JPH09503203A - Cd8▲上+▼細胞抗ウイルス因子 - Google Patents

Cd8▲上+▼細胞抗ウイルス因子

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JPH09503203A
JPH09503203A JP7509337A JP50933794A JPH09503203A JP H09503203 A JPH09503203 A JP H09503203A JP 7509337 A JP7509337 A JP 7509337A JP 50933794 A JP50933794 A JP 50933794A JP H09503203 A JPH09503203 A JP H09503203A
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レヴィ、ジャイ.エー.
イー. マッケウィッツ、カール
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Abstract

(57)【要約】 末梢血単核細胞、特にCD8+リンパ球から分泌されるタンパク質を精製し、性状を調べてCD8+細胞抗ウイルス因子(CAF)と命名した。CAFは脂質を含まず、さらに、レトロウイルス、特にHIV−1、HIV−2およびSIVの複製を阻害することが分かった。CAFは、ウイルスの複製を阻害するウイルスRNA転写阻害に用いることができる。したがって、CAFは、レトロウイルス感染患者の治療に用いることができる。また、CAFは、体液中およびCD8+細胞表面のCAFを検出し、HIV感染者の状態を知るためのアッセー装置の作製に使用できる抗体を生成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 CD8+細胞抗ウイルス因子発明の分野 本発明は、一般に抗ウイルス化合物、そのような抗体を用いる方法およびそれ から得られるアッセーに関する。より具体的には、本発明は、レトロウイルスの 複製を阻害し、とりわけヒト免疫不全ウイルス(HIV)の複製を阻害する精製 CD8+細胞タンパク質に関する。発明の背景 レトロウイルスの複製、特にHIVの複製を効果的に阻害する化合物の発見の ために大きな努力が払われている。HIV感染者の治療に有用であるためには、 当該化合物はHIV複製を阻害する必要があるが、一方、正常細胞にとって致命 的な毒性を有するものであってはならない。 本発明者らは、CD8+細胞の抗HIV活性とHIV感染者の症状との関係に 注目した。CD8+細胞の抗HIV活性と感染者の臨床状態とは相関性がある(C. E.Mackewiczら、J.Clin.Invest.87:1462-1466(1991))。このことを念頭に置 いて、HIV複製を阻害することができる成分をCD8+細胞から抽出する努力 が払われた。他の研究者は、CD8+細胞およびそのような細胞のウイルス複製 に対する影響を調べた。例えば、“CD8+T細胞は、自然感染CD4+T細胞に おけるHIV複製を阻害する(CD8+ T Cells Inhibit HIV Replication in Natur ally Infected CD4+ T Cells)”;Brinchmannら、J.Immunol.,144:2961-2966( 1990)、“CD8+リンパ球は、ウイルス複製を抑制することによってHIV感染 をインビトロで制御することができる(CD8+ Lymphocytes Can Control HIV Inf ection In Vitro by Suppressing Virus Replication)”;Walkerら、Science,2 34:1563-1566(1986)、“CD8+T細胞によって産生される拡散性リンホカイン はHIV複製を抑制する(A diffusible lymphokine produced by CD8+ T lympho cytes suppresses HIV replication)”;Walkerら、Immunol.,66:628-630(1989 ) を参照されたい。 ブリンクマン(Brinchmann)らは、CD8+細胞をHIV感染細胞に近接させ ることを教示する。これを基に、ブリンクマンらは、HIV増殖を阻害する何ら かの因子が、CD8+細胞から分泌されているのではないかと推測した。以下の ことについての開示も試みも現在行われていない:(1)因子を単離し;(2) CD8+細胞によって分泌される多数の異なる化合物ではなく、単一の因子が原 因となっているのかどうかを決定し;(3)そのような因子は現時点で知られて いる因子とは異なるものであるのか否かを決定する。 ウォーカー(Walker)らの2つの文献は、そのような因子を単離していないし 、さらに、既知の他の因子と異なる特定の因子が、HIV複製の阻害の原因であ るのかも示唆していない。 他の研究者らも、CD8+細胞とHIV複製との間の関係に注目してきたが、 当該細胞から抽出可能な、抗ウイルス活性の基礎として示すことができるような 単一のタンパク質は一切単離されていない。本発明者らは、そのようなタンパク 質を単離し性状を調べた。発明の要旨 本明細書では、末梢血CD8+リンパ球によって分泌されるタンパク質を精製 し、性状を調べ、CD8+細胞抗ウイルス因子(CAF)と名付けた。特に、C AFは、CD8+細胞の上清から53%の硫酸アンモニウムで沈澱させることが できる。CAFは脂質を含まず、分子量は30000未満で、レトロウイルス特 にHIV−1、HIV−2およびSIVの複製を阻害することが分かった。しか し、CAFはHIVを不活化せず、CD4+細胞活性化マーカーの発現には影響 を与えず、CD4+細胞複製を阻止しない。CAFは、感染性ウイルスの生成を 阻害するウイルスRNA転写阻害のために用いることができる。したがって、C AFは、レトロウイルス感染患者の治療に用いることができる。 本発明の重要な目的の1つは、レトロウイルス特にHIVの複製を阻害するこ とができる実質的に純粋なCAFを提供することである。 本発明の別の目的は、CAFを含む医薬製剤を提供することである。 また別の目的は、CAFによって作製される抗体(ポリクローナルおよびモノ クローナル)、並びにそのような抗体を用いたアッセーおよび方法を提供するこ とである。 具体的な目的は、CAF抗体を用いたELISAアッセーを提供することであ り、このアッセーは、体液中のCAFの存在および量を検出するために用いるこ とができる。 また別の目的は、ウイルスRNA転写を阻害する化学試薬として用いることが できる精製タンパク質を提供することである。 CAFの利点は、レトロウイルスの複製を阻止しながら、CD4+細胞活性化 マーカーの発現またはそれら細胞の増殖に影響を与えないことである。 CAFの特徴は、CD8+細胞から放出され、pH10−12に曝されると不 活性化されるが、2−8の範囲のpHに曝されても不活性化されず、熱およびト リプシンに対して耐性を有し、一連の既知のサイトカインとは免疫学的に異なる ということである。 本発明のこのような目的および他の目的、利点および特徴は、下記に説明する CD8+細胞抗ウイルス因子、並びに当該因子の使用およびその抗体の使用につ いての詳細な記載、実施例およびその一部を構成する製剤についての説明を熟読 することによって当業者には明白となろう。発明の好ましい実施例の詳細な説明 上記のように使用する本CD8+抗ウイルス因子および方法について述べる前 に、本発明は詳述された特定のものに限定されず、変形がもちろん可能であるこ とは理解されるべきところである。また、本発明の範囲は、添付の請求の範囲に よってのみ制限されるので、本明細書で用いられる用語は、特定の実施例を詳述 することだけを目的としており、範囲の制限を意味するものではないこともまた 理解されよう。 本明細書で用いられているように、単数形の“1つの(aまたはan)”および“ その(the)”は、文脈から明らかにそうでないことが示されない限り、複数対象 物を含む。したがって、例えば“(1つの)医薬的に許容される担体”という用 語 は複数のそのような担体の混合物を含み、“(1つの)抗ウイルス因子”といえ ば、1分子より多いそのような因子を含み、“(その)アッセー方法”といえば 、同じものを用いる異なるタイプのアッセーおよび方法を含む、等々という具合 である。 また別に規定しないかぎり、本明細書で用いられるすべての技術用語および科 学用語は、本発明が属する分野で通常の技量を有するものが普通に理解するもの と同じ意味をもつ。本明細書で述べるものと同様な、または同等ないずれの方法 および材料も、本発明の実施または試験に有用であろうが、好ましい方法および 材料は下記に示す。本明細書に記載されている全ての文献は、参照により本明細 書に含まれる。さらに、本発明の記載について特に重要な特定の用語は下記に定 義される。 “CD8+細胞抗ウイルス因子”および“CAF”という用語は、本明細書で は末梢血CD8+リンパ球から得られるタンパク質を指すために互換的に用いら れる。とりわけ、CAFは、53%硫酸アンモニウムによってCD8+細胞の上 清から沈澱させることができ、下記の性状を有するものと定義された: a.活性化CD8+細胞から放出される; b.10−12の範囲のpHに曝されると生物学的に不活性化されるが、 一方、2−8の範囲のpHに曝されたときは生物学的活性を維持する; c.100℃30分の加熱に対して、その活性の約60%が維持され、1 00℃10分の加熱に対しては90%までの活性が維持される程度に熱に対して 抵抗性である; d.37℃1時間のトリプシン活性に対して非感受性である; e.CD4+細胞の活性化または増殖に影響を与えない; f.ウイルスRNA転写を阻害することによって、ウイルスの複製を阻止 する; g.IFNα、IFNβ、IFNγ、TNFα、TNFβ、TGFβ、I L−4またはIL−6に特異的な抗体によって機能は阻害されない; h.IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、I L−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12、G−CSF、GM−C SF、TNFα、TNFβ、IFNα、IFNβ、IFNγおよびTGFβから 成る群から選ばれるサイトカインではない; i.凍結融解に付した後、活性は維持される; j.staph V8プロテアーゼに感受性であるが、XIA型プロテアーゼ( プロテイナーゼK)には非感受性である; k.CD4+リンパ球内で2'−5'−Aシンセターゼを誘導せず、したが ってインターフェロンとは異なる; l.53%硫酸アンモニウムによってCD8+細胞の上清から沈澱する; m.脂質を含まない; n.30Kdの分子量を排除するセントリコン(CENTRICON)フィルターを 通過する、30000未満の平均分子量を有する。CAFの大きさは、アミコン (Amicon)フィルター排除手技に基づき30000ダルトンと計算される。最近 、ロイペプチンカラム精製を用いたところ、このタンパク質の大きさは6200 0ダルトンのようである。この後者の発見は、アミコンフィルター法では限定的 な分子量を提示することができないか、またはカラム精製ではCAFの二量体が 存在するということを示しているのかもしれない。 o.ロイペプチンによって不活性化されるが、ベンズアミジンでは不活性 化されない; p.約6.0のpHでカルボキシメチルセルロースイオン交換樹脂に結合 する;さらに、 q.HIV感染IG5細胞でルシフェラーゼ発現を低下させる。 CAFを産生するヒト末梢血CD8+リンパ球は、ATCC番号CRL114 53として1993年9月16日に寄託された。さらに、このCAFも、ATC C番号75559として1993年9月16日に寄託された。本発明は、上記に 挙げた性状の全てまたは何れか、および/または表1の性状の全てまたは何れか によって定義される寄託CAFに匹敵する、および/または実質的に同等な一切 のCAFを包含する。 “CAF抗体”という用語は、抗体が結合する免疫系を備えた哺乳類によって 産生され、さらにCAFに免疫特異的である抗体を意味する。 “賦形剤”および“担体”という用語は、医薬的に許容でき、さらに薬理学的 に不活性ないずれかの成分(例えば滅菌水、塩、およびpKaが約6.0から約 8.0の生理学的範囲にある緩衝剤)を表すために本明細書で互換的に用いられ 、薬理学的に活性な化合物、例えば抗生物質、ホルモン、免疫刺激剤、およびレ トロウイルス、例えばHIVに感染した患者の治療のためにCAFと組み合わせ て用いることができるようなものは含まない。 “レンチウイルス”という用語はその通常の意味で用いられ、逆転写酵素を含 むウイルス属を表す。 精製された細胞因子、CD8+細胞抗ウイルス因子(本明細書ではCAFと略 す)は、末梢血単核細胞、特にその細胞表面にCD8と定義される分子を発現す るリンパ球によって分泌される。この細胞は、主として細胞障害性表現型、CD 8+CD11b-CD28+である。CAFは、HIV感染中に活性化されたCD 8+T細胞から得られる。上記に示したように、CAFは、53%硫酸アンモニ ウムによってCD8+細胞上清から沈澱できる。本発明のCAFは、精製した場 合は、上記に挙げた特性(a−p)を有する。単離と精製 本発明のCAFタンパク質は、活性化CD8+細胞をその中で培養していた調 整培地から精製される。このCD8+細胞は、好ましくは、HIVを保持しなが らHIV誘発疾患に付随する症状をまだ発現させていない保菌者から得られる。 細胞は標準的な静脈穿刺によって血液とともに回収される。続いて、CD8+リ ンパ球を含む末梢血単核細胞は、濃度勾配遠心(例えばフィコール/ハイパーク (FICOLL/HYPAQUE))によって抗凝固血の黄色層から得られる。 他の末梢血単核細胞(PMC)からCD8+細胞を分離するために、Leu2 a(Becton-Dickison)のような特異的抗体を用いて細胞を被覆する。CD8+細胞 は、この細胞に付着した抗体に対して特異性を有する支持体結合抗体を用いて捕 捉される。カラムクロマトグラフィー、磁性ビーズまたはペトリ皿選別は、その ような細胞の分離に適したマトリックスの例である。 CD8+細胞は、いずれかの適切な細胞培地、最も好ましくは汚染防止用抗生 物質、インターロイキン2(IL2)、分裂刺激剤(例えばフィトヘマグルチニ ンまたは抗T細胞受容体(TCR)被覆ビーズとともに2−3日間)を含むRP MI主体培地中で培養され、CAFの分泌が促進される。この因子の精製のため には、AIMV(GIBCO)無血清培養液中でCD8+細胞を培養することが好ましい 。CD8+細胞によるCAFの至適産生は、これらの細胞を分裂刺激剤または抗 CD3抗体で刺激した後7−11日以内に起こることが分かった。 適切な培養後(5から13日)、調整細胞培地をマイクロ濾過または分別遠心 のいずれかで採集する。細胞は回収して、新しい培養液で再培養するかまたは再 播種できる。続いて、夾雑する副生成物を除去し、各工程でCAFを濃縮できる ように考案されたタンパク質精製処理をこの調整培地に施す。加熱によって、存 在する可能性がある夾雑細胞タンパク質を不活性化し、さらに、沈殿物除去後に 標準的なタンパク質精製処理、例えば分子量分別、免疫特異性アフィニティーを 実施する。その後にさらにクロマトグラフィーカラムを実施してもよい。 CAFは精製によって、ポリアクリルアミドゲルまたはHPLCで1本のバン ド(純度約90%)とすることができる。精製後、CAFは標準的な医薬用賦形 剤(例えば生理的食塩水)を用いて製剤化できる。CAFは凍結乾燥状態または 液体の状態で−20℃または−70℃で凍結して保存できる。使用と投与 CAFは循環系に注射によって投与できる。例えば、CAFは、滅菌水または pH6.4−8.4の生理的範囲で緩衝させたその他の滅菌水溶液に溶解させる ことができる。この製剤は、好ましくは血液細胞に対して等張にする。さらに、 CAF製剤は、他の医薬的に活性な成分、例えば抗生物質、抗ウイルス剤、ホル モンなどを含み得る。一般に、注入可能なCAF製剤には、実質的にCAFの量 よりも多い賦形剤(2から20倍量)が含まれる。患者の治療に投与される製剤 量は、1投与量当たりのCAFの単位数に左右される。この場合、CAF濃縮物 中の1単位のCAFは、本明細書で開示するアッセーを用いたとき、HIV感染 末梢単核細胞中でのHIV複製を50%まで減少させるために必要とされる量で ある。CAFは、体重(ヒト)1kg当たり日量で約1000から10000単 位の量で投与される。しかしながら、投与量は、年令、性別、患者の状態および 患者の反応状態のような要因に従い施療者によって調節される。 哺乳類におけるレトロウイルス(例えばレンチウイルス)複製、例えばヒトに おけるHIVまたはネコにおけるネコ免疫不全ウイルスの複製は、CAFの投与 によって阻害が可能である。臨床的に回復が認められ、T細胞数が正常に戻るま で1000から10000単位/kgの間で毎日CAFを注射することによって 、典型的な患者を治療する。アッセー 本発明のCAFを用いて、種々の異なるタイプの有用なアッセー装置を作製す ることができる。一般に、アッセー装置を作製するために、CAFを製剤化し、 標準的な抗体産生用プロトコルを用いて免疫系を有する非ヒト哺乳類、例えばヤ ギまたはマウスに注射する。抗体が産生されるまで十分な期間をおき、この動物 を放血して抗体を抽出する。体液中にCAFが豊富であることを検出するために 、標準的なELISAアッセーにおいてCAFに対して免疫特異的な抽出抗体を 用いることができる。さらに、集団内の統計的に有意な一区分(セグメント)に ついてこのアッセーを実施することによって、CAFの正常レベルを知ることが でき、それによって異常に高いまたは低いCAFレベルとはどのようなものかを 決定することが可能である。上記のマッケウィッツ(Mackewicz)らの文献で示し たように、本発明者らは、CAF活性とHIV感染者の臨床的症状との関係に注 目した。本発明の抗体を用いて実施されるELISAアッセーは、血中のCAF レベルを測定するために用いることができるということにおいて、このアッセー は、診断およびその後でエイズ患者を一層効果的に治療するために用いることが できる。 CAFに免疫特異的なモノクローナル抗体を作製するために、特定の細胞株お よび動物、例えばマウスを用いる既知のプロトコルを利用することができる。こ のモノクローナル抗体を用いて血中のCAFを検出するためのELISAを組み 立てることができ、またリンパ球表面上のCAFを特異的に検出することができ る。そのようなアッセーは、診断用インジケーターとして有用であり、すなわち 、 HIV感染者がエイズを発症させるか否かを調べるために用いられる。特に低レ ベルのCAF(および/またはCAF産生細胞)は、その者のHIV感染度に相 関的なレベルにある、症状としてのエイズを示しているようである。標識モノク ローナル抗体はフローサイトメトリーでの使用に適している。したがって標識モ ノクローナル抗体は本発明の特徴の一つである。 本発明のELISAを含むアッセーは、種々の治療の有効性を調べる本発明の 方法に用いることができる。例えば、本発明のアッセーは、ある化合物を用いた 治療を始める前および治療中で患者の血液を調べるために用いることができる。 アッセーの結果は、当該治療がリンパ球によるCAF産生にどのような影響を有 するかを知ることを可能にし、また血中のCAFレベルを知ることを可能にする 。したがって、本方法論は、HIV感染者の症状と相関しているCAF産生を増 強するための種々の治療の有効性を調べることを可能にする。 体液中のCAFの存在を定性的または定量的に直接調べるために本発明のアッ セーを用いることに加えて、本アッセーは、CD8+細胞のインビトロまたはイ ンビボにおけるCAF産生を調べるためにも使用することができる。ある細胞の 産生レベルを基に、感染者の血中における抗HIVCD8+細胞数を測定するた めにアッセーを用いることも可能である。さらに、フローサイトメトリーは、H IV感染者の予後を知るうえで有用な情報であるCAF産生細胞量を測定するた めに用いることができる。 CAFに対して免疫特異的な抗体は、種々のタイプのアッセーと組み合わせて 用いることができるということで、この抗体を標識することがしばしば重要とな る。したがって、本発明には、検出可能な適切な標識、例えば放射能活性標識、 蛍光標識または酵素活性化標識等に付着させた標識免疫特異的CAF抗体も含ま れる。未標識抗体は、体液と接触させることができる基質に付着させることがで きる。体液が適切なCAF抗原を含むとき、この抗原は基質に付着させた抗体に 結合するであろう。その後、標識抗体を基質上の抗体に付着したCAFと接触さ せることができる。標識抗体はCAFと結合し、検出され得る。 本発明のアッセー方法を実施する場合は、通常のプロトコルに従うことが指摘 されるべきところである。例えば、基質に付着した抗体を体液と接触させた後、 非結合物質を除去する目的で表面を洗浄する。さらに、一般にブロック処理を含 む通常のプロトコルは、洗浄面を標識抗体に接触させる前に実施される。CAF レベルの正常範囲を決定するためには、アッセー工程は、統計的に有意の人数( 健常者およびHIV感染者ともに)で実施される。異常に低レベルのCAFを有 することが判明した者は、医薬的に許容できる製剤中に含まれるCAFを投与す ることによって治療することができる。この製剤は、最も好ましくは注射用製剤 である。 CAFの純度または有効性をモニターするためには、CD4+細胞でのHIV 複製の阻害を調べることが有用である。細胞は自然感染(内在ウイルスアッセー )または人為的感染(急性ウイルス感染アッセー)を起こしている。内在性ウイ ルスアッセーでは、CD4+細胞は、免疫選別法、例えば免疫磁性ビーズを用い てHIV感染が判明している感染者から得られる。この方法では、CD4または CD8細胞表面タンパク質に対するモノクローナル抗体(Dynal Corporation)で 被覆した酸化鉄コアを有するポリスチレン小球が、(フィコール/ハイパークで 分離した)PMCのサンプルに添加される。20−40分インキュベートした後 、CD4+またはCD8+細胞を磁性捕捉装置で取り出す。細胞を洗浄し、10% FBS、2mMグルタミン、1%抗生物質(ペニシリン100単位/ml)スト レプトマイシン100μg/ml)および10%ヒトIL2(Electronucleonic s、シルバースプリング、メリーランド)を補充したRPMI−1640培地中 で培養する。 また別に急性ウイルス感染アッセーを用いる場合は、CD4+細胞を非感染者 から得て、規定量のHIVで感染させる。続いて、細胞をトリプシン処理し、投 与ウイルスを除去して培養する。 内在性ウイルスアッセーでは、CD4+細胞は、フィトヘマグルチニンまたは 抗−TCRビーズを用いて活性化し、迅速に分裂しHIVを産生する。CAFを 含む培養液または精製CAFをウイルス感染細胞に添加し、ホフマンらの記載( Hoffmanら、Virology 147:326(1985))にしたがって、マグネシウム依存性ウイ ルス由来逆転写酵素活性について培養液を3日間隔でアッセーした。また、ウイ ルスの複製は、他のウイルス特異的生成物、例えばJ.Immunology 144:2961-296 6(1990)に記載のウイルス性タンパク質p24について調べることによってモニ ターしてもよい。CAFはHIV複製を阻害する 表1に含まれるデータは、急性感染CD4+細胞でのHIV複製の阻害に対す る多数の他のサイトカインとCAFとの有効性を示している。表1に挙げた最初 の10種のサイトカインは、急性感染CD4+細胞におけるHIVの複製に影響 を与えないと判定された。CD4+細胞を表記のサイトカインに曝した後、得ら れたサンプルには、いずれのサイトカインにも接触させていないコントロール( 対照群)の感染CD4+細胞と比較したとき、極めて僅かに増減したHIVが含 まれていたため、このように判定された。サイトカインのうち4種は、HIV感 染コントロールCD4+細胞と比較したとき、実際にHIV複製を促進すること が分かった。表記した最後の6種のサイトカインは、CAFも含み、これらは急 性感染CD4+細胞におけるHIV複製を阻害すると判定された。この6種のサ ンプルは、表示のサイトカインに曝した後、いずれのサイトカインにも接触させ ていないサンプルと比較して、極めて少ないHIVを示したため、このように判 定された。 CAF以外にHIV複製を阻害することを示したサイトカインには、表1に挙 げた5種がある。CD8+細胞抗ウイルス因子は、HIV複製を阻害することが 分かっている表1に挙げた5種のサイトカインのいずれかに対して特異的な抗体 と結合しない。このことは、CD8+抗ウイルス因子はHIV複製を阻害し、さ らにHIV複製を阻害することが分かっている既知の因子とは異なる因子である ことを示している。これらのデータは、CAFは抗ウイルス活性をもたらす1つ の固有で新規な細胞分泌性因子であることを示しており、特に、CAFはインビ トロでのHIV複製について抗ウイルス活性を発動できることを示している。 開示の抗ウイルス因子は、CD4+細胞の活性化または増殖には影響を与えな い。これは、ウイルスのRNA転写に干渉してHIV複製を阻害することによっ てウイルスの複製を阻害する。 JurkatT細胞株(IG5)においてHIVのLTRをルシフェラーゼ遺 伝子に連結したとき、ウイルスRNA転写に対するCAFの影響も明らかになっ た。CAFの非存在下でIG5株にウイルスが感染すると、ルシフェラーゼが高 レベルで産生される。CAFをこの培養に添加すると、ルシフェラーゼ発現は低 下する。TNF−αまたはインターフェロンのようなサイトカインは、ルシフェ ラーゼ発現に対するこのような影響はもたないようである。 患者の治療にCAFを用いることに加えて、細胞をCAFに曝すことによって 細胞内(インビトロ)でのレトロウイルスの複製を阻害させるために、CAFを 用いることができる。 実施例 以下の実施例は、本発明のCD8+抗ウイルス因子の抽出、精製および同定の 方法、並びに抗体および同抗体を用いたアッセー装置の作製及び使用について完 全に開示し説明するために当業者に提供するものであって、本発明の範囲を制限 することを目的とするものではない。用いる数値(例えば量、温度、分子量など )の正確さを担保する努力は為されているが、ある程度の実験誤差および偏差は 考慮されるべきである。特に表示がなければ、%は重量%であり、分子量は重量 平均分子量であり、温度は摂氏で、圧力は大気圧またはほぼ大気圧である。 実施例1 (活性化CD8+細胞の培養) CAFを活性化CD8+細胞を含む調整培地から精製する。CD8+細胞は、H IV感染者の末梢血単核細胞(PMC)から得られる。PMCは、フィコール/ ハイパーク上で分離することにより血液から採取される。この細胞を洗浄し、1 0%ウシ胎児血清(FBS)、1%抗生物質、10%ヒトIL2を含むRPMI 1640培地で培養する。25cm3フラスコに5mlの細胞培養の開始時に、 フィトヘマグルチニン(3μg/ml、シグマ)を添加して3日間置く。この細 胞を増殖させる。3日後調べた細胞は、約6−10×106細胞/mlまで増殖 していた。 ウィソッキーとサトーの選別手技(Wysocki & Sato,PNAS USA,75:2844(1978) ) を用いて、CD8+またはCD16+細胞をPMC細胞培養に富化し、又はPMC 細胞培養から除去する。簡単に記せば、プラスチック付着細胞(マクロファージ )を先ず除去し、続いて20×106から30×106の非付着性PMCを、Le u−2aまたはLeu−11bのいずれかに対するモノクローナル抗体(Becton -Dickison)10μg/mlを含む2mlのリン酸緩衝食塩水(PBS)中で20 分室温でインキュベートする。これらの抗体はCD8またはCD16抗原上のエ ピトープをそれぞれ認識する。続いて細胞を2度洗浄し、1%ウシ胎児血清を含 む4mlのPBS中に再懸濁し、抗体を被覆した捕捉プラスチックペトリ皿上で 4℃で2時間インキュベートする。 この捕捉皿は、マウス免疫グロブリンIgGに対するヤギ抗体のF(Ab')2 部分(Tago、バーリンゲーム、カリフォルニア)を被覆した生物学グレードのペ トリ皿を用いて調製される。このペトリ皿は、捕捉抗体(0.05モルのトリス (pH9.5)中に10μg/ml)で40分室温で被覆される。過剰抗体はP BSでペトリ皿から洗い出される。 PMCの非特異的付着を防止するために、使用前にペトリ皿は1%FBS含有 PBSで被覆される。インキュベート後、非付着細胞(すなわちCD8-または CD16-分画)を冷PBSでペトリ皿から洗い流し、付着細胞(CD8+または CD16+)を、PBSを強く噴射してペトリ皿から取り出す。必要な場合には 、Leullbモノクローナル抗体の工程を実施してNK細胞をCD8+細胞か ら除去する。前述の工程の有効性は、レビーらの記載(J.A.Levyら、Clin.Immu no.Immunopath.,35:328(1984))にしたがって、フローサイトメトリーによって 調べる。 続いて、200μ/mlの組換え体IL−2および1%抗生物質(ストレプト マイシン10μg/mlおよびストレプトマイシン100μg/ml)も含むA IMV培地中でCD8+富裕細胞を培養する。培養液を2日毎に交換する。細胞 を約3日間増殖させ、6−10×106細胞/mlの濃度にする。続いて遠心に よってCD8+細胞から培養液を分離し、さらに、45ミクロンのミリポアーフ ィルターを通す。CAFの存在は、感受性CD4+細胞におけるCAFのHIV 複製阻害能力を用いてモニターされる。 実施例2 (CAF活性のアッセー) CAFの純度をモニターするために、より一層精製したCAFを用いてCD4+ 細胞でのHIV複製の相対的阻害を調べる。細胞をHIV非感染者から得て、 洗浄し、10%FBS、2mMグルタミン、1%抗生物質(ペニシリン100単 位/mlおよびストレプトマイシン100μg/ml)および10%ヒトIL2 (Electronucleonics、シルバースプリング、メリーランド)を補充したRPM I−1640中で培養する。培養の開始時にフィトヘマグルチニン(3μg/m l、シグマカンパニー、セントルイス、ミズーリ)を加える。3日後、チャンバ ー内の細胞を洗浄し、上記の新鮮なIL−2含有培地と交換する。続いて細胞に HIV−1を100TCID50(組織培養感染量)接種する。1時間インキュベ ートした後、細胞をトリプシン処理して投与ウイルスを除去する。CAF因子を 加え、ウイルス複製に対するその影響を2−3日毎に12日までモニターした。 より具体的には、ウイルス複製を、マグネシウム依存性逆転写活性(Hoffmanら 、Virology,147:326(1985))またはp24抗原産生による測定としてHIV複 製のCAF仲介阻害についてアッセイする。有効CAF活性の打ち切り値として 逆転写酵素活性の50%阻害を用いた力価測定実験を実施する。 実施例3 (CAFアッセー) CD8+細胞抗ウイルス因子は、以下の物理化学的アッセーによって同定可能 であり、他の細胞分泌因子と区別可能である。精製CAF1mlのサンプルを1 mlのエチルエーテルに曝す。4℃でエーテルに10分曝した後、エーテル(極 性)分画を除去し、さらにエーテルを蒸発によって除去する。このような条件下 で、CAF活性はその水溶液中に見出され、活性は一切低下することはない。C AFはエーテル抽出後に水相から完全に回収されるということから、CAFは脂 質を含まないということが示唆される。 CD8+細胞抗ウイルス因子はある種のpH処理で不活性化される。少量のC AFサンプルを2−8の範囲のpHに20時間曝す。別のサンプルを10−12 の範囲のpHに20時間曝す。これらのpHにCAFを曝した後、サンプルを生 理学的なpH7の範囲に再調整し、CD4+細胞培養物における逆転写酵素活性 に対する阻害能について調べる。pH10−12で維持されたCAFは、HIV 複製をもはや阻害しないであろう。しかしながら、pH2−8で維持されたサン プルはその活性を維持する。 CAFはさらに高温に対して比較的耐性を有することによっても区別可能であ る。CAFの水性サンプルを56℃30分、または100℃10および30分で 処理する。続いてこの溶液を冷却し、沈殿物を除去し、抗HIV活性についてこ の液を再テストする。このような条件下では、56℃で完全な抗ウイルス活性が 存在し、100℃で30分処理された材料ではわずか60%の減少が認められ、 10分処理後では活性の90%が回収される。 本発明のCD8+抗ウイルス因子はまた、凍結後に融解した場合にも活性を維 持した。同様に、CAFは凍結乾燥に付し、その後再び水に溶解させた後も活性 を維持した。 CAFは37℃で1時間のトリプシン処理に対して耐性を有する。簡単に記せ ば、500μg/mlのトリプシンに曝した後、ダイズトリプシンインヒビター をCAF水溶液に加える。HIV複製を阻害する能力についてCAFを再びアッ セーする。このような条件下では活性の損失は認められない。 CD8+抗ウイルス因子は、staph V8プロテアーゼに対して感受性を有する が、XIA型プロテアーゼ(プロテイナーゼK)には耐性を有する。 CD8+抗ウイルス因子は、ウイルス複製を阻害する幾つかの他のタンパク質 とは異なるタンパク質であることを証明するために、TNFα、TNFβ、TG Fβ、IL−4、IL−6、IFNα、IFNβまたはIFNγのいずれかに対 する抗体に対して調べたところ、それらによって不活性化されないことが分かっ た。 CAFはロイペプチン(1−10μg/ml)ペファブロック(Pefabloc)お よびα2マクログロブリンによって不活性化されるが、ベンズアミジンによって は不活性化されない。これらの発見は、CAFはセリンプロテアーゼのようなプ ロテアーゼであることを示唆している。CAFは、カルボキシメチルセルロース セファデックス陽イオン交換樹脂の表面にpH6.0で結合するが、これは、p H6.0で陽性に荷電する分子であることを示している。 CD8+抗ウイルス因子は、ウイルス粒子に対して何らの直接的な不活化作用 をもたない。CAFを、HIV−1、HIV−2およびSIVのようなウイルス と混合したとき、ウイルスもその感染性も破壊されない。 CD8+抗ウイルス因子は、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラー ゼアッセーにおいてウイルスの長末端反復配列(LTR)からの転写を阻害する 。このことは、CAFがHIVのRNA転写をどの様にして阻止することができ るかを示唆する。 CAFは普通に知られているいずれのサイトカインでもない。α、βまたはγ インターフェロンに対する抗体は、インターロイキン4、インターロイキン6、 腫瘍壊死因子および形質転換増殖因子βに対する抗体同様、インビトロで抗HI V活性を阻害しないであろう。比較実験では、調べたいずれのサイトカインも、 αおよびβインターフェロン並びにTNFγ以外を除いてCAFによって提供さ れる程度のウイルス阻害を示さなかった(表1参照)。 CAFはさらにCD4+細胞の活性化または増殖に影響を与えないものとして 定義される。CAFは、RNA転写においてHIV複製を阻止する。 寄託 ヒト末梢血CD8+リンパ球培養は、アメリカン・タイプ・ティシュ・カルチ ャー・コレクション(ATCC、ロックビル、メリーランド、USA)に特許手 続のため寄託され、1993年9月16日にATCC番号、CRL11453と して受領された。該細胞培養は、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関す るブダペスト条約(ブダペスト条約)に規定された条件の下で寄託された。さら に、本出願において規定される細胞抗ウイルス因子(CAF)もアメリカン・タ イプ・ティシュ・カルチャー・コレクションに寄託され、ATCC番号7555 9として1993年9月16日に受領された。CAFが必要な場合に補充が可能 なように、寄託はヒトCD8+細胞培養(AIM−V主体)についても実施され た。寄託された物質と同等、および/または実質的に同等な抗ウイルス因子もま た、本発明に含まれると考えられる。 当該寄託物質が入手可能であることは、何れの権限を有する当局もその特許法 にしたがって付与した権利に違反して本発明を実施する認可とは見做されない。 本発明は、最善の実施例と考えられる態様で本明細書で開示された。しかしな がら、本発明の範囲内で変更が実施され、本開示によって当業者は修飾を行い得 ることは理解されるところである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12P 21/08 0276−2J G01N 33/574 Z G01N 33/574 9284−4C A61K 39/395 G // A61K 39/395 9284−4C U 9162−4B C12N 15/00 C (72)発明者 マッケウィッツ、カール イー. アメリカ合衆国 94131 カリフォルニア 州 サンフランシスコ ノルヴュー ウェ イ 28

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記(i)から(iii)の性状によって定義される実質的に純粋なC D8+細胞抗ウイルス因子組成物; (i) ウイルスのRNA転写を阻害することによってウイルスの複製を阻 止し; (ii) CD4+細胞の活性化または増殖に影響を与えず; (iii) IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、 IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12、G−CSF、GM− CSF、TNFα、TNFβ、IFNα、IFNβ、IFNγおよびTGFβか ら成る群から選ばれるサイトカインではないこと。 2.医薬的に許容できる賦形剤および治療的に有効な量の請求の範囲第1項 の組成物を含む医薬。 3.下記(a)から(m)の特性によって定義される実質的に純粋なCD8+ 細胞抗ウイルス因子組成物; (a) 活性化CD8+細胞から放出され; (b) 10−12の範囲のpHに曝されると生物学的に不活性化され、 一方、2−8の範囲のpHに曝されても生物学的活性を維持し; (c) 100℃30分の熱に対しては、その活性の約60%が維持され る程度に耐性を示し; (d) トリプシンに耐性で; (e) CD4+細胞の活性化または増殖に影響を与えず; (f) ウイルスのRNA転写を阻害することによってウイルスの複製を 阻止し; (g) IFNα、IFNβ、IFNγ、TNFα、TNFβ、TGFβ 、IL−6またはIL−4に特異的な抗体によって機能は阻害されず; (h) IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6 、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12、G−CSF、 GM−CSF、TNFα、TNFβ、IFNα、IFNβ、IFNγおよびTG Fβから成る群から選ばれるサイトカインではなく; (i) 凍結融解を施した後も活性を維持し; (j) staph V8プロテアーゼには感受性であるが、XIA型プロテア ーゼ(プロテイナーゼK)には耐性であり; (k) CD4+リンパ球内で2’−5’−Aシンセターゼを誘導せず、 したがってインターフェロンとは異なり; (l)53%硫酸アンモニウムによってCD8+細胞上清から沈澱し;さ らに、 (m)脂質を含まないこと。 4.下記(n)から(p)によってさらに定義される請求の範囲第3項の組 成物; (n) HIV感染IG5細胞においてルシフェラーゼ発現を減少させ; (o) ロイペプチンによって不活性化されるが、ベンズアミジンでは不 活性化されず; (p) pH6.0でカルボキシメチルセルロースイオン交換樹脂に結合 すること。 5.下記(i)から(iii)の性状によって定義される実質的に純粋なC D8+細胞抗ウイルス因子組成物に細胞を曝すことを含む、細胞内でのレトロウ イルスの複製を阻害する方法; (i) ウイルスのRNA転写を阻害することによってウイルスの複製を阻 止し; (ii) CD4+細胞の活性化または増殖に影響を与えず; (iii) IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、 IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12、G−CSF、GM− CSF、TNFα、TNFβ、IFNα、IFNβ、IFNγおよびTGFβか ら成る群から選ばれるサイトカインではないこと。 6.前記レンチウイルスがヒト免疫不全ウイルスである請求の範囲第4項の 方法。 7.前記曝すことがインビトロで行われる請求の範囲第4項の方法。 8.治療的に有効な量の請求の範囲第2項の組成物を哺乳類に投与すること を含む、レトロウイルス感染哺乳類の治療方法。 9.前記レトロウイルスがレンチウイルスであり、前記CD8+細胞抗ウイ ルス因子がATCC75559として寄託されたものであるか、または当該寄託 された抗ウイルス因子と機能的に実質的に同等である、請求の範囲第8項の方法 。 10.前記レンチウイルスが、ヒト免疫不全ウイルスである請求の範囲第9項 の方法。 11.前記哺乳類がヒトであり、該投与が、当該ヒトの体重1kgにつき約1 000から約10000単位の量の注射によるものである、請求の範囲第10項 の方法。 12.請求の範囲第1項のCD8+細胞抗ウイルス因子に対して免疫特異的な 抗体。 13.前記抗体がモノクローナル抗体である請求の範囲第12項の抗体。 14.前記抗体が検出可能な標識に結合している請求の範囲第12項の抗体。 15.請求の範囲第12項の抗体を表面に結合している基質を含むアッセー装 置。 16.HIV感染者の治療の有効性をモニターする方法であって、 HIV感染者の治療に有効であると考えられる化合物をHIV感染者に投与 することによって当該感染者を治療し; 請求の範囲第12項の抗体を用いて当該感染者の体液をアッセーし;さらに 、 CD8+細胞抗ウイルス因子のレベル、またはその表面にCD8+細胞抗ウイ ルス因子を有するCD8+リンパ球数に対する該化合物の影響を決定すること、 を含む方法。 17.ELISA装置でモノクローナル抗体を用いて、CD8+細胞抗ウイル ス因子のレベルについて前記体液をアッセーする請求の範囲第16項の方法。 18.フローサイトメトリーを用いて、表面にCD8+抗ウイルス因子を有す るCD8+リンパ球の体液単位容量当たりの数について、該体液をアッセーする 請求の範囲第16項の方法。 19.CD8+リンパ球表面のCD8+細胞抗ウイルス因子の存在を検出する方 法であって、 (a)請求の範囲第18項の抗体を、CD8+リンパ球を含む体液と接触 させ;さらに、 (b)フローサイトメトリーを介して該リンパ球表面の細胞抗ウイルス因 子への抗体の結合を検出すること、 を含む方法。 20.下記(a)から(m)の特性によって定義される実質的に純粋なCD8+ 細胞抗ウイルス因子組成物に細胞を曝すことを含む、細胞内でのレトロウイル スの複製を阻害する方法; (a) 活性化CD8+細胞から放出され、 (b) 10−12の範囲のpHに曝されると生物学的に不活性化され、 一方、2−8の範囲のpHに曝されても生物学的活性を維持し; (c) 100℃30分の熱に対しては、その活性の約60%が維持され る程度に耐性を示し; (d) トリプシンに耐性で; (e) CD4+細胞の活性化または増殖に影響を与えず; (f) ウイルスのRNA転写を阻害することによってウイルスの複製を 阻止し; (g) IFNα、IFNβ、IFNγ、TNFα、TNFβ、TGFβ 、IL−6またはIL−4に特異的な抗体によって機能は阻害されず; (h) IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6 、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12、G−CSF、GM −CSF、TNFα、TNFβ、IFNα、IFNβ、IFNγおよびTGFβ から成る群から選ばれるサイトカインではなく; (i) 凍結融解を施した後も活性を維持し; (j) staph V8プロテアーゼには感受性であるが、XIA型プロテア ーゼ(プロテイナーゼK)には耐性であり; (k) CD4+リンパ球内で2’−5’−Aシンセターゼを誘導せず、 したがってインターフェロンとは異なり; (l) 53%硫酸アンモニウムによってCD8+細胞上清から沈澱し; さらに、 (m) 脂質を含まないこと。
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