JPH0972891A - 等密度分子の分離法 - Google Patents

等密度分子の分離法

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JPH0972891A
JPH0972891A JP17239195A JP17239195A JPH0972891A JP H0972891 A JPH0972891 A JP H0972891A JP 17239195 A JP17239195 A JP 17239195A JP 17239195 A JP17239195 A JP 17239195A JP H0972891 A JPH0972891 A JP H0972891A
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lipoprotein
density
centrifuge tube
solution
centrifugation
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JP17239195A
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Tomoko Murakami
智子 村上
Tadashi Ito
廉 伊藤
Masataka Morita
正隆 森田
Ikunosuke Sakurabayashi
郁之介 櫻林
Nobuhiko Kubo
信彦 久保
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Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、等密度分子の分離法に関するもの
であり、その目的とするところは、密度勾配液層と遠心
時間及び分取量の調整により、リポ蛋白(a)をそれと密
度の接近している低密度リポ蛋白質(LDL)及び高密度リ
ポ蛋白質(HDL)から迅速・容易に分離する条件を確立す
ることである。 【構成】 上層に密度液、下層にリポ蛋白(a)とそれと
密度の接近している低密度リポ蛋白質(LDL)または高密
度リポ蛋白質(HDL)を含む混合溶液から成る2段階の層
を予め遠心分離用チューブ内に作成し、遠心分離終了
後、液上面付近にリポ蛋白(a)の大部分が浮上し、低密
度リポ蛋白質(LDL)または高密度リポ蛋白質(HDL)をがそ
こまで到達しないような遠心時間を設定し分取量を調節
することにより、リポ蛋白(a)をそれと密度の接近して
いると低密度リポ蛋白質(LDL)または高密度リポ蛋白質
(HDL)から分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】リポ蛋白(a)は、血液中に存在す
る脂質とアポリポタンパク質の複合体であるリポ蛋白質
の一種であり動脈硬化性疾患の独立した危険因子である
という断面調査が国内外とも多数報告されている。その
組成は、文献〔G.UTERMANN,SIENCE,VOL.246(1989)〕に
よると低密度リポ蛋白質(LDL)に非常によく似ている
が、低密度リポ蛋白質(LDL)は有していない、アポリポ
タンパク質の一種apo(a)を有している。そしてリポ蛋白
(a)は、このapo(a)の分子量により5種類に分類され
る。一般的には、ほとんどの人の血液中にリポ蛋白(a)
は存在しており、その種類は1種類が大半であるが、2
種類のリポ蛋白(a)を有する人もいる。リポ蛋白(a)の密
度は、おおよそ1.050〜1.100g/cm3の範囲に分布してい
るが文献〔Ditta.Pfaffinger,et al., Journal of Lipi
d Research, VOL.32(1991)〕によると、分子量の小さい
タイプのリポ蛋白(a)は軽く、分子量の大きいタイプの
リポ蛋白(a)は重いことが示唆されている。一方、他の
リポ蛋白質の一部も1.050〜1.100g/cm3に分布してお
り、リポ蛋白(a)の密度と完全に重なっている。図1に
リポ蛋白(a)と他のリポ蛋白質の密度分布について示
す。リポ蛋白(a)は密度1.050〜1.063g/cm3の範囲では
低密度リポ蛋白質(LDL)と密度1.063〜1.100g/cm3の範
囲では高密度リポ蛋白質(HDL)と密度が接近している。
【0002】本発明は、リポ蛋白(a)をそれと密度が接
近している他のリポ蛋白質(LDL・HDL)から分離するの分
離法に関するものである。現在、一般的に行われている
方法は、クロマトグラフィーまたは遠心分離及び両者の
組み合わせによるものである。クロマトグラフィーと
は、多成分混合物から各成分を分離分析する方法であ
る。分離の原理は2相間に物質を分配する時の分配係数
の差による。実験的には、一相を固定相、他方をその周
囲を移動する移動相とする系をつくる。物質を移動相の
流れに乗せてこの系に導入すると、物質は2相間分配を
連続して行い、分配係数と関係づけられる一定の速度と
分布状態をもって系中を移動する。分配係数の近い物質
同士でも有効に分離できる優れた方法である。このクロ
マトグラフィーは移動相の種類、固定相の形状、分配機
構などによりいろいろに分類される。リポ蛋白(a)分離
に用いられている方法は、移動相の種類では、移動相が
液体であるので液体クロマトグラフィーに分類される。
また、固体相の形状では固体相を細長い管に充填して行
うので、カラムクロマトグラフィーに分類される。ま
た、分配機構の点では、三次元的編目構造をもつゲル粒
子を充填剤とし、溶質の分子サイズと編目の大きさの兼
ね合いで分離が行われるサイズ排除クロマトグラフィー
(ゲル濾過)または溶質が固体充填剤と直接相互作用す
る吸着クロマトグラフィーが用いられている。しかし、
両クロマトグラフィーとも固体相を通過した溶液を適当
量ずつ分画する必要がある。当然のことながら、分画数
が多ければ多い程、目的物質の純度は高い。また、どの
分画に目的物質が含まれているかの定量的または定性的
な検定も必要である。一般的には、全ての分画について
目的物質の吸収のある波長での吸光度測定・目的物質の
濃度測定・電気泳動による純度の確認が必要である。こ
れらには多大な手間と時間が費やされる。
【0003】次に遠心分離による方法であるが、遠心分
離には、密度勾配遠心平衡法または密度勾配遠心速度法
及び両者の組み合わせが用いられる。密度勾配遠心平衡
法とは、分離用超遠心機のセル内に予め密度勾配を作成
しておき、その下に少量の高分子溶液を注入してから長
時間遠心力場を加えると平衡状態に達する。高分子はそ
の密度と同一の位置まで浮上し、バンド状に集まる。こ
の原理を利用することにより密度の異なる粒子の分離が
達成される。しかし、密度勾配遠心平衡法では密度の接
近している粒子の分離は困難である。
【0004】それに対して密度勾配遠心速度法では、平
衡状態に達しない程度の遠心時間、遠心力場を加えるこ
とにより、密度の接近しており大きさが異なる粒子を勾
配中の移動速度の差を利用することにより分離する方法
である。このどちらの方法においても遠心分離条件が最
適化されていなければ遠心分離後、セル内の溶液を適当
量ずつ分画する必要がある。当然のことながら、分画数
が多ければ多い程、目的物質の純度は高い。また、どの
分画に目的物質が含まれているかの定量的または定性的
な検定も必要である。一般的には、全ての分画について
目的物質の吸収のある波長での吸光度測定・目的物質の
濃度測定・電気泳動による純度の確認が必要である。こ
れらには多大な手間と時間が費やされる。
【0005】本発明は、リポ蛋白(a)を遠心分離により
迅速・容易に分離でき、遠心終了後、セル内の溶液を2
種類以下に分画する方法に関するものである。
【0006】
【従来の技術】ヒト血清中のリポ蛋白質の密度は、0.95
1付近から1.210g/cm3付近に亘って分布している。一
方、リポ蛋白(a)の密度はおおよそ1.050から1.100g/cm
3の範囲に分布しており他のリポ蛋白質の一部と密度が
完全に重なっている。尚、リポ蛋白質及びリポ蛋白(a)
の密度分布については、図1に示す。一般的に、文献等
では、リポ蛋白(a)をどのように分離したかというより
も分離したリポ蛋白(a)をどのような実験に使用し、ど
のような結果を得たかについて詳細に記載している。分
離手法については、多くの部分が省略された状態で記載
されている。そこで本発明の有効性を示すために文献に
記載された手法の省略された部分を客観的に補足したも
のを記載する。以下にリポ蛋白(a)の分離に遠心分離法
と吸着クロマトグラフィーの組み合わせ及び遠心分離法
のみを用いた従来法を示す。
【0007】文献〔GuntherM.Fress et al.,THE JOURAL
OF BIOLOGICAL CHEMISTRY,VOL.259(1984)〕では、以下
に記載しているようにリポ蛋白(a)を遠心分離によって
粗分離し、さらにHeparin‐Separoseカラムを用いリポ
蛋白(a)と他のリポ蛋白質の溶出する際の緩衝液濃度の
違いを利用し、リポ蛋白(a)を精製を行っている。
【0008】a)遠心分離用チューブでその容量が38.5ml
のものに、適量の血清を注入し、さらに臭化ナトリウム
を加え混和し、溶媒の密度を1.210g/cm3に調整する第
1過程と b)前記第1過程を経た遠心分離用チューブを前記文献記
載のバーティカルロータにセットし、分離用超遠心機を
用い以下の条件でを遠心操作を行う第2過程と ロータ室内温度 20℃ 回転数 35,000rpm 遠心時間 4時間 c)前記第2過程を経た遠心分離用チューブ内の液上面か
ら密度1.210g/cm3より軽いリポ蛋白質を含む適量のリ
ポ蛋白質混合溶液を分取し、それに臭化ナトリウムを加
え溶媒密度1.400g/cm3に調整する第3過程と d)前記第3過程を経たリポ蛋白質混合溶液2ml以下を容
量が14mlの遠心分離用チューブに注入し、その液上面か
ら7.5から30%の臭化ナトリウムの直線的な密度勾配液
層を重層する第4過程と e)前記第4過程を経た遠心分離用チューブを前記文献記
載のスイングロータにセットし、分離用超遠心機を用い
以下の条件でを遠心操作を行う第5過程と ロータ室内温度 5℃ 回転数 35,000rpm 遠心時間 4時間 f)前記第5過程を経た遠心分離用チューブ内の溶液を適
量づつ分画し、数10に小分けする。(この小分けしたも
のの1つ1つを以後フラクションと記述する。)第6過
程と g)前記第6過程で得られたフラクションの蛋白質濃度を
定量的な方法で検定し、リポ蛋白(a)が含まれていると
推定されるフラクションを1つにまとめ、これをリポ蛋
白(a)混合溶液とする第7過程と h)前記第7過程で得られたリポ蛋白質混合溶液を前記記
載の容量が14mlの遠心分離用チューブに注入し、その液
上面から0から30%の臭化ナトリウムの直線的な密度勾
配液層を重層する第8過程と i)前記第8過程を経た遠心分離用チューブを前記文献記
載のスイングロータにセットし、分離用超遠心機を用い
以下の条件でを遠心操作を行う第9過程と ロータ室内温度 5℃ 回転数 39,000rpm 遠心時間 48時間 j)前記第9過程を経た遠心分離用チューブ内の溶液を適
量づつ分画し、数10のフラクションとする第10過程と k)前記第10過程で得られたフラクションの蛋白質濃度を
定量的な方法で検定し、リポ蛋白(a)が含まれていると
推定されるフラクションについて遠心分離用媒体を除く
ために0.05%Na2EDTA、0.05%NaN3を含む0.15M NaCl溶
液(pH7.0)で透析操作を行う第11過程と l)前記第11過程経たリポ蛋白(a)を含むと推定されるフ
ラクションについてその濃度と純度を定性的な方法で検
定する第12過程と m)前記第12過程でリポ蛋白(a)の濃度が高いと推定され
るフラクションを1つにまとめ、これをリポ蛋白(a)溶
液とする第13過程と n)前記第13過程を経たリポ蛋白(a)溶液を、0.006M barb
ital buffer(0.15M NaCl、0.01% Na2EDTA、0.01% NaN
3、pH7.4)で平衡化されたHeparin‐Sepharose カラム
(0.9×15cm)に注入する第14過程と o)前記第14過程を経たカラムに0.2から0.5Mの塩化ナト
リウムの直線的な勾配液層を重層する第15過程と p)前記第15過程を経たカラムから溶出した溶液を適量づ
つ分け、数10のフラクションとする第16過程と q)前記第16過程で得られたフラクションから、各フラク
ションのリポ蛋白(a)の濃度及び純度を定量的及び定性
的な方法で確認し、実験に使用するためのリポ蛋白(a)
フラクションを特定する第17過程とを具備するものとな
っている。
【0009】尚、文献によっては、第16過程でのフラク
ションの特定については定性的な記述のみのものが多
い。また、吸着クロマトグラフィーを用いた場合、一般
的に溶出してきたフラクション中の目的物質の純度はか
なり高い。しかしながら、溶出させるために加える溶液
の分だけ目的物質は希釈される。すべてのリポ蛋白(a)
のみを含む溶出してきたフラクションを集め濃縮するの
が望ましいが、かなりの量になることや濃縮のための実
験操作が増えることによるロス等を考え、溶出してきた
各フラクションの目的物質の濃度を定性的に判断し、目
的物質を多く含むフラクションのみを濃縮する方法が多
くの場合とられている。よって、純度は高いが回収率は
低い傾向がある。
【0010】次に、リポ蛋白(a)を遠心分離によって分
離する条件は、実験者によって若干異なるが、ここでは
密度勾配遠心速度法と密度勾配遠心平衡法を用いた文献
〔GuntherM.Fless et al.,THE JOURNAL OF LIPID RESEA
RCH, VOL.26(1985)〕について、以下に分離手法を示
す。
【0011】a)遠心分離用チューブでその容量が38.5ml
のものに、1mM DFP、0.15% Na2EDTA、0.01% NaN3
含む適量の血清を注入し、さらに臭化ナトリウムを加え
混和し、溶媒の密度を1.210g/ cm3に調整する第1過程
と b)前記第1過程を経た遠心分離用チューブを前記文献記
載のバーティカルロータにセットし、分離用超遠心機を
用い以下の条件でを遠心操作を行う第2過程と ロータ室内温度 15℃ 回転数 49,000rpm 遠心時間 20時間 c)前記第2過程を経た遠心分離用チューブ内の液上面か
ら密度1.210g/cm3より軽いリポ蛋白質を含む適量のリ
ポ蛋白質混合溶液を分取し、それに臭化ナトリウムを加
え溶媒密度1.400g/cm3に調整する第3過程と d)前記第3過程を経たリポ蛋白質混合溶液5mlを前記と
同様仕様の遠心分離用チューブに注入し、その液上面に
0から30%の臭化ナトリウムの直線的な密度勾配液層を
重層する第4過程と e)前記第4過程を経た遠心分離用チューブを前記文献記
載のバーティカルロータにセットし、分離用超遠心機を
用い以下の条件でを遠心操作を行う第5過程と ロータ室内温度 20℃ 回転数 59,000rpm 遠心時間 1.75時間 f)前記第5過程を経た遠心分離用チューブ内の溶液を適
量づつ分画し、数10のフラクションとする第6過程と g)前記第6過程で得られたフラクションの蛋白質濃度を
定量的な方法で検定し、リポ蛋白(a)が含まれていると
推定されるフラクションを1つにまとめ、これをリポ蛋
白(a)混合溶液とする第7過程と h)前記第7過程で得られたリポ蛋白(a)混合溶液につい
て遠心分離用媒体を除くために0.01% Na2EDTA、0.01%
NaN3を含む0.15M NaCl溶液(pH7.0)で透析操作を行う第
8過程と i)前記第8過程で得たリポ蛋白(a)混合溶液を前記と同
様仕様の遠心分離用チューブに注入し、塩化セシウムを
加え、その重量%が7.5%の塩化セシウム溶液になるよ
うに調整する第9過程と j)前記第9過程を経た遠心分離用チューブを前記文献記
載のバーティカルロータにセットし、分離用超遠心機を
用い以下の条件でを遠心操作を行う第10過程と ロータ室内温度 20℃ 回転数 49,000rpm 遠心時間 20時間 k)前記第10過程を経た遠心分離用チューブ内の溶液を適
量づつ分画し、数10のフラクションとする第11過程と l)前記第11過程で得られたフラクションの蛋白質濃度を
定量的な方法で検定し、リポ蛋白(a)が含まれていると
推定されるフラクションについて遠心分離用媒体を除く
ために0.05%Na2EDTA、0.05%NaN3を含む0.15M NaCl溶
液(pH7.0)で透析操作を行う第12過程と m)前記第12過程で経た各フラクションのリポ蛋白(a)の
濃度を定量的及び定性的な方法で確認し、実験に使用す
るためのリポ蛋白(a)フラクションを特定する第13過程
とを具備するものとなっている。
【0012】尚、文献によっては、第12過程でのフラク
ションの特定については定性的な記述のみのものが多
い。また、実験により使用可能なリポ蛋白(a)の純度
は、若干異なる。よって、リポ蛋白(a)を含むフラクシ
ョンの特定は、実験者の主観により決定されることが多
い。
【0013】上記すべての従来法の大きな利点として、
密度が同一のリポ蛋白(a)と他のリポ蛋白質から、リポ
蛋白(a)を純度が高い状態で分離できることである。
【0014】しかしながら、リポ蛋白(a)の純度を高い
状態で分離しようとすれば回収率は低くなる傾向があ
り、しかも操作が煩雑であるため、リポ蛋白(a)の分離
には、多大な手間と時間が費やされている。
【0015】本発明の目的は、上記の従来法の欠点をな
くし、迅速・容易であるリポ蛋白(a)の分離を達成する
ために等密度分子の分離法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的は、リポ蛋白
(a)と他のリポ蛋白質の分離を、その浮上速度の違いを
利用する密度勾配遠心速度法を用い、密度勾配液層の組
み合わせと遠心分離条件を最適化することにより達成さ
れる。遠心分離により完全球形である粒子を分離する場
合、遠心分離中の遠心分離用チューブ内の粒子の挙動
は、文献〔D.Rickwood.,Centrifugation(2nd Edition)
(1984)〕によると以下のように表される。
【0017】まず、前記粒子において単位の遠心力場に
おける沈降速度を沈降係数と呼び、Sで表せると共に、
下記の数式(1)で表せる。
【0018】
【数1】
【0019】また、Sは単位の遠心力場における移動速
度である。ここで超遠心機の回転の角速度をωとし、回
転軸からχの距離における遠心加速度はω2χである。
【0020】粒子に働く遠心力と摩擦力が等しいとおく
と下記の数式(2)で表せる。
【0021】
【数2】
【0022】従ってSは、下記の数式(3)で表せる。
【0023】
【数3】
【0024】また数式(1)においてρp<ρmの場合、S
値は負になり粒子は浮上する。この時Sf=−Sなる浮
上係数Sfを用いる。前記粒子の浮上がr1からr2まで
浮上するのに要する時間T(h)は数式(4)で表すことがで
きる。
【0025】
【数4】
【0026】ここでリポ蛋白(a)の密度範囲が1.065〜1.
080g/cm3にあり低密度リポ蛋白質(LDL)と密度が接近し
ている場合、文献〔Kai Simons.et al.,Acta path.micr
obiol.scand. Section B.VOL 78, (1970)〕によると、
リポ蛋白(a)及び低密度リポ蛋白質(LDL)ともに球形粒子
であり、その平均粒子直径は25.5nmに対し22.5nmであ
る。
【0027】よって雰囲気溶液が同一の場合、式(1)か
らリポ蛋白(a)の移動速度の方が大きいことが容易に推
定できる。また両者の浮上距離の差が最大となるのは、
両粒子が同一点から浮上することを仮定すると、リポ蛋
白(a)の回転軸線からの距離が最小値を満たし、かつそ
の点に達した最小の時間である。そこで本発明では、リ
ポ蛋白(a)と低密度リポ蛋白質を含む溶液を遠心分離用
チューブ下部へ注入し、その上に特定の密度を有する密
度液を重層する方法を用い、浮上を開始する範囲を限定
した。また、本発明では、遠心時間T(h)は式(4)よりr
1をリポ蛋白(a)と低密度リポ蛋白質(LDL)を含む溶液と
密度液との界面からの回転軸までの距離OAとし、r2を
リポ蛋白(a)の移動後の点と回転軸までの距離の最小値O
Bとし、そのOA及びOBは、ロータ回転軸と前記両粒子を
含む溶液と密度液との界面が平行である状態で与えられ
る。ここで、粒子が浮上するのに要する時間Tには、粒
子は浮上中の遠心分離用チューブの壁面に接触すること
により、接触しない場合と比較して速く浮上する壁面効
果を考慮しなければならない。文献〔D.Rickwood.,Cent
rifugation(2nd Edition)(1984)〕によると、回転軸線
とロータ本体の内部またはそれに付属している遠心分離
用チューブを保持するための円柱状の空洞の軸線とがな
す角をθとすると、0゜<θ<90゜のロータすなわちア
ングルロータで壁面効果が粒子の浮上に与える影響は大
きく、それにより粒子の沈降及び浮上に要する時間がよ
り迅速化する。よって、アングルロータを用いた場合は
OAからOBまでの浮上時間T(h)は数式(4)よりも若干小さ
いことが容易に推定できる。
【0028】以上のことから本発明における遠心時間T
(h)は下記の数式(5)で表せる。
【0029】
【数5】
【0030】ここで0.6は実験によって定められた値で
ある。
【0031】また、数式(1)より雰囲気溶液の密度、本
発明による密度液の密度が大きい程、Sf(Lp)は大きく
なり、それに伴い遠心時間Tは小さくなる。ここで、T
があまりにも小さいと遠心分離機の性能上現実的な分離
が不可能になる。そこで、本発明では、リポ蛋白(a)の
全密度分布範囲(1.050〜1.100g/cm3)を3つに大別し、
それぞれの場合について密度液の上限を限定することに
より、現実的な分離を可能にした。
【0032】この3種類とは、1.050〜1.065g/cm3、1.
065〜1.080g/cm3、1.080〜1.100g/cm3であり、リポ蛋
白(a)と密度の接近しているリポ蛋白質の密度範囲及び
実験上の密度液の作成の容易さ等により定めた。密度範
囲1.050〜1.065g/cm3を例に挙げると、密度液の上限を
1.080g/cm3に限定することにより、現実的な分離を可
能にした。さらに、前記リポ蛋白(a)とそれと密度が接
近している低密度リポ蛋白質(LDL)の混合溶液からリポ
蛋白(a)を分離するために、遠心分離用チューブ内にお
いて前記混合溶液の上に重層する密度液はリポ蛋白(a)
の密度分布範囲が1.05〜1.065g/cm3である場合、密度
1.065g/cm3がその下限である。また前に述べたように
この密度液の上限は1.080g/cm3が最も好ましいので、
密度液は、1.065〜1.080g/cm3の範囲で選択される。こ
こで密度液の密度が小さい程、密度液中を浮上する粒子
のSf値は小さくなり、浮上に要する時間は長くなるこ
とから設定回転数に到達するまでの時間に分離が達成さ
れてしまう可能性は低下する。よって、より正確な分離
を行うためには密度1.065g/cm3の密度液が最も好まし
いと考えられる。また、リポ蛋白(a)と低密度リポ蛋白
質(LDL)とも球状粒子であり、その形状に大差がないと
考えられるため、両粒子が回転軸からの距離OAなる点か
ら浮上を開始すると仮定すると、リポ蛋白(a)の回転軸
からの距離が最小値になるような点に達する最小時間に
低密度リポ蛋白質(LDL)は回転軸からOB’の距離まで浮
上する場合、OB’は下記の数式(6)で表せる。
【0033】
【数6】
【0034】遠心分離中の状態では、リポ蛋白(a)の回
転軸からの距離が最小値になるような点(OB)に達する最
小時間に低密度リポ蛋白質(LDL)は回転軸線からOB’ま
で浮上する。
【0035】ここで、リポ蛋白(a)と低密度リポ蛋白質
(LDL)の浮上距離の差は(OB’−OB)である。(OB’―OB)
値は、遠心分離後、ロータが停止するまでに遠心分離用
チューブ内部の液の乱れが最小限であると仮定すると、
回転軸線とロータ本体の内部またはそれに付属している
遠心分離用チューブを保持するための円柱状の空洞の軸
線がなす角θが0゜≦θ<90゜の場合、増加する。
【0036】遠心分離後のリポ蛋白(a)と低密度リポ蛋
白質(LDL)の浮上距離の差をhとすると、θ=0゜の時、
または0゜<θ≦90゜の時、hは、下記の数式(7)または
数式(8)で近似できる。
【0037】
【数7】
【0038】
【数8】
【0039】一方、最も回転軸線からの距離の大きい位
置にあるリポ蛋白(a)すなわち液底から浮上してきたリ
ポ蛋白(a)も含まれるようなh'の値がθ=0゜の時、ま
たは0゜<θ≦90゜の時、h'は、下記の数式(9)または
数式(10)で近似できる。
【0040】
【数9】
【0041】
【数10】
【0042】また、本発明による等密度分子の分離法で
は、リポ蛋白(a)と低密度リポ蛋白質(LDL)を含む溶液の
上に密度液を重層して遠心分離を行っている。OAを回転
軸線から両粒子を含む溶液と密度液の界面までの距離(c
m)とし、OBは回転軸線とロータ本体の内部またはそれに
付属している遠心分離用チューブを保持するための円柱
状の空洞の軸線とがなす角θにおいて、前記θがθ=0
゜を満たす場合、ロータに装着された遠心分離用チュー
ブにおいて最も回転半径の小さくなる側面から回転軸線
までの距離を示し、前記θが0゜<θ≦90゜を満たす場
合、回転軸線から遠心分離用チューブ内の溶液の液面と
の距離(cm)を示す。OA、OB、OC及びSf(Lp)、Sf(LDL)
の値によっては、下記の数式(11)及び数式(12)が考えら
れる。
【0043】
【数11】
【0044】
【数12】
【0045】数式(11)の場合、図2に示したように、回
転軸線からOAの距離にあるリポ蛋白(a)が遠心力により
液面に達するのに要した時間に、同じく回転軸線からOA
の距離にある低密度リポ蛋白質(LDL)が達した点からの
液面までの距離OB'が、同様の時間に遠心分離用チュー
ブ内の液底から浮上したリポ蛋白(a)が達する点の液面
までの距離ODより小さい。
【0046】この場合、液面からHcmの円柱部分を分取
する場合、下記に示す数式(13)または数式(14)である
と、リポ蛋白(a)は純度良く回収できる可能性が大き
い。
【0047】
【数13】
【0048】
【数14】
【0049】しかし、液底から浮上してきたリポ蛋白
(a)を回収するためには、Hの値は下記の数式(15)また
は数式(16)で表せる。
【0050】
【数15】
【0051】
【数16】
【0052】ここで、研究目的によりリポ蛋白(a)の純
度を優先する場合もあれば、ある程度の純度で回収率を
得たい場合もあることを考慮すると、Hは、下記の数式
(17)または数式(18)を満たすことが望ましい。
【0053】
【数17】
【0054】
【数18】
【0055】また、数式(12)の場合、図3に示したよう
に、回転軸線からOAの距離にあるリポ蛋白(a)が遠心力
により液面に達するのに要した時間に、同じく回転軸線
からOAの距離にある低密度リポ蛋白質(LDL)が達した点
からの液面までの距離OB'が、同様の時間に遠心分離用
チューブ内の液底から浮上したリポ蛋白(a)が達する点
の液面までの距離ODより大きい。
【0056】この場合、液底から浮上したリポ蛋白(a)
を回収した場合でも低密度リポ蛋白質(LDL)の混入を可
能な限り避けることができる。
【0057】よって、この場合には、下記の数式(19)ま
たは数式(20)をほぼ満たすことが望ましい。
【0058】
【数19】
【0059】
【数20】
【0060】また、リポ蛋白(a)の密度範囲が1.065〜1.
080g/cm3及び1.080〜1.100g/cm3の場合、高密度リポ
蛋白質(HDL)と密度が接近している。文献〔櫻林 郁之
介.,臨床検査MOOK.,No4(1980)〕によると高密度リポ蛋
白質(HDL)の平均粒子直径は15nmであり、リポ蛋白(a)の
平均粒子直径が25.5nmであるより、低密度リポ蛋白質(L
DL)と密度が接近している時と同様に雰囲気溶液が同一
の場合、数式(1)からリポ蛋白(a)の移動速度の方が大き
いことが容易に推定できる。このことから遠心時間T
(h)及びリポ蛋白(a)を分取するための液面からの高さH
cmを表す式は低密度リポ蛋白質(LDL)を高密度リポ蛋白
質(HDL)に置き換えることによって示される。
【0061】また前記リポ蛋白(a)と高密度リポ蛋白質
(HDL)の混合溶液の上に重層する密度液の特定の上限に
ついては、リポ蛋白(a)の密度範囲が1.065〜1.080g/cm
3の場合、1.095g/cm3に限定することにより、現実的な
分離を可能にした。さらに、前記リポ蛋白(a)とそれと
密度が接近している高密度リポ蛋白質(HDL)の混合溶液
からリポ蛋白(a)を分離するために、遠心分離用チュー
ブ内において前記混合溶液の上に重層する密度液はリポ
蛋白(a)の密度分布範囲が1.065〜1.080g/cm3である場
合、密度1.080g/cm3がその下限である。また前に述べ
たようにこの密度液の上限は1.095g/cm3が最も好まし
いので、密度液は、1.080〜1.095g/cm3の範囲で選択さ
れる。ここで密度液の密度が小さい程、密度液中を浮上
する粒子のSf値は小さくなり、浮上に要する時間は長
くなることから設定回転数に到達するまでの時間に分離
が達成されてしまう可能性は低下する。よって、より正
確な分離を行うためには密度1.080g/cm3の密度液が最
も好ましいと考えられる。
【0062】また、リポ蛋白(a)の密度範囲が1.095〜1.
100g/cm3の場合、同様に密度液の上限は1.112g/cm3
あり、より正確な分離を行うためには密度1.100g/cm3
の密度液が最も好ましいと考えられる。
【0063】
【作用】本発明において遠心分離の応用によりリポ蛋白
(a)が迅速・容易で分離が可能になったのは、遠心分離
用チューブ内の上層に密度液、下層にリポ蛋白(a)とそ
れと密度が接近しているリポ蛋白質を含む混合溶液から
成る2段階の層をあらかじめ作成し、適当な遠心時間と
分取量を設定することにより、密度範囲が重なっている
リポ蛋白(a)と低密度リポ蛋白質(LDL)または高密度リポ
蛋白質(HDL)を両者を密度液中における粒子径の違いに
よる浮上速度の差を有効に利用することによって、リポ
蛋白(a)を分離できる条件を確立したことによる。
【0064】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明す
る。尚、実施例及び比較例に用いる血清は、リポ蛋白
(a)を含むものとする。
【0065】<実施例1>等密度分子の分離法を用いた
密度範囲が1.050〜1.065g/cm3にあるリポ蛋白(a)の分
離法。等密度分子の分離法を用いる際に、リポ蛋白(a)
の密度範囲が1.050〜1.065g/cm3ある場合、遠心分離用
チューブにおいて前記リポ蛋白(a)と前記低密度リポ蛋
白質(LDL)を含む溶液の上に重層する密度液は1.065g/c
m3のものが最も好ましい。よってリポ蛋白(a)が完全球
形であると仮定するとすでに述べたように下記の数式(2
1)が成り立つ。
【0066】
【数21】
【0067】ここで、ρmを1.065g/cm3とし、d、ρ
p、ηを文献値及び実験値より上述したように設定する
とSf(Lp)=1.93であり、同様にSf(LDL)=1.72と仮定
できる。
【0068】ここで、前記リポ蛋白(a)と前記低密度リ
ポ蛋白質(LDL)を含む溶液量1mlとし上に重層する密度液
量を2mlとした場合の前記OA及び前記OBに関しては、図
4に示した最高回転数100,000rpm、チューブ角度26゜の
アングルロータ[日立工機(株)製P100AT]を用いた場
合、図5に示す方法でOA=6.31(cm)、OB=5.21(cm)と算
出した。また回転軸から遠心分離用チューブ内の溶液と
の距離の最大値は、ロータ固有の値から遠心分離用チュ
ーブの肉厚を差し引いた値である。遠心分離用チューブ
として[日立工機(株)製4.7PCアツチューブ]を使用し
た場合、OC=7.01(cm)である。
【0069】図5に0°<θ≦90°を満たす場合のOA
とOBについて以下の方法で近似する。重力方向に垂直な
直線を回転軸線とみなし、それと遠心分離用チューブの
軸線との成す角を前記回転軸線とロータ本体の内部また
はそれに付属している遠心分離用チューブを保持するた
めの円柱状の空洞の軸線とが成す角θに等しくなるよう
に遠心分離用チューブを重力方向に垂直な面上に設置
し、前記遠心分離用チューブにリポ蛋白(a)と低密度リ
ポ蛋白質(LDL)を含む溶液と等量の表面張力の充分小さ
い液を注入し0A'を測定し、さらに注入すべき密度液と
等量の表面張力の充分小さい液を注入しOB'を測定し、
下記に示す数式(22)によりOA、OBを近似する。
【0070】
【数22】
【0071】以上の情報に基づいて等密度分子の分離法
によりリポ蛋白(a)の分離を行った。
【0072】以下にその過程を示す。
【0073】a)遠心分離用チューブでその容量が3.4ml
であり、肉厚が1mm以上の遠心分離用チューブ[日立工
機(株)製4.7PCアツチューブ]に血清2.0mlを注入し、さ
らに密度1.006の塩化ナトリウム水溶液0.25mlと密度1.1
82g/cm3の臭化ナトリウム水溶液0.75mlを注入後混和
し、溶媒の密度を1.050g/cm3に調整する第1過程と b)前記第1過程を経た遠心分離用チューブを図2に示し
た最高回転数100,000rpm、チューブ角度26゜のアングル
ロータ[日立工機(株)製P100AT]にセットし、分離用超
遠心機[日立工機(株)製CP100α]を用い以下の条件で
遠心操作を行う第2過程と ロータ室内温度 16℃ 回転数 100,000rpm 遠心時間 3時間 加速モード 停止時から500rpmに達する時間を1分か
ら2分間に設定 減速モード 500rpmから停止するまでの時間を2分か
ら3分間に設定 c)前記第2過程を経た遠心分離用チューブ内の液上面か
ら容積1mlを除去する。この1ml中には密度1.050g/cm
3より軽いリポ蛋白質が含まれており、これを除去する
第3過程と d)第3過程を経た遠心分離用チューブ内の溶液2ml(前
記第3過程で容積1mlを分取したものの残り)に密度1.
478g/cm3の臭化ナトリウム水溶液0.178mlを加え、溶媒
密度を密度1.085g/cm3に調整する第4過程と e)前記第1過程と同様仕様の遠心分離用チューブに密度
1.065g/cm3の臭化ナトリウム水溶液を2.0ml注入する第
5過程と f)前記第4過程を経た溶媒密度を密度1.085g/cm3に調
整した溶液1.0mlを前記第5過程を経た遠心分離用チュ
ーブにチューブ底から満たされ、両溶液の界面が目視で
確認できる方法で注入する第6過程と g)前記第6過程を経た遠心分離用チューブを遠心分離時
間Tを除く条件は以下のように設定し、 ロータ室内温度 16℃ 回転数 100,000rpm 加速モード 停止時から500rpmに達する時間を4分か
ら5分間に設定 減速モード 500rpmから停止するまでの時間を2分か
ら3分間に設定 前記第1過程と同様のアングルロータにセットし、分離
用超遠心機を用いる。遠心分離時間については、下記の
数式(23)から0.6×2.5≦T(h)≦2.5なる範囲をほぼ満た
す遠心時間であるT(h)=1.5で遠心分離を行う第7過程
と、
【0074】
【数23】
【0075】h)前記第7過程を経た遠心分離用チューブ
の液面から下記の数式(24)における0.35≦H(cm)≦1.39
の範囲のうちH=0.6(cm)なる円柱状の部分を分取しこ
れを画分A1(容積0.5ml)とし、さらに容積0.5ml(遠心
分離後の液面を基準とすると液面から0.6〜1.3cmの円柱
状の部分)を分取しこれを画分A2とし、さらに容積1.0m
l(遠心分離後の液面を基準とすると液面から1.3〜2.6c
mの円柱状の部分)を分取しこれを画分A3とし、さらに
容積1.0ml(遠心分離後の液面を基準とすると液面から
2.6cm部分から残りの溶液すべて)を分取しこれを画分A
4とする第8過程と、
【0076】
【数24】
【0077】i)第9過程で得た画分A1、A2、A3、A4から
臭化ナトリウムを除くため、0.05%EDTAを含む0.15M Na
Cl溶液で透析操作を行う第10過程とを具備したものにな
っている。
【0078】<実施例2>等密度分子の分離法を用いた
密度範囲が1.065〜1.080g/cm3にあるリポ蛋白(a)の分
離法。等密度分子の分離法を用いる際に、リポ蛋白(a)
の密度範囲が1.065〜1.080g/cm3ある場合、遠心分離用
チューブにおいて前記リポ蛋白(a)と前記高密度リポ蛋
白質(HDL)を含む溶液の上に重層する密度液は1.080g/c
m3のものが最も好ましい。よってリポ蛋白(a)が完全球
形であると仮定するとすでに述べたように下記の数式(2
5)が成り立つ。
【0079】
【数25】
【0080】ここで、ρmを1.080g/cm3とし、d、ρ
p、ηを文献値及び実験値より上述したように設定する
とSf(Lp)=1.89であり、同様にSf(HDL)=0.65と仮定
できる。
【0081】ここで、前記リポ蛋白(a)と前記高密度リ
ポ蛋白質(HDL)を含む溶液量1mlとし上に重層する密度液
量を2mlとした場合の前記OA及び前記OBに関しては、図
4に示した最高回転数100,000rpm、チューブ角度26゜の
アングルロータ[日立工機(株)製P100AT]を用いた場
合、図5に示す方法でOA=6.31(cm)、OB=5.21(cm)と算
出した。また回転軸から遠心分離用チューブ内の溶液と
の距離の最大値は、ロータ固有の値から遠心分離用チュ
ーブの肉厚を差し引いた値である。遠心分離用チューブ
として[日立工機(株)製4.7PCアツチューブ]を使用し
た場合、OC=7.01(cm)である。
【0082】以上の情報に基づいて等密度分子の分離法
によりリポ蛋白(a)の分離を行った。
【0083】以下にその過程を示す。
【0084】a)遠心分離用チューブでその容量が3.4ml
であり、肉厚が1mm以上の遠心分離用チューブ[日立工
機(株)製4.7PCアツチューブ]に血清2.0mlを注入し、さ
らに密度1.182g/cm3の臭化ナトリウム水溶液1.0mlを注
入後混和し、溶媒の密度を1.065g/cm3に調整する第1
過程と b)前記第1過程を経た遠心分離用チューブを図2に示し
た最高回転数100,000rpm、チューブ角度26゜のアングル
ロータ[日立工機(株)製P100AT]にセットし、分離用超
遠心機[日立工機(株)製CP100α]を用い以下の条件で
遠心操作を行う第2過程と ロータ室内温度 16℃ 回転数 100,000rpm 遠心時間 3時間 加速モード 停止時から500rpmに達する時間を1分か
ら2分間に設定 減速モード 500rpmから停止するまでの時間を2分か
ら3分間に設定 c)前記第2過程を経た遠心分離用チューブ内の液上面か
ら容積1mlを除去する。この1ml中には密度1.065g/cm
3より軽いリポ蛋白質が含まれており、これを除去する
第3過程と d)第3過程を経た遠心分離用チューブ内の溶液2ml(前
記第3過程で容積1mlを分取したものの残り)に密度1.
478g/cm3の臭化ナトリウム水溶液0.185mlを加え、溶媒
密度を密度1.100g/cm3に調整する第4過程と e)前記第1過程と同様仕様の遠心分離用チューブに密度
1.080g/cm3の臭化ナトリウム水溶液を2.0ml注入する第
5過程と f)前記第4過程を経た溶媒密度を密度1.100g/cm3に調
整した溶液1.0mlを前記第5過程を経た遠心分離用チュ
ーブにチューブ底から満たされ、両溶液の界面が目視で
確認できる方法で注入する第6過程と g)前記第6過程を経た遠心分離用チューブを遠心分離時
間Tを除く条件は以下のように設定し、 ロータ室内温度 16℃ 回転数 100,000rpm 加速モード 停止時から500rpmに達する時間を
4分から5分間に設定 減速モード 500rpmから停止するまでの時間を2分か
ら3分間に設定 前記第1過程と同様のアングルロータにセットし、分離
用超遠心機を用いる。遠心分離時間については、上述し
た式(23)から0.6×2.5≦T(h)≦2.5なる範囲をほぼ満た
す遠心時間であるT(h)=1.5で遠心分離を行う第7過程
と、 h)前記第7過程を経た遠心分離用チューブの液面から下
記の数式(26)におけるH(cm)=1.39をほぼ満たすH=1.
3(cm)なる円柱状の部分を分取しこれを画分B1(容積1.0
ml)とし、さらに容積1.0ml(遠心分離後の液面を基準
とすると液面から1.3〜2.6cmの円柱状の部分)を分取し
これを画分B2とし、さらに容積1.0ml(遠心分離後の液
面を基準とすると液面から2.6cm部分から残りの溶液す
べて)を分取しこれを画分B3とする第8過程と、
【0085】
【数26】
【0086】i)第9過程で得た画分B1、B2、B3から臭化
ナトリウムを除くため、0.05%EDTAを含む0.15M NaCl溶
液で透析操作を行う第10過程とを具備したものになって
いる。
【0087】<実施例3>等密度分子の分離法を用いた
密度範囲が1.080〜1.100g/cm3にあるリポ蛋白(a)の分
離法。等密度分子の分離法を用いる際に、リポ蛋白(a)
の密度範囲が1.080〜1.100g/cm3ある場合、遠心分離用
チューブにおいて前記リポ蛋白(a)と前記高密度リポ蛋
白質(HDL)を含む溶液の上に重層する密度液は1.100g/c
m3のものが最も好ましい。よってリポ蛋白(a)が完全球
形であると仮定するとすでに述べたように下記の数式(2
7)が成り立つ。
【0088】
【数27】
【0089】ここで、ρmを1.100g/cm3とし、d、ρ
p、ηを文献値及び実験値より上述したように設定する
とSf(Lp)=2.62であり、同様にSf(HDL)=0.91と仮定
できる。
【0090】ここで、前記リポ蛋白(a)と前記高密度リ
ポ蛋白質(HDL)を含む溶液量1mlとし上に重層する密度液
量を2mlとした場合の前記OA及び前記OBに関しては、図
4に示した最高回転数100,000rpm、チューブ角度26゜の
アングルロータ[日立工機(株)製P100AT]を用いた場
合、図5に示す方法でOA=6.31(cm)、OB=5.21(cm)と算
出した。また回転軸から遠心分離用チューブ内の溶液と
の距離の最大値は、ロータ固有の値から遠心分離用チュ
ーブの肉厚を差し引いた値である。遠心分離用チューブ
として[日立工機(株)製4.7PCアツチューブ]を使用し
た場合、OC=7.01(cm)である。
【0091】以上の情報に基づいて等密度分子の分離法
によりリポ蛋白(a)の分離を行った。
【0092】以下にその過程を示す。
【0093】a)遠心分離用チューブでその容量が3.4ml
であり、肉厚が1mm以上の遠心分離用チューブ[日立工
機(株)製4.7PCアツチューブ]に血清2.0mlを注入し、さ
らに密度1.006g/cm3の塩化ナトリウム水溶液0.53mlと
密度1.478g/cm3の臭化ナトリウム水溶液0.47mlを注入
後混和し、溶媒の密度を1.080g/cm3に調整する第1過
程と b)前記第1過程を経た遠心分離用チューブを図2に示し
た最高回転数100,000rpm、チューブ角度26゜のアングル
ロータ[日立工機(株)製P100AT]にセットし、分離用超
遠心機[日立工機(株)製CP100α]を用い以下の条件で
遠心操作を行う第2過程と ロータ室内温度 16℃ 回転数 100,000rpm 遠心時間 3時間 加速モード 停止時から500rpmに達する時間を1分か
ら2分間に設定 減速モード 500rpmから停止するまでの時間を2分か
ら3分間に設定 c)前記第2過程を経た遠心分離用チューブ内の液上面か
ら容積1mlを除去する。この1ml中には密度1.080g/cm
3より軽いリポ蛋白質が含まれており、これを除去する
第3過程と d)第3過程を経た遠心分離用チューブ内の溶液2ml(前
記第3過程で容積1mlを分取したものの残り)に密度1.
478g/cm3の臭化ナトリウム水溶液0.223mlを加え、溶媒
密度を密度1.120g/cm3に調整する第4過程と e)前記第1過程と同様仕様の遠心分離用チューブに密度
1.100g/cm3の臭化ナトリウム水溶液を2.0ml注入する第
5過程と f)前記第4過程を経た溶媒密度を密度1.120g/cm3に調
整した溶液1.0mlを前記第5過程を経た遠心分離用チュ
ーブにチューブ底から満たされ、両溶液の界面が目視で
確認できる方法で注入する第6過程と g)前記第6過程を経た遠心分離用チューブを遠心分離時
間Tを除く条件は以下のように設定し、 ロータ室内温度 16℃ 回転数 100,000rpm 加速モード 停止時から500rpmに達する時間を
4分から5分間に設定 減速モード 500rpmから停止するまでの時間を2分か
ら3分間に設定 前記第1過程と同様のアングルロータにセットし、分離
用超遠心機を用いる。遠心分離時間については、上述し
た数式(23)から0.6×1.8≦T(h)≦1.8なる範囲をほぼ満
たす遠心時間であるT(h)=1.5で遠心分離を行う第7過
程と、 h)前記第7過程を経た遠心分離用チューブの液面から上
述した式(26)におけるH=(cm)=1.39より小さいH=0.
6(cm)なる円柱状の部分を分取しこれを画分C1(容積0.5
ml)とし、さらに容積0.5ml(遠心分離後の液面を基準
とすると液面から0.6〜1.3cmの円柱状の部分)を分取し
これを画分C2とし、さらに容積1.0ml(遠心分離後の液
面を基準とすると液面から1.3〜2.6cmの円柱状の部分)
を分取しこれを画分C3とし、さらに容積1.0ml(遠心分
離後の液面を基準とすると液面から2.6cm部分から残り
の溶液すべて)を分取しこれを画分C4とする第8過程
と、 i)第9過程で得た画分C1、C2、C3、C4から臭化ナトリウ
ムを除くため、0.05%EDTAを含む0.15M NaCl溶液で透析
操作を行う第10過程とを具備したものになっている。
【0094】<比較例1>等密度分子の分離法を用いる
際に、その遠心分離時間T(h)を請求項3を満足しない
遠心分離時間とした場合の密度範囲が1.050〜1.065g/c
m3にあるリポ蛋白(a)の分離法。等密度分子の分離法を
用いる際に、リポ蛋白(a)の密度範囲が1.050〜1.065g/
cm3ある場合、遠心分離用チューブにおいて前記リポ蛋
白(a)と前記低密度リポ蛋白質(LDL)を含む溶液の上に重
層する密度液は1.065g/cm3のものが最も好ましい。よ
ってリポ蛋白(a)が完全球形であると仮定するとすでに
述べた数式(21)が成り立つ。
【0095】ここで、ρmを1.065g/cm3とし、d、ρ
p、ηを文献値及び実験値より以下のように設定すると
Sf(Lp)=1.93であり、同様にSf(LDL)=1.72と仮定で
きる。
【0096】ここで、前記リポ蛋白(a)と前記低密度リ
ポ蛋白質(LDL)を含む溶液量1mlとし上に重層する密度液
量を2mlとした場合の前記OA及び前記OBに関しては、図
4に示した最高回転数100,000rpm、チューブ角度26゜の
アングルロータ[日立工機(株)製P100AT]を用いた場
合、図5に示す方法でOA=6.72(cm)、OB=5.21(cm)と算
出した。また回転軸から遠心分離用チューブ内の溶液と
の距離の最大値は、ロータ固有の値から遠心分離用チュ
ーブの肉厚を差し引いた値である。遠心分離用チューブ
として[日立工機(株)製4.7PCアツチューブ]を使用し
た場合、OC=7.01(cm)である。
【0097】以上の情報に基づいて等密度分子の分離法
によりリポ蛋白(a)の分離を行った。
【0098】以下にその過程を示す。
【0099】a)遠心分離用チューブでその容量が3.4ml
であり、肉厚が1mm以上の遠心分離用チューブ[日立工
機(株)製4.7PCアツチューブ]に血清2.0mlを注入し、さ
らに密度1.006の塩化ナトリウム水溶液0.25mlと密度1.1
82g/cm3の臭化ナトリウム水溶液0.75mlを注入後混和
し、溶媒の密度を1.050g/cm3に調整する第1過程と b)前記第1過程を経た遠心分離用チューブを図2に示し
た最高回転数100,000rpm、チューブ角度26゜のアングル
ロータ[日立工機(株)製P100AT]にセットし、分離用超
遠心機[日立工機(株)製CP100α]を用い以下の条件で
遠心操作を行う第2過程と ロータ室内温度 16℃ 回転数 100,000rpm 遠心時間 3時間 加速モード 停止時から500rpmに達する時間を1分か
ら2分間に設定 減速モード 500rpmから停止するまでの時間を2分か
ら3分間に設定 c)前記第2過程を経た遠心分離用チューブ内の液上面か
ら容積1mlを除去する。この1ml中には密度1.050g/cm
3より軽いリポ蛋白質が含まれており、これを除去する
第3過程と d)第3過程を経た遠心分離用チューブ内の溶液2ml(前
記第3過程で容積1mlを分取したものの残り)に密度1.
478g/cm3の臭化ナトリウム水溶液0.178mlを加え、溶媒
密度を密度1.085g/cm3に調整する第4過程と e)前記第1過程と同様仕様の遠心分離用チューブに密度
1.065g/cm3の臭化ナトリウム水溶液を2.0ml注入する第
5過程と f)前記第4過程を経た溶媒密度を密度1.085g/cm3に調
整した溶液1.0mlを前記第5過程を経た遠心分離用チュ
ーブにチューブ底から満たされ、両溶液の界面が目視で
確認できる方法で注入する第6過程と g)前記第6過程を経た遠心分離用チューブを遠心分離時
間Tを除く条件は以下のように設定し、 ロータ室内温度 16℃ 回転数 100,000rpm 加速モード 停止時から500rpmに達する時間を4分か
ら5分間に設定 減速モード 500rpmから停止するまでの時間を2分か
ら3分間に設定 前記第1過程と同様のアングルロータにセットし、分離
用超遠心機を用いる。遠心分離時間については、上述し
た数式(23)より0.6×3.4≦T(h)≦3.4なる範囲外の遠心
時間であるT(h)=1.0で遠心分離を行う第7過程と、 h)前記第7過程を経た遠心分離用チューブの液面から上
述した数式(24)より、0.39≦H(cm)≦0.59の範囲をほぼ
満たすH=0.6(cm)なる円柱状の部分を分取しこれを画
分D1(容積0.5ml)とし、さらに容積0.5ml(遠心分離後
の液面を基準とすると液面から0.6〜1.3cmの円柱状の部
分)を分取しこれを画分D2とし、さらに容積1.0ml(遠
心分離後の液面を基準とすると液面から1.3〜2.6cmの円
柱状の部分)を分取しこれを画分D3とし、さらに容積1.
0ml(遠心分離後の液面を基準とすると液面から2.6cm部
分から残りの溶液すべて)を分取しこれを画分D4とする
第8過程と、 i)第9過程で得た画分D1、D2、D3、D4から臭化ナトリウ
ムを除くため、0.05%EDTAを含む0.15M NaCl溶液で透析
操作を行う第10過程とを具備したものになっている。
【0100】<比較例2>等密度分子の分離法を用いる
際に、その遠心分離時間T(h)を請求項3を満足しない
遠心分離時間とした場合の密度範囲が1.065〜1.080g/c
m3にあるリポ蛋白(a)の分離法。等密度分子の分離法を
用いる際に、リポ蛋白(a)の密度範囲が1.065〜1.080g/
cm3ある場合、遠心分離用チューブにおいて前記リポ蛋
白(a)と前記高密度リポ蛋白質(HDL)を含む溶液の上に重
層する密度液は1.080g/cm3のものが最も好ましい。よ
ってリポ蛋白(a)が完全球形であると仮定するとすでに
述べたように数式(25)が成り立つ。
【0101】ここで、ρmを1.080g/cm3とし、d、ρ
p、ηを文献値及び実験値より上述したように設定する
とSf(Lp)=1.89であり、同様にSf(HDL)=0.65と仮定
できる。
【0102】ここで、前記リポ蛋白(a)と前記高密度リ
ポ蛋白質(HDL)を含む溶液量1mlとし上に重層する密度液
量を2mlとした場合の前記OA及び前記OBに関しては、図
4に示した最高回転数100,000rpm、チューブ角度26゜の
アングルロータ[日立工機(株)製P100AT]を用いた場
合、図5に示す方法でOA=6.31(cm)、OB=5.21(cm)と算
出した。また回転軸から遠心分離用チューブ内の溶液と
の距離の最大値は、ロータ固有の値から遠心分離用チュ
ーブの肉厚を差し引いた値である。遠心分離用チューブ
として[日立工機(株)製4.7PCアツチューブ]を使用し
た場合、OC=7.01(cm)である。
【0103】以上の情報に基づいて等密度分子の分離法
によりリポ蛋白(a)の分離を行った。
【0104】以下にその過程を示す。
【0105】a)遠心分離用チューブでその容量が3.4ml
であり、肉厚が1mm以上の遠心分離用チューブ[日立工
機(株)製4.7PCアツチューブ]に血清2.0mlを注入し、さ
らに密度1.182g/cm3の臭化ナトリウム水溶液1.0mlを注
入後混和し、溶媒の密度を1.065g/cm3に調整する第1
過程と b)前記第1過程を経た遠心分離用チューブを図2に示し
た最高回転数100,000rpm、チューブ角度26
゜のアングルロータ[日立工機(株)製P100AT]にセット
し、分離用超遠心機[日立工機(株)製CP100α]を用い
以下の条件で遠心操作を行う第2過程と ロータ室内温度 16℃ 回転数 100,000rpm 遠心時間 3時間 加速モード 停止時から500rpmに達する時間を1分か
ら2分間に設定 減速モード 500rpmから停止するまでの時間を2分か
ら3分間に設定 c)前記第2過程を経た遠心分離用チューブ内の液上面か
ら容積1mlを除去する。この1ml中には密度1.065g/cm
3より軽いリポ蛋白質が含まれており、これを除去する
第3過程と d)第3過程を経た遠心分離用チューブ内の溶液2ml(前
記第3過程で容積1mlを分取したものの残り)に密度1.
478g/cm3の臭化ナトリウム水溶液0.185mlを加え、溶媒
密度を密度1.100g/cm3に調整する第4過程と e)前記第1過程と同様仕様の遠心分離用チューブに密度
1.080g/cm3の臭化ナトリウム水溶液を2.0ml注入する第
5過程と f)前記第4過程を経た溶媒密度を密度1.100g/cm3に調
整した溶液1.0mlを前記第5過程を経た遠心分離用チュ
ーブにチューブ底から満たされ、両溶液の界面が目視で
確認できる方法で注入する第6過程と g)前記第6過程を経た遠心分離用チューブを遠心分離時
間Tを除く条件は以下のように設定し、 ロータ室内温度 16℃ 回転数 100,000rpm 加速モード 停止時から500rpmに達する時間を4分か
ら5分間に設定 減速モード 500rpmから停止するまでの時間を2分か
ら3分間に設定 前記第1過程と同様のアングルロータにセットし、分離
用超遠心機を用いる。遠心分離時間については、上述し
た数式(23)から0.6×2.5≦T(h)≦2.5なる範囲外の遠心
時間であるT(h)=1.0で遠心分離を行う第7過程と、 h)前記第7過程を経た遠心分離用チューブの液面から上
述した数式(26)におけるH(cm)=1.39をほぼ満たすH=
1.3(cm)なる円柱状の部分を分取しこれを画分E1(容積
1.0ml)とし、さらに容積1.0ml(遠心分離後の液面を基
準とすると液面から1.3〜2.6cmの円柱状の部分)を分取
しこれを画分E2とし、さらに容積1.0ml(遠心分離後の
液面を基準とすると液面から2.6cm部分から残りの溶液
すべて)を分取しこれを画分E3とする第8過程と、 i)第9過程で得た画分E1、E2、E3から臭化ナトリウムを
除くため、0.05%EDTAを含む0.15M NaCl溶液で透析操作
を行う第10過程とを具備したものになっている。
【0106】<比較例3>アフィニティークロマトグラ
フィーを用いた密度範囲が1.065〜1.080g/cm3であるリ
ポ蛋白(a)の分離法。
【0107】尚、実験手法は、文献〔MargaretL.Snyder
et al.,THE JOURNAL OF BIOLOGICALCHEMISTRY,VOL.267
(1992)〕に準じる。
【0108】a)遠心分離用チューブでその容量が3.4ml
であり、肉厚が1mm以上の遠心分離用チューブ[日立工
機(株)製4.7PCアツチューブ]に血清2.0mlを注入し、さ
らに密度1.182g/cm3の臭化ナトリウム水溶液1.0mlを注
入後混和し、溶媒の密度を1.065g/cm3に調整する第1
過程と b)前記第1過程を経た遠心分離用チューブを図4に示し
た最高回転数100,000rpm、チューブ角度26゜のアングル
ロータ[日立工機(株)製P100AT]にセットし、分離用超
遠心機[日立工機(株)製CP100α]を用い以下の条件で
遠心操作を行う第2過程と ロータ室内温度 16℃ 回転数 100,000rpm 遠心時間 3時間 加速モード 停止時から500rpmに達する時間を1分か
ら2分間に設定 減速モード 500rpmから停止するまでの時間を2分か
ら3分間に設定 c)前記第2過程を経た遠心分離用チューブ内の液上面か
ら容積1mlを除去する。この1ml中には密度1.065g/cm
3より軽いリポ蛋白質が含まれており、これを除去する
第3過程と d)前記第3過程を経た遠心分離用チューブ内の溶液2ml
を前記と同様仕様の遠心分離用チューブに移した後、密
度1.478g/cm3の臭化ナトリウム水溶液1mlを注入後混
和し、溶媒の密度を1.20g/cm3に調整する第4過程と e)前記第4過程を経た遠心分離用チューブを前記第2過
程と同様のアングルロータにセットし、分離用超遠心機
を用い以下の条件でを遠心操作を行う第7過程と ロータ室内温度 16℃ 回転数 100,000rpm 遠心時間 4時間 加速モード 停止時から500rpmに達する時間を1分か
ら2分間に設定 減速モード 500rpmから停止するまでの時間を2分か
ら3分間に設定 f)前記第5過程を経た遠心分離用チューブ内の液上面か
ら容積1mlを分取する。この1ml中には密度1.065g/cm
3から1.20g/cm3の値を有するリポ蛋白(a)と高密度リポ
蛋白質(HDL)が含まれる。この画分を得る第6過程と g)前記第6過程で得た画分から遠心分離用媒体を除くた
めに0.1M phosphate buffer(0.01% Na2-EDTA,0.01% N
aN3,1mM benzamidine,pH7.4)で透析操作を行う第7過程
と h)1.0gのLysine Sepharoseを前記0.1M phosphate buffe
r(0.01% Na2-EDTA,0.01% NaN3,1mM benzamidine,pH7.
4)で膨潤させたものを含むカラム(7.5×1.7cm2)を作成
する第8過程と i)前記第8過程で作成したカラムに0.5M NaCl(0.1M NaH
CO3,1mM benzamidine,pH8.3)溶液15mlを注入し溶出させ
る第9過程と、 j)前記第8過程で得た画分を第9過程の処理を行ったカ
ラムに50ml/hで注入する第10過程と k)前記第10過程を経たカラムに、0.5M NaCl(0.1M NaHCO
3,1mM benzamidine,pH8.3)溶液15mlを注入し溶出させ、
リポ蛋白(a)以外のリシンに特異性のないリポ蛋白質を
除去する第11過程と l)前記第11過程を経たカラムにリポ蛋白(a)を溶出させ
るために、0.1M phosphate buffer(0.01% Na2-EDTA,0.
01% NaN3,1mM benzamidine,pH7.4)に溶解した20mM 6-a
mino hexanoic acid(EACA)を12ml注入する第12過程と m)前記第12過程を経たカラムから溶出した溶液を約0.6m
lづつ分画し、20のフラクションとする第13過程と n)前記第13で得られたフラクションのリポ蛋白(a)の濃
度を定性的に検定するために、透析操作後、脂質染色
[タイタンジェル(ヘレナ研究所(株))]を行い、濃度
の高いと考えられるフラクションを特定する第14過程と o)第14過程で特定されたフラクションを透析後濃縮しリ
ポ蛋白(a)溶液とする第15過程とを具備するものとなっ
ている。
【0109】<比較例4>遠心分離を用いた密度範囲が
1.065〜1.080g/cm3であるリポ蛋白(a)の分離法。尚、
実験手法は、文献〔JANET NILSSON et al.,ANALYTICAL
BIOCHEMISTRY,VOL.110,(1981)〕に準じる。
【0110】a)チューブ容量11.2mlの遠心分離用チュー
ブにチューブ底から順に、48%Sucrose水溶液2ml、血清
3mlにNaClを0.7g加えた溶液、0.05%EDTAを含む0.67M N
aCl溶液6.2mlをそれらの界面が乱れないように重層し
て、密度勾配溶液を作成する第1過程と b)前記第1過程を経た遠心分離用チューブを、図7に示
すスイングロータにセットし、分離用超遠心機を用い以
下の条件でを遠心操作を行う第2過程と ロータ室内温度 16℃ 回転数 30,000rpm 遠心時間 24時間 加速モード 停止時から500rpmに達する時間を4分か
ら5分間に設定 減速モード 500rpmから停止するまでの時間を2分か
ら3分間に設定 c)前記第2過程を経た遠心分離用チューブ内の溶液を密
度勾配フラクショネータ[日立工機(株)製DGF-U]を用
いて0.4mlづつ分画し、27フラクションとする第3過程
と d)前記第3過程で得られたフラクションから、各フラク
ションのリポ蛋白(a)の濃度及び純度を定性的な方法で
確認するため透析操作後、ポリアクリルアミドゲルリポ
プロテインデイスク電気泳動[リポフォー・(株)常
光]を行う第4過程とを具備するものとなっている。
【0111】<比較例5>遠心分離を用いた密度範囲が
1.065〜1.080g/cm3であるリポ蛋白(a)の分離法。尚、
実験手法は、文献[T.G.REDGRAVE et al.,ANALYTICAL B
IOCHEMISTRY,VOL.65,(1975)]に準じる。
【0112】a)チューブ容量11.2mlの遠心分離用チュー
ブにチューブ底から順に、血清1mlに密度1.310g/cm3
臭化カリウム水溶液を2ml加え溶媒密度1.210g/cm3に調
整した溶液3ml、密度1.182g/cm3の臭化カリウム水溶液
を3ml、密度1.063g/cm3の臭化カリウム水溶液を3ml、
密度1.006g/cm3の塩化ナトリウム水溶液を2.2mlをそれ
らの界面が乱れないように重層して、密度勾配溶液を作
成する第1過程と b)前記第1過程を経た遠心分離用チューブを、図7に示
すスイングロータにセットし、分離用超遠心機を用い以
下の条件でを遠心操作を行う第2過程と ロータ室内温度 16℃ 回転数 30,000rpm 遠心時間 28時間 加速モード 停止時から500rpmに達する時間を4分か
ら5分間に設定 減速モード 500rpmから停止するまでの時間を2分か
ら3分間に設定 c)前記第2過程を経た遠心分離用チューブ内の溶液を密
度勾配フラクショネータ[日立工機(株)製DGF-U]を用
いて0.4mlづつ分画し、25フラクションとする第3過程
と d)前記第3過程で得られたフラクションから、各フラク
ションのリポ蛋白(a)の濃度及び純度を定性的な方法で
確認するため透析操作後、ポリアクリルアミドゲルリポ
プロテインデイスク電気泳動[リポフォー・(株)常
光]を行う第4過程とを具備するものとなっている。
尚、本発明にかかる等密度分子の分離法は、遠心分離シ
ミュレーションソフトとして、遠心機の制御ソフトに組
み込むことが可能である。
【0113】以下に各表について説明する。表1、3、
5、7、9、11は、実施例1、2、3及び比較例1、
2、3により得られた各画分のリポ蛋白(a)[Lp(a)]の
回収率(%)について示しており、リポ蛋白(a)[Lp(a)]
の回収率(%)については、Lp(a)濃度を指標とし、下記
の数式(28)で示される。尚、Lp(a)濃度測定には、Lp(a)
濃度測定試薬[ティントリエーゼ・Lp(a)(コスモ・バ
イオ(株))]を用いた。
【0114】
【数28】
【0115】
【表1】
【0116】
【表3】
【0117】
【表5】
【0118】
【表7】
【0119】
【表9】
【0120】
【表11】
【0121】表2、8は、実施例1及び比較例1により
得られた各画分のLDL‐コレステロール除去率(%)について示し
ており、LDL-コレステロール除去率については、LDL-コレステロール濃
度を指標とし、下記の数式(29)で示される。尚、LDL-コレ
ステロール濃度測定には、LDL-コレステロール濃度測定試薬[DIRECT
LDL CHOLESTEROL REAGENT KIT (GENZYME.CO.)]を用い
た。
【0122】
【数29】
【0123】
【表2】
【0124】
【表8】
【0125】表4、6、10、12については、実施例
2、実施例3、比較例2、比較例3により得られた各画
分のHDL‐コレステロール除去率(%)について示しており、HDL-
コレステロール除去率についてはHDL-コレステロール濃度を指標とし、
下記の数式(30)で示される。尚、LDL-コレステロール濃度測定
には、HDL-コレステロール濃度測定試薬[沈澱法試薬(Baxer社)
・自動分析器pramax plus(Baxer社)]を用いた。
【0126】
【数30】
【0127】
【表4】
【0128】
【表6】
【0129】
【表10】
【0130】
【表12】
【0131】
【発明の効果】本発明によれば、リポ蛋白(a)と低密度
リポ蛋白質(LDL)または高密度リポ蛋白質(HDL)の粒子径
の違いによる浮上速度の差を有効に利用できる密度勾配
液層と遠心分離条件を確立したため、リポ蛋白(a)の迅
速・容易な分離を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になるリポ蛋白質及びリポ蛋白(a)密
度分布を示す図である。
【図2】 本発明になる式(11)の場合における遠心分離
終了後のリポ蛋白(a)と低密度リポ蛋白質(LDL)の分布状
態を示す図である。
【図3】 本発明になる式(12)の場合における遠心分離
終了後のリポ蛋白(a)と低密度リポ蛋白質(LDL)の分布状
態を示す図である。
【図4】 本発明になるアングルロータを示す構成図で
ある。
【図5】 本発明になるOA,OBを近似するための方法を
示す図である。
【図6】 比較例3の第13過程で得られた20のフラクシ
ョンについてタイタンジェルを用いて電気泳動を行った
結果を示す図である。
【図7】 本発明になるスイングロータを示す構成図で
ある。
【図8】 比較例4の27のフラクションのうち、チュー
ブの上部から14番目に分画されたフラクションから21番
目に分画された電気泳動の結果を示す図ある。
【図9】 比較例5の25のフラクションのうち、チュー
ブの上部から10番目に分画されたフラクションから15番
目に分画されたフラクションの電気泳動の結果を示す図
である。
【符号の説明】
1は密度溶液、3はリポ蛋白(a)である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正内容】
【0099】a)遠心分離用チューブでその容量が3.4ml
であり、肉厚が1mm以上の遠心分離用チューブ[日立工
機(株)製4.7PCアツチューブ]に血清2.0mlを注入し、さ
らに密度1.006の塩化ナトリウム水溶液0.25mlと密度1.1
82g/cm3の臭化ナトリウム水溶液0.75mlを注入後混和
し、溶媒の密度を1.050g/cm3に調整する第1過程と b)前記第1過程を経た遠心分離用チューブを図2に示し
た最高回転数100,000rpm、チューブ角度26゜のアングル
ロータ[日立工機(株)製P100AT]にセットし、分離用超
遠心機[日立工機(株)製CP100α]を用い以下の条件で
遠心操作を行う第2過程と ロータ室内温度 16℃ 回転数 100,000rpm 遠心時間 3時間 加速モード 停止時から500rpmに達する時間を1分か
ら2分間に設定 減速モード 500rpmから停止するまでの時間を2分か
ら3分間に設定 c)前記第2過程を経た遠心分離用チューブ内の液上面か
ら容積1mlを除去する。この1ml中には密度1.050g/cm
3より軽いリポ蛋白質が含まれており、これを除去する
第3過程と d)第3過程を経た遠心分離用チューブ内の溶液2ml(前
記第3過程で容積1mlを分取したものの残り)に密度1.
478g/cm3の臭化ナトリウム水溶液0.178mlを加え、溶媒
密度を密度1.085g/cm3に調整する第4過程と e)前記第1過程と同様仕様の遠心分離用チューブに密度
1.065g/cm3の臭化ナトリウム水溶液を2.5ml注入する第
5過程と f)前記第4過程を経た溶媒密度を密度1.085g/cm3に調
整した溶液0.5mlを前記第5過程を経た遠心分離用チュ
ーブにチューブ底から満たされ、両溶液の界面が目視で
確認できる方法で注入する第6過程と g)前記第6過程を経た遠心分離用チューブを遠心分離時
間Tを除く条件は以下のように設定し、 ロータ室内温度 16℃ 回転数 100,000rpm 加速モード 停止時から500rpmに達する時間を
4分から5分間に設定 減速モード 500rpmから停止するまでの時間を2分か
ら3分間に設定 前記第1過程と同様のアングルロータにセットし、分離
用超遠心機を用いる。遠心分離時間については、上述し
た数式(23)より0.6×3.4≦T(h)≦3.4なる範囲外の遠心
時間であるT(h)=1.0で遠心分離を行う第7過程と、 h)前記第7過程を経た遠心分離用チューブの液面から上
述した数式(24)より、0.39≦H(cm)≦0.59の範囲をほぼ
満たすH=0.6(cm)なる円柱状の部分を分取しこれを画
分D1(容積0.5ml)とし、さらに容積0.5ml(遠心分離後
の液面を基準とすると液面から0.6〜1.3cmの円柱状の部
分)を分取しこれを画分D2とし、さらに容積1.0ml(遠
心分離後の液面を基準とすると液面から1.3〜2.6cmの円
柱状の部分)を分取しこれを画分D3とし、さらに容積1.
0ml(遠心分離後の液面を基準とすると液面から2.6cm部
分から残りの溶液すべて)を分取しこれを画分D4とする
第8過程と、 i)第9過程で得た画分D1、D2、D3、D4から臭化ナトリウ
ムを除くため、0.05%EDTAを含む0.15M NaCl溶液で透析
操作を行う第10過程とを具備したものになっている。
フロントページの続き (72)発明者 櫻林 郁之介 東京都練馬区豊玉北三丁目4番十二号 (72)発明者 久保 信彦 東京都文京区目白台2−9−15−605

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度範囲が1.050〜1.100g/cm3にある球
    状粒子群で、それらが生物媒体中に含まれる脂質と蛋白
    質の複合体であるリポ蛋白質であり、そのうちそれの有
    するアポリポタンパク質にapo(a)を含むリポ蛋白(a)
    を、apo(a)を含まない密度範囲1.050〜1.063g/cm3に分
    布している低密度リポ蛋白質または密度範囲1.063〜1.1
    00g/cm3に分布している高密度リポ蛋白質から選択的に
    分離する方法において、前記リポ蛋白(a)と前記低密度
    リポ蛋白質または前記高密度リポ蛋白質を含む溶液を遠
    心分離用チューブの下部に注入し、その密度がある特定
    の上限を有しかつ浮上させる粒子以上で下部の溶液以下
    である密度液をその上に重層し、該遠心分離用チューブ
    に対して平均遠心力が80、000×g以上になる回転数で所
    定時間の遠心分離を行い、遠心分離後、遠心分離用チュ
    ーブ内の溶液のうち液面から所定の高さの円柱部分を分
    取することにより前記両粒子からリポ蛋白(a)を選択的
    に分離することを特徴とする等密度分子の分離法。
  2. 【請求項2】 前記リポ蛋白(a)の密度範囲が1.050〜1.
    065g/cm3である時、前記密度液の上限が1.080g/cm3
    あることを特徴とする請求項1記載の等密度分子の分離
    法。
  3. 【請求項3】 前記リポ蛋白(a)の密度範囲が1.065〜1.
    080g/cm3である時、前記密度液の上限が1.095g/cm3
    あることを特徴とする請求項1記載の等密度分子の分離
    法。
  4. 【請求項4】 前記リポ蛋白(a)の密度範囲が1.080〜1.
    100g/cm3である時、前記密度液の上限が1.112g/cm3
    あることを特徴とする請求項1記載の等密度分子の分離
    法。
  5. 【請求項5】 前記所定の遠心分離時間(T(h))と前記
    遠心分離機の回転数N(rpm)の関係において、 をほぼ満たすことを特徴とする請求項1記載の等密度分
    子の分離法。
  6. 【請求項6】 前記リポ蛋白(a)の密度範囲が1.050〜1.
    065g/cm3である時、遠心終了後遠心分離用チューブを
    垂直に立てて分取する前記所定の高さ(H(cm))と前記回
    転軸線から遠心分離用チューブ内溶液の液底までの距離
    (OC(cm))、前記遠心分離用チューブの長さ(L(cm))、前
    記遠心分離用チューブにおける円筒部の半径(rt(cm))、
    前記リポ蛋白(a)の浮上係数(Sf(Lp))、前記低密度リポ
    蛋白質の浮上係数(Sf(LDL))、前記OA及び前記OBとの関
    係は、前記回転軸線とロータ本体の内部又はそれに付属
    している遠心分離用チューブを保持するための円柱状の
    空洞の軸線とがなす角(θ)がθ=0゜を満たし、かつ が成り立つ時、Hは、 をほぼ満たすことを特徴とする請求項1記載の等密度分
    子の分離法。
  7. 【請求項7】 前記リポ蛋白(a)の密度範囲が1.050〜1.
    065g/cm3である時、遠心終了後遠心分離用チューブを
    垂直に立てて分取する前記所定の高さ(H(cm))と前記回
    転軸線から遠心分離用チューブ内溶液の液底までの距離
    (OC(cm))、前記遠心分離用チューブの長さ(L(cm))、前
    記遠心分離用チューブにおける円筒部の半径(rt(cm))、
    前記リポ蛋白(a)の浮上係数(Sf(Lp))、前記低密度リポ
    蛋白質の浮上係数(Sf(LDL))、前記OA及び前記OBとの関
    係は、前記回転軸線とロータ本体の内部又はそれに付属
    している遠心分離用チューブを保持するための円柱状の
    空洞の軸線とがなす角(θ)がθ=0゜を満たし、かつ が成り立つ時、Hは、 をほぼ満たすことを特徴とする請求項1記載の等密度分
    子の分離法。
  8. 【請求項8】 前記リポ蛋白(a)の密度範囲が1.050〜1.
    065g/cm3である時、遠心終了後遠心分離用チューブを
    垂直に立てて分取する前記所定の高さ(H(cm))と前記回
    転軸線から遠心分離用チューブ内溶液の液底までの距離
    (OC(cm))、前記遠心分離用チューブの長さ(L(cm))、前
    記遠心分離用チューブにおける円筒部の半径(rt(cm))、
    前記リポ蛋白(a)の浮上係数(Sf(Lp))、前記低密度リポ
    蛋白質の浮上係数(Sf(LDL))、前記OA及び前記OBとの関
    係は、前記回転軸線とロータ本体の内部又はそれに付属
    している遠心分離用チューブを保持するための円柱状の
    空洞の軸線とがなす角(θ)が0゜<θ≦90°を満たし、
    かつ、 が成り立つ時、Hは、 をほぼ満たすことを特徴とする請求項1記載の等密度分
    子の分離法。
  9. 【請求項9】 前記リポ蛋白(a)の密度範囲が1.050〜1.
    065g/cm3である時、遠心終了後遠心分離用チューブを
    垂直に立てて分取する前記所定の高さ(H(cm))と前記回
    転軸線から遠心分離用チューブ内溶液の液底までの距離
    (OC(cm))、前記遠心分離用チューブの長さ(L(cm))、前
    記遠心分離用チューブにおける円筒部の半径(rt(cm))、
    前記リポ蛋白(a)の浮上係数(Sf(Lp))、前記低密度リポ
    蛋白質の浮上係数(Sf(LDL))、前記OA及び前記OBとの関
    係は、前記回転軸線とロータ本体の内部又はそれに付属
    している遠心分離用チューブを保持するための円柱状の
    空洞の軸線とがなす角(θ)が0゜<θ≦90°を満たし、
    かつ、 が成り立つ時、Hは、 をほぼ満たすことを特徴とする請求項1記載の等密度分
    子の分離法。
  10. 【請求項10】 前記リポ蛋白(a)の密度範囲が1.065〜
    1.100g/cm3である時、遠心終了後遠心分離用チューブ
    を垂直に立てた時の前記高さ(H(cm))と前記回転軸線か
    ら遠心分離用チューブ内溶液の液底までの距離OC、前記
    遠心分離用チューブにおける円筒部の半径(rt(cm))、前
    記リポ蛋白(a)の浮上係数(Sf(Lp))、前記高密度リポ蛋
    白質の浮上係数(Sf(HDL))、前記OA及び前記OBとの関係
    は、前記回転軸線とロータ本体の内部又はそれに付属し
    ている遠心分離用チューブを保持するための円柱状の空
    洞の軸線とがなす角(θ)がθ=0゜を満たし、かつ が成り立つ時、Hは、 をほぼ満たすことを特徴とする請求項1記載の等密度分
    子の分離法。
  11. 【請求項11】 前記リポ蛋白(a)の密度範囲が1.065〜
    1.100g/cm3である時、遠心終了後遠心分離用チューブ
    を垂直に立てた時の前記高さ(H(cm))と前記回転軸線か
    ら遠心分離用チューブ内溶液の液底までの距離OC、前記
    遠心分離用チューブにおける円筒部の半径(rt(cm))、前
    記リポ蛋白(a)の浮上係数(Sf(Lp))、前記高密度リポ蛋
    白質の浮上係数(Sf(HDL))、前記OA及び前記OBとの関係
    は、前記回転軸線とロータ本体の内部又はそれに付属し
    ている遠心分離用チューブを保持するための円柱状の空
    洞の軸線とがなす角(θ)がθ=0゜を満たし、かつ が成り立つ時、Hは をほぼ満たすことを特徴とする請求項1記載の等密度分
    子の分離法。
  12. 【請求項12】 前記リポ蛋白(a)の密度範囲が1.065〜
    1.100g/cm3である時、遠心終了後遠心分離用チューブ
    を垂直に立てた時の前記高さ(H(cm))と前記回転軸線か
    ら遠心分離用チューブ内溶液の液底までの距離OC、前記
    遠心分離用チューブにおける円筒部の半径(rt(cm))、前
    記リポ蛋白(a)の浮上係数(Sf(Lp))、前記高密度リポ蛋
    白質の浮上係数(Sf(HDL))、前記OA及び前記OBとの関係
    は、前記回転軸線とロータ本体の内部又はそれに付属し
    ている遠心分離用チューブを保持するための円柱状の空
    洞の軸線とがなす角(θ)が0゜<θ≦90°を満たし、か
    が成り立つ時、Hは、 をほぼ満たすことを特徴とする請求項1記載の等密度分
    子の分離法。
  13. 【請求項13】 前記リポ蛋白(a)の密度範囲が1.065〜
    1.100g/cm3である時、遠心終了後遠心分離用チューブ
    を垂直に立てた時の前記高さ(H(cm))と前記回転軸線か
    ら遠心分離用チューブ内溶液の液底までの距離OC、前記
    遠心分離用チューブにおける円筒部の半径(rt(cm))、前
    記リポ蛋白(a)の浮上係数(Sf(Lp))、前記高密度リポ蛋
    白質の浮上係数(Sf(HDL))、前記OA及び前記OBとの関係
    は、前記回転軸線とロータ本体の内部又はそれに付属し
    ている遠心分離用チューブを保持するための円柱状の空
    洞の軸線とがなす角(θ)が0゜<θ≦90°を満たし、か
    が成り立つ時、Hは をほぼ満たすことを特徴とする請求項1記載の等密度分
    子の分離法。
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