JPH09508974A - 音響表面波作動形識別タグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 音響表面波作動形識別タグ（１）において、少なくとも１つの反射器（５）は残りの反射器（４）の反射率に比べて大きな反射率を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 音響表面波作動形識別タグ 本発明は請求項１の上位概念部分に記載された識別装置用の音響表面波作動形 識別タグ（ＩＤタグ）に関する。 上述した種類の識別タグ（以下ではＩＤタグと略称する）は対象物を非接触で 自動的に識別するための識別装置において使用され、例えば刊行物「シーメンス ・ツァイトシュリフト」（１９９３年春季、ＦｕＥ特集）により公知である。こ の種のＩＤタグは、電気信号を変換器によって音響表面波に変換し、この音響表 面波を一連の反射器で反射するデバイスである。その際反射された音響表面波は 変換器（この変換器は電気入力信号を変換する変換器と同じであってもよい）に よって再び電気信号に変換される。反射器の構成に応じて、このＩＤタグを表す 予め設定されたコードが形成される。コードを表す電気信号は質問信号を発信す る装置へ返送され、これによってＩＤタグが配置されている個所が識別可能にな る。この種の識別装置は大多数の適用例において使用可能である。 ＩＤタグでの高い減衰及びＩＤタグと質問装置との距離の４乗による感度減少 に起因して、質問は高いパワー振幅で行われなければならない。ＩＤタグをその コーディングの質問前に先ずその存在に関してのみ識別することがしばしば望ま れる。ＩＤタグがその存在に関する補助的な情報を含んでいない場合、質問は永 久的に実行されなければならない、すなわち質問装置は連続的に高周波電磁波を 放射しなければならない。高周波交番電磁界が負荷になり得るという確実な認識 が同様にまだないと、ＩＤタグが先ずその存在に関してだけ識別されるべきであ るケースでは、質問装置の永久作動が上述したように装置技術的な理由からも好 ましくないことは何れにしても確かである。 そこで本発明の課題は、先ず存在するかどうかだけが決定されるべきであるケ ースでは質問装置の永久作動が回避され得るように上述した種類のＩＤタグを形 成することにある。 この課題は本発明によれば、冒頭で述べた種類の音響表面波作動形識別タグに おいて請求項１の特徴事項を有することによって解決される。 本発明の実施態様は請求項２以降に記載されている。 次に本発明を図面に示された実施例に基づいて詳細に説明する。 図１は本発明によって形成された反射器を備えた識別タグの一般的な構成を示 す概略部分斜視図である。 図２は公知のＩＤタグに対して時間的な振幅依存性の形態の短いパルスを用い て質問を行った際のＩＤタグのエコー信号を示すダイヤグラムである。 図３は図２に示されたダイヤグラムに相当する本発明によって形成されたＩＤ タグのダイヤグラムである。 図１によれば、ＩＤタグ１は一般的に入力・出力インターディジタル変換器３ が配置されている圧電基板２によって形成され、その入力・出力インターディジ タル変換器はこの変換器に供給される電気信号を基板２の表面に拡がる音響表面 波に変換しこの変換器に入射する音響表面波を電気信号に逆変換する。電気信号 はアンテナ６を介してこの入力・出力インターディジタル変換器３内へ供給され るか又はこの変換器からアンテナを介して発信される。このアンテナ６は図示さ れていない質問・評価装置から無線伝送された質問信号を受け取り、エコー信号 の形態で入力・出力インターディジタル変換器３からの電気信号を放射する。 さらに圧電基板２上には多数の反射器４が設けられており、これらの反射器４ は入力・出力インターディジタル変換器３から送出された音響表面波をその変換 器へ反射し、それによってＩＤタグ１の特徴を示すコードを形成する。このコー ドは基板２上の反射器４の個数と幾何学的配置とによって決定される。このコー ドはアンテナ６を介して放射され、質問・評価装置へ返送される。 この質問・評価装置は周波数又は振幅変調された周期的なＨＦパルスの形態の 電気信号を発信する。ＨＦエネルギーはアンテナ６を介してインターディジタル 変換器３に到達し、この変換器は結晶２上に表面波を励起し、その際に励起波の 僅かな部分がそれぞれの反射器で反射される。この反射量は、個々の反射器間に 発生して作用を乱す多重エコーが少なくなるようにするために、反射器当たり励 起波パワーの１％以下のパワーである。ＩＤタグのエコー信号は理想的な場合同 じ大きさのＨＦパルスから構成され、このパルスは質問・評価装置によって受信 されて評価される。このことは図のダイヤグラムに示されている。この図２には 短いパルスを用いて質問を行った際のそれ自体は公知のＩＤタグ１のパルス状エ コー信号の振幅Ａが時間ｔの関数として示されている。 本発明によれば、反射率が反射器系のその他の反射器４の反射率に比べて大き な少なくとも１つの別の反射器５が図１のＩＤタグ１上に設けられる。この反射 器５は特にインターディジタル変換器３から見て反射器系の最後の反射器である 。すなわち反射器５はＩＤタグ１のコードを規定する反射器４の列の後方に位置 している。この強く反射する反射器５の反射率は例えば反射器内の詳細には図示 されていない電極フィンガーの個数を適当に選定することによって決定できる。 それゆえ存在するかどうかに関してだけＩＤタグの識別を行うためには質問は 僅かなパワーで行うことができ、一方質問・評価装置に到来するエコー信号は反 射器５の反射率が大きいので評価を行うのに充分な振幅を何時でも持っている。 換言すれば、大きな反射率を持つ反射器５から来るパルスの振幅はコーディング パルス又はデータパルスの振幅の何倍も大きい。このことは図３のダイヤグラム に示されている。この図３では大きな反射率を持つ反射器５から発生されたパル スには符号１０が付されている。その他の点ではこのダイヤグラムは既に説明し た図２のダイヤグラムに一致している。 本発明によって形成されたＩＤタグを用いると信号評価の特に有利な形態が可 能になる。一般的に、ＩＤタグの識別を行うための最初の質問の際、次の質問ま での時間は、大きな反射率を持つ反射器５によって惹き起こされた擾乱が消滅す るように大きく選定できる。 ＩＤタグが動いている対象物上に存在する場合、質問・評価装置の領域では先 ず質問が小さなパワーで行われるが、しかしながらこのパワーは、大きな反射率 を持つ反射器から発生されたエコーパルスによってＩＤタグを質問・評価装置の 質問領域内に存在するものとして識別するためには充分な大きさである。この送 信パワーはＩＤタグのコードを規定する反射器に質問するための大きさである必 要はない。質問領域に現れるＩＤタグのために、質問・評価装置の割当てられた 時間窓内に大きな反射率を持つ反射器からのパルスが出現する。さらに、高い反 射率の反射器に質問するために、小さな帯域幅を有し従って受信器帯域幅を減少 させる長い小さな分解能の質問パルスを使用することができる。その結果低いノ イズレベルとなり、このことにより送信パワーの大幅な低減、もしくは送信パワ ーを同じに維持した場合有効範囲の大幅な拡大が可能になる。コードを読出すた めに、ＩＤタグが質問領域を離れるまでに、送信パワーを高めることができる。 すなわち、質問領域内に到達する可能性のあるＩＤタグを出来るだけ速く認識す るために永久作動時に供給されなければならない送信パワーの明らかに有利な減 少が生ずる。 さらに、大きな反射率を持つ反射器はコードを規定するエコー信号に対する固 定の時間マークとなる。装置に同期したノイズに比較して大きな信号−ノイズ間 隔を得るために、この時間マークによって、質問パルス列は時間的に統計学的に 検出できる。 しかも上述した時間マークは、例えば走行している自動車のような動いている 対象物を識別する際、大きな反射率を持つ反射器からのパルス又は他の強いパル スに位相的に関係する受信されたコードパルスの位相コヒーレント積分に対する ドップラー補償を行うために利用することができる。例えば、コードパルスは位 相基準としての大きな反射率を持つ反射器からのその都度所属するパルスと共に 一時記憶され、後から相に正しく重畳され得る。このことは読出工程中にＩＤタ グと読出装置との間に相対運動が生じる場合に必要である。この種の積分は受信 信号の信号雑音比を有効に改善し、その結果送信パワーを大幅に減少させること ができるか又は同じ送信パワーの場合質問の有効範囲を拡大できる。 上述した種類の信号評価法はそれ自体はレーダ技術において知られている。 原理的には、変位、位置及び速度測定の際に本発明によって形成されたＩＤタ グを用いれば、有効範囲が大きいので、長い測定区間ならびに高い分解能及び測 定精度を達成することが可能である。 本発明の別の実施例においては、その構成に関して大きな反射率を持つ反射器 用とコードを規定する反射器用とに異なった反射器を選定することが可能である 。例えば、高い反射率を持つ反射器は例えばドイツ連邦共和国特許出願第４３３ ６８９７．２号明細書に記載されているように分散形に構成し、一方コードを規 定する反射器は線形位相的に反射する要素で構成できる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラインドル、レオンハルト ドイツ連邦共和国 デー−83071 シユテ フアンス キルヒエン エトリンガーシユ トラーセ 74 (72)発明者 オスターターグ、トーマス ドイツ連邦共和国 デー−89075 ウルム ブーヒエンラントヴエーク ７

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．質問・評価装置が無線伝送された質問信号によって識別タグに質問しこれか ら返送されたコード化応答信号を評価し、その際応答信号のコーディングが識別 タグの反射器（４）の個数及び位置によって与えられる音響表面波作動形識別タ グにおいて、コーディングを規定する反射器（４）の反射率に比べて大きな反射 率を持つ少なくとも１つの別の反射器（５）が設けられていることを特徴とする 音響表面波作動形識別タグ。 ２．大きな反射率を持つ反射器（５）はインターディジタル変換器（３）から見 て一列の反射器（４、５）の最後のものであることを特徴とする請求項１記載の 識別タグ。 ３．大きな反射率を持つ反射器（５）は分散形反射器であり、コードを規定する 反射器（４）は線形位相的に反射する反射器であることを特徴とする請求項１又 は２記載の識別タグ。