JPH094405A - 蒸気タービンの耐摩耗性ブレード - Google Patents
蒸気タービンの耐摩耗性ブレードInfo
- Publication number
- JPH094405A JPH094405A JP15446295A JP15446295A JPH094405A JP H094405 A JPH094405 A JP H094405A JP 15446295 A JP15446295 A JP 15446295A JP 15446295 A JP15446295 A JP 15446295A JP H094405 A JPH094405 A JP H094405A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blade
- steam
- steam turbine
- tip
- high hardness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
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- Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 蒸気ドレンアタックによって摩耗損傷を受け
やすい蒸気タービンのブレードの先端部の耐摩耗性と耐
久性を向上させる。 【構成】 蒸気タービンのブレード１の先端部の蒸気入
口側の部分にブレード回転方向と平行に複数の溝２を設
け、この部分の表面に高硬度の炭化タングステン皮膜２
を形成させ、ブレード１と炭化タングステン皮膜２との
密着効果を上げることができるようにした。
やすい蒸気タービンのブレードの先端部の耐摩耗性と耐
久性を向上させる。 【構成】 蒸気タービンのブレード１の先端部の蒸気入
口側の部分にブレード回転方向と平行に複数の溝２を設
け、この部分の表面に高硬度の炭化タングステン皮膜２
を形成させ、ブレード１と炭化タングステン皮膜２との
密着効果を上げることができるようにした。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、火力プラントや地熱等
によって運転される蒸気タービンの耐摩耗性ブレードに
関する。
によって運転される蒸気タービンの耐摩耗性ブレードに
関する。
【０００２】
【従来の技術】従来の一般的な蒸気タービンの耐摩耗ブ
レードを、図３によって説明する。
レードを、図３によって説明する。
【０００３】蒸気タービンの運転中に蒸気ドレンアタッ
クによって摩耗損傷を受けやすいブレード１の先端部に
は、蒸気が流れ込む蒸気入口側の部分にステライト４を
銀ろう５を介してろう付けすることにより、耐摩耗策を
施していた。
クによって摩耗損傷を受けやすいブレード１の先端部に
は、蒸気が流れ込む蒸気入口側の部分にステライト４を
銀ろう５を介してろう付けすることにより、耐摩耗策を
施していた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来ブレード１の先端部の蒸気入口側の部分に耐摩耗策と
してステライト４を銀ろう付けしているが、大気中で施
工したろう付け部の接着状況は必ずしも完全なものでは
なく、気泡等による空隙欠陥が存在することもある。こ
のため、ろう付け部に部分的な欠陥が存在する場合に
は、ブレード１が回転する際にブレード先端方向にかか
る遠心力等の応力によってステライト４が剥離し部分的
に飛散する恐れがあった。
来ブレード１の先端部の蒸気入口側の部分に耐摩耗策と
してステライト４を銀ろう付けしているが、大気中で施
工したろう付け部の接着状況は必ずしも完全なものでは
なく、気泡等による空隙欠陥が存在することもある。こ
のため、ろう付け部に部分的な欠陥が存在する場合に
は、ブレード１が回転する際にブレード先端方向にかか
る遠心力等の応力によってステライト４が剥離し部分的
に飛散する恐れがあった。
【０００５】本発明はこのような従来技術の課題を解決
するためのものであって、耐摩耗性と耐久性を向上させ
ることができる蒸気タービンの耐摩耗性ブレードを提供
しようとするものである。
するためのものであって、耐摩耗性と耐久性を向上させ
ることができる蒸気タービンの耐摩耗性ブレードを提供
しようとするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明の蒸気タービンの
耐摩耗性ブレードは、ブレード先端部の蒸気入口側の部
分にブレード回転方向と平行に溝加工を施し、同部分の
表面に高硬度皮膜を形成させた。
耐摩耗性ブレードは、ブレード先端部の蒸気入口側の部
分にブレード回転方向と平行に溝加工を施し、同部分の
表面に高硬度皮膜を形成させた。
【０００７】
【作用】前記の手段によれば、ブレード先端部の蒸気入
口側の部分に溝加工を施し、この部分の表面に高硬度皮
膜を形成しているので、ブレードと高硬度皮膜との密着
効果が上がる。また、前記溝の方向をブレードの回転方
向と平行とすることによって、運転中にブレードの回転
によって生じる先端方向への遠心力にも充分耐えうる高
硬度皮膜の密着度が保たれる。
口側の部分に溝加工を施し、この部分の表面に高硬度皮
膜を形成しているので、ブレードと高硬度皮膜との密着
効果が上がる。また、前記溝の方向をブレードの回転方
向と平行とすることによって、運転中にブレードの回転
によって生じる先端方向への遠心力にも充分耐えうる高
硬度皮膜の密着度が保たれる。
【０００８】
【実施例】本発明の一実施例を図１及び図２によって説
明する。図１は、蒸気タービンのブレードの先端部の蒸
気の流れによるドレンアタックで摩耗が発生する可能性
が高い蒸気入口側の部分に、高硬度皮膜を形成させるた
めの溝加工を行う部分と溝の形状を示し、また、図２
は、前記ブレードの前記の箇所に高硬度皮膜を形成させ
た状況を示す。
明する。図１は、蒸気タービンのブレードの先端部の蒸
気の流れによるドレンアタックで摩耗が発生する可能性
が高い蒸気入口側の部分に、高硬度皮膜を形成させるた
めの溝加工を行う部分と溝の形状を示し、また、図２
は、前記ブレードの前記の箇所に高硬度皮膜を形成させ
た状況を示す。
【０００９】本実施例は、図１に示すように、蒸気ター
ビンのブレード１の先端部の蒸気入口側の部分１０に、
回転方向と平行に深さ０．１〜０．５ｍｍの複数の溝２
を設け、さらに、同部分１０の表面をブラスト処理で粗
くする。このように前処理が施された面上に、図２に示
すように、高速ガス炎溶射法によって高硬度皮膜として
の炭化タングステン皮膜３を０．３〜１．５ｍｍ厚さ形
成させた。この炭化タングステン皮膜３の表面は、ブレ
ード１の他の部分の表面と共に、図２（ｃ）に示すよう
に、滑らかなブレード１の表面を形成するように形成さ
れている。
ビンのブレード１の先端部の蒸気入口側の部分１０に、
回転方向と平行に深さ０．１〜０．５ｍｍの複数の溝２
を設け、さらに、同部分１０の表面をブラスト処理で粗
くする。このように前処理が施された面上に、図２に示
すように、高速ガス炎溶射法によって高硬度皮膜として
の炭化タングステン皮膜３を０．３〜１．５ｍｍ厚さ形
成させた。この炭化タングステン皮膜３の表面は、ブレ
ード１の他の部分の表面と共に、図２（ｃ）に示すよう
に、滑らかなブレード１の表面を形成するように形成さ
れている。
【００１０】本実施例では、ブレード１の先端部の蒸気
入口側の部分１０に複数の溝２を設け、この部分１０の
表面をブラスト処理で粗くした上に炭化タングステン皮
膜３を形成させているので、ブレード１と炭化タングス
テン皮膜３とは強く密着する。また、複数の溝２はブレ
ード１の回転方向と平行をなして設けられているので、
炭化タングステン皮膜３はブレード１の回転によって生
じる先端方向への遠心力にも充分耐えるようにブレード
１に密着する。
入口側の部分１０に複数の溝２を設け、この部分１０の
表面をブラスト処理で粗くした上に炭化タングステン皮
膜３を形成させているので、ブレード１と炭化タングス
テン皮膜３とは強く密着する。また、複数の溝２はブレ
ード１の回転方向と平行をなして設けられているので、
炭化タングステン皮膜３はブレード１の回転によって生
じる先端方向への遠心力にも充分耐えるようにブレード
１に密着する。
【００１１】従って、本実施例によれば、蒸気ドレンア
タックによって摩耗損傷を受けやすいブレード１の先端
部の蒸気入口側の部分を充分に保護することができる。
タックによって摩耗損傷を受けやすいブレード１の先端
部の蒸気入口側の部分を充分に保護することができる。
【００１２】なお、前記溝２の深さが深すぎると溶射さ
れた炭化タングステン皮膜２の表面が凹凸になるので、
表面の再加工の必要性がでてくる。さらに、溶射された
炭化タングステン皮膜２の膜厚が厚すぎると皮膜の堆積
によって残留応力が生じるので剥離することもある。し
たがって、溝２の深さ及び炭化タングステン３の皮膜厚
さの範囲は前記の範囲内が良好である。
れた炭化タングステン皮膜２の表面が凹凸になるので、
表面の再加工の必要性がでてくる。さらに、溶射された
炭化タングステン皮膜２の膜厚が厚すぎると皮膜の堆積
によって残留応力が生じるので剥離することもある。し
たがって、溝２の深さ及び炭化タングステン３の皮膜厚
さの範囲は前記の範囲内が良好である。
【００１３】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、 （１）高硬度皮膜形成の前処理としてブレード先端部の
蒸気入口側の部分に溝加工を施すことにより、ブレード
の母材と高硬度皮膜との界面密着性が向上する。 （２）前記溝の加工方向をブレードの回転方向と平行に
することで、タービン運転時のブレードの回転によって
生じるブレード先端方向への遠心力等に対する高硬度皮
膜とブレードとの密着強度が充分に得られる。 （３）従って、蒸気タービンの運転中に蒸気ドレンアタ
ックによって摩耗損傷を受けやすいブレードの先端部を
長期間にわたって保護することができる。
蒸気入口側の部分に溝加工を施すことにより、ブレード
の母材と高硬度皮膜との界面密着性が向上する。 （２）前記溝の加工方向をブレードの回転方向と平行に
することで、タービン運転時のブレードの回転によって
生じるブレード先端方向への遠心力等に対する高硬度皮
膜とブレードとの密着強度が充分に得られる。 （３）従って、蒸気タービンの運転中に蒸気ドレンアタ
ックによって摩耗損傷を受けやすいブレードの先端部を
長期間にわたって保護することができる。
【００１４】また、前記高硬度皮膜を溶射等で形成する
場合には、ブレードの母材と高硬度皮膜との界面の欠陥
発生率を著しく低減させることができる。
場合には、ブレードの母材と高硬度皮膜との界面の欠陥
発生率を著しく低減させることができる。
【図１】本発明の一実施例における高硬度皮膜を形成さ
せるための溝加工を行う部分と溝の形状を示し、図１
（ａ）はブレードの全体図、図１（ｂ）は図１（ａ）の
Ａ部拡大図、図１（ｃ）は図１（ｂ）のＡ−Ａ矢視断面
図である。
せるための溝加工を行う部分と溝の形状を示し、図１
（ａ）はブレードの全体図、図１（ｂ）は図１（ａ）の
Ａ部拡大図、図１（ｃ）は図１（ｂ）のＡ−Ａ矢視断面
図である。
【図２】本発明の同実施例において高硬度皮膜を形成さ
せた状態を示し、図２（ａ）はブレードの全体図、図２
（ｂ）は図２（ａ）のＢ部の拡大図、図２（ｃ）は図２
（ｂ）のＢ−Ｂ矢視断面図、図２（ｄ）は図２（ｂ）の
ｂ−ｂ矢視断面図である。
せた状態を示し、図２（ａ）はブレードの全体図、図２
（ｂ）は図２（ａ）のＢ部の拡大図、図２（ｃ）は図２
（ｂ）のＢ−Ｂ矢視断面図、図２（ｄ）は図２（ｂ）の
ｂ−ｂ矢視断面図である。
【図３】従来の蒸気タービンの耐摩耗性ブレードを示
し、図３（ａ）はその全体図、図３（ｂ）は図３（ａ）
のＣ−Ｃ矢視断面図、図３（ｃ）は図３（ｂ）のＣ部の
拡大図である。
し、図３（ａ）はその全体図、図３（ｂ）は図３（ａ）
のＣ−Ｃ矢視断面図、図３（ｃ）は図３（ｂ）のＣ部の
拡大図である。
１ ブレード ２ 溝 ３ 炭化タングステン皮膜 ４ ステライト ５ 銀ろう １０ ブレードの先端部の蒸気入口側の部分
Claims (1)
- 【請求項１】 ブレード先端部の蒸気入口側の部分にブ
レード回転方向と平行に溝加工を施し、同部分の表面に
高硬度皮膜を形成させたことを特徴とする蒸気タービン
の耐摩耗性ブレード。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15446295A JPH094405A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 蒸気タービンの耐摩耗性ブレード |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15446295A JPH094405A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 蒸気タービンの耐摩耗性ブレード |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH094405A true JPH094405A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=15584778
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15446295A Withdrawn JPH094405A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 蒸気タービンの耐摩耗性ブレード |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH094405A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| AU729748B2 (en) * | 1997-12-15 | 2001-02-08 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Turbine movable blade |
| CN106180772A (zh) * | 2016-07-20 | 2016-12-07 | 西安理工大学 | 一种车刀刀片及车刀刀片的制备方法 |
| JP2019500537A (ja) * | 2015-12-21 | 2019-01-10 | サフラン エアークラフト エンジンズ | 前縁保護体 |
-
1995
- 1995-06-21 JP JP15446295A patent/JPH094405A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| AU729748B2 (en) * | 1997-12-15 | 2001-02-08 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Turbine movable blade |
| CN1133797C (zh) * | 1997-12-15 | 2004-01-07 | 东芝株式会社 | 透平动叶片 |
| JP2019500537A (ja) * | 2015-12-21 | 2019-01-10 | サフラン エアークラフト エンジンズ | 前縁保護体 |
| US11131196B2 (en) | 2015-12-21 | 2021-09-28 | Safran Aircraft Engines | Leading edge shield |
| CN106180772A (zh) * | 2016-07-20 | 2016-12-07 | 西安理工大学 | 一种车刀刀片及车刀刀片的制备方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020903 |