JPH0959916A - スクリード装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業者の労力を要することなく、舗装用建設
機械を簡易に分解・輸送することができる自力積載可能
なスクリード装置を提供する。 【構成】 分解時、各ヒンジプレート７，１０は装置外
側に張り出され、各シリンダ９，１２間の間隔はトラッ
ク１７の車体幅より広く設定される。引き続いて、各シ
リンダ９，１２が伸ばされ、スクリード装置はこれらシ
リンダ９，１２によって支持される。各シリンダ９，１
２はさらに伸ばされ、スクリード装置の底部がトラック
１７の荷台よりも高く位置される。この状態でトラック
１７が各シリンダ９，１２間を通ってスクリード装置の
下部まで移動し、各シリンダ９，１２が縮められること
によってスクリード装置はトラック１７に自力積載され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、アスファルトフィニッ
シャ等の舗装用建設機械に用いられる、舗装面を平滑に
仕上げるスクリード装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】道路交通法の改正や同法の運用強化によ
り、車両運搬時の過積載は厳しく取り締まられており、
アスファルトフィニッシャを作業現場に輸送する際にも
この規制が適用される。アスファルトフィニッシャ全体
の重量は、セルフローダトラックといった運搬車両の最
大積載量を超過する。このため、従来、アスファルトフ
ィニッシャは輸送時に本体とスクリード装置とに分割さ
れている。分割された本体はセルフローダトラックで、
スクリード装置はトラックで作業現場へ輸送される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のスクリード装置は、本体と着脱式の構造にはなって
いないため、アスファルトフィニッシャを輸送時に分解
する際、スクリードをけん引するレベリングアーム等を
クレーン等によって持ち上げる必要があった。また、ス
クリード装置をトラックに積載する際にも、スクリード
装置をトラックの荷台上に持ち上げるため、クレーン等
を必要としていた。すなわち、従来、スクリード装置の
着脱および積載にはクレーン等の作業機械が別途必要と
され、作業者の労力も要された。従って、従来、アスフ
ァルトフィニッシャを簡易に分解・輸送することは出来
なかった。また、スクリード装置の着脱には作業機械の
操作スペースを確保する必要もあり、作業スペースが広
く必要とされるという問題もあった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決するためになされたもので、本体に連結けん引さ
れ、混合物を締固めて舗装面を平滑に仕上げるスクリー
ドを備えたスクリード装置において、スクリードの両側
部に各一端が枢着され、装置外側にそれぞれ張り出す少
なくとも一対のヒンジプレートと、これらヒンジプレー
トの各他端に取り付けられ、鉛直方向に伸縮して装置を
支持する、少なくとも一対のシリンダとを備えているこ
とを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】分解時、各ヒンジプレートは装置外側に張り出
され、各シリンダ間の間隔は運搬車両の車体幅より広く
設定される。引き続いて、各シリンダが伸ばされ、スク
リード装置はこれらシリンダによって支持される。各シ
リンダはさらに伸ばされ、スクリード装置の底部が運搬
車両の荷台よりも高く位置される。この状態で運搬車両
が各シリンダ間を通ってスクリード装置の下部まで移動
し、各シリンダが縮められることにより、スクリード装
置は運搬車両の荷台に載置される。

【０００６】

【実施例】次に、本発明の一実施例によるスクリード装
置について説明する。

【０００７】図２は本実施例のスクリード装置を備えた
アスファルトフィニッシャの概略構成を示す平面図であ
る。

【０００８】アスファルト加熱混合物はホッパ１に受け
られ、バーフィーダ２によってフィニッシャ後方に送ら
れる。送られた混合物はスクリュースプレッダ３で均一
に配分される。なお、アスファルトフィニッシャの走行
方向は図の上方であり、矢示の前方向に舗装面が施工さ
れていく。主スクリード４は、本体全長のほぼ中央にあ
る左右のピボットを支点とするレベリングアーム５ａ，
ｂによって本体に連結けん引され、スクリュースプレッ
ダ３で均一に配分された混合物を締固めて舗装面を平滑
に仕上げる。本実施例では、アスファルトフィニッシャ
の舗設幅を自在に変える伸縮スクリード６が設けられて
いる。この伸縮スクリード６は、右リヤスクリード６ａ
および左リヤスクリード６ｂからなり、これら各スクリ
ード６ａ，ｂは図の左右方向に移動させられ、舗設幅が
適宜可変設定される。

【０００９】左右一対のレベリングアーム５ａ，ｂに
は、それぞれヒンジプレート７ａ，ｂの各一端がヒンジ
ピン８ａ，ｂによって回動自在に支持されている。すな
わち、一対の各ヒンジプレート７ａ，ｂはその一端が主
スクリード４の両側部に枢着しており、各ヒンジプレー
ト７ａ，ｂはそれぞれヒンジピン８ａ，ｂを中心にスク
リード装置の外側に回動して張り出す。これらヒンジプ
レート７ａ，ｂの各他端には一対の油圧シリンダ９ａ，
ｂが設けられており、これら油圧シリンダ９ａ，ｂは鉛
直方向に伸縮する。また、各リヤスクリード６ａ，ｂの
両側部にも、ヒンジプレート１０ａ，ｂの各一端がヒン
ジピン１１ａ，ｂによって枢着している。これら各ヒン
ジプレート１０ａ，ｂの各他端にも、鉛直方向に伸縮す
る一対の油圧シリンダ１２ａ，ｂが設けられている。

【００１０】図３は、上記スクリード装置における右リ
ヤスクリード６ａ付近の部分を拡大して示す平面図であ
る。ヒンジプレート７ａ，１０ａは、収納時は同図に実
線で示す位置にあり、係止具１３ａ，１４ａによってそ
れぞれ主スクリード４の右側部および右リヤスクリード
６ａの後部に係止されている。なお、主スクリード４の
左側部および左リヤスクリード６ｂの後部にも、図示し
ない同様な係止具１３ｂ，１４ｂが係止具１３ａ，１４
ａと対称に設けられており、収納時には各ヒンジプレー
ト７ｂ，１０ｂも同様に係止されている。主スクリード
４側部のヒンジプレート７ａは、使用時には二点鎖線で
示す位置に張り出し、これと共に油圧シリンダ９ａも二
点鎖線に示す箇所に位置される。また、右リヤスクリー
ド６ａ後部のヒンジプレート１０ａは、使用時には二点
鎖線で示す右リヤスクリード６ａの右側部に回動し、こ
れと共に油圧シリンダ１２ａも二点鎖線で示す箇所に位
置される。図示しないヒンジプレート７ｂおよび１０ｂ
も、使用時には同様に張り出し、および回動する。従っ
て、使用時には、図示しない油圧シリンダ９ｂ，１２ｂ
は機械中心を挟んで油圧シリンダ９ａ，１２ａに対称に
配置される。

【００１１】ヒンジプレート１０ａ，ｂおよび油圧シリ
ンダ１２ａ，ｂが収納時、つまり舗装時にリヤスクリー
ド６ａ，ｂの後部に位置されているのは、これらヒンジ
プレート１０ａ，ｂおよび油圧シリンダ１２ａ，ｂが、
舗装面に撒き出された混合物を抱き抱えるサイドプレー
トの妨げにならないようにするためである。また、伸縮
スクリード６が最大に伸びた時に、伸縮スクリード６側
部の舗装幅を確保するためでもある。なお、二点鎖線で
示す伸縮スクリード６は、縮むとスクリードカバー１５
の下部に収められる。また、このスクリードカバー１５
の後部にはステップ１６が設けられている。

【００１２】このような構造において、アスファルトフ
ィニッシャの分解輸送時には、図１に示すように、伸縮
スクリード６ａ，ｂがトラック１７の車体幅より広く伸
ばされ、各ヒンジプレート７ａ，ｂおよび１０ａ，ｂは
上述のように装置外側に張り出される。すなわち、各シ
リンダ９ａ，ｂおよび１２ａ，ｂ間の間隔はトラック１
７の車体幅より広く設定される。なお、トラック１７の
運転席は図の下部にあり、下方がトラック１７の前方に
なっている。引き続いて、各シリンダ９ａ，ｂおよび１
２ａ，ｂが伸ばされ、スクリード装置はこれらシリンダ
によって支持される。この状態でレベリングアーム５
ａ，ｂは本体との連結が解かれ、フィニッシャ本体とス
クリード装置とが分割される。次に、各シリンダ９ａ，
ｂおよび１２ａ，ｂがさらに伸ばされ、スクリード装置
の底部がトラック１７の荷台に設けられた枕木１８より
も高く位置される。この状態でトラック１７の中心とス
クリード装置の中心とが合うようにトラック１７が移動
させられ、引き続いて、各シリンダ９ａ，ｂおよび１２
ａ，ｂ間を通ってスクリード装置の下部までトラック１
７は移動させられる。その後、各シリンダ９ａ，ｂおよ
び１２ａ，ｂが縮められることにより、持ち上げられた
スクリード装置は降ろされ、トラック１７の荷台に載置
される。

【００１３】スクリード装置がトラック１７に積載され
ても、この状態では装置がトラック１７の車体幅からは
み出ている。このため、各シリンダ９ａ，ｂおよび１２
ａ，ｂは鉛直方向にさらに縮められ、引き続いて、各ヒ
ンジプレート７ａ，ｂおよび１０ａ，ｂは元に戻され、
係止具１３ａ，ｂおよび１４ａ，ｂにそれぞれ係止され
る。最後に、伸縮スクリード６が水平方向に縮められ
る。この状態で、スクリード装置はトラック１７が走行
可能な状態に積載されたことになる。

【００１４】このような本実施例によれば、アスファル
トフィニッシャの分解・輸送時に、スクリード装置は各
シリンダ９ａ，ｂおよび１２ａ，ｂによって持ち上げら
れるため、レベリングアーム５をクレーン等によって持
ち上げることなく、スクリード装置をフィニッシャ本体
から取り外すことができる。しかも、スクリード装置
は、上述のようにクレーン等を使用することなく、トラ
ック１７の荷台に自力積載される。すなわち、従来、ス
クリード装置の着脱および積載に別途必要とされたクレ
ーン等の作業機械は不要となり、作業者の労力は軽減さ
れる。従って、本実施例によるスクリード装置によれ
ば、アスファルトフィニッシャを簡易に分解・輸送する
ことが可能になる。また、スクリード装置の着脱に作業
機械の操作スペースを確保する必要もなくなり、作業ス
ペースが節約される。

【００１５】なお、上記実施例では、油圧シリンダ９，
１２を機体の左右に２本づつ設け、合計４本の油圧シリ
ンダを使用した場合について説明したが、機体の左右に
１本づつ、合計２本の油圧シリンダを設け、この一対の
油圧シリンダでスクリード装置の重心を支持するように
しても良い。この場合においても上記実施例と同様な効
果が奏される。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、舗
装用建設機械の分解・輸送時に、スクリード装置は、ク
レーン等の作業機械を使用することなく本体から取り外
せ、また、運搬車両に自力積載される。従って、作業者
の労力を要することなく、舗装用建設機械を簡易に分解
・輸送することが可能になり、道路交通法の改正および
同法の運用強化に速やかに対応できるスクリード装置が
提供される。また、作業スペースを要することなく、ス
クリード装置の着脱および積載をすることも可能にな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例によるスクリード装置のトラ
ックへの自力積載を示す平面図である。

【図２】本実施例によるスクリード装置を備えたアスフ
ァルトフィニッシャの概略構成を示す平面図である。

【図３】図２に示すスクリード装置の右リヤスクリード
付近の部分を拡大した平面図である。

【符号の説明】

１…ホッパ ２…バーフィーダ ３…スクリュースプレッダ ４…主スクリード ５ａ，ｂ…レベリングアーム ６ａ…右リヤスクリード ６ｂ…左リヤスクリード ７ａ，ｂ、１０ａ，ｂ…ヒンジプレート ８ａ，ｂ、１１ａ，ｂ…ヒンジピン ９ａ，ｂ、１２ａ，ｂ…油圧シリンダ １３ａ、１４ａ…係止具

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体に連結けん引され混合物を締固めて
   舗装面を平滑に仕上げるスクリードを備えたスクリード
   装置において、 前記スクリードの両側部に各一端が枢着され装置外側に
   それぞれ張り出す少なくとも一対のヒンジプレートと、
   これらヒンジプレートの各他端に取り付けられ鉛直方向
   に伸縮して装置を支持する少なくとも一対のシリンダと
   を備えていることを特徴とするスクリード装置。