JPH09329571A - 電解槽の排気装置 - Google Patents

電解槽の排気装置

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JPH09329571A
JPH09329571A JP8147102A JP14710296A JPH09329571A JP H09329571 A JPH09329571 A JP H09329571A JP 8147102 A JP8147102 A JP 8147102A JP 14710296 A JP14710296 A JP 14710296A JP H09329571 A JPH09329571 A JP H09329571A
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JP
Japan
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electrolytic cell
test
exhaust
pipe
aqueous solution
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Application number
JP8147102A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisahiro Takeuchi
寿浩 竹内
Tadashi Imanaka
正 今中
Keiji Kiuchi
啓治 木内
Hidemichi Ota
英道 太田
Kenji Mashita
健司 真下
Atsushi Michizaki
篤 通崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Mitsuba Corp
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Mitsuba Corp
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Publication date
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気系統の異常を容易、且つ確実に検知し得
る、電解槽の排気装置を提供する。 【解決手段】 この排気装置7は、電解槽12内の電解
液面fの上方を浮遊する有害ガスを排出するものであ
る。電解槽12から延出する排気管路37に有害ガスを
吸引する排気ファン39を配設する。排気管路37の排
気ファン39吸引側において、その上流部に有害ガスを
吸着する吸着部材38を、また下流部に排気系統の異常
を検知する検知手段40をそれぞれ配設する。例えば、
吸着部材38の交換後において、新たな吸着部材38が
装着されていれば、前記下流部にはそれ相当の負圧が発
生し、この負圧を検知手段40の水位センサDが検知す
る。一方、吸着部材38の装着忘れが生じれば、その時
の負圧は前記の場合よりも低くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電解槽の排気装置、
特に、電解槽内の電解液面の上方を浮遊する有害ガスを
排出する排気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の排気装置は、例えば塗膜の陰極
剥離試験機に用いられる(例えば、特開平7−1956
12号公報参照)。この試験は、電解液としてNaCl
水溶液を用いて、試験体の極性を陰極に、また電極の極
性を陽極にそれぞれ設定して行われるため、電極側では
NaCl水溶液の電気分解に伴い有害ガスである塩素ガ
スが発生する。
【0003】この場合、排気装置としては、NaCl水
溶液内から浮上して電解槽内を浮遊する塩素ガスを排気
ファンにより吸引して吸着部材に吸着させるように構成
されたものが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記排気装置において
は、時として排気系統に異常を生じることがある。この
種の異常には、例えば、排気ファンの故障、吸着部材の
目詰り、吸着部材交換時における新たな吸着部材の装着
忘れ等を挙げることができる。このような事態が発生し
た場合には、それを直ちに検知して、所定の対応策を講
じることが必要である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は排気系統の異常
を容易、且つ確実に検知し得るようにした前記排気装置
を提供することを目的とする。
【0006】前記目的を達成するため本発明によれば、
電解槽内の電解液面の上方を浮遊する有害ガスを排出す
る排気装置であって、前記電解槽から延出する排気管路
に前記有害ガスを吸引する排気ファンを配設し、前記排
気管路の排気ファン吸引側において、その上流部に前記
有害ガスを吸着する吸着部材を、また下流部に排気系統
の異常を検知する検知手段をそれぞれ配設した、電解槽
の排気装置が提供される。
【0007】前記のように構成すると、電解液面の上方
を浮遊する有害ガスを効率良く吸着部材に吸着させるこ
とができる。
【0008】また検知手段は、排気管路の排気ファン吸
引側における下流部を流れる排気流の状態を、その下流
部における負圧、排気流の流速、排気流の流量等として
検知する。
【0009】例えば、吸着部材が正常であれば、前記下
流部にはそれ相当の負圧が発生するので、その負圧を検
知手段が検知する。一方、吸着部材交換時に、新たな吸
着部材の装着忘れによりそれが排気管路に配設されてい
なければ、前記の場合よりも負圧が低下するので、その
負圧を検知手段が検知する。
【0010】このように前記構成によれば、排気系統の
異常を容易、且つ確実に検知することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
〔A〕電解試験機の概要 図1に示す電解試験機1は、図2,3に示す試験体2、
即ち、金属素材としての鋼板3と、その鋼板3全体に形
成された塗膜4とよりなるものの耐食試験に用いられ
る。
【0012】電解試験機1は電解装置5を有し、その電
解装置5に、有害ガス処理装置6、排気装置7は、吸気
機能を有するオーバーフロー装置8が付設される。
【0013】電解装置5は、直流電源(定電圧電源、最
高電圧20V、最大電流50A)9と、コンピュータプ
ログラム式制御装置10と、電解液としてのNaCl水
溶液11を貯留する電解槽12と、そのNaCl水溶液
11中に浸漬される電解用電極としての消耗型電極であ
る板状カーボン電極13、電気ヒータ14、水位センサ
15および温度センサ16と、給水管路17と、排水管
路18とを有する。
【0014】電解液としてNaCl水溶液11を用いて
いることから試験中においてNaCl水溶液11の電解
分解に伴い有害ガスとしての塩素ガスが発生する。これ
に対処すべく、電解槽12の上向きの開口部19は、そ
れを覆う合成樹脂製カバー20によりシールされてい
る。カバー20の上向きの開口部21は、試験体2を電
解槽12に対して出し入れするためのものであって、開
閉自在の蓋体22により、その閉鎖時にシールされる。
これにより電解槽12は密閉される。
【0015】蓋体22の開閉駆動源である電動式パワー
シリンダ23は外部電源より給電される。
【0016】試験体2は、電解槽12の支持バー24に
合成樹脂ひも25を介し吊持されてNaCl水溶液11
中に浸漬される。カーボン電極13および試験体2の鋼
板3は通電路26,27を介して直流電源9に接続され
る。その通電路26,27には極性切換え手段としての
極性切換えリレー28が設けられる。また直流電源9お
よび極性切換えリレー28間において、一方の通電路2
7に電流計29が設けられる。
【0017】直流電源9は制御装置10によって定電圧
に制御されると共にON/OFF制御される。また極性
切換えリレー28は制御装置10によって試験体2の鋼
板3の極性が陽極または陰極に交互に切換わるように制
御される。この場合、カーボン電極13の極性は、当然
のことではあるが、鋼板3のそれと逆になる。電流計2
9はカーボン電極13および鋼板3に流れた電流を制御
装置10に入力する。
【0018】給水管路17の一端は給水源である水道の
コック30に接続され、他端は電解槽12に連通する。
給水管路17の中間部には電磁弁31が設けられる。そ
の電磁弁31は水位センサ15の検知信号により制御装
置10を介して開閉制御される。排水管路18は電解槽
12の底部に連通すると共に手動式コック32を有す
る。
【0019】電気ヒータ14は外部電源より給電され、
水位センサ15および温度センサ16の検知信号により
制御装置10を介してON/OFF制御される。
【0020】有害ガス処理装置としての塩素ガス処理装
置6は電解槽12から延出する処理管路33を有し、そ
の処理管路33に、電動式吸込みポンプ34、塩素ガス
(有害ガス)浄化部材35および異常箇所検知用流量セ
ンサ36が設けられる。吸込みポンプ34は外部電源よ
り給電される。
【0021】排気装置7は電解槽12から延出する排気
管路37を有し、その排気管路37に塩素ガス(有害ガ
ス)用吸着部材38、電動式排気ファン39および異常
発生を検知する検知手段40が設けられる。排気ファン
39は外部電源より給電される。
【0022】吸気機能を有するオーバーフロー装置8
は、電解槽12から延出するオーバーフロー管41と、
それに設けられた吸気口42と、オーバーフロー管41
の流入口側に配設された塩素ガス(有害ガス)用吸着部
材43とよりなる。
【0023】〔B〕電解試験機の全体構造(図4〜9) 電解試験機1は移動式に構成され、図4〜6,8,9に
おいて手前側が前部Xであり、したがって試験員は、こ
の前部X側から試験作業を行う。
【0024】図5〜9に示すように、電解試験機1は長
方形の機台44を備え、その機台44の下面に複数、図
示例では四隅にそれぞれ走行輪としてのキャスタ45が
取付けられ、また機台44の移動方向aを、その長手方
向、つまり左右方向とすると、その機台44の移動方向
a両外端面、つまり左右外端面にそれぞれ牽引・押動用
フック46が設けられる。
【0025】機台44上に、その移動方向aに沿って、
一端側、図7,8で右側に機械部Mが、また中央部に箱
形をなす合成樹脂製電解槽12が、さらに他端側、図
7,8で左側に制御部Cがそれぞれ配設される。
【0026】電解槽12は、図7,8に示すように、そ
の周壁47の左、右側壁部48,49外面下端から突出
する一対の取付板50を介して機台44に着脱自在に取
付けられる。
【0027】電解槽12、機械部Mおよび制御部Cは、
合成樹脂製カバー20を構成する中央部カバー51、左
側部カバー52および右側部カバー53によりそれぞれ
覆われている。電解槽12を覆う中央部カバー51は、
電解槽12の上向きの開口部19をシールすると共に、
電解槽12に対して試験体2を出し入れするための上向
きで、且つ四角形をなす開口部21を有する。その開口
部21を開閉する蓋体22は、一端部側、つまり後部側
に回動中心を有する。
【0028】図7,9に明示するように、前記機械部M
には、蓋体22の開閉駆動源である電動式パワーシリン
ダ23、塩素ガス処理装置6における吸込みポンプ34
および塩素ガス浄化部材35ならびに排気装置7の排気
ファン39等が含まれる。
【0029】また図7,8に明示するように、制御部C
には直流電源9、コンピュータプログラム式制御装置1
0および極性切換えリレー28の外に、吸込みポンプ3
4および排気ファン39等の変圧器(図示せず)、各種
スイッチ類等が含まれる。
【0030】前記のように構成すると、電解槽12は機
械部Mおよび制御部Cから独立しているので、電解槽1
2の容積を十分に大きくすることが可能であり、これに
より試験体2の大きさに対する制約を緩和することがで
きる。
【0031】また電解槽12、機械部Mおよび制御部C
がそれぞれ独立しているので、それらに関するメンテナ
ンスの作業性が良い。
【0032】さらに、電解試験機1は移動式であるか
ら、その試験機1の試験室への搬入およびそこからの搬
出を容易に行うことができる。
【0033】その上、比較的大型で、且つ重量が重い電
解槽12を中央部に配置したので、電解試験機1は、そ
の移動に際しバランスが良い。
【0034】また電解槽12、機械部Mおよび制御部C
が、電解試験機1の移動方向aに沿って一列に配置され
ているので、その移動方向aと直交する方向の幅寸法を
既製の試験室出入口の幅寸法に適合させることも容易で
ある。例えば、図6に示すように、電解試験機1におけ
る前記幅bはb=800mmに、また移動方向aの長さc
はc=1600mmにそれぞれ設定される。
【0035】〔C〕カーボン電極および電気ヒータの配
設構造(図7,8,10〜13) 電解槽12内の左側下部において、電解槽12の周壁4
7と、その周壁47内面に近接して対向すると共にその
電解槽12に着脱自在の隔壁板54とによって、NaC
l水溶液11中に没入するように電極室55が形成され
る。
【0036】周壁47の左側壁部48は、電極室55の
後壁を形成する合成樹脂製仕切り板56を有し、また周
壁47の前壁部57は電極室55の前壁を形成すると共
に仕切り板56と対向する凸条体58を有する。隔壁板
54は仕切り板56および凸条体58の相対向する両ガ
イド溝59,60に摺動自在に嵌合される。したがっ
て、隔壁板54は電極室55の右側壁を、また左側壁部
48は電極室55の左側壁をそれぞれ形成する。
【0037】電極室55内に板状カーボン電極13が立
設状態で、且つ隔壁板54と平行に収容され、そのカー
ボン電極13の上部は隔壁板54より突出している。カ
ーボン電極13の前、後端面側は左側壁部48の突出板
61および前壁部57の両挟持体62,63により挟持
され、またカーボン電極13の左、右平面側は左側壁部
48および隔壁板54の各一対の両挟持体64,65に
より挟持される。カーボン電極13はそれら挟持体62
〜65間に抜き差し可能であり、その差込みをガイドす
べく、各挟持体の上部においてその電極側には斜面dが
形成される。隔壁板54はカーボン電極13と対向する
位置にNaCl水溶液11を通すための多数の透孔66
を有する。
【0038】電解槽12内の右側下部において、周壁4
7の右側壁部49を利用して、前記同様の電極室55が
形成され、そこには前記同様の板状カーボン電極13が
収容される。これにより試験体2における電圧分布を均
一にすることができる。右側の電極室55において、左
側の電極室55と同様の構成部分には同様の符号が付さ
れている。
【0039】電解槽12内の後部側において、電解槽1
2の周壁47と、その周壁47内面に近接して対向する
と共にその電解槽12に着脱自在の隔壁板67とによっ
てヒータ室68が形成される。隔壁板67は、NaCl
水溶液11を通すための複数の透孔69を有し、両電極
室55の一対の仕切り板56に形成されて相対向する両
ガイド溝70に摺動自在に嵌合される。したがって、ヒ
ータ室68において、その前壁は隔壁板67および一対
の仕切り板56により形成され、また後壁は周壁47の
後壁部71により形成され、さらに左、右側壁は左、右
側壁部48,49により形成される。
【0040】図7,8,12,13に明示するように、
ヒータ室68内に一対の電気ヒータ14が、左、右方向
に所定の間隔をとると共にそれらのコイル部eをそれぞ
れ下側にして収容され、各電気ヒータ14の上部側はN
aCl水溶液11の液面fよりも上方において、後壁部
71の支持体72に支持される。また両電気ヒータ14
間にNaCl水溶液11の温度を検知する温度センサ1
6が配設される。その温度センサ16の下端部はNaC
l水溶液11中に浸漬され、上部側は液面fよりも上方
において、後壁部71の支持体73に支持される。
【0041】電解槽12内において、3つの隔壁板5
4,67および前壁部57により囲繞された領域内が試
験体2の設置スペースgとして用いられる。
【0042】図7,8,13に示すように、その設置ス
ペースgにおいて、NaCl水溶液11の液面fよりも
上方で、且つ左右方向中間部に位置するように、前壁部
57内面にはU字形支持体74が突設される。その支持
体74と対向するように、ヒータ室68側の隔壁板67
の段部75に存する一対の突出部76により凹部77が
形成される。それらU字形支持体74および凹部77間
には、合成樹脂製で、且つチャンネル形をなす試験体用
支持バー24が着脱自在に架設される。図1,13に示
すように試験体2は、それに取付けられた合成樹脂ひも
25のループ部hを介し支持バー24に吊持されてNa
Cl水溶液11中に浸漬される。
【0043】前記のように両カーボン電極13および両
電気ヒータ14をそれぞれ電極室55内およびヒータ室
68内に収容すると、それら13,14と試験体2との
接触を確実に防止すると共に両カーボン電極13および
両電気ヒータ14を保護することができる。また各隔壁
板54,67は電解槽12の周壁47に近接していて、
しかも両電極室55およびヒータ室68はその室壁の一
部として周壁47の一部を使用しているので、周壁47
に代えて別の隔壁板を用いる場合に比べて試験体2の設
置スペースgを広くとることができる。さらに各隔壁板
54,67は電解槽12より離脱可能であり、それに伴
い各カーボン電極13も電解槽12から離脱し得るの
で、電解槽12内の洗浄等のメンテナンスを行う際に各
隔壁板54,67および各カーボン電極13が邪魔にな
ることがなく、これによりメンテナンスの作業性が良好
となる。その上、各カーボン電極13を周壁47と隔壁
板54により挟持するので、そのカーボン電極13の支
持構造が簡単で、且つ強固である。さらに各電気ヒータ
14は固定の周壁47に取付けられているので、その取
付け構造が強固である。なお、3つの隔壁板54,67
は一体化されたコ字形に構成されていてもよい。
【0044】〔D〕電解槽の給、排水構造(図7,8,
10,13,14) ヒータ室68の上方において、電解槽12の左側壁部4
8に、合成樹脂製管材よりなる給水管路17のL字形給
水管79がその出口を下向きにして配設される。給水管
79には、図10に明示するように柔軟な合成樹脂製チ
ューブ80が装着され、そのチューブ80の下端側は仕
切り板56のヒータ室68側後面に取付けられた合成樹
脂製保持筒81内に遊挿される。この保持筒81は給水
中においてチューブ80の下端側が徒に揺れ動くのを防
止する。またチューブ80は、保持筒81より抜き出さ
れて電解槽12の洗浄にも用いられる。
【0045】図8,14に明示するように、給水管路1
7の給水管79側半部は左側壁部48および後壁部71
の各外面側を経て、機台44に設けられた配水ブロック
82の給水部82aに接続され、その給水部82aには
給水管路17の水道用コック30側半部が接続される。
給水管路17の給水管79側半部において、その中間部
には電磁弁31が設けられる。NaCl水溶液11の調
製は電解槽12に給水した後その電解槽12内で行われ
る。
【0046】電解槽12の底壁83中央部に排水口84
が開口し、その排水口84に合成樹脂製管材よりなる排
水管路18が接続される。排水管路18の排水口84側
半部は機台44内を通されて配水ブロック82の排水部
82bに接続される。その排水部82bには排水管路1
8の排水溝86側半部が接続される。排水管路18の排
水口84側半部において、その中間部に手動式コック3
2が設けられる。
【0047】〔E〕電解槽の水位制御(図7,8) 電解槽12の後壁部71内面の右端側にNaCl水溶液
11の量を制御する水位センサ15が配設される。その
水位センサ15は、上下方向に延び、且つ下端部の高さ
位置を異にする第1〜第3検知子i〜kを有し、それら
はNaCl水溶液11の液面f上方に存する後壁部71
の支持体87に支持される。第1検知子iの下端部は最
も高い位置にあり、また第3検知子kの下端部は最も低
い位置にあり、さらに第2検知子jの下端部は第1,第
3検知子i,kの両下端部間の中間位置にある。
【0048】電解槽12への給水中は第1,第3検知子
i,k間が不導通であって電磁弁31が制御装置10に
より開状態に制御される。液面fが第1検知子iの下端
部まで上昇すると、第1,第3検知子i,k間が導通状
態となって電磁弁31が制御装置10により閉状態に制
御される。これにより給水が停止する。また試験中に液
面fが下がって第1検知子iの下端部より離間すれば、
第1,第3検知子i,k間が不導通となって電磁弁31
が開状態となるので、再び給水が行われる。このよう
に、通常では第1検知子iによってNaCl水溶液11
の量が制御される。
【0049】一方、試験中に第1検知子iが作動不良を
生じて、液面fが第1検知子iの下端部から離間しても
給水が行われないと、さらなる液面fの下降によりその
液面fが第2検知子jの下端部より離間したとき、第
2,第3検知子j,k間が不導通となって直流電源9が
制御装置10によりOFF状態に制御される。これによ
りカーボン電極13および試験体2への通電が断たれ、
試験が停止される。
【0050】また第2,第3検知子j,kは両電気ヒー
タ14の制御にも用いられている。即ち、NaCl水溶
液11が規定量であれば、第2,第3検知子j,kの下
端部がNaCl水溶液11中に在って、それら第2,第
3検知子j,k間が導通状態となるので、制御装置10
により両電気ヒータ14は通電状態に制御される。例え
ば、液面fが第2検知子jの下端部より離間すると、第
2,第3検知子j,k間が不導通となるので、制御装置
10により両電気ヒータ14は通電停止状態に制御され
る。
【0051】〔F〕カーボン電極および試験体用通電端
子台の配線構造(図8,9,11,13,15) 電解槽12の前壁部57において、U字形支持体74上
方にチャンネル形をなす合成樹脂製受け部材88が左右
方向に延びるように固定される。
【0052】また図8,9に明示するように、電解槽1
2の右側壁部49外面には、機台44における鉛直で、
且つ四角形をなす枠体90が沿っており、その枠体90
の前後方向に延びる下部アングル材91上面に端子箱9
2が固定されている。
【0053】図11,13,15において、左右のカー
ボン電極13の上部前側および上部後側にはそれぞれ給
電線93が接続され、各カーボン電極13の各2本の給
電線93は各隔壁板54の切欠き部94から電極室55
外に引出される。そして、図9,15に示すように受け
部材88の各切欠き部95からその受け部材88内に通
されて4本に纏められ、右側壁部49のグロメット96
を通して電解槽12外に引出され、端子箱92の接続端
子に接続される。端子箱92からはその接続端子に接続
された幹線97が延出し、その幹線97は電解槽12の
右側壁部49、後壁部71および左側壁部48の各外面
に沿わせられて極性切換えリレー28を介し直流電源9
に接続される。これら給電線93、端子箱92および幹
線97は一方の通電路26を構成する。
【0054】また図8,13,15において、電解槽1
2の前壁部57に、試験体2との接続に用いられるチタ
ン製通電端子台98が受け部材88の下方で、且つU字
形支持体74近傍に位置するように設けられる。通電端
子台98の試験体98との第1接続部99は電解槽12
内に、また直流電源9側の第2接続部100は電解槽1
2外にそれぞれ配設される。第1接続部99には、複数
の試験体2に接続された複数の給電線103に対応し得
るように、雌ねじを有する複数の接続孔101が形成さ
れる。また第2接続部100には幹線102が接続さ
れ、その幹線102は前壁部57および左側壁部48の
各外面に沿わせられて極性切換えリレー28を介し直流
電源9に接続される。これら給電線103、通電端子台
98、および幹線102は他方の通電路27を構成す
る。
【0055】〔G〕カーボン電極と給電線との接続構造
(図16) 各給電線93は導線104および耐食性絶縁被覆層10
5を有する。給電線93の耐食性絶縁被覆層105から
突出する導線104の端末mは導電性接続ボルト106
に接続される。カーボン電極13の隅角部に接続孔10
7が形成され、その接続孔107は奥部に雌ねじ部nを
有し、その雌ねじ部nに接続ボルト106が螺着され
る。
【0056】接続孔107は盲孔でもよいが、図示例で
は、斜めに、且つ上下方向に延びる貫通孔であって、給
電線93および接続ボルト106は接続孔107の下部
開口端oから接続孔107に挿入される。そのため接続
ボルト106は、給電線93を接続されている側と反対
側の端部に工具、例えばマイナスドライバとの係合部、
つまり係合溝108を有する。
【0057】接続孔107の下部開口端oおよび接続ボ
ルト106の係合溝108側の端面間に在る接続孔10
7の空所pにはシリコーン等のシール材109が充填さ
れる。また上部開口端qおよび接続ボルト106の給電
線93延出側の端面間に在って給電線93の絶縁被覆層
105を囲む、その接続孔107の空所rにも前記同様
のシール材109が充填される。
【0058】接続ボルト106と、給電線93における
導線104の端末mとの接続構造は次の通りである。接
続ボルト106は、その耐食性向上を狙ってチタンより
構成されると共に一端面に開口する盲孔110を有す
る。盲孔110には銅合金、図示例では黄銅よりなる中
空筒体111が圧入され、その中空筒体111に導線1
04の端末mが挿入されると共にハンダ層112を介し
て接続される。チタンはハンダ付け性が良くないので、
ハンダ付け性の良い黄銅製中空筒体111を用いるので
ある。
【0059】中空筒体111の一端面および給電線93
の絶縁被覆層105の端面間に、その端面から突出する
導線104を囲むように前記同様のシール材113が配
設されている。これにより、黄銅製中空筒体111およ
び絶縁被覆層105から突出する導線104の、NaC
l水溶液11に対する水密性を高めることができる。
【0060】前記のように構成すると、カーボン電極1
3と給電線93との接続がカーボン電極13の接続孔1
07内で行われるので、外部には給電線93のみが露出
し、これにより接続構造のコンパクト化が図られる。
【0061】またカーボン電極13と給電線93の導線
104との接続部が確実にシールされているので、その
接続部のNaCl水溶液11に対する水密性を大いに向
上させて接続部の腐食を回避することができる。
【0062】さらに前記のように接続部が優秀な水密性
を有することから、カーボン電極13をNaCl水溶液
11中に没入させることが可能であり、これにより、カ
ーボン電極の上部を液面より突出させて、そこに接続部
を設ける場合に比べてNaCl水溶液の有効容量を増加
させることができる。
【0063】その上、カーボン電極13の雌ねじ部nに
接続ボルト106が螺着されているので、それら雌ねじ
部nと接続ボルト106との密着性が良く、これにより
カーボン電極13と給電線93とを電気的に確実に接続
することができる。
【0064】また接続ボルト106およびそれに接続さ
れた給電線93の端部がシール材109により接続孔1
07内に固定されるので、カーボン電極13と給電線9
3との機械的接続強度が高い。
【0065】〔H〕試験体の耐食試験(図1〜3,1
3,15,17〜21) 図1,2に示すように、耐食試験に備えて試験体2の一
平面側の塗膜4には、カッタによって鋼板3に達する損
傷部114が形成される。この場合、試験体2における
他面側の塗膜4および周面の塗膜4は鋼板3に対するマ
スキングとして機能する。また試験体2の孔115は、
吊持用合成樹脂ひも25を通すために用いられる。
【0066】試験体2の耐食試験に当っては、試験体2
をNaCl水溶液11中に浸漬し、次いで鋼板3とNa
Cl水溶液11中の両カーボン電極13との間に直流を
流すと共に鋼板3の極性を陽極または陰極に交互に切換
える、といった方法が実施される。
【0067】鋼板3の極性が陰極であるときは塗膜剥離
工程である。この工程中に、鋼板3側では、水の電気分
解により生成されたOHイオンが塗膜4の損傷部114
を起点として塗膜4の、鋼板3に対する付着力を低下さ
せるもので、これにより塗膜剥離およびブリスタ(ふく
れ)が促進される。一方、その鋼板3の極性が陽極であ
るときは鋼板腐食工程、つまり陽極酸化工程である。こ
のような塗膜剥離と陽極酸化とを交互に繰返すことによ
って、損傷部114を起点とした塗膜4の剥離および鋼
板3の腐食を促進させ、これにより短時間のうちに総合
的な耐食性評価を行うことができる。
【0068】鋼板腐食工程において、鋼板3の腐食量は
通電したクーロン量に比例するが、同一クーロン量でも
鋼板3の塗膜剥離面積が異なれば腐食量も異なるので、
鋼板3を腐食させるために必要なクーロン量は、鋼板3
の塗膜剥離面積に基づいて決定される。
【0069】そこで、前記塗膜剥離工程後、鋼板3の塗
膜剥離面積を測定し、その塗膜剥離面積に応じて鋼板腐
食工程におけるクーロン量を求める、といった方法が採
用される。
【0070】図17は耐食試験法を具現したものであ
り、以下、本図に基づいて耐食試験法を具体的に説明す
る。
【0071】(a)第1塗膜剥離工程 この工程では、図17、(i) に示すように、極性切換え
リレー28により、NaCl水溶液11中の両カーボン
電極13の極性を陽極に、また試験体2の鋼板3の極性
を陰極にそれぞれ設定して、直流電源9より両カーボン
電極13および鋼板3間に、NaCl水溶液11を介し
て定電圧下で通電する。
【0072】そして、通電開始から5〜10分間経過
後、つまり電流値が或程度安定した後鋼板3を流れる電
流値I0 を電流計29により測定する。
【0073】前記時間内においては塗膜4の剥離は発生
しないが、引続く通電によって図17、 (ii) に示すよ
うに、剥離塗膜4aが生じる。
【0074】前記電流値I0 の測定は、第1塗膜剥離工
程開始前に行ってもよい。この場合には、鋼板3の極性
を陰極に設定して行う。これは、鋼板3の極性を陽極に
設定すると、塗膜4の損傷部114において鋼板3が腐
食され、次の塗膜剥離工程において塗膜4が剥れにくく
なるからである。
【0075】(b)剥離塗膜除去工程 試験体2をNaCl水溶液11中より取出して、剥離塗
膜4aを試験体2より粘着テープを用いて除去し、これ
により、図17、(iii) に示すように、鋼板3に塗膜剥
離面3aを露出させる。この除去は、NaCl水溶液1
1中において、超音波洗浄や高圧水流によって行うこと
も可能である。
【0076】(c)第2塗膜剥離工程 この工程では、図17、 (iv) に示すように、極性切換
えリレー28により、NaCl水溶液11中の両カーボ
ン電極13の極性を陽極に、また試験体2の鋼板3の極
性を陰極にそれぞれ設定して、直流電源9より両カーボ
ン電極13および鋼板3間に、NaCl水溶液11を介
して定電圧下で通電する。
【0077】そして、前記同様に通電開始から5〜10
分間経過後、つまり電流値が或程度安定した後鋼板3を
流れる電流値I1 を電流計29により測定する。
【0078】前記時間内においては塗膜4の剥離は発生
しないが、引続く通電によって図17、(iv)に示すよ
うに、剥離塗膜4aが生じる。
【0079】(d)鋼板腐食におけるクーロン量設定工
程 前記(a),(c)工程で測定された両電流値I0 ,I
1 を演算装置116に導入する。この演算装置116に
おいては、先ず、両電流値I0 ,I1 の差ΔIが求めら
れる。この差ΔIは、鋼板3における塗膜剥離面積に略
比例するので、この差ΔIを求めることで、塗膜剥離面
積を測定したことに代替する。次いで、前記差ΔIに応
じたクーロン量が、定電圧下における通電時間Tとして
求められる。このクーロン量は、定電流下で電圧変化を
測定するか、電流と電圧を同時に測定して求めることも
可能である。
【0080】(e)第1鋼板腐食工程 この工程では、図17、(v)に示すように、前記(c)
工程で生じた剥離塗膜4aを除去せずに、極性切換えリ
レー28により、NaCl水溶液11中の両カーボン電
極13の極性を陰極に、また試験体2の鋼板3の極性を
陽極にそれぞれ設定して、直流電源9より両カーボン電
極13および鋼板3間に、NaCl水溶液11を介し定
電圧下で通電する。この通電時間は、前記(d)工程で
求められた通電時間Tである。
【0081】これにより鋼板3の塗膜剥離面3aに腐食
(陽極酸化)による凹部117が形成され、その凹部1
17内には腐食生成物118が溜まる。
【0082】第1鋼板腐食工程は、前記(c)工程〔図
17(iv)〕で生じた剥離塗膜4aを除去せずに行うこ
とが必要である。これは、その剥離塗膜4aを除去する
と、前記(d)工程で求められたクーロン量と鋼板3の
塗膜剥離面積とが不一致となるからであり、また前記剥
離塗膜4aを除去しなければ、この腐食工程における鋼
板3の塗膜剥離面積は前記(b)工程〔図17(iii)〕
で生じた鋼板3の塗膜剥離面積と殆ど変わらないからで
ある。
【0083】(f)剥離塗膜および腐食生成物除去工程 試験体2をNaCl水溶液11中より取出して、剥離塗
膜4aおよび腐食生成物118を試験体2より粘着テー
プを用いて除去し、これにより図17、(vi)に示すよ
うに、鋼板3に塗膜剥離面3aおよび凹部117を露出
させる。この除去は、前記同様にNaCl水溶液11中
において、超音波洗浄や高圧水流によって行うことも可
能である。
【0084】以後、必要に応じて、前記第2塗膜剥離工
程から剥離塗膜および腐食生成物除去工程までを1サイ
クルとして複数サイクル繰返して行う。この場合、前記
差ΔIは、例えば1サイクル目の第2塗膜剥離工程で測
定された電流値I1 と、2サイクル目の第3塗膜剥離工
程で測定された電流値I2 とより求められる。
【0085】なお、鋼板腐食工程に次いで塗膜剥離工程
を行うと、その塗膜4の剥離が腐食生成物118により
妨げられるので、両工程の間には剥離塗膜および腐食生
成物除去工程を介在させることが必要である。
【0086】以下、具体例について説明する。
【0087】I.塗膜剥離試験 次のような塗膜剥離試験を行って印加電圧と塗膜4の剥
離度合との関係を調べた。
【0088】(1)試験体2に関する条件 鋼板:幅70mm、長さ150mm、厚さ1.017mm;塗
膜:前処理剤 日本ペイント社、商品名SD2800、
塗装方法 カチオン静電塗装、膜厚 20〜25μm;
損傷部 カッタを用いて長さ50mmに形成.また前処理
無しということ以外は前記と同様の条件で試験体2を作
成した。
【0089】図18に示すように、試験体2の孔115
に合成樹脂ひも25の一端を結んで、他端側にループ部
hを形成した。給電線103の耐食性絶縁被覆層105
から突出する導線104を、試験体2の損傷部114が
存する面と反対側の面において鋼板3にハンダ付けし
た。試験体2の孔115ならびにハンダ付け部において
鋼板3が露出している部分および導線104を前記同様
のシール材119により被覆した。給電線103の他端
側に接続された端子120のボルト挿通孔121を通電
端子台98の接続孔101に合せ、ボルト122をボル
ト挿通孔121に通して接続孔101に螺着した。これ
により鋼板3と直流電源9とを極性切換えリレー28を
介して電気的に接続した。試験体2を、合成樹脂ひも2
5のループ部hを介し支持バー24に吊持してNaCl
水溶液11中に浸漬した。
【0090】(2)NaCl水溶液11の濃度を3%
に、液温を40℃に、鋼板3の極性を陰極に、カーボン
電極13の極性を陽極に、試験時間を2時間にそれぞれ
設定すると共に印加電圧を0〜20Vの範囲で変化させ
て、前記試験体2について塗膜剥離試験を行った。
【0091】(3)試験結果 図19は、印加電圧と、損傷部114からの塗膜剥離幅
s〔図17(iii)参照〕との関係をグラフ化したもので
ある。図19から明らかなように、前処理の有り、無し
に拘らず、印加電圧約2.5Vにおいて塗膜4の剥離が
開始される。塗膜剥離を安定して行わせるためには、前
処理有りの試験体2については印加電圧を約5.5V以
上に、また前処理無しの試験体2については印加電圧を
約8V以上に設定するのが良い。
【0092】また同一印加電圧において、前処理有りの
試験体2の方が前処理無しの試験体2に比べて塗膜4の
剥離量が少ない。このことから、塗膜4の耐久性向上を
図るためには前処理を行った方が良いと言える。
【0093】II.耐食試験 (1)この耐食試験における試験体2に関する条件は前
記I項の場合と同じである。
【0094】(2)具体例における各工程およびそれに
関する条件は表1の通りである。ただし、NaCl水溶
液の濃度は3%に、また液温は45℃にそれぞれ設定さ
れた。
【0095】
【表1】
【0096】(3)比較例として、前記同様の前処理有
りの試験体2と前処理無しの試験体2を用いて、塗膜4
の劣化と鋼板3の腐食とを同時に評価することのできる
複合腐食試験法(CCT:Cycle Corrosion Test) を行
った。この試験条件は、塩水噴霧処理を2時間、湿潤処
理を2時間および乾燥処理を4時間行う工程を3回繰返
し、これを1サイクルとした。したがって、1サイクル
に要する時間は、24時間である。
【0097】(4)試験結果 図20は、具体例の1,2,3,4サイクルに、比較例
の20,40,60,80サイクルをそれぞれ対応させ
た場合において、各サイクルと損傷部114からの塗膜
剥離幅s〔図17(iii)参照〕との関係をグラフ化した
ものである。図20から明らかなように、前記塗膜剥離
幅sにおいて、具体例における1サイクルは比較例の2
0サイクルに略匹敵する。
【0098】表2は、前処理有りの試験体2を用いた具
体例における各サイクルと最大板厚減少量との関係を示
す。
【0099】
【表2】
【0100】図21は、前記同様の各サイクルと最大板
厚減少量との関係をグラフ化したものである。比較例に
おいても前処理有りの試験体2を用いた。図21から明
らかなように、前記最大板厚減少量においても、具体例
における1サイクルは比較例の20サイクルに略匹敵す
る。
【0101】このような結果から、具体例によれば、塗
膜4の剥離および鋼板3、したがって金属素材の腐食を
促進させて、短時間のうちに総合的な耐食性評価を行う
ことが可能である、ということが明らかである。
【0102】なお、塗膜4の剥離試験のみを行う場合に
は、前記のように極性切換えリレー28は鋼板3の極性
が陰極となるように切換えられる。この場合、塗膜4は
鋼板3の一面にのみ設けられる。これは、鋼板腐食工程
を含まないので、鋼板3の他面側等をマスキングする必
要がないからである。
【0103】〔I〕カーボン電極の交換時期を判断する
判断装置(図4〜6,22〜24) カーボン電極13は長時間の使用に伴い、そのカーボン
粒子が脱落して通電面積が変化する。そこで、カーボン
電極13の使用寿命が到来したら新たなカーボン電極1
3と交換すべく、電解試験機1に本装置123が設けら
れる。この装置123はコンピュータプログラム式制御
装置10に組込まれている。
【0104】図22は判断装置123のブロック図であ
り、また図23は前記装置123の作動を示すフローチ
ャートである。図23の「試験条件設定」とは、塗膜剥
離工程および鋼板腐食工程を含む耐食試験を行うのか、
塗膜剥離試験を行うのか、試験を終了させるのか、を選
定して、各条件を入力することを意味する。
【0105】図22において、前記判断装置123は、
カーボン電極13を流れる或電流I 1 と、その電流I1
が流れ続けた時の使用可能な全試験時間T1 との積I1
・T 1 である有効電流量C1 として、カーボン電極13
の使用寿命を記憶する寿命記憶手段124と、試験中に
カーボン電極13を流れる電流I2 を計測する電流計測
手段(電流計)29および試験時間T2 を計測する時間
計測手段125と、前記電流I2 と試験時間T2 との積
2 ・T2 である使用電流量C2 を算出する第1演算手
段1321 と、使用電流量C2 を積算してカーボン電極
13の使用開始時からの積算使用電流量C3 を算出する
積算手段126と、積算使用電流量C3を記憶する記憶
手段127と、試験開始時に前記有効電流量C1 と積算
使用電流量C3 とを比較して、C1 <C3 のとき電極交
換信号を発信する制御手段128とを有する。
【0106】このように構成すると、消耗型電極である
カーボン電極13の使用寿命の到来に伴い、その交換時
期を自動的に検知することが可能である。
【0107】この場合、試験開始後に有効電流量C1
積算使用電流量C3 との関係がC1<C3 となっても試
験は続行される。これは、有効電流量C1 に試験数回分
の余裕を見込んでおくことにより許容される。
【0108】また、前記判断装置123は、制御手段1
28からの電極交換信号に基づいて、電極交換時期が到
来したことを知らせるメッセージ表示手段129および
カーボン電極13への通電を禁止する禁止手段130と
を備えている。
【0109】図4〜6に明示するように、メッセージ表
示手段129によるメッセージは、制御部Cを覆う左側
部カバー52の上面に設けられた液晶表示板131に文
字表示される。また禁止手段130は直流電源9をOF
F状態に維持するように作動する。これにより試験員
は、カーボン電極13の交換時期を確実に知ることがで
きる。
【0110】なお、図23に示すように、前記判断装置
123は電極交換を行った後、その装置123をリセッ
トして記憶手段127の積算使用電流量C3 をC3 =0
にしない限り作動しないように構成される。
【0111】試験開始時に有効電流量C1 と積算電流量
3 との関係がC1 ≧C3 であれば試験が開始されて使
用電流量C2 の算出および積算等が行われる。
【0112】前記判断装置123は、カーボン電極13
の有効電流量C1 から積算使用電流量C3 を減算して残
存有効電流量C4 を求める第2演算手段1322 と、そ
の残存有効電流量C4 を表示する残存有効電流量表示手
段133とを備えている。
【0113】第2演算手段1322 は、残存有効電流量
4 を、C4 (%)={1−(C3/C1 )}×100
として算出する。残存有効電流量表示手段133による
残存有効電流量C4 は、前記液晶表示板131に、図2
4に示すように残存有効電流量C4 が漸次減少するよう
に棒グラフ的に表示される。これにより、試験員はカー
ボン電極13の使用寿命の残りおよび変化状況を容易に
知ることができる。
【0114】なお、有効電流量C1 と積算使用電流量C
3 との関係がC1 ≦C3 のときは残存有効電流量C4
4 =0%と表示される。
【0115】〔J〕電解槽における開口部のシール構造
(図6〜10,13,25〜27) 図10に示すように、電解槽12の周壁47において、
その前、後壁部57,71の高さは左、右側壁部48,
49の高さよりも低い。左、右側壁部48,49の、
前、後壁部57,71からの突出部分は、鉛直な前縁1
34、前下りの上縁135、水平な上縁136、後下り
の上縁137および鉛直な後縁138を有する。前、後
壁部57,71の両上縁および左、右側壁部48,49
の全縁134〜138、つまり上向きの開口部19の全
周縁にゴム製シール部材139が装着される。
【0116】図25に明示するように、中央部カバー5
1は、前壁140、後壁141および両壁140,14
1間をつなぐ上壁142よりなり、電解槽12の上方か
ら、それに被せられる。これにより電解槽12の前側、
上側および後側が中央部カバー51により覆われる。図
8,9,25に示すように、前、後壁140,141の
内面下部において、右端側および左端側にそれぞれ内向
き突片143が設けられる。右端側の両突片143は、
機台44の枠体90を構成すべく、上下方向に延びる
前、後部アングル材144に着脱自在に取付けられる。
また左端側の両突片143は機台44の上下方向に延び
る前、後部アングル材145に着脱自在に取付けられ
る。
【0117】図6,10,25に明示するように、上壁
142は外周枠状部146と、その外周枠状部142に
囲繞される凹み147を有する。その凹み147は、前
側に在って比較的大きな浅い凹部148と後側に在って
比較的小さな深い凹部149とよりなり、浅い凹部14
8の底壁tに、電解槽12に試験体2を出入れするため
の上向きで、且つ四角形をなす開口部21が存する。
【0118】外周枠状部146の左、右側部分150,
151は、図10に示すように、電解槽12の左、右側
壁部48,49における前下りの上縁134、水平な上
縁136および後下りの上縁137に沿う形状を有す
る。また浅い凹部148の底壁左、右部分t1 ,t2
前下りの上縁135および水平な上縁136の一部に沿
う形状を有する。
【0119】図7,10,25,26に明示するよう
に、凹み147の左、右側壁u1 ,u 2 は、電解槽12
の左、右側壁部48,49間に嵌合され、これにより、
外周枠状部146の左、右側部分150,151下面
が、左、右側壁部48,49の前下りの上縁135、水
平な上縁136および後下りの上縁137の一部におい
て、シール部材139の上面に密着し、また凹み147
の左、右側壁u1 ,u2 外面が、左、右側壁部48,4
9の鉛直な前縁134、前下りの上縁135、水平な上
縁136、後下りの上縁137および鉛直な後縁138
において、シール部材139の内面に密着する。
【0120】さらに図7,10,13,27に明示する
ように、浅い凹部148における底壁前部分t3 の下面
が、電解槽12の前壁部57においてシール部材139
の上面に密着し、また深い凹部149の底壁v下面が電
解槽12の後壁部71においてシール部材139の上面
に密着する。
【0121】このように、中央部カバー51を電解槽1
2に上方から被せて、その中央部カバー51を機台44
に取付けると、電解槽12の開口部19を確実にシール
することができる。
【0122】〔K〕蓋体の開閉構造および蓋体内面に付
着した水滴の捕集構造(図4〜7,9,13,14,2
5〜28) 図4,6,26,27に示すように中央部カバー51の
上壁142において、その上向きの開口部21を形成す
る全周縁には環状シール部材152が装着される。その
環状シール部材152は、その上面より突出すると共に
開口部21を囲繞する環状リップ152aを備える。こ
れにより、環状シール部材152、浅い凹部148およ
び深い凹部149の協働で、環状シール部材152の外
側に在ってその環状シール部材152を囲繞する環状樋
153が形成される。環状樋153において、その左、
右溝部154,155は、それらの略全体が前下りに傾
斜しており、また前溝部156はV形をなす。図6,1
4,27に明示するように、前溝部156および後側の
深い凹部149の各底面右端側には排水口157,15
8が開口し、それら排水口157,158はチューブ1
59を介して排水管路18の手動式コック32下流側に
接続される。
【0123】図4,5,13,27に明示するように、
開口部21を開閉する蓋体22は、前側に在って蓋体2
2の主体をなす透明合成樹脂板160と、その板160
の後縁に衝合するステンレス鋼製鋼板161とを有す
る。図6,13に明示するように、開口部21の閉鎖時
において、透明合成樹脂板160は浅い凹部148の略
全体を覆うと共にその内面が環状シール部材152の環
状リップ152aに密着し、また鋼板161は深い凹部
149の略全体を覆って、その後縁部161aは深い凹
部149の開口近傍に位置する。つまり蓋体22により
環状樋153の略全体が覆われるようになっている。
【0124】鋼板161の内面側に所定の間隔で配設さ
れた一対のステンレス鋼製ブラケット162と、鋼板1
61の外面側に配設された一対のステンレス鋼製補強リ
ブ部材163とが、鋼板161を挟んで複数のボルト1
64によりそれぞれ結合される。また両補強リブ部材1
63において、鋼板161から前方へ突出して透明合成
樹脂板160の後部外面側に配設された突出部163a
と、主板160の内面側に配設された一対の合成樹脂製
補強リブ部材165の後部とが、透明合成樹脂板160
を挟んで複数のボルト166により結合される。各補強
リブ部材165の前側は透明合成樹脂板160に接着さ
れている。
【0125】図6,7,9に明示するように、蓋体用支
持軸167は、深い凹部149の略中央領域を左右方向
に延び、その両端部は凹み147の左、右側壁u1 ,u
2 および電解槽12の左、右側壁部48,49を貫通し
て、その左、右側壁部48,49外面に設けられた両鋼
製補強板168外面側の両軸受169にそれぞれ回動可
能に支持される。また支持軸167は、蓋体22の各ブ
ラケット162およびそのブラケット162に固定され
た短筒体170を貫通してその短筒体170と回止め結
合される。
【0126】図7,9,28に明示するように、電解槽
12の右側壁部49から突出する支持軸167の右端部
はリンク171の上端部およびそれに固定された短筒体
172を貫通してその短筒体172に回止め結合され
る。リンク171の下端部は、その下方に配設された電
動式パワーシリンダ23のピストンロッド173に連結
ピン174を介して枢着される。
【0127】パワーシリンダ23のシリンダ本体175
下端部は、機台44の二股形支持部材176に連結軸1
77を介して枢着される。その支持部材176は、枠体
90の下部アングル材91と支柱178とによって支持
された取付台179に固定されている。パワーシリンダ
23は、そのシリンダ本体175と一体の電動モータ1
80を有する。
【0128】電解槽12の右側壁部49外面において、
補強板168に重ね合せてリンク用ガイド板181が配
設される。ガイド板181は、平板部182の上、下縁
にそれぞれL字形脚部183を有し、それらL字形脚部
183が補強板168を介して右側壁部49に取付けら
れる。平板部182は、支持軸167との干渉を避ける
ための切欠き部184と、リンク171に突設されたガ
イドピン185を摺動自在に嵌合させ、且つ上下方向に
延びる円弧状ガイド孔186とを有する。そのガイド孔
186の上、下端部近傍において平板部182の内面側
に、それぞれガイドピン185によって操作されるリミ
ットスイッチ187,188が取付けられる。下側のリ
ミットスイッチ188は、図9に示すように、蓋体22
の閉鎖位置を決定し、また上側のリミットスイッチ18
7は、図28に示すように、蓋体22の開放位置を決定
する。開口部21の開放時には、図27に明示するよう
に、蓋体22の回動中心側の一端部、図示例では鋼板1
61の後縁部161aが環状樋153の深い凹部149
内に配設される。
【0129】耐食試験においては、前記のようにNaC
l水溶液11を40℃程度に昇温させるので、開口部2
1を閉鎖している蓋体22の透明合成樹脂板160内面
には多くの水滴が付着し易い。
【0130】前記のように構成すると、透明合成樹脂板
160内面に付着した多くの水滴は、蓋体22を開放し
たときに鋼板161を伝ってその後縁部161a側より
環状樋153の深い凹部149内に垂れて捕集される。
また環状シール部材152に付着して、その外側に垂れ
た水は同様に環状樋153に捕集される。このようにし
て捕集された水はチューブ159を介して排水管路18
に排出される。
【0131】図4,10,13,25,27に示すよう
に、中央部カバー51において、その深い凹部149を
形成する前壁部149aの下部にL形板189が付設さ
れ、そのL形板189と前壁部149aとの協働で細溝
190が形成される。その細溝190にはヒータ室68
を覆うカバー部材191の上部折曲げ縁191aが係合
され、またその下部191bは、図11,13に示すよ
うに、ヒータ室68を形成する隔壁板67の上部後面の
切欠き状凹部67aに嵌込まれている。
【0132】〔L〕中央部カバーと左、右側部カバーと
の結合構造(図6〜8,25,26) 電解槽12の前側、上側および後側を覆う中央部カバー
51およびその中央部カバー51に隣接して制御部Cを
覆う左側部カバー52の結合構造は次のように構成され
る。即ち、図25,26に明示するように、中央部カバ
ー51における左側部カバー52との隣接縁部には、そ
の全周に亘って一連に、且つ前方、上方および後方に向
って開口するように凹溝192が形成される。左側部カ
バー52における中央部カバー51との隣接縁部には、
その全周に亘って一連に、且つ内方へ向って折曲がるよ
うに凸条193が形成される。
【0133】中央部カバー51を機台44に固定した状
態において、左側部カバー52を、その凸条193の
前、後部下端を、中央部カバー51における凹溝192
の前、後部上端に係合させて左側部カバー52を下ろ
し、引続き凸条193の上部側を凹溝192の上部側に
係合させれば、左側部カバー52は中央部カバー51に
結合される。中央部カバー51と右側部カバー53との
結合構造も同様である。
【0134】このように構成すると、左、右側部カバー
52,53が水を被っても、制御部Cおよび機械部Mへ
の浸水を防止することができる。
【0135】また中央部カバー51と左、右側部カバー
52,53との各結合部に浸入した水は各凹溝192に
受容されて下方へ排出される。
【0136】さらに電解槽12、機械部Mおよび制御部
Cのメンテナンスに当っては、左、右側部カバー52,
53を持上げれば、それら左、右側部カバー52,53
を中央部カバー51から外すことができる。一方、中央
部カバー51に、左、右側部カバー52,53を結合す
ることも前記のように簡単である。また各結合部にシー
ル部材を使用していないので、その取外しおよび取付け
作業は不要である。
【0137】これにより、電解槽12、機械部Mおよび
制御部Cのメンテナンスに当り、それらの作業性を良好
にすることができる。
【0138】〔M〕塩素ガス処理装置 (1)全体構造およびその作用(図4,7〜11,1
3,14,29〜32) 前記耐食試験の塗膜剥離工程では、各カーボン電極13
の極性が陽極に設定されることに起因して、各カーボン
電極13側においてNaCl水溶液11の電気分解に伴
い塩素ガスが発生する。
【0139】塩素ガス処理装置6は、塩素ガスを浄化す
べく電解試験機1に設けられるもので、NaCl水溶液
11の電気分解に伴い発生した塩素ガスをNaCl水溶
液11中から、そのNaCl水溶液11と共に捕集する
機能と、塩素ガスとNaCl水溶液との反応生成物であ
るNaClOを分解してNaClを生成する機能と、そ
のNaClを電解槽12に戻す機能とを有する。
【0140】以下、塩素ガス処理装置6について具体的
に説明する。図4,7,8,10,11,13に示すよ
うに、左側の電極室55において、その隔壁板54およ
び仕切り板56上に、塩素ガス(有害ガス)捕集用フー
ド194が載置され、そのフード194と一体の取付板
195が電解槽12の左側壁部48にねじ止めされる。
図7,11に明示するように、フード194は、カーボ
ン電極13の上部全体を覆うと共に電極室55の上向き
の開口部55aを密閉する。またフード194は、隔壁
板54および仕切り板56上に載置される箱形フード本
体196と、そのフード本体196と一体で、且つ横断
面山形をなす屋根形部197とを有する。屋根形部19
7の下面、つまり下側の稜線199は一端側である後端
側が、他端側である前端側よりも高位置にあるように角
度α≧1度を以て傾斜している。屋根形部197の後端
側には、電解槽12への給水開始時において、電極室5
5内の空気を抜くための通孔200が形成される。
【0141】処理管路33の吸込み側は電解槽12の底
壁83を貫通し、その端末である吸込みパイプ201が
電極室55内に立設される。吸込みパイプ201の吸込
み口202は、屋根形部197の稜線199における高
位置側に近接させて配設され、また塩素ガスの吸込みを
スムーズに行うため、前方に、且つ稜線199に向かう
ように傾斜している。図7,11,29に明示するよう
に、フード194には、フード本体196の対向両内面
および屋根形部197下面に亘り、且つ吸込み口202
の両側にそれぞれ位置するように、一対のじゃま板20
3を有する。両じゃま板203は、塩素ガス(有害ガ
ス)が吸込み口202を回避して空気抜き用通孔200
に向って流れるのを阻止する作用をなす。
【0142】吸込みパイプ201は、電解槽12の左側
壁部48に存する突出板61の後面側に沿っており、そ
の突出板61の後面上部に突設された環状体204の透
孔205に嵌合されて電解槽12に不動状態に支持され
る。
【0143】右側の電極室55にも、前記と同様の塩素
ガス捕集用フード194、吸込みパイプ201等が設け
られている。したがって、右側の電極室55側におい
て、左側の構成部分と同様の構成部分には、同様の符号
が付されている。
【0144】図7,8,14に明示するように、2つの
吸込みパイプ201を備えた処理管路33は、機台44
内より機械部Mを経て電解槽12の後壁部71外面に沿
い、最終的に二股状に分岐されて、2つの吐出口206
が、電解槽12の後壁部71においてNaCl水溶液1
1を貯留している部分にそれぞれ開口する。
【0145】図9,14に明示するように、機械部Mに
おいて処理管路33には、吸込みポンプ34が配設され
る。また処理管路33の吸込みポンプ34吐出側におい
て、その上流側に塩素ガス浄化部材35が、下流側に処
理系統の異常を検知する流量センサ36がそれぞれ配設
される。吸込みポンプ34は機台44の支持部材207
に取付けられ、また塩素ガス浄化部材35は機台44の
支持台208上に取付けられる。吸込みポンプ34は、
その下端面に吸込み口209を、また外周面下端部に吐
出口210をそれぞれ有する。
【0146】処理管路33の吸込みポンプ34吸引側か
ら排水管211が分岐しており、その排水管211は中
間部に手動式コック212を有すると共に排水管路18
の手動式コック32よりも下流側に接続される。排水管
211は吸込みポンプ34および塩素ガス浄化部材35
よりも低位置にあり、これにより、それら34,35等
の水抜きを行うことができる。
【0147】塩素ガス浄化部材35は、その内部にフィ
ルタおよび触媒を有し、その触媒は塩素ガスを吸着する
と共に塩素ガスとNaCl水溶液11との反応生成物で
あるNaClOを分解してNaClを生成する機能を有
する。このNaClOは、その漂白作用によって塗膜4
を白化させ、その塗膜4の外観を自然環境下における腐
食状態と著しく異ならせるものであり、したがって前記
耐食試験においては、有害化合物である。
【0148】前記のように構成すると、電解槽12のN
aCl水溶液11中に浸漬されたカーボン電極13回り
で発生した塩素ガスは、NaCl水溶液11中からその
NaCl水溶液11と共に直ちに捕集され、次いで塩素
ガス浄化部材35により浄化され、その後NaCl水溶
液11は電解槽12に戻される。
【0149】この場合、各カーボン電極13近傍で発生
した泡状の塩素ガスは、NaCl水溶液11中を浮上し
て、塩素ガス捕集用フード194のガイド作用により泡
の状態で吸込み口202にスムーズに導かれ、また、両
じゃま板203の、塩素ガスに対する吸込み口回避阻止
作用もあって、その吸込み口202から処理管路33内
に効率良く吸引される。さらにフード194下面の傾斜
により、そのフード194内に発生塩素ガスが溜まるこ
とがなく、また溜まった塩素ガスを吸込むことがないの
で吸込みポンプ34にエア噛みが発生することもない。
【0150】これにより塩素ガスのNaCl水溶液11
中への拡散を抑えられるので、NaCl水溶液11中に
おけるNaClOの生成および塩素ガスの溶解を極力抑
制することが可能である。
【0151】図30は、塩素ガス浄化部材35に用いら
れる触媒としての、活性炭、ルテニウムカーボンおよび
粒状ニッケルに関する試験時間と有効塩素濃度との関係
を示す。図中、有効塩素濃度とはNaCl水溶液11中
に溶解した塩素ガスの定量値である(JIS K142
5参照)。測定に当っては、NaCl水溶液11の温度
を45℃に保持して50Aで20時間連続通電し、次い
でNaCl水溶液11を200cc採取し、その後45
℃に保持された採取NaCl水溶液に触媒を投入し、所
定時間経過毎に有効塩素濃度を求める、という方法を採
用した。図30から明らかなように、塩素ガス浄化部材
35に用いられる触媒としては、有効塩素分解能の高い
活性炭およびルテニウムカーボンが有効である。
【0152】図31は触媒として活性炭を用いた場合に
おける試験時間と有効塩素濃度との関係を示す。試験条
件は、50A連続通電、NaCl水溶液11の温度45
℃である。図31から明らかなように、前記処理装置6
を用い、また触媒として活性炭を用いると、試験時間が
20時間を越えた後も有効塩素濃度を約0.003%以
下に、極めて低く保持することができる。
【0153】図32は、NaCl水溶液11の温度45
℃にて20A連続通電を行った場合を示す。この場合に
も、試験時間が100時間を越えた後も有効塩素濃度を
約0.004%以下に保持することができる。
【0154】種々実験の結果、有効塩素濃度が0.00
5%以下であれば、塗膜4の白化は生じないことが確認
された。
【0155】前記処理装置6において、塩素ガス浄化部
材35の下流側を流れるNaCl水溶液11の流量は流
量センサ36により測定されるので、例えば塩素ガス浄
化部材35が、それに目詰りもなく正常であれば、流量
センサ36はそれ相当の流量を測定する。一方、塩素ガ
ス浄化部材35に目詰りが生じれば、それが正常である
場合よりも流量が減少するので、その流量を流量センサ
36が測定する。
【0156】このように前記構成によれば、処理系統の
異常を容易、且つ確実に検知することができる。また流
量センサ36は塩素ガス浄化部材35の下流側に配設さ
れていて、処理管路33に入り込んだ細かい異物はその
部材35に捕えられるので、流量センサ36の作動が前
記異物によって妨げられることがない。これにより流量
センサ36の精度を長期に亘り維持することができる。
【0157】(2)処理系統の異常箇所検知器(図4〜
6,33〜35) 図33において、流量センサ36は処理系統の異常の種
類によって異なる異常信号を発信する機能を備え、流量
センサ36に、その流量センサ36の異常信号に基づい
て異常の種類を判別して、その異常の種類に応じた出力
信号を発信する制御手段213が接続され、制御手段2
13にはその出力信号に応じて異常の種類を表示する表
示手段214が接続される。
【0158】また制御手段213には記憶手段215が
接続されており、この記憶手段215には、図34に示
すように、予め流量Qの有効範囲、つまり流量の上限値
A1と下限値A2との間の範囲であるA2≦Q≦A1が
記憶されている。さらに制御手段213には、その出力
信号によりカーボン電極13への通電を禁止する禁止手
段216が接続される。
【0159】これらの手段213〜216は、コンピュ
ータプログラム式制御装置10に組込まれて、流量セン
サ36と共に処理系統の異常箇所検知器217を構成す
る。表示手段214は、例えばメッセージを表示するも
ので、そのメッセージは図4〜6に明示するように制御
部Cを覆う左側部カバー52上面の液晶表示板131に
文字表示される。また禁止手段216は直流電源9をO
FF状態に制御するように作動する。
【0160】図33,35に示すように、試験スタート
の信号が入力されると、流量センサ36は処理管路33
を流れるNaCl水溶液11の流量Q1 を測定する。そ
の測定流量Q1 がA2≦Q1 ≦A1の有効範囲にあれ
ば、制御手段213は流量センサ36が正常信号を発信
していると判断するので、カーボン電極13が通電され
て耐食試験が開始される。
【0161】測定流量Q1 がQ1 >A1であれば、制御
手段213は、流量センサ36が異常信号を発信してい
て、その異常信号は、塩素ガス浄化部材35において触
媒未装着に対応すると判別し、それに応じた出力信号を
発信する。これにより表示手段214によって、触媒未
装着であるから試験を停止する旨のメッセージが表示さ
れ、また禁止手段216によりカーボン電極13への通
電が禁止される。
【0162】流量センサ36の測定流量Q1 がQ1 <A
2の場合も前記と同様の動作が行われる。ただし、表示
手段214によって、フィルタ・触媒目詰り、循環異常
等が発生しているので、試験を停止する旨のメッセージ
が表示される。
【0163】この処理系統の異常箇所検知器217は耐
食試験中にも作動するように制御される。
【0164】その検知器217によれば、処理系統の故
障箇所を容易に、且つ確実に検知して試験員に適確に知
らせることができ、また構成も簡単であるから比較的安
価である。
【0165】(3)塩素ガス浄化部材(図7,9,36
〜38) 図36に明示するように、塩素ガス浄化部材35は合成
樹脂製外筒体218と、その外筒体218内に収容され
た筒状触媒ユニット219とより構成される。外筒体2
18は、前記触媒ユニット219を嵌合させた有底筒状
本体220と、その本体220の開口部221を閉鎖し
て触媒ユニット219を本体220の底壁222に押圧
すべく、開口部221に着脱自在の蓋体223とよりな
る。触媒ユニット219は両端にそれぞれ端壁224を
有する合成樹脂製筒体225と、その筒体225に収容
された触媒としての活性炭226とよりなる。
【0166】一方の端壁224およびそれと対向する有
底筒状本体220の底壁222の一方、図示例では端壁
224に在る環状凸部227が他方、したがって底壁2
22に在る環状凹部228に嵌合されて、その凹凸嵌合
部分よりも内側で底壁222に存するNaCl水溶液用
流入口229が端壁224に存する通孔230に連通す
る。触媒ユニット219の他方の端壁224に存する通
孔230は蓋体223の通路231を介して有底筒状本
体220周壁のNaCl水溶液用流出口232に連通す
る。
【0167】外筒体218において、その有底筒状本体
220は円筒体233と、その円筒体233の一端面に
複数のボルト234により取付けられて底壁222を構
成する円形端板235とよりなる。その円形端板235
が当接する円筒体233の一端面には液状シーラントが
塗布されている。円形端板235の外面に、流入口22
9に連通する通孔236を持つ合成樹脂製接続体237
が接合され、その接続体237に、図9にも示すように
処理管路33の一部であって吸込みポンプ34の吐出口
210から延びる管材238が接続される。
【0168】また円形端板235は、その内面側に、前
記環状凹部228よりも内側に位置する円形凹部239
を有し、その円形凹部239と触媒ユニット219の端
壁224との協働で流入口229および通孔230に連
通するNaCl水溶液用流通空間240が形成される。
【0169】触媒ユニット219の筒体225は円筒体
241と、その両端開口部にそれぞれ取付けられて端壁
224を構成する、同一構造を持つ一対の円形端板24
2とよりなる。円形端板242は外板243と内板24
4とを備える。外板243は、その外面外周部に前記環
状凸部227を有し、また内面外周部近傍に円筒体24
1の開口部に嵌合されて接合された環状凸部245を有
し、さらに、両環状凸部227,245により囲まれる
領域に開口するように、図37にも示すごとく複数の開
口部246を有する。外板243内側の環状凸部245
により囲まれる領域全体に、合成樹脂製網状フィルタ2
48が設置され、前記領域には、外板243の開口部2
46と合致する複数の開口部247を備えた内板244
が嵌合されて接合される。内、外板244,243の相
対向する両開口部246,247により、流通空間24
0と触媒ユニット219の筒体225内とを連通する複
数の通孔230が形成され、また各通孔230にフィル
タ248が存する。
【0170】図38にも示すように、蓋体223は、円
形筒状部249と、その円形筒状部249の外端側に連
設された円形フランジ部250とを有する。その円形筒
状部249外周面の雄ねじ251は有底筒状本体220
の開口部221側内周面の雌ねじ252に螺着される。
円形フランジ部250外面に存する一対の半月形凹部2
53間の凸条254に、六角頭255を持つ金具256
が取付けられ、前記螺着に当っては、その六角頭255
に工具が係合される。また円形筒状部249のフランジ
部250側にはリング溝257が形成され、そのリング
溝257に装着されたゴム製シールリング258によ
り、円形筒状部249および有底筒状本体220の開口
部221間がシールされる。
【0171】円形筒状部249は、その内面側に円形凹
部259を有し、その円形凹部259と触媒ユニット2
19の端壁224との協働で各通孔230に連通するN
aCl水溶液用流通空間260が形成される。円形凹部
259の周囲には複数の突起261が等間隔に配設さ
れ、各突起261の端面は触媒ユニット219の端壁2
24に押当てられている。円形筒状部249において、
雄ねじ251よりも内側の外周面はテーパ面264に形
成されていて、そのテーパ面264および有底筒状本体
220内周面間に、流出口232に連通する流通空間2
65が形成される。相隣る両突起261間の空間266
は両流通空間260,265間を連通し、したがって、
両流通空間260,265および空間266は通路23
1を形成する。
【0172】有底筒状本体220の外周面に、流出口2
32に連通する通孔267を持つ合成樹脂製接続体26
8が接合され、その接続体268に、図9に示すように
処理管路33の管材269が接続される。
【0173】外筒体218において、流入口229と流
出口232は外筒体218の軸線を挟む両側にそれぞれ
配設される。
【0174】図9に明示するように、塩素ガス浄化部材
35は、その流出口232が上方に向かい、また流入口
229が下側に位置するように支持台208を介して機
台44に傾斜させて配設される。この場合の傾斜角度β
は、触媒ユニット219の交換に際し、有底筒状本体2
20内のNaCl水溶液11を流入口229より吸込み
ポンプ34、排水管211を通じて抜いたとき、残留N
aCl水溶液11の液面が前記本体220の開口部22
1よりも下方に位置するように設定される。
【0175】前記のように構成すると、外筒体218と
触媒ユニット219との前記凹凸嵌合部分228,22
7によるラビリンス構造により、塩素ガスを含むNaC
l水溶液11が、流入口229より、触媒ユニット21
9の筒体225外周面と外筒体218の有底筒状本体2
20内周面との間に浸入することなく触媒ユニット21
9内に確実に導入されるので、塩素ガスの浄化率を向上
させることができる。
【0176】この場合、蓋体223により触媒ユニット
219を外筒体218の底壁222に押圧するので、前
記ラビリンス構造が確実に構成され、また維持される。
このラビリンス構造の完成および未完成は、有底筒状本
体220への蓋体223の装着具合で容易に判断され
る。例えば、ラビリンス構造の未完成は、シールリング
258がフランジ部250と前記本体220との隙間か
ら見えることによって確認される。
【0177】さらに塩素ガス浄化部材35は、流出口2
32を上方に向けて前記のように傾斜配設されているの
で、その内部に、未浄化の塩素ガスが存在する場合に
も、そが溜ることを極力抑制することができる。
【0178】その上、蓋体223に流出口232を設け
ないので、その蓋体223の着脱を容易に行うことがで
き、これと触媒のユニット化とにより、その触媒の交換
作業を能率良く行うことができる。また水抜き後、蓋体
223を有底筒状本体220から取外しても、前記傾斜
配設によりその本体220の開口部221からの残留N
aCl水溶液の垂れを防止することができる。
【0179】また触媒ユニット219において、両端壁
224は同一構造を有するので、その触媒ユニット21
9を有底筒状本体220に嵌合して環状凸部227を環
状凹部228に嵌合させる際に、触媒ユニット219を
その何れの端壁224側から前記本体220に嵌合して
もよく、したがって触媒ユニット219の装着作業性が
良い。
【0180】なお、塩素ガス浄化部材35において、前
記ラビリンス構造を省くこともある。
【0181】(4)触媒の交換時期を判断する判断装置
(図4〜6,39,40) 触媒として用いられている活性炭226の浄化能力はカ
ーボン電極13を流れる電流と時間との積に応じて減退
する。そこで、使用中の活性炭226の浄化能力が完全
に消失する前にその活性炭226を新たな活性炭22
6、この例では触媒ユニット219と交換すべく、電解
試験機1に本装置270が設けられる。この装置270
はコンピュータプログラム式制御装置10に組込まれて
いる。
【0182】図39は前記判断装置270のブロック図
であり、また図40は前記装置270の作動を示すフロ
ーチャートである。図40の「試験条件設定」とは、塗
膜剥離工程および鋼板腐食工程を含む耐食試験を行うの
か、塗膜剥離試験を行うのか、試験を終了させるのか、
を選定して、各条件を入力することを意味する。
【0183】図39において、前記判断装置270は、
カーボン電極13を流れる或電流I 1 と、その電流I1
が流れ続けた時の使用可能な全試験時間T1 との積I1
・T 1 である有効電流量C1 として、活性炭226の浄
化能力を記憶する能力記憶手段271と、有効電流量C
1 を残存有効電流量C4 として記憶する記憶手段276
と、試験中にカーボン電極13を流れる電流I2 を計測
する電流計測手段(電流計)29および試験時間T2
計測する時間計測手段273と、前記電流I2と試験時
間T2 との積I2 ・T2 である使用電流量C2 を算出す
る第1演算手段274と、残存有効電流量C4 から使用
電流量C2 を減算して新たな残存有効電流量を算出する
と共にそれを前記記憶手段276に記憶させる第2演算
手段275と、試験開始時に直流電源9の最大電流I3
を入力する入力手段2771 および試験時間T3 を記憶
する記憶手段2772 と、前記最大電流I3 と試験時間
3 との積I3 ・T3 である予想使用電流量C5 を算出
する第3演算手段278と、残存有効電流量C4 と予想
使用電流量C5 とを比較して、C4 <C5 のとき触媒交
換信号を発信する制御手段279とを有する。
【0184】このように構成すると、活性炭226の浄
化能力が減退して、その交換時期が到来したことを、試
験を行う前に自動的に検知することが可能である。
【0185】また、前記判断装置270は、制御手段2
79からの触媒交換信号に基づいて、触媒交換時期が到
来したことを知らせるメッセージ表示手段280および
カーボン電極13への通電を禁止する禁止手段281と
を備えている。
【0186】図4〜6に明示するように、メッセージ表
示手段280によるメッセージは、制御部Cを覆う左側
部カバー52の上面に設けられた液晶表示板131に文
字表示される。また禁止手段281は直流電源9をOF
F状態に維持するように作動する。これにより試験員
は、活性炭226の交換時期を確実に知ることができ
る。
【0187】なお、図40に示すように、前記判断装置
270は触媒ユニット219の交換を行った後、その装
置270をリセットして、記憶手段276の残存有効電
流量C4 をC4 =C1 にしない限り作動しないように構
成される。
【0188】試験開始時に残存有効電流量C4 と予想使
用電流量C5 との関係がC4 ≧C5であれば試験が開始
されて使用電流量C2 の算出等が行われる。
【0189】〔N〕排気装置 (1)全体構造およびその作用(図7〜9,41〜4
4) 前記のように耐食試験においては、カーボン電極13回
りで塩素ガスが発生する。その塩素ガスの大部分は前記
〔M〕項で述べた塩素ガス処理装置6により捕集されて
浄化されるが、一部の塩素ガスはNaCl水溶液11内
から浮上して液面f上を浮遊する。この排気装置7は、
浮遊塩素ガスを捕集すべく、電解試験機1に備えられ
る。
【0190】図9,41に明示するように、排気装置7
の排気ファン39は、枠体90の上部アングル材282
と支柱283とによって支持された取付台284上に固
定されている。排気管路37において、排気ファン39
の吸引口から延出する吸気管285は、電解槽12の右
側壁部49を貫通して、NaCl水溶液11の液面f上
方において電解槽12内に連通する。吸気管285の吸
気口286に合成樹脂製キャップ状グリル287が着脱
自在に取付けられる。また排気管路37において、排気
ファン39の排出口から延出する排気管288は下方に
延びて配水ブロック82近傍で大気に開放される。
【0191】排気管路37の排気ファン39吸引側、つ
まり吸気管285において、その上流部に塩素ガスを吸
着する吸着部材38が配設され、また下流部に排気系統
の異常を検知する検知手段40が配設される。吸着部材
38は前記触媒ユニット219と同様の構造を有し、し
たがって活性炭を備えると共に通気性を有し、またユニ
ット化されているので、吸気管285の吸気口286か
らグリル287を取外してその吸気口286より吸気管
285内に設置される。
【0192】検知手段40は、図41,42に明示する
ように吸気管285および電解槽12間に取付けられた
合成樹脂製検知管290と、その検知管290に付設さ
れた水位センサDとを備える。その検知管290の上端
部は吸気管285の下流部に連通し、また下端部は電解
槽12のNaCl水溶液11を貯留している部分に連通
する。水位センサDのセンサ部は、検知管290におい
て、電解槽12の液面fと同一レベルの液面f1 よりも
上方に配設される。
【0193】前記構成において、排気ファン39を作動
すると、電解槽12の液面f上方を浮遊する塩素ガス
は、吸着部材289を通過するときにその活性炭に吸着
され、清浄な空気が排気管288を通じて大気に排出さ
れる。
【0194】図43は、排気装置7を作動せずに、前記
〔M〕項の塩素ガス処理装置6を作動させた場合と、そ
の装置6を不作動にした場合における試験時間と、電解
槽12内の液面f上方の塩素ガス濃度との関係を示す。
試験条件は、50A連続通電、NaCl水溶液11の温
度45℃である。図43から明らかなように、排気装置
7の不作動下において、塩素ガス処理装置6を作動させ
ると、塩素ガス濃度を極めて低く保持することができる
が、排気装置7を作動させると、塩素ガス濃度をさらに
低くすることができる。
【0195】そこで、排気装置7および吸着部材38の
吸着剤として活性炭を用いた場合の効果を確認するた
め、排気管288の出口側を電解槽12の液面f上方に
おいて電解槽12内に連通させ、液面f上方の内気を吸
着剤を介して循環させる試験を行った。
【0196】図44は、試験時間と電解槽12内の液面
f上方の塩素ガス濃度との関係を示す。試験条件は、2
0A連続通電、NaCl水溶液11の温度45℃であ
る。この場合、試験時間が試験開始から50時間に至る
までは排気ファン39を作動させなかったので、塩素ガ
ス濃度は比較的急激に上昇し、50時間の時点では、そ
の濃度は約18ppm となる。その後、排気ファン39を
作動させると、塩素ガス濃度は吸着剤の浄化作用で極端
に減少して0.5ppm 以下となる。これにより、排気管
288の一端を大気に開放した排気装置7の場合は、電
解槽12内の液面f上方の塩素ガスの濃度および大気に
排出される塩素ガスの濃度は更に小さくなり、少なくと
も0.5ppm 以下に抑えられることが明らかである。
【0197】前記構成において、例えば吸着部材289
が正常であれば、前記下流部にはそれ相当の負圧が発生
するので、その負圧により検知管290内の液面f1
図42、鎖線示のように水位センサDの位置以上に上昇
する。これにより水位センサDは排気系統が正常である
ことを検知する。一方、吸着部材289の交換時に、新
たな吸着部材289の装着忘れによりそれが吸気管28
5内に配設されていなければ、前記の場合よりも負圧が
大幅に低下するので、液面f1 は水位センサDよりも下
方にあり、この状態は水位センサDにより検知される。
【0198】このように前記構成によれば、排気系統の
異常を容易、且つ確実に検知することができる。
【0199】(2)排気系統の異常箇所検知器(図4〜
6,45〜47) 図45(a),(b)に示すように、検知手段40は、
検知管290において、上昇水位Lの下限値L1と上限
値L2を示す両位置にそれぞれ第1,第2水位センサD
1 ,D2 を配設することにより、排気系統の異常の種類
によって異なる異常信号を発信する機能を備える。検知
手段40の第1,第2水位センサD1 ,D2 に、それら
第1,第2水位センサD1 ,D2 からの異常信号に基づ
いて異常の種類を判別して、その異常の種類に応じた出
力信号を発信する制御手段291が接続され、制御手段
291にはその出力信号に応じて異常の種類を表示する
表示手段292が接続される。また制御手段291に、
その出力信号によりカーボン電極13への通電を禁止す
る禁止手段294が接続される。
【0200】これらの手段291〜294は、コンピュ
ータプログラム式制御装置10に組み込まれて、第1,
第2水位センサD1 ,D2 と共に排気系統の異常箇所検
知器295を構成する。表示手段292は、例えばメッ
セージを表示するもので、そのメッセージは、図4〜6
に明示するように制御部Cを覆う左側部カバー52の上
面に設けられた液晶表示板131に文字表示される。ま
た禁止手段294は直流電源9をOFF状態に維持する
ように作動する。
【0201】図45,47に示すように、試験スタート
の信号が入力されると、第1,第2水位センサD1 ,D
2 は吸気管285の負圧に応じた水位を検知する。それ
らの検知水位L3がL1 ≦L3<L2の許容範囲にあれ
ば、第1水位センサD1 がON状態であって、制御手段
291は第1水位センサD1 が正常信号を発信している
と判別するので、カーボン電極13に通電されて耐食試
験が開始される。
【0202】検知水位L3がL3<L1であれば、第1
水位センサD1 がOFF状態であって、制御手段291
は第1水位センサD1 が正常信号を発信していない、つ
まり異常信号を発信していて、その異常信号は吸着部材
38未装着および排気ファン39不作動に対応すると判
別し、それに応じた出力信号を発信する。これにより表
示手段292によって、吸着部材38未装着、または排
気ファン39不作動であるから試験を停止する旨のメッ
セージが表示され、また禁止手段294によりカーボン
電極13への通電が禁止される。
【0203】検知水位L3がL3≧L2であれば、第2
水位センサD2 がON状態であって、制御手段291は
第2水位センサD2 が異常信号を発信していて、その異
常信号は吸着部材38の目詰りに対応すると判別し、そ
れに応じた出力信号を発信する。これにより表示手段2
92によって、吸着部材38目詰りであるから試験を停
止する旨のメッセージが表示され、また禁止手段294
によりカーボン電極13への通電が禁止される。
【0204】この排気系統の異常箇所検知器295は耐
食試験中にも作動するように制御される。
【0205】前記検知器295によれば、排気系統の故
障箇所を容易に、且つ確実に検知して試験員に適確に知
らせることができ、また構成も簡単であるから比較的安
価である。
【0206】なお、制御手段291に表示手段292の
みを接続するようにしてもよい。また前記水位センサD
1 ,D2 に代えて、ダイヤフラム式負圧センサ、風量セ
ンサ、風速センサ等を用いることも可能である。
【0207】(3)排気装置の変形例(図48) 合成樹脂製検知管296は、上下方向に延びる第1,第
2管部297,298と、それらの下端部分を連結する
第3管部299とよりなる。第1管部297の上端部分
は吸気管285の下流部に連通し、また第2管部298
の折曲り上端部分は、電解槽12の液面f上方におい
て、第1管部297の上端部よりも低い位置で連通す
る。第3管部299に、合成樹脂製管材よりなる給水管
路171 が接続され、その給水管路171 は水道のコッ
ク301 に接続される。
【0208】第1管部297に、その液面f1 上方に位
置するように前記同様の水位センサDが設けられ、また
内部にはフロート弁300が収容される。第1管部29
7の吸気管285との連通部分にはフロート弁300の
弁座301が形成される。
【0209】第2管部298の上端部分には、柔軟な合
成樹脂製チューブ302が接続され、そのチューブ30
2は電解槽12内に垂下される。このチューブ302は
電解槽12への給水と電解槽12の洗浄に用いられる。
【0210】給水管路171 の中間部には、前記〔D〕
項で述べた電磁弁31と同様の電磁弁311 が設けられ
る。このような給水管路171 を備えることによって前
記例における給水管路17は除去される。
【0211】電解槽12への給水は給水管路171 より
検知管296を通じて行われ、第1管部297の液面f
1 は第2管部298の折曲り上端部から水が電解槽12
内にオーバーフローすることによって、その折曲り上端
部の液面f2 と同位置に規定される。
【0212】電解槽12への給水中において、水勢、チ
ューブ302の目詰り等により第1管部297内に水が
略充満するとフロート弁300が弁座301に着座して
排気ファン39側への溢水が防止される。これはチュー
ブ302により電解槽12内を洗浄する場合も同様であ
る。
【0213】また水位センサDのセンサ部は、液面f1
の上昇に伴い水道水に浸されることになるので、そのセ
ンサ部を清浄に保つことができる。また電解槽12の液
面f上方を浮遊する塩素ガスは検知管296のトラップ
作用によって外部への漏出を阻止される。
【0214】〔O〕吸気機能を有するオーバーフロー装
置(図7,8,13,14,49) この装置8は、排気装置7に対応する吸気側であると共
に電解槽12に設置された水位センサ15が故障してN
aCl水溶液11が規定量を超えたとき、その過剰分を
排出すべく、電解試験機1に備えられる。
【0215】図8,13,49に明示するように、オー
バーフロー管41は、電解槽12の後壁部71外面に沿
う鉛直部分303を有する折曲管部304と、その鉛直
部分303の上端に接続されると共に鉛直部分303よ
りも大径で、且つ水平な流入口側管部305とよりな
る。流入口側管部305は電解槽12の後壁部71を貫
通して液面fの上方に連通する。また図8,14に示す
ように、折曲管部304の下端は配水ブロック82の排
水部82bに接続される。
【0216】流入口側管部305を吸気管として兼用す
べく、その流入口側管部305の電解槽12から突出す
る部分において、その外端から中間部までの略上半分は
切欠かれており、これにより流入口側管部305に吸気
口42が形成される。吸気口42の周縁部には、その吸
気口42を覆うように異物除去用の網306が張設され
る。
【0217】流入口側管部305において、吸気口42
よりも流入口307側に塩素ガスを吸着するための吸着
部材43が配設される。この吸着部材43は前記触媒ユ
ニット219と同様の構造を有し、したがって活性炭を
備えると共に通気性および通水性を有し、またユニット
化されているので、流入口側管部305の流入口307
側から、それに着脱自在の合成樹脂製キャップ状グリル
308を取外してその流入口307より流入口側管部3
05内に設置される。
【0218】前記構成において、電解槽12内のNaC
l水溶液11が規定量を超えれば、その過剰分は流入口
307より吸着部材43およびオーバーフロー管41を
経て配水ブロック82側へ排出される。この場合、流入
口側管部305においては、その下部をNaCl水溶液
11が流れるので、吸気口42からの溢水は生じない。
【0219】また排気装置7の作動に伴う電解槽12へ
の吸気は吸気口42および流入口側管部305を通じて
行われる。排気装置7の不作動状態において液面f上方
を浮遊する塩素ガスの電解槽12外への漏出は吸着部材
43により阻止される。
【0220】〔P〕カーボン電極の交換時期を判断する
判断装置の他例(図4〜6,50,51) 図50は判断装置123のブロック図であり、また図5
1は前記装置123の作動を示すフローチャートであ
る。図51の「試験条件設定」とは、前記〔I〕項と同
様に塗膜剥離工程および鋼板腐食工程を含む耐食試験を
行うのか、塗膜剥離試験を行うのか、試験を終了させる
のか、を選定して、各条件を入力することを意味する。
【0221】図50において、前記判断装置123は、
カーボン電極13を流れる或電流I 1 と、その電流I1
が流れ続けた時の使用可能な全試験時間T1 との積I1
・T 1 である有効電流量C1 として、カーボン電極13
の使用寿命を記憶する寿命記憶手段124と、有効電流
量C1 を残存有効電流量C4 として記憶する記憶手段3
11と、試験中にカーボン電極13を流れる電流I2
計測する電流計測手段(電流計)29および試験時間T
2 を計測する時間計測手段125と、前記電流I2 と試
験時間T2 との積I2 ・T2 である使用電流量C2 を算
出する第1演算手段1321 と、残存有効電流量C4
ら使用電流量C2 を減算して新たな残存有効電流量を算
出すると共にそれを前記記憶手段311に記憶させる第
2演算手段310と、試験開始時に残存有効電流量C4
を評価して、C4 ≦0のとき電極交換信号を発信する制
御手段312とを有する。
【0222】このように構成すると、消耗型電極である
カーボン電極13の使用寿命の到来に伴い、その交換時
期を自動的に検知することが可能である。
【0223】この場合、試験開始後に残存有効電流量C
4 がC4 <0となっても試験は続行される。これは、有
効電流量C1 に試験数回分の余裕を見込んでおくことに
より許容される。
【0224】また前記判断装置123は、制御手段31
2からの電極交換信号に基づいて、電極交換時期が到来
したことを知らせるメッセージ表示手段129およびカ
ーボン電極13への通電を禁止する禁止手段130とを
備えている。
【0225】図4〜6に明示するように、メッセージ表
示手段129によるメッセージは、前記〔I〕項と同様
に制御部Cを覆う左側部カバー52の上面に設けられた
液晶表示板131に文字表示される。また禁止手段13
0は直流電源9をOFF状態に維持するように作動す
る。これにより試験員は、カーボン電極13の交換時期
を確実に知ることができる。
【0226】なお、図51に示すように、前記判断装置
123は電極交換を行った後、その装置123をリセッ
トして記憶手段311の残存有効電流量C4 をC4 =C
1 にしない限り作動しないように構成される。
【0227】試験開始時に残存有効電流量C4 がC4
0であれば試験が開始されて使用電流量C2 の算出およ
び積算等が行われる。
【0228】前記判断装置123は、カーボン電極13
の残存有効電流量C4 を表示する残存有効電流量表示手
段313を備えている。その残存有効電流量表示手段3
13による残存有効電流量C4 は、前記〔I〕項と同様
に液晶表示板131に、図24に示すように残存有効電
流量C4 が漸次減少するように棒グラフ的に表示され
る。これにより、試験員はカーボン電極13の使用寿命
の残りおよび変化状況を容易に知ることができる。
【0229】〔Q〕触媒の交換時期を判断する判断装置
の他例(図4〜6,52,53) (1)図52において、前記判断装置270は、カーボ
ン電極13を流れる或電流I1 と、その電流I1 が流れ
続けた時の使用可能な全試験時間T1 との積I 1 ・T1
である有効電流量C1 として、活性炭226の浄化能力
を記憶する能力記憶手段271と、試験中にカーボン電
極13を流れる電流I2 を計測する電流計測手段(電流
計)29および試験時間T2 を計測する時間計測手段2
73と、前記電流I2 と試験時間T2 との積I2 ・T2
である使用電流量C2 を算出する第1演算手段274
と、使用電流量C2 を積算する積算手段314と、積算
使用電流量C3 を記憶する記憶手段315と、有効電流
量C1 から積算使用電流量C 3 を減算して活性炭226
の残存有効電流量C4 を求める第2演算手段316と、
試験開始時に直流電源9の最大電離I3 を入力する入力
手段2771 および試験時間T3 を記憶する記憶手段2
772 と、前記最大電流I3 と試験時間T3 との積I3
・T3 である予想使用電流量C5 を算出する第3演算手
段278と、残存有効電流量C4 と予想使用電流量C5
とを比較して、C4 <C5 のとき触媒交換信号を発信す
る制御手段279とを有する。
【0230】このように構成すると、活性炭226の浄
化能力が減退して、その交換時期が到来したことを、試
験を行う前に自動的に検知することが可能である。
【0231】また、前記判断装置270は、制御手段2
79からの触媒交換信号に基づいて、触媒交換時期が到
来したことを知らせるメッセージ表示手段280および
カーボン電極13への通電を禁止する禁止手段281と
を備えている。
【0232】図4〜6に明示するように、メッセージ表
示手段280によるメッセージは、前記〔M〕項(4)
と同様に制御部Cを覆う左側部カバー52の上面に設け
られた液晶表示板131に文字表示される。また禁止手
段281は直流電源9をOFF状態に維持するように作
動する。これにより試験員は、活性炭226の交換時期
を確実に知ることができる。
【0233】なお、前記判断装置270は触媒ユニット
219の交換を行った後、その装置270をリセットし
て記憶手段315の積算使用電流量C3 をC3 =0にし
ない限り作動しないように構成される。
【0234】試験開始時に残存有効電流量C4 と予想使
用電流量C5 との関係がC4 ≧C5であれば試験が開始
されて使用電流量C2 の算出等が行われる。
【0235】(2)図53において、前記判断装置27
0は、カーボン電極13を流れる或電流I1 と、その電
流I1 が流れ続けた時の使用可能な全試験時間T1 との
積I 1 ・T1 である有効電流量C1 として、活性炭22
6の浄化能力を記憶する能力記憶手段271と、試験中
にカーボン電極13を流れる電流I2 を計測する電流計
測手段(電流計)29および試験時間T2 を計測する時
間計測手段273と、前記電流I2 と試験時間T2 との
積I2 ・T2 である使用電流量C2 を算出する第1演算
手段274と、使用電流量C2 を積算する積算手段31
4と、積算使用電流量C3 を記憶する記憶手段315
と、試験における直流電源9の最大電流I 3 を入力する
入力手段2271 および試験時間T3 を記憶する記憶手
段2772と、前記最大電流I3 と試験時間T3 との積
3 ・T3 である予想使用電流量C 5 を算出する第2演
算手段317と、有効電流量C1 から予想使用電流量C
5 を減算して活性炭226の許容使用電流量C6 を求め
る第3演算手段318と、試験開始時に許容使用電流量
6 と積算使用電流量C3 とを比較して、C6 <C3
とき触媒交換信号を発信する制御手段319とを有す
る。
【0236】このように構成すると、活性炭226の浄
化能力が減退して、その交換時期が到来したことを、試
験を行う前に自動的に検知することが可能である。
【0237】また、前記判断装置270は、制御手段3
19からの触媒交換信号に基づいて、触媒交換時期が到
来したことを知らせるメッセージ表示手段280および
カーボン電極13への通電を禁止する禁止手段281と
を備えている。
【0238】図4〜6に明示するように、メッセージ表
示手段280によるメッセージは、前記〔M〕項(4)
と同様に制御部Cを覆う左側部カバー52の上面に設け
られた液晶表示板131に文字表示される。また禁止手
段281は直流電源9をOFF状態に維持するように作
動する。これにより試験員は、活性炭226の交換時期
を確実に知ることができる。
【0239】なお、前記判断装置270は触媒ユニット
219の交換を行った後、その装置270をリセットし
て記憶手段315の積算使用電流量C3 をC3 =0にし
ない限り作動しないように構成される。
【0240】試験開始時に許容使用電流量C6 と積算使
用電流量C3 との関係がC6 ≧C3であれば試験が開始
されて使用電流量C2 の算出等が行われる。
【0241】
【発明の効果】本発明によれば、前記のように構成する
ことによって、排気系統の異常を容易、且つ確実に検知
することが可能な、電解槽の排気装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解試験機の概略図である。
【図2】試験体の斜視図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】電解試験機の斜視図である。
【図5】電解試験機の正面図で、図4,5矢視図に相当
する。
【図6】図5の6矢視図である。
【図7】電解試験機の縦断正面図で、図6の7−7線断
面図に相当する。
【図8】電解試験機の要部破断平面図で、図7の8−8
線断面図に相当する。
【図9】図7の9−9線断面図である。
【図10】電解槽、カバーおよびフードの関係を示す斜
視図である。
【図11】図7の11−11線断面図である。
【図12】図8の12−12線断面図である。
【図13】図7の13−13線断面図である。
【図14】電解試験機の配管図である。
【図15】電解試験機の配線図である。
【図16】カーボン電極と給電線との接続構造を示す断
面図である。
【図17】耐食試験の説明図である。
【図18】試験体と通電端子台との接続を示す斜視図で
ある。
【図19】印加電圧と損傷部からの塗膜剥離幅との関係
を示すグラフである。
【図20】サイクルと損傷部からの塗膜剥離幅との関係
を示すグラフである。
【図21】サイクルと最大板厚減少量との関係を示すグ
ラフである。
【図22】カーボン電極の交換時期を判断する判断装置
のブロック図である。
【図23】カーボン電極の交換時期を判断する判断装置
の作動を示すフローチャートである。
【図24】残存有効電流量表示部分の説明図である。
【図25】中央部カバーの斜視図である。
【図26】図6の26−26線断面図である。
【図27】図6の27−27線断面図である。
【図28】図7の28−28線断面図である。
【図29】図11の29−29線断面図である。
【図30】試験時間と有効塩素濃度との関係の第1例を
示すグラフである。
【図31】試験時間と有効塩素濃度との関係の第2例を
示すグラフである。
【図32】試験時間と有効塩素濃度との関係の第3例を
示すグラフである。
【図33】塩素ガス処理装置における異常箇所検知器の
ブロック図である。
【図34】処理系統の状況と流量との関係を示すグラフ
である。
【図35】異常箇所検知器の作動を示すフローチャート
である。
【図36】塩素ガス浄化部材の縦断側面図で、図7の3
6−36線断面図に相当する。
【図37】触媒ユニットの図36、37−37矢視図で
ある。
【図38】蓋体の図36、38−38矢視図である。
【図39】触媒の交換時期を判断する判断装置のブロッ
ク図である。
【図40】触媒の交換時期を判断する判断装置の作動を
示すフローチャートである。
【図41】図9、41−41線断面図である。
【図42】排気系統の異常発生検知手段の一例を示す説
明図である。
【図43】試験時間と塩素ガス濃度との関係の一例を示
すグラフである。
【図44】試験時間と塩素ガス濃度との関係の他例を示
すグラフである。
【図45】排気系統の異常箇所検知器において、(a)
は水位センサの配設位置説明図、(b)はブロック図で
ある。
【図46】排気系統の状況と上昇水位との関係を示すグ
ラフである。
【図47】異常箇所検知器の作動を示すフローチャート
である。
【図48】排気系統の異常発生検知手段の他例を示す説
明図である。
【図49】図7の49−49線断面図である。
【図50】カーボン電極の交換時期を判断する判断装置
の他例のブロック図である。
【図51】カーボン電極の交換時期を判断する判断装置
の他例の作動を示すフローチャートである。
【図52】触媒の交換時期を判断する判断装置の他例の
ブロック図である。
【図53】触媒の交換時期を判断する判断装置の、さら
に他例のブロック図である。
【符号の説明】
7 排気装置 12 電解槽 13 カーボン電極(電極) 37 排気管路 38 吸着部材 39 排気ファン 40 検知手段 291 制御手段 292 表示手段 294 禁止手段 f 液面(電解液面)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 27/26 351 B01D 53/34 A // C25B 15/00 (72)発明者 木内 啓治 群馬県桐生市広沢町一丁目二六八一番地 株式会社三ツ葉電機製作所内 (72)発明者 太田 英道 群馬県桐生市広沢町一丁目二六八一番地 株式会社三ツ葉電機製作所内 (72)発明者 真下 健司 群馬県桐生市広沢町一丁目二六八一番地 株式会社三ツ葉電機製作所内 (72)発明者 通崎 篤 群馬県桐生市広沢町一丁目二六八一番地 株式会社三ツ葉電機製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解槽(12)内の電解液面(f)の上
    方を浮遊する有害ガスを排出する排気装置(7)であっ
    て、前記電解槽(12)から延出する排気管路(37)
    に前記有害ガスを吸引する排気ファン(39)を配設
    し、前記排気管路(37)の排気ファン(39)吸引側
    において、その上流部に前記有害ガスを吸着する吸着部
    材(38)を、また下流部に排気系統の異常を検知する
    検知手段(40)をそれぞれ配設したことを特徴とする
    電解槽の排気装置。
  2. 【請求項2】 前記検知手段(40)は、排気系統の異
    常の種類によって異なる異常信号を発信する機能を備
    え、前記検知手段(40)に、その検知手段(40)か
    らの異常信号に基づいて異常の種類を判別して、その異
    常の種類に応じた出力信号を発信する制御手段(29
    1)を接続し、その制御手段(291)に前記出力信号
    に応じて異常の種類を表示する表示手段(292)を接
    続した、請求項1記載の電解槽の排気装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段(291)に、前記出力信
    号によって前記電解液(12)内の電極(13)への通
    電を禁止する禁止手段(294)を接続した、請求項2
    記載の電解槽の排気装置。
JP8147102A 1996-06-10 1996-06-10 電解槽の排気装置 Pending JPH09329571A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016039190A1 (ja) * 2014-09-08 2016-03-17 大幸薬品株式会社 電解式二酸化塩素ガス製造装置

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JPWO2016039190A1 (ja) * 2014-09-08 2017-07-13 大幸薬品株式会社 電解式二酸化塩素ガス製造装置
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