JPH09302763A - 屋外排水設備における凍結防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地表に比較的近い位置に排水桝を設置できる
等、その設置条件を緩和することができ、しかもその場
合でも、確実に排水桝の凍結を防止することができる屋
外排水設備における凍結防止装置を提供する。 【解決手段】 建物の屋内側から屋外側への排水管の途
中に排水桝１を設置してなる屋外排水設備において、前
記排水桝１より上流側の排水管４に凍結防止用のヒータ
７を設けると共に、前記排水桝１に凍結防止用の加熱機
構１０、１２、１６を付設してなる屋外排水設備におけ
る凍結防止装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、寒冷地における建
物の屋外排水設備に関し、特に屋内側から屋外側への排
水管の途中に排水桝を設置して排水する屋外排水設備に
おける凍結防止装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図６は建物の屋外排水設備の基本構成を
示すもので、屋外側の地中２０に排水桝２１を設置し、
この排水桝２１に屋内側からの排水管２２を接続すると
共に、流出側の排水管２３を接続して、排水するように
している。寒冷地における建物２４の屋外排水設備は、
その気象条件により凍結深度が経験的に決まっているた
め、通常はその凍結深度よりも深い位置に排水桝２１を
設置するのが一般的である。

【０００３】しかしながら、排水系統の流末のレベル、
あるいは建築駆体に絡む条件等によっては、排水桝２１
を凍結深度よりも深い位置に設置することが困難な場合
が生じる。このような場合、冬期に排水桝２１の周囲の
温度が下がり過ぎると、排水桝２１が凍結する可能性が
あり、排水桝２１に流入した排水が溢れ出す恐れがある
ため、設置条件に制約があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、寒冷
地にあっても、地表に比較的近い位置に排水桝を設置す
ることができる等、その設置条件を緩和できる屋外排水
設備における凍結防止装置を提供することにある。本発
明のもう一つの課題は、地表に比較的近い位置に排水桝
を設置しても、確実に凍結を防止して速やかに排水する
ことができる屋外排水設備における凍結防止装置を提供
することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、本発明に係る屋外排水設備における凍結防止装置
は、建物の屋内側から屋外側への排水管の途中に排水桝
を設置してなる屋外排水設備において、前記排水桝より
上流側の排水管に凍結防止用のヒータを設けると共に、
前記排水桝に凍結防止用の加熱機構を付設してなること
を特徴とするもので、排水桝より上流側の排水管に凍結
防止用のヒータを設け、排水桝に凍結防止用の加熱機構
を付設して排水桝を加熱することにより、いかなる条件
下においても排水桝の凍結を防止し、凍結による排水の
溢出流を防止することができる。

【０００６】また、本発明に係る屋外排水設備における
凍結防止装置は、前記加熱機構を、前記排水桝に接続さ
れ、同排水桝内に常時一定量の井水又は温水を供給する
井水管又は温水管により構成してなることを特徴とする
もので、排水桝内に井水管又は温水管を介して常時一定
量の井水又は温水を供給しておくことにより、この井水
又は温水の熱で排水桝を加熱し、その凍結を防止するこ
とができる。

【０００７】また、本発明に係る屋外排水設備における
凍結防止装置は、前記加熱機構を、前記排水桝に付設さ
れ、井水又は温水を流す井水又は温水ヒータにより構成
してなることを特徴とするもので、このように排水桝に
井水又は温水を流す井水又は温水ヒータを付設し、同ヒ
ータを介して井水又は温水により排水桝を加熱すること
により、その凍結を防止することができる。

【０００８】また、本発明に係る屋外排水設備における
凍結防止装置は、前記加熱機構を、前記排水桝に付設さ
れた電気ヒータにより構成してなることを特徴とするも
ので、排水桝に付設した電気ヒータにより排水桝を加熱
することによって、その凍結を防止することができる。

【０００９】更に、本発明に係る屋外排水設備における
凍結防止装置は、前記排水管の凍結防止用のヒータを、
電気ヒータにより構成し、その外側に防水保温材を巻い
てなることを特徴とするもので、地上から配管される排
水桝より上流側の排水管の凍結防止用のヒータを電気ヒ
ータとなし、その外側に防水保温材を巻き付けることに
より、気象条件や凍結深度に係わりなく、排水管の凍結
を防止することができる。

【００１０】更にまた、本発明に係る屋外排水設備にお
ける凍結防止装置は、前記排水桝の流出側の排水管が凍
結深度より浅い場合、同排水管に凍結防止用のヒータを
付設してなることを特徴とするもので、排水桝の流出側
の排水管が凍結深度より浅くなる場合でも、同排水管に
凍結防止用のヒータを付設することによって、その凍結
を防止することができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図１
乃至図５に基づいて説明する。図１は本発明の第１の実
施形態に係る屋外排水設備における凍結防止装置の構成
を示す縦断面図、図２はその排水管の構成を示す断面
図、図３は本発明の第２の実施形態に係る屋外排水設備
における凍結防止装置の構成を示す縦断面図、図４はそ
の井水又は温水ヒータの構成を示す鳥瞰図、図５は本発
明の第３の実施形態に係る屋外排水設備における凍結防
止装置の構成を示す縦断面図である。

【００１２】１は建物の屋外に設置される排水桝で、内
部に保温材２を設けたコンクリート構造であり、上部に
蓋３を有している。排水桝１の上流側には屋内からの排
水管４が接続され、排水桝１の下流側には流出側の排水
管５が接続されている。排水管４は、図２に示すように
鋼管６の周りに凍結防止用の線状発熱体よりなるヒータ
７を螺旋状に巻き、その外側にスタイロフォーム等の保
温材８を巻き、更にその外側にカラー鉄板ラッキング９
を施した構成とされている。

【００１３】また、排水桝１には、排水桝１の凍結を防
止するための加熱機構として、排水桝１内に常時一定量
の井水又は温水を供給する井水管又は温水管１０が接続
されている。この井水管又は温水管１０には、止水弁１
１が設けられている。なお、排水桝１が凍結深度より浅
い位置に設置される場合で、流出側の排水管５も凍結深
度より浅い位置に設置されることになる場合は、その部
分を排水管４と同様にヒータ７を螺旋状に巻く等の凍結
防止対策を施した排水管とする必要がある。

【００１４】しかして、上記の実施形態によると、寒冷
地において、排水系統の流末のレベル、あるいは建築駆
体に絡む条件等により排水桝１を凍結深度よりも深い位
置に設置できない場合でも、排水管４を凍結防止用のヒ
ータ７によって加熱することにより、その凍結を防止す
ることができると共に、排水桝１には井水管又は温水管
１０を介して常時一定量の井水又は温水を供給しておく
ことにより、この井水又は温水によって排水桝１をその
内部側から直接加熱することができるため、排水桝１の
凍結を防止することができる。

【００１５】従って、寒冷地にあっても、地表に比較的
近い位置に排水桝１を設置することができる等、その設
置条件を緩和できると共に、地表に比較的近い位置に排
水桝１を設置しても、確実に凍結を防止することができ
るため、速やかに排水を行うことができる。特に、排水
桝１の加熱源として井水を利用することによって、電気
エネルギーを不要とし、加熱のためのエネルギーを最小
限に抑えることができるため、省エネルギー化を図るこ
とができる。

【００１６】また、この場合、温度と水量の設定によっ
ては、排水桝１より下流側の排水管５の凍結をも同時に
防止することができる。更に、排水桝１を加熱する必要
がない時期等においては、井水管又は温水管１０に設け
られている止水弁１１を閉め、井水又は温水の供給を停
止しておくことにより、無駄なエネルギー消費をなくす
ることができる。

【００１７】なお、上記の実施形態では、井水管又は温
水管１０を排水桝１に接続し、常時一定量の井水又は温
水を排水桝１内に供給し、排水桝１を内部から直接加熱
するようにしているが、図３に示すように排水桝１の底
面に井水又は温水を流す井水又は温水ヒータ１２を付設
し、同ヒータ１２に井水又は温水を流すことによって排
水桝１を間接的に加熱するように構成してもよい。

【００１８】この場合、井水又は温水ヒータ１２は、図
４に示すように一対のヘッダ１３、１４間に多数の伝熱
管１５を平行に配設した構成とし、一方のヘッダ１３に
井水又は温水を供給し、同ヘッダ１３から多数の伝熱管
１５に同時平行的に井水又は温水を流し、他方のヘッダ
１４により合流して排出するようにするか、あるいは伝
熱管を排水桝１の底面に蛇行状に配設して構成すること
ができ、この井水又は温水ヒータ１２に常時一定量の井
水又は温水を流しておくことにより、第１の実施形態と
同様の作用効果を期待することができる。

【００１９】更に、図５に示すように排水桝１の凍結を
防止するための加熱機構として、排水桝１の底面に面状
発熱体等よりなる電気ヒータ１６を設け、この電気ヒー
タ１６により排水桝１を加熱することによって、排水桝
１の凍結を防止するようにしてもよく、この実施形態に
よっても、上記の実施形態と同様に排水桝１の設置条件
を緩和することができ、地表に比較的近い位置に排水桝
１を設置しても、確実に排水桝１の凍結を防止して速や
かに排水することができる。

【００２０】なお、この場合、排水管４に設ける線状発
熱体等よりなる凍結防止用のヒータ７と排水桝１の底面
に設ける面状発熱体等よりなる電気ヒータ１６との電源
を共用することができると共に、排水桝１より下流側の
排水管５に凍結防止対策を施す場合にも、その電源を共
用することができ、このように電源を共用することによ
って、その回路構成を簡素化することができる。

【００２１】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る屋
外排水設備における凍結防止装置によると、排水管及び
排水桝にそれぞれ凍結防止用のヒータ及び凍結防止用の
加熱機構を付設して排水管及び排水桝を加熱できるよう
にし、いかなる条件下でも排水管及び排水桝が凍結しな
いようにしているため、凍結による排水の溢出流を防止
することができる。従って、寒冷地でも、地表に比較的
近い位置に排水桝を設置することができる等、その設置
条件を緩和できると共に、地表に比較的近い位置に排水
桝を設置しても、確実に凍結を防止して速やかに排水す
ることができる。また、特に、排水桝の加熱源として井
水を利用することによって、電気エネルギーを不要と
し、加熱のためのエネルギーを最小限に抑え、省エネル
ギー化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態に係る屋外排水設備に
おける凍結防止装置の構成を示す縦断面図である。

【図２】本発明の第１の実施形態に係る屋外排水設備に
おける凍結防止装置の排水管の構成を示す断面図であ
る。

【図３】本発明の第２の実施形態に係る屋外排水設備に
おける凍結防止装置の構成を示す縦断面図である。

【図４】本発明の第２の実施形態に係る屋外排水設備に
おける凍結防止装置の井水又は温水ヒータの構成を示す
鳥瞰図である。

【図５】本発明の第３の実施形態に係る屋外排水設備に
おける凍結防止装置の構成を示す縦断面図である。

【図６】従来の屋外排水設備の基本構成を示す構成図で
ある。

【符号の説明】

１ 排水桝 ４，５ 排水管 ７ ヒータ ８ 保温材 ９ カラー鉄板ラッキング １０ 井水管又は温水
管 １２ 井水又は温水ヒータ １６ 電気ヒータ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物の屋内側から屋外側への排水管の途
   中に排水桝を設置してなる屋外排水設備において、 前記排水桝より上流側の排水管に凍結防止用のヒータを
   設けると共に、前記排水桝に凍結防止用の加熱機構を付
   設してなることを特徴とする屋外排水設備における凍結
   防止装置。
2. 【請求項２】 前記加熱機構を、前記排水桝に接続さ
   れ、同排水桝内に常時一定量の井水又は温水を供給する
   井水管又は温水管により構成してなることを特徴とする
   請求項１記載の屋外排水設備における凍結防止装置。
3. 【請求項３】 前記加熱機構を、前記排水桝に付設さ
   れ、井水又は温水を流す井水又は温水ヒータにより構成
   してなることを特徴とする請求項１記載の屋外排水設備
   における凍結防止装置。
4. 【請求項４】 前記加熱機構を、前記排水桝に付設され
   た電気ヒータにより構成してなることを特徴とする請求
   項１記載の屋外排水設備における凍結防止装置。
5. 【請求項５】 前記排水管の凍結防止用のヒータを、電
   気ヒータにより構成し、その外側に防水保温材を巻いて
   なることを特徴とする請求項１記載の屋外排水設備にお
   ける凍結防止装置。
6. 【請求項６】 前記排水桝の流出側の排水管が凍結深度
   より浅い場合、同排水管に凍結防止用のヒータを付設し
   てなることを特徴とする請求項１記載の屋外排水設備に
   おける凍結防止装置。