JPH0938921A - 複層材の製造方法 - Google Patents

複層材の製造方法

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JPH0938921A
JPH0938921A JP18943595A JP18943595A JPH0938921A JP H0938921 A JPH0938921 A JP H0938921A JP 18943595 A JP18943595 A JP 18943595A JP 18943595 A JP18943595 A JP 18943595A JP H0938921 A JPH0938921 A JP H0938921A
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insert
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fluid self
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Application number
JP18943595A
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English (en)
Inventor
Seiji Kato
誠司 加藤
Itsuki Otani
厳 大谷
Nobuhiko Yugawa
伸彦 湯川
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面が平滑で、樹脂組成物と流動性自硬材と
がより一層強固に接着された複層材を安価にかつ容易に
製造することができる製造方法を提供する。また、例え
ば、挿入物を適宜選択することにより、美麗な模様を有
する意匠性に優れた複層材を容易に製造することができ
る製造方法を提供する。 【解決手段】 雌型10に樹脂組成物1を充填した後、
挿入物2を、その一部が樹脂組成物1に埋没するように
して該樹脂組成物1内に圧入する。次に、樹脂組成物1
を非流動状態となるように硬化または固化させた後、樹
脂組成物1上に流動性自硬材3を積層する。次いで、流
動性自硬材3を硬化させた後、得られた複層材を雌型1
0から脱型する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面側となるべき
樹脂組成物からなる層と、例えばセメントや石膏等の流
動性自硬材からなる層とを有する複層材の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、建材等に好適に供さ
れる樹脂成型物として、天然石調の模様を有する人造石
が提案されている。上記の人造石は、機械的強度を維持
すると共に、安価に製造するため、表面側となるべき合
成樹脂層と、該合成樹脂よりも安価なセメント層やコン
クリート層等とを有する複層材となされている。
【0003】このような人造石、即ち複層材の製造方法
として、例えば、特開平 2-69378号公報には、セメント
配合物からなる未硬化板材の表面に破砕状の天然石(挿
入物)を撒布した後、圧力を加えて該天然石を未硬化板
材に半分程度埋没させ、次いで、天然石が埋め込まれた
該未硬化板材表面にクリアー塗装(合成樹脂層)を施す
天然石風板材の製造方法が開示されている。また、例え
ば、特公昭63-17783号公報には、コンクリート等からな
る芯部の表面に、グラファイトや天然石(挿入物)等を
含む有機バインダからなるコート層(合成樹脂層)を形
成してなる天然石様建材が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法では、未硬化板材や芯部が多孔質であるた
め、未硬化板材表面にクリアー塗装を施したり、若しく
は芯部表面にコート層を形成すると、これらクリアー塗
装やコート層が硬化するまでの間に、合成樹脂の一部が
未硬化板材や芯部の細孔に滲み込んでしまう。このた
め、該クリアー塗装の塗装面やコート層表面に微細な凹
凸が生じるので、得られる複層材の表面の平滑性が失わ
れる。従って、表面が平滑で美麗な複層材を得るには、
該表面を研磨しなければならないので、複層材を安価に
かつ容易に製造することができないという問題点を有し
ている。尚、未硬化板材や芯部の細孔を埋めるために、
これら未硬化板材や芯部にコーティング剤を塗布した
後、クリアー塗装を施したり、若しくはコート層を形成
することも考えられる。ところが、この場合には、複層
材の製造工程が増し、複層材を安価に製造することがで
きない。
【0005】従って、表面が平滑な複層材を安価にかつ
容易に製造する方法が求められている。即ち、本発明
は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その
主たる目的は、表面が平滑な複層材を安価にかつ容易に
製造することができる製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記の
目的を達成すべく、複層材の製造方法について鋭意検討
した。その結果、硬化性樹脂若しくは可塑性樹脂を含む
樹脂組成物を型に入れ、非流動状態となるまで硬化させ
た後、該樹脂組成物上に、例えばセメントや石膏等の、
非合成樹脂からなる流動性自硬材を積層して硬化させる
ことにより、表面が平滑な複層材を安価にかつ容易に製
造することができることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0007】即ち、請求項1記載の発明の複層材の製造
方法は、上記の課題を解決するために、硬化性樹脂若し
くは可塑性樹脂を含む樹脂組成物を型に入れ、非流動状
態となるまで硬化または固化させた後、該樹脂組成物上
に非合成樹脂からなる流動性自硬材を積層することを特
徴としている。
【0008】請求項2記載の発明の複層材の製造方法
は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の複層
材の製造方法において、樹脂組成物に挿入物を一部埋没
させた後、上記流動性自硬材を積層することを特徴とし
ている。
【0009】請求項3記載の発明の複層材の製造方法
は、上記の課題を解決するために、請求項2記載の複層
材の製造方法において、脱型後に表面側となるべき樹脂
組成物側から目視できる挿入物と、目視できない挿入物
とが、互いに異なる材質からなることを特徴としてい
る。
【0010】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
かかる複層材の製造方法において用いられる樹脂組成物
は、熱硬化性樹脂若しくは熱可塑性樹脂(以下、両者を
併せて合成樹脂と称する)を含んでいればよく、特に限
定されるものではない。樹脂組成物は、合成樹脂の他
に、必要に応じて、充填剤、硬化剤、硬化促進剤、紫外
線吸収剤、低収縮化剤、カップリング剤、増粘剤、内部
離型剤、重合禁止剤、および、顔料や染料等の着色剤等
の添加剤を含んでいてもよい。尚、樹脂組成物における
合成樹脂と添加剤との混合方法や混合順序等、即ち、樹
脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではない。
【0011】上記の合成樹脂としては、例えば、アクリ
ル系樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、フェ
ノール樹脂、ビニルエステル樹脂等が挙げられる。これ
ら合成樹脂は、一種類のみを用いてもよく、また、二種
類以上を適宜混合して用いてもよい。合成樹脂は、例え
ば、流動性自硬材の組成、挿入物の材質、複層材の用途
等に応じて、適宜選択すればよい。
【0012】充填剤としては、例えば、水酸化アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、シリカ、ガラスの破砕物、ガラ
ス粉、ガラスフリット、セラミック、天然石の砕石、砂
等が挙げられるが、特に限定されるものではない。つま
り、上記樹脂組成物においては、一般に用いられている
あらゆる充填剤を添加することができる。上記の水酸化
アルミニウムやガラス粉を充填剤として用いると、樹脂
組成物、つまり、複層材に難燃性や透明性を付与するこ
とができる。尚、上記各種充填剤の形状や粒子径等の形
態、および添加量等は、特に限定されるものではない
が、天然石の砕石を添加する場合には、該砕石の大きさ
は、挿入物の大きさよりも小さい方が好ましい。
【0013】上記の着色剤は、合成樹脂に対して一般に
用いられている着色剤を用いることができ、特に限定さ
れるものではない。また、着色剤の色は、所望する複層
材に応じた色であればよい。
【0014】上記の樹脂組成物は、例えばシリカ、ガラ
ス、セラミック、天然石の砕石、砂等を含まない場合に
は、いわゆる単色系である。これに対し、上記の樹脂組
成物がこれら充填剤を含む場合には、該樹脂組成物、つ
まり、複層材は、いわゆる御影石調や大理石調の地模様
を備えることとなる。即ち、合成樹脂にシリカやガラ
ス、セラミック、天然石の砕石、砂等を添加することに
より、御影石調や大理石調の地模様を備えた複層材を得
ることができる。
【0015】本発明にかかる複層材の製造方法において
用いられる流動性自硬材は、非合成樹脂からなっていれ
ばよく、特に限定されるものではない。上記の流動性自
硬材としては、例えば、モルタルセメントや乾燥モルタ
ルセメント等のセメント、コンクリート、石膏等が挙げ
られるが、このうち、セメントがより好ましい。また、
流動性自硬材は、硬化時に収縮等を生じないものが好ま
しく、さらに、不燃性を有するものが好ましい。尚、コ
ンクリートは、セメントの他に、骨材等を含んでなって
いるが、該骨材は、コンクリート自体、樹脂組成物、お
よび、挿入物に有害な影響を及ぼさないものであれば、
特に限定されるものではない。
【0016】本発明にかかる複層材の製造方法において
は、必要に応じて挿入物を用いることにより、上記樹脂
組成物と流動性自硬材との接着強度をより一層向上させ
ることができる。また、表面側となるべき樹脂組成物側
から目視できるように挿入物を挿入することにより、樹
脂組成物層表面に例えば天然石調等の所望の模様を形成
することができる。上記の挿入物は、樹脂組成物や流動
性自硬材を硬化させる際に溶融や変質、収縮等を生じな
いものであれば、特に限定されるものではない。
【0017】上記の挿入物としては、例えば、御影石や
大理石等の天然石、各種鉱物の砕石;ステンレスや銅等
の金属;木材;ガラスの破砕物;雲母;前記樹脂組成物
とは色相や色調が異なる樹脂組成物を硬化または固化
(成形)してなる樹脂硬化物(または樹脂固化物)の破
砕物等が挙げられる。尚、挿入物の形状は、特に限定さ
れるものではなく、所定の形状を有していてもよく、ま
た、不定型であってもよい。また、上記の木材やガラス
等は、任意の色に着色されていてもよい。
【0018】挿入物の大きさは、例えば該挿入物が砕石
である場合には、その粒径が 100mm以下であることが好
ましく、また、所望する複層材における樹脂組成物層の
厚みよりも大きいものが添加されている方が望ましい。
尚、挿入物の使用量は、特に限定されるものではない。
【0019】また、挿入物を用いて樹脂組成物層表面に
所望の模様を形成する場合においては、脱型後に表面側
となるべき樹脂組成物側から目視できる挿入物と、目視
できない挿入物とで、互いに異なる材質を用いることに
より、複層材における目視される挿入物の使用量を節約
することができる。尚、目視される挿入物は、その一部
に平滑面を備えていることが好ましい。
【0020】上記の樹脂組成物、流動性自硬材および挿
入物は、例えば、複層材の用途等に応じて、適宜組み合
わせて用いればよい。例えば、屋外で使用する複層材を
製造する場合には、アクリル系樹脂(合成樹脂)とガラ
ス粉(充填剤)とを含む樹脂組成物、コンクリート(流
動性自硬材)、および天然石の砕石(挿入物)を組み合
わせることが好ましい。これにより、屋外での使用に耐
え得る表面硬度および耐候性を備えた複層材を製造する
ことができる。また、例えば、屋内で使用する複層材を
製造する場合には、ポリエステル樹脂(合成樹脂)と水
酸化アルミニウム(充填剤)とを含む樹脂組成物、コン
クリート(流動性自硬材)、および天然石の砕石(挿入
物)を組み合わせることが好ましい。これにより、難燃
性を備えた複層材を製造することができる。
【0021】次に、複層材の製造方法の一例について、
図1を参照しながら、以下に説明する。尚、以下の説明
においては、挿入物を用いて複層材を製造する場合を例
に挙げることとする。
【0022】先ず、図1(a)に示すように、雌型10
に所定量の樹脂組成物1を入れる。樹脂組成物1は未硬
化または未固化であり、流動性を有しているので、雌型
10内に均一に充填される。尚、樹脂組成物1の充填
量、即ち、製造する複層材における樹脂組成物層の厚さ
は、特に限定されるものではないが、脱型後に表面側と
なるべき樹脂組成物側から流動性自硬材が目視できない
程度の厚さ以上が好ましい。
【0023】上記雌型10の材質および構造等は、特に
限定されるものではなく、得られる複層材を容易に脱型
することができる材質および構造等であればよい。ま
た、雌型10の大きさ・深さ等は、所望する複層材の大
きさ・厚さ等に応じて設定すればよく、特に限定される
ものではない。さらに、雌型10は、樹脂組成物1を所
定の温度に加熱することができるように、加熱装置を備
えていてもよい。また、雌型10は、加熱炉等に導入す
ることができるように、移動自在となっていてもよい。
【0024】次に、樹脂組成物1が充填されると、同図
(b)に示すように、挿入物2を、その一部が樹脂組成
物1に埋没するようにして該樹脂組成物1内に圧入(挿
入)する。つまり、全ての挿入物2の内の幾つかの挿入
物2を、その一部が樹脂組成物1から上部に突出するよ
うにして該樹脂組成物1内に圧入する。尚、樹脂組成物
1における挿入物2の圧入位置は、樹脂組成物と流動性
自硬材との接着強度をより一層向上させることができる
ように、樹脂組成物1全体にわたって均一となるように
すればよいが、特に限定されるものではない。また、樹
脂組成物1内に埋め込まれるべき挿入物2の深さは、特
に限定されるものではない。さらに、挿入物2の挿入方
法は、上記圧入にのみ限定されるものではない。
【0025】次いで、樹脂組成物1を非流動状態となる
ように硬化または固化させる。尚、樹脂組成物1の硬化
方法または固化方法は、特に限定されるものではない。
また、樹脂組成物1は、流動性自硬材3を積層する前に
非流動状態となっていればよく、完全に硬化または固化
させる必要はない。樹脂組成物1が非流動状態でかつ完
全に硬化または固化する前に流動性自硬材3を積層する
ことにより、該樹脂組成物1と流動性自硬材3との接着
性が向上する。
【0026】その後、同図(c)に示すように、樹脂組
成物1上に所定量の流動性自硬材3を積層する。このと
き、流動性自硬材3は、スラリー状、ペースト状、液状
等の何れの状態であってもよい。次いで、該流動性自硬
材3を硬化させる。尚、上記の樹脂組成物1が完全に硬
化または固化していない場合には、例えば流動性自硬材
3を硬化させる際に、並行して完全硬化または固化させ
ればよい。また、流動性自硬材3の積層量、即ち、製造
する複層材における流動性自硬材層の厚さは、特に限定
されるものではない。さらに、流動性自硬材3の積層方
法や硬化方法等は、特に限定されるものではない。
【0027】次に、上記の樹脂組成物1および流動性自
硬材3、即ち、複層材を雌型10から脱型する。以上の
工程により、樹脂組成物層の表面が平滑な複層材が容易
に得られる。尚、複層材の形状は、例えば、ブロック
状、板状等とすればよいが、特に限定されるものではな
い。
【0028】得られる複層材の樹脂組成物層の表面は、
雌型10と密着しているので平滑に形成されているが、
必要に応じて研磨してもよい。研磨することにより、同
図(d)に示すように、挿入物2が露出するので、樹脂
組成物層表面、つまり、複層材表面がより一層美麗とな
る。尚、研磨する場合には、樹脂組成物層の表面が平滑
であるので、研磨量を従来の複層材よりも少なくするこ
とができる。
【0029】また、挿入物を用いて樹脂組成物層表面に
所望の模様を形成する場合において、例えば、挿入物が
高価である場合や、量が少ない場合等には、脱型後に表
面側となるべき樹脂組成物側から目視できる挿入物(以
下、模様用挿入物と称する)と、目視できない挿入物
(以下、接着用挿入物と称する)とで、互いに異なる材
料を用いることにより、複層材における該模様用挿入物
の使用量を節約することができる。
【0030】次に、上記二種類の挿入物を用いた複層材
の製造方法の一例について、図2を参照しながら、以下
に説明する。尚、説明の便宜上、図1を参照しながら説
明した複層材の製造方法の工程と同一の工程について
は、その説明を簡略化する。
【0031】先ず、図2(a)に示すように、所望する
複層材の模様に応じて、雌型10の成形面の任意の位置
に模様用挿入物5を、例えば平滑面が下側になるように
して、適宜配設する。次に、雌型10に所定量の樹脂組
成物1を入れる。樹脂組成物1は未硬化または未固化で
あり、流動性を有しているので、雌型10内に均一に充
填される。尚、樹脂組成物1の充填量、即ち、製造する
複層材における樹脂組成物層の厚さは、特に限定される
ものではないが、模様用挿入物5が埋没する程度の厚さ
以上が好ましい。
【0032】次に、樹脂組成物1が充填されると、同図
(b)に示すように、接着用挿入物6を、その一部が樹
脂組成物1に埋没するようにして該樹脂組成物1内に圧
入(挿入)する。つまり、接着用挿入物6を、その一部
が樹脂組成物1から上部に突出するようにして該樹脂組
成物1内に圧入する。尚、樹脂組成物1における接着用
挿入物6の圧入位置は、樹脂組成物と流動性自硬材との
接着強度をより一層向上させることができるように、樹
脂組成物1全体にわたって均一となるようにすればよい
が、特に限定されるものではない。また、樹脂組成物1
内に埋め込まれるべき接着用挿入物6の深さは、特に限
定されるものではない。さらに、接着用挿入物6の挿入
方法は、上記圧入にのみ限定されるものではない。
【0033】次いで、樹脂組成物1を非流動状態となる
ように硬化または固化させる。その後、同図(c)に示
すように、樹脂組成物1上に所定量の流動性自硬材3を
積層し、該流動性自硬材3を硬化させる。尚、流動性自
硬材3の厚さ、即ち、製造する複層材における流動性自
硬材層の厚さは、特に限定されるものではない。
【0034】次に、上記の樹脂組成物1および流動性自
硬材3、即ち、複層材を雌型10から脱型する。以上の
工程により、同図(d)に示すように、研磨しなくと
も、樹脂組成物層の表面が平滑で、かつ、所望の模様を
有すると共に、模様用挿入物5の使用量が節約された複
層材が容易に得られる。
【0035】本発明にかかる複層材の製造方法は、以上
のように、硬化性樹脂若しくは可塑性樹脂を含む樹脂組
成物を型に入れ、非流動状態となるまで硬化または固化
させた後、該樹脂組成物上に非合成樹脂からなる流動性
自硬材を積層する方法である。
【0036】このように、樹脂組成物が非流動状態とな
った後、流動性自硬材を積層するので、該流動性自硬材
に硬化性樹脂若しくは可塑性樹脂が滲み込むことはな
い。また、脱型後に表面側となるべき樹脂組成物側は、
型と密着しているので平滑に形成される。さらに、樹脂
組成物層と流動性自硬材層とを一連の工程で一体的に製
造することができる。従って、表面が平滑な複層材を安
価にかつ容易に製造することができる。
【0037】また、本発明にかかる複層材の製造方法
は、以上のように、樹脂組成物に挿入物を一部埋没させ
た後、上記流動性自硬材を積層する方法である。これに
より、樹脂組成物と流動性自硬材とがより一層強固に接
着された複層材を製造することができる。
【0038】さらに、本発明にかかる複層材の製造方法
は、以上のように、脱型後に表面側となるべき樹脂組成
物側から目視できる挿入物と、目視できない挿入物と
が、互いに異なる材質からなる方法である。
【0039】これにより、挿入物を用いて樹脂組成物層
表面に所望の模様を形成する場合において、例えば、挿
入物が高価である場合や、量が少ない場合等に、複層材
における目視される挿入物の使用量を節約することがで
きる。従って、より一層安価に複層材を製造することが
できる。また、例えば、挿入物を適宜選択することによ
り、美麗な模様を有する意匠性に優れた複層材、例えば
御影石調や大理石調の地模様を備えた天然石調の複層材
を容易に製造することができる。
【0040】上記複層材の用途としては、例えば、タイ
ルや壁用パネル等の建築用装飾材;浴室パネル等の住設
機器等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0041】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもの
ではない。尚、実施例に記載の「部」は、「重量部」を
示す。
【0042】〔実施例1〕先ず、樹脂組成物と流動性自
硬材とを調製した。即ち、合成樹脂としての不飽和ポリ
エステル樹脂(株式会社日本触媒製;商品名 エポラッ
クN−6800B) 100部に、硬化剤であるメチルエチ
ルケトンパーオキサイド(株式会社日本触媒製)1部、
硬化促進剤であるオクテン酸コバルト(株式会社日本触
媒製) 0.5部、および、充填剤としての水酸化アルミニ
ウム(昭和電工株式会社製;商品名ハイジライトH−3
20) 100部を混合することにより、樹脂組成物(201.
5部)を調製した。また、セメントとしての乾燥モルタ
ルセメント(株式会社シンコー製)と水とを7対3の割
合で混練することにより、モルタルセメント(流動性自
硬材) 200部を調製した。
【0043】以上のようにして調製した樹脂組成物およ
びモルタルセメント、並びに、挿入物としての天然茶御
影石2分石を用いて複層材を製造した。先ず、所定の大
きさ・深さの雌型に、上記の樹脂組成物を入れた。次
に、上記樹脂組成物の上に、天然茶御影石2分石を、そ
の一部分が樹脂組成物内に埋没するようにして、均一に
撒布(挿入)した。その後、樹脂組成物を60℃で3時間
かけて硬化させた。即ち、樹脂組成物を非流動状態とし
た。尚、上記の天然茶御影石2分石は、その粒径が 100
mm以下であり、かつ、樹脂組成物層の厚みよりも大きい
ものが含まれている。
【0044】続いて、該樹脂組成物上にモルタルセメン
トを、その厚みが均一となるように流し込んで積層し
た。次いで、該モルタルセメントを23℃で24時間かけて
養生硬化した。これにより、複層材を得た。
【0045】得られた複層材を脱型した後、裏返して、
表面側となるべき樹脂組成物表面を、湿式研磨機(イソ
ベ株式会社製)を用いて研磨した。即ち、ダイヤおよび
レジン砥石(サンワ株式会社製)を用いて、研磨面が1
mmでかつ鏡面となるように研磨を施した。これにより、
天然茶御影石が樹脂組成物層表面に露出した。
【0046】研磨された樹脂組成物層表面は、天然石調
の外観を有し、意匠性に優れており、非常に美麗であっ
た。また、複層材は、衝撃を与えても、樹脂組成物層と
モルタルセメント層とが剥離することはなかった。尚、
複層材は、樹脂組成物層が水酸化アルミニウムを含み、
かつ、モルタルセメント層を有しているので、難燃性を
備えている。
【0047】〔実施例2〕先ず、樹脂組成物と流動性自
硬材とを調製した。即ち、ポリメタクリル酸メチル(住
友化学工業株式会社製;商品名 LG−6)30重量%と
メタクリル酸メチル70重量%とからなるアクリルシラッ
プ90部、および、トリメチロールプロパントリメタクリ
レート(株式会社日本触媒製)10部からなる合成樹脂
(100 部)に、メチルエチルケトンパーオキサイド(株
式会社日本触媒製)1部、オクテン酸コバルト(株式会
社日本触媒製) 0.5部、および、充填剤としてのガラス
粉(日東紡績株式会社製;商品名 コナックFMB−5
W−001) 100部を混合することにより、樹脂組成物
(201.5 部)を調製した。また、実施例1と同様の操作
を行うことにより、モルタルセメント 200部を調製し
た。
【0048】以上のようにして調製した樹脂組成物およ
びモルタルセメント、並びに、天然茶御影石2分石を用
いて、実施例1と同様の操作を行うことにより、複層材
を得た。そして、得られた複層材を脱型した後、実施例
1と同様の研磨を施した。これにより、天然茶御影石2
分石が樹脂組成物層表面に露出した。
【0049】研磨された樹脂組成物層表面は、天然石調
の外観を有し、意匠性に優れており、非常に美麗であっ
た。また、複層材は、衝撃を与えても、樹脂組成物層と
モルタルセメント層とが剥離することはなかった。さら
に、この複層材は、表面硬度が大きく、かつ、耐候性が
良好であり、屋外での使用に耐えることができた。尚、
複層材は、モルタルセメント層を有しているので、難燃
性を備えている。
【0050】〔実施例3〕先ず、樹脂組成物と流動性自
硬材とを調製した。即ち、実施例2におけるガラス粉 1
00部の代わりに、水酸化アルミニウム(昭和電工株式会
社製;商品名 ハイジライトH−320) 200部を用い
た以外は、実施例2と同様の操作を行うことにより、樹
脂組成物(301.5 部)を調製した。また、実施例1と同
様の操作を行うことにより、モルタルセメント 200部を
調製した。
【0051】以上のようにして調製した樹脂組成物およ
びモルタルセメントを用いて複層材を製造した。先ず、
所定の大きさ・深さの雌型に、上記の樹脂組成物を入れ
た。その後、樹脂組成物を60℃で3時間かけて硬化させ
た。即ち、樹脂組成物を非流動状態とした。続いて、該
樹脂組成物上にモルタルセメントを、その厚みが均一と
なるように流し込んで積層した。次いで、該モルタルセ
メントを23℃で24時間かけて養生硬化した。これによ
り、複層材を得た。
【0052】得られた複層材の樹脂組成物層表面は、人
工大理石調の外観を有し、意匠性に優れており、非常に
美麗であった。尚、複層材は、樹脂組成物層が水酸化ア
ルミニウムを含み、かつ、モルタルセメント層を有して
いるので、難燃性を備えている。
【0053】〔実施例4〕先ず、樹脂組成物と流動性自
硬材とを調製した。即ち、実施例1と同様の操作を行う
ことにより、樹脂組成物(201.5 部)およびモルタルセ
メント 200部を調製した。また、板状の天然茶御影石の
片面を研磨した後、破砕して御影石破砕物(挿入物)を
調製した。
【0054】以上のようにして調製した樹脂組成物、モ
ルタルセメント、および御影石破砕物を用いて複層材を
製造した。先ず、所定の大きさ・深さの雌型に、上記の
御影石破砕物を、その研磨面が下側となるようにして、
適当に複数個載置した。次に、上記御影石破砕物の上
に、樹脂組成物を、該御影石破砕物が埋没しない程度に
流し込んだ。その後、樹脂組成物を60℃で3時間かけて
硬化させた。即ち、樹脂組成物を非流動状態とした。
【0055】続いて、該樹脂組成物上にモルタルセメン
トを、その厚みが均一となるように流し込んで積層し
た。次いで、該モルタルセメントを23℃で24時間かけて
養生硬化した。これにより、御影石破砕物が樹脂組成物
層表面に露出した複層材を得た。
【0056】得られた複層材の樹脂組成物層表面は、研
磨を施さなくとも、天然石調の外観を有し、意匠性に優
れており、非常に美麗であった。また、複層材は、衝撃
を与えても、樹脂組成物層とモルタルセメント層とが剥
離することはなかった。尚、複層材は、樹脂組成物層が
水酸化アルミニウムを含み、かつ、モルタルセメント層
を有しているので、難燃性を備えている。
【0057】〔実施例5〕先ず、樹脂組成物と流動性自
硬材とを調製した。即ち、実施例2と同様の操作を行う
ことにより、樹脂組成物(201.5 部)およびモルタルセ
メント 200部を調製した。また、板状の天然御影石の片
面を研磨した後、破砕して御影石破砕物(挿入物)を調
製した。
【0058】以上のようにして調製した樹脂組成物、モ
ルタルセメント、および御影石破砕物を用いて複層材を
製造した。先ず、所定の大きさ・深さの雌型に、上記の
御影石破砕物を、その研磨面が下側となるようにして、
適当に複数個載置した。次に、上記御影石破砕物の上
に、樹脂組成物を、該御影石破砕物が完全に埋没するよ
うに流し込んだ。次いで、上記樹脂組成物の上に、天然
御影石2分石を、その一部分が樹脂組成物内に埋没する
ようにして、均一に撒布(挿入)した。その後、樹脂組
成物を60℃で3時間かけて硬化させた。即ち、樹脂組成
物を非流動状態とした。
【0059】続いて、該樹脂組成物上にモルタルセメン
トを、その厚みが均一となるように流し込んで積層し
た。次いで、該モルタルセメントを23℃で24時間かけて
養生硬化した。これにより、御影石破砕物が樹脂組成物
層表面に露出した複層材を得た。
【0060】得られた複層材の樹脂組成物層表面は、研
磨を施さなくとも、天然石調の外観を有し、意匠性に優
れており、非常に美麗であった。また、複層材は、衝撃
を与えても、樹脂組成物層とモルタルセメント層とが剥
離することはなかった。さらに、この複層材は、表面硬
度が大きく、かつ、耐候性が良好であり、屋外での使用
に耐えることができた。尚、複層材は、モルタルセメン
ト層を有しているので、難燃性を備えている。
【0061】上記の実施例1〜5の結果から明らかなよ
うに、本発明にかかる製造方法によって、表面が平滑
で、かつ、美麗な模様を有する意匠性に優れた複層材を
安価にかつ容易に製造することができることが判る。
【0062】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の複層材の製造方
法は、以上のように、硬化性樹脂若しくは可塑性樹脂を
含む樹脂組成物を型に入れ、非流動状態となるまで硬化
または固化させた後、該樹脂組成物上に非合成樹脂から
なる流動性自硬材を積層する方法である。これにより、
表面が平滑な複層材を安価にかつ容易に製造することが
できるという効果を奏する。
【0063】また、本発明の請求項2記載の複層材の製
造方法は、以上のように、樹脂組成物に挿入物を一部埋
没させた後、上記流動性自硬材を積層する方法である。
これにより、樹脂組成物と流動性自硬材とがより一層強
固に接着された複層材を製造することができるという効
果を奏する。
【0064】さらに、本発明の請求項3記載の複層材の
製造方法は、以上のように、脱型後に表面側となるべき
樹脂組成物側から目視できる挿入物と、目視できない挿
入物とが、互いに異なる材質からなる方法である。これ
により、挿入物を用いて樹脂組成物層表面に所望の模様
を形成する場合において、複層材における目視される挿
入物の使用量を節約することができるので、より一層安
価に複層材を製造することができるという効果を奏す
る。また、例えば、挿入物を適宜選択することにより、
美麗な模様を有する意匠性に優れた複層材を容易に製造
することができるという効果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる複層材の製造方法の工程を説明
する断面図であり、(a)は、雌型に樹脂組成物を入れ
た状態を示し、(b)は、樹脂組成物内に挿入物を圧入
した状態を示し、(c)は、樹脂組成物上に流動性自硬
材を積層した状態を示し、(d)は、樹脂組成物層表面
が研磨された複層材を示す。
【図2】本発明にかかる複層材の製造方法の別の工程を
説明する断面図であり、(a)は、雌型の成形面に模様
用挿入物を配設した状態を示し、(b)は、雌型に樹脂
組成物を入れた後、該樹脂組成物内に接着用挿入物を圧
入した状態を示し、(c)は、樹脂組成物上に流動性自
硬材を積層した状態を示し、(d)は、得られた複層材
を示す。
【符号の説明】
1 樹脂組成物 2 挿入物 3 流動性自硬材 5 模様用挿入物(挿入物) 6 接着用挿入物(挿入物) 10 雌型(型)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬化性樹脂若しくは可塑性樹脂を含む樹脂
    組成物を型に入れ、非流動状態となるまで硬化または固
    化させた後、該樹脂組成物上に非合成樹脂からなる流動
    性自硬材を積層することを特徴とする複層材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】樹脂組成物に挿入物を一部埋没させた後、
    上記流動性自硬材を積層することを特徴とする請求項1
    記載の複層材の製造方法。
  3. 【請求項3】脱型後に表面側となるべき樹脂組成物側か
    ら目視できる挿入物と、目視できない挿入物とが、互い
    に異なる材質からなることを特徴とする請求項2記載の
    複層材の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008007344A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Matsushita Electric Works Ltd 人工大理石の補修方法

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JP2008007344A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Matsushita Electric Works Ltd 人工大理石の補修方法

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