を通じて排気系により外
囲器188内を10-7Torr程度の真空度まで排気
し、外囲器188を封止する。また、外囲器188の封
止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を行う場
合もある。これは、外囲器188の封止を行う直前ある
いは封止後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等の加熱法
により、外囲器188内の所定の位置に配置されたゲッ
ター(不図示)を加熱し、蒸着膜を形成する工程であ
る。ゲッターは、通常、Ba等が主成分であり、該蒸着
膜の吸着作用により、例えば10-5〜10-7Torrの
真空度を維持するものである。なお、表面伝導型電子放
出素子174の通電フォーミング処理以降の工程は、適
宜設定される。
【0080】次に、NTSC方式のテレビ信号に基づき
テレビジョン表示を行うための駆動回路の概略構成を、
図11のブロック図を用いて説明する。符号191は図
9に示した画像形成装置に相当する表示パネルであり、
また、192は走査回路、193は制御回路、194は
シフトレジスタ、195はラインメモリ、196は同期
信号分離回路、197は変調信号発生器、Vx 、Va は
直流電圧源をそれぞれ示す。
テレビジョン表示を行うための駆動回路の概略構成を、
図11のブロック図を用いて説明する。符号191は図
9に示した画像形成装置に相当する表示パネルであり、
また、192は走査回路、193は制御回路、194は
シフトレジスタ、195はラインメモリ、196は同期
信号分離回路、197は変調信号発生器、Vx 、Va は
直流電圧源をそれぞれ示す。
【0081】以下、各部の機能を説明していくが、まず
表示パネル191は、端子Dx1ないしDxm、および
Dy1ないしDyn、および高圧端子Hv を介して外部
の電気回路と接続している。このうち、端子Dx1ない
しDxmには、前記表示パネル191内に設けられてい
る電子源、すなわちm行n列の行列状にマトリックス配
線された表面伝導型電子放出素子群を一行(n素子)ず
つ順次駆動してゆくための走査信号が印加される。
表示パネル191は、端子Dx1ないしDxm、および
Dy1ないしDyn、および高圧端子Hv を介して外部
の電気回路と接続している。このうち、端子Dx1ない
しDxmには、前記表示パネル191内に設けられてい
る電子源、すなわちm行n列の行列状にマトリックス配
線された表面伝導型電子放出素子群を一行(n素子)ず
つ順次駆動してゆくための走査信号が印加される。
【0082】一方、端子Dy1ないしDynには、前記
走査信号により選択された一行の表面伝導型電子放出素
子の各素子の出力電子ビームを制御するための変調信号
が印加される。また、高圧端子Hv には、直流電圧源V
a より、例えば10kVの直流電圧が供給されるが、こ
れは、表面伝導型電子放出素子より出力される電子ビー
ムに蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを付与する
ための加速電極である。
走査信号により選択された一行の表面伝導型電子放出素
子の各素子の出力電子ビームを制御するための変調信号
が印加される。また、高圧端子Hv には、直流電圧源V
a より、例えば10kVの直流電圧が供給されるが、こ
れは、表面伝導型電子放出素子より出力される電子ビー
ムに蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを付与する
ための加速電極である。
【0083】次に、走査回路192について説明する。
走査回路192は、内部にm個のスイッチング素子(図
中、S1ないしSmで模式的に示している)を備えるも
ので、各スイッチング素子は、直流電圧源Vx の出力電
圧もしくは0V(グランドレベル)のいずれか一方を選
択し、表示パネル191の端子Dx1ないしDxmと電
気的に接続するものである。S1ないしSmの各スイッ
チング素子は、制御回路193が出力する制御信号に基
づいて動作するものであるが、実際には、例えばFET
のようなスイッチング素子を組み合せることにより容易
に構成することが可能である。
走査回路192は、内部にm個のスイッチング素子(図
中、S1ないしSmで模式的に示している)を備えるも
ので、各スイッチング素子は、直流電圧源Vx の出力電
圧もしくは0V(グランドレベル)のいずれか一方を選
択し、表示パネル191の端子Dx1ないしDxmと電
気的に接続するものである。S1ないしSmの各スイッ
チング素子は、制御回路193が出力する制御信号に基
づいて動作するものであるが、実際には、例えばFET
のようなスイッチング素子を組み合せることにより容易
に構成することが可能である。
【0084】なお、前記直流電圧源Vx は、本実施例の
場合には前記表面伝導型電子放出素子の特性(電子放出
しきい値電圧)に基づき、走査されていない素子に印加
される駆動電圧が電子放出しきい値電圧以下となるよう
な一定電圧を出力するように設定されている。
場合には前記表面伝導型電子放出素子の特性(電子放出
しきい値電圧)に基づき、走査されていない素子に印加
される駆動電圧が電子放出しきい値電圧以下となるよう
な一定電圧を出力するように設定されている。
【0085】また、制御回路193は、外部より入力す
る画像信号に基づいて適切な表示が行われるように各部
の動作を整合させる働きをもつものである。次に説明す
る同期信号分離回路196より送られる同期信号TSYNC
に基づいて、各部に対してT SCANおよびTSFT およびT
MRY の各制御信号を発生する。
る画像信号に基づいて適切な表示が行われるように各部
の動作を整合させる働きをもつものである。次に説明す
る同期信号分離回路196より送られる同期信号TSYNC
に基づいて、各部に対してT SCANおよびTSFT およびT
MRY の各制御信号を発生する。
【0086】同期信号分離回路196は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と
輝度信号成分とを分離するための回路で、よく知られて
いるように周波数分離(フィルター)回路を用いれば、
容易に構成できるものである。同期信号分離回路196
により分離された同期信号は、よく知られるように垂直
同期信号と水平同期信号よりなるが、ここでは説明の便
宜上、TSYNC信号として図示した。一方、前記テレビ信
号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上DATA
信号と表わすが、同信号はシフトレジスタ194に入力
される。
されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と
輝度信号成分とを分離するための回路で、よく知られて
いるように周波数分離(フィルター)回路を用いれば、
容易に構成できるものである。同期信号分離回路196
により分離された同期信号は、よく知られるように垂直
同期信号と水平同期信号よりなるが、ここでは説明の便
宜上、TSYNC信号として図示した。一方、前記テレビ信
号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上DATA
信号と表わすが、同信号はシフトレジスタ194に入力
される。
【0087】シフトレジスタ194は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御信号193より送られる制御信号TSFT に基づいて動
作する(すなわち、制御信号TSFT は、シフトレジスタ
194のシフトクロックであると言い替えてもよい)。
シリアル/パラレル変換された画像1ライン分(表面伝
導型電子放出素子n素子分の駆動データに相当する)の
データは、Id1ないしIdnのn個の並列信号として
前記シフトレジスタ194より出力される。
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御信号193より送られる制御信号TSFT に基づいて動
作する(すなわち、制御信号TSFT は、シフトレジスタ
194のシフトクロックであると言い替えてもよい)。
シリアル/パラレル変換された画像1ライン分(表面伝
導型電子放出素子n素子分の駆動データに相当する)の
データは、Id1ないしIdnのn個の並列信号として
前記シフトレジスタ194より出力される。
【0088】ラインメモリ195は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であ
り、制御回路193より送られる制御信号TMRY にした
がって適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。記憶
された内容は、I’d1ないしI’dnとして出力さ
れ、変調信号発生器197に入力される。
データを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であ
り、制御回路193より送られる制御信号TMRY にした
がって適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。記憶
された内容は、I’d1ないしI’dnとして出力さ
れ、変調信号発生器197に入力される。
【0089】変調信号発生器197は、前記画像データ
I’d1ないしI’dnの各々に応じて、表面伝導型電
子放出素子の各々を適切に駆動変調するための信号源
で、その出力信号は、端子Dy1ないしDynを通じて
表示パネル191内の表面伝導型電子放出素子に印加さ
れる。
I’d1ないしI’dnの各々に応じて、表面伝導型電
子放出素子の各々を適切に駆動変調するための信号源
で、その出力信号は、端子Dy1ないしDynを通じて
表示パネル191内の表面伝導型電子放出素子に印加さ
れる。
【0090】前述したように、本発明に係わる表面伝導
型電子放出素子は、放出電流Ieに対して以下の基本特
性を有している。すなわち、前述したように、電子放出
には明確なしきい値電圧Vthがあり、Vth以上の電
圧を印加されたときのみ電子放出が生じる。また、電子
放出しきい値以上の電圧に対しては、素子への印加電圧
の変化に応じて放出電流も変化してゆく。なお、表面伝
導型電子放出素子の材料や構成、製造方法を変えること
により、電子放出しきい値電圧Vthの値や、印加電圧
に対する放出電流の変化の度合が変る場合もあるが、い
ずれにしても以下のようなことがいえる。
型電子放出素子は、放出電流Ieに対して以下の基本特
性を有している。すなわち、前述したように、電子放出
には明確なしきい値電圧Vthがあり、Vth以上の電
圧を印加されたときのみ電子放出が生じる。また、電子
放出しきい値以上の電圧に対しては、素子への印加電圧
の変化に応じて放出電流も変化してゆく。なお、表面伝
導型電子放出素子の材料や構成、製造方法を変えること
により、電子放出しきい値電圧Vthの値や、印加電圧
に対する放出電流の変化の度合が変る場合もあるが、い
ずれにしても以下のようなことがいえる。
【0091】すなわち、本素子にパルス状の電圧を印加
する場合、例えば電子放出しきい値以下の電圧を印加し
ても電子放出は生じないが、電子放出しきい値以上の電
圧を印加する場合には電子ビームが出力される。その
際、第一には、パルスの波高値Vmを変化させることに
より出力電子ビームの強度を制御することが可能であ
る。第二には、パルスの幅Pwを変化させることにより
出力電子ビームの電荷の総量を制御することが可能であ
る。
する場合、例えば電子放出しきい値以下の電圧を印加し
ても電子放出は生じないが、電子放出しきい値以上の電
圧を印加する場合には電子ビームが出力される。その
際、第一には、パルスの波高値Vmを変化させることに
より出力電子ビームの強度を制御することが可能であ
る。第二には、パルスの幅Pwを変化させることにより
出力電子ビームの電荷の総量を制御することが可能であ
る。
【0092】したがって、入力信号に応じて、表面伝導
型電子放出素子を変調する方式としては、電圧変調方
式、パルス幅変調方式等が挙げられ、電圧変調方式を実
施するには、変調信号発生器197としては、一定の長
さの電圧パルスを発生するが入力されるデータに応じて
適宜パルスの波高値を変調するような電圧変調方式の回
路を用いる。
型電子放出素子を変調する方式としては、電圧変調方
式、パルス幅変調方式等が挙げられ、電圧変調方式を実
施するには、変調信号発生器197としては、一定の長
さの電圧パルスを発生するが入力されるデータに応じて
適宜パルスの波高値を変調するような電圧変調方式の回
路を用いる。
【0093】また、パルス幅変調方式を実施するには、
変調信号発生器197としては、一定の波高値の電圧パ
ルスを発生するが入力されるデータに応じて適宜電圧パ
ルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用
いるものである。
変調信号発生器197としては、一定の波高値の電圧パ
ルスを発生するが入力されるデータに応じて適宜電圧パ
ルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用
いるものである。
【0094】以上説明した一連の動作により、表示パネ
ル191を用いてテレビジョンの表示を行える。なお、
上記説明中、特に記載しなかったが、シフトレジスタ1
94やラインメモリ195は、デジタル信号式のもので
もアナログ信号式のものでも差し支えなく、画像信号の
シリアル/パラレル変換や記憶が所定の速度で行われれ
ばよい。
ル191を用いてテレビジョンの表示を行える。なお、
上記説明中、特に記載しなかったが、シフトレジスタ1
94やラインメモリ195は、デジタル信号式のもので
もアナログ信号式のものでも差し支えなく、画像信号の
シリアル/パラレル変換や記憶が所定の速度で行われれ
ばよい。
【0095】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路196の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これは同期信号分離回路196の出
力部にA/D変換器を備えれば容易に可能であることは
いうまでもない。また、これと関連してラインメモリ1
95の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かによ
り、変調信号発生器197に用いられる回路が若干異な
ったものとなるのはいうまでもない。すなわち、デジタ
ル信号の場合には、電圧変調方式の場合、変調信号発生
器197には、例えばよく知られるD/A変換回路を用
い、必要に応じて増幅回路等を付け加えればよい。また
パルス幅変調方式の場合、変調信号発生器197は、例
えば高速の発振器および発振器の出力する波数を計数す
る計数器(カウンタ)および計数器の出力値と前記ライ
ンメモリ195の出力値を比較する比較器(コンパレー
タ)を組み合せた回路を用いれば当業者であれば容易に
構成できる。必要に応じて、比較器の出力するパルス幅
変調された変調信号を表面伝導型電子放出素子の駆動電
圧にまで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよ
い。
号分離回路196の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これは同期信号分離回路196の出
力部にA/D変換器を備えれば容易に可能であることは
いうまでもない。また、これと関連してラインメモリ1
95の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かによ
り、変調信号発生器197に用いられる回路が若干異な
ったものとなるのはいうまでもない。すなわち、デジタ
ル信号の場合には、電圧変調方式の場合、変調信号発生
器197には、例えばよく知られるD/A変換回路を用
い、必要に応じて増幅回路等を付け加えればよい。また
パルス幅変調方式の場合、変調信号発生器197は、例
えば高速の発振器および発振器の出力する波数を計数す
る計数器(カウンタ)および計数器の出力値と前記ライ
ンメモリ195の出力値を比較する比較器(コンパレー
タ)を組み合せた回路を用いれば当業者であれば容易に
構成できる。必要に応じて、比較器の出力するパルス幅
変調された変調信号を表面伝導型電子放出素子の駆動電
圧にまで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよ
い。
【0096】一方、アナログ信号の場合には、電圧変調
方式の場合、変調信号発生器197には、例えばよく知
られるオペアンプ等を用いた増幅回路を用いればよく、
必要に応じてレベルシフト回路等を付け加えてもよい。
また、パルス幅変調方式の場合には、例えばよく知られ
た電圧制御型発振回路(VCO)を用いればよく、必要
に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧
増幅するための増幅器を付け加えてもよい。
方式の場合、変調信号発生器197には、例えばよく知
られるオペアンプ等を用いた増幅回路を用いればよく、
必要に応じてレベルシフト回路等を付け加えてもよい。
また、パルス幅変調方式の場合には、例えばよく知られ
た電圧制御型発振回路(VCO)を用いればよく、必要
に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧
増幅するための増幅器を付け加えてもよい。
【0097】以上のように完成した画像表示装置におい
て、電子源基板171の各表面伝導型電子放出素子17
4に、端子Dx1ないしDxm、Dy1ないしDynを
通じ、電圧を印加することにより、電子を放出させ、高
圧端子Hv を通じ、メタルバック185あるいは透明電
極(不図示)に高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍
光膜184に衝突させ、励起・発光させることで画像を
表示することができる。
て、電子源基板171の各表面伝導型電子放出素子17
4に、端子Dx1ないしDxm、Dy1ないしDynを
通じ、電圧を印加することにより、電子を放出させ、高
圧端子Hv を通じ、メタルバック185あるいは透明電
極(不図示)に高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍
光膜184に衝突させ、励起・発光させることで画像を
表示することができる。
【0098】以上述べた構成は、表示等に用いられる好
適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成であ
り、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に限
られるものではなく、画像形成装置の用途に適するよう
に適宜選択する。また、入力信号例として、NTSC方
式を挙げたが、これに限るものでなく、PAL、SEC
AM方式等の諸方式でもよく、また、これよりも、多数
の走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をは
じめとする高品位TV)方式でもよい。
適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成であ
り、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に限
られるものではなく、画像形成装置の用途に適するよう
に適宜選択する。また、入力信号例として、NTSC方
式を挙げたが、これに限るものでなく、PAL、SEC
AM方式等の諸方式でもよく、また、これよりも、多数
の走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をは
じめとする高品位TV)方式でもよい。
【0099】次に、前述のはしご型配置の電子源および
画像形成装置について説明する。
画像形成装置について説明する。
【0100】図12は、はしご型配置の電子源の一例の
構成図である。図12において、表面伝導型電子放出素
子274は、電子源基板271上に、X方向に並列に復
数個配置される(これを「素子行」と呼ぶ)。この素子
行がY方向に複数個配置され、電子源となる。表面伝導
型電子放出素子274に配線される各素子行の共通配線
Dx1、Dx2、・・・、Dx10間に適宜駆動電圧を
印加することで、各素子行を独立に駆動することが可能
である。すなわち、電子ビームを放出したい素子行に
は、放出しきい値以上の電圧を印加し、電子ビームを放
出しない素子行には、放出しきい値以上の電圧を印加す
ればよい。また、各素子行間の共通配線Dx2、Dx
3、・・・、Dx9を、例えばDx2、Dx3を同一配
線としてもよい。
構成図である。図12において、表面伝導型電子放出素
子274は、電子源基板271上に、X方向に並列に復
数個配置される(これを「素子行」と呼ぶ)。この素子
行がY方向に複数個配置され、電子源となる。表面伝導
型電子放出素子274に配線される各素子行の共通配線
Dx1、Dx2、・・・、Dx10間に適宜駆動電圧を
印加することで、各素子行を独立に駆動することが可能
である。すなわち、電子ビームを放出したい素子行に
は、放出しきい値以上の電圧を印加し、電子ビームを放
出しない素子行には、放出しきい値以上の電圧を印加す
ればよい。また、各素子行間の共通配線Dx2、Dx
3、・・・、Dx9を、例えばDx2、Dx3を同一配
線としてもよい。
【0101】図13は、はしご型配置の電子源を用いた
画像形成装置の一例の基本構成図である。単純マトリッ
クス配置の電子源を用いた画像形成装置との大きな違い
は、電子源基板271とフェースプレート286との間
にグリッド電極290を備え、グリッド電極290と接
続されたG1、G2、・・・、Gnからなるグリッド容
器外端子291と、電子源基板271の共通配線と接続
された、Dox1、Dox2、・・・、Doxmからな
る容器外端子292とを設けた点である。
画像形成装置の一例の基本構成図である。単純マトリッ
クス配置の電子源を用いた画像形成装置との大きな違い
は、電子源基板271とフェースプレート286との間
にグリッド電極290を備え、グリッド電極290と接
続されたG1、G2、・・・、Gnからなるグリッド容
器外端子291と、電子源基板271の共通配線と接続
された、Dox1、Dox2、・・・、Doxmからな
る容器外端子292とを設けた点である。
【0102】グリッド電極290は、表面伝導型電子放
出素子274から放出された電子ビームを変調すること
ができるもので、はしご型配置の素子行と直交して設け
られたストライプ状の電極である。また、グリッド電極
290には、電子ビームを通過させるため、各素子行に
対応して1個ずつ円形の開口290aが設けられてい
る。グリッド電極290の形状や設置位置は、必ずしも
図示したようなものでなくともよく、開口としてメッシ
ュ状に多数の通過口を設けることもあり、また、例えば
表面伝導型電子放出素子274の周囲や近傍に設けても
よい。容器外端子292およびグリッド容器外端子29
1は、不図示の制御回路と電気的に接続されている。
出素子274から放出された電子ビームを変調すること
ができるもので、はしご型配置の素子行と直交して設け
られたストライプ状の電極である。また、グリッド電極
290には、電子ビームを通過させるため、各素子行に
対応して1個ずつ円形の開口290aが設けられてい
る。グリッド電極290の形状や設置位置は、必ずしも
図示したようなものでなくともよく、開口としてメッシ
ュ状に多数の通過口を設けることもあり、また、例えば
表面伝導型電子放出素子274の周囲や近傍に設けても
よい。容器外端子292およびグリッド容器外端子29
1は、不図示の制御回路と電気的に接続されている。
【0103】本画像形成装置では、素子行を1列ずつ順
次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極29
0の列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加するこ
とにより、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画
像を1ラインずつ表示することができる。
次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極29
0の列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加するこ
とにより、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画
像を1ラインずつ表示することができる。
【0104】以下に、本発明の表面伝導型電子放出素子
の製造方法を用いた具体例について述べる。
の製造方法を用いた具体例について述べる。
【0105】(具体例1)ここでは、図1に示した表面
伝導型電子放出素子の素子電極102、103の形成工
程について述べる。
伝導型電子放出素子の素子電極102、103の形成工
程について述べる。
【0106】まず、図3(a)に示すように、基板10
1に導体膜107として、Ptをスパッタ法により10
00オングストロームの膜厚で成膜する。この導電膜1
10は、基板101のほぼ全面にわたって形成されてい
る。
1に導体膜107として、Ptをスパッタ法により10
00オングストロームの膜厚で成膜する。この導電膜1
10は、基板101のほぼ全面にわたって形成されてい
る。
【0107】次に、図3(b)に示すように、導体膜1
07の表面に直接レーザビーム108を照射して不要部
分を選択的に除去し、図3(c)に示すような電極パッ
ド107’を形成する。電極パッド107’の形状は、
辺の長さが400μm×200μmの長方形とした。
07の表面に直接レーザビーム108を照射して不要部
分を選択的に除去し、図3(c)に示すような電極パッ
ド107’を形成する。電極パッド107’の形状は、
辺の長さが400μm×200μmの長方形とした。
【0108】さらに、図4(a)に示すように、電極パ
ッド107’の中央部に上記と同様、レーザビーム10
8を照射して約10μmの幅で除去した。これにより、
図4(b)に示すように、素子電極間隔Lが約10μ
m、素子電極幅Wが約200μmの、Pt薄膜による素
子電極102、103を形成した。
ッド107’の中央部に上記と同様、レーザビーム10
8を照射して約10μmの幅で除去した。これにより、
図4(b)に示すように、素子電極間隔Lが約10μ
m、素子電極幅Wが約200μmの、Pt薄膜による素
子電極102、103を形成した。
【0109】上記レーザ加工には、図14に示すような
構成のレーザ加工装置を用いた。図14において、X方
向およびY方向に移動可能に設けられたXYステージ3
1には、被加工物30が固定される。一方、レーザ発振
器25から発せられたレーザビーム26は、ミラー27
によって直角に曲げられ、アパーチャ28およびレンズ
29を通過してビーム形状が縮小され、XYステージ3
1上の被加工物30に照射される構成となっている。レ
ーザ発振器25としては、Qスイッチ付きNd:YAG
第2高調波レーザを用いた。
構成のレーザ加工装置を用いた。図14において、X方
向およびY方向に移動可能に設けられたXYステージ3
1には、被加工物30が固定される。一方、レーザ発振
器25から発せられたレーザビーム26は、ミラー27
によって直角に曲げられ、アパーチャ28およびレンズ
29を通過してビーム形状が縮小され、XYステージ3
1上の被加工物30に照射される構成となっている。レ
ーザ発振器25としては、Qスイッチ付きNd:YAG
第2高調波レーザを用いた。
【0110】上記構成に基づき、被加工物30にレーザ
ビーム26を照射しつつ、XYステージ31を移動させ
ることで、被加工物30の任意の部位にレーザビーム2
6を照射し、主に熱による溶融蒸発による被加工物30
の加工を行うことができる。ここで、被加工物30にか
えて、導体膜107が形成された基板101(図3
(a)参照)をXYステージ31に固定し、導体膜10
7を除去する部位のみにレーザビーム26が照射される
ようにXYステージ31を移動させれば、図3(a)に
示した導体膜107から図4(b)に示した素子電極1
02、103のパターンを得ることができる。
ビーム26を照射しつつ、XYステージ31を移動させ
ることで、被加工物30の任意の部位にレーザビーム2
6を照射し、主に熱による溶融蒸発による被加工物30
の加工を行うことができる。ここで、被加工物30にか
えて、導体膜107が形成された基板101(図3
(a)参照)をXYステージ31に固定し、導体膜10
7を除去する部位のみにレーザビーム26が照射される
ようにXYステージ31を移動させれば、図3(a)に
示した導体膜107から図4(b)に示した素子電極1
02、103のパターンを得ることができる。
【0111】厚みが1000オングストロームのPt薄
膜の加工条件は、Qスイッチ付きNd:YAG第2高調
波レーザを用いた場合、Qスイッチの周波数は1〜3k
Hz、平均出力は5W前後で、パルス幅が100ns前
後、被加工物30の表面での縮小されたレーザビーム2
6の形状が10μm四方の四角形、走査速度が10mm
/secである。
膜の加工条件は、Qスイッチ付きNd:YAG第2高調
波レーザを用いた場合、Qスイッチの周波数は1〜3k
Hz、平均出力は5W前後で、パルス幅が100ns前
後、被加工物30の表面での縮小されたレーザビーム2
6の形状が10μm四方の四角形、走査速度が10mm
/secである。
【0112】そして、素子電極102、103のパター
ンを得た後、素子電極102、103間をつないで電子
放出用薄膜(不図示)を形成し、素子電極102、10
3間に電圧を印加して通電フォーミング処理を施して電
子放出用薄膜に電子放出部を形成することで、電子放出
素子が完成する。
ンを得た後、素子電極102、103間をつないで電子
放出用薄膜(不図示)を形成し、素子電極102、10
3間に電圧を印加して通電フォーミング処理を施して電
子放出用薄膜に電子放出部を形成することで、電子放出
素子が完成する。
【0113】本例では、スパッタ法によりPtからなる
導体膜107を形成した場合について説明したが、導体
膜107の形成方法は何ら制限されるものではなく、無
電解メッキ法等により形成してもよい。
導体膜107を形成した場合について説明したが、導体
膜107の形成方法は何ら制限されるものではなく、無
電解メッキ法等により形成してもよい。
【0114】レーザの種類についても、Nd:YAG第
2高調波レーザに限定されるものではなく、Nd:YA
G基本波レーザもしくは第3高調波レーザ、またはKr
Fエキシマレーザ等、加工する材料や加工形状に応じて
適宜レーザ種を選択すればよい。また、レーザビーム2
6の照射方式についても、レーザ種に応じて変更するこ
とができる。例えばエキシマレーザを用いた場合には、
図15に示すようなマスクパターン露光方式を採用すれ
ばよい。この方式は、ミラー77とレンズ79との間
に、加工すべきパターンが形成されたマスク78を配置
することによって、レーザ発振器75から発せられたレ
ーザビーム76がマスク78を通過して所定の形状とな
り、さらにレンズ79で縮小され、被加工物80に所定
のパターンを露光するものである。
2高調波レーザに限定されるものではなく、Nd:YA
G基本波レーザもしくは第3高調波レーザ、またはKr
Fエキシマレーザ等、加工する材料や加工形状に応じて
適宜レーザ種を選択すればよい。また、レーザビーム2
6の照射方式についても、レーザ種に応じて変更するこ
とができる。例えばエキシマレーザを用いた場合には、
図15に示すようなマスクパターン露光方式を採用すれ
ばよい。この方式は、ミラー77とレンズ79との間
に、加工すべきパターンが形成されたマスク78を配置
することによって、レーザ発振器75から発せられたレ
ーザビーム76がマスク78を通過して所定の形状とな
り、さらにレンズ79で縮小され、被加工物80に所定
のパターンを露光するものである。
【0115】(具体例2)ここでは、複数の表面電子放
出素子を同一基板上にマトリックス状に配置した電子源
を製造した例について述べる。
出素子を同一基板上にマトリックス状に配置した電子源
を製造した例について述べる。
【0116】まず、図16に示すように、基板111上
に、印刷法にてAu膜である所定の大きさの導体膜11
7をマトリックス状に形成し、そのまま電極パッドとす
る。印刷方法は、スクリーン印刷法であり、粘性率が1
0万cpsのAu−MODペースト(有機Au化合物ペ
ースト)を印刷し、70℃で30分間乾燥した後、熱処
理炉で580℃まで昇温温度10℃/分で加熱し、58
0℃で10分間保持後、降温温度10℃/分で室温まで
冷却することによって導体膜117を形成した。導体膜
117のそれぞれの大きさは、辺の長さが100μm×
140μmの長方形であり、膜厚は5000オングスト
ロームとした。
に、印刷法にてAu膜である所定の大きさの導体膜11
7をマトリックス状に形成し、そのまま電極パッドとす
る。印刷方法は、スクリーン印刷法であり、粘性率が1
0万cpsのAu−MODペースト(有機Au化合物ペ
ースト)を印刷し、70℃で30分間乾燥した後、熱処
理炉で580℃まで昇温温度10℃/分で加熱し、58
0℃で10分間保持後、降温温度10℃/分で室温まで
冷却することによって導体膜117を形成した。導体膜
117のそれぞれの大きさは、辺の長さが100μm×
140μmの長方形であり、膜厚は5000オングスト
ロームとした。
【0117】次いで、図17に示すように、導体膜11
7の中央部に直接レーザビーム118を照射し、10μ
mの幅で除去する。この加工を導体膜117毎に順次行
うことで、図18に示すように、基板111上に行列状
に配置された、素子電極幅Wが約100μm、素子電極
間隔Lが約10μである素子電極112、113の対を
得た。
7の中央部に直接レーザビーム118を照射し、10μ
mの幅で除去する。この加工を導体膜117毎に順次行
うことで、図18に示すように、基板111上に行列状
に配置された、素子電極幅Wが約100μm、素子電極
間隔Lが約10μである素子電極112、113の対を
得た。
【0118】導体膜117の中央部をレーザビーム11
8の照射により除去する際のレーザ加工装置としては図
14に示したようなものを用い、加工条件は具体例1と
全く同一条件とした。
8の照射により除去する際のレーザ加工装置としては図
14に示したようなものを用い、加工条件は具体例1と
全く同一条件とした。
【0119】以上のようにして素子電極112、113
が得られたら、対の素子電極112、113に電圧を印
加するための配線を形成するわけであるが、配線のパタ
ーンとしては、図8に示したような単純マトリックス型
の配線でもよいし、図12に示したようなはしご型の配
線でもよい。
が得られたら、対の素子電極112、113に電圧を印
加するための配線を形成するわけであるが、配線のパタ
ーンとしては、図8に示したような単純マトリックス型
の配線でもよいし、図12に示したようなはしご型の配
線でもよい。
【0120】配線が形成されたら、対の素子電極11
2、113をつなぐ電子放出用薄膜(不図示)を形成す
る。ここでは、電子放出用薄膜は、有機パラジウム錯体
によるPdO薄膜で形成した。そして、配線を介して素
子電極112、113間に電圧を印加して通電フォーミ
ング処理を行い、電子放出用薄膜に電子放出部(不図
示)を形成することで、電子源を作製した。なお、電子
源を画像表示装置に用いる場合には、電子放出用薄膜を
形成した基板111を、図9または図13に示したよう
な外囲器内に配置し、その後、通電フォーミング処理を
実施してもよい。
2、113をつなぐ電子放出用薄膜(不図示)を形成す
る。ここでは、電子放出用薄膜は、有機パラジウム錯体
によるPdO薄膜で形成した。そして、配線を介して素
子電極112、113間に電圧を印加して通電フォーミ
ング処理を行い、電子放出用薄膜に電子放出部(不図
示)を形成することで、電子源を作製した。なお、電子
源を画像表示装置に用いる場合には、電子放出用薄膜を
形成した基板111を、図9または図13に示したよう
な外囲器内に配置し、その後、通電フォーミング処理を
実施してもよい。
【0121】(具体例3)具体例2では導体膜(電極パ
ッド)の中央部の除去し素子電極を形成した後に配線を
形成した例を示したが、ここでは、配線を形成した後に
導体膜(電極パッド)の中央部を除去する例を示す。配
線のパターンは、単純マトリックス型とした。
ッド)の中央部の除去し素子電極を形成した後に配線を
形成した例を示したが、ここでは、配線を形成した後に
導体膜(電極パッド)の中央部を除去する例を示す。配
線のパターンは、単純マトリックス型とした。
【0122】まず、図19(a)に示すように、具体例
2と同様にして基板121上にスクリーン印刷法により
膜厚5000オングストロームのAu薄膜からなる導体
膜127を形成して電極パッドとし、その後、X方向配
線372とY方向配線373とを、互いに層間絶縁膜3
76により絶縁されるように形成する。X方向配線37
2、層間絶縁膜376およびY方向配線373の形成方
法はスクリーン印刷法を用い、Y方向配線373、層間
絶縁膜376、X方向配線372の順に形成した。これ
により、個々の導体膜127は、Y方向の長さ(素子電
極幅Wに相当する長さ)×X方向の長さ=100μm×
120μmの部分が露出した状態となった。
2と同様にして基板121上にスクリーン印刷法により
膜厚5000オングストロームのAu薄膜からなる導体
膜127を形成して電極パッドとし、その後、X方向配
線372とY方向配線373とを、互いに層間絶縁膜3
76により絶縁されるように形成する。X方向配線37
2、層間絶縁膜376およびY方向配線373の形成方
法はスクリーン印刷法を用い、Y方向配線373、層間
絶縁膜376、X方向配線372の順に形成した。これ
により、個々の導体膜127は、Y方向の長さ(素子電
極幅Wに相当する長さ)×X方向の長さ=100μm×
120μmの部分が露出した状態となった。
【0123】次に、図19(b)に示すようなレーザ描
画パターン129で各導体膜127の中央部に直接、Y
方向に沿ってレーザビーム128を照射し、各導体膜1
27の中央部を幅10μmにわたって除去する。レーザ
ビーム128の照射による導体膜127の除去加工は、
具体例1および具体例2と同様に、図14に示したよう
なレーザ加工装置によって行い、また、その加工条件も
具体例1および具体例2と同一条件とした。
画パターン129で各導体膜127の中央部に直接、Y
方向に沿ってレーザビーム128を照射し、各導体膜1
27の中央部を幅10μmにわたって除去する。レーザ
ビーム128の照射による導体膜127の除去加工は、
具体例1および具体例2と同様に、図14に示したよう
なレーザ加工装置によって行い、また、その加工条件も
具体例1および具体例2と同一条件とした。
【0124】以上のようにして、図19(c)に示すよ
うに、基板121上に、X方向配線372とY方向配線
373とに電気的に接続された対の素子電極122、1
23を形成した。
うに、基板121上に、X方向配線372とY方向配線
373とに電気的に接続された対の素子電極122、1
23を形成した。
【0125】そして、具体例2と同様に対の素子電極1
22、123をつなぐ電子放出用薄膜(不図示)を形成
し、さらに通電フォーミング処理を行い、電子放出用薄
膜に電子放出部(不図示)を形成することで、単純マト
リックス型の配線の電子源を作製した。
22、123をつなぐ電子放出用薄膜(不図示)を形成
し、さらに通電フォーミング処理を行い、電子放出用薄
膜に電子放出部(不図示)を形成することで、単純マト
リックス型の配線の電子源を作製した。
【0126】以上説明した実施例から明らかなように、
本発明に係わる電子源および画像形成装置は基本的には
表面伝導型電子放出素子を用いている。表面伝導型電子
放出素子は冷陰極型の電子放出素子に含まれ、この種の
冷陰極型の電子放出素子としては、MIM型、FE型、
表面伝導型等がある。しかし、MIM型の電子放出素子
は絶縁層や上部電極の厚さを比較的精密に制御する必要
があり、また、FE型の電子放出素子は針状の電子放出
部の先端形状を精密に制御する必要がある。そのため、
これらの素子は比較的製造コストが高くなったり、製造
プロセス上の制限から大面積のものを作製するのが困難
となる場合があった。これに対して、表面伝導型の電子
放出素子は構造が単純で構造が簡単であり、大面積のも
のを容易に作製できる。近年、特に大面積で安価な表示
装置が求められる状況においては、とりわけ好適な冷陰
極型の電子放出素子であるといえる。
本発明に係わる電子源および画像形成装置は基本的には
表面伝導型電子放出素子を用いている。表面伝導型電子
放出素子は冷陰極型の電子放出素子に含まれ、この種の
冷陰極型の電子放出素子としては、MIM型、FE型、
表面伝導型等がある。しかし、MIM型の電子放出素子
は絶縁層や上部電極の厚さを比較的精密に制御する必要
があり、また、FE型の電子放出素子は針状の電子放出
部の先端形状を精密に制御する必要がある。そのため、
これらの素子は比較的製造コストが高くなったり、製造
プロセス上の制限から大面積のものを作製するのが困難
となる場合があった。これに対して、表面伝導型の電子
放出素子は構造が単純で構造が簡単であり、大面積のも
のを容易に作製できる。近年、特に大面積で安価な表示
装置が求められる状況においては、とりわけ好適な冷陰
極型の電子放出素子であるといえる。
【0127】また、本発明の製造方法により製造される
電子源は、例えば、電子顕微鏡のように、放出電子の被
照射部材が、画像形成部材以外の部材である場合につい
ても適用でき、被照射部材を特定しない電子線発生装置
としての形態も取り得る。
電子源は、例えば、電子顕微鏡のように、放出電子の被
照射部材が、画像形成部材以外の部材である場合につい
ても適用でき、被照射部材を特定しない電子線発生装置
としての形態も取り得る。
【0128】さらに、上述した実施例では、画像形成装
置として画像を表示する画像表示装置を例に挙げて説明
したが、本発明の思想によれば、例えば、感光性ドラム
と発光ダイオード等で構成された光プリンタの発光ダイ
オード等の代替の発光源としても用いることもできる。
この場合、画像形成部材としては、上述の実施例で用い
た蛍光体のような、直接発光する物質に限るものではな
く、電子の帯電による潜像画像が形成されるような部材
を用いることもできる。
置として画像を表示する画像表示装置を例に挙げて説明
したが、本発明の思想によれば、例えば、感光性ドラム
と発光ダイオード等で構成された光プリンタの発光ダイ
オード等の代替の発光源としても用いることもできる。
この場合、画像形成部材としては、上述の実施例で用い
た蛍光体のような、直接発光する物質に限るものではな
く、電子の帯電による潜像画像が形成されるような部材
を用いることもできる。
【0129】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおり構成され
ているので、以下に記載する効果を奏する。
ているので、以下に記載する効果を奏する。
【0130】本発明の表面伝導型電子放出素子の製造方
法は、基板上に形成された導体膜にレーザビームを照射
して導体膜の一部を除去することで素子電極対を形成す
るので、従来のように工程数の多いフォトリソグラフィ
技術やエッチング技術によらずに素子電極を形成でき、
工程を大幅に簡略化することができる。
法は、基板上に形成された導体膜にレーザビームを照射
して導体膜の一部を除去することで素子電極対を形成す
るので、従来のように工程数の多いフォトリソグラフィ
技術やエッチング技術によらずに素子電極を形成でき、
工程を大幅に簡略化することができる。
【0131】また、レーザビームとして、波長領域が
0.2μm〜12μmで、かつ、前記導体膜表面でのパ
ワー密度が1×106 W/cm2 以上のものを用いるこ
とで、金属をはじめとする導電体からなる導体膜の微細
な加工が可能となる。その結果、特に電子源を製造する
場合には、複数対の素子電極を高密度に配置することが
できる。
0.2μm〜12μmで、かつ、前記導体膜表面でのパ
ワー密度が1×106 W/cm2 以上のものを用いるこ
とで、金属をはじめとする導電体からなる導体膜の微細
な加工が可能となる。その結果、特に電子源を製造する
場合には、複数対の素子電極を高密度に配置することが
できる。
【0132】さらに、導体膜を印刷法により形成すれ
ば、導体膜を予め対の素子電極の外形に合わせてパター
ニングして形成することができるので、導体膜の中央部
へのレーザビームの照射のみで対の素子電極が得られ、
素子電極の形成工程をより簡略化することができる。
ば、導体膜を予め対の素子電極の外形に合わせてパター
ニングして形成することができるので、導体膜の中央部
へのレーザビームの照射のみで対の素子電極が得られ、
素子電極の形成工程をより簡略化することができる。
【0133】本発明の画像形成装置の製造方法は、本発
明の表面伝導型電子放出素子の製造方法により製造され
た表面伝導型電子放出素子を用いて画像形成装置を製造
しているので、上述したように電子源の素子電極を形成
する工程が大幅に簡略化され、結果的に、画像形成装置
の製造工程も簡略化することができるようになる。
明の表面伝導型電子放出素子の製造方法により製造され
た表面伝導型電子放出素子を用いて画像形成装置を製造
しているので、上述したように電子源の素子電極を形成
する工程が大幅に簡略化され、結果的に、画像形成装置
の製造工程も簡略化することができるようになる。
【0134】また、画像形成部材として、電子放出素子
から放出される電子が衝突することにより発光する蛍光
体を含む蛍光膜を用いることで、画像を表示する画像表
示装置を製造することができる。
から放出される電子が衝突することにより発光する蛍光
体を含む蛍光膜を用いることで、画像を表示する画像表
示装置を製造することができる。
【図1】本発明に好適な基本的な表面伝導型の表面伝導
型電子放出素子の構成を示す図で、同図(a)はその平
面図、同図(b)はその断面図である。
型電子放出素子の構成を示す図で、同図(a)はその平
面図、同図(b)はその断面図である。
【図2】図1に示した表面伝導型電子放出素子の製造工
程の一例を説明するための図である。
程の一例を説明するための図である。
【図3】図1に示した表面伝導型電子放出素子の製造工
程のうち、基板の表面に形成された導体膜から電極パッ
ドを得る工程を説明するための図である。
程のうち、基板の表面に形成された導体膜から電極パッ
ドを得る工程を説明するための図である。
【図4】図1に示した表面伝導型電子放出素子の製造工
程のうち、電極パッドから1対の素子電極を得る工程を
説明するための図である。
程のうち、電極パッドから1対の素子電極を得る工程を
説明するための図である。
【図5】表面伝導型電子放出素子に電子放出部を形成す
る際に行われる通電フォーミング時に与えられる電圧波
形の例を示す図である。
る際に行われる通電フォーミング時に与えられる電圧波
形の例を示す図である。
【図6】図1に示した構成を有する素子の電子放出特性
を測定するための測定評価装置の概略構成図である。
を測定するための測定評価装置の概略構成図である。
【図7】図6に示した測定評価装置により測定された放
出電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfの関係の
典型的な例を示すグラフである。
出電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfの関係の
典型的な例を示すグラフである。
【図8】単純マトリックス配置の電子源の一例の構成図
である。
である。
【図9】図8に示した電子源を用いた画像形成装置の一
例の基本構成図である。
例の基本構成図である。
【図10】図9に示した画像形成装置の蛍光膜の、蛍光
体の配置例を示す図である。
体の配置例を示す図である。
【図11】図9に示した画像形成装置により、NTSC
方式のテレビ信号に応じて表示を行う例の駆動回路のブ
ロック図である。
方式のテレビ信号に応じて表示を行う例の駆動回路のブ
ロック図である。
【図12】はしご型配置の電子源の一例の構成図であ
る。
る。
【図13】はしご型配置の電子源を用いた画像形成装置
の一例の基本構成図である。
の一例の基本構成図である。
【図14】本発明の表面電子放出素子の製造方法の実施
に用いられるレーザ加工装置の一例の構成図である。
に用いられるレーザ加工装置の一例の構成図である。
【図15】本発明の表面電子放出素子の製造方法の実施
に用いられるレーザ加工装置の他の例の構成図である。
に用いられるレーザ加工装置の他の例の構成図である。
【図16】本発明の表面電子放出素子の製造方法を用い
て電子源を製造する例を説明するための図であり、導体
膜をマトリックス状に配置した基板の平面図である。
て電子源を製造する例を説明するための図であり、導体
膜をマトリックス状に配置した基板の平面図である。
【図17】図16に示した導電膜の中央部をレーザ加工
で除去する工程を示す図である。
で除去する工程を示す図である。
【図18】図17に示した工程で素子電極が形成された
基板の平面図である。
基板の平面図である。
【図19】配線の形成後に電極パッドの中央部の除去加
工を行って電子源を製造する例を説明するための図であ
る。
工を行って電子源を製造する例を説明するための図であ
る。
【図20】従来の表面伝導型電子放出素子の典型的な素
子構成を示す図である。
子構成を示す図である。
25、75 レーザ発振器 26、76 レーザビーム 27、77 ミラー 28 アパーチャ 29、79 レンズ 30、80 被加工物 31 XYステージ 78 マスク 101、111、121 基板 102、103、112、113、122、123
素子電極 104 電子放出用薄膜 105 電子放出部 107、117、127 導体膜 107’ 電極パッド 108、118、128 レーザビーム 150、152 電流計 151 電源 153 高圧電源 154 アノード電極 155 真空装置 156 排気ポンプ 171、271 電子源基板 172、372 X方向配線 173、373 Y方向配線 174、274 表面伝導型電子放出素子 175 結線 181 リアプレート 182 支持枠 183 ガラス基板 184 蛍光膜 184a 蛍光体 184b 黒色導電材 185 メタルバック 186、286 フェースプレート 188 外囲器 191 表示パネル 192 走査回路 193 制御回路 194 シフトレジスタ 195 ラインメモリ 196 同期信号分離回路 197 変調信号発生器 290 グリッド電極 290a 開口 291 グリッド容器外端子 292 容器外端子 376 層間絶縁膜 Dx1〜Dx10 共通配線
素子電極 104 電子放出用薄膜 105 電子放出部 107、117、127 導体膜 107’ 電極パッド 108、118、128 レーザビーム 150、152 電流計 151 電源 153 高圧電源 154 アノード電極 155 真空装置 156 排気ポンプ 171、271 電子源基板 172、372 X方向配線 173、373 Y方向配線 174、274 表面伝導型電子放出素子 175 結線 181 リアプレート 182 支持枠 183 ガラス基板 184 蛍光膜 184a 蛍光体 184b 黒色導電材 185 メタルバック 186、286 フェースプレート 188 外囲器 191 表示パネル 192 走査回路 193 制御回路 194 シフトレジスタ 195 ラインメモリ 196 同期信号分離回路 197 変調信号発生器 290 グリッド電極 290a 開口 291 グリッド容器外端子 292 容器外端子 376 層間絶縁膜 Dx1〜Dx10 共通配線
Claims (10)
- 【請求項1】 基板上に1対の素子電極を形成した後、
前記1対の素子電極をつなぐ導電性の電子放出用膜を形
成し、前記1対の素子電極を通じ前記電子放出用膜に電
圧を印加して、前記電子放出用膜に局所的に電気的に高
抵抗な状態となった電子放出部を形成する表面伝導型電
子放出素子の製造方法において、 前記基板上に導体膜を形成しておき、前記導体膜にレー
ザビームを照射して前記導体膜の一部を除去することで
前記1対の素子電極を形成することを特徴とする表面伝
導型電子放出素子の製造方法。 - 【請求項2】 前記レーザビームは、波長領域が0.2
μm〜12μmで、かつ、前記導体膜表面でのパワー密
度が1×106 W/cm2 以上のものを用いる請求項1
に記載の表面伝導型電子放出素子の製造方法。 - 【請求項3】 前記導体膜を印刷法により形成する請求
項1または2に記載の表面伝導型電子放出素子の製造方
法。 - 【請求項4】 前記印刷法により導体膜を形成し、前記
導体膜の中央部に前記レーザビームを照射して所定の幅
で除去することで、前記1対の素子電極を形成する請求
項3に記載の表面伝導型電子放出素子の製造方法。 - 【請求項5】 基板上に行列状に配置された複数対の素
子電極を形成した後、それぞれ前記対の素子電極をつな
ぐ複数の導電性の電子放出用膜を形成し、前記対の素子
電極を通じて前記各電子放出用膜に電圧を印加して、前
記各電子放出用膜にそれぞれ局所的に電気的に高抵抗な
状態となった電子放出部を形成する表面伝導型電子放出
素子の製造方法において、 前記基板上に導体膜を形成しておき、前記導体膜にレー
ザビームを照射して前記導体膜の一部を除去することで
前記複数対の素子電極を形成することを特徴とする表面
伝導型電子放出素子の製造方法。 - 【請求項6】 前記レーザビームは、波長領域が0.2
μm〜12μmで、かつ、前記導体膜表面でのパワー密
度が1×106 W/cm2 以上のものを用いる請求項5
に記載の表面伝導型電子放出素子の製造方法。 - 【請求項7】 前記導体膜を印刷法により形成する請求
項6または7に記載の表面伝導型電子放出素子の製造方
法。 - 【請求項8】 前記印刷法により、行列状に配置された
複数の導体膜を形成し、前記各導体膜の中央部にそれぞ
れ前記レーザビームを照射して所定の幅で除去すること
で、前記複数対の素子電極を形成する請求項7に記載の
表面伝導型電子放出素子の製造方法。 - 【請求項9】 請求項5ないし8のいずれか1項に記載
の表面伝導型電子放出素子の製造方法により表面伝導型
電子放出素子を製造し、前記表面伝導型電子放出素子に
支持枠を介して、前記表面伝導型電子放出素子から放出
された電子が衝突することにより画像が形成される画像
形成部材を対向配置して外囲器を構成した後、前記外囲
器の内部を排気することを特徴とする画像形成装置の製
造方法。 - 【請求項10】 前記画像形成部材を、前記電子放出素
子から放出された電子が衝突することにより発光する蛍
光体を含む蛍光膜で構成する請求項9に記載の画像形成
装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15492695A JPH097501A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 表面伝導型電子放出素子の製造方法および画像形成装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15492695A JPH097501A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 表面伝導型電子放出素子の製造方法および画像形成装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH097501A true JPH097501A (ja) | 1997-01-10 |
Family
ID=15594974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15492695A Pending JPH097501A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 表面伝導型電子放出素子の製造方法および画像形成装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH097501A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009164118A (ja) * | 2007-12-29 | 2009-07-23 | Qinghua Univ | 熱電子放出素子の製造方法 |
-
1995
- 1995-06-21 JP JP15492695A patent/JPH097501A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009164118A (ja) * | 2007-12-29 | 2009-07-23 | Qinghua Univ | 熱電子放出素子の製造方法 |
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