JPH09303471A - 減衰力調整式油圧緩衝器 - Google Patents

減衰力調整式油圧緩衝器

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JPH09303471A
JPH09303471A JP14867396A JP14867396A JPH09303471A JP H09303471 A JPH09303471 A JP H09303471A JP 14867396 A JP14867396 A JP 14867396A JP 14867396 A JP14867396 A JP 14867396A JP H09303471 A JPH09303471 A JP H09303471A
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Japan
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passage
valve
chamber
pilot
damping force
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JP14867396A
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Akira Kashiwagi
明 柏木
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減衰力調整式油圧緩衝器において、伸び側と
縮み側で共通のパイロット形主減衰弁を用いて伸び側お
よび縮み側それぞれの減衰力を調整する。 【解決手段】 シリンダ2にピストンロッド4を連結し
たピストン3を嵌装する。シリンダ上下室2a,2bに、逆
止弁14,15を有する第1、第2通路11,12を接続し、こ
れらを主減衰弁16を有する主通路13によってリザーバ6
に接続する。シリンダ上下室2a,2bをそれぞれ第1、第
2副通路17,18によってリザーバ6に連通させる。第
1、第2副通路17,18に固定オリフィス19,20および減
衰力調整弁21を設け、これらの間を逆止弁25,26を有す
る第1、第2パイロット通路22,23によって主減衰弁16
のパイロット圧力導入部16a に接続する。減衰力調整弁
21の流路面積を調整することにより、伸び側および縮み
側それぞれのオリフィス特性を直接調整するともに、パ
イロット圧力を変化させて主減衰弁16の開弁圧力を調整
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、自動車等の車両の懸架装置等に
装着される減衰力調整式油圧緩衝器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両の懸架装置に装着される
油圧緩衝器には、路面状況、走行状況等に応じて乗り心
地および操縦安定性を向上させるために減衰力を適宜調
整できるようにした減衰力調整式油圧緩衝器がある。
【0003】減衰力調整式油圧緩衝器は、一般に、油液
を封入したシリンダ内にピストンロッドを連結したピス
トンを摺動可能に嵌装してシリンダ内を2室に画成し、
この2室間を連通させる連通路に減衰力調整弁を設け、
減衰力調整弁によって連通路の流路面積を変化させるこ
とによって減衰力を調整するようになっている。
【0004】また、減衰力調整式油圧緩衝器には、例え
ば特開平4−31227号公報に記載されたもののよう
に、ピストンの移動にともなって油液を流通させる油液
通路に設けられた減衰力発生弁の弁体の背部に背圧室を
形成し、この背圧室を固定オリフィスを介して油液通路
の減衰力発生弁の上流側に連通させ、また、可変オリフ
ィスを介して油液通路の減衰力発生弁の下流側に連通さ
せるようにしたものがある。
【0005】この減衰力調整式油圧緩衝器によれば、可
変オリフィスを開閉することによって油液の流路面積を
調整してオリフィス特性(減衰力がピストン速度の2乗
にほぼ比例する)を直接調整すると同時に、背圧室の圧
力を変化させて減衰力発生弁の開弁圧力を調整してバル
ブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)を調整
することができ、減衰力特性の調整範囲を広くすること
ができる。
【0006】さらに、本出願人は、伸び側および縮み側
の2系統の油液通路を設け、それぞれの油液通路に背圧
室を有する減衰力発生弁を設けるとともに、それぞれの
背圧室を固定オリフィスおよび可変オリフィスを介して
それぞれの油液通路に連通させることにより、伸び側と
縮み側とで独立して減衰力を調整できるようにした減衰
力調整式油圧緩衝器を提案している(特開平8−355
35号等参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の伸び側と縮み側とで独立して減衰力を調整可能とし
た減衰力調整式油圧緩衝器では次のような問題がある。
すなわち、伸び側と縮み側の減衰力発生弁が独立してお
り、それぞれに背圧室を有しているため、減衰力調整機
構が大型となり、油圧緩衝器の取付スペース上の制約が
大きい。また、一般に、減衰力調整弁を構成するスプー
ル弁のスプールは、ピストンロッドの伸縮にともなう慣
性力の影響を受けないように、その軸線方向をシリンダ
の軸線方向と直交するようにし、また、シリンダに対し
てオフセットして配置されるので、特に、減衰力調整弁
としてスプール弁を用いた場合には、減衰力調整弁のシ
リンダに対して直交方向の寸法が大きくなり、スペース
上の制約が問題となる。
【0008】また、伸び側と縮み側の減衰力発生弁が独
立しているため、それぞれの減衰力発生弁の部品精度の
ばらつきによって、伸び側および縮み側のそれぞれの減
衰力特性を正確に設定することが困難になる。
【0009】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、伸び側と縮み側の共用の減衰弁を用いて伸び側
および縮み側それぞれの減衰力を調整することができる
減衰力調整式油圧式緩衝器を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の減衰力調整式油圧緩衝器は、油液が封入
されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装され
前記シリンダ内を第1、第2室に画成するピストンと、
一端が前記ピストンに連結され他端が前記シリンダの外
部へ延出されたピストンロッドと、油液およびガスが封
入されたリザーバと、該リザーバから前記第1室への油
液の流通のみを許容する逆止弁を有する第1圧力補償路
と、前記リザーバから前記第2室への油液の流通のみを
許容する逆止弁を有する第2圧力補償路と、前記第1室
に接続された第1通路および前記第2室に接続された第
2通路を前記リザーバに接続する主通路と、前記第1通
路の第1室側から主通路側への油液の流通のみを許容す
る第1逆止弁と、前記第2通路の前記第2室側から主通
路側への油液の流通のみを許容する第2逆止弁と、前記
主通路の油液の流動を制御して減衰力を発生させるとと
もにパイロット圧に応じて減衰力を調整するパイロット
形主減衰弁と、前記第1室と前記リザーバとを連通させ
る第1副通路と、前記第2室と前記リザーバとを連通さ
せる第2副通路と、前記第1副通路に設けられた第1固
定オリフィスと、前記第2副通路に設けられた第2固定
オリフィスと、前記第1、第2固定オリフィスよりも前
記リザーバ側に設けられ前記第1および第2副通路の流
路面積を調整する減衰力調整弁と、前記第1副通路の第
1固定オリフィスと減衰力調整弁との間を前記パイロッ
ト形主減衰弁のパイロット圧力導入部に接続する第1パ
イロット通路と、前記第2副通路の第2固定オリフィス
と減衰力調整弁との間を前記パイロット圧力導入部に接
続する第2パイロット通路と、前記第1パイロット通路
の第1副通路側からパイロット圧力導入部側への油液の
流通のみを許容する第1パイロット逆止弁と、前記第2
パイロット通路の第2副通路側からパイロット圧力導入
部側への油液の流通のみを許容する第2パイロット逆止
弁と、前記パイロット圧力導入部と前記リザーバとを連
通させるオリフィス通路とを備えてなることを特徴とす
る。
【0011】このように構成したことにより、ピストン
の移動によって第1室が加圧されると、第1室側の油液
は、第1通路および主通路を通って、また、第1副通路
を通ってリザーバへ流れ、主通路のパイロット形主減衰
弁および減衰力調整弁によって減衰力が発生し、減衰力
調整弁によって第1副通路の流路面積を直接調整すると
もに第1パイロット通路からパイロット圧力導入部に導
入されるパイロット圧力を変化させてパイロット形主減
衰弁の開弁圧力を調整することができる。このとき、リ
ザーバの油液が第2圧力補償路を通って第2室に流れ、
また、第2逆止弁が閉じて第2通路には油液の流れが生
じない。また、ピストンの移動によって第2室が加圧さ
れると、第2室の油液は、第2通路および主通路を通っ
て、また、第2副通路を通ってリザーバへ流れ、主通路
のパイロット形主減衰弁および減衰力調整弁によって減
衰力が発生し、減衰力調整弁によって第2副通路の流路
面積を直接調整するともに第2パイロット通路からパイ
ロット圧力導入部に導入されるパイロット圧力を変化さ
せてパイロット形主減衰弁の開弁圧力を調整することが
できる。このとき、リザーバ室の油液が第1圧力補償路
を通って第1室に流れ、また、第1逆止弁が閉じて第1
通路には油液の流れが生じない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0013】本実施形態の減衰力調整式油圧緩衝器の油
圧回路について、図1を参照して説明する。図1に示す
ように、減衰力調整式油圧緩衝器1は、油液が封入され
たシリンダ2内にピストン3が摺動可能に嵌装されてお
り、このピストン3によってシリンダ2内がシリンダ上
室2a(第1室)とシリンダ下室2b(第2室)との2室に
画成されている。ピストン3には、ピストンロッド4の
一端が連結されており、ピストンロッド4は、シリンダ
上室2aを通ってその他端側がシリンダ2の端部に装着さ
れたシール部材(図示せず)に挿通されて外部へ延出さ
れている。シリンダ下室2bには、シリンダ2の端部に設
けられたベースバルブ5を介して油液およびガスが封入
されたリザーバ6が接続されている。
【0014】シリンダ上室2aとリザーバ6とが圧力補償
路7によって連通されており、圧力補償路7にはリザー
バ6側からシリンダ上室2a側への油液の流通のみを許容
する逆止弁8が設けられている。また、ベースバルブ5
には、シリンダ下室2bとリザーバ6とを連通させる圧力
補償路9が設けられており、圧力補償路9には、リザー
バ6側からシリンダ下室2b側への油液の流通のみを許容
する逆止弁10が設けられている。
【0015】シリンダ上室2aには、第1通路11が接続さ
れ、シリンダ下室2bには第2通路12が接続されており、
第1および第2通路11,12は、主通路13によってリザー
バ6に接続されている。第1通路11には、シリンダ上室
2a側から主通路13側への油液の流通のみを許容する逆止
弁14(第1逆止弁)が設けられている。第2通路12に
は、シリンダ下室2b側から主通路13側への油液の流通の
みを許容する逆止弁15(第2逆止弁)が設けられてい
る。主通路13には、パイロット形主減衰弁16(以下、主
減衰弁16という)が設けられている。
【0016】シリンダ上室2aとリザーバ6とは、第1通
路11の逆止弁14および主通路13の主減衰弁16に対して並
列に配置された第1副通路17によって互いに連通されて
いる。また、シリンダ下室2bとリザーバ6とは、第2通
路12の逆止弁15および主通路13の主減衰弁16に対して並
列に配置された第2副通路18によって互いに連通されて
いる。第1および第2副通路17,18には、それぞれ固定
オリフィス19,20(第1、第2固定オリフィス)が設け
られており、固定オリフィス19,20の下流側に減衰力調
整弁21が設けられている。
【0017】主減衰弁16は、パイロット形圧力制御弁で
あり、主通路13の油液の圧力を受けて開弁してその開度
に応じて減衰力を発生させ、パイロット圧力導入部16a
に導入されるパイロット圧力の上昇にともなって開弁圧
力が高くなるようになっている。そして、パイロット圧
力導入部16a は、第1パイロット通路22によって、第1
副通路17の固定オリフィス19と減衰力調整弁21との間に
接続され、第2パイロット通路23によって、第2副通路
18の固定オリフィス20と減衰力調整弁21との間に接続さ
れており、また、オリフィス27を有するオリフィス通路
24によって主通路13のリザーバ6側に接続されている。
第1パイロット通路22には第1副通路17側からパイロッ
ト圧力導入部16a 側への油液の流通のみを許容する逆止
弁25(第1パイロット逆止弁)が設けられている。第2
パイロット通路23には第2副通路18側からパイロット圧
力導入部16a 側への油液の流通のみを許容する逆止弁25
(第2パイロット逆止弁)が設けられている。
【0018】減衰力調整弁21は、電磁式比例流量制御弁
であり、ソレノイドへの通電電流に応じてスプール等の
弁体を移動させることによって第1および第2副通路1
7,18の流路面積をそれぞれ調整できるようになってい
る。このとき、第1および第2副通路17,18の一方の流
路面積を小とすると他方が大となり、また、一方の流路
面積を大とすると他方が小となるようになっている。
【0019】以上のように構成した本実施形態の作用に
ついて次に説明する。
【0020】ピストンロッド4の伸び行程時には、ピス
トン3の移動にともない、シリンダ上室2a側の油液が加
圧されて、逆止弁14を開いて第1通路11および主通路13
を通ってリザーバ6へ流れ、また、第1副通路17を通っ
てリザーバ6へ流れる。このとき、ベースバルブ5の逆
止弁10が開いて油液が圧力補償路9を通ってリザーバ6
からシリンダ下室2bへ流れる。一方、逆止弁8,15が閉
じるので、圧力補償路7および第2通路12には油液の流
れが生じない。
【0021】ピストン速度が小さく、主減衰弁16の開弁
前は、第1副通路17の固定オリフィス19および減衰力調
整弁21によってオリフィス特性の減衰力が発生する。そ
して、減衰力調整弁21の流路面積を変化させることによ
って減衰力を調整することができる。
【0022】ピストン速度が大きくなり、シリンダ上室
2a側の圧力が上昇して主減衰弁16が開くと、その開度に
応じてバルブ特性の減衰力が発生する。このとき、減衰
力調整弁21の流路面積が小さいほど、それによる圧力損
失が大きく、その上流側の圧力が高くなるので、第1パ
イロット通路22から逆止弁25を介してパイロット圧力導
入部16a に導入されるパイロット圧力が高くなり、主減
衰弁16の開弁圧力が高くなる。したがって、減衰力調整
弁21によって、第1副通路17の流路面積(オリフィス特
性)を直接調整するとともに、パイロット圧力を変化さ
せて主減衰弁16の開弁圧力(バルブ特性)を調整するこ
とができる。なお、逆止弁26が閉じるので第2パイロッ
ト通路23には油液の流れが生じない。また、パイロット
圧力導入部16a の圧油は、オリフィス通路24からオリフ
ィス27によって所定の遅れをもってリザーバ6側へ逃が
される。
【0023】ピストンロッド4の縮み行程時には、ピス
トン3の移動にともない、シリンダ下室2b側の油液が加
圧されて、逆止弁15を開いて第2通路12および主通路13
を通ってリザーバ6へ流れ、また、第2副通路18を通っ
てリザーバ6へ流れる。このとき、逆止弁8が開いて油
液が圧力補償路7を通ってリザーバ6からシリンダ上室
2aへ流れる。一方、逆止弁10,14が閉じるので、圧力補
償路9および第1通路11には油液の流れが生じない。
【0024】ピストン速度が小さく、主減衰弁16の開弁
前は、第2副通路18の固定オリフィス20および減衰力調
整弁21によってオリフィス特性の減衰力が発生する。そ
して、減衰力調整弁21の流路面積を変化させることによ
って減衰力を調整することができる。
【0025】ピストン速度が大きくなり、シリンダ下室
2b側の圧力が上昇して主減衰弁16が開くと、その開度に
応じてバルブ特性の減衰力が発生する。このとき、減衰
力調整弁21の流路面積が小さいほど、それによる圧力損
失が大きく、その上流側の圧力が高くなるので第2パイ
ロット通路23から逆止弁26を介してパイロット圧力導入
部16a に導入されるパイロット圧力が高くなり、主減衰
弁16の開弁圧力が高くなる。したがって、減衰力調整弁
21によって、第2副通路18の流路面積(オリフィス特
性)を直接調整するとともに、パイロット圧力を変化さ
せて主減衰弁16の開弁圧力(バルブ特性)を調整するこ
とができる。なお、逆止弁25が閉じるのでて第1パイロ
ット通路22には油液の流れが生じない。また、パイロッ
ト圧力導入部16a の圧油は、オリフィス通路24からオリ
フィス27によって所定の遅れをもってリザーバ6側へ逃
がされる。
【0026】このように、伸び側と縮み側の共用の主減
衰弁16および減衰力調整弁21によって伸び側と縮み側の
減衰力特性をそれぞれ調整することができ、伸び側と縮
み側で減衰弁16を共用することによって油圧緩衝器を小
型化することができる。また、減衰力調整弁21は、第1
および第2副通路17,18の一方の流路面積を小とすると
他方が大となり、また、一方の流路面積を大とすると他
方が小となるようになっているので、伸び側と縮み側と
で大小異なる種類の減衰力特性の組合せ(例えば、伸び
側がソフトのとき縮み側がハードまたは伸び側がハード
のとき縮み側がソフトの組合せ)を設定することができ
る。
【0027】次に、上記実施形態の減衰力調整式油圧緩
衝器1の減衰力調整機構の構造をさらに具体的に示す第
1および第2実施形態について図2および図3を参照し
て説明する。なお、図1に示すものと同様の部分には同
一の番号を付して異なる部分についてのみ詳細に説明す
る。
【0028】第1実施形態について図2を用いて説明す
る。図2に示すように、シリンダ2の側面部に取付けら
れる減衰力調整機構28は、有底筒状のケース29の側壁に
シリンダ上室2aに接続される油路30が設けられ、底部に
シリンダ下室2bに連通する油路31が設けられており、開
口部側がリザーバ6に連通されるようになっている。ケ
ース29内の底部に環状のバルブ部材32が取付けられ、そ
の上にバルブ部材32よりも小径の環状のバルブ部材33が
重ねて設けられており、さらに、その上にバルブ部材32
よりも大径の環状のバルブ部材34が重ねて設けられてい
る。バルブ部材32,33,34は、バルブ部材34の上に重ね
て設けられた略円筒状の固定部材35とともに、ケース29
の底部に固定されてケース29内にその軸心に沿って延ば
された略円筒状のガイド部材36が挿通され、その先端部
に螺着されたナット37によって固定されている。
【0029】バルブ部材34は、その外周部がケース29の
内壁に嵌合されており、バルブ部材34によってケース29
内がリザーバ6に連通する油室38と油路30に連通する油
室39とに画成されている。また、バルブ部材32の外周部
には、円筒状の仕切部材40の一端部が嵌合され、仕切部
材40の他端部がバルブ部材34の端面に形成された環状凸
部41に嵌合されており、仕切部材40によって油室39内に
さらに油室42が画成されている。
【0030】バルブ部材32には、油室39と油室42とを連
通させる油路43およびこの油路43の油室39側から油室42
側への油液の流通のみを許容する円板状の逆止弁44(第
1逆止弁)が設けられている。バルブ部材33には、バル
ブ部材32に設けられた油路45を介して油路31と油室42と
を連通させる油路46およびこの油路46の油路31側から油
室42側への油液の流通のみを許容する円板状の逆止弁47
(第2逆止弁)が設けられている。
【0031】バルブ部材34には、その内周側に油室42と
油室38とを連通させる油路48が設けられており、その外
周側に油室39と油室38とを連通させる油路49が設けられ
ている。そして、バルブ部材34には、油路48の油液の流
動を制御して減衰力を発生させるディスクバルブ50(主
減衰弁)が設けられており、また、油路48の油室38側か
ら油室39側への油液の流通のみを許容する円板状の逆止
弁51が設けられている。
【0032】そして、油路30、油室39、および逆止弁44
(第1逆止弁)を有する油路43によってシリンダ上室2a
に接続される第1通路が構成されている。油路31、油路
45および逆止弁47(第2逆止弁)を有する油路46によっ
てシリンダ下室2bに接続される第2通路が構成されてい
る。また、油室42、ディスクバルブ50(主減衰弁)を有
する油路48および油室38によって、上記第1および第2
通路をリザーバ6に接続する主通路が構成されている。
【0033】固定部材35の外周部に円筒状の可動部材52
が摺動可能に嵌合されている。可動部材52の一端部の内
側には、フランジ部53が形成されており、フランジ部53
の外側の端部に形成された環状凸部53a がディスクバル
ブ50の背面側に当接されている。そして、内周部がガイ
ド部材に固定された円板状の板ばね54の外周部がフラン
ジ部53の内側に当接して可動部材52をディスクバルブ50
の背面側に押しつけている。そして、固定部材35と可動
部材52と板ばね54との間に背圧室55(パイロット圧力導
入部)が形成されており、背圧室55の内部の油液の圧力
がディスクバルブ50の閉弁方向に作用するようになって
いる。また、可動部材52の側壁には、背圧室55を油室38
に連通させるオリフィス通路56が設けられている。
【0034】ガイド部材36の側壁には、油路31に連通す
る固定オリフィスとして作用するポート57(第2固定オ
リフィス)およびバルブ部材32に設けられた油路58を介
して油室39に連通する固定オリフィスとして作用するポ
ート59(第1固定オリフィス)が設けられている。ま
た、ガイド部材36の側壁には、固定部材35に対向する部
位にポート60,61,62,63が設けられている。そして、
固定部材35には、ポート60,62をそれぞれ背圧室55に連
通させる第1パイロット通路64および第2パイロット通
路65が設けられている。第1パイロット通路64には、ポ
ート60側から背圧室55側への油液の流通のみを許容する
ボールチェック弁66(第1パイロット逆止弁)が設けら
れており、第2パイロット通路65には、ポート62側から
背圧室55側への油液の流通のみを許容するボールチェッ
ク弁67(第2パイロット逆止弁)が設けられている。ま
た、固定部材35には、ポート61およびポート63をそれぞ
れ油室38に連通させる油路68,69が設けられている。
【0035】ガイド部材36内には、スプール70が摺動可
能に嵌装されている。スプール70には、ガイド部材36の
ポート59,60,61間を連通させる弁溝71が設けられてお
り、弁溝71は、スプール70の軸方向位置に応じてポート
61との流路面積を変化させるようになっている。また、
スプール70には、ガイド部材36のポート57,62,63間を
連通させる油路72が設けられており、油路72は、スプー
ル70の軸方向位置に応じてポート63との流路面積を変化
させるようになっている。このとき、スプール70の軸方
向位置に応じてポート61およびポート63の一方の流路面
積が大のとき他方の流路面積が小となり、一方の流路面
積が小のとき他方の流路面積が大となるようになってい
る。そして、ガイド部材36およびスプール70によって減
衰力調整弁を構成しており、ソレノイドアクチュエータ
(図示せず)の作動ロッド73によってスプール70を戻し
ばね74の付勢力に抗して軸方向に移動させることによ
り、ポート61,63の流路面積をそれぞれ調整するように
なっている。
【0036】そして、油路30、油室39、油路58、ポート
59、弁溝71、ポート61、油路68および油室38によって、
シリンダ上室2aとリザーバ6とを連通させる第1副通路
が構成されている。また、油路31、ポート57、油路72、
ポート63、油路69および油室38によって、シリンダ下室
2bとリザーバ6とを連通させる第2副通路が構成されて
いる。
【0037】なお、減衰力発生機構28は、スプール70の
軸線方向が、シリンダ2の軸線方向に対してほぼ直交す
るように、また、シリンダ2に対してオフセットして配
置されるようにしてシリンダ2の側面部に取付けられて
いる。
【0038】以上のように構成した第1実施形態の作用
について次に説明する。
【0039】ピストンロッド4の伸び行程時には、ピス
トン3の移動にともない、シリンダ上室2a側の油液が加
圧されて、減衰力調整機構28の油路30、油室39、油路43
を通って逆止弁44を開き、油室42、ディスクバルブ50を
有する油路48および油室38を通ってリザーバ6へ流れ
る。また、油室39から油路58、ポート59、スプール70の
弁溝71、ポート61、油路68および油室38を通ってリザー
バ6へ流れる。このとき、ベースバルブ5の逆止弁10が
開いて油液が圧力補償路9を通ってリザーバ6からシリ
ンダ下室2bへ流れる。一方、減衰力調整機構28の逆止弁
47,51が閉じるので、油路46および油路49には油液の流
れが生じない。
【0040】ピストン速度が小さく、ディスクバルブ50
の開弁前は、ポート59(固定オリフィス)およびポート
61(可変オリフィス)によってオリフィス特性の減衰力
が発生する。そして、スプール70を移動させてポート61
の流路面積を変化させることによって減衰力を調整する
ことができる。
【0041】ピストン速度が大きくなり、シリンダ上室
2a側の圧力が上昇してディスクバルブ50が開くと、その
開度に応じてバルブ特性の減衰力が発生する。このと
き、ポート61の流路面積が小さいほど、それによる圧力
損失が大きく、その上流側の圧力が高くなるのでポート
60および第1パイロット通路64からボールチェック弁66
を介して背圧室55に導入される油液の圧力(パイロット
圧力)が高くなり、ディスクバルブ50の開弁圧力が高く
なる。したがって、スプール70を移動させることによっ
てポート61の流路面積(オリフィス特性)を直接調整す
るとともに、背圧室55の圧力を変化させてディスクバル
ブ50の開弁圧力(バルブ特性)を調整することができ
る。なお、ボールチェック弁67が閉じて第2パイロット
通路65は閉鎖される。また、背圧室55の圧油は、オリフ
ィス通路56によって所定の遅れをもって油室38すなわち
リザーバ6側へ逃がされる。
【0042】ピストンロッド4の縮み行程時には、ピス
トン3の移動にともない、シリンダ下室2b側の油液が加
圧されて、減衰力調整機構28の油路31、油路45、油路46
を通って逆止弁47を開き、油室42、ディスクバルブ50を
有する油路48および油室38を通ってリザーバ6へ流れ
る。また、油路31からポート57、スプール70の油路72、
ポート63、油路69および油室38を通ってリザーバ6へ流
れる。このとき、逆止弁51が開いて油液が油室38、油路
49および油室39を通ってリザーバ6からシリンダ上室2a
へ流れる。一方、逆止弁10,44が閉じるので、圧力補償
路9および油路43には油液の流れが生じない。
【0043】ピストン速度が小さく、ディスクバルブ50
の開弁前は、ポート57(固定オリフィス)およびポート
63(可変オリフィス)によってオリフィス特性の減衰力
が発生する。そして、スプール70を移動させてポート63
の流路面積を変化させることによって減衰力を調整する
ことができる。
【0044】ピストン速度が大きくなり、シリンダ下室
2b側の圧力が上昇してディスクバルブ50が開くと、その
開度に応じてバルブ特性の減衰力が発生する。このと
き、ポート63の流路面積が小さいほど、それによる圧力
損失が大きく、その上流側の圧力が高くなるのでポート
62および第2パイロット通路65からボールチェック弁67
を介して背圧室55に導入される油液の圧力(パイロット
圧力)が高くなり、ディスクバルブ50の開弁圧力が高く
なる。したがって、スプール70を移動させることによっ
てポート63の流路面積(オリフィス特性)を直接調整す
るとともに、背圧室55の圧力を変化させてディスクバル
ブ50の開弁圧力(バルブ特性)を調整することができ
る。なお、ボールチェック弁66が閉じて第1パイロット
通路64は閉鎖される。また、背圧室55の圧油は、オリフ
ィス通路56によって所定の遅れをもって油室38すなわち
リザーバ6側へ逃がされる。
【0045】このように、伸び側と縮み側で共用のディ
スクバルブ50、背圧室55およびスプール70を用いて伸び
側と縮み側の減衰力特性をそれぞれ調整することができ
るので、従来のものに比して減衰力調整機構28の軸性方
向の寸法を小さくすることができ、減衰力調整式油圧緩
衝器を小型化することができる。また、スプール70は、
ポート61,63の一方の流路面積を小とすると他方が大と
なり、また、一方の流路面積を大とすると他方が小とな
るようになっているので、伸び側と縮み側とで大小異な
る種類の減衰力特性の組合せ(例えば、伸び側がソフト
のとき縮み側がハードまたは伸び側がハードのとき縮み
側がソフトの組合せ)を設定することができる。また、
伸び側および縮み側の主減衰弁として共通のディスクバ
ルブ50および背圧室55を用いているので、伸び側と縮み
側との部品精度のばらつきがなく、伸び側および縮み側
それぞれの減衰力特性を正確に設定することできる。
【0046】次に、第2実施形態について図3を参照し
て説明する。なお、第2実施形態は、上記第1実施形態
に対して減衰力調整機構の固定部材の逆止弁および背圧
室のオリフィス通路(パイロット圧リリーフ通路)の構
造が異なる以外は概して同様の構造であるから、減衰力
調整機構のみを図示し、第1実施形態のものと同様の部
分には同一の番号を付して異なる部分についてのみ詳細
に説明する。
【0047】図3に示すように、第2実施形態の減衰力
調整機構75では、ガイド部材36に取付けられた略円筒状
の固定部材76は、ケース77内に2つの環状のバルブ部材
78,79が嵌合されている。ケース77には、バルブ部材78
に設けられた油路80を介してガイド部材36のポート60を
背圧室55に連通させる油路81が設けられており、バルブ
部材78には、油路80のポート60側から背圧室55側への油
液の流通のみを許容する円板状の逆止弁82(第1パイロ
ット逆止弁)が設けられている。また、ケース78には、
バルブ部材79に設けられた油路83を介してガイド部材36
のポート62を背圧室55に連通させる油路84が設けられて
おり、バルブ部材79には、油路83のポート62側から背圧
室55側への油液の流通のみを許容する逆止弁85(第2パ
イロット逆止弁)が設けられている。そして、油路80お
よび油路81によって第1パイロット通路が構成されてお
り、油路83および油路84によって第2パイロット通路が
構成されている。また、固定部材76には、ポート61を油
室38に連通させる油路86が設けられている。なお、ポー
ト63は、油室38に直接連通されている。
【0048】本実施形態の減衰力調整機構75では、板ば
ね54にオリフィス87が設けられ、可動部材52の環状凸部
53a に切欠53b が設けられており、背圧室55がオリフィ
ス87および切欠53b を介して油室38すなわちリザーバ6
側に連通されている。そして、オリフィス87および切欠
53b によて背圧室55をリザーバ6側に連通させるオリフ
ィス通路が構成されている。
【0049】このように構成した第2実施形態の減衰力
調整機構75は、上記第1実施形態のものと同様に作動す
るので、その作用、効果の説明は省略する。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の減衰力調
整式油圧緩衝器によれば、伸び側と縮み側で共通のパイ
ロット形主減衰弁を用いて伸び側および縮み側それぞれ
の減衰力特性を調整することができるので、伸び側と縮
み側で独立した主減衰弁を有する従来のものに比して小
型化を図ることができる。また、伸び側と縮み側で共通
の主減衰弁を用いているので、伸び側と縮み側の部品精
度のばらつきがなく、伸び側および縮み側それぞれの減
衰力特性を正確に設定することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の減衰力調整式油圧緩衝器
の回路図である。
【図2】図1の装置のより具体的な構造を示す第1実施
形態の減衰力調整機構の縦断面図である。
【図3】図1の装置のより具体的な構造を示す第2実施
形態の減衰力調整機構の縦断面図である。
【符号の説明】
1 減衰力調整式油圧緩衝器 2 シリンダ 2a シリンダ上室(第1室) 2b シリンダ下室(第2室) 3 ピストン 4 ピストンロッド 6 リザーバ 7 第1圧力補償路 8 逆止弁 9 第2圧力補償路 10 逆止弁 11 第1通路 12 第2通路 13 主通路 14 第1逆止弁 15 第2逆止弁 16 パイロット形主減衰弁 16a パイロット圧力導入部 17 第1副通路 18 第2副通路 19 固定オリフィス(第1固定オリフィス) 20 固定オリフィス(第2固定オリフィス) 21 減衰力調整弁 22 第1パイロット通路 23 第2パイロット通路 24 オリフィス通路 25 第1パイロット逆止弁 26 第2パイロット逆止弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油液が封入されたシリンダと、該シリン
    ダ内に摺動可能に嵌装され前記シリンダ内を第1、第2
    室に画成するピストンと、一端が前記ピストンに連結さ
    れ他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッ
    ドと、油液およびガスが封入されたリザーバと、該リザ
    ーバから前記第1室への油液の流通のみを許容する逆止
    弁を有する第1圧力補償路と、前記リザーバから前記第
    2室への油液の流通のみを許容する逆止弁を有する第2
    圧力補償路と、前記第1室に接続された第1通路および
    前記第2室に接続された第2通路を前記リザーバに接続
    する主通路と、前記第1通路の第1室側から主通路側へ
    の油液の流通のみを許容する第1逆止弁と、前記第2通
    路の前記第2室側から主通路側への油液の流通のみを許
    容する第2逆止弁と、前記主通路の油液の流動を制御し
    て減衰力を発生させるとともにパイロット圧に応じて減
    衰力を調整するパイロット形主減衰弁と、前記第1室と
    前記リザーバとを連通させる第1副通路と、前記第2室
    と前記リザーバとを連通させる第2副通路と、前記第1
    副通路に設けられた第1固定オリフィスと、前記第2副
    通路に設けられた第2固定オリフィスと、前記第1、第
    2固定オリフィスよりも前記リザーバ側に設けられ前記
    第1および第2副通路の流路面積を調整する減衰力調整
    弁と、前記第1副通路の第1固定オリフィスと減衰力調
    整弁との間を前記パイロット形主減衰弁のパイロット圧
    力導入部に接続する第1パイロット通路と、前記第2副
    通路の第2固定オリフィスと減衰力調整弁との間を前記
    パイロット圧導入部に接続する第2パイロット通路と、
    前記第1パイロット通路の第1副通路側からパイロット
    圧力導入部側への油液の流通のみを許容する第1パイロ
    ット逆止弁と、前記第2パイロット通路の第2副通路側
    からパイロット圧力導入部側への油液の流通のみを許容
    する第2パイロット逆止弁と、前記パイロット圧力導入
    部と前記リザーバとを連通させるオリフィス通路とを備
    えてなることを特徴とする減衰力調整式油圧緩衝器。
JP14867396A 1996-05-20 1996-05-20 減衰力調整式油圧緩衝器 Pending JPH09303471A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11287281A (ja) * 1998-03-31 1999-10-19 Tokico Ltd 減衰力調整式油圧緩衝器
EP1327793A1 (fr) * 2002-01-10 2003-07-16 Peugeot Citroen Automobiles SA Amortisseur hydraulique à compensation adaptable

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JPH11287281A (ja) * 1998-03-31 1999-10-19 Tokico Ltd 減衰力調整式油圧緩衝器
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