【発明の詳細な説明】
実質的抗菌性ホスフェート
発明の背景
消費製品は、皮膚、衣類又は粘膜形成体腔のような表面上に存在する微生物の
増殖又は付着を減少又は阻止するために、時には抗菌剤を含有している。例えば
、トリクロサンは歯磨剤成分と適合しうる広域スペクトル抗菌剤である。Marsh,
P.D.,Dentifrices Containing New Agents for the Control of Plaque and Gin
givitis: Antimicrobial Aspects,J.Clin.Periodontol.,18:462-67(1991)
しかしながら、通常、抗菌剤はそれらの表面保留性の関数としての期間微生物
を減少又は消失させることができる。しかも、抗菌剤の含有は通常“薬物”又は
“化学”味又は臭と称される異臭又は味を生じることがある。したがって、持続
的抗菌効果又は性質のある実質的化合物(substantive compound)を含有した比較
的無味及び/又は無臭の組成物が望ましい。
発明の要旨
本発明は、組成物の約0.001〜約25重量%の1種以上の下記式の化合物
:
(上記式中Rは抗菌剤である;
R′及びR″は独立してR、付加成分、生理学的に関連した金属カチオン、有
機カチオン及び水素からなる群より選択される;
X、X′及びX″は独立して酸素、窒素及びイオウからなる群より選択される
;
及び
nは1以上の整数である)を含んでなる、非摂取徐放性抗菌組成物に関する。
発明の具体的な説明
本発明は、組成物の約0.001〜約25重量%の1種以上の下記式の化合物
:
(上記式中Rは抗菌剤である;
R′及びR″は独立してR、付加成分、生理学的に関連した金属カチオン、有
機カチオン及び水素からなる群より選択される;
X、X′及びX″は独立して酸素、窒素及びイオウからなる群より選択される
;
及び
nは1以上の整数である)を含んでなる非摂取徐放性抗菌組成物を含めた組成
物に関する。
R′はR″と同じでもよく、好ましくはR′及びR″は独立してカルシウム、
亜鉛、マンガン、銅、スズ及びマグネシウムからなる群より選択される。
“非摂取”とは、本組成物が全身用ではないことを意味する。例えば、それは
マウスリンス、練歯磨剤又は鼻スプレーの使用中に生じる最少の摂取を除いて嚥
下されないことを意味する。
好ましい“生理学的に関連した金属カチオン”は、ナトリウム、カリウム、カ
ルシウム、亜鉛、銅、マンガン、スズ及びマグネシウムからなる群より選択され
る。最も好ましいのはナトリウム及びカリウムである。
本明細書で用いられる“有機”カチオンとは、正荷電窒素、リン、酸素又はイ
オウ原子を含むカチオンに関する。このようなカチオンは2以上の正荷電部位を
有していてもよく、窒素、リン、酸素又はイオウ原子を含むオリゴマー又はポリ
マーの場合には多数の正荷電中心が存在していてもよい。好ましい有機カチオン
にはアンモニウム(最も好ましい)、プロトン化アミン、例えばプロトン化グル
コサミンと、一部又は完全プロトン化アミン含有ポリマー、例えばプロトン化キ
トサンがある。リン酸誘導体:
本発明の組成物は1種以上の抗菌性リン酸誘導体を含有している。これらの化
合物は少くとも1種の抗菌成分をリン酸化することにより合成される。本化合物
には、リン酸架橋を介して少くとも1つの抗菌成分を付加成分に連結させること
により形成された化合物も含む。抗菌成分は2つの官能基又は付属部位を介して
リンに連結させてもよい。更に、上記リン酸誘導体はポリマーを含めた荷電化合
物又は物質とのクーロン相互作用を介して結合させてもよい。
本組成物は、リン酸誘導体自体の作用から、又はホスファターゼ酵素による開
裂後に化合物から抗菌成分の放出によって、望ましい抗菌効果を発揮する。ホス
ファターゼ酵素は口腔及び他の粘膜形成体腔中と皮膚及び(皮膚と接触した)衣
類上に通常存在している。ホスファターゼ酵素とは酸、中性又はアルカリホスフ
ァターゼ及びピロホスファターゼを意味する。
本明細書で用いられる“付加成分”という用語は、リン(V)原子とエステル
、アミド又はチオエステル結合鎖を形成することができるヒドロキシ、アミノ又
はチオール官能基を有したモノマー、オリゴマー又はポリマーに関する。モノマ
ー、オリゴマー又はポリマーは、非置換のままであるか、あるいは抗菌剤にも結
合されたリン(V)原子にエステル、アミド又はチオエステル結合鎖で連結され
ている、追加のヒドロキシ、アミノ又はチオール基を有していてもよい。好まし
い化
合物はC12‐C18ジアシルグリセロール、部分加水分解酢酸ビニル/エチレンコ
ポリマー、セルロース、カルボキシメチルセルロース、キチン、グルコース、グ
ルコサミン、シリカゲル、グリセロール及びメチルビニルエーテルーマレイン酸
からなる群より選択される。
本発明の好ましい抗菌性ホスフェート処方において:
Rは、好ましくは2,4,4′‐トリクロロジフェニルエーテル‐2′‐イル
、2‐フェノキシエタニル、クロルヘキシジン、チミルからなる群より選択され
る抗菌成分である;
R′及びR″は、好ましくはR、C12‐C18ジアシルグリセロール、部分加水
分解酢酸ビニル‐エチレンコポリマー、セルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、キチン、グルコサミン、シリカゲル、グリセロール、低級アルキルビニルエ
ーテル‐マレイン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、マグネシウム
、アンモニウム、プロトン化アミン、一部又は完全プロトン化アミン含有ポリマ
ー及び水素である;
X、X′及びX″は独立して酸素、窒素及びイオウからなる群より選択される
;及び
nは好ましくは1〜3の整数であり、最も好ましくは1又は2である。
本発明で好ましい抗菌性ホスフェートはチミルモノホスフェート、2,4,4
′‐トリクロロ‐2′‐ヒドロキシジフェニルエーテルモノホスフェート(トリ
クロサンモノホスフェートとも称される)、2‐フェノキシエタニルモノホスフ
ェート及びポリ〔(1,4)‐B‐D‐グルコシル‐6‐(2‐フェノキシエテ
ニルホスフェート)〕である。更に好ましいのはチミルモノホスフェート及びポ
リ〔(1,4)‐B‐D‐グルコシル‐6‐(2‐フェノキシエテニルホスフェ
ート)〕である。
2,4,4′‐トリクロロジフェニルエーテル(トリクロサン)モノホスフェ
ートは、練歯磨剤及びマウスリンスのような本発明における歯科製剤用としてで
はなく、本発明における局所皮膚製剤、脱臭剤、鼻スプレー及び洗濯製品用とし
て好ましい。組成物が液体又は顆粒洗濯洗剤の好ましい形態をとるときには、ポ
リ〔(1,4)‐B‐D‐グルコシル‐6‐(2‐フェノキシエテニルホスフェ
ート)〕が好ましい化合物である。組成物がオーラルマウスリンスの形態をとる
ときには、チミルモノホスフェートが好ましい化合物である。組成物が練歯磨剤
の形態をとるときには、チミルモノホスフェートが好ましい化合物である。組成
物が局所皮膚製剤の形態をとるとき、好ましい化合物は2,4,4′‐トリクロ
ロ‐2′‐ヒドロキシジフェニルエーテルモノホスフェートである。組成物が鼻
スプレーの形態をとるとき、好ましい化合物は2,4,4′‐トリクロロ‐2′
‐ヒドロキシジフェニルエーテルモノホスフェート又はチミルモノホスフェート
である。
抗菌性ホスフェートは、組成物の約0.001〜約25重量%、好ましくは約
0.01〜約15%、最も好ましくは約0.1〜約5%のレベルで本発明で用い
られる。ヘルスケア組成物
本組成物は好ましくはヘルスケア組成物であり、好ましくは安全有効量の1種
以上の活性剤を含有している。
本明細書で用いられる“活性剤”という用語は、栄養、治療、医薬、抗菌及び
/又は美的効果を与える剤と、ヘルスケア製品で常用されるもののような、賦形
剤以外の効果を与える剤を意味する。
本明細書で用いられる“経口又は局所投与用に適した”という語句は、組成物
が意図的にしばらく口腔に留められるか、鼻腔への直接又は間接適用又は吸入に
より鼻、口又は喉のような体の内部粘膜と接触されるか、あるいは治療理由から
又は化粧効果以外の理由から皮膚の表面に適用されることによる、組成物の好都
合な投与に適したあらゆる処方について意味する。
本経口組成物は、好ましくは、通常の使用に際して、特定治療剤の全身投与の
目的で意図的に嘆下されず、むしろ実質上すべて又はほとんどの歯表面及び/又
は口内組織と接触する上で十分な時間にわたり口腔に留められる。
本明細書で用いられる“安全有効量”という語句は、本発明のやり方で用いら
れたときに、妥当な利益/危険比で釣り合って、過度の有害な副作用(例えば、
毒性、刺激又はアレルギー反応)なしに望ましい効果を与える上で十分な物質の
量を意味する。具体的な安全有効量は、治療されている具体的症状、症状の重篤
度、治療期間、患者の身体条件、(もしあれば)併用療法の性質と、用いられて
いる具体的な処方及び任意成分のようなファクターに応じて異なる。キャリヤ物質:
本発明の組成物を処方する上で、リン酸誘導体は好ましくはキャリヤ中に配合
されるが、これは完全に不活性でも又は他の活性成分を含有していてもよい。本
明細書で用いられる“キャリヤ物質”という用語は、ヒト又はそれより下等の動
物への投与に適した1種以上の適合性物質を意味する。本明細書で用いられる“
適合性”という用語は、通常の使用状況下で本組成物の効力を実質上減少させる
相互作用がないように、組成物の諸成分がリン酸誘導体、活性剤と、更には互い
に混合しうることを意味する。キャリヤ物質は、治療されるヒト又はそれより下
等の動物への投与にそれらを適させるほど十分に高純度で、しかも十分に低毒性
でなければならない。
様々なキャリヤが組成物の最終用途に応じて適する。リン酸誘導体はある範囲
の局所組成物中に配合することができる。局所組成物には、直接又は間接適用に
より鼻、口又は喉のような体の内膜に適用されるか、あるいは通常の用法でそれ
らと接触する組成物がある。このような組成物には(限定されないが)鼻スプレ
ー、歯磨剤、オーラルリンス、ロゼンジ、フォーム、ゲル及び喉スプレーがある
。
局所組成物は治療理由から又は化粧効果以外の理由から体の外部表面に適用され
る組成物であってもよい。このような組成物には軟膏、ローション、ゲル及びク
リームがある。本発明の好ましい組成物は歯磨剤、オーラルリンス及び鼻スプレ
ーのようなヘルスケア組成物である。
本組成物は、組成物の約0.1〜約99重量%、好ましくは約1〜約99%で
あることが好ましい。本発明で適切なキャリヤ物質は、意図された最終用途に応
じて、溶媒、懸濁剤、溶解剤、希釈剤、界面活性剤、緩衝剤、滑沢剤、増粘剤、
乳化剤、香味剤、着色剤、保湿剤、甘味剤、共溶媒、結合剤、崩壊剤、易流動化
剤、冷却剤、湿潤剤、酸化防止剤、安定剤及び錠剤形成剤からなる群より選択さ
れる。
好ましくは、本組成物は、組成物の約85〜約99.99重量%、更に好まし
くは約90〜約99.05%、最も好ましくは約95〜約99.5%のキャリヤ
物質を含有する。歯磨剤
歯磨組成物は液体、ペースト、粉末又はゲルタイプである。これらの組成物は
通常微細な研磨剤又は磨き物質、例えば沈降チョーク、シリカ、ケイ酸マグネシ
ウム、ポリメタリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム又は当業界で周知の他の
類似物質を含んでいる。研磨物質は、参考のため本明細書に組み込まれる、19
62年12月25日付で発行されたCooleyらの米国特許第3,070,510号
明細書で更に詳しく記載されている。練歯磨組成物は界面活性剤又は発泡剤を更
に含有する。適切な界面活性剤は、非石鹸アニオン系、ノニオン系、カチオン系
、双極性及び両性有機合成洗剤を含めて、広いpH範囲にわたり妥当に安定で泡
立つものである。これらの界面活性剤は、参考のため本明細書に組み込まれる、
1977年9月27日付で発行された米国特許第4,051,234号明細書で
Gieskeらにより開示されている。
歯磨組成物中の任意成分には香味剤、着色剤、緩衝剤、滑沢剤、増粘剤、乳化
剤、可塑剤及び保湿剤がある。歯磨剤キャリヤ物質は、典型的には歯磨組成物の
約50〜約94重量%、好ましくは約60〜約80%である。オーラルリンス
オーラルリンスは、通常、嗜好上しばしば着色又は調味される、殺菌性のある
水、アルコール又は水‐アルコール溶液である。任意成分には保湿剤、界面活性
剤、甘味剤、乳化剤、フッ素イオン源、歯石コントロール剤及び抗歯垢剤がある
。オーラルリンス製品は、使用直前にグルコン酸第一スズ含有粉末又は錠剤を水
に溶解させることにより形成してもよい。
慣用的なオーラルリンス組成物は、通常エチルアルコール約0〜60%、保湿
剤0〜20%、乳化剤0〜2%、甘味剤0〜0.5%、香味剤0〜0.3%及び
残部の水からなる。
水自体が全キャリヤを構成していてもよいが、典型的経口処方物は組成物中へ
の非水溶性成分、香油等の溶解及び配合を助けるために、限定されないが、アル
コール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール溶液等を含めた共溶
媒も含有している。一般的に、組成物は好ましくは約5〜約25容量/容量%の
共溶媒、最も好ましくは約10〜約20容量/容量%の共溶媒を含有している。
本経口組成物は、好ましくは練歯磨剤、マウスリンス(最も好ましい)又は液
体歯磨剤である。フッ化ナトリウムも本歯磨組成物中に含有されていることが好
ましい。加えられる成分は経口使用上安全であるべきである。鼻スプレー
鼻投与に適したキャリヤは鼻腔にデリバリーされる製品を提供する。このよう
なキャリヤは例えば水性又はエアゾールであり、参考のため本明細書に組み込ま
れるRemington′s Pharmaceutical Sciences(17th Edition,1985)で更に詳細
に記載されている。このような製品形態には(限定されないが)滴剤又はスプレ
ー
用としての鼻溶液、鼻懸濁液、鼻軟膏、鼻ゲルあるいは鼻投与に適した他のビヒ
クルがある。
好ましい鼻剤形は、主量の水(好ましくは、精製水)中に通常塩化ナトリウム
を含有した溶液、懸濁液及びゲルである。限定されないが、水酸化ナトリウムの
ようなpH調節剤;乳化剤又は分散剤;炭酸水素ナトリウムのような緩衝剤;ベ
ンジルアルコール、パラベン、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシ
ジン及びEDTA二ナトリウムのような保存剤;塩化ナトリウム、ホウ酸、リン
酸カリウム及びプロピレングリコールのような等張性を調節する剤;湿潤剤;メ
チルセルロース、ザンタンガム、カルボキシメチルセルロース及びカルボマーの
ような増粘剤;ソルビトール、プロピレングリコール、ソルビトール及びグリセ
ロールのような保湿剤;無水ソルビトールの脂肪酸部分エステルのポリオキシエ
チレン誘導体のような界面活性剤;それらの混合物を含めた他の成分も存在して
いてよい。他のキャリヤ
本発明の組成物は、既に開示されたものに加えて、様々なキャリヤ物質で処方
してもよい。キャリヤ物質として働く物質の一部例は、ラクトース、グルコース
及びスクロースのような糖;コーンスターチ及びポテトスターチのようなデンプ
ン;セルロースと、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース
、酢酸セルロースのようなその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タ
ルク;ステアリン酸;ステアリン酸マグネシウム;リン酸二カルシウム;硫酸カ
ルシウム;ピーナツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及びテオブロマ
油のような植物油;プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニ
トール及びポリエチレングリコールのようなポリオール;寒天;アルギン酸;消
費又はヘルスケア処方物で用いられる他の無毒性適合物質である。
冷却剤物質も本発明の組成物でキャリヤ物質として含有させてよい。本組成物
で好ましい冷却剤はN‐エチル‐p‐メンタン‐3‐カルボキサミド(商業上“
WS‐3”として知られる)、3‐1‐メントキシプロパン‐1,2‐ジオール
(商業上“TK‐10”として知られる)及びそれらの混合物のようなパラメン
タンカルボキシアミド剤である。これらの冷却剤は1992年10月15日付で
公開されたUpsonらのPCT特許出願公開WO第92‐17164号明細書で記
載されている。TK‐10も1984年7月10日付で発行されたAmanoらの米
国特許第4,459,425号明細書で記載され、WS‐3及びパラメンタンカ
ルボキシアミド剤も1979年1月23日付で発行されたWatsonらの米国特許第
4,136,163号明細書で記載されている。これら3つすべての特許公報の
開示は、参考のためそれら全体で本明細書に組み込まれる。
所望又は必要であれば、適切な結合剤、滑沢剤及び崩壊剤も組成物中に配合で
きる。適切な結合剤にはデンプン、ゼラチン、天然糖、コーン甘味剤、アラビア
ガムのような天然及び合成ガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセル
ロース、微結晶セルロース、ポリエチレングリコールとワックスがある。滑沢剤
には、例えばデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、グアーガム等
がある。ラウリル硫酸ナトリウムのような湿潤剤と、着色剤、香味剤、甘味剤、
賦形剤、安定剤、酸化防止剤及び保存剤も存在できる。活性剤:
本発明の組成物は安全有効量の1種以上の追加活性剤も含有してよい。これら
の組成物で有用な一部の追加活性剤には(限定されないが)ヨウ素、スルホンア
ミド類、水銀類、ビスビグアニド類又はフェノール類のような抗菌剤;テトラサ
イクリン、ネオマイシン、カナマイシン、メトロニダゾール又はクリンダマイシ
ンのような抗生物質;アスピリン、アセトアミノフェン、ナプロキセン、イブプ
ロフェン、フルルビプロフェン、インドメタシン、オイゲノール又はヒドロコル
チゾンのような抗炎症剤;メトトレキセート又はレバマゾールのような免疫抑制
又は賦活剤;硝酸カリウム、塩化ストロンチウム又はフッ化ナトリウムのような
象牙質鈍麻剤;ペパーミント油又はクロロフィルのような臭気遮蔽剤;免疫グロ
ブリン又は抗原のような免疫試薬;リドカイン又はベンゾカインのような局所麻
酔剤;チモール、α‐トコフェロール及びブチル化ヒドロキシトルエンのような
酸化防止剤;リポ多糖;ポリミキシンのような錯体形成剤;塩化ベンザルコニウ
ム及び塩化セチルピリジニウムのような四級アンモニウム化合物;カンファー、
ユーカリ油及びアルデヒド誘導体、例えばベンズアルデヒドのような芳香剤;低
級アルキルビニルエーテル‐マレイン酸又は無水コポリマーとそれらの塩のよう
な義歯付着剤;メントールのような治療効力を有する冷却剤;過酸化尿素のよう
な過酸化物がある。ある形の療法では、同一デリバリー系でこれら剤の組合せが
最良の効果を得る上で有用かもしれないと認識されている。このため、例えば、
抗菌剤及び抗炎症剤が組合せ効力を与えるために単一デリバリー系で組み合わせ
られる。好ましい活性剤は治療剤、医薬、調剤と、ヘルスケア製品で常用される
ものである。
1種以上の活性剤を含む本発明の組成物で好ましい処方は、歯磨剤及びオーラ
ルリンスのようなデンタルケア製剤である。
デンタルケア製剤は、典型的には活性剤の1つとして可溶性フッ素イオン源を
含有する。可溶性フッ素イオン源は、約10〜約5000ppmのフッ素イオン
を供するために十分な量で用いられる。好ましいフッ化物はフッ化ナトリウム、
フッ化第一スズ、フッ化インジウム及びモノフルオロリン酸ナトリウムである。
1960年7月26日付で発行されたNorrisらの米国特許第2,946,735
号及び1972年7月18日付で発行されたWidderらの米国特許第3,678,
154号明細書では、このような塩とその他について開示している。双方の特許
が参考のためそれら全体で本明細書に組み込まれる。
様々なポリマーとその混合物もデンタルケア製剤で有用である。これらのポリ
マーは、合成アニオン系ポリマーポリカルボキシレートとそれらの複合体及び/
又はカルボキシビニルポリマーである。本組成物で有用なポリマーは、参考のた
めその全体で本明細書に組み込まれる、1990年3月6日付で発行されたGall
erらの米国特許第4,906,456号明細書で開示されている。
ピロリン酸塩もデンタルケア製剤に含有させてよい医薬活性剤である。いかな
るアルカリ金属ピロリン酸塩も水和又は非水和形のいずれかで用いられる。具体
的な塩には四アルカリ金属ピロリン酸塩、二アルカリ金属二酸ピロリン酸塩、三
アルカリ金属一酸ピロリン酸塩及びそれらの混合物があり、アルカリ金属は好ま
しくはナトリウム又はカリウムである。ピロリン酸塩は、参考のためその全体で
本明細書に組み込まれる、Kirk & Othmer,Encyclopedia of Chemical Technolog
y,Second Edition,Volume 15,Interscience Publishers(1968)で更に詳細に記載
されている。抗歯垢及び抗歯肉炎医薬活性剤もデンタル製剤中に含有させてよい
。これらの活性剤には、四級アンモニウム化合物、又はクロルヘキシジンのよう
なビスビグアニド類と、フッ化第一スズ及びグルコン酸第一スズの組合せの形の
第一スズイオンがある。第一スズイオンを含んだ経口組成物は、参考のためその
全体で本明細書に組み込まれる、1991年4月2日付で発行されたMajetiらの
米国特許第5,004,597号明細書で詳しく記載されている。トリクロサン
のような消毒剤と、チモールのような殺菌剤もデンタル製剤中に含有させてよい
。
本組成物は、練歯磨剤、鼻スプレー及びマウスリンスの形態をとることに加え
て、液体又は顆粒洗濯洗剤、布帛柔軟剤、局所スキン製剤、制汗剤/脱臭剤と女
性用衛生パッドの形態であってもよい。
他で指摘されないかぎり、本明細書で用いられるすべてのパーセンテージ及び
比率は重量により、すべての測定は25℃で行われる。
下記例は、本発明の範囲内にある態様について更に記載及び説明している。こ
れらの例は説明の目的で単に示され、本発明の制限として解釈されるべきでなく
、その多くのバリエーションが本発明の精神及び範囲から逸脱せずに可能である
。
例I 練歯磨組成物
下記成分を有する本発明による練歯磨組成物を製造する:
ソルビトールを水に加えて、ミックスする。塩、ThMP、フッ化ナトリウム
、サッカリン、リン酸三ナトリウム及びリン酸一ナトリウムを溶解する。pHを
7.0に調整し、その後着色剤を加える。別にシリカ、カルボキシメチルセルロ
ース及びキサンタンガムを混合して、その後ゆっくりこの混合物を組成物に加え
ながら、連続的にミックスする。アルキル硫酸ナトリウムを加える。フレーバー
(例えば、スペアミント、ペパーミント、冬緑、フルーツ)を組成物に加えて、
更に10分間ミックスする。
例II オーラルマウスリンス組成物
下記成分を有する本発明によるオーラルマウスリンス組成物を製造する:
エタノールにThMP以外の全成分を加えて、5分間ミックスする。ThMP
を最後に加え、その後組成物のpHをpH6.0に調整する。
2‐フェノキシエタニルモノホスフェート及びフェノキシモノホスフェートの
ような本発明の他の化合物も、上記ThMPの代わりに用いることができる。組
成物で用いられるホスフェートの量は、本明細書で記載された制限内で変えるこ
とができる。チミルモノホスフェートの製造
機械スターラー、滴下漏斗及び温度プローブを備えたアルゴンフラッシュ氷冷
250ml三首丸底フラスコで、トリエチルアミン14mlをオキシ塩化リン1
9ml中に溶解されたチモール15gに滴下する。混合液をジエチルエーテル5
0mlで希釈して、撹拌懸濁液を1時間かけて室温まで加温した後、混合液を氷
浴で再冷却し、水50mlで慎重に加水分解する。0℃で約2時間後、混合液を
一夜かけて室温までゆっくり加温させる。次いで水層をジエチルエーテル(3×
50ml)で抽出し、合わせたエーテル層を1N水酸化ナトリウム溶液(4×1
00ml)で抽出する。合わせた塩基性抽出液を10%過剰の濃水性塩酸で酸性
化し、油状物を分離する。得られた溶液及び油状物をエーテル(全量300ml)
で数回抽出する。合わせたエーテル抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、混合液を
濾過し、溶液を真空下で濃縮して、透明な粘稠シロップを得る。40℃で加温し
ながら真空下で更に乾燥した後、半結晶固体物を得たが、これはn‐ヘキサンに
よる摩砕で結晶固体物に精製することができる(収量:18.5g、80%)。
例III
本発明による重質液体洗剤は下記処方を有することができる。諸成分は慣例に
従い示された順序で加える。
例IV
濃縮顆粒洗剤組成物は下記組成に従い作ることができる。
例V ゲル組成物
局所組成物は慣用的ミックス技術を利用して下記成分を混合することにより製
造できる。
水を適切な容器に加える。中度の速度(300rpm)でミックスしながら、
ポリアクリルアミドイソパラフィン及びC13-14イソパラフィン及びラウレス‐
7を水に加える。次いでチミルモノホスフェートを加え、溶解するまでミックス
する。別の容器で、3ブレードパドル装備のライトニン(Ligt1nin′)又は他の適
切なミキサーを用いて、サリチル酸をエタノールに加え、溶解するまでミックス
する。アルコール混合液をミックスしながら水相にゆっくり加えて、ゲルを形成
させる。得られたゲルを均一になるまで中度の速度でミックスする。
─────────────────────────────────────────────────────
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 9/08 7329−4C A61K 9/08 U
9/12 7329−4C 9/12 L
31/66 ADZ 9051−4C 31/66 ADZ
C11D 3/48 9546−4H C11D 3/48