JPH0952052A - 光反応性造粒物の製造方法 - Google Patents

光反応性造粒物の製造方法

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JPH0952052A
JPH0952052A JP7210271A JP21027195A JPH0952052A JP H0952052 A JPH0952052 A JP H0952052A JP 7210271 A JP7210271 A JP 7210271A JP 21027195 A JP21027195 A JP 21027195A JP H0952052 A JPH0952052 A JP H0952052A
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water
photoreactive
carrier
phosphoric acid
inorganic substance
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JP7210271A
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Kazuchiyo Takaoka
和千代 高岡
Michihiko Sato
道彦 佐藤
Seiji Shinohara
誠治 篠原
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光反応性半導体の光反応性を利用した優れた
有害物除去能力を有し、取扱い性に優れた光反応性造粒
物の製造方法を提供することにあり、特に水中於ても造
粒体の形態が崩壊しない光反応性造粒物の製造方法を提
供する。 【解決手段】 光反応性半導体及び担体の少なくともい
ずれか一方の共存下、燐酸または水溶性燐酸塩とこれら
と水不溶物を形成する無機物とを反応させながら造粒す
る光反応性造粒物の製造方法。また、燐酸または水溶性
燐酸塩と水不溶物を形成する無機物として、珪酸アルカ
リ金属塩、金属塩酸塩、金属硫酸塩、及び金属硝酸塩か
ら選ばれた少なくとも1種の塩を用いて造粒する光反応
性造粒物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光反応性を利用して有
害物を分解することのできる光反応性造粒物の製造方法
に関するものであり、更に詳しくは水中に於ても造粒物
の形態が崩壊しない光反応性造粒物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に対する関心の高まりに
伴い、工業排気及び排水等工業レベルでの低濃度有害物
質の除去だけでなく、日常生活の中に於ても悪臭除去の
要求が増加している。従来この様な低濃度有害物の除去
の、特に日常生活に於ける悪臭除去材としては、一般的
に活性炭や、活性シリカ、活性アルミナ、及び金属酸化
物等の複合化された無機吸着剤等が使用されている。こ
の様な吸着剤は粉体のまま使用したり、特開昭49−1
6056号公報の様にシート状に加工して使用すること
が提案されている。
【0003】ところが、この様な吸着剤を用いた除去方
法では、吸着剤に有害物が吸着されるに従い、次第に吸
収能力が低下して行く。そこで、実用的吸着能力を喪失
した場合には、吸着材を取り替える必要があった。また
それがため、吸着能力が有効に働く期間を見極める必要
があるなど、使用上の数々の問題点があった。
【0004】これに対し、近年光反応性半導体を用いた
有害物の除去方法が注目を集めている。特開昭61−1
35669号公報には、酸化亜鉛等の光反応性半導体に
紫外光を照射して、悪臭物質である硫黄化合物を分解す
る方法が開示されている。また、特公平2−62297
号公報には、酸化チタンと活性炭混合物により低濃度窒
素酸化物を除去する方法が開示されている。酸化チタン
や酸化亜鉛等の光反応性半導体による悪臭物質等の分解
は、紫外線による接触悪臭物質の光触媒的酸化作用によ
るため、光反応性半導体は悪臭物質の分解で消費及び劣
化を被らず、その能力は光曝露されている限り基本的に
低下しないため、吸着剤のみを使用する場合に比べて大
きな利点を有する。
【0005】これら光反応性半導体による分解能力は、
分解しようとする有害物との接触の機会が多い程向上す
るから、最も効果的な使用形態は有害物と接触する反応
面積の減ずることのない微粉体の状態で使用することで
ある。しかしながら、実使用に際して微粉体を微粉体の
まま用いる訳にはゆかず、光反応性半導体微粉体を取り
扱うためには何らかの加工が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、光反
応性半導体の光反応性を利用した優れた光反応性有害物
除去能力を有し、取扱い性に優れた光反応性造粒物の製
造方法を提供することにあり、特に水中於ても造粒体の
形態の崩壊しない光反応性造粒物の製造方法を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく検討した結果、光反応性半導体及び担体の少
なくともいずれか一方の共存下、燐酸または水溶性燐酸
塩とこれらと水不溶物を形成する無機物とを反応させな
がら造粒することによって上記課題を解決できることを
見出した。また、燐酸または水溶性燐酸塩と水不溶物を
形成する無機物として、珪酸アルカリ金属塩、金属塩酸
塩、金属硫酸塩、及び金属硝酸塩から選ばれた少なくと
も1種の塩を用いて造粒することによって上記課題を解
決することを見出した。本発明は、これらの知見により
達成されたものである。
【0008】以下に本発明の光反応性造粒物の製造方法
及び光反応性造粒物に係わる構成要素を詳細に説明す
る。本発明に係わる光反応性半導体とは、0.5から5
eV、好ましくは2から4eVの禁止帯幅を有する光反
応性を有する半導体である。本発明に係わるこの様な光
反応性半導体としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タ
ングステン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ニオブ、硫化
カドミウム、及び硫化セレン等が挙げれられるが、この
中でも酸化チタンはその光照射時の構造安定性、毒性が
ないこと、優れた光反応性等の観点から、実際の使用に
対して非常に優れた光反応性半導体である。
【0009】本発明に係わる光反応性半導体として有利
に用いられる酸化チタンには、金、銀、亜鉛、白金、及
び酸化ルテニウム等が担持されていても良い。特に、
金、白金、及び銀は酸化チタンを光照射した場合に還元
点になり、酸化ルテニウムは酸化点になる。
【0010】本発明に有利に用いられる酸化チタンの製
法としては、硫酸チタニルを煮沸し加水分解して得る方
法(硫酸法)、四塩化チタンを中和して得る方法、四塩
化チタンを酸素共存下にて焼成して得る方法(塩酸
法)、及び有機チタン化合物等を焼成する方法等があ
る。本発明には何れの製法によって得られたものも用い
ることができる。
【0011】光反応性半導体による有害物分解機構は、
光反応性半導体として酸化チタンを例にとると、酸化チ
タンの活性光受光により表面にフリーラジカルを生成
し、有害物が酸化チタンに吸着している際に光を照射さ
れると、生成したフリーラジカルが有害物を攻撃して分
解する。このプロセスは「酸化チタン」(清野学著、技
報堂出版)に記載されている通り、酸化チタンの表面水
酸基がフリーラジカルの生成点となり、結果的には水の
光分解によるラジカルの生成となる。このため、本発明
に係わる光反応性半導体として酸化チタンに要求される
性能としては、光の吸収、電荷分離の他に、表面水酸基
でのフリーラジカルの生成、再生等の各種性能が求めら
れる。
【0012】これらのプロセスを充分に発揮させるため
には、酸化チタンの比表面積を大きくし、フリーラジカ
ルの生成点である表面水酸基を増加させることが効果的
である。更に、酸化チタンの比表面積を大きくすると、
有害物との接触面積も増大することから、有害物を分解
除去するためには、比表面積が大きいほど効果的であ
る。本発明の製造方法で得られた光反応性造粒物に利用
される酸化チタンの比表面積は100m2/g以上が好ま
しい。また、この様な比表面積を持つ酸化チタンの粒径
は30nm以下が好ましく、更に好ましくは10nm以
下である。
【0013】しかしながら、上記酸化チタンは自己皮膜
形成性が乏しく、また本発明に好ましく用いられる比表
面積の大きな酸化チタンは粒子径が小さくて、取扱い性
が悪い。特に、光照射効率を高めるために、酸化チタン
を面状や筒状に展開する場合には、微粉体の状態では扱
い切れない。このために予め造粒して、その後に使用す
れば取扱いの問題は解決できる。
【0014】本発明に於ては、光反応性半導体と担体と
を併用して造粒を行う。本発明に係わる担体としては、
活性白土、ゼオライト、セピオライト、ハロイサイト、
酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、活性炭、及びこれらの複
合物等が挙げられる。本発明に係わる担体の形状は、粉
体状であることが好ましい。担体の粒径は特に制限はな
いが、10nm〜10mm程度が好ましい。担体の粒径
が大きいと、光反応性半導体は担体表面に付着された形
となる。
【0015】本発明に係わる担体として活性炭等の吸着
剤を使用すると、その有害物の除去能力が増大する。こ
れは、吸着効果による除去能力が付与されたためだけに
起きるのではなく、光反応性そのものも増大する。この
現象は、吸着剤により有害物の濃度が造粒粒子内で増加
し、結果として光反応性半導体表面での有害物濃度が上
昇するためであると説明される。
【0016】以上の光反応性半導体と担体とを結着して
造粒すると共に造粒物に成形性や耐水性を付与するため
に、光反応性半導体及び担体の少なくともいずれか一方
の共存下、燐酸または水溶性燐酸塩とこれらと水不溶物
を形成する無機物とを反応させながら造粒する。本発明
に係わる燐酸としては、オルト燐酸(正燐酸)の他、メ
タ燐酸、ピロ燐酸、三燐酸、及び四燐酸が挙げられる。
また、本発明で云う水溶性燐酸塩とは、20℃の水に1
重量%以上溶解する上記燐酸の塩であって、本発明に係
わる水溶性燐酸塩しては、アンモニウム、リチウム、ナ
トリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、カル
シウム、及びアルミニウム等の燐酸二水素塩や、アンモ
ニウム、リチウム、ナトリウム、及びカリウムの正燐酸
塩、燐酸一水素塩、及び燐酸二水素塩等が挙げられる。
【0017】本発明に於ては、これらの燐酸または水溶
性燐酸塩を含有する水不溶物を形成させ、この水不溶物
生成時の結着力で少なくとも光反応性半導体及び担体を
結着して造粒する。本発明に係わる燐酸または水溶性燐
酸塩と水不溶物を形成する無機物(以下、本発明に係わ
る燐酸または水溶性燐酸塩と水不溶物を形成する無機物
を単に無機物と記載する)としては、燐酸(イオン)と
反応して水不溶塩を形成する水溶性及び水不溶性無機化
合物の他、単に燐酸(塩)の酸性度により自己凝集する
無機化合物等が挙げられる。
【0018】本発明に係わる無機物の例としては、カル
シウム、マグネシウム、及びアルミニウム等の金属、ベ
リリウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、
クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜
鉛、ジルコニウム、銀、錫、バリウム、及び鉛等のハロ
ゲン化物、硫酸塩、及び硝酸塩や、これらの酸化物、含
水酸化物、及び水酸化物等、及びコロイダルシリカや珪
酸アルカリ金属塩等が挙げられる。
【0019】本発明に係わる上記無機物の内、結着力、
造粒物の一層の耐水性の付与、更には硬化速度等を所定
の領域に設定するため、珪酸アルカリ金属塩、上記金属
の塩酸塩、硫酸塩、及び硝酸塩が好ましい。本発明に係
わる珪酸アルカリ金属塩は、一般式SiO2・M2O(M
はアルカリ金属)で表現され、具体例としては珪酸リチ
ウム、珪酸ナトリウム、及び珪酸カリウムが挙げられ
る。また、SiO2とM2Oとのモル比(SiO2/M
2O)は0.5〜8.5程度である。
【0020】本発明に係わる光反応性造粒物は、光反応
性半導体及び担体の少なくともいずれか一方の共存下、
燐酸または水溶性燐酸塩とこれらと水不溶物を形成する
無機物とを反応させながら造粒する。燐酸または水溶性
燐酸塩と無機物とが反応して得られる反応生成物である
水不溶性燐酸塩による造粒方法としては、回転羽や回転
ディスクを回転させ、流体に剪断をかけながら造粒する
撹拌造粒装置にて製造させる。この場合には造粒後に乾
燥工程が入る。また、光反応性半導体、担体、及び水不
溶性燐酸塩水分散液を散布し、熱風を通過させながら、
攪拌羽のついた連続流動造粒混合造粒装置にて作製され
る。この場合には造粒と乾燥が同一工程で行われるが、
粒子径は小さくなる傾向にある。
【0021】造粒に於ける光反応性半導体、担体、燐酸
または水溶性燐酸塩、及び無機物の混合方法としては、
光反応性半導体及び担体の少なくともいずれか一方と、
燐酸または水溶性燐酸塩及び無機物のいずれか一方との
混合水分散液に、燐酸または水溶性燐酸塩及び無機物の
いずれかもう一方を滴下する方法、光反応性半導体及び
担体の少なくともいずれか一方の水分散液に、燐酸また
は水溶性燐酸塩及び無機物を同時に滴下する方法等、更
には予め燐酸または水溶性燐酸塩と無機物とを反応させ
て水不溶性燐酸塩を形成させた後に、光反応性半導体及
び担体を混合擦る方法が挙げられる。光反応性半導体及
び担体は予め両方分散させておいても良いが、光反応性
半導体及び担体のいずれか一方と水不溶性燐酸塩とから
なる造粒物にもう一方を添加しても良い。また、光反応
性半導体及び担体を含有する造粒物に、更に光反応性半
導体及び担体のいずれか一方を添加付着させても良い。
【0022】本発明に係わる燐酸または水溶性燐酸塩及
び無機物からなる水不溶性燐酸塩の具体例としては、燐
酸アルミニウムは塩化アルミニウムと燐酸三ナトリウム
を量論量混合して、或は水酸化アルミニウムと燐酸とを
量論量混合して得られる。また、燐酸カルシウムは塩化
カルシウムと燐酸三ナトリウムを量論量混合して得られ
る。更に、燐酸塩と珪酸アルカリ金属塩、金属塩酸塩、
金属硫酸塩、及び金属硝酸塩よりなる複合反応物も同様
に水中にて反応させ、分散させて得られる。例えば予め
塩化アルミニウムを水中に溶解させ、ここに珪酸カリウ
ムを混合して反応物を得た後、これに燐酸二水素アルミ
ニウムを混合して、複合反応物が得られる。これら燐酸
塩、珪酸アルカリ金属塩、更に金属塩酸塩、金属硫酸
塩、及び金属硝酸塩は1種を選んでも良いし、2種以上
組み合わせても構わない。
【0023】以上の様にして製造された造粒粒子は、粒
径は1μm程度から数mmまでに調整し、製造すること
ができるが、粉体の舞い上がり等取扱い上の問題を考慮
すれば、粒径は10μm以上の大きさがあった方が好ま
しい。これら光反応性造粒物は、そのままの形態で光反
応性有害物除去剤として利用できるが、シート状やハニ
カム状の支持体に封入して用いることもできる。
【0024】
【作用】本発明は、光反応性半導体及び担体の少なくと
もいずれか一方の共存下、燐酸または水溶性燐酸塩とこ
れらと水不溶物を形成する無機物とを反応させながら造
粒することを特徴とする光反応性造粒物の製造方法であ
り、燐酸または水溶性燐酸塩と水不溶物を形成する無機
物として、珪酸アルカリ金属塩、金属塩酸塩、金属硫酸
塩、及び金属硝酸塩から選ばれた少なくとも1種の塩を
用いて造粒するものである。
【0025】本発明に係わる燐酸または水溶性燐酸塩と
無機物との水不溶性反応生成物は、造粒粒子を乾燥する
ことにより光反応性半導体と担体を結着させ、造粒した
粒子の形態を保持するばかりか、造粒物を水中に投入し
ても、粒子の形状を保持することができる。この様な水
不溶性反応生成物は、造粒脱水後多孔質体となり、臭い
物質等の有害物が造粒粒子中に拡散するのを妨げない。
また、水不溶性反応生成物は、光反応性半導体や担体の
表面の全てを覆うことがないので、光反応性半導体や担
体の上述した特性が大きく阻害されることはない。更
に、光照射時に発生するフリーラジカルにも影響を受け
ないので、安定した粒子を形成できる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により更に本発明を詳細に説明
するが、本発明はその主旨を越えない限り、これらに限
定されるものではない。
【0027】実施例1 燐酸二水素アルミニウム水溶液(日本化学工業製;ニカ
バイン)8重量部に光反応性半導体として酸化チタン
(石原産業製;ST−31)1重量部を加えて充分に撹
拌し、燐酸塩水溶液とした。
【0028】一方、酸化チタン(石原産業製;ST−3
1)9重量部、担体として活性炭(クラレケミカル製;
PW−W5、50%水分含有物)10重量部、及びコロ
イダルシリカ(日産化学工業製;スノーテックスC、二
酸化珪素換算固形分濃度20%)8重量部を混合して光
反応性半導体及び担体含有無機物分散液とした。
【0029】高速撹拌型混合造粒機(奈良機械製;ヘビ
ーデゥティー・マトリクス)に、先ず光反応性半導体及
び担体含有無機物分散液を投入し、次に先に作製した無
機物水溶液を滴下しながら造粒した。この造粒物含有液
を100メッシュのステンレス金網で濾過し、造粒物を
イオン交換水で洗浄し、次いで120℃にて30分乾燥
させた。形成した造粒物の平均粒径は250μmであっ
た。乾燥造粒物は、手で取扱っても微細な粉体は指等に
付着せず、また少々の造粒物同士の衝突で粒子が崩壊す
ることなく、良好な粒状性を有していた。
【0030】この光反応性造粒物1gづつを、5.6リ
ットルの密閉できる二つの容器に入れ、一方に6wのブ
ラックランプを約5cmの距離から照射できる様にし
た。これらの容器にアセトアルデヒド高濃度ガスを注入
して、容器内の濃度を15ppmとなる様に調整した。
ガスは60分ごとに4回注入し、4回目の注入後60分
後の容器内のガス濃度をFID検出器付きガスクロマト
グラフィーで測定した。その結果、光を照射し続けた容
器内の残留アセトアルデヒド濃度は10ppmまで低下
していたが、光を照射しなかった方は45ppmであっ
た。
【0031】この光反応性造粒物1gを2−プロパノー
ル濃度50ppmの水溶液20ccに投入し、撹拌しな
がら6wのブラックランプの照射の有無で、60分後の
濃度を液体クロマトグラフィーにて測定した。結果、光
を照射した方は6ppmまで濃度が減少したが光を照射
しなかった方は30ppmまでしか減少しなかった。更
に水中にて光を照射しても、造粒の形態は崩れなかっ
た。
【0032】実施例2 水200重量部に塩化アルミニウム5重量部を溶解し、
続いて珪酸ナトリウム(日本化学工業製;J珪酸ソーダ
3号、二酸化珪素換算固形分濃度30%、モル比2.
7)10重量部及び珪酸カリウム(日本化学工業製;C
珪酸カリ、二酸化珪素換算固形分濃度30%、モル比
2.6)2重量部を撹拌しながら添加した。この液に実
施例1で用いた燐酸二水素アルミニウム水溶液10重量
部を混合し、最後に塩酸にてpHを7.5として水不溶
性燐酸塩分散液を作製した。
【0033】この水不溶性燐酸塩分散液に実施例1で用
いた担体である活性炭5重量部と酸化チタン(石原産業
製;メタチタン酸)5重量部を加えて充分に混合した
後、連続流動造粒乾燥装置(大川原製作所製;ミクスグ
ラード、乾燥温度150℃)に投入して造粒した。形成
した造粒物の平均粒径は80μmであった。乾燥造粒物
は、手で取扱っても微細な粉体は指等に付着せず、また
少々の造粒物同士の衝突で粒子が崩壊することなく、実
施例1と同様に良好な粒状性を有していた。
【0034】この造粒物を実施例1と同様の方法で気相
中でのアセトアルデヒドの除去能と水中での2−プロパ
ノールの除去能を測定した。この結、果気相中では光照
射側が9ppm、光未照射側が46ppm、水中では光
照射側が6ppm、光未照射側が28ppmであり、気
液いずれも実施例1と同様良好な光反応性を示した。ま
た、水中に於ても造粒体は崩壊しなかった。
【0035】実施例3 水100重量部に活性炭(武田薬品製)5重量部と実施
例2で用いた酸化チタン5重量部を加えて充分に混合し
た後、硫酸マグネシウム10%水溶液50重量部を添加
した。この液に、燐酸水素二ナトリウム4重量部を混合
し、更に炭酸水素ナトリウム溶液を滴下してpHを7.
5とした。
【0036】この液を実施例2で用いた連続流動造粒乾
燥装置に投入し、光反応性造粒物を製造した。使用した
熱風は150℃で、作製した造粒物は平均粒径が120
μmであった。乾燥造粒物は、手で取扱っても微細な粉
体は指等に付着せず、また少々の造粒物同士の衝突で粒
子が崩壊することなく、実施例1と同様に良好な粒状性
を有していた。
【0037】この造粒物を実施例1と同様に気相中での
アセトアルデヒドの除去と水中での2−プロパノールの
除去の実験を行った。この結果気相中では光照射側が1
2ppm、光未照射側が48ppm、水中では光照射側
が5ppm、光未照射側が35ppmであり、いずれも
実施例1と同様良好な光反応性を示した。また水中に於
ても造粒体は崩壊しなかった。
【0038】実施例4 水100重量部に活性炭(武田薬品製)5重量部、メタ
チタン酸スラリー(トーケムプロダクツ製、二酸化チタ
ン換算固形分濃度33%)2重量部、及び酸化亜鉛(堺
化学製;SAZEX200)4重量部を加えて充分に混
合した後、硝酸カルシウム20%水溶液25重量部を添
加した。この液に、燐酸水素二アンモニウムをアンモニ
ア水と共に加え、更に稀硝酸を滴下してpHを6.5と
した。
【0039】この液を実施例1で用いた連続流動造粒乾
燥装置に投入し、更に酸化チタン(日本エアロジル;P
25S6)2重量部を散布して造粒した。この造粒物含
有液を100メッシュのステンレス金網で濾過し、造粒
物をイオン交換水で洗浄し、次いで120℃にて30分
乾燥させた。形成した造粒物の平均粒径は280μmで
あった。乾燥造粒物は、手で取扱っても微細な粉体は指
等に付着せず、また少々の造粒物同士の衝突で粒子が崩
壊することなく、良好な粒状性を有していた。
【0040】この造粒物を実施例1と同様に気相中での
アセトアルデヒドの除去と水中での2−プロパノールの
除去の実験を行った。この結果気相中では光照射側が8
ppm、光未照射側が45ppm、水中では光照射側が
6ppm、光未照射側が35ppmであり、いずれも実
施例1と同様良好な光反応性を示した。また水中に於て
も造粒体は崩壊しなかった。
【0041】
【発明の効果】以上の結果から、本発明の光反応性造粒
物の製造方法によって、悪臭や水中の有害物を効率良く
除去でき、更に取り扱いに優れた造粒物を製造すること
ができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも光反応性半導体と担体よりな
    る光反応性造粒物の製造方法であって、光反応性半導体
    及び担体の少なくともいずれか一方の共存下、燐酸また
    は水溶性燐酸塩とこれらと水不溶物を形成する無機物と
    を反応させながら造粒することを特徴とする光反応性造
    粒物の製造方法。
  2. 【請求項2】 燐酸または水溶性燐酸塩と水不溶物を形
    成する無機物が、珪酸アルカリ金属塩、金属塩酸塩、金
    属硫酸塩、及び金属硝酸塩から選ばれた少なくとも1種
    の塩である請求項1記載の光反応性造粒物の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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