JPH0940937A - 黒鉛シート材料及びガスケット - Google Patents
黒鉛シート材料及びガスケットInfo
- Publication number
- JPH0940937A JPH0940937A JP19029295A JP19029295A JPH0940937A JP H0940937 A JPH0940937 A JP H0940937A JP 19029295 A JP19029295 A JP 19029295A JP 19029295 A JP19029295 A JP 19029295A JP H0940937 A JPH0940937 A JP H0940937A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- graphite
- graphite sheet
- sheet material
- expanded graphite
- fluororesin powder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Sealing Material Composition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 シール性、耐熱性及び耐薬品性に優れるとと
もに、シールフランジからの剥離性に優れる黒鉛シート
材料及びガスケットを提供する。 【解決手段】 両表面に膨張黒鉛層を有する膨張黒鉛含
有シートの一方又は両方の表面に、フッ素樹脂粉末を付
着させてなる黒鉛シート材料及びこの黒鉛シート材料を
加工してなるガスケット。
もに、シールフランジからの剥離性に優れる黒鉛シート
材料及びガスケットを提供する。 【解決手段】 両表面に膨張黒鉛層を有する膨張黒鉛含
有シートの一方又は両方の表面に、フッ素樹脂粉末を付
着させてなる黒鉛シート材料及びこの黒鉛シート材料を
加工してなるガスケット。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、産業機
械、化学プラント等の一般産業用に使用されるガスケッ
トなどに有用な黒鉛シート材料及びこれを用いたガスケ
ットに関する。
械、化学プラント等の一般産業用に使用されるガスケッ
トなどに有用な黒鉛シート材料及びこれを用いたガスケ
ットに関する。
【0002】
【従来の技術】膨張黒鉛は、シール性、圧縮復元性、応
力緩和性、耐薬品性等に優れているため、アスベストに
代わる素材としてガスケットやパッキング等のシール材
に使用されている。一般に自動車の内燃機関などに使用
される膨張黒鉛黒鉛シート材料は、特公昭54−337
99号公報に示される様に、天然黒鉛、キッシュ黒鉛、
熱分解黒鉛等の高度に結晶構造の発達した黒鉛を、濃硫
酸と硝酸、過マンガン酸カリウム等の混液からなる酸化
性の処理液で酸処理して黒鉛層間化合物を形成し、水洗
してから急速加熱して黒鉛結晶のC軸方向に膨張処理し
た、虫状物で圧縮復元性を有する黒鉛粒子を冷間加工し
た膨張黒鉛シートが用いられる。
力緩和性、耐薬品性等に優れているため、アスベストに
代わる素材としてガスケットやパッキング等のシール材
に使用されている。一般に自動車の内燃機関などに使用
される膨張黒鉛黒鉛シート材料は、特公昭54−337
99号公報に示される様に、天然黒鉛、キッシュ黒鉛、
熱分解黒鉛等の高度に結晶構造の発達した黒鉛を、濃硫
酸と硝酸、過マンガン酸カリウム等の混液からなる酸化
性の処理液で酸処理して黒鉛層間化合物を形成し、水洗
してから急速加熱して黒鉛結晶のC軸方向に膨張処理し
た、虫状物で圧縮復元性を有する黒鉛粒子を冷間加工し
た膨張黒鉛シートが用いられる。
【0003】しかしながら、膨張黒鉛の単独成形体は、
その機械的な絡み合いのみで強度を保持しているため
に、引張強さ、圧縮強さ、靭性面等で十分ではなく、ま
た水、油及び各種有機又は無機の液体に浸漬した際に膨
潤し、著しい強度低下が生ずる。特に、エンジンオイル
及び不凍液の高温でのシール性を要求される自動車用の
ガスケットにおいては、この問題があるため使用が制限
される。この様な問題点を改善し、耐薬品性の改善を図
った黒鉛シート材料として、特開昭63−242395
号公報に示すような、芯材にガラス繊維、セラミック繊
維、炭素繊維、有機繊維などの織布や不織布に、液状の
樹脂を塗布又は含浸させ、この両側に膨張黒鉛シートを
接着した構成の黒鉛シート材料があり、注目を浴びてい
る。この黒鉛シート材料は、シール性及び強度面ともに
優れた黒鉛シート材料として、主としてエンジンオイル
及び不凍液回りの熱負荷がかかる部位に使用されてい
る。しかしながらこの黒鉛シート材料は、接着に使用し
ている樹脂の影響により、修理等でガスケットを取り外
す際、シール面である金属面に膨張黒鉛が部分的に接着
してしまい、この除去に過剰な手間を必要とするという
欠点がある。
その機械的な絡み合いのみで強度を保持しているため
に、引張強さ、圧縮強さ、靭性面等で十分ではなく、ま
た水、油及び各種有機又は無機の液体に浸漬した際に膨
潤し、著しい強度低下が生ずる。特に、エンジンオイル
及び不凍液の高温でのシール性を要求される自動車用の
ガスケットにおいては、この問題があるため使用が制限
される。この様な問題点を改善し、耐薬品性の改善を図
った黒鉛シート材料として、特開昭63−242395
号公報に示すような、芯材にガラス繊維、セラミック繊
維、炭素繊維、有機繊維などの織布や不織布に、液状の
樹脂を塗布又は含浸させ、この両側に膨張黒鉛シートを
接着した構成の黒鉛シート材料があり、注目を浴びてい
る。この黒鉛シート材料は、シール性及び強度面ともに
優れた黒鉛シート材料として、主としてエンジンオイル
及び不凍液回りの熱負荷がかかる部位に使用されてい
る。しかしながらこの黒鉛シート材料は、接着に使用し
ている樹脂の影響により、修理等でガスケットを取り外
す際、シール面である金属面に膨張黒鉛が部分的に接着
してしまい、この除去に過剰な手間を必要とするという
欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した欠
点を解消するものである。請求項1記載の発明は、シー
ル性、耐熱性及び耐薬品性に優れるとともに、シールフ
ランジからの剥離性に優れる黒鉛シート材料を提供する
ものである。請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明の前記課題に加えて、さらに剥離性とシール性のバラ
ンスに優れる黒鉛シート材料を提供するものである。請
求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の前記課題に
加えて、特に剥離性に優れる黒鉛シート材料を提供する
ものである。請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明の前記課題に加えて、特に剥離性に優れる黒鉛シート
材料を提供するものである。請求項5記載の発明は、請
求項1記載の発明の前記課題に加えて、さらに強度に優
れる黒鉛シート材料を提供するものである。請求項6記
載の発明は、シール性、耐熱性及び耐薬品性に優れると
ともに、シールフランジからの剥離性に優れるガスケッ
トを提供するものである。
点を解消するものである。請求項1記載の発明は、シー
ル性、耐熱性及び耐薬品性に優れるとともに、シールフ
ランジからの剥離性に優れる黒鉛シート材料を提供する
ものである。請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明の前記課題に加えて、さらに剥離性とシール性のバラ
ンスに優れる黒鉛シート材料を提供するものである。請
求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の前記課題に
加えて、特に剥離性に優れる黒鉛シート材料を提供する
ものである。請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明の前記課題に加えて、特に剥離性に優れる黒鉛シート
材料を提供するものである。請求項5記載の発明は、請
求項1記載の発明の前記課題に加えて、さらに強度に優
れる黒鉛シート材料を提供するものである。請求項6記
載の発明は、シール性、耐熱性及び耐薬品性に優れると
ともに、シールフランジからの剥離性に優れるガスケッ
トを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、両表面に膨張
黒鉛層を有する膨張黒鉛含有シートの一方又は両方の表
面に、フッ素樹脂粉末を付着させてなる黒鉛シート材料
に関する。また本発明は、付着する前記フッ素樹脂粉末
の量が、フッ素樹脂粉末が付着する膨張黒鉛層とフッ素
樹脂粉末の総量に対して0.1〜20重量%である黒鉛
シート材料に関する。また本発明は、付着する前記フッ
素樹脂粉末の重量平均粒子径が、100μm以下である
黒鉛シート材料に関する。また本発明は、前記膨張黒鉛
の密度が0.8g/cm3以下である黒鉛シート材料に関す
る。また本発明は、前記膨張黒鉛含有シートが、補強芯
材と膨張黒鉛シートが積層されてなるものである黒鉛シ
ート材料に関する。さらに本発明は、前記各黒鉛シート
材料を加工してなるガスケットに関する。
黒鉛層を有する膨張黒鉛含有シートの一方又は両方の表
面に、フッ素樹脂粉末を付着させてなる黒鉛シート材料
に関する。また本発明は、付着する前記フッ素樹脂粉末
の量が、フッ素樹脂粉末が付着する膨張黒鉛層とフッ素
樹脂粉末の総量に対して0.1〜20重量%である黒鉛
シート材料に関する。また本発明は、付着する前記フッ
素樹脂粉末の重量平均粒子径が、100μm以下である
黒鉛シート材料に関する。また本発明は、前記膨張黒鉛
の密度が0.8g/cm3以下である黒鉛シート材料に関す
る。また本発明は、前記膨張黒鉛含有シートが、補強芯
材と膨張黒鉛シートが積層されてなるものである黒鉛シ
ート材料に関する。さらに本発明は、前記各黒鉛シート
材料を加工してなるガスケットに関する。
【0006】本発明において用いる、両表面に膨張黒鉛
層を有する膨張黒鉛含有シートとは、両表面に膨張黒鉛
層を有するように、補強芯材のようなその他の材料と膨
張黒鉛シートが交互に積層されてなるシート状の複合材
料、及び膨張黒鉛からなる膨張黒鉛シート自体を意味す
る。膨張黒鉛とは、例えば、天然黒鉛、キッシュ黒鉛、
熱分解黒鉛等の高度に結晶構造の発達した黒鉛を、濃硫
酸と硝酸の混液、濃硫酸と過マンガン酸カリウムの混
液、濃硫酸と過酸化水素の混液、濃硫酸と過硫酸アンモ
ニウムの混液などの酸化性の処理液で酸処理して黒鉛層
間化合物を形成し、水洗、脱水してから急速加熱して黒
鉛結晶をC軸方向に膨張処理したものである。また前記
膨張黒鉛シートとは、前記膨張黒鉛を加圧成形してシー
ト状(層状)としたものである。
層を有する膨張黒鉛含有シートとは、両表面に膨張黒鉛
層を有するように、補強芯材のようなその他の材料と膨
張黒鉛シートが交互に積層されてなるシート状の複合材
料、及び膨張黒鉛からなる膨張黒鉛シート自体を意味す
る。膨張黒鉛とは、例えば、天然黒鉛、キッシュ黒鉛、
熱分解黒鉛等の高度に結晶構造の発達した黒鉛を、濃硫
酸と硝酸の混液、濃硫酸と過マンガン酸カリウムの混
液、濃硫酸と過酸化水素の混液、濃硫酸と過硫酸アンモ
ニウムの混液などの酸化性の処理液で酸処理して黒鉛層
間化合物を形成し、水洗、脱水してから急速加熱して黒
鉛結晶をC軸方向に膨張処理したものである。また前記
膨張黒鉛シートとは、前記膨張黒鉛を加圧成形してシー
ト状(層状)としたものである。
【0007】ここで、膨張黒鉛含有シートにおける膨張
黒鉛層は、密度が0.8g/cm3以下のものが好ましく、
0.4〜0.7g/cm3のものがより好ましい。密度が
0.8g/cm3を超えるものでは、フッ素樹脂粉末がシー
ト状の膨張黒鉛の表面に馴染まず、ガスケットの製造工
程においてフッ素樹脂粉末が欠落し、剥離性の改善効果
が得られにくい傾向にある。本発明において用いる膨張
黒鉛含有シートは、補強芯材と膨張黒鉛シートが積層さ
れ複合化されたものが、強度等の面で優れるので好まし
い。使用できる補強芯材としては、ガラス繊維、炭素繊
維、セラミック繊維、有機繊維(セルロース繊維等)な
どの繊維材料を用いた織布又は不織布がある。織布とし
ては平織り、綾織り等の織り方のものがあり、不織布と
してはフェルト状、マット状、紙状等に形成したものや
長繊維を並べたものなどがある。また、補強芯材として
は、ステンレス、鉄、銅等の金属の金属板又は金属網な
どを用いることができる。自動車等のガスケットに用い
る場合は、ガラス繊維、セラミック繊維、金属等の耐熱
性の良好な補強芯材を用いるのが好ましい。
黒鉛層は、密度が0.8g/cm3以下のものが好ましく、
0.4〜0.7g/cm3のものがより好ましい。密度が
0.8g/cm3を超えるものでは、フッ素樹脂粉末がシー
ト状の膨張黒鉛の表面に馴染まず、ガスケットの製造工
程においてフッ素樹脂粉末が欠落し、剥離性の改善効果
が得られにくい傾向にある。本発明において用いる膨張
黒鉛含有シートは、補強芯材と膨張黒鉛シートが積層さ
れ複合化されたものが、強度等の面で優れるので好まし
い。使用できる補強芯材としては、ガラス繊維、炭素繊
維、セラミック繊維、有機繊維(セルロース繊維等)な
どの繊維材料を用いた織布又は不織布がある。織布とし
ては平織り、綾織り等の織り方のものがあり、不織布と
してはフェルト状、マット状、紙状等に形成したものや
長繊維を並べたものなどがある。また、補強芯材として
は、ステンレス、鉄、銅等の金属の金属板又は金属網な
どを用いることができる。自動車等のガスケットに用い
る場合は、ガラス繊維、セラミック繊維、金属等の耐熱
性の良好な補強芯材を用いるのが好ましい。
【0008】補強芯材と膨張黒鉛シートを積層する手段
としては、接着剤を補強芯材の両面に塗布した後これに
膨張黒鉛シートを積層して冷間又は熱間にて加圧し貼り
合わせる方法、補強芯材に液状の樹脂を含浸し半硬化状
態としたものと膨張黒鉛シートを積層し冷間又は熱間に
て加圧し貼り合わせる方法、フィルム状の接着剤シート
を積層後硬化させる方法、膨張黒鉛シートに粉末状の接
着剤を噴霧塗布し積層後硬化する方法等がある。本発明
の膨張黒鉛含有シートは、補強芯材を一層用いてその両
側に膨張黒鉛シートを積層したもの(三層構造)でもよ
いし、複数の補強芯材と膨張黒鉛シートを交互に積層し
たもので両表面を膨張黒鉛層としたもの(五層、七層、
九層等)でもよい。いずれの方法でも両表面が膨張黒鉛
層になるように積層される必要がある。
としては、接着剤を補強芯材の両面に塗布した後これに
膨張黒鉛シートを積層して冷間又は熱間にて加圧し貼り
合わせる方法、補強芯材に液状の樹脂を含浸し半硬化状
態としたものと膨張黒鉛シートを積層し冷間又は熱間に
て加圧し貼り合わせる方法、フィルム状の接着剤シート
を積層後硬化させる方法、膨張黒鉛シートに粉末状の接
着剤を噴霧塗布し積層後硬化する方法等がある。本発明
の膨張黒鉛含有シートは、補強芯材を一層用いてその両
側に膨張黒鉛シートを積層したもの(三層構造)でもよ
いし、複数の補強芯材と膨張黒鉛シートを交互に積層し
たもので両表面を膨張黒鉛層としたもの(五層、七層、
九層等)でもよい。いずれの方法でも両表面が膨張黒鉛
層になるように積層される必要がある。
【0009】本発明の黒鉛シート材料は、前記膨張黒鉛
含有シートの一方又は両方の表面にフッ素樹脂粉末を付
着させることにより、シール性及び耐薬品性に優れると
ともに、シールフランジからの剥離性に優れる材料とな
る。本発明においては、一方の表面にフッ素樹脂粉末を
付着させる場合も含む。これは、ガスケット等として用
いる場合に、この黒鉛シート材料を、外側をフッ素樹脂
粉末付着面となるように2枚組合せて用いることもでき
るからである。付着させるフッ素樹脂粉末としては、テ
トラフロロエチレン、トリフロロエチレン、トリフロロ
クロロエチレン、ジクロロフロロエチレン、フッ化ビニ
リデン、フッ化ビニル等の重合体又は共重合体などの樹
脂粉末があるが、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリ
フロロエチレン等のエチレンの水素原子が3個以上フッ
素原子に置き換えられた単量体の重合体又は共重合体が
剥離性等の効果が高く好ましい。
含有シートの一方又は両方の表面にフッ素樹脂粉末を付
着させることにより、シール性及び耐薬品性に優れると
ともに、シールフランジからの剥離性に優れる材料とな
る。本発明においては、一方の表面にフッ素樹脂粉末を
付着させる場合も含む。これは、ガスケット等として用
いる場合に、この黒鉛シート材料を、外側をフッ素樹脂
粉末付着面となるように2枚組合せて用いることもでき
るからである。付着させるフッ素樹脂粉末としては、テ
トラフロロエチレン、トリフロロエチレン、トリフロロ
クロロエチレン、ジクロロフロロエチレン、フッ化ビニ
リデン、フッ化ビニル等の重合体又は共重合体などの樹
脂粉末があるが、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリ
フロロエチレン等のエチレンの水素原子が3個以上フッ
素原子に置き換えられた単量体の重合体又は共重合体が
剥離性等の効果が高く好ましい。
【0010】フッ素樹脂粉末を付着させる方法として
は、前記フッ素樹脂の微粉末又は成型シートをジェット
ミルなどの微粉砕機にて所定粒度まで微粉砕した微粉末
を直接吹き付ける方法や、フッ素樹脂のエマルジョンを
吹き付ける方法などがあるが、乾燥する必要がないため
工数が少ないこと、溶剤が膨張黒鉛シート内部に浸漬し
て膨張黒鉛粒子間の絡み合いを弱め、強度を低下させる
恐れがないこと等から、フッ素樹脂の微粉末又はフッ素
樹脂の成型シートをジェットミルなどの微粉砕機にて所
定粒度まで微粉砕したものを直接吹き付ける方法が好ま
しい。吹き付け後は、必要に応じてブラッシング等の方
法により付着状態を均一にする操作をしてもよい。
は、前記フッ素樹脂の微粉末又は成型シートをジェット
ミルなどの微粉砕機にて所定粒度まで微粉砕した微粉末
を直接吹き付ける方法や、フッ素樹脂のエマルジョンを
吹き付ける方法などがあるが、乾燥する必要がないため
工数が少ないこと、溶剤が膨張黒鉛シート内部に浸漬し
て膨張黒鉛粒子間の絡み合いを弱め、強度を低下させる
恐れがないこと等から、フッ素樹脂の微粉末又はフッ素
樹脂の成型シートをジェットミルなどの微粉砕機にて所
定粒度まで微粉砕したものを直接吹き付ける方法が好ま
しい。吹き付け後は、必要に応じてブラッシング等の方
法により付着状態を均一にする操作をしてもよい。
【0011】フッ素樹脂粉末の付着量は、フッ素樹脂粉
末が付着する膨張黒鉛層とフッ素樹脂粉末の総量に対し
て0.1〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量%
がより好ましく、1〜10重量%がより好ましい。付着
量が0.1重量%未満では、目的とする剥離性が得られ
にくい傾向にあり、一方20重量%を超えると、膨張黒
鉛の持つシール性能が低下する傾向にありまた強度も低
下する傾向にある。前記の「フッ素樹脂粉末が付着する
膨張黒鉛層」の重量とは、膨張黒鉛シートのみからなる
場合(すなわち補強芯材等の他の材料の層を含まない場
合)は、その膨張黒鉛シート自体の重量である。この場
合、この膨張黒鉛シートの両面にフッ素樹脂粉末を付着
させることができ、その好ましい量は、両面の付着量の
総量として前記と同様の量である。本発明の黒鉛シート
材料において、フッ素樹脂粉末を両面に付着させる場
合、両面の付着量は同じでも異なっていても良いが、い
ずれの面も前記好ましい範囲の付着量とするのがよい。
末が付着する膨張黒鉛層とフッ素樹脂粉末の総量に対し
て0.1〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量%
がより好ましく、1〜10重量%がより好ましい。付着
量が0.1重量%未満では、目的とする剥離性が得られ
にくい傾向にあり、一方20重量%を超えると、膨張黒
鉛の持つシール性能が低下する傾向にありまた強度も低
下する傾向にある。前記の「フッ素樹脂粉末が付着する
膨張黒鉛層」の重量とは、膨張黒鉛シートのみからなる
場合(すなわち補強芯材等の他の材料の層を含まない場
合)は、その膨張黒鉛シート自体の重量である。この場
合、この膨張黒鉛シートの両面にフッ素樹脂粉末を付着
させることができ、その好ましい量は、両面の付着量の
総量として前記と同様の量である。本発明の黒鉛シート
材料において、フッ素樹脂粉末を両面に付着させる場
合、両面の付着量は同じでも異なっていても良いが、い
ずれの面も前記好ましい範囲の付着量とするのがよい。
【0012】また、フッ素樹脂微粉末の重量平均粒子径
は100μm以下が好ましく、1〜50μmのものがよ
り好ましい。100μmを超えると、低密度の膨張黒鉛
シートであっても、シート内部にフッ素樹脂微粉末が挿
入されにくく、その後の工程で剥離が生じる傾向にあ
る。なお、前記重量平均粒子径はレーザ回折による直接
測定法により測定できる。フッ素樹脂粉末の付着は、補
強芯材と膨張黒鉛シートが積層された複合シートを用い
る場合には、両表面の膨張黒鉛層を形成する膨張黒鉛シ
ートの片面に予め行っておいてもよいし、積層して膨張
黒鉛含有シートとした後に表面に行ってもよい。以上の
ようにして得られる黒鉛シート材料は、シート状であ
り、ガスケット用材料として有用である。これを所望の
形状に加工し、本発明のガスケットとされる。また、所
望の形状に加工して各種パッキング材としても使用でき
る。
は100μm以下が好ましく、1〜50μmのものがよ
り好ましい。100μmを超えると、低密度の膨張黒鉛
シートであっても、シート内部にフッ素樹脂微粉末が挿
入されにくく、その後の工程で剥離が生じる傾向にあ
る。なお、前記重量平均粒子径はレーザ回折による直接
測定法により測定できる。フッ素樹脂粉末の付着は、補
強芯材と膨張黒鉛シートが積層された複合シートを用い
る場合には、両表面の膨張黒鉛層を形成する膨張黒鉛シ
ートの片面に予め行っておいてもよいし、積層して膨張
黒鉛含有シートとした後に表面に行ってもよい。以上の
ようにして得られる黒鉛シート材料は、シート状であ
り、ガスケット用材料として有用である。これを所望の
形状に加工し、本発明のガスケットとされる。また、所
望の形状に加工して各種パッキング材としても使用でき
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 密度0.5g/cm3、板厚0.36mmの膨張黒鉛シート
(商品名 カーボフィット、日立化成工業株式会社製)
の片面に、重量平均粒子径10μm、最大粒子径44μ
m(粒子径はレーザー回折自動流動測定装置を用いて測
定した。以下同様。)のポリテトラフロロエチレンの微
粉末(商品名 KTL450E、株式会社喜多村製)
を、膨張黒鉛シートとの総量に対して5重量%付着する
ようにスプレーで噴霧しブラッシングして均一に付着さ
せフッ素粉末付着黒鉛シートを得た。このシートの前記
微粉末の付着する面を外側として、厚さ0.18mm、目
付180g/m2のガラスクロス(商品名 WP−18K、
日東紡績(株)製)にエポキシ樹脂(商品名 EP−15
0、油化シェルエポキシ(株)製)を含浸させたプリプレ
グの両面に積層し、150℃で12分間熱圧成形して接
着し、板厚0.5mmとして、黒鉛シート材料とした。
(商品名 カーボフィット、日立化成工業株式会社製)
の片面に、重量平均粒子径10μm、最大粒子径44μ
m(粒子径はレーザー回折自動流動測定装置を用いて測
定した。以下同様。)のポリテトラフロロエチレンの微
粉末(商品名 KTL450E、株式会社喜多村製)
を、膨張黒鉛シートとの総量に対して5重量%付着する
ようにスプレーで噴霧しブラッシングして均一に付着さ
せフッ素粉末付着黒鉛シートを得た。このシートの前記
微粉末の付着する面を外側として、厚さ0.18mm、目
付180g/m2のガラスクロス(商品名 WP−18K、
日東紡績(株)製)にエポキシ樹脂(商品名 EP−15
0、油化シェルエポキシ(株)製)を含浸させたプリプレ
グの両面に積層し、150℃で12分間熱圧成形して接
着し、板厚0.5mmとして、黒鉛シート材料とした。
【0014】実施例2 実施例1と同じ仕様の膨張黒鉛シートに、重量平均粒子
径16μm、最大粒子径33μmのポリテトラフロロエ
チレンの微粉末(商品名KTL−8 株式会社喜多村
製)を、膨張黒鉛シートとの総量に対して7重量%とな
るように、スプレーで噴霧した。このシートを実施例1
と同じプリプレグに積層し、実施例1と同じ条件で、板
厚0.5mmの黒鉛シート材料とした。
径16μm、最大粒子径33μmのポリテトラフロロエ
チレンの微粉末(商品名KTL−8 株式会社喜多村
製)を、膨張黒鉛シートとの総量に対して7重量%とな
るように、スプレーで噴霧した。このシートを実施例1
と同じプリプレグに積層し、実施例1と同じ条件で、板
厚0.5mmの黒鉛シート材料とした。
【0015】実施例3 実施例1と同じ仕様の膨張黒鉛シートに、重量平均粒子
径16μm、最大粒子径33μmのポリトリフロロエチ
レンの微粉末(商品名KTM−8 株式会社喜多村製)
を、膨張黒鉛シートとの総量に対して7重量%となるよ
うに、スプレーで噴霧した。このシートを実施例1と同
じプリプレグに積層し、実施例1と同じ条件で、板厚
0.5mmの黒鉛シート材料とした。
径16μm、最大粒子径33μmのポリトリフロロエチ
レンの微粉末(商品名KTM−8 株式会社喜多村製)
を、膨張黒鉛シートとの総量に対して7重量%となるよ
うに、スプレーで噴霧した。このシートを実施例1と同
じプリプレグに積層し、実施例1と同じ条件で、板厚
0.5mmの黒鉛シート材料とした。
【0016】実施例4 実施例1と同じ仕様のフッ素粉末付着黒鉛シートを用
い、0.2mm圧延鋼板(川崎製鉄(株)製)にフェノール
樹脂接着剤(商品名 110、セメダイン製)を塗布し
たものの両面に積層し、実施例1と同じ条件で、板厚
0.5mmの黒鉛シート材料とした。 比較例1 実施例1の黒鉛シートを、フッ素樹脂微粉末を吹き付け
ずにそのまま、実施例1と同じ条件にてガラスクロスに
積層し、黒鉛シート材料を作成した。
い、0.2mm圧延鋼板(川崎製鉄(株)製)にフェノール
樹脂接着剤(商品名 110、セメダイン製)を塗布し
たものの両面に積層し、実施例1と同じ条件で、板厚
0.5mmの黒鉛シート材料とした。 比較例1 実施例1の黒鉛シートを、フッ素樹脂微粉末を吹き付け
ずにそのまま、実施例1と同じ条件にてガラスクロスに
積層し、黒鉛シート材料を作成した。
【0017】試験例 実施例1〜4及び比較例1で作成したガスケット材につ
いて、以下の評価試験を行った。 引張強度:得られた黒鉛シート材料をJISダンベル1
号型で打ち抜き、これを万能強度試験機にて、300mm
/分の引張スピードで引っ張ったときの強度である。 応力緩和率:ASTM F−36応力緩和率測定治具を
使用し、これに面圧210kgで黒鉛シート材料を組み
込み、さらに100℃で24時間加熱したときの、応力
の減少を測定した。 熱減少率:試料を300℃で30分間加熱したときの重
量減少率である。 剥離性:SUS304製のフランジの間に、試料を10
0kg/cm2の面圧で締め付け、200℃で1時間加熱後、
フランジをはずしたときの、試料のフランジ面への付着
度合いを目視にて観察した。 シール性:図1に示すシール性測定治具に、試料を10
0kg/cm2の面圧で締め付け、これにLLC(ロングライ
フクーラント)を投入して、内圧を印加したとき、LL
Cの漏れが発生する内圧を測定した。これらの測定結果
を表1に示す。
いて、以下の評価試験を行った。 引張強度:得られた黒鉛シート材料をJISダンベル1
号型で打ち抜き、これを万能強度試験機にて、300mm
/分の引張スピードで引っ張ったときの強度である。 応力緩和率:ASTM F−36応力緩和率測定治具を
使用し、これに面圧210kgで黒鉛シート材料を組み
込み、さらに100℃で24時間加熱したときの、応力
の減少を測定した。 熱減少率:試料を300℃で30分間加熱したときの重
量減少率である。 剥離性:SUS304製のフランジの間に、試料を10
0kg/cm2の面圧で締め付け、200℃で1時間加熱後、
フランジをはずしたときの、試料のフランジ面への付着
度合いを目視にて観察した。 シール性:図1に示すシール性測定治具に、試料を10
0kg/cm2の面圧で締め付け、これにLLC(ロングライ
フクーラント)を投入して、内圧を印加したとき、LL
Cの漏れが発生する内圧を測定した。これらの測定結果
を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】請求項1記載の黒鉛シート材料は、耐薬
品性、耐熱性、シール性に優れ、さらにフランジ面から
の剥離性に優れる。請求項2記載の黒鉛シート材料は、
請求項1記載の黒鉛シート材料の効果を奏し、特に剥離
性とシール性のバランスに優れる。請求項3記載の黒鉛
シート材料は、請求項1記載の黒鉛シート材料の効果を
奏し、特に剥離性に優れる。請求項4記載の黒鉛シート
材料は、請求項1記載の黒鉛シート材料の効果を奏し、
特に剥離性に優れる。請求項5記載の黒鉛シート材料
は、請求項1記載の黒鉛シート材料の効果を奏し、さら
に強度に優れる。請求項6記載のガスケットは、耐薬品
性、耐熱性、シール性に優れ、さらにフランジ面からの
剥離性に優れる。
品性、耐熱性、シール性に優れ、さらにフランジ面から
の剥離性に優れる。請求項2記載の黒鉛シート材料は、
請求項1記載の黒鉛シート材料の効果を奏し、特に剥離
性とシール性のバランスに優れる。請求項3記載の黒鉛
シート材料は、請求項1記載の黒鉛シート材料の効果を
奏し、特に剥離性に優れる。請求項4記載の黒鉛シート
材料は、請求項1記載の黒鉛シート材料の効果を奏し、
特に剥離性に優れる。請求項5記載の黒鉛シート材料
は、請求項1記載の黒鉛シート材料の効果を奏し、さら
に強度に優れる。請求項6記載のガスケットは、耐薬品
性、耐熱性、シール性に優れ、さらにフランジ面からの
剥離性に優れる。
【図1】本発明の実施例で用いたシール性測定治具の断
面図である。
面図である。
1…テストピース 2…治具 3…ボルト 4…ナット 5…液導入口 6…空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 智憲 茨城県日立市鮎川町三丁目3番1号 日立 化成工業株式会社山崎工場内
Claims (6)
- 【請求項1】 両表面に膨張黒鉛層を有する膨張黒鉛含
有シートの一方又は両方の表面に、フッ素樹脂粉末を付
着させてなる黒鉛シート材料。 - 【請求項2】 付着するフッ素樹脂粉末の量が、フッ素
樹脂粉末が付着する膨張黒鉛層とフッ素樹脂粉末の総量
に対して0.1〜20重量%である請求項1記載の黒鉛
シート材料。 - 【請求項3】 付着するフッ素樹脂粉末の重量平均粒子
径が、100μm以下である請求項1又は2記載の黒鉛
シート材料。 - 【請求項4】 膨張黒鉛層の密度が0.8g/cm3以下で
ある請求項1、2又は3記載の黒鉛シート材料。 - 【請求項5】 両表面に膨張黒鉛層を有する膨張黒鉛含
有シートが、補強芯材と膨張黒鉛シートが積層されてな
るものである請求項1、2、3又は4記載の黒鉛シート
材料。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の黒鉛シ
ート材料を加工してなるガスケット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19029295A JPH0940937A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 黒鉛シート材料及びガスケット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19029295A JPH0940937A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 黒鉛シート材料及びガスケット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0940937A true JPH0940937A (ja) | 1997-02-10 |
Family
ID=16255749
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19029295A Pending JPH0940937A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 黒鉛シート材料及びガスケット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0940937A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1167293A1 (en) * | 2000-06-23 | 2002-01-02 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Graphite sheet coated with insulating material and coating method thereof |
-
1995
- 1995-07-26 JP JP19029295A patent/JPH0940937A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1167293A1 (en) * | 2000-06-23 | 2002-01-02 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Graphite sheet coated with insulating material and coating method thereof |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0465092B1 (en) | A composite gasket material | |
JP2645800B2 (ja) | 膨張黒鉛製シール素材およびその製造方法ならびにガスケット用シート | |
CA2346686C (en) | Flexible graphite with non-carrier pressure sensitive adhesive backing and release liner | |
EP0616884B1 (de) | Verfahren zur Herstellung eines Schichtstoffes aus Metall und Graphit | |
Mazumdar et al. | Static and fatigue behavior of adhesive joints in SMC‐SMC composites | |
WO1989001102A1 (en) | Gasket for internal combustion engine | |
US20090188748A1 (en) | Noise suppression panels and repair methods therefor | |
Adams et al. | Effects of layer waviness on the compression fatigue performance of thermoplastic composite laminates | |
JP6172732B2 (ja) | 黒鉛シート複合材及びその製造方法 | |
JPS63242395A (ja) | 黒鉛・繊維複合材料 | |
JPH0940937A (ja) | 黒鉛シート材料及びガスケット | |
Lee et al. | Adhesion characteristics of fiber-exposed glass composites | |
JPH0796575A (ja) | 積層体およびその製法 | |
JP5714864B2 (ja) | Cfrpプリプレグと被着材の接合体 | |
GB2205906A (en) | Gaskets | |
CN112703103B (zh) | 具有增大的强度的可剥离垫片 | |
Aglan et al. | Design guidelines for composite patches bonded to cracked aluminum substrates | |
JPH0222115A (ja) | 黒鉛質ガスケツト材料の製造法 | |
JPH073245A (ja) | 膨張黒鉛複合ガスケット材料の製造法 | |
JP3557693B2 (ja) | ガスケット材料の製造法 | |
JPH08253760A (ja) | ガスケット材料及びその製造法 | |
JPH0419134A (ja) | ガスケット用積層板 | |
JPS62148255A (ja) | 複合シ−ト | |
JPH06117544A (ja) | 膨張黒鉛−金属ガスケット材料 | |
JPH05117026A (ja) | 膨張黒鉛複合ガスケツト材料 |