JPH0972822A - 風洞試験装置 - Google Patents

風洞試験装置

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JPH0972822A
JPH0972822A JP22997195A JP22997195A JPH0972822A JP H0972822 A JPH0972822 A JP H0972822A JP 22997195 A JP22997195 A JP 22997195A JP 22997195 A JP22997195 A JP 22997195A JP H0972822 A JPH0972822 A JP H0972822A
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JP
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model
wind tunnel
test
flight
test model
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JP22997195A
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Shigeru Asai
滋 浅井
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来、供試模型の風洞壁との接触防止を目的
として、供試模型は、張力制御装置、ケーブルによる拘
束状態で、風洞内の飛行を行うようにしたため、試験結
果から直接飛行運動特性を把握できない不具合があっ
た。このような不具合を解消する風洞試験装置を提供す
ること。 【解決手段】 風洞31内を前後、左右方向に走行する
エア・クッション台車15、およびエア・クッション台
車15上で上下方向に滑動するスライド・ロッド12か
らなる模型トラッキング装置と、スライド・ロッド12
の上端に供試模型1を姿勢角自在にして連結する球面ベ
アリング10と、スライド・ロッド12の上端に設けら
れ模型トラッキング装置から供試模型1へ伝わる微小外
力を検出する検力計11と、供試模型1の風洞壁への接
近時に制動力を発生し、供試模型1の風洞壁への衝突を
防止する緩衝装置16,19とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機等の飛行体
を模擬して製作された供試模型を、高速気流が発生して
いる風洞内で自由飛行させて、その飛行運動を計測する
ことにより、供試模型で模擬した航空機等の飛行運動特
性を、地上で直接取得するようにした風洞試験装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】風洞内の高速気流中を飛行する供試模型
を用い、地上において、供試模型で模擬された飛行体の
飛行運動特性を直接取得することを目的とした、自由飛
行風洞試験と呼ばれる試験法がある。図6は、これらの
試験法に使用される、風洞試験装置の概念図を示す斜視
図である。
【0003】同図において、1は供試模型、2は主翼、
3はエルロン舵面、4は水平尾翼、5はエレベータ舵
面、6は垂直尾翼、7はラダー舵面、8はフレキシブル
・ホース、9はノズル、28はプーリー、29はケーブ
ル、30は張力制御装置である。このようにして構成さ
れた風洞試験装置では、風洞内の高速気流V中に置かれ
た供試模型1は、その主翼2の発生する揚力により浮揚
し、図示しない、風洞外に設置された空気圧縮機で発生
させた圧縮空気を、フレキシブル・ホース8を経由して
供試模型1内まで導き、ノズル9より機体後方にジェッ
ト噴出することにより、推力を得、風洞内で自由飛行さ
せるようにしている。
【0004】一方、風洞外に設けた、図示しない制御装
置、あるいは操縦者は、供試模型1の飛行運動状況を観
測の上、主翼2に装備されたエルロン舵面3、水平尾翼
4に装備されたエレベータ舵面5、あるいは垂直尾翼6
に装備されたラダー舵面7を駆動することにより、供試
模型1に所要の飛行運動を行わせるようにしている。
【0005】しかし、風洞内の送風開始から送風終了ま
で、ノズル9で発生する推力と、エルロン舵面3、エレ
ベータ舵面5、およびラダー舵面7の3舵面の操作によ
る、これらの舵面に働く空気力の制御のみで、風洞壁に
接触することなく、供試模型1の飛行運動をコントロー
ルして、風洞内で飛行させることは非常に困難である。
【0006】このため、図に示す従来の風洞試験装置に
おいては、プーリー28、ケーブル29と張力制御装置
30により、供試模型1の飛行運動を拘束し、供試模型
1が風洞壁に接触しないように飛行させて、風洞試験を
遂行している。こうして得られた試験結果を基に、供試
模型1に対する拘束の影響を解析的に除去した上で、供
試模型1の自由飛行運動特性を抽出するようにしてい
る。
【0007】上記のことから明らかなように、上述の自
由飛行風洞試験では、地上で実際の飛行体の飛行運動特
性を直接取得することを目的とした試験でありながら、
試験結果から、試験時における供試模型1を拘束するこ
とによる影響を除去する必然性が残り、このことが本試
験法の欠点となっている。すなわち、従来の風洞試験装
置では、プーリー28、ケーブル29、張力制御装置3
0により構成される外力系が、供試模型1の飛行運動に
対して大きな影響を及ぼすため、風洞試験で得られた試
験結果から、飛行運動特性を把握するためには、これら
の外力系が供試模型1の飛行運動に対して及ぼす拘束の
影響について、十分な配慮を要し、試験後、これらの試
験結果について拘束の影響を補正する必要があり、直ち
に飛行運動特性が把握できない点が問題となっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した、
従来の風洞試験装置の不具合を解消するため、風洞の送
風開始から送風終了まで、供試模型が風洞壁に接触する
ことのないようにするための制御装置、あるいは操縦者
により行われる供試模型の飛行運動制御操作を不要にし
て、供試模型が風洞壁に接触することなく飛行させるこ
とができるとともに、風洞内に設定された飛行範囲内で
は、供試模型は、ほとんど拘束されず飛行でき、試験
後、得られた試験結果から直ちに、飛行運動特性が定量
的に解析・評価できるようにした風洞試験装置を提供す
ることを課題とする。
【0009】
【問題を解決するための手段】このため、本発明の風洞
試験装置は、次の手段とした。
【0010】(1)風洞内の気流が流れる方向である風
洞の前後方向、およびこれと直交する水平面内の左右方
向に、風洞内の水平、平滑床(下壁)上を空気圧縮力で
浮揚し、走行面上との摩擦力をほとんど発生することな
く走行するようにしたエア・クッション台車、およびエ
ア・クッション台車上で上下方向に、小さい摩擦力でス
ライドするスライド・ロッドからなる模型トラッキング
装置を風洞内に設けた。
【0011】(2)スライド・ロッドの上部に、姿勢角
を自在に変更できるように、摩擦を非常に小さくして、
供試模型を支持できる球面ベアリングを設けた。
【0012】(3)スライド・ロッドの上部に、模型ト
ラッキング装置から供試模型に伝達される外力、すなわ
ち、風洞軸に対して前後、左右、上下方向の3分力をそ
れぞれ検出できる検力計を設けた。なお、検力計はスラ
イド・ロッドの上端と球面ベアリングの下端部との間
に、介装することが望ましい。
【0013】(4)供試模型の飛行時、風洞壁に供試模
型が衝突する恐れのない、風洞内の所定区画に定められ
た飛行範囲を供試模型が飛行しているときは、供試模型
に拘束力を加えることなく供試模型が自由飛行でき、ま
た供試模型が風洞壁に接近して衝突する恐れのある風洞
壁近傍を飛行するときは、エア・クッション台車の走
行、およびスライド・ロッドの上下動を阻止する制動力
を発生させて、供試模型に拘束力を加え制動して、供試
模型の風洞壁への衝突を回避させることのできる緩衝装
置を設けた。
【0014】本発明の風洞試験装置は、上述の手段によ
り、供試模型の風洞壁との衝突が回避できる、風洞内の
所定区画に定められた飛行範囲の飛行においては、供試
模型は走行時の摩擦力がほとんどないエア・クッション
台車、および上下動時の摩擦力を小さくしたスライド・
ロッドにより構成される模型トラッキング装置、および
飛行時の姿勢変角時の摩擦力を小さくした、球面ベアリ
ングにより支持されて飛行するので、これらの支持装置
から有意な反力を受けないため、供試模型は、その飛行
運動に対し実質上影響を受けることなく、また、球面ベ
アリングの支持により、姿勢を自由に変えて飛行でき、
自由飛行中の運動特性を計測結果から直接把握できる。
これにより、計測結果の良否が早期に判断でき、風洞試
験を効率化することができる。
【0015】一方、風洞内の所定区画に定められた飛行
範囲から逸脱して、飛行中の供試模型が、風洞壁と衝突
する可能性のある風洞壁近傍を飛行しようとするとき
は、模型トラッキング装置のエア・クッション台車、お
よびスライド・ロッド、あるいは水平・平滑床の両側に
設けた緩衝装置からの反力が急激に増大するため、供試
模型には制動力が働き、安全に、かつ確実に、供試模型
を保持することが可能となる。
【0016】また、走行時の摩擦力がほとんどなく、上
下動時の摩擦力が充分小さく、供試模型の飛行に追従し
て移動する模型トラッキング装置で、供試模型は支持さ
れているため、微小とはいえ、模型トラッキング装置よ
り供試模型に伝わる外力が発生するが、この外力はスラ
イド・ロッド上端部に設けた検力計で計測することによ
り、これらの外力が供試模型の自由飛行に及ぼす影響を
定量的に把握でき、これを使って、試験結果を補正する
ことにより、完全に自由な状態における飛行運動特性
を、より正確に計測することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の風洞試験装置の実
施の一形態を図面にもとづき説明する。なお、実施の形
態を示す図において、図6に示す部材と同一のものは、
従来の技術で説明したものと同じでものであり、同一番
号を付して説明を省略する。
【0018】図1は、本発明の風洞試験装置の実施の第
1形態を示す全体斜視図である。同図において、10は
球面ベアリング、11は検力計、12はスライド・ロッ
ド、13は外筒、14はウェイト・バランサー、15は
エア・クッション台車、16は台車側緩衝装置、17は
エア・ホース、18は風洞内の下壁を形成する水平・平
滑床、19は床緩衝装置、31は風洞を表わす。風洞3
1内で自由飛行させ、その飛行運動特性を取得する供試
模型1は、その重心近傍において、球面ベアリング1
0、検力計11を介してスライド・ロッド12の上端に
接続されている。
【0019】スライド・ロッド12は、外筒13の中を
上下方向に滑かにスライドできる機構とされている。ま
た、球面ベアリング10により連結され、姿勢角を自在
に変更できるようにした供試模型1を、上端に連結した
スライド・ロッド12の自重は、外筒13に装着された
ウェイト・バランサー14によって支えられている。さ
らに、外筒13の下端部は、エア・クッション台車15
の上面に固着されている。
【0020】エア・クッション台車15には、図示省略
した風洞31外に設けられた圧縮空気供給源よりエア・
ホース17を介して圧縮空気が供給される。この圧縮空
気は、エア・クッション台車15、およびその上面に立
設されるスライド・ロッド12からなる模型トラッキン
グ装置の自重、空力荷重を支えたうえ、エア・クッショ
ン台車15の下部と水平・平滑床18のわずかな間隙よ
り噴出されるため、エア・クッション台車15は、水平
・平滑床18上を滑かに走行することができる。また、
エア・クッション台車15の外周縁部に装着された台車
側緩衝装置16は、弾力性、および磁性を有する材質で
形成されている。なお、図2に示すように、エア・クッ
ション台車15の裏面には、圧縮空気供給溝20が刻設
されており、この圧縮空気供給溝20は、エア・ホース
17から供給される圧縮空気を、エア・クッション台車
15の裏面の隅々に供給するようにしている。
【0021】次に、スライド・ロッド12の自重を支持
するウェイト・バランサー14の具体的機構の一例を、
図3に示す斜視図で説明する。同図において、21はラ
ック、22はピニオン、23はバックラッシュ防止用コ
イル・バネ、24はゼンマイ・バネを表わす。ラック2
1は、スライド・ロッド12の側面に沿って上下方向に
設けられており、このラック21にピニオン22が嵌合
する。ピニオン22は、2枚のスパー・ギアで構成さ
れ、ラック21の歯をピニオン22の2枚のスパー・ギ
アの歯で挟みこむように、バックラッシュ防止用コイル
・バネ23が機能するため、スライド・ロッド12が上
方向から下方向、あるいは下方向から上方向にスライド
方向を変える時点でも、バックラッシュに起因する停止
状態は生じない。
【0022】また、ゼンマイ・バネ24は、ピニオン2
2に装着され、同ピニオン22に対して回転トルクを与
え、このトルクがスライド・ロッド12の自重を支え
る。なお、ゼンマイ・バネ24は、十分な巻数を有し、
スライド・ロッド12の位置が最上位から最下位間のい
ずれの位置にあっても、常にスライド・ロッド12の自
重分に相当する一定トルクを与える。これにより、特に
解決すべき技術的課題もなく、実現性の高いウェイト・
バランサー14が得られる。
【0023】次に、飛行中の供試模型1が風洞31の側
壁、天井、若しくは水平・平滑床18、いわゆる風洞壁
と衝突することのない、風洞31内の所定区画に設けら
れた飛行範囲から逸脱して、風洞壁と衝突する可能性の
ある風洞壁近傍を飛行しようとするとき、供試模型1に
制動力を加え、供試模型1の風洞壁への衝突を回避させ
る緩衝装置について説明する。
【0024】図4は、これらの緩衝装置のうち、スライ
ド・ロッド12に設けるスライド・ロッド用緩衝装置を
示す斜視図である。図において、27a、27b,27
cは、外筒上端側緩衝装置、27dは外筒下端側緩衝装
置、25はスライド・ロッド12の鍔部、26はスライ
ド・ロッド12の底部を表わす。スライドロッド12の
鍔部25が、外筒上端側緩衝装置27a,27b,27
cに、また、スライド・ロッド12の底部26が、外筒
下端側緩衝装置27dに接触すると、これらの緩衝装置
27a,27b,27c,27dが収縮することによ
り、スライド・ロッド12の運動エネルギーを吸収す
る。
【0025】一方、図1に示すように、水平・平滑床1
8に四周に設けられ、柔軟に変形し、磁性を有する材質
で形成された床側緩衝装置19、およびエア・クッショ
ン台車15の周囲に設けられ、柔軟に変形するととも
に、床側緩衝装置19の磁性体に反発する磁性を有する
材質で形成された台車側緩衝装置16からなる、台車用
緩衝装置が設けられている。このように、台車用緩衝装
置を構成する床側緩衝装置19の磁性体と、台車側緩衝
装置16の磁性体とは、反発する極性が付与されてお
り、エア・クッション台車15の台車側緩衝装置16が
床側緩衝装置19に接触する前であっても、互いに反発
力を発生し、エア・クッション台車15を制動する。
【0026】また、エア・クッション台車15が床側緩
衝装置19に接触すると、主として床側緩衝装置19が
収縮することにより、エア・クッション台車15の運動
エネルギーを吸収する。従って、風洞壁に接触する近傍
の制動領域においては、供試模型1には、制動力が付与
されて、風洞壁に衝突することがなく、供試模型1を安
全かつ確実に保持することが可能となる。
【0027】このように、風洞31内の水平・平滑床1
8上の水平面内を、滑かに走行するエア・クッション台
車15を構成し、これに、ウェイト・バランサー14
で、その自重を支えられたスライド・ロッド12を組合
せることにより、風洞31内を自由飛行する供試模型1
の動きに追従して、風洞31内の任意の位置に移動でき
る模型トラッキング装置を実現することができる。ま
た、逆にエア・クッション台車15、およびスライド・
ロッド12の可動範囲において、検力計11、および球
面ベアリング10を介して、スライド・ロッド12の上
端に接続された供試模型1は、3次元方向の並進運動と
回転運動の6自由度運動を非常に滑かに行うことが可能
となる。
【0028】一方、水平・平滑床18の四周に設けられ
た床側緩衝装置19は、エア・クッション台車15の台
車側緩衝装置16が接触すると、床側緩衝装置19が主
として収縮することにより、エア・クッション台車16
の運動エネルギーを吸収し、これらの制動を行う。従っ
て、風洞壁に接触する近傍の制動領域での供試模型1の
飛行は、拘束され風洞壁に衝突することはなくなり、供
試模型1を安全かつ確実に保持することが可能となる。
また、上述した模型トラッキング装置を用いた自由飛行
風洞試験の試験準備段階においては、供試模型1の慣性
モーメントは変えることなく、その重量は、極力軽減
し、模型トラッキング装置、球面ベアリング10、供試
模型1を含めた全体の重量が、実機のスケール比対応重
量になっていることが望ましい。
【0029】本形態の風洞試験装置の製作に当っては、
エア・クッション台車15、およびスライド・ロッド1
2の重量を、可能な限り軽減するとともに、スライド・
ロッド12のスライド部、球面ベアリング10の軸受部
の摩擦の低減を図ることが重要であり、また、模型トラ
ッキング装置全体にわたり、高速気流に晒される部分の
フェアリングを行い、極力、空力抵抗を低減させること
が好ましい。このように、重量軽減、摩擦低減、空力抵
抗低減により、模型トラッキング装置から供試模型1に
伝わる外力は、最少限に抑制することが可能である。ま
た、微小とはいえ、結果的に発生する模型トラッキング
装置から供試模型1に伝わる外力は、スライド・ロッド
12上端の検力計11によって計測され、その結果は、
自由飛行に及ぼす影響を定量的に把握するための解析に
供される。
【0030】このように、本形態の風洞試験装置におい
ては、供試模型1が風洞壁に接触する近傍までの自由飛
行領域である飛行範囲では、エア・クッション台車1
5、スライド・ロッド12、および球面ベアリング10
の摩擦力、摩擦トルクが非常に小さく、また、高速気流
に晒される部分の空力抵抗も小さいため、供試模型1の
自由飛行運動に対する影響を小さくできる。すなわち、
供試模型1の3次元方向の並進運動と、回転運動の6自
由度運動に非常に滑かに追跡できる模型トラッキング装
置が実現できる。
【0031】一方、供試模型1が飛行範囲から変位し
て、風洞壁に接近した飛行を行う場合、エア・クッショ
ン台車15の台車側緩衝装置16が、床側緩衝装置19
に接近、接触し、またスライド・ロッド12上端、ある
いは下端が外筒上端側緩衝装置27a,27b,27c
および外筒下端側緩衝装置27dに接触する。これに伴
い、これらの緩衝装置が収縮することによりエア・クッ
ション台車15、およびスライド・ロッド12の運動エ
ネルギーを吸収するため、風洞壁に接触する近傍の制動
領域においては、供試模型1には制動力が作用し、自由
飛行運動が拘束され、風洞壁に衝突することが回避でき
て、供試模型1を安全、かつ確実に保持することが可能
となる。
【0032】また、わずかとはいえ、模型トラッキング
装置から供試模型1に伝わる外力は、スライド・ロッド
12上端の検力計11により計測される。例えば、風洞
軸に対して前後、左右、上下方向の3分力として計測さ
れた外力の計測結果より、自由飛行に及ぼす影響を、試
験後定量的に解析・評価することが可能となる。
【0033】次に、図5は本発明の風洞試験装置の実施
の第2形態を示す斜視図である。本形態においては、図
に示すように、エア・クッション台車15の内部全体が
エア・チャンバとなっている。また、本形態の水平・平
滑床18は、台車側緩衝装置16の磁性体に反発する極
性を持つ磁性床材で構成されている。従って、台車側緩
衝装置16の下部と水平・平滑床18の間隙が、小さけ
れば小さい程より大きな反発力が働く。
【0034】一方、パスカルの原理により、エア・チャ
ンバであるエア・クッション台車15内部の圧力は一定
であるため、台車側緩衝装置16の下部と水平・平滑床
18のわずかな間隙は、一定となり、エア・クッション
台車15は、水平・平滑床18上を滑かに走行する。
【0035】従って、本形態においては、実施の第1形
態の場合と同様の効果を奏するが、更に第1形態に比
べ、構成要素数が少なく、精密加工に要する工数を低減
できる効果がある。
【0036】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明の風洞試験
装置によれば、特許請求の範囲に示す構成により、次の
効果が得られる。
【0037】(1)供試模型が風洞壁と衝突することな
い、風洞内に定められた飛行範囲を飛行しているとき
は、飛行を拘束する外力が供試模型に働かないため、自
由飛行中の運動特性を忠実に模擬でき、また、計測結果
から飛行運動特性を直接把握できるようになる。
【0038】(2)供試模型が飛行範囲から外れて、風
洞壁に衝突する可能性のある制動範囲を飛行しようとす
ると、模型トラッキング装置等に設けた緩衝装置が働
き、供試模型に制動力が加わり、供試模型の風洞壁との
衝突が回避でき、供試模型を安全、確実に保持できる。
【0039】(3)姿勢変動を含む供試模型の自由飛行
を許容する模型トラッキング装置から供試模型へ伝達さ
れる外力は、飛行範囲で微小になるようにしてあるが、
この微小な外力も検力計で検出され、定量的に把握され
るので、高精度の試験結果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の風洞試験装置の実施の第1形態を示す
全体斜視図、
【図2】図1に示す形態のエア・クッション台車の裏面
を示す斜視図、
【図3】図1に示す形態のスライド・ロッドを支持する
ウェイト・バランサーの斜視図、
【図4】図1に示す形態の緩衝装置としてのスライド・
ロッド用緩衝装置の斜視図、
【図5】本発明の風洞試験装置の実施の第2形態として
の、エア・クッション台車の裏面を示す斜視図、
【図6】従来の自由飛行試験用の風洞試験装置の一例を
示す斜視図である。
【符号の説明】
1 供試模型 2 主翼 3 エルロン舵面 4 水平尾翼 5 エレベータ舵面 6 垂直尾翼 7 ラダー舵面 8 フレキシブル・ホース 9 ノズル 10 球面ベアリング 11 検力計 12 スライド・ロッド 13 外筒 14 ウェイト・バランサ− 15 エア・クッション台車 16 台車側緩衝装置 17 エア・ホース 18 水平・平滑床 19 床側緩衝装置 20 圧縮空気供給溝 21 ラック 22 ピニオン 23 バックラッシュ防止用コイル
バネ 24 ゼンマイ・バネ 25 スライド・ロッドの鍔部 26 スライド・ロッドの底部 27a,27b,27c 外筒上端側緩衝装置 27d 外筒下端側緩衝装置 28 プーリー 29 ケーブル 30 張力制御装置 31 風洞 V 気流

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 風洞内の気流中で供試模型を自由飛行さ
    せ、前記供試模型の飛行運動特性を取得するための風洞
    試験装置において、前記風洞内の水平・平滑床上を、前
    後、左右方向に走行するエア・クッション台車、および
    前記エア・クッション台車上で、上下方向に滑動するス
    ライド・ロッドからなる模型トラッキング装置と、前記
    スライド・ロッドの上部で、姿勢角を自在にして前記供
    試模型を支持する球面ベアリングと、前記スライド・ロ
    ッドの上部に装着され、前記模型トラッキング装置から
    前記供試模型へ伝達される外力を検出する検力計と、前
    記風洞内に設定された飛行範囲内での前記供試模型の自
    由飛行を許容するとともに、前記供試模型が前記風洞壁
    に接近したとき、前記模型トラッキング装置に制動力を
    発生させ、前記供試模型の飛行を制動する緩衝装置とを
    具えたことを特徴とする風洞試験装置。
JP22997195A 1995-09-07 1995-09-07 風洞試験装置 Withdrawn JPH0972822A (ja)

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Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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