JPH0943319A - ハイブリッド励磁形同期機の界磁電流算定法 - Google Patents

ハイブリッド励磁形同期機の界磁電流算定法

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JPH0943319A
JPH0943319A JP19633295A JP19633295A JPH0943319A JP H0943319 A JPH0943319 A JP H0943319A JP 19633295 A JP19633295 A JP 19633295A JP 19633295 A JP19633295 A JP 19633295A JP H0943319 A JPH0943319 A JP H0943319A
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JP19633295A
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Takayuki Mizuno
孝行 水野
Kazutoshi Nagayama
和俊 永山
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 永久磁石と界磁巻線で界磁を行うハイブリッ
ド励磁形同期機(HSY)において、界磁巻線に流す最
適な界磁電流を求める。 【解決手段】 実験的にHSYの無負荷飽和曲線と短絡
曲線を求める。無負荷飽和曲線では、無負荷飽和曲線の
線形部に沿い直線L1 を引いて直線L1 と界磁電流軸と
の交点を等価磁石分電流Ifmとして求めると共に、指定
電圧vに対する界磁電流If0を求める。短絡曲線では、
短絡曲線の線形部分から界磁電流軸のIfm点まで直線を
引いて等価短絡曲線L2 とし、L2 上で指定電流iに対
応する界磁電流If2を求める。求めた電流を規定の式に
代入して界磁電流を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハイブリッド励磁形
同期機の界磁電流算定法に関し、最適な界磁電流が得ら
れるように工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】一般の同期機の界磁電流算定法は、規格
(JEC−114など)で規定されている。ここでJE
C(電気規格調査会標準規格)−114の規定について
説明する。
【0003】JEC−114では、指定の電機子電流及
び力率における界磁電流は、無負荷飽和曲線と短絡特性
曲線から次の方法により求めることが規定されている。
【0004】なお界磁電流の算定に際して使用する記号
を、先に一括して示しておく。 v:電機子定格電圧 i:指定の電機子電流 cosφ:力率 ra :基準巻線温度における電機子抵抗 If :電圧v,電流i及び力率 cosφにおける界磁電流
(A) If0:無負荷飽和曲線上のvに相当する界磁電流(A) If1:無負荷飽和曲線上、v+i・ra (電動機の場合
はv−i・ra )に相当する界磁電流(A) If2:短絡特性曲線上のiに相当する界磁電流(A) σ:無負荷飽和曲線上、1.2vの電圧における飽和係
数であり、図9及び式(1)から求める。
【0005】
【数3】
【0006】JEC−114の算定法では式(2)を用
いて界磁電流If を求める。なお式(2)中のkσは表
1の値をとるものとする。
【0007】
【数4】
【0008】
【表1】
【0009】ところで本願発明者等は、ハイブリッド励
磁形同期機(以下「HSY」と略す)を開発した。詳細
は後述するが、HSYは界磁方式について新たに工夫し
たものである。つまりHSYは、界磁として永久磁石に
よる界磁と直流界磁巻線による界磁を備えた同期機であ
り、永久磁石が一定の界磁アンペアターンを与え、負荷
に応じて必要となる界磁アンペアターンを直流界磁巻線
から供給するようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところでHSYでは、
界磁に永久磁石があるため、前述した従来方法による界
磁電流算定法をそのまま援用して、HSYの直流界磁巻
線に流す界磁電流を算定することはできない。
【0011】本発明は、かかる実状に鑑み、HSYの界
磁巻線に流す最適な界磁電流を求めるハイブリッド励磁
形同期機の界磁電流算定法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、軸方向に並んで配置されたN極側電機子鉄心及び
S極側電機子鉄心と、N極側及びS極側の電機子鉄心に
亘り配設されたヨーク及び電機子巻線と、N極側及びS
極側の電機子鉄心の間の位置で周方向に沿い配置された
界磁巻線とでなる固定子と、回転子鉄心と、前記N極側
電機子鉄心に対面する回転子鉄心面に配置され且つ周方
向に関し間隔をあけて交互に備えられた複数個のN極永
久磁石及びN極側突極状部と、前記S極側電機子鉄心に
対面する回転子鉄心面に配置され且つ周方向に関し間隔
をあけると共に前記N極永久磁石の配置ピッチからずれ
た配置ピッチで交互に備えられた複数個のS極永久磁石
及びS極側突極状部とでなる回転子と、で構成したハイ
ブリッド励磁形同期機の前記界磁巻線に流す界磁電流I
f を求める算定法であって、横軸を界磁電流軸とし縦軸
を誘起電圧軸とした軸座標上に、実験により求めた前記
ハイブリッド励磁形同期機の無負荷飽和曲線を描き、こ
の無負荷飽和曲線の線形部分に沿い直線L1 を引きこの
直線L1 と界磁電流軸との交点αを求め、軸座標上の原
点Oと交点αまでの値を等価磁石分界磁電流Ifmとする
と共に、無負荷飽和曲線上で指定の電圧vに対する界磁
電流If0を求め、更に等価磁石分界磁電流Ifmと界磁電
流If0とを加えた等価界磁電流If0’を求め、横軸を界
磁電流軸とし縦軸を電機子電流とした軸座標上に、実験
により求めた前記ハイブリッド励磁形同期機の短絡曲線
を描き、界磁電流軸上で等価磁石分界磁電流を示す点α
と短絡曲線の線形部分とを結んで等価短絡曲線L2 を求
め、等価短絡曲線L2 上で指定の電流iに対応する界磁
電流If2を求め、更に等価磁石分界磁電流Ifmと界磁電
流If2とを加えた等価界磁電流If2’を求め、求めた電
流If0’,If2’,Ifmを次式に代入して、界磁電流I
f を求めることを特徴とする。
【数5】
【0013】また本発明では、軸方向に並んで配置され
たN極側電機子鉄心及びS極側電機子鉄心と、N極側及
びS極側の電機子鉄心に亘り配設されたヨーク及び電機
子巻線と、N極側及びS極側の電機子鉄心の間の位置で
周方向に沿い配置された界磁巻線とでなる固定子と、回
転子鉄心と、前記N極側電機子鉄心に対面する回転子鉄
心面に配置され且つ周方向に関し間隔をあけて交互に備
えられた複数個のN極永久磁石及びN極側突極状部と、
前記S極側電機子鉄心に対面する回転子鉄心面に配置さ
れ且つ周方向に関し間隔をあけると共に前記N極永久磁
石の配置ピッチからずれた配置ピッチで交互に備えられ
た複数個のS極永久磁石及びS極側突極状部とでなる回
転子と、で構成したハイブリッド励磁形同期機の前記界
磁巻線に流す界磁電流If を求める算定法であって、横
軸を界磁電流軸とし縦軸を誘起電圧軸とした軸座標上
に、実験により求めた前記ハイブリッド励磁形同期機の
無負荷飽和曲線を描き、この無負荷飽和曲線の線形部分
に沿い直線L1 を引きこの直線L1 と界磁電流軸との交
点αを求め、軸座標上の原点Oと交点αまでの値を等価
磁石分界磁電流Ifmとすると共に、無負荷飽和曲線上で
指定の電圧vから電機子抵抗での電圧降下の値だけずれ
た電圧値に対する界磁電流If1を求め、更に等価磁石分
界磁電流Ifmと界磁電流If1とを加えた等価界磁電流I
f1’を求め、横軸を界磁電流軸とし縦軸を電機子電流と
した軸座標上に、実験により求めた前記ハイブリッド励
磁形同期機の短絡曲線を描き、界磁電流軸上で等価磁石
分界磁電流を示す点αと短絡曲線の線形部分とを結んで
等価短絡曲線L2 を求め、等価短絡曲線L2 上で指定の
電流iに対応する界磁電流If2を求め、更に等価磁石分
界磁電流Ifmと界磁電流If2とを加えた等価界磁電流I
f2’を求め、求めた電流If1’,If2’,Ifmを次式に
代入して、界磁電流If を求めることを特徴とする。
【数6】
【0014】
【発明の実施の形態】まずはじめにハイブリッド励磁形
同期機(HSY)の構成及び動作状況について説明す
る。
【0015】<HSYの構成及び動作>図1において、
1は固定子である電機子、2はこの電機子の鉄心、3は
電機子巻線、4は円筒形のヨークである。これらのう
ち、電機子鉄心2は、軸方向に関し2分割された成層鉄
心であり、片側の部分がN極側電機子鉄心2a、他の片
側の部分がS極側電機子鉄心2bとして構成してあり、
N極側電機子鉄心2aとS極側電機子鉄心2bとの間に
は、図4にも示すリング状の直流の界磁巻線5が配設し
てある。
【0016】そして、N極側電機子鉄心2aとS極側電
機子鉄心2bとは、ヨーク4によって磁気的に結合し、
かつ機械的に支持するように構成してある。また、電機
子巻線3は、N極側電機子鉄心2aとS極側電機子鉄心
2bとに亘って配設してある。
【0017】界磁巻線5は、図4の如くリング状に巻回
された電線5aを絶縁処理したもので、電源容量や機械
寸法に合わせて必要な起磁力を生ずるように十分なター
ン数を巻回している。
【0018】他方、回転子11は、回転子鉄心12と永
久磁石13とを有し、これらのうち回転子鉄心12はシ
ャフト15に連結したヨーク14で支持固定している。
回転子鉄心12は、部分的に突き出た構造で突極状をな
し、永久磁石13を備える部分以外の個所が突極状部1
2aとなるように構成してある。この突極状部12a
は、固定子のN極側電機子鉄心2aとS極側電機子鉄心
2bとに対応して設けてあり、N極側突極状部12aN
とS極側突極状部12aSとに分けてある。
【0019】すなわち、突極状部12aは、固定子のN
極側電機子鉄心2aとS極側電機子鉄心2bとの軸方向
の長さに対応して形成してあり、しかも周方向に一定幅
を有してN極側突極状部12aN及びS極側突極状部1
2aSとして存在する。そして、N極側突極状部12a
Nには、周方向に隣り合ってN極永久磁石13が、図2
(a)に示すように配置してあり、またS極側突極状部
12aSにも周方向に隣り合ってS極永久磁石13が、
図2(b)に示すように配置してある。かくして、軸方
向には、N極側突極状部12aNとS極永久磁石13と
が並び、またN極永久磁石13とS極側突極状部12a
Sとが並ぶ構造となっている。
【0020】この結果、回転子11は、図3に示すよう
に、N極側突極状部12aNとN極永久磁石13とを周
方向に交互に配置するとともに、軸方向に界磁巻線5の
幅の分だけ隔たってS極側突極状部12aSとS極永久
磁石13とを周方向に交互に配置し、しかも軸方向には
突極状部12aと永久磁石13とが並ぶ構造となってい
る。このとき、突極状部12aは、周方向に永久磁石1
3の極数と同じ数だけ形成してある。
【0021】図2,図3に示す例は永久磁石13を6極
配置した例を示しているが、極数はこれに限らず8極等
種々の極数が考えられる。
【0022】また、図1,図2では回転子鉄心12の突
極状部12aの表面と永久磁石13の表面とが同一円周
面を形成するように構成されているが、ギャップを小さ
くして突極状部12aを通る有効磁束を多くするよう突
極状部12aの突き出し量を永久磁石13の厚さより大
きくできる。更に、図2,図3では永久磁石13と突極
状部12aの幅を同じ幅としたが、上述と同様磁束を多
くするため突極状部12aの幅を永久磁石13より広げ
るようにしてもよい。なお、回転子鉄心12は塊状鉄心
でもよい。
【0023】図1において、永久磁石13は回転子鉄心
12の突極状部12a以外の所定個所に張り付けて固定
するとともに、回転子鉄心12は円筒形のヨーク14に
挿着して支持する。
【0024】<HSYの制御動作>HSYの構造は、図
1〜図4の如くであるが、ここで、かかる構造を採用し
たことに伴なう磁束の制御動作について述べる。
【0025】図1に示す直流の界磁巻線5に直流電流を
流した場合、例えば図1中の実線のように、電機子のヨ
ーク4→S極側電機子鉄心2b→ギャップ→S極側突極
状部12aS→回転子鉄心12→回転子ヨーク14→回
転子鉄心12→N極側突極状部12aN→ギャップ→N
極側電機子鉄心2a→ヨーク4という具合に閉磁路が形
成される。この場合、磁束の方向は、直流電流の向きに
より制御でき、大きさは電流の大きさにより制御でき
る。したがって、界磁巻線5による直流磁束の発生を伴
なう磁束の調整は次のようになる。
【0026】<直流界磁電流0の場合>直流界磁電流に
よる磁束は存在せず、永久磁石13による磁束のみとな
る。つまり、N極永久磁石13からの磁束は、ギャップ
→N極側電機子鉄心2a→電機子ヨーク4→S極側電機
子鉄心2b→ギャップ→S極永久磁石13→回転子鉄心
12→回転子ヨーク14→回転子鉄心12→N極永久磁
石13からなる経路を辿る。この場合、ギャップ磁束
は、永久磁石13の残留磁束密度(磁石の特性)と表面
積で決まることになる。
【0027】かかる状態を回転子表面での磁束としてみ
ると、図5(b)に示すようになり、N極永久磁石13
から電機子ヨーク4を通りS極永久磁石13に至り、S
極永久磁石13から回転子ヨーク14を通りN極永久磁
石13に至る。
【0028】したがって、回転子の回転によって電機子
巻線3を構成する各コイルは、N極またはS極の何れか
一方の極の磁束を切ることとなり、この結果電機子巻線
3には回転数と極数とによって定まる周波数の交流電圧
が誘起される。なお、IDCは直流界磁電流を示す。
【0029】こうして、本例のIDC=0の場合には、永
久磁石13によって生ずる磁束に応じた誘起電圧が得ら
れる。
【0030】<直流界磁電流による磁束が永久磁石13
の磁束と同一方向となる場合、(I DC<0の場合)>永
久磁石13による磁束はN極永久磁石13とS極永久磁
石13とで発生することに変りはない。
【0031】一方、直流の界磁巻線5による磁束は、磁
気抵抗が小さな経路を通り、S極側電機子鉄心2b→ギ
ャップ→S極側突極状部12aS→回転子鉄心12→回
転子ヨーク14→回転子鉄心12→N極側突極状部12
aN→ギャップ→N極側電機子鉄心2a→電機子ヨーク
4を通る。この場合、永久磁石13による透磁率は空気
に近く、磁気抵抗が大きいため、直流磁束は突極状部1
2aを通る。
【0032】この結果、回転子表面での合成磁束数をみ
ると、図5(a)の如くN極側突極状部12aNから出
た磁束が軸方向に並んでいるS極永久磁石13へ至り、
N極永久磁石13から出た磁束が軸方向に並んでいるS
極側突極状部12aSへ至ることになる。
【0033】したがって、電機子巻線3を構成する軸方
向に沿って配列された各コイルでは、N極側で切る磁束
の方向とS極側で切る磁束の方向が逆となり、互いに反
対方向の誘起電圧が生じ、全体として誘起電圧が減少す
る。
【0034】つまり、直流界磁電流の大きさによって、
誘起電圧が小さくでき、その大きさによっては誘起電圧
を0とすることができる。
【0035】かくして、永久磁石13の磁束と同一方向
の磁束を作ることによって、等価的に界磁磁束を弱める
(減磁する)こととなる。
【0036】<直流界磁電流による磁束が永久磁石13
の磁束と異なる(反対)方向となる場合、(IDC>0の
場合)>この場合についても永久磁石13による磁束
は、N極永久磁石13とS極永久磁石13とで発生する
ことに変わりはない。
【0037】一方、直流の界磁巻線5による磁束は、や
はり磁気抵抗の小さな経路を通り、N極側電機子鉄心2
a→ギャップ→N極側突極状部12aN→回転子鉄心1
2→回転子ヨーク14→回転子鉄心12→S極側突極状
部12aS→ギャップ→S極側電機子鉄心2b→電機子
ヨーク4を通る。
【0038】この結果、回転子表面での合成磁束をみる
と、図6(c)の如くN極永久磁石13から出た磁束が
周方向に隣り合うN極側突極状部12aNへ至り、また
S極側突極状部12aSから出た磁束が周方向に隣り合
うS極永久磁石13へ至ることになる。
【0039】したがって、電機子巻線3を構成する軸方
向に沿ってスロット内を通る各コイルでは、N極側で切
る磁束の方向とS極側で切る磁束の方向とが同方向とな
り、同一方向の誘起電圧が生じ、全体として誘起電圧が
増加する。すなわち、直流界磁電流の大きさによって誘
起電圧の調整ができる。
【0040】上述したようにHSYでは、直流界磁電流
を変化させることにより界磁磁束を連続的に変化させる
ことができる。
【0041】<HSYの界磁電流の算定方法>HSYの
無負荷飽和曲線を実験的に求めると図6のようになる。
図6において横軸は直流界磁電流を示し、縦軸は無負荷
誘起電圧を示す。図6に示すように、直流界磁電流の変
化に対する無負荷誘起電圧の変化がヒステリシスとなっ
ているのは、磁気飽和及び鉄心部の残留磁束の影響によ
る。しかし、直流界磁電流に対して誘起電圧が線形的に
変化する領域では、永久磁石13による起磁力と直流界
磁巻線5による起磁力とが加わった形で作用しているも
のと考えることができる。
【0042】したがって図6の無負荷飽和曲線の線形部
分(中央部)に直線L1 を引き、この直線L1 と横軸
(界磁電流軸)との交点をαとすると、線分αoの長さ
で示す電流値が、永久磁石13による起磁力と等価的な
起磁力を生じさせる界磁電流値とみなすことができ、こ
れを等価磁石分界磁電流Ifmとする。つまり Ifm=αo としている。
【0043】一般に無負荷で(定格)電圧Vを発生する
界磁電流If0は、図6の無負荷飽和曲線から直接読みと
ることができる。なお電圧値は、特性曲線の上昇カーブ
と下降カーブの中央の値とする。
【0044】以上より、無負荷で電圧Vとするために必
要な全界磁起磁力に対応する等価界磁電流If0’は次式
(3)で示される。
【0045】
【数7】
【0046】またHSYの短絡曲線を実験的に求めると
図7のようになる。前述した無負荷飽和曲線のときと同
様に、短絡曲線の特性においても、界磁電流に対して短
絡曲線が線形となる領域では、永久磁石13による起磁
力と界磁巻線5による起磁力が加わった形で作用してい
ることになる。
【0047】等価磁石分界磁電流Ifmは、図6の特性か
ら求めているので、図7においても、等価磁石分界磁電
流Ifmを示す点αをとり、この点αと短絡曲線の線形部
分とを直線で結べば、合成起磁力に対する等価短絡曲線
2 が得られる。
【0048】したがって図7の等価短絡曲線L2 から、
(定格)電流Iを流すのに必要な界磁電流If2を求める
ことができる。
【0049】以上より、短絡状態時において電流iを流
すために必要な全界磁起磁力に対する等価界磁電流
f2’は式(4)で示される。
【0050】
【数8】
【0051】これまで述べたところにより、 無負荷で電圧Vを発生させるための全起磁力に対す
る等価界磁電流If0’(式(3)参照)と、 短絡電流iを流すための全起磁力に対する等価界磁
電流If2’(式(4)参照)と、が求まった。
【0052】よって前述した規格の算定式を利用して、
定格負荷時の界磁電流If を求めることができる。ただ
し、等価磁石分界磁電流Ifmが含まれているので、実際
に必要な界磁電流は、Ifmを引いた値となる。つまり必
要な界磁電流If は、式(5)で求められる。
【0053】
【数9】
【0054】また規格のように、無負荷飽和曲線上でv
+i・ra (電動機の場合はv−i・ra )に相当する
界磁電流をIf1’とすると、界磁電流If は式(6)で
求められる。
【0055】
【数10】
【0056】以上の算定法に従い界磁電流If を算定し
た結果を、図8に示す。図8において、実線は実測値を
示し、点線は算定値を示す。なお、図8の算定ではkσ
=1.0、cos φ=0.95とした。
【0057】図8に示すように、飽和の大きい領域では
実測値と算定値との誤差が若干大きくなるか、無負荷飽
和曲線上で線形とみなせる範囲内では、算定値は実測値
に対して良好に一致することがわかる。
【0058】
【発明の効果】以上実施例と共に説明したように、本発
明によれば、ハイブリッド励磁形同期機の界磁巻線に流
す最適な界磁電流の値を、簡単に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハイブリッド励磁形同期機を示す構成図。
【図2】ハイブリッド励磁形同期機を示す側面図。
【図3】ハイブリッド励磁形同期機の回転子を示す斜視
図。
【図4】ハイブリッド励磁形同期機の界磁巻線を示す構
成図。
【図5】ハイブリッド励磁形同期機での磁束状態を示す
説明図。
【図6】ハイブリッド励磁形同期機の無負荷飽和曲線を
示す特性図。
【図7】ハイブリッド励磁形同期機の短絡曲線を示す特
性図。
【図8】界磁電流の算定結果を示す特性図。
【図9】一般の同期機の無負荷飽和曲線及び短絡曲線を
示す特性図。
【符号の説明】
1 電機子(固定子) 2 電機子鉄心 2a N極側電機子鉄心 2b S極側電機子鉄心 3 電機子巻線 4 ヨーク 5 界磁巻線 11 回転子 12 回転子鉄心 12a 突極状部 12aN N極側突極状部 12aS S極側突極状部 13 永久磁石 14 ヨーク Ifm 等価磁石分界磁電流 If0 界磁電流 If0’ 等価界磁電流 If2 界磁電流 If2’ 等価界磁電流 If 定格負荷時の界磁電流

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に並んで配置されたN極側電機子
    鉄心及びS極側電機子鉄心と、N極側及びS極側の電機
    子鉄心に亘り配設されたヨーク及び電機子巻線と、N極
    側及びS極側の電機子鉄心の間の位置で周方向に沿い配
    置された界磁巻線とでなる固定子と、 回転子鉄心と、前記N極側電機子鉄心に対面する回転子
    鉄心面に配置され且つ周方向に関し間隔をあけて交互に
    備えられた複数個のN極永久磁石及びN極側突極状部
    と、前記S極側電機子鉄心に対面する回転子鉄心面に配
    置され且つ周方向に関し間隔をあけると共に前記N極永
    久磁石の配置ピッチからずれた配置ピッチで交互に備え
    られた複数個のS極永久磁石及びS極側突極状部とでな
    る回転子と、で構成したハイブリッド励磁形同期機の前
    記界磁巻線に流す界磁電流If を求める算定法であっ
    て、 横軸を界磁電流軸とし縦軸を誘起電圧軸とした軸座標上
    に、実験により求めた前記ハイブリッド励磁形同期機の
    無負荷飽和曲線を描き、この無負荷飽和曲線の線形部分
    に沿い直線L1 を引きこの直線L1 と界磁電流軸との交
    点αを求め、軸座標上の原点Oと交点αまでの値を等価
    磁石分界磁電流Ifmとすると共に、無負荷飽和曲線上で
    指定の電圧vに対する界磁電流If0を求め、更に等価磁
    石分界磁電流Ifmと界磁電流If0とを加えた等価界磁電
    流If0’を求め、 横軸を界磁電流軸とし縦軸を電機子電流とした軸座標上
    に、実験により求めた前記ハイブリッド励磁形同期機の
    短絡曲線を描き、界磁電流軸上で等価磁石分界磁電流を
    示す点αと短絡曲線の線形部分とを結んで等価短絡曲線
    2 を求め、等価短絡曲線L2 上で指定の電流iに対応
    する界磁電流If2を求め、更に等価磁石分界磁電流Ifm
    と界磁電流If2とを加えた等価界磁電流If2’を求め、
    求めた電流If0’,If2’,Ifmを次式に代入して、界
    磁電流If を求めることを特徴とするハイブリッド励磁
    形同期機の界磁電流算定法。 【数1】
  2. 【請求項2】 軸方向に並んで配置されたN極側電機子
    鉄心及びS極側電機子鉄心と、N極側及びS極側の電機
    子鉄心に亘り配設されたヨーク及び電機子巻線と、N極
    側及びS極側の電機子鉄心の間の位置で周方向に沿い配
    置された界磁巻線とでなる固定子と、 回転子鉄心と、前記N極側電機子鉄心に対面する回転子
    鉄心面に配置され且つ周方向に関し間隔をあけて交互に
    備えられた複数個のN極永久磁石及びN極側突極状部
    と、前記S極側電機子鉄心に対面する回転子鉄心面に配
    置され且つ周方向に関し間隔をあけると共に前記N極永
    久磁石の配置ピッチからずれた配置ピッチで交互に備え
    られた複数個のS極永久磁石及びS極側突極状部とでな
    る回転子と、で構成したハイブリッド励磁形同期機の前
    記界磁巻線に流す界磁電流If を求める算定法であっ
    て、 横軸を界磁電流軸とし縦軸を誘起電圧軸とした軸座標上
    に、実験により求めた前記ハイブリッド励磁形同期機の
    無負荷飽和曲線を描き、この無負荷飽和曲線の線形部分
    に沿い直線L1 を引きこの直線L1 と界磁電流軸との交
    点αを求め、軸座標上の原点Oと交点αまでの値を等価
    磁石分界磁電流Ifmとすると共に、無負荷飽和曲線上で
    指定の電圧vから電機子抵抗での電圧降下の値だけずれ
    た電圧値に対する界磁電流If1を求め、更に等価磁石分
    界磁電流Ifmと界磁電流If1とを加えた等価界磁電流I
    f1’を求め、 横軸を界磁電流軸とし縦軸を電機子電流とした軸座標上
    に、実験により求めた前記ハイブリッド励磁形同期機の
    短絡曲線を描き、界磁電流軸上で等価磁石分界磁電流を
    示す点αと短絡曲線の線形部分とを結んで等価短絡曲線
    2 を求め、等価短絡曲線L2 上で指定の電流iに対応
    する界磁電流If2を求め、更に等価磁石分界磁電流Ifm
    と界磁電流If2とを加えた等価界磁電流If2’を求め、
    求めた電流If1’,If2’,Ifmを次式に代入して、界
    磁電流If を求めることを特徴とするハイブリッド励磁
    形同期機の界磁電流算定法。 【数2】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000007284A1 (fr) * 1998-07-29 2000-02-10 Kim, Kyung-Soo Generateur sans charge
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