JPH0940551A - 新規な外用剤 - Google Patents

新規な外用剤

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JPH0940551A
JPH0940551A JP21306795A JP21306795A JPH0940551A JP H0940551 A JPH0940551 A JP H0940551A JP 21306795 A JP21306795 A JP 21306795A JP 21306795 A JP21306795 A JP 21306795A JP H0940551 A JPH0940551 A JP H0940551A
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JP
Japan
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acid
alcohol
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flurbiprofen
solubility
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JP21306795A
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English (en)
Inventor
Takako Obata
誉子 小幡
Kozo Takayama
幸三 高山
Tsuneji Nagai
恒司 永井
Hisako Omura
久子 大村
Yukio Soeda
行夫 副田
Nobuko Kobayashi
信子 小林
Yoshiharu Yamada
喜春 山田
Yoshio Wada
好夫 和田
Keizo Mizuno
敬三 水野
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MIKASA SEIYAKU KK
Original Assignee
MIKASA SEIYAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 抗炎症・鎮痛薬である2−(2−フルオロ−
4−ビフェニル)プロピオン酸のS体を製剤中にその溶
解度以上含有する外用剤並びにかかる製剤中に低級アル
コールおよび/または陰イオン性高分子物質を配合せし
めた外用剤。 【効果】 2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロ
ピオン酸を溶解度以上含有せしめることにより、その濃
度以下のもの、およびラセミ体に比較して経皮吸収性の
高い外用剤が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な外用剤に関する
ものであり、詳しくは、製剤中に、抗炎症・鎮痛薬であ
る2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸
のS体を、溶解度以上の濃度に含有せしめた経皮吸収性
を有する外用剤に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来、不斉炭素を有する合成医薬品は一般
にラセミ体(S体とR体の1:1混合物)が治療に用い
られている。ラセミ体の各エナンチオマーは化学構造の
上でも、物理化学的性状においても異なる化合物と考え
られ、それぞれが異なる薬理作用や毒性を有することが
多い。
【0003】2−アリルプロピオン酸系の非ステロイド
性抗炎症・鎮痛薬は、2位の不斉炭素に基づく光学異性
体が存在し、生体内でR体がS体に一方的に異性化する
キラル変換反応が起きることが知られている。また、in
vitroにおいては、その作用機序であるプロスタグラン
ジン生合成阻害活性が、ほとんどS体に存在することが
わかっている。
【0004】現在、2−アリルプロピオン酸系の非ステ
ロイド性抗炎症・鎮痛薬はラセミ体が投与されている
が、近年、光学異性体の研究が進み、薬物動態、薬理作
用、毒性において各エナンチオマーで異なる性質を有す
ることが明らかとなってきており、ラセミ体の投与は、
S体とR体間での薬理作用の拮抗や副作用の発現などが
懸念されている。
【0005】2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プ
ロピオン酸(2-(2-fluoro-4−biphenylyl)propionic aci
d,以下一般名であるフルルビプロフェンを用いる)
は、2−アリルプロピオン酸系の非ステロイド性抗炎症
・鎮痛薬であり、医薬品として広く使用され、整形外科
領域では主に、患部に効果的に浸透させ、抗炎症・鎮痛
作用の持続、かつ胃腸障害、全身性副作用の軽減化を目
的とした貼付剤として繁用されている。
【0006】フルルビプロフェンは、他の2−アリルプ
ロピオン酸系の非ステロイド性抗炎症・鎮痛薬と同様、
ラセミ体として投与されているが、ヒトではR体からS
体へのキラル変換は起きないことが知られている。しか
し、活性本体であるS体の消化管障害が、R体により大
きく増幅されるため、キラル変換の有無にかかわらず、
治療薬としてS体のほうがラセミ体より優れているとの
報告がある(W.Wechter,A.E.Bigornia,E.D.Murray,Jr.
B.H.Levine,J.W.Young:Chirality,5,492(1993))。
【0007】そこで最近、S体を治療に活用するため、
フルルビプロフェンを含む非ステロイド性抗炎症薬物の
S体と多価アルコールとからなる外用消炎鎮痛剤(特開
平6−199701号公報参照)が提案されているが、
この処方構成では必ずしも十分な経皮吸収性は得られな
い。このように、従来のラセミ体を経皮吸収させるよ
り、S体を単独で効率よく経皮吸収させることによっ
て、従来の局所的薬理作用にとどまらず、全身作用が期
待できる抗炎症・鎮痛効果と、かつ、その結果、総薬物
吸収量の減少による副作用の軽減が期待される外用剤の
開発が強く望まれている。
【0008】
【発明の開示】本発明者らは、このような状況において
鋭意研究を重ねた結果、製剤中に、フルルビプロフェン
のS体を、その溶解度以上の濃度に含有せしめることに
よって、ラセミ体に比し、経皮吸収性に優れた新規な外
用剤を開発することに成功した。本発明は、かかる知見
に基づいてなされたものである。すなわち、本発明は、
製剤中に、フルルビプロフェンのS体を溶解度以上の濃
度で含有することを特徴とする外用剤を提供するもので
あり、また本発明は、上記外用剤に低級アルコールおよ
び/または陰イオン性高分子物質を含有せしめることに
よって、フルルビプロフェンのS体の経皮吸収性を更に
高めた外用剤を提供するものである。
【0009】本発明は、フルルビプロフェンを、製剤中
に完全に溶解する状態で含有せしめた場合、S体とラセ
ミ体との経皮吸収性はほとんど変わらず、有意な差はみ
られないが、溶解度以上の濃度で含有せしめた場合、S
体の経皮吸収性は、ラセミ体と比較して有意に高いこと
を見出したものである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、薬物を製剤中に溶解度以上の濃度に含有せしめ
るということは、製剤が単一相であればその相中に、ま
た製剤が二相以上であれば、その連続相および/または
不連続相中に、薬物がその溶解度以上の濃度に存在する
状態を意味するものである。また、本発明は、本発明に
係る製剤に低級アルコールを配合することによって、経
皮吸収性が顕著に高くなることを見出したものである。
【0011】本発明に用いられる低級アルコールとして
は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n
−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブ
チルアルコール等が挙げられ、特に好ましい低級アルコ
ールは、エチルアルコール、イソプロピルアルコールで
ある。
【0012】これら低級アルコールの配合割合は、10
〜60重量%(以下、本明細書については単に%で表示
する)、好ましくは15〜50%、更に好ましくは20
〜40%で配合され、またその配合割合において、使用
するアルコールの種類に応じて配合割合を適宜決定して
用いるのが好ましい態様である。
【0013】低級アルコールの配合量が多いと、経皮吸
収性はあまり変わらないが、フルルビプロフェンのS体
の溶解度が高くなり、溶解度以上の濃度の製剤とするた
めには高濃度の薬物が必要となるため、薬物利用率が低
下し、また、製剤設計においても問題となる。更に、低
級アルコールによる皮膚刺激も懸念される。一方、配合
量が少ないと、経皮吸収性は低下する。
【0014】本発明においては、低級アルコールと水の
混合溶媒系に限らず他の溶媒系、例えば水や、多価アル
コールであるプロピレングリコールと水の混合溶媒系に
ついても、液剤では、フルルビプロフェンのS体を製剤
中溶解度以上の濃度で含有することにより、ラセミ体と
比較して高い経皮吸収性が得られることを見出した。本
発明は、さらに、本発明に係る製剤中に陰イオン性高分
子物質を配合した基剤からなるゲル製剤とすることによ
って、S体の経皮吸収性はラセミ体を用いた場合と比較
し、顕著に高められることを見出したものである。
【0015】他方、一般に外用剤基剤として広く用いら
れ、他の配合薬物との相互作用が無いか、もしくは、あ
っても小さいといわれている非イオン性の水溶性高分子
物質を基剤としたゲル製剤においては、S体とラセミ体
とに経皮吸収性の有意な差が見られず、また、フルルビ
プロフェンのS体を単独で用いた場合についても経皮吸
収性の改善は認められなかった。
【0016】本発明に係る外用剤に用いられる上記陰イ
オン性高分子物質としては、例えば、ポリアクリル酸、
ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマ
ー、カルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸
ナトリウム、ゼラチン、メチルビニールエーテル・無水
マレイン酸共重合体等が挙げられ、特に好ましいものと
して、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポ
リマー、メチルビニールエーテル・無水マレイン酸共重
合体が挙げられる。陰イオン性高分子物質の配合量は、
製剤化する外用剤の剤型に応じて、配合割合を適宜決定
することが好ましい。
【0017】本発明に係る外用剤は、一般に外用製剤と
して公知の貼付剤、パッチ剤、テープ剤、軟膏、ゲル、
クリーム剤、ローション、液剤等のいずれにも適用し得
るものである。本発明に係る外用剤に配合される他の添
加剤としては、特に限定されず、各種の剤型において通
常使用されている経皮吸収促進剤、水溶性高分子物質、
界面活性剤、安定化剤、pH調整剤等を配合することは
任意である。
【0018】上記経皮吸収促進剤としては、通常、経皮
吸収型製剤に使用されるものであればよく、特に限定さ
れないが、例えば高級アルコール類、高級脂肪酸、高級
脂肪酸エステル類、尿素類、ピロリドン誘導体、有機
酸、有機酸エステル類、テルペン類、精油、炭化水素、
ベンジルアルコール、エイゾン(化学名:1−ドデシル
アザシクロヘプタン−2−オン)、シクロデキストリ
ン、チオグリコール酸カルシウム等が挙げられるが、こ
れらの成分は単独あるいは二種以上を同時に用いること
ができる。
【0019】高級アルコール類としては、たとえばヘプ
チルアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコ
ール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシ
ルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコ
ール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコー
ル、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプ
タデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイル
アルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコ
ール、セリルアルコール、メリシルアルコール、セトス
テアリルアルコール、ステアリルアルコール、等があげ
られる。これらの内、特にオクチルアルコール、ノニル
アルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール
等が好ましい。
【0020】高級脂肪酸としては、例えば炭素数6〜3
2の飽和または不飽和脂肪酸があげられ、具体的には例
えばカプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン
酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリル酸、トリデシ
ル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、
ヘプタデシル酸、ステアリン酸、オレイン酸、ノナデカ
ン酸、アラキドン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘン
酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘブタコサン酸、モ
ンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、エライジン酸、ブ
ラシジン酸等があげられる。これらの内、ミリスチン
酸、オレイン酸、リノール酸等が好ましい。
【0021】高級脂肪酸エステルとしては、例えば
(A)炭素数10〜32の脂肪酸エステルと炭素数14
〜32の脂肪族一価アルコールとのエステル、(B)炭
素数10〜22の飽和ないし不飽和脂肪酸とグリセリン
とのエステルまたはそれらの水素添加物があげられ、具
体的には例えば(A)としては、パルミチン酸ミリスチ
ル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチ
ル、リグノセリン酸セリル、セロチン酸ラクセリル、ラ
クセル酸ラクセリル等の脂肪酸エステル、ラノリン、蜜
蝋、鯨蝋、セラミック蝋等の動物由来の天然蝋、カルナ
ウバ蝋、カンデリラ蝋の如き植物油来の天然蝋があげら
れる。
【0022】また(B)としては、グリセリルモノラウ
レート、グリセリルモノミリスチレート、グリセリルモ
ノステアレート、グリセリルモノオレート、グリセリル
ジラウレート、グリセリルジミリスチレート、グリセリ
ルジステアレート、グリセリルトリラウレート、グリセ
リルトリミリスチレート、グリセリルトリステアレート
等があげられる。これらの内、グリセリルモノラウレー
ト、グリセリルモノミリスチレート、グリセリルモノオ
レート、が好ましい。
【0023】尿素類としては、例えば尿素、チオ尿素等
があげられ、更にピロリドン誘導体としては、例えば2
−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、5−メチ
ル−2−ピロリドン、1,5−ジメチルピロリドン、1
−エチルピロリドン等があげられる。この内、尿素、1
−メチル−2−ピロリドン等が好ましい。
【0024】有機酸としては、乳酸、プロピオン酸、ケ
イ皮酸、ニコチン酸、フタル酸、シュウ酸、フマル酸、
マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられ
る。有機酸エステル類としては、乳酸エステル類等が挙
げられる。この内、特に乳酸、乳酸ミリスチル、乳酸セ
チル、乳酸ラウリル等が好ましい。
【0025】テルペン類としては、テルピネオール、シ
ネオール、メントール、イソメントール、メントン、ピ
ペリトン、プレゴン、イオノン、カルボン、リモネン、
カンフル、ボルネオール等が挙げられる。精油として
は、これらのテルペン類を主成分とするハッカ油、テレ
ビン油、ユーカリ油、オレンジ油等が挙げられる。この
内、メントール、リモネン、ハッカ油、ユーカリ油等が
好ましい。
【0026】炭化水素としては、例えば炭素数12〜3
2の炭化水素があげられ、具体的には種々の炭化水素の
混合物である流動パラフィン、分枝状パラフィン、固形
パラフィン、白色ワセリン、スクワラン、スクワレン等
が挙げられるが、この内、流動パラフィン、スクワラ
ン、スクワレン等が好ましい。
【0027】水溶性高分子物質としては、例えば、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、
ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマ
−、カルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸
ナトリウム、ゼラチン、メチルビニールエーテル・無水
マレイン酸共重合体等が挙げられる。
【0028】界面活性剤としては、例えば、グリセリン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコー
ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、
ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レングリコールエーテル等が挙げられる。
【0029】安定化剤としては、例えば、亜硫酸水素ナ
トリウム、L−アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリ
ウム、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシ
トルエン、没食子酸プロピル、酢酸トコフェロール、d
l−α−トコフェロール等が挙げられる。
【0030】pH調整剤としては、例えば、ジイソプロ
パノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、乳酸、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。本発
明の外用剤には、その他必要に応じて、増粘剤、粘着付
与剤、架橋剤、充填剤、防腐剤、着香剤、着色剤等を適
宜配合することができる。以下に実施例により本発明を
具体的に説明するが、本発明は、その主旨を変えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0031】試験例1 下記表1に示した液剤を調製し、その皮膚透過性の比較
試験を行った。 皮膚透過性試験: 1)使用動物 雌性ヘアレスラット7週齢 2)使用セル 2−チャンバー拡散セル(有効拡散面積
0.95cm2) 3)実験方法
【0032】実験前日に背部被毛を電気バリカンで除毛
したヘアレスラットを頚椎脱臼した後、背部皮膚を摘出
した。摘出皮膚をセルに固定し、ドナー側に表1に示し
た液剤(2.8ml)を適用し、レセプター側にpH
7.4のリン酸等張緩衝液(2.8ml)を適用した。
実験中セルを37℃に保ち、両セルをマグネチックスタ
ーラーで撹拌した。所定時間ごとにレセプター側から一
定量を採取し、高速液体クロマトグラフィーにより、フ
ルルビプロフェン透過量を測定した。その結果を図1に
示す。 4)結果 図1から明らかなとおり、本発明の液剤中にフルルビプ
ロフェンのS体を溶解度以上の濃度で含有したもの(実
施例1〜3)は、液剤中にフルルビプロフェンのラセミ
体を溶解度以上の濃度で含有したもの(比較例1〜3)
とそれぞれ比較して、有意に高い経皮吸収性を示した。
また、低級アルコールであるエチルアルコールを配合す
ることにより(実施例2)、経皮吸収性は顕著に高くな
ることが認められた。
【0033】
【表1】 表1 フルルビプロフェン配合液剤組成 (注)実施例1〜3、比較例1〜3:薬物を溶解度以上
の濃度で含有している。
【0034】試験例2 下記表2に示したゲル製剤を調製し、その皮膚透過性の
比較試験を行った。 皮膚透過性試験: 1)使用動物 雌性ヘアレスラット7週齢 2)使用セル フランツ型拡散セル(有効拡散面積3.
14cm2) 3)実験方法 実験前日に背部被毛を電気バリカンで除毛したヘアレス
ラットを頚椎脱臼した後、背部皮膚を摘出した。摘出皮
膚をセルに固定し、ドナー側に表2に示したゲル製剤
(約1.0g)を適用し、レセプター側にpH7.4の
リン酸等張緩衝液(8.7ml)を適用した。実験中セ
ルを37℃に保ち、レセプター側をマグネチックスター
ラーで撹拌した。所定時間ごとにレセプター側から一定
量を採取し、高速液体クロマトグラフィーにより、フル
ルビプロフェン透過量を測定した。その結果を図2に示
す。
【0035】4)結果 図2から明らかなように、比較例6では、フルルビプロ
フェンのS体はゲル製剤中に完全に溶解しているため、
比較例7のラセミ体を用いたものと比較して、有意な経
皮吸収性は得られないが、ゲル製剤中にフルルビプロフ
ェンのS体をゲル製剤中溶解度以上の濃度(実施例4)
で含有することにより、フルルビプロフェンのラセミ体
をゲル製剤中溶解度以上の濃度で含有するもの(比較例
4)より、有意に高い経皮吸収性が認められた。また、
低級アルコールであるイソプロピルアルコールを配合し
た場合(実施例5)についても、ラセミ体(比較例5)
と比較して、有意に高い経皮吸収性が得られた。
【0036】
【表2】 表2 フルルビプロフェン配合ゲル製剤組成 (注)実施例4,5、比較例4,5: 薬物を溶解度以
上の濃度で含有している。 比較例6,7: 薬物を完全に溶解する濃度で含有して
いる。
【0037】試験例3 下記表3に示したゲル製剤を調製し、試験例2に記載の
方法により、皮膚透過性の比較試験を行った。その結果
を図3に示す。 1)結果 図3より、非イオン性高分子を基剤としたゲル製剤で
は、フルルビプロフェンのS体(比較例10)とラセミ
体(比較例11)との経皮吸収性に有意な差は見られな
いが、本発明の、陰イオン性高分子を基剤して配合した
ゲル製剤(実施例6、7)では、ラセミ体を用いたもの
(比較例8、9)と比較して有意に高い経皮吸収性が認
められた。
【0038】
【表3】 表3 フルルビプロフェン配合ゲル製剤組成 (注) 実施例6,7、比較例8〜11: 薬物を溶解
度以上の濃度で含有している。
【0039】試験例4 下記表4に示したゲル製剤を調製し、下記実験方法によ
り、吸収動態を比較した。 1)実験方法 Wistar系雄性ラット(体重160〜180g)に
ウレタン麻酔を施し、背位固定後腹部を除毛した。除毛
部位に内径1.6cmの円筒形ガラスセルを接着剤で固
定し、表4に示したゲル製剤(約1.0g)を適用後、
セルの上部をパラフィルムで密封した。所定時間ごとに
頚静脈から採血を行い、高速液体クロマトグラフィーを
用いて、血中のフルルビプロフェン濃度を測定した。そ
の結果を図4に示す。なお、比較例12については、ラ
セミ体中のS体及びR体量の内訳を図示した。 2)結果 図4から明らかなように本発明(実施例8)は、比較例
12のものと比較して有意に高い血中濃度を示した。
【0040】
【表4】 表4 フルルビプロフェン配合ゲル製剤組成 (注) 実施例8、比較例12: 薬物を溶解度以上の
濃度で含有している。
【0041】試験例5 本発明の実施例4、実施例5及び比較例4、比較例5の
各ゲル製剤につき、吸収動態を比較した。 1)実験方法 7週齢の雌性ヘアレスラット(体重120〜140g)
の背部被毛を除毛した。その除毛部位に内径1.5cm
の円筒形シリコンセルを接着剤で固定し、前記表2に示
した各ゲル製剤(約0.3g)を適用後、セルをシリコ
ーンシートで密封し、その上からサージカルテープで固
定し、さらに体幹部を固定した。所定時間ごとに頚静脈
から採血を行い、高速液体クロマトグラフィーを用い
て、血中のフルルビプロフェン濃度を測定した。その結
果を図5及び図6に示す。なお、各比較例については、
ラセミ体中のS体及びR体量の内訳を図示した。 2)結果 図5及び図6から明らかなように、本発明の製剤は、比
較例のものと比較し2て有意に高い血中濃度を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1〜3と、比較例1〜3の8
時間後の累積透過量の平均値と+S.D.を示すグラフ
である。
【図2】 本発明の実施例4、5及び比較例4、5、
6、7の10時間後の累積透過量の平均値と+S.D.
を示すグラフである。
【図3】 本発明の実施例6、7及び比較例8、9、1
0、11の10時間後の累積透過量の平均値と+S.
D.を示すグラフである。
【図4】 本発明の実施例8と、比較例12(ラセミ
体、S体及びR体)の12時間後までの血中濃度を示す
グラフである。
【図5】 本発明の実施例4と、比較例4(ラセミ体、
S体及びR体)の16時間後までの血中濃度を示すグラ
フである。
【図6】 本発明の実施例5と、比較例5(ラセミ体、
S体及びR体)の16時間後までの血中濃度を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/10 A61K 47/10 E ADA ADAG 47/32 47/32 F // C07C 57/58 9450−4H C07C 57/58 C07M 7:00 (72)発明者 大村 久子 千葉県市川市高谷2丁目10番地5号 404 号室 (72)発明者 副田 行夫 東京都足立区千住仲町40号2番地 シティ クレドール304号室 (72)発明者 小林 信子 東京都杉並区荻窪4丁目23番地10号 (72)発明者 山田 喜春 東京都練馬区東大泉4丁目25番地33号 ベ ルフォール302号室 (72)発明者 和田 好夫 埼玉県川越市霞ケ関東5丁目14番地15号 霞コート101号室 (72)発明者 水野 敬三 埼玉県所沢市上新井880番地1号 AXI S小手指101号室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製剤中に、2−(2−フルオロ−4−ビ
    フェニル)プロピオン酸のS体を、溶解度以上の濃度で
    含有することを特徴とする外用剤。
  2. 【請求項2】 上記外用剤が低級アルコールを含有する
    ものである請求項1記載の外用剤。
  3. 【請求項3】 上記外用剤が陰イオン性高分子物質を含
    有するものである請求項1または請求項2記載の外用
    剤。
JP21306795A 1995-07-31 1995-07-31 新規な外用剤 Pending JPH0940551A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21306795A JPH0940551A (ja) 1995-07-31 1995-07-31 新規な外用剤

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JP21306795A JPH0940551A (ja) 1995-07-31 1995-07-31 新規な外用剤

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JPH0940551A true JPH0940551A (ja) 1997-02-10

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