JPH095439A - 核カメラ・システム - Google Patents

核カメラ・システム

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JPH095439A
JPH095439A JP8166659A JP16665996A JPH095439A JP H095439 A JPH095439 A JP H095439A JP 8166659 A JP8166659 A JP 8166659A JP 16665996 A JP16665996 A JP 16665996A JP H095439 A JPH095439 A JP H095439A
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JP8166659A
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Bertelsen Hugo
ヒューゴ・バーテルセン
Horace H Hines
ホレース・エイチ・ハインズ
Matthew J Murphy
マシュー・ジェイ・マーフィ
Nellemann Peter
ピーター・ネルマン
Donald R Wellnitz
ドナルド・アール・ウェルニッツ
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EIDETSUKU LAB Inc
ADAC Laboratories Inc
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EIDETSUKU LAB Inc
ADAC Laboratories Inc
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/16Measuring radiation intensity
    • G01T1/161Applications in the field of nuclear medicine, e.g. in vivo counting
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    • G01T1/1641Static instruments for imaging the distribution of radioactivity in one or two dimensions using one or several scintillating elements; Radio-isotope cameras
    • G01T1/1642Static instruments for imaging the distribution of radioactivity in one or two dimensions using one or several scintillating elements; Radio-isotope cameras using a scintillation crystal and position sensing photodetector arrays, e.g. ANGER cameras
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/29Measurement performed on radiation beams, e.g. position or section of the beam; Measurement of spatial distribution of radiation
    • G01T1/2914Measurement of spatial distribution of radiation
    • G01T1/2985In depth localisation, e.g. using positron emitters; Tomographic imaging (longitudinal and transverse section imaging; apparatus for radiation diagnosis sequentially in different planes, steroscopic radiation diagnosis)
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SPECT撮影とPET撮影のどちらかを実
行するように自動的に切り替えることができる(かつ、
そのように実行するように最適化された)マルチ検出器
ヘッド核カメラ・システムを提供する。 【解決手段】 二重ヘッド・シンチレーション検出器を
有するマルチ検出器構成を使用する。検出器は、PET
撮影向けの同時検出およびSPECT撮影向けの非同時
検出を行えるように切替可能なトリガ回路を含む。プロ
グラム可能な積分間隔による可変積分技法を使用して、
カメラ・システムの事象検出・収集回路を、PET撮影
およびSPECT撮影向けに最適化されたそれぞれの異
なるエネルギー分布および計数率の事象を検出するよう
に切り替えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核医療システムの
分野に関する。詳細には、本発明は、シンチレーション
検出器用の信号処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】シングルフォトンECT(SPECT)
を実行するガンマ・カメラは、かなり前から核医療にお
いて使用されている。Angerが1950年代にその
ようなシステムを提案し開発したが、画像収集ならびに
画像再生用の高速ディジタル・コンピュータ・システム
が導入されたことによってこのシステムは大幅に修正さ
れ改良されている。しかし、SPECTカメラ・システ
ムは、シンチレーション検出器内でシンチレーション結
晶の前方に設置されたコリメータを使用する。このコリ
メータは、ある入射角度の光線しか実際に結晶を透過し
ないように入射ガンマ光線をコリメートするために使用
される。SPECT撮影は、核医療で広範囲に使用さ
れ、有益な画質を提供しているが、コリメータは核医療
画像に画像劣化の原因を導入しており、SPECTシス
テムによって得られる解像度および画質をある程度低減
させる傾向がある。
【0003】画像収集および処理用の比較的高速の検出
電子機器およびコンピュータ・システムが導入されたこ
とによって、ポジトロンET(PET)を実行するカメ
ラも核医療において使用されている。このようなPET
カメラ・システムは、SPECTシステムで使用されて
いる形態のシンチレーション検出器を使用するが、コリ
メータは使用しない。PETシステムでは、(それぞれ
の異なるシンチレーション検出器中の)2本のガンマ光
線の同時検出を使用して画像情報が算出される。2つの
シンチレーション検出器を使用するPETシステムは、
1976年2月1日にIEEE Transactio
ns on Nuclear Science第NS−
23巻、第1号で発表された”Performance
Parameters of a Positron
Imaging Camera”と題する、Gerd
Muehllehner、M.P.Buchin、
J.H.Dudekによって提示された論文と、”Pe
rformance Parameters of a
Longitudinal Tomographic
Positron Imaging System”
(Paans, deGraaf, Wellewee
rd, Vaalburg and Woldrin
g,Nuclear Instruments and
Methods,第192巻、第2、3号、1982
年2月1日、491ページないし500ページ)と題す
る論文に記載されている。PETシステムは、より高い
エネルギーのガンマ光線を使用しコリメータをなくする
ことによって、SPECTシステムに勝る大幅に向上し
た画像解像度および画質を提供する。PETシステムに
はコリメータがないので、検出される計数率は、SPE
CTカメラ・システムよりもPETカメラの方が高い。
これらのカメラ・システムは共に、それぞれの異なる検
出電子機器およびその他の回路を使用するが、PETシ
ステムとSPECTシステムは共にシンチレーション検
出器を使用する。
【0004】SPECTシステム用の検出ハードウェア
とPETシステム用の検出ハードウェアは、システムが
事象を検出し記録する方法に関して異なり、PETシス
テムがSPECTシステムよりも高い計数率で動作する
という点でも異なる。さらに、SPECTシステムは、
PETシステムとは異なる放射性核種を使用し、PET
システムとは異なるエネルギー・レベルのガンマ光線を
検出する。このため、SPECTシステムおよびPET
システムは核医療の範囲内では使い勝手がよく有用であ
るが、従来技術では、PET撮影とSPECT撮影にそ
れぞれの異なるカメラ・システムが実施され供給されて
いる。したがって、SPECT撮影およびPET撮影を
実施したい施設では、かなり高額の経費をかけて2つの
別々のカメラ・システムを得る必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この場合、構成可能な
単一のシステム内でSPECT撮影技法とPET撮影技
法の両方を実施する能力を有する核カメラ・システムを
提供すると有利である。2つの別々のシステムを得る経
費を有利に回避することができる。本発明は、そのよう
な有利な機能を提供する。
【0006】したがって、本発明の目的は、SPECT
撮影とPET撮影とを切り替えてどちらかの動作モード
を実行することができる単一二重ヘッド核カメラ・シス
テムを提供することである。本発明の目的は、PET検
査用の高計数率事象検出回路を使用し、それぞれの異な
るエネルギー分布のガンマ光線、すなわちSPECT撮
影用のガンマ光線およびPET撮影用のガンマ光線の検
出を行うように切り替えることもできるシステムを提供
することである。本発明の他の目的は、SPECT事象
を検出し記録するために使用でき、PET撮影に関する
同時検出を実行するように切り替えることもできる切替
可能なトリガ機能を有するシンチレーション検出器対を
提供することである。本発明の他の目的は、SPECT
撮影モードとPET撮影モードの両方での事象検出用に
ゾーン・トリガ機能を使用することである。本発明のこ
れらの目的、および具体的には述べないその他の目的
は、本明細書中の本発明の議論内で明らかになろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】SPECT撮影またはP
ET撮影を実施するように自動的に切り替えることがで
き(かつ最適化され)るマルチ検出器ヘッド核カメラ・
システムについて説明する。このカメラ・システムは、
一実施形態では、二重ヘッド・シンチレーション検出器
を有するマルチ検出器構成を使用するが、2つよりも多
くの検出器ヘッドと共に実施することができる。検出器
は、PET撮影用の同時検出およびSPECT撮影用の
非同時検出を行うことができ、かつ自動的に選択できる
ように切替可能なトリガ回路を含む。プログラム可能な
積分間隔による可変情報技法を使用して、カメラ・シス
テムの事象検出・収集回路を、PET撮影およびSPE
CT撮影向けに最適化されたそれぞれの異なるエネルギ
ー分布および計数率の事象を検出するように切り替える
ことができる。一方のモードでは、比較的大きな積分間
隔がSPECT撮影用に選択され、PETモード用には
比較的短い積分間隔が選択される。このシステムは、P
ETモードとSPECTモードのどちらかで一度に1検
出器当たりに複数の事象を収集する各シンチレーション
検出チャネル上の二重積分器も含む。システムは、PE
TモードまたはSPECTモードで、PET撮影にはよ
り小さなクラスタ寸法を有し、SPECT用には比較的
大きなクラスタ寸法を有する可変PMTクラスタ寸法付
けも使用する。システムは、PETモードまたはSPE
CTモードで、可変セントロイド形状及びゾーン・トリ
ガリングも使用する。このカメラ・システムは、前述の
プログラム可能な設定を使用して、SPECT撮影モー
ドとPET撮影モードのどちらかで動作するように自動
的に構成することができる。
【0008】このカメラ・システムは、コンピュータの
制御の下でSPECTモードで動作するように命令され
ると自動的に、より長い積分間隔を検出器にロードし、
より大きな寸法のクラスタを生成できるようにPMTア
ドレス・テーブルをプログラムし、コリメータが設置さ
れるのを待ち、自動的にトリガ検出モードを非同時にセ
ットする。このカメラ・システムは、コンピュータの制
御の下でPETモードで動作するように命令されると自
動的に、より短い積分間隔を検出器にロードし、より小
さな寸法のクラスタを生成できるようにPMTアドレス
・テーブルをプログラムし、コリメータが取り外される
のを待ち、自動的にトリガ検出モードを同時検出にセッ
トする。SPECTモードではSPECT再構成手順が
適用され、PETモードではPET再構成手順が適用さ
れる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の下記の詳細な説明では、
本発明を完全に理解できるように多数の特定の詳細につ
いて述べる。しかし、当業者には、このような特定の詳
細なしで本発明を実施できることが自明である。他の例
では、本発明を不必要にあいまいにしないように、周知
の方法、手順、構成要素、回路については説明していな
い。
【0010】下記の詳細な説明のいくつかの部分は、コ
ンピュータ・メモリ内のデータ・ビットに対する演算の
アルゴリズムおよび記号表現に関して提示されている。
このようなアルゴリズムによる記述および表現は、デー
タ処理の当業者によって、その研究の内容を他の当業者
に最も効果的に伝達するために使用される手段である。
特に明記しないかぎり、下記の議論から明らかなよう
に、本発明の全体にわたって、「処理」、「計算」、
「算出」、「判定」、「表示」などの語を使用する議論
は、コンピュータ・システム、またはコンピュータ・シ
ステムのレジスタおよびメモリ内に物理的(電子的)数
量として表されているデータを処理し、コンピュータ・
システムのメモリまたはレジスタ、あるいはそのような
他の情報記憶装置、情報伝送装置、情報表示装置内に同
様に物理的な数量として表される他のデータに変換する
同様な電子計算装置の動作およびプロセスを指す。
【0011】本明細書に記載した本発明の様々な実施形
態は、SPECT撮影動作モードとPET撮影動作モー
ドとを切り替えることができる2重ヘッド・シンチレー
ション検出器カメラ・システムに関連して使用される。
図1を参照すると、本発明の二重ヘッド検出器ガンマ・
カメラ・システムのハイレベル図が示されている。本発
明の実施形態を2検出器カメラ・システムに関して説明
するが、当然のことながら、2つよりも多くの検出器を
有するシステムをカバーするように本発明の教示を拡張
することができる(たとえば、3重ヘッド・カメラ・シ
ステムが構想される)。一般に、本発明のシステムは、
二次元マトリックス状に構成され、結晶層81から光
(たとえば、可視光子)を受け取るようにガラス板に光
学的に結合された複数の光電増倍管PMTで構成された
ガンマ・カメラ検出器対80および80’(「2重ヘッ
ド」)を含む。このPMTアレイは光検出器を構成す
る。結晶層は、ヨウ化ナトリウムNaIで構成すること
ができ、通常、コリメータ(図示せず)とPMTアレイ
との間に配置される。各検出器に取り付けられたコリメ
ータはSPECT撮影モードでは使用されるが、PET
撮影モードでは使用されず、通常、結晶81に当たるガ
ンマ光線をコリメートするために蜂の巣状に構成された
鉛製隔膜によっていくつかの穴として製造される。検出
器対は180°構成で示されており、90°構成になる
ように互いに他方に対して回転することができる。
【0012】NaI(TI)結晶81に当たるガンマ光
線によって、それぞれの異なる光強度を有するPMTに
よって検出されるいくつかの可視光子を放射する周知の
シンチレーション事象が発生する。各PMTは、シンチ
レーション事象の結果として検出された光エネルギーの
量を示すアナログ信号の形で報告を行う。本発明では、
このような信号は最初の回路段でディジタル化され、デ
ィジタル的に処理される。本発明の範囲内で使用される
ガンマ・カメラ検出器80および80’は、Anger
タイプのものであり、いくつかの周知の市販の設計のも
のでよく、したがってそのようなガンマ検出器のある種
の詳細は本明細書では詳しく論じない。しかし、本明細
書で論じるように、本発明は、カメラがSPECT画像
モードでもPET画像モードでも動作できるように、検
出された事象の画像収集および処理の多数の機能強化を
行う。本発明の一実施形態で使用される例示的なガンマ
・カメラ検出器は最大55個ないし108個のPMTを
含むことができる。検出器対は、より小さな直径のPM
Tをエッジに沿って使用して検出器の視野を増大させる
ことができる。本発明の実施形態は49個の76mm丸
形PMTと、エッジ充填用の6つの51mm丸形PMT
を使用するが、それらのPMTの寸法および構成は本発
明の範囲内で変更することができる。
【0013】当然のことながら、各検出器80または8
0’は同様に構築され、一方の検出器に関する議論は他
方の検出器に当てはまる。
【0014】図1の検出器対80および80’は、(た
とえば、ECT走査操作のために)台87上に位置する
対象物(患者)1020の周りで検出器80および8
0’を様々な軌道で回転させることができるガントリ8
5に取り付けられる。どちらの構成でも(180°また
は90°)、検出器対は、ガンマ・カメラ技法で知られ
ているように、いくつかの投影角度にわたって回転の中
心の周りで回転することができる。ガントリ85および
台87は、ベース89上に位置する。検出器対80およ
び80’は、(たとえば、全身走査操作のために)台8
7を横切る方向へ向けることも、あるいは静的撮影のた
めに患者1020の上方に配置することもできる。
【0015】検出器80と検出器80’のどちらかで事
象が検出されたとき、信号1210および1212はそ
れぞれ、プログラム可能な同時タイミング回路1050
(CTC)へトリガ・パルスを送る。CTC装置105
0は次いで、動作モードに応じて(SPECTとPET
のどちらか)、それぞれ検出器80および80’用の回
線1240および1242を介して有効事象トリガ信号
を生成する。回線1252を介して送られる信号は、C
TC装置1050に妥当な動作モード(SPECTまた
はPET)を示す。有効事象トリガ信号1240および
1242は、検出されたシンチレーションのエネルギー
を累算(積分)するアキュムレータ(積分器)を始動
(またはリセット)するために検出器によって使用さ
れ、したがって「有効事象」トリガ信号と呼ばれる。P
ETモードでは、検出器80と検出器80’が同時に検
出を行うまで積分は開始されない。SPECTモードで
は、同時であるかどうかにはかかわらずに、トリガ事象
時に各検出器ごとに積分が開始される。積分およびセン
トロイド算出の後に、検出器80および80’はそれぞ
れ、回線1220および1222を介してX値、Y値、
Z値を出力する。これらの信号は、検出器に対する検出
された事象の座標値(X,Y)(「ローカライゼーショ
ン」)と、測定されたその事象のエネルギー値Zを示
す。
【0016】2つよりも多くの検出器ヘッドを使用する
実施形態内では、各検出器ヘッドからの事象検出情報が
CTC装置1050へ送られ、次いで(PET撮影モー
ドのときは)CTC装置が2つの検出器が同時にCTC
事象検出情報を送ったかどうかを検出する。SPECT
モードでは、各検出器は二重検出器システムと同様に、
それぞれの異なる時間に事象情報を報告する。
【0017】そのようなハードウェアの位置は本発明で
は重要ではないが、下記で詳しく論じるように、PMT
チャネル信号をディジタル化し補正し、X値、Y値、Z
値を出力するハードウェアが各検出器内に含められる。
すなわち、各検出器80および80’は、前置増幅ハー
ドウェアおよびディジタル化ハードウェア、ならびにデ
ィジタル事象プロセッサを含む。これらについては下記
で詳しく論じる。このハードウェアは、シンチレーショ
ン検出器80および80’の内部に配置することも、あ
るいは外部に配置することもできる。
【0018】バス1220および1222を介して送ら
れた値は、下記で説明する汎用ディジタル・コンピュー
タ・システム1112(図11)を含む収集コンピュー
タ・システム1055に入力される。収集コンピュータ
1055は各投影角度ごとの検出された各事象ごとの値
を記憶し、この情報は、標準ユーザ・インタフェースを
含む画像プロセッサ1060へ経路指定される。ユーザ
・インタフェースは、どの動作モード(たとえば、SP
ECTまたはPET)が要求されているかを示すユーザ
入力装置を形成する。この装置はコンピュータ1055
に配置することもできる。画像プロセッサ1060によ
って、SPECT撮影モードまたはPET撮影モードで
得られた事象データに基づいて画像再構築ならびに減衰
および一様性の補正を実行することができる。画像プロ
セッサ1060は、カメラ・システムによって収集され
た画像を視覚化する(ハードコピー装置を含むことがで
きる)表示装置1065にも結合される。
【0019】検出器電子機器 信号を処理する各検出器80および80’ごとの回路お
よび論理機構をさらに、図2、図3、図5、図6、図7
内に示す。当然のことながら、この回路は検出器ヘッド
80および80’の外部に配置することも、あるいは部
分的に検出器80および80’の内部に広がり、かつ部
分的にその外部に広がることもできる。さらに当然のこ
とながら、収集コンピュータ1055は、さらに詳しく
説明する汎用コンピュータ・システム1112(図11
参照)も含む。本発明の実施形態は、汎用コンピュータ
・システムではなく離散電子構成要素を使用して実施す
ることもできる。
【0020】トリガ検出および切替可能なPET事象及
びSPECT事象認識 本発明のシステムは、SPECT撮影とPET撮影とを
切り替えることができるので、2つの別々のトリガ機構
を使用して有効な事象を認識し、有効事象トリガ信号を
生成する。SPECT撮影システムおよびPET撮影シ
ステム用のこれらのトリガ機構間には少なくとも2つの
違いがある。一般に、第1の違いは、PETシステムの
方が計数率が高いので、SPECT動作モードとPET
動作モードでは実際のトリガ検出回路が異なることであ
る。SPECTモードは事象検出回路で立上りディスク
リミネータを使用するが、PETモードは、2つの検出
器からの有効な事象間の時間を非常に正確に知る必要が
あるので事象検出回路で一定部分ディスクリミネータを
使用する。第2に、PETモードでは、同時回路を使用
して、検出された事象から、有効な事象かどうかが判定
されるが、SPECTモードではそうではない。これら
の違いについて下記で説明する。
【0021】図2は、SPECTモードで使用される検
出器80用の検出論理機構100を示す。SPECTモ
ードでは検出器80’に対して100の重複回路(下
方)が使用される。2つよりも多くの検出器ヘッドを有
するシステムでは、各検出器ヘッドごとに論理機構10
0が複製される。この2つの回路からの出力1130お
よび1132はそれぞれ、バス1210および1212
に接続されており、CTC装置1050(図1参照)へ
送られる。図2に関しては、トリガ信号生成回路100
が図の各検出器ごとに複製されている。したがって、検
出器80に対する回路100の動作に関する議論は、本
発明の検出器80’用の重複回路にも当てはまる。検出
器中のPMTの構成によれば、検出器マトリックスの特
定の空間象限(または「ゾーン」)に関連する各PMT
の出力は、4つのトリガ検出回路のうちの1つ110
a、または110b、または110c、または110d
へ送られる。各ゾーンは、シンチレーション検出器の別
々の空間部分を表す。ゾーンは、撮影表面を横切って水
平に分割することも、あるいは垂直に分割することも、
あるいは水平と垂直の両方に分割することもできる。各
ゾーン中の各PMTの厳密な位置合わせは本発明では重
大ではないが、ゾーンどうしは重畳することができる。
A0ないしA54として示したPMT信号は電圧信号で
ある。第1のゾーンの信号A0ないしA17はトリガ回
路(「事象検出」)110aへ送られ、各信号はそこ
で、全体として200nsクリップ回路を構成する遅延
線102および増幅器104に結合される。PMT回路
から受信されるトリガ・パルスは、大ざっぱに言えば2
00nsアナログ・パルスである。特定のゾーン内で事
象が発生すると、対応するゾーンの事象検出回路が出力
信号または「事象表示」を生成する。2つよりも多くの
検出器を有するシステムでは、前述の事象検出回路が各
検出器に配置される。
【0022】SPECT動作モードでは、回路104か
らのクリップされた信号がディスクリミネータ回路10
6の正の端部に結合され、コンピュータによって制御さ
れる基準入力がしきい値入力回路108に結合される。
108にある基準信号は、コンピュータ制御式DAC
(図示せず)の出力を受け取るように結合される。した
がって、しきい値電圧を超えるトリガ信号だけが、回路
106を通過することができ、200nsにクリップさ
れる。比較器106の出力は次いで、回線122を介し
てORゲート120の入力に結合される。指定されたゾ
ーンのPMTが事象を検出したときはいつでも、回線1
30がトリガ・パルスをアサートする。この回路は、検
出器80用の検出器PMTマトリックスの他の4つのゾ
ーンのそれぞれごとに複製される(回線124を介して
トリガを生成する信号A11ないしA30供給回路11
0b、回線126を介してトリガを生成する信号A24
ないしA43供給回路110c、回線128を介してト
リガを生成する信号A37ないしA54供給回路110
d)。検出器80’についても同様である。当然のこと
ながら、本発明の範囲内で追加事象検出回路を使用する
ことも、あるいはより少ない事象検出回路を使用するこ
ともできる(たとえば、ゾーンがより多く、あるいは少
ない場合)。複数のトリガ・チャネル(ゾーン・トリ
ガ)を使用して、相関する雑音が存在する際に高い信号
雑音比が維持され、高い計数率で低いデッド・タイムが
維持される。トリガ・チャネルは、ゾーン境界での感度
損失を防止するために、前述のように重畳される。
【0023】図2のトリガ回線122、124、12
6、128はORゲート120の入力に結合される。し
たがって、カメラ検出器80によって事象が検出された
とき、本発明のトリガ回路110のORゲート120は
回線1130を介してトリガ・パルスを生成する。この
ようなトリガ・パルスは、Start(t0)およびS
tart(t1)を生成するために他の信号と共に使用
され、(CTC回路1050を通過した後に)検出され
たガンマ事象に関するPMT信号の積分を開始するため
に本発明の積分回路280(0)ないし280(54)
(図6)によって使用される。カメラ検出器80’によ
って事象が検出されたとき、本発明の検出器80’用の
重複トリガ回路の重複ORゲート120は回線1132
を介してトリガ・パルスを生成する。(検出器80’用
の)回線1132および(検出器80用の)回線113
0はそれぞれ、バス1212および1210内にある
(図1参照)。
【0024】PET撮影モードに関する事象検出では、
図3に示したそれぞれの異なる電子機器が使用される。
検出器80には回路100’が関連付けられ、検出器8
0’には重複回路(下方)が関連付けられる。2つより
も多くの検出器ヘッドを有するシステムでは、各検出器
ヘッドごとに論理機構100’が複製される。特に明示
しないかぎり、(PETに使用される)回路100’は
(SPECTに使用される)回路100に類似してい
る。これらのPET回路100’からの出力1130’
および1132’はそれぞれ、バス1210および12
12に接続されており、CTC装置1050(図1参
照)へ送られる。各検出器ゾーンごとの事象検出論理回
路110a’ないし100d’は、PETモードのと
き、回路100で使用されるSPECT撮影用の立上り
ディスクリミネータではなく一定部分ディスクリミネー
タを使用する。これは、PET撮影を実行する際にタイ
ミング精度を維持するために行われる。特定のゾーン内
で事象が発生すると、対応するゾーンの事象検出回路
(110a’ないし110d’)は出力信号または「事
象表示」を生成する。事象検出回路110a’ないし1
00d’の出力は、所望の同時タイミング窓の幅の半分
にクリップされる。各検出器ごとに、事象検出器回路の
出力はORゲート120bへ送られる。これらのゲート
の出力1130’および1132’はそれぞれ、バス1
210および1212を介して送られる。当然のことな
がら、(下記で論じるように)前置増幅/ディジタイザ
回路をパイプライン化することによって240ns「メ
モリ」が可能になり、したがって、PET撮影モードで
検出された同時パルスを生成したパルス全体を収集する
ことができる。
【0025】図4は、(図1に示した)CTC装置10
50の論理機構を示す。バス1210は信号1130お
よび1130’を送り、これに対してバス1212は信
号1132および1132’を送る。信号1130’お
よび1132’は、それらが同時である場合(たとえ
ば、10ns−15nsの窓内)にのみ、回線1135
を介して信号を生成するANDゲート1125に入力さ
れる。信号1135は、マルチプレクサ1310および
マルチプレクサ1320に結合される。信号回線113
0はマルチプレクサ1310に結合され、これに対して
信号1132はマルチプレクサ1320に結合される。
マルチプレクサ1310および1320の選択入力に制
御(または選択)信号1252が結合される。制御信号
1252がPET撮影動作モードを選択すると、回線1
135上の信号が検出器80への回線1240へ送られ
ると共に、検出器80’への回線1242へ送られる。
これらは有効事象トリガ信号である。制御信号1252
がSPECTモードを選択すると、回線1130の信号
が検出器80への回線1240へ送られ、回線1132
上の信号が検出器80’への回線1242へ送られる。
これらは有効事象トリガ信号である。当然のことなが
ら、回線1240上の信号を使用して、検出器80用の
前置増幅及びディジタル化回路に関連する積分器がトリ
ガされ、これに対して、回線1242上の信号を使用し
て、検出器80’用の前置増幅及びディジタル化回路に
関連する積分器がトリガされる。回線1240および1
242を介して送られる信号は「有効な」事象検出を表
す。マルチプレクサ1310および1320によって、
同時検出モード(回線1135)と非同時検出モード
(回線1130および1132)とを含め、本発明によ
るSPECT撮影モードおよびPET撮影モードでの事
象検出に関する切替可能な動作モードが可能になる。
【0026】検出器80では、有効事象トリガ信号12
40をトリガ信号130として使用してstart(t
0)およびstart(t1)が搬送され、これに対し
て検出器80’では、有効事象トリガ信号1242がト
リガ信号130として使用される。
【0027】2つよりも多くの検出器ヘッドを有するシ
ステムでは、SPECTモードで、各検出器からの事象
表示信号が、その信号に関連する検出器に有効事象トリ
ガとして送り返される。PETモードでは、2つの検出
器の可能な各組合せがANDゲートによって表されるよ
うに一連のANDゲートが結合され、そのため、システ
ムの任意の2つの検出器の検出が同時であったかどうか
を判定することができる。検出が同時であったことが検
出された後、有効事象トリガがこの2つの検出器に同時
に送り返される。
【0028】グローバル・エネルギーのアナログ和 図5は、本発明の一実施形態で使用されるアナログ加算
回路を示す。この回路が検出器80に含まれ、別の回路
が検出器80’に含まれる。各PMTチャネルからの電
圧信号A0ないしA54(たとえば、各PMTからの信
号)は加算され、増幅器142によって出力される。加
算回路には入力144を介してオフセット電圧が供給さ
れる。オフセット電圧はコンピュータ制御式DACによ
って制御される。出力またはガンマ事象の総エネルギー
は回線A55を介して生成される。この出力は、各PM
Tチャネルからのすべての電圧信号のアナログ和に、回
路144からの調整可能なオフセットを加えた値を表
す。A55上のアナログ信号をアナログ・グローバル・
エネルギー信号と呼ぶ。このグローバル・エネルギー信
号は、回路200(図6)によって前置増幅、ディジタ
ル化、積分を行うことができるように利用可能なチャネ
ル(たとえば、チャネル55)に供給することができ
る。本発明の各検出器ごとのディジタル事象プロセッサ
は、対応する検出器の信号A55を受け取る。下記で論
じるように、グローバル・エネルギー値は、PMTのデ
ィジタル化積分されたチャネル信号どうしを加算するこ
とによってディジタル的にも算出される。これらの方法
のどれでも本発明の範囲内で使用することができる。
【0029】前置増幅ディジタイザ 図6を参照すると、検出器80用の55個のチャネル
(A55に対して1つプラス)のそれぞれ用の本発明の
前置増幅ディジタイザ回路200が示されている。この
回路の複製物が検出器80’のチャネルで使用される。
2つよりも多くの検出器を有するシステムでは、各検出
器ごとに回路200が複製される。回路200は、SP
ECT撮影モードでもPET撮影モードでも使用され、
切替可能な回路を使用して各モードを最適化する。これ
らの回路は、PMTチャネル用の各アナログ電圧信号の
事前増幅、ディジタル化、積分を行う。回路200の出
力は、検出器80用のディジタル事象プロセッサへ送ら
れる。重複前置増幅ディジタイザ回路200は、検出器
80’用に使用され、検出器80’の重複ディジタル事
象プロセッサに出力する。下記で論じるように、各チャ
ネルごとの各前置増幅ディジタイザ回路は2つの別々の
積分器回路を含む。特に明示しないかぎり、検出器80
の回路200は、検出器80’の重複回路と動作および
構造が類似している。回路280(0)は、PMT#0
(たとえば、チャネル0)から直接受け取る電流(アン
ペア単位)出力信号に対応し、本発明の55個のPMT
チャネルのそれぞれごとに別々に複製され、回路280
(0)−280(54)はPMT0−PMT54に関す
る電流出力信号を同時に処理するように動作する。回路
280(0)に関しては、PMT0の電流信号出力が電
圧変換器210へ送られ、この信号の出力が抵抗器を介
して電圧利得増幅器222へ送られる。
【0030】コンピュータ制御式ディジタル・アナログ
変換器(DAC)は、基準電圧補正のために回線212
および214を介して2つの調整信号を出力する。回線
212上の信号は、粗調整のために抵抗器216を介し
て送られ、回線214上の信号は、微調整のために、抵
抗器216よりもずっと高い抵抗(たとえば、200X
程度)を有する抵抗器218を介して送られる。回線2
12および214を介して受け取られた信号は、PMT
0から受け取られた出力信号の基準オフセット電圧調整
を行う。コンピュータ制御式ディジタル・アナログ変換
器(DAC)は、例示的な利得調整が10:1である増
幅器222の利得を制御する電圧調整信号を回路200
に出力する。アナログ利得調整は粗調整であり、微調整
は較正テーブルによって実行される。下記で論じる図7
を参照されたい。次いで点224で、基準オフセット調
整済み信号および利得調整済み信号が各チャネルごとの
信号A0として出力される。同様に、信号A1ないしA
54を生成するために各PMTチャネルごとに前述の回
路が複製される。トリガ信号130は、各チャネルが同
時にトリガされるように回路280(0)ないし280
(54)のそれぞれに一様に供給される。
【0031】利得増幅器222の出力は抵抗器226へ
送られる。電圧入力228および電圧入力230は、そ
れぞれの抵抗器を介して抵抗器226の出力に結合され
る。抵抗器226の出力は次いで、増幅器232および
キャパシタ234へ順次に送られる。増幅器232およ
びキャパシタ234の出力は次いで、アナログ・ディジ
タル変換器(ADC)236の入力に結合される。前述
の回路(たとえば、点224からADC236の入力ま
で)は、本発明には特に関連していない診断目的で使用
されるパルス挿入に使用される。パルスは、入力228
および230を介して人工的に挿入することができる。
【0032】図6を参照すると分かるように、ADC2
36は、図のクロック入力の周波数に基づいてアナログ
信号A0をディジタル・サンプルに変換する。本発明の
一実施形態は、サンプル周波数20MHzないし25M
Hzをサンプル・クロックとして使用する。ADC23
6の出力は次いで、積分構造に結合された2つの加算器
238および240(「累算器」または「アキュムレー
タ」)の入力へ送られる。本発明は、各PMTチャネル
ごとに二重ディジタル積分器を使用して、2つのガンマ
事象が時間的に近接して検出される状態をより効果的に
処理する。(各チャネル0ないし54の)各積分器23
8および240は、現在の加算値を含む別々のレジスタ
(アキュムレータ)を含み、1023でクリップ2進値
との線形積分を1つずつ実行する(たとえば、ロールオ
ーバは許可されない)。両方の積分器の出力はマルチプ
レクサ241に結合される。マルチプレクサ241は、
2つの積分器抵抗器(アキュムレータ)のうちの一方を
ラッチ回路242および244への出力として選択す
る。ラッチ回路242および244は、2段FIFO構
造を備える。130を介して受け取ったトリガ・パルス
Start(t0)およびStart(t1)を使用し
て積分器がリセットされる。これらのトリガ・パルス
は、検出器80用の回線1240および検出器80’用
の回線1242を介して到着する。プログラム可能な積
分(累算)周期の終わりに、どちらかの積分器の積分プ
ロセスが2段ラッチ回路242または244内に記憶さ
れる。ラッチ回路242または244の出力は所与の事
象に関してPMT0が生成した信号のディジタル化値で
あり、この値はD0として指定される。ディジタル化信
号D0はディジタル事象プロセッサ300に供給され
る。前述のことを図13に関してさらに詳しく説明す
る。
【0033】コンピュータ制御の下で、すべての積分器
に関する積分周期の継続時間は、コンピュータ・プロセ
ッサに結合された回線235を介してプログラムするこ
とができる。(サンプリング・クロック周波数の分解能
が20MHzないし25MHzである)プログラムされ
た周期は回線235を介してレジスタ1330にロード
される。積分器238をリセットする(回線1240上
の)有効事象検出信号によって、対応するカウンタ13
32もリセットされる。カウンタ1332はサンプリン
グ率クロックに結合される。カウンタ1332の出力
は、プログラム可能な積分(累算)周期を含むレジスタ
1330からの出力も受け取る比較器1335に結合さ
れる。検出が同時であったときには、積分器238に関
する積分周期が完了したことを知らせる出力信号が回線
1340を介して送られる。積分器240をリセットす
る(回線1240上の)有効事象検出信号によって、対
応するカウンタ1337もリセットされる。カウンタ1
337はサンプリング率クロックに結合される。カウン
タ1337の出力は、プログラム可能な積分(累算)周
期を含むレジスタ1330からの出力も受け取る比較器
1342に結合される。検出が同時であったときには、
積分器240に関する積分周期が完了したことを知らせ
る出力信号が回線1341を介して送られる。当然のこ
とながら、積分器回路238および240と同様に、カ
ウンタ1332および1337は、有効事象トリガ・パ
ルスを受け取ったときにアイドル状態でないかぎりトリ
ガ・パルスの影響を受けない。
【0034】当然のことながら、レジスタ1330、カ
ウンタ1332および1337、比較器1335および
1342は各チャネル回路280(0)ないし280
(54)に結合され、チャネル回路280(0)に関し
て図示した接続は、他の各チャネルに対して行われる接
続を例示したものである。言い換えると、1つのレジス
タ1330のみを使用して、所与の検出器用のすべての
チャネル積分器に関連する積分間隔を含める。具体的に
は、比較器1335および1342の出力は、チャネル
回路280(0)に関して図6に示したようにすべての
チャネル回路280(0)ないし280(54)のアキ
ュムレータ238および340に結合される。
【0035】レジスタ1330にプログラムされる積分
(累算)周期は、本発明の一実施形態では分解能20M
Hzないし25MHzでプログラムすることができる。
PET撮影時には、累算周期は、PET撮影時に、高い
計数率を受け取り、ガンマ事象の高エネルギー分布(5
11K電子ボルト)が検出されるために、1事象当たり
約320nsに設定される。SPECT撮影時には、累
算周期は、低い計数率が検出され、ガンマ事象の低エネ
ルギー分布が検出されるために、約840nsに設定さ
れる。したがって、本発明は、前述の回路を使用して、
PETモードとSPECTモードのどちらか向けに前置
増幅/ディジタイザ回路を最適化するプログラム可能な
機構を提供する。この機構は切替可能である。当然のこ
とながら、重複回路200は検出器80’用に備えられ
ているが、その有効事象トリガ信号(たとえば、13
0)は、回線1240ではなく回線1242を介して到
着する。プログラム信号235は、両方の検出器80お
よび80’がPET動作モードまたはSPECT動作モ
ード向けに同時に構成されるように両方の回路200に
結合される。
【0036】本発明の図6の二重積分器を使用して、ア
キュムレータ238または240、あるいはその両方を
イネーブルし、ADC236の出力からの着信信号を積
分することができる。2つの積分結果は、共通のデータ
経路上に多重化され、どちらかの結果を選択して2段ラ
ッチ回路に記憶することができる。各積分器は有効事象
トリガstart(t0)およびstart(t1)に
よって別々にトリガすることができる。動作時には、ト
リガ信号が発生したとき、どちらかの積分器が利用可能
(たとえば、積分を行わず積分結果を保持しない状態)
である場合、そのアキュムレータがリセットされ、イネ
ーブルされて事象の積分を開始する。どちらかのアキュ
ムレータが完了すると、第1のFIFO段(たとえば、
ラッチ242)が利用可能であると仮定すると、積分値
がこの段へ送られる。第1のFIFO段が利用できない
場合、アキュムレータはこの値を保持する。積分は、ト
リガ信号の後、十分な量のガンマ事象のエネルギーが積
分されるまで所定の期間にわたって継続する。値は、F
IFO段2(たとえば、ラッチ244)が利用可能にな
る(たとえば、その値を転送する)とき、FIFO段1
(ラッチ242)からFIFO段2へ送られる。データ
がFIFO段2に書き込まれると、本発明は、関連する
ディジタル事象プロセッサ(DEP)300(図7参
照)へデータを送る準備が完了したことを知らせる。各
検出器80および80’はそれ自体のDEP回路300
を含む。
【0037】図6を参照すると分かるように、本発明の
二重アキュムレータ設計は、同じ期間中に2つの事象が
相互作用する事象パイルアップを処理する暗黙的な機構
を提供する。本発明はローカルPMTクラスタに基づい
て位置を算出するので、検出器のそれぞれの異なる領域
で発生するパイルアップ事象を適切に位置決めすること
ができ、そのような事象は一時パイルアップと呼ばれ
る。一時パイルアップに含まれる2つの事象が偶然に、
トリガ・チャネル・デッドタイムよりも長い時間にわた
って分離している場合、両方のアキュムレータがイネー
ブルされ、両方の事象が完全に積分される。位置の精度
は、一時事象を分離する空間距離の影響を受ける。離隔
距離が大きいほど、この影響は小さくなる。これに関し
ては下記でさらに詳しく論じる。
【0038】回路200内では、図6に示したように各
チャネルごとに回路280(0)が複製される。出力電
流信号PMT#1ないしPMT#54は回路280
(1)ないし280(54)へ送られる。ディジタル・
データ信号D0ないしD54はそれぞれ、回路280
(0)ないし280(54)から出力される。55個の
前置増幅ディジタイザ回路280(0)ないし280
(54)はそれぞれ、有効事象トリガ信号start
(t0)ないしstart(t1)を回線130から受
け取るように結合される。当然のことながら、A55
(図5参照)からのアナログ・グローバル・エネルギー
信号を処理するために余分のチャネル(たとえば、前置
増幅ディジタイザ回路280(55))を追加すること
ができる。この実施形態では、出力D55は、すべての
チャネルに関する増幅され、ディジタル化され、積分さ
れた値(たとえば、事象のアナログ・グローバル・エネ
ルギーのディジタル化値)に対応する。そのような実施
形態では、値D55は、そのデータをアナログ・グロー
バル・エネルギー・データとして示す適当なPMTアド
レス値と共にDEP300(後述する)に出力される。
【0039】図6の前置増幅回路は、利得調整機構(た
とえば、回線220)および基準オフセット調整機構
(たとえば、回線212および214)を使用して直接
調整することができる。前述の調整回線は制御リンク信
号と呼ばれ、コンピュータ制御式アドレス可能DACに
結合される。公称基準の量および調整機構のレベルに関
連する変動の量を使用して所与のチャネルの精度を求め
ることができる。
【0040】プログラムされた積分周期の完了時に、ラ
ッチ244データが存在するとき、各チャネルごとの各
第2段ラッチに記憶されているすべてのディジタル・デ
ータが、バス307を介して適当なDEP300(図
7)へ送られる。これは、DEP300へのデータ「転
送」と呼ばれ、検出器80でも検出器80’でも行われ
る。
【0041】ディジタル事象プロセッサ 図7を参照すると、本発明のディジタル事象プロセッサ
(DEP)の回路300が示されている。当然のことな
がら、ディジタル・プロセッサ1112はDEP300
回路の一部ではなく、収集コンピュータ・システム10
55内に位置する。本説の議論では、検出器80に関連
するDEP300について説明する。検出器80’に関
連する重複DEP回路300は、検出器80’に関連す
る前置増幅/ディジタイザ回路から受け取る出力に関し
ては同様に動作する。検出器80’に関連する重複DE
P300も同様にディジタル・プロセッサ1112に結
合される。検出器80用のDEP300の出力はバス1
220を介して収集コンピュータ1055へ送られる。
検出器80’用の重複DEP300の出力は1222を
介して収集コンピュータ1055へ送られる。検出器対
80および80’の各DEP300は互いに独立に動作
して、収集コンピュータ・システム1055へのX出
力、Y出力、Z出力を生成する。
【0042】下記の議論は、検出器80に関連するDE
P300について説明したものであるが、検出器80’
内の重複DEPにも当てはまる。回線D0ないしD54
上のPMTチャネルに関するディジタル化され積分され
た信号値は、バス307を介して、図7に示したFIF
O310および較正テーブル315へ送られる。バス3
07上のデータは、シンチレーション事象などのトリガ
事象に応答して各PMTチャネル回路280(i)から
供給されるディジタル化され、積分された信号を表す。
バス307上のディジタル化されたデータは、バス39
7を介してディジタル・プロセッサ・コンピュータ11
12によってアクセスできるRAW VIEW FIF
O310に記憶される。RAW VIEW FIFOに
よって、PMTからの通常のデータ・フローに割り込ま
ずに入力データ・ストリームからデータを取り込むこと
ができる。これはオンザフライ基準調整機構に使用され
る。較正テーブル315は、(1)ディジタル化され積
分されたチャネル・データをバス307から入力として
受け取り、かつバス307上のディジタル・データを回
路280(i)からの適当なPMTチャネル出力に相関
付けるために、報告を行うPMTのバス302を介して
(2)PMTアドレス(たとえば、インディケータ)番
号も受け取る。
【0043】較正テーブル315は、(一実施形態では
アドレスとして表された)PMT番号入力に応じて変動
できる利得出力を提供する参照テーブル(LUT)を含
む。空間的に変動するこの利得は、バス307を介して
受け取った積分信号値に印加され、その結果は、バス3
47上の出力、すなわち、各PMTチャネルごとの補正
または微補償済み積分信号値である。較正テーブル31
5に記憶されている利得値は、PMT番号に依存する微
利得調整機構であり、これに対して、利得増幅器222
は粗利得調整機構である。較正テーブル315は、各P
MTチャネルごとの前置増幅回路の基準オフセット回路
によって独立に挿入される基準電圧(たとえば、入力2
12および214)をディジタル的に減じることによっ
て、基準調整計算も行う。バス347上の出力は、この
基準調整機構と共に307から供給されるディジタル値
である。
【0044】較正テーブル315の出力は、バス347
を介して、(所与のデータ転送に関する)すべての55
個のチャネルのすべての較正済み結果を分析し、所与の
測定事象に関する最大の積分チャネル信号(たとえば、
「エネルギー」)を有するPMT番号、すなわち「ピー
クPMT」を選択するピーク検出回路320へ送られ
る。最大積分信号値および関連するチャネル・アドレス
は、後で本発明のDEPプロセスで使用できるように保
持される。ピークPMTに関連する積分信号は、ピーク
検出回路320からバス317を介し値PDとして出力
される。ピークPMTに関連するPMTアドレス番号
は、回路320によってバス312を介して値PAとし
て出力される。ディジタイザ・チャネル280(i)を
介して送られるアナログ・グローバル・エネルギー・デ
ータをサポートするには、所与のPMTアドレスに関し
てピーク検出機構320をディスエーブルすることがで
きる。バス347は、グローバル・エネルギー累算(G
E累算)回路330にも結合される。回路330は、所
与の事象に関して各PMTチャネルごとのバス347を
介して出力された補正済み積分チャネル信号を加算す
る。回路330の出力は、ディジタル化グローバル・エ
ネルギーGE(PMTのすべてのディジタル積分信号の
ディジタル和)であり、出力GEを形成し動的圧縮テー
ブル355にも結合されたバス322を介して送られ
る。
【0045】図7のバッファ325は、バス347を介
して受け取った適当なPMTアドレスに相関付けられた
各PMTチャネルのディジタル積分信号値を記憶する。
バッファ325は、RAMまたは他のメモリ記憶装置で
実施することができる。すべてのチャネルに関するPM
T積分信号値はバッファ回路325に記憶される。ピー
クPMTのアドレスは、バス312を介して、回路33
5、すなわちPMTアドレス・テーブルに出力される。
回路335は、バス312からのピークPMTアドレス
入力に基づいてPMTクラスタを出力する参照テーブル
を含む。PMTクラスタはPMTの集合であり、これら
のPMTの積分チャネル応答(ならびに事象に関する総
エネルギー)は事象の空間位置(たとえば、クラスタの
セントロイド)を判定するDEP計算を実行するために
使用される。本発明は、回路335にある参照テーブル
を使用することによって、空間的に変動するクラスタ形
状を提供し、所与のPMTクラスタを形成するPMTの
数を空間的に変更することができる。回路335は、P
ET撮影モードで動作する際には、比較的小さな(たと
えば、7つのPMT)クラスタ寸法を出力するようにプ
ログラムされ、これに対して、SPECT撮影モードで
動作する際には、比較的大きな(たとえば、17ないし
19)寸法のクラスタを出力するようにプログラムされ
る。
【0046】本発明の範囲内では、入力ピークPMTア
ドレスに関しては、その結果得られるPMTクラスタの
形状と、選択されたPMTクラスタを構成するPMTの
数が、PMTマトリックス全体内のピークPMTアドレ
スの空間位置に基づいて変動する。当然のことながら、
SPECT撮影モードでは、PMTアドレス・テーブル
335は、高分解能を選択するか、それとも低分解能を
選択するかに基づいてピークPMTアドレスに関連する
PMTクラスタを変更することができ、この場合、低分
解能モードでは1PMTクラスタ当たり7つのPMTが
必要であり、高分解能モードでは1PMTクラスタ当た
り9つないし19個のPMTが必要である。したがっ
て、分解能表示信号(図示せず)もテーブル335に入
力される。当然のことながら、分解能表示信号ではな
く、それぞれの異なる所望の分解能に関するデータをテ
ーブル全体335に再ロードすることができる。そのよ
うな場合、分解能信号は、アドレス信号としては指定さ
れず、新しい情報のダウンロードを開始するに過ぎな
い。
【0047】PMTアドレス・テーブル335にはバス
367を介してシーケンス・カウンタ390が結合され
る。PMTアドレス・テーブル335は、(1)所与の
事象に関する選択されたPMTクラスタ中のPMTの
数、および(2)(回路340に記憶されており所与の
事象に関する空間計算全体にわたって保持される)PM
Tクラスタのタイプ値を制御する。PMTアドレス・テ
ーブル335は、アナログ・グローバル・エネルギー・
チャネルのアドレスも含む。シーケンス・カウンタ39
0は、1から、選択されたPMTクラスタに関連するP
MTの数まで順次カウントし、各カウント値をバス36
7を介して順次提示する。一実施形態では、PMTアド
レス・テーブル335自体が、(1)ピークPMTアド
レス値からバス312を介して発信されるアドレスのM
SB、および(2)シーケンス・カウンタ390のカウ
ント値からバス367を介して発信されるアドレス値の
LSBの2つの値によってアドレスされる。所与のピー
クPMTに関するPMTアドレス・テーブル内の最後の
項目は、そのピークPMTアドレスに関するPMTクラ
スタ構成の終わりを示す停止符号を含む。したがって、
セントロイド算出回路は、停止符号に達したとき(ある
いは、最大計数値に達したことがテーブル335によっ
て報告されたとき)に停止する(あるいは終了する)。
【0048】PMTアドレス・テーブル335は、所与
の事象に関する空間計算で使用されるPMTクラスタの
各PMTのPMTアドレスを、バス372を介し、シー
ケンス・カウンタ390に基づいて順次出力する。これ
らのPMTがバス372を介して提示される順序は、バ
ス312からのピークPMTアドレス値およびバス36
7上の計数値に基づいてPMTアドレス・テーブル33
5に記憶されている参照テーブルによって支配される。
回路335から出力されるPMTアドレス値は、そのP
MTに関するバス352を介して適当な積分チャネル信
号値を出力するデータ・バッファ325にアドレスする
ためにこのメモリ回路にも結合される。この出力はDE
Pの空間計算で使用される。
【0049】依然として図7を参照すると分かるよう
に、PMTクラスタ・タイプ値は、PMTアドレス・テ
ーブル335から、セントロイド(たとえば、座標)計
算全体にわたってPMTクラスタ・タイプ値を保持する
メモリ回路340に出力される。バス372のPMTア
ドレス値は、本発明の空間計算回路に使用される所与の
x加重値およびy加重値にPMTアドレス値を相関付け
る参照テーブルを含む加重テーブル回路345へも送ら
れる。回路345内に参照テーブルを設けることによっ
て、所与のPMTに関連する加重は、そのPMTのアド
レスに依存し、そのPMTの空間位置に相関付けられ、
バス377からのPMTクラスタ・タイプ値にも依存す
る。
【0050】所与のPMTに関連する加重値は、所与の
事象のPMTクラスタに関するピークPMTに基づく、
340に記憶されているタイプ値に基づいて変動するこ
ともできる。これは、本発明のタイプ登録回路340に
よって行われる。したがって、ピークPMTアドレスが
エッジPMTまたはコーナーPMTに対応する場合、そ
のPMTクラスタは空間タイプのものであり、その結果
得られるPMTクラスタのPMTアドレスに関連する加
重は、セントロイド計算の欠落しているPMT(たとえ
ば、ピークPMTのエッジ位置またはコーナー位置のた
めに使用できないPMT)を考慮するように調整するこ
とができる。したがって、回路345から出力されるP
MT加重値は、(1)PMTアドレス値、および(2)
そのPMTクラスタのピークPMTのアドレス値に基づ
く回路340からのタイプ値に依存する。PMTアドレ
ス・テーブル335は、選択されたPMTクラスタを構
成するPMTアドレスを定義する。
【0051】一実施形態では、タイプ登録回路340
は、回路335から出力されるピークPMTアドレス値
に基づく参照テーブルを含むことができる。前述のよう
に、PMTクラスタ・タイプ値は、所与のPMTクラス
タに関する加重テーブル345のオフセットであり、所
与のPMTクラスタの所与のPMTアドレス値に関する
加重テーブル345の加重出力を変更するために使用さ
れる。回路340は、バス377を介して回路345に
オフセット値を供給するために結合される。本発明の動
作によれば、所与のPMTクラスタに関しては、そのP
MTクラスタを構成するPMTアドレスが順次、バス3
72を介して加重テーブルに出力され、定数タイプ値が
(ピークPMTのアドレスに基づいて)生成されバス3
77を介して出力される。加重テーブル345は次い
で、所与のPMTクラスタの各PMTごとに、バス36
2を介してx加重を出力し、バス357を介してy加重
を出力する。
【0052】図7のバス362上のx加重値はx座標計
算用のマルチプライヤ・アキュムレータ回路(MAC
x)370を供給し、バス357上のy加重値はマルチ
プライヤ・アキュムレータ回路(MACy)365を供
給する。これらの回路370及び365は各ガンマ事象
ごとの空間計算の始めにリセットされ初期設定される。
x加重値およびy加重値は、所与の事象(たとえば、ガ
ンマ相互作用)に関する空間計算で使用され、所与のP
MTの積分チャネル信号値が座標計算プロセスで(PM
Tクラスタの所与のPMTに関して)保持すべき寄与の
量を指定する。
【0053】前述のように、所与のPMTクラスタのP
MTのPMTアドレスは順次バス372上に配置され
る。図7のバス372は、PMTクラスタに含まれる各
PMTごとのPMTアドレス値によってバッファ325
にアドレスするために結合される。PMTクラスタの所
与のPMTのアドレス値に応答して、バッファ325
は、バス347を介して受け取った(所与の事象に関す
る)そのPMTに関連する記憶されている補正済みディ
ジタル信号値を出力する。この補正済み信号値は、バス
352を介してブロック350、ブロック355、減算
器391へ送られる。回路360は、所与のPMTクラ
スタに含まれるPMTのディジタル信号値を受け取るよ
うに結合され、これらの値を累算して、バス337を介
して生成されるローカル・エネルギー値(LE)を提供
する。
【0054】ブロック350は、グローバル・エネルギ
ー・データがディジタイザ・チャネルを介して送られ記
憶バッファ325に記憶されるモードで動作する際にデ
ィジタル・グローバル・エネルギー値とアナログ・グロ
ーバル・エネルギー値のどちらかを含むバッファであ
る。このモードでは、ブロック350に記憶されている
グローバル・エネルギーは、アナログ・グローバル・エ
ネルギー信号のディジタル化バージョンである。(図5
の)アナログ信号A55からの出力は、前置増幅ディジ
タイザ・チャネル280(i)へ送られ、次いでバス3
07を介して較正テーブル315へ送られ、バッファ3
25に記憶される。グローバル・エネルギーは、各PM
Tチャネルからの積分信号の値を加算することにより、
アキュムレータ330によって算出することもできる。
グローバル・エネルギー値は次いで、バッファ350に
記憶される。したがって、回線322上のグローバル・
エネルギー値GEは(1)アナログ・グローバル・エネ
ルギー値のディジタル化値でも、あるいは(2)各PM
Tチャネルごとのディジタル信号のディジタル加算値で
もよい。
【0055】図7の動的圧縮テーブル355は、検出さ
れたガンマ事象のグローバル・エネルギー値をバス32
2を介して受け取り、PMTクラスタの所与のPMTク
ラスタに関するディジタル化積分チャネル信号値もバス
352を介して受け取る。動的圧縮テーブル355は、
ディジタル化積分チャネル信号に関する圧縮値の参照テ
ーブルを含む。参照テーブルの出力は、バス392上
で、バス352を介して信号値も受け取る減算器391
にドライブされる。テーブル355は、(バス322か
ら)グローバル・エネルギーのMSBをアドレスとして
受け取り、バス352を介して各PMTごとの信号値の
所定のビットを受け取る。減算器391との接続を介し
て、回線352上の信号データは左に4ビットだけずれ
る(たとえば、16を乗じられる)。テーブル355か
らの出力は、一実施形態では、左へずれたこの信号値か
ら減じられる。減算器回路391の出力は、所与のPM
Tチャネルに関する動的圧縮済み積分信号値であり、M
ACx回路370およびMACy回路365へ送られ、
エネルギー・マルチプライヤ・アキュムレータ(MAC
z)回路360へも送られる。
【0056】図7の動的圧縮テーブル355は、他のチ
ャネルからの変更済み信号と加算されたときに、加算信
号の性質がより線形になるように、PMTチャネルから
出力される積分チャネル信号を変更するために本発明に
よって使用される。この信号変換を実行するために使用
される、動的圧縮テーブル355に記憶されている情報
は、本発明内で容易にプログラムすることができ、それ
ぞれの異なるデータセットを一度にテーブル355に記
憶(ダウンロード)することができる。変換データを容
易に変更できる(たとえば、必要に応じて、新しいデー
タセットを容易にダウンロードできる)ので、本発明の
動的圧縮テーブル355は修正することができる。減算
論理機構391は、本発明で使用される圧縮手順の一部
であり、圧縮テーブル355のメモリ・サイズ要件を低
減させるために使用される。したがって、当然のことな
がら、より大きなメモリ・サイズが与えられた場合、本
発明から減算器391をなくし、メモリ355に記憶さ
れているデータを変更することによってそのメモリに組
み込むことができる。動的圧縮テーブル355の出力
は、特定のチャネルに関する「動的圧縮済み」積分信号
データまたは「圧縮済み」積分信号データと呼ばれ、バ
ス387を介してセントロイド計算論理機構に供給され
る。
【0057】したがって、シーケンス・カウンタ390
がPMTクラスタの各PMTを計数する際に、バッファ
325は各PMTに関連する積分信号を供給する。加重
テーブル345は、順序付けられた各PMTに関連する
x加重値およびy加重値を供給する。MACx回路37
0は、各PMTごとにx加重値と動的圧縮済み信号を乗
じ、シーケンサが計数するにつれてPMTクラスタの各
PMTごとにこの値を累算する。MACy回路365
は、各PMTごとにy加重値と動的圧縮済み信号を乗
じ、シーケンサが計数するにつれてPMTクラスタの各
PMTごとにこの値を累算する。MACz回路は2つの
入力を有し、一方はバス342に結合され値「1」にプ
ログラムされ、他方の入力はバス387に結合され、し
たがってPMTクラスタの各PMTの積分信号を累算
し、バス337を介してローカル・エネルギー(LE)
の値を生成する。
【0058】図7のシーケンサ390がPMTクラスタ
の最後のPMTに達した後、MACz回路は、1/LE
回路385に結合されたバス337を介して完全なLE
値を出力する。これは参照テーブルであり、LE値の逆
数(たとえば、(LE)-1)を与える。回路385は、
ディバイダ回路を使用して実現することもできる。その
場合、(1/LE)の値は、バス382を介してxマル
チプライヤ回路(MULx)375に出力され、yマル
チプライヤ回路(MULy)380にも出力される。回
路375は、MACx回路370の累算結果に(1/L
E)値を乗じ、バス327を介してガンマ事象の正規化
x座標を生成する。回路380は、MACy回路365
の累算結果に(1/LE)値を乗じ、バス332を介し
てガンマ事象の正規化y座標を生成する。したがって、
本発明のDEP300は各ガンマ事象の空間座標(x,
y)および総エネルギー(GE)を算出する。各事象ご
とに、ピークPMTエネルギー(PD)、すなわちDE
Pが受け取る積分チャネル信号のピーク信号、ピークP
MTアドレス(PA)、ローカル・エネルギー(LE)
も生成される。
【0059】検出器80のDEP回路300に関連する
X値、Y値、GE値、LE値はバス1220(図1参
照)を介して収集コンピュータ1055に供給され、こ
れに対して、検出器80’のDEP回路300に関連す
るX値、Y値、GE値、LE値はバス1222を介して
収集コンピュータ1055に供給される。SPECTモ
ードでは、検出器対80および80’は、その有効事象
トリガ信号(1240および1242)を同時に発信す
る必要がないので、事象検出およびローカライザーショ
ンえを比較的独立に実行する。PETモードでは、事象
検出が同時に行われる必要があるので、両方の検出器8
0および80’のDEP回路は、有効事象トリガ信号が
同時に発生したかどうかに基づいて同期的に動作する。
【0060】ガンマ事象(相互作用)の空間座標(x,
y)は、下記のセントロイド計算を使用してDEP30
0回路によって算出される。
【数1】
【0061】上式で、 Wxi=クラスタのi番目のPMTに関する回路345
から得たx加重 Wyi=クラスタのi番目のPMTに関する回路345
から得たy加重 Wxn=クラスタの最後のPMTに関する回路345か
ら得たx加重 Wyn=クラスタの最後のPMTに関する回路345か
ら得たy加重 Ei=PMTクラスタのi番目のPMTに関する積分信
号 En=PMTクラスタの最後のPMTに関する積分信号
である。
【0062】DEP300は、撮影セッションの検出さ
れた各ガンマ事象に関して上記で論じたように動作し、
上記の情報をコンピュータメモリ記憶装置に記憶する。
この情報は次いで、補正電子機器(またはCPUシステ
ム)へ送られ、そこでエネルギー、線形性、一様性に関
して補正される。これは収集コンピュータ1055と画
像プロセッサ1060のどちらかで実行される。当然の
ことながら、よく知られているいくつかの方法および回
路構成要素を使用して、DEP300回路から出力され
た計数データを収集し、DEP300回路から供給され
たこのデータを(たとえば、非線形性などに関して)補
正し、計数を空間的に記録することによってこのデータ
に基づいて画像を形成することができる。よく知られて
いるこれらの方法は本発明に関連して使用することがで
きる。
【0063】図8は、前述の空間計算の適用性を示し、
例示的な状況を与えるものである。図8は、ピークPM
Tアドレス(この場合はPMT0である)に基づきPM
Tアドレス・テーブル回路335に基づいて生成された
選択されたPMTクラスタ構成を示す。この例ではPE
T撮影モードが選択され、したがってPMTクラスタは
7つのPMT(6つの周りのPMTおよび1つの中央P
MT)で構成される。ピークPMTがエッジ上にも検出
器ヘッド80のPMTアレイのコーナーにも位置してい
ないので、アドレス・テーブル回路335は、PMTク
ラスタが対称タイプまたは通常タイプのものであること
を示すタイプ登録を回路340に出力する。例示的なx
軸410およびy軸415が示されており、x軸および
y軸での各PMTごとの加重値が、各PMTごとに軸に
沿ってプロットされている。
【0064】この例示的な事象は図8内の点50で発生
し、外側へ延びる矢印は、関連する矢印が指す各PMT
が受け取る光の量を表す。x方向およびy方向での各P
MTごとの加重値はピークPMTの空間位置にも依存す
る。というのは、ピークPMTの位置によって、加重テ
ーブル回路345にアドレスするために(PMTアドレ
スに関連して)使用されるPMTタイプ値が変更される
からである。
【0065】図9および図10は、検出器対80および
80’の単一のシンチレーション検出器の動作に関する
本発明の一般処理フロー460を示す流れ図である。し
かし、フロー460は両方の検出器によって実行され
る。当然のことながら、これらのフローはSPECT撮
影モードとPET撮影モードの両方に関連するものであ
り、有効事象トリガ検出(論理ブロック466)は、P
ET撮影モード内では両方の検出器で同時に行われる。
【0066】図9を参照すると分かるように、この手順
は、開始すると、各PMTチャネルを介して信号を受け
取り、信号を電流から電圧に変換する。462で各チャ
ネルごとにコンピュータ制御式基準電圧オフセットを実
行し、464で各チャネルごとにコンピュータ制御式粗
利得調整を実行する。論理ブロック468で、各チャネ
ルがディジタル化され、466で、本発明の事象検出論
理機構によってトリガ検出も実行される。トリガ検出
は、各シンチレーション検出器の表面にわたって4つの
領域ゾーン間で分割される。上記で論じたように、PE
Tモードでは、有効事象トリガ検出において検出器80
と検出器80’が同時に信号を発信する必要がある。前
述のように、SPECTモードでは、ゾーン事象検出器
は立上りディスクリミネータを使用し、これに対して、
PETモードでは、ゾーン事象検出器は一定部分ディス
クリミネータを使用する。論理ブロック470および4
72で双対積分が行われる。この場合、第1および第2
の有効事象トリガを使用して、近接した時間に発生した
別々の事象を積分することができる。これらの積分ステ
ップは共に、2段FIFO回路に積分信号を出力し、4
74で、積分周期が完了した時点で、これらのデータ値
が各チャネルごとに順次DEPへ送られる。この生デー
タは476でサンプリングされデータ・プロセッサから
アクセスできるようになり、478で較正テーブルに供
給される。較正テーブルは基準オフセットを除去し、デ
ィジタル・チャネル信号の微利得調整も実行する。
【0067】480で、較正テーブルからのデータが各
チャネルごとにバッファに記憶される。482で、本発
明は、較正テーブルからのチャネル・データを調べるこ
とによってピークPMTを判定し、484で、この事象
に関する各チャネルごとのディジタル・データを加算す
ることによってグローバル・エネルギーが求められる。
ピークPMTアドレスはガンマ事象の粗空間位置の尺度
として使用される。486で、本発明のPMTアドレス
・テーブルは、PMTクラスタ・タイプを出力し、ピー
クPMTアドレスに基づいてPMTクラスタの構成の判
定(SPECTモードの一実施形態では、選択された分
解能、たとえば、微か、それとも粗かも判定する)も行
う。論理ブロック486で、PETモードでは小さな寸
法のPMTクラスタが使用されるのに対し、SPECT
モードでは大きな寸法のPMTクラスタが使用される。
【0068】図10を参照すると分かるように、本発明
のフロー460は488にさらに進み、セントロイド計
算を実行するために使用される回路がリセットされ、新
しい計算に関する初期設定が行われる。490で、シー
ケンス・カウンタは、選択されたPMTクラスタの第1
のPMTアドレスが出力されるようにPMTアドレス・
テーブルにアドレスする。この値から、さらに、PMT
クラスタ・タイプに基づいて、本発明は、選択されたP
MTアドレスに関するx加重(Wx)およびy加重(W
y)を生成する。また、バッファ325は、このチャネ
ルに関する記憶された積分信号データを含み、494で
そのデータを供給し、493で、動的圧縮回路が、この
チャネルに関する動的に圧縮された信号値を出力する。
495で、xy乗算累算回路を使用して、動的に圧縮さ
れた信号値に加重値が乗じられ、その結果がPMTクラ
スタに関して累算される。495で、ローカル・エネル
ギー・アキュムレータはPMTクラスタのローカル・エ
ネルギーも累算する。496で、PMTクラスタが完成
する(たとえば、テーブル335の停止インディケータ
に到達する)まで、シーケンス・カウンタが繰り返し増
分し、次のPMTアドレスを得るためにPMTアドレス
・テーブルにアドレスする。PMTクラスタが完成して
いない場合、フローは490にリターンする。上記の処
理は次いで、選択されたPMTクラスタの次のPMTア
ドレスに対して繰り返される。
【0069】PMTクラスタが完成した場合、フローは
497へ進み、xy乗算累算回路が、このガンマ事象に
関する正規化(x,y)空間座標を生成するためにロー
カル・エネルギーによって実際上分割される。498
で、DEP300から出力された関連情報((x,y)
座標および総エネルギーを含む)が、エネルギー、線形
性、一様性の補正を既知のように実行するコンピュータ
・システム・データ・プロセッサまたは補正ボードに出
力される。PETモードで動作する際、同時窓内で各検
出器80および80’からx、y対およびエネルギー情
報が生成される。この対は、位置・電子相互作用からほ
ぼ互いに逆の方向へ放射される2本のガンマ光線に対応
する、検出器対80および80’上で検出される2つの
点に対応する。この対は、収集コンピュータ・システム
1055によって離散PMT事象に対応するものとして
記憶され、この対から、対間の軸入射角および三軸入射
角が算出される。ポジトロン相互作用の位置は、この対
の2つの点どうしを接続する線内にある。SPECTモ
ードで動作する際、収集コンピュータ・システム105
5は、事象に関する出力データが印加される検出器80
または80’を記録する。
【0070】収集コンピュータ・システム(ディジタル
・プロセッサ) 図11を参照すると、DEP300回路を制御し(たと
えば、基準オフセット、利得、トリガしきい値の制
御)、その他の前述の機能を実行する本発明の手順を実
行できる(収集コンピュータ・システム1055内で実
施できる)汎用コンピュータ・システム1112の構成
要素が示されている。コンピュータ・システム1112
は、システム内で情報を伝達するアドレス/データ・バ
ス1100と、命令を実行し情報を処理するためにバス
1100に結合された中央演算処理装置1101と、中
央演算処理装置1101に関する情報および命令を記憶
するためにバス1100に結合されたランダム・アクセ
ス・メモリ1102と、プロセッサ1101に関する静
的情報および命令を記憶するためにバス1100に結合
された読取り専用メモリ1103と、画像情報および命
令を記憶するためにバス1100に結合された磁気ディ
スクまたは光学ディスクやディスク・ドライブなどのデ
ータ記憶装置1104と、コンピュータ・ユーザに情報
を表示するためにバス1100に結合された表示装置1
105(図1の装置1065のように外部装置であって
よい)と、選択された情報およびコマンドを中央演算処
理装置1101に伝達するためにバス1100に結合さ
れた英数字キーとファンクション・キーとを含む英数字
入力装置1106と、選択されたユーザ入力情報および
コマンドを中央演算処理装置1101に伝達するために
バスに結合されたカーソル制御装置1107と、選択さ
れたコマンドをプロセッサ1101に伝達するためにバ
ス1100に結合された信号生成装置(「通信装置」)
1108とを備える。ハードコピー装置1109(たと
えば、プリンタ)をバス1100に結合することもでき
る。
【0071】信号生成装置1108は、DEP300回
路との通信を行う高速通信ポートを含む。入力バス11
20は、バス1220および1222を介して各DEP
300から信号PA312、PD317、GE322、
X327、Y332、LE337などのデータ出力を受
け取る。バス1120はまた、回路310から出力され
た生データを(両方のDEPに関して)バス397を介
してプロセッサ1112に供給する。プロセッサ111
2からの出力は、各チャネルごとに微および粗基準オフ
セット電圧を制御する制御信号(たとえば、信号212
および214)、ならびに各チャネルごとにPMT利得
信号調整機構を制御する制御信号(220)である。プ
ロセッサ1112はトリガしきい値108も制御する。
このプロセッサ1112は、モード信号1252(図
4)の状態もSPECTとPETとの間で制御する。プ
ロセッサ1112は、両方の検出器80および80’に
関する妥当な累算間隔を設定するようにレジスタ133
0(図6)をプログラムするためにも使用される。バス
397を介してサンプリングされた生データおよびプロ
セッサ1112によって生成された信号は、本発明によ
ってリアルタイムに判定し調整することができる。
【0072】PET撮影モードでは、プロセッサ111
2は、同時に検出されたガンマ事象対に関するX値、Y
値、エネルギー値をまとめて記録する。この対は、位置
・電子相互作用からほぼ互いに逆の方向へ放射される2
本のガンマ光線に対応する、シンチレーション検出器8
0および80’上で検出される2つの点に対応する。こ
の同時情報は、PET走査に共通する画像生成手順で使
用される。一対の相互作用の同時データから、対象物を
含む所与の平面に投影される各事象の共通部分の線を求
めることができる。この2つの点から、軸入射角度およ
び三軸入射角度が算出され記録される。PET撮影で
は、他の数学的処理によって、判定すべき器官内の放射
性核種の三次元分布を完全にマップすることができる。
このような手順はPET技法においてよく知られてお
り、本明細書では論じない。
【0073】本発明のコンピュータ・システム1112
と共に使用される図11の表示装置1105(または図
1の表示装置1065)は、液晶装置でも、あるいは陰
極管でも、あるいはユーザが認識できるグラフィック画
像および英数字を作成するのに適したその他の表示装置
でもよい。カーソル制御装置1107によって、コンピ
ュータ・ユーザは、表示装置1105の表示画面上に可
視記号(ポインタ)の二次元移動を動的に伝えることが
できる。所与の変位方向または変位方法の移動を伝える
ことができるトラックボール、フィンガ・パッド、マウ
ス、ジョイスティック、英数字入力装置1105上の特
殊キーを含め、当技術分野では、カーソル制御装置の多
数の実施態様が知られている。キーボード1106、カ
ーソル制御装置1107、表示装置1105、ハードコ
ピー装置1109は、画像プロセッサ1060に関連す
るユーザ・インタフェースを構成する。
【0074】チャネル当たり双対積分 本発明は、高計数率を正確に処理し、パルス・パイルア
ップに関連する問題を効果的に軽減させるためにチャネ
ル当たりに複数の独立の積分器(たとえば、1PMT当
たりに2つ)を提供する。この機能は、PET撮影モー
ドの下での処理で特に助けとなる。1チャネル当たりに
2つの積分器を使用する特定の実施形態で説明するが、
本発明のシステムが、1チャネル当たりに2つよりも多
く(たとえば、3つ、4つ、5つなど)の積分器を包含
するように拡張できることが理解されよう。下記でさら
に詳しく論じるように、積分器を追加するごとに、直列
ラッチ回路内の追加段が必要となる。
【0075】図12は、(PET撮影モードとSPEC
T撮影モードのどちらかでの)2つの事象に関する時間
の経過に対する光強度応答(曲線440)を示す。光強
度応答は、時間定数Tを含む周知の減衰指数である。曲
線440で示したように、事象1が発生し、時間の経過
と共に減衰する。検出器80で使用される結晶81の特
性のために、5T時間間隔の終わりに、大部分の使用可
能な光強度が放射される。しかし、使用することができ
事象1を登録するのに十分な量のエネルギー(たとえ
ば、領域430に関連するエネルギー)を与える、5T
よりも小さいある時間値Rがある。従来技術のシステム
は、(たとえば、曲線435として示したように、5T
よりも前に第2の事象が発生する場合、)減少するこの
エネルギー量(領域430)を使用して、高計数率の周
期中の事象を登録しようとする。しかし、事象間の離隔
時間が5Tよりも小さな値に減少するにつれて、収集さ
れる事象エネルギーが次第に少なくなり、空間計算が次
第に不正確になるので、これは不利である。さらに、あ
る点(たとえば、Rよりも小さな値)で、2つの事象間
の離隔時間が過度に短くなり、どちらの事象も登録でき
なくなる。計数率が高いと、従来技術のシステムの空間
精度は著しく低減する。
【0076】一方、本発明は、アレイのすべてのPMT
に関して1チャネル当たりに2つの積分器が供給される
ために事象1と事象2の両方に関して(たとえば)5T
を超えるエネルギーを積分する機構を提供する。したが
って、一方の積分器は、応答440上の事象1に関する
光強度を5T継続時間(またはプログラム可能な他の継
続時間)にわたってサンプリングし積分することがで
き、他方の積分器は、応答435上の事象に関する光強
度をサンプリングし積分することができる。本発明は、
高計数率の周期中、時間的に近接して発生した2つの事
象を積分するうえで各事象をサンプリングする際、エネ
ルギー強度を犠牲にしない。さらに、2つの別々の積分
器を使用するので、本発明は離隔時間がRよりも短い場
合でも2つの事象を正確に登録することができる。した
がって、本発明は、従来技術よりも高い計数率でより高
い精度を与える。
【0077】次に、2つの独立の積分器を使用する本発
明の二重積分器実施形態について論じる。図6に関して
論じたように、所与のチャネルに関する回路280
(i)の積分回路は、それぞれ、独立のアキュムレータ
を有し、(mux241を介して)2段サンプル・アン
ド・ホールド回路(ラッチ242およびラッチ244)
に結合された2つの積分器238および240を含む。
各積分器は独立にトリガすることができ、それに関連す
るチャネル信号を、プログラム可能な周期にわたって別
々にかつ独立に積分する。トリガ信号は、バス130を
介して送られ、受け取られると、アイドル状態の積分器
のアキュムレータをリセットするように働く。レジスタ
1330(図6)によって維持されるプログラム可能な
積分間隔の終わりに、本発明は、ある事象に関して、第
2段(244)のデータをDEP300へ送り、第1段
242のデータを第2段へ移動し、完了した積分器のア
キュムレータのデータをホールド回路の第1段へ移動す
る。このように、2つの積分器は共に、それぞれの異な
る事象を同時にサンプリングすることができる。これら
の積分器はそれぞれ独立にトリガすることができ、プロ
グラム可能なサンプル周期の終わりに、アキュムレータ
がその結果を2段ホールド回路に記憶する。
【0078】検出器のエネルギー分散が、積分計算にお
いて重畳せず、あるいは干渉しないように、2つの積分
された事象が互いに十分に分離しているときに、上記の
手順は最も正確に動作する。たとえば、図14を参照す
ると、例示的なPMTアレイが示されている。PMT7
の上方で第1の事象が発生し、したがってPMTクラス
タ75がPMT1、8、20、19、36、18、7で
構成される。トリガ・パルスは(チャネルごとの)積分
器238をリセットし、積分器238はすべての55個
のチャネルでの第1の事象のエネルギーを積分する。こ
の第1の事象に関する積分が完了する前にPMT38の
上方で第2の事象が発生し、したがってPMTクラスタ
73がPMT38、37、22、23、39で構成され
る。(チャネルごとの)積分器240がリセットされ、
すべての55個のチャネルでの第2の事象に関連するエ
ネルギーを積分する。PMTクラスタ75とPMTクラ
スタ73が十分に分離しているので、チャネル1、8、
20、19、36、18、7を介した第2の事象に関連
するエネルギーの寄与は比較的小さく、第1の事象に関
する積分計算には干渉しない。同様に、チャネル38、
37、22、23、39を介した第1の事象に関連する
エネルギーの寄与は比較的小さく、第2の事象に関する
積分計算には干渉しない。
【0079】第1の事象に関する計算の終わりに、ラッ
チ244の積分チャネル信号データがDEP300に出
力され、所与の検出器では、ラッチ242の積分チャネ
ル信号がラッチ244に出力され、積分器238のアキ
ュムレータの値がラッチ242に出力される。第2の事
象に関する計算の終わりに、ラッチ244の積分チャネ
ル信号がDEPに出力され、ラッチ242の値がラッチ
244に出力され、積分器240のアキュムレータの値
がラッチ242に出力される。第1および第2の事象は
DEP300によって処理される。
【0080】図13は、1チャネル当たりに双対積分を
実行するために本発明によって実行されるプロセスをさ
らに詳しく示す。各検出器の各チャネルは、このプロセ
スを実行する。501で示したプロセスは、積分器Aの
プロセスを表すが、Bに関するプロセス(論理ブロック
516)が、”B”制御信号が使用されることを除いて
同じであることが理解されよう。図のように、このプロ
セスは、有効事象トリガ信号Start(t0)に応答
して510で開始する。次いで、CLRACCA制御信
号をアサートすることによってAアキュムレータがクリ
アされ(たとえば、積分器238)、512で、ENA
CCA制御信号をアサートすることによってこのアキュ
ムレータがイネーブルされ積分を行う。論理ブロック5
14でStart(t1)が検出された場合、論理ブロ
ック516で、積分器Bのプロセスが開始され、プロセ
ス501と同様に動作する。そうでない場合、論理ブロ
ック518で、Aに関するプログラム可能な継続時間の
積分が完了したかどうかが検査される。そうである場
合、プロセスが512に戻り、積分が継続する。
【0081】Aに関する積分がプログラム可能な間隔に
わたって完了すると、論理ブロック520で、MUX2
41に対する制御信号が積分器238からのデータを選
択する。論理ブロック522で、FIFO1(242)
が空であるかどうかが検査され、空である場合、論理ブ
ロック524で、このデータがFIFO1にラッチされ
る。論理ブロック526で、FIFO2(244)が空
である場合、論理ブロック528で、FIFO1からの
データがFIFO2にラッチされる。論理ブロック53
0で、FIFO2からディジタル事象プロセッサへのデ
ータ転送がすべてのチャネルで開始される。論理ブロッ
ク510から論理ブロック522までの周期中、A積分
器はビジー状態である。当然のことながら、有効事象ト
リガ信号は1つしかなく、その信号は、他のトリガ信号
との一時的な関係によってStart(t0)またはS
tart(t1)として分類される。Aビジー周期中
に、トリガ信号によってBプロセスが開始する。任意の
時点で、プログラム可能な積分周期をレジスタ1330
(図6)にロードすることができるが、レジスタ133
0は通常、撮影セッションが開始される前にロードさ
れ、セッション中には変更されない。
【0082】可変PMTクラスタ構成 前述のように、本発明のPMTアドレス・テーブル回路
335は、(回路320から供給された)所与の事象に
関するピークPMTに基づき、かつバス357を介して
カウンタ390から供給された計数値に基づいてその事
象に関するPMTクラスタを構成するPMT群のアドレ
スを提供する参照テーブルを含む。事象の空間座標値に
到達するために、PMTクラスタに基づいて(セントロ
イド計算を使用して)セントロイドが算出される。この
ように、本発明のPMTクラスタ構成は各ピークPMT
ごとに異なる。本発明によれば、検出器アレイの各PM
Tには、形成されたPMTクラスタのタイプを記述する
タイプ登録または分類も関連付けられる。
【0083】PET撮影中には高計数率が経験されるの
で、本発明は、コンピュータ・システム1112を介し
て一般に、PMTクラスタの寸法が1クラスタ当たり7
つ以下のPMTになるように制御するが、SPECTモ
ードでは、通常のPMTクラスタ寸法に、1クラスタ当
たり19個のPMTなど多数のPMTを含めることがで
きる。1クラスタ当たりのPMTの正確な数は重要では
ないが、本発明では、PETモードで動作する際にクラ
スタ寸法を有利に低減させることができ、これに対し
て、SPECTモードではPMTクラスタ寸法が増大さ
れる。したがって、PET撮影動作モードの初期設定時
には、システム1112は自動的に、1クラスタ当たり
PMT数として小さな数を選択して使用するように本発
明のプログラミングを制御し、これに対してSPECT
撮影動作モードの初期設定時には、システム1112は
自動的に、1クラスタ当たりPMT数として大きな数を
選択し使用するように本発明のプログラミングを制御す
る。具体的には、コンピュータ・システム1112は、
PET撮影モードとSPECT撮影モードのどちらかの
下で初期設定を行うために、妥当なPMTクラスタ寸法
が得られるように所定のPMTクラスタ・テーブル(図
15)を回路335にロードする。事前に定義されたテ
ーブル(PET用の1つのテーブルおよびSPECT用
の1つのテーブル)を、たとえば回路335にダウンロ
ードする前に装置1102、または1103、または1
104に記憶することができる。
【0084】可変クラスタ形状に関して、本発明は、
1)通常、2)長エッジ、3)短エッジ、4)コーナー
の4つの異なる種類の例示的なPMTクラスタを提供す
る。通常PMTクラスタでは、PMTクラスタが両方の
軸の周りでほぼ対称的になるように、PMTアレイの領
域内に他のPMTで囲むことができるピークPMTが配
置される。そのようなPMTクラスタは図14にPMT
クラスタ75として示されており、この場合、PMT7
が外側PMTで囲まれたピークPMTとして示されてい
る。ピークPMTを判定すると、事象に関する粗空間位
置が与えられ、本発明のPMTアドレス・テーブル33
5は、事象のこの粗位置を使用して、その空間位置に関
するPMTクラスタ構成を判定することができ、その結
果、DEP300のセントロイド計算を介して微空間位
置を与えることができる。
【0085】2つのPMTクラスタ・タイプ(長エッジ
および短エッジ)は、検出器PMTアレイのエッジに位
置するピークPMTを有するPMTクラスタに対応す
る。エッジPMTクラスタは、一方の軸の周りでは対称
的ではない。本発明のPMTアレイは長方形であり、長
エッジと短エッジとを含み、ピークPMTのエッジ位置
によって区画されるPMTクラスタは、このエッジ位置
に応じて、長エッジPMTクラスタまたは短エッジPM
Tクラスタとすることができる。これらのタイプのPM
Tクラスタは、長エッジでの光分布と短エッジでの光分
布が異なるために異なる。エッジ・タイプPMTクラス
タが、ピークPMTとしてPMT38を有するPMTク
ラスタ73として図14に示されている。本発明の第4
のPMTクラスタ・タイプは、コーナーPMTクラスタ
であり、この種のPMTは、ピークPMT46を有する
図14のPMTクラスタ71などのようにPMTアレイ
のコーナー・タイプに位置する。このPMTクラスタ・
タイプはどちらの軸の周りでも対称的ではない。当然の
ことながら、前述のPMTクラスタ・タイプは例示的な
ものであり、使用されるPMTアレイの特定の形状およ
び検出器ヘッドの形状に応じて本発明の範囲内で他の多
数のPMTクラスタ・タイプを使用することができる。
【0086】当然のことながら、所与のピークPMTア
ドレスでは、空間計算の選択された解像度に応じてPM
Tクラスタに関するタイプ値を変更することができる。
たとえば、同じピークPMTを有する高解像度での通常
タイプPMTクラスタは、同じピークPMTの場合に低
解像度で生成されるPMTクラスタとは異なるものでよ
い(後者はエッジ・タイプ・クラスタでよい)。これが
そうであるのは、少なくともSPECTモードでは、P
MTクラスタを完成するのに必要なPMTが、低解像度
クラスタでは7つであるが、高解像度ではこれよりも多
く(たとえば、17個または19個)、この追加PMT
がPMTアレイのエッジを越える可能性があるからであ
る。
【0087】PMTクラスタ・タイプが、空間計算で特
定のPMTクラスタの特定のPMTに割り当てられるx
加重およびy加重に影響を及ぼすので、タイプ・フィー
ルドは重要である。たとえば、一方の軸の周りで対称的
なPMTクラスタ・タイプ(たとえば、エッジ・タイ
プ)は、対称的ではない軸に沿って位置するPMTクラ
スタのPMTに割り当てられる修正された加重値を有す
る。たとえば、図8を参照すると、通常PMTクラスタ
・タイプに基づく空間計算が示されている。空間座標
は、PMTクラスタの各PMTごとに、PMTの加重に
PMTの積分チャネル信号を乗じた値に基づく和の平均
から算出される。PMTに関する加重値は、PMTクラ
スタが対称的ではない軸に沿った空間座標の計算におい
て調整しなければならない。図8を参照する。PMT0
がエッジに沿って配置されたため、PMT2および3が
使用できないと仮定する。この結果得られるPMTクラ
スタは、PMT0、1、6、5、4で構成され、X軸の
周りでは対称的ではない。X軸座標の座標計算では、右
側のPMT(たとえば、PMT2および3)が欠落して
いるので、平均計算が左側へスキューまたはシフトされ
る。したがって、結果的に得られるPMTクラスタのP
MTの加重値を低減させて左側へのスキューを補償しな
ければならない。コーナーPMTクラスタにも同じこと
が当てはまるが、コーナーPMTクラスタはX軸に対し
ても、Y軸に対しても対称的ではないので、両方の座標
の計算で加重値を調整しなければならない。
【0088】PMTクラスタ・タイプ・フィールドに基
づくPMTの加重調整は、加重回路345によって行わ
れる。この加重調整について下記で詳しく説明する。
【0089】図15を参照すると、SPECTモードま
たはPETモードで低解像度を選択した場合のPMTア
ドレス・テーブル回路335のフォーマットを示す。P
MTアドレス・テーブル回路335は、ピークPMTア
ドレス値によってアドレスされ、カウント値(この場合
は、零ないしnとして示される)によってもアドレスさ
れる。回路335は、検出器アレイの55個のPMTの
それぞれに関する項目を含む。各ピークPMTごとに、
回路335はPMTクラスタ・タイプ値およびPMTク
ラスタのPMTアドレスを出力する。回路335の出力
は、(1)PMTクラスタ・タイプ値と、(2)ピーク
PMTアドレスによって画定されるPMTクラスタのP
MTのPMTアドレス(「PMTリスト」)である。P
MTクラスタはプログラム可能であり、寸法およびPM
T番号が可変であるので、PMTリストの終わりに「停
止」インディケータが配置される(あるいは、最後のP
MTアドレス項目の一部として含まれる)。例示的なデ
ータが図15に示されており、図14に示したPMTク
ラスタに対応する。図15に示した第1の項目は図14
のPMTクラスタ74に関係するものであり、PMT7
はピークPMTであり、PMTクラスタは、PMT1、
8、20、19、36、18を有する通常タイプであ
る。図15の項目38は、図14のPMTクラスタ73
に関係するものであり、エッジ・タイプPMTクラスタ
である。図15の項目46は、図14のPMTクラスタ
71に関係するものであり、コーナーPMTクラスタで
ある。
【0090】各ピークPMTごとのPMTクラスタを形
成するために使用されるメモリ回路335に記憶されて
いるデータはプログラム可能であり、撮影モードの初期
設定時またはSPECT/PET切替時にコンピュータ
・システム1112からダウンロードすることができ
る。そのような実施形態では、それぞれの異なる構成の
ためにそれぞれの異なるデータセットをメモリ回路33
5にロードすることができる。別法として、静的ROM
メモリを使用して回路335を実施することができる。
一実施形態では、一方がPET用であり、一方がSPE
CT撮影用である2つの別々のPMTクラスタ・テーブ
ル(図15)を回路335にロードすることができ、選
択したモード(回線1252)が、PETモード用のテ
ーブルとSPECTモード用のテーブルのどちらかを選
択できるように回路335へ送られる。
【0091】本発明のシーケンス・カウンタ390は、
クロック信号に基づいて、バス367を介してカウント
・フィールドを(一度に1つずつ)提供し、このカウン
ト値がピークPMTアドレスと共に回路335にアドレ
スし、図15に示したように、PMTクラスタの(1)
PMTクラスタ・タイプおよび(2)PMTアドレスが
出力される。
【0092】本発明のPMTアドレス・テーブル335
は、ガンマ・カメラの所望の解像度(または計数率)ま
たはカメラの動作モード(たとえば、PETまたはSP
ECT)に応じて、各PMTクラスタ・タイプごとのそ
れぞれの異なる寸法のPMTクラスタを出力する。たと
えば、高解像度空間判定が必要であり、あるいはSPE
CT撮影が実行されており、あるいは低計数率が予想さ
れる場合、PMTクラスタの寸法は、通常PMTクラス
タの場合、17ないし19個のPMT(低解像度での通
常クラスタ・タイプの場合は7つ)を含むように増大さ
れる。前述のように、PET撮影が必要である場合、最
小限のパイルアップで高計数率が可能になるように1ク
ラスタ当たり7つのPMTが供給される。エッジPMT
クラスタおよびコーナーPMTクラスタの数はこれに応
じて増加される。したがって、本発明の代替実施形態で
は、PMTアドレス・テーブル335が、低解像度また
は高解像度を示す追加信号を受け取り、この信号がテー
ブル335にアドレスし、必要な解像度に基づいて妥当
なセントロイド計算情報を供給する。別法として、テー
ブル335全体に異なるデータセットを再ロードし、S
PECTモードの解像度を変更することができる。
【0093】図15のPMTアドレス・テーブルの設計
が与えられた場合、PMTクラスタの完成を示す停止イ
ンディケータが容易に調整されるので、所与のPMTク
ラスタのPMTの数を容易に増加させることができる。
さらに、前述のように、特定のピークPMTアドレスに
対応するPMTクラスタ・タイプを、低解像度設定から
高解像度設定に変更し、あるいはPET撮影モードまた
はSPECT撮影モード向けに変更することができる。
【0094】PMT当たり可変PMT加重 本発明によれば、加重テーブル回路345は、共に、P
MTアドレス・テーブル335によって生成される、P
MTアドレスおよびPMTクラスタ・タイプ情報に基づ
いてPMTクラスタの各PMTのx座標加重およびy座
標加重を出力する。図16は、本発明の加重テーブル回
路345を示す。PMTが含まれているPMTクラスタ
のタイプ(たとえば、通常タイプ、または長エッジ・タ
イプ、または短エッジ・タイプ、またはコーナー・タイ
プ、またはその他のタイプ)に応じて、回路345から
出力される、PMTに関するx座標加重およびy加重座
標は異なる。本発明は、各PMTアドレス(たとえば、
PMT0ないしPMT54)ごとに、PMTクラスタ・
タイプごとに異なる各座標計算(たとえば、WxとW
y)用のプログラム可能な別々の加重値を提供する。値
Wxはバス362を介して出力され、値Wyはバス35
7を介して出力される。後述のように、ピークPMTを
判定すると、事象に関する粗空間位置が与えられ、本発
明の加重テーブル345は事象のこの粗位置を使用し
て、PMTクラスタのPMTに割り当てるべき妥当な加
重値を求めることができる。微空間位置は、DEPのセ
ントロイド計算を介して算出される。このように、バス
372上のPMTアドレス値信号およびバス377上の
タイプ信号は回路345にアドレスする。
【0095】ある種のPMTクラスタは所与の軸の周り
では対称的ではなく、たとえばエッジ・タイプPMTク
ラスタの場合はX軸またはY軸の周りでは対称的ではな
いので、座標計算を平衡させるためにれらの軸に関連す
る加重値が調整または変更される。これは、対称計算を
行ううえで使用できない(一方の軸の)欠落しているP
MTを補償するために本発明によって行われる。コーナ
ーPMTクラスタの場合、両方の軸に関連する加重値
が、対称計算を行うために必要な(両方の軸の)欠落し
ているPMTを補償するように調整される。通常、加重
値は、前述の平衡を実行するためにある種のPMTでは
減少される。本発明の値加重テーブル345は、ある位
置での既知の事象に基づいて経験的に開発することもで
きる。
【0096】さらに、結晶境界、光学インタフェース、
PMT光電陰極特性など他の因子により、事象の位置に
応じてPMT寄与が異なるものになることがある。ピー
クPMTアドレスは事象の粗位置のある種の表示を与え
るので、加重テーブル345は可変加重を与えることに
よって前述の因子を補償することができる。
【0097】したがって、本発明は、PMTが位置する
PMTクラスタ・タイプに応じて、所与のPMTに関す
る加重値を調整または変更する能力を提供する。ピーク
PMTの位置に応じて、セントロイド計算で使用される
PMTに関する加重値を変更することができる。本発明
内ではピークPMTアドレスがPMTクラスタ・タイプ
を定義するので、このような加重値はピークPMTアド
レスにも依存する。ピークPMT位置に基づいてそれぞ
れの異なる加重因子を割り当てる能力によって、セント
ロイド計算の精度を高めることができ、補正処理ステッ
プに対する要件が低減される。これによって、検出器8
0は、結晶の寸法を増加させずにより大きな視野を有す
ることができる。
【0098】各PMTごとに可変加重を与えるために使
用される図16のメモリ回路345に記憶されているデ
ータは、プログラム可能であり、コンピュータ・システ
ム1112からダウンロードすることができる。そのよ
うな実施形態では、それぞれの異なる構成のためにそれ
ぞれの異なるデータセットをメモリ回路345にロード
することができる。別法として、回路345は静的RO
Mメモリを使用して実施することができる。
【0099】動作時には、カウンタ390が順次、計数
を行うので、PMTアドレス・テーブル335はPMT
クラスタ内のPMTアドレスの順次リストを出力する。
バス377によって生成されたタイプ信号はメモリ34
5のMSBにアドレスし、PMTアドレスはLSBであ
る。バス372を介して各PMTが生成されるたびに、
メモリ回路345は、バス372を介して出力された現
PMTに関連するX加重値およびY加重値を(バス35
7および362を介して)生成する。この情報は、ガン
マ事象の空間座標を算出するためにセントロイド計算回
路へ送られる。
【0100】オートゲイン補正 下記で詳しく論じるように、本発明のオートゲイン較正
は、(1)初期構成および(2)定期較正の2つの相を
含む。この定期較正は、コリメータを設置した状態で行
うことも、あるいはコリメータを取り外した状態で行う
こともできる。PET撮影モードはコリメータを必要と
しないので、オートゲイン補正は、コリメータに関連し
て使用されるかぎり、SPECT撮影動作モードにしか
適用できない。
【0101】本発明は、定期利得較正相中にコリメータ
を取り外さずに各PMTチャネルごとの利得を自動的に
較正する手順を提供する。これは、少なくとも、利得較
正を品質管理周期中に、コリメータを取り外さずに、シ
ート源(たとえばCo−57)を撮影しながら行い、し
たがって時間および労力を節約することができるので有
益である。さらに、コリメータの取り外しは労力および
時間のかかる手順なので、本発明の自動利得較正は効率
的な利得補正機構を提供する。コンピュータ・システム
1112は、粗利得値および微利得値を使用することに
よって各PMTごとの前置増幅利得(Gp)を調整す
る。粗利得調整は、DACによってアナログ信号に変換
され、各チャネル(i)ごとの前置増幅回路(280
(i))の入力220に適用されるディジタル利得値を
生成することによって行われる。微利得調整は、参照テ
ーブルとしての較正テーブル315で実施される。コン
ピュータ・システム1112は、各チャネルごとに粗利
得と微利得(Gp)の両方の現値を記憶する。コンピュ
ータ・システム1112は、下記で詳しく論じるように
自動利得調整手順も実行する。
【0102】各PMTチャネルに関連する有効利得は2
つの別々の成分を有する。第1の成分は個別のPMT自
体に関連する物理利得(Gt)であり、この利得はPM
Tの物理特性によって確立される。第2の成分は対応す
る前置増幅利得(Gp)である。知られているように、
PMT物理利得Gtは時間の経過と共に変動し、かつ長
期間(たとえば、数時間または数日)にわたって変動す
る。Gtがこのように変動するため問題が生じるが、本
発明は、Gtの変動を補償するように各PMTチャネル
に関連するGp利得を個別に調整して各PMTチャネル
ごとの安定(固定有効利得)を得ることによってこの問
題を解決する。
【0103】前置増幅Gpは2つの成分を有する。各チ
ャネルごとに、前置利得Gpの第1の成分は、各チャネ
ルごとの前置増幅段280(i)内の出力チャネル信号
に印加される利得である(たとえば、粗調整)。この成
分は入力220を介して利得回路222に印加される。
前置増幅利得Gpの第2の成分(たとえば、微調整)は
較正テーブル315から供給される。特定のチャネルの
利得の変動がある小さな割合(たとえば、5%)以下で
ある場合、そのチャネルに関する較正テーブル内の利得
値が変更され、そのチャネル用の前置増幅段には利得は
印加されない。
【0104】有効利得Gt*Gp は、時間が経過しても
一定のままであり、顕著なエネルギーを有する特定の放
射性核種発光光子の同じ出力信号を生成する。各PMT
チャネルの固定利得によって、カメラのエネルギー補正
因子、線形性補正因子、一様性補正因子の必要な再較正
間の時間を延長する安定なx、y座標および総エネルギ
ー値が与えられる。本発明のオートゲイン較正の他の利
点は、カメラが最初に構成され、一様性補正因子が生成
されたときの状態にカメラ自体が戻ることである。
【0105】このことに鑑み、利得GtはPMTの物理
特性のために変動するので、本発明は、各チャネルから
のデータに印加される、コンピュータが制御するGp利
得値を変更することによってこの変動を補償する。この
ように、本発明の自動利得補正手順は、各チャネルごと
に結果的に得られる利得(たとえば、Gt*Gp )を一
定の値に維持する。この一定量の実値は、製造時に求
め、あるいは測定することも、あるいはシンチレーショ
ン検出器の設置・操作現場で求め、あるいは測定するこ
ともできる。エネルギー補正、線形性補正、一様性補正
はアレイの各較正済み光電子増倍管チャネルの一定の利
得に基づくものなので、PMTチャネルの利得が、エネ
ルギー補正因子、線形性補正因子、一様性補正因子を較
正したときの利得に一致するように密に較正されるよう
に、ガンマ・カメラ・システムの動作サイクル全体にわ
たってこの較正を維持すると有利である。
【0106】中央PMTおよび隠れたPMT。 図17
は、本発明の例示的なPMTアレイと、PMTアレイの
前方に位置決めされたコリメータ83を示す。コリメー
タ83は、鉛隔膜を備えた、蜂の巣状の穴で構成された
内側領域615を含む。特定の入射角度の放射がこの穴
を通過することができる。コリメータ83は、くつかの
エッジPMTおよびコーナーPMTの一部又は全体を覆
う鉛の第2の領域(エッジ領域)83も含む。表面全体
が領域615の下にあるPMTは(中央に位置する)中
央PMTであり、表面の一部が領域610の下方にある
PMTは隠れたPMTと呼ばれる。本発明は、定期較正
手順時にコリメータを設置したままで(隠れたPMTを
含め)アレイの各PMTの利得因子を較正する自動手順
および装置を提供する。PET撮影は、コリメータを使
用しないので、隠れたPMTは使用しない。
【0107】各PMTは、PMT表面のすぐ上で領域5
70に関連付けられる。たとえば、(図17中の)PM
T24の領域570を参照されたい。1つの領域570
しか示していないが、図17の各PMTが、その個別の
表面の上方に位置する関連する領域570を有すること
が了解されよう。領域570の実際の形状および寸法は
変更することができる(たとえば、円形でも、正方形で
も、六角形でもよい)。本発明の好ましい実施形態で
は、この領域570は円形であり、所与のPMTの上方
のほぼすべての領域をカバーする。この中央領域570
は、コリメータを取り外したときには(較正テーブルの
調整を含め)各PMTの前置増幅利得を較正し、コリメ
ータを設置してあるときには中央に位置する各PMTの
前置増幅利得を較正するために使用される。(いくつか
のPMTは、NaI結晶層の上方に部分的にのみ位置す
ることができ、したがって受け取る光がより少ない。)
【0108】ストリップ領域910。 図18は、シン
チレーション検出器の隠れたPMTに関する利得較正を
実行するために(それぞれ、隠れたPMTに関連する)
特殊領域910を含む。図18は、(コリメータを設置
したときに)コリメータの鉛領域610によって隠され
た隠れた2つのPMT39および40と、コリメータ
が、放射を通過させる穴からなる領域615の内側の中
央に位置するPMT群(0ないし6)を示す。領域91
0またはストリップ領域は、隠れたPMT39に関連付
けられているが、シンチレーション検出器の隠れた各P
MTにも別々のストリップ領域910が関連付けられ
る。図18は、隠れたPMT39に関連するそのような
1つのストリップ領域910のみを示す。この領域91
0は、様々な異なる形状のものでよく、好ましい実施形
態では半環状であり、弧状に延び、対応する隠れたPM
T39の中心からほぼ等しい距離に位置する領域を囲
む。
【0109】当然のことながら、このストリップ領域9
10は本発明との矛盾なしで寸法および形状を変更する
こができる。しかし、本発明の好ましい実施形態では、
この領域910は、関連するPMTの中心からほぼ等し
い距離の位置で延びるように配置され、一般に、図18
に示した薄い形状を使用する。ストリップ910の他の
要件は、(完全ではないとしても)ほぼ、ガンマ光線を
通過させるコリメータの領域615内で延びることであ
る。
【0110】シンチレーション検出器上にコリメータが
設置されているときは、コリメータのエッジが存在する
ために領域610の下方ではガンマ事象が検出されない
ので、本発明は、領域570など、隠れたPMTの表面
のすぐ上に位置する領域を使用して、隠れたPMT自体
上で利得較正を実行することはできない。したがって、
本発明は、隠れた各PMTに関連する露出されたストリ
ップ領域910内で検出されたガンマ事象に関連する情
報を記録することによって隠れたPMTに対する利得較
正を実行する。一般に、本発明は、初期較正時にサンプ
ル間隔にわたってストリップ領域910内で発生したす
べてのガンマ事象に応答して、関連するPMT、たとえ
ばPMT39の積分チャネル応答を測定する。この情報
は、隠れたPMT39の利得を調整するのに使用する。
【0111】PMTクラスタのPMTは、PMTのガン
マ相互作用との空間関係に応じて、ガンマ相互作用に応
答してそれぞれの異なるエネルギー量を検出する。図1
9を参照すると、例示的かつ典型的なPMTクラスタ5
53が示されている。所与のガンマ相互作用(たとえ
ば、140keV)では、約4000個の別々の3eV
可視シンチレーション光子が結晶81から放射され、そ
のうちの50%しか検出されない。PMTの寸法に応じ
て、ガンマ相互作用が領域570の中央内で発生した場
合、中央PMTは、検出された光エネルギーの約45%
を収集し、報告する。隣接する周りの6つのPMTはそ
れぞれ、検出されたエネルギーの約8%を収集する。中
央PMTの領域570の中央付近でいくつかのガンマ事
象が検出された場合、中央PMTは約1000個の3e
V光子に比例する積分出力電圧を生成するはずである。
570内でガンマ事象が発生した場合、隣接する周りの
PMTはそれぞれ、160個の3eV光子に比例する積
分平均電圧を出力するはずである。
【0112】図20、図21、図22を参照すると、シ
ンチレーション検出器の各チャネルごとの前置増幅利得
Gpの自動利得較正/調整(たとえば、回路280
(i)に関連する調整および較正テーブル315内の調
整)を実行する本発明のコンピュータ・システム111
2によって実行される処理ステップが示されている。
【0113】図20は、シンチレーション検出器の初期
較正または最初の較正を実行するために使用され、通常
はエネルギー、線形性、一様性の較正の前に実行される
本発明の処理フロー950を示す。エネルギー、線形
性、一様性の較正は、製造現場で行うことも、あるいは
カメラ・システムの操作現場で行うこともできる。これ
は、患者を実際に撮影する前に行われる。図のように、
ステップ957で、シンチレーション検出器からコリメ
ータ(存在する場合)を取り外し、既知のエネルギー・
ガンマ放射の一様なフラッド・フィールドを光電子増倍
管アレイに放射する(たとえば、既知の同位体を使用す
る)。(各PMTごとの)図19の領域570内で検出
されたすべての事象に関して、事象の総エネルギーが、
個別にメモリ1102に記録され、各PMTごとに、そ
のPMTの上方で検出された事象のみの分布が形成され
るように適当なPMTに関連付けられる。メモリ110
2は、所与のPMTに関して領域570内で検出された
ガンマ事象の総エネルギーの分布にその所与のPMTを
関連付けるマトリックス形で情報を記憶する。論理ブロ
ック957で、コンピュータ・システムによって各PM
Tごとに、この分布の測定ピーク総エネルギー値が求め
られる。
【0114】既知の同位体が使用されるので、その総エ
ネルギーが分かる(たとえば、公称総エネルギー・ピー
ク)。各PMTごとの論理ブロック959で、論理ブロ
ック957でシンチレーション検出器によって報告され
た測定総エネルギー・ピーク値が本発明によって、この
同位体に関連する既知の(「公称」)総エネルギー・ピ
ーク値と比較される。次いで図20の論理ブロック96
1内で、測定総エネルギー・ピーク値が既知の総エネル
ギー・ピーク値または公称総エネルギー・ピーク値に一
致するように各PMTチャネルごとの利得が調整され
る。
【0115】たとえば、フラッド・フィールドの各ガン
マ事象に応答してシンチレーション検出器によって検出
されるエネルギーが分かっているので(たとえばX)、
算出され、かつすべてのPMTに関連付けられたピーク
・エネルギーが既知の値(X)と比較され、それに応じ
て、測定値と公称値が等しくなるようにPMTの利得
(Gp)が増減される。当然のことながら、論理ブロッ
ク961で、前置増幅回路280(i)に関連する利得
値と較正テーブル315に関連する利得が共に調整され
る。前置増幅回路に関連する利得値は粗利得であり、較
正テーブル315の利得値は微調整値である。論理ブロ
ック961で、利得値はまた、各PMTチャネルごとの
前置増幅チャネルおよび較正テーブル315に印加され
る。
【0116】図19を参照すると、PMT0、2、1
0、11、12、4、3(中央)のPMTクラスタが示
されている。(論理ブロック957で)PMT3の領域
570内で発生した事象の総エネルギーが、いくつかの
事象にわたって記録され記憶され、エネルギー分布から
測定ピーク・エネルギー値が判定される。PMT3の領
域570内で事象が発生した場合、PMT3が固有に
(PMTクラスタの)中央PMTになる。したがって、
中央PMTが、検出器によって検出された光エネルギー
(X)の約45%を検出することが予想される。(領域
570で)検出された事象の総エネルギーが、Xの予想
値よりも5%高い場合、(論理ブロック961で)中央
PMT3の利得Gpが約10%だけ低減される。という
のは、10%の調整の約45%が同様に、検出された5
%の偏差を補償するからである。これは、PMTアレイ
の55個のPMTのそれぞれに対して実行される。
【0117】しかし、前述の利得(Gp)補正では、周
辺PMTの寄与が無視される。1つまたは複数の周辺P
MT(たとえば、0、または2、または10、または1
1、または12、または4)が逸脱利得を有し、その逸
脱利得がPMT3の570内で検出された事象に対して
5%のエネルギー偏差をもたらすことがある。そうであ
る場合、PMT3の利得(Gp)に対する前述の補正は
誤りになる可能性がある。したがって、本発明は論理ブ
ロック963で、調整が不正確になる可能性に配慮する
ために、前述の較正/調整を55個のPMTのそれぞれ
に対して反復手順で数回にわたって(たとえば、10回
ないし20回であるが、この数はプログラム可能であ
る)実行する。この反復手順に基づいて、各PMTが最
終的に各反復ごとに中央PMTとして調整されるので、
不正確な利得調整の影響が著しく低減される。最後の反
復の処理の終わりに、ステップ965で、各PMTに割
り当てられた最終前置利得(Gp)がメモリ1102
(またはその他の記憶装置)に記録される。各利得値
は、そのPMTに関連付けて記憶される。
【0118】図20を参照すると分かるように、次いで
論理ブロック967に入る。コリメータを検出器から取
り外したままで、PMTアレイに再び、同じフラッド・
フィールドを照射する。「隠れた」各PMT(たとえ
ば、論理ブロック960では隠されないが、その後コリ
メータを設置したときに隠されるPMT)ごとに、コリ
メータ(設置したとき)の開放領域615を囲む検出器
の視野内へ延びる領域910が画定される。「隠れた」
各PMTごとに、論理ブロック967で、領域910内
で発生した各ガンマ相互作用がコンピュータ・システム
1112によって記録される。次いで、その「隠れた」
PMTに関する積分チャネル出力がメモリ1102に記
録され、エネルギー分布が形成され、次いで論理ブロッ
ク969で、ピーク・エネルギー値が求められる。好ま
しい実施形態では、「隠れた」PMTは、それに関連す
る領域910内で発生するすべてのガンマ事象に関する
定義された周辺PMTであり、したがって「隠れた」P
MTは総事象エネルギーの一部Cを受け取ることが予想
される(Cは10%未満である)。図18の例では、こ
れは、検出器によって報告された値X(それぞれ3eV
の2000個の光子)の一部Cを表す。論理ブロック9
60で「隠れた」PMTに関して検出された測定ピーク
積分チャネル信号は大ざっぱに言って、Xの一部、また
はC*X を記録するはずである。
【0119】たとえば、(図18参照)PMT39に関
連する領域910内で発生したすべての事象に関して、
メモリ1102に分布が形成されるまで、PMT39に
関連する積分チャネル信号出力が記録される。これは、
いくつかのガンマ相互作用(たとえば、500個である
が、この数はプログラム可能である)にわたって(関連
するストリップ領域910に対して)隠れた各PMTに
対して実行される。次いで、隠れた各PMTごとの積分
チャネル信号の分布のピークPMT信号が、メモリ11
02、またはそのPMTに関連する他の記憶装置に記録
される。次いで、論理ブロック950の処理がリターン
する。
【0120】プロセス950の完了時に、本発明は、各
PMTの上方で発生した事象に従ってアレイの各PMT
管を較正し、この利得値をメモリに記録する。プロセス
950では、隠れたPMTの個別のストリップ領域91
0と共に検出された事象に応答して隠れた各PMTに関
するピーク積分チャネル信号も記録される。
【0121】図21を参照すると、コリメータを取り外
したときの本発明の自動利得補正の定期較正プロセス9
70が示されている。定期較正970は、シンチレーシ
ョン検出器の較正用の現場で、コリメータが取り外され
ている間に実行することができる。論理ブロック971
ないし979の処理は、図20の処理タスク957ない
し965に類似している。したがって、図21の論理ブ
ロック979で、補正済み利得値がメモリ1102に記
憶され、各チャネルごとの前置増幅段280(i)およ
び較正テーブル315内で実施される。コリメータが取
り外されているので、実際の隠れたPMTはない。
【0122】図22を参照すると、コリメータが設置さ
れたときの本発明の自動利得補正の定期較正プロセス9
80が示されている。定期較正980は、コリメータが
設置されている間にシンチレーション検出器の較正用の
現場で行うことができる。論理ブロック981で、コリ
メータの前方に一様なフラッド・フィールド源を配置す
る。PMTアレイの上方で相互作用が発生し、各中央P
MT(たとえば、隠れていないPMT)の中央領域(5
70)の上方で検出された事象の総エネルギーがメモリ
1102に記憶され、そのPMTに関連付けられる。各
中央PMTごとに分布が記録され、各中央PMTごとに
測定総エネルギー・ピーク値が求められる。論理ブロッ
ク981は、その処理が中央PMTにしか適用されない
ことを除いて論理ブロック957に類似している。コリ
メータが存在しても、中央に位置するPMTがコリメー
タの開放セクション615の下方にあるので、このプロ
セスは干渉を受けない。
【0123】論理ブロック983で、本発明は、隠れた
各PMTごとに、その隠れたPMTの関連するストリッ
プ領域910内で発生したガンマ事象に関してのみ、隠
れたPMTからの積分チャネル信号を記録する。隠れた
各PMTチャネルごとに積分チャネル信号の別々の分布
が記録され、メモリ1102(またはその他の記憶装
置)に記憶される。前述のように、隠れたPMTに関連
するストリップ領域910は、コリメータの中央部分に
位置合わせされる。論理ブロック983の処理は、コリ
メータが設置されたままであることを除いて論理ブロッ
ク967に類似している。当然のことながら、プロセス
980の論理ブロック981と論理ブロック983は同
時に実行することができる。
【0124】図22の論理ブロック985で、論理ブロ
ック981から報告された中央(たとえば、隠れていな
い)PMTの測量総エネルギー・ピーク値が、各中央P
MTチャネルごとの既知の(公称)総エネルギー・ピー
ク値と比較される。それに応じて、各中央PMTごとの
利得値が調整される。論理ブロック985の処理は、各
中央PMTが論理ブロック985で処理されることを除
いて、論理ブロック959の処理に類似している。中央
PMTに関する算出された新しい利得値はメモリ110
2(または同様な記憶装置)に記憶される。
【0125】論理ブロック987で、本発明は、隠れた
各PMTチャネルごとに、(論理ブロック983内で測
量された)測定スペクトル・ピーク値と、(論理ブロッ
ク969によって記憶された)隠れたPMTチャネルに
関連する記憶されているピーク値を比較する。論理ブロ
ック987で、本発明は、隠れた各PMTごとの記憶さ
れている値に測定値が一致するように(現利得を増減さ
せることによって)隠れた各PMTごとの新しい値を算
出する。これは、直接的な比計算によって行うことがで
きる(たとえば、論理ブロック983から報告された測
定スペクトル・ピーク値が、論理ブロック969の記憶
された値よりも10%だけ大きい場合、その隠れたPM
Tに関する現利得が10%だけ低減される)。次いで論
理ブロック987で、隠れた各値ごとの新たに算出され
た利得がメモリ1102(または同様な記憶装置)に記
憶される。
【0126】図22の論理ブロック989で、本発明は
(1)論理ブロック985で算出した中央PMT、およ
び(2)論理ブロック987で算出した隠れたPMTの
新たに算出した利得を、各チャネルごとの適当な前置増
幅回路280(i)および較正テーブル315内の適当
な位置に印加する。前置増幅回路は粗利得制御機構を含
み、これに対して、較正テーブル315は微利得制御機
構を提供する。論理ブロック991で、本発明は、この
処理を反復的に数回(プログラム可能な数)にわたって
実行し較正および調整を向上させる。処理は、実行され
ると、論理ブロック993へ流れ、各チャネル(中央P
MTおよび隠れたPMT)ごとの新たに調整された利得
値がメモリ1102(または他の記憶装置)に記憶され
る。
【0127】プロセス970および980は、カメラ・
システムによって任意の時に実行することができる。ガ
ンマ・カメラ・システムの撮影セッションの前にプロセ
ス980を実行することによって、PMTの応答が工場
で較正されたときとほぼ同じままになるようにPMTア
レイの前置増幅利得が自動的に較正される。これによっ
て、シンチレーション検出器は、エネルギー補正値、線
形性補正値、一様性補正値が生成された時に有した応答
に一致するように較正される。エネルギー補正因子、線
形性補正因子、一様性補正因子と検出器応答との間のこ
の一致によって画質が向上する。
【0128】本発明の代替実施形態では、プロセス95
9、969、973、985、987の分布のピーク・
エネルギー判定を使用する代わりに、平均計算を使用す
ることができる。したがって、エネルギー分布または信
号分布の「代表」データ値は、そのような分布のピーク
関数でも、あるいは平均関数でも、あるいは同様な関数
でもよい。
【0129】本発明の代替実施形態では、隠れたPMT
に対する利得補正を実行するうえで、それらの各PMT
ごとの積分チャネル信号が測定されることはない。積分
チャネル信号を記録するのではなく、ストリップ領域9
10内で発生した事象の総エネルギーが記憶され、隠れ
た各PMTごとのこの分布に関する代表エネルギー値が
算出される。前述のことは、各ガンマ事象の総エネルギ
ーが記録され比較されるように論理ブロック967と論
理ブロック983の両方で実行される。
【0130】当然のことながら、前述の手順で必要な積
分チャネル信号に関係するデータは、DEP300のバ
ス397からコンピュータ・システム1112を介して
得られる(図7参照)。所与の事象に関する総エネルギ
ーはDEP300のバス322を介して供給される。特
定のXY領域内で検出されたガンマ事象に関するチャネ
ル情報が収集される各ケースでは、本発明は、事象のX
Y座標をバス327および332からの出力として比較
する同時回路を提供し、この回路はこの座標値を既知の
領域(たとえば、領域570またはストリップ領域91
0)と比較する。一致が発生した場合、バス322を介
して総エネルギー信号に関する所望のデータがサンプリ
ングされ、あるいはバス397を介して特定のチャネル
に関する所望のデータがサンプリングされる。別法とし
て、この特定のチャネル・データをDEP300のバッ
ファ325から直接供給することもできる。
【0131】可変動的圧縮 本発明の(両方の検出器80および80’の)DEP3
00回路は、従来技術とは異なり、専用アナログ・ハー
ドウェアを使用するのではなく、メモリに記憶されてい
るプログラム可能なディジタル関数を使用してPMTの
エネルギー応答を調整できるように、プログラム可能な
可変動的圧縮テーブル355(図7)を備えている。実
際上、本発明の動的圧縮テーブル355は従来技術の周
知のアナログ・ブレークポイント・ドライバ回路の代わ
りに使用される。従来技術のブレークポイント・ドライ
バ回路は、PMT出力を調整するために(ダイオード回
路網を含む)アナログ回路で構成される。しかし、本発
明とは異なり、従来技術の回路はプログラムすること
も、あるいは容易に修正することもできない。
【0132】動的圧縮テーブル355は、プログラム可
能なメモリまたは静的メモリ(ROMまたはPROM)
で構成することができる。プログラム可能なメモリを使
用する場合、RAMやEEPROMなど、いくつかの周
知のメモリ・タイプで構成することができる。
【0133】本発明の動的圧縮テーブル355は下記の
2つの作業を実行する。(1)ガンマ相互作用のポイン
トから離れたPMTからの雑音を含む信号を低減させ、
あるいはなくする。(2)検出器を介してより一様な空
間応答を得るように残りの信号を整形する。この手順の
ディジタル実施態様によって、比較的簡単な線形前置増
幅器を使用することができ、したがってアナログ電子機
器の複雑さおよびコストが低減され、システムの長期安
定性が向上する。動的圧縮テーブル355は、各PMT
チャネルから出力された信号を他の修正済み信号に加算
したときに、その結果得られる加算信号がより線形にな
るように、各PMTから出力された信号を修正して非線
形性を除去するために使用される。図23Aを参照する
と、ガンマ相互作用が発生するPMTの中央からの距離
に基づくPMTの正規化エネルギー応答が示されてい
る。応答652は、動的圧縮テーブルによる補正を行う
前の信号であり、応答650は、DEP300の圧縮論
理機構から出力される補正済み応答または圧縮応答を示
す。PMTの特性および物理的性質のために、この応答
は、PMTの中央付近で発生する事象の場合には過度に
高められ、したがって、圧縮論理機構はそれに応じてこ
の応答を低減させる。
【0134】図23Bを参照する。PMT管の中央付近
のPMT管自体の過度に高められた応答は、他の近傍の
PMTの応答に加算されたときに加算信号が線形でなく
なるために問題を有する。セントロイド計算の精度は1
つには、前述のようにセントロイド計算で立証される加
算信号の線形性に依存する。図23Bは、特定の単一の
軸での5つのPMTに関するPMT応答対PMT位置の
プロットである。応答654は、5つのPMT信号のそ
れぞれを加算したものである。図23Bは、加算信号6
54(PMT応答655ないし658の和)がわずかに
非線形になることがあり、この非線形によってセントロ
イド計算の空間精度が低減する傾向があることを示す。
動的圧縮テーブル355および減算器回路391は、よ
り線形の加算信号が得られるようにバス352を介して
入力PMT積分チャネル信号を調整する。実際上、動的
圧縮テーブル355による補償の後に、加算信号654
はより線形の勾配を有する。
【0135】図24Aは、PMTチャネルの(グローバ
ル・エネルギーに対して正規化された)入力エネルギー
応答644と、本発明の動的圧縮手順の結果としての所
望の正規化修正済み応答662のグラフを示す。図のよ
うに、控えめなエネルギー・レベルでは、エネルギーが
高いほど減衰が大きい。動的圧縮手順は正規化値に作用
するので、動的圧縮テーブル355は入力として、バス
322を介してグローバル・エネルギーを受け取る。動
的圧縮テーブル355は、(バス352上の所与の入力
信号に関する)信号644と信号662の間のオフセッ
トまたは差の値にグローバル・エネルギー(GE)を乗
じた値をバス392を介して出力する。したがって、本
発明のエネルギー・テーブル355の出力は正規化され
ない。次いで、減算器391は、バス352を介して供
給される未補正PMTチャネル信号からテーブル355
のこの出力を減じる。この結果は、バス397上の補正
または圧縮済み積分チャネル信号である。図24Bは、
最大信号値の15%よりも小さな正規化入力信号に対し
て本発明によって使用される変換の応答を示す。図のよ
うに、補正済みエネルギー曲線662の値は、未補正曲
線664の入力の値よりもわずかに高い。
【0136】特定の実施形態では、圧縮テーブル355
は、サイズが6×8×14(32k)であり、グローバ
ル・エネルギー信号(322)の6MSBおよび較正済
みチャネル信号(352)の8MSBによってアドレス
される。各2バイト・セルは、チャネル信号352の1
0ビット値から減じられる14ビット・オフセット値を
含む。動的圧縮テーブル355は、8有効ビットと6小
数部ビットの14ビット精度に計算される。X加重和お
よびY加重和は、サンプリングが微細なものであるほど
多数の値をとることができ、整数位置計算の量子化効果
が低減される。テーブル355からのオフセット値の出
力は16ビットであり、バス352から減算器への入力
はMSB12ビットである。本発明の圧縮テーブル35
5からの出力は、回線352上の信号よりも解像度が高
い。
【0137】本発明の実施形態で使用される例示的かつ
一般的な圧縮手順を、図24Aおよび図24Bに示した
応答として例示する。この動的圧縮は非線形関数なの
で、PMT積分チャネル信号は、動的圧縮の前にグロー
バル・エネルギーによってスケーリングされる。このス
ケーリングによって、動的圧縮関数をエネルギーから独
立させることができる。これは従来技術の非線形増幅器
よりも優れている。
【0138】この例示的な手順内では、回線352を介
して供給された積分チャネル信号(Epmt)は、次式の
ようにグローバル・エネルギー(GE)によって公称ピ
ーク・グローバル・エネルギー(ge)に対してスケー
リングされ正規化される。 Ein=Epmt *(ge/GE)
【0139】値geは一定であり、下記に例示的な値が
与えられている。スケーリング済み信号Einは、次式に
示したように動的圧縮(ロールオフ)手順Dへ送られ
る。 Efn=D(Ein
【0140】最後に、この圧縮信号はスケーリングし直
され非正規化されて最初のレベルになる。 S=Efn *(GE/ge)
【0141】上式で、Sは、回線387を介して減算器
回路から出力される信号である。本発明の例示的かつ一
般的なロールオフ手順を次式に示す。
【数2】
【0142】上式で、 SLo=LoThresh*SP−Ein (Ein<Lo
Thresh*SPの場合) SLo=0 (Ein>=LoThresh*SPの場
合) SHi=Ein−HiTresh*SP (Ein>HiT
resh*SPの場合) SHi=0 (Ein<=HiTresh*SPの場合)
である。
【0143】一般的な手順によれば、SPは公称ピーク
較正済みPMT信号であり、他の各パラメータはSPの
一部として表される。LoTreshはローエンド・ロ
ールオフの開始点であり、HiTreshはハイエンド
・ロールオフの開始点である。RLoはローエンド・ロ
ールオフの程度である。RHiはハイエンド・ロールオ
フの程度である。バイアスは、ロールオフ関数から減じ
るべきDCバイアスである。好ましい結果は下記のパラ
メータによって達成される(しかし、各パラメータは本
発明内でプログラム可能であり調整可能である)。
【0144】ge=180 SP=200 LoTresh=0.08 HiTresh=0.25 RLo=2.5 RHi=0.35 Bias=0.05
【0145】本発明の好ましい実施形態の計算では、圧
縮テーブル355は、チャネル信号から減じられるオフ
セット値、たとえば図24Bの回線662と回線664
との間の差しか含まない。したがって、参照テーブル3
55に記憶される実際の値は、前述の手順とチャネル入
力信号との間の差にグローバル・エネルギーGEを乗じ
た値に基づいて算出される。これを次式に示す。 バス392上の出力データ=[Ein−Efn*[GE/
ge]
【0146】次いで、バス392上の出力が、特定のP
MTチャネルの未補正エネルギーから減じられる。した
がって、下記の手順は、補正または圧縮済み信号を示
す。 バス387上の出力データ=Epmt−バス392上の出
力データ
【0147】本発明の動的圧縮回路355によって、前
述の減算で負の数が生成されることはなくなる。負の数
の出力は零になる。
【0148】上記の手順を整理し、範囲0ないし100
の正規化入力信号を仮定して次式で与えることができ
る。
【数3】
【0149】上式で、 Ein=Epmt/GE TH=Ein−25(Ein<25の場合)、TH=0(E
in≦25の場合) TL=8−Ein(Ein<8の場合)、TL=0(Ein
8の場合) 0.05=小さな基準オフセット
【0150】圧縮テーブル355への入力は、特定のP
MTに関する(バス322上の)GEおよび(バス35
2上の)Epmtである。テーブル355の出力を下記に
示す。参照テーブルに記憶される実際の値は、前述の手
順と正規化入力との間の差にグローバル・エネルギーG
Eを乗じた値に基づいて算出される。これを次式に示
す。 バス392上の出力データ=[Ein−Efn*GE
【0151】次いで、バス392上の出力が、特定のP
MTチャネルの未補正エネルギーから減じられる。した
がって、下記の手順は、補正または圧縮済み信号を示
す。 バス387上の出力データ=Epmt−バス392上の出
力データ
【0152】本発明の動的圧縮回路355によって、前
述の減算で負の数が生成されることはなくなる。負の数
の出力は零になる。
【0153】当然のことながら、DEP300の回路3
55内に十分なメモリ・サイズが与えられた場合、グロ
ーバル・エネルギー値GEがバス352のチャネル・デ
ータと共に入力され、次いで、補正テーブル355がP
MTチャネル・データの補正値を直接バス387を介し
て出力できるようにデータを構成することができる。こ
の実施形態では、減算器380は使用されない。本発明
の動的圧縮テーブル355のデータは、上記に示した手
順を修正することによってさらに最適化することもでき
る。このような修正または最適化では、カメラ・システ
ムまたは動作環境に特有の経験データを使用することが
できる。
【0154】図25には、動的圧縮テーブル355に記
憶され、上記に示し論じた同様な機構と共に同様に使用
される他の動的圧縮手順が示されている。
【0155】上記の各手順が与えられた場合、(GEお
よびEpmtによってアドレスされる)実際のデータ・テ
ーブルは、当業者によって容易に決定できるものであ
り、例示的なものに過ぎない。テーブル355がプログ
ラム可能なので、ある実施形態で必要とされる解像度の
レベルは、回路355用のメモリの利用可能なサイズに
応じて変更することができる。本発明によれば、動的圧
縮テーブル355のデータは、プログラム可能な1組の
パラメータおよび上記に示した圧縮手順に従ってデータ
・プロセッサ1112によって生成され、この情報は次
いで、メモリ355にダウンロードされる。RAMを使
用する場合、ガンマ・カメラ・システムを使用する前
に、実際の補正データをディスク記憶域1104または
ROM1103に記憶し、次いでメモリ355にダウン
ロードしておくことができる。したがって、データ・プ
ロセッサ1112は様々な異なる手順または補正データ
・テーブル、あるいはその両方を記憶することができ、
ユーザはこれらのうちのいくつかを選択し、補正データ
のテーブルを生成し、DEP300でシステム較正とし
て使用できるようにメモリ355にこのテーブルをロー
ドすることができる。この代替方法では、動的圧縮テー
ブル355は極めて融通性に富みプログラム可能であ
る。別法として、メモリ355がEEPROMであると
きは、データを、使用する前にメモリ355内にプログ
ラムしておき、技術者によって再プログラムすることが
できる。
【0156】自動基準補償 本発明内では、図6の入力212および214を制御す
るDACへのディジタル入力を介して各PMTチャネル
ごとの各前置増幅段内にわずかなDCオフセット(基準
オフセット)が維持される。このことは、検出器80と
検出器80’の両方に当てはまる。図26には、(図6
の)ADC236によってサンプリングされた例示的な
PMTアナログ・チャネル出力電圧信号680が示され
ている。事象に対して実行される積分プロセスのため
に、信号680の負の電圧は不要であり、クリップさ
れ、不正確な積分結果をもたらす。回路280(0)な
いし280(54)の増幅器の回路ドリフトのために
(たとえば、温度、電流などのために)、ADC236
によってサンプリングされる電圧信号680の基準が変
動し、補正しないでおいた場合、零よりも低くなる恐れ
がある。個別のPMTの基準シフトは通常、チャネル信
号の一部であるが、検出器全体にわたるシフトの和によ
って、グローバル・エネルギー・ピークがいくつかのチ
ャネルにわたって移ることがある。基準シフトによっ
て、画像登録も変動する。ドリフトは、高価な増幅器回
路を使用することによって補償することができるが、各
チャネルごとに別々の1組の増幅器が必要なので、その
ような解決策は経済上実際的なものではない。本発明
は、基準電圧をリアルタイムに測定し調整することによ
ってこの可変ドリフトを調整するために自動基準補償手
順および回路を提供する。
【0157】実際には、本発明は、チャネルごとにアナ
ログ信号を調整するために、Vmと呼ばれる基準圧縮電
圧量を(入力212および214を介して)挿入する。
このことは、検出器対80および80’に当てはまる。
各チャネルは独立のVmを有する。これを図26に示
す。回線682は真の零電圧を示し、信号680は量V
mだけ調整される。量子化および積分の後に、このオフ
セット値Vmを合計から減じ、正味チャネル信号を得な
ければならない。基準減算は、DEP300の較正参照
テーブル回路315で各チャネルごとに行われ、かつそ
のチャネル用に挿入された特定のVmに基づいて行われ
る。
【0158】本発明によって与えられる212および2
14で印加される電圧オフセットの量は後述のように変
動する。しかし、ADC236のダイナミック・レンジ
内の予想される雑音のレベルに基づいて算出される理想
的な数Vmがある。このダイナミック・レンジが一実施
形態では1024単位内であり、予想される雑音の割合
が約8%であるため、Vmのディジタル値はADC23
6のダイナミック・レンジ内では約78単位である。も
ちろん、この値は、使用するハードウェアの特定の実施
態様に応じて異なる。この値は最初は、信号680をず
らすための制御入力212および214(各チャネルご
とに別々の入力が使用される)に対するオフセットとし
て使用される。Vmの値は、信号680が零よりも低く
ならないように決定される。Vmはまた、ADC236
のダイナミック・レンジの大部分がオフセット電圧によ
って消費されることがないように調整される。
【0159】(事象が存在しないときに)ADC236
によって測定される電圧オフセットの実際の値はドリフ
トすることがある。本発明では、ディジタル・プロセッ
サ1112は、ガンマ事象からエネルギーをそれほど受
け取らない特定のチャネルに関する信号出力値を測定す
る。この値は、理想の電圧Vmに近いはずである。サン
プリングされた電圧は、この理想の電圧と比較され、理
想の電圧Vmに密に一致するように(リアルタイム・フ
ィードバック構成で)増減される。このように、本発明
は、オフセット電圧の値を修正することによって各チャ
ネルごとの前置増幅段の電子機器に関連するドリフトを
補償する。このサンプル及び調整手順は各チャネルごと
に別々に実行される。
【0160】各チャネルごとのアナログ信号を監視し、
理想基準値Vmに基づいてこの信号の基準を修正する本
発明の手順について下記で説明する。一般に、本発明
は、(1)低計数率の周期中に使用される方法、および
(2)高計数率の周期中に使用される方法の2つの代替
基準補償方法を提供する。コンピュータ・システム11
12は、入力212および214で印加された現基準オ
フセット電圧を記録する、各チャネルごとに1つにある
メモリ1102中のデータ値の基準オフセット・マトリ
ックスを含む。この基準オフセット・マトリックス内の
値は、回路280(0)ないし280(54)の増幅器
段の電圧ドリフトを補償するために本発明によって更新
される。下記の手順は、1つの検出器に関して記載され
ているが、検出器80と検出器80’の両方に対して作
用することが理解されよう。
【0161】図27を参照すると、本発明によって使用
され、ディジタル・プロセッサ1112によって実行さ
れるチャネル基準補償手順703が示されている。手順
703は、検出器80と検出器80’の両方に対して実
行される。論理ブロック710で、本発明は最初に、カ
メラ・システムによって検出された計数率が高いか、そ
れとも低いかを判定する。高計数率は、毎秒75000
カウントを超える計数率として判定されるが、この計数
率は例示的なものであり、本発明内でプログラム可能で
ある。本発明によってカメラの計数率に応じてそれぞれ
の異なる手順が実施される。715で、ディジタル・プ
ロセッサは、計数率がしきい値(たとえば、75000
カウント/秒)を超えているかどうかを判定し、そうで
ある場合、事象トリガ基準補正に関する論理ブロック7
60が実行される。ガンマ検出器によって検出された全
体的な計数率がしきい値量以下である場合、論理ブロッ
ク720で、プロセッサ1112はソフトウェア・トリ
ガ基準補正を実行する。補正手順が完了すると、処理は
799を介して終了する。当然のことながら、本発明の
手順703はカメラがアイドル状態である周期と、カメ
ラが実際に撮影セッションを実行している周期とを含
め、ガンマ・カメラの動作デューティ・サイクル全体に
わたって繰り返される。
【0162】ソフトウェア・トリガ。 図28を参照
すると、低計数率周期中に実行されるソフトウェア・ト
リガ基準補正手順が示されている。図28は、本発明に
より論理ブロック720によって実行される各ステップ
を示す。論理ブロック724で、本発明は検出器80の
各チャネルごとに、図2の回路100の回線130を介
して検出される実際の事象トリガをエミュレートするソ
フトウェア生成トリガを挿入する。ディジタル・プロセ
ッサ1112は(両方の検出器の)各チャネルごとに実
際上、積分器(238または240)をトリガし、パル
ス周期にわたる積分を開始する。この積分は論理ブロッ
ク726で各チャネルごとに(別法としては各段ごと
に)同時に実行され、統計的には、ソフトウェア・トリ
ガ・パルス周期と同時に事象が発生することは予想され
ないので、各チャネルは理想的には基準電圧を積分すべ
きである。ソフトウェア・トリガは、真のガンマ相互作
用の検出に基づいて開始されるわけではないので擬似ト
リガとも呼ばれる。ソフトウェア・トリガ相互作用は通
常、事象と同時には発生しないので、多くの場合、チャ
ネルによって実行される積分は、基準電圧が理想的には
Vmに非常に近いものになるパルス周期にわたって行わ
れる。これがそうであるのは、事象が存在しないことが
(統計的に)予想されるので、チャネルが出力信号を生
成しないからである。
【0163】論理ブロック728で、論理ブロック72
6の積分から生成されたデータが、コンピュータ・シス
テム1112によって(DEP300の)RAW FI
FOメモリ310から回復される。このメモリは、(較
正テーブル315によって実行される)Vmオフセット
の減算を受けていない各チャネルごとの積分結果を含
む。任意選択で、論理ブロック730で、各チャネルご
とのデータがパルス周期で除され、積分が時間的に正規
化される。このステップは、各積分の周期が分かってい
る場合、この周期に理想Vm値を乗じた値を基準オフセ
ット値を補償するための基準として使用できるので、任
意選択的である。どちらの実施態様も本発明の範囲内で
ある。論理ブロック732で、コンピュータ・システム
1112によって各チャネルごとにメモリ1102に維
持される別々のヒストグラムに各チャネルごとのデータ
が記憶される。このヒストグラムは、収集されたサンプ
ルの数にわたってサンプリングされた(所与のチャネル
に関する)基準電圧を記録する。論理ブロック734
で、プログラム可能な所定の数のサンプルが収集される
まで、次のサンプルに対して前述のプロセスが繰り返さ
れる。各サンプルごとに、各ヒストグラムに関連するデ
ータが増加される。本発明によって使用されるサンプル
の例示的な数は、1チャネル当たり250個である。し
たがって、論理ブロック732によって各チャネルごと
に構築された特定のヒストグラムは、約250個のデー
タ・ポイントで構成される。本発明によって、このよう
なヒストグラムはデータ・プロセッサ1112のRAM
メモリ1102に維持される。1検出器当たり55個の
チャネルを仮定すると、プロセス・フロー720では、
本発明の1較正プロセス当たりに13750擬似カウン
トが必要とされる。
【0164】図28の論理ブロック736で、本発明
は、所与の検出器の特定のチャネル用に作成されたヒス
トグラムを使用して、サンプリングされた基準オフセッ
ト量の平均値を求める。この平均値を求めるには、いく
つかの周知の平均手順または加重平均手順を使用する。
論理ブロック736では、本発明の範囲内で矛盾なしに
任意の数の異なる手順を使用することができる。論理ブ
ロック738で、特定のチャネルに関して、この平均が
(プロセッサ1112によってメモリに記憶されてお
り、各チャネルごとに一定である)Vmと比較される。
その特定のチャネルの平均がVmよりも大きい場合、論
理ブロック742で、(信号212および214によっ
て印加された)メモリ1102内の基準オフセット・マ
トリックスに記憶されているその特定のチャネルの基準
オフセットが1単位だけ減少され、マトリックスが更新
され、論理ブロック744に入る。その特定のチャネル
の平均がVmよりも小さい場合、論理ブロック740
で、(信号212および214によって印加された)そ
の特定のチャネルの基準オフセットが1単位だけ増加さ
れ、基準オフセット・マトリックスが更新され、論理ブ
ロック744に入る。その他の場合、すなわち、基準の
平均値がVmに等しい場合、基準補正は必要とされず、
直接論理ブロック744に入る。当然のことながら、各
前置増幅器280(0)ないし280(54)ごとに、
コンピュータが制御する一対の別々の入力212および
214がある。
【0165】論理ブロック744で、(論理ブロック7
36までの)前述の手順が各チャネルごとに繰り返さ
れ、その結果、(フィードバック構成で)各チャネルご
との基準補正が別々に調整される。論理ブロック746
で、この手順が終了し、前述の補償手順のためにメモリ
1102に維持されているヒストグラムがリセットされ
る。したがって、上記で分かるように、本発明は、予想
される事象のない周期中の各チャネルごとのチャネル電
圧を測定し、チャネルに関する基準電圧を調整する。ド
リフトのために、この電圧は変動するが、(負の電圧の
ための)クリッピングを防止するために値Vmに制限す
べきである。本発明は、各チャネルごとの基準電圧を実
際上、理想値に維持する測定及び補償手順を提供する。
これは、図28に示したフィードバック構成を使用して
行われ、したがって、前置増幅段280(0)ないし2
80(54)内で高価な回路を使用することが回避され
る。
【0166】当然のことながら、本発明は、論理ブロッ
ク720では、論理ブロック724で生成されたソフト
ウェア・トリガと同時に実際の事象が発生しているかど
うかを事前に判定しない。統計的には、低計数率周期中
にソフトウェア・トリガ積分周期と同時に事象が発生す
る(したがって、事象がソフトウェア・トリガ周期に干
渉する)ことはまれである(しかし、可能性はある)。
本発明の論理ブロック726中に事象が発生した場合、
そのデータ・ポイントは、(PMT応答のために)予想
される値よりもずっと大きくなり、実際上、論理ブロッ
ク736でチャネルに関して算出された平均(または中
央値)から統計的に除外される。代替実施形態では、本
発明は、事象によって破壊されたデータ・ポイントを除
外するために所定のしきい値を超えるすべてのデータ・
ポイントを論理ブロック732で生成されたヒストグラ
ムから除外する追加ステップを実行することができる。
しかし、(たとえば)250個のサンプルが与えられた
場合、事象によって破壊されるデータ・ポイントの数は
非常に少なく、無視することができる。
【0167】シンチレーション・トリガ。 図29お
よび30を参照すると、高計数率周期中に基準補償を行
うために本発明によって使用される手順760が示され
ている。手順760は、実際の事象を使用して測定プロ
セスをトリガし、したがって事象ドリブン基準補正また
はシンチレーション・ドリブン基準補正と呼ばれる。こ
のプロセスは、764でガンマ事象を検出することから
始まり、766へ流れる。回線130上のトリガ信号を
介して事象が検出される。各チャネルごとに、前述のよ
うに、トリガ・パルスによって各積分器がパルス周期に
わたって積分を行う。論理ブロック766ではまた、積
分から得られたデータがDEP300へ送られる。論理
ブロック768で、DEP300は、前述の回路320
(図7)を使用することによって、どのチャネルがこの
事象に関するピーク・チャネル(たとえば、ピークPM
T)であったかを判定する。
【0168】本発明は、(ディジタル・プロセッサ11
12に報告された)ピークPMT値に基づいて、図31
に示したようにメモリ回路800を使用して、どのPM
Tが空間的にピークPMTに近く、どのPMTが空間的
にピークPMTから遠いかを判定する。遠いPMTは、
この事象からほとんどエネルギーを受け取らない(たと
えば、受け取るエネルギーが無視できるほど少ない)P
MTと判定され、近いPMTは、この事象からある量の
エネルギー(たとえば、0.17%未満など)を受け取
るPMTと判定される。図31に示したように、列80
5および列810中の各PMTごとの項目は、近いPM
Tをリストしたものであり、列820は遠いPMTのリ
ストを含む。各ピークPMTごとに、事象からほとんど
エネルギーを受け取らない遠いPMTの群がある。論理
ブロック764で検出された所与の事象に関しては、本
発明によって遠いPMTが基準補正のためにサンプリン
グされる。所与のピークPMTアドレスに関する1組の
遠いPMTは、所与のPMTアレイ内の既知のピークP
MTアドレスに関するPMT応答を測定することによっ
て実験的に決定することができる。
【0169】図29の論理ブロック770で、本発明
は、ピークPMTアドレス(数)によって回路800に
アドレスし、列820によって報告された1組の遠いP
MTを判定する。論理ブロック772で、本発明は、所
与の事象に関して、DEP300のRAW FIFOメ
モリ310に記憶されているそれぞれの遠いチャネルに
関連するデータを回復するようコンピュータ・システム
1112に命令する。これらの遠いチャネルは、検出さ
れた事象からほとんどエネルギーを受け取っていないの
で、基本的に基準電圧の積分を報告するはずである。任
意選択で論理ブロック774で、回路310の積分デー
タがパルス周期で除され、それぞれの遠いチャネルごと
のデータが時間的に正規化される。論理ブロック776
で、本発明は、サンプリングされた電圧の値を、サンプ
リングされたそれぞれの遠いPMTチャネルのヒストグ
ラムに加える。論理ブロック778で、前述の手順が次
のサンプルに対して繰り返される。この手順は、各チャ
ネルが、そのヒストグラム内に少なくともプログラム可
能な所定の数のデータ・ポイントを得るまで継続する。
データ・ポイントの例示的な数は、1チャネル当たり2
50個である。
【0170】当然のことながら、764での各ガンマ事
象ごとに、異なる数および群の遠いチャネルがサンプリ
ングされる。したがって、各事象ごとに更新されるヒス
トグラムの数は異なる。したがって、本発明は、ヒスト
グラムに最小数のデータ・ポイントを有するチャネルの
レコードを維持し、このチャネルが所定数(たとえば2
50)に達したとき、論理ブロック778が終了し、プ
ロセスは図の”A”へ進む。
【0171】図30を参照すると、本発明のプロセス7
60の残りの部分が示されている。フローは、”A”か
ら論理ブロック780へ進み、本発明は、すべてのチャ
ネルの各ヒストグラムに関する平均(たとえば、加重平
均、中央値、平均など)基準電圧を求める。このプロセ
スは、論理ブロック780の各ヒストグラムが、検出さ
れたガンマ事象の空間分布に応じて異なる数のデータ・
ポイントを含むことができることを除いて、ソフトウェ
ア・トリガ手順720の論理ブロック736のプロセス
に類似している。論理ブロック782で、本発明は特定
のチャネルに関して、その平均基準電圧量がVmよりも
大きいかどうかを判定する。そうである場合、論理ブロ
ック786で、基準電圧マトリックスに記憶され(かつ
信号212および214によってアサートされ)ている
そのチャネルに関するオフセット電圧が低減され、論理
ブロック788に入る。特定のチャネルに関する平均電
圧がVmよりも低い場合、論理ブロック784で、基準
電圧マトリックスに記憶されているそのチャネルに関す
る基準電圧が増大され、論理ブロック788に入る。そ
のチャネルに関する平均基準オフセット電圧がVmに等
しい場合、補正は必要とされず、直接、論理ブロック7
88に入る。
【0172】論理ブロック788で、本発明は、検出器
ヘッドのチャネルのすべての基準電圧が補償されるまで
次のチャネルに対して論理ブロック780から繰り返
す。論理ブロック790でプロセス760は終わる。当
然のことながら、小さな時間窓内で2つのガンマ事象が
検出された場合、一方の事象が較正サンプルをトリガし
(たとえば、論理ブロック764)、他方の事象が遠い
PMTの積分を干渉し、したがってサンプル・データを
増加させ、あるいはサンプル・データに干渉する可能性
がある。このような統計的にまれなケースでは、ソフト
ウェア・トリガ手順の場合と同様に、このような破壊さ
れたデータ・ポイントは実際上、本発明の平均関数を介
して統計的に除外される(あるいは最小限に抑えられ
る)。
【0173】したがって、上記で示したように、本発明
の2つの実施形態は、1チャネル当たりの基準オフセッ
ト電圧を理想値Vmに維持する機構およびプロセスを提
供する。各チャネルごとの前置増幅段のトランジスタに
関連するドリフトは、フィードバック構成を使用するこ
とによって検出され補正される。本発明の手法を使用す
ることによって、より廉価な(たとえば、よりドリフト
耐性の低い)回路を使用して検出器回路の前置増幅段を
実施することができる。
【0174】当然のことながら、高計数率周期中には、
較正サンプル中に発生する事象が多いほど、本発明のソ
フトウェア・トリガ・サンプリング手順720はより不
正確になる。したがって、高計数率では事象ドリブン手
順760の方が正確である。低計数率では、計数率が過
度に低くなり、たとえば、毎秒40カウントのオーダー
の背形放射が過度に低く事象ドリブン較正が実施できな
いので、事象ドリブン較正手順760は無効である。手
順760では、各チャネルは1基準当たり少なくとも2
50カウントの調整を施す必要がある。したがって、本
発明のソフトウェア・ドリブン基準補償720と事象ド
リブン基準補償760は、高計数環境および低計数環境
で有利である。
【0175】切替可能なPET動作モードとSPECT
動作モード 図32は、SPECT撮影動作モードとPET撮影動作
モードとを切り替える際に本発明によって使用されるプ
ロセッサ1400を示す。PET撮影モード内で操作す
る際には、2条の511keVガンマ光線を放射する撮
影の前に、Fluoro Deoxi Glucose
(FDG)または同様な放射性薬剤を患者に注射してお
く。SPECTモードでは、140keVガンマ光線を
放射する撮影の前にTI−201放射性薬剤を患者に注
射しておく。本発明のカメラ・システムのプロセス14
00は、論理ブロック1405から開始し、システム
は、ユーザ・インタフェース装置(たとえば、図11の
1106)またはメモリ1102を検査して、PET撮
影動作モードが要求されているか、それともSPECT
撮影動作モードが要求されているかどうかを判定する。
PET動作モードが要求されている場合、論理ブロック
1410で、カメラ・システムは、検出器80および8
0’からコリメータが取り外されているかどうかを検証
する。コリメータが取り外され、コリメータが存在しな
いことを示す表示が装置1105または1065上に表
示されるまで処理は中断する。コリメータが取り外され
ている場合、処理は論理ブロック1415へ進み、カメ
ラ・システムはトリガ・モードをPET撮影モードにな
るようにプログラムする(たとえば、図4のCTC10
50の回線1052)。この場合、回線1240および
1242を介して有効事象トリガを生成するには同時ト
リガ検出が必要である。
【0176】論理ブロック1420で、コンピュータ・
システムは、図6の回線235上のPET積分(累算)
間隔(たとえば、約320ns)を検出器80と検出器
80’の両方用のレジスタ1330にロードする。論理
ブロック1425で、本発明は、インデックス付けされ
た各ピークPMTごとに、より小さなPMTクラスタ寸
法(たとえば、7つのPMTS)を有するPMTクラス
タ・テーブルを図7のPMTアドレス・テーブル335
にセットまたはダウンロードするようコンピュータ・シ
ステムに命令する。これは、各ピークPMTごとのクラ
スタ寸法がより小さくなるようにPMTアドレス・テー
ブル(図15参照)をプログラムすることによって行わ
れる。論理ブロック1430で、本発明は、検出器80
と検出器80’が180°撮影構成になるようにそれら
の検出器の構成を調整する。論理ブロック1435で、
本発明は、検出器80および80’を180°構成にし
た状態で、いくつかの投影角度にわたってPET撮影セ
ッションを実行する。各投影角度ごとに、論理ブロック
1435内で、本発明によって、図9および4Bに示し
た流れ図に従って事象ごとにデータが収集される。PE
Tモード内では、検出器80と検出器80’との間で事
象に関する同時検出が実行される。収集されたデータは
収集コンピュータ・システム1055(図1)に記録さ
れる。当然のことながら、PETモードでは、事象に応
答して検出器によって出力されるエネルギー値は、事象
をローカライズするために使用されたクラスタが検出し
たエネルギーの和であり、SPECT撮影で時々使用さ
れる、検出器中のすべてのPMTSの和ではない。収集
されたデータは次いで、画像プロセッサ1060によっ
て撮影され、論理ブロック1440で投影データに対し
てPET再構成が実行される。投影データに対するPE
T再構成手順はよく知られており、本明細書では詳しく
は論じない。当然のことながら、論理ブロック1440
で、減衰補正マップを放射データに適用して非一様減衰
を補正することができる。そのような機能は、 日に
出願された、「Multi−Head Nuclear
Medicine Camera for Dual
SPECT and PET Imaging wi
th Nonuniform Attenuation
Correction」と題する、本発明の出願人に
譲渡された関連出願第 号に記載されている。
【0177】論理ブロック1485で、PET再構成か
ら得たユーザが選択した画像を表示画面1065または
ディスプレイ1105上に表示することができる。PE
T撮影データはコリメータなしで収集されるので、PE
T画像の解像度は一般に、SPECT画像よりも高品質
である。当然のことながら、論理ブロック1410ない
し1430の処理は、任意の順序で行うことができ、提
示した順序は例示的なものに過ぎない。
【0178】図32に関しては、論理ブロック1405
でSPECT動作モードが要求された場合、論理ブロッ
ク1450で、カメラ・システムは、検出器80および
80’からコリメータが存在するかどうかを検証する。
コリメータが設置され、コリメータが存在することを示
す表示が装置1105または1065上に表示されるま
で処理は中断する。コリメータが設置されている場合、
処理は論理ブロック1455へ進み、カメラ・システム
は、同時検出を行わなくても有効事象トリガを生成でき
るSPECT撮影モードになるようにトリガ・モードを
プログラムする(たとえば、図4のCTC1050の回
線1252)。
【0179】論理ブロック1460で、コンピュータ・
システムは、図6の回線235上のSPECT積分(累
算)間隔(たとえば、約840ns)を検出器80と検
出器80’の両方用のレジスタ1330にロードする。
論理ブロック1465で、本発明は、インデックス付け
された各ピークPMTごとに、比較的大きなPMTクラ
スタ寸法(たとえば、7つよりも多く、たとえば19個
のPMTS)を図7のPMTアドレス・テーブル335
にセットするようコンピュータ・システムに命令する。
これは、各ピークPMTごとのクラスタ寸法が比較的大
きくなるようにPMTアドレス・テーブル(図15参
照)をプログラムすることによって行われる。論理ブロ
ック1470で、本発明は、検出器80と検出器80’
が180°撮影構成になるようにそれらの検出器の構成
を調整する。論理ブロック1475で、本発明は、検出
器80および80’を180°構成にした状態で、いく
つかの投影角度にわたってSPECT撮影セッションを
実行する。各投影角度ごとに、論理ブロック1475内
で、本発明によって、図9および10に示した流れ図に
従って事象ごとにデータが収集される。SPECTモー
ド内では、同時検出は実行されない。収集されたデータ
は収集コンピュータ・システム1055(図1)に記録
される。収集されたデータは次いで、画像プロセッサ1
060によって撮影され、論理ブロック1480で投影
データに対してSPECT再構成が実行される。投影デ
ータに対するSPECT再構成手順はよく知られてお
り、本明細書では詳しくは論じない。当然のことなが
ら、論理ブロック1480で、減衰補正マップを放射デ
ータに適用して非一様減衰を補正することができる。そ
のような機能は、 日に出願された、「Multi−
Head Nuclear Medicine Cam
era for Dual SPECT and PE
T Imaging with Nonuniform
Attenuation Correction」と
題する、本発明の出願人に譲渡された関連出願第号に記
載されている。
【0180】論理ブロック1485で、SPECT再構
成から得たユーザが選択した画像を表示画面1065ま
たはディスプレイ1105上に表示することができる。
当然のことながら、論理ブロック1450ないし147
0の処理は、任意の順序で行うことができ、提示した順
序は例示的なものに過ぎない。本発明は、手順1400
を使用して、自動的に切替可能であり、SPECT撮影
機能とPET撮影機能の間で最適化された核カメラ・シ
ステムを提供する。
【0181】したがって、本発明の好ましい実施形態、
すなわち、SPECT動作モードとPET動作モードと
の間で自動的に切替可能な二重ヘッド核カメラ・システ
ムについて説明した。本発明は、特定の実施形態で説明
したが、そのような実施形態によって制限されると解釈
すべきものではなく、請求の範囲に従って解釈すべきも
のであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の、SPECT動作モードとPET動
作モードの両方を使用する二重ヘッド・ガンマ・カメラ
・システム、収集コンピュータ、画像プロセッサのハイ
レベル・ブロック図である。
【図2】 SPECT動作モードで動作する本発明の二
重ヘッド・カメラ・システムで使用される事象検出/ト
リガ生成回路を示す図である。
【図3】 PET動作モードまたは同時動作モードで動
作する二重ヘッド・カメラ・システムで使用される事象
検出/トリガ生成回路を示す図である。
【図4】 有効な事象トリガ信号を生成する切替可能な
SPECT/PETトリガ機構を提供するために本発明
のカメラシステムで使用される同時タイミング回路の回
路を示す図である。
【図5】 アナログ総(「グローバル」)エネルギー信
号を生成するために本発明で使用される回路の回路図で
ある。
【図6】 ガンマ検出器の各PMTごとにディジタル的
に積分された補償ディジタル応答信号を提供しPET/
SPECT撮影動作モード用のプログラム可能な積分間
隔を可能にする(チャネル当たり双対積分器を利用し
た)本発明の前置増幅/ディジタイザ回路を示す図であ
る。
【図7】 事象の空間座標、ローカル・エネルギーおよ
びグローバル・エネルギー、ピークPMTアドレス、関
連する信号出力を生成する、各検出器ごとの本発明のデ
ィジタル事象プロセッサの処理ブロックを示す図であ
る。
【図8】 本発明で使用される事象の空間座標を求める
加重セントロイド計算を示す図である。
【図9】 SPECTモードまたはPETモードでの本
発明のディジタル事象プロセッサの態様の全体的な流れ
図である。
【図10】 SPECTモードまたはPETモードでの
本発明のディジタル事象プロセッサの態様の全体的な流
れ図である。
【図11】 SPECT撮影モードまたはPET撮影モ
ード向けにカメラを自動的に構成するために使用される
本発明のディジタル・プロセッサ(コンピュータ・シス
テム)およびユーザ・インタフェースの図である。
【図12】 本発明内で時間的に近接して発生する複数
の事象に関する光強度応答を示す図である。
【図13】 プログラム可能な積分周期を使用して特定
のチャネル上での双対積分用に実行されるタイミングの
フローチャートである。
【図14】 本発明の検出器の例示的なPMTアレイを
示し、3つの異なるクラスタ・タイプを示す図である。
【図15】 本発明のディジタル事象プロセッサのプロ
グラム可能なPMTアドレス・テーブル回路の図であ
る。
【図16】 本発明のディジタル事象プロセッサのxy
加重テーブル回路の図である。
【図17】 SPECT撮影モードで本発明のPMTア
レイの上方に位置決めされた(エッジを含む)コリメー
タの平面図である。
【図18】 SPECT撮影モードにおける、中央に配
置されたPMTおよび隠れたPMTの配置と、隠れたP
MTに関連する例示的なストリップ領域を示す図であ
る。
【図19】 ガンマ事象用の典型的なPMTセントロイ
ド構造に関するエネルギー吸収率を示す図である。
【図20】 通常、工場で較正時に実行され、あるいは
現場でSPECT動作モードの場合にコリメータなしで
実行される本発明のオートゲイン手順によって実行され
る初期較正動作を示すフローチャートである。
【図21】 通常、現場での定期較正時に、SPECT
動作モードの場合にコリメータが取り外された状態で実
行される本発明のオートゲイン手順によって実行される
定期較正動作を示すフローチャートである。
【図22】 通常、現場での定期較正時に、SPECT
動作モードの場合にコリメータが設置された状態で実行
される本発明のオートゲイン手順によって実行される定
期較正動作を示すフローチャートである。
【図23】 事象に対するPMTの非圧縮応答対事象の
中心からの距離を示し、圧縮応答を示す図と、一次元P
MT構成の上方での(PMTクラスタの)PMT応答の
和を示す図である。
【図24】 本発明の動的圧縮テーブルおよび回路によ
って実現される例示的な圧縮手順を示す図と、本発明の
動的圧縮テーブルおよび回路によって実現される例示的
な圧縮手順を示す図である。
【図25】 本発明の動的圧縮テーブルおよび回路によ
って実現される例示的な圧縮手順を示す図である。
【図26】 本発明の前置増幅チャネルのアナログ電圧
波形(基準オフセットを含む)を示す図である。
【図27】 本発明の自動基準オフセット較正のフロー
チャートである。
【図28】 本発明のソフトウェア・トリガ式基準オフ
セット補正手順のフローチャートである。
【図29】 本発明のシンチレーション・トリガ式基準
オフセット補正手順のフローチャートである。
【図30】 本発明のシンチレーション・トリガ式基準
オフセット補正手順のフローチャートである。
【図31】 入力ピークPMTアドレスに基づいて遠い
PMTアドレスを与える本発明のメモリ回路を示す図で
ある。
【図32】 医療撮影のためにSPECT撮影モードと
PET撮影モードとを切り替えるために本発明で使用さ
れる手順の図である。
【符号の説明】
80 検出器 110 事象検出 280 前置増幅ディジタイザおよび積分器 310 生ビューFIFO 315 較正テーブル 320 ピーク検出 330 グローバル・エネルギー・アキュムレータ 325 チャネル・データ・バッファ 335 PMTアドレス・テーブル 340 タイプ・レジスタ 355 動的圧縮テーブル 385 I/LEテーブル 345 加重テーブル 1112 ディジタル・プロセッサ 1210 トリガ 1240 有効事象トリガ 1242 有効事象トリガ 1252 PET/SPECTモード 1050 同時タイミング回路 1055 収集コンピュータ 1060 画像プロセッサ 1065 表示装置
フロントページの続き (72)発明者 ホレース・エイチ・ハインズ アメリカ合衆国 95120 カリフォルニア 州・サン ホゼ・フォックス スワロー コート・962 (72)発明者 マシュー・ジェイ・マーフィ アメリカ合衆国 94024 カリフォルニア 州・ロス アルトス・テラス ドライブ・ 805 (72)発明者 ピーター・ネルマン アメリカ合衆国 94566 カリフォルニア 州・プレザントン・ヴィア エスパーダ・ 2253 (72)発明者 ドナルド・アール・ウェルニッツ アメリカ合衆国 94588 カリフォルニア 州・プレザントン・ナーセリー ウェイ・ 1702

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収集コンピュータ・システムに結合さ
    れ、シンチレーション事象を検出する第1の検出器およ
    び第2の検出器と、 PET撮影モードとSPECT撮影モードのどちらかを
    選択する入力機構と、 前記PET撮影モードが選択されたときの同時検出と、
    前記SPECT撮影モードが選択されたときの非同時検
    出との間で自動的に切り替えることができる切替可能な
    トリガ検出装置とを備え、前記切替可能なトリガ検出装
    置が、前記第1の検出器にシンチレーション事象を記録
    させる第1の有効事象トリガ信号を前記第1の検出器に
    供給するように結合され、前記第2の検出器にシンチレ
    ーション事象を記録させる第2の有効事象トリガ信号を
    前記第2の検出器に供給するように結合されたことを特
    徴とする核カメラ・システム。
  2. 【請求項2】 PET動作モードとSPECT動作モー
    ドとを切り替えることができるトリガ信号生成装置であ
    って、 第1の検出器内でシンチレーション事象が検出されたと
    きに第1のトリガ信号を生成する第1のSPECT事象
    検出回路と、 第2の検出器内でシンチレーション事象が検出されたと
    きに第2のトリガ信号を生成する第2のSPECT事象
    検出回路と、 前記第1の検出器内でシンチレーション事象が検出され
    たときに第3のトリガ信号を生成する第1のPET事象
    検出回路と、 前記第2の検出器内でシンチレーション事象が検出され
    たときに第4のトリガ信号を生成する第2のPET事象
    検出回路と、 前記第3のトリガ信号と前記第4のトリガ信号が同時に
    生成されたときに同時信号を生成するために前記第3お
    よび第4のトリガ信号に結合された同時検出器と、 前記PET動作モードのときに前記第1および第2の検
    出器に前記同時信号を与え、前記SPECTモードのと
    きに前記第1および第2の検出器にそれぞれ前記第1お
    よび第2のトリガ信号を与えるために、前記同時信号な
    らびに前記第1および第2のトリガ信号を受け取る切替
    可能な装置とを備えることを特徴とするトリガ信号生成
    装置。
  3. 【請求項3】 シンチレーション検出器の光電子増倍管
    に関連するチャネル回路において、 プログラム可能な積分周期を含むプログラム可能なレジ
    スタと、 シンチレーション事象の結果として前記光電子増倍管に
    よって検出されたエネルギーを表す第1の信号を受け取
    り、前記第1の信号をディジタル化して前記第1の信号
    からディジタル信号を生成するアナログ・ディジタル変
    換器と、 前記プログラム可能な積分周期にわたって前記ディジタ
    ル信号を積分して、ある結果を得る第1の積分器と、 前記第1の積分器の前記結果を含むメモリとを備えるこ
    とを特徴とするアキュムレータ。
  4. 【請求項4】 さらに、前記第1の積分器が高計数率周
    期向けに最適化されるように前記プログラム可能なレジ
    スタ内に第1の積分周期をプログラムし、前記第1の積
    分器が低計数率周期向けに最適化されるように前記プロ
    グラム可能なレジスタ内に第2の積分周期をプログラム
    するプログラミング装置を備えることを特徴とする請求
    項3に記載のアキュムレータ装置。
  5. 【請求項5】 さらに、前記第1の積分器がPET動作
    モード向けに最適化されるように前記プログラム可能な
    積分周期をプログラムするプログラミング装置を備える
    ことを特徴とする請求項3に記載のアキュムレータ装
    置。
  6. 【請求項6】 事象検出装置であって、 (a)PET撮影では同時に発生した一対の事象を報告
    し、SPECT撮影では事象を個別に報告し、それぞ
    れ、(i)シンチレーション事象の結果として前記光電
    子増倍管によって検出されたエネルギーを表すチャネル
    信号を受け取り、前記チャネル信号をディジタル化して
    前記チャネル信号からディジタル信号を生成するアナロ
    グ・ディジタル変換器と、(ii)前記ディジタル信号
    を受け取るように結合され、プログラム可能な積分間隔
    の第1の周期にわたって前記ディジタル信号を積分する
    第1の積分器回路と、(iii)前記ディジタル信号に
    結合され、前記プログラム可能な積分継続時間の第2の
    周期にわたって前記ディジタル信号を積分する第2の積
    分器回路と、(iv)前記プログラム可能な積分継続時
    間を表す値を含むプログラム可能なレジスタとを含む、
    少なくとも一対のシンチレーション検出器と、 (b)前記事象を記録する機構とを備えることを特徴と
    する事象検出装置。
  7. 【請求項7】 前記第1および第2の積分器回路が高計
    数率検出向けに最適化されるように前記プログラム可能
    なレジスタ内に第1の値をプログラムし、前記第1およ
    び第2の積分器回路が低計数率検出向けに最適化される
    ように前記プログラム可能なレジスタ内に第2の値をプ
    ログラムするプログラミング装置をさらに備えることを
    特徴とする請求項6に記載の事象検出装置。
  8. 【請求項8】 さらに、ガンマ事象が検出されたときに
    トリガ・パルスを生成するトリガ回路を備え、前記第1
    の積分器回路および前記第2の積分回路が前記トリガ回
    路によって独立に開始されることを特徴とする請求項6
    に記載の事象検出装置。
  9. 【請求項9】 核医療カメラの光電子増倍管クラスタを
    生成する装置であって、 PET撮影では同時に発生した一対の事象を報告し、S
    PECT撮影では事象を個別に報告する少なくとも一対
    のシンチレーション検出器を備え、それぞれの検出器
    が、 個別の光電子増倍管がチャネル信号を生成する光電子増
    倍管アレイと、 ガンマ事象に応答して各シンチレーション検出器からの
    前記チャネル信号を積分し、前記チャネル信号から積分
    結果を生成する積分回路と、 前記積分結果に基づいてピーク光電子増倍管を判定し、
    前記ピーク光電子増倍管を示す信号を生成するピーク回
    路と、 前記ピーク光電子増倍管に関連する光電子増倍管クラス
    タを生成するために前記ピーク回路からアドレスされ、
    かつ前記ピーク光電子増倍管を示す前記信号に応答し、
    前記光電子増倍管アレイの個別の光電子増倍管用の別々
    の光電子増倍管クラスタを含み、前記ピーク光電子増倍
    管を示す前記信号に応答して、前記光電子増倍管クラス
    タの形状タイプを示すクラスタ・タイプ信号を生成する
    クラスタ回路とを備えることを特徴とする装置。
  10. 【請求項10】 さらに、前記PET撮影と前記SPE
    CT撮影とを切り替えるユーザが選択できる動作モード
    を備え、前記クラスタ回路から出力された前記光電子増
    倍管クラスタが前記動作モードに応答することを特徴と
    する請求項9に記載の装置。
  11. 【請求項11】 核医療カメラにおいて、光電子増倍管
    クラスタを生成する装置であって、 (a)PET撮影とSPECT撮影とを切り替えるユー
    ザが選択できる動作モードと、 (b)前記PET撮影では同時に発生した一対の事象を
    報告し、前記SPECT撮影では事象を個別に報告する
    少なくとも一対のシンチレーション検出器であって、そ
    れぞれのシンチレーション検出器が、 前記個別の光電子増倍管が、それ自体によって検出され
    たエネルギーを示す出力チャネル信号を生成する光電子
    増倍管アレイと、 前記出力チャネル信号を受け取るように結合され、前記
    光電子増倍管アレイのピーク光電子増倍管を判定するピ
    ーク回路と、 前記ピーク光電子増倍管に関連する光電子増倍管クラス
    タを生成するために前記ピーク回路からアドレスされ、
    かつ前記ピーク光電子増倍管を示す前記信号に応答し、
    各ピーク光電子増倍管用ごとの別々の光電子増倍管クラ
    スタを含み、前記動作モードが前記PET撮影である場
    合に第1の寸法の光電子増倍管クラスタを与え、前記動
    作モードが前記SPECT撮影である場合に第2の寸法
    の光電子増倍管クラスタを与えるクラスタ回路とを備え
    たシンチレーション検出器と、 (c)前記シンチレーション検出器対によって検出され
    た前記事象を記録する機構とを備えることを特徴とする
    装置。
  12. 【請求項12】 核医療カメラにおいて、事象を示すト
    リガ信号を生成する装置であって、 (a)PET撮影とSPECT撮影とを切り替えるユー
    ザが選択できる動作モードと、 (b)前記PET撮影では同時に発生した一対の事象を
    報告し、前記SPECT撮影では事象を個別に報告する
    少なくとも一対のシンチレーション検出器とを有し、そ
    れぞれのシンチレーション検出器が、 個別の光電子増倍管が、それ自体によって検出されたエ
    ネルギーを示す出力チャネル信号を生成し、光電子増倍
    管アレイ自体がゾーンに分割された光電子増倍管アレイ
    と、 それぞれ、前記光電子増倍管アレイの前記ゾーンのうち
    の特定のゾーンからチャネル信号を受け取る、第1の複
    数の事象検出回路と、 前記第1の複数の事象検出回路のうちの任意の事象検出
    回路から事象表示を受け取ったときにトリガ信号を生成
    するために前記第1の複数の事象検出回路に結合された
    第1のトリガ回路とを備えることを特徴とする装置。
  13. 【請求項13】 さらに、 前記シンチレーション検出器対のそれぞれの第1のトリ
    ガ回路に結合され、同時窓内に前記シンチレーション検
    出器対のそれぞれの第1のトリガ回路からトリガ信号対
    を受け取ったときに有効事象トリガ信号を生成するAN
    Dゲートを備えることを特徴とする請求項12に記載の
    装置。
  14. 【請求項14】 核医療カメラにおいて、前記カメラを
    PET撮影モードとSPECT撮影モードのどちらか向
    けに最適化する装置であって、 前記PET撮影モードと前記SPECT撮影モードとの
    間で切替可能な動作モードと、 前記PET撮影では同時に発生した一対の事象を報告
    し、前記SPECT撮影では事象を個別に報告し、患者
    の周りで回転し、前記PET撮影モードまたはSPEC
    T撮影モードの下で投影画像データを収集する、少なく
    とも一対のシンチレーション検出器と、 前記シンチレーション検出器対の光電子増倍管から出力
    されるチャネル信号に結合され、前記動作モードに応答
    して第1の積分周期または第2の積分周期にわたって前
    記チャネル信号を積分するプログラム可能な積分回路
    と、 前記シンチレーション検出器対内の事象検出論理機構に
    結合され、前記動作モードに応答して、前記シンチレー
    ション検出器対による検出が同時であったことに基づ
    き、あるいは前記シンチレーション検出器対による検出
    が同時であったことに基づかずに有効事象トリガ信号を
    生成するプログラム可能なトリガ回路と、 前記動作モードに応答し、第1の寸法のクラスタを使用
    して、検出された事象をローカライズし、第2の寸法の
    クラスタを使用して、検出された事象をローカライズす
    る、前記チャネル信号上の値に応答するプログラム可能
    な光電子増倍管クラスタとを備えることを特徴とする装
    置。
JP8166659A 1995-06-09 1996-06-07 核カメラ・システム Pending JPH095439A (ja)

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US08/488,926 1995-06-09

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