JPH09508170A - 樹枝状高分子物質およびその製造法 - Google Patents

樹枝状高分子物質およびその製造法

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JPH09508170A JP7519987A JP51998795A JPH09508170A JP H09508170 A JPH09508170 A JP H09508170A JP 7519987 A JP7519987 A JP 7519987A JP 51998795 A JP51998795 A JP 51998795A JP H09508170 A JPH09508170 A JP H09508170A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、3〜50個の炭素原子および少なくとも1個のシアン化物基を有するモノハロゲン化炭化水素から構成されたハロゲンシアン化物単位から得られた枝を有する樹枝状高分子物質に関し、この場合ハロゲンおよびシアン化物基は、互いに少なくとも3個の炭素原子によって分離されている。また、本発明は、工程a)〜c)で:a)芯分子物質の実質的に全ての官能基を単量体ハロゲンシアン化物単位と反応させ、b)実質的に全ての混入されたシアン化物基を水素添加し、アミンに変え、c)実質的に全てのアミン基を単量体ハロゲンシアン化物単位と反応させ、この場合工程b)とc)は、交互に行なわれることによって特徴付けられる、芯および該芯から発出している少なくとも1つの枝からなる樹枝状高分子物質の製造法にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】 樹枝状高分子物質およびその製造法 本発明は、芯および該芯から発出している枝からなる樹枝状高分子物質および その製造法に関する。 国際特許出願公表第9314147号明細書には、芯および枝からなる樹枝状 高分子物質が記載されており、この場合この枝は、プロピルアミン単位から形成 されている。また、国際特許出願公表第9314147号明細書には、樹枝状高 分子物質の製造法が記載されており、この場合、ジアミン、例えば1,4−ジア ミノブタンは、マイケル付加反応でシアン化ビニルと反応され、シアン化物を末 端基とする反応生成物を生じる。過剰のアクリロニトリルの除去後、シアン化物 を末端基とする反応生成物は、水素で水素添加され、アミンを末端基とする反応 生成物に変わる。2つの反応は、交互に繰り返され、したがって発生し続ける樹 枝状高分子物質が得られる。 国際特許出願公表第9314147号明細書に記載の樹枝状高分子物質は、枝 が常に置換または非置換のプロピルアミン単位またはその誘導体から構成されて いる。国際特許出願公表第9314147号明細書に記載の樹枝状高分子物質は 、化学組成の変種および連続的に発生する枝の構造が限定された程度にのみ可能 であるという付加的な欠点を有する。 本発明の目的は、枝の長さを増大させることができかつ化学組成および連続的 に発生する枝の構造を変えることができるような樹枝状高分子物質を得ることで ある。 このことは、本発明によれば、3〜50個の炭素原子および少なくとも1個の シアン化物基を有するモノハロゲン化炭化水素から構成されたハロゲンシアン化 物単位から枝を得ることにより達成され、この場合シアン化物基は、少なくとも 3個の炭素原子によって分離されている。 本発明による樹枝状高分子物質の利点は、枝の長さ、化学組成および化学構造 ならびに分枝度をそのつどの発生において変えることができることにある。 本発明による樹枝状高分子物質は、交互の反応工程により、芯分子物質または 開始剤芯から出発して得られる。合成の間に生じる反応は、通常、殆ど完全に選 択的に進行する。任意の望ましくない副反応は、殆ど起こらないので、正確に定 義された化学構造を有する樹枝状高分子物質が得られる。 本発明により芯分子物質として使用することができる分子は、少なくとも1個 の官能基を有する分子である。本発明の範囲内で、官能基は、必要に応じて適当 な触媒の存在下にハロゲンシアン化物上での求核的置換で求核性試薬として作用 するような基である。可能 な求核性基は、ヒドロキシル基、チオール基、第1アミン、第2アミンまたは第 3アミンおよび1個もしくはそれ以上の陰性基を有する共役系を形成する炭素原 子である。求核性基は、本発明によれば、有利に第1アミンまたは第3アミンで ある。 官能基の性質に応じて、官能基は、1個またはそれ以上のハロゲンシアン化物 単位と反応させることができる。官能基をr個のハロゲンシアン化物単位と反応 させることができる場合には、この官能基は、r個の反応性部位を有する。1個 の第2アミン基は、1個のハロゲンシアン化物と反応させることができ、したが って1つの反応性部位を有する。第1アミン基は、2個のハロゲンシアン化物単 位と反応させることができ、したがって2つの反応性部位を有する。 多くの場合、r個の反応性部位を有する芯分子物質のそれぞれの官能基は、反 応性部位の数rよりも少ないかまたは該数と等しい数のハロゲンシアン化物単位 と反応させることができる。 本発明によれば、ハロゲンシアン化物単位として使用することができる分子は 、3〜50個のC原子を有するモノハロゲン化された炭化水素であり、この炭化 水素は、付加的に1個またはそれ以上のシアン化物基を有し、この場合ハロゲン およびシアン化物基は、少なくとも3個の炭素原子によって分離されている。こ の定義の下で、シアン化物基の炭素原子は、炭化水素 化合物の3〜50個のC原子の一部を形成しない。炭化水素化合物は、少なくと も3個のC原子を有する飽和または不飽和の線状または環式脂肪族基である。炭 化水素化合物は、有利に3〜15個のC原子、特に有利に3〜7個のC原子を有 する。炭化水素化合物は、分枝鎖状であっても分枝鎖状でなくともよい。 炭化水素化合物は、1個またはそれ以上の置換基を有することができる。この 置換基は、求核的置換反応に関連して不活性でなければならない。可能な置換基 は、例えばアミド基、エステル基およびニトロ基である。 ハロゲンシアン化物単位は、有利に塩素または臭素をハロゲンとして含有する 。 ハロゲンシアン化物単位は、本発明によれば、一般に1〜20個のシアン化物 基、有利に1〜5個のシアン化物基を含有し、特に有利にハロゲンシアン化物単 位は、1、2または3個のシアン化物単位を含有する。 適当な脂肪族クロロシアン化物の例は、塩化n−プロピル、塩化n−ブチル、 塩化イソブチル、塩化ペンチル、塩化イソペンチル、塩化ネオペンチル、塩化ヘ キシル、塩化ヘプチル、塩化オクチル、塩化ノニル、塩化デシルのモノシアン化 物、ジシアン化物およびポリシアン化物である。脂肪族ブロモシアン化物の例は 、臭化n−プロピル、臭化イソブチル、臭化n−ブチル、臭化ペンチル、臭化イ ソペンチル、臭化ネオペン チル、臭化ヘキシル、臭化ヘプチル、臭化オクチル、臭化ノニル、臭化デシルの モノシアン化物、ジシアン化物およびポリシアン化物である。適当な脂環式シア ン化物の例は、クロロメチレンシクロヘキシルシアニド、ブロモメチレンシクロ ヘキシルシアニド、クロロメチレンシクロペンチルシアニド、ブロモメチレンシ クロペンチルシアニドである。 本発明の第1の好ましい実施態様の場合、芯分子物質は、有利に1〜10個の 官能基を含有する。適当な芯分子物質は、例えばアンモニア、水、メタノール、 ポリメチレンジアミン、例えばヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミンおよ び1,4−ジアミノブタン(DAB)、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ トラミン、テトラエチレンペンタミン、線状および分枝鎖状のポリエチレンイミ ン、メチルアミン、ヒドロキシエチルアミン、オクタデシルアミン、ポリアミノ アルキルアレン、例えば1,3,5−トリス(アミノメチル)−ベンゼン、トリ ス(アミノアルキル)アミン、例えばトリス(アミノエチル)アミン、複素環式 アミン、例えばイミダゾリンおよびピペリジン、ヒドロキシエチルアミノエチル アミノ、メルカプトエチルアミノ、モルホリン、ピペラジン、ペンタエリトリト ール、ポリアルキレンポリオール、例えばポレエチレングリコールおよびポリプ ロピレングリコール、グリコール、例えばエチレングリコール、ポリアルキレン ポリメルカプタン、1,2−ジメルカプトエタン、ホスフィン、ε−アミノカプ ロン酸、グリシン、チオフェノール、フェノール、メラミンおよびその誘導体、 例えばメラミントリス(ヘキサメチレン−ジアミン)を有する群から選択するこ とができる。本発明による方法の場合には、有利にポリメチレンジアミン、グリ コールおよびトリス(1,3,5−アミノメチル)ベンゼンを有する群から選択 される芯が使用される。 本発明の第2の好ましい実施態様によれば、1個またはそれ以上の上記の官能 基を有する(共)重合体は、樹枝状高分子物質のための芯として使用される。こ のような(共)重合体の例は、スチレン−マレイミド共重合体、スチレン−アク リロニトリル共重合体、ポリエチレンイミンならびに例えばポリプロピレンオキ シド、ポリスチレンおよびエチレン−プロピレン−ジエン共重合体のような重合 体であり、この場合この共重合体は、1個またはそれ以上の上記官能基、例えば NH2基によって官能化されている。 本発明の第3の好ましい実施態様によれば、米国特許第4507466号明細 書、国際特許出願公表第9314147号明細書およびフォークトレ(F.voegt le)他、ズィンテーズィス(Synthesis)、1978年2月、第155〜158 頁に記載された少ない発生回数、例えば第1に発生した、第2に発生したおよび /または第3に発生したデンドリマー(dendrimer) は、樹枝状高分子物質のための芯として使用される。この場合には、殊に芯分子 物質の官能性は、著しく高く、例えば10〜40個のアミン基が存在していてよ い。このような芯分子物質の分子量は、主に200より高く、かつ主に5000 未満である。 ハロゲンシアン化物単位から得られた数多くの枝は、芯から発出する。生じる 反応が完結化を進める場合には、望ましい発生回数nの枝の全体数は、下記のよ うに計算することができる。gが芯中に含まれている官能基の数であり、かつr がそれぞれ個々の官能基の反応性部位の数である場合には、芯の反応性部位の数 (rc)は、全ての官能基の反応性部位の総和rに等しい。n回目に発生した枝 の最大数は、rn-1によって乗じた反応性部位の数rcとして記載することができ る。生じる反応が完結化を進めない場合には、枝の数は、よりいっそう少なくな り、かつrcと(rc*rn-1)との間にあることになるであろう。 樹枝状高分子物質は、主に1〜10回目に発生した枝、有利に2〜10回目に 発生した枝、殊に3〜9回目に発生した枝を含有する。 本発明による樹枝状高分子物質の分子量は、主に350よりも高く、殊に10 00よりも高い。分子量は、主に100000未満、殊に50000未満である 。 本発明による樹枝状高分子物質は、それぞれの発生 回数の枝の分子量を予め定めることができるという利点を有する。これは、一般 に特にハロゲンシアン化物の炭化水素中の炭素原子の数、分枝度、シアン化物基 の数ならびに2回またはそれ以上で連続的に発生する置換基の性質および数を変 えることによって達成することができる。 樹枝状高分子物質の形状は、一部が芯分子物質の形状によって定められている 。小さい分子または球状デンドリマーを芯分子物質として使用する場合には、球 状の樹枝状高分子物質を得ることができる。 また、樹枝状高分子物質の形状は、分枝度、個々の発生時点での枝の長さおよ び樹枝状高分子物質が構成される発生回数によって定められる。 本発明による樹枝状高分子物質は、枝の数をそれぞれの発生時点で変えること ができるという利点を有する。これは、例えばハロゲンシアン化物単位中のシア ン化物基の数を変えることによって達成することができる。ハロゲンシアン化物 単位がモノシアン化物である場合には、例えば枝の数は、それぞれの発生時点で 二倍となる。更に、必要に応じて、分枝度は、例えば2個またはそれ以上のシア ン化物基を有するハロゲンシアン化物から枝を製造することによって増大させる ことができる。 また、本発明による樹枝状高分子物質は、低い分枝度で1回またはそれ以上の 発生回数を有することがで きる。これは、特に官能基の全ての反応性部位を反応させないことによって達成 することができる。 本発明は、樹枝状高分子物質の密度を調節することができるという付加的な利 点を有する。 本発明による樹枝状高分子物質は、有利に異なるハロゲンシアン化物単位から 得られる1回またはそれ以上の発生回数の枝を有する。これらの枝は、化学組成 および/または構造に関連して互いに異なるものであることができる。 例えば、樹枝状高分子物質の第1に発生した枝は、m1炭素原子からなる非分 枝鎖状の炭化水素鎖を有するハロゲンシアン化物から製造され、第2に発生した 枝は、m2炭素原子からなる分鎖状の炭化水素鎖を有するハロゲン化シアン化物 から製造されることができ、この場合m1とm2とは等しくない。樹枝状高分子物 質の第3に発生した枝は、例えば付加的にニトロ基を置換基として含有するm3 炭素原子からなる不飽和炭化水素鎖を有するハロゲンシアン化物から製造され、 この場合m1とm2とm3とは、等しくない。 前記の記載と同様に、本発明による樹枝状高分子物質は、芯および枝から構成 されている。樹枝状高分子物質の枝は、式1: 〔式中、 iは、1、2・・・mであり、 Ri 2およびRi 3は、H原子であるか、または線状もしくは脂環式のアミド基、エ ステル基またはニトロ基あるかまたは芳香族のアミド基、エステル基またはニト ロ基であり、この場合Ri 2およびRi 3は、同一かまたは異なり、かつ異なる発生 時点でのRi 2およびRi 3は、同一かまたは異なり、 mは、2以上であり、この場合2個の連続的に発生した場合のmは、同一でも異 なっていてもよく、 5は、H原子であるかまたは次の発生時点での単位であり、 R6は、H原子であるかまたは次の発生時点での単位であり、 発生時点でのR5およびR6は、同一でも異なっていてもよい〕に相当する単位を 含有する。 樹枝状高分子物質は、一般に式1に相当する少なくとも4個、有利に6個を上 廻る単位、殊に10個を上廻る式1による単位を含有する。 樹枝状高分子物質は、有利に式1に相当する少なくとも1回目の発生時の単位 を含有する。よりいっそう好ましくは、樹枝状高分子物質は、式1に相当する少 なくとも2回目の発生時(k、1)の単位を含有し、この場合発生時kの場合の mkが、発生時lの場合のmlと異なることは、特に好ましい。 前記したように、本発明による樹枝状高分子物質は、4〜51個の炭素原子を 含有するアルキルアミン単位から形成されており、この場合アルキル鎖の線状部 分は、少なくとも4個の炭素原子を有し、かつこのアルキル鎖は、分枝鎖状であ ってもよいし、分枝鎖状でなくともよい。 米国特許第4631337号明細書には、繰返し単位が2〜6個の炭素原子を 有するアルキレンアミン単位を含有しているような緻密な星形ポリアミンが記載 されている。米国特許第4631337号明細書に記載されたポリアミンは、所 謂保護反応体法を使用することにより製造され、この場合N−保護されたアジリ ジンまたはアゼチジンは、まずアミンと反応され、その後に保護基は除去され、 かつアミンを末端基とする 反応生成物が得られる。アミンを末端基とする反応生成物は、再びそれぞれN− 保護アジリジンまたはアゼチジンと反応させることができ、次の発生時にデンド リマーを生じる。米国特許第4631337号明細書に記載の方法は、適当にポ リエチレンアミンまたはポリプロピレンアミンの製造に使用することができる。 しかし、米国特許第4631337号明細書に記載の方法は、アルキル鎖の線状 部分に4個またはそれ以上の炭素原子を有するポリアルキル−アミンを製造する ためには適していない。それというのも、このような方法に必要とされる試薬、 例えばピロリジンおよびピペリジンは、不活性であり、かつ記載された反応条件 下で必要とされる開環反応を生じないであろうからである。 また、本発明は、工程a)〜c)で: a)芯分子物質の実質的に全ての官能基を単量体ハロゲンシアン化物単位と反応 させ、 b)実質的に全ての混入されたシアン化物基を水素添加し、アミンに変え、 c)実質的に全てのアミン基を単量体ハロゲンシアン化物単位と反応させ、この 場合工程b)とc)は、交互に行なわれることを特徴とする、樹枝状高分子物質 の製造法に関し、この場合この方法は、工程a)、b)またはc)の何れかの後 に中断させることができる。 本発明の記載内容は、実質的に少なくとも50%、有利に少なくとも80%、 特に有利に少なくとも90%の意味を有する。 また、本発明によれば、1つの仮の工程において、工程c)の代わりに、例え ば国際特許出願公表第9314147号明細書の記載と同様にシアン化ビニルと のマイケル付加反応を行なうことも可能である。 適当なシアン化ビニル単位は、例えば国際特許出願公表第9314147号明 細書に記載されている。特に、本発明により使用することができる適当なシアン 化ビニル単位は、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびフマロジニトリ ルである。 また、本発明によれば、アミンを末端基とするデンドリマーの反応性部位の一 部を第1のシアン化ビニル単位と反応させ、その後に残りの反応性部位を第2の シアン化ビニルと反応させることも可能であり、この場合第1および第2のシア ン化ビニルは、例えば異なる化学組成または構造を有する。例えば、発生時11/ 2のアミンを末端基とするデンドリマーをまずフマロジニトリルと反応させ、そ の後にアクリロニトリルと反応させることが可能である。 工程b)およびc)は、交互に(n−1)回目に行なわれ、所望の発生回数n の高分子物質が得られる。nの値は、通常1〜10で変わり、有利にnは、2ま たはそれ以上、殊に3またはそれ以上の値を有する。 特別な発生時での樹枝状高分子物質を得るために、上記の求核的置換反応およ び/またはマイケル付加反応および水素添加反応は、交互に数回繰り返される。 1つの求核的置換反応の後、第1の発生時での分子が得られる。3回の置換反応 および/または付加反応および2回の水素添加反応を交互に行なった後、第3の 発生時での樹枝状高分子物質は得られる。 この方法は、反応工程b)の後に停止させることが可能である。このことは、 発生時11/2、21/2またはそれ以上のアミンを末端基とする樹枝状高分子物質を 生じる。 r個の反応性部位を有するそれぞれの官能基をハロゲンシアン化物単位r個ま たはそれ未満と反応させることは、可能である。例えば、第1アミン基を2個の ハロゲンシアン化物単位と反応させることは、可能である。また、第1アミン基 を1個のハロゲンシアン化物単位と反応させることは、可能である。この後者の 場合、樹枝状高分子物質の分枝度は増大せず、存在する枝は、長くなるだけであ る。 また、第1アミン基を第1のハロゲンシアン化物単位と反応させ、その後にこ うして形成された第2のアミン基を第2のハロゲンシアン化物単位と反応させる ことも可能であり、この場合第1のハロゲンシアン化物単位と第2のハロゲンシ アン化物単位とは、異なる化学組成および/または化学構造を有する。 求核的置換は、一般に溶液中で実施される。このために、芯分子物質またはア ミン基を末端基とする樹枝状高分子物質の量は、溶剤に溶解される。溶剤は、所 望の反応が最も有利に影響を及ぼされ、かつ望ましくない副反応が起こらないよ うに選択される。こうして選択された条件下で溶剤が試薬、芯分子物質または樹 枝状高分子物質の官能基と反応しないことは、重要なことである。 求核的置換反応は、一般にプロトン性溶剤および非プロトン性溶剤の双方中で 行なうことができる。プロトン性溶剤の適当な例は、水、アルコールおよびカル ボン酸である。非プロトン性溶剤の適当な例は、ジメチルホルムアミド、ジメチ ルスルホキシド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、二酸化硫黄、ヘキサ メチル燐アミドである。望ましい極性を得るために、幾つかの溶剤の混合物を使 用することができる。溶剤は、有利にアルコール、特に有利にエタノールである 。 ハロゲンシアン化物の量と芯の反応性部位の数とのモル比は、一般に少なくと も0.5、通常20以下であり、好ましくはこの比は、1〜5である。 求核的反応の反応速度を増大させるために、1つの塩を添加することができる 。一般に、アルカリ金属ハロゲン化物、有利にアルカリ金属沃化物、特に有利に 沃化ナトリウムまたは沃化カリウムは、塩として使用 される。アルカリ金属沃化物は、一般にハロゲンシアン化物に対して0.05〜 0.5モル%、有利に0.05〜0.20モル%のモル比で添加される。 しばしば1つの塩基、例えば炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムは、求核的置 換反応の間に添加される。塩基とハロゲン化シアン化物との比は、一般に少なく とも0.5当量、主に3当量以下である。 本発明による求核的置換反応は、主に高められた温度で実施される。1つの好 ましい実施態様において、求核的置換は、使用される溶剤の沸点にほぼ等しい温 度で行なわれる。求核的置換が実施される温度は、主に0〜200℃の間、有利 に0〜200℃の間、特に有利に65〜90℃の間にある。 求核的置換は、主に大気圧で行なわれる。また、求核的置換は、高められた圧 力で行なうこともできる。 主に、求核的置換により得られる生成物は、精製される。このことは、例えば 蒸留または抽出によって行なうことができる。 こうして形成されるシアン化物基を末端基とする反応生成物のシアン化物基は 、その後に水素添加され、水素添加反応によりアミン基に変わる。 水素添加に使用される溶剤は、本発明によれば、アンモニア量を含有するアル コールであり、この場合アンモニアとシアン化物基の数とのモル比は、0.8よ りも高い。水素添加反応に使用される触媒の最少毒性 化度は、アンモニアとシアン化物基の数とのモル比が50未満である場合に達成 することができる。主に、水素添加反応は、アンモニアとシアン化物基の数との モル比が20未満である場合に良好な選択度で進行する。 適当なアルコールは、例えば低沸点アルコール、例えばメタノール、エタノー ル、イソプロパノールおよび類似物である。必要に応じて、異なるアルコールの 混合物を使用することができる。アルコールは、有利にメタノールである。必要 に応じて、1つまたはそれ以上のアルコールの混合物および水を使用することが できる。 水とアルコールとの重量比は、主に1:50〜2:1の間にある。水とアルコ ールとの重量比は、有利に1:10〜1:1の間にある。 水素添加反応は、例えば混入されるシアン化物基とH2ガスとの反応によって 行なうことができる。完全な水素添加が望ましい場合には、H2とシアン化物基 とのモル比は、少なくとも2であるべきである。このモル比が2未満である場合 には、完全な水素添加は起こらない。 水素添加工程は、主に適当な触媒の存在下に実施される。一般に、水素添加触 媒、有利に不均質な水素添加触媒が使用される。 適当に使用することができる触媒は、本発明によれ ば、例えばハンドブック・オブ・ケミストリー・アンド・フィズィックス(Hand book of Chemistry and Physics)、CRC Press社刊、第70版、1989〜19 90に記載されているような周期律表第VIII族からの金属からなる。ニッケ ル、コバルト、白金、パラジウムおよびロジウムは、直ちに使用することができ る。触媒に高い触媒活性を持たせるために、この触媒は、有利に大きい活性金属 表面積を有するべきである。この金属は、それ自体で使用することができるかま たは適当な支持体上で使用することができる。 例えば、米国特許第1628190号明細書に記載されたようなラニーニッケ ルまたはラニーコバルトは、本発明による水素添加のための触媒として適当であ る。 ラニーニッケルは、主にニッケルおよびアルミニウムからなり、このアルミニ ウムは、金属アルミニウム、酸化アルミニウムおよび/または水酸化アルミニウ ムの形である。ラニーニッケルには、少量の他の金属、例えば鉄および/または クロムを元素状の形または結合した形で添加することができ、一定の群の化合物 の水素添加のための活性および選択度を増大させる。ラニーコバルト触媒は、ア ルミニウムを含有し、かつ促進剤を備えさせることができる。必要に応じて、触 媒は、例えば水素添加反応の溶剤、アルコール、種々のアルコールの混合物また は水と1つまたはそれ以上 のアルコールとの混合物で洗浄することができる。適当なアルコールは、例えば メタノール、エタノール、イソプロパノールおよび類似物である。 シアン化物基を末端基とする生成物の水素添加の際に反応器中で使用すること ができる触媒の最適量は、使用される反応器の型に依存する。当業者であれば、 任意の望ましい反応器のための触媒に適した量を簡単に定めることができる。 多くの場合、本発明による方法の場合には、触媒の必要量(乾式)と樹枝状高 分子物質の重量との重量比は、10%よりも高い。シアン化物を末端基とする樹 枝状高分子物質の重量に対する触媒の必要量(乾式)は、有利に12%よりも多 く、50%よりも少ない。 本発明による水素添加反応に使用することができる、反応混合物の全重量に対 するシアン化物を末端基とする生成物の量は、多くの場合に少なくとも10重量 %、有利に少なくとも20重量%である。 水素添加反応は、例えば閉鎖された反応器中でH2雰囲気下で行なうことがで きる。この反応器中の全圧力は、主に特定の温度での水素およびアンモニアの結 果であり、かつ多くの場合0.1〜500MPaの間、有利に1〜20MPaの 間、特に有利に1〜10MPaの間にある。反応器中で支配している水素圧力は 、大抵の場合に0.1MPaを超え、有利に1MPaを超える。 反応温度は、重要ではなく、大抵の場合に0〜200℃の間、有利に10〜1 50℃の間、特に有利に50〜110℃の間にある。水素添加反応後、末端アミ ン基を有する1つの生成物が得られる。 水素添加反応が終結した後、触媒は、しばしば反応混合物から分離される。こ のことは、例えば反応器をH2雰囲気下で冷却し、H2を排気した後、反応器を不 活性ガスでバージングし、かつ反応器内容物を濾過することによって達成するこ とができる。この濾液は、溶液中にデンドリマーを含有する。 また、触媒をH2雰囲気中で濾別することも可能である。このことは、例えば 所謂フィルターキャンドルを反応器中に置くことによって行なうこともでき、こ の場合このフィルターキャンドルは、焼結金属からのフィルターである。触媒は 、フィルターの外側で反応器中に残存するが、濾液は、フィルターの内部空間を 介して反応器から除去される。この方法の利点は、幾つかの水素添加反応を連続 的に行なうことができかつ触媒の水素不足を避けるようにして、反応器を圧力状 態のままで残すことができることにある。 本発明による方法によれば、再生された触媒を使用することもできる。触媒は 、例えば使用された触媒をアルカリ液、例えばNaOH水溶液中で数時間、50 〜70℃の温度で処理することによって再生することができる。その後、濾過後 に触媒は、洗浄水のpH値 がほぼ中性になるまで脱イオン水で洗浄される。触媒は、水の下で貯蔵される。 得られた樹枝状高分子物質は、必要に応じて、全体的または部分的に全ての種 類の官能基で変性することができる。このことは、例えば存在するアミン基また はシアン化物基を適当な試薬と一緒に、場合によっては適当な触媒の存在下に全 体的または部分的に反応させることによって達成することができる。このような 試薬の例は、電子陰性基で置換されたα,β−不飽和化合物、不飽和脂肪族エス テルおよびアミド、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、クロチ ルエステル、メチルビニルケトン、アクロレインおよびアクリル酸アミド、ポリ アミド、例えばナイロン4,6、ナイロン6、ナイロン6,10、ナイロン8、 エポキシド、例えば酸化エチレンおよび酸化プロピレン、酸ハロゲン化物、例え ば酸塩化物、塩化アクリロイル、塩化ステアリン酸、エピクロロヒドリン、アル キルハロゲン化物、例えばエチルブロモアセテートおよび臭化アリル、アリール ハロゲン化物、例えば塩化ベンジル、トシルハロゲン化物、例えば塩化トシル、 無水物、例えば無水フタル酸、無水グルタミン酸、ジカルボン酸、例えばテレフ タル酸、アジピン酸、クロロスルホン酸、ジオール、環式アルデヒド、例えばホ ルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ヘキサナール、芳香族アルデヒド、例えば ベンズアルデヒド、ペンタ フルオロベンズアルデヒドおよびパラメトキシ−ベンズアルデヒド、ピリジン− アルデヒド、p−ホルミルフェニル酢酸および1,4,5,8−ナフタレンテト ラアセトアルデヒド、ケトン、例えば誘導されたシクロヘキサノン(例えば、H ALS化合物)、ラクトン、例えばカプロラクトン、イソシアネート、例えば米 国特許第3855364号明細書に記載されたようなステロイルイソシアネート 燐酸エステル、キラール中心を有する分子、例えばラクチドおよび活性化された アミノ酸である。しかし、この一連の化合物の記載は、決して余すところ無く記 載されたものではなく、したがってこれに限定されるものではない。 本発明による樹枝状高分子物質は、多数の用途に使用することができる。 Angew. Chem.Int. Ed. Engl. 29 (1990)、第138〜175頁には、樹枝状 高分子物質の種々の可能な用途、例えば触媒(キャリヤー)および選択的膜とし ての篩を較正するための樹枝状高分子物質の使用、電子分野および塗料における 樹枝状高分子物質の使用が挙げられているが、しかし、種々のプラスチックにお ける耐衝撃性改良剤または架橋剤としての樹枝状高分子物質の使用も考えられる 。 実施例 例I エタノール15mlおよび1,4−ジアミノブタン 2.3g(DAB)を撹拌機および還流凝縮器を備えた50リットルの三口フラ スコ中に導入した。この混合物に4−クロロブチロニトリル16.2g(CBN 、1−クロロプロパン−3−シアニド)、沃化ナトリウム200mgおよび炭酸 カリウム7.9gを添加した。こうして、得られた反応混合物を水素雰囲気下に 78℃で72時間加熱した。反応生成物をエタノールを蒸発させることによって 分離し、次に残留物をジクロロメタン75mlに溶解し、硫酸ナトリウム上で乾 燥し、濾別し、その後に100℃で30分間加熱し、過剰の4−クロロブチロニ トリルを除去した。収率は、69%であった。 分離された生成物をIR 1H−NMRおよび13C−NMRならびに質量分析 法で分析し、これにより、生成物が4−カスケード:1,4−ジアミノブタン[ 4]−ブチロニトリル(DAB((CH23CN)4)であることが明らかにな る。 例II ラニーコバルト触媒5.6g(湿式)(Grace社製の型式Grace2724(製造者に よれば、この組成物は、Co 78〜96重量%、Cr 0.5〜5重量%、N i 0.5〜5重量%およびAl 3〜12重量%を含有する))を1回メタノ ール25mlで20℃の温度で洗浄した。次に、この触媒をオートクレーブ中に 移し、次にメタノールを52.7gの全メタノール 量に添加した。最後に、粉末状の形のDAB((CH23CN)4約22.7g を添加した。DAB((CH23CN)4に関連して、乾式触媒約15重量%を 添加した。 オートクレーブを閉鎖した後、この反応混合物の撹拌を開始させ、オートクレ ーブを3回N2ガスで洗浄し、かつ3回H2ガスで洗浄した。放圧後、アンモニア 水約6.5gをオートクレーブに配量した。アンモニアとDAB((CH23C N)4とのモル比は、約4.9であった。その後に、オートクレーブを80バー ルのH2圧で撹拌しながら65℃に加熱した。 反応を20分後に停止させ、オートクレーブを水素雰囲気下で室温に冷却した 。次に、H2を排気し、オートクレーブを3回N2ガスで洗浄し、オートクレーブ を開放しながら、内容物を直ちに濾過した。 分離された生成物を13C−NMR分光分折法で分折し、これにより、生成物が 4−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4]−ブチルアミン(DAB((C H24NH24)であることが明らかになる。変換は、明らかに完全であった。 例III 例Iに記載の方法を繰り返したが、しかし、この場合には、1,6−ジアミノ ヘキサン3g(DAH)を基質としてエタノール25mlに溶解した。この混合 物に、4−クロロブチロニトリル16.2g(CBN )、沃化ナトリウム200mgおよび炭酸カリウム7.9gを添加した。こうし て得られた反応混合物を水素雰囲気下で78℃で48時間加熱した。DAHの変 換は、100%であった。 この反応生成物を反応混合物への水75mlの添加によって分離し、次に3回 エーテル50mlで抽出した。水30mlでの洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥 し、蒸発させ、100℃で30分間加熱し、過剰の4−クロロブチロニトリルを 除去した。収率は、62%であった。 分離された生成物を1H−NMRおよび13C−NMRならびに質量分析法で分 析し、これにより、生成物が4−カスケード:1,4−ジアミノヘキサン[6] :ブチロニトリル(DAB(BN)4)であることが明らかになる。13 C−NMR(CDCl3),DAH(BN)4:119.796ppm(CN 4×);53.519ppm(CH2H 2×);52.034ppm(NCH2 CH2CH 4×);27.331ppm(NCH2CH2CH2CH2 ×);2 6.816ppm(NCH2CH2CH2CH2 2×);23.226ppm(N CH2CH2CH2CH 4×);14.7ppm(CH2CN 4×)。 例IV 例Iを繰り返したが、この場合には、4−カスケー ド:1,4−ジアミノブタン[4]プロピルアミン2g(DAB(PA)4)を 基質として使用した。4−クロロブチロニトリル7.9gおよび沃化ナトリウム 114mgおよび炭酸カリウム3.9gを反応混合物に添加した。こうして得ら れた反応混合物を水素雰囲気下で78℃で72時間加熱した。 反応生成物をエタノールの蒸発によって分離し、残留物をジクロロメタン75 mlに溶解し、濾過し、その後に硫酸ナトリウム上で乾燥させた。次に、ジクロ ロメタンを蒸発させた。過剰の4−クロロブチロニトリルを100℃で30分間 の加熱の後に除去した。収率は、69%であった。 分離された生成物を1H−NMRおよび13C−NMRならびに質量分折法で分 析し、これにより、生成物が8−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4]: (1−アザブチリデン)4:ブチロニトリル(DAB(PA)4[(CH23C N]8)であることが明らかになる。13 C−NMR(CDCl3),DAB(PA)4[(CH23CN]8:119. 83ppm(CN8×);53.86ppm(NCH2CH2CH2CH2 2×) ;51.998ppm(NCH2CH2CH2N 4×およびNCH2CH2CH2C H 9×);51.551ppm(NCH2CH2CH2N 4×);24.91 2ppm(NCH2CH2CH2 2×);24.404ppm(NCH2CH2CH2H 4×);23.128 ppm(NCH2CH2CH2CN 8×)。 例V 例IIを繰り返したが、この場合には、ラニーコバルト触媒11.23g(湿 式)を1回20℃の温度でメタノール約25mlで洗浄し、その後にオートクレ ーブに移し、次にメタノールを50gの全メタノール量に添加した。最後に、D AB(PA)4((CH23CN)8約29.5gを添加した。DAB((CH2 3CN)4に関連する触媒約24.9%を添加した。 アンモニア水約4.5gをオートクレーブに配量した。アンモニアとDAB( PA)4((CH23CN)8とのモル比は、約8.5であった。DAB(PA)4 ((CH23CN)8を46℃および80バールのH2圧で200分間、DAB (PA)4(BA)8(8−カスケード:1,4−ジアミノブタン[4]:(1− アザブチリデン)4:ブチルアミノ)に還元した。 分離された生成物を13C−NMR分光分析法で分析し、これにより、得られた 生成物がDAB(PA)4(BA)8であることが明らかになった。 例VI 例IVを繰り返したが、この場合には、DAB(P A)4(BA)8を基質として使用した。7−ブロモヘプタンニトリル3g(HN )、沃化ナトリウム25mgおよび炭酸カリウム0.75gを反応混合物に添加 した。変換率は、100%であった。 反応生成物を例Iの記載と同様にして分離した。過剰の7−ブロモヘプタンに トリルを除去するために、残留物を130℃で2時間加熱した。DAB(PA)4 (BA)8(HN)16の収率は、約95%であった。 分離された生成物を1H−NMRおよび13C−NMRならびに質量分析法で分 折し、これにより、生成物がDAB(PA)4(BA)8(HN)16であることが 明らかになった。 例VII 例IVを繰り返したが、この場合には、16−カスケード:1,4−ジアミノ ブタン[4]:(1−アザブチリデン)12:−プロピルアミン約2g(DAB( PA)16)を基質としてエタノール15mlに溶解し、この溶液に4−クロロブ チロニトリル5.9g、炭酸カリウム2.9gおよび沃化ナトリウム86mgを 添加した。変換率は、100%であった。反応生成物を例Iの記載と同様にして 分離した。収率は、76%であった。 分離された生成物を1H−NMRおよび13C−NMRならびに質量分折法で分 析し、これにより、生成 物が(DAB)(PA)16((CH23CN)32であることが明らかになる。13 C−NMR(CDCl3);DAB(PA)16[(CH23CN)32:120 ppm(CN 32×);52ppm(NCH2 90×);24.34ppm (NCH2CH2CH2N 30×);23.125ppm(NCH2CH2CH2C H 32×);14.725ppm(CH2CH 32×)。 例VIII 例Iを繰り返したが、この場合には、4−カスケード:1,4−ジアミノブタ ン[4]:ブチルアミン0.5g(DAB(BA)4)を基質としてエタノール 15mlに溶解し、この溶液に7−ブロモヘプタンニトリル3.6g(HN)沃 化ナトリウム40mgおよび炭酸カリウム0.96gを添加した。変換率は、1 00%であった。 反応生成物を例Iの記載と同様にして分離した。過剰の7−ブロモヘプタンニ トリルを除去するために、残留物を130℃で2時間加熱した。DAB(BA2 4(HN)8の収量は、1.98g(100%)であった。 分離された生成物を1H−NMRおよび13C−NMRならびに質量分折法で分 析し、これにより、生成物が(DAB)(BA)4(HN)8であることが明らか になる。 例IX 例VIIIを繰り返したが、この場合には、DAB(PA)161gを基質とし て使用し、これに7−ブロモ−ヘプタンニトリル5.4g、沃化ナトリウム50 mgおよび炭酸カリウム1.44gを添加した。変換率は、100%であった。 反応生成物を例Iの記載と同様にして分離した。DAB(PA)16(HN)32 の収量は、3.2g(約100%)であった。 分離された生成物を1H−NMRおよび13C−NMRならびに質量分析法で分 析し、これにより、生成物が(DAB)(PA)16(HN)32であることが明ら かになった。13 C−NMR(CDCl3),DAB(PA)16(HN)32:119.948p pm(CH 32×);50ppm(N−CH2 90×);30〜20ppm (CH2CH2CH2 94×);17.01ppm(CH2CH 32×)。 例X 1当量のDAB(BA)4を10倍過剰のテトラヒドロフランに溶解し、この溶 液に水の触媒量を添加した。滴下漏斗により、30倍過剰のテトラヒドロフラン に溶解されたフマロジニトリル4.4当量(FCN2)を撹拌しながら滴加した 。N2を氷水で冷却したデンドリマー溶液に通過させた。全てのフマロジニトリ ルの添加後、この混合物を1℃で1時間撹拌させた。反応後にテトラヒドロフラ ンを蒸留によって除去した。変換率は、100%であった。 分離された反応生成物を1H−NMRおよび13C−NMRならびに質量分析法 で分析し、かつDAB(BA)4(FCN24であることを見い出した。 次に、1当量のDAB(BA)4(FCN24をテトラヒドロフランに溶解し 、この溶液に4.4当量のアクリロニトリル(ACN)を上記の記載と同様に添 加した。変換率は、約90%であった。 分離された反応生成物を1H−NMRおよび13C−NMRならびに質量分析法 で分析し、かつDAB(BA)4((FCN24(ACN)4)であることを見い 出した。 例XI 例Xで得られた生成物DAB(BA)4((FCN24(ACN)4)を例Vの 記載と同様にして水素添加した。 このために、DAB(BA)4((FCN24(ACN)4)約30gを反応器 中に装入した。DAB(BA)4((FCN24(ACN)4)に関連する触媒約 30%を添加した。アンモニアとDAB(BA)4((FCN24(ACN)4) とのモル比は、約9であった。 分離された生成物を13C−NMR分光分析法で分 析し、これにより、生成物が であることが明らかになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エレン マルレーン モニケ デ ブラン ダンダー−ファン デン ベルフ オランダ国 NL−6438 ベーエー シネ ン プロフィンシアレ ウェフザイド 30 (72)発明者 アッツェ ヤン ネイエンハイス オランダ国 NL−6132 ハーベー シッ タート ハンヘルトストラート 2

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.芯および該芯から発出している枝からなる樹枝状高分子物質において、この 枝が3〜50個の炭素原子および少なくとも1個のシアン化物基を有するモノハ ロゲン化炭化水素化合物から構成されたハロゲンシアン化物単位からの求核置換 反応により調製されたものであり、この場合ハロゲンおよびシアン化物基は、互 いに少なくとも3個の炭素原子によって分離されていることを特徴とする、樹枝 状高分子物質。 2.ハロゲンシアン化物単位が1〜20個のシアン化物基を有する、請求項1記 載の樹枝状高分子物質。 3.ハロゲンが塩素または臭素である、請求項1または2に記載の樹枝状高分子 物質。 4.芯および該芯から発出している枝からなる樹枝状高分子物質において、枝が 4〜51個の炭素原子を含有するアルキルアミン単位から形成されており、この 場合アルキル鎖の線状部分は、少なくとも4個の炭素原子を有し、かつこのアル キル鎖は、分枝鎖状であってもよいし、分枝鎖状でなくともよいことを特徴とす る、樹枝状高分子物質。 5.芯がヒドロキシル基、第1アミン基および/または第2アミン基を官能基と して有している、請求項1から4までのいずれか1項に記載の樹枝状高分子 物質。 6.芯がポリメチレンジアミン、グリコールおよびトリス(1,3,5−アミノ メチル)ベンゼン、(共)重合体および樹枝状高分子物質の群から選択されてい る、請求項5記載の樹枝状高分子物質。 7.多数の枝の発生時点が存在し、n回目に発生した枝の数が芯の反応性部位rc の数を超え、かつrn-1によって乗じた芯の反応性部位の数rcに等しいか、ま たはrn-1によって乗じた芯の反応性部位の数rcよりも少なく、この場合rは、 それぞれの官能基の反応性部位の数である、請求項1から6までのいずれか1項 に記載の樹枝状高分子物質。 8.発生回数nが1〜10である、請求項1から7までのいずれか1項に記載の 樹枝状高分子物質。 9.発生回数が存在する場合、n回目に発生した枝の化学組成および/または構 造が(n+1)回目に発生した枝の化学組成および/または構造とは異なってい る、請求項1から8までのいずれか1項に記載の樹枝状高分子物質。 10.樹枝状高分子物質の枝が式1: 〔式中、 iは、1、2・・・mであり、 Ri 2およびRi 3は、H原子であるか、または線状もしくは脂環式のアミド基、エ ステル基またはニトロ基あるかまたは芳香族のアミド基、エステル基またはニト ロ基であり、この場合Ri 2およびRi 3は、同一かまたは異なり、かつ異なる発生 時点でのRi 2およびRi 3は、同一かまたは異なり、 mは、2以上であり、 5は、H原子であるかまたは次の発生時点での単位であり、 R6は、H原子であるかまたは次の発生時点での単位であり、 発生時点でのR5およびR6は、同一でも異なっていてもよい〕に相当する単位を 含有している樹枝状高分子物質。 11.式1に相当する少なくとも4個の単位が存在している、請求項10記載の 樹枝状高分子物質。 12.請求項1から11までのいずれか1項に記載の樹枝状高分子物質を製造す る方法において、この方法が工程a)〜c)で: a)芯分子物質の実質的に全ての官能基を単量体ハロゲンシアン化物単位と反 応させ、 b)実質的に全ての混入されたシアン化物基を水素添加し、アミンに変え、 c)実質的に全てのアミン基を単量体ハロゲンシアン化物単位と反応させ、こ の場合工程b)とc)は、交互に行なわれ、この場合この方法は、工程a)、b )またはc)の何れかの後に中断させることができることを特徴とする、樹枝状 高分子物質の製造法。 13.反応工程a)およびc)を溶液中で行ない、この場合溶剤は、水、アルコ ールおよびカルボン酸からなる群に属している、請求項12記載の方法。 14.溶剤がエタノールである、請求項13記載の方法。 15.工程c)の代わりに、実質的に全てのアミン基をマイケル付加反応でシア ン化ビニル単位と反応させる、請求項12記載の方法。 16.シアン化ビニルをアクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびフマロジ ニトリルからなる群から 選択する、請求項15記載の方法。 17.水素添加反応が起こる溶剤は、アンモニア量を含有するアルコールであり 、この場合アンモニアとシアン化物基の数とのモル比は、0.8よりも高く、か つ50よりも低い、請求項12から15までのいずれか1項に記載の方法。 18.水素添加反応に使用される触媒は、ラニーニッケルまたはラニーコバルト である、請求項12から17までのいずれか1項に記載の方法。 19.水素添加反応における触媒量とシアン化物を末端基とする樹枝状高分子物 質との重量比は、50重量%未満である、請求項12から18までのいずれか1 項に記載の方法。
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