JPH09307713A - 照明位置調整機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】照明光をラインセンサを構成する光電変換部に
沿って極めて高精度に設定することができ、しかも、安
価な照明位置調整機構を提供することを目的とする。 【解決手段】スリット部材３８に形成されたスリット３
８ａを介して入射する照明光Ｌを反射する反射ミラー４
０を、変位部材５９を介して矢印Ａ方向に変位させて所
定量湾曲させることにより、前記スリット３８ａの湾曲
に基づく照明光Ｌの湾曲を修正し、ＣＣＤラインセンサ
を構成する光電変換部に沿って高精度に設定することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、原稿をライン状に
照明し、その透過光あるいは反射光をラインセンサに導
くことで画像の読み取りを行う装置において、前記ライ
ン状の照明光をラインセンサの光電変換部に沿って高精
度に設定することのできる照明位置調整機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５Ａおよび図５Ｂは、透過型原稿に担
持された画像情報をＣＣＤラインセンサによって読み取
る画像読取装置の一般的な構成を示す。この画像読取装
置は、蛍光灯等の円筒状の発光源２から射出された照明
光Ｌを第１光学系４によって集光した後、スリット部材
６に形成されたライン状のスリット６ａを介して第２光
学系８に導き、前記第２光学系８によって透過型原稿Ｆ
をライン状に照明するように構成している。そして、前
記透過型原稿Ｆからの画像情報の担持された照明光Ｌ
は、集光レンズ１０を介してＣＣＤラインセンサ１２上
に集光される。この場合、透過型原稿ＦがＣＣＤライン
センサ１２によって主走査方向（矢印Ｙ方向）に走査さ
れるとともに、前記透過型原稿Ｆが副走査方向（矢印Ｘ
方向）に搬送されることで画像が２次元的に読み取られ
る。

【０００３】ここで、ＣＣＤラインセンサ１２は、図６
に示すように、ケーシング１４に収納された基台１６上
に配設された受光部１２ａを有しており、この受光部１
２ａは、ケーシング１４上に固定されたカバーガラス１
８によって保護されている。前記受光部１２ａは、主走
査方向に長尺に構成される一方、副走査方向に幅狭に構
成されており、発光源２からの照明光Ｌがこの受光部１
２ａに沿って正確に導かれる必要がある。すなわち、前
記照明光Ｌが受光部１２ａからそれて基台１６上に照射
されると、前記基台１６により反射された前記照明光Ｌ
の一部がフレアとして受光部１２ａに入射してしまうか
らである。

【０００４】ところで、前記画像読取装置において、照
明光Ｌをライン状に整形するためのスリット部材６のス
リット６ａは、ワイヤカット等の技術を用いて形成され
ているが、その幅と比較すると、主走査方向に対する長
さが相当に長尺であるため、正確に直線状に形成するこ
とは極めて困難である。可能であったとしても、そのよ
うなスリット部材６を作成するためのコストが相当に高
くなってしまう。そして、例えば、前記スリット６ａが
図７に示すように湾曲して形成されていると、ＣＣＤラ
インセンサ１２上に形成される照明光Ｌによる走査線Ｌ
ａも湾曲するため、前述したように、フレアが生じた
り、あるいは、透過型原稿Ｆからの画像情報を担持した
照明光ＬがＣＣＤラインセンサ１２に入射しない事態が
生じてしまう。

【０００５】なお、前記のように直線性の悪いスリット
６ａを有するスリット部材６をそのまま用いた場合に
は、透過型原稿Ｆに対する照明幅を広くする必要がある
が、そのようにすると前記のフレアが発生して画質が低
下する不具合が生じてしまう。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の不都
合を回避するためになされたものであり、照明光をライ
ンセンサを構成する光電変換部に沿って極めて高精度に
設定することができ、しかも、安価な照明位置調整機構
を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明は、光源からの照明光をスリット部材によ
ってライン状に整形した後、集光光学系を介して画像を
担持した原稿に照射し、前記原稿による前記照明光の透
過光または反射光を主走査方向に長尺なラインセンサに
より受光する一方、前記原稿を前記主走査方向と直交す
る副走査方向に相対的に変位させることで前記画像を２
次元的に読み取る画像読取装置に組み込まれる照明位置
調整機構であって、前記スリット部材と前記集光光学系
との間に、前記スリット部材を通過した前記照明光を反
射させて前記集光光学系に導く反射ミラーを配設し、前
記反射ミラーを前記主走査方向と略直交する方向に湾曲
させることで、前記ラインセンサを構成する光電変換部
に沿って前記照明光からなる走査線を設定する整形手段
を備えることを特徴とする。

【０００８】この場合、前記スリット部材を通過するこ
とでライン状に整形された照明光は、前記整形手段によ
り所定量だけ湾曲された反射ミラーによって反射される
ことで、前記スリット部材の製造誤差が補正され、原稿
を介してラインセンサの光電変換部に沿って導かれる。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の実施形態に係る
照明位置調整機構が適用される画像読取装置の概略構成
を示す。この画像読取装置は、光源部２０と、照明位置
調整機構２２と、透過型原稿Ｆを保持した原稿カセット
２４と、集光レンズ２６と、ＣＣＤラインセンサ２８と
から基本的に構成される。光源部２０は、中空円筒型の
拡散キャビテイ３０を備え、前記拡散キャビテイ３０の
両端部には、照明光Ｌを供給するハロゲンランプ３２ａ
および３２ｂが配設される。前記拡散キャビテイ３０
は、主走査方向（矢印Ｙ方向）に延在するスリット３４
を有し、前記スリット３４から射出された照明光Ｌは、
照明位置調整機構２２に導かれる。

【００１０】照明位置調整機構２２は、カバーガラス３
６を介して入射する照明光Ｌの副走査方向（矢印Ｘ方
向）に対する幅を調整するためのスリット３８ａが形成
されたスリット部材３８、前記スリット３８ａを通過し
た照明光Ｌの射出方向を偏向する反射ミラー４０、前記
照明光Ｌにより形成されるＣＣＤラインセンサ２８上の
走査線Ｌａを直線状に整形する整形手段（図２〜図４参
照）、および、照明光Ｌを透過型原稿Ｆに対して集光す
るための２つのシリンドリカルレンズ４２ａ、４２ｂを
備えた光学ユニット６０と、前記光学ユニット６０を支
持する基台４４と、前記基台４４に対する前記光学ユニ
ット６０の位置を調整する位置調整部材（図２〜図４参
照）とからなる。

【００１１】前記照明位置調整機構２２の下部に配設さ
れる原稿カセット２４は、２枚の透明ガラス４６ａ、４
６ｂ間に透過型原稿Ｆを保持したものであり、図示しな
い搬送機構によって副走査方向（矢印Ｘ方向）に搬送可
能に構成されている。

【００１２】照明位置調整機構２２は、図２〜図４に示
すように構成される。すなわち、基台４４の上面部に
は、光学ユニット６０を構成するブラケット５０が配設
されており、このブラケット５０と基台４４との間に
は、シリンドリカルレンズ４２ａ、４２ｂを保持するレ
ンズ保持用ブラケット５２が配設される。なお、前記レ
ンズ保持用ブラケット５２は、前記ブラケット５０に対
してボルト５３により固定されている。また、前記ブラ
ケット５０の上部には、直立状態に設定された壁面と、
鉛直方向に対して約４５°の傾斜角度に設定された壁面
とを有したブラケット５４が配設される。そして、これ
らのブラケット５０および５４は、主走査方向（矢印Ｙ
方向）に延在する三角柱状に構成される。ブラケット５
０の下面部に装着されたレンズ保持用ブラケット５２
は、基台４４に形成されたレンズ挿入用穴部５８に遊嵌
する。ブラケット５４の直立状態に設定された壁面に
は、主走査方向（矢印Ｙ方向）に延在するカバーガラス
３６とスリット部材３８が固定される。

【００１３】また、ブラケット５４の傾斜した壁面に
は、両端部が保持部材５５ａ、５５ｂにより固定され、
且つ、上下の部分と前記ブラケット５４との間に間隙５
７ａ、５７ｂが形成された反射ミラー４０が装着され
る。この反射ミラー４０の中央部分には、整形手段を構
成する断面略コ字状を呈する変位部材５９が係合され
る。一方、前記ブラケット５４の傾斜面上には、前記変
位部材５９の位置に対応してさらにブラケット６１が固
定される。そして、前記変位部材５９および前記ブラケ
ット６１には、調整ねじ６３が螺合する。なお、前記変
位部材５９に形成される雌ねじと前記ブラケット６１に
形成される雌ねじとは、右ねじと左ねじの関係に設定し
てあるものとする。従って、前記調整ねじ６３を回動さ
せることにより、変位部材５９をブラケット６１に対し
て矢印Ａ方向に近接離間させることができる。

【００１４】カバーガラス３６、スリット部材３８、反
射ミラー４０およびシリンドリカルレンズ４２ａ、４２
ｂを備えた光学ユニット６０は、一体に構成されてお
り、この光学ユニット６０がユニット固定用ねじ６２
ａ、６２ｂによって基台４４に固定される。すなわち、
ユニット固定用ねじ６２ａ、６２ｂは、図４に示すよう
に、シリンドリカルレンズ４２ａ、４２ｂを保持するブ
ラケット５２に形成された穴部６４ａ、６４ｂに遊嵌し
て基台４４に固定される。そして、前記ユニット固定用
ねじ６２ａ、６２ｂに設けられたフランジ部６６ａ、６
６ｂと、基台４４との間にブラケット５２が挟設される
ことで光学ユニット６０が固定される。一方、基台４４
上の中央部には、突起部６８が設けられており、前記突
起部６８に対してばね部材７０が係合する。前記ばね部
材７０の両端部は、ブラケット５０に固定されている。
また、基台４４上には、前記ばね部材７０の両端部近傍
にカム部材７２ａ、７２ｂが配設されている。このカム
部材７２ａ、７２ｂは、ドライバ等により回動可能に構
成されており、その外周面がブラケット５０の側面部に
当接するように配設されている。

【００１５】本実施形態の照明位置調整機構２２が適用
される画像読取装置は基本的には以上のように構成され
るものであり、次にその動作について説明する。

【００１６】光源部２０におけるハロゲンランプ３２
ａ、３２ｂより射出された照明光Ｌは、拡散キャビテイ
３０の内周面によって反射拡散された後、スリット３４
を介して照明位置調整機構２２を構成する光学ユニット
６０に導かれる。

【００１７】光学ユニット６０に導かれた前記照明光Ｌ
は、カバーガラス３６を介してスリット部材３８のスリ
ット３８ａに入射することにより、副走査方向（矢印Ｘ
方向）対する幅が調整された後、反射ミラー４０によっ
て下方向に反射され、シリンドリカルレンズ４２ａ、４
２ｂを介して原稿カセット２４に担持された透過型原稿
Ｆ上に集光される。透過型原稿Ｆを透過した前記照明光
Ｌは、集光レンズ２６によってさらに集光され、ＣＣＤ
ラインセンサ２８に導かれる。この場合、前記照明光Ｌ
は、ＣＣＤラインセンサ２８上を矢印Ｙ方向に主走査す
る一方、透過型原稿Ｆが矢印Ｘ方向に副走査搬送される
ことで、２次元的な画像の読み取りが行われる。

【００１８】ここで、前述したように、スリット部材３
８に形成されたスリット３８ａは、その作成時におい
て、図１に示すように、湾曲している場合があり、その
状態のままで照明光Ｌを通過させると、ＣＣＤラインセ
ンサ２８に対して湾曲した走査線Ｌａが形成されてしま
う。

【００１９】そこで、前記湾曲した走査線Ｌａを修正し
て直線とするために、整形手段を用いてその調整を行
う。すなわち、図３に示すように、調整ねじ６３を回動
させることにより、変位部材５９が矢印Ａ方向に変位す
るため、その変位によって反射ミラー４０の略中央部が
矢印Ａ方向に変位する。この結果、前記反射ミラー４０
が図１に示すように湾曲し、スリット部材３８のスリッ
ト３８ａを介して反射ミラー４０に入射したライン状の
照明光Ｌは、前記反射ミラー４０の所定方向に対する湾
曲によって、ＣＣＤラインセンサ２８上で直線となるよ
うに整形されることになる。この場合、例えば、スリッ
ト３８ａが図１における下方向に湾曲しているときに
は、反射ミラー４０の中央部をスリット部材３８から離
間するように変位させることで、その湾曲を修正するこ
とができる。また、スリット３８ａが図１における上方
向に湾曲しているときには、反射ミラー４０の中央部を
スリット部材３８に近接するように変位させることで、
その湾曲を修正することができる。

【００２０】前記のようにして、スリット３８ａの湾曲
により主走査方向（矢印Ｙ方向）に湾曲した照明光Ｌ
は、反射ミラー４０によって修正された後、シリンドリ
カルレンズ４２ａ、４２ｂ、透過型原稿Ｆ、集光レンズ
２６を介してＣＣＤラインセンサ２８に導かれ、前記Ｃ
ＣＤラインセンサ２８上に直線状に高精度に整形された
走査線Ｌａを形成する。従って、ＣＣＤラインセンサ２
８では、それを構成する光電変換部上に正確に導かれた
照明光Ｌに基づき、透過型原稿Ｆに担持された画像情報
をフレア等の影響を受けることなく高精度に読み取るこ
とができる。

【００２１】また、本実施形態では、前記のようにして
湾曲が調整された照明光ＬをＣＣＤラインセンサ２８に
対してさらに高精度に位置調整させることができる。

【００２２】すなわち、図２または図３に示すユニット
固定用ねじ６２ａ、６２ｂを緩め、光学ユニット６０が
基台４４に対して移動可能な状態としておく。そして、
カム部材７２ａ、７２ｂをドライバ等によって所定量回
動させることにより、前記光学ユニット６０が副走査方
向（矢印Ｘ方向）に変位する。従って、光学ユニット６
０に入射し前記スリット部材３８を通過した照明光Ｌ
は、ＣＣＤラインセンサ２８上で副走査方向（矢印Ｘ方
向）に変位する。なお、ＣＣＤラインセンサ２８上に形
成されるライン状の照明光Ｌの位置は、ＣＣＤラインセ
ンサ２８の各光電変換部からの出力を測定し、得られた
出力に基づいて調整することができる。照明光Ｌの位置
が調整された後、ユニット固定用ねじ６２ａ、６２ｂを
締め付けることにより、光学ユニット６０が基台４４に
固定される。

【００２３】このようにして、ＣＣＤラインセンサ２８
の光電変換部に対して直線状に高精度に調整された照明
光Ｌによる走査線Ｌａを用いることで、透過型原稿Ｆに
担持された画像を高精度に読み取ることができる。

【００２４】なお、前記整形手段を用いることにより、
スリット部材３８のスリット３８ａの湾曲による走査線
Ｌａの湾曲を修正することができるだけでなく、ＣＣＤ
ラインセンサ２８を構成する光電変換部の配列の湾曲に
対応させて、走査線Ｌａを一致させることも可能であ
る。また、上述した実施形態では、透過型原稿Ｆに記録
された画像情報を読み取るようにしているが、反射型原
稿に対しても同様に適用できることは勿論である。

【００２５】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、照明光
をライン状に整形するスリット部材に形成されたスリッ
トが湾曲している場合、前記スリットの直線性の精度を
向上させることなく、前記湾曲に伴う照明光のラインの
湾曲を極めて容易に修正してラインセンサに導くことが
できる。この結果、高精度な画像の読み取りが可能であ
り、しかも極めて廉価な位置調整機構を提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施形態に係る照明位置調整機構が適用され
る画像読取装置の概略構成図である。

【図２】照明位置調整機構の斜視構成図である。

【図３】照明位置調整機構の断面図である。

【図４】照明位置調整機構の平面図である。

【図５】図５Ａおよび図５Ｂは、画像読取装置の概略的
な縦断面構成図および側面図である。

【図６】ＣＣＤラインセンサの概略断面構成図である。

【図７】スリットの湾曲とそれによってラインセンサ上
に形成される湾曲した走査線の説明図である。

【符号の説明】

２０…光源部 ２２…照明位
置調整機構 ２４…原稿カセット ２６…集光レ
ンズ ２８…ＣＣＤラインセンサ ３６…カバー
ガラス ３８…スリット部材 ４０…反射ミ
ラー ４２ａ、４２ｂ…シリンドリカルレンズ ４４…基台 ５９…変位部材 ６１…ブラケ
ット ６２ａ、６２ｂ…ユニット固定用ねじ ６３…調整ね
じ ６８…突起部 ７０…ばね部
材 ７２ａ、７２ｂ…カム部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光源からの照明光をスリット部材によって
   ライン状に整形した後、集光光学系を介して画像を担持
   した原稿に照射し、前記原稿による前記照明光の透過光
   または反射光を主走査方向に長尺なラインセンサにより
   受光する一方、前記原稿を前記主走査方向と直交する副
   走査方向に相対的に変位させることで前記画像を２次元
   的に読み取る画像読取装置に組み込まれる照明位置調整
   機構であって、 前記スリット部材と前記集光光学系との間に、前記スリ
   ット部材を通過した前記照明光を反射させて前記集光光
   学系に導く反射ミラーを配設し、前記反射ミラーを前記
   主走査方向と略直交する方向に湾曲させることで、前記
   ラインセンサを構成する光電変換部に沿って前記照明光
   からなる走査線を設定する整形手段を備えることを特徴
   とする照明位置調整機構。
2. 【請求項２】請求項１記載の機構において、前記整形手
   段は、前記反射ミラーの略中央部を前記スリット部材に
   対して所定量変位させる変位部材からなることを特徴と
   する照明位置調整機構。