JPH0931726A - 容積可変形ポケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポケットの容量を簡単に変えられるよように
改良した構造のポケットを提供する。 【解決手段】 表面部材（３）に設けられたリセス
（２）に対応した外側カバー要素（１０）と、カバー要
素（１０）をその縁部内側で表面部材（３）に添着する
とともに、前記外側カバー要素（１０）が前記リセス
（２）の内側にある位置と、リセス（２）から引出され
て外側にある位置との間で移動できるようにする伸縮自
在な縁どり要素（１２）と、外側カバー要素（１０）の
裏側で前記表面部材（３）に付着し、外側カバー要素
（１０）とともに、すくなくともポケットの開口（１
８）を有する空間４を形成する裏地要素（１３）とから
なる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、衣服、バッグなど
に適用することのできる容積可変形ポケットに関する。

【０００２】

【従来の技術】衣服類には、通常、ポケットがついてお
り、コインや紙類などいろいろなものを入れられるよう
に、また、単に飾りとして種々の形のポケットがある。
特に、衣類のポケットとしては、一般に、服の適当な開
口の内側に袋状のものを縫い付けている。また、パッチ
を当てたものや、ポケットをつくったものや、その他い
ろいろなものがある。

【０００３】ポケットは、その形によって、大きな容量
のものから小さな容量のものまであるが、普通は、その
用途の上でさまざまに生じる要求とは関係なく、予め容
量が決まっている。言い換えれば、通常のポケットは、
容量を必要に応じて変えることができない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の主要な目的
は、ポケットの容量を簡単に変えられるよように改良し
た構造のポケットを提供することにより、従来技術の有
する問題点を解消することにある。

【０００５】この目的の範囲内で、本発明は、簡易で、
使用しやすく、しかも用途の広い容積可変形ポケットを
提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明の容積可変形ポケットは、表面部材３に設
けられたリセス３に対応した外側カバー要素１０と、前
記カバー要素１０をその縁部内側で表面部材３に添着す
るとともに、前記外側カバー要素１０が前記リセス２の
内側にある位置と、リセス２から引出されて外側にある
位置との間で移動できるようにする伸縮自在な縁どり要
素１２と、前記外側カバー要素１０の裏側で前記表面部
材３に付着し、外側カバー要素１０とともに、すくなく
ともポケットの開口１８を有する空間４を形成する裏地
要素１３とからなることを特徴とするものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明による容積可変形ポ
ケットの一実施形態について添付の図面を参照して説明
する。添付の図面において、符号１は、本実施形態によ
る容積可変形のポケットの全体を示す。このポケット１
は、例えば、衣服の布地の表面に形成された開口または
凹部（本明細書において、リセスというものとする）２
に設けられるものである。

【０００８】このポケット１は、比較的硬さのある外側
のカバー１０を有し、このカバー１０に硬さを、適当な
布地あるいは適当な補強材１１をカバー１０の内側に使
用することで付加することができる。外側カバー１０
は、布地表面３と同じ材質のものが使いやすさの点で好
ましい。

【０００９】外側カバー１０は、実質的にリセス２とお
なじ輪郭を有する。実際には、カバー１０は、リセス２
よりも大きめで、後述するように、布地表面３に対して
内側の位置にあるときには、リセス２を閉じることがで
きるようになっている。

【００１０】カバー１０は、その縁にそってその内側で
布地表面に縁どり部材１２を介して取り付けられる。こ
の縁どり部材１２は、アコーディオン形（蛇腹形）に折
り込まれた形のものである。このアコーディオン型縁ど
り部材１２を用いているため、布地表面３に対して外側
の位置にカバー１０をリセス２を通して引出すことがで
きるようになっている。

【００１１】アコーディオン型の縁どり部材１２は、カ
バー１０の周縁部のすくなくとも一部に縫い付けられ
る。図１および図２に示す例では、アコーディオン形の
縁どり部材１２は、カバー１０の実質的に三つの側辺に
沿って設けられており、その形は、図３に示すように、
表面布地３とカバー１０が縫い付けられるその起点でＯ
点と一致する部分から次第に均整をとりながら大きくな
るようになっている。

【００１２】このアコーディオン形の縁どり部材１２に
ついては、図６、図７に示すように、カバー１０の全周
縁にそって取り付けてもよい。その場合、ポケット１
は、リセス２からその全体が引出される。

【００１３】ポケット１は、カバー１０の裏側側で表面
布地３に縫い付けられる裏地３によつて閉じられた形態
を有する。裏地１３は、カバー１０とともに空間４を形
成し、この空間４は、ポケットのすくなくとも一つの開
口１８によって開放されている。

【００１４】この開口１８は、通常、ポケットの上端部
に設けられるものであるが、ファスナー１７によって閉
じられるようにすると好適である。図１、図２に示すよ
うに、ファスナー１７は、カバー１０の上部縁と、表面
布地の折込との間の部分に設けられる。これによつて、
ファスナー１７は、表面布地３の下に隠れるようになっ
ている。

【００１５】これに対して、図８、図１０に示すポケッ
トでは、ファスナー１７は、外から見えるようになって
いて、カバー１０の縁にそって取り付けられている。

【００１６】ファスナー１７のように閉じるための要素
を有しないポケットであってもよいことはもちろんであ
る。さらに、開口１８は、上述のものとは違って、縁部
ではなく、例えば、カバー１０の中心部に配置してもよ
い。また、ふたつに並んだ縦方向の開口であってもよ
い。

【００１７】図９、図１１に示すように、ポケットの開
口は、引きひも１６付のフラップ１５で覆われるように
することもできる。その場合、ポケットには、さらに容
積を増やせるようにタック１４を付けるようにする。以
上の説明から、容積可変形ポケットの使用方法について
は、容易に理解されよう。

【００１８】ポケットは、使用時にはふたつの形態があ
る。それらは、それぞれカバー１０の内側の位置と外側
の位置に対応するものである。特に、リセス２の内側に
ある位置では、カバー１０は、表面布地３と同一平面上
にあって、図４および図６に示すように、少ない容積に
なっている。これに対して、リセス２から引出して外側
にあるときには、ポケットは、アコーディオン形縁どり
部材が延びるのでより大きな容積をもつようになる。

【００１９】このような容積の変化に加えて、ポケット
の形が変るために、物品の意匠的な効果をも付与するこ
とができる、それは、特に、衣服の場合に顕著である。

【００２０】なお、内側位置から外側位置に変えるの
は、きわめて簡単に行なえる。その場合、内側から外側
にカバー１０をもってわずかに力を加えるだけでよい。
その反対も同様にしておこなうことができるのは勿論で
ある。

【００２１】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、その容積を変えるように形の変形を必要に応
じて簡単に行なうことができる。また、この容積可変形
ポケットは、衣服ばかりでなく、バッグやスーツケース
などの物品にも適用できる。

【００２２】以上、本発明について、最適な実施形態を
挙げて説明したが、本発明は、布地の材質や、ポケット
の形や寸法などを必要に応じて適宜選べるのは勿論であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態よる容積可変形ポケットが
内側位置にあるときの正面図。

【図２】同ポケットが外側位置にあるときの正面図。

【図３】縁どり要素が伸びた状態での同実施形態のポケ
ットの詳細図。

【図４】図１のＩＶ−ＩＶ線に沿ったポケットの断面
図。

【図５】図１のＶ−Ｖ線に沿ったポケットの断面図。

【図６】内側位置にあるポケットの断面図。

【図７】外側位置にあるポケットの断面図。

【図８】他の実施形態による容積可変形ポケットが内側
位置にある正面図。

【図９】さらに他の実施形態による容積可変形ポケット
が内側位置にある正面図。

【図１０】他の実施形態による容積可変形ポケットが外
側位置にある正面図。

【図１１】さらに他の実施形態による容積可変形ポケッ
トが外側位置にある正面図。

【符号の説明】

１ ポケット ２ リセス（開口、凹所） ３ 布地表面 ４ 空間 １０ 外側カバー １１ 補強材 １２ 縁どり部材 １３ 裏地 １５ フラップ １６ 引きひも １７ ファスナー １８ 開口

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表面部材（３）に設けられたリセス（２）
   に対応した外側カバー要素（１０）と、 前記カバー要素（１０）をその縁部内側で表面部材
   （３）に添着するとともに、前記外側カバー要素（１
   ０）が前記リセス（２）の内側にある位置と、リセス
   （２）から引出されて外側にある位置との間で移動でき
   るようにする伸縮自在な縁どり要素（１２）と、 前記外側カバー要素（１０）の裏側で前記表面部材
   （３）に付着し、外側カバー要素（１０）とともに、す
   くなくともポケットの開口（１８）を有する空間４を形
   成する裏地要素（１３）とからなることを特徴とする容
   積可変形ポケット。
2. 【請求項２】前記縁どり要素（１２）は、アコーディオ
   ン形に折り込まれた部材からなることを特徴とする請求
   項１に記載の容積可変形ポケット。
3. 【請求項３】前記外側カバー要素（１０）には、その内
   側に補強要素（１１）が展着され、相対的に剛性が強化
   されていることを特徴とする請求項１に記載の容積可変
   形ポケット。
4. 【請求項４】前記外側カバー要素（１０）は、前記リセ
   ス（２）よりも外形がわずかに大きく、前記リセス
   （２）を内側から閉じられることを特徴とする請求項１
   に記載の容積可変形ポケット。
5. 【請求項５】前記開口は、前記外側カバー要素（１０）
   の縁部にそって設けられることを特徴とする請求項１に
   記載の容積可変形ポケット。
6. 【請求項６】前記開口（１８）は、前記外側カバー要素
   （１０）の上端縁と、表面部材（３）の内側折込部との
   間の部分に設けられ、これにより、表面部材（３）から
   は隠れていることを特徴とする請求項１に記載の容積可
   変形ポケット。
7. 【請求項７】前記縁どり部材要素（１２）は、前記外側
   カバー要素（１０）の周縁部の少なくとも一部にそって
   設けられ、一端からつりあいをもって次第に形が大きく
   なることを特徴とする請求項１に記載の容積可変形ポケ
   ット。