JPH0962442A - 入出力一体型表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力位置座標検出用のデジタイザーと入力位
置軌跡表示用の液晶パネルを対面固定していなる入出力
一体型ディスプレイ装置において、液晶パネルの駆動電
圧による電界によりデジタイザーの位置検出信号が影響
を受けて、誤入力、誤出力、あるいは、入力押圧感度の
低下などの問題を無くす。 【解決手段】 デジタイザー（１）の裏面、基板（１
１）の反対面上に透明導電膜（１６）を形成し、これを
接地する。ＬＣＤパネル（９）からの電界は透明導電膜
（１６）により遮蔽されるため、デジタイザー（１）の
座標情報電圧に影響を及ぼすことが無く、正確な入力位
置検出がなされる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、入力ペンの接触位
置を検出するデジタイザーと、所望の表示データを表示
せしめる平面ディスプレイ装置の対面構造で、ペン入力
の軌跡を同時表示することを可能とした入出力一体型液
晶表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、情報機器の多様化の一つとして、
手書き入力方式がある。即ち、ペンなどを用いて直接に
入力パネル上に文字、図形などを書き込むことにより、
コンピュータ入力を可能としたものであり、キーボード
などの操作機器が不要となるため、小型化、あるいは、
電子手帳などの携帯用などに適している。特に、入力ペ
ンの接触座標を検出するデジタイザーを表示パネルと組
み合わせ、ペン入力の軌跡を同時表示することにより、
あたかも紙面上に文字を書く如くに構成された入出力一
体型ディスプレイ装置が開発されている。このような表
示パネルとしては、ＥＬ、ＬＥＤ、ＬＣＤなどフラット
ディスプレイパネルが適している。中でも、光学部材と
して液晶を用い、対向電極間に信号電圧を印加して透過
光を変調させるＬＣＤ（liquid crystal display）は、
小型、薄型のディスプレイ装置であり、このようなデジ
タイザーとの組み合わせ構成に最適である。

【０００３】図２は、ＬＣＤとデジタイザーを用いた入
出力表示装置のブロック図である。デジタイザー（１）
は位置検出制御回路（２）より所定の測定用電圧が印加
されており、入力ペンによりデジタイザー（１）へ書き
込まれた入力位置情報は、位置検出制御回路（２）によ
り制御されたＸ座標検出回路（３）及びＹ座標検出回路
（４）により２次元的に取り込まれる。これら座標検出
回路（３，４）により検出された座標情報は、処理回路
（５）によりＡ／Ｄ変換されて演算処理され、表示制御
回路（６）へ送出される。表示制御回路（６）は、コモ
ン電極ドライバー（７）及びセグメント電極ドライバー
（８）を駆動し、これにより入力軌跡がＬＣＤパネル
（９）より再出力され可視化される。

【０００４】図３は、このようなデジタイザー（１）と
ＬＣＤパネル（９）の一体化構造の断面図である。デジ
タイザー（１）は、少なくとも（３１）が可塑性の一対
の薄型透光基板（３１，３２）上に各々支持された透明
な導電性抵抗膜（３３，３４）が、絶縁性の粒状スペー
サ（３５）により確保された細隙をもって対面され固定
されている。導電性抵抗膜（３３，３４）は、位置検出
制御回路（２）により所定の電圧が印加されており、入
力ペン（３６）により押圧されて接触された位置は、分
圧のアナログ信号として座標検出回路（３，４）により
検出される。このような位置検出法を抵抗膜感圧方式と
いう。

【０００５】一方、ＬＣＤパネル（９）は、液晶（２
５）を挟んで貼り合わされた１対の透光性基板（２１，
２２）上に支持された透明電極の群が、各々、コモン電
極（２３）及びセグメント電極（２４）として直交位置
関係にあり、両電極（２３，２４）の各対向部分で、液
晶を誘電層とした画素容量が形成されている。ＬＣＤパ
ネル（９）の背後には面光源化されたバックライト（不
図示）が配置されており、各画素容量にデジタイザー
（１）より検出された位置情報に対応した電圧が印加さ
れて軌跡を構成する透過率分布に制御されたＬＣＤパネ
ル（９）を可視化して入力位置軌跡の同時表示を行う。

【０００６】以上、デジタイザー（１）として感圧式を
用いた例を挙げたが、この他に、静電誘導方式、即ち、
透明基板間で透明電極線を交差配置した構造で、この透
明電極線と容量結合される電子ペンにより、透明電極群
のピーク電圧位置を検出することでペン接触位置のＸ，
Ｙ座標を決定する方式、あるいは、電磁誘導方式、即
ち、Ｘ及びＹ方向を有する磁性体板を、Ｘ方向及びＹ方
向の検出線群で挟み込み、棒磁石などからなる入力ペン
で位置を指定することにより、Ｙ方向及びＸ方向に電磁
誘導を起こさせ、検出線群に生じた誘導電圧のピーク位
置を検出することで入力座標を決定する方式、等があ
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このようにデジタイザ
ー（１）の検出方式は、いずれも電圧を利用したもので
ある。このため、ＬＣＤパネル（９）の駆動電圧による
電界の影響を受けやすく、ノイズが発生しやすくなって
いる。即ち、感圧式にあっては、アナログ分圧信号が変
化し、静電誘導方式にあっては電子ペンとの結合容量値
の変化を招き、電磁誘導方式にあっては、誘導電圧に変
化が生じるなどの問題があり、誤入力や誤表示、押圧あ
るいは接触入力時の感度の低下などをもたらしていた。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明はこの課題を解決
するために成され、入力面上の接触位置を検出する平面
入力装置と、前記接触位置または／および接触位置軌跡
を表示する平面表示装置が対面固定された入出力一体型
表示装置において、前記平面入力装置と前記平面表示装
置の間には透明導電膜からなる遮蔽膜が配置され、この
遮蔽膜が接地されている構成である。

【０００９】これにより、平面表示装置の駆動電圧によ
る電界効果が接地電位の遮蔽膜により遮断されるため、
平面入力装置へ影響を及ぼすことが防がれ、誤入力や誤
表示、あるいは、位置入力時の接触感度の低下などの問
題が無くされる。また、本発明は、前記透明導電膜は、
前記平面入力装置の裏面に形成されている構成である。

【００１０】これにより、遮蔽膜は、平面入力装置と一
体で取り外し可能な構成とできるため、表示のみに用い
る場合、遮蔽膜が不要で、透過率が上昇し、明るい表示
画面が得られる。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１は本発明の実施形態を示す入
出力一体型ディスプレイ装置の断面図である。デジタイ
ザー（１）は、少なくとも（１２）が可塑性の一対の薄
型透光性基板（１１，１２）の対面側に、導電性抵抗膜
（１３，１４）が形成され、スペーサ（１５）により確
保された細隙を介して対面固定されている。基板（１
１）の反対面側、即ち、デジタイザー（１）の裏面に
は、透明導電膜からなる遮蔽（１６）が形成され、接地
されている。遮蔽膜（１６）は、例えば、スパッタリン
グあるいは蒸着などにより形成されるインジウムとスズ
の酸化物合金、即ち、ＩＴＯであり、デジタイザー
（１）とＬＣＤパネル（９）を支持するフレームに形成
されたＧＮＤラインに接続させる等の方法で、接地して
いる。

【００１２】一方、ＬＣＤパネル（９）部は、液晶（２
５）を挟んで対面固定された１対の透光性基板（１１，
１２）上に支持された透明電極の群が、各々、コモン電
極（１３）及びセグメント電極（１４）として直交位置
関係に配置され、両電極（１３，１４）の各対向部分
が、液晶を駆動する画素容量に形成されている。これら
各々の画素容量にはデジタイザー（１）により検出され
た入力位置情報に対応した電圧が印加され、液晶の透過
特性を変化して入力位置軌跡に相当する透過率分布に制
御され、バックライトからの照明により可視化され、入
力軌跡の同時表示を行う。

【００１３】本発明は、接地電位にされた遮蔽膜（１
６）が、デジタイザー（１）とＬＣＤパネル（９）との
間に介在された構成である。これにより、ＬＣＤパネル
（９）の駆動電圧による電界は、遮蔽膜（１６）により
遮蔽されるため、ＬＣＤパネル（９）の電界により、デ
ジタイザー（１）の検出位置の信号電圧が乱されて、位
置情報の誤入力、位置再表示の誤出力などの問題が防が
れる。即ち、所定の検出用電圧が導電性抵抗膜（１３，
１４）に印加された状態で、入力ペン（１７）などによ
り入力面即ち可塑性基板（１２）を押圧すると、両抵抗
膜（１３）（１４）が押圧点で接触し、その地点の各々
Ｘ方向及びＹ方向の分圧としてアナログ信号電圧により
検出される。この座標情報信号は、Ａ／Ｄ変換されて所
定の処理が成され、表示データ信号として、液晶パネル
（９）側のセグメント電極及びコモン電極を構成する透
明電極（２３，２４）に印加され、マトリクス的に対応
する領域の液晶の透過率を変化して、入力位置の同時再
表示、及び、入力位置軌跡の表示を行うが、この際、透
明電極（２３，２４）に印加された電圧による電界効果
は、ＧＮＤ電位に固定された透明導電膜（１６）により
遮断される。このため、デジタイザー（１）側の座標情
報を表す導電性抵抗膜（１３，１４）のアナログ分圧値
が変化することが無くなり、正確な位置情報が取り込ま
れる。

【００１４】また、このような遮蔽膜（１６）は、ＬＣ
Ｄパネル（１）側、即ち、基板（２２）の上面に形成す
ることによっても、ＬＣＤパネル（１）の電界が遮蔽さ
れ、デジタイザー（１）の位置検出電圧の変化を防ぐこ
とができるが、本発明では図１に示すように遮蔽膜（１
６）をデジタイザー（１）側に形成することで、デジタ
イザー（１）を、不図示のフレーム内にＬＣＤパネル
（９）やバックライト（不図示）が収納されたユニット
に着脱自在とした構成において、表示のみに用いる際、
遮蔽膜（１６）による透過率の減少が無くされ、明るい
画面が得られる。

【００１５】また、本発明はここで述べた実施例に限定
されることはなく、デジタイザー（１）として、図１に
示した感圧式のみならず、静電誘導方式、即ち、透明基
板間で透明電極線を交差配置した構造で、この透明電極
線と容量結合される電子ペンにより、透明電極のピーク
電圧位置を検出することで入力位置のＸ，Ｙ座標を決定
する方式、あるいは、電磁誘導方式、即ち、Ｘ及びＹ方
向を有する磁性体板を、Ｘ方向及びＹ方向の検出線群で
挟み込み、棒磁石などからなる入力ペンで位置を入力す
ることにより、Ｙ方向及びＸ方向に電磁誘導を起こさ
せ、検出線群に生じた誘導電圧のピーク位置を検出する
ことで入力座標を決定する方式、等も、入力位置座標を
電圧信号として取り込む方式であるため、本発明で、Ｌ
ＣＤパネル側からの電界を遮蔽することにより、正確で
感度の高い座標入力装置が得られる。

【００１６】

【発明の効果】本発明で、押圧位置検出用の導電性抵抗
膜を細隙を介して対面固定し、押圧位置の分圧により
Ｘ，Ｙ座標情報を検出する感圧式平面入力装置、透明電
極群を交差配置し、電子ペンの接触入力位置を各透明電
極との容量結合位置のＸ，Ｙ座標により検出する静電誘
導式平面入力装置、あるいは、磁性体群がＸ，Ｙ方向に
配置され、磁気発生入力ペンにより電磁誘導を起こさ
せ、これにより検出線群に発生した誘導電圧のＹ，Ｘ座
標を検出する電磁誘導式平面入力装置を、電極基板間に
液晶を封入してなる液晶パネルと対面設置した入出力一
体型表示装置において、液晶パネルと平面入力装置との
間に接地電位にされた遮蔽膜を配置することにより、液
晶パネルからの電界が遮蔽されるため、各平面入力装置
の入力座標位置を示す電圧が液晶パネルからの影響で変
化して誤入力、誤出力、押圧感度あるいは接触感度の低
下などの問題を招くことが防がれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態にかかる入出力一体型表示装
置の断面図である。

【図２】入出力一体型表示装置のブロック図である。

【図３】従来の入出力一体型表示装置の断面図である。

【符号の説明】

１ デジタイザー ２ 位置検出制御回路 ３ Ｘ座標検出回路 ４ Ｙ座標検出回路 ５ 処理回路 ６ 表示制御回路 ７ コモン電極ドライバー ８ セグメント電極ドライバー ９ ＬＣＤパネル １１，１２ 薄型透光性基板 １３，１４ 導電性抵抗膜 １５ スペーサ １６ 透明導電膜 １７ 入力ペン ２１，２２ 透光性基板 ２３，２４ 透明電極 ２５ 液晶

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山 正博 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入力面上の接触位置を検出する平面入力
   装置と、前記接触位置または／および接触位置軌跡を表
   示する平面表示装置が対面固定された入出力一体型表示
   装置において、 前記平面入力装置と前記平面表示装置の間には透明導電
   膜からなる遮蔽膜が配置されていることを特徴とする入
   出力一体型表示装置。
2. 【請求項２】 前記遮蔽膜は接地されていることを特徴
   とする請求項１記載の入出力一体型表示装置。
3. 【請求項３】 前記遮蔽膜は、前記平面入力装置の裏面
   に形成されていることを特徴とする請求項１記載の入出
   力一体型表示装置。