JPH09510415A

JPH09510415A - ヨット

Info

Publication number: JPH09510415A
Application number: JP7524244A
Authority: JP
Inventors: ケネスエヴェレット、ピーター
Original assignee: ケネスエヴェレット、ピーター
Priority date: 1994-03-18
Filing date: 1995-03-17
Publication date: 1997-10-21
Also published as: US5908005A; AU678106B2; AU1942895A; ATE226535T1; WO1995025663A1; CA2185432A1; AUPM453994A0; KR970701648A; EP0750560A4; DE69528638D1; EP0750560B1; EP0750560A1; NZ282351A

Abstract

(57)【要約】ヨット（１０）の船体（１８）のベースに位置するベアリング（１６）を介して、キール（１４）に機械的に連結されたマスト（１２）を有するヨット（１０）である。セールフォイル（３０）は回転するベアリングを介して旋回可能にマスト（１２）のトップにマウントされる。使用時に、風がセールフォイル（３０）とマスト（１２）を風下へ力を加えるとき、それに一致する風上への動作がキール（１４）に起こされ、それによってヨットの船体（１８）は、周囲の平坦な水面に対して実質的に水平を維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】ヨット発明の分野本発明は、マストとキールに特定の構成を有するヨットに関する。本発明を、モノフル（単一船体の）ヨットで用いた場合を参照して説明するが、本発明は、例えば、他のタイプのセールクラフトや船へより広範な適用がなされるものであり、ウインドサーフィン用等のようなセールクラフトに適用を見いだすことすらできるということが理解されよう。発明の背景従来の単一船体のヨットは、固定されたキールと、セパレートマストと、数多くのステー（支索）によって支持されたセール面とを用いる。マストは、基本的に、概して鉛直方向に固定されるので、従来のヨットが風を受けて帆走する場合には、ボートは水平方向線から約１５°の角度まで傾斜する（または傾く）傾向がある。（即ち、ヨットのセールへの風の作用のためである）。船体がほぼ水平方向に向いて維持されるときに、ヨットは最も早く帆走するということが知られており、ヨットの傾斜（または傾き）を減らす種々の試みがこの業界でなされている。例えば、セールから風を素早くとき放ち、傾きを最小限にするために、セールの形状が変更された。現在のヨットの設計は、同時にヨットの船首と船尾を上方に曲げながら、マストをボートの底の方に移動させることによって、メインセールの形状を変更しようとしている。そのような変更を達成するには相当な大きさの力が必要とされ、そのような構成を達成する為に大きなストレスがセールクラフト内に引き起こされる。発明の説明本発明は、一方向へのマストの動作が反対方向へのキールの動作を生じさせるという態様で、互いに作用するように適合されたマストとキールを有するヨットを提供する。キールとマストとがこの態様で相互に作用する配置構成を備えると、ヨットは、特に風を受けて帆走する場合に、その船体を実質的に水平方向に維持することができるようになる；（即ち、ヨットのデッキは本質的に周囲の平坦な水面と平行である）。従って、風の力がより効率的に利用され、そして、船体が実質的に水平方向に維持されるので、ヨットは水上をより早く動く。ヨットという語をここで用いる場合、それは全てのタイプのセールクラフトを含むことを意図し、ウィンドサーフィン用のものを含むよう拡大解釈もされうる。好ましくは、マストとキールとは、ヨットの左舷と右舷の方向へ回転動作を行うために、ヨットの船体のベースに隣接する領域内で直接的に機械的に連結される。マストとキールとの間の直接的な機械的連結によって、一方向へのマストの動作は、それに対応する反対の方向への動作をキールに生じさせる。好ましくは、マストは、該マストに備えられたセール手段を有するものであって、使用時には、セール手段とマストとが風によって風下へ移動すると、それに対応する風上への動作がキールに生じる。好ましくは、マストとキールとは、船体のベースに配置された１以上のベアリングを介して連結される。そのまたは各ベアリングは、センターボードフレームに支持されるものでよく、該センターボードフレームは、様々な左舷方向と右舷方向の間でのマストの回転動作を容易にするように、だいたい左舷−右舷の構成として設けられる。好ましくは、ヨットは、ヨットの浮力の中心の下方に配置され、マストとキールとを互いに連結する単一のベアリングを有し、マストとキールが船体内への水の進入を防ぐように連結されている船体のベースの部分に、シール手段が設けられている。シール手段は、つぎのようなものであってよい。（ａ）船体のベースにおいてベアリングを取り巻くように適用されたフレキシブルなシールリング；または、（ｂ）マストを取り巻くように配置されたフレキシブルな管状手段であって、該管状手段は、その一端が船体のベースから延び、使用時にはヨットの周囲の水位より高くなるように位置決めされた反対側のオープン端部を有する。使用時には、マストがヨットのデッキ内に形成されたトラッキング溝内を動くように、ヨットを形成すればよい。セール手段は、フレキシブルな、またはリジッドなセールであってよい。好ましくは、セール手段は、使用時の鉛直方向の長さに沿っておおよそ中央、および、使用時のリーディングエッジからの水平方向の距離のおおよそ１／３にある領域でマストにマウントされるのがよい。このような位置決めは、マストに捩じりの歪みを生ずることがほとんどなく、力の作用の中心に一致する。好ましくは、セール手段は、マストのトップに旋回可能にマウントされたリジッドセールがよく、ヨットのタッキングでは、マストのトップの回りで使用時のセールの最上端部を回転させることによって、マスト上でセールを旋回させて最上端部が使用時のセールの最低端部となるようにする。このような構成は、タッキングをかなり単純化し、ヨットが傾きに抵抗する傾向を強める。マストおよび／またはキールは、それらの各々の長手軸について回転可能であってよい。マストはユニバーサル型ジョイントを介してキールに連結すればよく、該ユニバーサル型ジョイントは、ベアリングとしても機能し、マストだけをその長手軸の回りに回転させることを可能とすると同時に、マストとキールとの上記相互作用をいっそう容易にする。このようにして、セール手段の方向は、マスト自体を回転させることによって変えることができる（即ち、マストの旋回によってもたらされる全ての位置的な変化に加えてである）。キールはウィングタイプのキールであってよく、そして、ヨットの船体は、単一船体型、狭い双胴船体型などであってよい。図面の簡単な説明本発明の範囲内に入る他の形態があるかもしれないが、本発明の好ましい態様を、添付の図面を参照しながら、単なる例示を挙げることによって説明する。図１は、本発明による好ましいヨットの側面図である。図２は、図１のヨットを後方から見た図である。図３は、図１のヨットの平面図である。本発明の実施態様図のように、ヨットは、単一船体のヨット１０の様態として示されている。ヨットは、ヨットのベースに備えられたベアリング１６を介してキール１４と直接的に連結されたマスト１２を有する。ベアリングは、センターボードフレーム２０内で船体１８のベースに支持されている。センターボードフレームは、（下記説明のように）マストとキールの移動を可能とするように、船体を補強し強化する。ベアリングの周囲のエリアは、船体１８内への水の進入を防ぐために、リングシール１９の形態のシール手段によってシールされている。リングシール１９の代わりに、またはこれに加えて、船体の内部ベースから上方に延び、マスト１２を取り巻くフレキシブルな管状物（図示せず）を、備えていてもよい。典型的には、この管状物の反対側の自由端部は、ヨットの使用時には、周囲の水位よりも上方に来て、実際には、周囲の大気圧が船体１８内への水の進入を防ぐ。ヨットのデッキ２２には、ヨット上でマスト１２が左舷および右舷位置の間を、妨害されずに横断（即ち、図２において矢印Ｐ−Ｓで示されるように）できるように、左舷−右舷方向の溝２４が形成される。右舷のロープ２６と左舷のロープ２８が、セールフォイル３０の両端の各々に取付けられ、セールフォイル自体は、回転可能なベアリング３４を介してマストの端部３２に回転可能にマウントされている。セールフォイルは、マストの動作（そしてキールの対応する動作）を下記の説明のように容易にする。セールフォイルは、（図３に最もよく示されるように）リジッドな翼形（エアロダイナミックフォイル）であって良く、または、従来のフレキシブルなセール材料によって形成されてもよい（そして、例えばバッテン等によって補強してもよい）。マストそれ自体もまた、その長手軸について回転されるものでもよい（即ち、図２に矢印Ｒで示すように）。この回転は、ブームコントロールアーム３６およびベアリング１６におけるユニバーサル型ジョイントによってアシストされ、また容易にできる。また、キール１４は、ウィング型の設備３８（キールの直立した状態から直角に外側へ延びている平坦なディスク状の形態として図に示されている）を備えていてもよい。単一船体のヨットの使用では、マストとキールの構成は、通常はセールフォイル３０によって強く推されて、サイドからサイドへとスウィングする。セールフォイルは、回転可能なベアリング３４の回りおよびマスト端部３２の回りのセールフォイルの回転動作によって、ヨットのどちらのサイドに位置してもよい。例えば、図１〜３に示されるヨットは、左舷開き(a port-tack)の構成である。もし、ヨットを右舷開き（a starboard-tack）の構成とすることを望む場合には、従来のように、舵３８を反転させる。しかしながら、セールフォイルは、左舷ロープ２８を引っ張り、テンションをかけて該セールフォイルの端部４０と４２をマストの端部の回りを各々旋回させて、ボートの左舷側に運ばれるので、端部４２はマストの端部３２よりもだいたい上方で終わり、端部４０はマストの端部３２よりもだいたい下方で終わる。これと同時に、マスト１２は、セールフォイルへの風の作用によって、ボートの左舷（即ち、図２に矢印Ｐで示す方向）に旋回し、その間キールはヨットの左舷下側から右舷下側に動く。この新たな右舷の構成では、右舷ロープは比較的張った状態となり、左舷ロープはさらにタックできるように比較的ゆるんだ状態になる。それによってさらなるタッキングが保証される；（通常、（例えば、突然の突風による）セールフォイル３０の最下端の外側へのスウィングを防止するために、比較的ゆるいロープにいくらか少しのテンションを保つのがよい）。典型的には、センターボードフレームは、セール面の力の作用の中心に相当する位置に配置される（最も好ましくは、従来の船首−船尾の構成よりも左舷− 右舷の構成で配置するのがよい）。好ましいヨットの構成と共に、厚いフォイルセールを用いるのが好ましい（しかし、従来のセールのような薄いセールもあまり有利ではないが用いてもよい）。好ましいセールフォイルは、セールの鉛直中央の位置（図を参照）でマストのトップに固定するのが好ましい。また、固定点は、典型的には、セールフォイルのリーディングエッジからほぼ１／３後退したところであり、それは実際には、力の作用する中心に通常、一致し、これによってマストには捩じりの歪みがほとんど発生しなくなる。上記説明のように、タッキングの際には、セールは、マストのトップにある回転可能なベアリングのまわりを回転できるので、以前のタックにおけるセールフォイルのトップが、その次のタックにおけるセールのボトムとなる。風が来る方向の船体の側面にとめられている各々のロープによって、セールフォイルのトップが保持されているので、突風の場合には、マストは風からさらに離れて回転でき、それによって、セールは風の方に傾いた角度に配置されることになり、セールのトップの上（従来のヨットにおけるように）よりもセールの下を風に通過させることができる。これは、瞬間的な縮帆の態様にほぼ等しい（それは、そうでない場合は、複雑なロープ調節と、より複雑なセールの調節および調整を行う装置を必要とするだろう）。上記説明のように、（パフォーマンスおよび風調節の変更のため）マストに対するセールの角度を変えるために、マストも回転させることができる（例えば、コントロールアーム３６を調節して）。上記説明のように、用いられた構成はヨットの傾きに抵抗する傾向がある。従って、船体の底は、（風の中を進む場合には、典型的には約１５°の角度で動くように設計される）従来の船体よりもかなり平坦に形成され得る。平坦な底部の船体は、より容易に水平になる傾向があり、かくしてヨットと水との間の摩擦抵抗を減少させる。図に示す単一船体のヨットの代わりに、狭い「双胴」の船体の形状を用いてもよい（即ち、本発明のヨットでは、浮力の中心位置が変化する現象は、従来のヨットではそうであるような、復原力ではないからである）。上記説明のように、セールフォイルは適切であればどのような材料で形成されてもよく、フレキシブルな布帛でも、固形の翼のような構造のものでもよい。フレキシブルなセールが用いられる場合、中空構造として形成してもよく、その後、付加的な強度や形状を与えるために空気で膨らませてもよい。空気の圧力を、セイルの形状を変えるために（または、セールの縮帆のためにであっても）、セールの違う部分に供給してもよい。また、マストとキールとの間の相互作用が維持されるのであれば、多くの異なるタイプのキール構造を用いることができる。マストとキールの間の機械的連結の直接的な形態は説明したが、間接的な機械的連結も用いてよい。例えば、ロープ／ワイアーとプーリーの配置が挙げられる。マストとキールとの間を連絡する該配置は、（例えば、左舷と右舷との間でのセールのタックによって引き起こされる）マストの動作のせいで、それに対応した反対の回転運動がキールで起こされる。マストにおける対応する動きのために、キールを新たな位置に片寄らせ、または強力に推すために、油圧のまたは電気的な制御を代わりに用いてもよい。数多くの好ましい態様を参照して本発明を説明したが、本発明は他の多くの態様で実施してもよいことは理解できよう。

【手続補正書】特許法第１８４条の８【提出日】１９９５年１０月１７日【補正内容】トを提供する。キールとマストとがこの態様で相互に作用する配置構成を備えると、ヨットは、特に風を受けて帆走する場合に、その船体を実質的に水平方向に維持することができるようになる；（即ち、ヨットのデッキは本質的に周囲の平坦な水面と平行である）。従って、風の力がより効率的に利用され、そして、船体が実質的に水平方向に維持されるので、ヨットは水上をより早く動く。ヨットという語をここで用いる場合、それは全てのタイプのセールクラフトを含むことを意図し、ウィンドサーフィン用のものを含むよう拡大解釈もされうる。好ましくは、マストとキールとは、ヨットの左舷と右舷の方向へ回転動作を行うために、ヨットの船体のベースに隣接する領域内で直接的に機械的に連結される。マストとキールとの間の直接的な機械的連結によって、一方向へのマストの動作は、それに対応する反対の方向への動作をキールに生じさせる。好ましくは、マストは、該マストに備えられたセール手段を有するものであって、使用時には、セール手段とマストとが風によって風下へ移動すると、それに対応する風上への動作がキールに生じる。好ましくは、マストとキールとは、船体のベースに配置された１以上のベアリングを介して連結される。そのまたは各ベアリングは、センターボードフレームに支持されるものでよく、該センターボードフレームは、様々な左舷方向と右舷方向の間でのマストの回転動作を容易にするように、だいたい左舷−右舷の構成として設けられる。好ましくは、ヨットは、ヨットの浮力の中心よりも下方に配置され、マストとキールとを互いに連結する単一のベアリングを有し、マストとキールとが隔室への水の進入を防ぐのを助けるように連結されている船体のベースの部分に隔壁が設けられ、該隔壁に連絡し該隔壁の上に開口するシール手段が設けられている。シール手段は、船体のベースにおいてベアリングを取り巻いて適用されたフレキシブルなシールリングでよい。ウォーターシール隔室は、マストを取り巻き、船体のベースを一端としてそこから延びて、反対端側のオープン端部（好ましくは、使用時にはヨットの周囲の水位より高くなるように位置する）を有するように配置されたフレキシブルな管状手段によって形成されるものでよい。好ましくは、ヨットは、ヨットの浮力の中心よりも下方に配置され、マストとキールとを互いに連結する単一のベアリングを有し、マストとキールとが隔室への水の進入を防ぐのを助けるように連結されている船体のベースの部分に隔壁が設けられ、該隔壁に連絡し該隔壁の上に開口するシール手段が設けられている。シール手段は、船体のベースにおいてベアリングを取り巻いて適用されたフレキシブルなシールリングでよい。ウォーターシール隔室は、マストを取り巻き、船体のベースを一端としてそこから延びて、反対端側のオープン端部（好ましくは、使用時にはヨットの周囲の水位より高くなるように位置する）を有するように配置されたフレキシブルな管状手段によって形成されるものでよい。使用時には、マストがヨットのデッキ内に形成されたトラッキング溝内を動くように、ヨットを形成すればよい。セール手段は、フレキシブルな、またはリジッドなセールであってよい。好ましくは、セール手段は、使用時の鉛直方向の長さに沿っておおよそ中央、および、使用時のリーディングエッジからの水平方向の距離のおおよそ１／３にある領域でマストにマウントされるのがよい。このような位置決めは、マストに捩じりの歪みを生ずることがほとんどなく、力の作用の中心に一致する。好ましくは、セール手段は、マストのトップに旋回可能にマウントされたリジッドセールがよく、ヨットのタッキングでは、マストのトップの回りで使用時のセールの最上端部を回転させることによって、マスト上でセールを旋回させて最上端部が使用時のセールの最低端部となるようにする。このような構成は、タッキングをかなり単純化し、ヨットが傾きに抵抗する傾向を強める。マストおよび／またはキールは、それらの各々の長手軸について回転可能であってよい。マストはユニバーサル型ジョイントを介してキールに連結すればよく、該ユニバーサル型ジョイントは、ベアリングとしても機能し、マストだけをその長手軸の回りに回転させることを可能とすると同時に、マストとキールとの上記相互作用をいっそう容易にする。このようにして、セール手段の方向は、マスト自体を回転させることによって変えることができる（即ち、マストの旋回によってもたらされる全ての位置的な変化に加えてである）。キールはウィングタイプのキールであってよく、そして、ヨットの船体は、単一船体型であってよい。図面の簡単な説明本発明の範囲内に入る他の形態があるかもしれないが、本発明の好ましい態様を、添付の図面を参照しながら、単なる例示を挙げることによって説明する。図１は、本発明による好ましいヨットの側面図である。図２は、図１のヨットを後方から見た図である。図３は、図１のヨットの平面図である。本発明の実施態様図のように、ヨットは、単一船体のヨット１０の様態として示されている。ヨットは、ヨットのベースに備えられたベアリング１６を介してキール１４と直接的に連結されたマスト１２を有する。ベアリングは、センターボードフレーム２０内で船体１８のベースに支持されている。センターボードフレームは、（下記説明のように）マストとキールの移動を可能とするように、船体を補強し強化する。ベアリングの周囲のエリアは、船体１８内への水の進入を防ぐために、リングシール１９の形態のシール手段によってシールされている。リングシール１９の代わりに、またはこれに加えて、船体の内部ベースから上方に延び、マスト１２を取り巻くフレキシブルな管状物（図示せず）を、備えていてもよい。典型的には、この管状物の反対側の自由端部は、ヨットの使用時には、周囲の水位よりも上方に来て、実際には、周囲の大気圧が船体１８内への水の進入を防ぐ。ヨットのデッキ２２には、ヨット上でマスト１２が左舷および右舷位置の間を、妨害されずに横断（即ち、図２において矢印Ｐ−Ｓで示されるように）できるように、左舷−右舷方向の溝２４が形成される。右舷のロープ２６と左舷のロープ２８が、セールフォイル３０の両端の各々に取付けられ、セールフォイル自体は、回転可能なベアリング３４を介してマストの端部３２に回転可能にマウントされている。セールフォイルは、マストの動作（そしてキールの対応する動作）を下記の説明のように容易にする。セールフォイルは、（図３に最もよく示されるように）リジッドな翼形（エアロダイナミックフォイル）であって良く、または、従来のフレキシブルなセール材料によって形成されてもよい（そして、例えばバッテン等によって補強してもよい）。マストそれ自体もまた、その長手軸について回転されるものでもよい（即ち、図２に矢印Ｒで示すように）。この回転は、ブームコントロールアーム３６およびベアリング１６におけるユニバーサル型ジョイントによってアシストされ、また容易にできる。また、キール１４は、ウィング型の設備３８（キールの直立した状態から直角に外側へ延びている平坦なディスク状の形態として図に示されている）を備えていてもよい。単一船体のヨットの使用では、マストとキールの構成は、通常はセールフォイル３０によって強く推されて、サイドからサイドへとスウィングする。セールフォイルは、回転可能なベアリング３４の回りおよびマスト端部３２の回りのセールフォイルの回転動作によって、ヨットのどちらのサイドに位置してもよい。例えば、図１〜３に示されるヨットは、左舷開き(a port-tack)の構成である。もし、ヨットを右舷開き（a starboard-tack）の構成とすることを望む場合には、従来のように、舵３８を反転させる。しかしながら、セールフォイルは、左舷ロープ２８を引っ張り、テンションをかけて該セールフォイルの端部４０と４２をマストの端部の回りを各々旋回させて、ボートの左舷側に運ばれるので、端部４２はマストの端部３２よりもだいたい上方で終わり、端部４０はマストの端部３２よりもだいたい下方で終わる。これと同時に、マスト１２は、セールフォイルへの風の作用によって、ボートの左舷（即ち、図２に矢印Ｐで示す方向）に旋回し、その間キールはヨットの左舷下側から右舷下側に動く。この新たな右舷の構成では、右舷ロープは比較的張った状態となり、左舷ロープはさらにタックできるように比較的ゆるんだ状態になる。それによってさらなるタッキングが保証される；（通常、（例えば、突然の突風による）セールフォイル３０の最下端の外側へのスウィングを防止するために、比較的ゆるいロープにいくらか少しのテンションを保つのがよい）。典型的には、センターボードフレームは、セール面の力の作用の中心に相当する位置に配置される（最も好ましくは、従来の船首−船尾の構成よりも左舷− 右舷の構成で配置するのがよい）。好ましいヨットの構成と共に、厚いフォイルセールを用いるのが好ましい（しかし、従来のセールのような薄いセールもあまり有利ではないが用いてもよい）。好ましいセールフォイルは、セールの鉛直中央の位置（図を参照）でマストのトップに固定するのが好ましい。また、固定点は、典型的には、セールフォイルのリーディングエッジからほぼ１／３後退したところであり、それは実際には、力の作用する中心に通常、一致し、これによってマストには捩じりの歪みがほとんど発生しなくなる。上記説明のように、タッキングの際には、セールは、マストのトップにある回転可能なベアリングのまわりを回転できるので、以前のタックにおけるセールフォイルのトップが、その次のタックにおけるセールのボトムとなる。風が来る方向の船体の側面にとめられている各々のロープによって、セールフォイルのトップが保持されているので、突風の場合には、マストは風からさらに離れて回転でき、それによって、セールは風の方に傾いた角度に配置されることになり、セールのトップの上（従来のヨットにおけるように）よりもセールの下を風に通過させることができる。これは、瞬間的な縮帆の態様にほぼ等しい（それは、そうでない場合は、複雑なロープ調節と、より複雑なセールの調節および調整を行う装置を必要とするだろう）。上記説明のように、（パフォーマンスおよび風調節の変更のため）マストに対するセールの角度を変えるために、マストも回転させることができる（例えば、コントロールアーム３６を調節して）。上記説明のように、用いられた構成はヨットの傾きに抵抗する傾向がある。従って、船体の底は、（風の中を進む場合には、典型的には約１５°の角度で動くように設計される）従来の船体よりもかなり平坦に形成され得る。平坦な底部の船体は、より容易に水平になる傾向があり、かくしてヨットと水との間の摩擦抵抗を減少させる。図に示す単一船体のヨットの代わりに、狭い「双胴」の船体の形状を用いてもよい（即ち、本発明のヨットでは、浮力の中心位置が変化する現象は、従来のヨットではそうであるような、復原力ではないからである）。上記説明のように、セールフォイルは適切であればどのような材料で形成されてもよく、フレキシブルな布帛でも、固形の翼のような構造のものでもよい。フレキシブルなセールが用いられる場合、中空構造として形成してもよく、その後、付加的な強度や形状を与えるために空気で膨らませてもよい。空気の圧力を、セイルの形状を変えるために（または、セールの縮帆のためにであっても）、セールの違う部分に供給してもよい。また、マストとキールとの間の相互作用が維持されるのであれば、多くの異なるタイプのキール構造を用いることができる。マストとキールの間の機械的連結の直接的な形態は説明したが、間接的な機械的連結も用いてよい。例えば、ロープ／ワイアーとプーリーの配置が挙げられる。マストとキールとの間を連絡する該配置は、（例えば、左舷と右舷との間でのセールのタックによって引き起こされる）マストの動作のせいで、それに対応した反対の回転運動がキールで起こされる。マストにおける対応する動きのために、キールを新たな位置に片寄らせ、または強力に推すために、油圧のまたは電気的な制御を代わりに用いてもよい。数多くの好ましい態様を参照して本発明を説明したが、本発明は他の多くの態様で実施してもよいことは理解できよう。請求の範囲１．一方向へのマストの動作が、反対方向へのキールの動作を生じさせる態様にて、相互に作用するよう適用させたマストとキールとを有するヨット。２．マストとキールとが、ヨットの左舷と右舷の方向へ旋回動作を行うために、ヨットの船体のベースに隣接する領域内で直接的に機械的に連結されたものである請求の範囲１記載のヨット。３．マストが、該マストに備えられたセール手段を有するものであって、使用時には、セール手段とマストとが風によって風下へ移動するにつれて、それに対応する風上への動作がキールに起こされる請求の範囲１または２記載のヨット。４．マストとキールとが、船体のベースに配置された１以上のベアリングを介して連結されている上記１〜３のいずれかに記載のヨット。５．そのまたは各ベアリングが、センターボードフレームに支持されるものであり、該センターボードフレームは、略左舷一右舷の構成として設けられるものである請求の範囲４記載のヨット。６．ヨットの浮力の中心の下方に配置され、マストとキールとを互いに連結する単一のベアリングを有し、マストとキールが船体内への水の進入を防ぐように連結されている船体のベースの部分に、シール手段が設けられている請求の範囲４または５記載のヨット。７．シール手段が、（ａ）船体のベースにおいてベアリングを取り巻くように適用させたフレキシブルなシールリング、または、（ｂ）マストを取り巻くように配置されたフレキシブルな管状手段であって、該管状手段は、その一端が船体のベースから延び、使用時にはヨットの周囲の水位より高くなるように位置決めされた反対側のオープン端部を有する、請求の範囲６記載のヨット。８．シール手段が、船体のベースにあるベアリングを取り巻くように適用されたフレキシブルなシールリングである請求の範囲７記載のヨット。９．ウォーターシール隔室が、マストを取り巻くために配置され、船体のベースを一端としてそこから延び、反対端側のオープン端部を有するフレキシブルな管状手段によって形成されるものである請求の範囲１または２記載のヨット。１０．使用時に、マストがヨットのデッキ内に形成されたトラッキング溝内で動作するものである上記請求の範囲１〜９のいずれかに記載のヨット。１１．セール手段が、使用時の鉛直方向の長さに沿っておおよそ中央、および、使用時のリーディングエッジからの水平方向の距離のおおよそ１／３にある領域でマストにマウントされるものである上記請求の範囲１〜１０のいずれかに記載のヨット。１２．セール手段が、マストのトップに旋回可能にマウントされたリジッドセールであり、マストのトップの回りに使用時のセールの最上端部を回転させることによって、ヨットのタッキングは、マスト上でセールを旋回させることを伴い、その結果、セールの最上端部は、使用時のセールの最低端部となるものである請求の範囲１１記載のヨット。１３．マストおよび／またはキールが、それらの各々の長手軸について回転可能である上記請求の範囲１〜１２のいずれかに記載のヨット。１４．マストが、ユニバーサル型ジョイントを介してキールに連結され、該ユニバーサル型ジョイントは、ベアリングとしても機能し、マストだけをその長手軸の回りに回転させることを可能とすると同時に、マストとキールとの上記相互作用をいっそう促進させるものである請求の範囲１３記載のヨット。１５．キールが、マストへの機械的な連結から下方に延びる長手方向の部材を有し、該長手方向の部材から外側へ延びているウィング型の配置を有するものである上記請求の範囲１〜１４のいずれかに記載のヨット。１６．ヨットの船体が、単一船体型である上記請求の範囲１〜１５のいずれかに記載のヨット。【手続補正書】特許法第１８４条の８【提出日】１９９６年４月２日【補正内容】明細書ヨット発明の分野本発明は、マストとキールに特定の構成を有するヨットに関する。本発明を、モノフル（単一船体の）ヨットで用いた場合を参照して説明するが、本発明は、例えば、他のタイプのセールクラフトや船へより広範な適用がなされるものであり、ウインドサーフィン用等のようなセールクラフトに適用を見いだすことすらできるということが理解されよう。発明の背景従来の単一船体のヨットは、固定されたキールと、セパレートマストと、数多くのステー（支索）によって支持されたセール面とを用いる。マストは、基本的に、概して鉛直方向に固定されるので、従来のヨットが風を受けて帆走する場合には、ボートは水平方向線から約１５°の角度まで傾斜する（または傾く）傾向がある。（即ち、ヨットのセールへの風の作用のためである）。船体がほぼ水平方向に向いて維持されるときに、ヨットは最も早く帆走するということが知られており、ヨットの傾斜（または傾き）を減らす種々の試みがこの業界でなされている。例えば、セールから風を素早くとき放ち、傾きを最小限にするために、セールの形状が変更された。現在のヨットの設計は、同時にヨットの船首と船尾を上方に曲げながら、マストをボートの底の方に移動させることによって、メインセールの形状を変更しようとしている。そのような変更を達成するには相当な大きさの力が必要とされ、そのような構成を達成する為に大きなストレスがセールクラフト内に引き起こされる。発明の説明本発明は、一方向へのマストの動作が反対方向へのキールの動作を生じさせるように、機械的に連結されたマストとキールとを有するヨットを提供するものであって、その連結は、（ｉ）ヨットの残部からは分離され、かつ、回転するシールには従属しないウォーターシール隔室内に配置され、（ii）ヨットの浮力の中心よりも下方に配置される。キールとマストがこの態様で相互に作用することを可能にするシール装置を備えることで、耐リーク性の、特に風の中を帆走する場合に、その船体を実質的に水平方向に維持することができる（即ち、ヨットのデッキが本質的に周囲の平坦な水面と平行である）。比較的廉価なヨットが得られる。従って、風の力のより効率的な利用がなされ、そして、船体が実質的に水平方向に維持されるので、ヨットは水中をより早く動く。ヨットという語句をここで用いる場合、それは全てのタイプのセールクラフトを含むことを意図し、ウィンドサーフィン用のものを含むように拡張さえしてもよい。好ましくは、ウォーターシール隔室は、使用時には周囲の水位よりも上方に位置する上方開口端部を有する。好ましくは、マストとキールとは、センターボードと整列してヨットの左舷 −右舷の方向へ回転動作を行うために、ヨットの船体のベースに隣接する領域内で直接的に機械的に連結され、センターボードはウォーターシール隔室を擁し、該ウォーターシール隔室は、ヨットに対するマストの左舷と右舷方向への回転動作をさせ得るものである。マストとキールとの間の直接的な機械的連結によって、ある方向へのマストの動作は、キールではこれに一致して反対の方向への動作を生じさせる。好ましくは、マストは、該マストに備えられたセール手段を有するものであって、使用時には、セール手段とマストとが風によって風下へ移動すると、それに対応する風上への動作がキールに生じる。好ましくは、マストとキールとは、船体のベースに配置された１以上のベアリングを介して連結される。そのまたは各ベアリングは、センターボードフレームに支持されるものでよく、該センターボードフレームは、様々な左舷方向と右舷方向の間でのマストの回転動作を容易にするように、だいたい左舷−右舷の構成として設けられる。好ましくは、ヨットは、ヨットの浮力の中心よりも下方に配置され、マストとキールとを互いに連結する単一のベアリングを有し、マストとキールとが隔室への水の進入を防ぐのを助けるように連結されている船体のベースの部分に隔壁が設けられ、該隔壁に連絡し該隔壁の上に開口するシール手段が設けられている。シール手段は、船体のベースにおいてベアリングを取り巻いて適用されたフレキシブルなシールリングでよい。ウォーターシール隔室は、マストを取り巻き、船体のベースを一端としてそこから延びて、反対端側のオープン端部（好ましくは、使用時にはヨットの周囲の水位より高くなるように位置する）を有するように配置されたフレキシブルな管状手段によって形成されるものでよい。好ましくは、ヨットは、ヨットの浮力の中心よりも下方に配置され、マストとキールとを互いに連結する単一のベアリングを有し、マストとキールとが隔室への水の進入を防ぐのを助けるように連結されている船体のベースの部分に隔壁が設けられ、該隔壁に連絡し該隔壁の上に開口するシール手段が設けられている。シール手段は、船体のベースにおいてベアリングを取り巻いて適用されたフレキシブルなシールリングでよい。ウォーターシール隔室は、マストを取り巻き、船体のベースを一端としてそこから延びて、反対端側のオープン端部（好ましくは、使用時にはヨットの周囲の水位より高くなるように位置する）を有するように配置されたフレキシブルな管状手段によって形成されるものでよい。使用時には、マストがヨットのデッキ内に形成されたトラッキング溝内を動くように、ヨットを形成すればよい。セール手段は、フレキシブルな、またはリジッドなセールであってよい。好ましくは、セール手段は、使用時の鉛直方向の長さに沿っておおよそ中央、および、使用時のリーディングエッジからの水平方向の距離のおおよそ１／３にある領域でマストにマウントされるのがよい。このような位置決めは、マストに捩じりの歪みを生ずることがほとんどなく、力の作用の中心に一致する。好ましくは、セール手段は、マストのトップに旋回可能にマウントされたリジッドセールがよく、ヨットのタッキングでは、マストのトップの回りで使用時のセールの最上端部を回転させることによって、マスト上でセールを旋回させて最上端部が使用時のセールの最低端部となるようにする。このような構成は、タッキングをかなり単純化し、ヨットが傾きに抵抗する傾向を強める。マストおよび／またはキールは、それらの各々の長手軸について回転可能であってよい。マストはユニバーサル型ジョイントを介してキールに連結すればよく、該ユニバーサル型ジョイントは、ベアリングとしても機能し、マストだけをその長手軸の回りに回転させることを可能とすると同時に、マストとキールとの上記相互作用をいっそう容易にする。このようにして、セール手段の方向は、マスト自体を回転させることによって変えることができる（即ち、マストの旋回によってもたらされる全ての位置的な変化に加えてである）。キールはウィングタイプのキールであってよく、そして、ヨットの船体は、単一船体型であってよい。図面の簡単な説明本発明の範囲内に入る他の形態があるかもしれないが、本発明の好ましい態様を、添付の図面を参照しながら、単なる例示を挙げることによって説明する。図１は、本発明による好ましいヨットの側面図である。図２は、図１のヨットを後方から見た図である。図３は、図１のヨットの平面図である。本発明の実施態様図のように、ヨットは、単一船体のヨット１０の様態として示されている。ヨットは、ヨットのベースに備えられたベアリング１６を介してキール１４と直接的に連結されたマスト１２を有する。ベアリングは、センターボードフレーム２０内で船体１８のベースに支持されている。センターボードフレームは、（下記説明のように）マストとキールの移動を可能とするように、船体を補強し強化する。ベアリングの周囲のエリアは、船体１８内への水の進入を防ぐために、リングシール１９の形態のシール手段によってシールされている。リングシール１９の代わりに、またはこれに加えて、船体の内部ベースから上方に延び、マスト１２を取り巻くフレキシブルな管状物（図示せず）を、備えていてもよい。典型的には、この管状物の反対側の自由端部は、ヨットの使用時には、周囲の水位よりも上方に来て、実際には、周囲の大気圧が船体１８内への水の進入を防ぐ。ヨットのデッキ２２には、ヨット上でマスト１２が左舷および右舷位置の間を、妨害されずに横断（即ち、図２において矢印Ｐ−Ｓで示されるように）できるように、左舷−右舷方向の溝２４が形成される。右舷のロープ２６と左舷のロープ２８が、セールフォイル３０の両端の各々に取付けられ、セールフォイル自体は、回転可能なベアリング３４を介してマストの端部３２に回転可能にマウントされている。セールフォイルは、マストの動作（そしてキールの対応する動作）を下記の説明のように容易にする。セールフォイルは、（図３に最もよく示されるように）リジッドな翼形（エアロダイナミックフォイル）であって良く、または、従来のフレキシブルなセール材料によって形成されてもよい（そして、例えばバッテン等によって補強してもよい）。マストそれ自体もまた、その長手軸について回転されるものでもよい（即ち、図２に矢印Ｒで示すように）。この回転は、ブームコントロールアーム３６およびベアリング１６におけるユニバーサル型ジョイントによってアシストされ、また容易にできる。また、キール１４は、ウィング型の設備３８（キールの直立した状態から直角に外側へ延びている平坦なディスク状の形態として図に示されている）を備えていてもよい。単一船体のヨットの使用では、マストとキールの構成は、通常はセールフォイル３０によって強く推されて、サイドからサイドへとスウィングする。セールフォイルは、回転可能なベアリング３４の回りおよびマスト端部３２の回りのセールフォイルの回転動作によって、ヨットのどちらのサイドに位置してもよい。例えば、図１〜３に示されるヨットは、左舷開き(a port-tack)の構成である。もし、ヨットを右舷開き（a starboard-tack）の構成とすることを望む場合には、従来のように、舵３８を反転させる。しかしながら、セールフォイルは、左舷ロープ２８を引っ張り、テンションをかけて該セールフォイルの端部４０と４２をマストの端部の回りを各々旋回させて、ボートの左舷側に運ばれるので、端部４２はマストの端部３２よりもだいたい上方で終わり、端部４０はマストの端部３２よりもだいたい下方で終わる。これと同時に、マスト１２は、セールフォイルへの風の作用によって、ボートの左舷（即ち、図２に矢印Ｐで示す方向）に旋回し、その間キールはヨットの左舷下側から右舷下側に動く。この新たな右舷の構成では、右舷ロープは比較的張った状態となり、左舷ロープはさらにタックできるように比較的ゆるんだ状態になる。それによってさらなるタッキングが保証される；（通常、（例えば、突然の突風による）セールフォイル３０の最下端の外側へのスウィングを防止するために、比較的ゆるいロープにいくらか少しのテンションを保つのがよい）。典型的には、センターボードフレームは、セール面の力の作用の中心に相当する位置に配置される（最も好ましくは、従来の船首−船尾の構成よりも左舷− 右舷の構成で配置するのがよい）。好ましいヨットの構成と共に、厚いフォイルセールを用いるのが好ましい（しかし、従来のセールのような薄いセールもあまり有利ではないが用いてもよい）。好ましいセールフォイルは、セールの鉛直中央の位置（図を参照）でマストのトップに固定するのが好ましい。また、固定点は、典型的には、セールフォイルのリーディングエッジからほぼ１／３後退したところであり、それは実際には、力の作用する中心に通常、一致し、これによってマストには捩じりの歪みがほとんど発生しなくなる。上記説明のように、タッキングの際には、セールは、マストのトップにある回転可能なベアリングのまわりを回転できるので、以前のタックにおけるセールフォイルのトップが、その次のタックにおけるセールのボトムとなる。風が来る方向の船体の側面にとめられている各々のロープによって、セールフォイルのトップが保持されているので、突風の場合には、マストは風からさらに離れて回転でき、それによって、セールは風の方に傾いた角度に配置されることになり、セールのトップの上（従来のヨットにおけるように）よりもセールの下を風に通過させることができる。これは、瞬間的な縮帆の態様にほぼ等しい（それは、そうでない場合は、複雑なロープ調節と、より複雑なセールの調節および調整を行う装置を必要とするだろう）。上記説明のように、（パフォーマンスおよび風調節の変更のため）マストに対するセールの角度を変えるために、マストも回転させることができる（例えば、コントロールアーム３６を調節して）。上記説明のように、用いられた構成はヨットの傾きに抵抗する傾向がある。従って、船体の底は、（風の中を進む場合には、典型的には約１５°の角度で動くように設計される）従来の船体よりもかなり平坦に形成され得る。平坦な底部の船体は、より容易に水平になる傾向があり、かくしてヨットと水との間の摩擦抵抗を減少させる。図に示す単一船体のヨットの代わりに、狭い「双胴」の船体の形状を用いてもよい（即ち、本発明のヨットでは、浮力の中心位置が変化する現象は、従来のヨットではそうであるような、復原力ではないからである）。上記説明のように、セールフォイルは適切であればどのような材料で形成されてもよく、フレキシブルな布帛でも、固形の翼のような構造のものでもよい。フレキシブルなセールが用いられる場合、中空構造として形成してもよく、その後、付加的な強度や形状を与えるために空気で膨らませてもよい。空気の圧力を、セイルの形状を変えるために（または、セールの縮帆のためにであっても）、セールの違う部分に供給してもよい。また、マストとキールとの間の相互作用が維持されるのであれば、多くの異なるタイプのキール構造を用いることができる。マストとキールの間の機械的連結の直接的な形態は説明したが、間接的な機械的連結も用いてよい。例えば、ロープ／ワイアーとプーリーの配置が挙げられる。マストとキールとの間を連絡する該配置は、（例えば、左舷と右舷との間でのセールのタックによって引き起こされる）マストの動作のせいで、それに対応した反対の回転運動がキールで起こされる。マストにおける対応する動きのために、キールを新たな位置に片寄らせ、または強力に推すために、油圧のまたは電気的な制御を代わりに用いてもよい。数多くの好ましい態様を参照して本発明を説明したが、本発明は他の多くの態様で実施してもよいことは理解できよう。請求の範囲１．一方向へのマストの動作が、反対方向へのキールの動作を生じさせる態様にて、相互に作用するよう適用させたマストとキールとを有するヨット。２．マストとキールとが、ヨットの左舷と右舷の方向へ旋回動作を行うために、ヨットの船体のベースに隣接する領域内で直接的に機械的に連結されたものである請求の範囲１記載のヨット。３．マストが、該マストに備えられたセール手段を有するものであって、使用時には、セール手段とマストとが風によって風下へ移動するにつれて、それに対応する風上への動作がキールに起こされる請求の範囲１または２記載のヨット。４．マストとキールとが、船体のベースに配置された１以上のベアリングを介して連結されている上記１〜３のいずれかに記載のヨット。５．そのまたは各ベアリングが、センターボードフレームに支持されるものであり、該センターボードフレームは、略左舷−右舷の構成として設けられるものである請求の範囲４記載のヨット。６．ヨットの浮力の中心の下方に配置され、マストとキールとを互いに連結する単一のベアリングを有し、マストとキールが船体内への水の進入を防ぐように連結されている。船体のベースの部分に、シール手段が設けられている請求の範囲４または５記載のヨット。７．シール手段が、（ａ）船体のベースにおいてベアリングを取り巻くように適用させたフレキシブルなシールリング、または、（ｂ）マストを取り巻くように配置されたフレキシブルな管状手段であって、該管状手段は、その一端が船体のベースから延び、使用時にはヨットの周囲の水位より高くなるように位置決めされた反対側のオープン端部を有する、請求の範囲６記載のヨット。８．シール手段が、船体のベースにあるベアリングを取り巻くように適用されたフレキシブルなシールリングである請求の範囲７記載のヨット。９．ウォーターシール隔室が、マストを取り巻くために配置され、船体のベースを一端としてそこから延び、反対端側のオープン端部を有するフレキシブルな管状手段によって形成されるものである請求の範囲１または２記載のヨット。１０．使用時に、マストがヨットのデッキ内に形成されたトラッキング溝内で動作するものである上記請求の範囲１〜９のいずれかに記載のヨット。１１．セール手段が、使用時の鉛直方向の長さに沿っておおよそ中央、および、使用時のリーディングエッジからの水平方向の距離のおおよそ１／３にある領域でマストにマウントされるものである上記請求の範囲１〜１０のいずれかに記載のヨット。１２．セール手段が、マストのトップに旋回可能にマウントされたリジッドセールであり、マストのトップの回りに使用時のセールの最上端部を回転させることによって、ヨットのタッキングは、マスト上でセールを旋回させることを伴い、その結果、セールの最上端部は、使用時のセールの最低端部となるものである請求の範囲１１記載のヨット。１３．マストおよび／またはキールが、それらの各々の長手軸について回転可能である上記請求の範囲１〜１２のいずれかに記載のヨット。１４．マストが、ユニバーサル型ジョイントを介してキールに連結され、該ユニバーサル型ジョイントは、ベアリングとしても機能し、マストだけをその長手軸の回りに回転させることを可能とすると同時に、マストとキールとの上記相互作用をいっそう促進させるものである請求の範囲１３記載のヨット。１５．キールが、マストへの機械的な連結から下方に延びる長手方向の部材を有し、該長手方向の部材から外側へ延びているウィング型の配置を有するものである上記請求の範囲１〜１４のいずれかに記載のヨット。１６．ヨットの船体が、単一船体型である上記請求の範囲１〜１５のいずれかに記載のヨット。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims

【特許請求の範囲】１．一方向へのマストの動作が、反対方向へのキールの動作を生じさせる態様にて、相互に作用するよう適用させたマストとキールとを有するヨット。２．マストとキールとが、ヨットの左舷と右舷の方向へ旋回動作を行うために、ヨットの船体のベースに隣接する領域内で直接的に機械的に連結されたものである請求の範囲１記載のヨット。３．マストが、該マストに備えられたセール手段を有するものであって、使用時には、セール手段とマストとが風によって風下へ移動するにつれて、それに対応する風上への動作がキールに起こされる請求の範囲１または２記載のヨット。４．マストとキールとが、船体のベースに配置された１以上のベアリングを介して連結されている上記１〜３のいずれかに記載のヨット。５．そのまたは各ベアリングが、センターボードフレームに支持されるものであり、該センターボードフレームは、略左舷−右舷の構成として設けられるものである請求の範囲４記載のヨット。６．ヨットの浮力の中心の下方に配置され、マストとキールとを互いに連結する単一のベアリングを有し、マストとキールが船体内への水の進入を防ぐように連結されている船体のベースの部分に、シール手段が設けられている請求の範囲４または５記載のヨット。７．シール手段が、（ａ）船体のベースにおいてベアリングを取り巻くように適用させたフレキシブルなシールリング、または、（ｂ）マストを取り巻くように配置されたフレキシブルな管状手段であって、該管状手段は、その一端が船体のベースから延び、使用時にはヨットの周囲の水位より高くなるように位置決めされた反対側のオープン端部を有する、請求の範囲６記載のヨット。８．使用時に、マストがヨットのデッキ内に形成されたトラッキング溝内で動作するものである上記請求の範囲１〜７のいずれかに記載のヨット。９．セール手段が、使用時のセール手段の鉛直方向の長さに沿っておおよそ中央、および、使用時のセール手段リーディングエッジからの水平方向の距離のおおよそ１／３にある領域でマストにマウントされるものである上記請求の範囲１〜８のいずれかに記載のヨット。１０．マストのトップに旋回可能にマウントされたリジッドセールがよく、ヨットのタッキングでは、マストのトップの回りで使用時のセールの最上端部を回転させることによって、マスト上でセールを旋回させて最上端部が使用時のセールの最低端部となるようにする請求の範囲９記載のヨット。１１．マストおよび／またはキールが、それらの各々の長手軸について回転可能である上記請求の範囲１〜１０のいずれかに記載のヨット。１２．マストはユニバーサル型ジョイントを介してキールに連結すればよく、該ユニバーサル型ジョイントは、ベアリングとしても機能し、マストだけをその長手軸の回りに回転させることを可能とすると同時に、マストとキールとの上記相互作用をいっそう容易にする請求の範囲１１記載のヨット。１３．キールが、マストへの機械的な連結から下方に延びる長手方向の部材を有し、該長手方向の部材から外側へ延びているウィング型の構成を有するものである上記請求の範囲１〜１２のいずれかに記載のヨット。１４．ヨットの船体が、（ａ）単一船体型、または、（ｂ）狭い双胴船体型である上記請求の範囲１〜１３のいずれかに記載のヨット。