JPH09510696A - 肝細胞を標的とする薬物結合体 - Google Patents

肝細胞を標的とする薬物結合体

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JPH09510696A JP7518699A JP51869995A JPH09510696A JP H09510696 A JPH09510696 A JP H09510696A JP 7518699 A JP7518699 A JP 7518699A JP 51869995 A JP51869995 A JP 51869995A JP H09510696 A JPH09510696 A JP H09510696A
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Abstract

(57)【要約】 この発明は、アシアロ糖蛋白質レセプターを有する細胞を治療剤の標的とするための結合体を提供する。これらの結合体は、治療剤及びアシアロ糖蛋白質レセプターに対するリガンドを含み、この治療剤及びリガンドは、橋掛け剤により結合される。橋掛け剤は、架橋剤、多官能性キャリアー分子又は架橋剤及び多官能性キャリアー分子であってよい。好適具体例において、治療剤は、ヌクレオシドアナログ又はコルヒチンであり、そしてリガンドは、アシアロオロソムコイド、アラビノガラクタン又はチロシル(グルタミル)グルタメートのトリス−(N−アセチルガラクトサミンアミノヘキシルグリコシド)アミドである。好適架橋剤には、アミノアシル誘導体、カルボキシアシル誘導体、ホスフェート、ペプチド及び還元的に不安定な架橋剤が含まれる。好適な多官能性キャリアー分子には、ポリアミノ酸及び多糖類が含まれる。この発明の結合体を用いて細胞を治療剤の標的として、例えば、ウイルス感染した肝細胞におけるウイルスDNAの複製を阻止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 肝細胞を標的とする薬物結合体発明の背景 非特異的毒性は、ウイルス感染及び癌等の病気の治療のための化学療法剤の開 発に対する主要な障害である。これらの両方の型の病気の増殖する分子的機構が 正常細胞の代謝と密接に関係しているので、これらの病気の増殖を選択的にブロ ックする薬物の発見は遅かった。従って、従来の化学療法は、治療剤の平衡させ た使用に依存しており、それらの多くは、未感染細胞又はトランスフォームされ てない細胞において毒性が明白となる前の活性濃度の狭い範囲を有するものであ り、それ故に、治療剤の一層高濃度での使用を妨げるものである。ある種の治療 剤の効力に対する更なる障害は、それらの薬剤の体内での不活性化及び/又はそ れらの薬剤の体からの迅速な排泄を含み、それ故に、それらの治療活性を制限す る。 薬物の治療活性を増大させるために取られたアプローチは、その薬物をその薬 物のキャリアーとして働く巨大分子に結合することであった。薬物の巨大分子へ の結合は、薬物の排泄速度を遅くし、恐らくは非特異的なピノサイトーシスによ る薬物の細胞への取り込みを増大させることができる。ある種の薬物は、高分子 の巨大分子例 えば多糖類及びポリアミノ酸に結合され、その薬物の減少した不活性化及び体か らの減少した排泄を生じた。例えば、Bernstein,A.等、(1978)J.Natl.Cancer Inst.60:379-384; Kato,Y.等、(1984)Cancer Res.44:25-30; Kery,V.等、(19 90)Int.J.Biochem.22:1203-1207; Onishi,H.等、(1991)Drug Design and De livery 7:139-145を参照されたい。 しかしながら、特異的レセプターのリガンドとして機能しない巨大分子への薬 物の結合は、治療剤の非特異的毒性の問題を扱っていない。治療剤の特異性を増 大させるための1つの戦略は、所望の細胞集団に対する薬物の標的を定めた送達 を達成するための細胞特異的リガンドへの薬物の結合を含む。薬物送達の標的と されるべき細胞(例えば、ウイルス感染した又は悪性の細胞)の表面上の構造に 結合するリガンドへの薬物の結合は、標的細胞によるレセプター媒介のエンドサ イトーシスによる薬物の特異的取り込みを増大させて非特異的細胞毒性を減少さ せることができる。 薬物結合用に用いられてきた1つの細胞特異的リガンドの典型は、標的細胞上 に存在する表面構造に対するモノクローナル抗体である。例えば、治療剤を抗腫 瘍細胞抗体に結合させることによる治療剤の腫瘍細胞への標的を定めた送達が広 く研究されてきた(総説は、Pietersz,G.A.(1990)Bioconjugate Chemistry 1(2) :89-95を参照されたい)。 薬物結合用に用いられてきた他の型の細胞特異的リガンドは、標的細胞上に存 在する糖蛋白質に対する膜レセプターに結合する糖蛋白質である(総説としては 、Bodmer,J.L.及びDean,R.T.(1988)Methods in Enzymology,112:298-306を参 照されたい)。臨床的に特に重要な1つの標的細胞は、肝実質細胞又は肝細胞で あり、これは、肝炎ウイルス例えばB型肝炎ウイルスの一次感染部位である。ヌ クレオシドアナログアデニンアラビノフラノシドモノホスフェート(araAM P)及びアシクロバー(acyclovir)モノホスフェート(ACVMP)は、B型 肝炎ウイルス(HBV)の治療のための治療剤としての見込みを示したが、それ らの遊離の薬物としての使用は、毒性、急速なクリアランス(araAMPにつ いて)及び乏しい細胞取り込み(ACVMPについて)等の問題を伴うものであ った(例えば、Jacyna,M.R.及びThomas,H.C.(1990)British Medical Bulletin ,46:368-382; Sacks,S.L.等(1979)JAMA 241:28; Whitley,R.等(1980)Drugs 2 0 :267; Balfour,H.H.(1984)Ann.Rev.Med.35:279; Weller,I.V.D.等(1983)J .Antimicrov.Chemother.11:223を参照されたい)。araAMP及びACV MPは、それらを、肝細胞上に存在するアシアロ糖蛋白質レセプターに結合する ラクトサミン化したヒト血清アルブミン(以下、L−HSA)に結合することに より肝細胞を標的とした(Fiume,L.等(1981)FEBS Letters 129:261-264; Fiume,L.等(1988)Pharm.ActaHelv.63:137-139;Fiume,L.(1989)Naturwiss enschaften 76:74-76; 米国特許第4,794,170号)。これらの場合、ホ スフェート部分を用いてヌクレオシドアナログをL−HSAに架橋した。ACV MPも又、グルタレート架橋剤又はスクシネート架橋剤によってL−HSAに結 合された(米国特許第4,725,672号)。L−HSAに結合されたara AMP結合体は、アシアロ糖蛋白質レセプターにより選択的に循環から取り去ら れ、肝細胞中でDNA合成を阻害した(Fiume,L.等(1981)FEBS Letters 129:2 61-264)。L−HSAと結合されたACVMP結合体は、肝細胞中で遊離の薬物 を放出することが示された(Fiume,L.等(1989)Naturwissenschaften 76:74-76 )。両結合体は、ウッドチャック肝炎ウイルスのDNAレベルを未結合の薬物よ り低投与量で低下させ(Ponzetto,A.等(1991)Hepatology 14:16-24)、又ar aAMP−L−HSA結合体は、ヒトにおいてHBV複製を阻止した(Fiume,L .等(1988)Lancet 2:13-15)。しかしながら、ラクトサミン化アルブミンを細胞 特異的リガンドとして使用することは欠点となり得る。L−HSAのアシアロ糖 蛋白質レセプターに対する特異性は、ラクトサミネーションにおいてアルブミン に結合するガラクトシル残基から生じる。もしこのプロセスの効果がないとする と、多くのアルブミンに結合したガラクトシル残基は、アシアロ糖蛋白質レセプ ターに対 する高い親和性を有するリガンドを生成するのに十分でなく、それにより、結合 体の標的を定める能力を減じることがあり得る。 多官能性のキャリアー分子も又、薬物の治療活性を増大させるために用いられ た。多官能性キャリアー分子は、他の分子が結合し得る多数の反応性側鎖を有し 、それ故に、多数の小分子が単一分子のキャリアーに結合することができるとい う利点を有する。薬物は、非特異的取り込みを増大させるために多官能性キャリ アー分子例えばポリグルタミン酸に結合された(例えば、Kato,Y.等(1984)Can cer Res.44:25-30を参照されたい)。しかしながら、多官能性キャリアー分子 の利用と治療剤の標的を定めるための細胞特異的リガンドとを組み合わせる試み は、限界を示した。ある研究(Fiume,L.等(1986)FEBS Letters 203:203-206) においては、ASGRを介してウイルス感染した肝細胞を抗ウイルス剤の標的と するための結合体において、ガラクトース残基をポリリジンに結合することによ り、ポリリジンが用いられた。次いで、araAMP及びACVMPがガラクト シルポリリジンに結合された。2つの構築物のうち、araAMP−ガラクトシ ル−ポリリジンのみが、効果的に肝細胞を標的とし、Ectromeliaウイルス感染し たマウスにおけるDNA合成を阻止した;ACVMP−ガラクトシル−ポリリジ ン結合体は不活性であった。発明の要約 この発明は、アシアロ糖蛋白質レセプターを発現している細胞を治療剤の標的 とすることのできる薬物結合体に関するものである。治療剤をアシアロ糖蛋白質 レセプターに対するリガンドに結合することにより、アシアロ櫃蛋白質レセプタ ーをその治療剤の標的とする。治療剤とリガンドを結合させる1種以上の橋掛け 剤(bridgingagent)により、治療剤をリガンドに結合する。橋掛け剤は、治療 剤とリガンドとを、その薬剤の治療活性又はリガンドの結合活性を破壊すること なく結合させる特性を有する。リガンドのアシアロ糖蛋白質レセプターへの結合 は、結合体のレセプター媒介のエンドサイトーシスによる細胞による取り込みを 促進する。 好適具体例において、結合体は、治療剤並びに、アシアロオロソムコイド、ア ラビノガラクタン及び合成リガンドYEE(GalNAcAH)3から選択する アシアロ糖蛋白質レセプターに対するリガンドを含む。治療剤を、橋掛け剤(架 橋剤、多官能性キャリアー分子又は架橋剤と多官能性キャリアー分子の両者であ ってよい)によりリガンドに結合する。架橋剤を単独で用いる場合には、架橋剤 を治療剤とリガンドの両者に共有結合させ、それにより、治療剤をリガンドに結 合させる。例えば、リガンド上のアミノ基、カルボキシル基又はスルフヒドリル 基と反応する架橋剤を用いることができる。同様に、多官能性キャリアー分子を 単独で用いる場合に は、多官能性キャリアー分子を、治療剤とリガンドの両者に共有結合させ、それ により、治療剤をリガンドに結合させる。例えば、アルデヒド基と反応性の多官 能性キャリアー分子例えばポリアルデヒドデキストランを用いることができる。 或は、架橋剤と多官能性キャリアー分子の両者を用いる場合には、架橋剤が治療 剤と多官能性キャリアー分子の両者と共有結合し且つ多官能性キャリアー分子が リガンドと共有結合して、それにより、治療剤をリガンドに結合させるように試 薬を選択する。架橋剤は、アミド結合、ホスホアミド結合又はジスルフィド結合 により多官能性キャリアー分子に結合することができる。例えば、アミノアシル 架橋剤を、多数の反応性のカルボキシル基を有する多官能性キャリアー分子と共 に用いることができ、或は、カルボキシアシル架橋剤を、多数の反応性のアミノ 基を有する多官能性キャリアー分子と共に用いることができる。 これらの結合体において用いるための好適な架橋剤には、スクシネート及びグ ルタレートのカルボキシアシル誘導体、トランス−4−アミノメチルシクロヘキ サンカルボキシレート若しくは4−アミノブチレートのアミノアシル誘導体、( 3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネートの誘導体又はアミノ酸配列Leu− Ala−Leuを含むペプチドが含まれる。好適な多官能性キャリアー分子には 、ポリアミノ酸例えばポリリジン、ポリオルニチン、ポリグルタミン酸及びポリ アスパラギン酸 並びに多糖類例えばポリアルデヒドデキストランが含まれる。 この発明の結合体を用いて、アシアロ糖蛋白質レセプターを発現している肝細 胞を治療剤の標的とすることができる。こうして、肝細胞のウイルス感染に対し て効果のある治療剤をアシアロ糖蛋白質レセプターに対するリガンドに結合する ことができる。例えば、B型肝炎ウイルス等の肝炎ウイルスに対して効果的な抗 ウイルス性の薬物を、これらの結合体において用いることができる。好適な型の 抗ウイルス治療剤はヌクレオシドアナログである。この発明は、ヌクレオシドア ナログとアシアロ糖蛋白質レセプターリガンド例えばアシアロオロソムコイドを 含む結合体を包含し、ヌクレオシドアナログが9−β−D−アラビノフラノシル シトシン、9−(2−ヒドロキシエチオキシメチル)グアニン、ジデオキシシチ ジン、9−β−D−アラビノフラノシルアデニン及び3’−アジド−3’−デオ キシチミジンである結合体を含む。この発明の結合体は、ウイルス感染した細胞 例えばB型肝炎ウイルスに感染した肝細胞におけるウイルスDNAの複製を阻止 するのに有用である。 この発明は、更に、患者において、アシアロ糖蛋白質レセプターを発現してい る細胞を治療剤の標的とする方法を提供する。この方法は、治療剤とアシアロ糖 蛋白質レセプターリガンド例えばアシアロオロソムコイドとの結合体を形成する こと、及びその結合体を生理的に許容 し得るビヒクルにて患者に投与することを含む。図面の簡単な説明 図1は、HBV DNA感染した2.2.15細胞におけるHBV DNAの 複製中間体(RI)及び弛緩した環(RC)の形態の細胞内蓄積に対するara C−グルタメート−PL−ASOR結合体の濃度の増加の効果を示すグラフであ る。 図2は、HBV DNA感染した2.2.15細胞における弛緩した環状のH BV DNAの細胞内蓄積に対する遊離のACV及びACVMP−PL−ASO R結合体の濃度の増加の効果を示すグラフである。 図3は、HBV DNA感染した2.2.15細胞からの培養培地中でのHB V DNAの細胞外蓄積に対する遊離のACV及びACVMP−PL−ASOR 結合体の濃度の増加の効果を示すグラフである。 図4は、HBV DNA感染した2.2.15細胞における弛緩した環状のH BV DNAの細胞内蓄積に対するddC−PAD−ASOR結合体の濃度の増 加の効果を示すグラフである。発明の詳細な説明 この発明は、アシアロ糖蛋白質レセプターを発現している細胞を治療剤の標的 とすることのできる結合体に関するものである。この治療剤をアシアロ糖蛋白質 レセプ ター(以下、ASGR)に対するリガンドに結合することにより、ASGRをそ の標的とする。このリガンドは、アシアロ糖蛋白質レセプターを有する細胞を治 療剤の標的とし、結合体がレセプター媒介のエンドサイトーシスにより細胞によ って取り込まれるのを促進するように作用する。この発明の結合体が細胞を治療 剤の標的とする効果を達成するので、所望の治療効果を達成するのに必要な結合 体の投与量は、未結合の治療剤と比較して少ない。更に、これらの結合体は、ア シアロ糖蛋白質レセプターを発現していない細胞から離れるよう方向付けられる ので、治療剤の非特異的細胞毒性がイン・ビボで減少することが予想される。 用語「結合体」は、互いに共有結合した2つ以上の分子種を含むことを意図す る。この発明の結合体は、少なくとも一の治療剤と一のASGRに対するリガン ド及び通常はこの治療剤とリガンドとの間の橋掛け剤として機能する少なくとも 一の更なる分子種とからなる。従って、本質的に、この結合体の3つの成分が考 えられる:即ち、治療剤、リガンド及びこれら2者を一つに結合させる手段(即 ち、橋掛け剤)であり、以下の節において一層詳細に論じることとする。I.治療剤 用語「治療剤」は、患者の生理的機能を有益に変化させる目的、又は患者の病 気若しくは障害を有益に治療す る目的をもって患者に投与される分子を含むことを意図する。治療剤には、薬物 、慣用の抗ウイルス剤(ヌクレオシドアナログを含む)、慣用の抗腫瘍剤、逆転 写酵素阻害剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、真核生 物DNAジャイレース阻害剤、DNA結合剤、ホルモン、成長因子、ビタミン、 蛋白質及びペプチド及びそれらのアナログ、核酸及びそれらのアナログ、並びに 他の生物活性分子が含まれる。例えば、この治療剤は、ASGRを発現している ウイルス感染細胞を標的とする、ウイルス感染治療手段としての薬物であってよ い。 治療剤の標的である好適なASGR発現細胞型は、肝細胞である。従って、肝 細胞のウイルス感染に有効な抗ウイルス性薬物をASGRに対するリガンドに結 合してウイルス感染した肝細胞をその抗ウイルス性薬物の標的とすることができ る。肝細胞のウイルス感染は、如何なる向肝臓性ウイルスによる感染であっても よい。向肝臓性ウイルスの例には、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型 肝炎ウイルス及びD型肝炎ウイルスが含まれる。治療剤が向けられる好適な向肝 臓ウイルスは、B型肝炎ウイルスである。 ウイルス感染例えばB型肝炎ウイルスを治療する一つの治療アプローチは、ウ イルスDNA合成を邪魔する薬物例えばヌクレオシドアナログを用いることであ る。例えば、2つのヌクレオシドアナログ、9−β−D−アラ ビノフラノシルアデニン(araA)及び9−(2−ヒドロキシエチオキシメチ ル)グアニン(アシクロバー;ACVとしても知られている)が、慢性B型肝炎 ウイルス感染の患者において試験された(Hoofnagle,J.H.(1984)Gastroenterol ogy 86:150-157; Weller,I.V.D.等、(1985)Gut 26:745-751; Sacks,S.L.等、 (1979)JAMA 241:28; Weller,I.V.D.等、(1983)J Antimicrob.Chemother.11:2 23-231; Alexander,G.J.M.等、(1986)J.Hepatol.3(補遺 2):S123-S127)。遊 離のヌクレオシドアナログは、ウイルスの増殖をブロックする効果を示したが、 投与量に関係した副作用が認められた。この発明の結合体中へのヌクレオシドア ナログの取り込みは、この薬物の治療活性を増大させ、それにより、治療効果に 必要な薬物の投与量を減少させることができる。従って、一具体例において、こ の結合体の治療剤は、ヌクレオシドアナログである。ここで用いる場合、用語「 ヌクレオシドアナログ」は、下記の一般式を有する分子を含むことを意図する: (式中、Zは酸素、硫黄又は炭素であり、Bはヌクレオ シド塩基又はアナログであり、X及びYは置換基例えばOH、H、N3、F等で あり、そしてRは、ヌクレオシドアナログの架橋剤及び/又はキャリアー分子へ の共有結合による結合を可能にする官能基である)。適当な官能基の例には、遊 離の−OH、−NH2、−COOH又は−SH部分を与えるものが含まれる。 用語「ヌクレオシドアナログ」は又、下記の一般式を有する非環状ヌクレオシ ドを含むことも意図する: (式中、Bはヌクレオシド塩基又はアナログであり、Zは酸素、硫黄又は炭素で あり、そしてRは、ヌクレオシドアナログの架橋剤及び/又はキャリアー分子へ の共有結合による結合を可能にする官能基である)。適当な官能基の例には、遊 離の−OH、−NH2、−COOH又は−SH部分を与えるものが含まれる。こ の発明の結合体において使用することのできる有効な抗ウイルス剤である非環状 ヌクレオチドの例は、Schaeffer による米国特許第4,199,574号に記載 されている。 この発明の結合体で用いるための好適なヌクレオシドアナログには、9−β− D−アラビノフラノシルアデニン(araA)、9−β−D−アラビノフラノシ ルシトシン(araC)、2’,3’−ジデオキシシチジン(ddC)及び3’ −アジド−3’−デオキシチミジン (AZT)が含まれる。好適な非環状ヌクレオシドアナログは、9−(2−ヒド ロキシエチオキシメチル)グアニン(ACV)である。他の可能なヌクレオシド アナログには、ガンシクロバー、ファムシクロバー、ペンシクロバー、ブロモビ ニルデオキシウリジン、ホスホノホルメート、アデノシン(ddA)、イノシン (ddI)、グアノシン(ddG)、チミジン(ddT)及びウラシル(ddU )の2’,3’−ジデオキシヌクレオシド、9−β−D−アラビノフラノシルア デニン−エリスロ−9−(2−ヒドロキシノニル)アデニン(AraA−EHN A)、2’−フルオロ−1−β−D−アラビノフラノウロシル−5−メチルウラ シル(FMAU)、2’−フルオロ−1−β−D−アラビノフラノウロシル−5 −エチルウラシル(FEAU)、2’−フルオロ−1−β−D−アラビノフラノ シル−5−ヨードウラシル(FIAU)、2’−フルオロ−1−β−D−アラビ ノフラノシル−5−ヨードシチジン(FIAC)、3’−フルオロ−ddC、5 −クロロ−ddC、3’−フルオロ−5−クロロ−ddC、3’−アジド−5− クロロ−ddC、3’−フルオロ−ddT、3’−フルオロ−ddU、3’−フ ルオロ−5−クロロ−ddU、3’−アジド−ddU、3’−アジド−5−クロ ロ−ddU、2’−6’−ジアミノプリン2’,3’−ジデオキシリボシド(d dDAPR)並びにデオキシグアノシンの炭素環式アナログ(2’−CDG)が 含まれる。 ヌクレオシドアナログに加えて、他の型の治療剤を用いてウイルス感染例えば 肝炎ウイルス感染を阻止することができる。例えば、逆転写酵素阻害剤、トポイ ソメラーゼ阻害剤、ジャイレース阻害剤及びDNA結合剤は、B型肝炎ウイルス のDNA複製を阻止することが示された(Civitico,G.等(1990)J.Med.Virol.3 1 :90-97)。この発明の結合体において治療剤として使用することのできる治療 上有効な化合物には、トポイソメラーゼII阻害剤エリプティシン、アムサルコシ ン、アドリアマイシン及びミトロザントロン、真核生物DNAジャイレース阻害 剤クーママイシンA1及びDNA結合剤ネオカルジノスタチン及びクロロキン( これらは、DNAに挿入されるか又はDNAにニックを入れる)が含まれる。II.アシアロ糖蛋白質レセプターに対するリガンド 治療剤は、それをアシアロ糖蛋白質レセプター(肝臓Gal/GalNAc特 異的レセプターとも呼ばれる)に対するリガンドと結合することにより、ASG Rを発現している細胞を標的とする。用語「アシアロ糖蛋白質レセプターに対す るリガンド」は、アシアロ糖蛋白質レセプターに結合する任意の分子を含むこと を意図する。アシアロ糖蛋白質レセプターに対するリガンドの1つの型は、クラ スター化した末端ガラクトース残基を有するアシアロ糖蛋白質である。かかるア シアロ糖蛋白質は、終から2番目のガラクトシル残基を有するシアル酸で終 る糖蛋白質から調製することができる。これらのガラクトース残基は、標準的技 術を用いて、この糖蛋白質の脱シアル化によって露出される。例えば、糖蛋白質 を、酵素ノイラミニダーゼで処理することにより脱シアル化することができる。 或は、糖蛋白質を、実施例1に記載のように、酸加水分解によって脱シアル化す ることができる。アシアロ糖蛋白質の例には、アシアロオロソムコイド、アシア ロフェチュイン、アシアロセルロプラスミン、アシアロハプトグロブリン及び脱 シアル化した水疱性口内炎ウイルスが含まれる。オロソムコイド、フェチュイン 、セルロプラスミン及びヘパトグロブリンは、血漿から得られ、次いで、脱シア ル化することができる。 この発明の結合体における使用のために好適なASGRリガンドは、アシアロ 糖蛋白質アシアロオロソムコイド(以下、ASOR)である。オロソムコイド蛋 白質若しくはその蛋白質の誘導体又は結合した炭水化物部分のある種の変化(例 えば、アミノ酸欠失又は点突然変異)は、その糖蛋白質のASGRへの結合能力 を破壊せずになし得るということも又、認めるべきである。かかるASORの変 化した又は誘導体化した形態は、ここで用いる場合、用語「アシアロオロソムコ イド」の範囲内にあることを意図する。ASORは、ヒト血漿から単離されたオ ロソムコイド(α−1−酸糖蛋白質とも呼ばれる)から、その単離したオロソム コイドを脱シアル化して終 から2番目のガラクトース基を露出させることによって調製することができる( 実施例1に記載)。幾つかの放射性標識した血漿由来のアシアロ糖蛋白質をイン ・ビボで循環中へ同時に注入すると、アシアロオロソムコイドは、最も急速に循 環から取り除かれ、ASORが肝臓に急速に取り込まれることを示すということ が見出されている(J.Biol.Chem.(1970)245:4397; 及びPCT出願WO92/2 2310を参照されたい)。更に、ASORは、治療剤又は橋掛け剤がASOR に結合することを可能にするカルボン酸基に富んでいる。 他の型のASGRに対するリガンドは、ネオ糖蛋白質、ASGRに対するリガ ンドとなるように改変された蛋白質である。例えば、末端ガラクトシル残基を蛋 白質に結合させてそれをASGRに対するリガンドに変換させることができる。 例えば、ガラクトース末端炭水化物例えばラクトースを還元的アミノ化により蛋 白質に結合させることができる。 この発明の結合体において使用することのできる他の型のリガンドは、ASG Rに結合した炭水化物である。例えば、末端ガラクトース残基を有する多糖類を 用いてASGRを治療剤の標的とすることができる。好適な炭水化物リガンドは 、アラビノガラクタンである。アラビノガラクタンは、多くの樹木及び植物種の 細胞壁の成分である。構造的には、アラビノガラクタンは、アラビノース及びガ ラクトースの分岐鎖を有するガラクトース主 鎖からなる。一般に、ガラクトース対アラビノースの比率は、5:1〜10:1 である(Glickman編 (1982)FoodHydrocolloids,CRC Pressを参照されたい)。 アラビノガラクタンの治療剤、架橋剤又は多官能性キャリアー分子への結合を可 能にする官能基を与えるアラビノガラクタンの誘導体を調製することができる。 例えば、アラビノガラクタンのアミノ誘導体又はカルボキシる誘導体を用いて、 アラビノガラクタンがASGRに対するリガンドとして働くこの発明の結合体を 調製することができる。 この発明の結合体において使用することのできる他の型のリガンドは、ASG Rに対する合成リガンドである。この合成リガンドは、アミド結合を介してペプ チドと結合されたASGRに対する結合特異性を有する炭水化物部分を含む。好 適な炭水化物部分は、N−アセチルガラクトサミンである。例えば、2つ以上の 炭水化物部分をジ−若しくはトリペプチドに結合して、ASGRに特異的なクラ スターリガンドを形成することができる。この合成リガンドは又、治療剤、架橋 剤又は多官能性キャリアー分子との共有結合を形成するために利用することので きる官能基を有する有機構造をも含む。好適な合成リガンドは、チロシル(グル タミル)グルタメートのトリス−(N−アセチルガラクトサミンアミノヘキシル グリコシド)アミドであり、ここではYEE(GalNAcAH)3と呼ぶ。Y EE(GalNAcAH)3 は、Lee等(1987)Glycoconjugate Journal 3:317に記載されたようにして、又はF indeis 等による米国特許出願第08/045,985号に記載されたようにし て合成することができ、その内容を参考として本明細書中に援用する。YEE( GalNAcAH)3の構造は、下記式により表すことができる: (式中、Rは、H又はCOCH2CH2CO2Hである)。III.治療剤のASGRのリガンドへの結合:橋掛け剤 治療剤を、治療剤をリガンドに結合する橋掛け剤として機能する中間物によっ てアシアロ糖蛋白質レセプターに対するリガンドに結合する。橋掛け剤は、治療 剤の治療活性又はリガンドの結合活性の何れも破壊せずに治療剤をリガンドに結 合させなければならず且つイン・ビボ の循環中で安定であるべきである。更に、橋掛け剤は、絶対的要求ではないが、 好ましくは、治療剤を細胞内で活性な機能的形態で放出すべきである。橋掛け剤 及び結合機構は、結合体が活性であるか否かを決定する際に主要な役割を演ずる 結合体の重要な要素である(即ち、治療剤及び/又はリガンドが不適当な様式で 橋掛け剤に共有結合している結合体は、機能的活性を保持し得ない)。例えば、 ACVMP−L−HSA結合体は、肝細胞を標的とし且つ抗ウイルス活性を示し た(Fiume,L.(1989)Naturwissenschaften 76:74-76;米国特許第4,725, 672号)が、ACVMP−ポリリジン−ガラクトース結合体は不活性であった (Fiume,L.等(1986)FEBS Letters 203:203-206)。 ここで用いる場合、用語「橋掛け剤」は、治療剤をASGRのリガンドに結合 させる分子を含むことを意図する。この発明の結合体で使用する橋掛け剤は、架 橋剤、多官能性キャリアー分子又は架橋剤と多官能性キャリアー分子の両者であ ってよい。従って、この発明の一具体例において、この結合体は、一般式A−B −C−Dを有する(式中、Aは治療剤、Bは架橋剤、Cは多官能性キャリアー分 子であり、Dはアシアロオロソムコイドである)。他の具体例において、この結 合体は、一般式A−C−Dを有する(式中、Aは治療剤、Cは多官能性キャリア ー分子であり、Dはアシアロオロソムコイドである)。更に他の具体例において 、この結合体は、一般 式A−B−Dを有する(式中、Aは治療剤、Bは架橋剤であり、Dはアシアロオ ロソムコイドである)。 用語「架橋剤」は、2つの反応性の官能基であって、その一方は第1の分子と 反応して共有結合を形成し且つ他方は第2の分子と反応して共有結合を形成し、 それにより、2つの分子を効果的に1つに繋げる反応性官能基を有することによ って2つの異なる分子間の橋掛け分子として機能し得る分子を含むことを意図す る。好ましくは、架橋剤は、異なる官能性部分の2つの反応性官能基を有する。 適当な官能基の例には、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基及びヒド ロキシ基が含まれる。架橋剤の1つの官能基が分子(例えば、治療剤)と反応す る際に、必要ならば、他の官能基を、その架橋剤の第2の官能基がその分子と反 応できないように修飾する保護基によって、その分子と反応することを防ぐこと ができる。第1の反応が完了した後に、保護基を除去して第2の官能基をもとに 戻し、次いで、第2の官能基を他の分子(例えば、アシアロオロソムコイド等の ASGRリガンド)と反応させることができる。 用語「多官能性キャリアー分子」は、多数の(即ち、2つより多い)反応性の 官能基であって、他の分子と共有結合を形成し、それにより、それらの他の分子 を効果的に1つに繋げる反応性官能基を有することによって2つ以上の異なる分 子間の橋掛け分子として機能し得る分子を含むことを意図する。一般に、多官能 性キャリアー は、高分子構造を有し、好ましくは、多官能性キャリアーの多数の官能基は、同 じ官能性部分のものである。適当な官能基の例には、アミノ基、カルボキシル基 及びアルデヒド基が含まれる。多官能性キャリアー分子上に存在する多数の反応 性官能基の故に、多数の分子をそれに結合することができる(即ち、治療剤及び /又はリガンドの多くの分子を単一のキャリアー分子に結合させることができる )。従って、多官能性キャリアー分子を含む結合体の分子置換率は、一般に、多 官能性キャリアー分子を含まない結合体と比較して増大している。結合体の分子 置換率を増大させることは、結合体の治療インデックス(即ち、治療活性)を増 大させる手段を与える。 この発明により、幾つかの異なる結合戦略を用いて、治療剤をアシアロオロソ ムコイドその他のASGRに対するリガンドに、種々の架橋剤及び/又は多官能 性キャリアー分子を用いて結合することができる。これらの戦略及び反応は、実 施例に詳述する。使用可能な異なる型の架橋剤及び多官能性キャリアー分子を以 下の節にて簡単にまとめる:A.アシル架橋剤 治療剤のアシル誘導体であって、リガンド又はキャリアー−リガンド複合体上 の他の官能基と反応し得る官能基を有するアシル誘導体を調製することにより、 その治療剤をリガンド(又は、キャリアー−リガンド複合体) に結合することができる。このアシル誘導体の官能基は、例えば、カルボキシル 基(これは、次いで、リガンド又はキャリアー上のアミノ基と反応してアミド結 合を形成することができる)、アミノ基(これは、次いで、リガンド又はキャリ アー上のカルボキシル基と反応してアミド結合を形成することができる)又はリ ン酸基(これは、次いで、リガンド又はキャリアー上のアミノ基と反応してホス ホアミド結合を形成することができる)であってよい。カルボキシアシル架橋剤 : 治療剤のカルボキシアシル誘導体を反応性アミノ基を有するリガンド又はキャ リアー−リガンドに活性エステル結合することにより、その治療剤をリガンド( 又は、キャリアー−リガンド複合体)に結合することができる。簡単に言えば、 治療剤を、アミノ基又はヒドロキシ基にてアシル化してアシル誘導体を形成する 。好適なアシル誘導体は、グルタリル誘導体及びスクシニル誘導体である。治療 剤(例えば、ヌクレオシドアナログ)のカルボキシアシル誘導体を、以前に記載 されたようにして(例えば、Erlanger,B.F.等(1967)Methods Immun.Immunochem .1:144を参照されたい)並びに実施例1及び2に詳述するようにして調製する ことができる。治療剤の誘導カルボキシル基は、治療剤のリガンド又はキャリア ー−リガンド複合体への結合を可能にする架橋剤と して機能する。この薬剤のカルボキシル誘導体は、活性化されて(例えば、N− ヒドロキシスクシンイミドで)活性エステルを形成する。この活性化カルボキシ アシル化合物を、次いで、官能性アミノ基を有するリガンド又はキャリアー(例 えば、ポリリジン−ASOR等のキャリアー−リガンド複合体)と反応させてカ ルボキシアシル架橋剤とキャリアー又はリガンドのアミノ基との間のアミド結合 を形成し、それにより、この薬剤をキャリアー又はリガンドに結合させる。この カルボキシアシル誘導体を、実施例1及び2に詳述するようにキャリアー又はリ ガンドに結合することができる。治療剤のカルボキシアシル誘導体を結合するこ とのできる好適な高分子のキャリアー分子は、反応性アミノ基を有するポリアミ ノ酸例えばポリリジン又はポリオルニチンである。高分子のキャリアー分子を、 先ず、実施例1に記載のように、ASOR等のリガンドに結合させ、次いで、治 療剤のカルボキシアシル誘導体をキャリアー−リガンド複合体に結合することが できる。例えば、ヌクレオシドアナログaraCのカルボキシアシル誘導体を、 下記のようにポリリジン−ASORに結合することができる: アミノアシル架橋剤 治療剤のアミノ誘導体を、反応性カルボキシル基を有するリガンド又はキャリ アー−リガンド複合体に、この誘導体化した治療剤のアミノ基とリガンド又はキ ャリアーのカルボキシル基との間のアミド結合形成によって結合することができ る。この治療剤のアミノ誘導体を、カルボジイミドカップリングによりリガンド 又はキャリアーに結合する。治療剤の好適なアミノ誘導体は、アミノアシル誘導 体である。例えば、治療剤のアミノメチルシクロヘキサンカルボキシル又は4− アミノブチリル誘導体を調製して、実施例4に記載のようにしてリガンド又はキ ャリアー−リガンドに結合させることができる。治療剤のアミノアシル誘導体を 調製するためには、アミノカルボン酸(例えば、アミノメチルシクロヘキサンカ ルボン酸(AMCC)又はアミノブタン酸(GABA))のアミノ基を、例えば Schotten-Baumanのカルバミル化により保護し、この保護したアミノカルボン 酸を、カルボジイミド促進されたエステル化により治療剤と反応させる。この反 応に続いて、保護基を水素化分解(Brown,C.A.及びBrown,H.C.(1966)J.Org.Che m.31:3989-3995)により除去し、この薬剤のアミノアシル誘導体を、反応性カル ボキシル基を有するリガンド又はキャリアー−リガンド複合体に、カルボジイミ ドカップリング(例えば、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカ ルボジイミドヒドロクロリドを使用)により結合させ る。例えば、一般のヌクレオシドアナログのアミノメチルシクロヘキサンカルボ キシル(AMCC)誘導体を、下記のようにASORに結合することができる: アミノアシル基を、反応性ヒドロキシル基(例えば、上記のようなヌクレオシ ドアナログの5’−OH)によって又は反応性アミノ基(例えば、araC及び ddC等のシトシン由来のヌクレオシドアナログのN4基)によって治療剤に結 合することができる。もし治療剤が反応性ヒドロキシル基と反応性アミノ基の両 者を有するならば、アミノアシル化の間、一方の基を保護することができる。例 えば、シトシンヌクレオシドアナログの5’−OHを、アミノアシル化の間、ト リチル基で保護し、次いで、脱トリチル化することができる(実施例4を参照さ れたい)。B.リン酸架橋剤 治療剤のリン酸誘導体を、反応性アミノ基を有するリガンド又はキャリアー− リガンド複合体に、治療剤のリン酸基とリガンド又はキャリアーのアミノ基との 間のホスホアミド結合の形成によって結合することができる。 治療剤を、標準的手順によってホスホリル化することができ、又はこの薬剤のリ ン酸誘導体は市販品を得ることができる。例えば、あるヌクレオシドアナログの 5’モノホスフェート誘導体は市販さている(例えば、araA−モノホスフェ ート;araC−モノホスフェート)。ヌクレオシドアナログをホスホリル化す るための適当な手順は、Fiume,L.等(1989)Naturewissen schaften 76:74-76及 びSowa,T.及びOuchi,S.(1975)Bulletin of the Chemical Society of Japan 4 8 :2084-2090並びに実施例3に記載されている。この治療剤のリン酸誘導体を、 次いで、反応性アミノ基を有するリガンド又はキャリアー−リガンド複合体(例 えば、ポリリジン−ASOR)に結合することができる。例えば、ポリリジン及 びポリオルニチン等のポリアミノ酸をキャリアー分子として使用することができ る。この治療剤のリン酸誘導体を、実施例3に詳述するように、カルボジイミド カップリング(例えば、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカル ボジイミドヒドロクロリド、EDCを使用)によりリガンド又はキャリアー−リ ガンド複合体に結合してホスホアミド結合を形成する。例えば、一般のヌクレオ シドアナログの5’モノホスフェート誘導体を、下記のように、ポリリジン−A SOR(実施例1に記載のようにして調製)に結合することができる: C.ペプチド架橋剤 この結合体での使用に好適な型の架橋剤は、細胞内で加水分解(例えば、リソ ソーム酵素による)されてこの結合体から治療剤を遊離させるペプチド架橋剤で ある。ペプチド架橋剤を用いて調製した薬物結合体は、イン・ビボで血清中で安 定であり、リソソームの加水分解酵素の作用によって薬物を細胞内で活性形態で 遊離することが見出されている(Trouet,A.等(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:626-629)。好適なペプチドは、アミノ酸配列ロイシン−アラニン−ロイシ ン(LAL)を含み、少なくともトリペプチド又はテトラペプチドである。構造 的に、ペプチドは、反応性アミノ基(即ち、N−末端)及び反応性カルボキシ基 (即ち、C末端)の両者を有する。好適具体例において、このペプチドを、治療 剤とリガンド(又は、キャリアー−リガンド)との間の架橋剤として、C末端か らN末端の向きで用いる(即ち、このペプチドのC末端を治療剤と結合させ、N 末端をリガンド又はキャリアー−リガンドと結合させる)。 従って、ペプチドを、反応性アミノ基を有する治療剤 に、実施例5で詳述するように、治療剤のアミノ基とペプチドのC末端カルポキ シル基との間のアミド結合の形成によって結合することができる。例えば、ペプ チドをシトシン由来のヌクレオシドアナログ例えばaraC及びddCのN4基 に結合することができる。治療剤及びペプチド上の他の反応性基(例えば、N末 端アミノ基)を、保護基の使用により反応させないことができる。例えば、ペプ チドのアミノ基を当分野で公知の標準的技術を用いてカーバメートとして保護す ることができ、ヌクレオシドアナログの反応性ヒドロキシ基(例えば、3’及び 5’−OH基)をt−ブチルジメチルシリル基で保護することができる。ペプチ ド及び治療剤を、活性エステル結合又はカルボジイミドカップリングにより結合 して治療剤のペプチド誘導体を作成することができる。治療剤のペプチド誘導体 を、反応性カルボキシル基を有するリガンド又はキャリアー−リガンド複合体に 、このペプチドの(脱保護した)N末端アミノ基とリガンド又はキャリアーのカ ルボキシル基との間のアミド結合の形成によって結合することができる。この治 療剤のペプチド誘導体を、カルボキシル基を有するリガンド又はキャリアーに、 実施例5に詳述するように、カルボジイミドカップリングによって結合すること ができる。例えば、治療剤のロイシン−アラニン−ロイシン(LAL)トリペプ チド誘導体を、ASOR又はキャリアー−ASOR複合体例えばポリグルタミン 酸−ASOR又は ポリアスパラギン酸−ASOR複合体に結合することができる。更に、治療剤の ペプチド誘導体を、アルデヒドを含有するリガンド又はキャリアー−リガンド複 合体(例えば、ポリアルデヒドデキストラン−ASOR)に、還元的アミノ化に より結合することができる。 或は、治療剤が反応性カルボキシ基を有し、リガンド又はキャリアーが反応性 アミノ基を有する(例えば、ポリリジン)場合等には、ペプチドを、N末端から C末端の向きで(即ち、ペプチドのN末端を治療剤に結合し、C末端をリガンド 又はキャリアー−リガンドに結合する)、治療剤とリガンド(又は、キャリアー −リガンド)との間の架橋剤として使用することができよう。更に、ジアミンペ プチド又はジカルボン酸ペプチドを、適当な治療剤、リガンド及びキャリアーと 用いることができよう。 好適具体例において、ペプチドは、アミノ酸配列Leu−Ala−Leuを含 む。更なるアミノ酸残基をこのトリペプチドのN末端又はC末端に加えることが できる。例えば、Leu−Ala−Leu−Lysを用いることができよう。こ のペプチドに含まれるアミノ酸側鎖も又、結合目的に利用することができる。例 えば、ペプチド内に含まれるLysの側鎖のアミノ基を(例えば、ポリグルタミ ン酸上の)カルボキシ基に結合するために利用することができ、又はペプチド内 に含まれるGluの側鎖のカルボキシ基を(例えば、ポリリジン上 の)アミノ基と結合するために利用することができる。D.還元的に不安定な架橋剤 還元的に不安定な架橋剤を治療剤に結合し、次いで、この複合体を、ASGR のリガンドのアミノ酸側鎖のスルフヒドリル基を介してそのASGRのリガンド に結合して、実施例6に詳述するように、架橋剤とリガンドとの間のジスルフィ ド結合を形成することができる。例えば、治療剤の3−(2−ピリジルジチオ) プロピオニル(PDP)誘導体を、治療剤上に存在する反応性のアミノ基又はヒ ドロキシ基(例えば、ヌクレオシドアナログのN4アミノ基又は5’ヒドロキシ 基)を介して調製することができる。治療剤のPDP誘導体を、次いで、ASG Rのリガンド又はチオール基と反応するその誘導体と結合する。例えば、一般的 ヌクレオシドアナログのPDP誘導体を、下記のようにASORと結合すること ができる: 治療剤のチオール誘導体も又、反応性チオール基を有する多官能性キャリアー 分子に結合することができる。例えば、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン又は ポリアスパラギン酸)のチオール化誘導体を、ポリアミノ酸を SPDPと反応させることにより調製してそのポリアミノ酸のPDP−誘導体を 形成することができる。このポリアミノ酸のPDP誘導体を、次いで、結合させ たいPDP−誘導体の一方を還元し、その後チオール交換反応を行なうことによ り、治療剤のPDP−誘導体に結合することができる。或は、チオール化多糖類 例えばチオール化デキストランを、多官能性キャリアー分子として、チオール含 有架橋剤と用いることができる。E.多数のアミノ基を有する多官能性キャリアー 多数のアミノ基を有する多官能性キャリアー分子を、カルボジイミドカップリ ングによりASGRリガンドに結合して、キャリアーのアミノ基とリガンドのカ ルボキシル側鎖又はC末端との間のアミド結合を形成することができる。或は、 多官能性キャリアー分子又はリガンドを誘導体化して、キャリアーのアミノ基及 びリガンドのカルボキシル基以外の官能基を介してキャリアーとリガンドとを結 合させることができる。例えば、キャリアーのチオール誘導体を作成してチオ− エーテル結合によりリガンドに結合することができる。或は、ヒドラジド誘導体 を用いることができる。 多数のアミノ基を有する好適なキャリアー分子は、ポリアミノ酸例えばポリリ ジン及びポリオルニチンである。好ましくは、このポリマーのアミノ酸は、天然 のLアミノ酸(例えば、ポリ−L−リジン又はポリ−L− オルニチン等のポリ−L−アミノ酸)である。例えば、ポリ−L−リジンを、実 施例1及びFindeis 等による米国特許出願第08/043,008号に記載のよ うに、ASORに結合することができ、該記載を参考として本明細書中に援用す る。治療剤をキャリアーを介してリガンドに結合するために、キャリアー−リガ ンド複合体を治療剤と又はアミノ基と反応する架橋剤−治療剤複合体と反応させ ることができる。例えば、治療剤のホスフェート、グルタレート又はスクシネー ト誘導体を、上記及び実施例1〜3に記載のように多数のアミノ基を有するキャ リアーに結合することができる。 好ましくは、多数のアミノ基を有する多官能性キャリアー分子は、反復するア ミノ酸残基を有するポリアミノ酸等の高分子である。多官能性キャリアー分子の 運搬容量(即ち、そのキャリアーに結合し得る分子の数)は、その分子上に存在 する反応性の基の数の関数であり、その高分子のサイズが増すにつれて増大する 。それ故に、キャリアー分子の運搬容量は、より大きい(即ち、より大きい分子 量の)キャリアーを用いることにより増大させることができる。例えば、約40 00ダルトンのポリ−L−リジンをこの発明の結合体において使用することがで き、一層大きい運搬容量のためには、10,000ダルトンのポリ−L−リジン を使用することができる。これらの結合体において、最大で約60,000ダル トンまでのポリ−L−リジンを使用することができる。従 って、キャリアー含有結合体の分子置換率は、キャリアーのサイズを増すことに より増大させることができる(実施例9、表1を参照されたい)。F.多数のカルボキシル基を有する多官能性キャリアー 多数のカルボキシル基を有する多官能性キャリアー分子も又、この発明の結合 体において使用することができる。多数のカルボキシル基を有する好適なキャリ アー分子は、ポリアミノ酸例えばポリグルタミン酸及びポリアスパラギン酸であ る。好ましくは、ポリアミノ酸は、ポリ−L−アミノ酸例えばポリ−L−グルタ ミン酸又はポリ−L−アスパラギン酸である。例えば、反応性アミノ基を有する 治療剤(例えば、araC)をポリ−L−グルタミン酸キャリアーに結合するこ とができ、実施例7に記載のように、この治療剤−PLGA複合体をASORに 結合することができる。多数のカルボキシ基を有する多官能性キャリアー分子を 、カルボジイミドカップリングによってASGRリガンドに結合してキャリアー のカルボキシル基とリガンドのアミノ側鎖との間のアミド結合を形成することが できる。或は、カルボキシル基と反応する架橋剤を、多数の反応性カルボキシ基 を有する治療剤とキャリアーとの間の中間物として使用することができる。例え ば、治療剤のアミノアシル又はペプチド誘導体を、多数のカルボキシル基を有す るキャリアーに結合することができる。 多数のアミノ基を有するキャリアーについて上述したように、多数のカルボキ シル基を有するキャリアー分子の運搬容量は、より大きい(即ち、より大きい分 子量の)キャリアーを使用することにより増大させることができ、従って、キャ リアー含有結合体の分子置換率は、キャリアーのサイズを増すことにより増大さ せることができる。例えば、約14,000ダルトンのポリ−L−グルタミン酸 を結合体で用いることができ、このサイズのキャリアーを用いて分子置換率(薬 物:キャリアー)29を達成することができる(実施例7を参照されたい)。約 60,000ダルトンまでのポリ−L−グルタミン酸をこれらの結合体において 使用することができる。G.多数のアルデヒド基を有する多官能性キャリアー ある種の高分子キャリアー分子は、薬剤とキャリアーの間の橋掛け剤としての 架橋剤分子を必要とせずに、治療剤とリガンドの両者を直接キャリアー分子に結 合することを可能にする。例えば、反応性アミノ基を有する治療剤を、多数のア ルデヒド残基を有するキャリアーに、還元的アミノ化によって結合することがで きる。更に、ヒドラゾン又はヒドラジド基を有する治療剤を、多数のアルデヒド 残基を有するキャリアーに結合することができる。リガンドを、リガンド上に存 在するアミノ基(例えば、ASOR等の糖蛋白質のリジン側鎖のアミノ基) を介して、還元的アミノ化によって、キャリアー上のポリアルデヒド残基を用い てキャリアーに結合することもできる。ポリアルデヒド基を有する好適な高分子 のキャリアー分子は、多糖類例えばポリアルデヒドデキストランである。ポリア ルデヒドデキストランは、実施例7に記載のように、標準的手順(Bernstein,K .等(1978)J.Natl.Cancer Inst.60(2):379-384; Foster,R.L.(1975)Experient ia,772-773)により、デキストランから調製することができる。次いで、治療剤 例えばヌクレオシドアナログ及びリガンド例えばASORを、実施例8に記載の ように、ポリアルデヒドデキストランに結合することができる。例えば、ara C及びASORを、下記のようにポリアルデヒドデキストランに結合することが できる: 治療剤を多数のアルデヒド基を有するキャリアーに直接結合する代りに、架橋 剤を、治療剤とキャリアーとの 間の中間物として利用することができる。例えば、反応性アミノ基(即ち、アミ ノアシル化合物等のアミノ誘導体)、反応性ヒドラジン基又は反応性ヒドラジド 基を与える治療剤の誘導体を用いて、治療剤を、多数の反応性アルデヒド基を有 するキャリアーに架橋することができる。IV.カップリング戦略 この発明の結合体を調製するために用いた特定のカップリング戦略、即ち、治 療剤をASGRに対するリガンド(例えば、ASOR)に結合するために用いた 特定の架橋剤及び/又は他官能性キャリアー分子は、部分的に、結合すべき治療 剤の化学構造に依存し、従って、種々の治療剤によって変わり得る。しかしなが ら、この発明で用いたカップリング戦略は、広範囲の治療剤に適用することがで きる。反応性のアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシルアミノ 基、ヒドラゾ基又はスルフヒドリル基を有する治療剤を、この発明に記載の1つ 以上のカップリング戦略に従って架橋剤又はキャリアー分子に結合することがで きる。治療剤が多数の反応性の基を有する場合には、(上記及び実施例に記載の ように)保護基を用いて、カップリング反応を特定の反応性の基に向けさせ、次 いで、保護剤を除去することができる。結合体において使用すべきASGRリガ ンドが糖蛋白質例えばASORである場合には、このリガ ンドは、その糖蛋白質のアミノ酸側鎖並びにN及びC末端由来の反応性のアミノ 基及びカルボキシル基、並びに恐らくは反応性のスルフヒドリル基を有する。従 って、これらの官能基の何れとも反応する架橋剤は、このリガンドに結合するこ とができる。同様に、多数のアミノ基、多数のカルボキシル基又は多数のアルデ ヒド基の何れかを有する多官能性キャリアー分子は、このリガンドに結合するこ とができる(例えば、ASORは、実施例に記載のように、ポリリジン、ポリグ ルタミン酸又はポリアルデヒドデキストランに結合することができる)。架橋剤 とキャリアー分子の両者をこの結合体で用いる場合には、架橋剤とキャリアーの 適当な組合せを選択する。例えば、アミノ基と反応する架橋剤を、多数のアミノ 基を有するキャリアー分子と用いる。適当な組合せは、下記の架橋剤とキャリア ーの群から選択することができる: アミノ反応性架橋剤 ポリアミノキャリアー カルボキシアシル(グルタメート、スクシネート等) ポリ-L-リジン ホスフェート ポリ-L-オルニチン 或は、カルボキシル基と反応する架橋剤を、多数のカルボキシル基を有するキ ャリアー分子と用いる。適当な組合せは、下記の架橋剤とキャリアーの群から選 択することができる: カルボキシル反応性架橋剤 ポリカルボキシルキャリアー アミノアシル (AMCC、GABA等) ポリ-L-グルタミン 酸 ペプチド(Leu-Ala-Leu等) ポリ-L-アスパラギン 酸V.結合体の活性 この発明の結合体の活性は、本質的に、2つの要素を有する:即ち、リガンド の標的を定める活性(target-ing activity)と治療剤の治療活性である。リガ ンドの標的を定める活性は、結合体を患者(例えば、哺乳動物)に静脈投与し、 次いで、その結合体の循環からのクリアランス速度を測定し及び/又はこの結合 体のアシアロ糖蛋白質を発現している標的細胞例えば肝細胞との結合を測定する ことにより、イン・ビボで評価することができる。結合体の循環からのクリアラ ンス及び標的細胞との結合は、結合体化してない治療剤と比較することができ、 且つこの結合体の他の器官との結合と比較することができる。結合体は、それを 検出可能な物質例えば放射性同位体で標識することにより直接検出して患者内の その分布を追跡することができる。例えば、治療剤を、放射性同位体例えばトリ チウム若しくは14Cで標識し、又はリガンドを125Iで標識することができる。 或は、結合体の分布を、他のアシアロ糖蛋白質のASGRへの結合を競争的に 阻害するその能力により評価することができる(例えば、Keenan-Rogers,V.及 びWu,G.Y.(1990)Cancer Chemother.Pharmacol.26:93-96を参 照されたい)。この場合には、未標識の結合体を標識したアシアロ糖蛋白質と同 時投与する。例えば、未標識のASOR含有結合体を標識したアシアロフェチュ インと同時投与することができる。標識したアシアロ糖蛋白質の循環からのクリ アランス及び/又は標識した糖蛋白質の肝臓への結合を、この結合体の同時投与 を伴って及び伴わないで測定する。効果的に肝細胞を標的とする結合体は、肝細 胞上のアシアロ糖蛋白質レセプターへの結合について標識したアシアロ糖蛋白質 と競争することにより、標識したアシアロ糖蛋白質の循環からのクリアランス速 度を減じ、標識したアシアロ糖蛋白質の肝臓への結合を減じる。 更に、循環中の結合体の量は、免疫学的又は化学的方法により評価することが できる。例えば、血漿試料を結合体の静脈注入後様々な時間で採取し、その中に 存在する結合体の量をHPLCにより又は免疫学的アッセイ例えば放射免疫アッ セイ若しくはELISA(例えば、結合体のリガンド又はキャリアー部分に対す る抗体を使用)により測定することができる。更に、結合体の分布を、放射性標 識した結合体(例えば、リガンドを125Iで標識した結合体)を用いるオートラ ジオグラフィー又は核イメージング法により評価することができる。 結合体中の治療剤の活性は、適当なアッセイを用いて、その治療剤により治療 されるべき病気又は障害に対する結合体の治療効果を測定することにより評価す るこ とができる。例えば、抗ウイルス剤の抗ウイルス活性を、結合体化してない治療 剤に関して、この結合体の存在下又は非存在下で起きるウイルスDNA複製又は ウイルス粒子(又はマーカー)産生の量を測定することにより測定することがで きる。ウイルスDNA複製に対する結合体の効果を、アシアロ糖蛋白質レセプタ ーを発現しているウイルス感染細胞株を用いてイン・ビトロで評価することがで きる。例えば、肝細胞株を用いることができる。肝細胞株は、HBV遺伝子を転 写し、HBVタンパク質を翻訳し且つHBV DNA複製中間体を蓄積する安定 な細胞株を創るためにB型肝炎ウイルスDNAでトランスフェクトしたものであ る。かかる細胞株を用いて、結合体の抗ウイルス活性を評価することができる。 使用可能な適当なHBV DNA含有細胞株には、ヒト肝芽細胞腫(2.2.1 5)由来細胞株(Sells,M.A.等(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA84:1005-1009 ; Sells,M.A.等(1988)J.Virol.62:2336-2344)及びヒト肝芽細胞腫(Huh 6)由来細胞株HB611(Tsurimoto,T.等(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8 4 :444-448)が含まれる。 ウイルスDNA含有細胞を、イン・ビトロで、種々の濃度の結合体及び対応す る結合体化してない治療剤で処理し、その処理の細胞内及び/又は細胞外ウイル スDNA産生に対する効果を測定することができる。細胞内DNAを細胞から単 離し、細胞外DNAを培養培地か ら単離することができる。次いで、DNAをハイブリダイセーション手順(例え ば、ドットブロットハイブリダイゼーション、サザーンブロット等)又は他の適 当なDNA分析手順によって分析することができる。例えば、Korba,B.E.及び Gerin,J.L.((1992)Anti-viral Research 19:55-70)及びUeda等((1989)Vi rology 169:213-216)により記載されたようなアッセイを用いることができる。 B型肝炎ウイルスの場合には、遊離の及び結合体化した薬剤の種々の型のHBV DNAに対する効果を測定することができる。例えば、弛緩した環状DNA、 複製中間体及びインテグレートされたHBVDNAの蓄積を、実施例10に記載 のようにして測定することができる。インテグレートされた(即ち、非複製型の )HBV DNAの量は、遊離の又は結合体化の薬剤の何れの治療においても変 わらないはずなので、このDNAは、内部対照として使用することができる。I D50(即ち、ウイルスDNA複製の50%を阻止するのに必要な投与量)を、結 合体化した及び結合体化してない薬剤について測定して、この結合体の治療効果 を評価することができる。更に、イン・ビトロでのウイルス抗原の産生を評価し て、この結合体の治療効果を測定することができる。 アシアロ糖蛋白質レセプターを発現している細胞を治療剤の標的とするこの発 明の結合体の能力は、培養細胞を用いて、これらの結合体のASGR+細胞に対 する細 胞毒性をASGR-細胞に対する毒性と比較することにより評価することができ る。(これを、次いで、ASGR+細胞及び対照のASGR-細胞に対する結合体 化してない治療剤の細胞毒性と比較することができる)。所定の投与量において 、効果的にASGR+細胞を標的とする結合体は、ASGR-細胞よりもASGR+ 細胞によって一層よく取り込まれるであろう。従って、効果的にASGR+細胞 を治療剤の標的とする結合体は、ASGR+細胞に対して、ASGR-細胞を殺す のに必要な投与量より低い投与量で細胞毒性となるであろう。この発明の結合体 の細胞毒性は、実施例10に記載のように、ASGR+及びASGR-細胞を用い て測定することができる。 ウイルス性のヒトの病気の適当な動物モデルを用いて、抗ウイルス剤結合体の 抗ウイルス活性をイン・ビボで評価することもできる。例えば、結合体化した抗 ウイルス剤の効果を、Ectromeliaウイルス感染マウスにて評価することができる (例えば、Fiume,L.等(1981)FEBS Letters 129:261-264を参照されたい)。ヒ トの肝炎ウイルスの感染についての適当な動物モデルがある。例えば、ヒトの肝 炎に対する1つの動物モデル系は、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)感染 したウッドチャックである。ヒトと同様に、イースタンウッドチャック(Marmot a monax)は、慢性的にWHVに感染することができる。WHVのゲノム構成は 、HBVと同じで あり、これらの2つの病気のウイルス学的特徴は類似している(Summers,J.等 (1975)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:4533-4537; Galibert,F.等(1982)J.Virol .41:51-65; Wong,D.C.等(1982)J.Clin.Microbiol.15:484-490; Ponzetto,A .等(1984)J.Virol.52:70-76;Ponzetto,A.等(1985)Virus Res.2:301-315) 。ウイルス感染した動物に、結合体又は対応する遊離の薬物を静脈注射すること ができる。この結合体の血漿レベルを上記のように測定することができる。ウイ ルスDNA複製に対する結合体化した薬剤の効果と結合体化してない薬剤の効果 とを、例えば、ウイルスDNAの血清レベルを測定することにより測定すること ができる。ヒトの肝炎ウイルス感染についての他の適当な動物モデルには、アヒ ル肝炎ウイルス感染(Civitico,G.等(1990)J.Med.Virol.31:90-97)、ジリス肝 炎ウイルス感染(Marion,P.L.等(1983)Hepatology 3:519-527)及び、最も好 ましくは、チンパンジーのヒト肝炎ウイルス感染(Thung,S.N.等(1981)Am.J. Pathology 105:328-332; Shouval,D.等(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:6147 -6151)が含まれる。 結合体の治療活性は、ヒトの患者においてイン・ビボでも評価することができ る。例えば、慢性的にHBVに感染したヒトを、結合体又は対応する結合体化し てない薬剤で治療することができる。この結合体のHBV感染に対する効果は、 結合体の、治療過程における1種以上 のHBVマーカー例えばHBsAg、抗HBs、HBeAg、抗HBe、抗HB c又はHBV DNAに対する効果を測定することにより測定することができる 。VI.結合体の利用 この発明の結合体を用いて、関心ある細胞、即ちアシアロ糖蛋白質レセプター を発現している細胞であって、その細胞への治療剤の送達が治療目的のために望 ましい細胞を治療剤の標的にすることができる。アシアロ糖蛋白質レセプターは 、肝細胞上で発現されており、従って、結合体は、肝細胞を治療剤の標的とする ことができる。ガラクトシルレセプターがラット精巣細胞上に存在することが報 告されている(Abdullah,M.等(1989)J.Cell Biol.108:367-375)が、これらの レセプターは、肝臓のASGRと構造的に異なると考えられる(即ち、一局部の みのレセプターである)。従って、この発明の結合体が精巣細胞を標的とするこ とはありそうにないことである。従って、この発明の結合体を用いて、選択的に 肝細胞を治療剤の標的とすることができる。例えば、ウイルス感染した肝細胞を 抗ウイルス性薬物を含む結合体の標的とすることができる。或は、例えば、細胞 表面でのASGRの発現に適した形態のアシアロ糖蛋白質レセプターをコードす る核酸を細胞に導入することにより細胞に処理を施してASGRを発現させ、そ の細胞をこの発明の結合体の標的細胞にすることができる。 これらの結合体を用いて、患者において所望の治療効果を誘出することもでき る。例えば、抗ウイルス性薬物を含む結合体を用いて、ウイルス感染を治療し、 ウイルスDNAの複製を減じ、ウイルス粒子の複製及び産生を阻止し、ウイルス 感染の症状を軽減すること等ができる。これらの結合体は、関心ある組織を標的 とし且つ影響を受けない組織(例えば、肝臓以外の組織)から遠ざかるので、治 療剤の非特異的毒性は、結合体化してない薬剤と比べて減少される。或は、治療 剤のターゲッティングリガンドへの結合は、結合されてない薬剤と比較して、そ の薬剤の関心ある細胞への増大された送達を生じるので、その薬剤の治療インデ ックスが増大し、それにより、結合してない薬剤で必要とされるより低濃度で治 療上有効な投与量を与える。 この発明の結合体を、イン・ビボでの薬剤投与に適した生物学的に適合性の形 態で患者に投与して、アシアロ糖蛋白質レセプターを発現している細胞を治療剤 の標的とすることができる。「イン・ビボでの投与に適した生物学的に適合性の 形態」とは、投与すべき結合体の如何なる毒性効果よりもその結合体の治療効果 が勝る形態を意味する。用語「患者」は、アシアロ糖蛋白質レセプターを発現し ている細胞が治療剤の標的となり得る生きた生物例えば哺乳動物を含むことを意 図する。患者の例には、ヒト、ウッドチャック、イヌ、ネコ、マウス、ラット及 びこれらのトランスジェニック種が含まれる。ここ に記載の結合体の投与は、治療上活性な量の単独の又は他の治療剤及び製薬上許 容し得るキャリアーと組み合わせた結合体を含む任意の薬理学的形態であってよ い。例えば、この発明の結合体を、治療すべき特定の病気又は状態に対して有効 な他の治療剤と同時投与することができる。例えば、インターフェロンもB型肝 炎ウイルス感染に対する治療活性を示すので、B型肝炎ウイルスに対して有効な 抗ウイルス剤(例えば、ヌクレオシドアナログ)を含む結合体を、インターフェ ロンと一緒に投与することができる。 この発明の結合体の治療上活性な量の投与を、投薬時及び期間にわたって所望 の結果を生じるのに必要な有効量と定義する。例えば、結合体の治療上活性な量 は、個体の病気の状態、年齢、性別及び体重等の因子及びその個体において所望 の応答を誘出する結合体の能力によって変わり得る。投薬養生法は、最良の治療 応答を与えるように調節することができる。例えば、幾つかに分けた投与量を毎 日投与することができ、或は、投与量を、治療状況の緊急性の示すところに釣り 合わせて減らすことができる。 活性な化合物(例えば、結合体)を、好ましくは、静脈投与する(例えば、注 射により)。この活性な結合体は、この結合体を酵素、酸及びその他のこの結合 体を不活性化し得る天然条件から保護する物質で被覆し又は該物質と同時投与す ることができる。例えば、結合体を、 個体に、適当なキャリアー又は希釈剤にて投与することができ、又、酵素阻害剤 と同時投与することができる。製薬上許容し得る希釈剤には、塩溶液及び緩衝剤 水溶液が含まれる。グリセロール、液体ポリエチレングリコール及びこれらの混 合物並びに油中にて分散を調製することもできる。通常の貯蔵及び使用条件下で 、これらの調製物は、防腐剤を含ませて微生物の成育を防ぐことができる。 注射用途に適した製薬組成物には、無菌の注射用溶液又は分散を即座に調製す るための無菌の水溶液(水溶性の場合)又は分散、及び無菌の粉末が含まれる。 すべての場合に、この組成物は、無菌でなければならず且つ容易に注射できる程 度に流動性でなければならない。それは、製造及び貯蔵条件下で安定でなければ ならず且つ微生物例えば細菌及びカビの夾雑作用から保護されなければならない 。キャリアーは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール 、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール等)及びこれらの適当 な混合物を含む溶剤又は分散媒であってよい。適当な流動性を、例えば、レシチ ン等の被覆の利用、分散の場合の必要な粒子サイズの維持、及び界面活性剤の使 用によって維持することができる。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤及び抗 カビ剤例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメ ロサール等により達成することができる。これらの組成物の浸 透性は、組成物中に糖類、ポリアルコール(例えば、マンニトール又はソルビト ール)又は塩化ナトリウム等の化合物の適当量を含むことによって生理学的範囲 に維持することができる。これらの注射可能な組成物の長期の吸収は、吸収を遅 らせる薬剤例えばアルミニウムモノステアレート及びゼラチンを組成物中に含有 させることにより達成することができる。 この結合体を、必要な量で、上に列挙した成分の1つ又は組合せを有する適当 な溶剤に加え、必要ならば、フィルター除菌することにより無菌の注射溶液を調 製することができる。一般に、分散は、活性化合物を、基礎的分散媒及び上に列 挙したものからの必要な他の成分を含む無菌のビヒクルに加えることにより調製 する。無菌の注射溶液の調製のための無菌粉末の場合には、好適調製方法は、真 空乾燥及び凍結乾燥であり、これは、活性成分(例えば、結合体)及び任意の所 望の追加成分の粉末を予め無菌濾過したそれらの溶液から生成する。 投与を容易にし及び均一な投薬のために投薬単位形態で非経口組成物を配合す ることは、特に有益である。投薬単位形態とは、ここで用いる場合、治療すべき 哺乳動物患者への単位投薬に適した物理的に分離した単位をいい;各単位は、所 望の治療効果を生じるように計算された予め決めた量の活性化合物を必要な製薬 用キャリアーと結合して含む。この発明の投薬単位形態の仕様は、(a)活性化 合物の独特の特性及び達成すべき特定の治 療効果、並びに(b)個体の感受性を治療するための活性化合物等を混合する技 術における本来的な限界により指示され且つ直接依存する。 この発明を、更に、後述の実施例により説明するが、制限するものと解釈すべ きではない。この出願中のすべての特許、参考文献及び引用された特許出願公開 の内容を、参考として本明細書中に援用する。 下記の一般的方法論をこれらの実施例で使用した。一般的方法 薄層クロマトグラフィー(TLC)を、ガラスで裏打ちされたBake r(商標)SI250Fシリカゲルプレートを用いて実施した。紫外線照射により又は 4.8% アンモニウムモリブデン、0.2% 硝酸セリウム(IV)アンモニウ ム及び10% 硫酸の水溶液に浸してから加熱することにより可視化した。融点 を、Mel-Temp器具を用いてキャピラリーチューブにて測定したが補正はしてない 。透析を、Spectrapor 12,000-14,000 MWCO管にて、別途記載した場合を除いて 4℃で行なった。紫外線/可視光線のスペクトルは、Beckman DU70分光光度計に て得た。オロソムコイドは、アメリカ赤十字血液銀行(American Red Cross Blo od Bank)から得た古くなった血漿から精製した。それを、80℃で、pH1〜 2で60分間脱シアル化した。ゲル電気泳動は、別途記載した場合を除いて、No vex Xcell II(商標)のミニゲルシステムにて、12% SDS−PAGE変性 非還元ゲルを用いて行なった。 ポリリジン、デキストラン、EDC及び抗ウイルス性薬物araA、araC 、ddC、アシクロバー、araAMP、araCMP及びAZTをSigma 社よ り得た。他の試薬は、Aldrich 社より得た。 下記の略語を実施例及びこの出願中で使用する: ACV アシクロバー ACVMP アシクロバーモノホスフェート AMCC アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸 araA アデノシンアラビノシド araAMP アデノシンアラビノシドモノホスフェート araC シトシンアラビノシド ASOR アシアロオロソムコイド DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド ddC ジデオキシシチジン DMAP ジメチルアミノピリジン DMF ジメチルホルムアミド DMSO ジメチルスルホキシド EDC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルホジイミドヒド ロクロリド EDTA エチレンジアミン四酢酸 FABMS ファーストアトムボンバードメント質量分析 HBV B型肝炎ウイルス MES 2−[N−モルホリノ]エタンスルホン酸 MSR 分子置換率 MWCO 分子量カットオフ PAD ポリアルデヒドデキストラン PAGE ポリアクリルアミドゲル電気泳動 PBS リン酸緩衝塩溶液 PLL ポリ−L−リジン PLGA ポリ−L−グルタミン酸 PMS フェナジンメトスルフェート SDS ドデシル硫酸ナトリウム SPDP N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート TLC 薄層クロマトグラフィー トリス トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン XTT 2,3−ビス(2−メトキシ−4−ニトロ−5−スルホフェノール)− 5−[(フェニルアミノ)カルボニル]−2H−テトラゾリウムヒドロキシド実施例1: グルタレート架橋剤及びポリリジンキャリ アーを用いる薬物結合体の調製 この実施例において、アシアロオロソムコイドをオロソムコイドから調製し、 次いで、反応性アミノ基を有する多官能性キャリアー分子、ポリリジンに結合し た。種々のヌクレオシドアナログのグルタレート誘導体を調 製して、アミノ基と反応してヌクレオシドアナログのポリリジン−アシアロオロ ソムコイド複合体への結合を可能にする架橋剤を与えた。ヌクレオシドアナログ のグルタレート誘導体を活性エステルカップリングによりポリリジン−アシアロ オロソムコイドに結合した。ヌクレオシドアナログaraC及びaraAのグル タレート誘導体を、前に記載した手順の変法により調製し、ポリリジン−アシア ロオロソムコイドに結合した。ヌクレオシドアナログddC、ACV及びAZT のグルタレート誘導体をここに記載のように調製し、ポリリジン−アシアロオロ ソムコイドに結合した。オロソムコイド(a−1−酸糖蛋白質) オロソムコイド(OR)をヒト血漿か ら単離した。ヒト血漿は、コネチカット、Farmington在、American Red Cross Blood S ervicesから得た。プールしたヒト血漿(4単位、〜1.1L)を透析チューブ (12〜14Kd MWCO)に移して20Lの緩衝液1(緩衝液1:0.05 M NaOAcpH4.5)に対して、4℃で一晩透析した。透析した血漿を、 次いで、10,000rpm(15,000×g)で、4℃で10分間遠心分離 した。その上清を、次いで、Whatman #1紙を通して濾過し、沈殿は捨てた。こ の透析し且つ濾過した血漿を、DEAE−セルロースカラムに加えた。このカラ ムは、DEAE−セルロース(84g)を水中に懸濁させてそれを2時間膨潤さ せ、次いで、0.5N HCl、0.5N NaOH及び 0.01M EDTAで連続的に洗浄することにより調製したものである。DE AE−セルロースを、Waters AP-5カラム中の5cm×25cmのベッドボリュ ームに注いだ。このカラムを、蠕動ポンプ(流速10mL/分)を用いて、カラ ム溶出液のpHが4.5になるまで緩衝液1で平衡化した。この透析し且つ濾過 した血漿をこのカラムに加えた後、緩衝液1で、溶出液の280nmでの吸光度 が0.10未満になるまで洗った。このカラムを、次いで、緩衝液2(緩衝液2 :0.10MNaAc、pH4.0)で溶出した。この溶出液を集めた(A280 が増加し始めたときに採取を開始し、A280がピークを過ぎて0.10より小さ くなったときに終了した)。オロソムコイドに富む画分が溶出されて採取された 後に、カラムを緩衝液3(緩衝液3:0.05M NaAc、pH3.0;1L )で洗い、緩衝液1で再平衡化した。 このオロソムコイドに富む溶出液を硫安(溶出液1L当り313g)で50% 飽和にし、一晩4℃で撹拌した。次いで、この溶液を遠心分離(14,000r pm×15分間、4℃)し、上清を保持した。硫安(50%飽和の上清の1L当 り320g)をゆっくり加えて、この溶液を92%飽和にした。次いで、この溶 液を少なくとも4時間4℃で撹拌し、次いで、遠心分離した(4℃で、10,0 00rpm×30分間)。ペレットを保持して最小容積の水に溶解させ、透析チ ューブに移して (透析物の膨張のために3倍容積を残す)、2日間、4℃で、20Lの水に対し て透析した(1日後に水を取り換えた)。その結果の透析物を凍結乾燥して、− 20℃で保存した。このORをSDS−PAGE上で泳動し、クーマシーブルー で染色してMW=44Kdに単一バンドを示した(ORは、MW41,000を 有するが、SDS−PAGEでは増加した見かけMWを有するように泳動される )。この手順を用いて凍結乾燥した無塩ORの典型的収量は、350〜400m gである。アシアロオロソムコイド アシアロオロソムコイドを、上記のようにして単離し たORから調製した。ORを水に溶解させ(10mg/ml)、このOR溶液に 等容の0.1N H2SO4を加え、その結果生成した混合物を水浴中で1時間8 0℃に加熱してこの蛋白質からシアル酸を加水分解した。この酸加水分解混合物 を水浴から取り出してNaOHで中和し、水に対して2日間透析し、次いで、凍 結乾燥した。次いで、Warrenのチオバルビツール酸アッセイを用いて、ORの脱 シアル化を確認した(Sambrook,J.等(1989)Molecular Cloning 第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press: Cold Spring Harbor.第6章)。ASOR試 料のターゲッティング可能性を、125Iで標識して、ラット/マウスにおける肝 臓の取込みを測定することにより確認した(Cristiano,R.J.等(1993)Proc.Nat l.Acad.Sci.USA,90:2122-2126)。ポリ−L−リジン−アシアロオロソムコイド結合体(PLL−ASOR) ポリ −L−リジン−アシアロオロソムコイド結合体(PLL−ASOR)を、下記の ように、カルボジイミドカップリングにより調製した。アシアロオロソムコイド (200mg、上記のようにして調製)及びポリ−L−リジン(160mg)を 水(20mL)に溶解して、水酸化ナトリウムでpHを7.5に調節した。この 溶液を、25℃で16時間攪拌した。4Kdのポリリジンを用いて作成した結合 体を、次いで、順に、4Lの1M グアニジン、4Lの1M 塩化ナトリウム及 び2×20Lの水に対して透析し、そして凍結乾燥した。10Kdのポリリジン を用いて作成した結合体を、調製用酸−尿素ゲル電気泳動により精製し、次いで 、4Lの1M 塩化ナトリウム、20Lの水に対して透析し、そして凍結乾燥し た。(N4−(4−カルボキシブチリル)−1−β−D−アラビノフラノシルシトシ ン(araCグルタレート) araCグルタレートを、Ishida,T.等、米国特 許第3,991,045号に従って調製した。簡単に言えば、300mgの1− β−D−アラビノフラノシルシトシンを1.6mlの水に溶解させて5mlのジ オキサンを加え、その後、更に、415mgのグルタル酸無水物を加えた。反応 混合物を減圧下で60℃で濃縮して、固体残留物を得た。この残留物を真空デシ ケーター中で乾燥して無色透明のゼリー状物質を得た。酢酸エチル−メ タノール−酢酸を用いるフラッシュシリカゲル上のクロマトグラフィーは、生成 物を与えた(30%)。1H−NMR(CD3OD)δ1.76(m,2H),2 .10(t,2H),2.35(t,2H),4.05(s,2H),4.28 (m,3H),5.91(d,1H),6.08(d,1H),7.56(d, 1H)。araCグルタレート−PLL−ASOR araCグルタレート(10mg、 0.03ミリモル;上記のようにして調製)を、次いで、DMSO(0.25m L)に溶解させた。N−ヒドロキシスクシンイミド(4mg、0.03ミリモル )及びEDC(7mg、0.036ミリモル)を加え、この溶液を16時間攪拌 した。この溶液を、次いで、直接、フラッシュシリカゲルカラム(直径10mm )に加え、クロロホルム:メタノール(85:15)で溶出した。こうして得ら れた部分精製したN−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(クロロホルム−メ タノール−酢酸 80:15:5のTLC、Rf=0.24)(20μモル)を DMSO(300μL)に溶解させ、PLL−ASOR溶液(400μL中の1 0mg、1N NaOHでpHを7.5に調節)に、激しく攪拌しながら、4℃ で滴下した。4時間後に、この溶液をSephadex G25カラムに加えてPBS(pH =6.8)で溶出した。溶出液の吸光度を260nmでモニターし、最初の溶出 ピークを水(2×2L) に対して透析し、凍結乾燥した。この凍結乾燥生成物のアリコートを水に1mg /mLに溶解させ、紫外線/可視光線吸収の分光測光により分析した:λmax3 05、285、250nm。5’−O−(3−カルボキシブチリル)−9−β−D−アラビノフラノシルアデ ニン(araA−グルタレート) araA−グルタレートを、Fiume,L.(198 0)FEBS Letters 116:185-188に従って、僅かに改変した手順を用いて調製した。 araA(489mg、1.8ミリモル)を、加温しながらDMF(15ml) に溶解させた。グルタル酸無水物(261mg、2.3ミリモル)及びDMAP (22mg、0.2ミリモル)を加え、その溶液を18時間25℃で攪拌した。 溶媒を真空中で除去し、こうして得られた油を、クロロホルム−メタノール−酢 酸(80:20:5)を用いるフラッシュシリカゲル上でのクロマトグラフィー にかけて232mg(33%)のaraAグルタレートを与えた。分析:1H− NMR(DMSO−d6)δ1.41(m,2H),1.92(m,2H),2 .04(m,2H),2.11(m,2H),2.52(s,1H),3.70 (m,2H),3.87(m,1H),4.49(m,1H),5.13(m, 1H)5.22(m,1H),5.28(d,1H),6.45(d,1H), 7.29(s,1H),8.13(s,1H),8.26(s,1H);13C− NMR(DMSO−d6)d18,30,31,59,70,76,79,81 ,117,138,147,151,154,170,172。araA−グルタレート−PLL−ASOR araA−グルタレート(20m g、0.05ミリモル)を、次いで、DMSO(0.7mL)に溶解させた。N −ヒドロキシスクシンイミド(6mg、0.05ミリモル)及びEDC(31m g、0.16ミリモル)を加え、この溶液を16時間攪拌した。次いで、この溶 液を、直接、フラッシュシリカゲルカラム(直径10mm)に加え、クロロホル ム:メタノール(80:20)で溶出した。こうしてDMSO(170μL)に て得られた部分精製したN−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(クロロホル ム−メタノール−酢酸 80:20:5のTLC、Rf=0.56)(13μモ ル)の一部を、激しく攪拌しながら、4℃でPLL−ASOR溶液(378μL 中の10mg、1N NaOHでpHを7.5に調節)に滴下した。4時間後に 、この溶液を、Sephadex G25カラムに加え、PBS(pH=6.8)で溶出した 。溶出液の吸光度を260nmでモニターした。結合体を含む画分をプールし、 水(2×2L)に対して透析し、そして凍結乾燥した。この凍結乾燥した生成物 のアリコートを水に1mg/mLに溶解させ、紫外線/可視光線の吸収の分光測 光によって分析した:λmax262nm。4−(4−カルボキシブチリル)−ジデオキシシチジ ン(ddCグルタレート) ddCグルタレートを、下記のように調製した。無 水グルタル酸(123mg、1.08ミリモル)をDMF(8mL)中の2’, 3’−ジデオキシシチジン(189mg、0.90ミリモル)の溶液に加え、こ の溶液を25℃で16時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、結晶状のガムを与 えた。95%エタノールからの結晶化は、157mgの生成物を少量の不純物( TLCで測定)を伴って与えた。再結晶は、129mg(44%)の純粋なN4 −(4−カルボキシブチリル)−2’,3’−ジデオキシシチジンを与えた。分 析:TLC、Rf(クロロホルム−メタノール−酢酸、80:20:5):0. 26;融点:149〜151℃;1H−NMR(DMSO−d6/D2O)δ1. 75(t,J=7.4Hz,2H,2.23(t,J=7.4Hz,2H),2 .42(t,J=7.4Hz,2H),3.58(dd,J=3.5Hz,12 .1Hz),3.75(dd,J=3.0Hz,12.1Hz),4.11(m ,1H),5.92(dd,J=1.7Hz,6.5Hz,1H),7.20( d,J=7.4Hz,1H),8.47(d,7.5Hz,1H);IR:34 08,2933,1730,1696,1641,1583,1506,139 4,1321,1278,1097,821,792cm-1;UV:λmax31 0,273nm。ddCグルタレート−PLL−ASOR4−(4−カルボキシブチリル)− ジデオキシシチジン(7mg、20μモル)の溶液(DMSO(180μL)中 で、上記のように調製)に、N−ヒドロキシスクシンイミド(3mg、0.03 mモル)及びEDC(6mg、0.03mモル)を加えた。この溶液を2時間攪 拌し、次いで、上記のように調製したPLL−ASORの溶液(水400μL中 の28mgN0.1N NaOHでpHを7.5に調節)に直接加えた。カップ リング反応を一晩4℃で行ない、次いで、2mLに希釈し、そして2×2LのP BSに対して透析し、その後、1×3Lの水に対して透析した。生成物を凍結乾 燥し、紫外線/可視光線吸収の分光測光により分析した。λmax295、245 nm。9−(2−(4−カルボキシブチリルオキシ)−エトキシメチル)グアニン(A CVグルタレート) グルタル酸無水物(196mg、1.70mモル)及びD MAP(13mg、0.11mモル)を、DMF(22mL9中の9−(2−ヒ ドロキシエチオキシメチル)グアニン(189mg、0.90mモル)の懸濁液 に加えた。この懸濁液を16時間50℃で攪拌した。更なる10mg(0.1m モル)のDMAPを加え、この混合物を65℃に加熱し、その点で澄んだ溶液が 形成された。反応を18時間継続し、次いで、溶媒を真空中で除去し、濃厚な油 を与えた。この油を熱エタノールに懸濁させ、次い で、冷やし、濾過し、冷エタノールで洗って、白色固体300mg(81%)を 産出した。分析:TLC:Rf(クロロホルム−メタノール−酢酸、80:20 :5)0.41;融点:200〜202℃;1H−NMR(DMSO−d6/D2 O)δ1.69(t,J=7.3Hz,2H),2.21(t,J=7.1Hz ,2H),2.29(t,J=7.5Hz,2H),3.36(bs,2H), 4.08(bs,2H),5.36(s,2H),7.83(s,1H);IR (KBr):3318,3142,2960,2646,1731,1413, 1213,1178,1136,1104,752,693cm-1;UV:λma x 270,255nm。ACVグルタレート−PLL−ASOR D M F(1.0mL)中で上 記のように調製した9−(2−(4−カルボキシブチリルオキシ)−エチオキシ メチル)グアニン(40mg、0.12mモル)の溶液に、N−ヒドロキシスク シンイミド(16.8mg、0.15mモル)及びDCC(35.6mg、0. 17mモル)を加えた。この溶液を18時間攪拌し、濾過しそして上記のように 調製したPLL−ASORの溶液(水208μL中の10mg、0.1N Na OHでpHを7.5に調節)に加えた。カップリング反応を3時間行ない、次い で、Sephadex G25カラムにてPBS(pH=6.8)で精製した。溶出液の吸光 度を260 nmにてモニターした。結合体を含む画分をプールし、紫外線/可視光線吸収の 分光測光により分析した:λmax275、245nm。5’−O−(4−カルボキシブチリルオキシ)−3’−アジド−3’−デオキシ チミジン(AZTグルタレート) DMF(3mL)中の3’−アジド−3’− デオキシチミジン(100mg、0.37mモル)、グルタル酸無水物(94m g、0.83mモル)及びDMAP(45mg、0.37mモル)の溶液を24 時間25℃で攪拌した。溶媒を真空中で除去し、その結果生じた油を20mmの フラッシュシリカゲルカラムにてクロロホルム−メタノール(9:1)を溶出剤 として用いてクロマトグラフィーにかけた。生成物を油として41%の牧率で単 離した。TLC:クロロホルム−メタノール(8:2)、Rf0.56;1H−N MR(DMSO−d6/D2O)δ1.73(t,2H),1.80(s,3H) ,2.17(t,1H),2.39(m,3H),3.15(s,1H),3. 97(dd,1H),4.25(m,2H),4.45(dd,1H),6.1 2(ψt,1H),7.45(s,1H);IR:3500,3250,292 4,2109,1702,1560,1461,1408,1262,1096 ,801cm-1;λmax267nm。AZTグルタレート−PLL−ASOR 上記のように 調製したDMSO(250μL)中のAZTグルタレート(11mg、30μモ ル)の溶液に、N−ヒドロキシスクシンイミド(4mg、30μモル)及びED C(7mg、36μモル)を加えた。この溶液を18時間攪拌し、次いで、フラ ッシュシリカゲルカラムにてクロロホルム−メタノール(98:2)を溶出剤と して用いて精製した。こうして得た活性エステル(Rf0.35)を225μL のDMSOに溶解させ、PL−ASORの溶液(水400μL中の10mg、0 .1N NaOHでpHを7.5に調節)に滴下した。カップリング反応を4℃ で4時間行ない、次いで、希釈して、6LのPBS(pH=6.8)に対する透 析とその後の1×20Lの水に対する透析により精製した。透析物を0.45μ のナイロン膜を通して濾過し、紫外線/可視光線吸収の分光測光により分析した :λmax267nm。実施例2: スクシネート架橋剤及びポリリジンキャリ アーを用いる薬物結合体の調製 この実施例においては、ポリリジンを、実施例1に記載したようにアシアロオ ロソムコイドに結合した。種々のヌクレオシドアナログのスクシネート誘導体を 調製して、それらのヌクレオシドアナログのポリリジン−アシアロオロソムコイ ド複合体への結合を可能にするアミノ基と反応する架橋剤を与えた。これらのヌ クレオシドアナログのスクシネート誘導体を活性エステルカップリン グによりポリリジン−アシアロオロソムコイドに結合した。ヌクレオシドアナロ グACVのスクシネート誘導体を前に記載した手順の変法によって調製してポリ リジン−アシアロオロソムコイドに結合した。ヌクレオシドアナログaraAの スクシネート誘導体をここに記載のように調製してポリリジン−アシアロオロソ ムコイドに結合した。9−(2−(3−カルボキシプロピオニル)−エチオキシメチル)グアニン(A CVスクシネート) ACVスクシネートをSchaeffer 等(1980)の米国特許第4 ,199,574号に記載された手順の変法により調製した。アシクロバー(2 10mg、0.93mモル)、無水コハク酸(139mg、10.09mモル) 及びDMAP(19mg、0.16mモル)をDMF(18mL)中で合わせた 。この懸濁液を65℃に加熱し、その点ですべての成分は溶液となり、16時間 攪拌した。溶媒を真空中で除去し、その結果生じた油を、フラッシュシリカゲル にてクロロホルム−メタノール−酢酸(80:20:5)を溶出剤として用いる クロマトグラフィーにかけ、ACVスクシネート(186mg、61%)を与え た。分析:TLC:Rf(クロロホルム−メタノール−酢酸、80:20:5) 、0.33;融点:194〜196℃;1H−NMR(DMSO−d6/D2O) δ2.50(m,4H),3.66(m,2H),4.09(m,2H),5. 35(s, 2H),7.82(s,1H);UV:λmax270,252nm。ACVスクシネート−PLL−ASOR D M F(1.0mL)中のA CVスクシネート(37.5mg、0.12mモル;上記のように調製)の溶液 に、N−ヒドロキシスクシンイミド(16mg、0.15mモル)及びDCC( 34mg、0.16mモル)を加えた。この溶液を18時間攪拌し、濾過してP LL−ASOR(水1mL中の10mg、0.1N NaOHでpHを7.5に 調節)の溶液に加えた。カップリング反応を3時間行ない、次いで、Sephadex G 25カラムにて、PBS(pH=6.8)を用いて精製した。この溶出液の吸光度 を260nmにてモニターした。結合体を含む画分をプールし、紫外線/可視光 線吸収の分光測光により分析した:λmax277、250nm。5’−O−(3−カルボキシプロピオニル)−9−β−D−アラビノフラノシル アデニン(araAスクシネート) araAスクシネートを下記のようにして 調製した。DMF(25mL)中の9−β−D−アラビノフラノシルアデニン( 825mg、3.10mモル)の溶液に、無水コハク酸(342mg、3.42 mモル)及びDMAP(38mg、0.31mモル)を加えた。この反応混合物 を22時間攪拌し、更なる無水コハク酸(342mg)及びDMAP(38mg )を加えて18時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、その結果生じた 油を、フラッシュシリカゲルにてクロロホルム−メタノール−酢酸(80:20 :5)を用いるクロマトグラフィーにかけた。こうして得られた油状残留物をメ タノールに溶解させ、エーテル中で沈殿させて灰色がかった白色の吸湿性の粉末 (320mg、28%)を与えた。分析:TLC:Rf(クロロホルム−メタノ ール−酢酸、80:20:5)、0.46;MP=145〜147℃;IR(K Br):2932(br),1701,1420,1310,1201,921 ,639cm-1;UV:λmax259。araAスクシネート−PLL−ASOR 上記のように調製したDMF(47 5μL)中の5’−O−(3−カルボキシプロピオニル)−9−β−D−アラビ ノフラノシルアデニン(19mg、51μモル)に、N−ヒドロキシスクシンイ ミド(7.6mg、65μモル)及びDCC(16.2mg、78μモル)を加 えた。この溶液を18時間攪拌し、濾過して、PLL−ASOR(水475μL 中の5mg、0.1N NaOHでpHを7.5に調節)の溶液に加えた。カッ プリング反応を3時間行ない、次いで、Sephadex G25カラムにてPBS(pH= 6.8)で精製した。溶出液の吸光度を260nmでモニターした。結合体を含 む画分をプールし、紫外線/可視光線吸収の分光測光により分析した:λmax2 62nm。実施例3: ホスフェート架橋剤及びポリリジンキャリ アーを用いる薬物結合体の調製 この実施例では、ポリリジンを、実施例1に記載したようにアシアロオロソム コイドに結合した。種々のヌクレオシドアナログのモノホスフェート誘導体を得 又は調製して、これらのヌクレオシドアナログのポリリジン−アシアロオロソム コイド複合体への結合を可能にするアミノ基と反応する架橋剤を与えた。これら のヌクレオシドアナログのモノホスフェート誘導体を、カルボジイミドカップリ ングによりポリリジン−アシアロオロソムコイドに結合した。ヌクレオシドアナ ログaraC及びaraAのモノホスフェート誘導体は、市販品(Sigma社)を 購入した。ACVモノホスフェートを、下記のように調製した。9−(2−ヒドロキシエチオキシメチル)グアニンモノホスフェート(ACVM P) オキシ塩化リン(200μL、2.1mモル)、水(23μL、1.3m モル)及びピリジン(200μL、2.3mモル)を、0〜4℃で、アセトニト リル(0.5mL)中で合わせた。アシクロバー(100mg、0.44mモル )を加えて、この溶液を4時間0〜4℃で攪拌した。次いで、この溶液を氷水に 加えて更に1時間攪拌した。pHを2に調節し、この溶液を、木炭−セライト( 各2g)の予備洗浄したカラムに加えた。このカラムを、更に、50mLの水で 洗い、ヌクレオシド生成物を50mLのエタノール −水−水酸化アンモニウム(10:9:1)で溶出させた。この画分を蒸発させ て乾燥させ、200mLの水に再懸濁させた。pHを4に調節し、この溶液を、 BioRadAG1-X8樹脂、蟻酸塩の75mLカラムに加えた。このカラムを、順に、0 .1M、1M及び2Mの蟻酸で洗った。1M 蟻酸の画分は、純粋なACVMP (65mg;48%)を含有した。1H−NMR(DMSO−d6/D2O)δ3 .66(m,2H),3.90(m,2H),5.39(s,2H),8.10 (s,1H)。araCモノホスフェート−PLL−ASOR 1 −β−D−アラビノフラノ シルシトシンモノホスフェート(3.3mg、10μモル;Sigma 社より購入) 及びPLL−ASOR(10mg)を、pHを7.5に調節した168μLの水 に溶解させた。この反応を、4℃でEDC(2.7mg、14μモル)の添加に より開始した。2時間後に、更なる2.7mgのEDCを加え、反応液を4℃で 16時間攪拌し続けた。この溶液を2mLに希釈し、1×3Lの0.9% Na Clに対して透析し、その後、1×3Lの水に対して透析しそして凍結乾燥し、 紫外線/可視光線吸収の分光測光により分析した:λmax275nm。araAモノホスフェート−PL−ASOR 9−β−D−アラビノフラノシル アデニンモノホスフェート(4mg、10μモル;Sigma 社から購入)及びPL L−A SOR(10mg)を、pHを7.5に調節した520μLの水に溶解させた。 反応を、4℃で、EDC(4mg、20μモル)の添加により開始した。7時間 後に、この溶液を2mLに希釈し、2×3Lの0.9%NaClに対し、続いて 1×3Lの水に対して透析した。生成物を凍結乾燥し(14mg)、紫外線/可 視光線吸収の分光測光により分析した:λmax260nm。ACV−モノホスフェート−PLL−ASOR 上記のように調製したACV− モノホスフェート(4mg、13μモル)及びPLL−ASOR(22mg)を 、pHを.5に調節した600μLの水に溶解させた。反応を、4℃で、EDC (4.5mg、23μモル)の添加により開始した。7時間後に、この溶液を2 mLに希釈し、2×3Lの0.9% NaClに対し、続いて1×3Lの水に対 して透析した。生成物を凍結乾燥し(18mg)、紫外線/可視光線吸収の分光 測光により分析した:λmax260nm。実施例4: アミノアシル架橋剤を用いる薬物結合体の 調製 この実施例においては、ヌクレオシドアナログのアミノアシル誘導体を調製し て、これらのヌクレオシドアナログのアシアロオロソムコイド上のカルボキシル 基への結合を可能にするカルボキシル基と反応する架橋剤を与 えた。これらの使用したアミノアシル架橋剤を、アミノメチルシクロヘキサンカ ルボン酸(AMCC)及び4−アミノブタン酸(GABA)から誘導した。これ らのヌクレオシドアナログのアミノアシル誘導体を、カルボジイミドカップリン グによりアシアロオロソムコイドに結合した。5’−O−(トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボキシル)−9− β−D−アラビノフラノシル−アデニン(araA−AMCC) アミノメチル シクロヘキサンカルボン酸のベンジルカルバメートを、5mLの2N NaOH に溶解させたアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸(1g、6.4mモル)を ベンジルオキシカルボニルクロリド(1mL、7.0mモル)で処理(追加の1 mLの2N NaOHを同時添加しながら5℃でゆっくり添加)することにより 調製した。この混合物を1時間攪拌し、次いで、25mLの水で希釈し、3×1 5mLのエーテルで洗った。次いで、この水溶液をpH2.5未満に酸性化した 。多量の白色沈殿が形成され、それを濾過して500mLの冷水で洗い、真空中 で乾燥した。この生成物の一部(27mg、0.1mモル)を、DMF(0.6 mL)に溶解させたaraA(27mg、0.1mモル)の溶液に加えた。DC C(29mg、0.14mモル)及びDMAP(2.5mg、0.02mモル) を加えて、この溶液を16時間攪拌した。フラッシュシリカゲルクロマトグラフ ィーに よる精製は、Z−AMCC−araA(13mg、25%)を与えた。Z−AM CC−araA(185mg、0.34mモル)の水素化分解は、化合物AMC C−araA(117mg、0.28mモル)を与えた。分析:1H−NMR( CDCl3)d0.64−0.99(m,3H),1.01−1.22(m,2 H),1.29−1.48(m,3H),1.62−1.77(m,4H),1 .79−1.93(s,1H),1.96−2.09(m,1H),2.61− 2.73(d,2H),3.82−4.01(m,3H),4.63−4.69 (yt,J=6.6Hz,1H),5.38−5.43(ψt,J=6.2,1 H),6.51−6.57(d,J=6.1,1H,H1’),8.17(s, 1H,H8),8.31(s,1H,H2);UV:λmax260nm。araA−AMCC−ASOR結合体 上記のようにDMSO(60μL)中で 調製したaraA−AMCC(8mg、0.02mモル)を、200μLのME S(0.1M、pH=5.6)中のASOR(10mg)に加えた。EDC(1 6mg、0.08mモル)を加えて、この溶液を3.5時間4℃で攪拌した。次 いで、この溶液をSephadex G25にてPBSを溶出剤としてクロマトグラフィーに かけた。最初のピークを集めて、紫外線/可視光線吸収の分光測光により分析し た:λmax263nm。4−(4−アミノブチリル)−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(a raC−GABA) D M F(12.5mL)中の5’−O−トリチル−1 −β−D−アラビノフラノシルシトシン(833mg、1.72mモル)の溶液 に、4−(ベンジルオキシカルボニルアミド)−ブタン酸(1.38g、5.8 2mモル)及びDCC(365mg、1.76mモル)を加えた。この溶液を5 時間攪拌し、次いで、溶媒を真空中で除去し、その結果生じた油を、フラッシュ シリカのカラム上でクロロホルム−メタノール(9:1)を溶出剤として用いる クロマトグラフィーにかけた。こうして得られた生成物(Rf0.38)の23 8mgのアリコートを、50%酢酸中で90℃で加温することにより脱トリチル 化した。同じ溶出剤を用いるクロマトグラフィーは、純粋なaraC−GABA −Z(137mg、0.3mモル)を与えた。1H−NMR(CD3OD)δ1. 85(quin,2H,COCH22 CH2NH),2.48(t,2H,C OCH2 CH2CH2NH),3.18(t,2H,COCH2CH22 NH), 3.82(m,2H,H5&5’),4.02(m,1H),4.10(ψt, J=2.3Hz,1H),4.25(dd,J−2.2Hz,3.5Hz,1H ),5.05(s,2H,ベンジリック),6.19(d,J=3.7Hz,1 H,H1’),7.32(m,5H,フェニル),7.42(d,J= 7.5Hz,1H),8.23(d,J=7.5,1H)。この化合物を5mL のエタノール:水:酢酸(3:2:0.5)に溶解させ、10%Pd/C上で、 Brown の手順(Brown,C.A.及びBrown,H.C.(1966)J.Org.Chem.31:3989-3995) を用いて、出発物質がTLCにより検出可能でなくなり且つ移動しないニンヒド リン陽性スポットが現われるまで水素化分解した(約30分間)。この混合物を セライトを通して濾過し、エタノールを20〜30mmHgで除去し、その結果 生じた溶液を凍結乾燥して白色結晶物質を与えた。融点:120〜122℃;I R(KBr):3408(br),2355,1654,1560,1498, 1406,1314,1114,1054,804cm-1;UV:λmax305 、275nm。araC−GABA−ASOR DMSO(100μL)中のaraC−GAB A(10mg、30μモル)を420μLの0.1M M E S(p H5. 6)中のASOR(21mg)の溶液に加えた。EDC(50mg、0.26m モル)を加え、その溶液を3時間25℃で攪拌した。その溶液をSephadex G25カ ラム上でPBS(pH6.5)を溶出剤として用いるクロマトグラフィーにかけ た。第1の溶出ピークを水に対して透析し、凍結乾燥した。実施例5: ペプチド架橋剤を用いる薬物結合体の調製 この実施例においては、ヌクレオシドアナログのトリペプチド誘導体を調製し て、このヌクレオシドアナログのアシアロオロソムコイド上のカルボキシル基へ の結合を可能にするカルボキシル基と反応する架橋剤を与えた。このトリペプチ ド誘導体をカルボジイミドカップリングによりアシアロオロソムコイドに結合し た。 3’,5’−ジ−O−(tブチリルジメチルシリル)−1−β−D−アラビノフ ラノシルシトシン(TBDMS−araC) この化合物を、Wipf,P.等(1991) Bioorganic & Medicinal Chem.Letters 1:745-750に従って調製した。1−β− D−アラビノフラノシルシトシン(1g、4.2mモル)、イミダゾール(2. 2g、34mモル)、TBDMSCl(2.5g、17mモル)及びDMAP( 53mg、0.4mモル)の溶液を24時間25℃で攪拌した。次いで、この混 合物を50mLの水で希釈し、3×50mLのエーテルで抽出した。合わせた有 機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして真空中で濃縮した。 その結果生じた油のフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーは、TBDMS− araCを与えた。1H−NMR(CDCl3)δ0.11,0.12,0.13 ,0.15(4s,12H,メチル),0.90,0.96(2s,18H,t ブチル),3.85(m,2H),4.18(m,1H),4.40(m,1H ),5.46(d,J=7.3Hz,1H,H1’), 6.14(d,J=5.1Hz,1H),7.78(d,J=7.3Hz,1H )。N−(ベンジルオキシカルボニル)−LeuAlaLeu(Z−LAL−OH) DMF(10mL)中のN−(ベンジルオキシカルボニル)−LeuAlaO H(2g、6mモル)、N−メチルモルホリン(0.67mL、6mモル)及び イソブチルクロロホルメート(0.82mL、6mモル)の溶液に、THF(2 5mL)中のLeu(OtBu)・HCl(1.3g、6mモル)及びトリエチ ルアミン(0.87mL、6mモル)の溶液を−5℃で加えた。この混合物を室 温にし、固形物を濾過により除去してTHFで洗った。酢酸エチルを加え、合わ せた有機相を30mLずつの水、飽和重炭酸ナトリウム、水、1%HCl及び2 ×水で洗った。この有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃 縮して白色の泡(1.5g、50%)を与えた。FABMS[M+H]+506 。ジクロロメタン(3mL)中のこの物質の300mg(0.59mモル)のア リコートに、トリフルオロ酢酸(1.5mL)を加えた。1.5時間後に、出発 物質は、クロロホルム−メタノール(9:1)を用いるTLCにより判定して使 い尽くされた。溶媒の除去と、その後の、同じ溶媒を用いるフラッシュシリカゲ ルの短いカラムを通す濾過は、Z−LAL−OH(216mg、80%)を与え た。FABMS[M+H]+450。4−(LeuAlaLeu)−1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(a raC−LeuAlaLeu) THF(0.6mL)中のZ−LAL−OH( 100mg、0.22mモル;上記のように調製)、N−メチルモルホリン(2 5μL、0.22mモル)及びイソブチルクロロホルメート(30μL、0.2 2mモル)の溶液に、THF(0.5mL)中のTBDMS−araC(79m g、0.22mモル;上記のように調製)の溶液を0℃で加えた。30分間攪拌 した後、この溶液をエーテル(15mL)で希釈し、3×10mLの水で抽出し た。この有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過して真空中で濃縮した。そ の結果生じた油を、フラッシュシリカゲル上で4%メタノール−クロロホルムを 用いるクロマトグラフィーにかけて80mg(72%)のTBDMS−araC (LeuAlaLeu−Z)を与えた。THF(0.5mL)中のこの生成物の 一部(16mg、0.02mモル)を、テトラブチルアンモニウムフルオリド( 10mg、0.04mモル)での1時間の処理により脱シリル化した。13%メ タノール−クロロホルムを用いるフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーは、 araC−(LAL−Z)(10mg、74%)を与えた。1H−NMR(CD3 OD)特徴的シグナル:δ0.91(m,12H,LeuC 3),3.80− 4.55(8H,アラビノース&ペプチドαH’s),5.08(2H,ベンジ リック),6.19 (1H,H1’),7.30(m,4H,フェニル&1シトシン),7.40( 1H,フェニル),8.25(1H,シトシン)。 Z保護基を除去するために、この化合物を5mLのエタノール:水:酢酸(3 :2:0.5)に溶解させ、10%Pd/C上で、Brown の手順(Brown,C.A. 及びBrown,H.C.(1966)J.Org.Chem.31:3989-3995)を用いて、出発物質がTLC により検出可能でなくなり且つ移動しないニンヒドリン陽性スポットが現われる まで水素化分解した(約30分間)。この混合物を、セライトを通して濾過し、 20〜30mmHgでエタノールを除去し、その結果生じた溶液を凍結乾燥した 。araC−LeuAlaLeu−ASOR araC−LeuAlaLeu−A SORを調製するために、DMSO(100μL)中のTBDMS−araC− LeuAlaLeu(30μモル;上記のように調製)を、420μLの0.1 M MES(pH5.6)中のASOR(21mg)の溶液に加えた。EDC( 50mg、0.26mモル)を加えて、この溶液を3時間25℃で攪拌した。こ の溶液を、Sephadex G25カラム上で、PBS(pH6.5)を溶出剤としてクロ マトグラフィーにかけた。第1の溶出ピークを水に対して透析し、凍結乾燥した 。実施例6: 還元的に不安定な架橋剤を用いる薬物結合 体の調製 この実施例では、ヌクレオシドアナログを、還元的に不安定な架橋剤を介して アシアロオロソムコイドに結合した。4−(3−(2−ピリジルジチオ)プロピオニル)−ジデオキシシチジン(d dC−PDP) DMF(1mL)中で、ジデオキシシチジン(40mg、0. 2mモル)及びSPDP(60mg、0.2mモル)を17時間25℃で攪拌し た。20mmフラッシュシリカゲルカラム上での精製は、ddC−PDP(12 mg、16%)を産出した。分析:1H−NMR(DMSO−d6)特徴的シグナ ル:δ5.91(1H,H1’),7.18,8.49(2H,シトシン),7 .25,7.80,8.47(4H,ピリジル);UV:λmax295、245 ;ジチオスレイトールでの処理は、ピリジン−2−チオンの遊離の特徴である3 40nmでの吸光度最大値の展開を生じた。ddC−DP−ASOR 脱気した50mM ボレート、1mM EDTA(p H8.5)の200μL中のASOR(4mg)を32μLの同じ緩衝液中の2 −イミノチオランの9mg/mL溶液と、1.5時間、2℃で反応させた。この 蛋白質を、PD10カラムを用いて脱気したPBS、1mM EDTA(pH7 .0)で溶出して、未反応の2−イミノチオランから分離した。画 分(0.5mL)6〜8をプールし、Centricon 10(商標)を用いて、150μ Lに濃縮した。80μLのアリコートを、照合用に保持した。この蛋白質溶液の 残りに、ddC−PDP(100μLのDMF中の2mg)を、4℃で、攪拌し ながら、滴下した。4℃で1.5時間経過後に、結合体を、PD10カラム上で 、上記のように、未反応のddC−DPから分離した。分析:PAGE、クーマ シーブルー染色した蛋白質の45%は、Mr36,000の単一バンドとして移 動し、13%はMr80,000であり、14%はMr>100,000であっ た。UV:λmax280nm。実施例7: ポリグルタミン酸をキャリアーとして用い る薬物結合体の調製 この実施例では、ヌクレオシドアナログをポリグルタミン酸に架橋し、次いで 、カルボジイミドカップリングによりASORに結合した。araC−PLGA araCを、文献記載の手順(Kato,Y.等(1984)Cancer R esearch 44:25-30)により、ポリグルタミン酸(PLGA;14KD)に結合し た。簡単に言えば、イソブチルオキシカルボニルクロリド(556mg)及びト リエチルアミン(391mg)を、乾燥DMF(40ml)中のPLGA(50 0mg)の溶液に、−8〜−5℃で加え、この混合物を、この温度で、1時間攪 拌した。その結果生じた溶液に、 乾燥DMF(20ml)中のaraC(942mg)及びトリエチルアミン(3 91mg)を加え、反応を、4℃で3日間行なわせ、そして室温に4時間置いた 。この反応混合物を、pH8.0の冷0.4M リン酸緩衝液(20ml)中に 注ぎ、任意の不溶性物質を濾過により除去した。濾液を3%NaCl溶液に対し 及び水に対して透析した。araC−PLGA−ASOR araC−PLGA(上記のように調製)のア リコート10mgを、水(0.5mL)中のASOR(15mg)と合わせた。 pHを6.0に調節し、EDC(11mg)を加えて、この溶液を16時間25 ℃で攪拌した。この混合物を、2.5×100cmのSephacryl S100カラムにて 、PBS(pH6.7)を溶出剤として用いて、0.3mL/分で分離した。8 mLの画分を集め、画分28〜32をプールして凍結乾燥した(6mg)。分析 :非還元的PAGE、Mr46,000;UV:λmax295nm、248nm ;分光測光によるaraCの濃度は、結合体1mg当り97μg。実施例8: ポリアルデヒドデキストランキャリアーを 用いる薬物結合体の調製 この実施例では、他官能性キャリアー分子ポリアルデヒドデキストラン(PA D)を、デキストランから調製した。ポリアルデヒドデキストラン(PSD) ポリアルデヒドデキストランを、文献 記載の手順(Bernstein,K.等(1978)J.Natl.Cancer Inst.60:379-384; Foster ,R.L.(1975)Experientia,772-773)に従って、1:1の過ヨウ素酸塩:グルコ ースモノマーのモル比を用いて合成した。簡単に言えば、1g(0.108mモ ル)のデキストラン(平均分子量9300)を、186mLの0.03M 過ヨ ウ素酸ナトリウムに溶解させ、25℃で18時間光を当てずに攪拌した。次いで 、この溶液を3500MWCOの透析チューブにて、3×20Lの水に対して及 びその後1×5Lの水に対して透析し、そして凍結乾燥した。araC−PAD−ASOR 上記のように調製したPAD(300μLのPB S(pH7.2)中の16mg)に、araC(75μLのPBS中の10mg )を加えた。この溶液を、25℃で20時間攪拌し、その後、ASOR(200 μLのPBS中の6mg)を加え、更に20時間反応を続けた。次いで、シアノ ボロヒドリドナトリウム(6mg、90μモル)を加え、この溶液を1.5時間 37℃で攪拌した。次いで、結合体をSephadex G25カラムにてPBSを溶出剤と して用いて、未反応の薬物から分離した。第1の溶出ピークを4Lの水に対して 透析して凍結乾燥し(16mg)、紫外線/可視光線吸収の分光測光により分析 した:λmax278nm。ddC−PAD−ASOR 上記のように調製したPAD(275μLのPBS (pH7.2)中の15mg)にddC(10mg、47μモル)を加えた。こ の溶液を25℃で20時間攪拌し、その後、ASOR(200μLのPBS中の 6mg)を加え、更に20時間反応を続けた。次いで、シアノボロヒドリドナト リウム(6mg、90μモル)を加え、この溶液を1.5時間37℃で攪拌した 。次いで、反応混合物を、Sephadex G25カラムにて、PBSを溶出剤として用い て、未反応の薬物から分離した。第1の溶出ピークを4Lの水に対して透析して 凍結乾燥し(17mg)、紫外線/可視光線吸収の分光測光により分析した:λmax 277nm。実施例9: 薬物結合体の分子置換率分子置換率の測定 結合体上の薬物の濃度は、下記の方程式を用いて、分光測光 的に測定した: (式中、Dは結合体上の薬物の濃度(μg/mL)であり;εは(mg/mL)-1 であり;Cは用いたストック溶液中の結合体のmg/mLであり;dはキュベ ット(1cm長)中のストックの希釈である)。 次の仮定をした:1)結合した薬物の吸光度係数は、遊離の薬物のそれと同じで ある;2)結合体の乾重量は、蛋白質及びポリマーである(薬物の重量は、10 %未満しか寄与しない);3)ASOR−ポリリジン結合体の分子量は40Kd である(サンプルしたASOR−ポリリジン結合体のアミノ酸分析は、1:1の ASOR(36Kd):ポリリジン(4Kd)比を支持する)。結合体中で用い た薬物の吸光度係数は、標準的技術により測定した。 実施例1〜8において調製した薬物結合体の平均分子置換率を表1に示す。 araC−GABA−ASORの分子置換率を、HPLCにより測定した。H PLCは、486吸光度検出器を有し、Applied Biosystemsの4.6mm×10 0mmC18カラムを用いるWaters 600E 溶媒送達システムにて行なった。25 分間、1mL/分の水からアセトニトリルへの直線状勾配(それぞれ、0.1% 酢酸を含む)を用いて、araCを、保持時間12分で溶出した。検出は、26 0nmであった。Waters 743データモジュールを用いてピークを定量した。架橋 剤のN−ブチリル結合のアルカリ加水分解によるaraCの遊離を、0.1M ボレート緩衝液(pH9.5)にて行なった。この緩衝液にてaraC−GAB A−ASOR結合体の1mg/mL部分を37℃でインキュベートした。20μ Lのアリコートの注入を最初に行ない、そして1、2及び5日目に行なった。最 初に結合体中で検出された遊離のaraCは、3μg/mg未満であった。24 時間後には、結合体1mg当り20μgの遊離の薬物が放出された。最大値25 μg/mg(MSR=2に相当)が5日後に検出された。実施例10: 薬物結合体によるHBV DNA複製の 阻止 HBV−DNAでトランスフェクトしたヒト肝芽細胞腫(HepG2)由来の 細胞株、2.2.15(Sells,M.A.等(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:1005-1 009; Sells,M.A.等(1988)J.Virol.62:2336-2344)を用いて、これらの薬物結合体 の抗ウイルス活性を評価した。細胞は、未処理か、遊離の薬物で処理したか又は 結合体化した薬物(即ち、薬物−PLL−ASOR)で処理したものの何れかで あった。2.2.15細胞を薬物結合体にさらした後、HBV DNAの存在を 、細胞外で(即ち、細胞から放出されたビリオン中のDNA)、細胞内で、弛緩 した環状DNA、複製中間体(一本鎖DNA及び部分的に弛緩した環)の形態で 測定し、及びインテグレートされたHBV DNAを測定してウイルスDNA複 製に対する結合体の効果を測定した。遊離の及び結合体化したaraA、アシク ロバー、araC、AZT及びddCのID50(ウイルスDNA複製の50%を 阻止するのに必要な投与量)を、未処理の対照と比較して測定した。CD50(細 胞の50%を殺すのに必要な薬物の投与量)を、遊離のaraC及びddCにつ いて及び結合体の1つ(ACVMP−PLL−ASOR)について、2.2.1 5細胞及びSKHep1細胞の両者を用いて測定した。更に、イン・ビボ投与し た場合に、肝臓への薬物結合体のクリアランスのレベルを測定するために、Ba lb/Cマウスに125I−放射性標識した薬物結合体106cpm/μgを尾静脈 注射し、これらのマウスの肝臓を摘出して5分後に標識薬物結合体の存在につい てアッセイした。 これらのHBV抗ウイルスアッセイ(ID50)の結果 を、下記の表2にまとめる。肝臓クリアランスアッセイ(肝臓に対する%)及び 2.2.15(ASGR+)細胞及びSKHep1(ASGR−)細胞を用いた CD50測定の結果も、表2に示す。実験方法も又、以下に詳細に説明する。 実験方法 araA−グルタレート−PLL−ASOR、araA−ホスフェート−PL L−ASOR、アシクロバー−グルタレート−PLL−ASOR、アシクロバー −スクシネート−PLL−ASOR、アシクロバー−ホスフェート−PLL−A SOR、アシクロバー−アミノアシル−PLL−ASOR、ddC−グルタレー ト−PLL−ASOR、ddC−PAD−ASOR,AZT−グルタレート−P LL−ASOR、araC−グルタレート−PLL−ASOR及びaraC−P AD−ASORを含む薬物結合体のHBV抗ウイルス活性をアッセイするために 、2.2.15細胞のストック培養を、5%ウシ胎児血清及び2mM L−グル タミンを補ったRPMI1640中に維持した。これらの細胞を、37℃で、5 %CO2を含む湿った空気中で培養した。抗ウイルス処理のために、2.2.1 5細胞を、コラーゲン被覆した24ウェルプレート上に4×104細胞/cm2の 密度で接種した。集密培養(接種の6〜8日後)を、2%ウシ胎児血清を含むR PMI中で、結合体又は薬物の何れかを濃度を増大させて補って培養した。薬物 含有培地を1日目(集密化後)に加え、2日毎(3、5、7及び9日目)に新鮮 な結合体又は遊離の薬物を含む培地と交換した。10日目に、培地及び細胞を、 細胞内及び細胞外のHBV DNA分析のために採取した。 薬物処理の10日後、結合体処理した2.2.15培 養物から全核酸を抽出し、細胞内HBV DNAを次のように分析した。細胞を 、過剰のトリス−緩衝化塩溶液で2回洗った。単層を、20μg/mlのRNア ーゼAを含む溶解用緩衝液(0.6%SDS、10mM EDTA、10mM トリス−Cl、pH7.4)400μl中で溶解させ、37℃で30〜60分間 インキュベートした。この溶解物を小型遠心管に移して、プロテイナーゼKを終 濃度100μg/mlに加え、50℃で少なくとも2時間インキュベートした。 次いで、溶解物を300mMの酢酸ナトリウムを含むように調節し、フェノール /クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1 v/v)で一度抽出 し、クロロホルム/イソアミルアルコール(24:1 v/v)で一度抽出した 。このDNAをエタノール沈殿により濃縮し、50μlの10mM トリスHC l、1mM E D T A(pH8.0)に再懸濁させ、そして制限酵素Hi ndIIIで消化した。サザーンブロッティングのために、第3の消化したDN Aを0.8%アガロースゲル中で電気泳動にかけ、Micro Separations MagnaGra ph(登録商標)ナイロン膜に、10×SSCトランスファー緩衝液を用いて、一 晩キャピラリートランスファーによりトランスファーした。ハイブリダイゼーシ ョンを、HBVの完全長の3.2ゲノムを含むpADW−HTD(T.J.Liang提 供)の[32P]dCTP−標識したEcoRI断片を用いて68℃で行なった。 すべての標識反応を、 Random DNA Labeling System(BRL,Life Technologies製)を用いて行なっ た。インテグレートされたDNA、弛緩した環状DNA及び複製中間体のレベル を、Packard Instant Imagerを用いて定量し、未処理の対照のパーセンテージと してグラフ化した。 弛緩した環、複製中間体(一本鎖DNA及び部分的に弛緩した環)及びインテ グレートしたHBV DNAとしての細胞内のHBV DNAの存在を定量的に 比較した。インテグレートされたDNAのレベルは抗ウイルス処理により影響さ れないので、弛緩した環状DNA及び複製中間体の相対的量を、インテグレート されたDNAの量に対して標準化した。特に、araC−グルタレート−PL− ASOR結合体についてのデータを、図1に未処理対照のパーセントとしてプロ ットする。araC−グルタレート−PL−ASOR結合体は、細胞内のHBV の弛緩した環の蓄積に対して投与量に依存する阻止効果を有した。弛緩した環状 DNA(最終生成物)の蓄積に対するID50(ウイルスDNA複製の50%を阻 止するのに必要な投与量)は、約0.1μM(30ng/ml)であったが、複 製中間体は、高濃度(例えば、0.5mM(100ng/ml)の薬物において さえ蓄積し続けた。遊離のaraCについてのID50は、約3.5μM(750 ng/ml)であった。しかしながら、これは、我々がCD50(細胞の50%を 殺すのに必要な薬物の投与量)であることを測定したのと同じ値で ある。従って、遊離のaraCの抗ウイルス活性の増大は、恐らく、特異的なウ イルス阻止ではなく細胞死によるものである。他の研究者は、遊離のaraCは 、2.2.15細胞においてはHBV複製の阻害剤ではないことを示した(B.K orba、私信)。従って、アシアロ糖蛋白質レセプターにより、細胞をaraCの 標的とすることによって、薬物の抗ウイルス活性を増大させることができる。 図2は、未処理の対照のパーセントとしてプロットしたアシクロバー−ホスフ ェート−PLL−ASOR結合体の細胞内HBV DNAに対するHBV抗ウイ ルス活性を示す。この結合体は、23μM(7μg/ml)のID50で阻止した が、遊離のアシクロバーは、細胞内HBV DNAの蓄積に対する効果を殆ど有 しなかった(1Mm(300μg/ml)より大きいID50)。これらの結果は 、アシクロバーは、アシアロ糖蛋白質レセプターによって細胞を標的としたなら ば、HBV複製のずっと強力な阻止剤となることを示している。 図4は、未処理対照のパーセントとしてプロットしたddC−PAD−ASO R結合体の細胞内HBV DNAに対する効果を示している。遊離のddC及び ddC−PAD−ASOR結合体の両者は、細胞内HBVの弛緩した環及び複製 中間体の蓄積に対して約0.1μM(20ng/ml)のID50で阻止効果を有 した。 この薬物結合体の細胞外HBV DNA(細胞から放 出されたビリオン中のDNAを意味する)に対する効果も又、評価した。細胞外 DNAの分析のために、結合体処理した2.2.15細胞からの培養培地を小型 遠心分離機で2分間遠心分離して細胞残骸を除去した。細胞外DNAを変性する ために、400μlの清澄化した培地を20分間室温(25℃)で、1M Na OH、10×SSC(1×SSCは、0.15M NaCl/0.015M ク エン酸ナトリウム、pH7.2である)中でインキュベートした。これらの試料 を、直接、20×SSCに予め浸しておいたナイロン膜(Micron Separations S ystems MagnaGraph(登録商標))にスロットブロット装置(BRL)を用いて 加えた。結合したDNAを中和するために、スロットを、0.5mlの1M ト リス(pH7.2)/2M NaClで2回洗い、0.5mlの20×SSCで 1回洗った。これらのフィルターを取り出して2×SSCにて簡単に洗い、UV 架橋(Strtalinker,Stratagene 社)してから、完全長のHBVプローブ(上述 )とハイブリダイゼーションさせた。これらの結果は、表2(上記)に示してあ るが、やはり、アシアロ糖蛋白質により肝細胞を薬物の標的とすることによって 、それらのHBVに対する抗ウイルス活性が、細胞外HBV DNA蓄積により 測定して、有意に増大し得ることを示している。 特に、表2に示したように、araAの両結合体(即ち、グルタレート結合体 及びホスフェート結合体)は、 遊離のaraAより10倍以上低濃度でHBV細胞外DNAの阻止を示した。同 様に、すべてのアシクロバー結合体は、遊離のアシクロバーより遙かに低いID50 を有した。最も強力なアシクロバー結合体であるアシクロバー−ホスフェート −PLL−ASORは、遊離の薬物より100倍以上低濃度でHBV細胞外DN Aの生成を阻止した。細胞外HBV DNA生成に対するアシクロバー−ホスフ ェート−PLL−ASOR結合体の効果を、未処理対照のパーセントとして図3 にプロットしてある。細胞外DNA(細胞から放出されたビリオン中のDNAを 意味する)のレベルを測定したとき、この結合体が3μM(1μg/ml)より 小さいID50で阻止することが見出されたが、他方、遊離のアシクロバーは、細 胞外HBV DNA蓄積には殆ど効果を有しなかった。例えば、300μM(1 00μg/ml)で、阻止は、40%だけであった(図3参照)。同様に、表2 に示すように、ddC−PAD−ASOR結合体及びAZT−グルタレート−A SOR結合体は、共に、遊離の薬物より1オーダー以上大きくHBVを阻止した 。これらの結果は、アシアロ糖蛋白質レセプターにより細胞を抗ウイルス剤の標 的とすることにより、それらの効果が、細胞外HBVの蓄積により測定して、遊 離の薬物よりも大いに増大されることを明確に示している。 選択した遊離の及ひ結合体化した薬物の細胞毒性を、下記のように測定した。 2.2.15及びSKHep1 細胞を、96ウェルミクロ滴定プレート上に、3.75×103細胞/ウェルの 密度で接種した。SKHep1細胞はASORに対するレセプターを有さず、そ れ故、対照として働く。接種の24時間後、濃度を増大させる遊離の及び結合体 化した薬物をこれらのプレートに加えた。薬物の添加の24時間後、培地交換に より薬物を除去した。最初の薬物施与から72時間後に、これらのプレートを、 生細胞中で代謝的に還元されて水溶性のホルマザン生成物になるテトラゾリウム 試薬XTTとXTTの細胞による還元を著しく増大させて直接吸光度の読みを可 能にするPMSとの組合せを用いて染色した。染色を、Scudiero,D.A.等(1988) Cancer Research,48:4827-4833により行なった。吸光度を450nmで読んだ 。各ウェルの吸光度を100%生存(薬物投与なし)の吸光度で除して100を 乗ずることにより生存パーセントを計算した。これらの結果を表2に示す。AS GRを発現している2.2.15細胞を殺すのに必要なアシクロバー−ホスフェ ート−PLL−ASORの量は、ASGR陰性のSKHep1細胞を殺すのに必 要な量の1/5より少なかった。 これらの薬物結合体の肝臓へのクリアランスのパーセントを測定するために、 イン・ビボのターゲティングアッセイをマウスについて下記のように行なった。 結合体を、クロラミン−T手順(Wood等 (1981)J.Clin.Chem.Biochem.19:1051- 1056)を用いてヨウ素化した。Bal b/Cマウスに、106cpm/μgの125I−薬物結合体(0.5mlのPBS 中)を尾静脈注射した。平均比活性は、106cpm/μgであった。注射の5 分後に、動物を、頚椎脱臼により殺した。5つの主要な器官(肝、脾臓、腎臓、 心臓及び肺)を摘出し、ガンマーカウンターにて計数して放射性標識した結合体 のターゲティングを測定した。表2に示したように、すべての薬物結合体の95 %より多くが肝臓に浄化されており、これらの薬物結合体がイン・ビボで効果的 に肝細胞に送達されることを示している。実施例11: コルヒチン及び還元的に不安定な架橋剤 を含む薬物結合体の調製 ASORに結合したコルヒチンの薬物結合体を下記のように調製した:N−(3−(2−ピリジルジチオ)プロピオニルデアセチルコルヒチン SPD P(29mg、0.092mモル)及びDMAP(11mg、0.092mモル )を、ジクロロメタン(1mL)中のデアセチルコルヒチン(33mg、0.0 92mモル)に加え、その溶液を23℃で2時間攪拌した。次いで、この溶液を 、フラッシュシリカゲル上で、クロロホルム中の6%メタノールを移動相として 用いてクロマトグラフィーにかけた。最初に溶出したコルヒチン誘導体(21m g、0.038mモル)を、1H−NMR(CDCl3)δ1.25 (s,1H),1.56(s,2H),1.87(m,1H),2.30(m, 1H),2.46(m,1H),2.53(m,1H),2.67(q,2H) ,3.03(m,2H),3.65,3.90,3.94,3.98(4s,1 2H),4.68(m,1H),6.53(s,1H),6.80(d,J=1 0.8,1H),7.15(m,1H),7.30(m,1H),7.44(s ,1H,H8),7.56(d,J=8.2,1H),7.63(m,1H), 8.50(d,J=4.4Hz,1H)により、正しい生成物であると決定した 。コルヒチン−DP−ASOR 0.06mLのDMSO中の5mgのSPDPを 、0.5mLのHEPES(0.1m;pH7.5)中の8mgのASORに加 えた。この反応混合物を、2時間、0〜4℃で、激しく攪拌した。次いで、この 混合物を、3000rpmで10分間、小型遠心分離機にかけた。上清を、PD 10カラムにて、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム(0.1M、pH4.5)を 用いてクロマトグラフィーにかけ、巨大分子画分を、Centricon 10を用いて0. 25mLに濃縮した。0.25mLの同緩衝液中のジチオスレイトール(6mg )を加えて、この溶液を30分間23℃で攪拌した。次いで、この溶液を、PD 10カラムにて、1mM EDTA及び0.02%アジ化ナトリウムを含む脱気 したPBSを用いてクロマトグラフィーにかけ た。この巨大分子画分に、0.05mLのDMSOに溶解させたN−(3−(2 −ピリジルジチオ)プロピオニルデアセチルコルヒチン(2mg)を加えた。こ の混合物を、最初に0〜4℃で攪拌し、次いで、23℃で17時間攪拌した。N −エチルマレイミド(1mg)を加えて、この混合物を更に1時間攪拌した。次 いで、この混合物を、5000rpmで10分間、小型遠心分離機にかけ、その 上清を、PD10カラム上でPBSにてクロマトグラフィーにかけた。この巨大 分子画分を、コルヒチンについて、353nmでの吸光度を測定することにより 分析し、蛋白質については、BioRad蛋白質アッセイ及びPAGEを用いて分析し た。この結合体は、ASOR1モル当り2モルのコルヒチンを含有した。 これらのコルヒチン−DP−ASOR結合体を、この発明の他の薬物含有結合 体(例えば、実施例1〜10に記載したもの)と共に用いて、又は核酸含有結合 体と共に用いて、これらの標的を定めた薬物又は核酸の細胞への送達を増大させ ることができる。コルヒチンは、エンドソームのリソソームへの移行及び/又は 融合を阻止すると考えられている。それ故に、他の薬物又は核酸含有結合体と共 に細胞のエンドソーム中へ同時に内在化されるならば、コルヒチン−DP−AS OR結合体は、これらの薬物又は核酸含有結合体のリソソームによる分解を防止 することができる。従って、この発明の一具体例において、エンドソームのリソ ソームへの移行及び/又は 融合を阻止するコルヒチンその他の薬剤を含む結合体及びASORを用いて、抗 ウイルス活性を増大させ、又は肝細胞を標的とした核酸の発現レベルを増大させ ることができる。同等物 当業者は、上記したこの発明の特定の具体例に対する多くの同等物を認識し又 は常例的実験を用いて確かめることができるであろう。かかる同等物は、後述の 請求の範囲に包含されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,M X,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 スピタルニー,ジョージ エル. アメリカ合衆国 06410 コネティカット, チェシア,ブルックフィールド コート 6 (72)発明者 フィンディーズ,マーク エイ. アメリカ合衆国 02114 マサチューセッ ツ,ボストン,ナンバー10,ウエスト シ ーダー ストリート 57 (72)発明者 アーンスト,マイケル エフ. アメリカ合衆国 06340 コネティカット, グロッテン,イースターン パート ロー ド 1019 (72)発明者 ロビンソン,ブレット アメリカ合衆国 06082 コネティカット, エンフィールド,フォックス ヒル レイ ン 51

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.アシアロ糖蛋白質レセプターを発現している細胞を治療剤の標的とするため の結合体であって、その結合体は、一般式A−B−C−Dよりなり、式中: Aは、抗ウイルス剤、抗腫瘍剤、DNA結合剤、ホルモン、成長因子、ビタミ ン及びエンドソームのリソソームへの移動及び/又は融合を阻止する薬剤よりな る群から選択する治療剤であり、それは、多官能性キャリアー分子に共有結合し 、 Bは、治療剤に共有結合し且つ多官能性キャリアー分子に共有結合する架橋剤 であり、 Cは、多官能性キャリアー分子であり、そして Dは、アシアロオロソムコイド、アラビノガラクタン及びチロシル(グルタミ ル)グルタメートのトリス−(N−アセチルガラクトサミンアミノヘキシルグリ コシド)アミドよりなる群から選択する、アシアロ糖蛋白質レセプターに対する リガンドであり、このリガンドは、アシアロ糖蛋白質レセプターに結合し得るよ うに多官能性キャリアー分子に共有結合している。 2.抗ウイルス剤を、ヌクレオシドアナログ、逆転写酵素阻害剤、トポイソメラ ーゼ阻害剤、DNAジャイレース阻害剤及びDNA結合剤よりなる群から選択す る、請求項1に記載の結合体。 3.抗ウイルス剤が、向肝臓性ウイルスに対して有効で ある、請求項2に記載の結合体。 4.向肝臓性ウイルスを、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイ ルス及びD型肝炎ウイルスよりなる群から選択する、請求項3に記載の結合体。 5.ヌクレオシドアナログを、9−β−D−アラビノフラノシルアデニン(ar aA)、9−β−D−アラビノフラノシルシトシン(araC)、2’,3’− デオキシシチジン(ddC)、3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT )、9−(2−ヒドロキシエチオキシメチル)グアニン(ACV)、ガンシクロ バー、ファムシクロバー、ペンシクロバー、ブロモビニルデオキシウリジン、ホ スホノホルメート、アデノシン(ddA)、イノシン(ddI)、グアノシン( ddG)、チミジン(ddT)及びウラシル(ddU)の2’,3’−ジデオキ シヌクレオシド、9−β−D−アラビノフラノシルアデニン−エリスロ−9−( 2−ヒドロキシノニル)アデニン(AraA−EHNA)、2’−フルオロ−1 −β−D−アラビノフラノシル−5−メチルウラシル(FMAU)、2’−フル オロ−1−β−D−アラビノフラノウロシル−5−エチルウラシル(FEAU) 、2’−フルオロ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨードウラシル(F IAU)、2’−フルオロ−1−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨードシチ ジン(FIAC)、3’−フルオロ−ddC、5−クロロ−ddC、3’−フル オロ−5−クロロ−ddC、3’−アジド− 5−クロロ−ddC、3’−フルオロ−ddT、3’−フルオロ−ddU、3’ −フルオロ−5−クロロ−ddU、3’−アジド−ddU、3’−アジド−5− クロロ−ddU、2’,6’−ジアミノプリン2’,3’−ジデオキシリボシド (ddDAPR)及びデオキシグアノシンのカルボン酸アナログ(2’−CDG )よりなる群から選択する、請求項2に記載の結合体。 6.ヌクレオシドアナログを、9−β−D−アラビノフラノシルアデニン(ar aA)、9−β−D−アラビノフラノシルシトシン(araC)、ジデオキシシ チジン(ddC)、9−(2−ヒドロキシエチオキシメチル)グアニン(アシク ロバー、ACV)及び3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT)よりな る群から選択する、請求項5に記載の結合体。 7.架橋剤が、アミド結合を介して多官能性キャリアー分子に共有結合する、請 求項1に記載の結合体。 8.架橋剤が、カルボキシアシル化合物から誘導される、請求項7に記載の結合 体。 9.カルボキシアシル化合物が、グルタレート又はスクシネートである、請求項 8に記載の結合体。 10.架橋剤が、アミノアシル化合物から誘導される、請求項7に記載の結合体 。 11.アミノアシル化合物が、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカル ボキシレート又は4−アミノブチレートである、請求項10に記載の結合体。 12.架橋剤が、細胞内で加水分解され得る、請求項7に記載の結合体。 13.ペプチドが、アミノ酸配列Leu−Ala−Leuを含む、請求項12に 記載の結合体。 14.架橋剤が、ホスホアミド結合を介して、多官能性キャリアー分子に共有結 合する、請求項1に記載の結合体。 15.架橋剤が、ホスフェートである、請求項14に記載の結合体。 16.多官能性キャリアー分子が、ポリアミノ酸である、請求項1に記載の結合 体。 17.ポリアミノ酸が、ポリリジン又はポリオルニチンである、請求項16に記 載の結合体。 18.ポリアミノ酸が、ポリグルタミン酸又はポリアスパラギン酸である、請求 項16に記載の結合体。 19.多官能性キャリアー分子が、ポリアルデヒドデキストランである、請求項 1に記載の結合体。 20.細胞が、肝細胞である、請求項1に記載の結合体。 21.アシアロ糖蛋白質レセプターを発現している細胞を治療剤の標的とするた めの結合体であって、その結合体は、一般式A−B−C−Dからなり、式中: Aは、9−β−D−アラビノフラノシルアデニン(araA)、9−β−D− アラビノフラノシルシトシン(araC)、ジデオキシシチジン(ddC)、9 − (2−ヒドロキシエチオキシメチル)グアニン(アシクロバー;ACV)及び3 ’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT)よりなる群から選択するヌクレ オシドアナログであり、 Bは、治療剤に共有結合し且つ多官能性キャリアー分子に共有結合する架橋剤 であり、 Cは、多官能性キャリアー分子であり、そして Dは、アシアロオロソムコイドであり、アシアロオロソムコイドは、アシアロ 糖蛋白質レセプターに結合し得るように多官能性キャリアー分子に共有結合して いる。 22.アシアロ糖蛋白質レセプターを発現している細胞を治療剤の標的とするた めの結合体であって、その結合体は、一般式A−C−Dよりなり、式中: Aは、抗ウイルス剤、抗腫瘍剤、DNA結合剤、ホルモン、成長因子、ビタミ ン及びエンドソームのリソソームへの移動及び/又は融合を阻止する薬剤よりな る群から選択する治療剤であり、それは、多官能性キャリアー分子に共有結合し 、 Cは、多官能性キャリアー分子であり、そして Dは、アシアロ糖蛋白質レセプターに対するリガンドであり、このリガンドは 、アシアロ糖蛋白質レセプターに結合し得るように多官能性キャリアー分子に共 有結合している。 23.抗ウイルス剤を、ヌクレオシドアナログ、逆転写 酵素阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、DNAジャイレース阻害剤及びDNA結 合剤よりなる群から選択する、請求項22に記載の結合体。 24.抗ウイルス剤が、向肝臓性ウイルスに対して有効である、請求項23に記 載の結合体。 25.向肝臓性ウイルスを、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウ イルス及びD型肝炎ウイルスよりなる群から選択する、請求項24に記載の結合 体。 26.ヌクレオシドアナログを、9−β−D−アラビノフラノシルアデニン(a raA)、9−β−D−アラビノフラノシルシトシン(araC)、2’,3’ −デオキシシチジン(ddC)、3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZ T)、9−(2−ヒドロキシエチオキシメチル)グアニン(ACV)、ガンシク ロバー、ファムシクロバー、ペンシクロバー、ブロモビニルデオキシウリジン、 ホスホノホルメート、アデノシン(ddA)、イノシン(ddI)、グアノシン (ddG)、チミジン(ddT)及びウラシル(ddU)の2’,3’−ジデオ キシヌクレオシド、9−β−D−アラビノフラノシルアデニン−エリスロ−9− (2−ヒドロキシノニル)アデニン(AraA−EHNA)、2’−フルオロ− 1−β−D−アラビノフラノシル−5−メチルウラシル(FMAU)、2’−フ ルオロ−1−β−D−アラビノフラノウロシル−5−エチルウラシル(FEAU )、2’−フルオロ−1−β−D−アラビノフラノシ ル−5−ヨードウラシル(FIAU)、2’−フルオロ−1−β−D−アラビノ フラノシル−5−ヨードシチジン(FIAC)、3’−フルオロ−ddC、5− クロロ−ddC、3’−フルオロ−5−クロロ−ddC、3’−アジド−5−ク ロロ−ddC、3’−フルオロ−ddT、3’−フルオロ−ddU、3’−フル オロ−5−クロロ−ddU、3’−アジド−ddU、3’−アジド−5−クロロ −ddU、2’,6’−ジアミノプリン2’,3’−ジデオキシリボシド(dd DAPR)及びデオキシグアノシンのカルボン酸アナログ(2’−CDG)より なる群から選択する、請求項23に記載の結合体。 27.ヌクレオシドアナログを、9−β−D−アラビノフラノシルアデニン(a raA)、9−β−D−アラビノフラノシルシトシン(araC)、ジデオキシ シチジン(ddC)、9−(2−ヒドロキシエチオキシメチル)グアニン(アシ クロバー、ACV)及び3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT)より なる群から選択する、請求項26に記載の結合体。 28.多官能性キャリアー分子が、反応性アルデヒド基を有する、請求項22に 記載の結合体。 29.多官能性キャリアー分子が、ポリアルデヒドデキストランである、請求項 28に記載の結合体。 30.多官能性キャリアー分子が、ポリアミノ酸である、請求項22に記載の結 合体。 31.アシアロ糖蛋白質レセプターに対するリガンドがアシアロオロソムコイド である、請求項22に記載の結合体。 32.アシアロ糖蛋白質レセプターに対するリガンドがアラビノガラクタン又は チロシル(グルタミル)グルタメートのトリス−(N−アセチルガラクトサミン アミノヘキシルグリコシド)アミドである、請求項22に記載の結合体。 33.細胞が、肝細胞である、請求項22に記載の結合体。 34.アシアロ糖蛋白質レセプターを発現している細胞を治療剤の標的とするた めの結合体であって、その結合体は、一般式A−B−Dよりなり、式中: Aは、ヌクレオシドアナログ、逆転写酵素阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、 DNAジャイレース阻害剤及びDNA結合剤よりなる群から選択する治療剤であ り、 Bは、治療剤に共有結合し且つアシアロオロソムコイドに共有結合する架橋剤 であり、そして Dは、アシアロオロソムコイドであり、アシアロオロソムコイドは、アシアロ 糖蛋白質レセプターに結合し得るように架橋剤に共有結合している。 35.治療剤が、向肝臓性ウイルスに対して有効である、請求項34に記載の結 合体。 36.向肝臓性ウイルスを、A型肝炎ウイルス、B型肝 炎ウイルス、C型肝炎ウイルス及びD型肝炎ウイルスよりなる群から選択する、 請求項35に記載の結合体。 37.ヌクレオシドアナログを、9−β−D−アラビノフラノシルアデニン(a raA)、9−β−D−アラビノフラノシルシトシン(araC)、ジデオキシ シチジン(ddC)、9−(2−ヒドロキシエチオキシメチル)グアニン(アシ クロバー、ACV)及び3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT)より なる群から選択する、請求項34に記載の結合体。 38.架橋剤が、アミド結合を介してアシアロオロソムコイドに共有結合する、 請求項34に記載の結合体。 39.架橋剤が、アミノアシル化合物から誘導される、請求項38に記載の結合 体。 40.アミノアシル結合体が、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカル ボキシレート又は4−アミノブチレートである、請求項39に記載の結合体。 41.架橋剤が、細胞内で加水分解され得る、請求項38に記載の結合体。 42.ペプチドが、アミノ酸配列Leu−Ala−Leuを含む、請求項41に 記載の結合体。 43.架橋剤が、ジスルフィド結合を介してアシアロオロソムコイドに共有結合 する、請求項34に記載の結合体。 44.架橋剤が、(3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネートから誘導される 、請求項43に記載の結合体。 45.細胞が、肝細胞である、請求項34に記載の結合体。 46.9−β−D−アラビノフラノシルシトシン(araC)及びアシアロ糖蛋 白質レセプターに対するリガンドを含む結合体であって、araCが、架橋剤、 多官能性キャリアー分子又は架橋剤及び多官能性キャリアー分子によってリガン ドに結合している、上記の結合体。 47.リガンドが、アシアロオロソムコイドである、請求項46に記載の結合体 。 48.リガンドが、アラビノガラクタン又はチロシル(グルタミル)グルタメー トのトリス−(N−アセチルガラクトサミンアミノヘキシルグリコシド)アミド である、請求項46に記載の結合体。 49.araCが、ホスフェート、グルタレート及びスクシネートよりなる群か ら選択する架橋剤に共有結合しており、架橋剤はaraCに共有結合し且つポリ リジン及びポリオルニチンよりなる群から選択する多官能性キャリアー分子に共 有結合し、そして多官能性キャリアー分子はアシアロオロソムコイドに共有結合 している、請求項47に記載の結合体。 50.araC及びアシアロオロソムコイドが、ポリアルデヒドデキストランに 共有結合している、請求項47に記載の結合体。 51.araCはアミノアシル架橋剤に共有結合し、架橋剤はaraCに共有結 合し且つポリグルタミン酸、ポ リアスパラギン酸及びポリアルデヒドデキストランよりなる群から選択する多官 能性キャリアー分子に共有結合し、そして多官能性キャリアー分子はアシアロオ ロソムコイドに共有結合している、請求項47に記載の結合体。 52.アミノアシル架橋剤が、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカル ボキシレート又は4−アミノブチレートから誘導される、請求項51に記載の結 合体。 53.アミノアシル架橋剤が、アミノ酸配列Leu−Ala−Leuを含むペプ チドである、請求項51に記載の結合体。 54.請求項47に記載の結合体の溶液及び生理学的に許容し得るキャリアーを 含む製薬組成物。 55.9−(2−ヒドロキシエチオキシメチル)グアニン(アシクロバー;AC V)及びアシアロ糖蛋白質レセプターに対するリガンドを含む結合体であって、 ACVが、多官能性キャリアー分子又は架橋剤及び多官能性キャリアー分子によ ってリガンドに結合している、上記の結合体。 56.リガンドが、アシアロオロソムコイドである、請求項55に記載の結合体 。 57.リガンドが、アラビノガラクタン又はチロシル(グルタミル)グルタメー トのトリス−(N−アセチルガラクトサミンアミノヘキシルグリコシド)アミド である、請求項55に記載の結合体。 58.ACVがホスフェート、グルタレート及びスクシネートよりなる群から選 択する架橋剤に共有結合し、架橋剤はACVに共有結合し且つポリリジン及びポ リオルニチンよりなる群から選択する多官能性キャリアー分子に共有結合し、そ して多官能性キャリアー分子はアシアロオロソムコイドに共有結合している、請 求項56に記載の結合体。 59.ACVがアミノアシル架橋剤に共有結合し、架橋剤はACVに共有結合し 且つポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸及びポリアルデヒドデキストランよ りなる群から選択する多官能性キャリアー分子に共有結合し、そして多官能性キ ャリアー分子はアシアロオロソムコイドに共有結合している、請求項56に記載 の結合体。 60.アミノアシル架橋剤が、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカル ボキシレート又は4−アミノブチレートから誘導される、請求項59に記載の結 合体。 61.アミノアシル架橋剤が、アミノ酸配列Leu−Ala−Leuを含むペプ チドである、請求項59に記載の結合体。 62.請求項56に記載の結合体の溶液及び生理学的に許容し得るキャリアーを 含む製薬組成物。 63.ジデオキシシチジン(ddC)及びアシアロ糖蛋白質レセプターに対する リガンドを含む結合体であって、ddCが、架橋剤、多官能性キャリアー分子又 は架橋剤及び多官能性キャリアー分子によってリガンドに結 合している、上記の結合体。 64.リガンドが、アシアロオロソムコイドである、請求項63に記載の結合体 。 65.リガンドが、アラビノガラクタン又はチロシル(グルタミル)グルタメー トのトリス−(N−アセチルガラクトサミンアミノヘキシルグリコシド)アミド である、請求項63に記載の結合体。 66.ddCがホスフェート、グルタレート及びスクシネートよりなる群から選 択する架橋剤に共有結合し、架橋剤はddCに共有結合し且つポリリジン及びポ リオルニチンよりなる群から選択する多官能性キャリアー分子に共有結合し、そ して多官能性キャリアー分子はアシアロオロソムコイドに共有結合している、請 求項64に記載の結合体。 67.ddC及びアシアロオロソムコイドが、ポリアルデヒドデキストランに共 有結合する、請求項64に記載の結合体。 68.ddCがアミノアシル架橋剤に共有結合し、架橋剤はddCに共有結合し 且つポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸及びポリアルデヒドデキストランよ りなる群から選択する多官能性キャリアー分子に共有結合し、そして多官能性キ ャリアー分子はアシアロオロソムコイドに共有結合する、請求項64に記載の結 合体。 69.アミノアシル架橋剤が、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカル ボキシレート又は4−アミノブ チレートから誘導される、請求項68に記載の結合体。 70.アミノアシル架橋剤が、アミノ酸配列Leu−Ala−Leuを含むペプ チドである、請求項68に記載の結合体。 71.架橋剤が、(3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネートから誘導される 、請求項64に記載の結合体。 72.請求項64に記載の結合体の溶液及び生理学的に許容し得るキャリアーを 含む製薬組成物。 73.9−β−D−アラビノフラノシルアデニン(araA)並びにアシアロオ ロソムコイド、アラビノガラクタン及びチロシル(グルタミル)グルタメートの トリス−(N−アセチルガラクトサミンアミノヘキシルグリコシド)アミドより なる群から選択するアシアロ糖蛋白質レセプターのリガンドを含む結合体であっ て、araAが、架橋剤、多官能性キャリアー分子又は架橋剤及び多官能性キャ リアー分子によってリガンドに結合している、上記の結合体。 74.リガンドが、アシアロオロソムコイドである、請求項73に記載の結合体 。 75.araAがホスフェート、グルタレート及びスクシネートよりなる群から 選択する架橋剤と共有結合し、架橋剤はaraAに共有結合し且つポリリジン及 びポリオルニチンよりなる群から選択する多官能性キャリアー分子に共有結合し 、そして多官能性キャリアー分子はアシアロオロソムコイドに共有結合している 、請求項 74に記載の結合体。 76.araAがアミノアシル架橋剤に共有結合し、架橋剤はaraAに共有結 合し且つポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸及びポリアルデヒドデキストラ ンよりなる群から選択する多官能性キャリアー分子に共有結合し、そして多官能 性キャリアー分子はアシアロオロソムコイドに共有結合している、請求項74に 記載の結合体。 77.アミノアシル架橋剤が、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカル ボキシレート又は4−アミノブチレートから誘導される、請求項76に記載の結 合体。 78.アミノアシル架橋剤が、アミノ酸配列Leu−Ala−Leuを含むペプ チドである、請求項76に記載の結合体。 79.請求項74に記載の結合体の溶液及び生理学的に許容し得るキャリアーを 含む製薬組成物。 80.3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT)及びアシアロ糖蛋白質 レセプターのリガンドを含む結合体であって、AZTが、架橋剤、多官能性キャ リアー分子又は架橋剤及び多官能性キャリアー分子によってリガンドに結合して いる、上記の結合体。 81.リガンドが、アシアロオロソムコイドである、請求項80に記載の結合体 。 82.リガンドが、アラビノガラクタン又はチロシル(グルタミル)グルタメー トのトリス−(N−アセチル ガラクトサミンアミノヘキシルグリコシド)アミドである、請求項80に記載の 結合体。 83.AZTがホスフェート、グルタレート及びスクシネートよりなる群から選 択する架橋剤と共有結合し、架橋剤はAZTと共有結合し且つポリリジン及びポ リオルニチンよりなる群から選択する多官能性キャリアー分子と共有結合し、そ して多官能性キャリアー分子はアシアロオロソムコイドに共有結合している、請 求項81に記載の結合体。 84.AZTがアミノアシル架橋剤に共有結合し、架橋剤はAZTに共有結合し 且つポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸及びポリアルデヒドデキストランよ りなる群から選択する多官能性キャリアー分子と共有結合し、そして多官能性キ ャリアー分子はアシアロオロソムコイドに共有結合している、請求項81に記載 の結合体。 85.アミノアシル架橋剤が、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカル ボキシレート又は4−アミノブチレートから誘導される、請求項84に記載の結 合体。 86.アミノアシル架橋剤が、アミノ酸配列Leu−Ala−Leuを含むペプ チドである、請求項84に記載の結合体。 87.請求項81に記載の結合体の溶液及び生理学的に許容し得るキャリアーを 含む製薬組成物。 88.患者中のアシアロ糖蛋白質レセプターを有する細胞を治療剤の標的にする 方法であって、 (a) 一般式A−B−C−Dよりなる結合体を形成し、 式中: Aは、治療剤であり、 Bは、治療剤に共有結合し且つ多官能性キャリアー分子に共有結合する架橋剤 であり、 Cは、多官能性キャリアー分子であり、 Dは、アシアロオロソムコイド、アラビノガラクタン及びチロシル(グルタミ ル)グルタメートのトリス−(N−アセチルガラクトサミンアミノヘキシルグリ コシド)アミドよりなる群から選択するアシアロ糖蛋白質レセプターに対するリ ガンドであり、このリガンドは、アシアロ糖蛋白質レセプターに結合し得るよう に多官能性キャリアー分子に共有結合しており、そして (b) この結合体を生理学的に許容し得るキャリアーにて患者に投与する ことを含む、上記の方法。 89.患者中のアシアロ糖蛋白質レセプターを有する細胞を治療剤の標的とする 方法であって、 (a) 一般式A−C−Dよりなる結合体を形成し、 式中: Aは、多官能性キャリアー分子に共有結合する治療剤であり、 Cは、多官能性キャリアー分子であり、 Dは、アシアロ糖蛋白質レセプターに対するリガンドであり、このリガンドは 、アシアロ糖蛋白質レセプタ ーに結合し得るように、多官能性キャリアー分子に共有結合し、そして (b) この結合体を、生理学的に許容し得るキャリアーにて患者に投与する ことを含む、上記の方法。 90.患者中のアシアロ糖蛋白質レセプターを有する細胞を治療剤の標的とする 方法であって、 (a) 一般式A−B−Dよりなる結合体を形成し、 式中: Aは、ヌクレオシドアナログ、逆転写酵素阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、 DNAジャイレース阻害剤及びDNA結合剤よりなる群から選択する治療剤であ り、 Bは、治療剤に共有結合し且つアシアロオロソムコイドに共有結合する架橋剤 であり、 Dは、アシアロオロソムコイドであり、アシアロオロソムコイドは、アシアロ 糖蛋白質レセプターに結合し得るように、架橋剤に共有結合しており、そして (b) この結合体を、生理学的に許容し得るキャリアーにて患者に投与する ことを含む、上記の方法。 91.請求項54に記載の製薬組成物を患者に投与することを含む、患者中のア シアロ糖蛋白質レセプターを有する細胞を9−β−D−アラビノフラノシルシト シン(araC)の標的とする方法。 92.請求項62に記載の製薬組成物を患者に投与することを含む、患者中のア シアロ糖蛋白質レセプターを有する細胞を9−(2−ヒドロキシエチオキシメチ ル)グアニン(ACV)の標的とする方法。 93.請求項72に記載の製薬組成物を患者に投与することを含む、患者中のア シアロ糖蛋白質レセプターを有する細胞をジデオキシシチジン(ddC)の標的 とする方法。 94.請求項79に記載の製薬組成物を患者に投与することを含む、患者中のア シアロ糖蛋白質レセプターを有する細胞を9−β−D−アラビノフラノシルアデ ニン(araA)の標的とする方法。 95.請求項87に記載の製薬組成物を患者に投与することを含む、患者中のア シアロ糖蛋白質レセプターを有する細胞を3’−アジド−3’−デオキシチミジ ン(AZT)の標的とする方法。 96.アシアロ糖蛋白質レセプターを発現している細胞を該細胞においてエンド ソームのリソソームへの移動及び/又は融合を阻止する薬剤の標的とするための 結合体であって、その結合体は、一般式A−B−Dよりなり、式中: Aは、エンドソームのリソソームへの移動及び/又は融合を阻止する薬剤であ り、 Bは、エンドソームのリソソームへの移動及び/又は融合を阻止する薬剤に共 有結合した還元的に不安定な 架橋剤であり、そして Dは、アシアロ糖蛋白質レセプターに対するリガンドであり、このリガンドは 、アシアロ糖蛋白質レセプターに結合し得るように、架橋剤に共有結合している 。 97.エンドソームのリソソームへの移動及び/又は融合を阻止する薬剤がコル ヒチンである、請求項96に記載の結合体。 98.還元的に不安定な架橋剤が、ジチオプロピオニルである、請求項97に記 載の結合体。 99.アシアロ糖蛋白質レセプターに対するリガンドが、アシアロ糖蛋白質であ る、請求項96に記載の結合体。 100.アシアロ糖蛋白質が、アシアロオロソムコイドである、請求項99に記 載の結合体。 101.アシアロ糖蛋白質レセプターを発現している細胞をコルヒチンの標的と するための結合体であって、一般式A−B−Dよりなり、式中: Aは、コルヒチンであり、 Bは、コルヒチンに共有結合する還元的に不安定な架橋剤であり、そして Dは、アシアロ糖蛋白質レセプターに対するリガンドであり、このリガンドは 、アシアロ糖蛋白質レセプターに結合し得るように、架橋剤に共有結合している 。 102.還元的に不安定な架橋剤が、ジチオプロピオニルである、請求項101 に記載の結合体。 103.アシアロ糖蛋白質レセプターに対するリガンドが、アシアロ糖蛋白質で ある、請求項101に記載の結合体。 104.アシアロ糖蛋白質が、アシアロオロソムコイドである、請求項103に 記載の結合体。
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