JPH0968564A - Squid磁束計 - Google Patents

Squid磁束計

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JPH0968564A
JPH0968564A JP8157288A JP15728896A JPH0968564A JP H0968564 A JPH0968564 A JP H0968564A JP 8157288 A JP8157288 A JP 8157288A JP 15728896 A JP15728896 A JP 15728896A JP H0968564 A JPH0968564 A JP H0968564A
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cloth
squid
pickup coil
heat
heat transfer
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Kenichi Sata
健一 佐多
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Daikin Industries Ltd
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 極低温冷凍機の最終段の冷却ステージを必要
以上に大型化することなく、SQUID磁束計をマルチ
チャンネル化する。 【構成】 ピックアップコイル6を最終段の冷却ステー
ジ3にねじ止めされたベース部材3aに対して、熱伝導
体からなる線材を編成してなる布状体5aと、熱伝導体
からなる線材により強化された繊維強化樹脂5bとを直
列状に有する伝熱支持部材5によりピックアップコイル
6を支持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はSQUID磁束計
に関し、さらに詳細にいえば、SQUID(超伝導量子
干渉素子、Superconducting QUan
tum Interference Device)お
よびピックアップコイルを極低温冷凍機により極低温状
態まで冷却し、ピックアップコイルにより検出した外部
磁束をSQUIDに導くようにしてなるSQUID磁束
計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、極低温冷凍機を用いてSQU
IDおよびピックアップコイルを極低温状態まで冷却
し、この状態においてピックアップコイルにより外部磁
束を検出してSQUIDの超伝導ループに導くようにし
たSQUID磁束計が提案されている。ここで、SQU
IDとしては、dc−SQUIDを用いることが好まし
く、この場合には、FLL回路およびモジュレーション
コイルを用いて、ピックアップコイルにより検出された
磁束をSQUIDの超伝導ループに導くことによる磁束
の変動を補償することが一般的である。
【0003】また、このようなSQUID磁束計におい
て、ピックアップコイルの位置は、極低温部を包囲する
ケーシングに可能な限り近い位置に設定することが好ま
しい。したがって、極低温冷凍機の複数段の冷却ステー
ジのうち、最終段の冷却ステージに対して、熱伝導体か
らなる線材を布状に編成してなる布状体により強化され
た繊維強化プラスチックなどからなる伝熱支持部材80
を熱的に接合された状態で配置し、電熱支持部材80の
所定位置にピックアップコイル83を巻回してなる構成
が採用されている(図9、図10参照)。なお、図5は
従来のSQUID磁束計の構成を概略的に示しており、
内部空間の熱伝導を殆ど0にすべく真空にされたケーシ
ング84の内部に輻射熱を遮蔽する輻射シールド85が
配置され、輻射シールド85により包囲される状態で最
終段の冷却ステージ(例えば、ほぼ4Kの冷熱を発生さ
れるステージ)86が配置されている。この冷却ステー
ジ86上にはSQUID87が直接伝熱可能に配置され
ているとともに、超伝導シールド87aによってSQU
ID87が包囲されており、伝熱ブラケット88を介し
て伝熱支持部材89が配置されている。図5において
は、伝熱支持部材89が輻射シールド85の上部を貫通
して上方に延びており、これに対応してケーシング84
の上部が局部的に上方に延出している。
【0004】上記の構成を採用すれば、熱伝導体からな
る線材が金属、例えばCuからなるものであっても、樹
脂被膜を施された線材を用いればこの部分には電流が流
れないため、単に熱伝導部材として機能し、ピックアッ
プコイル83を極低温にまで冷却し、ピックアップコイ
ル83を超伝導状態に遷移させることができる。もちろ
ん、SQUID87も超伝導状態に遷移されるので、S
QUID磁束計として機能させることが可能である。ま
た、ピックアップコイル83がケーシング84の延出部
に位置しているのであるから、人体などの測定対象部位
にピックアップコイル83を簡単に接近させることがで
き、測定対象部位の磁束計測を高感度、高精度に達成す
ることができる。
【0005】また、液体ヘリウムにSQUID、ピック
アップコイルを浸漬する方法ではなく、極低温冷凍機を
用いて伝熱によりこれらを極低温状態にまで冷却する方
法を採用しているので、液体ヘリウムの消費による運転
コストの増大を防止できるとともに、操作のための有資
格者が不要になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の構成の
SQUID磁束計を用いて生体磁気計測を行う場合に
は、一般的に、SQUIDとピックアップコイルとの数
(以下、チャンネル数と称する)を多くする必要がある
とともに、各ピックアップコイルを生体表面に極力近づ
ける必要がある。
【0007】そして、生体の表面は一般的に曲面である
から、伝熱支持部材80により支持されたピックアップ
コイル83を生体表面に対して上述のように配置しよう
とすれば、図11に示すように、伝熱支持体80の基部
を曲面上に配列しなければならなくなってしまう。この
結果、最終段の冷却ステージを大型化せざるを得なくな
り、同時にクライオスタットも大型化せざるを得なくな
る。この結果、輻射侵入熱が増加し、極低温冷凍機によ
る冷却効率が低下してしまう。したがって、極低温冷凍
機として大容量のものを採用しなければならなくなると
ともに、常温から極低温へのクールダウンの所要時間が
長くなってしまう。
【0008】また、伝熱支持部材は、極低温状態に冷却
されることにより熱収縮を起こし、ピックアップコイル
がケーシングから離れてしまうので、測定対象部位の磁
束検出感度が低くなってしまう。
【0009】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、冷却効率の低下を抑制することができる
とともに、クールダウン所要時間の長時間化を抑制する
ことができるSQUID磁束計を提供することを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1のSQUID磁
束計は、極低温冷凍機の極低温部の所定位置にSQUI
Dを伝熱可能に配置してあるとともに、極低温部の所定
位置に対して伝熱支持部材を介して伝熱可能にピックア
ップコイルを支持してあり、伝熱支持部材の一部が形状
保持部材と熱伝導体からなる線材を編成してなる布状体
とで構成され、伝熱支持部材の残部が熱伝導体からなる
線材を編成してなる布状体で構成されてなる。
【0011】請求項2のSQUID磁束計は、熱伝導体
からなる線材を編成してなる布状体に代えて、熱伝導体
からなる線材を互いに並列状に配置してなるものを採用
したものである。請求項3のSQUID磁束計は、前記
伝熱支持部材の一部として、熱伝導体からなる線材を編
成してなる筒状の布状体と、この布状体の内面側に位置
する内部形状保持部材と、この布状体の外面側に位置す
る外部形状保持部材とで構成されたものを採用し、しか
も、外部形状保持部材として、内部形状保持部材よりも
熱伝導率が高い材質からなるものを採用している。
【0012】請求項4のSQUID磁束計は、内部形状
保持部材としてガラス繊維強化プラスチックからなるも
のを採用し、外部形状保持部材としてアルミナセラミッ
クスからなるものを採用している。請求項5のSQUI
D磁束計は、前記伝熱支持部材の一部として、熱伝導体
からなる線材を編成してなる筒状の布状体と、この布状
体の内面側に位置する内部形状保持部材と、この布状体
の外面側に位置するとともに、前記布状体の端部よりも
突出するように延設されてなる外部形状保持部材とで構
成されたものを採用し、しかも、外部形状保持部材とし
て、内部形状保持部材よりも熱伝導率が高い材質からな
るものを採用している。
【0013】請求項6のSQUID磁束計は、内部形状
保持部材としてガラス繊維強化プラスチックからなるも
のを採用し、外部形状保持部材としてチッ化アルミナセ
ラミックスからなるものを採用している。
【0014】
【作用】請求項1のSQUID磁束計であれば、極低温
冷凍機の極低温部の所定位置にSQUIDを伝熱可能に
配置してあるとともに、極低温部の所定位置に対して伝
熱支持部材を介して伝熱可能にピックアップコイルを支
持してあるので、従来のSQUID磁束計と同様にSQ
UIDおよびピックアップコイルを極低温状態にまで冷
却することができる。そして、伝熱支持部材の一部が形
状保持部材と熱伝導体からなる線材を編成してなる布状
体とで構成され、伝熱支持部材の残部が熱伝導体からな
る線材を編成してなる布状体で構成されてなるのである
から、伝熱支持部材の残部が可撓性を有することにな
り、曲面である測定対象面に対して互いにほぼ等距離に
なるようにピックアップコイルを配置する場合であって
も、伝熱支持部材の基部を平面上に配置することができ
る。したがって、多チャンネル化したことに伴なう極低
温部の大型化以上に極低温部が大型化することを防止す
ることができ、クールダウン所要時間が必要以上に長時
間化することを防止することができる。また、クライオ
スタットが必要以上に大型化することを防止することが
でき、冷却効率が必要以上に低下することを防止するこ
とができる。
【0015】請求項2のSQUID磁束計であれば、熱
伝導体からなる線材を編成してなる布状体に代えて、熱
伝導体からなる線材を互いに並列状に配置してなるもの
を採用しているので、伝熱支持部材の残部の可撓性を一
層高めることができるほか、請求項1と同様の作用を達
成することができる。請求項3のSQUID磁束計であ
れば、前記伝熱支持部材の一部として、熱伝導体からな
る線材を編成してなる筒状の布状体と、この布状体の内
面側に位置する内部形状保持部材と、この布状体の外面
側に位置する外部形状保持部材とで構成されたものを採
用し、しかも、外部形状保持部材として、内部形状保持
部材よりも熱伝導率が高い材質からなるものを採用して
いるので、外部形状保持部材の外面に設けられるピック
アップコイルと筒状の布状体との距離を大きくし、筒状
の布状体が発生する熱雑音がピックアップコイルを介し
てSQUID磁束計に与える影響を抑制することができ
る。
【0016】請求項4のSQUID磁束計であれば、内
部形状保持部材としてガラス繊維強化プラスチックから
なるものを採用し、外部形状保持部材としてアルミナセ
ラミックスからなるものを採用しているので、ピックア
ップコイルを装着するための溝の製作精度を高めること
ができる。請求項5のSQUID磁束計であれば、前記
伝熱支持部材の一部として、熱伝導体からなる線材を編
成してなる筒状の布状体と、この布状体の内面側に位置
する内部形状保持部材と、この布状体の外面側に位置す
るとともに、前記布状体の端部よりも突出するように延
設されてなる外部形状保持部材とで構成されたものを採
用し、しかも、外部形状保持部材として、内部形状保持
部材よりも熱伝導率が高い材質からなるものを採用して
いるので、外部形状保持部材の外面に設けられるピック
アップコイルと筒状の布状体との距離を一層大きくし、
筒状の布状体が発生する熱雑音がピックアップコイルを
介してSQUID磁束計に与える影響を一層抑制するこ
とができる。
【0017】請求項6のSQUID磁束計であれば、内
部形状保持部材としてガラス繊維強化プラスチックから
なるものを採用し、外部形状保持部材としてチッ化アル
ミナセラミックスからなるものを採用しているので、ピ
ックアップコイルを装着するための溝の製作精度を高め
ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、実施例を示す添付図面によ
ってこの発明の実施の態様を詳細に説明する。図1はこ
の発明のSQUID磁束計の一実施態様を示す概略図で
ある。このSQUID磁束計は、熱伝導をほぼ0にすべ
く内部を真空にしたケーシング1の内部に輻射熱の影響
を排除するための輻射シールド2を有しており、この輻
射シールド2の内部に従来公知の極低温冷凍機の最終段
の冷却ステージ3を有している。そして、この冷却ステ
ージ3の所定位置に伝熱可能に複数個のSQUID4を
設けてあるとともに、各SQUID4に対応させて伝熱
支持部材5を設けてある。そして、各伝熱支持部材5の
先端部にピックアップコイル6を設けてある。ただし、
図1においては、簡単化のために、1個のSQUID4
と1個の伝熱支持部材5のみを示してある。
【0019】この伝熱支持部材5は輻射シールド2の所
定位置を貫通して冷却ステージ3から離れる方向(図1
中において上方)に伸びており、ケーシング1の所定位
置も伝熱支持部材5に対応して局部的に冷却ステージ3
から離れる方向に伸びている。ただし、ケーシング3の
局部的な延長部は測定対象部位の曲面に沿うように長
さ、向きがそれぞれ設定されている。
【0020】図2は伝熱支持部材5の一実施態様を示す
正面図、図3は側面図である。図2、図3において、最
終段の冷却ステージ3の所定位置にねじ込みなどにより
一体的に連結されるベース部材3aが示されているが、
これは冷却ステージ3の一部として機能するものであ
り、特許請求の範囲にいう極低温部の一部を構成する。
また、図4、図5にも示すように、ベース部材3aの所
定位置に内部空間3cを有する超伝導シールド3bが設
けられており、この空間3cに収容されるSQUID4
に外部雑音磁束が作用することを防止する。SQUID
4などに対する配線は、ベース部材3a、超伝導シール
ド3bに形成された穴3dを通して引き出される。な
お、図5には、2つの超伝導シールド3bが設けられて
いるが、図2、図3に対応させる場合には一方の超伝導
シールド3bを取外せばよい。この伝熱支持部材5は、
ベース部材3aの先端部に対してねじ止め、かしめ止め
などにより一体的に連結される布状体5aと、この布状
体5aの先端部に一体的に連結された筒状体5bとを有
しており、この筒状体5bの所定位置にピックアップコ
イル6が設けられている。また、図6に示すように、1
つのベース部材3aに対して2つの布状体5aを一体的
に連結し、ベース部材3aを最終段の冷却ステージ3に
連結することにより、2つのSQUID4および2つの
ピックアップコイル6を極低温状態にまで冷却すること
ができる。
【0021】なお、布状体5aは、例えば、銅などの非
磁性金属や炭素繊維からなり、樹脂等の非導電体により
被膜された線材を縦横に編成して布状にしてなるもので
ある。ここで、各線材は、布状体5aの長手方向に伸び
るものと、長手方向と直角な方向に伸びるものとを用い
ている。したがって、図2、図3において示されている
斜線は線材の方向を示すものではない。また、筒状体5
bは、例えば、銅などの非磁性金属や炭素繊維からな
り、樹脂等の非導電体により被膜された線材を縦横に編
成して布状にしてなるものを強化用の繊維として採用し
て得た繊維強化プラスチックからなる筒状体である。そ
して、この布状体5aと筒状体5bとを製造するに当っ
ては、布状体5aと筒状体5bとの全長の和に相当する
長さの布状体を予め作成しておいて、筒状体5bとして
形成されるべき部分のみに合成樹脂を筒状に一体化する
方法を採用することができる。ただし、上記長さの布状
体の全範囲に対して合成樹脂を筒状に一体化した後、布
状体5aとなるべき部分のみについて合成樹脂を除去す
るようにしてもよい。もちろん、ガラス繊維などで強化
された繊維強化樹脂からなる筒状体の外周面を覆うよう
に布状体を設けるようにしてもよく、この場合には、ク
ールダウン後にクールダウン前と比べて被測定物とピッ
クアップッコイル6との距離が増加する程度を抑制する
ことができる。上記の構成のSQUID磁束計を用いて
マルチチャンネルのSQUID磁束計を製造した状態を
図7に示す。
【0022】図7においては、計測対象面が半球状であ
る場合を示している。このように測定対象面が半球状で
ある場合には、複数のピックアップコイル6のそれぞれ
の測定対象面からの距離が互いにほぼ等しく、かつ可能
な限り測定対象面に近接させることが必要になる。した
がって、各筒状体5bは測定対象面を基準として放射状
に配列されることになる。この場合において、従来のS
QUID磁束計のように、伝熱支持部材が全範囲にわた
って可撓性を有していなければ、伝熱支持部材の基部ど
うしの間隔が著しく大きくなり、必然的に最終段の冷却
ステージが大型化してしまうとともに、クライオスタッ
トも大型化してしまう。しかし、この実施態様において
は、伝熱支持部材5の筒状体5bが可撓性を有していな
いだけであり、布状体5aは可撓性を有しているのであ
るから、布状体5aを自由に変形させることができ、こ
の結果、伝熱支持部材5の基部(布状体5aの基部)ど
うしの間隔を小さくすることができる。したがって、最
終段の冷却ステージ3の大型化を大幅に抑制してクール
ダウン所要時間の長時間化を大幅に抑制することができ
るとともに、クライオスタットの大型化も大幅に抑制し
て冷却効率の低下を大幅に抑制することができる。
【0023】SQUID4およびピックアップコイル6
が極低温(例えば、4K)にまで冷却された場合には、
従来のSQUID磁束計と同様に高感度、高精度に磁束
計測を行うことができる。また、ケーシング1の延長部
の先端に対する筒状体5bの先端部の相対位置を一定に
保持すべく、例えば、図8に示すように、筒状体5bの
先端部を断熱的に真空容器に直接固定するコイル支持台
を設けておけば、極低温に冷却されることにより伝熱支
持部材5が収縮した場合であっても、ケーシング1の延
長部の先端に対する筒状体5bの先端部の相対位置を一
定に保持することができ、一層高感度、高精度の磁束計
測を行うことができる。
【0024】以上には、銅などの非磁性金属や炭素繊維
からなり、樹脂等の非導電体により被膜された線材を縦
横に編成してなる布状体5aについて説明したが、布状
体5aの長手方向と直角な方向に伸びる線材を省略し
て、長手方向に伸びる線材のみを並列に設けてもよく、
この場合には布状体5aの可撓性を高めることができ
る。
【0025】図12はこの発明のSQUID磁束計のさ
らに他の構成例の要部を示す拡大正面図、図13は中央
縦断面図、図14は平面図である。このSQUID磁束
計は、布状体5aの先端部を筒状に形成してあるととも
に、筒状部の内面側にガラス繊維強化プラスチックから
なる内部形状保持部材5b1を、外面側にアルミナセラ
ミックスなどのようにガラス繊維強化プラスチックより
も熱伝導率が高い材質からなる外部形状保持部材5b2
をそれぞれ設け、内部形状保持部材5b1と外部形状保
持部材5b2とで布状体5aの筒状部を挟持して一体化
してある。そして、外部形状保持部材5b2の外面所定
位置にピックアップコイル6を装着するための溝5b3
が形成されている。ここで、内部形状保持部材5b1と
外部形状保持部材5b2とが前記筒状体5bに相当す
る。
【0026】この構成を採用した場合には、外部形状保
持部材5b2の熱伝導率が内部形状保持部材5b1の熱
伝導率よりも高いのであるから、両形状保持部材5b
1,5b2としてガラス繊維強化プラスチックからなる
ものを採用した場合と比較して、同程度のピックアップ
コイル冷却効果を達成するための外部形状保持部材5b
2の厚さを大きくすることができる。この結果、ピック
アップコイルと布状体5aとの距離を大きくすることが
でき、布状体5aが発生する熱雑音がピックアップコイ
ルを介してSQUID磁束計に及ぼす影響を抑制するこ
とができる。
【0027】具体的には、外部形状保持部材5b2とし
てアルミナセラミックスからなるものを採用した場合に
は、布状体5aに含まれる線材として銅を採用した場合
における熱伝導率が約450W/(m・K)であり、ガ
ラス繊維強化プラスチックからなる内部形状保持部材5
b1の熱伝導率が0.7〜0.9W/(m・K)である
のに対して、外部形状保持部材5b2の熱伝導率が2
0.9W/(m・K)になる。ただし、これらの熱伝導
率は室温下におけるものである。
【0028】ここで、断面が一様な固体の熱流Qは、数
1で表される。ただし、Aは固体の断面積(m2)、T
1,T2は長さL(m)の固体の両端での温度(K)、
λは熱伝導率{W/(m・K)}である。
【0029】
【数1】 熱伝導率は温度に依存するので単純には計算できない
が、仮に上記の材料(ガラス繊維強化プラスチックとア
ルミナセラミックス)の熱伝導率が温度について同様な
変化をすると仮定し、同じ温度差が許容される部品につ
いて流れ込む熱量が同じだと仮定すると、各々の厚みの
許容範囲は各々の熱伝導率の比になる。つまり、ガラス
繊維強化プラスチックで0.1mmの厚みが許容された
部品では、これをアルミナセラミックスで作成した場合
には2.3mmの厚みが許容されることになる。したが
って、上述のように、ピックアップコイルと布状体5a
との距離を大きくすることができ、布状体5aが発生す
る熱雑音がピックアップコイルを介してSQUID磁束
計に及ぼす影響を抑制することができる。
【0030】また、外部形状保持部材5b2としてアル
ミナセラミックスからなるものを採用した場合には、ピ
ックアップコイルを装着するための溝の製作精度を向上
させることができる。図15はこの発明のSQUID磁
束計のさらに他の構成例の要部を示す拡大正面図、図1
6は中央縦断面図、図17は平面図である。
【0031】このSQUID磁束計は、布状体5aの先
端部を筒状に形成してあるとともに、筒状部の先端部の
内面側にガラス繊維強化プラスチックからなる内部形状
保持部材5b1´を、外面側にチッ化アルミナセラミッ
クス(チッ化アルミ・チッ化ボロ複合セラミックスな
ど)のようにガラス繊維強化プラスチックよりも熱伝導
率が著しく高い材質からなる外部形状保持部材5b2´
をそれぞれ設け、内部形状保持部材5b1´と外部形状
保持部材5b2´とで布状体5aの筒状部を挟持して一
体化してある。そして、外部形状保持部材5b2´のみ
を前記筒状部の先端部から延設(外部形状保持部材5b
2´を筒状部の中心軸と平行な方向に延設)していると
ともに、外部形状保持部材5b2´の外面所定位置にピ
ックアップコイル6を装着するための溝5b3が形成さ
れている。ここで、内部形状保持部材5b1´と外部形
状保持部材5b2´とが前記筒状体5bに相当する。
【0032】この構成を採用した場合には、外部形状保
持部材5b2´の熱伝導率が内部形状保持部材5b17
の熱伝導率よりも著しく高いのであるから、両形状保持
部材5b1´,5b2´としてガラス繊維強化プラスチ
ックからなるものを採用した場合と比較して、外部形状
保持部材5b2´の全長範囲にわたって布状体5aを設
けることなく、布状体5aを一部に設けるだけで同程度
のピックアップコイル冷却効果を達成することができ
る。この結果、ピックアップコイルと布状体5aとの距
離を著しく大きくすることができ、布状体5aが発生す
る熱雑音がピックアップコイルを介してSQUID磁束
計に及ぼす影響を著しく抑制することができる。
【0033】ここで、チッ化アルミ・チッ化ボロ複合セ
ラミックスを採用した場合には、これの熱伝導率が9
2.1W/(m・K)である。したがって、前述の場合
と同様にガラス繊維強化プラスチックで0.1mmの厚
みが許容された部品では、これをチッ化アルミ・チッ化
ボロ複合セラミックスで作成した場合には10.2mm
の厚みが許容されることになる。なお、この構成例で
は、この10.2mmの厚みに相当する長さだけ外部形
状保持部材5b2´を延設することができる。したがっ
て、ピックアップコイルと布状体5aとの距離を著しく
大きくすることができ、布状体5aが発生する熱雑音が
ピックアップコイルを介してSQUID磁束計に及ぼす
影響を著しく抑制することができる。
【0034】また、外部形状保持部材5b2´としてチ
ッ化アルミナセラミックスからなるものを採用した場合
には、ピックアップコイルを装着するための溝の製作精
度を向上させることができる。
【0035】
【発明の効果】請求項1の発明は、伝熱支持部材の残部
が可撓性を有するので、曲面である測定対象面に対して
互いにほぼ等距離になるようにピックアップコイルを配
置する場合であっても、伝熱支持部材の基部を平面上に
配置することができ、この結果、多チャンネル化したこ
とに伴なう極低温部の大型化以上に極低温部が大型化す
ることを防止して、クールダウン所要時間が必要以上に
長時間化することを防止することができ、また、クライ
オスタットが必要以上に大型化することを防止して、冷
却効率が必要以上に低下することを防止することができ
るという特有の効果を奏する。
【0036】請求項2の発明は、伝熱支持部材の残部の
可撓性を一層高めることができるほか、請求項1と同様
の効果を奏する。請求項3の発明は、請求項1の効果に
加え、外部形状保持部材の外面に設けられるピックアッ
プコイルと筒状の布状体との距離を大きくし、筒状の布
状体が発生する熱雑音がピックアップコイルを介してS
QUID磁束計に与える影響を抑制することができると
いう特有の効果を奏する。
【0037】請求項4の発明は、請求項3の効果に加
え、ピックアップコイルを装着するための溝の製作精度
を高めることができるという特有の効果を奏する。請求
項5の発明は、請求項1の効果に加え、外部形状保持部
材の外面に設けられるピックアップコイルと筒状の布状
体との距離を一層大きくし、筒状の布状体が発生する熱
雑音がピックアップコイルを介してSQUID磁束計に
与える影響を一層抑制することができるという特有の効
果を奏する。
【0038】請求項6の発明は、請求項5の効果に加
え、ピックアップコイルを装着するための溝の製作精度
を高めることができるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のSQUID磁束計の一実施態様を示
す概略図である。
【図2】伝熱支持部材の一実施態様を示す正面図であ
る。
【図3】同上側面図である。
【図4】ベース部材の構成を示す正面図である。
【図5】ベース部材の側面の右半部を断面図で、左半部
を外観図で示す図である。
【図6】1つのベース部材に2つの伝熱支持部材を連結
した状態を示す側面図である。
【図7】図1の構成のSQUID磁束計を用いてマルチ
チャンネルのSQUID磁束計を製造した状態を示す概
略図である。
【図8】この発明のSQUID磁束計の他の構成例を示
す概略図である。
【図9】従来のSQUID磁束計の構成を示す概略図で
ある。
【図10】従来の伝熱支持部材の構成を概略的に示す斜
視図である。
【図11】従来のSQUID磁束計をマルチチャンネル
構成にした状態を示す概略図である。
【図12】この発明のSQUID磁束計のさらに他の構
成例の要部を示す拡大正面図である。
【図13】同上中央縦断面図である。
【図14】同上平面図である。
【図15】この発明のSQUID磁束計のさらに他の構
成例の要部を示す拡大正面図である。
【図16】同上中央縦断面図である。
【図17】同上平面図である。
【符号の説明】
3 最終段の冷却ステージ 3a ベース部材 4 SQUID 5 伝熱支持部材 5a 布状体 5b 筒状体 5b1,5b1´ 内部形状保持部材 5b2,5b2´ 外部形状保持部材 6 ピックアップコイル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SQUID(4)およびピックアップコ
    イル(6)を極低温冷凍機により極低温状態まで冷却
    し、ピックアップコイル(6)により検出した外部磁束
    をSQUID(4)に導くようにしてなるSQUID磁
    束計において、極低温冷凍機の極低温部(3)(3a)
    の所定位置にSQUID(4)を伝熱可能に配置してあ
    るとともに、極低温部(3)(3a)の所定位置に対し
    て伝熱支持部材(5)を介して伝熱可能にピックアップ
    コイル(6)を支持してあり、伝熱支持部材(5)の一
    部が形状保持部材(5b)と熱伝導体からなる線材を編
    成してなる布状体(5a)とで構成され、伝熱支持部材
    (5)の残部が熱伝導体からなる線材を編成してなる布
    状体(5a)で構成されてなることを特徴とするSQU
    ID磁束計。
  2. 【請求項2】 熱伝導体からなる線材を編成してなる布
    状体(5a)に代えて、熱伝導体からなる線材を互いに
    並列状に配置してなるものを採用する請求項1に記載の
    SQUID磁束計。
  3. 【請求項3】 前記伝熱支持部材の一部は、熱伝導体か
    らなる線材を編成してなる筒状の布状体(5a)と、こ
    の布状体(5a)の内面側に位置する内部形状保持部材
    (5b1)と、この布状体(5a)の外面側に位置する
    外部形状保持部材(5b2)とで構成され、しかも、外
    部形状保持部材(5b2)は、内部形状保持部材(5b
    1)よりも熱伝導率が高い材質からなるものである請求
    項1に記載のSQUID磁束計。
  4. 【請求項4】 内部形状保持部材(5b1)はガラス繊
    維強化プラスチックからなるものであり、外部形状保持
    部材(5b2)はアルミナセラミックスからなるもので
    ある請求項3に記載のSQUID磁束計。
  5. 【請求項5】 前記伝熱支持部材の一部は、熱伝導体か
    らなる線材を編成してなる筒状の布状体(5a)と、こ
    の布状体(5a)の内面側に位置する内部形状保持部材
    (5b1´)と、この布状体(5a)の外面側に位置す
    るとともに、前記布状体(5a)の端部よりも突出する
    ように延設されてなる外部形状保持部材(5b2´)と
    で構成され、しかも、外部形状保持部材(5b2´)
    は、内部形状保持部材(5b1´)よりも熱伝導率が高
    い材質からなるものである請求項1に記載のSQUID
    磁束計。
  6. 【請求項6】 内部形状保持部材(5b1)はガラス繊
    維強化プラスチックからなるものであり、外部形状保持
    部材(5b2)はチッ化アルミナセラミックスからなる
    ものである請求項5に記載のSQUID磁束計。
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