JPH095466A - 中性粒子入射装置 - Google Patents

中性粒子入射装置

Info

Publication number
JPH095466A
JPH095466A JP7156128A JP15612895A JPH095466A JP H095466 A JPH095466 A JP H095466A JP 7156128 A JP7156128 A JP 7156128A JP 15612895 A JP15612895 A JP 15612895A JP H095466 A JPH095466 A JP H095466A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
neutral particle
drift tube
plasma
shield
focus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7156128A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihisa Okuyama
利久 奥山
Junko Kato
純子 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP7156128A priority Critical patent/JPH095466A/ja
Publication of JPH095466A publication Critical patent/JPH095466A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ドリフト管に設置される遮蔽体への熱負荷を低
減させると共に、プラズマへのビームに入射効率を向上
させることにある。 【構成】イオン源7から引出されるイオンビーム11を中
性化セル6を通して中性粒子ビームに変換し、この中性
粒子ビームを内周部に遮蔽体12が設置されたドリフト管
4を通して核融合装置本体のプラズマ2に入射する中性
粒子入射装置において、ビーム入射効率に影響を与える
因子についてその影響を解析にて評価し、その結果に基
づいて中性粒子ビームの焦点13をプラズマ中心とドリフ
ト管4との間に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核融合装置の中性粒子
入射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】核融合装置において、熱核融合反応を達
成するためには高密度のプラズマを加熱してその温度を
上げる必要がある。このため、外部からプラズマ中にエ
ネルギを注入することによってプラズマを加熱するよう
にしている。
【0003】従来、プラズマの加熱方法の一つとして中
性粒子を加熱する中性粒子入射装置がある。図6は、か
かる従来の中性粒子入射装置と核融合装置本体の構成例
を示すものである。図6において、1はプラズマ2を閉
込める核融合装置本体の真空容器、3はこの真空容器1
に有するドリフト管4にゲート弁5を介して接続された
中性粒子入射装置本体の真空容器で、この真空容器3は
中性化セル6を介してイオン源7に連通させてある。
【0004】上記核融合装置本体の真空容器1に有する
ドリフト管4の内周部には遮蔽体12が設けられ、また
中性粒子入射装置の真空容器3内にはビームを偏向する
ための偏向電磁石8及びこの偏向電磁石8によりビーム
を熱負荷として取除くビームダンプ9が設けられてい
る。
【0005】また、イオン源からのイオンの出射口には
電極10が設けられている。このような構成の中性粒子
入射装置において、イオン源7で生成した水素あるいは
重水素のイオンビームを引出して入射エネルギまで加速
した後に、このイオンビームを中性化セル6を通して衝
突による荷電交換によって中性粒子ビームに変換する。
この中性粒子ビームは、図中においてはイオンビーム、
中性粒子ビームの区別はなく、ビーム11として示して
ある。
【0006】中性化セル6においては、すべてのイオン
ビームが中性化されるわけではなく、一部はイオンのま
ま残る。これらイオンは偏向電磁石8によってその軌道
が曲げられ、ビームダンプ9に入射させて熱負荷として
取除いている。但し、図中では偏向されたイオンビーム
は示していない。
【0007】中性粒子入射装置の真空容器3と核融合装
置本体の真空容器2との接続間に設けられたゲート弁5
により中性粒子入射装置と核融合装置本体とを仕切るよ
うになっている。また、中性粒子入射装置では図示して
いないクライオポンプによって、ビームラインに注入さ
れる水素あるいは重水素ガスやビームラインで発生する
ガスを排気してビームラインを高真空に保っている。
【0008】中性粒子加熱では高速粒子ビームをプラズ
マ中に打込み、衝突によってプラズマ温度を上げる。こ
のため、中性粒子加熱装置からプラズマ中にいかに高強
度の中性粒子ビームを入射させるかがポイントである。
【0009】一方、イオン源から引出されるビームは、
電極10に開けられた多数の引出孔から引出される。ビ
ームは広い引出面積から引出され、またイオンビーム自
体が発散角を持っているので、そのままではビームが広
がって行く。このため、焦点13を設定してそこに各引
出孔から引出されるビームのビーム軸14を結ぶように
する。図では最も外側の引出孔から引出されるビームに
ついてそのビーム軸14を示してある。
【0010】引出されるビームは発散角を持っているた
め、ビーム軸14に対して平行なビームとはならず、下
流に行くにつれ広がって行く。このため、ハッチングで
示したような焦点13でも広がりのあるビームになる。
【0011】本来、中性粒子ビームはプラズマ中心を焦
点としてプラズマ3中に入射させることが望ましい。図
6では焦点13をプラズマ中心に設定したものとして示
してある。プラズマ中心を焦点とすれば、プラズマ中心
で最もビームの密度が高くなる。
【0012】しかしながら、ドリフト管4は真空容器1
の周りに設置されるプラズマ閉込め用のコイル(図示し
ていない)との干渉や他のポート(図示していない)と
の関係から、自ずとその断面形状には制限がある。
【0013】また、核融合装置本体の真空容器1と中性
粒子入射装置とのコンダクタンスを抑える観点からも、
その断面の大きさは小さくする方が望ましい。このた
め、ビームがすべてドリフト管4を通過するとは限ら
ず、ビームの周辺がドリフト管4を通過する際にしゃ断
される。したがって、ビームの一部はドリフト管の入口
あるいは内面に当り、熱負荷となる。
【0014】また、この他にも中性粒子が残留水素ガス
と衝突して再電離されてイオンになったビームが核融合
装置本体の磁場で曲げられてドリフト管4の内面に熱負
荷として入射する。このため、入射ポート内面に冷却管
(図示していない)をつけた遮蔽体12を設置し、熱負
荷を除去するようにしている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このような中性粒子入
射装置において、前述したようにドリフト管4は核融合
装置本体の磁場に形成されるコイルと真空容器との位置
関係からある程度、その形状が制限される。特に真空容
器の周りに螺旋形状に複雑にコイルを配置したヘリカル
装置ではドリフト管の断面寸法は小さい。また、プラズ
マに対して中性粒子を接線入射させる場合は、プラズマ
中心に焦点を設定するとドリフト管4から遠く離れた位
置に焦点があることになり、焦点の位置が問題になって
くる。
【0016】図7は接線入射の場合を例にとって焦点位
置の問題点について説明する。図7は核融合装置本体と
中性粒子入射装置とを平面図で示したものである。この
ような核融合装置でプラズマ中心軸上の点15を中性粒
子ビームの焦点に設定すると、この焦点15とドリフト
管4が離れているために、中性粒子ビームは十分に絞ら
れない状態でドリフト管4を通過する。このため、ドリ
フト管4の口径がビーム分布径よりも大きくないと全て
のビームを通過させることができない。
【0017】しかしながら、ドリフト管4の断面の大き
さには上記のように限度があり、ビームはどリフト管4
で一部がしゃ断される。特に接線入射では、上記理由に
よりビーム損失が大きくなり易く、場合によってはプラ
ズマ加熱に必要なビームパワーを入射させられないだけ
でなく、ドリフト管4の遮蔽体12に対する熱負荷も大
きい。
【0018】ドリフト管4でのビーム損失を減らして且
つプラズマ2に対するビームパワーを確保するために
は、ビーム焦点をドリフト管4の中心16に設定する方
法がある。この場合、ビームがドリフト管中心で最小断
面となるため、ドリフト管部におけるビーム損失も少な
く、遮蔽体12への熱負荷も小さい。
【0019】しかし、ドリフト管4を通過した後でビー
ムは広がるため、プラズマ中心軸17上の点15におけ
るビーム密度が減少する。プラズマに対してはできるだ
け高密度のビームを入射させる観点からは、なるべくビ
ーム焦点はプラズマ中心に近付けた方が良い。一方、ド
リフト管4に対する熱負荷を低減するにはビームの焦点
をドリフト管4に近付ける必要がある。
【0020】本発明は、上記のような問題点を解消する
ためにドリフト管に内周部に設置される遮蔽体への熱負
荷を低減させると共に、プラズマへのビームに入射効率
を向上させ得るビーム焦点を設定すると共に、遮蔽体の
配置、遮蔽体の構造を最適化した中性粒子入射装置を提
供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、次のような手段により中性粒子入射装置を
構成するものである。請求項1に対応する発明は、イオ
ン源から引出されるイオンビームを中性化セルを通して
中性粒子ビームに変換し、この中性粒子ビームを内周部
に遮蔽体が設置されたドリフト管を通して核融合装置本
体のプラズマに入射する中性粒子入射装置において、ビ
ーム入射効率に影響を与える因子についてその影響を解
析にて評価し、その結果に基づいて中性粒子ビームの焦
点を前記プラズマ中心と前記ドリフト管との間に設定す
る。
【0022】請求項2に対応する発明は、請求項1に対
応する発明のドリフト管の形状を中性粒子ビームの分布
形状に合せた断面形状とする。請求項3に対応する発明
は、請求項1に対応する発明の遮蔽体の形状を、前記遮
蔽体に入射する中性粒子ビームの分布に基づいてビーム
に対して傾斜させた形状とする。
【0023】請求項4に対応する発明は、請求項1に対
応する発明の複数個のイオン源からそれぞれ引出孔を通
して引出されるイオンビームを中性化セルを通して中性
粒子ビームに変換し、この中性粒子ビームを内周部に遮
蔽体が設置されたドリフト管を通して核融合装置本体の
プラズマに入射する中性粒子入射装置において、各引出
孔から引出される個々のイオンビームに対して、ビーム
入射効率に影響を与える因子についてその影響を解析に
て評価し、その結果に基づいて中性粒子ビームの焦点を
前記プラズマ中心と前記ドリフト管との間に設定する。
【0024】ここで、その詳細について具体的に述べ
る。プラズマへのビーム入射に影響を与える因子は、イ
オン源配置、ビームエネルギ、ビーム電流密度、ビーム
引出面積、ビーム発散角、ビーム焦点、ドリフト管位置
及びドリフト管形状である。このうち、ビームエネル
ギ、ビーム電流密度、ビーム引出面積及びビーム発散角
はイオン源の性能として与えられるものである。また、
ビーム電流密度とビーム発散角はイオン源の加速部の電
極形状、電極配置から決まる。通常、ビームの広がりを
極力抑えるために、ビームの発散角を最小にする方向で
且つビーム電流密度が最大となるような電極形状、電極
配置を選択する。
【0025】次に選択したイオン源のビーム条件に基づ
いて、プラズマ加熱に必要なビームパワーと想定ビーム
損失からビーム引出面積を設定する。また、プラズマ中
心とイオン源の間の距離は、中性化セル長さや中性粒子
入射装置を構成するに必要な内部機器の配置で決まる。
【0026】以上で核融合装置のプラズマ中心に対する
イオン源の位置、イオン源からのビーム性能が定められ
る。従って、多数の引出孔から引出されるビームについ
て、前述のように設定したビーム性能をもとに、ビーム
の焦点距離、ドリフト管の位置及びドリフト管の断面形
状を与えて数値計算すれば、プラズマ中心に入射する中
性粒子ビームのパワーとその分布、ドリフト管における
ビーム損失及び熱負荷を求めることができる。そして、
ビーム焦点をプラズマ中心からドリフト管中心まで両者
を結ぶ軸上で適当な刻みで動かして前述した計算を行
い、ドリフト管に設置される遮蔽体に対する熱負荷を低
減させ、且つ所定の中性粒子ビームのパワーを入射させ
るためのビーム焦点の最適位置を設定する。
【0027】
【作用】請求項1に対応する発明の中性粒子入射装置に
あっては、プラズマ中へのビーム入射量に影響を与える
因子について、その影響を解析にて評価し、且つビーム
焦点をプラズマ中心とドリフト管中心との間の最適位置
に設定することにより、ドリフト管の遮蔽体に対する熱
負荷を低減させ、且つプラズマ中への中性粒子ビーム入
射効率を向上させることができる。
【0028】また、ドリフト管への熱負荷を求めること
によって、遮蔽体の構造を最適化あるいは簡単化でき
る。請求項2に対応する発明の中性粒子入射装置にあっ
ては、ドリフト管の形状を中性粒子ビームの分布形状に
合せた断面形状とすることで、ドリフト管の断面積を必
要最小限とすることができる。
【0029】請求項3に対応する発明の中性粒子入射装
置にあっては、遮蔽体の形状を中性粒子ビームの分布に
基づきビームに対して傾斜させた形状とすることで、遮
蔽体に入射する熱負荷を低減させることができる。
【0030】請求項4に対応する発明の中性粒子入射装
置にあっては、複数個のイオン源の各引出孔から引出さ
れる個々のイオンビームに対しても、請求項1に対応す
る発明と同様の手段でビーム焦点を設定することによ
り、ドリフト管の遮蔽体に入射する熱負荷を低減させる
と共に、プラズマへのビーム入射効率を向上させること
ができる。
【0031】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。図1は、本発明の第1の実施例を示す構成図で、ヘ
リカル装置に2ラインの中性粒子ビームを接線入射させ
る中性粒子入射装置の平面図を模式的に示したものであ
る。なお、図7と同一部品には同一符号を付して示す。
【0032】図1において、1はプラズマ2を閉込める
核融合装置本体の真空容器、3はこの真空容器1に有す
るドリフト管4にゲート弁5を介して接続された中性粒
子入射装置本体の真空容器で、この真空容器3は中性化
セル6を介してイオン源7に連通している。17はプラ
ズマ中心軸である。
【0033】第1の実施例では、2台のイオン源7を水
平に配置し、これら2台のイオン源7から引出された2
本のビーム11によりプラズマ2を加熱するようにした
ものである。図1において、ビームは焦点位置の説明
上、その分布を考慮せずに焦点で1点に集中するものと
して示してある。
【0034】また、中性粒子入射装置の中心軸18上に
示される点15,16及び13は、それぞれビーム入射
上のプラズマ中心、ドリフト管中心及び第1の実施例で
設定したビーム焦点である。
【0035】ビーム焦点13は、ビーム入射率を計算し
た結果に基づいてプラズマ中心15とドリフト管4の間
に設定された焦点である。次に上記のように構成された
中性粒子入射装置の作用について説明する。
【0036】いま、前述した構成に対する形状、寸法、
ビーム性能等を具体的に与えると次の通りである。イオ
ン源7のビーム引出面19からプラズマ中心15までの
距離を約15.4mに設定する。また、ビームは中性粒
子入射装置の中心軸に対して約2°の角度でプラズマ2
中に入射するものとする。
【0037】ビームの条件としては、1台のイオン源7
あたり、ビームエネルギ125keV、ビームの電流値
45A、発散角0.6°のイオンビームを58%の効率
で中性化してドリフト管4を通してプラズマ中に入射さ
せる。
【0038】また、ドリフト管4は内径600mmの断面
を持つ円筒形状であり、その入口はビーム引出面から約
11.6mの位置にあるものとする。ドリフト管4の内
面には遮蔽体12があるため、ビーム通過可能内径で5
6cmとする。ビーム焦点13はプラズマ中心軸上に点1
5から約2.4m中性粒子入射装置側に移した位置にあ
る。
【0039】図2は、焦点距離に対してプラズマ2中に
入射するビームパワーを数値計算にて求めたものであ
る。但し、計算は2本のビームのうち、片側のビームに
対するものであり、もう一方のビームに対しては以下の
作用が同様になされるものである。
【0040】図2において、横軸は中性粒子ビームの焦
点距離であり、縦軸はプラズマ中に入射する中性粒子ビ
ームパワーを示している。中性粒子ビームがドリフト管
に当らず全てプラズマ中に入射する場合、ビームパワー
は約3.26MWである。
【0041】ビーム焦点を第1の実施例である図1に示
したビーム焦点13の位置にすると、焦点距離は13m
程度になる。図2から分かるように焦点距離13mの場
合、全パワーの約98%の中性粒子ビームをプラズマ2
中に入射させることができる。また、ドリフト管4に設
置された遮蔽体12で遮蔽される中性粒子ビームのパワ
ーは60kW程度である。
【0042】このように上記の位置13に焦点を置くこ
とにより、従来のプラズマ中心軸上の位置15に焦点を
設置する場合よりも、ドリフト管4を通過するビームパ
ワーが大きくなる。また、ドリフト管4の遮蔽体12へ
の熱負荷が低減され、遮蔽体12の冷却が容易になる。
【0043】これは図2から容易に説明することができ
る。即ち、ビーム焦点を図1に示した点13の位置では
なく、プラズマ中心上の焦点15とすると(つまり、焦
点距離を15.4mと定めると)、2.87MWのビー
ムに対して約88%のビームパワーしかプラズマ中に入
射させることができない。
【0044】一方、ドリフト管4では中性粒子ビームの
12%が遮られることにより、遮蔽体12には390k
W程度の熱負荷が加わる。この熱負荷はドリフト管4の
入口における遮蔽体12の単位面積当りの熱負荷に換算
すると平均で130W/cm2もの熱負荷になる。この場
合、遮蔽体12の構造が冷却管を取付けた銅板のような
簡単な構造では熱負荷を除熱できなくなる。
【0045】次にビーム焦点13を逆にドリフト管4の
中心9側に近付ける場合、即ち焦点距離を13mよりさ
らに短くする場合を考える。この場合は図2から分かる
ようにこれ以上ビーム焦点をドリフト管中心に近付けて
も、ドリフト管でしゃ断されるビームパワーは変化しな
い。むしろ、プラズマ中心位置15におけるビームの分
布が広くなるだけであり、逆にビーム密度が低下すると
いう問題が生じる。
【0046】従って、焦点を13m以下にすることは無
意味であることが分かる。以上のようにビーム焦点を適
正に設定することにより、ビーム入射効率を向上させる
ことができる。また、ドリフト管4の遮蔽体12へ入射
する熱負荷を低減することができる。
【0047】なお、第1の実施例では2基のビームライ
ンが水平方向に設置される場合を例としたが、ビームラ
インが上下方向に2基並べられる場合、あるいは3基以
上ビームラインが水平方向あるいは上下方向に並べられ
る場合、さらには1基のビームラインの場合について
も、同様の方法にて焦点を設定することにより、同様の
作用、効果が得られる。
【0048】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。第2の実施例は図1を使用して説明できるので、図
面は省略する。第2の実施例では、ドリフト管4の形状
を中性粒子ビームの分布形状に合わせた断面形状とする
ことにより、ドリフト管4の断面積を必要最小限とした
構成とするものである。
【0049】第1の実施例では、ドリフト管に制限があ
るため、ドリフト管4の形状に合せてビーム焦点13を
設定したが、ドリフト管4の断面の大きさをある程度選
択できる場合には、図2に示したような解析結果に基づ
いてビーム入射効率が低下しないで、且つドリフト管4
の断面の大きさを最小とするドリフト管を選択するよう
にしてもよい。
【0050】このようにすることにより、ドリフト管を
必要以上に大きくすることがなくなり、ドラフト管のコ
ンダクタンスを抑えることができる。また、ゲート弁も
小形化できる。
【0051】次に本発明の第3の実施例を図3を参照し
て説明する。図3は本発明の第3の実施例を示す図1と
同様の構成図であり、図4は同実施例を説明するための
数値計算の結果をグラフにしたものである。
【0052】第3の実施例では、第1の実施例で述べた
遮蔽体12を傾斜構造としたものである。この場合、第
1の実施例で示した数値計算結果を別の形式で表して、
ドリフト管4の遮蔽体に入射する中性粒子ビームの熱負
荷として求めて、その結果から傾斜形状を設定してい
る。
【0053】図4は第1の実施例において、即ち焦点位
置13に設定したときに、ドリフト管4の最小径位置に
おける中性粒子ビームの熱負荷分布を示したものであ
る。ここで述べる最小径位置は、図3においてビーム分
布計算断面20として示す。また、グラフは遮蔽近傍の
熱負荷分布のみ表示してある。
【0054】図4において、横軸はドリフト管4の水平
断面における半径方向の位置を、縦軸はビームの熱負荷
分布を示している。熱負荷はビーム分布計算断面20に
垂直に中性粒子ビームが入射するものとして計算した結
果を示している。
【0055】図4において、横軸28cmの位置に示した
縦線は遮蔽体の最小径位置を表示したものである。28
cmの寸法位置は図3に記載している。この場合、28cm
より小さい範囲(領域A)の部分のビームはドリフト管
12を通過し、プラズマ中(図3には記載していない)
に入射する。一方、28cmより大きい範囲(領域B)の
部分のビームは遮蔽体12に当る。
【0056】図4に示した結果からは最大200W/cm
2 の熱負荷が遮蔽体12に入射していることになる。一
般的に200W/cm2 の熱負荷が数秒以上入射する面で
は、冷却管21を取付けた板構造の遮蔽体では熱負荷を
除熱できない。
【0057】そこで、図3に示すように遮蔽体22をビ
ーム11に対して傾けた構造にすると入射面積が増加
し、単位面積当たりの熱負荷が低減する。本実施例で
は、遮蔽体22をビーム11に対して15°傾斜させて
おり、熱負荷が1/4に、すなわち最大でも約50W/
cm2 に抑えることができる。この結果、冷却構造を簡単
にできる。
【0058】一方、遮蔽体22の熱負荷を評価し、遮蔽
体の形状を傾斜構造とすることによって、遮蔽体22へ
の熱負荷を低減させることができることは、第1の実施
例で述べたビーム焦点13をさらにプラズマ側に近付け
ることにもつながり、より密度の高いビームをプラズマ
に入射させることができる。
【0059】次に本発明の第4の実施例を図5を参照し
て説明する。第4の実施例では、イオン源の個々の引出
穴から引き出されるイオンビームの1つ1つを異なる焦
点とするするものである。
【0060】図5において、電極10の中心から電極外
周側に引出孔が離れて行くにつれ、ビームの焦点位置を
プラズマ中心軸上の焦点15からドリフト管4の中心に
移している。
【0061】従来のイオン源、あるいは第1の実施例で
述べたイオン源7から引出されるビームは、広い面積の
電極10に開けられた多数の引出孔から引き出された1
つ1つのビームが集まって大面積のビームを成してい
る。そして、それらは1箇所でそのビーム軸23を結び
焦点とするように引出される。
【0062】上記ビームにおいて、ドリフト管4でしゃ
断されるビームは、電極の外周に近い領域から引出され
たビームである。電極中央部の引出孔から引出されるビ
ーム(例えば図中24のビーム)は、ドリフト管4でし
ゃ断されることなく、プラズマ2中に入射する。このた
め、焦点をドリフト管中心近くに設定する必要はない。
【0063】そこで、第4の実施例では電極中心から電
極外周側に引出孔が離れて行くにつれて、ビームの焦点
位置をプラズマ中心軸上の焦点15からドリフト管中心
16に移すことにより、ドリフト管を通過するビームパ
ワーを増加させることができる。
【0064】上記のような構成とすることにより、ドリ
フト管に設置される遮蔽体12への熱負荷を低減させる
と共に、プラズマ2へのビーム入射効率を向上させるこ
とができる。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、ビー
ム入射効率に影響を与える因子についてその影響を解析
にて評価し、ビーム焦点をプラズマ中心とドリフト管中
心との間に設定することにより、ドリフト管に設置され
る遮蔽体への熱負荷を低減させると共に、プラズマへの
ビーム入射効率を向上させ、且つ中性粒子ビームのパワ
ー密度が最大となるような中性粒子入射装置を提供する
ことができる。
【0066】また、ドリフト管への熱負荷を求めること
によって、遮蔽体の形状を熱負荷を低減できるような構
造で最適化できる。さらに、その結果に基づいてビーム
焦点をプラズマ側に近付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による中性粒子入射装置の第1の実施例
を示す構成図。
【図2】同実施例において、焦点距離に対するプラズマ
中へのビーム入射量の数値計算結果を示すグラフ。
【図3】本発明の第3の実施例を示す構成図。
【図4】同実施例において、ドリフト管の最小径位置に
おけるビームの熱負荷分布の数値計算結果を示すグラ
フ。
【図5】本発明の第4の実施例を示す構成図。
【図6】従来の中性粒子入射装置のビーム焦点の設定の
一例を示す構成図。
【図7】図6に示す従来の一例において接線入射に対す
る構成図。
【符号の説明】
1……核融合装置本体の真空容器、2……プラズマ、3
……中性粒子入射装置の真空容器、4……ドリフト管、
5……ゲート弁、6……中性化セル、7……イオン源、
8……偏向電磁石、9……ビームダンプ、10……電
極、11……ビーム、12……遮蔽体、13……ビーム
焦点、14……ビーム軸、15……プラズマ中心軸上の
点、16……ドリフト管中心、17……プラズマ中心
軸、18……中性粒子入射装置の中心軸、19……引出
面、20……ビーム分布計算断面、21……冷却管、2
2……遮蔽体、23……ビーム軸、24……電極中央部
から引出されるビームのビーム軸。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン源から引出されるイオンビームを
    中性化セルを通して中性粒子ビームに変換し、この中性
    粒子ビームを内周部に遮蔽体が設置されたドリフト管を
    通して核融合装置本体のプラズマに入射する中性粒子入
    射装置において、 ビーム入射効率に影響を与える因子についてその影響を
    解析にて評価し、その結果に基づいて中性粒子ビームの
    焦点を前記プラズマ中心と前記ドリフト管との間に設定
    するようにしたことを特徴とする中性粒子入射装置。
  2. 【請求項2】 前記ドリフト管の形状を中性粒子ビーム
    の分布形状に合せた断面形状としたことを特徴とする請
    求項1記載の中性粒子入射装置。
  3. 【請求項3】 遮蔽体の形状を、前記遮蔽体に入射する
    中性粒子ビームの分布に基づいてビームに対して傾斜さ
    せた形状としたことを特徴とする請求項1記載の中性粒
    子入射装置。
  4. 【請求項4】 複数個のイオン源からそれぞれ引出孔を
    通して引出されるイオンビームを中性化セルを通して中
    性粒子ビームに変換し、この中性粒子ビームを内周部に
    遮蔽体が設置されたドリフト管を通して核融合装置本体
    のプラズマに入射する中性粒子入射装置において、 各引出孔から引出される個々のイオンビームに対して、
    ビーム入射効率に影響を与える因子についてその影響を
    解析にて評価し、その結果に基づいて中性粒子ビームの
    焦点を前記プラズマ中心と前記ドリフト管との間に設定
    するようにしたことを特徴とする中性粒子入射装置。
JP7156128A 1995-06-22 1995-06-22 中性粒子入射装置 Pending JPH095466A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7156128A JPH095466A (ja) 1995-06-22 1995-06-22 中性粒子入射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7156128A JPH095466A (ja) 1995-06-22 1995-06-22 中性粒子入射装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH095466A true JPH095466A (ja) 1997-01-10

Family

ID=15620942

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7156128A Pending JPH095466A (ja) 1995-06-22 1995-06-22 中性粒子入射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH095466A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101018555B1 (ko) * 2007-10-11 2011-03-03 어플라이드 머티어리얼스, 인코포레이티드 이온 빔 안내관
JP2016540184A (ja) * 2013-04-03 2016-12-22 ロッキード マーティン コーポレイションLockheed Martin Corporation 中性ビームの注入を用いた核融合動力用プラズマ加熱
US9928927B2 (en) 2013-04-03 2018-03-27 Lockheed Martin Corporation Heating plasma for fusion power using magnetic field oscillation
US9934876B2 (en) 2013-04-03 2018-04-03 Lockheed Martin Corporation Magnetic field plasma confinement for compact fusion power
US9959941B2 (en) 2013-04-03 2018-05-01 Lockheed Martin Corporation System for supporting structures immersed in plasma
US9959942B2 (en) 2013-04-03 2018-05-01 Lockheed Martin Corporation Encapsulating magnetic fields for plasma confinement

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101018555B1 (ko) * 2007-10-11 2011-03-03 어플라이드 머티어리얼스, 인코포레이티드 이온 빔 안내관
JP2016540184A (ja) * 2013-04-03 2016-12-22 ロッキード マーティン コーポレイションLockheed Martin Corporation 中性ビームの注入を用いた核融合動力用プラズマ加熱
US9928927B2 (en) 2013-04-03 2018-03-27 Lockheed Martin Corporation Heating plasma for fusion power using magnetic field oscillation
US9928926B2 (en) 2013-04-03 2018-03-27 Lockheed Martin Corporation Active cooling of structures immersed in plasma
US9934876B2 (en) 2013-04-03 2018-04-03 Lockheed Martin Corporation Magnetic field plasma confinement for compact fusion power
US9947420B2 (en) 2013-04-03 2018-04-17 Lockheed Martin Corporation Magnetic field plasma confinement for compact fusion power
US9959941B2 (en) 2013-04-03 2018-05-01 Lockheed Martin Corporation System for supporting structures immersed in plasma
US9959942B2 (en) 2013-04-03 2018-05-01 Lockheed Martin Corporation Encapsulating magnetic fields for plasma confinement
US10049773B2 (en) 2013-04-03 2018-08-14 Lockheed Martin Corporation Heating plasma for fusion power using neutral beam injection

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6549666B2 (ja) 陰イオンに基づく中性ビーム入射器
Agostinetti et al. Physics and engineering design of the accelerator and electron dump for SPIDER
Robinson et al. Focusing of relativistic electrons in dense plasma using a resistivity-gradient-generated magnetic switchyard
Yu et al. An updated point design for heavy ion fusion
US20130089171A1 (en) Compact Fusion Reactor
JP2008538603A (ja) プラズマ電子生成システム
CN1498518A (zh) 场反转配置中的受控聚变和直接能量转换
TWI743122B (zh) 用以產生中子之系統及方法
Belchenko et al. Studies of ion and neutral beam physics and technology at the Budker Institute of Nuclear Physics, SB RAS
JPH095466A (ja) 中性粒子入射装置
US9287011B2 (en) High-yield ICF containment chambers and power reactors
US10811159B2 (en) Fueling method for small, steady-state, aneutronic FRC fusion reactors
Witte et al. The interaction region of the electron-ion collider EIC
TW202137820A (zh) 離子生成裝置及離子生成方法
US5152955A (en) Storage ring fusion energy generator
Kashiwagi et al. Compensations of beamlet deflections for 1 MeV accelerator of ITER NBI
Zhang et al. Quasi-optical design of EC H&CD launcher for CFETR
Inoue et al. Neutral beams for the international thermonuclear experimental reactor
KR20180104545A (ko) Bnct 입사기용 대전류 컴팩트 저에너지 빔수송계통
WO2021252325A1 (en) Ion source
Voronin et al. High kinetic energy dense plasma jet
US20230268096A1 (en) Systems, devices, and methods for multi-directional dipole magnets and compact beam systems
Hatayama et al. Numerical analysis of negative ion temperature in a negative ion source
Krylov et al. Beam transmission in the ITER neutral beam injectors
Franzen et al. Design Studies for an Alternative Magnetic Residual Ion Removal System for the ITER Neutral Beam Injection System.