JPH0948687A - 液状肥料の結晶成長防止方法 - Google Patents

液状肥料の結晶成長防止方法

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JPH0948687A
JPH0948687A JP7200799A JP20079995A JPH0948687A JP H0948687 A JPH0948687 A JP H0948687A JP 7200799 A JP7200799 A JP 7200799A JP 20079995 A JP20079995 A JP 20079995A JP H0948687 A JPH0948687 A JP H0948687A
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fertilizer
liquid fertilizer
liquid
crystals
paste
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JP7200799A
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Fujio Kato
不二雄 加藤
Takeshi Watanabe
豪 渡辺
Takayoshi Kaizuka
隆喜 貝塚
Shuichi Horiuchi
修一 堀内
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期に渡り安定した貯蔵を可能とする、液状
肥料の結晶成長防止方法の提供。 【解決手段】 液状肥料(液肥、懸濁肥料またはペース
ト肥料など)にフミン酸カリウム及び/又はポリカルボ
ン酸型高分子活性剤を添加するか、またはこれらを添加
して製造する。 【効果】 氷点下のような極めて過酷な条件下の液状肥
料の保存においても、結晶の成長し出してしまうことを
防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肥効成分を液中に
含む液体肥料、懸濁肥料、またはペースト肥料のような
液状肥料において、該肥料中より結晶の成長することを
防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】肥効成分を溶解もしくは懸濁させたり、
またはペースト状とした液状肥料は、本来、無機塩類の
飽和溶液あるいは飽和水溶液中に多量の無機塩の結晶を
分散させているため、結晶が比較的成長しやすく、結晶
が液体肥料中に析出してみたりまたは沈澱するという状
態を非常に引き起こしやすい性質をもつものである。
【0003】これら析出または沈澱した結晶は、その液
体肥料の使用時において、施肥機や散布機のノズルない
しはパイプを閉塞させることが多く、したがって、液体
肥料においては、結晶ができ得るかぎり生成しないか、
あるいは生成しても非常に小さな結晶のままでそれ以上
成長しないものであることが要望される。
【0004】上記目的を達成するために、たとえば本発
明者らは先に、常温で結晶の析出することのないペース
ト肥料の製造方法について出願した(特願平6-3892
号)。しかしてこの製法によれば、常温下での長期保存
を可能とするとともに、取り扱い性にも優れ、施肥に際
し再分散などの操作を行う必要のないペースト肥料が容
易に得られるというものである。しかしながら、これに
よって得られるペースト肥料においても、特に厳寒地域
での使用、たとえば氷点下というような極めて過酷な条
件での保管においては結晶の析出することがあり、さら
にはそれが肥大化してしまう傾向のあることは否めなか
った。
【0005】従来、液体肥料中に結晶の析出することを
防止するため、たとえば、クエン酸、酢酸、あるいはシ
ュウ酸などのようなカルボン酸類、またはEDTAなど
のキレート剤が添加されてきた。しかしながら、これら
のような添加物質では、肥効成分が完全に溶解状態にあ
る液体肥料であればまだしも、特にペースト肥料または
懸濁肥料のような、当初より微細な結晶が多量に含まれ
る系での結晶肥大化防止には顕著な作用効果のないのが
現状である。
【0006】また、たとえば特公昭61−8038号公報で
は、分散剤として珪酸アルミニウムマグネシウム水和物
を含有する懸濁液肥料において、特定割合のソルビトー
ル、ポリビニルアルコール、カゼイン酸塩、または可溶
性澱粉水解物を含有させる、という方法を提案してい
る。しかしながら、この方法においても、特に液状肥料
が無機塩類のみから構成されるペースト肥料または懸濁
肥料のような場合には顕著な作用効果が得られなく、長
期に渡り結晶の成長を防止する上においては未だ非常に
困難であるのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、肥効成分
を液中に溶解もしくは懸濁させた肥料またはペースト肥
料のような液状肥料において、該肥料中より結晶の成長
することを顕著に防止し、長期に渡って安定した貯蔵を
可能とする液状肥料の結晶成長防止方法を提供すること
を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、液体肥
料、懸濁肥料、またはペースト肥料のような液状肥料に
おいて、これらの肥料中より結晶の成長することを防止
する作用のある物質について種々探索するとともに、そ
の効果について長期に渡り鋭意研究を行ってきた。その
結果、ポリカルボン酸型高分子活性剤およびフミン酸カ
リウムは、液状肥料中より結晶の成長することを極めて
効果的に防止する物質であること、これら各々を単独
で、あるいは併用して液状肥料に添加することにより、
保存中に結晶の析出したりすることのない極めて安定な
液状肥料となし得ることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0009】すなわち、本発明は、液状肥料にフミン酸
カリウム及び/又はポリカルボン酸型高分子活性剤を添
加することを特徴とする液状肥料の結晶成長防止方法で
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の結晶成長防止方法に用い
得る液状肥料としては、肥効成分を含み流動性を有した
一般的な液状の肥料に広く有効であり、液中に肥効成分
が溶解若しくは懸濁状に浮遊させている通常の液体肥料
およびペースト肥料など、それらの液中より結晶の成長
することを顕著に抑制することが可能である。
【0011】本発明におけるフミン酸カリウムとは、石
炭または亜炭を硝酸で、または硝酸と硫酸との混合溶液
で分解させることにより生成するフミン酸に、重炭酸カ
リウムまたは水酸化カリウムなどを反応させて得られる
ものであり、別名フミン酸加里、腐植酸加里、または腐
植酸カリウムなどと呼称されたりする物質である。一般
的にはフミン酸を70〜80%の割合で含むものであり、通
常は、フミン酸が75%程度含まれる黒褐色を呈した粒状
品のものが市販されており、比較的容易に入手すること
が可能である。
【0012】また、本発明におけるポリカルボン酸型高
分子活性剤とは、通常、ボイラーの蒸発缶または熱交換
器などの内壁にスケールの付着を防止するための添加剤
としても広く用いられているものであり、具体的には、
アクリル酸系のものとしてアクリル酸ナトリウムのホモ
ポリマー、アクリル酸ナトリウム−メタクリル酸ヒドロ
キシエチルエステル共重合体、アクリル酸ナトリウム−
ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムアリルエーテ
ル共重合体などが、またマレイン酸系のものとしてマレ
イン酸ホモポリマー、およびマレイン酸−グリセリンモ
ノアリルエーテル共重合体などを挙げることができる。
【0013】本発明において、これらフミン酸カリウム
およびポリカルボン酸型高分子活性剤は、液状肥料に単
独でまたは併用して添加することにより、顕著に結晶成
長防止する効果が現れる。添加するこれらの量はあまり
少なくてもそれを添加した効果が期待できず、また必要
以上に添加しても不経済となるばかりであることから、
液状肥料中に、通常は0.03〜3重量%の範囲にあればよ
く、より好ましくは0.05〜1重量%の範囲となるように
添加する。
【0014】本発明において、上記したフミン酸カリウ
ムおよびポリカルボン酸型高分子活性剤を液状肥料に添
加する方法は任意である。すなわち、肥料成分とともに
これらを加えた後、混合あるいは湿式粉砕してもよい
し、または、液状肥料を製造した後にこれらを添加し混
合、さらには再度これを湿式粉砕にかける方法であって
も構わない。
【0015】
【実施例】以下、本発明による液状肥料の結晶成長防止
方法を、実施例および比較例を挙げて詳細に説明する。
以下において、%は全て重量基準である。
【0016】実施例1 尿素19.8kg、リン酸一アンモニウム23.6kg、塩化カリウ
ム20.8kg、水31.1kg、29%アンモニア水溶液 4.4kg、お
よび懸濁安定化剤としてグアーガム 300gを攪拌し混合
した後、この混合物を、キャビトロン乳化分散機CD1025
-06N型(日鉄鉱業(株)製;商品名)を用いて固体粒子
の平均粒径が50μmとなるまで繰り返し湿式粉砕を行
い、ペースト状の肥料とした。繰り返した回数は10回で
あった。次いで上記により得られたペースト状の肥料
に、アクリル酸系のポリカルボン酸型高分子活性剤であ
るキャリボンL-400(三洋化成工業(株)製;商品名)
を0.1%濃度となるように添加し攪拌を行った後、これ
を再度前記したキャビトロン乳化分散機に一回通し、ペ
ースト肥料を得た。得られたペースト肥料の粘度は15℃
で 990cpであった。このペースト肥料は、−5℃下にお
ける 100日間の放置試験で、二層分離は全く認められ
ず、また 500μmの粒径を越える結晶の肥大化も認めら
れない、非常に良好なものであった。
【0017】比較例1 実施例1において、ポリカルボン酸型高分子活性剤を添
加しなかった他は全く同様に操作してペースト肥料を得
た。このペースト肥料の粘度は15℃で 970cpであった。
得られたペースト肥料を、−5℃下で 100日間放置して
おいたところ、二層分離は認められなかったものの、結
晶の肥大化しているのが観察され、 500μmの粒径を越
える結晶が、このペースト肥料 600g当たり約23gの割
合で生成していることが認められた。また、この成長し
た結晶は棒状であり、長さ5〜10mm程度のあるものも多
量に見られ、常温まで昇温してみるも全く消失するよう
なことはなかった。
【0018】実施例2 尿素19.8kg、リン酸一アンモニウム23.6kg、塩化カリウ
ム20.8kg、水31.1kg、29%アンモニア水溶液 4.4kg、懸
濁安定化剤としてキサンタンガム 300g、およびフミン
酸カリウムとして腐植酸加里(日本重化学工業(株)
製;商品名) 300gを攪拌し混合した後、この混合物
を、実施例1で使用のキャビトロン乳化分散機を用い、
固体粒子の平均粒径が50μmとなるまで繰り返し粉砕を
行ってペースト肥料を製造した。得られたペースト肥料
の粘度は15℃で1230cpであった。このペースト肥料は、
−5℃下における 100日間の放置試験で二層分離は全く
認められなかった。また、この放置試験ではペースト肥
料 600g当り5g程度の粒径1mmを越える結晶状のもの
が生成していたが、これは極めて微細な結晶が単に寄せ
集まって結晶状のように見えただけであり、そのまま15
℃の温度下で2日間保管しておいたところ、この結晶状
のものは完全に消失していた。
【0019】比較例2 実施例2において、フミン酸カリウムを添加しなかった
ほかは全く同様に操作しペースト肥料を得た。得られた
ペースト肥料を、−5℃下で 100日間放置しておいたと
ころ、二層分離は認められなかったものの、結晶の肥大
化しているのが観察され、 500μmの粒径を越える結晶
が、このペースト肥料 600g当たり約25gの割合で生成
していることが認められた。また、この成長した結晶は
盤状であり、径の5〜10mm程度のあるものも多量に見ら
れ、常温まで昇温してみるも全く消失するようなことは
なかった。
【0020】実施例3 尿素19.8kg、リン酸一アンモニウム23.6kg、塩化カリウ
ム20.8kg、水31.1kg、29%アンモニア水溶液 4.4kg、懸
濁安定化剤としてグアーガム 300g、さらに結晶成長防
止剤としてフミン酸カリウムである腐植酸加里(日本重
化学工業(株)製;商品名) 100gと、アクリル酸系の
ポリカルボン酸型高分子活性剤であるサンスパールPS30
(三洋化成工業(株)製;商品名) 100gを添加し混合
した後、この混合物を、実施例1に使用したキャビトロ
ン乳化分散機を用い、固体粒子の平均粒径が50μmとな
るまで繰り返し粉砕を行ってペースト肥料を製造した。
得られたペースト肥料の粘度は15℃で1070cpであった。
このペースト肥料は、−5℃下における 100日間の放置
試験で、二層分離は全く認められず、また 500μmの粒
径を越える結晶の肥大化も全く観察されることのない、
非常に良好なものであった。
【0021】実施例4 尿素 143g、リン酸一アンモニウム51.5g、塩化カリウ
ム51.5g、リン酸(H3PO4 として75%含有) 6.5g、29
%アンモニア水溶液24g、および水 223.5gを温度60℃
にて攪拌し混合した後、これを常温まで冷却し濾過して
全窒素15%、水溶性リン酸6%、水溶性加里6%の透明
な液体肥料(15-6-6)を得た。次いで上記で得られた液
体肥料に、フミン酸カリウムである腐植酸加里(日本重
化学工業(株)製;商品名)を 0.3%濃度となるように
添加し攪拌を行って溶解させ、濾過後、濾液を常温下に
放置した。3か月後にこの液体肥料を観察したところ、
二層分離および結晶析出などの変化は全く見られず、当
初の状態を維持した非常に良好なものであった。
【0022】比較例3 実施例4において、透明な液体肥料(15-6-6)を得た
後、フミン酸カリウムを添加することなく、そのまま3
か月間常温下に放置した。その結果、この液体肥料に
は、その 200g当たり、1mmの粒径を越える大きさの結
晶が約6gの割合で生成していることが認められた。
【0023】実施例5 実施例1において、キャビトロン乳化分散機の使用に代
えて振動ミルを用い、固体粒子の平均粒径が50μmとな
るまで湿式粉砕を行ったほかは全て同様に操作し、ペー
スト肥料を製造した。得られたペースト肥料の粘度は15
℃で 890cpであった。このペースト肥料は、−5℃下に
おける 100日間の放置試験で、二層分離は全く認められ
ず、また 500μmの粒径を越える結晶の肥大化も認めら
れない、非常に良好なものであった。
【0024】実施例6 実施例2において、キャビトロン乳化分散機の使用に代
えて振動ミルを用い、固体粒子の平均粒径が50μmとな
るまで湿式粉砕を行ったほかは全て同様に操作し、ペー
スト肥料を製造した。得られたペースト肥料の粘度は15
℃で1150cpであった。このペースト肥料は、−5℃下に
おける 100日間の放置試験で二層分離は全く認められな
かった。また、この放置試験ではペースト肥料 600g当
り5〜 5.5gの粒径1mmを越える結晶状のものが生成し
ていたが、これは極めて微細な結晶が単に寄せ集まって
結晶状のように見えただけであり、そのまま15℃の温度
下で2日間保管しておいたところ、この結晶状のものは
完全に消失してしまった。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の液状肥料の結晶成長防止方法によれば、液状肥料にフ
ミン酸カリウム及び/又はポリカルボン酸型高分子活性
剤を添加するという非常に容易な操作であるにも係わら
ず、氷点下のような極めて過酷な条件下の保存において
も、液状肥料中より結晶の成長することを顕著に防止す
ることが可能である。したがって、本発明の方法によれ
ば、長期保存を可能とするとともに、施肥に際し何らの
再分散操作などを要することのない液状肥料が容易に得
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀内 修一 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧肥料 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状肥料にフミン酸カリウム及び/又は
    ポリカルボン酸型高分子活性剤を添加することを特徴と
    する液状肥料の結晶成長防止方法。
JP7200799A 1995-08-07 1995-08-07 液状肥料の結晶成長防止方法 Pending JPH0948687A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6432155B1 (en) 2000-08-11 2002-08-13 Cp Kelco U.S., Inc. Compositions containing phosphate and xanthan gum variants
JP2008255363A (ja) * 2008-06-05 2008-10-23 Shiseido Co Ltd フミン質分散液の製造方法及びフミン質分散液
CN103193526A (zh) * 2012-01-09 2013-07-10 山西美邦大富农科技有限公司 一种利用褐煤腐植酸生产黄棕腐植酸钾的制备方法
JP2018058721A (ja) * 2016-10-04 2018-04-12 デンカ株式会社 腐植酸含有三要素液体肥料

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