JPH095933A - 画像形成要素 - Google Patents

画像形成要素

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JPH095933A
JPH095933A JP15426696A JP15426696A JPH095933A JP H095933 A JPH095933 A JP H095933A JP 15426696 A JP15426696 A JP 15426696A JP 15426696 A JP15426696 A JP 15426696A JP H095933 A JPH095933 A JP H095933A
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JP
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coating
polymer
layer
particles
core
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JP15426696A
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English (en)
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Yongcai Wang
ワン ヤンカイ
Charles C Anderson
チェスター アンダーソン チャールズ
James L Bello
リー ベロー ジェームズ
Mario D Delaura
デニス デローラ マリオ
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Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤含有塗膜の、物理的、化学的、そして製
造上の要件を同時に全て満足させたコーティング組成物
を含んだ画像形成要素を提供する。 【解決手段】 支持体、画像形成層、及び補助層を含ん
で成り、前記補助層が、液体有機媒体中のポリマー粒子
の分散体から塗布されている、画像形成プロセスに用い
る画像形成要素であって、前記ポリマー粒子が、前記有
機媒体に不溶性のコア部分並びに前記コア部分及び前記
有機媒体の両方に親和性を有するシェル部分を含んで成
ることを特徴とする画像形成要素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に、画像形
成要素、例えば、写真フィルム及び写真ペーパーに関
し、特に、支持体、画像形成層、導電性層、及び一層以
上の補助層を含んで成る画像形成要素に関する。具体的
には、本発明は、優れた化学特性、物理特性及び製造特
性を示す改良された補助層を有するような画像形成要素
に関する。
【0002】
【従来の技術】画像形成要素の支持体材料は、例えば、
アクリル樹脂、スチレン樹脂、及びセルロースエステル
等の、ガラス状、疎水性ポリマーを含んで成ることが多
い。典型的な用途の一つは、耐摩耗性、耐スクラッチ、
耐ブロッキング及び耐フェロタイピングを提供するバッ
キング層としてである。塗膜用途の場合、前記ガラス状
ポリマーを非常に低固体で溶剤に通常溶解して、高塗布
スピードでの良好なコータビリティための低いコーティ
ング液粘性を確実にする。用いられる塗布技法には、1
〜3層押出しダイ(通常、X−ホッパーという)、エア
ナイフ、ローラコーティング装置、マイアーロッド、ナ
イフオーバーロール等が含まれる。
【0003】例えば、50,000より大きい適度な高
分子量の溶解性ポリマーを含むコーティング液の場合、
溶液粘度はポリマー濃度の優良な関数である。例えば、
Elvacite 2041 (メチルメタクリレートポリマー、E.
I.DuPont de Nemours and Co., 製)は、写真技術の分
野では写真材料のスクラッチ保護層を形成すると説明さ
れ ている。このポリマーを、通常、塩化メチレンのよ
うな有機溶剤に溶解して透明な溶液を作成する。例え
ば、4〜5重量%を超える濃度で、Elvacite 2041溶液
粘度は、室温で少なくとも20センチポイズである。そ
のような粘度値は、写真支持体材料に通常用いられるコ
ーティング用途、例えば、1〜数センチポイズの範囲の
コーティング溶液粘度を必要とするロールコーター及び
スキムパンエアナイフコーティング技法には高すぎる。
従って、写真製造業者は、高い塗布スピードで、低い溶
液粘度及び良好なコータビリティのために、3重量%よ
り下に固体を維持しなければならない。
【0004】低固体のポリマー溶液は、低ドライ塗膜被
覆量(<500mg/m2 )が画像形成システムの化学
特性及び機械特性に適合することができる用途において
有用である。より進歩した画像形成用途では、良好な化
学特性及び機械特性のためにより多いドライ塗布被覆量
を必要とする。より多くのドライ塗布被覆量を得るため
に、単位面積当たりにより多くの塗布溶液(ウェット被
覆量)を、低粘度/低固体ポリマー溶液を用いて塗布し
なければならない。なぜなら、高塗布スピードのところ
で、高粘度/高固体ポリマー溶液を、低ウェット被覆量
で塗布することはできないからである(いくつかのコー
ティング方法は、高ウェット被覆量で高粘度ポリマー溶
液を塗布することを可能にするが、それでも以下のよう
な欠点を有する)。
【0005】一般的に、ウェット被覆量が多くなる程、
溶剤回収がより多くなり、乾燥コストがより高くなる。
さらに、別の化学特性及び機械特性のための、製造上の
制約並びに画像形成要素の要件の両方のために、一定条
件下及び一定用途ではウェット被覆量を増加させること
はできない。例えば、それらの高ウェット被覆量の結果
として、高塗膜ウェット被覆量及びフィルム支持体に保
持される高レベルの溶剤が、画像形成要素の寸法安定性
及びセンシトメトリー特性に大きな影響を与える。低分
子量樹脂を用いて溶液粘度を下げることは可能である
が、その結果得られる乾燥塗膜は充分な物理特性及び機
械特性を有することができない。
【0006】低粘性、分散ポリマー粒子含有コーティン
グ組成物を用いる別法が、塗料及び自動車塗装工業で説
明されている。写真用途でのそのような組成物の使用
は、説明されていない。例えば、米国特許第4,33
6,177号明細書には、0.1μmより大きな、非水
分散性複合ポリマー粒子から成る溶剤コーティング組成
物が記載されている。この粒子は、重合反応温度より低
い約10℃のガラス転移温度を有するコアもつ。これら
の粒子は、ブロックもしくはグラフト化コポリマーで安
定化されており、水性媒体から非水性媒体に直接移すこ
とができる。
【0007】米国特許第4,829,127号明細書に
は、複合樹脂粒子を含むコーティング組成物が記載され
ている。開始剤、溶剤、重合性モノマー、及び架橋され
る粒子を入れた反応容器中での溶液重合技法により、そ
のような粒子を調製する。米国特許第3,929,69
3号明細書には、溶液ポリマー及び溶液ポリマー粒子を
含むコーティング組成物が記載されており、このポリマ
ー粒子は、60℃より下で架橋ゴム状コア及び1,00
0〜150,000の分子量のグラフト化シェルを有す
る。伝えられるところによると、そのようなコーティン
グ組成物は、早期の分離及び凝集に対してより安定であ
る。
【0008】米国特許第3,880,796号明細書に
は、粒径1〜10μmの不溶性ミクロゲル粒子を含有す
る熱硬化性ポリマー粒子を含んで成るコーティング組成
物が記載されている。米国特許第4,147,688号
明細書には、粒径0.1〜10μmの架橋されたアクリ
ルポリマー微小粒子を製造する分散重合方法が記載され
ている。米国特許第4,025,474号明細書には、
ヒドロキシ官能性油変成もしくはオイルフリーポリエス
テル樹脂、アミノプラスト樹脂、及び分散重合方法によ
って製造される架橋されたポリマー微小粒子(粒径0.
1〜10μm)2〜50%を含んで成るコーティング組
成物が記載されている。
【0009】米国特許第4,115,472号明細書に
は、非ゲル化されたヒドロキシ含有ウレタン反応生成物
及び分散重合方法によって製造される不溶性架橋アクリ
ルポリマー微小粒子(粒径0.1〜10μm)を含んで
成るポリウレタンコーティング組成物が記載されてい
る。そのような塗膜が自動車工業に有用であると言われ
ている。
【0010】写真用途のコーティング組成物の設計と塗
料及び自動車塗装工業のコーティング組成物の設計とは
大きな相違が有る。両者が異なるコーティングレオロジ
ーを必要とするように、コーティング技法と塗膜運搬方
式が異なる。外部塗料及び内部塗料、並びに建築用コー
ティング用途の乾燥時間は、時間及び日のオーダーであ
り、自動車工業では10分から30分のオーダーであ
る。しかし、写真用支持体製造プロセスでは、塗膜の乾
燥時間は、一般的に秒のオーダーである。溶剤を含んだ
塗膜の乾燥時間は、高速コーティング用途の場合10〜
30秒くらいの短さであることが多い。これらの違い
が、写真材料用のコーティング組成物に追加の厳格性を
課する。例えば、コーティング粘度は、他の塗料工業に
おけるような百〜数千センチポイズのオーダーの代わり
に、10センチポイズより小さく、多くの場合5センチ
ポイズより小さいオーダーとなることを必要とする。
【0011】写真材料用の一般的な乾燥塗膜厚は、2μ
mより薄く、多くの場合1μmより薄いオーダーであ
る。そのフィルム構成及びフィルム品質は特に重要であ
る。ポリマーゲルスラグ、ゲル化粒子、ほこり、及び汚
れによって起きる欠陥の許容量は非常に小さい。このこ
とは運搬プロセスにおいて特別な警戒を必要とする。コ
ーティング溶液は、例えば、高速ろ過及び高剪断に対し
て非常に安定であることを要する。
【0012】水分散性ポリマー粒子を含んで成る水性コ
ーティング組成物は、いくつかの写真用途において有用
であると報告されている。例えば、それらは、写真乳剤
層の接着促進層としてはたらくように、「下地層」もし
くは下引き層としてフィルム支持体上に用いられてお
り、また、米国特許第5,006,451号明細書に記
載されているようにフィルム処理後の帯電防止特性の低
下を防止するために、例えば、五酸化バナジウム帯電防
止下引き層を覆う障壁層として用いられている。
【0013】これらの塗膜組成物は、環境的な考慮から
魅力的であるが、その極端に高い蒸発熱と対になった水
の遅い蒸発速度により、溶剤を含むシステムでは通常は
遭遇しないか、もしくは容易に克服できる乾燥問題を生
じる。従って、通常の有機溶剤乾燥能力を備えた製造プ
ロセスの場合、水を含むコーティング組成物を用いると
非常に満足の行かない結果を生じることが多い。さら
に、有機溶剤系塗膜を用いて得られる乾燥フィルムと同
様の化学特性及び物理特性を与える水系塗膜の開発のた
めには、まだ難題が存在する。
【0014】米国特許第4,497,917号明細書に
は、フェロタイピング耐性層としての写真材料用のコア
/シェルポリマー粒子を含んで成る水性コーティング組
成物が記載されており、このポリマーは、Tgが70℃
を超えるコア及びTgが25〜60℃であるシェルを有
すると記載されている。米国特許第4,977,071
号及び米国登録第H1016号明細書には、下引き層と
しての写真材料用のコア/シェルポリマー粒子を含んで
成る水性コーティング組成物が記載されており、このポ
リマーは、塩化ビニリデンコポリマーコア/シェルラテ
ックスとして記載されている。
【0015】米国特許第5,366,855号明細書
(1994年11月22日発行)には、フィルム形成コロイド状
ポリマー粒子及び非フィルム形成コロイド上ポリマー粒
子を含む、画像形成要素用の合体層が記載されている。
この層は水性媒体から塗布され、高ガラス転移温度及び
低ガラス転移温度の両方のポリマー粒子を含有する。米
国特許第4,683,269号、同4,613,633
号、同4,567,099号、同4,478,974
号、及び同4,134,872号明細書には、コア/シ
ェルポリマー粒子を含む別の水性コーティング組成物が
記載されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】低粘性及び高率の固体
を有する有用な有機溶剤系コーティング組成物を得るた
めに、種々の方法が試みられてきたことが分かる。しか
し、上述した従来技術文献は、より進歩した画像形成要
素用途用の溶剤含有塗膜の、物理的、化学的、そして製
造上の要件を同時に全て満足させることに関しては不十
分である。本発明は、従来技術の問題及び制約を避けな
がら、これらの要件に全て適合するコーティング組成物
を提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に従うと、画像形
成プロセスに用いる画像形成要素は、支持体、画像形成
層、及び少なくとも一層が、有機媒体に不溶性のコア部
分並びに前記コア部分及び前記有機媒体の両方に親和性
を有するシェル部分を含んで成るポリマー粒子の分散体
から塗布される一層以上の補助層を含んで成る。
【0018】本発明の画像形成要素の補助層に用いられ
るポリマー粒子を、ポリマー粒子を分散できるいずれの
液体有機媒体に関して本明細書で用いられるような、
「溶剤」の用語を用いて、「溶剤分散性ポリマー粒子」
と記載することができる。そのような溶剤分散性ポリマ
ー粒子を含有するコーティング組成物は、特異なコーテ
ィングレオロジーを示し、画像形成要素の補助層の要件
に合致するように特に良く適合する優れた物理特性及び
機械特性を有する高品位フィルムを形成する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の画像形成要素は、それら
が目的とする特定の用途に従って多くの種類と成ること
ができる。そのような要素には、例えば、写真、電子写
真、静電写真、フォトサーモグラフィ、マイグレーショ
ン(migration )、エレクトロサーモグラフィ、誘電記
録及び感熱色素転写等の各画像形成要素が含まれる。写
真要素は、種々のポリマーフィルム、ペーパー、ガラス
等からなるが、当該技術分野で周知のアセテート支持体
及びポリエステル支持体の両者が好ましい。支持体の厚
さは決まっていない。2〜10ミル(0.06〜0.3
0mm)の支持体厚を用いることができる。これらの支
持体は、一般的に、例えば、ポリエステル支持体の場合
は塩化ビニリデン/メチルアクリレート/イタコン酸三
元ポリマーもしくは塩化ビニリデン/アクリロニトリル
/アクリル酸三元ポリマーから成る当該技術分野で周知
のアンダーコートもしくは下引き層を用いる。
【0020】米国特許第5,340,676号明細書及
びそこに記載されている文献には、多種多様の画像形成
要素の組成及び作用の詳細が記載されている。本発明は
前記5,340,676号明細書に記載される画像形成
要素のいずれもと組み合わせて有効に用いることができ
る。画像形成要素の補助層を形成するために用いられる
コーティング組成物は、分散された有機ポリマー粒子を
有する連続溶媒を含んで成る。このポリマー粒子は、そ
の媒体に不溶性(但し、膨潤性と成ることができる)の
コア部分並びにそのコア部分及び連続溶媒の双方に親和
性を有するポリマーシェル部分を含んで成る。最初の親
和性は、物理的にもしくは共有結合形成によりコア部分
と組み合わさるシェル分子の能力に関連するが、二番目
の親和性は連続溶剤相に対するシェルの相溶性に関す
る。シェル部分に対するコア部分重量比は、約90:1
0〜30:70であり、より好ましくは80:20〜4
0:60であり、最も好ましくは75:25〜50:5
0である。好ましくは、コア部分は、例えば、電子顕微
鏡を用いてその乾燥状態で測定すると、約10〜約50
0nm、より好ましくは約10〜約200nmの平均粒
径を有する。
【0021】本明細書に記載するコーティング組成物
は、種々の用途に有用である。例えば、下引き層、バッ
キング層、中間層、オーバーコート層、受容層、障壁
層、剥離層、媒染層、掃去剤層、キンク防止層、透明磁
気層等に用いることができる。そのような層に用いる場
合、乾燥が容易となり、溶剤回収が少なくなるかなり少
ない溶剤量での層調製のような環境的な配慮に加えて、
その特異なレオロジー特性及び、良好なコータビリティ
のために、特に有利である。結果として得られる層は、
層透明度並びにスクラッチ、摩耗、ブロッキング、及び
フェロタイピングに対する耐性を与えるのに必要な靱性
に関して、ポリマー溶液から塗布されるものと同等であ
る。
【0022】本発明に用いられるコーティング組成物
は、上記分散性ポリマー粒子の混合物を含有することが
できる。例えば、或る用途では、ガラス状コアを有する
粒子の一つのタイプ及びゴム状コアを有する粒子のもう
一つのタイプから成る混合物を用いることが好ましい。
例えば、良好な光学的透明性を有する、丈夫(硬い)で
強靱な塗膜を得るためには、そのような混合物が望まし
い。本発明のコーティング組成物は、最大50重量%、
好ましくは最大30重量%の溶液ポリマーを含むことも
できる。この溶液ポリマーは所望する溶媒に溶解性であ
ると規定される。
【0023】本発明の好ましい態様一つでは、ポリマー
粒子は、架橋剤約1〜20部を用いて架橋されたコア部
分、そして共有結合によってこのコア部分にグラフト化
されたシェル部分からなる。そのような粒子は、例え
ば、乳化重合法を用いるコア/シェル粒子として作成す
ることができる。有用な技法の一つは、いわゆる、連続
乳化重合法(例えば、Padget, J. C. のJournal of Coa
ting Technology, 66 巻, No. 839, 89 ページ〜105, 1
994 を参照されたい)である。この方法ではコア部分を
二/三官能性で且つグラフト化コモノマーを用いて作成
し、シェル部分を、コア粒子のモノマー増大を制限する
ようにモノマー不足手法で重合を行うことにより作成す
る。コアにグラフト化コモノマーを用いると、シェルと
架橋コアポリマーとの間に完全な共有結合を確実に形成
する。得られるコア/シェル粒子は通常の技法で分離で
き、適当な溶媒に再分散することができる。
【0024】本発明の分散性粒子を連続重合法で作成す
る場合、所望する粒子形態が低い総界面自由エネルギー
を示すようにこの系を設計することが好ましい。しか
し、例えば、高度にカルボキシル化されたコア部分と、
ほとんどカルボキシル化されて無くかつあまり親水性で
ないシェル部分から成る分散性粒子によって例示される
ように、常にそのように設計することはできない。コア
部分がシェル部分よりも著しく親水性となるので、所望
する形態を有する粒子形成プロセスの全体工程は、熱力
学的には好ましくない。そのような場合、Vanderhoff,
Park, 及び El-Aasser (ACS Symposium Series, 492, 2
72, 1992) 、並びに Lee及び Rudin (J. Polym. Sci. P
olym. Chem. Ed. 30, 2211, 1992) による技法を用いる
ことができる。例えば、このシェル部分を、低い温度で
の第二段重合によって調製することができ、流動度を実
質的に小さくすることができ、そして熱力学的に好まし
くない構造を得る。
【0025】また、本発明の分散性粒子を、シェル部分
を最初に調製し、次にシェル材料の存在下でコアモノマ
ーを重合することによる逆コア/シェル重合法;前もっ
て作成したシェルポリマーを前もって作成したコア部分
に結合すること;コア表面上でのシェルモノマーのグラ
フト重合、並びにコアポリマー及び溶媒の双方に親和性
を有するシェルポリマーの存在下でのコアポリマーの分
散によって調製することもできる。
【0026】本発明のポリマー粒子のコア部分に用いる
ことができるエチレン系不飽和モノマーには、アクリル
モノマー(例えば、アクリル酸、もしくはメタクリル
酸)及びそれらのアルキルエステル類(例えば、メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタク
リレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、
ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、ラ
ウリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート、ノニルアクリルレート、ベンジルメタクリレー
ト)、同じ酸のヒドロキシアルキルエステル類(例え
ば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、及び2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート)、並びに同じ酸のニトリル類及びアミ
ド類(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリルアミド及びメタクリルアミド)が含まれ
る。
【0027】単独もしくはこれらのアクリルモノマーの
混合として用いることができる他のモノマーには、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニリデン、塩化ビ
ニル、及び芳香族ビニル化合物(例えば、スチレン、t
−ブチルスチレン及びビニルトルエン)が含まれる。前
述のモノマーと組み合わせて用いることができる他のコ
モノマーには、マレイン酸ジアルキル、イタコン酸ジア
ルキル、メチレンマロン酸ジアルキル、イソプレン、及
びブタジエンが含まれる。
【0028】ポリマー粒子のコア部分を有効に架橋し、
シェル部分をこのコア部分にグラフト化するために用い
ることができる好ましい架橋及びグラフト化コモノマー
は、不飽和一価アルコールと不飽和モノカルボン酸との
エステル類(例えば、アリルメタクリレート、アリルア
クリレート、ブテニルアクリレート、ウンデセニルアク
リレート、ウンデセニルメタクリレート、ビニルアクリ
レート、及びビニルメタクリレート)、ジエン類(例え
ば、ブタジエン及びイソプレン)、飽和グリコールもし
くはジオールと不飽和モノカルボン酸とのエステル類
(例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレ
ングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタク
リレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレー
ト)、並びに多官能性芳香族化合物(例えば、ジビニル
ベンゼン)を含む、重合反応に対して多官能性であるモ
ノマーである。
【0029】本発明の分散性粒子のコア部分を、一定量
のプレポリマー、又は官能化されたオリゴマー、もしく
はマクロモノマー、(例えば、オルガノヒドロシロキサ
ン及び多官能性不飽和モノマーの反応によって調製され
る官能化されたオルガノシロキサン、フッ素含有プレポ
リマー、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタ
ン、ポリアクリロウレタン等を含むことができる)の存
在下で作成することができる。
【0030】本発明の分散性粒子のコア部分は、室温で
ゴム状もしくはガラス状となることができる。即ち、コ
ア部分のガラス転移温度は、室温より高くても低くても
よい。このコア部分は、一つの相もしくは二相以上の不
相溶性相を有することができる。この不相溶性は当該技
術分野でよく知られた種々の方法で決定することができ
る。例えば、そのような技法は、相と相の間の違いを強
調する着色技法を用いる走査電子顕微鏡を用いることで
ある。
【0031】本発明の分散性粒子のシェル部分は、粒子
のコア部分と溶媒の両方に親和性を有するいずれのポリ
マーも含むことができる。そのようなポリマーの役割
は、粒子を離して維持して、粒子間の引力を非常に小さ
くし、保存時及び剪断下で分散体の安定性を維持するこ
とである。(例えば、Sato T. のJournal of Coating T
echnology, 65 巻, No. 825, 113-121ページ, 1993を参
照されたい)。用いることができるポリマーの種類に
は、ホモポリマー及びコポリマーの両方が含まれる。こ
のコポリマーは、ランダム、グラフトもしくはブロック
コポリマーとなることができる。
【0032】シェルポリマーを物理的にコア部分に結合
するか、もしくは後重合反応により化学的にコア部分に
結合することができる。例えば、カルボン酸基を重合に
よりコア部分に導入することができ、エポキシ基含有モ
ノマーをシェル部分に導入することができる。シェルポ
リマーを、エポキシ基とカルボン酸基との開環反応によ
りコア部分に結合する。このシェル部分を、前述のエチ
レン系不飽和モノマーとの連続乳化重合法によって導入
することもできる。そのようなモノマーは、アクリル酸
を含むアクリレート、メタクリル酸を含むメタクリレー
ト、アクリルアミド及びメタクリルアミド、イタコン酸
並びにその半エステル及びジエステル、置換スチレンを
含むスチレン、アクリロニトリル及びメタクリロニトリ
ル、酢酸ビニル、ビニルハライド及びビニリデンハライ
ドを含むことができる。本発明のシェルポリマーを、溶
媒中で良好な相溶性を有するように適切に設計する。溶
媒中でのシェル分子の相溶性の決定は、「ポリマー溶解
度マップ」(例えば、Ramsbtham, J. のProgress in Or
ganic Coatings, 8 巻, 113-141 ページ, 1980、並びに
Wicks, Jr. Z. W. 、Jones, F. N 、及び Papas, S.
P. の Organic Coatings, 229-239ページ, 1992, John
Wiley & Sons, Incを参照されたい)の考えを用いて達
成することができる。例えば、有機溶剤、コーティング
組成物に通常用いられるいずれの溶剤も充分に用いるこ
とができる。しかし、本発明の粒子に好ましい溶剤に
は、アルコール類、エステル類、ケトン類、芳香族炭化
水素類、塩素化溶剤、グリコール類、及びそれらの混合
物が含まれる。
【0033】本発明の粒子のシェル部分は、分子間架橋
もしくは架橋剤との反応により共有結合を形成すること
ができる反応性多官能基を含むことができる。適合する
反応性多官能基には、ヒドロキシル、カルボキシル、カ
ルボジイミド、エポキシド、アジリジン、ビニルスルホ
ン、スルフィン酸、活性メチレン、アミノ、アミド、ア
リル、等が含まれる。
【0034】本発明に従う保護オーバーコート組成物
は、本発明のコーティング組成物に効果的に用いること
ができる、アルデヒド類、エポキシ化合物、多官能性ア
ジリジン類、ビニルスルホン類、メトキシアルキルメラ
ミン類、トリアジン類、ポリイソシアネート類、ジオキ
サン誘導体(例えば、ジヒドロキシジオキサン)、カル
ボジイミド類等を含む適合する架橋剤も含有することも
できる。これらの架橋剤は、分散性ポリマー粒子に存在
する官能性基、及び/もしくはコーティング組成物に存
在する溶液ポリマーと反応できる。
【0035】当該技術分野で周知の艶消し粒子も本発明
の保護オーバーコート組成物に用いることができる。そ
のような艶消し剤は、リサーチディスクロージャー、N
o. 308 (1989年12月発行)、1008-1009 ページに記載
されている。ポリマー艶消し粒子を用いる場合は、この
ポリマーは、塗布された層に艶消し粒子が接着するのを
改善するために、分子間架橋もしくは架橋剤との反応に
よるバインダーポリマーとの共有結合を形成することが
できる反応性多官能性基を含有することができる。適合
する反応性多官能性基には、ヒドロキシル、カルボキシ
ル、カルボジイミド、エポキシド、アジリジン、ビニル
スルホン、スルフィン酸、活性メチレン、アミノ、アミ
ド、アリル、等が含まれる。
【0036】本発明のコーティング組成物は、本発明に
従う画像形成要素のすべり摩擦を小さくするために滑剤
もしくは滑剤組合せを含有することもできる。典型的な
滑剤には、(1)例えば、米国特許第3,489,56
7号、同3,080,317号、同3,042,522
号、同4,004,927号及び同4,047,958
号、並びに英国特許第955,061号及び同1,14
3,118号明細書に記載されるシリコーン系材料、
(2)米国特許第2,454,043号、同2,73
2,305号、同2,976,148号、同3,20
6,311号、同3,933,516号、同2,58
8,765号、同3,121,060号、同3,50
2,473号、同3,042,222号、及び同4,4
27,964号、並びに英国特許第1,263,722
号、同1,198,387号、同1,430,997
号、同1,466,304号、同1,320,757
号、同1,320,565号、及び同1,320,75
6号、並びにドイツ国特許第1,284,295号及び
同1,284,294号明細書に記載される、高級脂肪
酸及び誘導体、高級アルコール及び誘導体、高級脂肪酸
の金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高
級脂肪酸の多価アルコール等、(3)液状パラフィン、
並びにカルナウバワックス、天然及び合成ワックス、石
油蝋、ミネラルワックス等のパラフィン状もしくはワッ
クス状物質、(4)ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
トリフルオロクロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、
ポリトリフルオロクロロエチレン−コ−塩化ビニリデ
ン、ポリ(メト)アクリレート、ポリイタコネート、も
しくはパーフルオロアルキル側基を有するポリ(メト)
アクリルアミド等を含む、パーフルオロもしくはフルオ
ロ又はフルオロクロロ含有物質が含まれる。リサーチデ
ィスクロージャー、No. 308 (1989年12月発行)、1006
ページに、本発明に有用な滑剤が詳細に記載されてい
る。
【0037】本発明の組成物を、当該技術分野で周知の
コーティング方法により、総固体最大20%を含有する
溶剤コーティング配合物として塗布することができる。
例えば、ホッパーコーティング、グラビアコーティン
グ、スキムパン/エアナイフコーティング、スプレーコ
ーティング、等の方法を用いて充分な成果を得ることが
できる。塗膜を最大150℃の温度で乾燥して20mg
/m2 〜10mg/m2の乾燥重量を得る。
【0038】特に好ましい態様では、本発明の画像形成
要素は、写真フィルム、写真ペーパーもしくは写真用ガ
ラス板であり、画像形成層は、放射線感受性ハロゲン化
銀乳剤層である。そのような乳剤層は、典型的に、フィ
ルム形成親水性コロイドを含んで成っている。最も一般
的に用いられるものはゼラチンであり、本発明における
使用ではゼラチンが特に好ましい材料である。有用なゼ
ラチンには、アルカリ処理ゼラチン(家畜の骨もしくは
皮ゼラチン)、酸処理ゼラチン(豚皮ゼラチン)及びア
セチル化ゼラチン、フタル化ゼラチン等のゼラチン誘導
体が含まれる。単独もしくはゼラチンと組み合わせて用
いることができるその他の親水性コロイドには、デキス
トラン、アラビアゴム、ゼイン、カゼイン、ペクチン、
コラーゲン誘導体、コロジオン、寒天、クズウコン、ア
ルブミン、等が含まれる。さらに、他の有用な親水性コ
ロイドは、水溶性ポリビニル化合物(例えば、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリ
ドン等)である。
【0039】本発明の写真要素は、感光性ハロゲン化銀
乳剤の層を担持する支持体を含んで成る簡単な黒白もし
くは単色要素となることができ、また多層及び/もしく
は多色要素となることができる。本発明のカラー写真要
素は、典型的に、スペクトルの三原色の領域に感度を有
する色素画像形成単位を含む。各単位は、スペクトルの
所定の領域に感度を有する、単一のハロゲン化銀乳剤層
もしくは複式乳剤層を含んで成ることができる。この要
素の各層(画像形成単位の層を含む)を、当該技術分野
で周知の種々の順序に配列することができる。
【0040】本発明に従う好ましい写真要素は、それと
組合わさるイエロー画像色素提供材料を有する少なくと
も一層の青感性ハロゲン化銀乳剤層、それと組合わさる
マゼンタ画像色素提供材料を有する少なくとも一層の緑
感性ハロゲン化銀乳剤層、及びそれと組合わさるシアン
画像色素提供材料を有する少なくとも一層の赤感性ハロ
ゲン化銀乳剤層を有する支持体を含んで成る。
【0041】乳剤層に加えて、本発明の写真要素は、オ
ーバーコート層、スペーサ層、フィルター層、中間層、
ハレーション防止層、pH低下層(酸性層及び中和化層
と称することが多い)、タイミング層、不透明反射層、
不透明光吸収層等の、写真要素に一般的な補助層を有す
ることができる。支持体は写真要素に用いられる適当な
いずれの支持体にもなることができる。典型的な支持体
には、ポリマーフィルム、ペーパ(ポリマーコートペー
パを含む)、ガラス等が含まれる。本発明の写真要素の
支持体及び他の層の詳細は、リサーチディスクロージャ
ー、アイテム36544 (1994年9 月)に記載されている。
【0042】本発明の写真要素に用いる感光性ハロゲン
化銀乳剤は、粗粒子、並粒子もしくは微小粒子のハロゲ
ン化銀結晶もしくはそれらの混合を含むことができ、塩
化銀、臭化銀、臭ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ化銀、塩
臭ヨウ化銀、及びそれらの混合物のようなハロゲン化銀
から成ることができる。これらの乳剤は、例えば、平板
状粒子感光性ハロゲン化銀乳剤となることができる。こ
れらの乳剤は、ネガ型乳剤もしくは直接陽画乳剤となる
ことができる。それらは、主としてハロゲン化銀粒子の
表面もしくはハロゲン化銀粒子の内部に潜像を形成する
ことができる。これらの乳剤を、通常行われるように、
化学増感及び分光増感することができる。典型的な乳剤
はゼラチン乳剤であるが、他の親水性コロイドも通常の
実施に従って用いることもできる。ハロゲン化銀乳剤に
関しては、リサーチディスクロージャー、アイテム3654
4 (1994年9 月)及びそこに挙げられた文献に詳細に記
載されている。
【0043】本発明に用いられる写真用ハロゲン化銀乳
剤は、写真技術の分野で一般的な添加剤を含有すること
ができる。有用な添加剤は、例えば、リサーチディスク
ロージャー、アイテム36544 (1994年9 月)に記載され
ている。有用な添加剤には、分光増感色素、減感剤、カ
ブリ防止剤、マスキングカプラー、DIRカプラー、D
IR化合物、汚染防止剤、画像色素安定化剤、フィルタ
ー色素及びUV吸収剤等の吸収性材料、光散乱材料、塗
布助剤、可塑剤及び滑剤等が含まれる。
【0044】写真要素に用いられる色素画像提供材料に
依存して、それをハロゲン化銀乳剤層に組み入れるかも
しくは乳剤層と組合わさる別の層に組み入れることがで
きる。色素画像提供材料は、例えば、色素生成カプラ
ー、漂白可能色素、色素現像薬及びレドックス色素放出
剤等の当該技術分野で公知のいずれのものであってもよ
く、用いられる具体的な材料は、写真要素の性質、及び
所望する画像の種類に依存する。
【0045】分離した溶液で処理するように設計された
通常のカラー材料と共に用いる色素画像提供材料は、好
ましくは、色素生成カプラー(即ち、酸化された現像主
薬と結合して色素を生成する化合物)である。シアン色
素画像を形成する好ましいカプラーはフェノール類及び
ナフトール類である。マゼンタ色素画像を形成する好ま
しいカプラーはピラゾロン類及びピラゾロトリアゾール
類である。イエロー色素画像を形成する好ましいカプラ
ーはベンゾイルアセトアニリド類及びピバリルアセトア
ニリド類である。
【0046】
【実施例】以下の例により本発明をさらに詳しく説明す
るが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
これらの例は、本発明の分散性ポリマー粒子を含むコー
ティング組成物の利点を説明するものであり、特に、本
発明のコーティング組成物が、相分離及び凝集に対する
優れた安定性、高い乾燥塗布重量におけるより少ない被
覆量での塗膜の優れたレオロジー特性、良好な光学的透
明度、良好な障壁特性、そして優れた耐摩耗性を有する
ことを示す。
【0047】調製例1〜6 調製例1〜6は、本発明に有用なコーティング組成物を
生成するために、有機媒体に分散性であるコア/シェル
ポリマー粒子の合成を記載する。脱イオン水714.3
g及びラウリル硫酸ナトリウム2.7gを入れて攪拌さ
れている反応器を80℃に加熱し、N2 で1時間パージ
した。過硫酸カリウム0.788gを添加後、脱イオン
水130.3g、メチルメタクリレート153g、エチ
レングリコールジメタクリレート18g、アリルメタク
リレート9g、及び過硫酸カリウム0.25gを含有す
る乳剤を、1時間かけてゆっくりと加えた。反応をさら
に2時間継続させた。そして、トルエン5g中の過酸化
ベンゾイル0.35gを反応器に添加した。脱イオン水
326.4g、ラウリル硫酸ナトリウム3.6g、エチ
ルアクリレート108g、メタクリル酸12g、及び過
酸化ベンゾイル0.15gを含有する乳剤を、1時間連
続的に加えた。反応を3時間以上継続させ、その後室温
まで冷却した。調製されたラテックスをガラスファイバ
ーでろ過して凝塊を除いた。
【0048】上記ラテックスを1:1の比でアセトンと
混合し、ポリマー粒子を分離した。沈殿物を蒸留水で数
回洗浄して残留している界面活性剤及び塩類を除去し
た。50℃に加熱したオーブン中で最終乾燥を行った。
調製された粒子は、コア部分約60%及びシェル部分約
40%を有した。このコア部分はメチルメタクリレート
(MMA)約85%、エチレングリコールジメタクリレ
ート(EGD)10%、及びアリルメタクリレート(A
M)5%を含んでいた。シェル部分は、エチルアクリレ
ート(EA)約90%及びメタクリル酸(MA)10%
を含んでいた。得られたポリマー粒子をp−1とする。
【0049】同様にしてポリマー粒子p−2〜p−6を
調製した。それらの組成及び他のパラメータを表Iに示
す。
【0050】
【表1】
【0051】調製例7〜25 調製例7〜25は、有機媒体に分散されたコア/シェル
ポリマー粒子を含んで成る分散体の調合のための溶剤選
定を説明する。調製例2及び4において分離されたポリ
マー粒子を、写真材料の有用な層を作成するのに用いる
いくつかの一般的な溶剤中の分散性についてテストし
た。分散体は室温で1%の固体で作られていた。分散体
の質及びその安定性を目で見た外観で評価した。本発明
の粒子は、非常に良好な安定性を伴って多くの溶剤に容
易に分散する。p−2及びp−4の粒子を分散するのに
用いることができる溶剤の例を表IIに示す。
【0052】
【表2】
【0053】調製例26〜34 調製例26〜34は、本発明に有用なポリマー粒子分散
体の粒径測定に関する。分散された粒子の平均粒径を、
Ultrafine Particle Sizerで測定した。表IIIに示す
ように、これらの粒子は10〜60nmの範囲の平均粒
径を有する。小さな粒径は、本発明のポリマー粒子がこ
れらの溶剤に容易に分散され、これらの分散体が、製造
プロセス及びコーティング物性の双方に有害な大きな凝
集及び凝塊を含まないことを説明する。一方、分散され
た粒径は、高固体で良好なコーティングレオロジー特性
を確実にするのに十分な大きさである。
【0054】
【表3】
【0055】調製例35〜48及び比較サンプルA 調製例35〜48は、本発明に有用なポリマー粒子分散
体の粘度測定に関し、比較サンプルAは、溶液ポリマー
の粘度測定に関する。粒子分散体の粘度を、23℃で B
rookfield Viscometerで測定し、塩化メチレン中でのEl
vacite 2041 (メチルメタクリレートポリマー、E. I.
DuPont de Nemours and Co. )のものと比較した。用い
た種々の溶剤中の粒子濃度は、10容量%であった。得
られたデータを表IVに示す。これらの例は、分散性粒
子を含むコーティング組成物が、溶液ポリマーを含むも
のに比べて非常に低い粘度を有することを証明してい
る。これらの低粘性コーティング組成物は、塗膜運搬
性、塗膜ろ過、塗膜塗布及び乾燥、並びに有機溶剤排出
物回収において優れている。
【0056】
【表4】
【0057】発明例49〜64及び比較サンプルB〜F 例49〜64は、本発明の範囲内の画像形成要素の抵抗
率を説明する。比較サンプルB〜Fは、溶液ポリマーを
用いる同じ画像形成要素に関する。次の例は、本発明の
コーティング組成物が、可溶性ポリマーを用いて塗布し
た層と比較して、ボイド(void)のない、不浸透性フィ
ルムを提供することを示す。塩化ビニリデン、メチルア
クリレート、及びイタコン酸の三元ポリマーラテックス
で下引きされているポリエチレンテレフタレートフィル
ム支持体を、銀ドープ五酸化バナジウム0.025重量
%、メチルアクリレート、塩化ビニリデン及びイタコン
酸から成る三元ポリマー(15/83/2)0.075
重量%を含んで成る水性帯電防止配合物で塗布し、10
0℃で乾燥させて乾燥重量約8mg/m2 を有する帯電
防止層を得た。
【0058】種々の有機溶剤に2、4、5、及び10%
固体を含有する本発明のコーティング組成物を前記帯電
防止層の上に塗布し、100℃で1分間乾燥させて乾燥
重量500mg/m2 〜1000mg/m2 を有する透
明塗膜を得た。五酸化バナジウム層の帯電防止特性は、
不浸透性障壁で保護されないと写真処理後に損なわれる
ことが知られている(米国特許第5,006,451号
及び同5,221,598号明細書に記載されてい
る)。従って、通常の写真現像液及び定着液中で処理し
た後のこの要素の帯電防止特性を測定して、実験例の塗
膜の浸透性を評価することができる。
【0059】これらの要素を、米国特許第4,269,
929号明細書に記載されるような高pH(11.3)
現像液及び定着液に、38℃で60秒間それぞれ浸漬さ
せ、蒸留水でリンスした。処理した要素の相対湿度20
%での内部抵抗率(R. A. Elder の、「Resistivity Me
asurements on Buried Conductive Layers」, EOS/ESD
Symposium Proceedings, 1990 年9 月, 251-254 ページ
に記載されている塩橋法を用いる)を測定し、処理前の
内部抵抗率と比較した。コーティング組成及び結果を表
Vに示す。
【0060】
【表5】
【0061】表Vに示した結果は、本発明の例49〜6
4のコーティング組成物が、ポリマー溶液塗布された保
護オーバーコート(Elvacite 2041 及び2009)であるサ
ンプルB〜Fから得られるものと比較して永続的な帯電
防止特性を有していることを実証する。例65〜68及び比較サンプルG〜H 次の例は、本発明のコーティング組成物を用いて得られ
る優れた物理特性を説明する。総固体1.25〜4.0
重量%を有する塩化メチレン中のコーティング配合物
を、塩化ビニリデン、メチルアクリレート、及びイタコ
ン酸の三元ポリマーラテックスで下引きされているポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に塗布した。この塗
膜を、100℃で1分間乾燥して、乾燥塗膜重量650
及び1300mg/m2 を有する透明フィルムを得た。
これらの塗膜のテーバー磨耗値を測定し、Elvacite 204
1 の場合の、それぞれ乾燥塗膜重量650及び1300
mg/m2 での塩化メチレン溶液から塗布されたものと
比較した。ASTM D1044に記載されている手順に従ってテ
ーバー磨耗テストを行った。結果を表VIに示す。
【0062】
【表6】
【0063】発明例69〜71 次の例は、帯電防止コーティング組成物における、導電
性金属酸化物及び導電性ポリマーのバインダーとして
の、この分散性ポリマー実用性を説明する。帯電防止コ
ーティング組成物を下引きされたポリエチレンテレフタ
レート支持体に塗布し、80℃で乾燥した。例69で用
いた導電性材料は、米国特許第5,368,995号明
細書に記載され、Nissan Chemical Industries Inc. か
ら供給されている導電性アンチモン酸金属(ZnSb2
6 )であった。例70及び71の導電性ポリマーは、
米国特許第4,070,189号明細書架橋されたビニ
ルベンジル四級アンモニウムポリマーであった。これら
の塗膜の表面抵抗率を、相対湿度50%のところでの二
点プローブを用いて測定した。結果を表VIIに示す。
【0064】
【表7】
【0065】上記の例から分かるように、本発明で用い
るコーティング組成物、即ち、連続相として液体有機媒
体及び分散相としてコア/シェル粒子を含んで成る組成
物は、画像形成要素の製造において典型的に用いられる
ような急速乾燥条件下で連続被膜を形成できる。画像形
成要素に通常組み込まれる広範囲の種々の補助層を、分
散性コア/シェル粒子を用いることにより性能特性を改
良することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェームズ リー ベロー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14617, ロチェスター,ミノキュア ドライブ 104 (72)発明者 マリオ デニス デローラ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14464, ハムリン,クローズ ホロウ ドライブ 87

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体、画像形成層、及び補助層を含ん
    で成り、前記補助層が、液体有機媒体中のポリマー粒子
    の分散体から塗布されている、画像形成プロセスに用い
    る画像形成要素であって、 前記ポリマー粒子が、前記有機媒体に不溶性のコア部分
    並びに前記コア部分及び前記有機媒体の両方に親和性を
    有するシェル部分を含んで成ることを特徴とする画像形
    成要素。
JP15426696A 1995-06-15 1996-06-14 画像形成要素 Pending JPH095933A (ja)

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US191795P 1995-06-15 1995-06-15
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US60/001917 1995-12-05
US567788 1995-12-05

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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