JPH09506263A - IFN−γレセプターβ−鎖およびその誘導体 - Google Patents

IFN−γレセプターβ−鎖およびその誘導体

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JPH09506263A JP7516386A JP51638695A JPH09506263A JP H09506263 A JPH09506263 A JP H09506263A JP 7516386 A JP7516386 A JP 7516386A JP 51638695 A JP51638695 A JP 51638695A JP H09506263 A JPH09506263 A JP H09506263A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は新規なレセプターサブユニットポリペプチドに関するものである。さらに詳しくは本発明は、インターフェロンレセプターファミリーに属しそしてインターフェロンγ(IFN−γ)のシグナルトランスダクションに必要な種特異的な共因子である新規な貫膜タンパク質に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 IFN−γレセプターβ−鎖およびその誘導体 [発明の分野] 本発明は新規なレセプターサブユニットポリペプチドに関するものである。特 に本発明はインターフェロンレセプター系統群に属し、インターフェロン−γ( IFN−γ)のシグナルトランスダクション(導入)に必要な種特異的コファク ター(補因子)である新規な貫膜蛋白に関するものである。 [発明の背景] インターフェロン類(IFNs)は、広範囲のタイプの細胞に様々の生物学的 活性を及ぼすサイカトイン類の種々の群である。3つのタイプのインターフェロ ンが知られており、それらは種々の条件下で種々のタイプの細胞によって生産さ れる。ウイルス感染に反応して、リンパ球はまずインターフェロン−α(これは また白血球インターフェロンとしても知られている)を合成し、一方繊維芽細胞 は感染により通常はインターフェロン−β(これはまた繊維芽細胞インターフェ ロンとしても知られている)を誘導する。インターフェロン−αと−βは構造的 にも機能的にも関連した蛋白であって、タイプIのインターフェロンと総称され る。これと対照的に、IFN−γ(免疫インターフェロン)はそのアミノ酸配列 においてタイプIのインターフェロンと殆ど関連性がなく、マイトジェンに反応 してリンパ球によって合成される。従ってIFY−γはまたタイプIIのインタ ーフェロンとも呼ばれる。 IFN−αと−βは、遍在的に発現するところの恐らくは通常のレセプターと の結合を通してそれらの生物学的効果を仲介する(Uzeら,Cell 60,225-234(19 90))。IFN−γは異なるレセプターと結合する(Aguetら,Cell 55,273-280 (1988))が、2つのシグナル経路は共通の要素を含む。IFN−αと−βのレセ プター結合は、たぶん非レセプターチロシンキナーゼtyk−2で仲介されて( Valazquezら,Cell 70,313-322(1992))少なくとも2つの細胞質蛋白(p113及 び p91)のチロシンキナーゼ燐酸化を促進し、次いでそれらは核へ転移されて他の 潜在的な細胞質蛋白(p48)と複合体を形成する(Schindlerら,Science 257,8 09-813(1992))。この複合体はIFN−誘導可能な遺伝子(ISRE)の共通プ ロモータ要素に結合してそれらの転写を促進する(Leviら,Genes Dev.3,1362 -1371(1989))。IFN−γのレセプター結合はまた多分同じ残基において、但 し異なるキナーゼで仲介されてp91のチロシナーゼ燐酸化を促進する(Schind lerら,既出)。この場合に燐酸化されたp91は多分なお未同定の蛋白と複合 し(Pearseら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90,4314-4318(1993))、そしてこ の複合体はIFN−γ誘導遺伝子内に見いだされるGAS配列へ結合する(Lew ら,Mol.Cell.Biol.11,182-191(1991); Pellegrini and Schindler,Trends Biochem.Sci.(1993))。しかし、これらの早期のシグナル化現象がどのように してレセプターに結合するかの更なる解明は、2つのレセプター系の付加的な成 分の同定を必要とする。 マウスの細胞内に発現するヒトIFN−γレセプター(huIFN−γR)ま たはその逆は、トランスフェクトされたレセプターの結合性が例え存在する機能 的レセプターから識別可能と証明されても、それは非機能的である(Aguetら,C ell 55,273-280(1988); Grayら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,8497-8501( 1989); Hemmiら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,9901-9905(1989))。ヒトの 染色体21又はマウスの染色体16をコードする今までのところ未同定の種特異 的な補因子がIFN−γRの機能性のために必要とされることが提案されている (Jungら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,4151-4155(1987); Hibinoら,J.Bi ol.Chem.266,6948-6951(1991))。 IFN−γ生物学的活性をシグナルするために必要な推定上の種特異性の補因 子を同定することは望ましいであろう。組換えDNA工学または化学的合成によ る生産を可能とするようなこのポリペプチドのアミノ酸配列やコードしたヌクレ オチド配列を決定することは更に望ましいであろう。IFN−γの生物活性を高 めたりブロックするのに用い得る天然配列の補因子のアンタゴニストや機能的誘 導体を生産することは更にまた望ましいであろう。 [発明の要旨] 本発明はIFN−γのシグナル導入に必要な新規の補因子のクローニングや発 現に基づくものである。もっと具体的には、新規な貫膜蛋白をコードするcDN Aをつくり、配列決定しそして発現することにより、IFN−γのシグナル導入 に必要な種特異的な補因子として同定され、以下にはIFN−γレセプターβ− 鎖として示されるポリペプチドを製造するものである。この新規なポリペプチド 又はその密接なホモローガス体はまた、例えばIFN−α/βレセプター、エリ スロポイエチン(EPO)レセプター、IL−10及び多分その他のサイトカイ ンレセプターのような他のレセプターの構成要素であると信じられる。 一つの観点において本発明は、天然のIFN−γレセプターβ−鎖またはその 機能的誘導体である単離されたIFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチドに関す るものである。特定の実施態様においては、このポリペプチドは機能的貫膜領域 を欠如している。本発明のある種のIFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチドは 、細胞質領域内にLEVLD配列を含むことによって特徴づけられている。更な る実施態様においてはIFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチドはIFN−γレ セプターα−鎖、IFN−αもしくは−βレセプター又はEPOレセプターと会 合しており及び/または異質のポリペプチドと融合している。異質ポリペプチド は、IFN−γレセプターβ−鎖が削除または不活性化された貫膜領域と好まし くは融合されている免疫グロブリン配列を含むことができ、IFN−γ生物活性 をシグナルし又は阻害する融合蛋白を与える。 IFN−γレセプターβ−鎖および例えばそのフラグメントのような機能的誘 導体(それらはまた化学的方法で合成もできる)は、免疫原性ポリペプチドと( 組換え発現もしくは試験管内共有結合法で)融合することができ、そしてこの融 合ポリペプチドはIFN−γレセプターβ−鎖サブユニットエピトームに対する 抗体を出現させるために動物を免疫化するのに用いる。抗IFN−γレセプター β−鎖抗体は、免疫動物の血清から回収される。またはモノクローナル抗体は、 通常の方法で免疫動物の細胞から作成される。通常のスクリーニングで同定した 抗体はIFN−γレセプターβ−鎖に結合するが、それ以外の如何なる公知のレ セ プターサブユニットとも実質的に交差反応しない。免疫化した抗IFN−γ β −鎖抗体は、抗体の結合したカラムにβ−鎖を含む混合物を通してIFN−γレ セプターβ−鎖を精製したり、又はこれを検出(試験管内または生体内で)する のに特に有用である。 IFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチドの置換的、削除的または挿入的な変 異体は試験管内または組換え法で作成され、そして天然のIFN−γレセプター β−鎖との免疫交差反応性やIFN−γレセプターアゴニストもしくはアンタゴ ニスト活性(即ちIFN−γ生物活性をシグナルもしくは阻害する能力)につい てスクリーニングが行われる。 IFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチドはまた、特にIFN−γレセプター β−鎖もしくはその抗体の検出の目的のため又は抗IFN−γレセプターβ−鎖 抗体のアフィニティ精製のために免疫化β−鎖および標識化β−鎖を試験管内で 作成するために誘導体化される。 IFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチド及び特にそのようなポリペプチドと 結合した抗体は特に治療用途のために、生理的に許容されるベヒクルと共に処方 される。そのようなベヒクルは作用持続性処方を包含する。 別の観点において本発明は、IFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチドをコー ドする単離された核酸分子に関する。そのような核酸分子は好ましくは、例えば 図2Aに示すようなアミノ酸配列をもつマウスIFN−γレセプターβ−鎖もし くは図5に示すようなアミノ酸配列をもつ天然のヒトIFN−γレセプターβ− 鎖のような天然のIFN−γレセプターβ−鎖をコードする核酸配列の相補配列 と厳しい条件下でハイブリッド化が可能なヌクレオチド配列を含む。 他の実施態様において核酸分子は、図2Aに示すようなアミノ酸配列もしくは 図5に示すようなアミノ酸配列と、約65%より大きなアミノ酸配列ホモロジー をもつポリペプチドをコードする核酸配列を含む。 更に他の実施態様においては、核酸分子は: (a)天然のIFN−γレセプターβ−鎖遺伝子のコード領域から誘導された 核酸配列をもつcDNAクローン; (b)厳しい条件下で(a)のクローンにハイブリッド化が可能なDNA配列 ;並びに (c)天然に存在するIFN−γレセプターβ−鎖分子の生物学的性質をもっ た蛋白をコードする(a)及び(b)のDNA配列のいずれかの遺伝子的変種 より成る群から選ばれたものである。 更に別の観点において本発明は、ベクターで形質転換した宿主細胞で認識され る制御配列に機能的に結合しているIFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチドを コードする核酸分子を含む発現ベクターに関するものである。 他の観点において本発明は、上記のベクターで形質転換した宿主細胞に関する ものである。 異なる観点において本発明は、ベクターで形質転換した宿主細胞で認識される 制御配列と機能的に結合し発現されるべき核酸分子を含むベクターで形質転換し た培養宿主細胞内にそれを発現することを含むIFN−γレセプターβ−鎖をコ ードする核酸分子を用いる方法、および宿主細胞からIFN−γレセプターβ− 鎖を回収する方法に関するものである。 更に異なる観点において本発明は、その転写に影響を及ぼすために核酸分子に 十分な近い位置と配置で転写モジュレーション要素をIFN−γレセプターβ− 鎖をコードした核酸を含む細胞のDNAの中へ挿入することを含む、IFN−γ レセプターβ−鎖の生産方法に関するものである。IFN−γレセプターβ−鎖 が生産される細胞のDNAは、更にIFN−γレセプターα−鎖もしくは他のサ イトカインレセプター又はそれらの鎖/サブユニットをコードするDNAを含ん でいてもよい。 本発明は更に、β−鎖をコードするDNAを試料核酸にハイブリッドし、そし てIFN−γレセプターβ−鎖DNAの存在を決定することを含む、IFN−γ レセプターβ−鎖の存在の決定方法に関するものである。 更に別の観点において本発明は、 (a)IFN−γレセプターβ−鎖を得る細胞を用意し; (b)転写モジュレーション要素を細胞の中へ導入し;そして (c)β−鎖核酸の転写が増大または減少する細胞をスクリーニングする ことを含む、IFN−γレセプターβ−鎖をコードする核酸の転写が増大または 減少した細胞を得る方法に関するものである。 更に他の観点において本発明は、天然のIFN−γレセプターβ−鎖のアンタ ゴニストに関するものである。そのようなアンタゴニストはIFN−γおよびそ の他の天然のポリペプチド(たとえばインターロイキン、EPO、IFN−α/ β)の生物作用をブロックすることができ、そのシグナル導入は天然のIFN− γレセプターβ−鎖またはその類似のホモローガス体(機能的誘導体)が関係す る。 更に他の観点において本発明は、IFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチドも しくはそのようなポリペプチドのアンタゴニスト、またはIFN−γレセプター β−鎖ポリペプチドもしくはそのアンタゴニストに特異的に結合する抗体および 医薬的に許容される担体を含む医薬組成物に関するものである。 [図面の簡単な説明] 図1。新規なマウスIFN−γレセプターβ−鎖の不存在下または存在下に、 マウスIFN−γレセプターを安定に発現するCOSN31細胞内での、IFN −γ誘導可能なTac抗原リポーター構築とその発現。(A)リポーター構築p UMS(GT)8−Tacは、ヒトTac抗原の強固なIFN−γ誘導可能発現 のために設計された。6量体の繰り返し(GAAAGT)8からなり、ウサギβ −グロビンプロモーター(RβG)のCap部位とTATAボックスを伴う人工 的プロモーターを、ヒトのTac抗原をコードするcDNAの前においた。SV 40エンハンサーを、人工的プロモーターの約1000bp上流においた。UM S、転写停止部位(McGeadyら,DNA 5,289-298(1986);pBR、4172から4 178まで延びるpBR−322誘導セグメント(Watson,Gene 70,399-403(1 988))。(B)Tac誘導リポーター構築とマウスIFN−γレセプター発現プ ラスミドで安定にトランスフェクトしたCOSN31細胞を、細胞フルオロメト リーを用いてIFN−γ−誘導可能Tac抗原発現のためにモニターした。細胞 をヒトの(連続した太い線)もしくはマウスのIFN−γ(太い点線)の20 0U/mlと共に37℃で48時間培養するか、または無処置(細い線)とした 。FITF−接合ウサギ抗マウスIgGF(ab’)2抗体のバックグラウンド 染色を、抗−Tac抗原抗体の不存在下で行い、細い点線で示した。(C)CO SN31細胞内でのTac抗原発現は、マウスIFN−γレセプターβ鎖をコー ドするcDNAで一時的に再構築した。COSN31細胞をマウスIFN−γレ セプター(muIFN−γR)β−鎖をコードする発現プラスミドpAGS−C 19でトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞を、ヒトの(連続した 太線)もしくはマウスのIFN−γ(太い点線)の200U/mlと共に37℃ で48時間培養するか、または無処置(細い線)とした。バックグラウンド染色 とTax抗原の発現を上記のようにしてモニターした。バックグラウンド染色は 、無処置の細胞(B)と比較すると一定して僅かに一時的にトランスフェクトし た細胞内で増加した。 図2。(A)muIFN−γR β−サブユニット(SEQ.ID.Nos: 1及び2)の推定アミノ酸配列とヌクレオチド。(B)IFNレセプター系の一 員として同定(Bazan,Cell 61,753-754(1990))した、タイプIのIFN−α レセプターの二重細胞外領域(muIFN−α−R1/R2,SEQ.ID.N os:3及び4)並びにmuIFN−γRの公知のリガンド結合(muIFN− γRα、SEQ.ID No:5)との、muIFN−γRβ−鎖の細胞外部分 (SEQ.ID.No:6)の推定アミノ酸配列の整合。 図3。muIFN−γRα−鎖を発現するHEp−2細胞内のmuIFN−γ Tβ−鎖の機能性。(A,B)muIFN−γRα−鎖単独(Hep243.7 )か又はmuIFN−γRβ−鎖と共に(Hep−2♯6)永久的に転換された HEp−2細胞内のIFNγ−誘導のMHCクラスI(A)又はMHCクラスI I(B)抗原発現の細胞フルオロメトリー。細胞を200U/mlのヒトの(連 続した太線)もしくはマウスの(太い点線)IFN−γと共に37℃で60もし くは84時間培養するか、または無処置(細い線)とした。FITC−接合した ウサギ抗マウスIgGF(ab’)2抗体のバックグラウンド染色を、抗−Ta c抗原抗体の不存在下に行い、そして細い点線で示した。(C)muIFN−γ R α−鎖単独(HEp−2♯43.7)もしくはmuIFN−γRβ−鎖と共に( HEp−2♯6)ハイブリッド化プローブとしてIRF−1cDNAを用いて発 現するHEp−2細胞からのmRNAのノーザンブロット分析。細胞は200U /mlのヒトの(b)もしくはマウスの(c)IFN−γの不存在下(a)また は存在下に37℃で24時間培養した。レーンごとに10μgの全RNAを用い 、そしてハイブリッド化は、マウスとヒトのIRF−1の間の保存領域に特異的 なオリゴヌクレオチドプライマーを使用して全COS−7細胞RNAから増幅し た無差別標識PCT−誘導IRF−1プローブを用いての標準的製法によって行 った。ラットのGAPDH cDNAプローブでのハイブリッド化(Fortら,Nu cl.Acids.Res.13,1431-1442(1985))は、負荷されたRNAの量には顕著な 差のないことを示した。(D)ヒトの(白ぬきの印)もしくはマウスの(中黒の 印)IFN−γで処理したHEp−2♯43.7(四角印)対HEp−2♯6( 丸印)の抗ウイルス反応。細胞を、組換えヒトもしくはmuIFN−γの3倍系 列希釈で37℃で24時間96ウエル内(2x104細胞/ウエル)で培養し、 次いで10-3の多重性感染で水疱性口内炎ウイルス(VSV;インディアナ株) へチャレンジした。VSVの細胞質効果(CPE)は、クリスタルバイオレット で染色しA490を測定して37℃で36時間後に定量した。CPEからの完全保 護(100%)は、未処理で未感染の細胞と未処理でVSV感染の細胞の吸光度 の差に対応した。記載の値は3回の平均値±標準偏差である。(E)両方のmu IFN−γRサブユニットを発現するHEp−2におけるマウスの(中黒印)対 ヒトの(白抜き印)IFN−γの成長阻止効果。細胞を104細胞/ウエルの初 期濃度で2cm2のウエルに植え付け、種々の濃度のヒトの(白抜き印)もしく はマウスの(中黒印)ものと37℃で72時間培養し、そして計数した。記載の 値は2回の平均±標準偏差である。 図4。ヒトIFN−γRβ−鎖(SEQ.ID.No:7)のヌクレオチド配 列。 図5。ヒトIFN−R−鎖(SEQ.ID.No:8)の推定アミノ酸配列。 [発明の詳細な説明] A.定義 IFN−γレセプターは種々のヒトの(Aguet,M.& Merlin,G.,J.Exp.Me d.165,988-999(1987); Novick,D.ら,J.Biol.Chem.262,8483-8487(1987 );Calderon,J.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85,4837-4841(1988))及び マウスの(Basu,M.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85,6282-6286(1988))細 胞タイプから精製されており、細胞特異的なグリコシル化によるある種の構造的 異質性を示す90から95kDaの一本鎖膜内在性糖蛋白として特徴づけられる 。ヒトIFN−γレセプターの一次配列は Aguetら,Cell 55,273-280(1988)に よって解明された。彼らはλgt11内で作製したRaju細胞発現ライブラリ ーから2.1kbのヒトIFN−γレセプターcDNAをクローンし、発現させ 、そして配列決定している。マウスのインターフェロンガンマ(IFN−γ)レ セプターのためのcDNAのクローニングと発現はGrayらおよびHemmiらにより 報告されている(Gray,P.W.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,8497-8501( 1989)及びHemmiら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,9901-9905(1989))。本 発明に於いては、インターフェロン−γレセプター、IFN−γレセプター、イ ンターフェロンγレセプターα−鎖、及びIFN−γRα−鎖という用語は相互 交換的に使用され、そしてAguetら(1988)(既出)により報告されたヒトIF N−γレセプター、Grayら(1988)(既出)もしくはHemmiら(既出)により報 告されたマウスIFN−γレセプター、動物のあらゆる種におけるそれらの均等 物、およびそのような天然配列のIFN−γレセプターの機能的誘導体を含むポ リペプチド分子のファミリーを表す。 IFN−γレセプターβ−鎖、IFN−γRβ−鎖、IFN−γレセプターβ −鎖ポリペプチド、IFN−γレセプターβ−サブユニット、及びそれらの文法 的変形のような用語は、図2Aに示すような1から314までのアミノ酸をもつ 天然のマウスIFN−γレセプターβ−鎖、図5に示すような天然のヒトIFN −γレセプターβ−鎖、あらゆる動物種におけるそれらの均等物、及びそのよう な天然配列のポリペプチドの機能的誘導体を意味する。 天然のポリペプチドの「機能的誘導体」とは、天然のポリペプチドと共通の定 性的生物活性をもつ化合物である。IFN−γレセプターα−鎖ポリペプチドの 機能的誘導体とはAguetら(既出)の天然のヒトIFN−レセプター又は、Gray ら(既出)もしくはHemmiら(既出)の天然のマウスIFN−γレセプターと共 通の定性的生物活性をもつ化合物である。IFN−γレセプターβ−鎖の機能的 誘導体は、図2Aの天然のマウスIFN−γレセプターβ−鎖または図5の天然 のヒトIFN−γレセプターβ−鎖と共通の定性的生物活性をもつ。「機能的誘 導体」とは次のものを含むが、ただしこれらに限定されるものではない。すなわ ち、あらゆる動物種(ヒトを含む)からの天然のIFN−γレセプターβ−鎖ポ リペプチドのフラグメント、天然の(ヒト及び非ヒトの)IFN−γレセプター β−鎖ポリペプチド(もしくはα−鎖)の誘導体ならびにそれらのフラグメント ;但しそれらは天然のIFN−γレセプターβ−鎖(もしくはα−鎖)と共通の 生物活性をもつものとする。「フラグメント」とは天然の成熟IFN−γレセプ ターα−又はβ−鎖の配列の中の領域を含む。「誘導体」という用語は、アミノ 酸配列およびグリコシル化変種ならびに天然のIFN−γレセプターα−もしく はβ−鎖ポリペプチドの共有結合修飾体を定義するのに用いられ、一方、「変種 」という用語はこの定義内のアミノ酸配列変種とグリコシル化変種をいう。好ま しくは機能的誘導体は、天然配列のIFN−γレセプターα−もしくはβ−鎖と 少なくとも約65%のアミノ酸配列同等性(ホモロジー、同一性)、更に好まし くは約75%のアミノ酸配列同等性、もっと更に好ましくは少なくとも約85% のアミノ酸配列同等性、そして最も好ましくは少なくとも約95%のアミノ酸配 列同等性をもつポリペプチドである。 IFN−γレセプターα−又はβ−鎖に関しての同等性または相同性(ホモロ ジー)とは、配列を並べ、そして必要とあればギャップを導入して最大百分率の 相同性が得られる様にした後で、ただし配列同等性の一部として保存的置換は考 慮しないで、候補配列内の対応する天然のIFN−γレセプターα−またはβ− 鎖の残基と同一のアミノ酸残基の百分率と定義される。N−もしくはC−末端延 長または挿入の何れもが、同等性や相同性を減少させるものと解釈されるべきで はない。 「機能的誘導体」の定義の中の「生物活性」は1)天然IFN−γレセプター α−もしくはβ−鎖の少なくとも1つのエピトームとの免疫的交差反応性;また は2)天然のIFN−γレセプターα−もしくはβ−鎖と共通の少なくとも1つ の接着性の規則的もしくはエフェクター機能定性性をもつこととして定義される 。 ここで使用した免疫的交差反応的とは候補の(ポリ)ペプチドが、公知の活性 分子に対して出現したポリクローナル抗体もしくは抗血清で、この活性をもつ天 然のIFN−γ α−もしくはβ−鎖の定性的生物活性を競合的に阻害する能力 があることを意味する。そのような抗体や抗血清は、ヤギやウサギのような動物 に対して完全フロイントアジュバント内の公知の天然のIFN−γレセプターα −もしくはβ−鎖を例えば皮下注射し、ついで不完全フロイントアジュバント内 でビースター腹腔内もしくは皮下注射する通常のやりかたで作製される。 ここでIFN−γレセプターβ−サブユニットの範囲の中には、18のアミノ 酸のシグナル配列があるか若しくはない、そして開始メチオニンがあるか若しく はない図2に示すようなマウスIFN−γレセプターβ−サブユニット並びに天 然のマウスレセプターβ−鎖のフラグメント、グリコシル化物、非グリコシル化 又は完全に若しくは部分的に脱グリコシル化した変種、アミノ酸変種並びに共有 結合誘導体が含まれる;ただしそれらは図2の天然のマウスIFN−γ β−鎖 と共通の生物活性をもつものとする。更にここでIFN−γレセプターβ−サブ ユニットの範囲には、シグナル配列があるか若しくはない、そして開始メチオニ ンがあるか若しくはない図5に示すようなマウスIFN−γレセプターβ−サブ ユニット並びに天然のマウスレセプターβ−鎖のフラグメント、グリコシル化物 、非グリコシル化又は完全に若しくは部分的に脱グリコシル化した変種、アミノ 酸変種並びに共有結合誘導体が含まれる;ただしそれらは図5の天然のマウスI FN−γ β−鎖と共通の生物活性をもつものとする。天然のIFN−γレセプ ターβ−鎖は膜結合ポリペプチドであるが、可溶性のもの例えば機能的貫膜領域 を欠如するものもまたこの定義に含まれる。本発明の範囲に入るIFN−γレセ プターβ−鎖フラグメントは好ましくは少なくとも15の、好ましくは少なくと も30のアミノ酸残基、または免疫エピトーム若しくはIFN-γレセプターβ- サ ブユニットの他の生物活性部位を含む少なくとも約5つのアミノ酸残基をもつ。 「アミノ酸配列変種」という用語は、天然配列のIFN−γレセプターβ−鎖 若しくはそのフラグメントと比較してアミノ酸配列に若干の相違のある分子を表 す。通常はアミノ酸配列変種は、天然のIFN−γレセプターβ−鎖の細胞外領 域と少なくとも約65%、好ましくは少なくとも約75%、さらに好ましくは約 85%、そして最も好ましくは少なくとも約95%の相同性をもつか、または天 然IFN−γレセプターβ−鎖の細胞外領域の相補鎖に厳しい条件下でハイブリ ッド化の能力のあるDNAでコードされている。アミノ酸配列変種のの好ましい 群は、例えばマウスIFN−γレセプターβ−鎖配列の細胞質領域内のLEVL D配列モチーフのようなIFN−γ生物活性のシグナル化を行うと同定された天 然配列の中に配列モチーフを保持するか、又はこの領域内に保存的なアミノ酸変 化のみをもつ。アミノ酸変化とは、天然のアミノ酸配列における置換、挿入、削 除またはそのような変化の所望の組み合わせであってよい。 置換による変種とは、同一の位置の場所で天然の配列の中の少なくとも1つの アミノ酸残基が除去され異なるアミノ酸が挿入されたようなものである。置換は 、分子内で1つのアミノ酸のみが置換された単一置換でも、また同じ分子内で2 つもしくはそれより多いアミノ酸が置換された複数置換でもよい。 挿入による変種とは、天然のアミノ酸配列内の特定の位置のアミノ酸のすぐ隣 接するところへ1つまたはそれより多いアミノ酸を挿入したものである。アミノ 酸にすぐ隣接ということは、該アミノ酸のα−カルボキシ又はα−アミノ官能基 の何れかと接続していることを意味する。 削除による変種とは、天然のアミノ酸配列の中の1つまたはそれより多いアミ ノ酸が除去されたものである。元来は、削除による変種は分子の特定領域内で1 つまたはそれより多いアミノ酸が削除されたものである。 「グリコシル化変種」とは、天然のIFN−γレセプターβ−鎖のそれとは異 なるグリコシル化プロファイルをもつIFN−γレセプターβ−鎖分子を意味す るのに用いる。ポリペプチドのグリコシル化は、通常はN−結合またはO−結合 である。N−結合とは、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の付加を意味 する。トリペプチド配列、アスパラギン−X−セリン及びアルパラギン−X−ス レオニン(但しXはプロリンを除く如何なるアミノ酸であってもよい)は、アス パラギン側鎖への炭水化物部分の酵素的付加の認識配列である。O−結合グリコ シル化とは、ヒドロキシアミノ酸、最も普通にはセリン若しくはスレオニンへの N−アセチルガラクトサミン、ガラクトース若しくはキシローズの糖類の1つの 付着をいうが、但し5−ヒドロキシプロリン若しくは5−ヒドロキシリジンもま たO−結合グリコシル化に含まれ得る。その天然の対応部分と比べて変種やフラ グメントの中に存在する炭水化物部分の位置及び/または性質の如何なる相違も この中に含まれる。 天然のポリペプチドのグリコシル化のパターンは、HPAEクロマトグラフィ ー(Hardy,M.R.ら,Anal.Biochem.170,54-62(1988))、グリコシル結合組 成を決定するためのメチル化分析(Lindberg,B.,Meth.Enzymol.28,178-195 (1972);Waeghe,T.J.ら,arbohydr.Res.123,281-304(1983))、NMR分光 法、質量分光法、などを含む公知の分析化学技術によって決定することができる 。 「共有結合誘導体」は、天然のIFN−γレセプターβ−鎖若しくはそのフラ グメントの有機蛋白的若しくは非蛋白的誘導化剤による修飾および翻訳後の修飾 を包含する。共有結合修飾は、目標のアミノ酸残基を、選ばれた側鎖若しくは端 末残基と反応できる有機誘導化剤と反応させるか又は選択された組換え宿主細胞 の中で機能する翻訳後の修飾の利用機構によって伝統的に導入される。ある種の 翻訳後の修飾は、発現されたポリペプチドへの組換え宿主細胞の作用の結果であ る。グルタミニル基及びアスパラギニル残基はしばしば翻訳後的に脱アミノ化さ れて、対応するグルタミル及びアスパルチル残基となる。またはこれらの残基は 、温和な酸性条件下で脱アミノ化される。これらの残基の何れの型も、本発明で 定義されるIFN−γレセプターβ−鎖分子の中に存在しえる。他の翻訳後修飾 はプロリンやリジンのヒドロキシル化、セリルやスレオニル残基の水酸基の燐酸 化、リジンやアルギニンやヒスチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化を含む(T .E.Creighton,Proteins: Structure and Molecular Properties,W.H.Free man & Co.,San Francisco,pp.79-86(1983))。 「単離された」ICF−γレセプターβ−鎖核酸もしくはポリペプチドとは、 IFN−γレセプターβ−鎖核酸もしくはポリペプチドの動物もしくはヒト原料 の中に存在する夾雑核酸もしくはポリペプチドから分離され同定された核酸もし くはポリペプチドである。この核酸やポリペプチドは、診断試験の討論で以下に 記載し定義するように標識を用いて診断やプローブの目的のために標識化するこ とができる。単離されたIFN−γレセプターβ−鎖は、如何なるIFN−γレ セプターα−鎖とも会合することができ、またはα−及びβ−鎖の先端の切りと られた(truncated)型は互いにか若しくは他の鎖の全長型と会合することがで きる。 IFN−γレセプターβ−鎖「核酸」は、上で定義したIFN−γレセプター β−鎖をコードし、IFN−γレセプターβ−鎖をコードする核酸分子と相補的 であり、そのような核酸とハイブリッド化(ハイブリッド形成)し、そして厳し い条件下で安定に結合を保つか、又は天然のIFN−γレセプターβ−鎖ポリペ プチド、好ましくは図2Aに示すような翻訳されたアミノ酸配列と少なくとも約 65%の配列同等性を、好ましくは少なくとも約75%の配列同等性を、さらに 好ましくは少なくとも約85%の配列同等性を、そして最も好ましくは少なくと も約95%の配列同等性を持っているポリペプチドをコードしている、約15よ り多い塩基を含むRNA又はDNAとして定義される。 「厳しい条件」とは、(1)50℃で例えば0.015Mの塩化ナトリウム/ 0.0015Mのクエン酸ナトリウム/0.1%のドデシル硫酸ナトリウムで洗 浄するために低いイオン強度と高い温度を用いるか又は、(2)ハリブリッド化 の間ホルムアミドのような変性剤たとえば50%(v/v)のホルムアミドを0 .1%のコウシ血清アルブミン/0.1%のフィコール/0.1%のポリビニル ピロリドン/50nMの燐酸ナトリウム緩衝液でpH5および42℃で750m Mの塩化ナトリウムと75mMのクエン酸ナトリウムと共に用いるようなもので ある。他の例は、42℃での50%のホルムアミド、5xSSC(0.75Mの NaCl、0.075Mのクエン酸ナトリウム)、50mMの燐酸ナトリウム( p H:6/8)、0.1%のピロ燐酸ナトリウム、5xデンハルト溶液、音波処理 したサケの精子DNA(50μg/ml)、0.1%のSDS、及び10%の硫 酸デキストランの使用と0.2xSSC及び0.1%SDS内での42℃におけ る洗浄である。 「制御配列」という用語は、特定の宿主生物の中の機能的に結合したコード配 列の発現に必要なDNA配列を表す。例えば原核生物に適した制御配列はプロモ ーター、任意にオペレーター配列、リボソーム結合部位そして多分それ以外のま だ僅かしか理解されてない配列を含む。真核生物細胞は、プロモーター、ポリア デニル化シグナル及びエンハンサーを利用することが知られている。 核酸が他の核酸配列と機能的関係にあるときは、それは「機能的に結合」して いるという。例えばプレ配列または分泌リーダーのためのDNAは、もしもそれ がポリペプチドの分泌に関与するようなプレタンパク質として発現しているとき はポリペプチドのためにDNAと機能的に結合しており;プロモーターまたはエ ンハンサーは、もしそれが配列の転写に影響するならばコード配列に機能的に結 合しており;又はリボソーム結合部位は、もしそれが翻訳を促進するような位置 にあればコード配列に機能的に結合している。一般に「機能的に結合」とは、結 合したDNA配列が隣接していることを意味し、分泌リーダーの場合は隣接して いて読みとり相の中にある。しかしエンハンサーは隣接しているべきでない。結 合は、便宜な制限部位での連結反応によって達成される。もしそのような部位が 存在しないならば、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーが常法に 従って用いられる。 「〜をコードしているDNA配列」、「〜をコードしているDNA」及び「〜 をコードしている核酸」という用語は、デオキシリボ核酸のストランドに沿った デオキシリボヌクレオチドの順序ないしは配列を意味する。これらのデオキシリ ボヌクレオチドの順序が、ポリペプチド鎖に沿ったアミノ酸の順序を決定する。 すなわちDNA配列はアミノ酸配列をコードする。 「複製可能な発現ベクター」及び「発現ベクター」という用語は、通常は2重 鎖であって、外来DNAの断片が挿入されているDNAの断片をいう。外来DN Aは、宿主細胞内には天然には見いだされないDNAであるところの異質(ヘテ ロローガス)DNAと定義される。ベクターは、適当な宿主細胞の中へ外来の即 ち異質のDNAを輸送するのに用いる。いったん宿主細胞の中に入ると、ベクタ ーは宿主染色体DNAとは無関係に複製することができ、そのベクター及び挿入 (外来)DNAの幾つかの複製物が生成する。さらにベクターは、外来DNAの ポリペプチドへの翻訳を許容するに必要な要素を含む。外来DNAでコードされ たポリペプチドの多くの分子は、このようにして迅速に合成することができる。 本発明の明細書において「細胞」、「細胞系」及び「細胞培養」という表現は 相互交換的に使用され、すべてのそのような表現は子孫を包含する。すなわち「 形質転換体」および「形質転換(宿主)細胞」という言葉は、転移の数とは無関 係に一次的な対象細胞およびそれから誘導される培養物を含む。すべての子孫は 、意図的なまたは意図しない突然変異によってDNA含量が正確に同一でありえ ないこともまた理解されねばならない。最初に形質転換された細胞においてスク リーニングされたと同じ機能または生物活性をもつ変異体の子孫が含まれる。明 瞭な命名が意図されるときは、それは明細書から明瞭であろう。 「外因性の」要素とは、細胞にとっては異質のものであるか、又は細胞にとっ てホモローガスではあるが通常はそこには見いだされない宿主細胞核酸の中の位 置にあるような核酸配列を意味する。 抗体(Abs)及び免疫グロブリン(Igs)は、同じ構造特性をもつ糖タン パク質である。抗体は特定の抗原に対しての結合特異性をもっているが、免疫グ ロブリンは、抗体および抗原特異性のないそのほかの抗体様の分子をも含む。後 者の種類のポリペプチドは、リンパ系により低レベルで及び骨髄腫により増大し たレベルで生産される。 天然の抗体や免疫グロブリンは通常は、2つの同等な軽鎖(L)と2つの同等 な重鎖(H)から成る約150,000ドルトンのヘテロ4量体の糖タンパク質 である。各々の軽鎖は1つの共有ジスルフィド結合によって重鎖に結合しており 、 一方ジスルフィド結合の数は種々の免疫グロブリンのアイソタイプの重鎖の間で 異なっている。各々の重鎖及び軽鎖はまた、規則的間隔の内部鎖ジスルフィド架 橋をもっている。各々の重鎖はその一端に可変領域(VH)があり、それに多く の定常領域が続いている。各々の軽鎖はその一端において可変領域(VL)を、 そして他端において定常領域をもっている;軽鎖の定常領域は重鎖の最初の定常 領域と並んでおり、そして軽鎖の可変領域は重鎖の可変領域と並んている。特定 のアミノ酸残基は、軽鎖および重鎖の可変領域の間の界面を形成すると信じられ ている(Clothiaら,J.Mol.Biol.186,651-663(1985); Novotny and Haber, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,4592-4596(1985))。 可変度は、抗体の可変領域において平均に分布してはいない。それは、何れも 軽鎖及び重鎖可変領域であるところの相補性決定領域(CDR)または超可変領 域とよばれる3つのセグメント内に集まっている。可変領域のさらに高度の保存 部分はフレームワーク(FR)とよばれる。天然の重鎖と軽鎖の可変領域は各々 、β−シート構造と結合しまたある場合にはその一部分を成してループを形成す る3つのCDRと接続して殆どβ−シート配置を採用している4つのFR領域を 含む。各鎖内のCDRは、FR領域で互いに密接に保持され、そして他の鎖から のCDRと共に抗体の抗原結合部位の形成に貢献している(Kabata,E.A.ら,S equences of Proteins of Immunological Interest,NationalInstitute of Hea lth,Bethesda,MD(1987)参照)。定常領域は、抗体の抗原との結合には直接関 与しておらず、抗体依存的な細胞毒性における抗体の関与のような種々のエフェ クター機能をもっている。 抗体のパパイン消化により、Fabフラグメントと呼ばれ各々が1つの抗原結 合部位をもつ2つの同一の抗原結合フラグメントと、その名称が容易に結晶化す る能力を反映している残りの「Fc」フラグメントが生じる。ペプシン処理は、 2つの抗原結合部位をもち、そして依然として抗原と交差結合する能力のあるF (ab’)2を生じる。 「Fv」とは、完全な抗原認識および結合部位を含む最小の抗体フラグメント である。この領域は、強固であるが非共有結合的会合の状態で1つの重鎖と1つ の軽鎖の可変領域の2量体より成る。この配置において、各々の可変領域の3つ のCDRsが相互作用してVH−VL2量体の表面の抗原結合部位を定めている。 全体的には、6つのCDRsが抗体の抗原結合特異性を与える。しかし、単一の 可変領域(またはわずか3つの抗原特異的CDRsしか含まないFvの半分)で も、結合部位全体よりも低い親和力ではあるが、抗原を認識し結合する能力をも っている。 Fabフラグメントはまた、軽鎖の定常領域および重鎖の第一定常領域(CH 1)を含んでいる。Fab’フラグメントは、抗体ヒンジ領域からの1つまたは それより多いシステインの付加によって、Fabフラグメントとは異なっている 。Fab’−SHはここでは、定常領域のシステイン残基が遊離のチオール基を もっているようなFab’を表すものである。F(ab’)2抗体フラグメント は元来、それらの間にヒンジシステインを持つ対のFab’フラグメントとして 生産されたものである。他には、抗体フラグメントの化学的カップリングもまた 知られている。 いかなる脊椎動物種からの抗体(免疫グロブリン)の軽鎖も、それらの定常領 域のアミノ酸配列に基づいてカッパ及びラムダ(λ)と呼ばれる2つの明瞭に区 別されたタイプの1つに帰属させることができる。 それらの重鎖の定常領域のアミノ酸配列に基づき、免疫グロブリンは種々のク ラスに分けることができる。免疫グロブリンにはIgA、IgD、IgE、Ig G及びIgMの5つの主要なクラスがあり、これらのうち幾つかは更にサブクラ ス(イソタイプ)に分けることができる。例えばIgG−1、IgG−2、Ig G−3及びIgG−4;IgA−1及びIgA−2。異なるクラスの免疫グロブ リンに対応する重鎖定常領域はそれぞれα、デルタ、イプシロン、γ及びμと呼 ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造と3次元立体配置は 公知である。IgA−1およびIgA−2はIgAのモノマーのサブユニットで あり、通常ダイマーまたは大きなポリマーの形である。腸の中の免疫細胞は主と してポリマーのIgA(これはまたダイマー及び大きなポリマーを含むポリIg Aとも呼ばれる)を生成する。そのようなポリIgAは「結合(joining)」ま たはJ鎖とよばれるジスルフィド結合したポリペプチドを含み、5つサブユニッ トを含むJ鎖含有のポリマーIgM(poly-IgM)と共に腺上皮を通って輸送され 得る。 「抗体」という用語は最も広い意味で用いられ、具体的には単一の抗IFN− γレセプターβ−鎖モノクローナル抗体(アゴニスト及びアンタゴニスト抗体を 含む)並びにポリエピトープ特異性をもつ抗IFN−γレセプターβ−鎖抗体組 成物を含む。 ここに使用した「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一の抗体の 集団から得られたものであり、すなわちその集団を含む個々の抗体は、少量存在 するかもしれぬ多分天然の突然変異種を除いて同等である。モノクローナル抗体 は、単一抗原部位に対し高度に特異的である。更に、種々の決定因子(エピトー プ)に対する種々の抗体を含む通常の(ポリクローナル)抗体製剤とは対照的に 、各々のモノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定因子に対するものである。 それらの特異性に加えてモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ培養で合成され 他の免疫グロブリンで汚染されていないという利点をもっている。 ここにいうモノクローナル抗体は、抗IFN−γレセプターβ−鎖抗体の可変 領域(超可変領域を含め)を定常領域と継ぎ合わせたもの(たとえば「ヒト化し た」抗体)(そのうち1つだけがIFN−γレセプターβ−鎖に対するものであ る)で、若しくは軽鎖と重鎖を、若しくは1つの種からの鎖を他の種からの鎖と 継ぎ合わせることにより、得られるハイブリッドや組換え抗体、または種や、免 疫グロブリンのクラスやサブクラス表示とは無関係の異種タンパク質の融合体、 および所望の生物活性を示す限り、それらの抗体フラグメント(例えばFab、 F(ab’)2及びFv)が包含される(例えばCabillyら,U.S.Pat.No.4,8 16,567; Mage & Lamoyi,in Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.79-97(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987)を参照)。 すなわち「モノクローナル」という修飾語は抗体の実質的に均一な集合から得 られた抗体の特性を示すものであって、いかなる特定の方法による抗体の生産を 必要とするものであるとも解釈されるべきではない。例えば本発明により使用さ れるべきモノクローナル抗体は Kohler & Milstein,Nature 256:495(1975)に最 初に記載されているようなハイブリドーマ法で作ってもよいし、又は組換えDN A方法で作ってもよい(Cabillyら,U.S.Pat.No.4,816,567)。 非ヒト(例えばマウス)の抗体の「ヒト化された」型とは、免疫グロブリン、 免疫グロブリン鎖またはそれらのフラグメント(例えばFv、Fab、Fab’ 、若しくは抗体のその他の抗原結合サブ配列)であって、非ヒト免疫グロブリン から誘導された最小配列を含むものである。大抵の場合、ヒト化された抗体は、 受容体の相補性決定領域(CDR)の残基が、所望の特異性、親和性および能力 をもつマウス、ネズミ又はウサギのような非ヒト種(ドナー抗体)のCDRから の残基で置き換えられたようなヒト免疫グロブリン(受容体抗体)である。若干 の例においては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は対応する非ヒ ト残基で置き換えられる。更に、ヒト化された抗体は、受容体抗体や移入CDR 若しくはフレームワーク配列の何れにも見いだされない残基を含み得る。これら 修飾は抗体性能をさらに改善し最適とするために行われる。一般にヒト化された 抗体は、少なくとも1つの、通常は2つの可変領域の実質的にすべてを含み、そ の中でCDR領域のすべて又は実質的にすべては非ヒト免疫グロブリンのそれら に対応し、そしてFR領域のすべて又は実質的にすべてはヒト免疫グロブリン共 通配列のそれらである。ヒト化された抗体はまた免疫グロブリン定常領域(Fc )の少なくとも一部分を、通常はヒト免疫グロブリンのそれを最適に含んでいる 。 B.IFN−γレセプターβ−鎖をコードするDNAの単離 本発明の目的のために、IFN−γレセプターβ−鎖をコードするDNAは、 IFN−γレセプターβ−鎖mRNAを持ち、かつそれを検出可能レベルで発現 すると信じられる組織から作成した如何なるcDNAライブラリーからでも得る ことができる。例えば、実施例に記載のようなマウスB−細胞白血病細胞から作 成したcDNAライブラリーはIFN−γレセプターβ−鎖cDNAの良い材料 である。IFN−γレセプターβ−鎖遺伝子もまた、例えばヒトゲノムコスミド ライブラリーのようなゲノムライブラリーから得ることができる。 IFN−γレセプターβ−鎖DNAの同定は、ヒト若しくは他の哺乳類のcD NA若しくはゲノムライブラリーを公知の基準(たとえば配列は疑似陽性が最小 となるように十分に明瞭で十分に長いというような)に従って図2Aに示すよう なβ−鎖配列から選ばれた標識オリゴヌクレオチド配列でプローブすることによ って最も便宜に達成される。通常は、特にもしもオリゴヌクレオチドがメチオニ ンやトリプトファンに対する1つ又はそれより多いコドンを含んでいるときは、 約30から50の塩基をもつ32P−標識オリゴヌクレオチドが十分である。単離 された核酸は、核酸原料の夾雑する他のポリペプチドをコードする核酸から分離 、同定したDNAであろう。この核酸は診断目的のために標識することができる 。 IFN−γレセプターβ−鎖DNAをコードする遺伝子を単離する他の手段は 、次のものに記載のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用である。すなわちU .S.Patent No.4,683,195,issued 28 July 1987; Section 14 of Sambrookら ,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,second edition,Cold Spring Ha rb or Laboratory Press.New York,1989; Chapter 15 of Current Protocols in Molecular Biology,Ausubelら eds.,Greene Publishing Associates and W iley-Interscience,1991。 他の手段は次のものに記載の方法の1つを用いるIFN−γレセプターβ−鎖 をコードした遺伝子を化学的に合成することである。すなわち Engels and Uhlm ann,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.28,716(1989)。これらの方法はトリエステ ル法、亜燐酸塩法、フォスフォールアミダイト法及びH−フォスフォネート法、 PCR及び他のオートプライマー法並びに固形支持体上でのオリゴヌクレオチド 合成を含む。 C.IFN−γレセプターβ−鎖のアミノ酸配列変種 IFN−γレセプターβ−鎖のアミノ酸配列変種は、適当なヌクレオチド変化 をIFN−γレセプターβ−鎖の中へ導入して、又は所望のポリペプチドの試験 管内合成によって公知の方法で作成される。アミノ酸配列変種の構築には2つの 主要な変数がある。それは突然変異部位の位置と突然変異の性質である。IFN −γレセプターβ−鎖をコードするDNA配列のマニピュレーションを必要とし ない天然に存在するアレルという例外を除き、IFN−γレセプターβ−鎖のア ミノ酸配列変種は、天然に存在しないアミノ酸配列変種またはアレルに到達する ようにDNAを変異することで好ましくは構築される。一般的に、突然変異は天 然のIFN−γレセプターβ−鎖の細胞外領域内でおこる。IFN−γまたはそ のほかのポリペプチド(例えばサイトカイン)のシグナル導入に重要と思われる 部位ないしは領域は、IFN−γレセプターβ−鎖の活性化を含むシグナル導入 が、例えばIFN−γの抗ウイルス反応のような生物活性の試験管内の研究にお いて選択されるであろう。次いでそのような場所の部位は引き続いて、例えば( 1)まず保存的選択で置換され、次に得られる結果に応じ更に積極的な選択によ って置換され、(2)目的の残基を除去し、そして(3)同一若しくは異なるク ラスの残基を定められた部位に隣接させて挿入し、又は(1)〜(3)のオプシ ョンの組み合わせによって連続的に修飾されるであろう。 1つの役にたつ技術は「アラニンスキャニング」と呼ばれる(Cunningham and Wells,Science 244,1081-1085(1989))。この方法では、1個の残基または標 的の数残基を同定しそしてアラニンかポリアラニンで置換する。アラニン置換に 機能的感受性を示すこれらの領域は、次にアラニン置換部位に更なる又は別の置 換基を導入して精製される。 所望の変異を決めた後、IFN−γレセプターβ−鎖変種をコードする遺伝子 を既述した化学的合成で得ることができる。 さらに好ましくは、IFN−γレセプターβ−鎖アミノ酸配列変種をコードす るDNAは、これまでに作成した変種若しくはIFN−γレセプターβ−鎖の非 変種をコードするDNAの部位指向性の変異誘発で作成される。部位指向性(部 位特異性)の変異誘発により、回避しようとする削除接合点の両側に安定なデュ プレックスを形成するために十分なサイズと配列複合性を持ったプライマー配列 を得るために必要な十分な数の近傍ヌクレオチドと、所望の変異のDNA配列を コードする特定のオリゴヌクレオチド配列を使用することによって、IFN−γ レセプターβ−鎖変種を生成させることができる。通常は、変更される接合の両 側に約5〜10の残基を持つ、約20〜25のヌクレオチドの長さのプライマー が好ましい。一般に、部位特異的変異誘発の技術は、Edelmanら,DNA 2,183(19 83)のような刊行物に例示されたように公知である。評価されているように、部 位特異性変異誘発技術は通常は、一本鎖と二本鎖の両方の形で存在するファージ ベクターを用いる。部位特異性変異誘発に有用な典型的なベクターは、例えばMe ssingら,Third Cleveland Symposium on Macromolecules and Recombinant DNA ,A.Walton,ed.,Elsevier,Amsterdam(1981)に開示されたM13ファージ のようなベクターを含む。これ及びその他のファージベクターは商業的に入手可 能で、それらの使用は当業者に公知である。M13誘導のベクターを用いるDN Aフラグメント内のオリゴデオキシリボヌクレオチド指向の部位特異的変異の構 築のための多方面かつ効果的な方法は Zoller,M.J.and Smith,M.,Nucleic Acids Res.10,6487-6500(1982)に発表されている。更に、複製の一本鎖ファー ジ起源を含むプラスミドベクター(Veiraら,Meth.Enzymol.153,3(1987))もま た一本鎖DNAを得るのに用いられる。またヌクレオチド置換は、適切なDNA フラグメントを試験管内で合成しそして公知のPCR法で増幅して導入される。 一般にここにいう部位特異性の変異誘発は、その配列の中に関連するタンパク 質をコードしたDNA配列を含む一本鎖ベクターをまず得ることによって行われ る。所望の変異配列をもったオリゴヌクレオチドプライマーは一般に合成によっ て例えば Creaら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75,5765(1978)の方法で作成さ れる。次いでこのプライマーは一本鎖タンパク質配列を含むベクターでアニーリ ングされ、そして大腸菌ポリメラーゼIクレノー(Klenow)フラグメントのよう なDNA−重合酵素で処理されて変異保持の鎖の合成が完結する。すなわちヘテ ロ2本鎖が生成され、そこでは1つの鎖はもとの非変異配列をコードし、第二の 鎖は所望の変異を持っている。次にこのヘテロ2本鎖はJP101細胞のような 適当な宿主細胞の転換に使用され、変異した配列配置をもつ組換えベクターを含 むクローンを選択する。その後変異領域は取り出し、そしてタンパク質生産のた め適切な発現ベクターの中へ入れる。 PCR技術はまたIFN−γレセプターβ−鎖のアミノ酸配列変異の創製にも 用いられる。少量の鋳型DNAがPCRにおいて出発物質として用いられるとき は、鋳型DNAの中の対応する領域と配列が少し異なるブライマーは、プライマ ーと鋳型が異なっている位置だけが鋳型と異なっている特定のDNAフラグメン トの比較的大量を生成するのに用いることができる。プラスミドDNAへの変異 の導入のためには、プライマーの1つは、変異の位置と重なりそして変異を含む ように設計される;そのほかのプライマーの配列はプラスミドの反対の鎖の配列 の伸張部と同一でなければならないが、しかしこの配列はプラスミドDNAに沿 った如何なる場所にあってもよい。ただし第二のプライマーの配列は、最後には プライマーで結合したDNAの全増幅領域が容易に配列できるように最初のもの のそれから200コのヌクレオチドの中に位置していることが好ましい。ここに 述べたようなプライマー対を用いてのPCR増幅は、鋳型のコピーが若干誤り勝 ちなために多分は他の位置でプライマーで特定された変異の位置と異なるDNA フラグメントの集合を与える。 物質生成のための鋳型の比率が極端に低いときは、生産物たるDNAフラグメ ントの大多数が所望の変異を含む。この生産物質は、標準DNA技術を用いるP CR鋳型として働くプラスミドの中の対応領域を置き換えるのに用いる。離れた 位置での変異は、変異体第二のプライマーを用いるか、または異なる変異体プラ イマーで第二のPCRを行いそして2つの得られたPCRフラグメントを3つの (もしくはもっと多い)部分の連結内のベクターフラグメントに同時に接合して 同時に導入することができる。 PCR変異誘発の特定の例において鋳型プラスミドDNA(1μg)を、増幅 すべき領域の外側のプラスミドDNA内に特異な認識部位をもつ制限エンドヌク レアーゼで消化して鎖状化する。この物質のうち100ngを、4つのデオキシ ヌクレアーゼ三燐酸を含み、GeneAmp kits(Perkin-Elmer Cetus,Norwalk,CT and Emeryville,CA から入手可能)内に入っているPCR緩衝液および各25 ピコモルのオリゴヌクレオチドプライマーを含有するPCR混合物に加えて最終 容量を50μlとする。反応混合物は35μlの鉱物油で量層する。反応は10 0℃で5分間変性し、氷上へ短時間置き、そして鉱物油層の下へ1μlの Therm us aquaticus(Taq)DNAポリメラーゼ(5 units/1)(Perkin-Elmer Cetus,Norwa lk,CT and Emeryville,CA から入手可能)を加える。反応混合物をつぎの要 領でDNA Thermal Cycler(Perkin-Elmer Cetus から購入)の中へ挿入する。 2分、55℃ 30秒、72℃(ついで次を19サイクル行う) 30秒、94℃ 30秒、55℃ そして 30秒72℃ 上記のプログラムの最後に反応バイアルを Thermal Cycler から取り出し、水 相を新しいバイアルに移し、フェノール/クロロホルム(50:50容量比)で 抽出し、エタノール沈澱させ、そしてDNAを標準手法で回収する。ついでこの 物質をベクターへ挿入するために適当な処理を施す。 カセット変異誘発の変種の作成のためのもう1つの方法は Wellsら,Gene 34 ,315(1985)に記載の技術に基づく。出発物質は、変異されるべきIFN−γレ セプターβ−鎖DNAを含むプラスミド(又はベクター)である。変異されるべ きIFN−γレセプターβ−鎖の中のコドンが同定される。同定される変異部位 の各々の側には特異な制限エンドヌクレアーゼ部位がなければならない。もしも そのような制限部位が存在しないきは、IFN−γレセプターβ−鎖DNAの中 の適当な位置にそれらを導入するために上記のオリゴヌクレオチドで仲介された 変異誘発方法を用いて発生させることができる。制限部位がプラスミド内部へ導 入された後に、プラスミドをこれらの部位で切断してそれを鎖状にする。制限部 位の間のDNAの配列をコードし、但し所望の変異を含まないところの2重鎖オ リゴヌクレオチドは、標準的手法で合成される。2つの鎖は別個に合成され、つ ぎに標準的技術を用いて共にハイブリッド化される。この二重鎖オリゴヌクレオ チドはカセットとよばれる。このカセットは鎖状にされたプラスミドの末端で適 合的な3’及び5’末端をもつようにデザインされ、そのようにしてプラスミド と直接連結する。今やこのプラスミドは、変異したIFN−γレセプターβ−鎖 DNA配列を含む。 さらに、いわゆるファージミドディスプレイ法は、本発明のIFN−γレセプ ターβ−鎖のアミノ酸配列変種をつくるのに有用である。この方法は以下を含む 。(a)変異すべきIFN−γレセプターβ−鎖をコードする第一の遺伝子、第 一及び第二の遺伝子がヘテロローガスであるような天然のまたは野生型のファー ジコートタンパク質の少なくとも一部分をコードする第二の遺伝子、並びに第一 および第二の遺伝子に機能的に結合する転写調節要素を含み、それによって融合 タンパク質をコードする遺伝子融合を形成するような複製可能な発現ベクターを 構築すること;(b)第一の遺伝子内で1つもしくはそれより多い選択位置でベ クターを変異させて関連プラスミドのファミリーを形成すること;(c)適当な 宿主細胞をプラスミドで形質転換すること;(d)形質転換宿主細胞に、ファー ジコートタンパク質をコードする遺伝子をもつヘルパーファージを形質導入する こと;(e)形質転換、形質導入された宿主細胞を、プラスミドの少なくとも一 部分を含み宿主を形質転換させ得る組換えファージミド粒子の形成に適当な条件 下で培養すること、ただし該条件は粒子上で少量以下のファージミド粒子が1つ のコピーより多い融合タンパク質を表示するように調節されている;(f)ファ ージミド粒子を適当な抗原と接触させてファージミド粒子の少なくとも一部分を 抗原と結合させること;そして(g)結合しているファージミド粒子を非結合の ものから分離すること。(d)から(g)までの工程は一回またはそれ以上繰り 返すことができる。好ましくはこの方法においてプラスミドは転写調節因子の厳 しい管理下におかれ、且つ培養条件は、粒子表面上で融合タンパク質の1つより 多いコピーを表示するファージミド粒子の数ないし量が約1%より少なくなるよ うに調節される。また好ましくは融合タンパク質の1つより多いコピーを表示す るファージミド粒子の量は、融合タンパク質の単一コピーを表示するファージミ ド粒子の量の10%より少ない。最も好ましくは、その量は20%より少ない。 この方法において通常は発現ベクターは、ポリペプチドの各サブユニットをコー ドするDNAに融合した分泌シグナル配列を更に含み、そして転写調節要素はプ ロモーター系であろう。好ましいプロモーター系は、lacZ,λPL、tac、 T7ポリメラーゼ、トリプトファン及びアルカリ性ホスファターゼプロモーター 並びにそれらの組み合わせから選ばれる。また通常は、この方法はM13K07 、 M13R408、M13−VCS及びPhiX174から選ばれたヘルパーファ ージを用いるであろう。好ましいヘルパーファージはM13K07であり、好ま しいコートタンパク質はM13ファージ遺伝子IIIコートタンパク質である。 好ましい宿主は大腸菌および大腸菌のプロテアーゼ欠乏株である。 これまで述べたものや類似の変異誘発技術の詳細は一般の教科書の中に見いだ される。例えば Sambrookら,(既出)およびCurrent Protocols in Molecular Biology,Ausubelら eds(既出)。 アミノ酸置換変種は、天然のIFN−γレセプターβ−鎖分子内に少なくとも 1つのアミノ酸が除去されており、その場所に異なる残基が挿入されている。置 換変異誘発に大いに興味のある部位は、シグナルトランスダクション(導入)及 び/またはリガンド結合に重要であるとして同定される部位;細胞外領域の中の 領域、又はマウスIFN−γレセプターβ−鎖のアミノ酸部位280−284の LEVLD配列モチーフ(およびヒトを含む他の種の天然のレセプター内の同等 物);並びにいろんな種の天然のIFN−γレセプターβ−鎖の中のアミノ酸が 側鎖バルク、チャージ及び/または疎水性において実質的に異なっているような 部位を含む。 他の興味ある部位は、いろんな種からの天然のIFN−γレセプターβ−鎖の 特定の残基が同等であるようなところである。これらの位置はIFN−γレセプ ターβ−鎖の生物活性のために重要であろう。これ以外に変異誘発に重要な部位 は、図2Bで囲みの中にある2つのシステイン対と保存プロリン、トリプトファ ン及びチロシン残基のようなインターフェロンレセプターファミリーの種々のメ ンバーに共通なモチーフを含む。 天然のアミノ酸は共通する側鎖の性質によって次のグループに分けられる。 (1)疎水性のもの:ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile; (2)中性で疎水性:cys、ser、thr; (3)酸性:asp、glu; (4)塩基性:asn、gln、his、lys、arg; (5)鎖の配置に影響する残基:gly、pro;及び (6)芳香族:trp、try、phe。 保存的置換は、ひとつのグループの中のメンバーを同一グループの他のメンバ ーと交換することを含み、いっぽう非保存的置換はこれらのクラスの一つのメン バーを他のものと交換することである。IFN−γレセプターβ−鎖の短い細胞 質領域内、とくにマウスIFN−γレセプターβ−鎖の280〜284のアミノ 酸位置のLEVLD配列モチーフのようなシグナル導入のための領域内の非保存 的置換は、得られた変種の生物的性質に顕著な変化をおこすと期待され、そして IFN−γの生物活性をブロックする、すなわち対応するIFN−γレセプター β−鎖の生物活性のアンタゴニストであるかそのシグナルポテンシャルが対応す るIFN−γレセプターβ−鎖のそれを越えるようなIFN−γレセプターβ− 鎖変種を生じるであろう。同様にシグナル導入及び/またはリガンド結合に関与 するIFN−γレセプターβ−鎖細胞外領域の範囲内でお非保存的置換は、天然 のIFN−γレセプターβ−鎖の生物学的性質に顕著な変化をおこすと期待され る。IFNレセプターファミリーの種々の種及び/または種々のレセプター内で 保存されるアミノ酸の位置は、もし目的が生物活性の保持にあるならば比較的保 存的に一般に置換される。 アミノ酸配列の削除は一般に、約1から30残基、更に好ましくは約1から1 0の残基の範囲であり、そして通常は隣接的である。削除は、IFN−γレセプ ターβ−鎖の生物活性の修飾のためにシグナル導入及び/またはリガンド結合に 直接関与しない領域の中へ導入される。シグナル導入及び/またはリガンド結合 に直接関与する領域からの削除は、変異したIFN−γレセプターβ−鎖の生物 活性をさらに顕著に修飾するようであり、そしてIFN−γレセプターβ−鎖ア ンタゴニストを潜在的に生じるようである。連続的削除の数は、影響する領域た とえばβ−ひだつきのシート又はαヘリックスの中のIFN−γレセプターβ− 鎖の三次的構造を保存するように選ばれるであろう。 アミノ酸挿入は、単独または多くのアミノ酸残基の配列間挿入と同様に、ひと つの残基から100またはそれ以上の残基を含むポリペプチドまでの長さ範囲の アミノ及び/またはカルボキシ末端融合を包含する。配列間の挿入(すなわちI FN−γレセプターβ−鎖アミノ酸配列の中での挿入)は一般に、約1から10 の残基、さらに好ましくは1から5の残基、もっと好ましくは1から3の残基の 範囲でありうる。末端挿入の例は、IFN−γレセプターβ−鎖とN−末端メチ オニル残基、細菌組換え細胞培養でのその直接発現の人為産物、および組換え宿 主細胞からの成熟したIFN−γレセプターβ−鎖の分泌を促進するためのIF N−γレセプターβ−鎖分子のN末端への異質N−末端シグナル配列の融合を含 む。そのようなシグナル配列は一般に、意図した宿主細胞種から得られ、したが ってそれとホモローガスである。適当な配列は、大腸菌のSTII若しくはIp p、酵母のα因子、及び哺乳動物細胞のヘルペスgDのようなウイルスシグナル を含む。 天然のIFN−γレセプターβ−鎖分子の他の挿入変種は、免疫原性ポリペプ チド(例えば大腸菌trp遺伝子座でコードした酵素もしくはβ−ラクタマーゼ 又は酵母蛋白のような細菌ポリペプチド)のIFN−γレセプターβ−鎖のN− 若しくはC−末端への融合、並びに1989年4月6日発行の WO 89/02922 に 記載のような免疫グロブリン領域(好ましくは免疫グロブリン定常領域)、アル ブミン又はフェリチンの如き長い半減期をもつタンパク質とのC−末端融合を含 む。 変種のIFN−γレセプターβ−鎖の特性を前もって予測するのはしばしば困 難なので、最適の変種を選別するに必要な何らかのスクリーニングが望ましい。 D.DNAのクローニングベヒクルへの挿入 天然のまたは変種のIFN−γレセプターβ−鎖をコードした核酸が入手でき れば、それは通常さらにクローニングし(DNAの増幅)または発現のために複 製可能の発現ベクターの中へ連結される。 発現およびクローニングベクターは公知であり、一つまたはそれより多い選択 された宿主細胞の中でベクターを複製できるような核酸配列を含んでいる。適切 なベクターの選択は次のことに依存する。1)それがDNA増幅かDNA発現の ために用いられるべきこと;2)ベクターの中へ挿入されるDNAのサイズ;そ して3)ベクターで転換される宿主細胞。各ベクターは、その機能(DNAの増 幅またはDNAの発現)と、許容し得る宿主細胞に基づく種々の成分を含んでい る。ベクター成分は一般に次の一つまたはそれ以上を含むが、それに限定されな い。すなわち、シグナル配列、複製起源、一つまたはそれ以上のマーカー遺伝子 、エンハンサー要素、プロモーター、及び転写終止配列。 (i)シグナル配列成分 一般にシグナル配列はベクターの成分であり得るか、またはベクターの中へ挿 入されるIFN−γレセプターβ−鎖の一部分であり得る。天然のIFN−γレ セプターβ−鎖は、成熟したIFN−γレセプターβ−鎖を生成するためにポリ ペプチドの翻訳後のプロセスの間で分裂するポリペプチドのアミノ末端(DNA の5’末端)でシグナル配列をコードする。マウスのIFN−γレセプターβ− 鎖では、このシグナル配列はアミノ酸18コの長さである(図2B)。しかし天 然のIFN−γレセプターβ−鎖は、細胞外領域と細胞質領域の間(マウスIF N−γレセプターβ−鎖の225から248のアミノ酸残基)に膜固定領域を含 んでいるので、宿主細胞からは分泌されない。すなわちIFN−γレセプターβ −鎖の分泌可能なものの生成のためには、膜固定領域(貫膜領域ともよばれる) はふつうは削除されるか、さもなければ不活性化(例えば点突然変異により)さ れる。一般に細胞質領域はまた膜固定領域に沿って削除される。しかし今回はI FN−γレセプターβ−鎖の細胞質領域はこのレセプターサブユニット(両方の レセプターサブユニットの細胞外領域に加えて)により仲介されるシグナル導入 において重要な役割を果たし得るので、もしすべての生物活性が保存されるべき ならば、細胞質領域を保持するのが望ましい。切りとられた(又は貫膜領域が不 活性化された)IFN−γレセプターβ−鎖変種は、もし切りとられた変種をコ ードするDNAがアミノ末端シグナル配列を保持するならば、細胞から分泌され 得る。 本発明の範囲には天然のシグナル配列が削除され異質のシグナル配列で置き換 えられたIFN−γレセプターβ−鎖が含まれる。選択される異質のシグナル配 列は、宿主細胞で認識され処理される(すなわちシグナルペプチダーゼで分解さ れる)ものでなければならない。 天然のIFN−γレセプターβ−鎖シグナル配列を認識し処理できない原核動 物宿主細胞については、シグナル配列は例えばアルカリホスファターゼ、ペニシ リナーゼ、1pp又は熱に安定なエンテロトキシンIIリーダーの群から選ばれ た原核動物シグナル配列で置換される。酵母の分泌については、天然のIFN− γレセプターβ−鎖シグナル配列は酵母インベルターゼ、α因子、または酸ホス ファターゼリーダーで置換され得る。哺乳動物の細胞発現においては、天然のシ グナル配列は満足的ではあるが但しそのほかの哺乳動物のシグナル配列が適当で あろう。 (ii)複製起源の成分 発現ベクター及びクローニングベクターは、いずれも、一つまたはそれより多 くの選択された宿主細胞の中でベクターを複製できる核酸配列を含んでいる。一 般にクローニングベクターでは、この配列は、宿主の染色体とは独立にベクター を複製させるものであり、複製起源又は即ち自律性複製配列を含んでいる。その ような配列は種々の細菌、酵母およびウイルスで公知である。よく知られている プラスミドpBR322からの複製起源は大抵のグラム陰性細菌に適しており、 酵母の2μプラスミド起源や種々のウイルス起源(SV40、ポリオーマ、アデ ノウイルス、VSVまたはBPV)は哺乳動物の細胞の中でベクターをクローニ ングするのに有用である。複製起源は哺乳動物の発現ベクターでは必要でない( SV40起源は早期のプロモーターを含んでいるのという理由だけで通常用いて よい)。ほとんどの発現ベクターは「シャトル」ベクターであり、すなわちそれ らは少なくとも1クラスの生物の中で複製可能であるが、発現のために他の生物 の中へのトランスフェクションが可能である。例えばベクターは大腸菌の中でク ローニングされ、次いで同じベクターが、たとえそれが宿主細胞染色体とは独立 して複製可能でも、発現のために酵母もしくは哺乳動物細胞の中へトランスフェ ク ションされる。 DNAはまた宿主ゲノムへの挿入によってクローニングされる。これは例えば 、バチルスのゲノムのDNAの中に見いだされた配列と相補的なDNA配列をベ クターの中へ含有させて宿主としてのバチルス種を用いて容易に達成される。バ チルスへこのベクターをトランスフェクションすると、ゲノムとの相同の組換え および所望の異質ポリペプチドをコードしたDNAの挿入がおこる。しかしなが ら、ゲノムDNAの回収は、コードされたポリペプチド分子の切り出しには制限 酵素消化が必要なので、外で複製されるベクターのそれよりも一段と複雑である 。 (iii)遺伝子成分の選択 発現およびクローニングベクターは、選択可能マーカーとも呼ばれる選択遺伝 子を含んでいなければならない。これはベクターで形質転換された宿主細胞の生 存や成長に必要なタンパク質をコードする遺伝子である。この遺伝子の存在は、 ベクターを欠如する如何なる宿主細胞も、形質転換された宿主より成長や再生に 不利であることを保証する。典型的な選択遺伝子は(a)抗生物質やそのほかの 毒物たとえばアンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセート若しくはテトラサ イクリンに対する耐性を与え、(b)栄養素要求性の欠如を補足し、又は(c) 例えば細菌に、D−アラニンラセマーゼをコードする遺伝子のような、複合培地 から得られない臨界的栄養素を与える、ようなタンパク質をコードしている。 選択計画の一例は宿主細胞の成長を阻止するために薬物を利用することである 。異質遺伝子での形質転換に成功したこれらの細胞は、薬物耐性を与えるタンパ ク質を発現して選択規制を生き残る。そのような支配的な選択の例はネオマイシ ン(Southernら,J.Molec.Appl.Genet.1,327(1982))、ミコフェノール酸 (Mulliganら,Science 209,1422(1989))またはヒグロマイシン(Sudgenら,M ol.Cel.Biol.5,410-413(1985))のような薬物の使用である。上記の3つの 例は真核性制御配列のコントロール下に細菌遺伝子を用いるものであり、それぞ れG418若しくはネオマイシン(ゲネチシン)、xgpt(ミコフェノール酸 )又はヒグロマイシンのような適切な薬物に対する耐性を与えている。 哺乳動物細胞のための他の適当な選択マーカーの例はジヒドロ葉酸塩レダクタ ーゼ(DHFR)またはチミジンキナーゼである。このようなマーカーは、所望 の核酸の摂取に適当な細胞の同定を可能とする。哺乳動物細胞の形質転換体は、 その形質転換体のみがマーカーの摂取により生存に特異的に適したような選択圧 の下におかれる。選択圧は、培地内の選択剤の濃度がうまく変化して所望のポリ ペプチドをコードするDNAと選択遺伝子の両方の増幅に導くような条件下で形 質転換体を培養することによって行われる。増幅は、成長のために重要なタンパ ク質の生産に極めて必要とされる遺伝子が、組換え細胞の継続世代の染色体の中 に並列的に反復されるプロセスである。大量の所望のポリペプチド(p75を含 むキメラポリペプチドか又はそのセグメント)が増幅されたDNAから合成され る。 例えばDHFR選択遺伝子で形質転換した細胞は、ヒポキサンチン、グリシン 及びチミジンを欠如する培地の中ですべての形質転換体を培養することによって 先ず同定される。この場合の適当な宿主細胞は Urlaub and Chasin,Proc.Natl .Acad.Sci.USA 77,4216(1980)に記載のようにして作成され増殖されたDH FR欠如のチャイニーズハムスター卵巣(CHO)の細胞系である。特に有用な DHFRは、MTXに高度に耐性の突然変異DHFRである(EP 117,060)。こ の選択剤は、外因性のDHFRの存在にも関わらず、例えばATCC No.C C161 CHO−K1のような如何なる他の適当な宿主とでも使用できる。次 いでDHFR及び所望のポリペプチドを各々コードしたDNAは、DHFRを不 活性化する剤(メトトレキセート又はMTX)で増幅される。細胞は、継続的な 常により高濃度のMTX中で成長できる細胞のみを選択することにより、細胞は より多いDHFRを必要とする(従ってすべての外因性DNAも増幅する)。ま たは所望のポリペプチド、野生型のDHFR、及びネオ遺伝子のような他の選択 可能マーカーをコードした遺伝子で共形質転換された宿主が、G418のような 選択可能マーカーのための選択剤を用いて同定され、そして外因性DHFRを含 むような野生型の宿主の中でメトトレキセートを用いて増幅され得る(U.S.Pa tent No.4,965,199 をも参照)。 酵母中で使用できる適当な選択遺伝子は酵母プラスミドYRp7の中のtrp 1遺伝子である(Stinchcombら,1979,Nature 282:39; Kingsmanら,1979,Gen e 7:141; Tschemperら,1980,Gene 10:157)。trp1遺伝子は例えばATC C No.44076又はPEP4−1(Jones,1977,Genetics 85:12)のよ うなトリプトファン中で成長する能力を欠如する酵母の変種株のための選択マー カーを提供する。酵母宿主細胞ゲノム中のtrp1傷害の存在は、トリプトファ ンの非存在下で成長させることにより、形質転換の検出のための有効な環境とな る。同様にLeu2欠損酵母株(ATCC No.20,622又は38,62 6)は、Leu2遺伝子をもつ公知のプラスミドによって補足される。 (iv)プロモーター成分 クローニングベクターと異なり発現ベクターは、宿主生物によって認識され、 所望のポリペプチドをコードする核酸と機能的に結合するプロモーターを含むべ きである。プロモーターは、そのコントロール下に核酸の転写と翻訳が制御され る構造遺伝子(通常約100から1,000bpの間)の出発コドンから上流に 位置する非翻訳配列である。それらは通常、誘導的と構成的の二つのクラスに入 る。誘導的プロモーターとは、例えば栄養素の存在もしくは不存在または温度変 化のような培養条件の若干の変化に反応して、そのコントロール下のDNAの増 大したレベルの転写を開始させるプロモーターである。現在、種々の潜在的な宿 主細胞で認識される多数のプロモーターが公知である。これらのプロモーターは 、制限酵素によってもとの遺伝子から取り出し、次いで発現しようとする所望の ポリペプチドの出発コドンの5’側に挿入することにより、該ポリペプチドをコ ードしているDNAと機能的に結合させる。これは、IFN−γレセプターβ− 鎖のゲノム性プロモーターが用いられないというものではない。しかし異質のプ ロモーターは一般に、天然のIFN−γレセプターβ−鎖プロモーターに比べて より大きいIFN−γレセプターβ−鎖の転写とより高い収量の発現を招くであ ろう。 原核生物宿主と共に用いるのに適したプロモーターは、β−ラクタマーゼ及び ラクトースプロモーター系(Changら,Nature 275:615(1978); Goeddelら,Natu re 281:544(1979))、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロ モーター系(Goeddel,Nucleic Acids Res.8:4057(1980); EPO Appln.Publ.N o.36,776)並びにtacプロモーターのようなハイブリッドプロモーター(H. de Boerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:21-25(1983))を含む。しかし他の 公知の細菌プロモーターが適当である。それらのヌクレオチド配列は発表されて いるので、如何なる必要な制限部位をも供給するためにリンカーまたはアダプタ ーを用いてNT−4をコードしたDNA(Siebenlistら,Cell 20:269(1980)) にそれらを当業者が機能的に連結することを可能とする。細菌系で用いるプロモ ーターはまた、NT−4をコードするDNAに機能的に結合するシャイン−ダル ガルノ(S.D.)配列を含む。 酵母宿主と共に用いられる適当なプロモーター配列は、3−ホスフォグリセレ ートキナーゼ(Hitzemanら,J.Biol.Chem.255:2073(1980))又は他の解糖酵 素(Hessら,J.Adv.Enzyme Reg.7:149(1978); Holland,Biochemistry 17:490 0(1978))例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲ ナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルベートデカルボキシラーゼ、ホスフォフルクトキ ナーゼ、グルコーセ−6−ホスフェートイソメラーゼ、3−ホスフォグリセレー トムターゼ、ピルベートキナーゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、ホス フォグルコーセイソメラーゼ及びグルコキナーゼのためのプロモーターを含む。 培養条件によって転写が制御されるという付加的利点をもつ誘導性プロモータ ーである他の酵母プロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトク ロームC,酸ホスファターゼ、窒素代謝関連の分解的酵素、メタロチオネイン、 グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ並びにマルトース及び ガラクトースの資化を行う酵素のためのプロモーター領域である。酵母発現に用 いるに適当なベクターとプロモーターは更に R.Hitzemanら,EP 73,657A に記 載されている。酵母エンハンサーもまた酵母プロモーターと共に有利に用いられ る。 プロモーター配列は真核生物について知られている。事実上すべての真核生物 遺伝子は、転写が開始される部位から約25から30上流の塩基に位置するAT に豊んだ領域をもつ。多くの遺伝子の転写の開始から70〜80塩基上流に見ら れる他の配列は、Xが如何なるヌクレオチドであってもよいCXCAAT領域で ある。大抵の真核生物遺伝子の3’末端には、コード配列の3’末端へのポリA 尾部の付加のシグナルであると思われるAATAAA配列がある。これらの配列 のすべては哺乳類発現ベクターの中へ適当に挿入される。 哺乳動物宿主細胞中のベクターからのIFN−γレセプターβ−鎖の転写は、 宿主細胞系と適合するものである限り、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス(UK 2,211,504 published 5 July 1989)、アデノウイルス(例えばアデノウイルス 2)、ウシ乳頭腫ウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロ ウイルス、B型肝炎ウイルス及びもっとも好ましくはサルウイルス40(SV4 0)のようなウイルスのゲノムからのプロモーター;例えばアクションプロモー ターや免疫グロブリンプロモーターのような異質の哺乳動物プロモーター;ヒー トショックプロモーター;並びに通常IFN−γレセプターβ−鎖と関連してい るプロモーターから得られたプロモーターによって制御され得る。 SV40ウイルスの初期と後期のプロモーターは、SV40ウイルスの複製起 源を含むSV40制限フラグメントとして便宜に得られる(Fiersら,Nature 27 3:113(1978); Mulligan and Berg,Science 209:1422-1427(1980); Pavlakisら ,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78,7398-7402(1981))。ヒトサイトメガロウイ ルスの極めて初期のプロモーターは、HindIIIE制限フラグメントとして 便宜に得られる(Greenawayら,Gene 18:355-360(1982))。ベクターとしてウシ 乳頭腫ウイルスを用いる哺乳動物宿主中でDNAを発現する系はUS 4,419,446 に開示されている。この系の修飾は US 4,601,978 に記載されている。更に次も 参照のこと。すなわち、サル細胞中でヒト免疫インターフェロンをコードするc DNAの発現については Grayら,Nature 295:503-508(1982);単純ヘルペスウ イルスからのチミジンキナーゼプロモーターのコントロール下でのマウス細胞中 でのヒトβ−インターフェロンcDNAの発現については Reyesら,Nature 297 :598-601(1982);培養したマウスとウサギの細胞中でのヒトインターフェロンβ 1遺伝子の発現については Canaani and Berg,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79 :5166-5170(1982);そしてプロモーターとしてラウス肉腫ウイルスを用いるサル 腎臓細胞、ヒヨコ胚の繊維芽細胞、チャイニーズハムスターの卵巣細胞、HeL a細胞及びマウスのHIN−3T3細胞中での細菌CAT配列の発現については Gormanら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:6777-6781(1982)。 マウスIFN−γレセプターβ−鎖のクローニング工程で用いる実際のプラス ミドは、マウス3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素Aレダクターゼ遺 伝子のプロモーターを含む(Gautierら,Nucleic Acids Res.,17:8389(1989)) が、発現クローニングにおいて用いるリポータープラスミド[pUMS(GT)8 −Tac]は人工的に多量体化されたIFN−γ誘導可能プロモーター要素を 含んでいた(McDonaldら,Cell 60:767-779(1990))。 (v)エンハンサー要素成分 高等な真核生物による本発明のIFN−γレセプターβ−鎖をコードするDN Aの転写は、ベクターの中へエンハンサー配列を挿入することによってしばしば 増加する。エンハンサーは、その増殖を増大させるようにプロモーターに作用す る通常約10から300bpのDNAのcis−作動要素である。エンハンサー は、コーディング配列自体の中(Osborneら,Mol.Cel.Biol.4:1293(1984)) あるいはイントロンの中(Banerjiら,Cell 33:719(1983))で、転写単位に対し て5’側(Laiminsら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:993(1981))または3’ 側(Luskyら,Mol.Cel.Biol.3:1108(1983))という、比較的独立した配位と 位置にある。多くのエンハンサー配列が今や哺乳動物の遺伝子から知られている (グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトタンパク質およびインシュ リン)。しかし通常は真核生物細胞ウイルスからのエンハンサーが用いられるで あろう。例としては、複製起源の後期側のSV40エンハンサー(bp100〜 270)、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起源の後 期側のポリオーマエンハンサー、及びアデノウイルスエンハンサーがある。真核 生物プロモーターの活性化のための増強要素については Yaniv,Nature 297:17- 18(1982)もまた参照のこと。エンハンサーはIFN−γレセプターβ−鎖DNA の5’または3’側の位置でベクターにスプライシングすることができるが、プ ロモーターの5’側に位置するのが好ましい。 (vi)転写終了成分 真核生物宿主細胞(酵母、かび、昆虫、植物、動物、ヒトまたはその他の多細 胞生物からの有核細胞)に使用する発現ベクターはまた、転写終了のため及びm RNA安定化のために必要な配列を含んでいる。そのような配列は、真核生物ま たはウイルスのDNAまたはcDNAの5’及びしばしば3’側の非翻訳領域か ら通常入手可能である。これらの領域は、IFN−γレセプターβ−鎖をコード するmRNAの非翻訳部分中のポリアデニル化フラグメントとして転写されるヌ クレオチドセグメントを含んでいる。3’非翻訳領域はまた転写終了部位を含む 。 上述の成分、所望のコーディング及び制御配列の1つまたはそれより多くのも のを含む適当なベクターの構築は、標準的な連結技術を用いる。単離されたプラ スミドやDNAフラグメントは切断され、末端修飾されそして要求されるプラス ミドを形成するように所望の形に再連結される。 構築されたプラスミド中の正しい配列の確認の分析のために、連結混合物を用 いて大腸菌K12株294(ATCC31,446)を形質転換し、出来上がっ た形質転換体を適当なアンピシリン又はテトラサイクリン耐性で選択した。形質 転換体からプラスミドを調製し、制限エンドヌクレアーゼ消化で分析し、そして /または Messingら,Nucleic Acids Res.9:309(1981)の方法または Maxamら, Methods in Enzymology,65:499(1980)の方法で配列をきめる。 本発明の実施で特に有用なのは、IFN−γレセプターβ−鎖をコードするD NAを哺乳動物細胞中で一時的に発現する発現ベクターである。一時的発現には 、ベクターが宿主細胞中で効率よく複製されて、宿主細胞は発現ベクターのたく さんのコピーを蓄積し、今度は発現ベクターはコードした所望のポリペプチドを 高いレベルで合成するという、その様な発現ベクターの使用が含まれる。適当な 発現ベクターと宿主細胞を含む一時的な系は、ポリペプチドを所望の生物学的ま たは生理学的性質について迅速にスクリーニングすると共に、クローンしたDN Aでコードされたポリペプチドの便利な正の同定に使える。すなわち一時的発現 系は、IFN−γレセプターβ−鎖のホモローガス体や変種の同定の目的のため に本発明では特に有用である。 組換え脊椎動物細胞培養でのIFN−γレセプターβ−鎖の合成に適した適当 な他の方法、ベクター及び宿主細胞は Gettingら,Nature 293:620-625(1981); Mantelら,Nature 281:40-46(1979); Levinsonら: EP 117,060 and EP 117,058 に記載されている。IFN−γレセプターβ−鎖の哺乳動物細胞培養発現に特に 有用なプラスミドはpRK5(EP 307,247)である。 E.宿主細胞の選択と形質転換 ここにおけるベクターのクローニング又は発現に適した宿主細胞は、上述の原 核生物、酵母または高等真核生物である。適当な原核生物は、グラム陰性または グラム陽性の生物、たとえば大腸菌やバチルスを含む。好ましいクローニング宿 主は大腸菌294(ATCC31,446)であるが、他のグラム陰性やグラム 陽性の原核生物たとえば大腸菌B、大腸菌X1776(ATCC31,537) 、大腸菌W3110(ATCC27,325)、シュードモナス種または Serra tia Marcesans も適当である。 原核動物の他に、糸状菌や酵母のような真核微生物もここではベクターのため の適当な宿主である。Saccharomyces cerevisiae すなわち通常のパン用の酵母 が、低級な真核生物宿主微生物のなかでは最もふつうに用いられる。しかし、そ れ以外の属、種および株もふつうに入手可能でありここで有用である。例えばS .Pombe(Beach and Nurse,Nature 290:140(1981); Kluyveromyces lactis(Lo uvencourtら,J.Bacteriol.737(1983); yarrowia(EP 402,226); Pichia pasto ris(EP 183,070); Trichoderma reesia(EP 244,234); Neurospora cressa(Case ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:5159-5263(1979); 並びに Aspergillus 宿 主、たとえば A.nidulans(Ballanceら,Gene 26:205-221(1983); Yeltonら,P roc.Natl.Acad.Sci.USA 81:1470-1474(1984); 及び A.niger(Kelly and H ynes,EMBO J.4:475-479(1985)。 適当な宿主細胞はまた多細胞生物から誘導される。そのような宿主細胞は複合 処理やグリコシル化活性が可能である。原則として如何なる高等真核生物細胞培 養も脊椎動物または無脊椎動物培養からも作業可能であるが、ヒトのような哺乳 動物からの細胞が好ましい。無脊椎動物細胞の例は植物や昆虫細胞を含む。たと えば多くのバキュロウイルス株やその変種および Spodoptera frugiperda(毛虫 )、Aedes aegpti(蚊)、Aedes albopictus(蚊)、Drosophila melangaster( ショウジョウバエ)及び Bombyx mori 宿主細胞のような宿主細胞からの許容で きる昆虫宿主細胞が同定されている。たとえば次を参照せよ。Luckowら,Bio/Te chnology 6:47-55(1988); Millerら,in Genetic Engineering,Setlow,J.K. ら,eds.,Vol.8(Plenum Publishing,1986),pp.277-279; and Maedaら,Nat ure 315:592-594(1985)。そのようなウイルス株の変種は例えば Autographa cal ifornica NPV のL−1変種のように一般に入手可能であり、そのようなウイル スは、特に Spodoptera frugiperda 細胞のトランスフェクションのために本発 明のウイルスとして使用可能である。 綿、トウモロコシ、ジャガイモ、大豆、ツクバネアサガオ、トマトおよびタバ コの植物細胞培養物は宿主として利用可能である。通常は植物細胞は、予めIF N−γレセプターβ−鎖を含有するためにマニピュレーションされた細菌 Agro bacterium tumefaciens のある株で培養してトランスフェトされる。植物細胞培 養物の A.tumefaciens との培養中に、DNAをコードしたIFN−γレセプタ 一β−鎖はそれがトランスフェクトされるように植物宿主細胞へ転移され、そし て適当な条件下でIFN−γレセプターβ−鎖DNAを発現するであろう。加う るに、ノパリンシンターゼプロモーターやポリアデニル化シグナル配列のような 、植物細胞と適合する調節およびシグナル配列がある。Depickerら,J.Mol.Ap pl.Gen.1:561(1982)。さらにT−DNA780遺伝子の上流領域から単離され たDNAセグメントは、組換えDNA含有の植物組織での植物発現遺伝子の転写 レベルを活性化しまたは増大する能力がある。1989年6月21日発行の EP 321,196 を参照せよ。 しかし興味は脊椎動物細胞において最大であり、培養による脊椎動物細胞の増 殖(組織培養)は、それ自体が公知である。Tissue Culture,Academic Press, Kruse and Pattrson,editors(1973)を参照せよ。有用な哺乳動物宿主細胞系 の例は、SC40で形質転換したサルの腎臓のCV1系(COS-7,ATCC CRL 1651 );ヒトの胚腎臓細胞系(懸濁培養で成長するためにサブクローンした293ま た は293細胞;GrahamらJ.Gen.Virol.36:59(1977);子ハムスター腎臓細胞9 BHJ,ATCC CCL10;チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR (CHO,Urlaub and Chasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980));マ ウスのセルトリ細胞(TM4,Mather,Biol.Reprod.23:24-251(1980));サルの 腎臓細胞(CV1 ATCC CRL-1587);アフリカミドリサルの腎臓細胞(VERO-76,AC TT CRL-1587);ヒトの頚部癌腫(HeLa,ATCC CCL2);イヌの腎臓細胞(MDCK, ATCC CCL 34);バッファローラットの肝臓細胞(BRL 3A,ATCC CRL 1442);ヒ トの肺細胞(W138,ATCC CCL75);ヒトの肝臓細胞(Hep G2,HB 8065);マウ スの乳ガン(MMT 060562,ATCC CCL51);TRI細胞(Matherら,Annals N.Y .Acad.Sci.383:44068(1982));MRC5細胞;FS4細胞;およびヒトのヘ パトーム細胞系(HepG2)である。好ましい宿主細胞はヒトの胚腎臓293 とチャイニーズハムスターの卵巣細胞である。 本発明のために特に好ましい宿主細胞は、IFN−γレセプターα−サブユニ ットを生産する脊椎動物細胞、IFN−α/βレセプター及び/またはその他の サイトカインレセプター若しくはEPOレセプターである。 宿主細胞は上記の発現もしくはクローニングベクターで形質転換され、そして 増幅遺伝子を含有するプロモーターを誘導し、もしくは形質転換体を選択するに 適したように修飾した通常の栄養培地で培養される。 F.宿主細胞の培養 本発明のIFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチドを生産するのに使用する原 核生物細胞は、上記の Sambrookらに一般的に記載のような適当な培地で培養さ れる。 哺乳動物の細胞は種々の培地で培養ができる。Ham’F10(シグマ)、Mi nimal Essential Medium(MEM、シグマ)、RPMI−1640(シグマ)及 びダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM、シグマ)のような商業的に入手可 能の培地が宿主細胞の培養に適している。さらに、Ham and Wallace,Meth.Enz ymol.58:44(1979); Barnes and Sato,Anal.Biochem.102:255(1980); US 4,7 67,704; 4,657,866,4,927,762; 4,560,655,WO 90/03430; WO 87/00195; US R e 30,985 に記載のいずれの培地も宿主細胞用の培養培地として使用できる。こ れらの培地のいずれも、必要に応じてホルモン及び/またはその他の成長因子( 例えばインシュリン、トランスフェリンや表皮成長因子)、塩類(例えば塩化ナ トリウム、カルシウム、マグネシウム及び燐酸塩)、緩衝液(例えばHEPES )、ヌクレオシド(例えばアデノシンやチミジン)、抗生物質(例えばゲンタマ イシンTM薬物)、微量元素(マイクロモル範囲の最終濃度で通常存在すると定義 される無機化合物)並びにグルコースや同等のエネルギー源で補足されていても よい。これ以外の如何なる添加物も当業者に公知の適切な濃度で含まれていても よい。温度、pHなどの適切な培養条件は、場合場合に応じクローニングや発現 のために選択した宿主細胞において上記で使用したようなものであり、当業者に は明白であろう。 本明細書で言及した宿主細胞は、宿主動物または宿主植物中の細胞と共に試験 管内の細胞培養での細胞を包含する。 本発明のIFN−γレセプターβ−鎖は、相同組換えによって、またはIFN −γレセプターβ−鎖をコードするDNAを既に含有する細胞の中へ導入した制 御要素を用いる組換え生産方法によって作成できることが更に予測される。 G.遺伝子増幅/発現の検出 遺伝子増幅及び/または発現は例えば、mRNAの転写を定量する通常のサザ ンブロッティング若しくはノーザンブロッティング(Thomas,Proc.Natl.Acad .Sci.USA 77:5201-5205(1990))、ドットブロッティング(DNA分析)又は それ自体のハイブリダイゼーションにより、ここに提供された配列に基づいて適 当に標識したプローブを用いて、直接にサンプル中で測定できる。種々の標識が 用い得るが、最もふつうには放射性同位元素であり、特に32Pである。しかしそ の他の技術たとえばポリヌクレオチドへの導入のためのビオチン修飾したヌクレ オチドの使用なども適用できる。ビオチンはアビジン又は抗体と結合するための 部位として働き、それは例えば放射性核種、蛍光発光剤、酵素のような種々の標 識で標識化することができる。または、DNAデュプレックス、RNAデュプレ ックス及びDNA−RNAハイブリッドデュプレックスを含む特定のデュプレッ ク スを認識できるような抗体も用いることができる。また抗体は標識化され、そし てアッセイはデュプレックスが表面に結合したところで行われ、それによって表 面でのデュプレックスの形成によりデュプレックスに結合した抗体の存在が検出 され得る。 また遺伝子発現は、遺伝子生成物の発現の直接定量のために、組織片の免疫組 織化学的染色および細胞培養物もしくは体液のアッセイのような免疫学的方法で 測定できる。免疫学的染色技術により、細胞サンプルは通常は脱水と固定によっ て作成され、次いで結合遺伝子産物に特異的な標識された抗体との反応が行われ 、そこで通常は標識は例えば酵素標識、蛍光標識、ルミネッセンス標識などのよ うな可視検出が可能となる。本発明での使用に適当な特に鋭敏な染色技術は Hse ら,Am.J.Clin.Pharm.75:734-738(1980)に記載のものである。 サンプル液の免疫学的染色及び/またはアッセイに有用な抗体は、モノクロー ナル又はポリクローナルの何れでもよく、そして如何なる哺乳動物でも作成でき る。便宜には抗体は、詳しくは後記するようにDNA配列に基づく合成ペプチド または天然のIFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチドに対して作成される。 H.IFN−γ β−鎖の精製 IFN−γレセプターβ−鎖は好ましくは細胞培養の培地から分泌ポリペプチ ドとして回収されるが、分泌シグナルなしに膜固定領域を含む形で直接発現され たときには宿主細胞リゼートからも回収できる。 IFN−γレセプターβ−鎖β−サブユニットがヒト起源のもの以外の組換え 細胞中で発現したとき、IFN−γレセプターβ−鎖は完全にヒト起源のポリペ プチドやタンパク質を含んでいない。しかしIFN−γレセプターβ−鎖に関し て実質的にホモローガスな産物を得るために組換え細胞タンパク質またはポリペ プチドを精製することは必要である。第一段階として培地またはリゼートを遠心 分離して粒子細胞片を除去する。次いで膜と可溶性タンパク質分画を分離する。 次にIFN−γレセプターβ−鎖を、IFN−γレセプターβ−鎖が膜に結合し ているかどうかによって、インキュベーションリゼートの可溶性タンパク質分画 や膜分画から精製する。次に示す方法は適当な精製方法の例である。すなわち免 疫親和性またはイオン交換カラムによる分画;エタノール沈澱;逆相HPLC; シリカ又はDEAEのようなカチオン交換樹脂のクロマトグラフィー;クロマト フォーカシング;SDS−PAGE;硫酸アンモニウム沈澱;例えばセファデッ クスG−75を用いるゲル濾過;及びIgGのような夾雑物除去のために蛋白A セファローズカラム。 残基が削除され、挿入され及び/または置換されたIFN−γレセプターβ− 鎖の機能的誘導体は、その変異によっておこるあらゆる性質の実質的変化を考慮 に入れた上、天然のレセプター鎖と同じように回収される。例えば細菌やウイル ス抗原のような他のタンパク質やポリペプチドとIFN−γレセプターβ−鎖と の融合は精製を助けるし;その抗原に対する抗体を含有する免疫親和性カラムは 融合体を吸着するために用いることが出来る。ウサギのポリクローナル抗IFN −γレセプターβ−鎖カラムのような免疫親和性カラムが、少なくとも1つの残 留免疫エピトープに結合することによりIFN−γレセプターβ−鎖を吸着する のに用いることができる。フェニルメチルスルフォニルフルオライド(PMSF )のようなプロテアーゼ阻害剤もまた精製における蛋白分解を阻害するのに有用 であり、抗生物質もまた外来の夾雑物の成長防止のために含まれる。当業者は、 天然のIFN−γレセプターβ−鎖の適当な精製方法は、組換え細胞インキュベ ーションの発現においてIFN−γレセプターβ−鎖またはその変種の特性の変 化に応じて修飾を必要とすることを理解するであろう。 I.IFN−γレセプターβ−鎖の共有結合修飾 IFN−γレセプターβ−鎖の共有結合修飾は本発明の範囲に含まれる。その ような修飾は、選ばれた側鎖もしくは末端残基と反応できる有機誘導化剤とIF N−γレセプターβ−鎖の標的アミノ酸残基を反応させるか、又は選ばれた組換 え宿主細胞で機能する翻訳後の修飾のメカニズムを利用することによって伝統的 に導入される。得られた共有結合誘導体は、生物活性に重要な残基を同定するた めのプログラム、IFN−γレセプターβ−鎖の免疫アッセイ、又は組換え体の イムノアフィニティ精製に用いる抗IFN−γレセプターβ−鎖抗体の作成にお いて有用である。例えば、ニンヒドリンとの反応後のタンパク質の生物活性の完 全な不活性化は、少なくとも1つのアルギニル残基又はリジル残基がその活性に とって不可欠であることを示唆し、その後、選ばれた条件下で修飾された個々の 残基は、修飾されたアミノ酸残基を含むペプチドフラグメントを単離することに よって同定される。そのような修飾は当業者の通常の技術的範囲内であり、特別 な実験なしに遂行される。 最も一般的には、システイニル残基を、クロロ酢酸やクロロアセタミドのよう なα−ハロアセテート(及び対応するアミン)と反応させることによりカルボキ シメチル誘導体又はカルボキシアミドメチル誘導体が得られる。システイニル残 基は、ブロモトリフルオロアセトン、α−ブロモ−β−(5−イミドゾイル)プ ロピオン酸、クロロアセチルホスフェート、N−アルキルマレイミド類、3−ニ トロ−2−ピリジルジサルファイド、メチル2−ピリジルジサルファイド、p− クロロマーキュリーベンゾエート、2−クロロマーキュリー−4−ニトロフェノ ール又はクロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾールと反応さ せることによっても誘導化される。 ジエチルピロカルボネートはヒスチジル側鎖に比較的特異的であるため、ヒス チジル残基はpH5.5〜7.0でジエチルピロカルボネートと反応させること によって誘導化される。p−ブロモフェナシルブロマイドも有用であり、反応は 好ましくはpH6.0で0.1Mカコジル酸ナトリウム中で行われる。 リジニル及びアミノ末端残基はコハク酸無水物又はその他のカルボン酸無水物 と反応させる。これらの試薬による誘導化はリジニル残基の電荷を逆転させる効 果をもっている。α−アミノ含有残基を誘導化するのに適したその他の試薬には 、メチルピコリニミデートのようなイミドエステル類;燐酸ピリドキサール;ピ リドキサール;クロロボロハイドライド;トリニトロベンゼンスルホン酸;O− メチルイソ尿素;2,4−ペンタンジオン;及びグリオキシレートとのトランス アミナーゼ触媒反応物が含まれる。 アルギニル残基は、フェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2 −シクロヘキサジオン及びニンヒドリンのような通常の試薬の1つ又はそれ以上 と反応させることによって修飾される。アルギニン残基の誘導化は、グアニジン 官能基のpKa値が高いためアルカリ条件下で反応を行う必要がある。さらに、 これらの試薬はアルギニンε−アミノ基のみならずリジンの基と反応させてもよ い。 チロシル残基の特異的な修飾は、特に、芳香族ジアゾニウム化合物またはテト ラニトロメタンとの反応によってチロシル残基中にスペクトル標識を導入するこ とを目的として行われる。最も普通には、N−アセチルイミダゾールおよびテト ラニトロメタンを用いてそれぞれO−アセチルチロシル体および3−ニトロ誘導 体が形成される。チロシル残基を125Iまたは131Iを用いてヨード化し、ラジオ イムノアッセイに使用する標識タンパク質を製造するが、ここでは上述のクロラ ミンT法が適切である。 カルボキシ側鎖基(アスパルチル又はグルタミル)は、1−シクロヘキシル− 3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミド又は1−エチル−3−( 4−アゾニア−4,4−ジメチルペンチル)カルボジイミドのようなカルボジイ ミド類(R’−N=C−C=R’)と反応することによって選択的に修飾される 。更に、アスパルチル残基とグルタミル残基は、アンモニウムイオンと反応して アスパラギニル残基とグルタミニル残基に変換される。 グルタミニル残基とアスパラギニル残基はしばしば脱アミド化されて、対応す るグルタミル残基とアスパルチル残基となる。あるいはまた、これらの残基は穏 和な酸性条件下で脱アミノ化される。これらの残基のいずれの形も本発明の範囲 にはいる。 その他の修飾には、プロリンやリジンのヒドロキシル化、セリル残基やスレオ ニル残基のヒドロキシル基の燐酸化、リジン側鎖やアルギニン側鎖、ヒスチジン 側鎖のα−アミノ基のメチル化(T.E.Creighton,Proteins: Structure and M olecular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,pp.79-86(1983 ))、N−末端アミンのアセチル化、及びあらゆるC−末端カルボキシル基のア ミ ド化が含まれる。この分子はさらに、アメリカ特許4,640,835、4,496,689、4,30 1,144、4,670,417、4,791,192、又は4,179,337の記載に従って、例えばポリエチ レングリコール、ポリプロピレングリコールやポリオキシアルキレン類のような 非蛋白ポリマーと共有結合させることができる。 二官能性試薬を用いる誘導化は、IFN−γレセプターβ−鎖の、アッセイ又 はアフィニティー精製に用いる水不溶性の支持マトリックス又は表面への架橋や 、ポリペプチドとIFN−γレセプターβ−鎖との分子内凝集物の製造に有用で ある。更に、鎖間の架橋の研究は、配座構造に関する直接の情報を提供する。普 通に用いられる架橋剤には、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエ タン、グルタールアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル類、ホモ 二官能性イミドエステル類、及び二官能性マレイミド類が含まれる。メチル−3 −[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミデートのような誘導化剤は、 光の存在下で架橋を形成できる光活性化中間体を生じる。あるいはまた、反応性 で水不溶性のマトリックス、例えばシアノーゲンブロマイド活性化炭水化物やア メリカ特許3,959,642、3,965,287、3,691,016、4.195,128、4,247,642、4,229,5 37、4,055,635、及び4,330,440に記載の系反応性基質が、タンパク質固定化や架 橋に用いられる。 ある種の翻訳後修飾は、発現ポリペプチドに対する組換え宿主細胞の作用の結 果である。グルタミニル残基とアスパリギニル残基は、しばしば対応するグルタ ミル残基とアスパルチル残基へと翻訳後に脱アミノ化される。あるいはまた、こ れらの残基は穏和な酸性条件下で脱アミノ化される。これらの残基のいかなる形 も本発明の範囲に入る。 その他の翻訳後の修飾には、プロリンやリジンのヒドロキシル化、セリル残基 やスレオニル残基のヒドロキシル基の燐酸化、リジン側鎖、アルギニン側鎖やヒ スチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化が含まれる(T.E.Greighton,Protein s: Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisc o,pp.79-86(1983))。 その他の誘導体には、非蛋白ポリマーと共有結合した本発明の新規なペプチド が含まれる。通常、この非蛋白ポリマーは親水性の合成ポリマー、すなわち天然 には見られないポリマーである。しかし、天然に存在し、組換え又はインビトロ 法で生産されるポリマーは、天然から単離されるポリマー同様に有用である。例 えばポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンのような親水性のポリビニル ポリマーは本発明の範囲に入る。特に有用なものは、例えばポリエチレングリコ ールやポリプロピレングリコールのようなポリビニルアルキレンエーテル類であ る。 IFN−γレセプターβ−鎖は、アメリカ特許4,640,835、4,496,689、4,301, 144、4,670,417、4,791,192、又は4,179,337 に記載の方法に従って、ポリエチ レングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリオキシアルキレン類のよ うな様々な非蛋白ポリマーと結合させることができる。 IFN−γレセプターβ−鎖は、コロイド状薬物送達系(例えばリポソーム、 アルブミン微小球、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、およびナノカプセル)又 はマクロエマルジョンの中で、例えばコアセルベーション技術によるか又は界面 重合によって製造したマイクロカプセル中へ取り込むことができる。そのような 技術はRemington's Pharmaceutical Sciences,16版,Osol,A.編(1980)に開示 されている。 J.IFN−γレセプターβ−鎖−免疫グロブリンキメラ(免疫吸着) 免疫グロブリン(Ig)とそのある種の変種は公知であり、その多くは組換え 細胞インキュベーション中で生産されている。例えば以下を参照の事。アメリカ 特許4,745,055、EP 256,654; Faulknerら,Nature 298:286(1982); EP 120,694; d.Sci.USA 77:2197(1980); Rasoら,Cancer Res.41:2073(1981); Morrisonら ,Ann.Rev.Immunol.2:239(1984); Morrison,Science 229:1202(1985); Morr isonら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851(1984); EP 255,694; EP 266,663 ; WO 88/03559。再構築した免疫グロブリン鎖も知られている。例えば、アメリ カ特許4,444,878、WO 88/03565、EP 68,763及びその中の引用文献を参照の事。 本発明のキメラの免疫グロブリン部分は、IgG−1、IgG−2、IgG−3 、 もしくはIgG−4のサブタイプ、IgA、IgE、IgD、又はIgMから得 ることができるが、IgG−1又はIgG−3が好ましい。 適切な免疫グロブリン定常領域配列に結合したレセプター配列から構築された キメラ(イムノアドヘシン)は当該分野で知られている。文献に報告された免疫 吸着(イムノアドヘシン)には次のものが含まれる。すなわちT細胞レセプター の融合*(Gascoigneら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:2936-2940(1987)); CD4*(Caponら,Nature 337:525-531(1989); Trauneckerら,Nature 339:68 -70(1989); Zettmeisslら,DNA Cell Biol.USA 9:347-353(1990); Byrnら,Nat ure 344:667-670(1990));L−セレクチン(ホーミングレセプター)(Watson ら,J.Cell.Biol.110:2221-2229(1990); Watsonら,Nature 349:164-167(199 1));CD44*(Aruffoら,Cell 61:1303-1313(1990));CD28*及びB 7*(Linsleyら,J.Exp.Med.173:721-730(1991));CTLA−4*(Lisle yら,J.Exp.Med.174:561-569(1991));CD22*(Stamenkonivら,Cell 6 6:1133-1144(1991));TNFレセプター(Ashkenaziら,Proc.Natl.Acad.Sc i.USA 88:10535-10539(1991); Lesslauerら,Eur.J.Immunol.27:2883-2886( 1991); Peppelら,J.Exp.Med.174:1483-1489(1991));PNレセプター(Ben nettら,J.Biol.Chem.266:23060-23067(1991));IgEレセプターα−鎖* (Ridgway and Gorman,J.Cell.Biol.115: abstr.1448(1991));HGFレセ プター(Mark,M.R.ら,1992,J.Biol.Chem.投稿中)。但し*印はそのレセ プターが免疫グロブリンスーパーファミリーの一員であることを表す。 通常は、本発明のIFN−γレセプターβ−鎖免疫グロブリンキメラの製造時 には、所望のIFN−γレセプターβ−鎖細胞外領域配列をコードする核酸を、 免疫グロブリン定常領域配列のN−末端をコードする核酸とC−末端融合させる が、N−末端融合も可能である。 通常は、そのような融合においては、コードされたキメラポリペプチドは、少 なくとも機能的な活性ヒンジである免疫グロブリン重鎖の定常領域のCH2及び CH3領域を保持するであろう。融合は、定常領域のFc部分のC−末端か、又 は重鎖のCH1若しくは軽鎖の対応する領域のN−末端のすぐ近くで行われる。 融合の行われる正確な位置は重要ではない;特定の部分は公知であり、IFN −γレセプターβ−鎖免疫グロブリンキメラの生物活性、分泌または結合特性を 最適化するように選択することができる。 ある態様において、IFN−γレセプターβ−鎖免疫グロブリンキメラは、本 質的にはWO 91/08298の記載に従ってモノマー、又はヘテロ若しくはホモマルチ マーとして組み立てられる。 好ましい態様では、IFN−γレセプターβ−鎖細胞外領域配列を、例えば免 疫グロブリンG1(IgG−1)のような免疫グロブリンのエフェクター機能を 含む抗体のC−末端部のN−末端(特にFc領域)と融合させる。完全な重鎖定 常領域をIFN−γレセプターβ−鎖細胞外領域配列と融合させることが可能で ある。しかし、更に好ましくは、パパイン開裂部位のすぐ上流のヒンジ領域で始 まる配列[それはIgG Fc領域を化学的に定義する;重鎖定常領域の最初の 残基が114である(Kobetら,上述)として残基216;またはその他の免疫 グロブリンの類似部位]が融合に用いられる。特に好ましい態様ではIFN−γ レセプターβ−鎖アミノ酸配列は、IgG−1、IgG−2、又はIgG−3重 鎖のヒンジ領域とCH2とCH3又はCH1、ヒンジ、CH2領域とCH3領域 と融合する。融合がおこる正確な部位は重要でなく、最適な部位は通常の実験に よって決定できる。 ある態様において、IFN−γレセプターβ−鎖免疫グロブリンキメラは、ヘ テロマルチマー、特にヘテロダイマー又はテトラマーとして組み立てられる。一 般的に、これらの組み立てられた免疫グロブリンは公知の単位構造を持つであろ う。基本的な4鎖構造単位は、IgG、IgDおよびIgEが存在する形である 。4鎖単位はより高分子量の免疫グロブリンにおいて反復される;IgMは一般 にジスルフィド結合によって一緒に保持される基本の4鎖単位のペンタマーとし て存在する。IgAグロブリン、そして時にはIgGグロブリンも血清中でマル チマーの形で存在し得る。マルチマーの場合は、各々の4鎖単位は同一であって も異なっていてもよい。 本発明の範囲内の種々の例示的に組み立てられたIFN−γレセプターβ−鎖 免疫グロブリンキメラを以下に模式的に示す。 (a)ACL-ACL; (b)ACH-[ACH,ACL-ACH,ACL-VHCH,または VLCH-ACH]; (c)ACL-ACH-[AC-ACH,ACL-VHCH,VLCH-ACH,または VLCL-VHCH]; (d)ACL-VHCH-[ACH,または ALL-VH-CH,または VLCL-ACH]; (e)VLCL-ACH-[ACL-VHCH,または VLCL-ACH]; 及び (f)[A-Y]n-[VLCL-VHCH]2、 ここで各々のAは同一の又は異なるIFN−γレセプターβ−鎖アミノ酸配列 を表し、VLは免疫グロブリン軽鎖可変領域であり、VHは免疫グロブリン重鎖可 変領域、CLは免疫グロブリン軽鎖定常領域;CHは免疫グロブリン重鎖定常領域 、nは1よりも大きい整数であり、Yは共有結合架橋剤の残基を表す。 簡潔に示すために、上記の構造は単に鍵となる特徴だけを示しており、それら は免疫グロブリンの結合(J)領域やその他の領域を示しておらず、ジスルフィ ド結合も示していない。しかし、そのような領域は結合活性のために必要であり 、それらは免疫グロブリン分子中にそれらが占める通常の位置に存在するように 構築されるであろう。 あるいはまた、IFN−γレセプターβ−鎖細胞外領域配列は、キメラ重鎖を 含む免疫グロブリンを得るために免疫グロブリン重鎖と軽鎖の間に挿入すること ができる。この態様において、IFN−γレセプターβ−鎖配列は、ヒンジとC H2領域の間か又はCH2領域とCH3領域の間の免疫グロブリンの各アームの 免疫グロブリン重鎖の3’末端に融合される。同様の構築物がHoogenboom,H.R .ら,Mol.Immunol.28:1027-1037(1991)に報告されている。 免疫グロブリン軽鎖の存在は本発明のイムノアドヘシンに必要ではないが、存 在している場合は、免疫グロブリン軽鎖はIFN−γレセプターβ−鎖免疫グロ ブリン重鎖融合ポリペプチドと共有結合しているか、又はIFN−γレセプター β−鎖細胞外領域と直接融合していてもよい。前者の場合には、免疫グロブリン 軽鎖をコードするDNAは、通常、IFN−γレセプターβ−鎖免疫グロブリン 重鎖融合タンパク質をコードするDNAと共発現している。分泌に際して、ハイ ブリッド重鎖および軽鎖は共有結合して、2つのジスルフィド結合免疫グロブリ ン重鎖−軽鎖対を含む免疫グロブリン様の構造をとる。そのような構造を作成す るのに適した方法は例えば1989年3月28日発行のアメリカ特許4,816,567 号に開示されている。 K.IFN−γレセプターβ−鎖のグリコシル化変種 天然のIFN−γレセプターβ−鎖は糖蛋白である。本発明の分子中に存在す るであろう如何なる天然のアミノ酸配列とも異なるグリコシル化パターンをもつ 変種は、本発明の範囲中にある。わかりやすくいえば、天然のポリペプチドのグ リコシル化パターンにおける変化は通常、アミノ酸配列変種に関する上記の技術 を本質的に用いてDNAレベルにおいてなされる。 本発明の分子のIFN−γレセプターβ−鎖とグリコシドとの化学的または酵 素的なカップリングを用いて、炭水化物置換基の数やプロフィールを修飾または 増大させることができる。これらの方法は、O−結合(又はN−結合)グリコシ ル化の可能なポリペプチドの生産を必要としない点において有利である。用いら れるカップリング法に応じて、糖類を(a)アルギニン又はヒスチジン、(b) 遊離のカルボキシル基、(c)システインにおけるような遊離のヒドロキシル基 、(d)セリン、スレオニン若しくはヒドロキシプロリンにおけるような遊離の スルフヒドリル基、(e)フェニルアラニン、チロシン若しくはトリプトファン におけるような芳香族残基、又は(f)グルタミンのアミド基に結合させること ができる。これらの方法はWO 87/05330(1987年9月11日公開)及びAplin およびWriston,CRC Crit.Rev.Biochem.,pp.259-306 に記載されている。 ポリペプチドに存在する炭水化物部分はまた、化学的又は酵素的に除去するこ ともできる。化学的な脱グリコシル化では、トリフルオロメタンスルフォン酸や 同等の化合物に暴露する必要がある。この処理は、完全なポリペプチドを残した まま、結合している糖を除く殆どまたは全ての糖を開裂させる。化学的脱グリコ シル化はHakimuddinら,Arch.Biochem.Biophys.259:52(1987)及びEdgeら,An al.Biochem.118:131(1981)に記載されている。炭水化物部分は、Thotakuraら ,Meth.Enzymol.138:350(1987)の記載に従って、種々のエンドグリコシダーゼ 及びエキソグリコシダーゼにより除去することができる。グリコシル化はDuskin ら,J.Biol.Chem.257:3105(1982)に記載のようにツニカマイシンで抑制され る。ツニカマイシンは、蛋白−N−グリコシダーゼ結合の形成をブロックする。 グリコシル化変種はまた、組換え体を生産するための適切な宿主細胞を選ぶこ とによって製造することができる。例えば、酵母では哺乳動物系でのグリコシル 化と有意に異なるグリコシル化が導入される。同様に、天然のIFN−γレセプ ターβ−鎖源とは異なる種(例えば、ハムスター、マウス、昆虫、ブタ、ウシ若 しくはヒツジ)又は組織(例えば、肺、肝臓、リンパ組織、間葉若しくは表皮) 由来の哺乳動物細胞が、グリコシル化変異を導入する能力を調べるために普通に スクリーニングされる。 L.IFN−γレセプターβ−鎖抗体の作成 (i)ポリクローナル抗体 一般にIFN−γレセプターβ−鎖に対するポリクローナル抗体は、動物にI FN−γレセプターβ−鎖とアジュバントを複数回皮下(sc)または腹腔内( ip)注射することによって生じる。そのことは、標的アミノ酸配列を含むフラ グメント又はIFN−γレセプターβ−鎖を、二官能性剤若しくは誘導化剤(例 えば、マレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル類[システイン残基 を介して結合]、N−ヒドロキシスクシンイミド[リジン残基を介する]、グル タールアルデヒド、コハク酸無水物、SOCl2、若しくはRとR1が異なるアル キル基であるR1N=C=NR)を用いて例えばキーホールリンペットヘモシア ニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、又はダイズトリプシンインヒビ ターのような免疫すべき種に免疫原性のあるタンパク質と結合させるのに有用で あろう。 結合体(コンジュゲート)(それぞれウサギ又はマウスに対して)1mg又は 1μgをフロイントの完全アジュバント3容量と混合し、その溶液を複数の部位 へ皮内注射することにより免疫原性の結合体または誘導体を動物に免疫する。1 カ月後に、フロイントの完全アジュバント中の結合体の元の1/5〜1/10量 を複数の部位に皮下注射することによってブースターをかける。7〜14日後、 動物から採血し、血清中の抗IFN−γレセプターβ−鎖抗体価をアッセイする 。力価がプラトーに達するまで動物にブースターをかける。好ましくは、別のタ ンパク質及び/または別の架橋剤を用いて結合させた同じIFN−γレセプター β−鎖の結合体を用いて動物にブースターをかける。結合体はタンパク質融合物 として組換え細胞培養物中でも生産することができる。また、免疫反応はミョウ バンのような凝集剤を用いることによっても増強される。 (ii)モノクローナル抗体 モノクローナル抗体は、実質的に同質の抗体の集団、すなわち少量存在し得る 、天然に起こり得る突然変異を除いて同じ集団を含む個々の抗体から得られる。 すなわち「モノクローナル」という修飾語は、別々の抗体の混合物でない抗体の 特性を示す。 たとえば本発明の抗IFN−γレセプターβ−鎖モノクローナル抗体は、Kohl erとMilstein,Nature 256:495(1975)に最初に記載されたハイブリドーマ法によ るか、又は組換えDNA法(Cabillyら,アメリカ特許4,816,567)によって作る ことができる。 ハイブリドーマ法においては、マウスか又は例えばハムスターのような適切な 宿主動物を上記のごとく免疫して、免疫に用いるタンパク質と特異的に結合する 抗体を生産するか又は生産できるリンパ球を誘発する。あるいはまた、リンパ球 をインビトロで免疫してもよい。次に、ポリエチレングリコールのような適切な 融合剤を用いてリンパ球と骨髄腫細胞を融合させてハイブリドーマ細胞を形成さ せる(Goding,Monoclonal Antibodies: Principles and Practice,pp.59-103( Academic Press,1986))。 このようにして作成したハイブリドーマ細胞を、好ましくは未融合の親のミエ ローマ細胞の成長や生存を阻害する物質を1つ又はそれ以上を含有する適切な培 地に接種して増殖させる。たとえば、もし親骨髄腫細胞が酵素のヒポキサンチン グアニンホスフォリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を持 っていない場合は、通常ハイブリドーマの培地には、HGPRT−欠損細胞の増 殖を抑制する物質であるヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジンを含む で あろう(HAT培地)。 好ましい骨髄腫細胞は、効率的に融合し、選ばれた抗体産生細胞による抗体の 安定した高レベルの発現を助け、HAT培地のような培地に感受性である。これ らの中で好ましい骨髄腫細胞系は、Salk Institute Cell Distribution Center ,San Diego,California USA から入手できるMOPC−21及びIPC−11 マウス腫瘍から誘導されたマウスミエローマ系ようなマウス系ならび にAmerica n Type Culture Collection,Rockville,Maryland USA から入手できるSP− 2細胞である。ヒト骨髄腫およびマウス−ヒトヘテロ骨髄腫細胞系についてもヒ トモノクローナル抗体の製造に関する記載がある(Kozbor,J.Immunol.133:30 01(1984); Brodeur,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applica tions,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987))。 ハイブリドーマ細胞が増殖している培地中には、IFN−γレセプターβ−鎖 に対するモノクローナル抗体が生産されているかをアッセイする。好ましくは、 ハイブリドーマ細胞で生産されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈澱 法によるか、またはラジオイムノアッセイ(RIA)や酵素免疫測定法(ELI SA)のようなインビトロ結合アッセイによって決定される。 モノクローナル抗体の結合親和性は、例えばMunsonおよびPollard,Anal.Bio chem.107:220(1980)のスカッチャード分析によって決定される。 ハイブリドーマ細胞が所望の特異性、親和性及び/または活性を有する抗体を 生産することが同定された後に、そのクローンを限定希釈法でサブクローンしそ して標準法によって増殖させることができる(Goding,Monoclonal Antibodies: Principles and Practice,pp.59-104(Academic Press,1986))。この目的に 適した培地には、例えば、ダルベッコ改良イーグル培地やRPMI−1640培 地が含まれる。さらに、ハイブリドーマ細胞は、動物中での腹水腫瘍としてイン ビボで増殖させることができる。 サブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体は、例えばプロテインA −セファロース、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、 透析、またはアフィニティークロマトグラフィーのような通常の免疫グロブリン 精製方法によって培地、腹水液、又は血清から適切に分離される。 本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは容易に単離され、そして通 常の方法を用いて(例えば、マウス抗体の重鎖と軽鎖をコードする遺伝子と特異 的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを用いて)配列が決定される。本発 明のハイブリドーマ細胞は、そのような好ましいDNA源として用いられる。単 離されたDNAを発現ベクターの中へ入れ、次いでこのベクターをサルCOS細 胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または別の方法では免疫グロ ブリン蛋白を生産しない骨髄腫細胞のような宿主細胞中に移して、組換え宿主細 胞中でモノクローナル抗体を合成することができる。DNAは、例えばホモロー ガスなマウス配列の代わりにヒトの重鎖および軽鎖定常領域のコード配列を置換 するか(Morrisonら,Proc.Natl.Acad.Sci.81:6851(1984))、又は非免疫グ ロブリンポリペプチドのコード配列の全てもしくは一部分を免疫グロブリンコー ド配列と共有結合させることによって修飾することもできる。そのようにして、 抗セレクチンリガンドモノクローナル抗体の結合特異性をもつ「キメラ」又は「 ハイブリッド」抗体が生産される。 通常、そのような非免疫グロブリンポリペプチドを用いて、本発明の抗体の定 常領域を置換するか、又は本発明の抗体の1つの抗原結合部位の可変領域で置換 することによって、IFN−γレセプターβ−鎖に対する特異性をもつ1つの抗 原結合部位と、異なる抗原に対する特異性をもつ他の抗原結合部位を含むキメラ 2価抗体が生産される。 キメラ抗体又はハイブリッド抗体は、架橋剤を用いる方法を含む蛋白合成化学 において公知の方法を用いてインビトロで製造することができる。例えば、イム ノトキシンはジスルフィド交換反応を用いるか、またはチオエーテル結合を形成 させることによって構築することができる。この目的に適した試薬の例にはイミ ノチオレート及びメチル−4−メルカプトブチルイミデートが含まれる。 診断に応用するには、通常、本発明の抗体は検出可能部分で標識化される。検 出可能部分とは、検出可能なシグナルを直接か間接に生じることができるような 何れのものでもよい。例えば、検出可能部分は放射性同位元素(たとえば3H、1 4 C、32P、35S、若しくは125I)、蛍光化合物もしくは化学発光化合物(たと えばフルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、若しくはルシフェリン) 、放射性同位元素標識(たとえば125I、32P、14C、若しくは3H)、又は酵素 (たとえばアルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、若しくはホースラ ディッシュペルオキシダーゼ)であってよい。 抗体と検出可能部分とを別個に結合させるためのあらゆる公知の方法も用いる ことができる。これには以下に記載の方法が含まれる。Hunterら,Nature 144:9 45(1962); Davidら,Biochemistry 13:1014(1974); Painら,J.Immunol.Meth .40:219(1981); およびNygren,J.Histochem.and Cytochem.30:407(1982)。 本発明の抗体は、競合結合アッセイ、直接ならびに間接サンドウィッチアッセ イ、および免疫沈澱アッセイのようなあらゆる公知のアッセイ法に用いることが できる。Zola,Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques,pp.147-158( CRC Press,Inc.,1987)。 競合結合アッセイは、限定量の抗体との結合において、標識された標準品(そ れはIFN−γレセプターβ−鎖もしくはその免疫反応性の部分であってよい) が分析する検体(IFN−γレセプターβ−鎖)と競合する能力に依存している 。検体のIFN−γレセプターβ−鎖の量は、抗体と結合する標準品の量に反比 例する。結合する標準品の量の決定を促進するために、抗体をふつう競合の前か 後に不溶化し、抗体に結合している標準品と検体を、未結合の試料と検体と好都 合に分離する。 サンドウィッチアッセイには、それぞれが検出するべきタンパク質の異なる免 疫原性部分すなわちエピトープと結合することができる2つの抗体が用いられる 。サンドウィッチアッセイでは、分析検体を固形の支持体上に固定化された第1 抗体、ついで第2抗体と結合させることによって、不溶性の3つの部分からなる 複合体を形成させる(DavisとGreene,アメリカ特許4,376,110)。第2抗体はそ れ自体が検出可能部分で標識されていてもよいし(直接サンドウィッチアッセイ )、又は検出可能部分で標識した抗免疫グロブリン抗体を用いて第2抗体を測定 してもよい(間接サンドウィッチアッセイ)。例えば、サンドウィッチアッセイ の1 種にELISAアッセイがあるが、この場合、検出可能部分は酵素である。 (iii)ヒト化抗体 非ヒト抗体をヒト化する方法は当業者に公知である。一般的に、ヒト化抗体に は、その中に、非ヒト由来の1つ又はそれ以上のアミノ酸残基が導入されている 。これらの非ヒトアミノ酸残基はしばしば「移入」残基であり、この残基は、通 常、「移入」可変領域から得られるものである。ヒト化は、本質的にWinter と 共同研究者の方法に従って、ヒト抗体の対応する配列を齧歯動物のCDRやCD R配列で置換することによって、行われる(Jonesら,Natur 321:522-525(1986) ; Riechmanら,Nature 332:323-327(1988); Verhoeyenら,Science 239:1534-15 36(1988))。従って、そのような「ヒト化」抗体はキメラ抗体であり(Cabilly ,既出)、完全なヒトの可変領域よりも実質的に少ない部分が、非ヒト種からの 対応する配列で置換されている。実際にはヒト化された抗体は通常、若干のCD R残基と多分若干のFR残基が齧歯動物抗体の類似部位からの残基で置換されて いるヒト抗体である。 抗体は、抗原に対する高親和性と他の好ましい生物学的性質を保持してヒト化 されていることが重要である。この目的を達成するためは、好ましい方法によれ ば、ヒト化抗体は、親配列とヒト化配列の3次元モデルを用いて親配列と種々の 概念上のヒト化産物を分析する方法によって製造される。3次元免疫グロブリン モデルは普通に利用可能であり、当業者によく知られている。選ばれた候補免疫 グロブリン配列の考えられる3次元配座構造を例示し、表示するコンピューター プログラムが利用できる、これらの表示物を検討することによって、候補免疫グ ロブリン配列の機能における残基の予想される役割を分析(すなわち候補免疫グ ロブリンの抗原に対する結合能力に影響を与える残基を分析することができる。 このようにして、FR残基をコンセンサス配列および移入配列から選択して結合 することによって、所望の抗体特性、たとえば標的抗原に対する親和性の増大が 達成される。一般にCDR残基は、抗原との結合に直接かつ最も実質的に影響を 及ぼす。 また、今や、内因性の免疫グロブリンが生産されないヒト抗体の完全なレパー トリーを生産することができるトランスジェニック動物(たとえばマウス)を生 産することが可能である。例えば、キメラマウスや生殖系突然変異マウスにおけ る抗体重鎖結合領域(JH)遺伝子のホモ接合体的欠失によって、外因性抗体の 生産が完全に阻害されることが記載されている。そのような生殖系突然変異体マ ウスにヒト生殖系免疫グロブリン遺伝子配列が伝達されることにより、抗原攻撃 によってヒト抗体が生産される。例えば、Jakobovitsら,Proc.Natl.Acad.Sc i.USA 90:2551-255(1993); およびJakobovitsら,Nature 362:255-258(1993)を 参照の事。 (iv)二特異抗体 二特異抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に結合特異性をもつモノクローナ ルの、好ましくはヒトまたはヒト化抗体である。今回の場合、結合特異性の一つ はIFN−γレセプターβ−鎖に対してであり、もう一つは他の抗原、好ましく は他のレセプター又はレセプターサブユニットに対するものである。例えばIF N−γレセプターβ−鎖とIFN−γレセプターα−鎖、もう1つのサイトカイ ンレセプター(すなわちTNFレセプター、IL−2レセプター)鎖、もしくは EPOレセプター鎖と特異的に結合する二特異抗体は本発明の範囲内である。 二特異抗体を作る方法は当該分野で公知である。 伝統的には二特異抗体の組換えによる生産は、2つの重鎖が異なる特異性をも つ2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対を一緒に発現させることに基づいている( MillsteinおよびCuello,Nature 305:537-539(1983))。免疫グロブリン重鎖と 軽鎖をランダムに組合わせるため、これらのハイブリドーマ(クワドローマ)は 10個の異なる抗体分子の混合物を生じることが考えられるが、そのうち1つだ けが正しい二特異構造をもっている。通常、アフィニティークロマトグラフィー 工程によって行われるこの正しい分子の精製はかなり厄介であって、生産物の収 量も低い。同様の方法はPCT出願公開W0 93/08829(1993年5月13日公 開)及びTrauneckerら,EMBO 10:3655-3659(1991)に開示されている。 別の、より好ましいアプローチによれば、所望の結合特異性をもつ抗体可変領 域(抗体−抗原結合部位)を、免疫グロブリン定常領域配列と融合させる。好ま しくは、ヒンジ、CH2、及びCH3の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重 鎖定常領域と融合させる。融合の少なくとも1つの中に存在する、軽鎖の結合に 必要な部位を含む第1重鎖定常領域(CH1)をもつことが好ましい。免疫グロ ブリン重鎖融合体及び所望により免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAを別々 の発現ベクター中へ挿入し、適切な宿主生物へ一緒にトランスフェクトする。こ れは、構築に用いる3つのポリペプチド鎖の比が等しくない時に最適の収量が得 られる場合に、3つのフラグメントの相互比率を調節する上で大きな融通性をも たらす。しかし同じ比率の少なくとも2つのポリペプチド鎖の発現が高い収量を 与えるか、またはその比率が特に有意でない場合は、1つの発現ベクター中の2 つ又は3つすべてのポリペプチド鎖のコード配列を挿入することが可能である。 このアプローチの好ましい態様において二特異性抗体は、1つのアームには第一 の結合特異性とのハイブリッド免疫グロブリン重鎖、そして他のアームにはハイ ブリッド免疫グロブリン重鎖−軽鎖ペア(第二の結合特異性を与える)から成っ ている。この非対象性構造は、望んでない免疫グロブリン鎖結合からの所望の二 特異性化合物の分離を促進する。何故ならば二特異性分子の僅か半分の中の免疫 グロブリン軽鎖の存在が、分離の容易な方法を提供するからである。 二特異性抗体の生成の更に詳しいことは例えば次を参照すること。Sureshら, Methods in Enzymology 121:210(1986)。 (v)ヘテロ接合抗体 ヘテロ接合抗体もまた本発明の範囲の中にある。ヘテロ接合抗体は2つの共有 的に結合した抗体から成っている。そのような抗体は例えば望まない細胞への免 疫系細胞を標的とし(アメリカ特許 4,676,980)そしてHIV感染の治療のため に(PCT出願公開 W0 91/00360 及び WO 92/200373; EP 03089)提案されてい る。ヘテロ接合抗体は如何なる通常の交差結合法を用いてもつくるこができる。 適当な交差結合剤は当業界でよく知られており、多くの交差結合技術とともにア メリカ特許 4,676,980 に開示されている。 M.医薬的組成物および投与 IFN−γレセプターβ−鎖抗体と同様に本発明のIFN−γレセプターβ− 鎖ポリペプチドは一特異性、二特異性またはヘテロ接合形態のいずれでもIFN −γ生物活性をシグナルし、高め又はブロックするのに有用である。それらはま た、例えば他のサイトカイン類やEPOのようなその他の生物活性ポリペプチド のシグナリング、増強またはブロッキングに有用である。 IFN−γの公知の生物活性は多様であって、種々のウイルス、細菌、寄生虫 及びカビに対する抗微生物活性;単独または類似活性の他の薬剤と組み合わせて の抗腫瘍活性(とくに大腸腫瘍、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、乳腫瘍、肉腫、及 び黒色腫の治療における);並びにIFN−γのワクチンアジュバントとしての 使用を可能とする特定の抗原の反応する宿主抗体を増強するような免疫調節活性 を含む。組換えヒトγ−インターフェロン(Actimmune[登録商標]、Genentech ,South San Francisco,California)は、食細胞機能不全による皮膚、リンパ 節、肝臓、肺および骨の重篤で再発性の感染症で特徴づけられる急性の肉芽腫疾 患の治療の免疫調節薬剤として商業的に入手可能である。アゴニスト特性のIF N−γレセプター抗体またはIFN−γレセプターβ−鎖は、これらの及びその 他のIFN−γ活性を模倣するであろう。 その他のIFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチド及びアンタゴニスト抗IF N−γレセプターβ−鎖抗体は単独またはα−鎖と一緒になってIFN−γ生物 活性をブロックするであろう。このアンタゴニスト活性は、例えば炎症性腸疾患 (潰瘍性大腸炎やクローン病を含め)や肝臓障害(たとえば劇症肝炎)のような 外因性IFN−γ生産に関連する病理学的条件の治療に有用と信じられている。 本発明の治療的処方は、所望の純度の活性成分を任意の生理的に許容される担 体、希釈剤または安定剤(Remington's Pharmaceutical Sciences 16th Edition ,Osol,A.Ed.(1980))と混合し凍結乾燥ケーキまたは水性溶液の形態で貯蔵 のために作製される。許容される担体、希釈剤または安定剤は、使用の用量や濃 度においては被投与者に無毒であり、そして燐酸塩、クエン酸塩およびその他の 有機酸のような緩衝剤;アスコルビン酸のような抗酸化剤;低分子量の(約10 残基より少ない)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリ ン のようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような重合体およびグリシン、グ ルタミン、アスパラギン、アルギニン又はリジンのようなアミノ酸;グルコース 、マンノース又はデキストリンのような単糖類、二糖類およびその他の炭水化物 ;マンニトールやソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムのような塩形 成性の対イオン;及び/またはツイーン、プルロニック又はPEGのような非イ オン性界面活性剤を含む。 活性成分はまた、コロイド薬物伝達系(例えばリポソーム、アルブミンミクロ スフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)又はマクロエ マルジョン中でコアセルベーション技術又は界面重合たとえば各々ヒドロキシメ チルセルロースやゼラチンマイクロカプセル及びポリ(メチルメタクリレート) マイクロカプセルで作製したマイクロカプセル中へ封じ込めることもできる。そ のような技術は、既出の Remington's Pharmaceutical Sciences に開示されて いる。 生体内投与に用いられる処方は無菌であらねばならぬ。これは、凍結乾燥およ び再構成の前または後で無菌濾過膜で濾過することにより容易に達成される。 ここにおける治療組成物は一般に、皮下注射針が通過する栓のついた血管内溶 液バッグまたはバイアルのような無菌アクセス部を持った容器の中へ収容される 。 本発明の分子は任意的に、他のサイトカイン類、たとえばTNF、リンフォト キシン、IL−2、肝細胞成長因子(HGF)、EPO、通常の抗腫瘍剤、たと えば5−フルオロウラシル(5−FU)またはエトポサイド(VP−16)、な どと組み合わせるか、又は一緒に投与する。 投与経路は例えば静脈内、腹腔内、脳内、筋肉内、眼内、血管内もしくは傷害 部位内への注射もしくは注入、局所的投与または持続放出系のような公知の方法 による。 持続放出製剤の適当な例は、たとえばフィルムやマイクロカプセルのような有 形物品形態の半透性ポリマーマトリックスを含む。持続放出マトリックスは次の ものを含む。すなわちポリエステル、ヒドロゲル、ポリアクチド(U.S.Patent 3,773,919; EP 58,481)、L−グルタミン酸とγ−エチル−L−グルタメート の共重合体(U.Sidmanら,Biopolymers,22(1):547-556(1983)、ポリ(2−ヒ ドロキシエチルメタクリレート)(R.Langer,ら,J.Biomed.Mater.Res.15: 167-277(1981); R.Langer,Chem.Tech.12:98-105(1982))、エチレンビニル アセテート(R.Langerら,既出)、またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ 酪酸(EP 133,988A))。持続放出組成物はまたリポソームをも含む。本発明の範 囲内にある分子を含むリポソームは、それ自体公知の方法で作製される。即ちDE 3,218,121A; Epsteinら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3688-3692(1985); H wangら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4030-4034(1980); EP 52322A; EP 366 76A; EP 88046A; EP 143949A; EP 142641A; 日本特許出願 83-118008; U.S.Pa tents 4,485,045 and 4,544,545; 及び EP 102,324A。通常はリポソームは小さ い(約200〜800オングストローム)単層タイプで、脂質含量は約30モル %コレステロールよりも大きく、選ばれた比率は最適のNT−4療法のために調 節される。 治療的に用いられる本発明の分子の効果的な量は例えば、治療対象、投与方法 および患者の状態に依存する。従って治療者にとっては、最適の治療効果を得る ために用量を規定しそして投与方法を加減することが必要である。典型的な一日 量は上記の因子に応じて、約1μg/kgから約100mg/kg又はそれ以上 の範囲にある。通常は医師は本発明の分子を、その用量が必要な生物効果を提供 するに至るまで投与する。この治療の進み方は通常の試験法で容易にモニターさ れる。 以下の例は説明のために示されたもので、限定のためではない。 実施例 以下の実験方法は、以下の実施例1および2において用いられた。 プラスミドの構築 マウスIFN−γR cDNAの全コード領域を含む発現ベクターpHMG− A7’は既に記載された(Hemmiら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:9901-9905 (1989))。 リポータープラスミドpUMS(GT)8−TacをプラスミドpUMS−U ASGH(Sailerら,Gene Expr.2:329-337(1992))から誘導し、これをBam HIとEcoRIで切断してヒト成長ホルモン(GH)をコードした挿入物を切 り出し、平滑(ブラント)にした。ヒトIL−2レセプターα−鎖(Tac抗原 )のコード領域を含むプラスミドpKCR.Tac−2.A(Nikaidoら,Natur e 311:631-635(1984))のHindIIIフラグメントをブラントし、上記ベク ター中に連結してpUMS−UAS−Tacを生成した。この構築物をClal とHindIIIで切断してUAS−配列を切り出し、次いでClal−及びH indIII−互換性の突出部をもつように合成されたオリゴマー化したヘキサ マー(GAAAGT)8を挿入してpUMS(GT)8−Tac’を生成した。サ ルのウイルス40(SV40)エンハンサーを含有するEcoRIフラグメント をプラスミド61P(Kuhlら,Cell 50:1057-1069(1987))から切り出し、ブラ ントにし、そして部分的にPvu1−消化したブラントのpUSM(GT)8− Tac’中に連結してpUSM(GT)8−Tac(SV40)[以下pUMS (GT)8−Tacと呼ぶ]を生成した。 発現プラスミドpCDM8−Tacを、BstX1−スタッファー(Stuffer )を取り出し、プラスミドpKCR.Tac−2.A.のブラントHindII Iフラグメントを挿入することによってpCDM8(Seed and Aruffo,Proc.N atl.Acad.Sci.USA 84:3365-3369(1987))から誘導した。 細胞系COSN31の生成 COSN細胞(Dr.S.Nagataから提供されたCOS7細胞のサブライン)を 、10%FCS添加D−MEM(Gibco)中で増殖させた。指数増殖期の細胞約 2x106個を、Qiagen精製pUMS(GT)8−Tac 10μg、pHMGA 7’10μgおよびpSV2neoDNA 2μg(Southern and Berg,J.Mol .Appl.Genet.1:327-341(1982))を用い、燐酸カルシウム沈澱法(Graham and Erb,Virology 52:456-457(1973))によって共トランスフェクトした。G41 8耐性コロニーをプールし、サルIFN−γRと交差反応する組換えhuIFN −γ 500単位/mlと37℃で48時間インキュベーションした。Tac1 2抗原発現細胞を、抗TacMab(Becton Dickinson)を用い、連続2回のパ ンニ ング(Seed and Aruffo,既出)により濃縮した。3回目のパンニングにおいて 、構造的Tac抗原発現した非誘導細胞が除去された。4回目に細胞における、 muIFN−γR(Basuら,J.Interferon Res.9:551-562(1989))に対するM abを用いてmuIFN−γRの発現を豊富化した。次に、吸着細胞をサブクロ ーンし、個々のコロニーごとに、ヨード化muIFN−γを用い、muIFN− γRについてスクリーニングした(Aguet and Merlin,J.Exp.Med.165:988-9 99(1987))。muIFN−γRを発現し、ヒトIFN−γに反応してTac抗原 を誘発するがmuIFN−γには反応しない陽性コロニーをサイトフルオロメト リーで確認した。ここに記載した実験は、COSN31と名付けた1つのサブク ローンを用いて行った。 発現クローニングにCOSN31細胞を用いる前に、それらの細胞のエピソー ムプラスミドの複製を支持する能力を確認した。指数増殖期細胞を、本質的にGe aringら,EMBO J.8:3667-3676(1989)の記載に従ってエレクトロポレーションに より一時的にトランスフェクトした。簡単にいえば、細胞2x106個を、H2O 20μl中のpCDM8−TacDNA 5μgを加える前に燐酸塩緩衝食塩水 (pH7.2、PBS)180μl中に再懸濁し、そして300V、125μF Dでエレクトロポレートした。37℃で72時間インキュベーション後、細胞を 37℃で20分間PBS中の20mMのEDTAで処理して脱離させ、PBSで 一度洗浄し、ペレット化し、室温で30分間1.6mlの0.6%SDSおよび 10mMEDTAで溶解させた。NaClを最終濃度が1Mになるように加え、 溶解液を氷上で24時間インキュベーションした後、染色体外DNAのフェノー ル抽出とエタノール沈澱を行った。トランスフェクトDpnl−メチル化プラス ミドDNAと複製された非メチル化プラスミドDNAを区別するために、抽出し たDNAをDpnl−消化しMC1061/p3大腸菌宿主細胞(Seed and Aru ffo,既出)を形質転換させた。コロニーの計数は、COSN31細胞がpcD M8−Tacのエピソーム複製を保持していることを明瞭に示していた。 cDNAライブラリーのスクリーニング マウスの初期B細胞系Y1由来のオリゴ(dT)感作(プライム)ポリ(A)+ mRNAから誘導したpAGS−3cDNAライブラリーは、Dr.S.Takaki( Takakiら,EMBO J.9:4367-4374(1990))から親切にも提供された。このライブ ラリーを、約3x105の独立のコロニーをもつ6つのプールに分けた。濃縮( 豊富化)の第一ラウンドのために、各々のプールから3x5μgのDNAを上述 のようにしてエレクトロポレーションにより3x106の副密集(コンフルエン ト前)COSN31細胞の中へ別々にトランスフェクトした。37℃で24時間 後に、200U/mlのmuIFN−γを含有する新鮮な培地を添加し、そして 細胞をもう48時間インキュベーションした。Aruffo and Seed,Proc.Natl.A cad.Sci.USA 84:8573-8577(1987)に従ってパンニング工程を行った。簡単にい えば、細胞をPBS、20mMのEDTAの中でインキュベーションして脱離し 、ヒトTac抗原(Becton Dickinson)に対するマウスMabを含有する5%F CSとBSS(140mMのNaCl、1.0mMのCaCl2、5.4mMの KCl、0.8mMのMgSO4、0.3mMのNa2HPO4、0.4mMのK H2PO4;pH7.0)の中で1時間氷上でインキュベーションし、洗浄し、そ してアフィニティー精製したウサギ抗マウスIgG免疫グロブリンで予め被覆し た細菌学的ペトリ皿の上で室温で90分間インキュベーションした。プレートを BSSと2%FCSで3回ゆるやかに洗浄した。DNAを上述のようにして付着 細胞から抽出し、MC1061大腸菌宿主細胞の中で増幅させた(Seed and Aru ffo,既出)。引き続くラウンドでのトランスフェクションと濃縮を、5μgの DNAでトランスフェクトした106COSN31細胞を含む6つのもとのcD NAプールの各々について別々に行った。 サイトフルオロメトリー 図面の説明に示すような条件下で10cm2のウエルの中で副密集までインキ ュベーションしたCOSN31又はHEp−2細胞をPBS、10mMのEDT Aで処理して脱離させ、培地で洗浄し、そしてヒトTac抗原(Becton Dickins on)又は通常のヒトMHCクラスI若しくはクラスII抗原決定基に特異的なマ ウスMabs(モノクローナル抗体W6/32及びL243、各々Serotec 及び Becton Dickinson)で90分間40でインキュベーションした。細胞を遠心分離 で 洗浄し、FITC−接合ウサギ抗マウスIgG第2抗体(Setotec)で60分間 40でインキュベーションし、そしてサイトフルオロメトリー(Epics XL,Coul ter)の前に再び洗浄した。ウサギ抗muIFN−γR Mab(Basuら,既出 )及びFITC−接合(結合)ウサギ抗マウスIgG F(ab’)2抗体を用 いることによって、muIFN−γR α−鎖の発現をモニターした。 抗ウイルスアッセイ ヒト又はマウスIFN−γを、小胞性胃炎ウイルス(VSV)で攻撃したマウ スL929細胞またはヒトHEp−2(ATCC)上でアッセイした。IFNの 1単位/ml(U/ml)は、細胞変性効果に対する50%保護を生じるような 濃度として定義される。 実施例1.マウスIFN−γレセプターβ−鎖のクローニング 発現クローニング戦略 IFN−γレセプター(IFN−γ)の機能性に必要な推定上の種特異的補助 (アクセサリー)成分を同定するために本発明者らは、COS細胞での公知のc DNA発現クローニング戦略に基づく相補性アプローチを設計した(Aruffo and Seed,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:8573-8577(1987); Seed and Aruffo,P roc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3365-3369(1987))。COS7細胞は、マウスの IFN−γレセプター(muIFN−γR)(Hemmiら,Proc.Natl.Acad.Sci .USA 86:9901-9905(1989))をコードするcDNA発現プラスミドpHMG−A 7’、及びヒトTac抗原(IL−2レセプターα−鎖、CD25)(Nikaido ら,Nature 311:631-635(1984))をコードするcDNAに結合した人工的多量( マルチマー)化IFN−γ−誘導性プロモーター要素(MacDonaldら,Cell 60:7 67-779(1990))から成るレポータープラスミドpUMS(GT)8−Tac(図 1A)で安定に共トランスフェクトされた。COS細胞系(COSN31)が単 離されたが、それはmuIFN−γRを安定に発現するが、Tac抗原(図1B )の発現によりヒトだけに反応し、マウスのIFN−γ(muIFN−γ)には 反応しなかった。 IFN−γ補助成分[IFN−γR β−鎖]をコードするcDNAのクローニ ング COSN31細胞は、マウスの初期β−細胞誘導cDNAライブラリーpAG S−3(Takakaiら,ENBO J.9:4367-4374(1990))のプールで一時的に形質転換 され、そしてTac抗原発現に関してmuIFN−γに応答的な細胞はパンニン グで増強(豊富化)された。4ラウンドの増強のあと、6つのプールの1つは、 パンニングプレートへのCOSN31細胞の有意なmuIFN−γ誘導付着をお こした。この段階でのパンニングプレートに付着している細胞の集合は上記のバ ックグラウンドの約5倍であり、それはTac抗原の若干の構造的発現のために 細胞の約0.5%に達した。これらの第4ラウンドの細胞から回収したcDNA から無作意的に取り出した24個のcDNAクローンのうち2つは、COSN3 1細胞をmuIFN−γ感受性にすることができ、そしてそれらの挿入サイズは (クローンpAGS.C19及びpAGS.C2)同一であった。第5ラウンド のパンニング後に同じcDNAプールから単離された3番目の陽性のクローン( pAGS.M17)は、更に小さい挿入物を含んでいた。すべての3つのcDN AクローンのCOSN31細胞での経過的(一過性)発現は、トランスフェクシ ョン効率を反映してパンニングプレートへの細胞の約20〜30%のmuIFN −γ誘導付着を生じた。図1Cは、pAGS.C19cDNAを経過的に発現す るCOSN31細胞でのマウス対ヒトのIFN−γ−(huIFN−γ)誘導T ax抗原のサイトフルオロメトリック分析を示す。約30%の細胞がmuIFN −γ−誘導Tac抗原発現を示した。発現レベルはhuIFN−γで観察された ものと類似であった。 cDNA特性と配列 pAGS−3cDNAライブラリーから単離したすべての3つのcDNAクロ ーンは、多分COS細胞でのエピソーム複製中にしばしば起こることが知られて いる再配列のために、挿入物の側面に位置する制限部位を欠如していた(Calos ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:3015-3019(1983))。すべての3つのクロ ーンは、その挿入物の部分を含む一見ふつうの1.1kbのHindIII−X balフラグメントを含有していた。pAGS.C19クローン由来のこのHi ndIII−Xbalフラグメントは、配列決定とマウス脾臓RNAへのノーザ ンブロットハイブリダイゼーションによって挿入物の一部分を含有していること が確かめられ、そして既に Hemmiら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:9901-990 5,1989)に記載のオリゴ(dT)感作マウスλgt11cDNAライブラリー をスクリーニングするためのプローブとして用いられた。1283bpのEco RI挿入物を含有する陽性クローンが単離された(λ1.C19)。pAGS. C19及びλ1.C19クローンの両方からの挿入物は、配列特異的オリゴヌク レオチドプラーマーを用いる鎖末端法(Sangerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463-5467(1977))で配列決定され、996bpの同等のオープンリーディ ングフレームを含んでいた。λ1.C19クローンのヌクレオチドと予測アミノ 酸配列を図2Aに示す。最大のオープンリーディングフレーム(94〜96のヌ クレオチド)の最初のATGは、翻訳開始の典型的な共通(コンセンサス)配列 (Kozak,Nucleic Acids Res.15:8125-8148(1987))に埋め込まれている。この 位置で始まる翻訳産物は、18のアミノ酸の予測されるシグナルペプチドで始ま る332のアミノ酸から成るであろう(von Heijne,Nucleic Acids Res.14:46 83-4690(1986))。ハイドロパシー(Hydropathy)分析は、成熟タンパク質の2 25から248のアミノ酸残渣にまたがる付加的な疎水性のストレッチの存在を 示した。この推定の経膜アンカー領域は、成熟したタンパク質を224のアミノ 酸の細胞外領域と66のアミノ酸の細胞質領域に更に分ける。 本発明者らは公知の如何なる遺伝子やタンパク質とも類似の広範囲のヌクレオ チドやアミノ酸配列を見いださなかった。しかし、muIFN−γRの公知のリ ガンド結合鎖およびタイプI IFNレセプターの2つの複製細胞外領域とmu IFN−γRβ−鎖の推定の細胞外来に分とのアミノ酸配列アラインメントは、 IFNレセプターファミリーのメンバーとして同定されており(Bazan,Cell 61 :753-754(1990))IL−10レセプターも最近このファミリーに属することがわ かった(Yue Hoら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90(23):11267-11271(1994)) 。ふつうのモチーフははっきりと2つのシステインペア並びに保存されたプロリ ン残基、トリプトファン残基及びチロシン残基(図2B)を包含している。 IFN−γレセプターβ−鎖の発現と染色体位置 λ1.C19cDNAクローンの挿入物は Bluescript 中へサブクローンされ 、そして異なった生物由来のRNAのノーザンブロットハイブリダイゼーション のプローブとして用いられた。約2.0kbの単一転写物が脾臓、肝臓、腎臓、 肺および脳由来のRNA中に検出された。1つの内部Scal部位を含みEco RV部位を持たないλ1.C19挿入物は、2つのゲノムScalおよび1つの EvoRV DNAフラグメントのみにハイブリダイズし、それはこの転写物が 単一遺伝子の生産物であろうことを示唆している。 ヒトにおいては、IFN−γRの共因子は21番染色体(Jungら,Proc.Natl .Acad.Sci.USA 84:4151-4155(1987))へのコーディングが提案された。この 示唆を確認するためにλ1.C19挿入物を、Namalwa細胞mRNA(Sa ilerら,Nucleic Acids Res.20:2374(1992a))で構築したヒトμgt11cD NAライブラリーからのhuIFN−γRβ−鎖をコードする完全長cDNAを 単離するプローブとして用いた。このヒトクローンからの挿入物は、配列が決め られ、muIFN−γRβ−鎖のヒト対応部をコードすることが分かった。hu IFN−γRβ−鎖のヌクレオチドと推定されたアミノ酸配列を図4と5に示す 。唯一のヒト染色体として21番染色体を含有するWAVRdA1 9マウス/ ヒトハイブリッド細胞系(Coriell Cell Repositories)からのゲノムDNAの サウザンブロットと標識挿入物とのハイブリダイゼーションは、ヒト細胞からの ゲノムDNAで観察されたものと区別不能なパターンを生じ、それはhuIFN −γレセプターβ−鎖cDNAをコードする遺伝子は正にヒト21番染色体上に 含まれていることを示す。 実施例2.マウスIFN−γレセプターβ−鎖の生物学的機能 両muIFN−γR鎖を発現するヒトHEp−2細胞のmuIFN−γとの反応 性 その機能性を調べるために、新規なレセプターサブユニットをコードした発現 構築物を、muIFN−γRα−鎖(Hemmiら,上述)を発現している既述のヒ トHEp−2細胞系中へ安定にトランスフェクトした。これらの細胞(HEp− 2xmuIFn−γRα♯43.7サブライン)に発現したマウスIFN−γR α−鎖は、高い親和性でmuIFN−γと結合することが可能であるが、これら の細胞はMHCクラスI及びII抗原の誘導可能発現、抗ウイルス反応ならびに 成長阻害(Hemmiら,既出)に関してマウスIFN−γと反応せずヒトとのみ反応 するので、非機能的であった。 HEp−2xmuIFN−γRα♯43.7細胞は、3−ヒドロキシ−3−メ チルグルタリル補酵素Aレダクターゼプロモーター(Gautierら,Nucleic Acids Res.17:9889(1989); Hemmiら,既出)由来のλ1.C19挿入物を含有する発 現プラスミドpHMG.C19またはもとの発現プラスミドpAGS.C19の 何れかで安定にトランスフェクトされた。図3は親のHEp−2xmuIFN− γRα♯43.7細胞のhuIFN−γに対するマウスのそれの反応を示し、そ してこれらの細胞の1つのサブラインは、muIFN−γRβ−鎖(HEp−2 xmuIFN−γα/β♯6)をコードするpHMG.C19発現プラスミドで 安定にトランスフェクトされる。HEp−2xmuIFN−γRα/β♯6細胞 のヒトまたはmuIFN−γでのインキュベーションは、MHCクラス1抗原発 現の4〜5倍の増大をもたらし(図3A)、そしてMHCクラスI1抗原のドゥ ノボ(de novo)発現をもたらしたが(図3B)、一方ではmuIFN−gRα −鎖のみを発現する親細胞はmuIFN−γに対して感受性でなかった。 3つの付加的な応答マーカーの分析は次の結果を確認した。まず図3Cは次の ことを示す。すなわちHEp−2xmuIFN−γRα♯43.7細胞はIFN 調節因子1(IRF−1)mRNV誘発(Miyamotoら,Cll 54:903-913(1988)) に関して、huIFN−γのみと反応しmuIFN−γとは反応しないが、一方 、HEp−2xmuIFN−γRα/β♯6細胞はmuIFN−γにも完全に反 応性になる。最後に、図3Dと3Eに示す結果は、両マウスレセプターサブユニ ットを発現しているHEp−2xmulFN−γRα/β♯6細胞は、muIF N−γ及びhuIFN−γの抗ウイルス及び抗増殖効果に対し等しく十分に反応 することを示している。 これらの結果は、発現プラスミドpHMG.C19(HEp−2xmuIFN −γRα/β♯10)でトランスフェクトされたHEp−2xmuIFN−γR α♯43.7細胞の独立クローンによって確認され、そしてMHCクラスI及び II抗原発現に関しては、もとの発現プラスミドpAGS.C19でトランスフ ェクトされた若干のクローンについて確認された。 結論 明らかに、すでにmuIFN−γRα−鎖を発現しているヒトHEp−2細胞 のmuIFN−γRアクセサリーまたはβ−鎖の発現は、これらの細胞を、テス トしたすべての応答マーカーに関して、マウスIFN−γに感受性であるのと同 程度にhuIFN−γにも感受性とした。 ヒトIFN−γと比べて区別し得ないマウスIFN−γに対する抗ウイルス応 答は、本発明者らのその他の研究所からのこれまでの報告とは対照的である(He mmiら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:2737-2741(1992); Cookら,Proc.Natl .Acad.Sci.USA 89:11317-11321(1992))。それらによれば、ヒト21番染色 体を含有しhuIFN−γRα−鎖を発現しているマウス/ヒト体細胞ハイブリ ッドは、huIFN−γによって小胞性胃炎ウイルスの細胞変性効果から十分に 保護されず、このことはマウス細胞におけるhuIFN−γの抗ウイルス効果を 仲介するなお他の種特異的共因子(コファクター)が必要であることを示唆する 。この不一致は依然説明できておらず、ヒト細胞におけるマウスレセプターの異 なる適合性(その逆というより)または多分律速的β−鎖の不十分な発現による ものかもしれない。 新規なレセプターサブユニットに対する抗体はこの後者の点を明らかにするこ とを助け、そしてまたβ−鎖がどのようにα−鎖と相互作用し、またそれがリガ ンド結合に関与しているかどうかを明らかにするのに役立つはずである。ヒト/ マウスハイブリッドIFN−γRα−鎖を用いる実験は推定上のβ−鎖との種特 異的相互作用に両サブユニットの細胞外部分が関与することを示唆した(Gibbs ら,Mol.Cell.Biol.11:5860-5866(1991); Hemmiら,既出; Hibinoら,J.Bio l.Chem.267:3741-3749(1992); Kalinaら,J.Virol.67:1702-1706(1993))。 しかし、それらが、二量体リガンドを通じて互いに結合するのか(Ealickら,Sc ience 252:698-702(1991))または直接に作用しあうのかはまだ明かでない。化 学的架橋実験は、IFN−γ結合によってレセプターのα−サブユニットの二量 化を誘発できることを示唆した(Greenlundら,J.Biol.Chem.268:18103-1811 0(1993))が、このホモ二量体が機能的IFN−γRを意味するのか不明であり 、β−サブユニットの関与についての生化学情報はない。 それでもなお、二価リガンドの1つのレセプターサブユニットへの結合が第二 のサブユニットへのリガンド結合の引き金になっている(Tartaglia and Goedde l,Science 256:1677-1680(1992))という成長ホルモンレセプターについて記載 された一連の事柄は、IFN−γRの模範となるであろう。IFN−γRα−鎖 を欠くマウスから誘導した細胞への検出可能なIFN−γ−結合がみられないこ と(Huangら,Science 259:1742-1745(1993))は、β−鎖がもしこれらの細胞中 で依然として正常に発現しているとすれば、β−鎖自身がIFN−γと結合でき ないことを示唆した。8−鎖の比較的短い細胞質領域は、特にマウスIL−2レ セプターβ−鎖とマウスエリスロポイエチンレセプター(Murakamiら,Proc.Na tl.Acad.Sci.USA 88:11349-1353(1991))を含む幾つかのサイトカインレセ プターの保存されたボックス2領域を暗示するモチーフ−LEVL(D)を含ん でいる。この領域の突然変異は、それはこれらのレセプターで仲介されるマイト ジェニック(細胞分裂促進)応答において重要であることを示唆した(Miuraら ,Mol.Cell Biol.13:1788-1795(1993))。これは、エリスロポイエチンとIF N−γ−仲介のシグナリング経路は、両者がJAK2チロシンキナーゼの活性化 を伴うので共通の工程を共有するであろうことを示唆する最近の発見という観点 において興味がある(Silvennoinenら,Science 261:1736-1739(1993); Witthuh n ら,Cell 74,227-236(1993)並びにその中の参照文献)。明らかにこれらのサ イトカインに対する生物学的応答は異なっており、このことはふつうのモチーフ とシグナリング成分に加え、同定されるべきより特異的なシグナリング要素が残 っていることを示唆している。ある種のサイトカインレセプター、IL−3、I L−5及びGM−CSFレセプター(Kitamuraら,Cell 66:1165-1174(1991); T avernierら,Cell 66:1175-1184(1991))、並びにIL−6、LIF、オンコス タ チンM、及びCNTFレセプター(Geaingら,Science 255:1434-1437(1992); T ageら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.89:10998-11001(1992))は共通のサブユ ニットをもつ。同様に、IL−2レセプターγサブユニットのトランケーション によるX−結合性重度複合免疫不全(Noguchiら,Cell 73:147-157(1993))とI L−2欠如マウスの表現型(Schorleら,Nature 352:62162-62164(1991))の不 一致は、他のシグナリング系でのこのサブユニットの予測される役割によって説 明できよう。IFN−γRβ−サブユニットがまた他のレセプターの成分であり 得るだろうと予測することは誘惑的であるが、α−鎖はIFN−γに対する生物 応答に必須であり(Farrarら,J.Biol.Chem.266:19626-19635(1991); Farrar ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.89:11706-11710(1992))、より特異的なシグ ナリング要素との相互作用に関与しているであろう。特異な細胞質領域(48の アミノ酸とC−末端YNHストレッチにまたがる膜隣接領域)を少なくとも2つ 持っている。 本明細書におけるすべての引例およびそこに示されたすべての文献は本明細書 の一部を構成する。上記したのは特定の好ましい実施態様に関するものであるが 、本発明はこれらに限定されないと理解されよう。種々の修飾は本発明の全体概 念から外れることなく成しえられることは当業者にとって明白である。すべての そのような修飾は本発明の範囲内にあると意図されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12N 5/10 9453−4B C12Q 1/68 A C12P 21/02 0276−2J G01N 33/53 D C12Q 1/68 0276−2J M G01N 33/53 0276−2J 33/566 0276−2J 33/577 B 33/566 9281−4B C12N 5/00 B 33/577 9051−4C A61K 37/02 ADY //(C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 アゲット,ミヒェル アメリカ合衆国カリフォルニア94301、パ ロ・アルト、ハミルトン・アベニュー1476 番 (72)発明者 ベーニ,ルート スイス国チューリッヒ8057、ベルニナシュ トラアセ10番 (72)発明者 ヘミ,シルビオ スイス国チューリッヒ8037、ノルトシュト ラアセ124番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.単離されたIFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチド。 2.天然のものである第1項のポリペプチド。 3.図2Aに示すアミノ酸配列のアミノ酸1−314を含む第2項のポリペプ チド。 4.貫膜固定領域が削除または不活性化された第3項のポリペプチド。 5.細胞質領域が削除された第4項のポリペプチド。 6.図5に示すヒトIFN−γレセプターβ−鎖アミノ酸配列を含む第2項の ポリペプチド。 7.貫膜固定領域が削除または不活性化された第6項のポリペプチド。 8.細胞質領域が削除された第7項のポリペプチド。 9.IFN−γレセプターα−鎖と会合した第1項のポリペプチド。 10.異質ポリペプチドと融合した第1項のポリペプチド。 11.異質ポリペプチドと融合した第4項のポリペプチド。 12.異質ポリペプチドと融合した第7項のポリペプチド。 13.該異質ポリペプチドが免疫グロブリン配列を含む第10項のポリペプチ ド。 14.第2項のポリペプチドを含む組成物であって、該組成物は該ポリペプチ ドが天然に存在する同一動物種の他のタンパク質を実質的に含まないものである 組成物。 15.第1項のIFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチドと特異的に結合でき る抗体。 16.第15項の抗体を生産するハイブリドーマ細胞系。 17.IFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチドをコードする、単離された核 酸分子。 18.天然のIFN−γレセプターβ−鎖をコードする核酸配列の相補鎖と、 低いストリンジェンシー条件下でハイブリッド化し得るヌクレオチド配列を含む 第17項の分子。 19.図2A又は図5に示すアミノ酸配列をもつタンパク質をコードするヌク レオチド配列の相補鎖と、低いストリンジェンシー条件下でハイブリッドし得る ヌクレオチド配列を含む第18項の分子。 20.図2Aまたは図5に示すIFN-γレセプターβ-鎖アミノ酸配列と、約 65%を超えるホモロジーを有するアミノ酸配列をもつIFN−γレセプターβ −鎖ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。 21.次のものより成る群から選ばれた、単離された核酸分子: (a)天然のIFN−γレセプターβ−鎖遺伝子のコード領域から誘導された ヌクレオチド配列をもつcDNAクローン; (b) ストリンジェントと条件下で(a)のクローンとハイブリダイズし得 るDNA配列;並びに (c)天然のIFN−γレセプターβ−鎖分子の生物学的性質をもつポリペプ チドをコードする、(a)及び(b)のDNA配列のいずれかの遺伝的変種。 22.DNAであり、そしてアミノ酸配列LEVLDをコードする配列を含ん でいる第17項の核酸分子。 23.核酸分子に機能的に結合したプロモーターを更に含む第17項の核酸分 子。 24.ベクターで形質転換された宿主細胞により認識される制御配列に機能的 に結合した第17項の核酸分子を含む発現ベクター。 25.第24項のベクターで形質転換された宿主細胞。 26.ベクターで形質転換された宿主細胞により認識される制御配列に機能的 に結合した該核酸分子を含むベクターで形質転換した培養宿主細胞中で該核酸分 子を発現させ、そしてその宿主細胞からIFN−γレセプターβ−鎖を回収する ことを含む、IFN−γレセプターβ−鎖をコードする核酸分子の使用方法。 27.IFN−γレセプターβ−鎖をコードする核酸を含有している細胞のD NAに、転写調節要素を、その核酸の転写に影響を与えるに十分な近さと配置で 挿入することからなる、IFN−γレセプターβ−鎖の生産方法。 28.該細胞のDNAが、IFN−γレセプターα−鎖をコードする核酸を含 んでいる第27項の方法。 29.β−鎖をコードするDNAを被験試料中の核酸とハイブリダイズさせ、 そしてIFN−γレセプターβ−鎖DNAの存在を決定することからなる、IF N−γレセプターβ−鎖の存在の決定方法。 30.IFN−γレセプターβ−鎖をコードする核酸で核酸ポリメラーゼ反応 をプライムすることを含む核酸被験試料の増幅方法。 31.天然のIFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチドのアンタゴニスト。 32.IFN−γレセプターβ−鎖ポリペプチド、天然のIFN−γレセプタ ーβ−鎖ポリペプチドのアンタゴニスト又はIFN−γレセプターβ−鎖ポリペ プチドと特異的に結合する抗体又は天然のIFN−γレセプターβ−鎖ポリペプ チドのアンタゴニストと医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
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