JPH0952133A - 缶蓋供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速、低速何れの運転時においても、缶蓋の
缶への載缶タイミングが精度良く一致せしめられるとと
もに、缶蓋の損傷の発生が防止された缶蓋供給装置を提
供する。 【解決手段】 缶蓋が積層状に収納された落下穴と、同
落下穴に向けて外方より突出せしめられ、積み重ねられ
ている缶蓋を１枚ずつ分離供給するセパレータ機構とを
２基並列に設置して、１基の缶蓋供給装置能力負担を１
／２にすることによって、缶蓋を正確にかつ損傷なく分
離可能として高能力缶シーマに対応可能とするととも
に、セパレータ機構によって２個同時に分離された缶蓋
を移送するレールと缶胴案内ホイールの半径中心位置
を、上記セパレータ機構部と、搬送コンベア上の缶への
缶蓋供給部とでずらすように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は缶充填設備における
缶蓋供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】缶シーマにおける缶蓋供給装置の１つと
して特開平１−２４５９３０号にて提案されているもの
を図７〜図９に示す。

【０００３】図７〜図９において、缶胴案内ホイール
は、１１，１１′の如く上下１組で構成されており、同
案内ホイール１１，１１′は缶供給コンベヤ３上を搬送
される缶２がその接点で係合する案内溝１４を有し、か
つ同案内溝１４はサイクロイドカーブに形成して缶２を
長くホールドするようになっている。

【０００４】１５は駆動歯車で、缶胴案内ホイール１
１，１１′が固定されている軸１６を駆動する歯車１７
と噛合っている。１８は歯車１７の回転により矢印方向
に回転する軸で、図示しないシーマの回転と同期をとる
ためのものである。１９は軸１６の上部に固定されてい
る歯車で、中間歯車２０を介し、缶蓋７の落下穴２１を
有する筒体２２を中心にしてその周囲で回転する歯車２
３を駆動するようになっている。

【０００５】歯車２３は揺動ギヤボックス２４の回動の
中心となる軸２５に固定された歯車２６と噛合ってお
り、また同軸２５上には歯車２７が固定され、同歯車２
７には揺動ギヤボックス２４に回転自在に支持されてい
る軸２８上に固定された歯車２９が噛合っており、同軸
２８の下端には缶蓋セパレータ３０が固定されている。

【０００６】缶蓋セパレータ３０は落下穴２１から落ち
て来て積重なっている缶蓋７の最下端のもの１枚を分離
して、レール３１の溝３２，３２に供給する働きをす
る。３３は缶胴案内ホイール１１上の案内溝１４，１４
間に取付けられたプッシャで、レール３１の溝３２，３
２間に供給された缶蓋７を、同レールの溝３２，３２に
沿って缶胴案内ホイール１１の回転に応じ、同案内溝１
４の直上に保持して移送する。

【０００７】そしてこの缶蓋７が缶供給コンベヤ３上を
搬送されて缶胴案内ホイール１１，１１′に係合した缶
２上に到達する部分は、溝３２，３２の終端となってい
るため、缶蓋７は溝３２，３２から外れて真下の缶２上
に落下し、缶２は蓋７を缶口部に乗せた状態で図示しな
いシーマに送られ、巻締め加工がおこなわれる。

【０００８】次に、上記缶蓋供給装置の作用を説明する
と、フィラー（図示せず）で液が充填された缶２は缶供
給コンベヤ３で缶蓋供給装置１０に向けて搬送される。

【０００９】一方図７に示す駆動歯車１５の駆動により
歯車１７、軸１６を介して缶胴案内ホイール１１，１
１′及び歯車１９が回転する。歯車１９が回転すると、
歯車２０，２３，２６が回転し、更に軸２５を介して歯
車２７，２９が回転することにより軸２８が回転し、缶
蓋セパレータ３０を回転させる。

【００１０】缶蓋７はホッパー３４から供給され、筒体
２２の落下穴２１に落下して積重なっている。そして最
下端の缶蓋７は、缶蓋セパレータ３０が回転することに
より取出され、レール３１の溝３２，３２に送り込まれ
る。

【００１１】溝３２，３２に入った缶蓋７は、その下方
の缶胴案内ホイール１１上に取付けられたプッシャ３３
に押され、同ホイール１１の案内溝１４の真上の位置に
保持された状態で移送され、前記の如く缶供給コンベヤ
３で搬送されて缶胴案内ホイール１１の案内溝１４に係
合した位置の缶２の真上から缶口部に向け、溝３２，３
２が無くなった位置で落下して載置される。

【００１２】なお、溝３２は終端部に向けて下方に傾斜
しており、缶蓋が缶上に落下する場合の落下距離を小さ
くして缶蓋が正確に缶上に落ちるようになっている。こ
のように缶蓋７が缶口上に載置された缶２は、更に缶供
給コンベヤ３で図示しないシーマに向けて搬送され、シ
ーミングターレットに供給されて、図示しないシーミン
グロールにより巻締め加工される。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】上記のような缶充填設
備の缶蓋供給装置にあっては、近年載缶蓋速度の高速化
（１５００缶／分〜２０００缶／分）が要求されている
が、上記従来のものにおいては、上流のフィラーで液が
充填され缶搬送コンベアで搬送される缶への載缶蓋機構
において、缶と缶蓋との運動に僅かでもタイミングのず
れが生ずると、載缶蓋が確実に行われなくなり、また、
ホッパー部の缶蓋分離機構で、セパレータのタイミング
のずれが生ずると、缶蓋に損傷が発生し、これによって
装置の運転に支障を生ずる等の問題点を抱えている。

【００１４】本発明の目的は、高速、低速何れの運転時
においても、缶蓋の缶への載缶タイミングが精度良く一
致せしめられるとともに、缶蓋の損傷の発生が防止され
た缶蓋供給装置を提供することにある。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記のような問
題点を解決するもので、その要旨とする手段は、ホッパ
ー下方に設けられ缶蓋が積層状に収納された落下穴と、
同落下穴の下方外側より突出せしめられて、同落下穴か
ら供給される缶蓋を１枚づつ分離供給するセパレータ機
構とを２基並設するとともに、上記２基のセパレータ機
構によって２個同時に分離された缶蓋を移送するレール
の中心をセパレータ機構部においては缶胴案内ホイール
の中心より外側に配置し、搬送コンベア上の缶と缶蓋の
係合する位置においては缶胴案内ホイールおよび上記レ
ールと搬送コンベアの中心が一致するように構成し、上
記２基のセパレータ機構を缶胴案内ホイールの回転に対
応させて回転せしめ、上記２個の落下穴からの缶蓋を２
組同時に分離せしめる駆動機構を備えたことを特徴とす
る缶蓋供給装置にある。

【００１６】これにより、缶供給装置１基の能力負担を
１／２として缶蓋を正確に、かつ損傷なく分離すること
ができる。

【００１７】また、上記セパレータ機構のセパレータデ
イスクを回転せしめる駆動機構に駆動源とセパレータデ
イスクとの回転比を変化せしめる変速機構を装備したこ
とも本発明の１手段である。これにより、低速運転の際
には、１基の缶蓋供給装置で載缶蓋機能を備えることが
できる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の１形態につき詳細に説明する。図１は本発明の実施形
態に係る缶充填設備における缶蓋供給装置の全体外観斜
視図、図２は缶分離機構の断面図、図３は缶蓋供給機構
の移送状態を示す平面図、図４は缶分離機構の駆動系を
示す斜視図である。

【００１９】図１において、５０は缶蓋供給機構、３は
同缶蓋供給機構５０へ缶２を搬送するための缶搬送コン
ベア、１１０は対向ターレット、１１１はシーミングタ
ーレット、１１２は排出ターレット、１１３は載蓋後の
缶２を排出する排出コンベアである。

【００２０】図１において、図示しない缶フィラーにお
いて充填された缶２は、缶搬送コンベア３の駆動チエン
のフィンガーによって搬送され、缶蓋供給機構５０にお
いて缶蓋７を載せ、そのまま缶シーマに送られる。上記
缶２は対向ターレット１１０のサポートを受け、シーミ
ングターレット１１１に正しくセンターリングされ、回
転送りされながら巻締めされ、次いで排出ターレット１
１２を経て排出コンベア１１３に移動し、次の工程に送
られる。

【００２１】上記缶蓋供給機構５０では、図２に示す２
基のセパレート機構５１（２基とも同一構造）におい
て、フレーム６５に固定された落下穴５５ａ，５５ｂに
缶蓋７が積み重ねられている。上記フレーム６５の上下
には、ベアリングを介してセパレータディスク軸６０
ａ，６０ｂが保持され、該セパレータディスク軸６０
ａ，６０ｂの下方にセパレータディスク５９ａ，５９ｂ
がボルト６１によって固定されている。また、フレーム
６５に取付けられた缶蓋７をガイドする外レール５６と
内レール５７にはそれぞれ溝５６ａ，５７ａが形成され
ている。

【００２２】５８は缶胴案内ホイールであり、同缶胴案
内ホイール５８には缶胴に係合されるポケット５８ｂが
円周方向等間隔に配置されており、その外周端に缶蓋７
を移送するプッシャー５８ａが配設されている。

【００２３】図４において、前記軸６０ａ，６０ｂの上
側に固定されている歯車Ａ６２ａ，６２ｂは歯車Ｂ６３
ａ，６３ｂと歯車Ｃ６４に噛み合っている。上記歯車Ｃ
６４は上下をベアリングを介してフレーム６５に支持さ
れている軸６７に固定され、同軸６７の下側には歯車Ｄ
８５が固定されて、駆動源の歯車Ｅ６６と噛み合ってい
る。

【００２４】上記のように構成された缶蓋供給装置にお
いて、缶フィラー、缶シーマ、缶コンベアと共通の駆動
源から歯車Ｅ６６を介して軸６７に回転が伝達され、軸
６７および歯車Ｃ６４、歯車Ｄ８５が図４の矢印ａ方向
に回転する。この回転は２組の歯車Ｂ６３ａ，６３ｂを
介してセパレータディスク５９ａ，５９ｂ上の歯車Ａ６
２ａ，６２ｂに伝達され、歯車Ａ６２ａ，６２ｂは矢印
ｃ方向に回転し、従ってセパレータディスク５９ａ，５
９ｂはこれと同一方向に回転する。

【００２５】また上記セパレータディスク５９ａ，５９
ｂには１回転毎に缶蓋７を１枚ずつ離して送りだす溝が
設けてあり、歯車Ａ６２ａ，６２ｂから歯車Ｄ８５まで
の歯車比が適正に決められているので、セパレータディ
スク５９ａ，５９ｂは、缶胴案内ホイール５８の回転に
合わせて落下穴５５ａ，５５ｂに積み重ねられた缶蓋７
の下側を、レール溝５６ａで支えながら回転し、缶蓋７
は、上記セパレータディスク５９ａ，５９ｂの回転によ
って、１枚ずつ２組同時に分離され、レール溝５６ａ・
５７ａ上に落下させられることとなり、缶蓋７を送りだ
す数が一致せしめられる。

【００２６】また、缶蓋７の分離落下する位置（Ａ１，
Ａ２）は、図３に示すように、缶胴案内ホイール５８の
中心Ｚより距離Ｘの位置にあり、缶蓋７の分離タイミン
グが若干ずれても、缶蓋７はプッシャ５８ａと干渉する
ことなく、落下し吸収される。

【００２７】上記レール溝５６ａ，５７ａ上に同時に落
下した２個の缶蓋７は、缶胴案内ホイール５８の回転に
よりプッシャ５８ａで押されながらレール溝５６ａ，５
７ａに沿って徐々に缶胴案内ホイール５８の中心に寄
り、缶胴との合流点では缶胴案内ホイール５８のポケッ
ト５８ｂの真上に移送される。そして、缶搬送コンベア
３によって缶２が缶蓋７との合流点に向かって搬送され
ると、缶蓋７は、缶胴案内ホイール５８のポケットに係
合した位置の缶２の真上から缶口部に向け、レール溝５
６ａ，５７ａが無くなった位置で落下して缶２上に載置
される。

【００２８】なお、上記レール溝５６ａ，５７ａは終端
部に向けて下方に傾斜しており、缶蓋７が缶２上に落下
する場合の落下距離を小さくして缶蓋７が正確に缶２上
に落下するようになっている。このようにして、缶蓋７
が缶口上に載置された缶２は、更に缶搬送コンベア３で
シーマに向けて搬送され、シーミングターレット４に供
給されて、図示しないシーミングロールにより巻締め加
工される。

【００２９】図５〜図６には本発明の実施の第２形態が
示されている。この実施形態においては、上記第１形態
において、高能力（１５００缶／分／２０００缶／分）
と低能力（１０００缶／分以下）との兼用可能な缶シー
マに対応するために、缶蓋分離機構の駆動系統に変速機
構を設けており、駆動系統機構以外の構成は上記第１形
態と同一である。図５は上記第２形態における缶蓋分離
機構の駆動系統を示す斜視図、図６は駆動系統の変速機
構を示す断面図である。

【００３０】図５において、セパレータディスク軸６０
ａ，６０ｂ、セパレータディスク５９ａ，５９ｂ、歯車
Ａ６２ａ，６２ｂ、歯車Ｂ６３ａ，６３ｂ、軸６８ａ，
６８ｂについては第１実施形態と同一構造である。図５
において、上下にベアリングを介してフレームに支持さ
れている軸７０の上側には上記歯車Ｃ６４が固定される
とともに、下側には歯車Ｄ′７１及び歯車Ｅ′７２が固
定されている。上記歯車７１，７２と切替えにより噛み
合う２つの歯車７４ａ，７４ｂからなる歯車Ｆ７４がス
ライドキー８０と共に軸７３に装着され、この軸７３の
下部には歯車Ｇ７６が固着されて、駆動源の歯車Ｈ７７
に噛み合っている。

【００３１】上記のように構成された駆動機構を備えた
缶蓋供給装置において、高能力（１５００缶／分〜２０
００缶／分）運転の場合は、図示しない歯車切替え手段
により歯車Ｆ７４ｂと歯車Ｄ′７１とが噛み合う状態と
しておく。駆動源から歯車Ｈ７７を介して歯車Ｇ７６及
び軸７０に回転が伝達され、歯車Ｆ７４が図５の矢印ｄ
の方向に回転する。この回転は歯車Ｄ′７１、軸７０を
介して歯車Ｃ６４へと伝達され、さらに歯車Ｂ６３ａ，
６３ｂから歯車Ａ６２ａ，６２ｂを経て軸６０ａ，６０
ｂに伝達される。軸６０ａ，６０ｂの回転により、セパ
レータディスク５９ａ，５９ｂが回転して缶蓋７が分離
され、以降は上記第１形態と同一の作用に入る。

【００３２】低能力（１０００缶／分以下）運転の場合
は、図示しない歯車切替え手段により歯車Ｆ７４ａと歯
車Ｅ′７２とが噛み合う状態とすることで、缶胴案内ホ
イール５８に対するセパレータディスク５９ａ，５９ｂ
の回転比が上記高速運転時の２倍にセットされる。駆動
源からの回転は、歯車Ｈ７７を介して歯車Ｇ７６と軸７
０に伝達され、歯車Ｆ７４が図５の矢印ｄの方向に回転
する。この回転は歯車Ｅ′７１、軸７０を介して歯車Ｃ
６４へと伝達され、さらに歯車Ｂ６３ａ，６３ｂから歯
車Ａ６２ａ，６２ｂに伝達されて、軸６０ａ，６０ｂに
固定されているセパレータディスク５９ａ，５９ｂが回
転する。

【００３３】この場合は、上記高能力運時に比較して、
缶胴案内ホイール５８の回転比が高能力時の２倍となる
ため、缶蓋供給機構５０は１基で対応可能となり、缶蓋
供給の落下穴５５に積み重ねられた缶蓋は缶蓋供給機構
５０に設けられているストッパによって、落下穴５５
ａ，５５ｂのいずれかを缶蓋供給不可の状態として、１
基の缶蓋供給機構５０によって缶蓋７を分離する。以降
の作用は上記第１形態と同一である。

【００３４】なお、上記駆動系統の変速機構はクラッチ
方式でも可能なことは言うまでもない。

【００３５】

【発明の効果】本発明によれは、２基の缶蓋供給機構を
設けることにより高能力（例えば１５００缶／分〜２０
００缶／分）運転時においては、缶蓋１枚ずつ分離供給
するセパレータ機構のセパレータディスク回転数を従来
のもの半分の回転数で缶蓋を分離することができる。こ
れにより缶蓋を損傷なく正確なタイミングで缶蓋に載せ
ることができ、缶シーマの稼働率とシーミング精度が向
上せしめられる。また、低能力（例えば１０００缶／分
以下）運転時においては、２基の缶蓋供給機構のうちの
１基で高能力運転時と同一条件で稼働することができ、
２種類の缶蓋の場合にはそれぞれのセパレータ機構に対
応可能なセパレータディスクをセットとし、缶蓋分離装
置のセパレータ機構の切替えによって簡単に型替えが可
能となり、型替え時間の短縮が実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る缶充填設備における缶
蓋供給装置の外観斜視図。

【図２】缶分離機構の断面図。

【図３】缶蓋供給機構の移送状態を示す平面図。

【図４】缶分離機構の駆動系を示す斜視図。

【図５】本発明の実施の第２形態に係る駆動装置の斜視
図。

【図６】上記駆動装置の断面図。

【図７】従来の缶蓋供給装置の斜視図。

【図８】図７における正面図。

【図９】図７における要部断面図。

【符号の説明】

２ 缶 ３ 缶搬送コンベア ７ 缶蓋 ５０ 缶蓋供給装置 ５１ セパレート機構 ５５ａ，５５ｂ 落下穴 ５６ 外レール ５６ａ，５７ａ レール溝 ５７ 内レール ５８ 缶胴案内ホイール ５８ａ プッシャ ５９ａ，５９ｂ セパレートディスク ６２ａ，６２ｂ 歯車Ａ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホッパー下方に設けられ缶蓋が積層状に
   収納された落下穴と、同落下穴の下方外側より突出せし
   められて、同落下穴から供給される缶蓋を１枚づつ分離
   供給するセパレータ機構とを２基並設するとともに、上
   記２基のセパレータ機構によって２個同時に分離された
   缶蓋を移送するレールの中心をセパレータ機構部におい
   ては缶胴案内ホイールの中心より外側に配置し、搬送コ
   ンベア上の缶と缶蓋の係合する位置においては缶胴案内
   ホイールおよび上記レールと搬送コンベアの中心が一致
   するように構成し、上記２基のセパレータ機構を缶胴案
   内ホイールの回転に対応させて回転せしめ、上記２個の
   落下穴からの缶蓋を２組同時に分離せしめる駆動機構を
   備えたことを特徴とする缶蓋供給装置。
2. 【請求項２】 上記駆動機構が、上記セパレータ機構の
   セパレータデイスクと駆動源との回転比を変化せしめる
   変速機構を備えた請求項１記載の缶蓋供給装置。