JPH09317401A - 鋳造回転体のバランス取り代構造 - Google Patents

鋳造回転体のバランス取り代構造

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JPH09317401A
JPH09317401A JP13524696A JP13524696A JPH09317401A JP H09317401 A JPH09317401 A JP H09317401A JP 13524696 A JP13524696 A JP 13524696A JP 13524696 A JP13524696 A JP 13524696A JP H09317401 A JPH09317401 A JP H09317401A
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JP
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mass
peripheral surface
balancing
disk
casting
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JP13524696A
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Hirohiko Maekawa
裕彦 前川
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳造回転体のバランス取り代構造において、
鋳造回転体を工作機械にチャッキングする際の軸中心出
し精度を十分に確保するとともに、バランス取りマス部
の慣性モーメントを低減して、鋳造回転体の強度を高め
る。 【解決手段】 ディスク3の背部4から突出するバラン
ス取りマス部15を鋳造により一体形成する鋳造回転体
において、バランス取りマス部15を台形の断面形をも
って環状に突出させ、バランス取りマス部15に回転中
心軸と平行な円筒面状をしたマス外周面17を形成し、
バランス取りマス部15に回転中心軸と平行な円筒面状
をしたマス内周面16を形成し、ディスク3の背部4に
対するマス外周面17の突出高さをマス内周面16の突
出高さより大きく形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳造回転体のバラ
ンス取り代構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋳造回転体として、例えば自動車用エン
ジンに備えられるターボチャージャやガスタービンエン
ジンに備えられるタービンロータや圧縮機のインペラが
あるが、これらは鋳造後に機械加工が施される。
【0003】従来の鋳造製タービンロータとして、例え
ば図7に示すようなものがある。
【0004】これについて説明すると、タービンロータ
1は、その回転中心部に位置するディスク3と、このデ
ィスク3から径方向に突出する翼2が鋳造により一体形
成されている。
【0005】ディスク3の背部4からバランス取りマス
部5が環状に突出している。バランス取りマス部5は矩
形の断面形をもって突出し、回転中心軸と平行な円筒面
状をしたマス外周面7と、同じく回転中心軸と平行な円
筒面状をしたマス内周面6と、回転中心軸と直交する端
面8とを有する。
【0006】バランス取りマス部5はタービンロータ1
の回転アンバランスを除くバランス取り代として機能す
る。バランス取りマス部5はタービンロータ1の回転中
心に近く、鋳造による形状精度を確保しやすい。
【0007】また、鋳物素材のタービンロータ1を機械
加工する際に、バランス取りマス部5はそのマス外周面
7が工作機械にチャッキングされ、軸中心出しの基準面
として機能する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、バランス取
りマス部5の突出高さが大きいと、バランス取りマス部
5の慣性モーメントによる遠心応力が高まり、タービン
ロータ1の強度が低下するため、バランス取りマス部5
の突出高さを抑える必要がある。
【0009】反面、バランス取りマス部5の突出高さが
小さいと、鋳物素材のタービンロータ1を工作機械にチ
ャッキングする際の軸中心出し精度が低下するため、バ
ランス取りマス部5の突出高さを所定値以上に確保する
必要がある。
【0010】このため、バランス取りマス部5のマス外
周面7が工作機械にチャッキングして鋳物素材のタービ
ンロータ1を機械加工した後に、バランス取りマス部5
の回転アンバランスを除く調整に必要な部位を残して一
部を機械加工により削除するようになっており、製品の
コストアップを招くという問題点が考えられる。
【0011】また、バランス取りマス部5の一部を削除
する機械加工を行わない場合、タービンロータ1の背部
4とハウジング10間の間隙13を通る洩れガス量が増
え、タービン効率が低下するという問題点が考えられ
る。
【0012】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたも
のであり、鋳造回転体のバランス取り代構造において、
鋳造回転体を工作機械にチャッキングする際の軸中心出
し精度を十分に確保するとともに、バランス取りマス部
の慣性モーメントを低減して、鋳造回転体の強度を高め
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の鋳造回
転体のバランス取り代構造は、回転中心部に位置するデ
ィスクと、ディスクから径方向に突出する複数の翼と、
ディスクの背部から突出するバランス取りマス部と、を
鋳造により一体形成する鋳造回転体において、前記バラ
ンス取りマス部を台形の断面形をもって環状に突出さ
せ、バランス取りマス部に回転中心軸と平行な円筒面状
をしたマス外周面を形成し、バランス取りマス部に回転
中心軸と平行な円筒面状をしたマス内周面を形成し、デ
ィスクの背部に対するマス外周面の突出高さとマス内周
面の突出高さを相違させる。
【0014】請求項2に記載の鋳造回転体のバランス取
り代構造は、請求項1に記載の発明において、前記ディ
スクの背部に対するマス外周面の突出高さをマス内周面
の突出高さより大きく形成し、ディスクの背部に対峙す
るハウジングを備え、ハウジングにマス外周面に対峙す
る対峙壁面を回転中心軸と平行な円筒面状に形成する。
【0015】請求項3に記載の鋳造回転体のバランス取
り代構造は、請求項1に記載の発明において、前記ディ
スクの背部に対するマス内周面の突出高さをマス外周面
の突出高さより大きく形成する。
【0016】請求項4に記載の鋳造回転体のバランス取
り代構造は、回転中心部に位置するディスクと、ディス
クから径方向に突出する複数の翼と、ディスクの背部か
ら突出するバランス取りマス部と、を鋳造により一体形
成する鋳造回転体において、前記バランス取りマス部を
台形の断面形をもって環状に突出させ、バランス取りマ
ス部に回転中心軸に対して傾斜する円錐面状をしたマス
外周面を形成する。
【0017】請求項5に記載の鋳造回転体のバランス取
り代構造は、回転中心部に位置するディスクと、ディス
クから径方向に突出する複数の翼と、ディスクの背部か
ら突出するバランス取りマス部と、を鋳造により一体形
成する鋳造回転体において、前記バランス取りマス部を
台形の断面形をもって環状に突出させ、バランス取りマ
ス部に回転中心軸に対して傾斜する円錐面状をしたマス
内周面を形成する。
【0018】請求項6に記載の鋳造回転体のバランス取
り代構造は、回転中心部に位置するディスクと、ディス
クの外周部から径方向に突出する複数の翼と、ディスク
の背部から突出するバランス取りマス部と、を鋳造によ
り一体形成する鋳造回転体において、前記バランス取り
マス部を環状に突出させ、バランス取りマス部に各翼の
径方向内側に位置して窪む凹部を形成する。
【0019】
【作用】請求項1に記載の鋳造回転体のバランス取り代
構造において、バランス取りマス部は鋳造回転体の回転
アンバランスを除くバランス取り代として機能する。バ
ランス取りマス部はディスク背部から突出するため、鋳
造回転体の回転中心に近く、鋳造による形状精度を確保
しやすい。
【0020】また、鋳物素材の鋳造回転体を機械加工す
る際に、バランス取りマス部はそのマス外周面ないしは
マス内周面が工作機械にチャッキングされ、軸中心出し
の基準面として機能する。
【0021】バランス取りマス部は台形の断面形をもっ
てディスクの背部から突出し、背部に対するマス外周面
の突出高さとマス内周面の突出高さが相違する構造のた
め、マス内周面とマス外周面のうち突出高さが大きい方
を工作機械にチャッキングすることにより、鋳造回転体
を工作機械にチャッキングする際の軸中心出し精度を十
分に確保できる。
【0022】バランス取りマス部は台形の断面形をもっ
てディスクの背部から突出し、矩形の断面形をもって突
出したバランス取りマス部を有する従来装置に比べて、
背部に対するマス内周面またはマス外周面の突出高さが
同じ場合に、バランス取りマス部の慣性モーメントによ
る遠心応力が小さく抑えられ、鋳造回転体の強度を高め
られる。
【0023】こうしてバランス取りマス部の慣性モーメ
ントが小さく抑えられるために、バランス取りマス部の
一部を機械加工により削除する必要がなく、製品のコス
トダウンがはかれる。
【0024】請求項2に記載の鋳造回転体のバランス取
り代構造において、ハウジングにマス外周面に対峙する
対峙壁面を回転中心軸と平行な円筒面状に形成したた
め、対峙壁面とマス外周面の間に円筒状の間隙が画成さ
れ、鋳造回転体の背部とハウジング間を通る洩れガス量
を減らすことができる。
【0025】請求項3に記載の鋳造回転体のバランス取
り代構造において、バランス取りマス部は台形の断面形
をもってディスクの背部から突出し、円錐面状をした端
面の突出高さが径方向外側に向かって次第に小さくなっ
ているため、径方向外側の質量分布が減り、バランス取
りマス部の慣性モーメントによる遠心応力が小さく抑え
られ、鋳造回転体の強度が高められる。
【0026】請求項4に記載の鋳造回転体のバランス取
り代構造において、鋳物素材の鋳造回転体を機械加工す
る際に、バランス取りマス部はそのマス外周面が工作機
械にチャッキングされ、軸中心出しの基準面として機能
する。
【0027】マス外周面は回転中心軸に対して傾斜した
円錐面状をしているため、マス外周面の突出幅が十分に
確保され、鋳物素材を工作機械にチャッキングする際の
軸中心出し精度が十分に確保される。
【0028】また、円錐面状をしたマス外周面の突出高
さが径方向外側に向かって次第に小さくなっているた
め、径方向外側の質量分布が減り、バランス取りマス部
の慣性モーメントによる遠心応力が小さく抑えられ、鋳
造回転体の強度を高められる。
【0029】こうしてバランス取りマス部の慣性モーメ
ントが小さく抑えられるために、バランス取りマス部の
一部を機械加工により削除する必要がなく、製品のコス
トダウンがはかれる。
【0030】請求項5に記載の鋳造回転体のバランス取
り代構造において、鋳物素材の鋳造回転体を機械加工す
る際に、バランス取りマス部はそのマス内周面が工作機
械にチャッキングされ、軸中心出しの基準面として機能
する。
【0031】マス内周面は回転中心軸に対して傾斜した
円錐面状をしているため、マス内周面の突出幅が十分に
確保され、鋳物素材を工作機械にチャッキングする際の
軸中心出し精度が十分に確保される。
【0032】また、バランス取りマス部の突出高さが抑
えられ、バランス取りマス部の慣性モーメントが小さく
抑えられるために、バランス取りマス部の一部を機械加
工により削除する必要がなく、製品のコストダウンがは
かれる。
【0033】請求項6に記載の鋳造回転体のバランス取
り代構造において、バランス取りマス部に窪む凹部は、
翼の径方向内側に位置してバランス取りマス部を削除し
て、ディスクの剛性を低下させるため、ディスクの翼が
接続する部位の変形を許容し、翼の付け根部に生じる引
張応力を低減する。
【0034】また、凹部が形成されることによってバラ
ンス取りマス部の慣性モーメントが減らされるために、
バランス取りマス部の一部を機械加工により削除する必
要がなく、製品のコストダウンがはかれる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0036】図1に示すように、タービンロータ1は、
図示しないベアリングを介して回転可能に設けられ、そ
の回転中心部に位置するディスク3と、このディスク3
から径方向に突出する翼2とを有する。
【0037】タービンロータ1はレシプロエンジンの燃
焼室またはガスタービンエンジンの燃焼器等から送られ
るガスが回転径方向から翼2に当たるように導かれるこ
とにより、ガスの流れを回転軸方向に換えながら回転力
を取出すようになっている。
【0038】タービンロータ1は、ディスク3と翼2が
鋳造により一体形成され、鋳物素材に機械加工が施され
て形成される。
【0039】タービンロータ1は、ディスク3の背部4
から環状に突出するバランス取りマス部15が鋳造によ
り一体形成される。バランス取りマス部15はタービン
ロータ1の回転アンバランスを除くバランス取り代とし
て機能する。
【0040】バランス取りマス部15は台形の断面形を
もってディスク3の背部4から突出する。バランス取り
マス部15は、回転中心軸と平行な円筒面状をしたマス
外周面17と、同じく回転中心軸と平行な円筒面状をし
たマス内周面16と、回転中心軸に対して傾斜する円錐
面状をした端面18とを有する。
【0041】背部4に対するマス外周面17の突出高さ
は、背部4に対するマス内周面16の突出高さより大き
く形成される。したがって、円錐面状をした端面18の
突出高さは、径方向外側に向かって次第に大きくなって
いる。
【0042】ディスク3の背部4に対峙するハウジング
10を備える。ハウジング10はディスク3の背部4に
対峙する円盤面状をした対峙壁面11と、バランス取り
マス部15のマス外周面17に対峙する円筒面状をした
対峙壁面12とを有する。対峙壁面12はタービンロー
タ1の回転中心軸と平行な円筒面に形成される。これに
より、ハウジング10の対峙壁面12とバランス取りマ
ス部15のマス外周面17の間に円筒状の間隙14が画
成される。
【0043】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0044】バランス取りマス部15はタービンロータ
1の回転アンバランスを除くバランス取り代として機能
する。バランス取りマス部15はタービンロータ1の回
転中心に近く、鋳造による形状精度を確保しやすい。
【0045】また、鋳物素材のタービンロータ1を機械
加工する際に、バランス取りマス部15はそのマス外周
面17が工作機械にチャッキングされ、軸中心出しの基
準面として機能する。
【0046】ディスク3の背部4に対するマス外周面1
7の突出高さが小さいと、鋳物素材のタービンロータ1
を工作機械にチャッキングする際の軸中心出し精度が低
下するため、マス外周面17の突出高さを所定値以上に
確保する必要がある。
【0047】本発明はこれに対処して、バランス取りマ
ス部15は台形の断面形をもってディスク3の背部4か
ら突出し、背部4に対するマス外周面17の突出高さが
マス内周面16より大きい構造のため、マス外周面17
の突出高さが十分に確保され、鋳物素材のタービンロー
タ1を工作機械にチャッキングする際の軸中心出し精度
が十分に確保される。
【0048】また、バランス取りマス部15は台形の断
面形をもってディスク3の背部4から突出し、矩形の断
面形をもって突出したバランス取りマス部を有する従来
装置に比べて、背部4に対するマス外周面17の突出高
さが同じ場合に、バランス取りマス部15の慣性モーメ
ントによる遠心応力が小さく、タービンロータ1の強度
が高められる。
【0049】こうしてバランス取りマス部15の慣性モ
ーメントが小さくなるために、バランス取りマス部15
の一部を機械加工により削除する必要がなく、製品のコ
ストダウンがはかれる。
【0050】ハウジング10の対峙壁面12とバランス
取りマス部15のマス外周面17の間に円筒状の間隙1
4が画成されるため、タービンロータ1の背部4とハウ
ジング10間の間隙14を通る洩れガス量を減らし、タ
ービン効率を高められる。
【0051】次に、図2に示す実施形態について説明す
る。なお、図1との対応部分には同一符号を付す。
【0052】タービンロータ1は、ディスク3の背部4
から環状に突出するバランス取りマス部25が鋳造によ
り一体形成される。バランス取りマス部25はタービン
ロータ1の回転アンバランスを除くバランス取り代とし
て機能する。
【0053】バランス取りマス部25は台形の断面形を
もってディスク3の背部4から突出する。バランス取り
マス部25は、回転中心軸と平行な円筒面状をしたマス
外周面27と、同じく回転中心軸と平行な円筒面状をし
たマス内周面26と、回転中心軸に対して傾斜する円錐
面状をした端面28とを有する。
【0054】背部4に対するマス内周面26の突出高さ
は、背部4に対するマス外周面27の突出高さより大き
く形成される。したがって、円錐面状をした端面28の
突出高さは、径方向外側に向かって次第に小さくなって
いる。
【0055】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0056】バランス取りマス部25はタービンロータ
1の回転アンバランスを除くバランス取り代として機能
する。バランス取りマス部25はタービンロータ1の回
転中心に近く、鋳造による形状精度を確保しやすい。
【0057】また、鋳物素材のタービンロータ1を機械
加工する際に、バランス取りマス部25はそのマス内周
面26が工作機械にチャッキングされ、軸中心出しの基
準面として機能する。
【0058】バランス取りマス部25は台形の断面形を
もってディスク3の背部4から突出し、背部4に対する
マス内周面26の突出高さがマス外周面27より大きい
構造のため、マス内周面26の突出高さが十分に確保さ
れ、鋳物素材のタービンロータ1を工作機械にチャッキ
ングする際の軸中心出し精度が十分に確保される。
【0059】また、バランス取りマス部25は台形の断
面形をもってディスク3の背部4から突出し、円錐面状
をした端面28の突出高さが径方向外側に向かって次第
に小さくなっているため、径方向外側の質量分布が減
り、バランス取りマス部25の慣性モーメントによる遠
心応力が小さく抑えられ、タービンロータ1の強度が高
められる。
【0060】こうしてバランス取りマス部25の慣性モ
ーメントが小さくなるために、バランス取りマス部25
の一部を機械加工により削除する必要がなく、製品のコ
ストダウンがはかれる。
【0061】次に、図3に示す実施形態について説明す
る。なお、図1との対応部分には同一符号を付す。
【0062】タービンロータ1は、ディスク3の背部4
から環状に突出するバランス取りマス部35が鋳造によ
り一体形成される。バランス取りマス部35はタービン
ロータ1の回転アンバランスを除くバランス取り代とし
て機能する。
【0063】バランス取りマス部35は台形の断面形を
もってディスク3の背部4から突出する。バランス取り
マス部35は、回転中心軸に対して傾斜した円錐面状を
したマス外周面37と、回転中心軸と平行な円筒面状を
したマス内周面36と、回転中心軸に対して直交する円
盤面状をした端面38とを有する。
【0064】円錐面状をしたマス外周面37は背部4に
対する突出高さが径方向外側に向かって次第に小さくな
っている 背部4に対するマス外周面37の突出高さは、背部4に
対するマス内周面36の突出高さと等しく形成され、円
盤面状をした端面38の突出高さは一定である。
【0065】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0066】バランス取りマス部35はタービンロータ
1の回転アンバランスを除くバランス取り代として機能
する。バランス取りマス部35はタービンロータ1の回
転中心に近く、鋳造による形状精度を確保しやすい。
【0067】また、鋳物素材のタービンロータ1を機械
加工する際に、バランス取りマス部35はそのマス外周
面37が工作機械にチャッキングされ、軸中心出しの基
準面として機能する。
【0068】マス外周面37は回転中心軸に対して傾斜
した円錐面状をしているため、マス外周面37の突出幅
が十分に確保され、鋳物素材のタービンロータ1を工作
機械にチャッキングする際の軸中心出し精度が十分に確
保される。
【0069】また、円錐面状をしたマス外周面37の突
出高さが径方向外側に向かって次第に小さくなっている
ため、径方向外側の質量分布が減り、バランス取りマス
部35の慣性モーメントによる遠心応力が小さく抑えら
れ、タービンロータ1の強度が高められる。
【0070】こうしてバランス取りマス部35の慣性モ
ーメントが小さくなるために、バランス取りマス部35
の一部を機械加工により削除する必要がなく、製品のコ
ストダウンがはかれる。
【0071】次に、図4に示す実施形態について説明す
る。なお、図1との対応部分には同一符号を付す。
【0072】タービンロータ1は、ディスク3の背部4
から環状に突出するバランス取りマス部45が鋳造によ
り一体形成される。バランス取りマス部45はタービン
ロータ1の回転アンバランスを除くバランス取り代とし
て機能する。
【0073】バランス取りマス部45は台形の断面形を
もってディスク3の背部4から突出する。バランス取り
マス部45は、回転中心軸と平行な円筒面状をしたマス
外周面47と、回転中心軸に対して傾斜する円錐面状を
したマス内周面46と、回転中心軸に対して直交する円
盤面状をした端面48とを有する。
【0074】円錐面状をしたマス内周面46はディスク
3の背部4に対する突出高さが径方向外側に向かって次
第に大きくなっている 背部4に対するマス外周面47の突出高さは、背部4に
対するマス内周面46の突出高さと等しく形成され、円
盤面状をした端面48の突出高さは一定である。
【0075】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0076】バランス取りマス部45はタービンロータ
1の回転アンバランスを除くバランス取り代として機能
する。バランス取りマス部45はタービンロータ1の回
転中心に近く、鋳造による形状精度を確保しやすい。
【0077】また、鋳物素材のタービンロータ1を機械
加工する際に、バランス取りマス部45はそのマス内周
面46が工作機械にチャッキングされ、軸中心出しの基
準面として機能する。
【0078】マス内周面46は回転中心軸に対して傾斜
した円錐面状をしているため、マス内周面46の突出幅
が十分に確保され、鋳物素材のタービンロータ1を工作
機械にチャッキングする際の軸中心出し精度が十分に確
保される。
【0079】また、バランス取りマス部45は台形の断
面形をもってディスク3の背部4から突出しているた
め、矩形の断面形をもって突出したバランス取りマス部
を有する従来装置に比べて、バランス取りマス部45の
慣性モーメントによる遠心応力が小さく抑えられ、ター
ビンロータ1の強度が高められる。
【0080】こうしてバランス取りマス部45の慣性モ
ーメントが小さくなるために、バランス取りマス部45
の一部を機械加工により削除する必要がなく、製品のコ
ストダウンがはかれる。
【0081】次に、図5に示す実施形態について説明す
る。なお、図1との対応部分には同一符号を付す。
【0082】タービンロータ1は、ディスク3の背部4
から環状に突出するバランス取りマス部55が鋳造によ
り一体形成される。バランス取りマス部55はタービン
ロータ1の回転アンバランスを除くバランス取り代とし
て機能する。
【0083】バランス取りマス部55は台形の断面形を
もってディスク3の背部4から突出する。バランス取り
マス部55は、回転中心軸と平行な円筒面状をしたマス
外周面57と、同じく回転中心軸と平行な円筒面状をし
たマス内周面56と、回転中心軸に対して傾斜する円錐
面状をした端面58とを有する。
【0084】背部4に対するマス外周面57の突出高さ
は、背部4に対するマス内周面56の突出高さより大き
く形成される。したがって、円錐面状をした端面58の
突出高さは、径方向外側に向かって次第に大きくなって
いる。
【0085】各翼2はその一部がディスク3の外周部5
0より径方向外側に突出して形成される。
【0086】図6にも示すように、バランス取りマス部
55には外周面57と端面58にかけて窪む凹部59が
各翼2の径方向内側に位置して形成される。凹部59
は、円弧状に湾曲する底面60と放射状に延びる側面6
1によって画成される。
【0087】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0088】バランス取りマス部55はタービンロータ
1の回転アンバランスを除くバランス取り代として機能
する。バランス取りマス部55はタービンロータ1の回
転中心に近く、鋳造による形状精度を確保しやすい。
【0089】また、鋳物素材のタービンロータ1を機械
加工する際に、バランス取りマス部55はそのマス外周
面57が工作機械にチャッキングされ、軸中心出しの基
準面として機能する。
【0090】背部4に対するマス外周面57の突出高さ
がマス内周面56より大きい構造のため、マス外周面5
7の突出高さが十分に確保され、鋳物素材のタービンロ
ータ1を工作機械にチャッキングする際の軸中心出し精
度が十分に確保される。
【0091】各翼2はその一部がディスク3の外周部5
0より径方向外側に突出しているため、翼2は遠心応力
により図6に矢印Bで示す方向に変形し、各翼2の入口
側付け根部には引張応力が生じる。
【0092】バランス取りマス部55に窪む各凹部59
は、各翼2の径方向内側に位置してバランス取りマス部
55を削除して、ディスク3の剛性を低下させるため、
ディスク3の各翼2が接続する部位の変形を許容し、各
翼2の入口側付け根部に生じる引張応力を低減する。
【0093】バランス取りマス部55は高温ガスにさら
されて高温となるが、各凹部59は各翼2の径方向内側
に位置してバランス取りマス部55を削除するため、デ
ィスク3の各翼2が接続する部位の温度上昇が抑えら
れ、各翼2の入口側付け根部の強度を維持することがで
きる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の鋳
造回転体のバランス取り代構造によれば、バランス取り
マス部は台形の断面形をもってディスクの背部から突出
し、背部に対するマス外周面の突出高さとマス内周面の
突出高さが相違する構造のため、マス内周面とマス外周
面のうち突出高さが大きい方を工作機械にチャッキング
することにより、鋳造回転体を工作機械にチャッキング
する際の軸中心出し精度を十分に確保できるとともに、
バランス取りマス部の慣性モーメントによる遠心応力が
小さく抑えられ、バランス取りマス部の一部を機械加工
により削除する必要がなく、製品のコストダウンがはか
れる。
【0095】請求項2に記載の鋳造回転体のバランス取
り代構造によれば、ハウジングにマス外周面に対峙する
対峙壁面を回転中心軸と平行な円筒面状に形成したた
め、対峙壁面とマス外周面の間に円筒状の間隙が画成さ
れ、鋳造回転体の背部とハウジング間を通る洩れガス量
を減らすことができる。
【0096】請求項3に記載の鋳造回転体のバランス取
り代構造によれば、バランス取りマス部は台形の断面形
をもってディスクの背部から突出し、円錐面状をした端
面の突出高さが径方向外側に向かって次第に小さくなっ
ているため、径方向外側の質量分布が減り、バランス取
りマス部の慣性モーメントによる遠心応力が小さく抑え
られ、鋳造回転体の強度が高められる。
【0097】請求項4に記載の鋳造回転体のバランス取
り代構造によれば、マス外周面は回転中心軸に対して傾
斜した円錐面状をしているため、マス外周面の突出幅が
十分に確保され、鋳物素材を工作機械にチャッキングす
る際の軸中心出し精度が十分に確保されるとともに、バ
ランス取りマス部の径方向外側の質量分布が減ることに
より、バランス取りマス部の慣性モーメントによる遠心
応力が小さく抑えられ、鋳造回転体の強度を高められ
る。
【0098】請求項5に記載の鋳造回転体のバランス取
り代構造によれば、マス内周面は回転中心軸に対して傾
斜した円錐面状をしているため、マス内周面の突出幅が
十分に確保され、鋳物素材を工作機械にチャッキングす
る際の軸中心出し精度が十分に確保されるとともに、径
方向外側の質量分布が減ることにより、バランス取りマ
ス部の慣性モーメントによる遠心応力が小さく抑えら
れ、鋳造回転体の強度を高められる。
【0099】請求項6に記載の鋳造回転体のバランス取
り代構造によれば、バランス取りマス部に窪む凹部は、
翼の径方向内側に位置してバランス取りマス部を削除し
て、ディスクの剛性を低下させるため、ディスクの翼が
接続する部位の変形を許容し、翼の付け根部に生じる引
張応力を低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す断面図。
【図2】他の実施形態を示す断面図。
【図3】さらに他の実施形態を示す断面図。
【図4】さらに他の実施形態を示す断面図。
【図5】さらに他の実施形態を示す断面図。
【図6】同じく図5の矢印A方向から見た図。
【図7】従来例を示す断面図。
【符号の説明】
1 タービンロータ 2 翼 3 ディスク 4 背部 10 ハウジング 11 対峙壁面 12 対峙壁面 14 間隙 15 バランス取りマス部 16 マス内周面 17 マス外周面 18 端面 25 バランス取りマス部 26 マス内周面 27 マス外周面 28 端面 35 バランス取りマス部 36 マス内周面 37 マス外周面 38 端面 45 バランス取りマス部 46 マス内周面 47 マス外周面 48 端面 55 バランス取りマス部 56 マス内周面 57 マス外周面 58 端面 59 凹部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転中心部に位置するディスクと、 ディスクから径方向に突出する複数の翼と、 ディスクの背部から突出するバランス取りマス部と、 を鋳造により一体形成する鋳造回転体において、 前記バランス取りマス部を台形の断面形をもって環状に
    突出させ、 バランス取りマス部に回転中心軸と平行な円筒面状をし
    たマス外周面を形成し、 バランス取りマス部に回転中心軸と平行な円筒面状をし
    たマス内周面を形成し、 ディスクの背部に対するマス外周面の突出高さとマス内
    周面の突出高さを相違させたことを特徴とする鋳造回転
    体のバランス取り代構造。
  2. 【請求項2】前記ディスクの背部に対するマス外周面の
    突出高さをマス内周面の突出高さより大きく形成し、 ディスクの背部に対峙するハウジングを備え、 ハウジングにマス外周面に対峙する対峙壁面を回転中心
    軸と平行な円筒面状に形成したことを特徴とする請求項
    1に記載の鋳造回転体のバランス取り代構造。
  3. 【請求項3】前記ディスクの背部に対するマス内周面の
    突出高さをマス外周面の突出高さより大きく形成したこ
    とを特徴とする請求項1に記載の鋳造回転体のバランス
    取り代構造。
  4. 【請求項4】回転中心部に位置するディスクと、 ディスクから径方向に突出する複数の翼と、 ディスクの背部から突出するバランス取りマス部と、 を鋳造により一体形成する鋳造回転体において、 前記バランス取りマス部を台形の断面形をもって環状に
    突出させ、 バランス取りマス部に回転中心軸に対して傾斜する円錐
    面状をしたマス外周面を形成したことを特徴とする鋳造
    回転体のバランス取り代構造。
  5. 【請求項5】回転中心部に位置するディスクと、 ディスクから径方向に突出する複数の翼と、 ディスクの背部から突出するバランス取りマス部と、 を鋳造により一体形成する鋳造回転体において、 前記バランス取りマス部を台形の断面形をもって環状に
    突出させ、 バランス取りマス部に回転中心軸に対して傾斜する円錐
    面状をしたマス内周面を形成したことを特徴とする鋳造
    回転体のバランス取り代構造。
  6. 【請求項6】回転中心部に位置するディスクと、 ディスクの外周部から径方向に突出する複数の翼と、 ディスクの背部から突出するバランス取りマス部と、 を鋳造により一体形成する鋳造回転体において、 前記バランス取りマス部を環状に突出させ、 バランス取りマス部に各翼の径方向内側に位置して窪む
    凹部を形成したことを特徴とする鋳造回転体のバランス
    取り代構造。
JP13524696A 1996-05-29 1996-05-29 鋳造回転体のバランス取り代構造 Pending JPH09317401A (ja)

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